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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】除細動システムおよび除細動カテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/39 20060101AFI20221220BHJP
   H01R 13/46 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
A61N1/39
H01R13/46 C
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019569109
(86)(22)【出願日】2019-01-29
(86)【国際出願番号】 JP2019002880
(87)【国際公開番号】W WO2019151210
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2021-11-19
(31)【優先権主張番号】P 2018016755
(32)【優先日】2018-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】弁理士法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂本 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】上山 大地
(72)【発明者】
【氏名】前久保 尚武
【審査官】白川 敬寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-063708(JP,A)
【文献】国際公開第2016/182876(WO,A1)
【文献】特表平11-505361(JP,A)
【文献】米国特許第04442840(US,A)
【文献】米国特許第05366496(US,A)
【文献】特開2016-087360(JP,A)
【文献】実開昭53-163588(JP,U)
【文献】実開昭57-128783(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/39
A61M 25/092
H01R 13/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位側にハンドル部を有し遠位側に心内電極を有する除細動カテーテルと、該除細動カテーテルにパルス電圧を印加する電源部とを含む除細動システムであって、
前記ハンドル部には、前記心内電極に接続されている第1コネクタ部が接続されており、前記電源部には前記第1コネクタ部に接続される第2コネクタ部が接続されており、
前記第1コネクタ部は、第1絶縁部材と、該第1絶縁部材から突出する複数本の第1電極と、前記第1絶縁部材および前記第1電極とを内包する第1筒部とを有し、
前記第2コネクタ部は、複数本の縦穴を備えている第2絶縁部材と、前記縦穴の内側面に形成されている第2電極と、前記第2絶縁部材を内包する第2筒部とを有し、
前記第1筒部は、前記第1筒部の近位端から遠位側に向かって順に、前記第1絶縁部材も前記第1電極も内包していない第3空間、前記第1絶縁部材を内包せず前記第1電極を内包している第2空間、前記第1絶縁部材の外方かつ前記第1筒部の内方に前記第2筒部の少なくとも一部を収容する第1空間を有していることを特徴とする除細動システム。
【請求項2】
前記第2絶縁部材の縦穴は、前記第2絶縁部材の遠位端から近位側に延びるように形成されており、前記縦穴の遠位側において内側面に前記第2電極が形成されていない部分を有している請求項1に記載の除細動システム。
【請求項3】
前記第1コネクタ部が前記第2コネクタ部に接続されている状態において、前記第1コネクタ部の第1絶縁部材と前記第2コネクタ部の第2絶縁部材とは互いに当接している請求項1または2に記載の除細動システム。
【請求項4】
前記第1コネクタ部が前記第2コネクタ部に接続されている状態において、前記第1コネクタ部の第1筒部の先端は前記第2コネクタ部の一部に当接しており、前記第2コネクタ部の第2筒部の先端は、前記第1コネクタ部のいずれの箇所にも当接していない請求項1~3のいずれか一項に記載の除細動システム。
【請求項5】
前記第2筒部は、近位側に、前記第2絶縁部材と前記第2電極を内包している第2空間を有し、遠位側に、前記第2絶縁部材も前記第2電極も内包していない第3空間を有している請求項1~4のいずれか一項に記載の除細動システム。
【請求項6】
前記第2筒部の軸方向における前記第3空間の長さは、前記第1筒部の軸方向における前記第3空間の長さよりも短い請求項5に記載の除細動システム。
【請求項7】
前記心内電極として、心内電極Aと心内電極Bが設けられ、
前記第1コネクタ部として、前記心内電極Aに接続されている第1-Aコネクタ部と、前記心内電極Bに接続されている第1-Bコネクタ部が設けられ、
前記第2コネクタ部として、前記第1-Aコネクタ部に接続される第2-Aコネクタ部と、前記第1-Bコネクタ部に接続される第2-Bコネクタ部が設けられている請求項1~6のいずれか一項に記載の除細動システム。
【請求項8】
前記第1-Aコネクタ部は前記第2-Aコネクタ部に接続されるが前記第2-Bコネクタ部に接続されない構成を有しており、前記第1-Bコネクタ部は前記第2-Bコネクタ部に接続されるが前記第2-Aコネクタ部に接続されない構成を有している請求項7に記載の除細動システム。
【請求項9】
前記第2コネクタ部には、前記第1コネクタ部との接続解除部が形成されている請求項1~8のいずれか一項に記載の除細動システム。
【請求項10】
前記除細動システムは、前記電源部に接続され、前記除細動カテーテルの計測データを心電図に変換する心電図表示部をさらに含み、
前記第2電極は、前記電源部の除細動カテーテルにパルス電圧を印加する電源に接続され、さらに前記心電図表示部に接続されているα第2電極と、前記電源に接続されず前記心電図表示部に接続されているβ第2電極とを含んでいる請求項1に記載の除細動システム。
【請求項11】
前記α第2電極と前記β第2電極との間の距離のうち最も短いものは、前記α第2電極同士の距離のうち最も短いものよりも長い請求項10に記載の除細動システム。
【請求項12】
遠近方向に延在しているチューブ部材と、該チューブ部材の遠位側に形成されている心内電極と、該チューブ部材の近位側に形成されているハンドル部と、一方が該ハンドル部を経由して前記心内電極に接続されており他方が電源部に接続される第1コネクタ部とを有する除細動カテーテルであって、
前記第1コネクタ部は、第1絶縁部材と、該第1絶縁部材から突出する複数本の第1電極と、前記第1絶縁部材および前記第1電極とを内包する第1筒部とを有し、
前記第1筒部は、前記第1筒部の近位端から遠位側に向かって順に、前記第1絶縁部材も前記第1電極も内包していない第6空間、前記第1絶縁部材を内包せず前記第1電極を内包している第5空間、前記第1絶縁部材の外方かつ前記第1筒部の内方に存在している第4空間を有していることを特徴とする除細動カテーテル。
【請求項13】
前記心内電極として、心内電極Aと心内電極Bが設けられ、
前記第1コネクタ部として、前記心内電極Aに接続されている第1-Aコネクタ部と、前記心内電極Bに接続されている第1-Bコネクタ部が設けられ、
前記複数の第1電極のうち一部は前記心内電極Aまたは前記心内電極Bに接続されているα第1電極であり、他部は前記心内電極Aにも前記心内電極Bにも接続されておらず前記チューブ部材の遠位側に形成されている心内電極Cに接続されているβ第1電極である請求項12に記載の除細動カテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除細動カテーテルと電源部を有する除細動システム、および除細動カテーテルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
心房細動や心室細動等の不整脈の治療では、電気的刺激を付与することで心臓のリズムを正常に戻す除細動処置が行われる。除細動処置では、自動体外式除細動器(Automated External Defibrillator:AED)、植え込み型除細動器(Implantable Cardioverter Defibrillator:ICD)、除細動パドルシステム、除細動カテーテルシステムが用いられる。なかでも、除細動カテーテルシステムは、体外式除細動器に比べて低エネルギーの電圧波形を用いることができるため、患者の負担が軽減され、さらには不整脈のカテーテル検査や焼灼手術中に使用することもできる点で有利である。
【0003】
除細動カテーテルシステムは、通常、除細動カテーテルと電源部とを有するシステムから構成され、除細動カテーテルの遠位側に設けられた心内電極が、導線を介して電源部と電気的に接続されている。これにより、電源部からのパルス電圧を心内電極を通じて患者の心臓に印加することができる。例えば特許文献1には、除細動カテーテルと電源部とが接続された電気回路を有する除細動システムが開示されている。具体的には、特許文献1に記載の細動除去カテーテル装置は、近位端領域と遠位端領域とを有するたわみ性且つ絶縁性のカテーテル本体と、遠位先端電極と、双極リング電極と、遠位ばね電極と、近位ばね電極と、遠位管部分と、近位管部分と、全体を囲うシース部分と、全体的な機能を果たす諸種の導線とを主要構成要素としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平5-115567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
除細動カテーテルを用いた除細動処置では、カテーテルを電源部に電気的に接続した上で除細動処置を行うが、この際、例えば最大600V程度の高電圧回路が形成される。そのため、除細動カテーテルと電源部との接続には十分な安全性の確保が求められる。本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、除細動カテーテルと電源部を有する除細動システムであって、除細動カテーテルと電源部とを安全に接続することができる除細動システムおよび除細動カテーテルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決することができた本発明の除細動システムとは、近位側にハンドル部を有し遠位側に心内電極を有する除細動カテーテルと、除細動カテーテルにパルス電圧を印加する電源部とを含む除細動システムであって;ハンドル部には、心内電極に接続されている第1コネクタ部が接続されており、電源部には第1コネクタ部に接続される第2コネクタ部が接続されており;第1コネクタ部は、第1絶縁部材と、第1絶縁部材から突出する複数本の第1電極と、第1絶縁部材および第1電極とを内包する第1筒部とを有し;第2コネクタ部は、複数本の縦穴を備えている第2絶縁部材と、縦穴の内側面に形成されている第2電極と、第2絶縁部材を内包する第2筒部とを有し;第1筒部は、ハンドル部に近い側から順に、第1絶縁部材の外方かつ第1筒部の内方に第2筒部の少なくとも一部を収容する第1空間、第1絶縁部材を内包せず第1電極を内包している第2空間、第1絶縁部材も第1電極も内包していない第3空間を有しているところに特徴を有する。
【0007】
本発明の除細動システムは、第1コネクタ部を第2コネクタ部に接続することにより、除細動カテーテルと電源部とを電気的に接続することができる。この際、カテーテル側の第1コネクタ部は、入口から奥まった部分にある第1空間と、複数本の第1電極を含み複雑な構造を有する第2空間とを有しており、これらの空間はいずれも比較的埃が溜まりやすい構造となっているところ、第1コネクタ部はカテーテルのハンドル部に接続されており、カテーテルによる施術ごとに新しいものを使用するため、第1コネクタ部に第1空間と第2空間が形成されていても、使用の際に第1空間や第2空間に埃が蓄積されることが起こりにくく、安全性が確保される。第1コネクタ部にさらに、第3空間があることにより、操作者の指先が第1電極に触れにくく、患者の心臓に静電気などによる電撃を与えるリスクを低減することができる。一方、電源部側の第2コネクタ部は、第2筒部内の構造が比較的単純であるため、繰り返し使用しても使用の継続に伴って埃が蓄積することが抑えられ、それによる電気的不具合の発生が起こりにくい。また、第2コネクタ部は第2電極が第2絶縁部材の縦穴の内側面に形成されているため、操作者の指先が第2電極に触れにくく、感電を防止することもできる。そのため、第1コネクタ部と第2コネクタ部との接続の際の安全性を高めることができる。
【0008】
第2絶縁部材の縦穴は、第1絶縁部材に近い側において内側面に第2電極が形成されていない部分を有していることが好ましい。
【0009】
第1コネクタ部が第2コネクタ部に接続されている状態において、第1コネクタ部の第1絶縁部材と第2コネクタ部の第2絶縁部材とは互いに当接していることが好ましい。また、第1コネクタ部に接続されている状態において、第1コネクタ部の第1筒部の先端は第2コネクタ部の一部に当接しており、第2コネクタ部の第2筒部の先端は、第1コネクタ部のいずれの箇所にも当接していないことも好ましい。
【0010】
第2筒部は、電源部側に、第2絶縁部材と第2電極を内包している第2空間を有し、ハンドル部側に、第2絶縁部材も第2電極も内包していない第3空間を有していることが好ましい。この場合において、第2筒部の軸方向における第3空間の長さは、第1筒部の軸方向における第3空間の長さよりも短いことが好ましい。
【0011】
除細動システムは、心内電極として心内電極Aと心内電極Bが設けられ、第1コネクタ部として、心内電極Aに接続されている第1-Aコネクタ部と、心内電極Bに接続されている第1-Bコネクタ部が設けられ、第2コネクタ部として、第1-Aコネクタ部に接続される第2-Aコネクタ部と、第1-Bコネクタ部に接続される第2-Bコネクタ部が設けられていることが好ましい。この場合、第1-Aコネクタ部は第2-Aコネクタ部に接続されるが第2-Bコネクタ部に接続されない構成を有しており、第1-Bコネクタ部は第2-Bコネクタ部に接続されるが第2-Aコネクタ部に接続されない構成を有していることが好ましい。
【0012】
第2コネクタ部には、第1コネクタ部との接続解除部が形成されていることが好ましい。
【0013】
除細動システムは、電源部に接続され、除細動カテーテルの計測データを心電図に変換する心電図表示部をさらに含むものであってもよい。この場合、第2電極は、電源部の除細動カテーテルにパルス電圧を印加する電源に接続され、さらに心電図表示部に接続されているα第2電極と、電源部の電源に接続されず心電図表示部に接続されているβ第2電極とを含むものであってもよい。また、α第2電極とβ第2電極との間の距離のうち最も短いものは、α第2電極同士の距離のうち最も短いものよりも長いことが好ましい。
【0014】
本発明はまた、上記の除細動システムの取扱方法であって、第1コネクタ部を静止させた状態で第2コネクタ部を第1コネクタ部側に前進させることにより差し込むことを特徴とする除細動システムの取扱方法も提供する。
【0015】
本発明はさらに、遠近方向に延在しているチューブ部材と、チューブ部材の遠位側に形成されている心内電極と、チューブ部材の近位側に形成されているハンドル部と、一方がハンドル部を経由して心内電極に接続されており他方が電源部に接続される第1コネクタ部とを有する除細動カテーテルであって;第1コネクタ部は、第1絶縁部材と、第1絶縁部材から突出する複数本の第1電極と、第1絶縁部材および第1電極とを内包する第1筒部とを有し;第1筒部は、ハンドル部に近い側から順に、第1絶縁部材の外方かつ第1筒部の内方に存在している第4空間、第1絶縁部材を内包せず第1電極を内包している第5空間、第1絶縁部材も第1電極も内包していない第6空間を有する除細動カテーテルも提供する。
【0016】
除細動カテーテルは、心内電極として心内電極Aと心内電極Bが設けられ、第1コネクタ部として、心内電極Aに接続されている第1-Aコネクタ部と、心内電極Bに接続されている第1-Bコネクタ部が設けられていることが好ましい。このとき、複数の第1電極のうち一部は心内電極Aまたは心内電極Bに接続されているα第1電極であり、他部は心内電極Aにも心内電極Bにも接続されておらずチューブ部材の遠位側に形成されている心内電極Cに接続されているβ第1電極であるものであってもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の除細動システムおよび除細動カテーテルでは、カテーテル側の第1コネクタ部に、入口から奥まった部分にある第1空間と、複数本の第1電極を含み複雑な構造を有する第2空間とが形成されている。これらの空間はいずれも比較的埃が溜まりやすい構造となっているところ、第1コネクタ部はカテーテルのハンドル部に接続されており、カテーテルによる施術ごとに新しいものを使用するため、第1コネクタ部に第1空間と第2空間が形成されていても、使用の際に第1空間や第2空間に埃が蓄積されることが起こりにくい。また、第1コネクタ部にさらに、第3空間があることにより、操作者の指先が第1電極に触れにくく、患者の心臓に静電気などによる電撃を与えるリスクを低減することができる。一方、電源部側の第2コネクタ部は、第2筒部内の構造が比較的単純であるため、繰り返し使用しても使用の継続に伴って埃が蓄積することが抑えられ、それによる電気的不具合の発生が起こりにくい。また、第2コネクタ部は第2電極が第2絶縁部材の縦穴の内側面に形成されているため、操作者の指先が第2電極に触れにくく、感電を防止することもできる。そのため、第1コネクタ部を対応するコネクタ部に接続して除細動カテーテルと電源部とを電気的に接続する際の安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】除細動システムの全体図を表す。
図2】第1コネクタ部と第2コネクタ部の非接続状態の軸方向断面図表す。
図3】第1コネクタ部と第2コネクタ部の接続状態の軸方向断面図を表す。
図4】第1コネクタ部と第2コネクタ部の軸方向垂直断面図を表す。
図5】除細動カテーテルの全体図を表す。
図6】第1コネクタ部の軸方向断面図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、除細動カテーテルと、除細動カテーテルを有する除細動システムに関するものである。除細動カテーテルは、遠位側に心内電極を備えたチューブ部材と、チューブ部材の近位側に設けられたハンドル部とから構成され、チューブ部材を患者の血管内を通って心臓まで到達させて心内電極にパルス電圧を印加することにより、除細動処置を行うことができる。除細動システムでは、除細動カテーテルが電源部に電気的に接続されており、電源部から除細動カテーテルの心内電極にパルス電圧を印加することができる。除細動システムでは最大600V程度の高電圧回路が形成されうるが、本発明はこのような除細動システムにおいて、除細動カテーテルと電源部とを安全に接続することを可能とするものである。
【0020】
以下、下記実施の形態に基づき本発明の除細動カテーテルや除細動システムを具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
【0021】
図1を参照して、除細動システムの全体を説明する。図1には、除細動カテーテルと電源部とを含む除細動システムの概略図を示した。
【0022】
除細動カテーテル1は、チューブ部材2と、チューブ部材2の近位側に設けられたハンドル部3とを有する。チューブ部材2の遠位側には心内電極4が設けられており、チューブ部材2の内部に導線が配置されている。除細動カテーテル1は、チューブ部材2を患者の血管内を通って心臓まで到達させて、心臓の除細動処置に用いられる。カテーテルおよび除細動システムにおいて、近位側とは、カテーテルの延在方向を基準として使用者すなわち術者の手元側の方向を指し、遠位側とは近位側の反対方向、すなわち処置対象側の方向を指す。
【0023】
チューブ部材2は、可撓性を有する管状構造を有しており、遠近方向に延在している。チューブ部材2は、例えば、ポリオレフィン樹脂(例えば、ポリエチレンやポリプロピレン)、ポリアミド樹脂(例えば、ナイロン)、ポリエステル樹脂(例えば、PET)、芳香族ポリエーテルケトン樹脂(例えば、PEEK)、ポリエーテルポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂(例えば、PTFE、PFA、ETFE)等の合成樹脂や、ステンレス鋼、炭素鋼、ニッケルチタン合金等の金属から構成することができる。チューブ部材2の軸方向(遠近方向)の長さは、ハンドル部3の同方向の長さの数倍から数十倍程度長くなっており、例えば、500mm~1200mm程度である。チューブ部材2の外径は、例えば、0.6mm~3mm程度とすればよい。
【0024】
チューブ部材2の遠位側には、心内電極4が設けられている。心内電極4は複数設けられ、具体的には、印加電極である心内電極Aと心内電極Bが少なくとも設けられ、さらに心電測定用の心内電極Cが設けられてもよい。図1に示したカテーテル1では、例えば、チューブ部材2の遠位側の電極群5を心内電極Aとし、近位側の電極群6を心内電極Bとすることができる。心内電極Cについては、心内電極Aと心内電極Bの間の電極群7を心内電極Cとしてもよく、心内電極Bの近位側に心内電極Cを設けてもよく、心内電極Aおよび/または心内電極Bが心電測定の機能を有してもよい。
【0025】
心内電極4は、例えば、銅、金、白金、アルミニウム、鉄、またはこれらの合金等の金属材料から構成することができる。なお、カテーテルの使用時におけるX線に対する造影性を良好にするために、心内電極4は、白金またはその合金から構成されていることが好ましい。
【0026】
チューブ部材2は内腔を有しており、内部に1つの内腔を有するシングルルーメン構造であっても、複数の内腔を有するマルチルーメン構造のいずれであってもよい。チューブ部材2の内腔には、チューブ部材2の遠位側に設けられた心内電極4に接続した導線が配置される。導線としては、少なくとも心内電極Aに接続した導線Aと心内電極Bに接続した導線Bが設けられることが好ましく、各導線がチューブ部材2の内腔に配置される。導線は導線群であってもよい。
【0027】
ハンドル部3はチューブ部材2の近位側に設けられ、カテーテルとして組み立てた際には、導線の遠位側がチューブ部材2の心内電極4に接続され、近位側がハンドル部3を通って第1コネクタ部11に接続される。そして、第1コネクタ部11が第2コネクタ部21と接続されることによって、心内電極4が電源部8や心電図表示部に電気的に接続される。
【0028】
導線は、少なくとも導電性材料を含んで構成されていればよく、例えば、鉄線、銀線、ステンレス線、銅線、タングステン線、ニッケルチタン線等を用いることができる。導線は、導電性材料を芯材として含み、当該芯材が絶縁性材料で被覆されていることが好ましい。絶縁性材料としては、フッ素樹脂(例えば、PTFE、PFA、FEP、ETFE)、ポリオレフィン樹脂(例えば、ポリエチレンやポリプロピレン)、ポリ塩化ビニル樹脂等を用いることができる。
【0029】
チューブ部材2の内腔には、チューブ部材2の遠位側を屈曲させるためのワイヤが配置されることも好ましい。チューブ部材2の内腔に配されるワイヤは1本であっても複数本であってもよい。ワイヤの遠位側はチューブ部材2、例えば、チューブ部材2の遠位端部分に固定され、近位側がハンドル部3に固定される。
【0030】
ワイヤはチューブ部材2の遠位側を屈曲させるために設けられる。ハンドル部3を操作してワイヤを近位側に牽引することにより、チューブ部材2の遠位側を屈曲させることができる。あるいは、ワイヤを遠位側に押し出すことによってチューブ部材2の遠位側を屈曲させてもよい。ワイヤは、例えば、ステンレス鋼、炭素鋼、ニッケルチタン合金等の金属線材や、ポリアミド樹脂(例えば、ナイロン)、ポリオレフィン樹脂(例えば、ポリエチレンやポリプロピレン)、ポリエステル樹脂(例えば、PET)、芳香族ポリエーテルケトン樹脂(例えば、PEEK)、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂(例えば、PTFE、PFA、FEP、ETFE)等の合成樹脂から形成された線条を用いることができる。ワイヤの径(直径)としては、例えば、100μm~500μm程度とすることができる。ワイヤは、コイル状の金属や合成樹脂によって形成された筒体によって被覆されていてもよい。
【0031】
除細動カテーテル1は電圧を印加する電源部8を接続し、心内電極4を患者の心臓に接触させることにより使用することができ、例えば心内電極Aと心内電極Bの間で最大600V程度のパルス電圧を印加することにより、除細動処置を行うことができる。電源部8は、除細動カテーテル1にパルス電圧を印加する電源を備え、心内電極Aと心内電極Bは当該電源に接続される。心内電極Aと心内電極Bはそれぞれ1つのみ設けられてもよく複数設けられてもよいが、インピーダンスを下げ、効率の良い除細動処置を行えるようにする点から、心内電極Aと心内電極Bはそれぞれ複数設けられることが好ましい。心内電極Aには導線Aが接続され、心内電極Bには導線Bが接続され、これら導線Aと導線Bがチューブ部材2内を通ってハンドル部3の近位側まで延在して設けられる。
【0032】
カテーテル1に心電図表示部が接続される場合は、心内電極A、心内電極B、および心内電極Cによって心内電位の測定を行うことができる。心電図表示部は、除細動カテーテル1で計測した心内電位を心内心電図として表示する。心内電極Cは1つのみ設けられてもよく複数設けられてもよいが、通常は複数設けられる。心内電極Cには導線Cが接続され、導線Cがチューブ部材2内を通ってハンドル部3の近位側まで延在して設けられる。この場合、カテーテル1は、電源部8を経由して心電図表示部と接続してもよく、電源部8を経由せずに心電図表示部と接続してもよい。心電図表示部を含む除細動システムでは、カテーテル1の心内電極4により計測した心内電位を心内心電図として表示することができる。
【0033】
ハンドル部3には、心内電極4に接続されている第1コネクタ部11が接続されている。図1では、ハンドル部3に、心内電極Aに接続されている第1-Aコネクタ部11Aと、心内電極Bに接続されている第1-Bコネクタ部11Bが接続されている。第1-Aコネクタ部11Aは、チューブ部材2内およびハンドル部3内に配置された導線Aを介して心内電極Aに接続され、第1-Bコネクタ部11Bは、チューブ部材2内およびハンドル部3内に配置された導線Bを介して心内電極Bに接続されている。第1-Aコネクタ部11Aは、一方側がハンドル部3を経由して心内電極Aに接続され、他方側が電源部8に電気的に接続され、第1-Bコネクタ部11Bは、一方側がハンドル部3を経由して心内電極Bに接続され、他方側が電源部8に電気的に接続される。なお図面には示していないが、第1コネクタ部11は1つのみ設けられるものであってもよく、この場合、心内電極Aに接続された導線Aと心内電極Bに接続された導線Bが同一の第1コネクタ部11に接続されてもよい。本明細書では、以下において、第1-Aコネクタ部11Aと第1-Bコネクタ部11Bをまとめて、「第1コネクタ部」と称する場合がある。また、本発明における電気的な「接続」には、直接接続と間接接続が含まれる。
【0034】
第1コネクタ部11は、筒状部材内にオス型端子が設置されて構成されている。第1コネクタ部11の内部構造について、図2を参照して詳しく説明する、図2には、第1コネクタ部と後述する第2コネクタ部の軸方向断面図が示されている。図2では、図の右側が電源部8側、すなわち近位側を表し、図の左側がハンドル部3側、すなわち遠位側を表す。
【0035】
第1コネクタ部11は、第1絶縁部材12と、第1絶縁部材12から突出する複数本の第1電極13と、第1絶縁部材12および第1電極13とを内包する第1筒部14とを有している。第1絶縁部材12は、第1電極13が突出する基盤となる部材であり、セラミックやプラスチック等の絶縁材料から構成することができる。第1電極13は、第1絶縁部材12から少なくとも近位側に突出してピン状に設けられており、銅、金、白金、アルミニウム、鉄、またはこれらの合金等の金属材料から構成することができる。第1電極13は、導線を介して心内電極4に電気的に接続されている。図2では、第1電極13は、第1絶縁部材12を第1筒部14の軸方向に貫通して設けられ、第1絶縁部材12から遠位側にも突出して設けられている。そして、第1絶縁部材12から遠位側に突出して設けられた第1電極13が導線との接続端子18となっている。第1筒部14は第1電極13を保護するための部材であり、筒形状を有している。第1筒部14は、筒形状の軸方向が第1電極13の延在方向と略一致するように形成され、当該筒形状の軸を取り囲むように第1筒部14の周壁部が形成される。第1筒部14は、セラミックやプラスチック等の絶縁材料から構成することができる。第1絶縁部材12と第1電極13は、第1筒部14の近位端よりも遠位側に位置するように設けられ、これにより第1絶縁材料と第1電極13が第1筒部14に内包されるように形成される。
【0036】
第1コネクタ部11は、上記のように構成されることにより、操作者が第1電極13に触れることなく、第1筒部14を持って、後述する第2コネクタ部21との接続操作や脱離操作を安全に行うことができる。また、第1コネクタ部11は、第1絶縁部材12から複数本の第1電極13が突出して形成されているが、第2コネクタ部21と接続せずに第1電極13が露出した状態では第1電極13には高電圧がかからないため、仮に第1電極13に操作者の指先などが触れたとしても、それによって操作者が感電するリスクを排除することができる。
【0037】
第1コネクタ部11は、例えば、第1絶縁部材12よりも第1筒部14の方が比誘電率が低くなるように構成することができる。これにより第1-Aコネクタ部11Aと第1-Bコネクタ部11Bとの間での相互誘電を抑え、相互の電磁的影響を抑えることができる。これとは逆に、第1絶縁部材12の方が第1筒部14よりも比誘電率が低くなるように構成してもよく、例えば第1コネクタ部11内に異極の電極を設ける場合などは第1絶縁部材12が高い絶縁性を有することが好ましく、つまり第1絶縁部材12の比誘電率が低いことが好ましい。
【0038】
第1コネクタ部11には第1電極13が複数設けられるが、複数の第1電極13のうち一部は、印加電極である心内電極Aまたは心内電極Bに接続されるα第1電極であり、他部は心内電極Aにも心内電極Bにも接続されておらず心電測定用の心内電極Cに接続されているβ第1電極であってもよい。このように第1電極13が構成されていれば、カテーテル1は、除細動処置とともに心電測定を行えるものとなり、しかも除細動処置と心電測定を同時に行うことも可能となる。この場合、第1-Aコネクタ部11Aと第1-Bコネクタ部11Bのそれぞれが、α第1電極とβ第1電極を備えていてもよい。なお、心内電極Aまたは心内電極Bが心電測定用電極を兼ねる場合は、α第1電極が心内電極Aまたは心内電極Bに接続されるとともに、β第1電極も心内電極Aまたは心内電極Bに接続されるように構成されればよい。
【0039】
第1コネクタ部11では、α第1電極とβ第1電極との間の距離のうち最も短いものは、α第1電極同士の距離のうち最も短いものよりも長いことが好ましい。心電測定用のβ第1電極が電圧印加用のα第1電極からある程度離れて設けられることにより、α第1電極からβ第1電極へのリークを防ぎ、安全性を高めることができる。
【0040】
除細動システムにおいて、第1コネクタ部11は第2コネクタ部21に接続されるように構成され、第2コネクタ部21が電源部8に接続されている。図1では、第1-Aコネクタ部11Aが第2-Aコネクタ部21Aに接続されるように構成され、第1-Bコネクタ部11Bが第2-Bコネクタ部21Bに接続されるように構成される。そして、第2-Aコネクタ部21Aと第2-Bコネクタ部21Bがそれぞれ、電源部8に接続されている。従って、電源部8には、第1-Aコネクタ部11Aに接続される第2-Aコネクタ部21Aと、第1-Bコネクタ部11Bに接続される第2-Bコネクタ部21Bが、接続されることとなる。これにより、電源部8からのパルス電圧を、第2-Aコネクタ部21Aと第1-Aコネクタ部11Aを経由して心内電極Aに印加するとともに、第2-Bコネクタ部21Bと第1-Bコネクタ部11Bを経由して心内電極Bに印加することができる。なお、以下において、第2-Aコネクタ部21Aと第2-Bコネクタ部21Bをまとめて、「第2コネクタ部」と称する場合がある。
【0041】
第2コネクタ部21は、筒状部材内にメス型端子が設置されて構成されている。具体的には、図2に示すように、第2コネクタ部21は、複数本の縦穴を備えている第2絶縁部材22と、縦穴の内側面に形成されている第2電極23と、第2絶縁部材22を内包する第2筒部24とを有している。第2絶縁部材22は、縦穴状の第2電極23を形成する基材となる部材であり、セラミックやプラスチック等の絶縁材料から構成することができる。第2絶縁部材22には複数本の縦穴が形成されており、当該縦穴は第2絶縁部材22の遠位端面から近位側に延びるように形成されている。第2電極23はこの縦穴の内側面に形成されており、銅、金、白金、アルミニウム、鉄、またはこれらの合金等の金属材料から構成することができる。第2電極23は、導線等を介して電源部8に電気的に接続されている。図2では、第2絶縁部材22内で第2電極23に接続するとともに、第2絶縁部材22から近位側に突出した接続端子27が設けられており、電源部8に接続した導線が接続端子27と接続される。第2筒部24は第2電極23や第2絶縁部材22を保護するための部材であり、筒形状を有している。第2筒部24は、筒形状の軸方向が第2電極23が形成される縦穴の延在方向と略一致するように形成され、当該筒形状の軸を取り囲むように第2筒部24の周壁部が形成される。第2筒部24は、セラミックやプラスチック等の絶縁材料から構成することができる。第2絶縁部材22は、第2筒部24の遠位端よりも近位側に位置するように設けられ、これにより第2絶縁材料22が第2筒部24に内包される。
【0042】
第2コネクタ部21は、上記のように構成されることにより、操作者が第2電極23や第2絶縁部材22に触れることなく、第2筒部24を持って、第1コネクタ部11との接続操作や脱離操作を安全に行うことができる。特に、第2コネクタ部21は電源部8に接続しているため高い安全性が確保されることが望まれるところ、第2コネクタ部21は第2電極23が第2絶縁部材22の縦穴の内側面に形成されているため、仮に操作者の指先などが第2絶縁部材22に触れることがあったとしても、さらに第2電極23に触れるようなことが起こりにくい。また、第2コネクタ部21内において、隣接する第2電極23間の沿面距離を確保しやすくなる。なお、操作者の指などが第2電極23にさらに触れにくくするとともに、隣接する第2電極23間の沿面距離をより長く確保する観点から、第2絶縁部材22の縦穴は、第1絶縁部材12に近い側、すなわち当該縦穴の遠位側において、内側面に第2電極23が形成されていない部分を有していることが好ましい。例えば、第2電極23は、第2絶縁部材22の縦穴の入口から0.5mm以内の範囲には形成されないことが好ましく、1mm以内の範囲に形成されないことがより好ましい。
【0043】
第2コネクタ部21は、例えば、第2絶縁部材22よりも第2筒部24の方が比誘電率が低くなるように構成することができる。これにより第2-Aコネクタ部21Aと第2-Bコネクタ部21Bとの間での相互誘電を抑え、相互の電磁的影響を抑えることができる。これとは逆に、第2絶縁部材22の方が第2筒部24よりも比誘電率が低くなるように構成してもよく、例えば第2コネクタ部21内に異極の電極を設ける場合などは第2絶縁部材22が高い絶縁性を有することが好ましく、つまり第2絶縁部材22の比誘電率が低いことが好ましい。
【0044】
第2電極23は、電源部8のパルス電圧を印加する電源に接続され、さらに心電図表示部に接続されているα第2電極と、パルス電圧を印加する電源には接続されずに心電図表示部に接続されているβ第2電極とを含んで構成されていてもよい。この場合、第1コネクタ部11と第2コネクタ部21とが接続する際、α第2電極がα第1電極と接続し、β第2電極がβ第1電極と接続することとなる。この場合、第2-Aコネクタ部21Aと第2-Bコネクタ部21Bのそれぞれが、α第2電極とβ第2電極を備えていてもよい。このように第2電極が設けられることより、カテーテル1は、除細動処置に加えて心電測定もできるものとなる。
【0045】
β第2電極は電源部8を介して心電図表示部に接続していてもよく、電源部8を介さずに心電図表示部に接続していてもよい。前者の場合、β第2電極がα第2電極とともに電源部8と接続し、電源部8が心電図表示部と接続することにより、β第2電極からの電気信号を電源部8を介して心電図表示部に入力することができる。後者の場合、第2コネクタ部からα第2電極に接続した導線とβ第2電極に接続した導線が分岐して設けられ、α第2電極に接続した導線が電源部8に接続され、β第2電極に接続した導線が心電図表示部に接続される。この場合、β第2電極は、電源部に接続されておらず心電図表示部に接続されるものとなる。なお、β第2電極が電源部8を介して心電図表示部に接続する場合、β第2電極は電源部8のパルス電圧を印加する電源には接続されない構成であることが好ましい。α第2電極が、電源部8の電源に接続され、さらに心電図表示部に接続されることによって、α第2電極に対応する電極を心電計測のために用いることができる。
【0046】
第2電極23としてα第2電極とβ第2電極が設けられる場合、α第2電極とβ第2電極との間の距離のうち最も短いものは、α第2電極同士の距離のうち最も短いものよりも長いことが好ましい。心電測定用のβ第2電極が電圧印加用のα第2電極からある程度離れて設けられることにより、沿面距離を確保できるため、α第2電極からβ第2電極へのリークを防ぎ、安全性を高めることができる。
【0047】
カテーテル1を使用する際、第2コネクタ部21は第1コネクタ部11に接続され、その際、第2コネクタ部21の少なくとも一部が第1コネクタ部11の第1筒部14内に収容される。図1に示した除細動システムでは、第2-Aコネクタ部21Aが第1-Aコネクタ部11Aに接続され、第2-Bコネクタ部21Bが第1-Bコネクタ部11Bに接続され、その際、第2-Aコネクタ部21Aの少なくとも一部が第1-Aコネクタ部11Aの第1筒部14内に収容され、第2-Bコネクタ部21Bの少なくとも一部が第1-Bコネクタ部11Bの第1筒部14内に収容される。第1コネクタ部11と第2コネクタ部21の接続方法について、図2および図3を参照して詳しく説明する。図2は、第1コネクタ部と第2コネクタ部の非接続状態の軸方向断面図を示し、図3は、第1コネクタ部と第2コネクタ部の接続状態の軸方向断面図を示している。図2および図3では、図の右側が近位側、すなわち電源部8側を表し、図の左側が遠位側、すなわちハンドル部3側を表す。
【0048】
第1コネクタ部11の第1筒部14は、ハンドル部3に近い側から順に、第1絶縁部材12の外方かつ第1筒部14の内方に第2筒部24の少なくとも一部を収容する第1空間15、第1絶縁部材12を内包せず第1電極13を内包している第2空間16、第1絶縁部材12も第1電極13も内包していない第3空間17を有するように形成されている。このように第1コネクタ部11を形成することにより、除細動システムの安全性を高めることができる。すなわち、第1空間15は第1コネクタ部11の入口から遠い奥まった部分にあり、第2空間16は複数本の第1電極13を含んでおり複雑な構造であるため、第1空間15と第2空間16はいずれも比較的埃が溜まりやすい構造となっているところ、第1コネクタ部11はハンドル部3に接続されており、カテーテルによる施術ごとに新しいものを使用するため、第1コネクタ部11に第1空間15と第2空間16が形成されていても、使用の際に第1空間15や第2空間16に埃が蓄積されることが起こりにくく、安全性が確保される。第1コネクタ部11にさらに、第3空間17があることにより、操作者の指先が第1電極13に触れにくく、患者の心臓に静電気などによる電撃を与えるリスクを低減することができる。一方、電源部8側の第2コネクタ部21は、第2筒部24内の構造が比較的単純であるため、繰り返し使用しても使用の継続に伴って埃が蓄積することが抑えられ、それによる電気的不具合の発生が起こりにくい。そのため、第1コネクタ部11と第2コネクタ部21との接続の際の安全性を高めることができる。なお、第1コネクタ部11の第1空間15は、埃が入り込みにくいように、第1絶縁部材12の外側面と第1筒部14の内側面との距離がある程度狭く形成されることが好ましく、例えば5mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましい。
【0049】
第2コネクタ部21については、第2筒部24が、電源部8側(近位側)に、第2絶縁部材22と第2電極23を内包している第2空間25を有し、ハンドル部3側(遠位側)に、第2絶縁部材22も第2電極23も内包していない第3空間26を有するように構成されることが好ましい。このように第2コネクタ部21の第2筒部24内に第3空間26が形成されることにより、操作者の指先などが第2絶縁部材22に触れにくくなり、第2コネクタ部21を扱う際の安全性を高めることができる。なお、第1コネクタ部11の第1筒部14には、第2筒部24を収容する第1空間15が形成されているが、第2コネクタ部21の第2筒部24には、第1筒部14を収容する空間は形成されない。
【0050】
第2コネクタ部21の第2筒部24の軸方向における第3空間26の長さは、第1コネクタ部11の第1筒部14の軸方向における第3空間17の長さよりも短いことが好ましい。第2筒部24は第1筒部14に比べて内径が小さいため、第2筒部24内に操作者の指先などが入り込みにくく、第2筒部24の第3空間26の長さを第1筒部14の第3空間17ほど長く形成しなくても、操作者の指先が第2絶縁部材22に触れるリスクを低減することができる。そのため、第2筒部24の第3空間26の軸方向の長さを短くすることで、第2コネクタ部21をコンパクトに形成することができる。一方、第1筒部14の第3空間17の軸方向の長さを長くとることで、操作者の指先が第1電極13に触れにくくなり、第1コネクタ部11を扱う際に、患者に対する安全性を高めることができる。なお、第2筒部24の第3空間26の長さを短く形成することで、第1筒部14の第1空間15や第2空間16の長さも短く形成することができるため、コネクタ構造の全体をコンパクトに形成することができる。
【0051】
第1コネクタ部11と第2コネクタ部21とが接続した状態では、第1コネクタ部11の第1空間15に第2コネクタ部21の第2筒部24の先端側(遠位側)が収容され、第2コネクタ部21の第3空間26に第1コネクタ部11の第1絶縁部材12の少なくとも一部が収容される。この際、第2コネクタ部21の第3空間26に第1コネクタ部11の第1電極13の一部が収容されてもよい。なお、第1コネクタ部11の第1空間15には、第2コネクタ部21の第2絶縁部材22と第2電極23は収容されない。第1コネクタ部11の第2空間16には、第2筒部24の一部が収容されるとともに、第2絶縁部材22と第2電極23の少なくとも一部が収容される。第2コネクタ部21の第2空間25には、縦穴が形成された第2絶縁部材22が内包され、この縦穴に第2電極23が形成されており、ここに第1コネクタ部11の第1電極13が挿入される。第1コネクタ部11の第3空間17には、第2筒部24の一部が収容され、第2絶縁部材22と第2電極23の一部がさらに収容されてもよい。
【0052】
第1コネクタ部11が第2コネクタ部21に接続されている状態において、第1コネクタ部11の第1絶縁部材12と第2コネクタ部21の第2絶縁部材22とは互いに当接していることが好ましい(図3を参照)。具体的には、第1-Aコネクタ部11Aの第2-Aコネクタ部21Aへの接続がこのような状態となることが好ましく、第1-Bコネクタ部11Bの第2-Bコネクタ部21Bへの接続がこのような状態となることが好ましい。第1コネクタ部11の第1絶縁部材12と第2コネクタ部21の第2絶縁部材22とが互いに当接していることにより、電極間に絶縁部材が存在しない部分がなくなり、沿面距離が確保できる。これにより、電気的リークのリスクを低減することができる。
【0053】
第1コネクタ部11と第2コネクタ部21はまた、第1コネクタ部11が第2コネクタ部21に接続されている状態において、第1コネクタ部11の第1筒部14の先端(近位端)が第2コネクタ部21の一部に当接しており、第2コネクタ部21の第2筒部24の先端(遠位端)が第1コネクタ部11のいずれの箇所にも当接していないことが好ましい。具体的には、第1-Aコネクタ部11Aの第2-Aコネクタ部21Aへの接続がこのような状態となることが好ましく、また、第1-Bコネクタ部11Bの第2-Bコネクタ部21Bのへの接続がこのような状態となることが好ましい。図2および図3では、第2コネクタ部21の第2筒部24の外径が、第2筒部24の先端(遠位端)から所定の長さ分離れた近位側で拡大して形成されており、これにより、第1コネクタ部11と第2コネクタ部21を接続した際に、第1コネクタ部11の第1筒部14の先端が第2コネクタ部21の第2筒部24の一部に当接するようになっている。このように第1コネクタ部11と第2コネクタ部21とが接続していれば、第1筒部14と第2筒部24の両方の内部に埃や液体などが入り込みにくくなり、第1電極13と第2電極23との接続の安全性をより高めることができる。
【0054】
第1コネクタ部11と第2コネクタ部21は、軸方向の垂直断面において、互いに嵌合可能に形成されていることが好ましい。具体的には、第1-Aコネクタ部11Aと第2-Aコネクタ部21Aがこのように形成されていることが好ましく、第1-Bコネクタ部11Bと第2-Bコネクタ部21Bがこのように形成されていることが好ましい。これにより、第1コネクタ部11と第2コネクタ部21とを接続した際に、第1電極13が第2電極23の適切な位置に接続することができる。例えば、第1コネクタ部11の第1筒部14の内側面と第2コネクタ部21の第2筒部24の外側面が、軸方向の垂直断面において、互いに嵌合可能に形成されていることが好ましい。
【0055】
図4(a)には、第1コネクタ部の第3空間での軸方向垂直断面図の一例を示し、図4(b)には、第2コネクタ部の第3空間での軸方向垂直断面図の一例を示した。図4では、第1コネクタ部11の第1筒部14の内側面に、第1筒部14の軸方向に延びる凹溝19が形成され、第2コネクタ部21の第2筒部24の外側面に、第2筒部24の軸方向に延びる凸条28が形成されている。凸条28は、第2筒部24を第1筒部14に挿入する際に、凹溝19に対応する位置に形成されている。また、凹溝19は、第1筒部14の近位端から遠位側に延びるように形成されている。このように第1コネクタ部11と第2コネクタ部21を形成することにより、第2筒部24を第1筒部14に挿入する際に凸条28が凹溝19に嵌合し、第1コネクタ部11と第2コネクタ部21とを互いに適切な位置で接続することができる。あるいは、第1コネクタ部11の第1筒部14の内側面に凸条を形成し、第2コネクタ部21の第2筒部24の外側面に凹溝を形成しても、第1コネクタ部11と第2コネクタ部21とを互いに適切な位置で接続することができる。
【0056】
第1コネクタ部11と第2コネクタ部21は、第2筒部24を第1筒部14の所定位置まで挿入することで互いに係合するように形成されていることが好ましい。具体的には、第1-Aコネクタ部11Aと第2-Aコネクタ部21Aがこのように形成されていることが好ましく、また、第1-Bコネクタ部11Bと第2-Bコネクタ部21Bがこのように形成されていることが好ましい。これにより、第1コネクタ部11と第2コネクタ部21とを安定して接続することができる。例えば、第1コネクタ部11の第1筒部14の内側面に押し込み可能な凸部を形成し、第2コネクタ部21の第2筒部24の外側面に凹部を形成し、第2筒部24を第1筒部14の所定位置まで挿入した際に第1筒部14の内側面の凸部が第2筒部24の外側面の凹部に嵌るように形成することができる。あるいは、第2コネクタ部21の第2筒部24の外側面に押し込み可能な凸部を形成し、第1コネクタ部11の第1筒部14の内側面に凹部を形成してもよい。凹部は、第1筒部14または第2筒部24の先端から離れた位置に形成される。
【0057】
上記のように形成された凸部は、突出方向と反対側に押し込むことによって凹部との係合が外れ、第1コネクタ部11と第2コネクタ部21との接続を解除することができる。このような凸部は、バネ機構を組み合わせることで押し込み可能にすることができ、接続解除部として機能させることができる。なお接続解除部は、カテーテルによる施術ごとに新しいものを使用する第1コネクタ部11よりも、繰り返し使用される第2コネクタ部21に形成されることが好ましく、これにより除細動システムのコスト低減を図ることができる。
【0058】
図1に示すように、第1コネクタ部11として第1-Aコネクタ部11Aと第1-Bコネクタ部11Bが設けられ、第2コネクタ部21として第2-Aコネクタ部21Aと第2-Bコネクタ部21Bが設けられる場合、第1-Aコネクタ部11Aは第2-Aコネクタ部21Aに接続されるが第2-Bコネクタ部21Bに接続されない構成を有していることが好ましく、第1-Bコネクタ部11Bは第2-Bコネクタ部21Bに接続されるが第2-Aコネクタ部21Aに接続されない構成を有していることが好ましい。このように各コネクタ部が構成されていれば、各コネクタ部の誤接続を防ぐことができる。このような誤接続を防ぐ構造としては、第2-Aコネクタ部21Aの第2筒部24の先端側(遠位側)が、第1-Aコネクタ部11Aの第1空間15に収容可能な形状と大きさを有し、第1-Bコネクタ部11Bの第1空間15に収容不能な形状や大きさで形成されればよく、また第2-Bコネクタ部21Bの第2筒部24の先端側(遠位側)が、第1-Bコネクタ部11Bの第1空間15に収容可能な形状と大きさを有し、第1-Aコネクタ部11Aの第1空間15に収容不能な形状や大きさで形成されればよい。例えば、第2-Aコネクタ部21Aと第2-Bコネクタ部21Bのそれぞれの第2筒部24の軸方向の垂直断面形状を、第1-Aコネクタ部11Aまたは第1-Bコネクタ部11Bの第1空間15の軸方向の垂直断面形状に対応するように形成すればよい。
【0059】
誤接続を防ぐ構造例を、図4に示した態様を例に挙げて説明する。例えば、第1-Aコネクタ部11Aの第1筒部14の内側面に凹溝19を1つ形成し、第2-Aコネクタ部21Aの第2筒部24の外側面に凸条28を1つ形成し、一方、第1-Bコネクタ部11Bの第1筒部14の内側面に凹溝19を2つ形成し、第2-Bコネクタ部21Aの第2筒部24の外側面に凸条28を2つ形成することによって、互いの誤接続を防ぐことができる。あるいは、第1-Aコネクタ部11Aの第1筒部14の内側面に凹溝19を形成し、第2-Aコネクタ部21Aの第2筒部24の外側面に凸条28を形成し、一方、第1-Bコネクタ部11Bの第1筒部14の内側面に凸条を形成し、第2-Bコネクタ部21Aの第2筒部24の外側面に凹溝を形成する(図示せず)ことによっても、互いの誤接続を防ぐことができる。
【0060】
上記のように第1コネクタ部11に除細動カテーテル1が接続し、第2コネクタ部21に電源部8が接続した除細動システムでは、第1コネクタ部11は次のようにして第2コネクタ部21と接続することが好ましい。すなわち、第1コネクタ部11を静止させた状態で第2コネクタ部21を第1コネクタ部11側に前進させることにより差し込むことが好ましい。図1に示した態様では、第1-Aコネクタ部11Aを静止させた状態で第2-Aコネクタ部21Aを第1-Aコネクタ部11A側に前進させることにより差し込み、第1-Bコネクタ部11Bを静止させた状態で第2-Bコネクタ部21Bを第1-Bコネクタ部11B側に前進させることにより差し込むことが好ましい。これにより、第1コネクタ部11と第2コネクタ部21とを接続する際に、患者に挿入されたカテーテル1が引っ張られるリスクが低減し、カテーテル1の手技の安全性を高めることができる。
【0061】
本発明はまた、第1コネクタ部を備えた除細動カテーテルも提供する。本発明の除細動カテーテルについて図5および図6を参照して説明する。図5には、除細動カテーテルの概略図を示し、図6には、第1コネクタ部の軸方向断面図を示した。なお、図5および図6において、図1図4と同じ部材や部分は同一の参照符号を付して示しており、以下において、これらの説明の詳細は省略する。
【0062】
除細動カテーテル1は、遠近方向に延在しているチューブ部材2と、チューブ部材2の遠位側に形成されている心内電極4と、チューブ部材2の近位側に形成されているハンドル部3と、一方がハンドル部3を経由して心内電極4に接続されており他方が電源部8に接続される第1コネクタ部11とを有する。図5では、心内電極4として心内電極Aと心内電極Bが設けられ、第1コネクタ部11として第1-Aコネクタ部11Aと第1-Bコネクタ部11Bが設けられ、第1-Aコネクタ部11Aの一方側がハンドル部3を経由して心内電極Aに接続されており他方側が電源部に接続され、第1-Bコネクタ部11Bの一方側がハンドル部3を経由して心内電極Bに接続されており他方側が電源部に接続される。第1コネクタ部11は、第1絶縁部材12と、第1絶縁部材12から突出する複数本の第1電極13と、第1絶縁部材12および第1電極13とを内包する第1筒部14とを有し、第1筒部14は、ハンドル部3に近い側から順に、第1絶縁部材12の外方かつ第1筒部14の内方に存在している第4空間31、第1絶縁部材12を内包せず第1電極13を内包している第5空間32、第1絶縁部材12も第1電極13も内包していない第6空間33を有している。
【0063】
上記のように第1コネクタ部11が形成されることにより、第1コネクタ部11と電源部側のコネクタ部との接続の安全性を高めることができる。すなわち、第4空間31は第1コネクタ部11の入口から遠い奥まった部分にあり、第5空間32は複数本の第1電極13を含んでおり複雑な構造であるため、第4空間31と第5空間32はいずれも比較的埃が溜まりやすい構造となっているところ、第1コネクタ部11はハンドル部3に接続されており、カテーテルによる施術ごとに新しいものを使用するため、第1コネクタ部11に第4空間31と第5空間32が形成されていても、使用の際に第4空間31や第5空間32に埃が蓄積されることが起こりにくく、安全性が確保される。また、第1コネクタ部11にさらに、第6空間33があることにより、操作者の指先が第1電極13に触れにくく、患者の心臓に静電気などによる電撃を与えるリスクを低減することができる。なお、第1コネクタ部11の第4空間31は、埃が入り込みにくいように、第1絶縁部材12の外側面と第1筒部14の内側面との距離がある程度狭く形成されることが好ましく、例えば5mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましい。
【0064】
以上、本発明の除細動システムと除細動カテーテルについて説明したが、第1コネクタ部11は、図1図5に示すように、第1-Aコネクタ部11Aと第1-Bコネクタ部11Bの2つが設けられる態様に限定されず、第1コネクタ部11が1つのみ設けられるものであってもよい。またこれに対応して、第2コネクタ部21が1つのみ設けられるものであってもよい。この場合、第1コネクタ部11が心内電極Aと心内電極Bに接続され、第1コネクタ部11の複数の第1電極13の一部が心内電極Aに接続され、第1コネクタ部11の複数の第1電極13の他の一部が心内電極Bに接続される。つまり、第1コネクタ部11内に異極の電極が設けられることとなり、第2コネクタ部21内に異極の電極が設けられることとなる。
【0065】
本願は、2018年2月1日に出願された日本国特許出願第2018-016755号に基づく優先権の利益を主張するものである。2018年2月1日に出願された日本国特許出願第2018-016755号の明細書の全内容が、本願に参考のため援用される。
【符号の説明】
【0066】
1:除細動カテーテル
2:チューブ部材
3:ハンドル部
4:心内電極
5:心内電極A
6:心内電極B
7:心内電極C
8:電源部
11:第1コネクタ部、11A:第1-Aコネクタ部、11B:第1-Bコネクタ部
12:第1絶縁部材
13:第1電極
14:第1筒部
15:第1筒部内の第1空間
16:第1筒部内の第2空間
17:第1筒部内の第3空間
18:第1コネクタ部の接続端子
19:凹溝
21:第2コネクタ部、21A:第2-Aコネクタ部、21B:第2-Bコネクタ部
22:第2絶縁部材
23:第2電極
24:第2筒部
25:第2筒部内の第2空間
26:第2筒部内の第3空間
27:第2コネクタ部の接続端子
28:凸条
31:第1筒部内の第4空間
32:第1筒部内の第5空間
33:第1筒部内の第6空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6