(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】位相追跡参照信号を設定するための技術
(51)【国際特許分類】
H04L 27/26 20060101AFI20221220BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20221220BHJP
【FI】
H04L27/26 114
H04L27/26 113
H04L27/26 420
H04W72/04 136
(21)【出願番号】P 2020526942
(86)(22)【出願日】2018-11-15
(86)【国際出願番号】 EP2018081400
(87)【国際公開番号】W WO2019096919
(87)【国際公開日】2019-05-23
【審査請求日】2020-07-09
(32)【優先日】2017-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100188879
【氏名又は名称】渡邉 未央子
(72)【発明者】
【氏名】モレス カセス, ヴィセント
(72)【発明者】
【氏名】フレンヌ, マティアス
【審査官】齊藤 晶
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0294926(US,A1)
【文献】国際公開第2018/182248(WO,A1)
【文献】Ericsson,Remaining details on PTRS design[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting 90bis R1-1718449,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_90b/Docs/R1-1718449.zip>,2017年10月09日
【文献】Samsung,DL PT-RS design[online],3GPP TSG RAN WG1 #90 R1-1703605,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_90/Docs/R1-1713605.zip>,2017年08月21日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H04W 72/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線アクセスノード(510)において、前記無線アクセスノード(510)から無線デバイス(512)への無線チャネル上で位相追跡参照信号(PT-RS)のための設定メッセージを送信する方法(300)であって、前記無線チャネルは、物理リソースブロック(PRB)(602)において複数のサブキャリア(608)を含み、前記PRB(602)における前記サブキャリア(608)のサブセットは、復調参照信号(DM-RS)に割り当てられ、前記方法は、
前記設定メッセージを前記無線デバイス(512)に送信する(302)ステップを含み、前記設定メッセージは、前記DM-RSに割り当てられたサブキャリア(608)の前記サブセットのうち、前記PT-RSに割り当てられた少なくとも1つのサブキャリア(608)を示すビットフィールドを含み、前記無線チャネルは、1つ以上のDM-RSポートを介してアクセスされ、前記DM-RSの各送信は、前記1つ以上のDM-RSポートのうちの1つに関連付けられ、前記PT-RSに割り当てられた前記サブキャリア(608)は、前記設定メッセージにおける前記ビットフィールドと、前記PT-RSが送信または受信されるDM-RSポートとの組合せに基づいて、前記DM-RSに割り当てられたサブキャリア(608)の前記サブセットの中で一意に決定される、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記ビットフィールドは、前記DM-RSに割り当てられたサブキャリア(608)の前記サブセットのうち、前記PT-RSに割り当てられた前記少なくとも1つのサブキャリア(608)を示すnビットを含み、前記PRB(602)における前記複数のサブキャリア(608)の数は2
nより大きい、方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法であって、前記ビットフィールドは、前記DM-RSに割り当てられたサブキャリア(608)の前記サブセットのうち、前記PT-RSに割り当てられた前記少なくとも1つのサブキャリア(608)を示す2または3ビットを含み、前記PRB(602)における前記複数のサブキャリア(608)の数は12である、方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の方法であって、前記無線デバイス(512)は、前記無線アクセスノード(510)へのアップリンク送信のために、前記DM-RSポートを介して前記無線チャネルにアクセスするように構成されており、前記方法は、
対応するDM-RSポートのために前記DM-RSに割り当てられたサブキャリア(608)の前記サブセットの中の前記ビットフィールドに従って、前記PT-RSに割り当てられた前記サブキャリア(608)上の前記DM-RSポートのうちの少なくとも1つを介して送信された前記PT-RSを受信する(304)ステップを更に含む、方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の方法であって、前記DM-RSに割り当てられたサブキャリア(608)の前記サブセットは、対応するDM-RSポートに依存する、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、前記PRB(602)は、インデックスk∈{0, ...,11}によって与えられる12個のサブキャリアを含み
、DM-RSポートpを介して送信されている前記DM-RSに割り当てられたサブキャリア(608)の前記サブセットは、
により与えられ、ここで、R=1,2又は3;S=1又は2;及びオフセットΔ(p)は前記DM-RSポートpに依存する、方法。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の方法であって、異なるDM-RSは、前記DM-RSポートのそれぞれを介して送信される、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、異なるDM-RSポートを介して送信される前記DM-RSは、周波数領域における直交カバーコード(OCC)(FD-OCC)、時間領域における直交カバーコード(TD-OCC)、および前記DM-RSに割り当てられたサブキャリア(608)の前記サブセットのうちの少なくとも1つによって区別される、方法。
【請求項9】
請求項
6に記載の方法であって、前記DM-RSポートpを介して送信される前記DM-RSは、時間領域における直交カバーコード(OCC)(TD-OCC)に従い、周波数領域におけるOCC(FD-OCC)に従い、前記PT-RSに割り当てられた前記サブキャリア(608)は、前記ビットフィールドと、前記TD-OCCのDM-RSポート依存性と、前記FD-OCCのDM-RSポート依存性との組合せに基づいて、前記DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットの中から決定される、方法。
【請求項10】
無線デバイス(512)において、無線アクセスノード(510)から前記無線デバイス(512)への無線チャネル上で位相追跡参照信号(PT-RS)のための設定メッセージを受信する方法(400)であって、前記無線チャネルは、物理リソースブロック(PRB)(602)において複数のサブキャリア(608)を含み、前記PRB(602)における前記サブキャリア(608)のサブセットは、復調参照信号(DM-RS)に割り当てられ、前記方法は、
前記設定メッセージを前記無線アクセスノード(510)から受信する(402)ステップを含み、前記設定メッセージは、前記DM-RSに割り当てられたサブキャリア(608)の前記サブセットのうち、前記PT-RSに割り当てられた少なくとも1つのサブキャリア(608)を示すビットフィールドを含み、前記無線チャネルは、1つ以上のDM-RSポートを介してアクセスされ、DM-RSは、各DM-RSポートを介して送信または受信され、前記PT-RSに割り当てられた前記サブキャリア(608)は、前記設定メッセージにおける前記ビットフィールドと、前記PT-RSが送信または受信されるDM-RSポートとの組合せに基づいて、前記DM-RSに割り当てられたサブキャリア(608)の前記サブセットの中で一意に決定される、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、前記ビットフィールドは、前記DM-RSに割り当てられたサブキャリア(608)の前記サブセットのうち、前記PT-RSに割り当てられた前記少なくとも1つのサブキャリア(608)を示すnビットを含み、前記PRB(602)における前記複数のサブキャリア(608)の数は2
nより大きい、方法。
【請求項12】
請求項10または11に記載の方法であって、前記ビットフィールドは、前記DM-RSに割り当てられたサブキャリア(608)の前記サブセットのうち、前記PT-RSに割り当てられた前記少なくとも1つのサブキャリア(608)を示す2または3ビットを含み、前記PRB(602)における前記複数のサブキャリア(608)の数は12である、方法。
【請求項13】
請求項10または12に記載の方法であって、前記無線デバイス(512)は、前記無線アクセスノード(510)へのアップリンク送信のために、前記DM-RSポートを介して前記無線チャネルにアクセスするように構成されており、前記方法は、
対応するDM-RSポートのために前記DM-RSに割り当てられたサブキャリア(608)の前記サブセットの中の前記ビットフィールドに従って、前記PT-RSに割り当てられた前記サブキャリア(608)上の前記DM-RSポートのうちの少なくとも1つを介して前記PT-RSを送信する(404)ステップを更に含むまたは当該ステップを起動する、方法。
【請求項14】
請求項10から13のいずれか1項に記載の方法であって、前記DM-RSに割り当てられたサブキャリア(608)の前記サブセットは、対応する前記DM-RSポートに依存する、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、前記PRB(602)は、インデックスk∈{0, ...,11}によって与えられる12個のサブキャリアを含み
、DM-RSポートpを介して送信または受信されている前記DM-RSに割り当てられたサブキャリア(608)の前記サブセットは、
により与えられ、ここで、R=1,2又は3;S=1又は2;及びオフセットΔ(p)は前記DM-RSポートpに依存する、方法。
【請求項16】
請求項14又は15に記載の方法であって、異なるDM-RSは、前記DM-RSポートのそれぞれを介して送信または受信される、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、異なるDM-RSポートを介して送信される前記DM-RSは、周波数領域における直交カバーコード(OCC)(FD-OCC)、時間領域における直交カバーコード(TD-OCC)、および前記DM-RSに割り当てられたサブキャリア(608)の前記サブセットのうちの少なくとも1つによって区別される、方法。
【請求項18】
請求項
15に記載の方法であって、前記DM-RSポートpを介して送信される前記DM-RSは、時間領域における直交カバーコード(OCC)(TD-OCC)に従い、周波数領域におけるOCC(FD-OCC)に従い、前記PT-RSに割り当てられた前記サブキャリア(608)は、前記ビットフィールドと、前記TD-OCCのDM-RSポート依存性と、前記FD-OCCのDM-RSポート依存性との組合せに基づいて、前記DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットの中から決定される、方法。
【請求項19】
無線アクセスノード(510)から無線デバイス(512)への無線チャネル上で位相追跡参照信号(PT-RS)のための設定メッセージを送信するための無線アクセスノード(510)であって、前記無線チャネルは、物理リソースブロック(PRB)(602)において複数のサブキャリア(608)を含み、前記PRB(602)における前記サブキャリア(608)のサブセットは、復調参照信号(DM-RS)に割り当てられ、前記無線アクセスノード(100)は、
前記設定メッセージを前記無線デバイス(512)に送信するように構成され、前記設定メッセージは、前記DM-RSに割り当てられたサブキャリア(608)の前記サブセットのうち、前記PT-RSに割り当てられた少なくとも1つのサブキャリア(608)を示すビットフィールドを含み、前記無線チャネルは、1つ以上のDM-RSポートを介してアクセスされ、前記DM-RSの各送信は、前記1つ以上のDM-RSポートのうちの1つに関連付けられ、前記PT-RSに割り当てられた前記サブキャリア(608)は、前記設定メッセージにおける前記ビットフィールドと、前記PT-RSが送信または受信されるDM-RSポートとの組合せに基づいて、前記DM-RSに割り当てられたサブキャリア(608)の前記サブセットの中で一意に決定される、無線アクセスノード。
【請求項20】
請求項19に記載の無線アクセスノードであって、請求項2から9のいずれか1項に記載の方法の前記ステップを実行するように構成される、無線アクセスノード。
【請求項21】
無線アクセスノード(510)から無線デバイス(512)への無線チャネル上で位相追跡参照信号(PT-RS)のための設定メッセージを受信するための無線デバイス(512)であって、前記無線チャネルは、物理リソースブロック(PRB)(602)において複数のサブキャリア(608)を含み、前記PRB(602)における前記サブキャリア(608)のサブセットは、復調参照信号(DM-RS)に割り当てられ、前記デバイス(200)は、
前記設定メッセージを前記無線アクセスノード(510)から受信するように構成され、前記設定メッセージは、前記DM-RSに割り当てられたサブキャリア(608)の前記サブセットのうち、前記PT-RSに割り当てられた少なくとも1つのサブキャリア(608)を示すビットフィールドを含み、前記無線チャネルは、1つ以上のDM-RSポートを介してアクセスされ、DM-RSは、各DM-RSポートを介して送信または受信され、前記PT-RSに割り当てられた前記サブキャリア(608)は、前記設定メッセージにおける前記ビットフィールドと、前記PT-RSが送信または受信されるDM-RSポートとの組合せに基づいて、前記DM-RSに割り当てられたサブキャリア(608)の前記サブセットの中で一意に決定される、デバイス。
【請求項22】
請求項21に記載のデバイスであって、請求項10から18のいずれか1項に記載の方法の前記ステップを実行するように構成される、デバイス。
【請求項23】
無線アクセスノード(510)と無線デバイス(512)との間の無線チャネル上で位相追跡参照信号(PT-RS)のための設定メッセージを送信する(300)または受信する(400)方法であって、前記無線チャネルは、物理リソースブロック(PRB)(602)において複数のサブキャリア(608)を含み、前記PRB(602)における前記サブキャリア(608)のサブセットは、復調参照信号(DM-RS)に割り当てられ、前記方法は、
前記設定メッセージを前記無線デバイス(512)に送信する(302)ステップであって、前記設定メッセージは、前記DM-RSに割り当てられたサブキャリア(608)の前記サブセットのうち、前記PT-RSに割り当てられた少なくとも1つのサブキャリア(608)を示すビットフィールドを含む、前記送信するステップと、
前記設定メッセージを前記無線アクセスノード(510)から受信する(402)ステップであって、前記設定メッセージは、前記DM-RSに割り当てられたサブキャリア(608)の前記サブセットのうち、前記PT-RSに割り当てられた少なくとも1つのサブキャリア(608)を示す前記ビットフィールドを含む、前記受信するステップを含み、
前記無線チャネルは、1つ以上のDM-RSポートを介してアクセスされ、前記DM-RSの各送信は、前記1つ以上のDM-RSポートのうちの1つに関連付けられ、
前記PT-RSに割り当てられた前記サブキャリア(608)は、前記設定メッセージにおける前記ビットフィールドと、前記PT-RSが送信または受信されるDM-RSポートとの組合せに基づいて、前記DM-RSに割り当てられたサブキャリア(608)の前記サブセットの中で一意に決定される、方法。
【請求項24】
無線アクセスノード(510)と無線デバイス(512)との間の無線チャネル上で位相追跡参照信号(PT-RS)のための設定メッセージを送信または受信するための、無線アクセスノード(510)と無線デバイス(512)の少なくとも一方によって具現化されるシステム(100, 200)であって、前記無線チャネルは、物理リソースブロック(PRB)(602)において複数のサブキャリア(608)を含み、前記PRB(602)における前記サブキャリア(608)のサブセットは、復調参照信号(DM-RS)に割り当てられ、前記システム(100, 200)は、
前記設定メッセージを前記無線デバイス(512)に送信するように構成され、前記設定メッセージは、前記DM-RSに割り当てられたサブキャリア(608)の前記サブセットのうち、前記PT-RSに割り当てられた少なくとも1つのサブキャリア(608)を示すビットフィールドを含み、
前記設定メッセージを前記無線アクセスノード(510)から受信するように構成され、前記設定メッセージは、前記DM-RSに割り当てられたサブキャリア(608)の前記サブセットのうち、前記PT-RSに割り当てられた少なくとも1つのサブキャリア(608)を示す前記ビットフィールドを含み、
前記無線チャネルは、1つ以上のDM-RSポートを介してアクセスされ、前記DM-RSの各送信は、前記1つ以上のDM-RSポートのうちの1つに関連付けられ、
前記PT-RSに割り当てられた前記サブキャリア(608)は、前記設定メッセージにおける前記ビットフィールドと、前記PT-RSが送信または受信されるDM-RSポートとの組合せに基づいて、前記DM-RSに割り当てられたサブキャリア(608)の前記サブセットの中で一意に決定される、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的には位相追跡参照信号(PT-RS)を設定するための技術に関するものである。より具体的には、PT-RSのための設定(構成)メッセージ、ならびにそのような設定メッセージを表す無線信号構造を送信および受信するための方法およびデバイスが提供される。
【背景技術】
【0002】
次世代の無線アクセス技術のための物理的信号構造は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によってNew Radio(NR)として指定されている。NRは常時オン送信を最小限に抑え、ネットワークのエネルギー効率を高め、前方互換性を確保するリーン設計となっている。既存の3GPPロングタームエボリューション(LTE)とは対照的に、NRにおける参照信号は、必要なときにのみ送信される。主な4つの参照信号(基準信号)には、復調参照信号(DM-RS)、位相追跡参照信号(PT-RS)、音響参照信号(SRS)、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)がある。
【0003】
発振器位相ノイズ(雑音)の補償を可能にするために、NRにおいてPT-RSが導入された。典型的には、位相ノイズは、発振器キャリア(搬送波)周波数の関数として増加する。従って、PT-RSは、位相ノイズを緩和するためにmm波(ミリ波)のような高いキャリア周波数で利用できる。直交周波数分割多重(OFDM)信号における位相ノイズにより生じる主な劣化の一つは、共通位相誤差(CPE)として知られる全てのサブキャリアの同一位相回転である。CPEによって生成される位相回転はOFDMシンボル内のすべてのサブキャリアに対して同一であるが、OFDMシンボル間の位相ノイズの低い相関があるため、PT-RSは、周波数領域において低密度であり、時間領域において高密度である。PT-RSはユーザ装置(UE)に固有であり、スケジュールされたリソースに限定される。PT-RSの送信に使用するDM-RSポートの数は、DM-RSポートの総数より少なくすることができる。
【0004】
正確なPT-RSサブキャリアは例えば、DM-RSポートインデックス、DM-RSスクランブリングID(SCID)、およびセルIDのパラメータのうちの1つまたは複数の関数(機能)として、暗黙的に定義され得る。さらに、従来のパラメータ"PTRS-RE-offset"の明示的(例えば、無線リソース制御、RRC)シグナリングは、重要な、例えば、性能が悪い直流(DC)サブキャリアとのPT-RSの衝突の回避を強制することができるようにするために、前述の暗示的関連ルールをオーバライドすることができ、それゆえ、単純または既存の解は、0から11までの任意の値をとることができる明示的オフセットまたは位置"PTRS-RE-offset"をシグナリングするのであろう。言い換えると、PT-RSは、この既存の明示的シグナリングを使用して、PRB内の任意のサブキャリアにマッピングすることができる。
【0005】
既存のシグナリングでは、シグナリングされるパラメータ"PTRS-RE-offset"を0から11の任意の値に設定することができる。PDSCHまたはPUSCH送信に使用されるDM-RSは"PTRS-RE-offset"で示されるサブキャリアを使用しなければならないため、RRCシグナリングを使用するシグナリングされる"PTRS-RE-offset"は、gNBスケジューリング制限(制約)を意味するという問題がある。
【0006】
例えば、"PTRS-RE-offset=0"の場合、DM-RS設定タイプ1が設定される場合、PT-RSはDM-RSによって使用されるサブキャリア、すなわち、前記サブセット内にマッピングされなければならないので、DM-RSサブキャリアコム(comb/櫛状部)、すなわち、DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセット{1,3,5,7,9,11}は、UEをスケジューリングするときに使用することができない。
【0007】
別の問題は、既存のシグナリングにおける高いオーバーヘッドである。"PTRS-RE-offset"を0から11までの値に設定できる場合、"PTRS-RE-offset"インジケーション(指標/表示)につき4ビットが必要である。さらに、ダウンリンク(DL)およびアップリンク(UL)のPT-RSポートは異なるDM-RSポートに関連付けることができるため、ULおよびDLの"PTRS-RE-offset"の独立インジケーションが必要となり、したがってオーバーヘッドが増加する。同様に、既存のシグナリングは、SU-MIMOの各PT-RSポートに対する"PTRS-RE-offset"パラメータを独立に示さなければならず、それによってシグナリングオーバーヘッドがさらに増加する。
【発明の概要】
【0008】
したがって、PT-RSをより効率的におよび/またはより柔軟に設定することを可能にする技術が必要とされている。より具体的には、設定によって引き起こされるシグナリングオーバーヘッドを低減する技術が必要とされている。その代わりに、またはそれに加えて、スケジューリング制限を回避する技術が必要とされている。
【0009】
一態様として、無線アクセスノードと無線デバイスとの間の無線チャネル上の位相追跡参照信号(PT-RS)の設定(構成)メッセージを送信する方法を提供する。無線チャネルは、物理リソースブロック(PRB)内に複数のサブキャリアを含む。PRBにおけるサブキャリアのサブセットは、復調参照信号(DM-RS)に割り当てられる。方法は、設定メッセージを無線デバイスに送信するステップを含むか、またはトリガする。設定メッセージはDM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットのうち、PT-RSに割り当てられた少なくとも1つのサブキャリアを示すビットフィールドを含む。
【0010】
PT-RSに割り当てられた1つのサブキャリアは、PT-RSのPT-RSサブキャリアとも呼ばれる。DM-RSに割り当てられたサブキャリアは、DM-RSサブキャリアとも呼ばれる。DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセット(すなわち、DM-RSサブキャリアを含むサブセット)は、DM-RSサブセットとも呼ばれる。DM-RSサブセットは、PRBにおける複数のサブキャリアの適切なサブセットであり得る。言い換えると、サブセットは、PRBよりも少ないサブキャリアを含むことができる。
【0011】
ビットフィールドの手段により、設定メッセージは例えば、DM-RSに割り当てられた関連するサブキャリアのサブセットに関連して、相対的なオフセットをシグナリングし得る。ビットフィールドによって表されるパラメータまたは機能は、PT-RSのためのサブキャリアオフセットまたはリソース要素オフセット(RE-offset)、または簡単には"PTRS-RE-offset"と呼ばれ得る。この方法は、PT-RSのRE offsetシグナリングとして実装することができる。
【0012】
PT-RSに使用される実際のサブキャリアは、パラメータ"PTRS-RE-offset"とDM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットの両方に依存することがある。たとえば、DM-RSポートがDM-RSポート番号によって識別される場合、PT-RSに使用される実際のサブキャリアは、パラメータ"PTRS-RE-offset"とDM-RSポート番号の両方に依存することがある。
【0013】
さらに、複数の異なるDM-RSが、対応するDM-RSポート上で送信され得る。DM-RSポート番号pは無線チャネルに使用される一連のDM-RSポートのセットの中であり得る。例えば、無線チャネルのチャネル推定を実行するため、および/または、無線チャネルの受信側のデータチャネルとして無線チャネルを復調するために使用される。
【0014】
スケジューリング制限を回避し、シグナリングオーバーヘッドを低減するために、ビットフィールドの値、すなわち、パラメータ"PTRS-RE-offset"は、特定の送信におけるDM-RSポートに割り当てられるサブキャリアのサブセットにおける相対的サブキャリアインデックスを表す。
【0015】
パラメータ"PTRS-RE-offset"を設定メッセージのビットフィールドにおける設定パラメータとして送信することによって、少なくともいくつかの実施形態では、スケジューリング制限を回避することができる。なぜならば、可能なPT-RSサブキャリアのグループが、PT-RSポートに関連付けられるDM-RSポートに、割り当てられる、または、スケジュールされることによって使用される、サブキャリアのサブセットに制限されるからである。
【0016】
同じ実施形態(例えば、前述の段落の実施形態)または更なる実施形態は、"PTRS-RE-offset"の共通のインジケーションをDLおよびULに使用することができるので、既存のオフセット信号よりも著しく少ないシグナリングオーバーヘッドを必要とすることがある。また、SU-MIMOにおける異なるPT-RSポートにも共通インジケーションを使用することができる。
【0017】
ビットフィールドは、DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットのうち、PT-RSに割り当てられた少なくとも1つのサブキャリアを示すnビットを含むことができる。PRBにおける複数のサブキャリアの数は、2nより大きくてもよい。
【0018】
DM-RSに割り当てられるサブキャリアのサブセットは、動的にシグナリングされ得る。
【0019】
ビットフィールドは、DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットのうち、PT-RSに割り当てられた少なくとも1つのサブキャリアを示す2または3ビットを含むことができる。PRBにおける複数のサブキャリアの数は、12であってもよい。
【0020】
ビットフィールドは、PT-RSに割り当てられたサブキャリアとして、DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットにおけるサブキャリアのいずれかを表すためのサイズにすることができる。
【0021】
ビットフィールドは、nビットを含むことができる。DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセット内のサブキャリアの数は、2n以下であってもよい。
【0022】
DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットにおける各サブキャリアは、インデックスによって一意的に特定され得る。ビットフィールドは、PT-RSに割り当てられたサブキャリアに対応するインデックスを示すことができる。
【0023】
無線チャネルは、1つ以上のDM-RSポートを介してアクセスされることができる。DM-RSの各送信は、1つ以上のDM-RSポートの1つに関連付けられることができる。
【0024】
1つ以上のDM-RSポートのそれぞれは、DM-RSポートインデックスによって一意に識別される場合がある。DM-RSの各送信(簡単には:DM-RS送信)は、DM-RSポートインデックスと定義することも、関連付けることもできる。
【0025】
1つ以上のDM-RSポートは、無線チャネルの送信側に配置されても(またはそれを定義しても)よい。1つ以上のDM-RSポートは、無線アクセスノードによってダウンリンク送信のために使用されてもよい(例えば、そこに配置され得る)。代替的に又は追加的に、1つ以上のDM-RSポートは、アップリンク送信のために、無線デバイスによって使用され得る(例えば、そこに配置され得る)。
【0026】
代替的に又は追加的に、1つ以上のDM-RSポートは、無線チャネルの受信側に配置されてもよい(又は定義されてもよい)。例えば、送信側は当初、DM-RSを送信することによってDM-RSポートを定義することができ、受信側は、受信したDM-RSに基づいてビームフォーム受信のための組合せ重みを定義することができる。1つ以上のDM-RSポートは、アップリンク受信のために無線アクセスノードによって使用されてもよい(例えば、そこに配置され得る)。代替的に又は追加的に、1つ以上のDM-RSポートはダウンリンク送信のために、無線デバイスによって使用され得る(例えば、そこに配置され得る)。
【0027】
無線チャネル上の送信は、1つまたは複数のレイヤ(空間ストリームとも呼ばれる)を備えることができる。レイヤの数は、無線チャネルを通じた送信に使用されるDM-RSポートの数と同じになることがある。無線チャネルは、送信側(すなわち、MIMOチャネルの入力)でDM-RSポートを通してアクセスされ、任意に複数の送信機アンテナにマッピングされ、受信機側(すなわち、MIMOチャネルの出力)でアンテナによって形成される複数の受信機ポートを通して受信される、多入力多出力(MIMO)チャネルであってもよい。
【0028】
複数の送信されたレイヤは、送信プリコーダによって空間および/または偏波領域において分離され、チャネル推定を実行することによって受信機において分離され、任意選択で、受信側で受信されたDM-RSおよび/またはPT-RSに基づいて、無線チャネルのための干渉レイヤの抑制を実行することによって受信機において分離され得る。例えば、送信は2つ以上のレイヤが2つ以上のDM-RSポートを介してアクセスされてもよい、マルチレイヤシングル(単一)ユーザMIMO(SU-MIMO)送信であってもよい。
【0029】
DM-RSは、送信側でプリコーディング(事前符号化)し、受信側で無線チャネルを復調する少なくとも1つのために使用することができる。
【0030】
DM-RSに割り当てられるサブキャリアのサブセットは、対応するDM-RSポートに依存する場合がある。各DM-RSポートについて、PRBにおけるサブキャリアのサブセットは、対応するDM-RSポートを通してDM-RS送信された(または送信される)DM-RSに割り当てることができる。すなわち、DM-RSに割り当てられるサブキャリアのサブセットが、各DM-RSポートに関連付けられる。異なるDM-RSポートを介してDM-RSを送信するために使用されるサブキャリアのサブセットのうちの少なくともいくつかは、異なる可能性がある。例えば、異なるサブセットは、相互にばらばらであってもよい。
【0031】
PRBは、インデックスk∈{0, ...,11}によって与えられる12個のサブキャリアを含むことができる。DM-RSポートpを介して送信されているDM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットは、
により与えられ、ここで、R=1,2又は3;S=1又は2;及びオフセットΔ(p)はDM-RSポートpに依存する。
【0032】
DM-RS設定タイプ1の場合、パラメータは、R=2、S=2、およびΔ(p)∈{0,1}とすることができる。DM-RS設定タイプ2の場合、パラメータは、R=3、S=1、およびΔ(p)∈{0,2,4}であってもよい。上記のセットの式において、上限"11"はNRB
SC - 1に置き換えられてもよく、上限"6/R"はNRB
SC/(2R)に置き換えられてもよい。
【0033】
DM-RSはシーケンスr(2・m + k'+ n0)から導出されてもよく、ここで、n0 = Nstart
BWP,iNRB
sc/R、Nstart
BWP,iは、PRBの単位におけるキャリア帯域幅部分の開始であり、NRB
sc = 12はPRB当たりのサブキャリアの数である。
【0034】
DM-RSポートごとに異なるDM-RSを送信できる。異なるDM-RS(例えば、直交信号)が異なるDM-RSポート上で送信されるので、"DM-RS"に対する任意の依存性は、対応する"DM-RSポート"に対する依存性として等しく表現され得る。
【0035】
異なるDM-RSポートを介して送信されるDM-RSは、周波数領域における直交カバーコード、時間領域における直交カバーコード、およびDM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットのうちの少なくとも1つによって区別され得る。
【0036】
例えば、異なるDM-RSポートを介して送信されるDM-RSの各々は、サブキャリアのばらばらのサブセットを使用するか、または周波数領域において直交符号化され得る。
【0037】
DM-RSポートの1つがPT-RSに関連付けられている場合がある。PT-RSは、PT-RSに関連付けられたDM-RSポートを通して送信されることがある。PT-RSは、1つのDM-RSポートを介して送信されるDM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットのうち、ビットフィールドに従って、PT-RSに割り当てられたサブキャリア上で送信されてもよい。
【0038】
PT-RSおよびDM-RSは(例えば、OFDMシンボルまたは異なるPRB、すなわち、異なるスロットまたは送信時間隔、TTIにおいて)同時にまたは別々に送信され得る。さらに、PT-RSの送信とDM-RSの送信とが重複してもよい。PT-RSの送信持続時間はDM-RSの送信持続時間よりも長くてもよい(例えば、複数倍長くてもよい)。例えば、PT-RSは、14個のOFDMシンボルを含む1つのPRBの間に送信されることができる。DM-RSは、1つまたは2つのOFDMシンボルの間に送信されてもよい。
【0039】
PT-RSに割り当てられるサブキャリアは、PT-RSのアップリンク送信とPT-RSのダウンリンク送信の少なくとも1つについて、ビットフィールドから導出または導出可能であり得る。
【0040】
無線アクセスノードは、無線デバイスへのダウンリンク送信のために、DM-RSポートを介して無線チャネルにアクセスするように構成されてもよい。方法は、対応するDM-RSポートのためにDM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットの中のビットフィールドに従って、PT-RSに割り当てられたサブキャリア上のDM-RSポートのうちの少なくとも1つを介してPT-RSを送信するステップをさらに含むか、またはトリガすることができる。
【0041】
代替的に又は追加的に、無線デバイスは、無線アクセスノードへのアップリンク送信のために、DM-RSポートを介して無線チャネルにアクセスするように構成されてもよい。方法は、対応するDM-RSポートのためにDM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットの中のビットフィールドに従って、PT-RSに割り当てられたサブキャリア上のDM-RSポートのうちの少なくとも1つを介して送信されたPT-RSを受信するステップをさらに含むか、またはトリガすることができる。
【0042】
PT-RSが送信されるDM-RSポートは、PT-RSポートと呼ばれることもある。表現"PT-RS"は、異なるDM-RSポート(ポート固有のPT-RS)上で送信される異なるPT-RSを集合的に指すことができる。代替的に又は追加的に、表現"PT-RS"は例えば、特定のPT-RSポートの文脈において、ポート固有のPT-RSを指すことができる。
【0043】
無線アクセスノードは、無線チャネル上の少なくとも1つの無線デバイスに無線アクセスを提供してもよい。各無線デバイスについて、PT-RSは、1つまたは2つのDM-RSポートのそれぞれを介して送信され得る。
【0044】
無線チャネルは、2つ以上のDM-RSポートを介してアクセスされるシングルユーザ多入力多出力(SU-MIMO)チャネルを含むことができる。PT-RSは、2つ以上のDM-RSポートのうちの少なくとも2つのポートの各々で送信または受信されてもよい。無線チャネルは、2つ以上のレイヤおよび/または2つ以上のDM-RSポートを備えることができる。PT-RSは、2つ以上のレイヤの各々に対して、または2つ以上のDM-RSポートの各々を介して送信または受信され得る。
【0045】
無線チャネルは、マルチユーザ多入力多出力(MU-MIMO)チャネルを含むことができる。DM-RSポートの異なるDM-RSグループは、異なる無線デバイスへのアクセスを提供し得る。PT-RSは、各DM-RSグループにおける少なくとも1つのDM-RSポートを介して送信または受信され得る。
【0046】
MU-MIMOチャネルは、複数の無線デバイスの各々に対して、少なくとも1つのレイヤ又は少なくとも1つのDM-RSポートを備えることができる。複数の無線デバイスのそれぞれについて、PT-RSは、少なくとも1つのレイヤ上で、または少なくとも1つのDM-RSポートを介して送信または受信され得る。
【0047】
PT-RSに割り当てられるサブキャリアは、設定メッセージにおけるビットフィールドと、PT-RSが送信または受信されるDM-RSポートとの組合せに基づいて、DM-RSに割り当てられるサブキャリアのサブセットの中で一意に決定されてもよい。
【0048】
ビットフィールドの同じ値は、異なるDM-RSポートを介して送信または受信されたPT-RSに割り当てられた異なるサブキャリアを示すことができる。
【0049】
ビットフィールドは、DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットのうち、PT-RSのための2つの候補サブキャリアを示すことができる。PT-RSに割り当てられるサブキャリアは、PT-RSが送信または受信されるDM-RSポートに基づいて、2つの候補サブキャリアの中から決定されてもよい。
【0050】
DM-RSポートpを介して送信または受信されるPT-RSに割り当てられるサブキャリアは、2・R・m+S・k'+Δ(p)で与えられる。ビットフィールドは、mを示すことができる。k'の値は、DM-RSポートpによってp mod 2に決定されることがある。
【0051】
PT-RSは、少なくとも2つの異なるDM-RSポートのそれぞれを介して送信または受信され得る。代替的に、又は、組み合わせて、PT-RSは、アップリンク送信とダウンリンク送信のそれぞれにおいて送信または受信することができる。
【0052】
DM-RSポートpを通して送信されるDM-RSは、時間領域における直交カバーコード(OCC)に従うことができる(TD-OCC)。代替的に又は追加的に、DM-RSポートpを通して送信されるDM-RSは、周波数領域におけるOCC(FD-OCC)に従うことができる。PT-RSに割り当てられたサブキャリアは、ビットフィールドと、TD-OCCのDM-RSポート依存性と、FD-OCCのDM-RSポート依存性との組合せに基づき、DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットの中から決定されることができる。組合せは、合計を含むことができる。
【0053】
例えば、TD-OCCのDM-RSポート依存性は、DM-RSポートpに対して、
を含み得る。代替的に、又は、組み合わせて、FD-OCCのDM-RSポート依存性は、DM-RSポートpに対して、
を含み得る。
【0054】
ここで、Rは、DM-RS設定タイプ1については2に等しくてもよく、DM-RS設定タイプ2については3に等しくてもよい。
【0055】
TD-OCCは、
に従った係数(例えば符号)を含み得る。
代替的に、又は、組み合わせて、FD-OCCは
に従った係数(例えば符号)を含み得る。
【0056】
設定メッセージは、PT-RSが送信または受信される各DM-RSポートについて、対応するDM-RSポートを介して送信されるDM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットのうちの、PT-RSに割り当てられたサブキャリアを示すビットフィールドのインスタンスを含み得る。
【0057】
PT-RSは、DM-RSポートの1つを介して送信または受信され得る。1つのDM-RSポートは、あらかじめ定義されたルールに従って決定され得る。例えば、DM-RSポートは、2つ以上のばらばらな(互いに素な)DM-RSグループにグループ化されてもよく、PT-RSはDM-RSグループの各々におけるDM-RSポートのうちの1つを介して送信または受信されてもよい。1つのDM-RSポートは、DM-RSグループの各々に適用される、あらかじめ定義されたルールに従って決定され得る。
【0058】
PT-RSが送信または受信される1つのDM-RSポートは、設定メッセージで指定されていない可能性がある。無線アクセスノードと無線デバイスのそれぞれは、あらかじめ定義されたルールを個別に適用することによって、PT-RSが送信または受信される1つのDM-RSポートを決定することができる。
【0059】
DM-RSポートの各々は、ポートインデックスによって一意に識別される場合がある。あらかじめ定義されたルールに従って決定されるDM-RSポートのうちの1つは、最も低い(小さい)ポートインデックスを有するDM-RSポートである可能性がある。
【0060】
PT-RSは、PT-RSに割り当てられたサブキャリア上のトーンを含み得る。トーンは、同じサブキャリア上の対応するDM-RSポートを通して送信されるDM-RSのトーンに対応し得る。ここで、トーンは1つのサブキャリア又は1つのリソース要素(例えば、1つのOFDMシンボルの持続時間)によって搬送される複素(例えば、フーリエ)係数を含み得る。各OFDMシンボルは、それぞれのサブキャリア上で同時に送信される複数のトーンを含み得る。トーンは、シンボル長の持続時間の間、時間領域における高調波フーリエ成分に対応し得る。代替的に又は追加的に、トーンは1つのREにおける復調を指し得る。
【0061】
PT-RSは、複数のPRBにおいて送信または受信されてもよい。対応するPRBに対する同じサブキャリアが、PRBの各々においてPT-RSに割り当てられてもよい。さらに、PRBの各々において、同じサブキャリアのサブセットがDM-RSに割り当てられることもある。
【0062】
送信の波形は、直交周波数分割多重(OFDM)、特にサイクリックプレフィックス(CP)OFDM(CP-OFDM)を含み得る。トーンは、OFDMトーンであってもよい。送信は、PRB当たり複数のOFDMシンボル、例えば、時間領域における1つのスロットを含み得る。各OFDMシンボルは、サブキャリアごとに1つのOFDMトーンを含み得る。
【0063】
各DM-RSポートは、プリコーダに従って複数のアンテナポートにマッピングされ得る。異なるDM-RSポートは、異なるプリコーダに従ってマッピングされ得る。
【0064】
一部または各DM-RSポートは、プリコーダに従ってビーム形成(ビームフォーミング)することができる。例えば、無線チャネル上の単一レイヤ(Tx)ビーム形成のために、1つのDM-RSポートが、無線チャネルにアクセスするために使用されてもよい。あるいは、DM-RSポートをアンテナポートにマッピングすることもできる(例えば、1対1の対応または1対多の対応において)。
【0065】
DM-RS設定タイプ1に従ってDM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットにおけるサブキャリアの数は、DM-RS設定タイプ2に従ってDM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットにおけるサブキャリアの数の2倍であってもよい。DM-RS設定タイプ1とDM-RS設定タイプ2のそれぞれに対して、同じサイズのビットフィールドを使用することができる。DM-RS設定タイプ2においてPT-RSに割り当てられたサブキャリアを決定するために、ビットフィールドの最上位ビットは、無視されるか、またはゼロに設定されてもよい。
【0066】
1つの態様は、RANにおいて、および/または、例えば、RANの無線アクセスノードによって実装されうる。ここで、無線アクセスノードという表現は、RANの基地局またはセルと互換的に使用することができる。無線アクセスノードは、1つ以上の無線デバイスに無線アクセスを提供するように構成された任意の局(ステーション)を包含してもよい。
【0067】
別の態様によれば、無線アクセスノードと無線デバイスとの間の無線チャネル上で、位相追跡参照信号(PT-RS)のための設定メッセージを受信する方法が提供される。無線チャネルは、物理リソースブロック(PRB)において複数のサブキャリアを含む。PRBにおけるサブキャリアのサブセットは、復調参照信号(DM-RS)に割り当てられる。方法は、無線アクセスノードから設定メッセージを受信するステップを含むか、またはトリガする。設定メッセージは、DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットのうち、PT-RSに割り当てられた少なくとも1つのサブキャリアを示すビットフィールドを含む。
【0068】
PT-RSに割り当てられた1つのサブキャリアは、PT-RSのPT-RSサブキャリアとも呼ばれる。DM-RSに割り当てられるサブキャリアは、DM-RSサブキャリアとも呼ばれる。DM-RSに配分されるサブキャリアのサブセット(すなわち、DM-RSサブキャリアを含むサブセット)は、DM-RSサブセットとも呼ばれる。DM-RSサブセット、PRBにおける複数のサブキャリアの適切なサブセットであるかもしれない。言い換えると、サブセットは、PRBよりも少ないサブキャリアを含み得る。
【0069】
ビットフィールドの手段により、設定メッセージは例えば、DM-RSに割り当てられた関連するサブキャリアのサブセットに関連して、相対的なオフセットをシグナリングし得る。ビットフィールドによって表されるパラメータまたは機能は、PT-RSのためのサブキャリアオフセットまたはリソース要素オフセット(RE-offset)、または簡単には"PTRS-RE-offset"と呼ばれ得る。この方法は、PT-RSのRE offsetシグナリングとして実施することができる。
【0070】
PT-RSに使用される実際のサブキャリアは、パラメータ"PTRS-RE-offset"とDM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットの両方に依存することがある。たとえば、DM-RSポートがDM-RSポート番号によって識別される場合、PT-RSに使用される実際のサブキャリアは、パラメータ"PTRS-RE-offset"とDM-RSポート番号の両方に依存することがある。
【0071】
さらに、複数の異なるDM-RSが、対応するDM-RSポート上で送信され得る。DM-RSポート番号pは無線チャネルに使用される一連のDM-RSポートのセットの間であり得る。例えば、無線チャネルのチャネル推定を実行するため、および/または、無線チャネルの受信側のデータチャネルとして無線チャネルを復調するために使用される。
【0072】
スケジューリング制限を回避し、シグナリングオーバーヘッドを低減するために、ビットフィールドの値、すなわち、パラメータ"PTRS-RE-offset"は、特定の送信におけるDM-RSポートに割り当てられるサブキャリアのサブセットにおける相対的サブキャリアインデックスを表す。
【0073】
パラメータ"PTRS-RE-offset"を設定メッセージのビットフィールドにおける設定パラメータとして送信することによって、少なくともいくつかの実施形態では、スケジューリング制限を回避することができる。なぜならば、可能なPT-RSサブキャリアのグループが、PT-RSポートに関連付けられるDM-RSポートに、割り当てられる、または、スケジュールされることによって使用される、サブキャリアのサブセットに制限されるからである。
【0074】
同じ実施形態(例えば、前述の段落の実施形態)または更なる実施形態は、"PTRS-RE-offset"の共通の指示をDLおよびULに使用することができるので、既存のオフセット信号よりも著しく少ない信号オーバーヘッドを必要とすることがある。また、SU-MIMOにおける異なるPT-RSポートにも共通インジケーションを使用することができる。
【0075】
ビットフィールドは、DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットのうち、PT-RSに割り当てられた少なくとも1つのサブキャリアを示すnビットを含むことができる。PRB内の複数のサブキャリアの数は、2nより大きくてもよい。
【0076】
DM-RSに割り当てられるサブキャリアのサブセットは、動的にシグナリングされることができるかもしれない。
【0077】
ビットフィールドは、DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットのうち、PT-RSに割り当てられた少なくとも1つのサブキャリアを示す2または3ビットを含むことができる。PRBにおける複数のサブキャリアの数は、12であってもよい。
【0078】
ビットフィールドは、PT-RSに割り当てられたサブキャリアとして、DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットにおけるサブキャリアのいずれかを表すためのサイズにすることができる。
【0079】
ビットフィールドは、nビットを含むことができる。DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットにおけるサブキャリアの数は、2n以下であってもよい。
【0080】
DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットにおける各サブキャリアは、インデックスによって一意的に特定されることがある。ビットフィールドは、PT-RSに割り当てられたサブキャリアに対応するインデックスを示すことができる。
【0081】
無線チャネルは、1つ以上のDM-RSポートを介してアクセスすることができる。DM-RSは、DM-RSの各ポートを介して送信または受信され得る。DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットは、対応するDM-RSポートに依存する場合がある。
【0082】
PT-RSに割り当てられるサブキャリアは、PT-RSのアップリンク送信とPT-RSのダウンリンク送信の少なくとも1つについて、ビットフィールドから導出することができる。
【0083】
1つ以上のDM-RSポートのそれぞれは、DM-RSポートインデックスによって一意に識別される場合がある。DM-RSの各伝送(簡単には:DM-RS送信)は、DM-RSポートインデックスと定義することも、関連付けることもできる。
【0084】
1つ以上のDM-RSポートは、無線チャネルの送信側に配置されても(またはそれを定義しても)よい。1つ以上のDM-RSポートは、無線アクセスノードによってダウンリンク送信のために使用されてもよい(例えば、そこに配置され得る)。代替として、または追加として、1つ以上のDM-RSポートは、アップリンク送信のために、無線デバイスによって使用され得る(例えば、そこに配置され得る)。
【0085】
代替的に又は追加的に、1つ以上のDM-RSポートは、無線チャネルの受信側に配置されてもよい(又は定義されてもよい)。例えば、送信側は当初、DM-RSを送信することによってDM-RSポートを定義することができ、受信側は、受信したDM-RSに基づいてビームフォーム受信のための組合せ重みを定義することができる。1つ以上のDM-RSポートは、アップリンク受信のために無線アクセスノードによって使用されてもよい(例えば、そこに配置され得る)。代替として、または追加として、1つ以上のDM-RSポートはダウンリンク送信のために、無線デバイスによって使用され得る(例えば、そこに配置され得る)。
【0086】
無線チャネル上の送信は、1つまたは複数のレイヤ(空間ストリームとも呼ばれる)を備えることができる。レイヤの数は、無線チャネルを通じた送信に使用されるDM-RSポートの数と同じになることがある。無線チャネルは、送信側(すなわち、MIMOチャネルの入力)でDM-RSポートを通してアクセスされ、任意に複数の送信機アンテナにマッピングされ、受信機側(すなわち、MIMOチャネルの出力)でアンテナによって形成される複数の受信機ポートを通して受信される、多入力多出力(MIMO)チャネルであってもよい。
【0087】
複数の送信されたレイヤは、送信プリコーダによって空間および/または偏波領域において分離され、チャネル推定を実行することによって受信機において分離され、任意選択で、受信側で受信されたDM-RSおよび/またはPT-RSに基づいて、無線チャネルのための干渉レイヤの抑制を実行することによって受信機において分離され得る。例えば、送信は2つ以上のレイヤが2つ以上のDM-RSポートを介してアクセスされてもよい、マルチレイヤシングル(単一)ユーザMIMO(SU-MIMO)送信であってもよい。
【0088】
DM-RSは、送信側でプリコーディング(事前符号化)し、受信側で無線チャネルを復調する少なくとも1つのために使用することができる。
【0089】
DM-RSに割り当てられるサブキャリアのサブセットは、対応するDM-RSポートに依存する場合がある。各DM-RSポートについて、PRBにおけるサブキャリアのサブセットは、対応するDM-RSポートを通してDM-RS送信された(または送信される)DM-RSに割り当てることができる。すなわち、DM-RSに割り当てられるサブキャリアのサブセットが、各DM-RSポートに関連付けられる。異なるDM-RSポートを介してDM-RSを送信するために使用されるサブキャリアのサブセットのうちの少なくともいくつかは、異なる可能性がある。例えば、異なるサブセットは、相互にばらばらであってもよい。
【0090】
PRBは、インデックスk∈{0, ...,11}によって与えられる12個のサブキャリアを含むことができる。DM-RSポートpを介して送信されているDM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットは、
により与えられ、ここで、R=1,2又は3;S=1又は2;及びオフセットΔ(p)はDM-RSポートpに依存する。
【0091】
DM-RS設定タイプ1の場合、パラメータは、R=2、S=2、およびΔ(p)∈{0,1}とすることができる。DM-RS設定タイプ2の場合、パラメータは、R=3、S=1、およびΔ(p)∈{0,2,4}であってもよい。上記のセットの式において、上限"11"はNRB
SC - 1に置き換えられてもよく、上限"6/R"はNRB
SC/(2R)に置き換えられてもよい。
【0092】
DM-RSはシーケンスr(2・m + k'+ n0)から導出されてもよく、ここで、n0 = Nstart
BWP,iNRB
sc/R、Nstart
BWP,iは、PRBの単位におけるキャリア帯域幅部分の始まりであり、NRB
sc = 12はPRB当たりのサブキャリアの数である。
【0093】
DM-RSポートごとに異なるDM-RSを送信できる。異なるDM-RS(例えば、直交信号)が異なるDM-RSポート上で送信されるので、"DM-RS"に対する任意の依存性は、対応する"DM-RSポート"に対する依存性として等しく表現され得る。
【0094】
異なるDM-RSポートを介して送信されるDM-RSは、周波数領域における直交カバーコード、時間領域における直交カバーコード、およびDM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットのうちの少なくとも1つによって区別され得る。
【0095】
例えば、異なるDM-RSポートを介して送信されるDM-RSの各々は、サブキャリアのばらばらのサブセットを使用するか、または周波数領域において直交符号化され得る。
【0096】
DM-RSポートの1つがPT-RSに関連付けられている場合がある。PT-RSは、PT-RSに関連付けられたDM-RSポートを通して送信または受信され得る。PT-RSは、1つのDM-RSポートを介して送信されるDM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットのうち、ビットフィールドによってPT-RSに割り当てられたサブキャリア上で送信または受信され得る。
【0097】
PT-RSおよびDM-RSは(例えば、OFDMシンボルまたは異なるPRB、すなわち、異なるスロットまたは送信時間隔、TTIにおいて)同時にまたは別々に送信され得る。さらに、PT-RSの送信とDM-RSの送信とが重複してもよい。PT-RSの送信持続時間はDM-RSの送信持続時間よりも長くてもよい(例えば、複数倍長くてもよい)。例えば、PT-RSは、14個のOFDMシンボルを含む1つのPRBの間に送信または受信されてもよい。DM-RSは、1つまたは2つのOFDMシンボルの間に送信されてもよい。
【0098】
PT-RSに割り当てられるサブキャリアは、PT-RSのアップリンク送信とPT-RSのダウンリンク送信の少なくとも1つについて、ビットフィールドから導出または導出可能であり得る。
【0099】
無線アクセスノードは、無線デバイスへのダウンリンク送信のために、DM-RSポートを介して無線チャネルにアクセスするように構成されてもよい。方法は、対応するDM-RSポートのためにDM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットの中のビットフィールドに従って、PT-RSに割り当てられたサブキャリア上のDM-RSポートのうちの少なくとも1つを介して送信または受信されたPT-RSを受信するステップをさらに含むか、またはトリガすることができる。
【0100】
代替的に又は追加的に、無線デバイスは、無線アクセスノードへのアップリンク送信のために、DM-RSポートを介して無線チャネルにアクセスするように構成されてもよい。方法は、対応するDM-RSポートのためにDM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットの中のビットフィールドに従って、PT-RSに割り当てられたサブキャリア上のDM-RSポートのうちの少なくとも1つを介してPT-RSを送信または受信するステップをさらに含むか、またはトリガすることができる。
【0101】
PT-RSが送信または受信されるDM-RSポートは、PT-RSポートとも呼ばれることもある。表現"PT-RS"は、異なるDM-RSポート(ポート固有のPT-RS)上で送信または受信される異なるPT-RSを集合的に指すことができる。代替的に又は追加的に、表現"PT-RS"は例えば、特定のPT-RSポートの文脈において、ポート固有のPT-RSを指すことができる。
【0102】
無線アクセスノードは、無線チャネル上の少なくとも1つの無線デバイスに無線アクセスを提供してもよい。各無線デバイスについて、PT-RSは、1つまたは2つのDM-RSポートのそれぞれを介して送信または受信され得る。
【0103】
無線チャネルは、2つ以上のDM-RSポートを介してアクセスされるシングルユーザ多入力多出力(SU-MIMO)チャネルで構成されることができる。PT-RSは、2つ以上のDM-RSポートのうちの少なくとも2つのポートの各々で送信または受信されてもよい。無線チャネルは、2つ以上のレイヤおよび/または2つ以上のDM-RSポートを備えることができる。PT-RSは、2つ以上のレイヤの各々に対して、または2つ以上のDM-RSポートの各々を介して送信または受信されてもよい。
【0104】
無線チャネルは、マルチユーザ多入力多出力(MU-MIMO)チャネルを構成することができる。DM-RSポートの異なるDM-RSグループは、異なる無線デバイスへのアクセスを提供し得る。PT-RSは、各DM-RSグループにおける少なくとも1つのDM-RSポートを介して送信または受信され得る。
【0105】
MU-MIMOチャネルは、複数の無線デバイスの各々に対して、少なくとも1つのレイヤ又は少なくとも1つのDM-RSポートを備えることができる。複数の無線デバイスのそれぞれについて、PT-RSは、少なくとも1つのレイヤ上で、または少なくとも1つのDM-RSポートを介して送信または受信され得る。
【0106】
PT-RSに割り当てられるサブキャリアは、設定メッセージにおけるビットフィールドと、PT-RSが送信または受信されるDM-RSポートとの組合せに基づいて、DM-RSに割り当てられるサブキャリアのサブセットの中で一意に決定されてもよい。
【0107】
ビットフィールドの同じ値は、異なるDM-RSポートを介して送信または受信されたPT-RSに割り当てられた異なるサブキャリアを示すことができる。
【0108】
ビットフィールドは、DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットのうち、PT-RSのための2つ以上の候補サブキャリアを示すことができる。PT-RSに割り当てられるサブキャリアは、PT-RSが送信または受信されるDM-RSポートに基づいて、例えば、DM-RSポートインデックスpの関数として、またはPT-RSが送信または受信されるDM-RSポートに基づいて、候補サブキャリアの中から決定されてもよい。
【0109】
DM-RSポートpを介して送信または受信されるPT-RSに割り当てられるサブキャリアは、2・R・m+S・k'+Δ(p)で与えられる。ビットフィールドは、mを示すことができる。k'の値は、DM-RSポートpによってp mod 2に決定されることがある。
【0110】
PT-RSは、少なくとも2つの異なるDM-RSポートのそれぞれを介して送信または受信され得る。代替的に、又は、組み合わせて、PT-RSは、アップリンク送信とダウンリンク送信のそれぞれにおいて送信または受信することができる。
【0111】
DM-RSポートpを通して送信されるDM-RSは、時間領域における直交カバーコード(OCC)に従うことができる(TD-OCC)。代替的に又は追加的に、DM-RSポートpを通して送信されるDM-RSは、周波数領域におけるOCC(FD-OCC)に従うことができる。PT-RSに割り当てられたサブキャリアは、ビットフィールドと、TD-OCCのDM-RSポート依存性と、FD-OCCのDM-RSポート依存性との組合せに基づき、DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットの中から決定されることができる。組合せは、合計を含むことができる。
【0112】
例えば、TD-OCCのDM-RSポート依存性は、DM-RSポートpに対して、
を含み得る。代替的に、又は、組み合わせて、FD-OCCのDM-RSポート依存性は、DM-RSポートpに対して、
を含み得る。
【0113】
ここで、Rは、DM-RS設定タイプ1については2に等しくてもよく、DM-RS設定タイプ2については3に等しくてもよい。
【0114】
TD-OCCは、
に従った係数(例えば符号)を含み得る。
代替的に、又は、組み合わせて、FD-OCCは
に従った係数(例えば符号)を含み得る。
【0115】
設定メッセージは、PT-RSが送信または受信される各DM-RSポートについて、対応するDM-RSポートを介して送信されるDM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットのうちの、PT-RSに割り当てられたサブキャリアを示すビットフィールドのインスタンスを含み得る。
【0116】
PT-RSは、DM-RSポートの1つを介して送信または受信され得る。1つのDM-RSポートは、あらかじめ定義されたルールに従って決定され得る。例えば、DM-RSポートは、2つ以上のばらばらな(互いに素な)DM-RSグループにグループ化されてもよく、PT-RSはDM-RSグループの各々におけるDM-RSポートのうちの1つを介して送信または受信されてもよい。1つのDM-RSポートは、DM-RSグループの各々に適用される、あらかじめ定義されたルールに従って決定され得る。
【0117】
PT-RSが送信または受信される1つのDM-RSポートは、設定メッセージで指定されていない可能性がある。無線アクセスノードと無線デバイスのそれぞれは、あらかじめ定義されたルールを個別に適用することによって、PT-RSが送信または受信される1つのDM-RSポートを決定することができる。
【0118】
DM-RSポートの各々は、ポートインデックスによって一意に識別される場合がある。あらかじめ定義されたルールに従って決定されるDM-RSポートのうちの1つは、最も低い(小さい)ポートインデックスを有するDM-RSポートである可能性がある。
【0119】
PT-RSは、PT-RSに割り当てられたサブキャリア上のトーンを含み得る。トーンは、同じサブキャリア上の対応するDM-RSポートを通して送信されるDM-RSのトーンに対応し得る。ここで、トーンは1つのサブキャリア又は1つのリソース要素(例えば、1つのOFDMシンボルの持続時間)によって搬送される複素(例えば、フーリエ)係数を含み得る。各OFDMシンボルは、それぞれのサブキャリア上で同時に送信される複数のトーンを含み得る。トーンは、シンボル長の持続時間の間、時間領域における高調波フーリエ成分に対応し得る。代替的に又は追加的に、トーンは1つのREにおける復調を指し得る。
【0120】
PT-RSは、複数のPRBにおいて送信または受信されてもよい。対応するPRBに対する同じサブキャリアが、PRBの各々においてPT-RSに割り当てられてもよい。さらに、PRBの各々において、同じサブキャリアのサブセットがDM-RSに配分されることもある。
【0121】
送信の波形は、直交周波数分割多重(OFDM)、特にサイクリックプレフィックス(CP)OFDM(CP-OFDM)を含み得る。トーンは、OFDMトーンであってもよい。送信は、PRB当たり複数のOFDMシンボル、例えば、時間領域における1つのスロットを含み得る。各OFDMシンボルは、サブキャリアごとに1つのOFDMトーンを含み得る。
【0122】
各DM-RSポートは、プリコーダに従って複数のアンテナポートにマッピングされ得る。異なるDM-RSポートは、異なるプリコーダに従ってマッピングされ得る。
【0123】
一部または各DM-RSポートは、プリコーダに従ってビーム形成(ビームフォーミング)することができる。例えば、無線チャネル上の単一レイヤ(Tx)ビーム形成のために、1つのDM-RSポートが、無線チャネルにアクセスするために使用されてもよい。あるいは、DM-RSポートをアンテナポートにマッピングすることもできる(例えば、1対1の対応または1対多の対応において)。
【0124】
DM-RS設定タイプ1に従ってDM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットにおけるサブキャリアの数は、DM-RS設定タイプ2に従ってDM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットにおけるサブキャリアの数の2倍であってもよい。DM-RS設定タイプ1とDM-RS設定タイプ2のそれぞれに対して、同じサイズのビットフィールドを使用することができる。DM-RS設定タイプ2においてPT-RSに割り当てられたサブキャリアを決定するために、ビットフィールドの最上位ビットは、無視されるか、またはゼロに設定されてもよい。
【0125】
他の方法の態様は、任意の1つの方法の態様の文脈で開示された任意の特徴またはステップをさらに含むことができる。さらに、他の方法の態様は、1つの態様の特徴またはステップのうちのいずれか1つに対応する特徴またはステップを備えることができる。
【0126】
他の方法の態様は、例えば、RANにおいて、1つ以上の無線デバイスによって実行されてもよい。無線デバイスまたは各無線デバイスは、ユーザ装置(UE)であってもよい。
【0127】
システムの態様については、無線アクセスノードと無線デバイスとの間の無線チャネル上の位相追跡参照信号(PT-RS)の設定メッセージを送受信する方法が提供される。無線チャネルは、物理リソースブロック(PRB)における複数のサブキャリアを含む。PRBにおけるサブキャリアのサブセットは、復調参照信号(DM-RS)に割り当てられる。方法は、設定メッセージを無線デバイスに送信するステップを含むか、またはトリガする。設定メッセージは、DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットのうち、PT-RSに割り当てられた少なくとも1つのサブキャリアを示すビットフィールドを含む。方法は、無線アクセスノードから設定メッセージを受信するステップをさらに含むか、またはトリガする。設定メッセージは、DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットのうち、PT-RSに割り当てられた少なくとも1つのサブキャリアを示すビットフィールドを含む。
【0128】
他のシステムの態様については、無線アクセスノードと無線デバイスとの間の無線チャネル上の位相追跡参照信号(PT-RS)の設定メッセージを送受信するシステムが提供される。無線チャネルは、物理リソースブロック(PRB)における複数のサブキャリアを含む。PRBにおけるサブキャリアのサブセットは、復調参照信号(DM-RS)に割り当てられる。システムは、設定メッセージを無線デバイスに送信するステップを実行またはトリガするように構成される。設定メッセージは、DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットのうち、PT-RSに割り当てられた少なくとも1つのサブキャリアを示すビットフィールドを備える。システムはさらに、無線アクセスノードから設定メッセージを受信するステップを実行またはトリガするように構成される。設定メッセージは、DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットのうち、PT-RSに割り当てられた少なくとも1つのサブキャリアを示すビットフィールドを含む。
【0129】
システムは、無線アクセスノードおよび無線デバイスの少なくとも1つによって具現化されてもよい。
【0130】
任意の態様では、無線デバイスは、(例えば、サイドリンク上で)ピアツーピア通信のために、および/またはRAN(例えば、アップリンク、UL、および/またはダウンリンク、DL)にアクセスするために構成され得る。無線デバイスはユーザ装置(UE、例えば、3GPP UE)、モバイルまたはポータブルステーション(STA、例えば、Wi-Fi STA)、マシンタイプ通信(MTC)のためのデバイス、またはそれらの組み合わせであり得る。UEとモバイルステーションの例には、携帯電話とタブレットコンピューターが含まれる。ポータブルステーションの例には、ラップトップコンピューターやテレビが含まれる。MTCデバイスの例には、例えば、製造、自動車通信、およびホームオートメーションにおけるロボット、センサーおよび/またはアクチュエータが含まれる。MTCデバイスは、家庭用電化製品および家電製品に実装され得る。組み合わせの例には、自動運転車、ドア相互通信システム、現金自動預け払い機が含まれる。
【0131】
基地局の例としては、3G基地局又はノードB、4G基地局又はeNodeB、5G基地局又はgNodeB、アクセスポイント(例えば、Wi-Fiアクセスポイント)及びネットワークコントローラ(例えば、Bluetooth、ZigBee又はZ-Waveによる)が挙げられる。
【0132】
RANは、GSM(移動通信のためのグローバルシステム)、UMTS(ユニバーサル移動通信システム)、LTE(ロングタームエボリューション)、および/またはNR(New Radio)に従って実装され得る。
【0133】
この技術は、無線通信のためのプロトコルスタックの物理層(PHY)、媒体アクセス制御(MAC)層、無線リンク制御(RLC)層および/または無線リソース制御(RRC)層上に実装することができる。
【0134】
別の態様については、コンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラム製品が1つ以上のコンピューティングデバイスによって実行されるときに、本明細書で開示される方法の態様のステップのいずれか1つを実行するためのプログラムコード部分を含む。コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読記録媒体に格納されてもよい。コンピュータプログラム製品はデータネットワークを介して、例えば、RANを介して、および/またはインターネットおよび/または基地局を介して、ダウンロードするために提供されてもよい。代替的または追加的に、方法は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)および/または特定用途向け集積回路(ASIC)にエンコードされてもよく、またはハードウェア記述言語によるダウンロードのために機能が提供されてもよい。
【0135】
1つのデバイス態様は、1つの方法の態様を実行するように構成されたデバイスに関する。代替として、または追加として、デバイスは、1つの方法の態様の任意のステップを実行するように構成されたユニットまたはモジュールを備えることができる。別のデバイス態様は、他の方法の態様を実行するように構成されたデバイスに関する。代替的に又は追加的に、デバイスは、他の方法の態様の任意のステップを実行するように構成されたユニットまたはモジュールを備えることができる。
【0136】
さらに、方法の態様のそれぞれについて、デバイスは、少なくとも1つのプロセッサおよびメモリを備えることができる。当該メモリは、当該少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令を含み、それによって、デバイスは、対応する方法の態様を実行するように動作可能である。
【0137】
デバイス(または本技術を具現化するための任意のノードまたはステーション)は、方法の態様の文脈で開示される任意の特徴をさらに含むことができる。特に、ユニットおよびモジュールのうちのいずれか1つ、または専用のユニットまたはモジュールは、方法の態様のうちのいずれか1つのステップのうちの1つまたは複数を実行またはトリガするように構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0138】
技術の実施形態の更なる詳細は、添付の図面を参照して説明される。
【
図1】位相追従参照信号用の設定メッセージを送信するデバイスの概略ブロック図を示す。
【
図2】位相追跡参照信号に対する設定メッセージを受信するデバイスの概略ブロック図を示す。
【
図3】
図1のデバイスによって実施可能な、位相追跡参照信号のための設定メッセージを送信する方法のフローチャートを示す。
【
図4】
図2のデバイスによって実施可能な、位相追跡参照信号のための設定メッセージを受信する方法のフローチャートを示す。
【
図5】
図1および
図2のデバイスの実施形態の例示的な展開を概略的に示す。
【
図6】異なる復調参照信号ポートのためのリソース要素の割り当てのための第1の例を概略的に示す。
【
図7】異なる復調参照信号ポートのためのリソース要素の割り当てのための第2の例を概略的に示す。
【
図8】位相追跡参照信号のためのリソース要素の有効な割り当ての例を概略的に示す。
【
図9】位相追跡参照信号に対するリソース要素の無効な割り当ての例を概略的に示す。
【
図10】
図1のデバイスの第1の実施形態の概略ブロック図を示す。
【
図11】
図1のデバイスの第2の実施形態の概略ブロック図を示す。
【
図12】
図2のデバイスの第1の実施形態の概略ブロック図を示す。
【
図13】
図2のデバイスの第2の実施形態の概略ブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0139】
以下の説明では、限定ではなく説明の目的で、本明細書で開示される技術の完全な理解を提供するために、特定のネットワーク環境などの特定の詳細が示される。これらの特定の詳細から逸脱する他の実施形態でこの技法を実施できることは、当業者には明らかであろう。さらに、以下の実施形態は主に5G New Radio(NR)実装について説明されるが、本明細書で説明される技術は、3GPP LTEまたはその後継を含む任意の他の無線ネットワーク、標準ファミリIEEE 802.11による無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、Bluetooth Special Interest Group(SIG)によるBluetooth、特にBluetooth Low EnergyおよびBluetoothブロードキャスト、および/またはIEEE 802.15.4に基づくZigBeeにおいても実装され得ることが容易に明らかである。
【0140】
さらに、本明細書で説明する機能、ステップ、ユニット、およびモジュールは、プログラムされたマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)または汎用コンピュータ(例えばアドバンストRISCマシン(ARM)を含む)と連携して機能するソフトウェアを使用して実装できることを当業者は理解するであろう。また、以下の実施形態は主に方法およびデバイスに関連して説明されるが、本発明は、コンピュータプログラム製品ならびに少なくとも1つのコンピュータプロセッサおよびメモリに接続されたメモリを含むシステムにおいても具現化できることも理解されよう。メモリは、機能およびステップを実行するか、または本明細書で開示されるユニットおよびモジュールを実装することができる1つ以上のプログラムで符号化(エンコード)される。
【0141】
図1は、無線アクセスノードと無線デバイスとの間の無線チャネルにおいて位相追跡参照信号(PT-RS)のための設定メッセージを送信するデバイスのブロック図を模式的に示したものである。デバイスは、一般的に参照符号100で示されている。無線チャネルは、物理リソースブロック(PRB)において複数のサブキャリアを含む。PRBにおけるサブキャリアのサブセットは、復調参照信号(DM-RS)に割り当てられる。デバイス100は、設定メッセージを無線デバイスに送信する設定送信モジュール102を備える。設定メッセージは、DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットのうち、PT-RSに割り当てられた少なくとも1つのサブキャリアを示すビットフィールドを含む。
【0142】
デバイス100は、RANに接続されてもよく、および/または、RANの一部であってもよい。デバイス100は、無線アクセスノード(例えば、RANの基地局)、基地局を制御するためにRANに接続されたノード、またはそれらの組み合わせによって、またはそれらにおいて具現化されてもよい。
【0143】
任意選択で、デバイス100は、設定に従ってPT-RSを送信、受信、および処理することのうちの少なくとも1つのためのPT-RSモジュール104を備える。代替的に又は追加的に、デバイス100は、DM-RSを送信し処理する少なくとも1つのためのDM-RSモジュール106を備える。PT-RSモジュール104は、DM-RSモジュール106の機能またはサブモジュールであってもよい。
【0144】
デバイス100のモジュールのいずれも、対応する機能を提供するように構成されたユニットによって具現化され得る。
【0145】
図2は、無線アクセスノードと無線デバイスとの間の無線チャネルにおいて位相追跡参照信号(PT-RS)の設定メッセージを受信するデバイスのブロック図を模式的に示したものである。デバイスは、一般的に参照符号200で示されている。無線チャネルは、物理リソースブロック(PRB)内に複数のサブキャリアを含む。PRBにおけるサブキャリアのサブセットは、復調参照信号(DM-RS)に割り当てられる。デバイス200は、無線アクセスノードから設定メッセージを受信する設定受信モジュール202を備える。設定メッセージは、DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットのうち、PT-RSに割り当てられた少なくとも1つのサブキャリアを示すビットフィールドを含む。
【0146】
デバイス200は、無線デバイスによって、または無線デバイスにおいて具現化され得る。
【0147】
任意選択で、デバイス200は、設定に従ってPT-RSを送信すること、受信すること、および処理することのうちの少なくとも1つのためのPT-RSモジュール204を備える。代替的または追加的に、デバイス200は、DM-RSを送信し処理する少なくとも1つのモジュールであるDM-RSモジュール206を備える。PT-RSモジュール204は、DM-RSモジュール206の機能またはサブモジュールであってもよい。
【0148】
デバイス200のモジュールのいずれも、対応する機能を提供するように構成されたユニットによって具現化され得る。
【0149】
ここで、無線アクセスノードは、ネットワークコントローラ(例えば、Wi-Fiアクセスポイント)またはセルラ-無線アクセスノード(例えば、3GノードB、4GノードBまたは5GノードB)を含むことができる。無線アクセスノードは、無線デバイスに無線アクセスを提供するように構成してもよい。代替的に又は追加的に、無線デバイスは、モバイル又はポータブルステーション、ユーザ装置(UE)、特にマシンタイプ通信デバイス(MTC)及び狭帯域モノのインターネット(narrowband Internet of Things(NB-IoT))デバイスを含むことができる。無線デバイスの2つ以上のインスタンスは、例えばアドホック無線ネットワーク内で、または3GPPサイドリンクを介して、互いに無線接続するように構成されてもよい。
【0150】
図3は、無線アクセスノードと無線デバイスとの間の無線チャネルにおいてPT-RSのための設定メッセージを送信する方法300のフローチャートを示す。無線チャネルは、(例えば、各)PRBにおいて複数のサブキャリアを備える。PRB内のサブキャリアのサブセットは、DM-RSに割り当てられる。方法300のステップ302において、設定メッセージが無線デバイスに送信される。設定メッセージは、DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットのうち、PT-RSに割り当てられた少なくとも1つのサブキャリアを示すビットフィールドを含む。
【0151】
ここで、"PT-RSに割り当てられた(割り当てられる)サブキャリア"は、PT-RSを送信するために使用されるか、またはPT-RSを送信するためにスケジュールされるサブキャリアを包含することができる。さらに、"PT-RSに割り当てられたサブキャリア"は、2つ以上の候補サブキャリアを包含することができ、そのうちの1つは最終的にPT-RSに割り当てられる(例えば、PT-RSのために使用またはスケジュールされる)サブキャリアを包含することができる。例えば、"PT-RSに割り当てられたサブキャリア"はゼロ電力PT-RSを包含することができ、すなわち、サブキャリアはPT-RSサブキャリアであるが、無線アクセスノード(例えば、gNB)は当該PT-RSサブキャリア上で何も送信していない。このPT-RSサブキャリアは、別の無線アクセスノード(例えば、別のgNB)によって使用されてもよい。これにより、当該サブキャリア上での干渉を回避することができる。
【0152】
任意選択(オプション)で、ステップ304において、PT-RSは、ビットフィールドに従って、PT-RSに割り当てられたサブキャリアにおいて処理され、送信され、および/または受信される。
【0153】
割り当てられたサブキャリアは、PT-RSが送信されるDM-RSポートにさらに依存し得る。例えば、PT-RSに割り当てられたサブキャリアのインデックスは、ビットフィールドとDM-RSポートのインデックスの両方の関数であってもよい。本明細書で開示される任意の実施形態と互換性がある一実施形態では、ビットフィールドがDM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットの中からPT-RSに割り当てられたサブキャリアを一意に決定することができる。開示される任意の実施形態に対応する別の実施形態では、ビットフィールド単独ではDM-RSに割り当てられるサブキャリアのサブセット内で、PT-RSのサブキャリアを示すことはできない。PT-RSを送信するために使用されるDM-RSポートへのさらなる依存は後者のあいまいさを排除し、したがってポートインデックスとビットフィールドの組合せはPT-RSのためのサブキャリアを一意的に決定する。
【0154】
ステップ304と同時に行うことができるステップ306では、DM-RSが処理され、送信され、および/または受信される。代替的に又は追加的に、無線アクセスノードは、無線デバイスにおける、および/または、無線デバイスへのDM-RSの設定に対する変更をシグナリングし得る。
【0155】
方法300は例えば、(例えば、RANのための)無線アクセスノードにおいて、または無線アクセスノードを使用して、デバイス100によって実行され得る。例えば、モジュール102、104、および106は、それぞれステップ302、304、および306を実行し得る。
【0156】
図4は、無線アクセスノードと無線デバイスとの間の無線チャネル上でPT-RSのための設定メッセージを受信する方法400のフローチャートを示す。無線チャネルは(例えば、各)PRBにおける複数のサブキャリアを備える。PRBにおけるサブキャリアのサブセットは、DM-RSに割り当てられる。方法400のステップ402において、設定メッセージは、無線アクセスノードから受信される。設定メッセージは、DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットのうち、PT-RSに割り当てられた少なくとも1つのサブキャリアを示すビットフィールドを含む。
【0157】
任意選択で、ステップ404において、PT-RSは、ビットフィールドに従って、PT-RSに割り当てられたサブキャリア上で処理され、送信され、および/または受信される。例えば、PT-RSに割り当てられたサブキャリアは、ステップ404において、ビットフィールドと、オプションとして、PT-RSが送信されるDM-RSポートとに基づいて決定されてもよい。
【0158】
無線デバイスは、ステップ406でアクセスノードから受信した設定メッセージまたは別の設定に従って、DM-RSを処理、送信、および/または受信することができる。
【0159】
方法400は例えば、無線デバイスにおいて、または無線デバイスを使用して、デバイス200によって実行され得る。例えば、モジュール202、204、および206は、それぞれステップ402、404、および406を実行し得る。
【0160】
図5は、本技術を実装するための例示的な環境500、たとえばスタンドアロンまたはセルラー無線アクセスネットワーク(RAN)を概略的に示す。環境500は、デバイス100および200の実施形態の間にそれぞれ複数の無線チャネル502を備える。
図5の環境500では、デバイス100は、デバイス200を具現化する少なくとも1つの無線デバイス512に無線アクセスを提供するか、または無線通信を制御する、少なくとも1つの基地局または無線アクセスノード510によって具現化される。無線アクセスノード510と無線通信502を行う全ての無線デバイス512がデバイス200を具現化する必要はない。
【0161】
NRでは、受信機が位相ノイズ関連エラー(誤差)を修正するために、位相追跡参照信号(PT-RS)をダウンリンクおよびアップリンク送信用に設定することができる。PT-RS設定は、UE固有であり、送信に使用されるDM-RSポートのうちの1つにPT-RSが関連付けられていることが合意される。これは、DM-RSとその関連するPT-RSは、同じプリコーダを使用して送信され、どのようなDM-RSシーケンスが設定されているにもかかわらず、PT-RSに使用される変調シンボルがDM-RSから取られることを意味する。それは、PT-RSシーケンスはDM-RSから借りることから、PT-RSシーケンスの具体的な設定がないことを意味する。
【0162】
UEは、PDSCH DM-RSが上位層パラメータDL-DM-RS-config-typeによって与えられるように、タイプ1またはタイプ2に従って物理リソースにマッピングされると仮定する。
【0163】
UEは、リソース要素(RE)がPDSCH送信のために割り当てられるリソース内にあるという条件の下で、次式に従ってシーケンス r(m) が物理リソース要素にマッピングされると仮定する。
機能(関数)w
f(k')、w
t(l')、およびΔは、文書3GPP TX 38.211(例えば、バージョン1.0.0)のセクション7.4の表(テーブル)7.4.1.1.2-1及び表7.4.1.1.2-2によるDM-RSポートp又は以下の例示的な表による。
【0164】
サブキャリアラベルkの基準点は、帯域部分のうち最小番号のサブキャリアに対応して K=0 で物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)が送信されるキャリア帯域部分iの開始(先頭)である。
【0165】
オフセットn
0は、
により与えられる。ここで、N
start
BWP,iは、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)が送信されるキャリア帯域幅部分の開始である。
【0166】
時間領域(TD)では、lに対する基準点と最初のDM-RS記号の位置l0は、マッピングタイプに依存する。PDSCHマッピングタイプAについては、lは、スロットの開始に関連して定義され、上位レイヤパラメータDL-DMRS-typeA-posが3に等しい場合、l0=3であり、それ以外の場合にl0=2であると定義される。PDSCHマッピングタイプBについては、lは、スケジュールされたPDSCHリソースの開始に関連して定義され、l0=0である。
【0167】
文書3GPP TS 38.211(例えば、バージョン1.0.0)のセクション7.4の表7.4.1.1.2-3および7.4.1.1.2-4、または、以下の例示的な表に従って、追加DM-RSシンボルの1つ以上の位置は、l~と、スロットにおけるPDSCHに使用された最後のOFDMシンボルとによって与えられる。
【0168】
時間領域インデックスl'およびサポートされるアンテナポートpは、文書3GPP TS 38.211(例えば、バージョン1.0.0)のセクション7.4の表7.4.1.1.2-5、または、以下の例示的な表によって与えられる。上位層パラメータDL-DMRS-lenが1の場合、単一(シングル)シンボルDM-RS が使用される。単一シンボルDM-RSと二重(ダブル)シンボルDM-RSのどちらを使用するかは、上位層パラメータDL-DMRS-lenが2の場合、関連するDCIによって決定される。
【0169】
図6及び
図7に、単一の前倒し(front-loaded)ケースのDM-RS設定タイプ1と2の異なるDM-RSポートのマッピングを示す。いくつかの実施形態では、PT-RSは、時間領域においてDM-RSのための直交カバーコード、すなわち、DM-RSのためのTD-OCCを使用するときに、スケジュールされない。そのような実施形態では、PT-RSは、DM-RS設定タイプ1のためのDM-RSポート1004~1007、およびDM-RS設定タイプ2のためのポート1006~1011を使用するときに送信されない。
【0170】
周波数領域におけるPT-RSのマッピングに関して、3GPPは、各PT-RSポートがPRBあたり最大で1つのサブキャリアでスケジュール(予定)されていることに同意した。また、PT-RSポートに使用されるサブキャリアは、PT-RSポートに関連付けられたDM-RSポートにも使用されるサブキャリアの1つでなければならないことが合意された。
【0171】
図8は、時間606におけるリソース要素(RE)604及び周波数608(例えば、サブキャリアの単位)のグリッド(格子)(例えば、OFDMシンボルの単位)を含む、PRB 602における無線リソース割り当て600のための例を概略的に示す。
図8に概略的に示される割り当て600は、DM-RSと比較してPT-RSの異なる持続時間および密度を示すために、時間領域(TD)606も含むが、この技術は、周波数領域(FD)、すなわちサブキャリアkにおける割り当て600を制限する設定メカニズムによって、実装することができる。
【0172】
PRB 602の持続時間は、1つのスロット610に対応し得る。
【0173】
PT-RSへのサブキャリアの例示的な割り当て600は有効である。言い換えれば、PT-RSに割り当てられたサブキャリアは、DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットにあるので、RE604へのPT-RSのマッピングは許可される。対照的に、
図9に概略的に示される例示的な割り当て600は、許可されたPT-RSマッピングではない。
【0174】
したがって、(DM-RS設定タイプ1におけるように)繰り返し係数(RPF)R=2を有するDM-RSのために櫛型(comb-based)構造が使用される場合、DM-RSは2番目毎のサブキャリアにマッピングされ、すなわち、DM-RSに割り当てられたサブキャリアのサブセットは、PRB 602における2番目毎のサブキャリアのみを包含する。その結果、この技術は、本例PRB 602における12のサブキャリアのうちのサブセットにおける6つのDM-RSサブキャリアのうちの1つにのみPT-RSがマッピングされることを確実にする。
【0175】
NRでは、PRBは12個のサブキャリアを有する。したがって、PRB 602のサブキャリアのセットは{0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11}である。既存の解決策では、"PTRS-RE-offset"をセットの任意の値に設定できる。しかしながら、この解決策は、PT-RSポートがPT-RSポートに関連付けられたDM-RSポートによって使用されるサブキャリアのサブセットのサブキャリアにマッピングされない、サポートされないケースにつながる可能性がある。例えば、DM-RSポート1000に関連付けられたPT-RSを有するDM-RS設定タイプ1、およびポート1000がサブキャリア{0, 2, 4, 6, 8, 10, 12}または{0, 2, 4, 6, 8, 10}またはすべての偶数サブキャリアにマッピングする場合、RRCによって1, 3, 5, 7, 9または11のいずれかに等しくなるように設定された"PTRS-RE-offset"は、スケジューリング制限を暗示するサポートされないケースにつながる得る。
【0176】
RRC層によって構成される従来の"PTRS-RE-offset"が1, 3, 5, 7, 9または11のいずれかに等しい場合、DM-RS設定タイプ1のためのDM-RSポート{1002、1003、1006、1007}のみが、PDSCHまたはPUSCHのために使用されることができ(これらのDM-RSポートは上記の表7.4.1.1.2-1に従ってサブキャリアオフセットΔ=1を有するので)、これはスケジューリング制限である。
【0177】
以下の表1および表2は、それぞれDM-RS設定タイプ1および2に対する従来のパラメータ"PTRS-RE-offset"の既存の符号化を表す。さらに、最後の列は、従来の"PTRS-RE-offset"の対応する値がサポートされる場合につながるDM-RSポートのグループを示す。
【0178】
既存の符号化では、従来の"PTRS-RE-offset"を表すために4ビットが必要である。以下の表1は、DM-RS設定タイプ1に対する従来の"PTRS-RE-offset"の既存の符号化のためのビットマップの概要を示す。
【0179】
同様に、以下の表2に、DM-RS設定タイプ2の従来の"PTRS-RE-offset"の既存の符号化のためのビットマップの概要を示す。
【0180】
本技術は、PT-RSに関連付けられたDM-RSポートによって使用されるか、またはそれに割り当てられたサブキャリアのサブセットにおける要素のうちの1つに対する相対的インデックスを生成するために使用されるか、または使用可能なパラメータ"PTRS-RE-offset"(すなわち、ビットフィールド)を送信することによって、(たとえば、従来のパラメータの既存の符号化と比較して)シグナリングオーバーヘッドを低減することができる。
【0181】
本明細書で説明される任意の実施形態は、以下の特徴のうちの少なくとも1つを実装することができる。PRB 602内のDM-RSポートpによって使用される(またはそれに割り当てられる)サブキャリアのサブセットSpが定義される。Spの要素の1つに対する相対的インデックスは、IRelとして表される。相対的インデックスは、ビットフィールドPTRS-RE-offsetの関数(機能)と、任意選択で、ポート番号pに従って定義される(例えば、生成または導出される)。
IRel = f(PTRS-RE-offset, p).
【0182】
PT-RSサブキャリアはSp(IRel)によって決定され、ここでSp(・)はアレイなどの順序付けされたサブセットSpを表す。
【0183】
DM-RSポートに対するサブキャリアのサブセットSpは、DM-RS設定タイプ1、2の場合、それぞれ、単一シンボルDM-RSのケースに対して、以下の表3、表4に示す。
【0184】
表3は、単一シンボルDM-RSを想定したDM-RS設定タイプ1に対するサブキャリアのサブセットを示している。サブセットはDM-RSポートpに依存する。
【0185】
表4は、単一シンボルDM-RSを想定したDM-RS設定タイプ2に対するサブキャリアのサブセットを示している。サブセットはDM-RSポートpに依存する。
【0186】
本明細書に記載の任意の実施形態で実装することができる第1の変形例では、ビットフィールドが相対的インデックスを示す。第1の変形例は、PT-RSにより使用されるサブキャリアを設定する際に、基地局またはネットワークに完全な柔軟性を提供し得る。
【0187】
完全なインジケーションの柔軟性のために、相対的インデックスはビットフィールドとして使用されてもよく、すなわち、関数は、
となり得る。
【0188】
したがって、相対的インデックスは固定であり、RRC設定されたパラメータPTRS-RE-offsetに等しくなる。相対的インデックスは、関連するDM-RSポートに動的に依存しない。
【0189】
相対的インデックスは、特定のPDSCHまたはPUSCHスケジューリングに使用されるDM-RSポートで使用されるサブキャリアの中からサブキャリアを選択する。データスケジューリングに複数のDM-RSポートが使用される場合、PT-RSポートが最も低いインデックスを持つDM-RSポートに関連付けられるなど、あらかじめ定義されたルールが使用される。
【0190】
それぞれのDM-RS設定タイプについて表3および表4で定義されたサブセットに基づいて、ビットフィールド値、すなわち相対的インデックスPTRS-RE-offsetは、PRBにおけるPT-RSに対するサブキャリアを示し得る。サブセットは所与のDM-RSポートに対して完了するので、第1の変形例による符号化は、DM-RSポートに対して対応するPT-RSサブキャリアを設定するときに完全な柔軟性を提供する。制限なしに、技術に従った符号化は、DM-RS設定タイプ1と2について、それぞれ表5と表6に示されている。
【0191】
第1の変形例を実装する例を以下に示す。DM-RSポート1000(S1000 ={0, 2, 4, 6, 8, 10を有する) およびPTRS-RE-offset = 2 (すなわち、バイナリ表現では010)に関連付けられたPT-RSポートがRRCシグナリングを使用してUEに設定されている場合、PT-RSは、サブキャリアS1000(2) = 4にマッピングされる。DM-RSポート1000,1001,1002および1003が使用されるMIMO送信が使用される場合、最小のインデックス付きDM-RSポート(この場合、1000)は、説明されたルール(すなわち、表3または4)に従ってPT-RSポートのためのサブキャリアを決定するために使用されるという、あらかじめ定義されたルールが適用される。
【0192】
複数のDM-RSグループが設定される場合、手順は、DM-RSグループごとに適用され、したがって、1つのPT-RSサブキャリアがDM-RSグループごとに選択される。
【0193】
PDSCHを受信する場合、UEはPT-RSがこのサブキャリアに存在すると仮定し、PUSCHを送信する場合、UEはPT-RS送信のために割り当てられたPRBにおいて、このサブキャリアでPT-RSを送信すべきである。
【0194】
第1の変形例の実施形態は、RRCシグナリングオーバーヘッドを3ビットに低減することができる。また、パラメータ"PTRS-RE-offset"はどのDM-RSポートでも使用できるため、下りリンク(DL)と上りリンク(UL)では"PTRS-RE-offset"の共通表示を使用することができる。したがって、DLとULでは"PTRS-RE-offset"の共通インジケーション(指標/表示)を適用することができる。シグナリングオーバーヘッドは既存の符号化に関して低減され、および/または、ULおよびDLのために別個に本技術を実装することに関してさらに低減される。
【0195】
さらに、RRCシグナリングは(使用されるDM-RSポートに依存して)PT-RSがどのサブキャリアにマッピングされ得るかを制御することができるので、第1の変形例はDCサブキャリアを回避するように実装され得る。
【0196】
DM-RS設定タイプ1と2に対して調和シグナリングを持つために、DM-RS設定タイプ2については、相対的インデックスを生成するためにPTRS-RE-offsetの2 LSB(例えば、最下位2ビット)のみが使用される。その結果、PTRS-RE-offset、すなわちビットフィールド、に対する値および/または共通サイズ(または信号フォーマット)は、DM-RS設定タイプ1および2の両方と共に使用することができる。さらに、設定メッセージ、すなわちPTRS-RE-offsetパラメータは、送信で使用されるDM-RS設定タイプを変更するときに、再び送信されたり、シグナリングされたりする必要はない(例えば、ビットフィールドの設定タイプ依存フォーマットに準拠するために)。
【0197】
ただし、1以上のスケジュールされたPT-RSポートを持つSU-MIMOケースでは、PT-RSポートごとにPTRS-RE-offsetの独立インジケーションが必要である。その主な理由は、複数のPT-RSポートがサブキャリアの同じサブセットを持つDM-RSポートに関連付けられるのであれば、共通のPTRS-RE-offsetインジケーションを用いて、複数のPT-RSポートは同じサブキャリアにマッピングされるからである(PT-RSポート間の高いレベルの干渉を意味する)。したがって、独立インジケーションが必要である。
【0198】
以下の表5は、本技術の実装として、ビットフィールド、すなわち第1列におけるパラメータ"PTRS-RE-offset"、から導出されたサブキャリアインデックス(すなわち、PRBにおける実際のインデックスであり、サブセットにおける相対的インテックスではない)を表す。表5は、パラメータ"PTRS-RE-offset"に基づく完全な柔軟性のための符号化メカニズムとして実装されてもよい。
【0199】
限定なしで、以下の表5は、DM-RS設定タイプ1および単一シンボルDM-RSを想定している。
【0200】
以下の表6は、本技術の実装として、ビットフィールド、すなわち第1列におけるパラメータ"PTRS-RE-offset"、から導出されたサブキャリアインデックスを表す。表6は、パラメータ"PTRS-RE-offset"に基づく完全な柔軟性のための符号化メカニズムとして実装されてもよい。
【0201】
以下の表6は、パラメータ"PTRS-RE-offset"におけるMBS(例えば、最上位ビット)が無視されるように、より小さいサブセットを有するDM-RS設定タイプに関する。限定なしで、表6は、DM-RS設定タイプ2と単一シンボルDM-RSを想定している。
【0202】
本明細書で説明される任意の実施形態で実装され得る第2の変形例では、ビットフィールドが、柔軟性が低減された相対的インデックスを示す。
【0203】
シグナリングオーバーヘッドをさらに低減し、SU-MIMOのためにスケジュールされた全てのPT-RSポートに対して"PTRS-RE-offset"の共通インジケーションを使用することができるようにするために、相対的インデックスを生成するための代替メカニズム(すなわち、第2の変形例で適用される機能)が定義されてもよい。
【0204】
例えば、第2の変形例による関数の例は、
であり、ここで、offset
pは、DM-RSポートpによって使用されるOCC値に関連するパラメータである。
したがって、相対的インデックスは、スケジューリングのために選択された1つ以上のDM-RSポートにも動的に依存する。
【0205】
DM-RSポートpに対するoffsetpの値は、offsetp = p mod 2として得ることができる。式2の関数は、インジケーションの柔軟性を低減させる。なぜなら、すべてのPT-RSポートをどのサブキャリアにマッピングできるわけではないからである。しかしながら、柔軟性のこの低減は例えば、基地局510またはRANが、任意のPT-RSポートに対するDCサブキャリアを回避するために依然として有効であるため、性能に影響を及ぼさない。
【0206】
offsetpパラメータは、同じコム(comb/櫛状部)を持つが異なるOCCを持つDM-RSポートに関連付けられた2つのPT-RSポートが同じPTRS-RE-offsetの値に対して異なるサブキャリアにマッピングされるようにする。したがって、SU-MIMOのPTRS-RE-offsetの共通インジケーションが有効になる(つまり、PT-RSポート数が1より多い場合)。代替的に又は加えて、2つ以上のUE512が同じPTRS-RE-offsetパラメータ(例えば、RRCによる)で設定されている場合には、2つ以上のUE512は各DM-RSポートがPT-RSを固有のサブキャリアにマップすることが保証されるので、MU-MIMOスケジューリング(例えば、それぞれDM-RSポート1000及び1001)の各々において単一のレイヤで依然としてスケジュールすることができる。
【0207】
以下の表7と表8に、DM-RS設定タイプ1および2に対する異なるDM-RSポートに対するoffsetpの値を示す。前述の表および式2の関数に基づいて、相対的インデックスを生成する。第2の変形例の実施形態が以下の表9および表10に示されており、それぞれDM-RS設定タイプ1および2における、PTRS-RE-offsetの符号化およびDM-RSポートに対する対応するPT-RSサブキャリアの概要が表されている。
【0208】
第2の変形例を実装する例を以下に示す。PT-RSポートがDM-RSポート1000(S1000={0, 2, 4, 6, 8, 10}とoffset1000= 0を有する)に関連付けられていて、PTRS-RE-offset = 2の場合、PT-RSはサブキャリアS1000(2・2+0) = 8にマッピングされる。
【0209】
以下の表7は、DM-RSポートpの関数としてのオフセットpを示している。限定なしで、表7では、DM-RS設定タイプ1を想定している。
【0210】
以下の表8は、DM-RSポートpの関数としてのオフセットpを示している。限定なしで、表7では、DM-RS設定タイプ2を想定している。
【0211】
第2の変形例の実装を以下の表9に示す。PT-RSに対するサブキャリアは、ビットフィールドにおけるインジケーションとDM-RSポートp、すなわちオフセットpの組合せから導出される。表9は、"PTRS-RE-offset"を符号化および復号化するためのメカニズムとして実装され得る。以下の表9は、限定なしで、DM-RS設定タイプ1および単一シンボルDM-RSを想定している。表9を調べると、各DM-RSポートがPT-RSを一意のサブキャリアにマッピングすることが分かる。
【0212】
前の実施形態と組み合わせることができる第2の変形例のさらなる実施形態を、以下の表10に示す。PT-RSに対するサブキャリアは、ビットフィールドにおけるインジケーションとDM-RSポートp、すなわちオフセットpの組合せから導出される。以下の表10は、より小さいサブセットを持つDM-RS設定タイプに適用される。したがって、ビットフィールドのMSBは無視される。
【0213】
以下の表10は、"PTRS-RE-offset"を符号化および復号化するためのメカニズムとして実装され得る。表10は、限定なしで、DM-RS設定タイプ2と単一シンボルDM-RSを想定している。表10を調べると、各DM-RSポートがPT-RSを一意のサブキャリアにマッピングすることが分かる。
【0214】
第2の変形例の実装は、必要とされるオーバーヘッドを2ビットに低減することができる。さらに、第2の変形例は、任意のDM-RSポートを用いてパラメータ"PTRS-RE-offset"の任意の値を使用することを可能にするので、DLおよびULに対して共通のインジケーションを使用することができる。また、2つ以上のPT-RSがスケジュールされているSU-MIMOの場合、PTRS-RE-offsetの単一のインジケーション(例えば、ビットフィールドの単一の送信)は、異なるDM-RSポートに関連付けられたPT-RSポートに対して異なるサブキャリアを提供することができ、したがって、オフセットの既存の使用に関するオーバーヘッドが低減する。
【0215】
DM-RS設定タイプ1および2に対する調和シグナリングを持つために、DM-RS設定タイプ2については、相対インデックスを生成するためにPTRS-RE-offsetの1 LSB(例えば、最下位1ビット)のみが使用される。その結果、パラメータPTRS-RE-offset(すなわちビットフィールド)に対する値は、DM-RS設定タイプ1および2の両方に使用するか、または適用することができる。例えば、送信で使用されるDM-RS設定タイプを変更するときに、PTRS-RE-offsetに新たにシグナリングする必要がない。
【0216】
明確さのため、また限定されることなく、時間領域における符号(コード/コーディング)を適用しないDM-RSポートについては、上記の実施形態および変形例が説明されている。以下の実装は、そのような時間符号、例えば時間領域における直交カバーコード(TD-OCC)を適用するDM-RSポートで、相対的インデックスに柔軟性を与える。以下の実施は、本明細書に記載される任意の他の実施形態または変形例と組み合わせることができる。
【0217】
PTRS-RE-offsetシグナリングを、PT-RSとともにDM-RSに適用した場合と両立させるために(すなわち、DM-RSタイプ1の場合はポート1004-1007、サブ6シナリオに対するDM-RSタイプ2の場合はポート1006-1011)、相対的インデックスを決定するためのさらなる関数fを提供する。この関数は、TD-OCCなしのDM-RSポートの第2の変形例で説明したような相対的インデックスを生成するために、実行することができる。すなわち、以下の実装は、適切なDM-RSポートについて、上記の第2の変形例と互換性がある可能性がある。
【0218】
DM-RSタイプ1のための例示的な関数は、
である。ここで、FD_offset
pは、DM-RSポートpで使用される周波数領域OCC(FD-OCC)の値に関連するパラメータである。パラメータTD_offset
pは、DM-RSポートpで使用されるTD-OCC値に関連する。したがって、相対的インデックスは、スケジューリングのために選択されたDM-RSポートにも動的に依存する。
【0219】
より具体的には、限定するものではないが:
である。
【0220】
以下の表11および表12では、提示された方式を使用したPTRS-RE-offset、すなわちビットフィールド、の符号化が示されている。
【0221】
DM-RSタイプ2の例示的な関数は、
である。ここで、FD_offset
pはDM-RSポートpで使用されるFD-OCC値に関連するパラメータであり、TD_offset
pはDM-RSポートpで使用されるTD-OCC値に関連するパラメータである。
【0222】
FD_offset
pおよびTD_offset
pの同様の定義を適用できる。例えば、
である。
【0223】
したがって、関数fによって生成される相対的インデックスは、スケジューリングのために選択された1つ以上のDM-RSポートにも動的に依存する。以下の表13と表14では、提示された方式を用いたビットフィールド、すなわちPTRS-RE-offset、の符号化を示している。
【0224】
DM-RSタイプ1および2のための方式は、異なるDM-RSポートのための異なるPT-RSサブキャリアを提供する。
【0225】
以下の表11は、ポート1000~1003に対する2つのDM-RSシンボルを想定したDM-RS設定タイプ1に対する"PTRS-RE-offset"の符号化の概要である。各DM-RSポートは、PT-RSを一意のサブキャリアにマッピングすることが分かる。
【0226】
以下の表12は、ポート1004~1008に対する2つのDM-RSシンボルを想定したDM-RS設定タイプ1に対する"PTRS-RE-offset"の符号化の概要である。各DM-RSポートは、PT-RSを一意のサブキャリアにマッピングすることが分かる。
【0227】
以下の表13は、ポート1000~1005に対する2つのDM-RSシンボルを想定したDM-RSタイプ2に対する"PTRS-RE-offset"の符号化の概要である。各DM-RSポートは、PT-RSを一意のサブキャリアにマッピングすることが分かる。
【0228】
以下の表14は、ポート1006~1011に対する2つのDM-RSシンボルを想定したDM-RSタイプ2に対する"PTRS-RE-offset"の符号化の概要である。各DM-RSポートは、PT-RSを一意のサブキャリアにマッピングすることが分かる。
【0229】
図10は、デバイス100の実施形態の概略ブロック図を示す。デバイス100は、方法300を実行するための1つまたは複数のプロセッサ1004と、プロセッサ1004に結合されたメモリ1006とを備える。例えば、メモリ1006は、少なくともモジュール102を実装する命令で符号化されてもよい。
【0230】
1つまたは複数のプロセッサ1004は、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、中央処理装置、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または任意の他の適切なコンピューティングデバイス、リソース、またはハードウェア、マイクロコード、および/またはエンコードされたロジックの組合せのうちの1つまたは複数の組合せとすることができ、これらは、単独で、またはメモリ1006、基地局、および/または無線アクセス機能などのデバイス100の他の構成要素と併せてのいずれかで提供するように動作可能である。例えば、1つ以上のプロセッサ1004は、メモリ1006に記憶された命令を実行してもよい。そのような機能は、本明細書で開示される利点のいずれかを含む、本明細書で説明される様々な特徴およびステップを提供することを含み得る。「アクションを実行するように動作しているデバイス」という表現は、アクションを実行するように構成されているデバイス100を示し得る。
【0231】
図10に概略的に示されるように、デバイス100は、例えばRANの基地局510によって具現化されてもよい。基地局510は1つまたは複数の無線デバイスとの無線チャネルのために、デバイス100に結合または接続された無線インターフェース1002を備える。基地局510またはデバイス100は、無線インターフェース1002を介して1つまたは複数の無線デバイスと通信することができる。
【0232】
変形例では、例えば、
図11に概略的に示されるように、デバイス100の機能は(例えば、RANまたはRANにリンクされたコアネットワーク内の)別のノードによって提供される。すなわち、ノードは方法300を実行する。装置100の機能性はノードによって基地局510に、例えば、インターフェース1002または専用の有線または無線インターフェースを介して提供される。
【0233】
図12は、デバイス200の実施形態の概略ブロック図を示す。デバイス200は、方法400を実行するための1つまたは複数のプロセッサ1204と、プロセッサ1204に結合されたメモリ1206とを備える。例えば、メモリ1206は、少なくともモジュール202を実装する命令で符号化されてもよい。
【0234】
1つまたは複数のプロセッサ1204はマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、中央処理装置、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または任意の他の適切なコンピューティングデバイス、リソース、またはハードウェア、マイクロコード、および/またはエンコードされたロジックの組合せのうちの1つまたは複数の組合せであってもよく、これらは単独で、またはメモリ1206、無線デバイス、および/または端末機能などのデバイス200の他の構成要素と併せてのいずれかで提供するように動作可能である。例えば、1つ以上のプロセッサ1204は、メモリ1206に記憶された命令を実行してもよい。そのような機能は、本明細書で開示される利点のいずれかを含む、本明細書で説明される様々な特徴およびステップを提供することを含み得る。「アクションを実行するように動作しているデバイス」という表現は、アクションを実行するように構成されているデバイス200を示し得る。
【0235】
図12に概略的に示すように、デバイス200は無線デバイス512、例えば、RANによって具現化することができる。無線デバイス512は1つまたは複数の無線アクセスノードを有する無線チャネルのために、デバイス200に結合または接続された無線インターフェース1202を備える。無線デバイス512またはデバイス200は、無線インターフェース1202を介して、1つ以上の無線アクセスノードと通信することができる。
【0236】
変形例では、例えば、
図13に概略的に示されるように、デバイス200の機能は(例えば、RANまたはRANにリンクされたコアネットワーク内の)別のノードによって提供される。すなわち、ノードは方法200を実行する。デバイス200の機能性はノードによって無線デバイス512に、例えば、インターフェース1202または専用の有線または無線インターフェースを介して提供される。
【0237】
上記の説明から明らかになるように、本医術の実施形態は、制御シグナリングのより低いシグナリングオーバーヘッドを可能にする。DL及びULに対して"PTRS-RE-offset"を独立インジケーションは必要はない。代替的に又は組み合わせて、SU-MIMOにおける全てのスケジュールされたPT-RSポートに対して"PTRS-RE-offset"の独立インジケーションは必要ない。
【0238】
同じまたはさらなる実施形態は、スケジューリング制限、例えばPTRS-RE-offsetとスケジュールされたDM-RSポートとの間の非互換性を回避することができる。
【0239】
さらに、周波数分割多重(FDM)の手段によるPT-RSポート(すなわち、異なったDM-RSポートを介して送信されるPT-RS)間の直交性は、オフセットパラメータ(すなわち、ビットフィールド)に対する1つの値のみが複数のPT-RSポートに対して送信される場合であっても達成され得る。
【0240】
設定メッセージは、発振器の品質、キャリア周波数、OFDMサブキャリア間隔、および送信に使用される変調および符号化方式(MCS)に応じて、PT-RSを設定することを可能にすることができる。
【0241】
本発明の多くの利点は、前述の説明から完全に理解され、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の範囲から逸脱することなく、および/またはその利点のすべてを犠牲にすることなく、ユニットおよびデバイスの形態、構造、および配置に様々な変更を加えることができることは明らかであろう。本発明は多くの方法で変更することができるため、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ制限されるべきであることが認識されるであろう。
【0242】
さらに、本技術は、「提案」として説明されるものを含む、さらなる実施形態(ポートインデックス"p"は"x"によって示され得る)の以下の説明に従って、独立して、または任意の前述の実施形態、実装または変形例と組み合わせて実装され得る。
【0243】
3GPP TSG RAN WG1 会議 91
レノ、米国、2017年11月27日~12月1日
出典: エリクソン
タイトル: PTRS設計の残りの詳細
アジェンダ項目: 7.2.3.4
書類: 審議・決定
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1 序文
RAN1-90bisでは、以下の合意がなされた:
この寄与において、位相雑音関連誤差を推定し、補償し、周波数オフセット推定をサポートするために使用される、位相追跡参照信号(PTRS)の設計に関連する異なる側面を論じた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
2 議論
この寄与は2つの主要なセクションに分けられ、1つはCP-OFDM波形(DLおよびULの両方について)のためのPTRS設計のオープンな問題に焦点を当て、第2のものはDFT-S-OFDM波形のために設計されたPTRSのオープンな問題に焦点を当てる。
2.1CP-OFDMのPTRS設計
2.2.2 PTRS時間/周波数の関連付け表
以前のRAN1会議ではPT-RS毎、2番目毎、4番目毎のOFDMシンボル毎、2番目毎に1 PTRSサブキャリア、4番目毎の周波数密度をサポートすることが合意された。スケジュールされたBWが小さい送信では、正確な位相雑音推定を得るために([1]に示されているように)、また正確な周波数オフセット推定を得るために([2]に示されているように)、周波数領域でより密なPTRSが必要である。したがって、PRB毎に1つのPTRSサブキャリアの周波数密度をサポートすることも重要であると考えられる。
また、選択されたPTRS設定は表1および表2(すなわち、スケジュールされたMCSに関連する時間密度およびスケジュールされたBWに関連する周波数密度)を使用して選択されるべきであることが合意された。しかしながら、筆者らは[3]で提示した評価結果においてPT-RS時間密度は符号化率とは独立に選択できる、すなわち、PTRS時間密度が変調方式(QPSK,16QAM,64QAMおよび256QAM)のみに関連する場合には十分であることを示した。
これを達成するために、我々は、符号レートの粒度を必要としないので、MSC関連付けが変調方式のみを使用して行われる表2を単純化することを提案する。したがって、MCSは、MCS=1 がQPSK、MCS=2 が16QAM などの変調コンスタレーションのみを選択できる。
このアプローチの重要な利点の1つは、複数のMCS表が定義されるため、単一の関連付け表を異なるMCS表で使用できることである(これまで、NR[4]に2つの異なるMCS 表を使用することに合意されている)。また、この提案は、予約されたMCSエントリの特別な処理を必要とせず、設計を単純化する。
2.1.2 時間/周波数領域におけるPTRSデフォルト設定
デフォルト設定としてPT-RSは、全てのOFDMシンボル及び全ての他のPRBにマッピングされることが合意された。このデフォルト設定がすべてのスケジュールされたBWおよびMCSに使用されるべきかどうか、すなわちPTRSが常にオンであるかどうかを決定するのはFFSであった。[5]に提示された評価から、PTRSが低MCSおよび小さなスケジュールされたBWに対する位相雑音効果を補償するために、どのように必要とされないかが分かる。しかしながら、PTRSは例えば、[7](サブ6またはmmWaveのいずれか)に示されるようなフロントロードDMRSによるUL送信およびmmWave(TRSが過度に高いオーバーヘッドを必要とする可能性がある場合)に対するDL送信において、周波数オフセット推定を実行するために、場合によっては使用され得る。
これらの場合、周波数オフセット推定の要件のために、PTRSは、低いMCSおよび小さいスケジュールされたBWに対してさえオンであるべきである。従って、位相ノイズと周波数オフセット補償要件の両方を満たすために、DLとULの両方に対して、PTRSが常にオンであるデフォルト関連付け表を用いることを提案した。
キャリア当たりのRBの最大数は、NRでは275であるので、値276を使用して、スケジュールされたBWの取得不可能な閾値を示すことができる。
デフォルト設定がPTRSが常に送信されることを意味しないので、PTRSが常にオンであることを明確にすることが重要であり、RRC信号は、必要なときにPTRS送信をアクティブ化または非アクティブ化するために使用され得る。PTRSの存在に関連する重要な詳細は、それぞれの場合が異なる要件を有するので、DLおよびULに対して独立であるべきであるということである。例えば、サブ6シナリオでは、位相ノイズの影響は重要ではなく、周波数オフセットの追跡はTRSによって行われるので、PTRSはDLでは必要とされない。ただし、周波数オフセット補償を行うには、UL 用のサブ6でPTRS が必要である。したがって、著者らは、DLおよびULに対するPTRS存在のRRCによる独立した指示を有することを提案する。
2.1.3 閾値のRRCシグナリング
UEはデフォルトの閾値を無効にするために、関連付け表内の閾値についてRRC信号値によって示唆することができることは、以前に合意されていた。閾値の信号に関しては、2つの重要な側面が研究されるべきである:閾値に対してどの値が許容されるか(例えば、スケジュールされたBWに対して275の可能なし閾値の柔軟性が必要であるか?)、およびこれらの許容された閾値を効率的な方法でどのように符号化するか。
2.1.3.1
周波数密度の関連付け表
最初に、スケジュールされたBWとPTRS周波数密度との間の関連付け表の閾値(表1)に焦点を当てる。この表では、各閾値が特定の数のPRBに設定される。NRでは、最大のスケジュールされたBWがX=275 PRB[6]であり、完全な柔軟性のある選択で、表内の各閾値はベクトルS=[0,1,2,3,4,…,X,"Inf"]から任意の値をとることができ、ここで、「Inf」の代わりに「276」を使用することもできる。完全な柔軟性を有する選択はそれぞれの閾値を符号化するために9ビットを必要とし、この手段、3つの閾値を符号化するために27ビットが必要とされる。しかしながら、このような柔軟な選択は[1]に示された評価に見られるように、閾値がとる値が通常制限されるので、いかなる利点も提供しない。複雑さとシグナリングオーバーヘッドを低減するために、閾値に対する許容値の数が制限されているところで、低減した柔軟性選択を提案した。
好ましいオプションは閾値の値をRBGサイズのPRB倍数の数に制限することであり、すなわち、閾値は、ベクトルS=[0,RBG,2*RBG,3*RBG…,Y*RBG,Inf],から任意の値をとることができる。ここで
である。RBG=4 の場合、S=[0,4,8,16, … , 272, Inf]であり、これは70の要素を含む(1つの閾値を符号化するには7ビット、3つの閾値を符号化するには21ビットが必要である)。
ビットマップ符号化の代わりに効率的な符号化が使用される場合、シグナリングオーバーヘッドのさらなる低減が達成可能である。これは、すべての利用可能なRBの設定から限定されたRBの設定が選択されるLTEにおけるEPDCCH構成のために使用される。
ビットマップ符号化を使用すると、各閾値は任意の値を取ることができるため、各閾値を符号化するために必要なビット数は
になる。ここで、NはベクトルSの長さである。しかしながら、符号化を改善するために、閾値間の相対関係、即ちptrsthRB0≦ ptrsthRB1≦ ptrsthRB2を利用できる。
したがって、前の関係を考慮して、アルゴリズム1において、関連付け表内の閾値のセットのための効率的な符号化方式を提案する。
表5では、完全な、および、低減された柔軟性の選択、ならびにビットマップおよび効率的な符号化を使用して、周波数密度関連付け表のための閾値のセットを符号化するためのオーバーヘッドの比較を示す。提案された符号化を使用して、オーバーヘッドが、完全な柔軟性および柔軟性の低減された選択の両方のために5ビット低減され、2つの方法を組み合わせることによって、シグナリングオーバーヘッドを27ビットから16ビットに低減する方法を見ることができる。
したがって、提案された符号化はLTEにおいてEPDCCHに対して行われたものと同様に、関連付け表の閾値を効率的に符号化するために採用されるべきである。
2.1.3.2
時間密度の関連付け表
CP-OFDM を使用したNR が変調方式QPSK、16QAM、64QAM、256QAM をサポートしているため、このような表の閾値は、ベクトルS =[0, 1, 2, 3, 4, Inf]の値の1つに設定される。
関連付け表のための3つの閾値を効率的に符号化するために、周波数密度のための関連付け表のために提案された同じ符号化方式を使用することができる。表6に、ビットマップ符号化および提案された符号化方式を使用して、閾値のセットをシグナリングするために必要なオーバーヘッドを示す。提案した符号化で達成されたオーバーヘッド低減は重要であり、従って、それはNRのために採用されるべきである。
2.1.4 PTRSのRBレベルオフセット
RAN1はPT-RSをマッピングするためにスケジュールされたRBの中からRBを選択するためのRBレベルオフセットをサポートすることに同意した。また、C-RNTIからのオフセットを暗黙のうちに導き出すことに合意したが、それを厳密に行うことはできなかった。C-RNTIとRBレベルオフセットとの間の暗黙の関連付け規則を設計するために、異なる密度に対して最大オフセットが異なることを考慮すべきである。したがって、4番目のPRB ごとに1PTRS サブキャリアの周波数密度の場合、RB オフセットの最大値は3で、2番目のPRBごとに1、PRBごとに0 になる。従って、C‐RNTIからRBレベルオフセットを暗黙的に導出するために、(使用した周波数密度を考慮して)次の式を提案した:
RB
offset = C-RNTI mod n
PTRS_step
ここで、周波数密度1に対してn
PTRS_step =1、周波数密度1/4に対してn
PTRS_step =2、周波数密度1/4に対してn
PTRS_step =4 である。
RBレベルオフセットとC-RNTIとの間の関連付けはPT-RSとのブロードキャスト送信に関しては有効ではない。この場合、RBレベルオフセットは、例えばSI-RNTIのような異なるパラメータから暗黙的に導出されなければならない。前のケースと同様に、ブロードキャストケースの関連付けルールをRB
offset = SI-RNTI mod n
PTRS_stepに設定できる。
2.1.5 PTRSのREレベルオフセット
REレベルオフセットは、PRB内のどのサブキャリアにPTRSがマッピングされるかを示す。最後のRAN1会議では、REレベルオフセットを次のパラメータのいずれかに関連付けることが議論された:
・ PTRSポートに関連付けられたDMRSポートのインデックス
・ SCID
・ セルID
いくつかの会社は、REレベルがDMRSポートインデックスに関連付けられた場合、PTRS対PTRSセル間干渉の影響が性能のいくつかの劣化を引き起こす可能性があると主張している。REレベルオフセットをSCIDまたはセルIDに関連付けることによって、セル間のPTRSマッピングをランダム化することによって、この劣化を回避することが示唆された。
しかしながら、[1]において、隣接セルに対するPTRSへのPTRS干渉がPTRS干渉に対するPDSCHよりも優れた性能を提供することを示す評価結果を示した(CP‐OFDMにおけるPTRSに対する一致した一定変調シンボルシーケンスを使用した場合)。また、[3]の付録5.1では、この議論をサポートする導出を示した。
さらにPT-RSマッピングはPTRSとCSI-RSの多重化と密接に関連している。CSI-RSおよびPTRSがFDMedである場合、CSI-RSリソースをPTRSにマッピングされているサブキャリアにマッピングすることはできない。すべてのケースFD2で1つ以上のポート使用のCSI-RSリソースがあることはすでに合意されており、各CSI-RSポートには周波数領域に2つの隣接するCSI-RS-REが含まれている。この事実により、
図1に示すように、SCIDまたはセルIDに関連するREレベルのオフセットは、場合によってはCSI-RSリソースの利用可能なREの少ない数につながる可能性がある。
結論としてPT-RSマッピングのための最良の選択肢は、セル間干渉による劣化がより少なく、CSI-RSとのFDMの特性が良好であるため、REレベルオフセットをPTRSポートに関連付けられたDMRSポートのインデックスに関連付けることであると考えられる。
2.1.6 RRC“RE-level-offset”シグナリング
REレベルオフセットの暗黙の関連付けに加えて、RAN1 90bisではREレベルオフセットを明示的に示し、得られたREレベルオフセットをデフォルトの関連付け規則で置き換えるRRCパラメータ“PTRS-RE-offset”をサポートすることが合意された。RRC信号にこのパラメータを導入する主な動機はPTRSをDCサブキャリアにマッピングすることを回避することである。このパラメータに関する合意が“PTRS-RE-offset”が0から11までの任意の値をとることができることを示唆する。しかしながら、これは、次に考察されるいくつかの欠点を有する。
第1に、“PTRS-RE-offset”が0から11までの任意の値に設定され得る場合、PDSCHまたはPUSCH送信に使用されるDMRSは“PTRS-RE-offset”によって示されるサブキャリアを使用しなければならないので(PTRSがその関連するDMRSポートがマッピングされるサブキャリアのうちの1つにマッピングされることに合意されたため)、gNBスケジューリング制限を暗示し、例えば、“PTRS-RE-offset” =0である場合、DMRSタイプ1が設定される場合、サブキャリア{1,3,5,7,9,11}を使用して櫛形にマッピングされるDMRSポートは、UEをスケジューリングするときに使用できない。表にDM-RSタイプ1についての上記の制限を示す。
別の問題は、シグナリングオーバーヘッドに関連する。“PTRS-RE-offset”を0から11までの値に設定できる場合、“PTRS-RE-offset”インジケーションにつき4ビットが必要である。“PTRS-RE-offset”を0から11のいずれかの値に設定できれば、“PTRS-RE-offset”インジケーションごとに4ビットが必要となり、また、DLとULのPTRSポートを異なるDMRSポートに対応付けることができるため、ULとDLの“PTRS-RE-offset”の独立インジケーションが必要となり、オーバーヘッドが増大し、同様に、SU-MIMOのPTRSポートごとに“PTRS-RE-offset”の独立インジケーションが必要となる(さらにオーバーヘッドが増大する)。
したがって、スケジューリング制限を回避し、オーバーヘッドを低減する、より効率的な信号が必要とされる。“PTRS-RE-offset”を用いてPT-RSポートに関連するDMRSポートによって使用されるサブキャリアのサブセット内の要素の1つに対する相対インデックスを生成する、異なるアプローチを提案した。したがって、相対インデックスは、特定のPDSCHまたはPUSCHスケジューリングのために使用されるDMRSポートによって使用されるサブキャリアの中から1つのサブキャリアを選択する(スケジューリング制限を導入することなく)。提案された解決策は、アルゴリズム2に要約される。
提示されたアプローチに基づいて、我々は表10及び表11に、“PTRS-RE-offset”及びDMRSタイプ1及び2におけるDMRSポートのための選択されたPTRSサブキャリアの符号化(アルゴリズム2に基づく)を示す。提案された解決策は必要なオーバーヘッドを低減しながら、スケジューリングにおける制限を回避する。“PTRS-RE-offset”を符号化するためにちょうど2ビットが必要とされる。更に、提案された解決策では“PTRS-RE-offset”の任意の値が任意のDMRSポートで使用されることができるので、DL及びULのための“PTRS-RE-offset”の共通表示が使用されることができる。また、1より多いPT-RSポートを有するSU-MIMOの場合、“PTRS-RE-offset”の単一のインジケーションを使用できる。これは、異なるDMRSポートに関連付けられたPTRSポートに対して異なるサブキャリアを提供するためである。
2.1.7 UCIにおけるDLのためのPTRSポートシグナリング
最後のRAN1会議において、UEは、UCIにおいてより高いCQIを有するCW内の好ましいDL送信レイヤに関する情報を報告すべきであることが合意された。この情報により、gNBはDMRSグループ内の最も低いインデックスを持つDMRSポートと、最良の伝送ポート内のその関連PTRSポートを送信するために、プリコーダの列の置換を実行することができる。ここでは、選択されたプリコーダのどの列がgNBにおいて置換されなければならないかを示す列置換インジケータ(CPI)の概念を定義する。例えば、CPI=0の場合、置換は行われず、CPI=2の場合、プリコーダの第1および第3の列は置換される。CSIフィードバックにCPIを含めることによって、我々は最良の送信ポートに関する情報をシグナリングしている。
RAN1は1から8までの送信ランクをサポートすることに同意し、ここで、RIは、3ビットのオーバーヘッドを有するCSIフィードバックの一部である。可能なCPIの数は、(より高いCQIを有するCWに関連付けられた最良の送信ポートに関する情報だけをシグナリングすることが合意されたので)ランクと、各ランクに使用することができるCW当たりのポートの最大数とに関連付けられることが重要である。例えば、ランク5の場合、最大3つのポートを1つのCWに関連付けることができるので、3つの異なるCPI値を選択することができる。したがって、1 CPI値はランク1に対して、2はランク2に対して、3はランク3に対して、4はランク4に対して、3はランク5および6に対して、そして4はランク7および8に対して許容される。次に、RIおよびCPIを共同で符号化するために、合計1+2+3+4+3+3+4+4=24個の状態が必要とされ、したがって、RIおよびCPIを共同で符号化するために5ビットが必要とされる(CPI選択において完全な柔軟性を有する)。[8]としての以前の寄与において、著者らは、4より高いランクに対して4つのCPI値のうちの2つのみが選択され得る、低減された柔軟性のCPI選択を提案した。この場合、合計1+2+3+2*5=16の状態、すなわち、RIおよびCPIを共同で符号化するのに必要な4ビットが必要である。
考慮すべき重要な態様は、RAN1がランク制約指標の手段によってCSIフィードバックにおいて使用され、シグナリングされることができるランクを制限する可能性を有することに同意したことである。したがって、ランク制約が使用される場合、前の解決策で提案された16の状態のうちのいくつかは、制約のために使用されず、CPI選択の柔軟性を高めるために使用することができる。次に、アルゴリズム3では、ランク制限を考慮して、RIおよびCPIをシグナリングするためのDCIペイロードを効率的に符号化し、低減するステップを提案する。
表12では、ランク制限が使用されない場合(a)およびランク制限が使用される場合(b)の前の符号化の例を示す。我々は、ランク制限のない場合に対する以前に提案された符号化が[8]で提案された符号化とどのように同じであるかを見ることができる。また、ランク制限が使用される場合、4ビットのオーバーヘッドを使用しながら、ランク>3のCPIの選択の柔軟性を高めることができることが分かる。したがって、提案された共同符号化(ジョイントエンコーディング)は1ビットのCSIフィードバックオーバーヘッドを低減しながら、CPI選択に高い柔軟性を提供する。RIおよびCPIの共同符号化を使用するので、PTRS送信が存在しない場合であってもCPI情報がシグナリングされることに言及することが重要である。これは、静的UCIペイロードが好ましいからである。
2.1.8 PTRSの電力ブースティング
PTRS電力(パワー)ブースト(ブースティング)は、推定の精度を高めるので有益である。しかしながらPT-RSの電力ブースト原理は、DMRSとして他の参照信号で使用されるものとは異なるDM-RSにおいて、我々は1つのDMRSポートのためのあるREを、そのポートにおけるブランキングされたREの未使用電力を使用して電力ブーストする(すなわち、電力転送は同じポートにおけるRE間であり、ポート間の電力転送は許可されない)。しかしながらPT-RSについては、2つの異なる電力ブースティングタイプがある。電力ブースティングタイプ1これはDMRS電力ブースティングで使用されるのと同じ原理に従う。つまり、電力転送は同じポートのRE 間にある。電力の転送が同じRE で異なるポート間にある場合の電力ブースティングタイプ2。
どの電力ブースティングタイプが使用されるべきかは、送信機アーキテクチャに関連する。各ポートは直接パワーアンプにマッピングされるため(ポート間の電力転送ができない)、アナログビーム形成(ビームフォーミング)送信機の電力ブースティングタイプ1 を使用する必要がある。デジタル及びハイブリッドビーム成形の場合、タイプ1及びタイプ2の両方を用いることができる。タイプ1ではPTRSポートに対する電力(パワー)スケーリングがSU-MIMO送信におけるPTRSポートの数(最大2 PTRSポート)に関連し、タイプ2ではPTRSポートに対する電力スケーリングがSU-MIMOにおけるDMRSグループのPDSCH/PUSCHレイヤの数(最大8 PDSCHレイヤおよび4PUSCHレイヤ[6])に関連する。従って、デジタル及びハイブリッドビーム成形送信機のために、電力ブースティングタイプ2は、より良い電力利用を提供するので、好ましい。
図2および
図3では、3つのDMRS ポートと3つのPDSCH レイヤを持つSU-MIMO伝送で、1および2つのPTRS ポートを持つデジタルおよびアナログビーム形成に対する電力ブースティングの例を示している。
2.1.8.1 DL電力ブースティング
DLの場合、PDSCH対PTRSのEPRE比は、電力ブースティングレベルを示すためのメトリックとして使用される(ここで、EPREは1つのREにおける送信におけるすべてのポートの電力(パワー)を指し、ポート当たりのEPREではない)。EPREは、電力ブースティングタイプ1および2のための異なるパラメータから暗黙的に導出される。
電力ブースティングタイプ1の場合、ポート間の電力転送は許可されない。したがって、この場合、PDSCH とPTRS のEPRE の比率は、伝送(NPTRS)内のPTRS ポートの数とDMRS グループ内のPDSCH レイヤー(NPDSCH)の数に関連する。EPREレベルは、以下のように計算される:
電力ブースティングタイプ2の場合、ポート間の電力転送が許可される。したがって、このタイプの電源ブーストでは、任意のNPTRSおよびNPDSCHに対してEPREDPDSCH_to_PTRS=0dB になる。
PTRS EPREへのPDSCHのRRC信号をサポートすることも、最後のRAN1会議で合意された。しかしながら、この表示は、次に説明するいくつかの問題を提供する。電力ブーストタイプ1 の場合、EPRE 比はN
PTRS とN
PDSCH (動的に変更できるDCI から導出されたパラメータ) から暗黙的に導出される。したがって、RRC によって示されるEPRE レベルは、DCIのNPTRSとNPDSCHの値に関して古くなる可能性がある(不正な電力スケーリングを生成する)。電力ブースティングタイプ2 の場合、EPRE 比はすべてのケースで0dB に等しいため、異なるEPRE レベルのRRCインジケーションは不正確な電力スケーリングにつながる。したがって、指摘された問題を回避するためには、RRCによるEPREインジケーションを排除しなければならないと考えられる。
2.1.8.2 UL電力ブースティング
ULの場合PT-RSポートの電力は、電力ブースティングレベルを示すためのメトリックとして使用される。
電力ブーストタイプ1の場合、PT-RS ポートの電力が1つのレイヤ(P
PUSCH) のPUSCH REの電力とPTRS ポート(N
PTRS) の数に関連する。PTRS電力は、
P
PTRS=10*log
10(N
PTRS) + P
PUSCH
によって与えられる。
電力ブーストタイプ2の場合、PTRS ポートの電力がDMRSグループ(N
PUSCH) のPUSCH レイヤの数と1つのレイヤ(PPUSCH) のPUSCH REの電力に関連する。したがって、PTRSポートの電力は、
P
PTRS=10*log
10(N
PUSCH) + P
PUSCH
によって与えられる。
2.1.9 時間領域でのマッピング
スロット内でPTRSをマッピングする方法は以前に合意されていたが、スロット内のPTRSとSSBの衝突に関連する合意は依然として存在しない。この場合、2つの異なるオプションを使用できる。SSB に衝突するPTRS REはパンクするか、SSB の後の最初のOFDM シンボルにシフトされる。場合によっては、パンクチャリングが最後のPTRSシンボルとPDSCHシンボルとの間の距離が大きいために、位相推定の外挿が良好な精度を提供しない場合につながる可能性がある。例えば、
図4では、PTRS時間密度が低い例(4番目のOFDMシンボルごとに1 PTRS)を示す。そこでは、パンクチャリング時に、スロット内の最後のPDSCHシンボルと最後のPTRS REとの間に7つのシンボルが存在し、一方、この距離をシフトすると、1シンボルに減少する(位相推定を改善する)ことが分かる。従って、PTRSがSSBと衝突する場合のPTRSシフトを好む。
2.1.10 ミニスロット用PTRS設計
スロットベースと非スロットベースの送信には、同じPTRS 設定を使用する必要がある。
2.2 DFT-S-OFDM用PTRS設計
2.2.1 関連付け表
RAN1は、チャンクベースのPTRSの構成がスケジュールされたBWに関連付けられなければならないことに同意した。関連付け表に関する以下の問題は、まだオープンである:
・ 設定がスケジュールされたMCS にも関連付けられている場合。
・ チャンクサイズK=1がサポートされる場合。
・ K=4 でX>4 の設定がサポートされている場合。
・ 表内の閾値のデフォルト値。
[9]では、DFTドメインにおけるPTRSの構成がスケジュールされたMCSから独立しているので、関連付け表はスケジュールされたBWにのみ依存すべきであることを示す。また、[9]では、K=1を有する構成が大きなスケジュールされたBWに対していかなるパフォーマンス利得も提供しないので、サポートされるべきではないことを示す。したがって、関連付け表内の閾値をシグナリングするためのオーバーヘッドが低減される(1つ少ない閾値が使用されるので)。さらに、[9]では、いくつかの場合において、X=8およびK=4を有する構成は(特に、低品質発振器を有する大きなBWおよびUEのために)性能利得を提供し、したがって、Y=8がサポートされる必要があることを示す。したがって、表13は、DFTドメインにおけるPTRSの構成を選択するために使用されなければならない。
前述のように、重要な未解決の問題は、関連付け表内の閾値のデフォルト値である。[9]では、表13の初期設定閾値に対する最良の選択がNRB0=0、NRB1=8、NRB2=NRB3=32、NRB4=108であることを示す評価結果を示した。提案されたデフォルト閾値の重要な側面の1つは、周波数オフセットの推定を可能にするDFT-S-OFDMに対して常にPTRS ONとの構成を提供することである。
2.2.2 閾値のRRCシグナリング
CP-OFDMの場合と同様に、UE は関連表13 のデフォルト値を上書きするために、RRC シグナルによって新しい閾値を提案することができる。CP-OFDMのためのPTRSの周波数密度に対する関連付け表の閾値をシグナリングするためにセクションに示された同じ原理は、DFT構成のための関連付け表の閾値のシグナリングのために適用することができる。表14では、完全および低減された柔軟性の選択、ならびにビットマップおよび効率的な符号化を使用して、関連付け表の5つの閾値をシグナリングするために必要なオーバーヘッドを示す。この場合、低減された柔軟性選択および提案された効率的な符号化の利点は、(符号化する閾値の数がより多いので)PTRS周波数密度表の閾値の場合よりもさらに大きい。
2.2.3 K=2のチャンクの配置
最後のRAN1会議では、K=2の場合の各チャンクに専用の間隔内に、サンプルnからサンプルn+K-1までのチャンクを配置することが合意された。[10]では、K=2およびX=2について異なるチャンク配置を用いた評価結果を示し、異なるチャンク配置について非常にわずかな性能差しか示さなかった。したがって、K=4の場合とK=2の場合との間で調和された設計を有するために、K=2に対する最良の選択肢は、区間の中心にチャンクを配置することであると考えられる。
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3 結論
我々は、以下の追加提案を行う:
提案1: ULおよびDLのためのRRCによってそれぞれ設定されることができる密度表において、すべてのPRBにおける1つのPTRSサブキャリアの周波数密度のためのサポートを追加する。
提案2 PTRS時間密度表におけるMCS閾値は、符号レートを除いて、変調コンステレーションサイズのみの粒度を有する。
提案3 DLに対するデフォルト閾値として、ptrsthRB
0
DL=ptrsthRB
1
DL=0、ptrsthRB
2
DL=276 および ptrsthMS
1
DL=ptrsthMS
2
DL=ptrsthMS
3
DL =0をサポートする。
提案4: ULに対するデフォルト閾値として、ptrsthRB
0
UL=ptrsthRB
1
UL=0、ptrsthRB
2
UL=276 および ptrsthMS
1
UL=ptrsthMS
2
UL=ptrsthMS
3
UL =0をサポートする。
提案5: 上位レイヤ構成はDLおよびULのためのPTRSの可能な存在を独立して示し、すなわち、UL-PTRS-present と DL-PTRS-presentがRRCパラメータである。
提案6: 閾値ptrsthRBの値を、RBGサイズの倍数である要素のセット、すなわち、[0, RBG,2*RBG,3*RBG,…,Y*RBG,296]に制限し、Y=XRBG であり XはNRにおける最大スケジュールBWである。
提案7: 周波数密度関連付け表の閾値のセットを符号化するために、アルゴリズム1に記載された符号化方式を使用する。
提案8: ptrsthMCS
xの値を[0,1,2,3,4,Inf]に制限する。
提案9: アルゴリズム1に記載された符号化方式を使用して、時間密度関連付け表の閾値のセットを符号化する。
提案10: PTRS 用のRB送信オフセットの放送についての提案10は、SI-RNTI に関連付けられる。
提案11: PTRSとRNTIに対するRBレベルオフセットの間の暗黙の関係は周波数密度に依存し、式RB
offset = C-RNTI mod nPTRS_step(ここで、nPTRS_step =1/(freq_density))によって与えられる。
提案12: REレベルオフセットと、PTRSポートに関連するDMRSポートのインデックスとの暗黙の関連付けをサポートする。
提案13: 関連するDMRSポートインデックス(DMRSタイプ1および2の場合)に基づいて1つのPTRSポートのREレベルオフセットを導出するための表7および表8を採用する。
提案14: “PTRS-RE-offset”は2ビットのビットマップ符号化を使用してRRCに“PTRS-RE-offset”を符号化する。ここで、“PTRS-RE-offset”は値{0,1,2,3}を取ることができる。
提案15: アルゴリズム2を使用して、“PTRS-RE-offset”の値に基づいてPTRSポートがどのサブキャリアにマッピングされるかを決定する。
提案16: アルゴリズム3を使用して、RIおよびCPIを4ビットで共同で符号化する。
提案17: 同じポート内のRE間の電力転送を使用する、電力ブースティングタイプ1をサポートする。アナログビーム形成を持つ送信機に使用すべきである。
提案18: 同じREのポート間の電力転送を使用する電力ブースティングタイプ2をサポートする。デジタルおよびハイブリッドビーム形成を持つ送信機に使用すべきである。
提案19: DLおよびULのデフォルトとして、電力ブースティングタイプ2を使用すべきである。
提案20: RRCシグナリングパラメータ“PTRS_boosting_type
DL”および“PTRS_boosting_type
UL” をサポートして、DLおよびULに独立して使用される電力ブースティングタイプを示す。
提案21: 電力ブースティングタイプ1の場合、PDSCH対PTRSのEPRE比はEPRE
PDSCH_to_PTRS = +10*log
10(N
PDSCH) - 10*log
10(N
PTRS) [dB]として暗黙的に計算され、ここで、N
PTRSは送信におけるPTRSポートの数であり、N
PDSCHはDMRSグループにおけるPDSCHレイヤの数である。
提案22: 電力ブースティングタイプ2の場合、PTRSに対するPDSCHのEPRE比は、DMRSグループ内の送信およびPDSCHレイヤ内の任意の数のPTRSポートに対して常に0dBである。
提案23: RRCシグナリングに明示的なEPRE指示を含めず、代わりにRRCを使用してブースティングタイプを設定する。
提案24: 電力ブースティングタイプ1がULで使用される場合、PTRSポートの電力はP
PTRS=10*log
10(N
PTRS) + P
PUSCHによって暗黙的に与えられ、ここで、N
PTRSはPTRSポートの数であり、P
PUSCHは1つのレイヤにおけるPUSCH REの電力である。
提案25: 電力ブースティングタイプ2がULで使用される場合、PTRSポートの電力はPPTRS=10*log10(NPUSCH)+ PPUSCHによって暗黙的に与えられ、ここで、NPUSCHはDMRSグループ内のPUSCHレイヤの数であり、PPUSCHは1つのレイヤ内のPUSCH REの電力である。
提案26: PTRSがSSBに衝突した場合、PTRSはSSBの後で最初のOFDMシンボルにシフトされ、マッピングアルゴリズムを再開する必要がある。
提案27: RRCによるPTRS構成は、リリース15のスロットベースと非スロットベースの両方のスケジューリングに適用される。
提案28: K=1の設定をプレクルードする。
提案29: 大きなスケジュールされたBWに対してY=8をサポートする。
提案30: DFT領域における提案30PTRS構成は、スケジュールされたMCSに関連付けられていない。
提案31: スケジュールされたBWとチャンクベースの設定間の関連付け表の閾値のデフォルト値として、N
RB0=0、N
RB1=8、N
RB2=N
RB3=32、およびN
RB4=108を採用する。
提案32: NRBxの値を、RBGサイズの倍数である要素の集合、すなわち、[0, RBG,2*RBG,3*RBG...,Y*RBG,276]に制限し、Y= XRBGであり、NRにおける最大スケジュールBWをXとする。
提案33: PTRSチャンクベースの構成関連付け表の閾値を効率的に符号化するために、アルゴリズム1に記載された符号化方式を使用する
提案34: K=2の場合、PTRSチャンクは各間隔の中央にマッピングされ、すなわち、N=N2-K2であり、ここで、Nは、間隔におけるサンプルの数である。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
4 参考資料
[1] R1-1718750, “Further evaluations on PTRS for CP-OFDM”, Ericsson
[2] R1-1720981, “TRS above-6GHz evaluations”, Ericsson
[3] R1-1716373, “Details on PTRS design”, Ericsson
[4] Chairman’s Notes RAN1 90bis
[5] R1-1714314, “On DL PTRS design”, Ericsson
[6] 3GPP TS 38.211 v1.1.2
[7] R1-1718749, “Further evaluations on DMRS”, Ericsson
[8] R1-1718449, “Remaining details on PTRS design”, Ericsson
[9] R1-1720725, “Further evaluations on PTRS”, Ericsson
[10] R1-1718751, “Further evaluations on PTRS for DFT-S-OFDM”, Ericsson