(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】ゴム及び副産物抽出システム及び方法
(51)【国際特許分類】
B01D 11/02 20060101AFI20221220BHJP
C08C 1/02 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
B01D11/02 A
C08C1/02
(21)【出願番号】P 2020530421
(86)(22)【出願日】2018-08-06
(86)【国際出願番号】 US2018045371
(87)【国際公開番号】W WO2019032452
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2021-05-25
(32)【優先日】2017-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520047602
【氏名又は名称】カルテヴァット,インク.
【氏名又は名称原語表記】Kultevat, Inc.
【住所又は居所原語表記】1100 Corporate Square Drive, Suite 261, Creve Coeur, MO 63132, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー ノセラ ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル アール. スワイガー
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0247010(US,A1)
【文献】国際公開第2017/103775(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/103769(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/103782(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/192217(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第103435720(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0073113(US,A1)
【文献】米国特許第04623713(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D11/00-12/00
C08C1/00-4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭水化物含有液及び炭水化物除去済みバイオマス固形物をゴム保有植物から得るための処理システムであって、
一連の複数の連続撹拌タンク抽出段において1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液が次の連続撹拌抽出段へと流れるような、互いに流体連通して直列に配列された前記複数の連続撹拌タンク抽出段を含む抽出システム
を含み、
各抽出システムにおいて前記連続撹拌タンク抽出段の少なくとも1つが、少なくとも
50℃の温度で、水、水溶液、有機極性溶媒液、または非極性有機液体溶媒のうちの1つを含む液体溶媒を受け入れるように適合し構成された入口を有し、
前記抽出システムの前記少なくとも1つの連続撹拌抽出段が、バイオマスを受け入れるように適合し構成されており、
前記バイオマスがTaraxacum属または別の非Hevea植物のゴム保有植物からのものであり、
前記抽出システムが、前記抽出システムによって前記炭水化物含有液及び前記炭水化物除去済みバイオマス固形物が生成するような要領で前記バイオマスを前記液体溶媒と混合するように適合し構成されており;さらに、
一連の前記連続撹拌タンク抽出段の最後と流体連通して配列された固液分離器
を含み、
前記分離器が、前記炭水化物除去済みバイオマス固形物を前記炭水化物含有液から分離するように適合し構成されている、
処理システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段の前記入口が、有機極性溶媒液を含む液体溶媒を受け入れるように適合し構成されており、
前記少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段が、前記抽出システムによって液体極性有機物画分及び極性化合物除去済みバイオマス固形物が生成するような要領で前記炭水化物除去済みバイオマス固形物を前記有機極性液体溶媒と混合するように適合し構成されており、
前記固液分離器が、前記極性化合物除去済みバイオマス固形物を前記液体極性有機物画分から分離するように適合し構成されている、
請求項1に記載の処理システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段の前記入口が、有機非極性液体溶媒を含む液体溶媒を受け入れるように適合し構成されており、
前記抽出システムの前記少なくとも1つの連続撹拌抽出段が、前記抽出システムによって前記ゴム含有非極性溶媒画分及び使用済みバイオマス固形物が生成するような要領で前記炭水化物除去済みバイオマス固形物を前記非極性有機溶媒と混合するように適合し構成されており、
前記分離器が、前記使用済みバイオマス固形物を前記ゴム含有非極性溶媒画分から分離するように適合し構成されている、
請求項1に記載の処理システム。
【請求項4】
炭水化物含有液をゴム保有植物から抽出する方法であって、
一連の複数の連続撹拌タンク抽出段において1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液が次の連続撹拌抽出段へと流れるような、互いに流体連通して直列に配列された前記複数の連続撹拌タンク抽出段の少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段に、水、水溶液、有機極性液体溶媒および有機非極性液体溶媒のうちの1つを含む液体溶媒、及び前記植物またはその部分からのバイオマスを導入する
ステップ
を含み、前記ゴム保有植物がTaraxacum属のものまたは別の非Hevea植物であり;
前記少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段において、少なくとも
50℃の温度で前記液体溶媒を前記バイオマスと混合して、前記バイオマスと会合している前記炭水化物を前記液体溶媒中に抽出するのを可能にする
ステップ;ならびに、
前記少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液を固液分離器に導入して、分離された炭水化物含有液及び炭水化物除去済みバイオマス固形物を得る
ステップ
を含む、方法。
【請求項5】
液体溶媒を導入する前記ステップは、有機極性液体溶媒を導入することを含み、
混合する前記ステップは、前記固形物と会合している極性有機物画分を前記有機極性溶媒中に抽出することを可能にする要領で前記少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段において前記有機極性液体溶媒を前記炭水化物除去済みバイオマス固形物と混合することを含み、
前記流出液を導入する前記ステップは、前記少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液を固液分離器に導入して、分離された極性有機物画分液及び極性化合物除去済みバイオマス固形物を得ることを含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
液体溶媒を導入する前記ステップは、有機非極性液体溶媒を導入することを含み、
混合する前記ステップは、前記固形物と会合している天然ゴムを前記有機非極性液体溶媒中に抽出することを可能にする要領で前記少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段において前記有機非極性液体溶媒を前記炭水化物除去済みバイオマス固形物と混合することを含み、
前記流出液を導入する前記ステップは、前記少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液を固液分離器に導入して、分離されたゴム含有非極性溶媒画分及び使用済みバイオマス固形物を得ることを含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項7】
(a)前記植物またはその部分からのバイオマス、及び水、水溶液またはそれらの組合せを含む液体溶媒を第1抽出システムに導入し;前記バイオマスと液体溶媒とを少なくとも
50℃の温度で混合して炭水化物含有液及び炭水化物除去済みバイオマス固形物を生成し;前記炭水化物除去済みバイオマス固形物を前記炭水化物含有液から分離する
ステップ
を含み、前記ゴム保有植物がTaraxacum属のものまたは別の非Hevea植物であり、
(b)前記第1抽出システムからの前記炭水化物除去済みバイオマス固形物、及び有機極性溶媒を第2抽出システムに導入し;前記炭水化物除去済みバイオマス固形物を前記有機極性溶媒と混合して液体極性有機物画分及び極性化合物除去済みバイオマス固形物を生成し、前記液体極性有機物画分及び極性化合物除去済みバイオマス固形物を分離する
ステップ、ならびに
(c)前記第2抽出システムからの前記極性化合物除去済みバイオマス固形物、及び非極性有機溶媒を第3抽出システムに導入し;前記極性化合物除去済みバイオマス固形物を前記非極性有機溶媒と混合してゴム含有非極性溶媒画分及び使用済みバイオマス固形物を生成し;前記ゴム含有非極性溶媒画分及び使用済みバイオマス固形物を分離する
ステップ
を含み、前記第1、第2または第3抽出システムのうちの少なくとも1つが、
各抽出システムの前記一連の複数の連続撹拌タンク抽出段において1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液が次の連続撹拌抽出段へと流れるような、互いに流体連通して直列に配列された前記複数の連続撹拌タンク抽出段
を含み、
各抽出システムにおいて前記連続撹拌タンク抽出段の少なくとも1つが、前記溶媒を受け入れるように適合し構成された入口、及び前記バイオマスまたは前記固形物を受け入れるように適合し構成された入口を有し、
各抽出システムがさらに、前記それぞれの抽出システムの一連の前記連続撹拌タンク抽出段の最後と流体連通して配列された固液分離器を含み、
前記固液分離器が、前記炭水化物除去済みバイオマス固形物、極性化合物除去済みバイオマス固形物または使用済みバイオマス固形物を前記炭水化物含有液、前記液体極性有機物画分または前記ゴム含有非極性溶媒画分から分離するように適合し構成されている、
請求項4に記載の方法。
【請求項8】
(a)前記植物またはその部分からのバイオマス、及び有機極性溶媒を第1抽出システムに導入し;前記バイオマスを前記有機極性溶媒と混合して液体極性有機物画分及び極性化合物除去済みバイオマス固形物を生成し、前記液体極性有機物画分及び極性化合物除去済みバイオマス固形物を分離する
ステップ
を含み、前記ゴム保有植物がTaraxacum属のものまたは別の非Hevea植物であり、
(b)前記第1抽出システムからの前記極性化合物除去済みバイオマス固形物、及び非極性有機溶媒を第2抽出システムに導入し;前記極性化合物除去済みバイオマス固形物を前記非極性有機溶媒と混合してゴム含有非極性溶媒画分及び使用済みバイオマス固形物を生成し;前記ゴム含有非極性溶媒画分及び使用済みバイオマス固形物を分離する
ステップ
をさらに含み、前記第1または第2抽出システムのうちの少なくとも1つが、
各抽出システムの前記一連の複数の連続撹拌タンク抽出段において1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液が次の連続撹拌抽出段へと流れるような、互いに流体連通して直列に配列された前記複数の連続撹拌タンク抽出段
を含み、
各抽出システムにおいて前記連続撹拌タンク抽出段の少なくとも1つが、前記溶媒を受け入れるように適合し構成された入口、及び前記バイオマスまたは前記固形物を受け入れるように適合し構成された入口を有し、
各抽出システムがさらに、前記それぞれの抽出システムの一連の前記連続撹拌タンク抽出段の最後と流体連通して配列された固液分離器を含み、
前記固液分離器が、極性化合物除去済みバイオマス固形物または使用済みバイオマス固形物を前記液体極性有機物画分または前記ゴム含有非極性溶媒画分から分離するように適合し構成されている、
請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記植物がTaraxacum属のものであり、前記植物の部分が根、茎基部またはそれらの組合せを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
Taraxacum属の前記植物が、
T.koksaghyzもしくはその栽培品種、1つ以上のTaraxacum属種もしくは栽培品種からの遺伝子移入生殖質を含む品種、種間ハイブリッド生殖質を含む品種
である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
Taraxacum属の前記植物が、
T.koksaghyzおよびT.officinale、2つ以上の栽培品種からのハイブリッド生殖質を含む品種、任意のゴム保有Taraxacum属種、栽培品種もしくは品種の突然変異誘発もしくは遺伝子編集から生まれる品種、遺伝子導入Taraxacum植物、またはそれらの任意の組合せ
である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記液体溶媒の温度が
50℃~
100℃である、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記液体溶媒は温度が100℃より高く圧力が大気圧より高い、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記炭水化物除去済みバイオマス固形物またはその一部を乾燥させることをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段に随伴する流出液を再循環させること、ならびに
前記流出液の圧力及び温度を改変して前記溶媒における前記生成物(複数可)の溶解性を向上させること
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
前記バイオマス、炭水化物除去済みバイオマス固形物、または極性化合物除去済みバイオマス固形物を前記液体溶媒または溶媒と混合する前記ステップが、
前記少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段において前記バイオマス、炭水化物除去済みバイオマス固形物、または極性化合物除去済みバイオマス固形物の粒子の
サイズ及び形状を改変すること
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項17】
以下のステップ:
(a)前記ゴム含有非極性溶媒画分を濾過するステップ、
(b)前記ゴムを溶液中に維持しながら前記ゴム含有非極性溶媒画分中の前記非極性有機溶媒の少なくとも半分の蒸留及び/または蒸発を行って濃縮ゴム溶液を得るステップ、
(c)酸化防止剤を濃縮ゴム溶液に添加するステップ、
(d)冷却した有機極性溶媒を(b)または(c)の前記濃縮ゴム溶液に添加して前記天然ゴムを析出させるステップ、
(e)前記有機極性溶媒と非極性有機溶媒と析出ゴムとの前記混合物をさらに冷却してゲル状ゴム析出物及び混合液体有機溶媒を形成するステップ
、
(f)前記ゲル状ゴム析出物を前記混合液体有機溶媒から分離及び除去するステップ、
(g)前記ゲル状ゴム析出物を形成及び/または成形する、及び/または前記混合液体有機溶媒の一部をさらに除去するステップ、
(h)前記形成及び/または成形されたゲル状ゴム析出物を乾燥させて乾燥固形ゴム生成物を得るステップ、あるいは
(i)ステップ(a)~(h)の任意の組合せ
のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項18】
前記植物がTaraxacum属のものであり、前記バイオマスが、根、茎基部またはそれらの組合せを含む前記Taraxacum植物の部分から得られるものであり、前記ゴム含有非極性溶媒画分、ゲル状ゴム析出物、または乾燥固形ゴムの中のポリイソプレンが、多分散性(P)を1.1~4とし重量平均分子量を1モルあたり
1.0×10
6~5.0×10
6グラムとする本質的に単峰性の分子量分布を有し、前記多分散性及び前記重量平均分子量が、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)と蒸発光散乱検出との併用(GPC-ELSD)によって決定される、請求項
17に記載の方法。
【請求項19】
前記ゴム含有非極性溶媒画分、ゲル状ゴム析出物、または乾燥固形ゴムが0.5重量%未満の灰分を有する、請求項
17に記載の方法。
【請求項20】
前記植物がTaraxacum属のものであり、前記バイオマスが、葉、茎、花、根、茎基部またはそれらの組合せを含む前記Taraxacum植物の部分から得られるものであり、前記ゴム含有非極性溶媒画分、ゲル状ゴム析出物、または乾燥固形ゴムが、0.5重量%未満の窒素含有量を有する、請求項
19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願データ
本願は、2017年8月8日に出願された米国仮特許出願第62/542,504号及び2017年8月29日に出願された米国仮特許出願第62/551,291号の利益を主張するものであり、これをもって参照によりこれらの開示の全体を援用する。
【背景技術】
【0002】
ゴムは、輪ゴムから車両用タイヤにまで及ぶ様々な用途においてなくてはならない極めて重要な材料であるため、既存のゴムプランテーションモノカルチャーに関する世界の要求及び難題が増してゆく中で、労働集約度がより低い代替の天然ゴム供給源は差し迫って世界に必要とされている。
【0003】
例えば、今日作られている多くのタイヤは、樹皮が意図的に傷付けられたブラジル原産のゴムノキから人手によって小さなカップの中に収穫される天然ゴムラテックスを使用している。収穫されるラテックスゴムの大部分はバルクゴムの固形塊となって固化し、上に述べた幾多の商業的用途に使用する固形ゴムとして販売される。このプロセスは1世紀にわたって変わっていない。この骨の折れる労作はほとんど例外なく東南アジアで行われているが、そこでの経済発展及び環境コストは、労働利用能及びコストをますます高価なものにしており、ビジネスモデルの存続可能性をますます低下させている。
【0004】
樹木Hevea brasiliensis(すなわちゴムノキ)のモノカルチャーは破壊的な疾患及び胴枯れ病の影響を受け易いが、これは、ブラジルにあるその原産地で主に発生したことがある。加えて、Heveaの栽培はエネルギー需要のためのゴムノキ材の焼却、及び未処理のラテックスゴム処理廃液の排出を含めた環境上好ましくないいくつかの副次的影響を招いた。
【0005】
世界のバルク天然ゴムの消費量は毎年4パーセント増加して2019年には3千万メートルトンを上回ると予想されており、これは主に、アジアの自動車生産の成長に起因している。中国は既に世界の天然ゴムの首位消費国である。
【0006】
ロシアタンポポ植物(Taraxacum kok-saghyz、すなわちTKS)及び他のゴム保有非Hevea植物はゴムの1つの代替供給源である。ゴム保有タンポポ植物の根から天然ゴム及び炭水化物糖を両方とも水系抽出及び分離する方法は米国特許第9,611,363号及び第9,346,924号に開示されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
特定の実施形態では、炭水化物含有液及び炭水化物除去済みバイオマス固形物をゴム保有植物から得るための処理システムであって、一連の複数の連続撹拌タンク抽出段において1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液が次の連続撹拌抽出段へと流れるような、互いに流体連通して直列に配列された複数の連続撹拌タンク抽出段を含む抽出システムを含み、各抽出システムにおいて連続撹拌タンク抽出段の少なくとも1つが、液体溶媒を受け入れるように適合し構成された入口を有し、抽出システムの少なくとも1つの連続撹拌抽出段が、バイオマス、及び水、水溶液またはそれらの組合せを含む少なくとも約50℃の温度の液体溶媒を受け入れるために適合し構成されており、バイオマスがTaraxacum属または別の非Hevea植物のゴム保有植物からのものであり、抽出システムが、抽出システムによって炭水化物含有液及び炭水化物除去済みバイオマス固形物が生成するような要領でバイオマスを液体溶媒と混合するように適合し構成されており;さらに、一連の連続撹拌タンク抽出段の最後と流体連通して配列された固液分離器を含み、分離器が、炭水化物除去済みバイオマス固形物を炭水化物含有液から分離するために適合し構成されている、当該処理システムが提供される。
【0008】
特定の実施形態では、極性有機物画分及び極性化合物除去済みバイオマス固形物をゴム保有植物から得るための処理システムであって、一連の複数の連続撹拌タンク抽出段において1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液が次の連続撹拌抽出段へと流れるような、互いに流体連通して直列に配列された複数の連続撹拌タンク抽出段を含む抽出システムを含み、各抽出システムにおいて連続撹拌タンク抽出段の少なくとも1つが、液体溶媒を受け入れるように適合し構成された入口を有し、抽出システムの少なくとも1つの連続撹拌抽出段が、炭水化物除去済みバイオマス固形物及び有機極性溶媒液を受け入れるために適合し構成されており、炭水化物除去済みバイオマス固形物がTaraxacum属または別の非Hevea植物のゴム保有植物からのものであり、抽出システムが、抽出システムによって液体極性有機物画分及び極性化合物除去済みバイオマス固形物が生成するような要領で炭水化物除去済みバイオマス固形物を有機極性溶媒と混合するように適合し構成されており;さらに、一連の連続撹拌タンク抽出段の最後と流体連通して配列された固液分離器を含み、分離器が、極性化合物除去済みバイオマス固形物を液体極性有機物画分から分離するために適合し構成されている、当該処理システムが提供される。
【0009】
特定の実施形態では、ゴム含有非極性溶媒画分及び使用済みバイオマス固形物をゴム保有植物から得るための処理システムであって、一連の複数の連続撹拌タンク抽出段において1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液が次の連続撹拌抽出段へと流れるような、互いに流体連通して直列に配列された複数の連続撹拌タンク抽出段を含む抽出システムを含み、各抽出システムにおいて連続撹拌タンク抽出段の少なくとも1つが、液体有機溶媒を受け入れるように適合し構成された入口を有し、抽出システムの少なくとも1つの連続撹拌抽出段が、極性化合物除去済みバイオマス固形物及び非極性有機溶媒を受け入れるために適合し構成されており、極性化合物除去済みバイオマス固形物がTaraxacum属または別の非Hevea植物のゴム保有植物からのものであり、抽出システムが、抽出システムによってゴム含有非極性溶媒画分及び使用済みバイオマス固形物が生成するような要領で極性化合物除去済みバイオマス固形物を非極性有機溶媒と混合するように適合し構成されており;さらに、一連の連続撹拌タンク抽出段の最後と流体連通して配列された固液分離器を含み、分離器が、使用済みバイオマス固形物をゴム含有非極性溶媒画分から分離するために適合し構成されている、当該処理システムが提供される。
【0010】
特定の実施形態では、ゴム含有画分をゴム保有植物から得るための処理システムであって、(a)植物またはその部分からのバイオマス、及び水、水溶液またはそれらの組合せを含む液体溶媒を受け入れ;第1抽出システムによって炭水化物含有液及び炭水化物除去済みバイオマス固形物が生成するような要領でバイオマスと液体溶媒とを少なくとも約50℃の温度で混合し;炭水化物除去済みバイオマス固形物を炭水化物含有液から分離するように適合し構成された、第1抽出システムを含み、ゴム保有植物がTaraxacum属のものまたは別の非Hevea植物であり、(b)第1抽出システムからの炭水化物除去済みバイオマス固形物、及び有機極性溶媒を受け入れ;第2抽出システムによって液体極性有機物画分及び極性化合物除去済みバイオマス固形物が生成するような要領で炭水化物除去済みバイオマス固形物を有機極性溶媒と混合し;液体極性有機物画分及び極性化合物除去済みバイオマス固形物を分離するように適合し構成された、第2抽出システム、ならびに(c)第2抽出システムからの極性化合物除去済みバイオマス固形物、及び非極性有機溶媒を受け入れ;第3抽出システムによってゴム含有非極性溶媒画分及び使用済みバイオマス固形物が生成するような要領で極性化合物除去済みバイオマス固形物を非極性有機溶媒と混合し;ゴム含有非極性溶媒画分及び使用済みバイオマス固形物を分離するように適合し構成された、第3抽出システムを含み、第1、第2または第3抽出システムのうちの少なくとも1つが、各抽出システムの一連の複数の連続撹拌タンク抽出段において1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液が次の連続撹拌抽出段へと流れるような、互いに流体連通して直列に配列された複数の連続撹拌タンク抽出段を含み、各抽出システムにおいて連続撹拌タンク抽出段の少なくとも1つが、溶媒を受け入れるように適合し構成された入口、及びバイオマスまたは固形物を受け入れるように適合し構成された入口を有し、各抽出システムがさらに、それぞれの抽出システムの一連の連続撹拌タンク抽出段の最後と流体連通して配列された固液分離器を含み、固液分離器が、炭水化物除去済みバイオマス固形物、極性化合物除去済みバイオマス固形物または使用済みバイオマス固形物を炭水化物含有液、液体極性有機物画分またはゴム含有非極性溶媒画分から分離するように適合し構成されている、当該処理システムが提供される。特定の実施形態では、上記処理システムにおいて抽出システムの1つまたは2つは、ソックスレー抽出器、浸漬抽出器、向流浸漬抽出器、または濾過抽出器を含む。
【0011】
特定の実施形態では、ゴム含有画分をゴム保有植物から得るための処理システムであって、(a)植物またはその部分からのバイオマス、及び有機極性溶媒を受け入れ;第2抽出システムによって液体極性有機物画分及び極性化合物除去済みバイオマス固形物が生成するような要領でバイオマスを有機極性溶媒と混合し;液体極性有機物画分及び極性化合物除去済みバイオマス固形物を分離するように適合し構成された、第1抽出システム、ならびに(b)第1抽出システムからの極性化合物除去済みバイオマス固形物、及び非極性有機溶媒を受け入れ;第2抽出システムによってゴム含有非極性溶媒画分及び使用済みバイオマス固形物が生成するような要領で極性化合物除去済みバイオマス固形物を非極性有機溶媒と混合し;ゴム含有非極性溶媒画分及び使用済みバイオマス固形物を分離するように適合し構成された、第2抽出システムを含み、第1または第2抽出システムのうちの少なくとも1つが、各抽出システムの一連の複数の連続撹拌タンク抽出段において1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液が次の連続撹拌抽出段へと流れるような、互いに流体連通して直列に配列された複数の連続撹拌タンク抽出段を含み、各抽出システムにおいて連続撹拌タンク抽出段の少なくとも1つが、溶媒を受け入れるように適合し構成された入口、及びバイオマスまたは固形物を受け入れるように適合し構成された入口を有し、各抽出システムがさらに、それぞれの抽出システムの一連の連続撹拌タンク抽出段の最後と流体連通して配列された固液分離器を含み、固液分離器が、極性化合物除去済みバイオマス固形物または使用済みバイオマス固形物を液体極性有機物画分またはゴム含有非極性溶媒画分から分離するように適合し構成されている、当該処理システムが提供される。特定の実施形態では、上記処理システムにおいて抽出システムの1つは、ソックスレー抽出器、浸漬抽出器、向流浸漬抽出器、または濾過抽出器を含む。
【0012】
特定の実施形態では、炭水化物含有液をゴム保有植物から抽出する方法であって、一連の複数の連続撹拌タンク抽出段において1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液が次の連続撹拌抽出段へと流れるような、互いに流体連通して直列に配列された複数の連続撹拌タンク抽出段の少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段に、水、水溶液またはそれらの組合せを含む液体溶媒、及び植物またはその部分からのバイオマスを導入することを含み、ゴム保有植物がTaraxacum属のものまたは別の非Hevea植物であり;少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段において、少なくとも約50℃の温度で液体溶媒をバイオマスと混合して、バイオマスと会合している炭水化物を液体溶媒中に抽出するのを可能にすること;ならびに、少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液を固液分離器に導入して、分離された炭水化物含有液及び炭水化物除去済みバイオマス固形物を得ることを含む、当該方法が提供される。
【0013】
特定の実施形態では、極性有機物画分をゴム保有植物の炭水化物除去済みバイオマス固形物から抽出する方法であって、一連の複数の連続撹拌タンク抽出段において1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液が次の連続撹拌抽出段へと流れるような、互いに流体連通して直列に配列された複数の連続撹拌タンク抽出段の少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段に、有機極性溶媒及び炭水化物除去済みバイオマス固形物を導入することを含み、ゴム保有植物がTaraxacum属のものまたは別の非Hevea植物であり;固形物と会合している極性有機物画分を有機極性溶媒中に抽出することを可能にする要領で少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段において有機極性溶媒を炭水化物除去済みバイオマス固形物と混合すること;ならびに少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液を固液分離器に導入して、分離された極性有機物画分液及び極性化合物除去済みバイオマス固形物を得ることを含む、当該方法が提供される。
【0014】
特定の実施形態では、ゴム含有非極性溶媒画分をゴム保有植物の極性化合物除去済みバイオマス固形物から抽出する方法であって、一連の複数の連続撹拌タンク抽出段において1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液が次の連続撹拌抽出段へと流れるような、互いに流体連通して直列に配列された複数の連続撹拌タンク抽出段の少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段に、非極性有機溶媒及び極性化合物除去済みバイオマス固形物を導入することを含み、ゴム保有植物がTaraxacum属のものまたは別の非Hevea植物であり;固形物と会合しているゴム含有非極性溶媒画分を非極性有機溶媒中に抽出することを可能にする要領で少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段において非極性有機溶媒を極性化合物除去済みバイオマス固形物と混合すること;ならびに少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液を固液分離器に導入して、分離されたゴム含有非極性溶媒画分及び使用済みバイオマス固形物を得ることを含む、当該方法が提供される。
【0015】
特定の実施形態では、ゴム含有非極性溶媒画分をゴム保有植物から抽出する方法であって、(a)植物またはその部分からのバイオマス、及び水、水溶液またはそれらの組合せを含む液体溶媒を第1抽出システムに導入し;バイオマスと液体溶媒とを少なくとも約50℃の温度で混合して炭水化物含有液及び炭水化物除去済みバイオマス固形物を生成し;炭水化物除去済みバイオマス固形物を炭水化物含有液から分離することを含み、ゴム保有植物がTaraxacum属のものまたは別の非Hevea植物であり、(b)第1抽出システムからの炭水化物除去済みバイオマス固形物、及び有機極性溶媒を第2抽出システムに導入し;炭水化物除去済みバイオマス固形物を有機極性溶媒と混合して液体極性有機物画分及び極性化合物除去済みバイオマス固形物を生成し、液体極性有機物画分及び極性化合物除去済みバイオマス固形物を分離すること、ならびに(c)第2抽出システムからの極性化合物除去済みバイオマス固形物、及び非極性有機溶媒を第3抽出システムに導入し;極性化合物除去済みバイオマス固形物を非極性有機溶媒と混合してゴム含有非極性溶媒画分及び使用済みバイオマス固形物を生成し;ゴム含有非極性溶媒画分及び使用済みバイオマス固形物を分離することを含み、第1、第2または第3抽出システムのうちの少なくとも1つが、各抽出システムの一連の複数の連続撹拌タンク抽出段において1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液が次の連続撹拌抽出段へと流れるような、互いに流体連通して直列に配列された複数の連続撹拌タンク抽出段を含み、各抽出システムにおいて連続撹拌タンク抽出段の少なくとも1つが、溶媒を受け入れるように適合し構成された入口、及びバイオマスまたは固形物を受け入れるように適合し構成された入口を有し、各抽出システムがさらに、それぞれの抽出システムの一連の連続撹拌タンク抽出段の最後と流体連通して配列された固液分離器を含み、固液分離器が、炭水化物除去済みバイオマス固形物、極性化合物除去済みバイオマス固形物または使用済みバイオマス固形物を炭水化物含有液、液体極性有機物画分またはゴム含有非極性溶媒画分から分離するように適合し構成されている、当該方法が提供される。上記方法の特定の実施形態では、抽出システムの1つまたは2つは、ソックスレー抽出器、浸漬抽出器、向流浸漬抽出器、または濾過抽出器を含む。
【0016】
特定の実施形態では、ゴム含有非極性溶媒画分をゴム保有植物から抽出する方法であって、(a)植物またはその部分からのバイオマス、及び有機極性溶媒を第1抽出システムに導入し;バイオマスを有機極性溶媒と混合して液体極性有機物画分及び極性化合物除去済みバイオマス固形物を生成し、液体極性有機物画分及び極性化合物除去済みバイオマス固形物を分離することを含み、ゴム保有植物がTaraxacum属のものまたは別の非Hevea植物であり、(b)第1抽出システムからの極性化合物除去済みバイオマス固形物、及び非極性有機溶媒を第2抽出システムに導入し;極性化合物除去済みバイオマス固形物を非極性有機溶媒と混合してゴム含有非極性溶媒画分及び使用済みバイオマス固形物を生成し;ゴム含有非極性溶媒画分及び使用済みバイオマス固形物を分離することを含み、第1または第2抽出システムのうちの少なくとも1つが、各抽出システムの一連の複数の連続撹拌タンク抽出段において1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液が次の連続撹拌抽出段へと流れるような、互いに流体連通して直列に配列された複数の連続撹拌タンク抽出段を含み、各抽出システムにおいて連続撹拌タンク抽出段の少なくとも1つが、溶媒を受け入れるように適合し構成された入口、及びバイオマスまたは固形物を受け入れるように適合し構成された入口を有し、各抽出システムがさらに、それぞれの抽出システムの一連の連続撹拌タンク抽出段の最後と流体連通して配列された固液分離器を含み、固液分離器が、極性化合物除去済みバイオマス固形物または使用済みバイオマス固形物を液体極性有機物画分またはゴム含有非極性溶媒画分から分離するように適合し構成されている、当該方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】バイオマス供給原料を抽出して炭水化物除去済みバイオマス固形物及び炭水化物含有液を得るプロセスステップの模式図である。
【
図2】バイオマス供給原料を抽出して炭水化物除去済みバイオマス固形物及び炭水化物含有液を得るための例示的なCSTEシステムの模式図である。
【
図3】炭水化物除去済みバイオマス固形物を抽出して極性化合物除去済みバイオマス固形物及び極性有機物画分を得るプロセスステップの模式図である。
【
図4】炭水化物除去済みバイオマス固形物を抽出して極性化合物除去済みバイオマス固形物及び極性有機物画分を得るための例示的なCSTEシステムの模式図である。
【
図5】バイオマス供給原料を抽出して極性化合物除去済みバイオマス固形物及び極性有機物画分を得るプロセスステップの模式図である。
【
図6】バイオマス供給原料を抽出して極性化合物除去済みバイオマス固形物及び極性有機物画分を得るための例示的なCSTEシステムの模式図である。
【
図7】極性化合物除去済みバイオマス固形物を抽出して使用済みバイオマス固形物及びゴム含有非極性溶媒画分を得るプロセスステップの模式図である。
【
図8】極性化合物除去済みバイオマス固形物を抽出して使用済みバイオマス固形物及びゴム含有非極性溶媒画分を得るための例示的なCSTEシステムの模式図である。
【
図9】1~N段、固液分離器、湿性固形物乾燥機、生成物(複数可)含有液及び溶媒回収、ならびに生成物(複数可)除去済み固形物乾燥及び溶媒回収を含む例示的なCSTEシステムの模式図である。
【
図10】炭水化物抽出を伴う生成物抽出処理システム及び方法のためのプロセスフローの模式図である。
【
図11】使用する抽出システムが全てCSTEシステムである、炭水化物抽出を伴う生成物抽出方法のためのプロセスフローの模式図である。
【
図12】炭水化物抽出を伴わない生成物抽出処理システム及び方法のためのプロセスフローの模式図である。
【
図13】使用する抽出システムが全てCSTEシステムである、炭水化物抽出を伴わない生成物抽出方法のためのプロセスフローの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
定義
本明細書中で使用する場合、「バイオマス」または「バイオマス供給原料」という用語は、非Heveaゴム保有植物(例えばTaraxacum属の植物)の任意または全ての部分、ならびに任意のサイズ低減、調整及び/または前処理に供された非Heveaゴム保有植物(例えばTaraxacum属の植物)任意または全ての部分を指す。そのようなバイオマスまたはバイオマス供給原料は、湿ったもの、または乾いたものであり得る。
【0019】
本明細書中で使用する場合、「炭水化物除去済みバイオマス固形物」という語句は、バイオマスから炭水化物が抽出される抽出プロセスに非Heveaゴム保有植物(例えばTaraxacum属の植物)のバイオマスを供することによって得られる湿った、または乾燥した固形物質を指す。炭水化物除去済みバイオマス固形物を得るための抽出プロセスの例としては、限定されないが、水、水溶液またはそれらの組合せを含む少なくとも約50℃の温度の液体溶媒による抽出が挙げられる。乾燥した炭水化物除去済みバイオマス固形物は約10重量%以下の水を含む。
【0020】
本明細書中で使用する場合、「連続撹拌タンク抽出段」または「CSTE段」という語句は、単一の連続撹拌タンク抽出(CSTE)タンクまたは容器を指す。
【0021】
本明細書中で使用する場合、「極性化合物除去済みバイオマス固形物」という語句は、非Heveaゴム保有植物(例えばTaraxacum属の植物)のバイオマスか炭水化物除去済みバイオマス固形物かのどちらかを有機極性溶媒による抽出に供することによって得られる、湿った、または乾燥した固形物質を指す。極性化合物除去済みバイオマス固形物において複数の極性化合物は、バイオマスまたは炭水化物除去済みバイオマス固形物の抽出によって除去されている。乾燥した極性化合物除去済みバイオマス固形物は約10重量%以下の水を含む。
【0022】
本明細書中で使用する場合、「多分散性」という用語または「P」という記号は、重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で割った比率を指す。したがって、多分散性(P)はMw/Mnに等しい。特定の実施形態では、Mw/Mnを得るために使用するMw値及びMn値は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)と蒸発光散乱検出との併用(GPC-ELSD)、GPCと多角度光散乱との併用(GPC-MALS)、及びGPCと屈折度との併用(GPC-RI)によって決定される。「ゲル浸透クロマトグラフィー」または「GPC」という語句及び頭字語は、「サイズ排除クロマトグラフィー」、「SEC」または「GPC/SEC」という語句及び頭字語と同じ技術を指す。したがって、「多分散性」という用語または「P」という記号は、「多分散度」、「PDI」、「分散性」、「ストローク付きD」、または「
【数1】
」という用語、語句及び記号がMw/Mnに等しい値を指す場合にこれらの用語、語句及び記号が指すのと同じ比率を指し、Mw及びMnは上記分析方法のいずれか1つまたは任意の組合せによって決定される。
【0023】
本明細書中で使用する場合、「使用済みバイオマス固形物」という語句は、非Heveaゴム保有植物(例えばTaraxacum属の植物)の極性化合物除去済みバイオマス固形物を非極性有機溶媒による抽出に供することによって得られる湿った、または乾いた固形物質を指す。乾燥した使用済みバイオマス固形物は、約0.1重量%以下の非極性溶媒を含む。
【0024】
本明細書中で使用する場合、「ゴム含有非極性溶媒画分」という語句は、非極性有機溶媒を含む液体の中に溶解した天然ゴムを指す。
【0025】
先の定義のいずれかが、参照により本明細書に援用する任意の特許もしくは非特許参考文献、本明細書中で引用する任意の特許もしくは非特許参考文献、または他のどこかに見つかる任意の特許もしくは非特許参考文献の中で提供されている定義と矛盾している限りにおいて、本明細書中で先の定義を使用することになることは理解される。
【0026】
さらなる説明
ゴム及び副産物を非Hevea植物から生産するための処理システム及び方法を本明細書に提供する。そのようなシステム及び方法の利点には、非Hevea植物ゴム抽出操作の資本コスト及び採算性の改善が含まれる。特定の実施形態では、提供されるシステム及び方法によって生産されるゴムの特性、質及び/または純度も改善され、結果として最終製品売買の機会は以前に開示されたシステム及び方法に比べてさらに増す。使用され得るそのようなゴム保有非Hevea植物としては、限定されないが、Taraxacum属の植物、Crysothammus属の植物(例えば、「ラビットブラッシュ」、すなわちCrysothammus nauseousus)、Asclepias属の植物(「ミルクウィード」、すなわちAsclepias syriaca)、及びParthenium属の植物(例えば、「グアユール」、すなわちParthenium argentatum)が挙げられる。Taraxacum属の植物としては、限定されないが、T.koksaghyzもしくはその栽培品種、1つ以上のTaraxacum属種もしくは栽培品種からの遺伝子移入生殖質を含む品種、種間ハイブリッド生殖質を含む品種、2つ以上の栽培品種からのハイブリッド生殖質を含む品種、任意のゴム保有Taraxacum属種、栽培品種もしくは品種の突然変異誘発もしくは遺伝子編集から生まれる品種、遺伝子導入Taraxacum植物、またはそれらの任意の組合せが挙げられる。Taraxacum品種は、特定の実施形態では、T.koksaghyzとT.officinaleとの種間ハイブリッド生殖質を含み得る。
【0027】
特定の実施形態では、本明細書に提供するシステム及び方法は、バイオマス供給原料から副産物及び生成物を、独立して、逐次的に、または同時に、抽出することができる。抽出される副産物には、炭水化物(例えば、イヌリン、フルクトース、グルコースなど)、及び1つ以上の有用化合物(例えば、潤滑剤、化粧品原料、昆虫フェロモン、封止剤、接着剤、界面活性剤及び乳化剤)を含有する極性有機画分が含まれる。抽出される生成物には、天然ゴム(すなわち天然ポリイソプレン)が含まれる。非Hevea植物バイオマス供給原料を抽出して、次の抽出において有機極性溶媒抽出のための供給原料として使用される炭水化物除去済みバイオマス固形物と、炭水化物含有液とを得るためのシステム及び方法の非限定的な例を、
図1及び
図2に示す。炭水化物除去済みバイオマス固形物供給原料を抽出して極性化合物除去済みバイオマス固形物及び極性有機物画分を得るためのシステム及び方法の非限定的な例を
図3及び
図4に示す。バイオマス供給原料を抽出して極性化合物除去済みバイオマス固形物及び極性有機物画分を得るためのシステム及び方法の非限定的な例を
図5及び
図6に示す。極性化合物除去済みバイオマス固形物を抽出して使用済みバイオマス固形物及びゴム含有非極性溶媒画分を得るためのシステム及び方法の非限定的な例を
図7及び
図8に示す。非Heveaゴム保有植物からのバイオマス供給原料を抽出して炭水化物、極性有機物画分、ゴム含有非極性溶媒画分及び天然ゴム、ならびに他の用途のための使用済みバイオマスを得るためのシステム及び方法の非限定的な例を
図9、
図10及び
図11に示す。非Heveaゴム保有植物からのバイオマスを抽出して極性有機物画分、ゴム含有非極性溶媒画分及び天然ゴム、ならびに他の用途のための使用済みバイオマスを得るためのシステム及び方法の非限定的な例を
図9、
図12及び
図13に示す。
【0028】
特定の実施形態では、供給原料処理システム及び方法は、直列に連結された1つ以上の連続撹拌タンク抽出(CSTE)段を通り抜ける供給原料及び選択された液体または溶媒の連続プロセス流を提供する。CSTE段は、直列に連結された固液分離器の追加と合わさって、CSTEシステムを形成している。CSTEシステムの例としては、限定されないが、
図2、
図4、
図6、
図8及び
図9に示すCSTEシステムが挙げられる。1つ以上のCSTEシステムが配列されて供給原料処理システムを形成し得る。特定の実施形態では、システム及び方法は、湿った、または乾燥した供給原料(例えば、バイオマス、炭水化物抽出済みバイオマス固形物供給原料、または極性化合物除去済みバイオマス固形物供給原料)を受け入れるように適合し構成されたCSTEシステムを含み得る。特定の実施形態では、システム及び方法は、別の抽出システムからの湿った、もしくは乾燥した供給原料(例えば、炭水化物抽出済みバイオマス固形物、または極性化合物除去済みバイオマス固形物供給原料)を受け入れるように、または供給原料(例えば、炭水化物抽出済みバイオマス固形物、極性化合物除去済みバイオマス固形物、使用済みバイオマス)を別の抽出システムに供給するように適合し構成されたCSTEシステムを含み得る。特定の実施形態では、システム及び方法は、処理及び/または調整システムからの、または抽出システムからの、湿った、もしくは乾燥した供給原料(例えば、バイオマス、炭水化物抽出済みバイオマス固形物、極性化合物除去済みバイオマス固形物)を受け入れるように、あるいは供給原料(例えば、炭水化物抽出済みバイオマス固形物、極性化合物除去済みバイオマス固形物、使用済みバイオマス)を別の抽出システムに供給するように適合し構成されたCSTEシステムを含み得る。特定の実施形態では、CSTEシステムにおいてCSTE段の1つ以上は、(i)選択された液体もしくは溶媒(例えば、水性液体溶媒、有機極性溶媒または非極性有機溶媒)を受け入れるように適合し構成された入口、(ii)バイオマス、炭水化物除去済みバイオマス固形物、もしくは極性化合物除去済みバイオマス固形物を受け入れるように適合し構成された入口、または(iii)(i)の入口及び(ii)の入口の組合せを含み得る。特定の実施形態では、CSTEシステムにおいてCSTE段の1つ以上は、選択された液体または溶媒(例えば、水性液体溶媒、有機極性溶媒または非極性有機溶媒)と、バイオマス、炭水化物除去済みバイオマス固形物、または極性化合物除去済みバイオマス固形物との両方を受け入れるように適合し構成された単一の入口を含み得る。CSTEシステムに供給原料を供給することができる、またはCSTEシステムから供給原料を受け入れることができる、他の抽出システムは、別の抽出システム、別のCSTEシステム、ソックスレー抽出器、浸漬抽出器、向流浸漬抽出器(例えば、Crown Iron WorksモデルIV、Crown Iron Works Company,Roseville,MN,USA;)、及び/または濾過抽出器(例えば、Crown Iron WorksモデルIIIまたはV、Crown Iron Works Company,Roseville,MN,USA)を含み得る。本明細書中で使用する場合、「浸漬抽出器」、「向流浸漬抽出器」及び「濾過抽出器」という語句は、固形物を溶媒で抽出するための浸漬、向流及び/または濾過に基づく手順のうちの任意の1つ以上を採用する任意の方法またはシステムを指すために一般的に使用されている。したがって、「REFLEX(登録商標)」、「LM(商標)抽出器」または「LLL」装置(Desmet Ballestra,Paris,France)、Sliding Cell Extractorまたは「Lurgi」装置(Air Liquide Engineering and Construction,Paris,France)、または上記Crown Iron Works Companyの装置のいずれかを含むがこれらに限定されない装置を使用して、固形物を溶媒で抽出するための浸漬、向流及び/または濾過に基づく手順を提供することができる。
【0029】
一般的に言えば、本開示の原理に従って有用な標的生成物(例えば、副産物、例えば炭水化物または極性有機化合物、及び生成物、例えば、固形バイオマス供給原料からの天然ゴム、炭水化物抽出済みバイオマス固形物、極性化合物除去済みバイオマス固形物、使用済みバイオマス)を抽出するためのシステム及び方法は、下記を含む:
(i)固形物の調整及び前処理-バイオマス供給原料固形物の表面上の標的生成物、及び供給原料固形物中に保持されている生成物を両方とも抽出するためには、供給原料の粒径及び/または粒子形状を低減及び/または改変せねばならない。供給原料を構成する固形物は、選択された液体溶媒の曝露及び浸透による抽出のために表面積を拡大するため及び供給原料粒子の固形物を広げるために、切断、寸断、粉砕、圧砕及び/または微粉砕され得る。供給原料のさらなる調整、例えば、液浸、膨潤、軟化及び/または乾燥もまた、標的生成物(複数可)抽出のための液体溶媒への曝露のため及びその後の物質輸送の増加のために、供給原料の固形物の表面積の拡大を改善することができる。非Hevea植物からのバイオマス供給原料、炭水化物除去済みバイオマス固形物、及び/または極性化合物除去済みバイオマス固形物供給原料は、本明細書において提供される方法に使用する前に、または本明細書において提供される方法の過程で(例えば、抽出ステップのいずれかと同時に)サイズが低減され得る。特定の実施形態では、バイオマス供給原料を約1~5ミリメートルの平均粒径にまで低減する。特定の実施形態では、バイオマス供給原料を約2ミリメートル以下の平均粒径にまで低減する。特定の実施形態では、非Hevea植物からのバイオマスは、茎、葉、花、茎基部、根またはそれらの任意の組合せを含み得る。非Hevea植物がTaraxacum植物である特定の実施形態では、方法のためのバイオマス供給原料は、Taraxacum植物の茎基部及び根、または根のみを含み得る。そのような茎基部及び根、または根は、上記のとおりサイズが低減され得る及び/または形状が改変され得る。バイオマス供給原料は、収穫された状態で、及び/または部分的もしくは完全に乾燥した形態で、調整及び前処理に供され得る。特定の実施形態では、乾燥は、低くて摂氏約60度から、最高で摂氏100度までの温度で、水分レベルが10重量%未満に低減されるまで行われ得る。特定の実施形態では、乾燥バイオマスは、周囲温度で低湿度チャンバ内で貯蔵され得る。特定の実施形態では、調整及び前処理されたバイオマス供給原料を、自動搬送手段、例えば、コンベア、ロータリーフィーダー、空気輸送によって第1抽出システムに供給する。
(ii)抽出温度-撹拌タンクの圧力及び温度を上昇させることによって、調整及び/または前処理された供給原料(例えば、バイオマス、炭水化物抽出済みバイオマス固形物、極性化合物除去済みバイオマス固形物供給原料)から標的生成物を抽出する溶媒抽出効率のための条件はかなり増強される。運転温度が高ければ高いほど、液体溶媒における生成物の溶解性が向上し、液体溶媒中に溶解した生成物の粘度が低下し、調整された供給原料の物質輸送を最適化することが可能になる。いくつかのCSTE段を直列に配置してCSTEシステムを形成することによって、各CSTE段は、最適な物質輸送及び供給原料からの標的生成物の最適な抽出を可能にする選択された圧力及び温度で稼働し得る。例として、1つ以上のCSTE段は、溶媒損失を最小限に抑えるために還流冷却器を使用して大気圧で稼働するように構成され得る。他のCSTE段は、閉鎖系においてより高い温度及び圧力で稼働して所与の供給原料の選択的溶媒抽出に最適な抽出性能及び効率を得るように構成され得る。そのような実施形態では、温度及び圧力は、所望の副産物(例えば、炭水化物、非極性有機化合物)及び生成物(天然ゴム)の分解を最小限に抑えるように調節され得る。より高い温度及び圧力で稼働するように構成されたCSTE段は、他の一連のCSTE段から部分的に隔離され得る。より高い温度及び圧力で稼働するように構成されたCSTE段は、輸送ポンプ及びCSTE段間での溶媒蒸気損失の排除を可能とし得る。これは、代わって、固形物対溶媒の比率を上昇させてCSTE段容積を低減し、より低い購買コストの溶媒を使用する潜在的な経済的選択肢を可能にする。以下に述べる混合と併せて、溶媒及び供給原料から抽出される所望の生成物の溶解性を前提として許容可能な最高温度で稼働することは、改善した抽出効率性能、及びより低い資本及び運転コストをもたらす。
(iii)混合、撹拌及び湿式粉砕-CSTE段の内部での混合は、内部力学的撹拌及び適切に設計された内部力学的邪魔板を使用して成し遂げられる。強力な撹拌による混合は、調整された固形粒子を均質な溶液の中に一様に懸濁させることを可能にし、液体溶媒が効率的に表面の生成物と接触する及びそれを溶解させることを可能にし、固形粒子の内部領域の中への、内部の生成物を溶解させながらの浸透輸送のため、及び溶解した生成物を含んでそこから出てくる液体溶媒の輸送のために、液体溶媒の物質輸送を改善する。強力な撹拌による混合はさらに、液相スラリー中の溶媒が一様な粘度を獲得することを可能にし、それによって、輸送浸透及び調整された粒子の流出のための物質輸送を増加させる。これは、代わって、上に述べたとおり運転温度及び圧力の上昇に伴って固形物対溶媒の比率を上昇させる。溶媒及び供給原料から抽出される所望の生成物の溶解性を前提として許容可能な最高温度で混合を改善することは、抽出効率を改善する手段を提供する。混合及び撹拌は、CSTE段壁を介した熱移動及びそれと一体的に形成されている熱交換器との熱交換を改善する。さらに、またはあるいは、熱移動素子をCSTE段の内部に設計及び設置してCSTE段内の最適な圧力及び温度を維持することができる。CSTE段の熱移動面積が当該段での温度制御に十分でない場合、外部熱交換器を再循環ループ内に設けてCSTE段の内容物の温度をさらに制御することができる。CSTE段における熱対流及びCSTE段壁を介した熱伝導を前提として、液体スラリーを必要に応じて再循環ループ内の熱交換器によって必要に応じて加熱または冷却することができる。さらに、内部撹拌翼を改造してさらなる剪断を生み出すこと及び/または再循環ループ内に配置された湿式粉砕機によって、供給原料のさらなる粒径低減及び/または形状改変をもたらしてもよい。供給原料の粒径及び/または形状のさらなる低減は、抽出効率の改善、より高い固形物対溶媒の比率を可能にして段容積の低減、段数の低減及びサイクル全体の時間の減少をもたらし得る。
【0030】
(iv)抽出溶媒-抽出溶媒は、CSTE段の運転温度及び圧力での生成物の溶解性に基づいて選択され得るが、調整された固形物供給原料、及び最終的に選択されるまたは標的となる1つまたは複数の生成物と化学的に適合していなければならない。水性及び有機溶媒のどちらについても、高効率を伴って効果的に用いられ得る選択肢は多くある。1つの溶媒を任意の段に導入して、供給原料がCSTEシステムの段の中を流れる時の標的生成物(複数可)の抽出を可能にしてもよい。あるいは、任意の段に2つ以上の溶媒を導入して、供給原料がCSTEシステムの段の中を流れる時の2つ以上の標的生成物の抽出を可能にしてもよい。溶媒同士は混和性であってもよいし、または不混和性であってもよい。不混和性の溶媒系の場合、両溶媒の抽出効率の改善のために混合/撹拌を提供して均質な乳化段を作り出すことができる。特定の実施形態では、溶媒(複数可)の商業規模選択は、供給原料、抽出される標的生成物、プロセス設計、資本投入コスト及び見積られた稼働費に基づく。この抽出方法は、高い生成物抽出効率及び生成物収率を達成する機会を有しつつ、より低いコスト、または何らかの(環境上、安全上及び衛生上などの)理由でのより望ましい液体溶媒を選択する柔軟性を可能にする。
【0031】
(v)サイクル時間-CSTEシステム内の各段のサイクル全体の時間は、能力目標に達するのに必要とされる質量流速、各CSTE段の容積、及び抽出効率目標を達成するための段数を釣り合わせることによって制御され得る。各段は、CSTEシステム及び全体的な供給原料処理システムのための資本投資を低減し稼働費を削減する目的で性能及び抽出効率を最適化する特定の条件のために構成され得る。
【0032】
段は直列に配列され、高性能な抽出効率、生成物品質及び生成物収率を最適化及び提供するように設計及び制御される。各段は次の段と直列に流体連通している。流体連通によって段は、それに連結された段からの液体、固形物と液体とを含む流体(例えばスラリー)、またはそれらの組合せを受け入れるように構成される。段からの流出液は、液体溶媒中に溶解した生成物、液体溶媒中に懸濁した混合固形物を含む流体(例えばスラリー)、またはそれらの組合せであり得る。直列の段の数は、稼働能力、物質収支流速、収率要件、ならびに最適化された運転条件及びサイクル時間に基づいて設計されることになる。CSTEシステムは、処理条件、例えば、供給原料(例えば、バイオマス、炭水化物抽出済みバイオマス固形物、または極性化合物除去済みバイオマス固形物供給原料)の調整及び/または前処理、圧力及び温度、熱移動、混合及び撹拌ならびに湿式粉砕を最適化するように構成されねばならない。供給原料(例えば、バイオマス、炭水化物抽出済みバイオマス固形物、または極性化合物除去済みバイオマス固形物供給原料)製造及び処理システムは、処理目的及び要件に応じて任意の数の段を含む任意の数のCSTEシステムを有し得る。特定の実施形態では、調整及び前処理された固形物供給原料(例えば、バイオマス、炭水化物抽出済みバイオマス固形物、または極性化合物除去済みバイオマス固形物供給原料)は、測定または計量されて第1段及びそれ以降の任意の段の中に通され得る。同時に、運転温度にまで予熱され得る液体溶媒も計量されて第1段またはそれ以降の任意の段の中に通されて、段内での層形成を伴わずに固形物が液体溶媒中、例えば均質な混合物の中に完全に懸濁したスラリー相を形成し得る。段の撹拌機及び内部撹拌翼は、高、中または低剪断混合及び切断のために設計され得る。特定の実施形態では、供給原料の粒径及び形状をさらに低減する任意の段を伴って湿式粉砕機が再循環ループ内に配置され得る。液体溶媒中に懸濁したバイオマス、またはスラリーは、温度制御され最終段から連続的固形物分離ステップへと移送され得る。
【0033】
方法の別のステップによれば、除去済み固形物(例えば、炭水化物抽出済みバイオマス固形物、極性化合物除去済みバイオマス固形物、使用済み固形物など)は液体溶媒から分離され得る。特定の実施形態では、固形物を溶媒と混合するが、これは均質なスラリーに似たものとなる。上述したとおり、均質なスラリーの中で固形物は層形成を伴わずに液体の中に一様に分散している。溶媒と混ざり合った固形物は後に冷却され、その後に分離ステップが行われ、遠心分離、大気もしくは真空フィルターベルト、ベルトプレス、自動及び非自動加圧濾過、回転真空プレコートフィルター、溶存ガス浮上分離、沈降、または他の任意の固液連続分離プロセスもしくは設備による分離のために連続的に処理され得る。特定の実施形態では、分離器を去る、溶媒で濡れた固形物は、異なる溶媒によるさらなる抽出のための別の抽出システムへ移送され得る。例えば、固液分離器からの炭水化物除去済みバイオマス固形物は、有機極性溶媒による抽出のための別個の抽出システムへ移送され得、固液分離器からの極性化合物除去済みバイオマス固形物は、非極性有機溶媒による抽出のための別個の抽出システムへ移送され得る。特定の実施形態では、分離器を去る、溶媒で濡れた固形物は、使用済みバイオマス固形物であり、使用済みバイオマス処理のために移送され得る。標的生成物または標的生成物の中間形態であり得る生成物(複数可)が溶解している液体は、懸濁している微細な固形物を除去するために例えば100ミクロン未満の浄化フィルターを通して圧送され得る。固形物を含まず生成物(複数可)が溶解している液体はその後、精製、最終生成物(複数可)回収及び溶媒回収のために移送され得る。完成または標的生成物(複数可)は、販売のために、梱包、棚卸し、及び梱包製品(複数可)としての出荷、または棚卸し、及びバルクでの出荷が行われ得る。回収された溶媒は再生利用され得るが、それによって溶媒の使用が低減され、製造運転費が削減される。
【0034】
方法の別の態様によれば、使用済みバイオマスは再利用のためにさらに処理され得る。固形物分離ステップからの使用済み固形バイオマスは、抽出プロセスの間に使用した溶媒で濡れているのが典型的である。特定の実施形態では、湿った使用済み固形物を溶媒収集設備で乾燥させてもよく、任意の収集溶媒を内部での再生利用または再利用のために精製してもよい。例として、乾燥した使用済みバイオマスは、1ポンドあたりおよそ7,500BTUのBTU含有量を有し得、施設にてボイラーのための供給原料として使用されて有用蒸気を生成し得る。ボイラーは、施設のエネルギー要求に応えるために天然ガスか、燃料油か、地元の経済的に存続可能な他の燃料かのいずれかを使用するために装備され得る。施設容量が大きく、余剰量のエネルギーを使用済みバイオマスの燃焼によって生み出すことができる場合、高圧蒸気を生成させてタービンを駆動して、施設のため及び地域電力系統への送出のための電気を生み出すことができる。したがって、方法は、使用済みバイオマスを全て使用して低、中及び高圧蒸気の形態の熱エネルギーならびに施設を稼働させる電気を生み出して余剰分は地域電力系統に販売するという選択肢を提供する。ボイラーがバイオマスを燃焼している時、それは、副産物として道路建設に使用することができ、コンクリート添加剤、鋼鉄製造のための断熱材、建材及び他の適用可能な需要として使用することができる灰を生成し得る。乾燥した使用済みバイオマスは、動物用飼料補給物、セルロース断熱材、パーティクルボード用の添加剤または充填剤、土壌改良剤、建築資材及び他の現在言及されていない直販としての他の潜在的需要を有する。乾燥した使用済みバイオマスはまた、ガソリンのために使用されるエタノールなどのバイオ燃料または現在石油から供給されている他の化学物質を生産する超臨界水分解、酵素消化及び発酵のための供給原料にもなり得る。要約して言えば、プロセスからの乾燥した使用済みバイオマスは、経済的実用性に基づいて使用され得、それは、環境負荷及び操業の採算性に影響を与えるコスト影響となる廃棄物を生み出すことなく幾多の製品を生産すべくバイオマスの全ての要素が使用される、全体として再生可能で持続可能な連続プロセスをもたらす。特定の実施形態では、このシステムは、バイオリファイナリー概念のモデルである。例として、乾燥固形物は以下の用途に使用することができる:(a)土壌入替えまたは再生、(b)修景、道路建設及び建材のための凝集物、(c)動物用飼料補給物、セルロース断熱材、パーティクルボード用の添加剤または充填剤、土壌改良剤、及び他の現在言及されていない直販。使用済みバイオマスはまた、ガソリンに使用するエタノールなどのバイオ燃料または現在石油から供給されている他の化学物質を生産する酵素消化及び発酵のための供給原料にもなり得る。使用済みバイオマスはまた、炭水化物糖及びリグニンへの超臨界水分解及び転化のための供給原料として使用することもでき、その生成物は他の幾多の製品のための再生可能な供給原料として使用され得る。
【0035】
特定の実施形態では、非Hevea植物のためのシステムは、植物を栽培し機械的に収穫することができるいくつかの農場から経済的に適した範囲内に配置されることになる。非Hevea植物がTaraxacum植物である実施形態では、植物を農場にて収穫し、根から緩い土及び泥を振り落とし、その後、輸送車両に積み込む。収穫されたTaraxacum植物は、茎基部の下部に付いた地下茎と共に、地表の茎基部の上部に付いた葉を有するシュートを有している。暑い天候の間は、収穫した植物に水を散布し表面を濡らして、処理施設への輸送中に植物が乾燥するのを防ぐことができる。収穫物の量及び施設への輸送手段は処理施設の24時間の能力によって決められ得る。
【0036】
特定の実施形態では、収穫された植物は洗浄に供され得る。洗浄は、新鮮な水及び/または再生水を使用してシュート、葉、茎基部及び根から残存する土及び泥を除去することを含み得る。洗浄水は収集され得、土及び泥を除去する沈降システムへ移送され得、その後、製造施設におけるあらゆるプロセス水用途のための再利用を含むがこれに限定されない任意の用途のために水精製システムへ移送されてこの水が回収及び再生利用され得る。非Hevea植物がTaraxacum植物である実施形態では、洗浄したTaraxacum植物は、茎基部のすぐ上の所でシュート、花及び葉を取り除き茎基部及び繋がって付いている根を残す切断機へと移送され得る。シュート、花及び葉は機械から出てきて、タンポポ販売のためにシュート、花及び葉を梱包し得る梱包領域へ移送され得る。Taraxacumのシュート、花及び葉は、他の製品、例えば、タンポポ茶、タンポポワイン、タンポポコーヒーならびに医療及び他の用途のための他のタンポポ製品のための供給原料として使用され得る。Taraxacumの葉、チザン茶及び根から様々な製品を得る方法は米国特許第9,611,363号に開示されており、参照によりこの全体を本明細書に援用する。
【0037】
特定の実施形態では、本明細書において提供される特定のシステム及び方法に使用する供給原料はバイオマスであり、生産物は、炭水化物除去済みバイオマス固形物及び炭水化物含有液生成物または副産物である。そのようなシステム及び方法の非限定的な例は
図1、
図2、
図10及び
図11に示されている。Taraxacum植物の茎基部及び根は、フルクトース及びグルコース糖のポリマーであるイヌリンを主として含む水溶性炭水化物を、10~40重量パーセント含有する。これらの炭水化物は、Taraxacum植物がエネルギー源として貯蔵しているものであり、市場性のある幾多の用途のための価値ある副産物及びまたは供給原料として回収、販売及びまたは使用され得る。水相の液体(例えば水及び/または水溶液)によるTaraxacum植物の茎基部及び根の溶媒抽出は水溶性炭水化物の除去と併せて、バイオマスの量ならびにそれに対応した下流での処理のための資本及び設置コストをかなり低減する。炭水化物及び炭水化物除去済みバイオマス固形物を得るためのシステム及び方法の非限定的な例は
図1、
図2、
図10及び
図11に示されている。特定の実施形態では、使用するシステムは、植物または植物部分(複数可)を含むバイオマスの粒径の低減及び/または形状及び状態の改変を、抽出システム(例えば、少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出(CSTE)段、CSTEシステム、ソックスレー抽出器、浸漬抽出器、向流浸漬抽出器または濾過抽出器)へのそのバイオマスの導入の前に行うように適合し構成された、前処理調整機を含み得る。特定の実施形態では、方法は、植物または植物部分(複数可)を含むバイオマス供給原料粒子の径の低減及び/または形状の改変を、抽出システムへのそのバイオマスの導入の前に行うための、初回調整及び前処理ステップを含み得る。特定の実施形態では、第1の高剪断撹拌型の連続撹拌タンク抽出器(CSTE)段は、段を大気圧で稼働する場合、予熱された約50~100℃の温度の水性液体で満たされる。他の実施形態では、CSTE段は、段が大気圧より高い圧力に供される場合、100℃より高い温度で稼働され得る。段を大気圧超で稼働する場合に用いる好適な圧力の非限定的な例としては、15、150、300、600、900PSIGまたは1000PSIG超(ゲージ圧で1平方インチ当たりのポンド)が挙げられる。特定の実施形態では、少なくとも第1CSTE段は、剪断を増大させてバイオマスの粒径及び形状を低減及び/または改変するように適合し構成された翼を有する。特定の実施形態では、剪断を増大させてバイオマスの粒径及び形状を低減及び/または改変するように適合し構成されたCSTE翼は、内部撹拌機翼である。CSTE用のスラリーポンプは、バイオマス供給原料(例えば、茎、花、葉、茎基部、根またはそれらの任意の組合せ)の粒径をさらに低減する湿式粉砕機を備えた再循環を有し得る。スラリーポンプの選択も、剪断に影響を及ぼし得、粒径を低減及び/または改変し得る。特定の実施形態では、ゴム保有非Hevea植物からのバイオマスをコンベアで、バイオマスを小片に切断する切断機へ移送し、次いでそれを、測定及び/または制御された速度で、バイオマス粒子から水溶性炭水化物を抽出する第1の高剪断CSTE段の頂部に直接装填する。重合した糖であるイヌリンの加水分解を防止しバイオマスの濡れ特性を改善し発泡を軽減するのに適した水溶性化学物質が水性液体に添加され得る。特定の実施形態では、溶液のPHは、アンモニア、水酸化アンモニア、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、他の任意の無機塩基化学物質、及び含水または無水形態のどちらかであるそれらの任意の組合せを使用して塩基性寄りの7より高く10より低いPHに制御される。濡れ性及び/または発泡の制御は水相への1つ以上の界面活性剤(複数可)の添加によって成し遂げることができる。この連続的水相抽出での全体の滞留時間及びインキュベート時間は、供給原料及び水の流速すなわち水対バイオマスの比率、システム内の各CSTE段の容積、ならびに直列に並流式に繋がり合ったCSTE段の数によって制御することができる。特定の実施形態では、この連続水性液体溶媒抽出プロセスでの予期される全滞留時間は最短で1時間であり最長で6時間である。特定の実施形態では、炭水化物抽出によって、流入バイオマス供給原料からの水溶性炭水化物の全体のうち最低でも約60、70、80、90または99重量%の除去及び収率、及び/または、天然有機化学物質及び天然ゴムを回収する下流の溶媒抽出方法のための粒径が低減されたもしくは形状が改変されたバイオマス供給原料の調整及び/または前処理がもたらされ得る。理論で限定するつもりはないが、特定の実施形態では、バイオマス供給原料から炭水化物を除去して炭水化物除去済みバイオマス固形物を生成することで下流のバイオマス処理における効率的な溶媒抽出をもたらすことができると考えられる。理論で限定するつもりはないが、特定の実施形態では、水溶性有機及び無機物質を除去することで、下流での方法において溶媒抽出され回収される有機化合物及び天然ゴムの質及び純度がさらに改善されるとも考えられる。最後の水性抽出システムから出てくる水性スラリーは、連続稼働する水性固液分離器へとスラリーポンプで連続的に移送され得、液体は、精製しシュガーシロップに濃縮するために水溶性炭水化物溶液貯蔵タンクへ移送される、及び/または乾燥して固形粉末もしくは結晶性固体を形成する。システムまたは方法に使用する固液分離器は、固形物を水圧でプレスして最大限の量の液体を除去する連続ベルトプレスであり得る。多くのタイプ及び配置の連続遠心分離、ならびに他の濾過、沈降及び/または浮上分離プロセスを任意の配置または組合せで設備として用いて炭水化物除去済みバイオマス固形物を炭水化物含有液から分離することができる。収率向上のために、出てきた炭水化物除去済みバイオマス固形物から水溶性炭水化物及び他の物質を除去すべく、炭水化物除去済みバイオマス固形物は新鮮な水で洗浄され得る。上記システム及び方法によって得られた炭水化物は、バイオ燃料を生産する発酵プロセスのためまたは他の化学プロセスのための再生可能炭素供給原料として使用され得る。非限定的な例として、イヌリン糖ポリマーを水性酸性化によってそれらのフルクトース及びグルコースモノマーに化学変換することができる。他の実施形態では、イヌリンポリマーをヒドロキシメチルフルフラール(HMF;5-(ヒドロキシメチル)フルフラール)に化学変換することができる。HMFは文献に載録されており、米国エネルギー省などによって、現在主に石油化学供給原料から供給されている一部の商品量及び特定化学物質を生産する化学合成のための主要な再生可能ビルディングブロック化学物質供給原料に選ばれている。主要な市場用途のいくつかは、2,5-フランジカルボン酸(FDCA)への転化のためのものであるが、これは、ポリアミド、ポリエステル及びポリウレタンの製造に使用されるテレフタル酸及びイソフタル酸(isothalic acids)の代替品として提案されたものである。FDCAをさらに重合させて、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)の潜在的代替品であるポリ(エチレン2.5-フランジカルボン酸)(PEF)を製造することができる。HMFは、バイオエタノールよりもエネルギー含有量が大きい潜在的バイオ燃料である液体、2,5-ジメチルフラン(DMF)に転化されることができる。水素化によって2,5-ビス(ヒドロキシメチル)フランが得られる。酸によって触媒される加水分解は、燃料及び派生市場用途の両方のためのギ酸を失うことでHMFをレブリン酸(LA)に、及びガンマバレロラクトン(gVL)に転化する。レブリン酸エチル(EL)、5-エトキシメチルフルフラール(EMF)、ジメチルフルフラール(DMF)、2,5-ビス(ヒドロキシメチル)フラン(BHMF)、2,5ジホルミルフラン(DDF)ならびに他の幾多の商品及び特定化学物質も、HMFから出発して合成することができる。したがって、Taraxacumバイオ再生可能供給原料は、既存の石油市場によって供給される製品の代替品となる、付加価値を有する多くの新製品を将来提供することができる。
【0038】
特定の場合には、本明細書において提供される特定の処理システム及び方法に使用するバイオマス供給原料は炭水化物除去済みバイオマス固形物であり、生産物は、極性化合物除去済みバイオマス固形物、及び極性有機画分または極性有機副画分である。そのようなシステム及び方法の非限定的な例は
図3、
図4、
図10及び
図11に示されている。特定の実施形態では、システム及び方法のための炭水化物除去済みバイオマス固形物供給原料は、限定されないが単一の連続撹拌タンク抽出器(CSTE)段、CSTEシステム、ソックスレー抽出器、浸漬抽出器、向流浸漬抽出器または濾過抽出器を含めた、バイオマスからの炭水化物の抽出をもたらす任意の抽出装置またはシステムから得ることができる。処理システム及び方法に使用することができる有機極性溶媒としては、限定されないが、1~8個の炭素原子を有するアルコール、3~8個の炭素原子を有するケトン、3~8個の炭素原子を有するヒドロキシケトン、ケトール、3~8個の炭素原子を有するエステル、またはそれらの組合せが挙げられる。特定の実施形態では、有機極性溶媒はアセトンまたは含水アセトンを含む。この連続的有機極性溶媒抽出での全体の滞留、インキュベート及び/またはサイクル時間は、供給原料及び有機極性溶媒の流速すなわち炭水化物除去済みバイオマス固形物に対する有機極性溶媒の比率、システム内の各CSTE段の容積、ならびに直列に並流式に繋がり合ったCSTE段の数によって制御することができる。特定の実施形態では、CSTEシステムにおけるこの連続抽出プロセスでの予期される全滞留時間は最短で1時間であり最長で8時間である。特定の実施形態では、炭水化物除去済みバイオマス固形物は約1~約8時間にわたって有機極性溶媒で抽出される。システムまたは方法に使用する固液分離器は、固形物を水圧でプレスして最大限の量の有機極性溶媒を除去する連続ベルトプレスであり得る。多くのタイプ及び配置の連続遠心分離、ならびに他の濾過、沈降及び/または浮上分離プロセスを任意の配置または組合せで設備として用いて極性化合物除去済みバイオマス固形物を極性有機画分から分離することができる。収率向上のために、有機化合物をさらに除去すべく、極性化合物除去済みバイオマス固形物は新鮮な有機極性溶媒で洗浄され得る。上記方法のいずれかは、液体極性有機物画分から微細な固形物を濾別することをさらに含み得る。特定の実施形態では、潤滑剤、化粧品原料、昆虫フェロモン、封止剤、接着剤、界面活性剤または乳化剤が濃縮されている1つ以上の副産物副画分を極性有機物画分から得ることもできる。特定の実施形態では、副画分は、18-オキソ-ノナデカン酸、パルミチン酸エチルエステル、オレアノール酸、コレカルシフェロール、17-ヒドロキシ-9Z-オクタデセン酸、スフィンゴシン、12-オキソ-9-オクタデシン酸、シス-5-テトラデセノイルカルニチン、アゼライン酸、モノオレイン、ベータ-ヒドロキシパルミチン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、シス-9-ヘキサデセン酸、またはそれらの異性体のうちの少なくとも1つが濃縮されたものとなる。特定の実施形態では、限定されないが吸収、吸着、クロマトグラフィー(例えば液体クロマトグラフィー)、晶析、蒸留、昇華及びそれらの組合せを含めた方法によって極性有機画分の上記副産物副画分のいずれかを得ることができる。特定の実施形態では、極性化合物除去済みバイオマス固形物は、炭水化物除去済みバイオマス固形物供給原料の中に存在していた潤滑剤、化粧品原料、昆虫フェロモン、封止剤、接着剤、界面活性剤または乳化剤である極性有機化合物が除去されている。特定の実施形態では、極性化合物除去済みバイオマス固形物は、炭水化物除去済みバイオマス固形物供給原料の中に存在していた18-オキソ-ノナデカン酸、パルミチン酸エチルエステル、オレアノール酸、コレカルシフェロール、17-ヒドロキシ-9Z-オクタデセン酸、スフィンゴシン、12-オキソ-9-オクタデシン酸、シス-5-テトラデセノイルカルニチン、アゼライン酸、モノオレイン、ベータ-ヒドロキシパルミチン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、シス-9-ヘキサデセン酸、またはそれらの異性体のうちの少なくとも1つである極性有機化合物が除去されている。
【0039】
特定の場合には、本明細書において提供される特定の処理システム及び方法に使用するバイオマス供給原料はバイオマスであり、生産物は、極性化合物除去済みバイオマス固形物、及び極性有機画分または極性有機副画分である。そのようなシステム及び方法の非限定的な例は
図5、
図6、
図12及び
図13に示されている。かくして、最初に炭水化物を抽出することなくバイオマスを有機極性溶媒による抽出に供するシステム及び方法の実施形態が本明細書に提供される。特定の実施形態では、システム及び方法のためのバイオマス供給原料は、限定されないが単一の連続撹拌タンク抽出器(CSTE)段、CSTEシステム、ソックスレー抽出器、浸漬抽出器、向流浸漬抽出器または濾過抽出器を含めた、バイオマスからの炭水化物の抽出をもたらす任意の抽出装置またはシステムから得ることができる。特定の実施形態では、少なくとも第1CSTE段は、剪断を増大させてバイオマスの粒径及び形状を低減及び/または改変するように適合し構成された翼を有する。特定の実施形態では、剪断を増大させてバイオマスの粒径及び形状を低減及び/または改変するように適合し構成されたCSTE翼は、内部撹拌機翼である。CSTE用のスラリーポンプは、バイオマス供給原料(例えば、切断された茎基部及び根)の粒径をさらに低減する湿式粉砕機を備えた再循環を有し得る。特定の実施形態では、ゴム保有非Hevea植物からのバイオマスをコンベアで、バイオマス(例えば、茎、花、葉、茎基部、根またはそれらの任意の組合せ)を小片に切断する切断機へ移送し、次いでそれを、制御された速度で第1の高剪断CSTE段の頂部入口に直接装填するが、当該入口は、バイオマスの小片を受け入れるように適合し構成されている。処理システム及び方法に使用することができる有機極性溶媒としては、限定されないが、1~8個の炭素原子を有するアルコール、3~8個の炭素原子を有するケトン、3~8個の炭素原子を有するヒドロキシケトン、ケトール、3~8個の炭素原子を有するエステル、またはそれらの組合せが挙げられる。特定の実施形態では、有機極性溶媒はアセトンまたは含水アセトンを含む。この連続的有機極性溶媒抽出での全体の滞留、インキュベート及び/またはサイクル時間は、供給原料及び有機極性溶媒の流速すなわち有機極性溶媒対バイオマスの比率、システム内の各CSTE段の容積、ならびに直列に並流式に繋がり合ったCSTE段の数によって制御することができる。特定の実施形態では、バイオマスは約1~約8時間にわたって有機極性溶媒で抽出される。システムまたは方法に使用する固液分離器は、固形物を水圧でプレスして最大限の量の有機極性溶媒を除去する連続ベルトプレスであり得る。多くのタイプ及び配置の連続遠心分離、ならびに他の濾過、沈降及び/または浮上分離プロセスを任意の配置または組合せで設備として用いて極性化合物除去済みバイオマス固形物を極性有機画分から分離することができる。特定の実施形態では、収率向上のために、有機化合物をさらに除去すべく、極性化合物除去済みバイオマス固形物は新鮮な有機極性溶媒で洗浄され得る。上記方法のいずれかは、液体極性有機物画分から微細な固形物を濾別することをさらに含み得る。特定の実施形態では、潤滑剤、化粧品原料、昆虫フェロモン、封止剤、接着剤、界面活性剤または乳化剤が濃縮されている1つ以上の副産物副画分を極性有機物画分から得ることもできる。特定の実施形態では、副画分は、18-オキソ-ノナデカン酸、パルミチン酸エチルエステル、オレアノール酸、コレカルシフェロール、17-ヒドロキシ-9Z-オクタデセン酸、スフィンゴシン、12-オキソ-9-オクタデシン酸、シス-5-テトラデセノイルカルニチン、アゼライン酸、モノオレイン、ベータ-ヒドロキシパルミチン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、シス-9-ヘキサデセン酸、またはそれらの異性体のうちの少なくとも1つが濃縮されている。特定の実施形態では、限定されないが吸収、吸着、クロマトグラフィー(例えば液体クロマトグラフィー)、晶析、蒸留、昇華及びそれらの組合せを含めた方法によって極性有機画分の上記副産物副画分のいずれかを得ることができる。特定の実施形態では、極性化合物除去済みバイオマス固形物は、バイオマス供給原料の中に存在していた潤滑剤、化粧品原料、昆虫フェロモン、封止剤、接着剤、界面活性剤または乳化剤である極性有機化合物が除去されている。特定の実施形態では、極性化合物除去済みバイオマス固形物は、バイオマス供給原料の中に存在していた18-オキソ-ノナデカン酸、パルミチン酸エチルエステル、オレアノール酸、コレカルシフェロール、17-ヒドロキシ-9Z-オクタデセン酸、スフィンゴシン、12-オキソ-9-オクタデシン酸、シス-5-テトラデセノイルカルニチン、アゼライン酸、モノオレイン、ベータ-ヒドロキシパルミチン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、シス-9-ヘキサデセン酸、またはそれらの異性体のうちの少なくとも1つである極性有機化合物が除去されている。
【0040】
特定の場合には、本明細書において提供される特定の処理システム及び方法に使用するバイオマス供給原料は極性化合物除去済みバイオマス固形物であり、生産物は、使用済みバイオマス固形物及びゴム含有非極性溶媒である。そのようなシステム及び方法の非限定的な例は
図7、
図8、
図10、
図11、
図12及び
図13に示されている。特定の実施形態では、システム及び方法のための極性化合物除去済みバイオマス固形物供給原料は、限定されないが単一の連続撹拌タンク抽出器(CSTE)段、CSTEシステム、ソックスレー抽出器、浸漬抽出器、向流浸漬抽出器または濾過抽出器を含めた、バイオマスからの炭水化物の抽出をもたらす任意の抽出装置またはシステムから得ることができる。処理システム及び方法に使用することができる非極性有機溶媒としては、限定されないが、1~12個の炭素原子を有する1つ以上の炭化水素(複数可)が挙げられる。特定の実施形態では、炭化水素(複数可)は、4~9個の炭素原子を有するアルカン、5~10個の炭素原子を有するシクロアルカン、5~10個の炭素原子を有するアルキル置換シクロアルカン、6~12個の炭素原子を有する芳香族化合物、及び7~12個の炭素原子を有するアルキル置換芳香族化合物からなる群から選択される。システム及び方法に使用する非極性有機溶媒は、n-ヘキサン、混合ヘキサン、シクロヘキサン、n-ペンタン、混合ペンタン、2-メチルペンタン、3-メチルペンタン、2,3-ジメチルブタン、2-2-ジメチルブタン、メチルシクロペンタン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、またはそれらの混合物を含み得る。特定の実施形態では、有機溶媒は混合ヘキサンまたはn-ヘキサンを含む。この連続非極性有機溶媒抽出での全体の滞留、インキュベート及び/またはサイクル時間は、供給原料及び非極性有機溶媒の流速すなわち極性化合物除去済みバイオマス固形物に対する非極性有機溶媒の比率、システム内の各CSTE段の容積、ならびに直列に並流式に繋がり合ったCSTE段の数によって制御することができる。特定の実施形態では、CSTEシステムにおけるこの連続抽出プロセスでの予期される全滞留時間は最短で1時間であり最長で8時間である。特定の実施形態では、極性化合物除去済みバイオマス固形物は約1~約8時間にわたって非極性有機溶媒で抽出される。特定の実施形態では、大気圧で、及び非極性有機溶媒の大気圧での沸点またはそれ未満の温度で、極性化合物除去済みバイオマス固形物が非極性有機溶媒で抽出される。他の実施形態では、非極性有機溶媒の大気圧での沸点より高い温度で、及び/または大気圧より高い圧力で、極性化合物除去済みバイオマス固形物が非極性有機溶媒で抽出される。システムまたは方法に使用する固液分離器は、使用済みバイオマス固形物を水圧でプレスして最大限の量の非極性有機溶媒を除去する連続ベルトプレスであり得る。多くのタイプ及び配置の連続遠心分離、ならびに他の濾過、沈降及び浮上分離プロセスを任意の配置または組合せで設備として用いて使用済みバイオマス固形物を非極性有機画分から分離することができる。収率向上のために、固形物からゴムをさらに除去すべく、極性化合物除去済みバイオマス固形物は新鮮な非極性有機溶媒で洗浄され得る。特定の実施形態では、使用済みバイオマス固形物からのゴム含有非極性溶媒画分の分離は、遠心分離、濾過、沈降及び浮上分離またはそれらの組合せによって成し遂げられる。特定の実施形態では、使用済みバイオマスは乾燥している。乾燥した使用済みバイオマスは、施設の用役として使用する熱及びまたは電力を作り出すボイラーのための供給原料、バイオ燃料生産のための供給原料、動物用飼料補給物、セルロース断熱材、パーティクルボード用及び積層板用の添加剤または充填剤、土壌改良剤、あるいはそれらの任意の組合せとして使用される。特定の実施形態では、乾燥重量で、初回またはそれに続く液体溶媒抽出に使用するバイオマス供給原料の中に含まれている天然ゴムの少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%または99%が、ゴム含有非極性溶媒画分中に抽出される。上記方法のいずれかの特定の実施形態では、方法はさらに、以下のステップ:(a)ゴム含有非極性溶媒画分から微細な固形物を濾別するステップ、(b)ゴムを溶液中に維持しながら非極性溶媒の少なくとも半分を蒸留または蒸発によって除去して濃縮ゴム溶液を得るステップ、(c)酸化防止剤を濃縮ゴム溶液に(例えば、酸化防止剤を濃縮ゴム溶液中に分配するために混合、撹拌、掻き混ぜなどを行いながら)添加するステップ、(d)予冷した十分な量の清浄な有機極性溶媒(例えば、予冷したほぼ等体積の清浄な有機極性溶媒)を添加することによって、ゴムまたは酸化防止剤処理されたゴムを析出させるステップ、(e)有機極性溶媒と非極性有機溶媒と析出ゴムとの混合物をさらに冷却してゲル状ゴム析出物及び混合液体有機溶媒を形成するステップ。(f)ゲル状ゴム析出物を混合液体有機溶媒から分離及び除去するステップ、(g)ゲル状ゴム析出物を形成及び/または成形する、及び/または混合液体有機溶媒の一部をさらに除去するステップ、(h)形成及び/または成形されたゲル状ゴム析出物を乾燥させて乾燥固形ゴム生成物を得るステップ、あるいはi)ステップ(a)~(h)の任意の組合せのうちの少なくとも1つを含み得る。特定の実施形態では、処理システムはさらに、(a)ゴム含有非極性溶媒画分から微細な固形物を濾別すること、(b)ゴムを溶液中に維持しながら非極性溶媒の少なくとも半分を蒸留または蒸発によって除去して濃縮ゴム溶液を得ること、(c)酸化防止剤を濃縮ゴム溶液に(例えば、酸化防止剤を濃縮ゴム溶液中に分配するために混合、撹拌、掻き混ぜなどを行いながら)添加すること、(d)予冷した十分な量の清浄な有機極性溶媒(例えば、予冷したほぼ等体積の清浄な有機極性溶媒)を添加することによって、ゴムまたは酸化防止剤処理されたゴムを析出させること、(e)有機極性溶媒と非極性有機溶媒と析出ゴムとの混合物をさらに冷却してゲル状ゴム析出物及び混合液体有機溶媒を形成すること。(f)ゲル状ゴム析出物を混合液体有機溶媒から分離及び除去すること、(g)ゲル状ゴム析出物を形成及び/または成形する、及び/または混合液体有機溶媒の一部をさらに除去すること、(h)形成及び/または成形されたゲル状ゴム析出物を乾燥させて乾燥固形ゴム生成物を得ること、
あるいは(i)ステップ(a)~(h)の任意の組合せのために適合し構成されたサブシステムを含み得る。天然ゴムの試料は、試料中の個々のポリイソプレンポリマー分子量及びまたは分子質量の分布及び均一性である多分散特性が顕著である。植物がTaraxacum属のものであるかまたは別の非Heveaゴム保有植物であり、バイオマス供給原料が、葉、茎、花、根、茎基部またはそれらの組合せを含むそれらの植物の部分から得られる、上記システム及び方法の特定の実施形態では、ゴム含有非極性溶媒画分、ゲル状ゴム析出物または乾燥固形ゴムは、1モルあたり約1.0×10
6、1.1×10
6、1.2×10
6、1.3×10
6、1.4×10
6、1.5×10
6、1.6×10
6、1.7×10
6または1.8×10
6から3.0×10
6、4.0×10
6、4.5×10
6または5.0×10
6グラム(g/mol)までの重量平均分子量のポリイソプレンを含み、0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満もしくは0.1重量%未満、0.1~0.5重量%、または0重量%の灰分、及び/または0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満もしくは0.1重量%未満、0.1~0.5重量%、または0重量%の窒素含有量の少なくとも1つを有し得る。植物がTaraxacum属のものであるかまたは別の非Heveaゴム保有植物であり、バイオマス供給原料が、葉、茎、花、根、茎基部またはそれらの組合せを含むそれらの植物の部分から得られる、上記システム及び方法の特定の実施形態では、ゴム含有非極性溶媒画分、ゲル状ゴム析出物または乾燥固形ゴムは、多分散性P、(Mw/Mn)を1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8もしくは1.9から3.5、3.6、3.7、3.8、3.9もしくは4までとするかまたは多分散性P、(Mw/Mn)を約1.1、2、3もしくは4とし、重量平均分子量を約1.0×10
6、1.1×10
6、1.2×10
6、1.3×10
6、1.4×10
6、1.5×10
6、1.6×10
6、1.7×10
6または1.8×10
6から3.0×10
6、4.0×10
6、4.5×10
6または5.0×10
6g/molまでとする、本質的に単峰性の分子量分布を有するポリイソプレンを含み、ここで、多分散性及び重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)と蒸発光散乱検出との併用(GPC-ELSD)、GPCと多角度光散乱との併用(GPC-MALS)、及びGPCと屈折率との併用(GPC-RI)からなる群から選択される分析方法によって決定されるものである。特定の実施形態では、上記ゴム含有非極性溶媒画分、ゲル状ゴム析出物または乾燥固形ゴムのいずれかは、多分散性P、(Mw/Mn)を1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8もしくは1.9から3.5、3.6、3.7、3.8、3.9もしくは4までとするかまたは多分散性P、(Mw/Mn)の多分散性P、(Mw/Mn)を約1.1、2、3もしくは4とする、本質的に単峰性の分子量分布を有するポリイソプレンを含み、ここで、多分散性は、GPC-ELSD、GPC-MALS、及びGPC-RIからなる群から選択される分析方法によって決定されるものである。特定の実施形態では、上記ゴム含有非極性溶媒画分、ゲル状ゴム析出物または乾燥固形ゴムのいずれかは、0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満もしくは0.1重量%未満、0.1~0.5重量%、または0重量%の灰分、及び/または0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満もしくは0.1重量%未満、0.1~0.5重量%、または約0重量%の窒素含有量のうちの少なくとも1つを有するポリイソプレンを含む。植物がTaraxacum属のものであるかまたは別の非Heveaゴム保有植物であり、バイオマス供給原料が、葉、茎、花、根、茎基部またはそれらの組合せを含むそれらの植物の部分から得られる、上記システム及び方法の特定の実施形態では、ゴム含有非極性溶媒画分、ゲル状ゴム析出物または乾燥固形ゴムは、0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満もしくは0.1重量%未満、0.1~0.5重量%、または0重量%の灰分、及び0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満もしくは0.1重量%未満、0.1~0.5重量%、または0重量%の窒素含有量を有する。植物がTaraxacum属のものであるかまたは別の非Heveaゴム保有植物であり、バイオマス供給原料が、葉、茎、花、根、茎基部またはそれらの組合せを含むそれらの植物の部分から得られる、上記システム及び方法の特定の実施形態では、ゴム含有非極性溶媒画分、ゲル状ゴム析出物または乾燥固形ゴムは、0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満もしくは0.1重量%未満、0.1~0.5重量%、または0重量%の灰分を有し得る。植物がTaraxacum属のものであるかまたは別の非Heveaゴム保有植物であり、バイオマス供給原料が、葉、茎、花、根、茎基部またはそれらの組合せを含むそれらの植物の部分から得られる、上記システム及び方法の特定の実施形態では、ゴム含有非極性溶媒画分、ゲル状ゴム析出物または乾燥固形ゴムは、0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満もしくは0.1重量%未満、0.1~0.5重量%、または0重量%の窒素含有量を有し得る。植物がTaraxacum属のものであるかまたは別の非Heveaゴム保有植物であり、バイオマス供給原料が、根、茎基部またはそれらの組合せを含むそれらの植物の部分から得られる、上記システム及び方法の特定の実施形態では、ゴム含有非極性溶媒画分、ゲル状ゴム析出物または乾燥固形ゴムは、約1.0×10
6、1.1×10
6、1.2×10
6、1.3×10
6、1.4×10
6、1.5×10
6、1.6×10
6、1.7×10
6または1.8×10
6から3.0×10
6、4.0×10
6、4.5×10
6または5.0×10
6g/molまでの重量平均分子量を有するポリイソプレンを含み、0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満もしくは0.1重量%未満、0.1~0.5重量%、または0重量%の灰分、及び/または0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満もしくは0.1重量%未満、0.1~0.5重量%、または0重量%の窒素含有量の少なくとも1つを有し得る。植物がTaraxacum属のものであるかまたは別の非Heveaゴム保有植物であり、バイオマス供給原料が、根、茎基部またはそれらの組合せを含むそれらの植物の部分から得られる、上記システム及び方法の特定の実施形態では、ゴム含有非極性溶媒画分、ゲル状ゴム析出物または乾燥固形ゴムは、多分散性P、(Mw/Mn)を1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8もしくは1.9から3.5、3.6、3.7、3.8、3.9もしくは4までとするかまたは多分散性P、(Mw/Mn)を約1.1、2、3もしくは4とする、本質的に単峰性の分子量分布、及び約1.0×10
6、1.1×10
6、1.2×10
6、1.3×10
6、1.4×10
6、1.5×10
6、1.6×10
6、1.7×10
6または1.8×10
6から3.0×10
6、4.0×10
6、4.5×10
6または5.0×10
6g/molまでの重量平均分子量を有するポリイソプレンを含み、ここで、多分散性及び重量平均分子量は、GPC-ELSD、GPC-MALS、及びGPC-RIからなる群から選択される分析方法によって決定されるものである。特定の実施形態では、上記ゴム含有非極性溶媒画分、ゲル状ゴム析出物または乾燥固形ゴムのいずれかは、多分散性P、(Mw/Mn)を1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8または1.9から3.5、3.6、3.7、3.8、3.9または4までとする本質的に単峰性の分子量分布を有するポリイソプレンを含み、ここで、Mw及びMnは、GPC-ELSD、GPC-MALS、及びGPC-RIからなる群から選択される分析方法によって決定されるものである。特定の実施形態では、上記ゴム含有非極性溶媒画分、ゲル状ゴム析出物または乾燥固形ゴムのいずれかは、約1.0×10
6、1.1×10
6、1.2×10
6、1.3×10
6、1.4×10
6、1.5×10
6、1.6×10
6、1.7×10
6または1.8×10
6から3.0×10
6、4.0×10
6、4.5×10
6または5.0×10
6g/molまでの重量平均分子量を有するポリイソプレンを含み、0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満もしくは0.1重量%未満、0.1~0.5重量%、または0重量%の灰分、及び/または0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満、0.1重量%未満または0重量%の窒素含有量の少なくとも1つを含み得る。特定の実施形態では、上記ゴム含有非極性溶媒画分、ゲル状ゴム析出物または乾燥固形ゴムのいずれかは、0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満もしくは0.1重量%未満、0.1~0.5重量%、または0重量%の灰分、及び/または0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満、0.1重量%未満または0重量%の窒素含有量の少なくとも1つを有するポリイソプレンを含む。植物がTaraxacum属のものであるかまたは別の非Heveaゴム保有植物であり、バイオマス供給原料が、根、茎基部またはそれらの組合せを含むそれらの植物の部分から得られる、上記システム及び方法の特定の実施形態では、ポリイソプレンを含むゴム含有非極性溶媒画分、ゲル状ゴム析出物または乾燥固形ゴムは、約1.0×10
6、1.1×10
6、1.2×10
6、1.3×10
6、1.4×10
6、1.5×10
6、1.6×10
6、1.7×10
6または1.8×10
6から3.0×10
6、4.0×10
6、4.5×10
6または5.0×10
6g/molまでの重量平均分子量を有し得る。植物がTaraxacum属のものであるかまたは別の非Heveaゴム保有植物であり、バイオマス供給原料が、根、茎基部またはそれらの組合せを含むそれらの植物の部分から得られる、上記システム及び方法の特定の実施形態では、ゴム含有非極性溶媒画分、ゲル状ゴム析出物または乾燥固形ゴムは、0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満もしくは0.1重量%未満または0重量%の窒素含有量を有し得る。本明細書において提供されるシステム及び方法によって生産される乾燥固形天然ゴムを使用して、タイヤを含むがこれに限定されない様々な商品を製造することができる。
【0041】
特定の実施形態では、炭水化物含有液、極性有機物画分及び/またはゴム含有画分をゴム保有非Hevea植物から得るための、本明細書において提供されるシステム及び方法は、最初から最後まで全体的に連続式であり得る。しかしながら、上記方法の特定のサブプロセスまたはステップ(複数可)を回分モードで運転してプロセス全体を半連続式にすることはできる。特定の実施形態では、連続式の処理システム及び方法は、数週間続けることが予定された製造活動のために、1日に24時間、及び1週間に7日運転され得る。さらに他の実施形態では、本明細書において提供される処理システム及び方法は、回分モードで実施される。さらに他の実施形態では、処理システム及び方法は、互いに独立して稼働し得る。
【実施例】
【0042】
実施例1。Taraxacum植物収穫、供給原料の調整及び/または前処理、副産物抽出ならびに生成物抽出
【0043】
供給原料の受入れ
Taraxacum植物の処理施設は、Taraxacum植物を栽培し機械的に収穫することになるいくつかの農場から経済的に適した範囲内に配置されることになる。成熟したTaraxacum植物を農場にて収穫し、根から緩い土及び泥を振り落とし、その後、輸送車両に積み込む。収穫されたTaraxacum植物は、茎基部の下部に地下茎が付いた状態で茎基部の上部表面に付いた葉と共に、シュート、花を有している。暑い天候の間は、収穫した植物に水を散布し表面を濡らして、処理施設への輸送中に植物が乾燥するのを防ぐことができる。車両タイプは、コンテナを積載するためのオープントップフラットベッドコンテナに、施設の平坦な荷下ろし領域でコンテナの内容物を下ろすためのフロントエンドローダーと水圧式リフトとを伴ったものであるか、または収穫したバイオマスをコットンベーラーもしくは類似する機械を使用して圧縮することができ、ベールを車両に積み込んで処理施設への輸送コストを削減する。輸送中はこれらの車両コンテナにこぼれ防止及び天候からの保護のための防水シートが被せられ得る。収穫物の量及び施設への輸送手段は処理施設の24時間の能力によって決められる。
【0044】
処理施設供給原料の貯蔵及び前処理
安全が確保された処理施設に入ったトラックは、まず施設の車両重量計で重量が量られることになり、その後、荷下ろし架台領域へ向かうことになる。トラックは、湿ったTaraxacum植物を荷下ろし架台及び貯蔵領域にて荷下ろしするよう指示されることになり、その後、空車両重量のためのトラックスケールへ向かうことになる。正味重量及びバイオマス供給原料在庫目録はプロセス計測学及び生産計画作成のために製造作業で使用する。
【0045】
湿ったTaraxacum植物をコンベアに積み込み、コンベアは湿った植物を、植物の根から緩い泥を除去する加振機へと移送する。加振機の後ろに磁気及び金属検出器を配置して、収穫された植物の中に存在する可能性がある金属を検出及び除去する。これらの金属は、下流の処理設備に対する損傷及び不測の中断時間を防止するためにさらなる処理の前に除去されねばならない。
【0046】
水溶性の炭水化物及び物質の除去
コンベアは、湿ったTaraxacum植物を、新鮮な水及び再生水の両方を使用してシュート、花、葉、茎基部及び根から残存する土及び泥を除去する洗浄領域へ移送する。洗浄水を収集し、沈降システムへ移送して土及び泥を除去し、その後、施設のあらゆるプロセス水用途での再利用のために水精製システムへ移送してこの水を回収し、後に再生利用する。
【0047】
コンベアは、洗浄されたTaraxacum植物を、茎基部のすぐ上の所でシュート、花及び葉を取り除き茎基部及び元々繋がって付いている根を残す切断機へと移送する。シュート、花及び葉は機械から出てきて、タンポポ販売のためにシュート、花及び葉を梱包する梱包領域へ移送される。シュート、花及び葉をバルクで処理施設にタンポポ茶、タンポポワイン、タンポポコーヒーならびに医療及び他の用途のための他のタンポポ製品などの他の製品のための供給原料として出荷する選択肢がある。使用され得るTaraxacumの葉から様々な製品を得る方法の例は米国特許第9,611,363号に開示されており、参照によりこの全体を本明細書に援用する。茎基部及び根は、後の貯蔵のため及び/または、乾燥、切断、寸断、粉砕、圧砕及び/または微粉砕による抽出のために調整及び前処理され得る。茎基部及び根のさらなる調整、例えば、液浸、膨潤及び/または軟化を実施することもできる。
【0048】
第1の高剪断撹拌型CSTE段に、予熱した50~100℃の温度の熱水を満たす。混合CSTE段のためのスラリーポンプは、切断された茎基部及び根の粒径をさらに低減する湿式粉砕機を備えた再循環を有する。洗浄された湿ったTaraxacumの茎基部及び根をコンベアで切断機へと移送して茎基部及び根を小片に切断し、次いでこれを測定及び/または制御された速度で第1の高剪断CSTE段のバイオマス受入頂部入口に直接装填して、水溶性炭水化物をバイオマススラリーから抽出する。重合した糖である天然イヌリンの加水分解を防止しバイオマスの濡れ特性を改善し発泡を軽減するために、化学物質を添加する。溶液のPHを、無水アンモニア、水酸化アンモニア、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、他の任意の無機塩基化学物質、及びそれらの任意の組合せを使用して塩基性寄りの7より高く10より低いPHに制御する。この連続的水相抽出での全体の滞留時間、インキュベート及び/またはサイクル時間は、供給原料及び水の流速すなわち水対バイオマスの比率、システム内の各CSTE段の容積、ならびに50~100℃の運転温度に制御されて十分に撹拌され掻き混ぜられる直列に並流式に繋がり合ったCSTE段の数によって制御される。この連続水性抽出プロセスでの予期される全滞留時間は最短で1時間であり最長で6時間である。この処理ステップの全体的な目的は、水溶性炭水化物全体の最低90重量パーセントの除去及び収率、ならびに天然有機化学物質及び天然ゴムを回収する下流の溶媒抽出プロセスのための粒径が低減されたバイオマスの調製である。このプロセスは、質量を減少させ、炭水化物除去済みバイオマス固形物の繊維を広げて可溶性生成物及び副産物の回収のための極めて効率的な液体溶媒抽出を可能にする。水溶性有機及び無機物質の水性除去は、下流のプロセスにおいて溶媒抽出され回収される天然有機副産物及び天然ゴムの質をさらに改善する。
【0049】
最後の水性抽出混合タンクまたは段から出てくる水性スラリーを、連続稼働する水性固液分離器へとスラリーポンプで連続的に移送し、液体を、精製しシュガーシロップに濃縮するため、または乾燥させて粉末もしくは結晶性固体を形成するために水溶性炭水化物溶液貯蔵タンクへ移送する。水で湿った炭水化物除去済みバイオマス固形物をコンベアで、乾燥在庫品のための乾燥ステップか溶媒抽出プロセスの第2ステップかのどちらかへと移送する。固液分離器は、炭水化物除去済み固形物を水圧でプレスして最大限の量の液体を除去する連続ベルトプレスであり得る。多くのタイプ及び配置の連続遠心分離、ならびに他の濾過、沈降及び浮上分離プロセスを任意の配置または組合せで設備として用いてこのプロセスを完遂することができる。出てきた炭水化物除去済みバイオマス固形物を新鮮な水で洗浄して、収率向上のために水溶性炭水化物を除去すること、ならびに出てきた炭水化物除去済みバイオマス固形物供給原料から下流の抽出システムへと下流の生成物及び副産物の汚染を招く可能性がある他の水溶性物質を除去することができる。
【0050】
水溶性の炭水化物及び物質の除去
水性分離器から出てくる液体を連続的に水溶性炭水化物溶液貯蔵タンクへ移送する。天然ゴムラテックスゴムの本質的に全てまたはいずれかは、切断及び粉砕されたバイオマスに付着しておりこのタンクの液体の中には存在していないであろうと予期される。ラテックスゴムが液体中に存在している場合、それは貯蔵タンクの上部まで浮上することになり、ラテックスゴム溶液の収集、精製及び販売のためにすくい取られることになるか、またはギ酸もしくは別の酸を使用して天然ゴムを凝集及び固化させる凝集タンクへと移送されることになり、後にそれが、水で湿ったバイオマス供給原料と共に、天然有機物及びゴムの回収のための溶媒抽出システム内に連続的に添加されることになる。
【0051】
希薄な水溶性炭水化物溶液を100ミクロン未満のミクロンサイズの精製型フィルターへと移送して、主にTaraxacumの微細粒子植物物質である微細な懸濁固形物の大半を除去する。濾過された希薄な水溶性炭水化物溶液を、制御された流量で、水の大部分を除去し中等度の粘度の混合炭水化物シロップを生成する濃縮システムへと連続的に移送する。濃縮システムは、炭水化物シロップの液体温度及び質を制御するための真空を提供する選択肢を有するまたは有さない多段蒸気加熱式蒸発システムであることが好ましい。それの代わりに、またはそれと組み合わせて、蒸留、薄膜蒸発及び他の任意の分離技術を伴う他のユニット運転を用いることができる。濃縮された炭水化物シロップ溶液を最終精製フィルターへ移送して、濃縮ステップ中に形成された微細な懸濁固形物を100ミクロン未満のミクロンサイズにまで除去し、その後、精製濃縮炭水化物シロップ溶液貯蔵タンクへ移送する。梱包、タンクトラックまたは貨車によるバルク出荷に向けた生成物移送のため、あるいは内部下流処理に向けた、例えば、乾燥に向けた、及びまたは炭水化物を他の化学プロセス、例えばバイオ燃料を生成する合成及びまたは発酵プロセスに対する供給原料として使用する処理に向けた移送のために、貯蔵タンクをジャケット加熱によって晶出を防止し粘度を制御する温度に維持する。
【0052】
濃縮システムからの蒸発水を凝縮させ、収集し、供給原料としての水を必要とするあらゆる製造施設処理ステップのための再生水として再利用する。収穫されたTaraxacum植物の茎基部及び根は75~85重量パーセントの水を含有し、結果として生じる新鮮な水の使用、消費要求量及び施設全体の経費を大幅に低減するであろう。プロセス水再生利用及び回収システムは、廃水処分の量及び経費ならびにそれに対応するこの施設からの環境影響を大幅に低減するであろう。加えて、水が少なくアメリカ合衆国内での典型的なコストよりも高く入手される所にある世界地域に施設が位置している場合、施設を経済的に存続可能にすることができる。
【0053】
有機極性溶媒抽出プロセス
水性プロセス固液分離器からの水で濡れた炭水化物除去済みバイオマス固形物を、一時的貯蔵のための保持タンクまたはサイロへ連続的に移送する。施設が炭水化物除去済みバイオマス固形物を処理する代わりに貯蔵することを望む場合には、標的生成物が熱的に分解されないように最高温度100℃で稼働する任意のタイプのバイオマス乾燥機を設置して炭水化物除去済みバイオマス固形物の水含有量の90重量パーセント以上を除去することができ、乾燥した炭水化物除去済みバイオマス固形物を水圧で圧縮し、後日の処理のために天候から保護された倉庫または貯蔵領域で貯蔵することができる。この選択肢は、施設が収穫されたTaraxacumの全てを連続的水溶性炭水化物生産のために処理すること、ならびに圧縮された高密度な乾燥した炭水化物除去済みバイオマス固形物を後日の処理のために保持及び保存すること、ならびに長期連続活動の中で、及び新しく収穫されたバイオマスを入手できない時に、残りの溶媒生成物及び副産物抽出を運転することを可能にする。この方法は、柔軟性、ならびに投資資本及び製造運転の労働力及び費用を高い費用対効果で利用することを提案する。
【0054】
第1の十分に掻き混ぜられる有機極性溶媒抽出CSTE段には、溶媒損失を最小限に抑えるために塔頂部に還流冷却器を備えて蒸気加熱のためのジャケットが付けられ得る。有機極性溶媒は、高分子量の天然ゴムを溶解させずに可溶性天然有機化合物を溶解させる溶解性、ならびに水で濡れた炭水化物除去済みバイオマス固形物の中の残存水を脱水及び除去するその能力に基づいて選択される。有機極性溶媒は、低コストであり処理施設の地域で容易に入手できることが最も望ましい。アセトンは、Taraxacumの茎基部及び根のバイオマスにみられるこれらの有機化学物質を乾燥重量基準で0.5~5重量パーセントの範囲で溶解させることが見出された。水はアセトンに対して可溶性であり、したがってそれはバイオマスの脱水のための優れた低コスト溶媒である。このプロセスにおいて、水を2wt%として水で濡れたおよそ98wt%のアセトンは、乾燥アセトンに比べて経済的なコスト節約を提供する。他の有機極性溶媒、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、第三級ブチルアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、及び他の任意の有機極性溶媒をこのプロセスのための極性溶媒として使用することができる。極性溶媒の組合せも含まれるが、溶媒回収及び再利用のための資本及び運転費用コストが増すであろうことから、実証済みの要求及び正当化なしでは推奨されない。連続的有機極性溶媒抽出の温度は、還流冷却器を追加した状態で、選択された溶媒の大気圧での沸点で運転され得る。適切な圧力容器規定及び施設の場所での要件に従って設計された圧力容器またはタンクを備えたCSTE段を使用することによって、運転温度を沸点より高く上げることができる。
【0055】
一時的に貯蔵されている水で濡れたバイオマスを、測定及び制御された流速で、第1の十分に掻き混ぜられる有機極性溶媒CSTE段へと連続的に移送する。同時に、有機極性溶媒を、測定及び制御された流速で、第1の十分に掻き混ぜられる極性溶媒CSTE段へと連続的に移送する。有機極性溶媒抽出プロセスの目的は、高度な除去を成し遂げ、炭水化物除去済みバイオマス固形物供給原料の中に含まれている天然有機物及び水の乾燥重量基準で最低90重量パーセントを得ることである。直列になった並流式の十分に撹拌されるCSTE段を利用することによって、当該目的を満たすべく有機極性溶媒液体スラリー相抽出を成し遂げることができる。この連続的液体有機極性溶媒相抽出での全体の滞留時間、インキュベート時間及び/またはサイクルは、供給原料及び有機極性溶媒の流速すなわちバイオマス対溶媒の比率、システム内の各CSTE段の容積、ならびにCSTEシステム内の十分に撹拌され掻き混ぜられるCSTE段の数によって制御される。この連続的有機極性溶媒スラリー相抽出プロセスでの予期される全滞留時間は最短で1時間であり最長で8時間である。十分に撹拌され掻き混ぜられる最後の抽出段の内容物を、引火性溶媒を取り扱う能力を有する固液分離器へと移送する。多くのタイプ及び配置の連続遠心分離、ならびに他の連続加圧濾過プロセス、例えば、Funda、Schenkまたは類似した濾過システムを任意の配置または組合せで設備として用いてこのプロセスを完遂することができる。収率向上のために、極性化合物除去済みバイオマス固形物を清浄な再生有機極性溶媒または新鮮な有機極性溶媒で洗浄して、出てきた極性化合物除去済みバイオマス固形物から残留極性有機化合物を除去することができる。有用な極性有機化合物を含有する分離された液体極性有機物画分は、最終生成物の回収及び精製のためのさらなる処理に供され得る。
【0056】
Crown Iron Works-USA,Desmet Ballestra-Belgiumによって製造された連続向流式液体抽出システム、Sliding Cell Extractorまたは「Lurgi」装置(Air Liquide Engineering and Construction,Paris,France)、及び抽出プロセス変数が制御される他の任意の連続式固液相溶媒抽出機械またはシステムで有機極性溶媒液体抽出を行うこともできる。Crown Iron Worksまたは類似した抽出システムを用いる場合、極性化合物除去済みバイオマス固形物は、遠心分離または他の何らかの固液分離器を必要とすることなくシステムから出てくる。
【0057】
極性有機物画分の処理
極性有機物画分を、連続式スラリー相抽出システムまたはCrown Iron Worksもしくは等価な連続式抽出システムのための固液分離器から極性有機物画分貯蔵タンクへと連続的に移送する。極性有機物画分を100ミクロン未満のミクロンサイズの精製型フィルターへ連続的に移送して、主にTaraxacumの微細粒子植物物質である懸濁固形物の大半を除去する。濾過された希薄な極性有機物画分は、温度に対して感受性であり得る天然のTaraxacum有機化学物質を含有するものであり、後に当該溶液を、熱制御された蒸留及び/または蒸発によって分離して水及び残存する有機極性溶媒を両方とも除去する。これは、連続式極性有機物画分ストリッパーまたは蒸発システムにおいて行われ、続いて連続式薄膜蒸発装置で残留極性溶媒が熱制御条件下で除去され得る。高温の濃縮極性有機物画分完成生成物及び/または副産物を完成生成物濃縮済み極性有機物画分または副産物貯蔵タンクへ移送する。濃縮された極性有機物画分をさらに処理して個々の生成物を回収及び精製する。濃縮され完成した1つまたは複数の極性有機物画分生成物を販売のために梱包領域かバルク積込領域かのどちらかへ移送する。
【0058】
濃縮され完成した極性有機物画分生成物は、Taraxacum植物に特有の組成及び質を有する極性有機化合物を含有し得る。これらの化学物質は、潤滑剤、化粧品原料、昆虫フェロモン、封止剤、接着剤、界面活性剤または乳化剤としての市場価値を有する。
【0059】
ストリッパーで除去された有機極性溶媒及び水を連続的に脱水機へ移送して水を除去し、その結果、有機極性溶媒抽出プロセスでの再利用及び再生利用のために貯蔵される浄化された有機極性溶媒が生成する。脱水機は、吸着媒体としてモレキュラーシーブを使用する水吸着システムであることが好ましい。乾燥極性溶媒が必要とされる場合、水と共に形成された任意の共沸混合物を破壊するための特殊圧力スイング型蒸留を用いて脱水を成し遂げることもできる。
【0060】
有機非極性溶媒抽出プロセス
連続式極性溶媒スラリー相抽出固液分離器からの、または極性溶媒CSTEシステムからの、湿っているか、または所望の場合乾燥している極性化合物除去済みバイオマス固形物を、第1の十分に掻き混ぜられる非極性溶媒CSTE段へ連続的に移送する。第1の十分に掻き混ぜられる非極性溶媒CSTE段は、大気圧で運転する場合、溶媒損失を最小限に抑えるために塔頂部に還流冷却器を備えて蒸気加熱のためのジャケットが付けられ得る。非極性有機溶媒は、天然の高分子量Taraxacumゴムを溶解させながら、天然ゴム生成物の質を汚染する可能性がある他の有機物を溶解させないかまたは最小限にだけ溶解させる溶解性に基づいて選択される。特定のプロセスでは、供給原料である極性化合物除去済みバイオマス固形物の中に残存する極性溶媒は、非極性有機溶媒に対して可溶性であり、有機非極性溶媒中での天然ゴムの抽出には干渉しないであろう。有機非極性溶媒は、低コストであり処理施設の地域で容易に入手できることが最も望ましい。混合ヘキサンは、Taraxacumの茎基部及び根のバイオマスの中の天然ゴムを乾燥重量基準で0.5~25重量パーセントの範囲で溶解させることが見出された。他の有機非極性溶媒、例えば、n-ヘキサン、シクロヘキサン、ペンタン、テトラヒドロフラン、トルエン及び他の任意の非極性有機溶媒をこのプロセスのための非極性有機溶媒として使用することができる。極性溶媒の組合せも含まれるが、溶媒回収及び再利用のための資本及び運転費用コストが増すであろうことから、実証済みの要求及び正当化なしでは推奨されない。連続的溶媒抽出の温度は、還流冷却器を追加した状態で、選択された溶媒の大気圧での沸点で運転され得る。適切な圧力容器規定及び施設の場所での要件に従って設計された圧力容器を使用することによって、運転温度を沸点より高く上げることができる。
【0061】
一時的に貯蔵されている極性化合物除去済みバイオマス固形物は、制御された流速で、第1の十分に掻き混ぜられる非極性有機溶媒CSTE段へと連続的に移送され得る。同時に、非極性有機溶媒を、制御された流速で、第1の十分に掻き混ぜられる非極性溶媒CSTE段へ連続的に移送する。特定の場合では非極性有機溶媒抽出プロセスの目的は、除去を成し遂げ、バイオマス供給原料の中に含まれている天然ゴムの乾燥重量基準で最低90重量パーセントを得ることである。直列になった並流式の十分に撹拌されるCSTE段を利用することによって、当該目的を満たすべく非極性有機溶媒液体スラリー相抽出を成し遂げることができる。この連続的液体溶媒相抽出での全体の滞留、サイクル及び/またはインキュベート時間は、供給原料及び非極性有機溶媒の流速すなわち溶媒対バイオマスの比率、システム内の各CSTE段の容積、ならびにシステム内の十分に撹拌され掻き混ぜられるCSTE段の数によって制御される。この連続的非極性溶媒スラリー相抽出プロセスでの予期される全滞留時間は最短で1時間であり最長で8時間である。十分に撹拌され掻き混ぜられる最後のCSTE段の内容物を、引火性溶媒を取り扱う能力を有する固液分離器へと移送する。多くのタイプ及び配置の連続遠心分離、ならびに他の連続加圧濾過プロセス、例えば、Fundi、Schenkまたは類似した濾過システムを任意の配置または組合せで設備として用いてこのプロセスを完遂することができる。収率向上のために、使用済みバイオマス固形物を新鮮な非極性溶媒で洗浄して、出てきたバイオマス固形物から残留天然ゴムを除去することができる。
【0062】
Crown Iron Works-USA,Desmet Ballestra-Belgiumによって製造された連続向流式固液抽出システム、Sliding Cell Extractorまたは「Lurgi」装置(Air Liquide Engineering and Construction,Paris,France)、及び抽出プロセス変数が制御される他の任意の連続式固液相溶媒抽出機械またはシステムで非極性有機溶媒抽出を行うこともできる。Crown Iron Worksまたは類似した抽出システムを用いる場合、非極性有機溶媒で濡れた使用済みバイオマスは、遠心分離または他の何らかの固液分離器を必要とすることなくシステムから出てくる。ゴム含有非極性溶媒画分液も固液分離器から得られる。
【0063】
ゴム含有非極性溶媒画分の処理
ゴム含有非極性溶媒画分を、連続式スラリー相抽出システムまたはCrown Iron WorksもしくはCSTEシステムのための固液分離器からゴム含有非極性溶媒画分貯蔵タンクへ連続的に移送する。ゴム含有非極性溶媒画分を100ミクロン未満のミクロンサイズの精製型フィルターへ連続的に移送して、主にTaraxacumの微細粒子植物物質である懸濁固形物の大半を除去する。濾過された希薄なゴム含有非極性溶媒画分は、温度に対して感受性であり得る高分子量の天然Taraxacumゴムを含有するものであり、後に当該溶液の体積を、熱及びまたは真空が制御された蒸留または蒸発によって低減して、天然ゴムを溶液中に維持しながら非極性有機溶媒の大部分を除去する。これは、連続式ゴム含有非極性溶媒画分ストリッパーまたは蒸発装置において行われる。高分子量ゴムの熱分解を回避するために温度を摂氏100度未満に制御する。
【0064】
非極性有機溶媒の体積を減らして濃縮ゴム含有非極性溶媒画分を得た後、ライン内ミキサーに合わせて少量のゴム酸化防止剤を溶媒に添加し、測定及び制御された流速で溶液をゴム析出装置タンクに連続的に移送する。酸化防止剤はSantoflex 134PD(Eastman Chemicals,Kingsport,TN,USA)であり得るが、完成品に対する顧客の要求に基づいて他のゴム酸化防止剤及び潜在的な生成物改良添加剤を添加することはできる。ゴム析出装置タンクは混合のために掻き混ぜられるとともに冷却のためのジャケットが付けられており、析出したゴム及び混合した液体有機溶媒混合物の除去を簡単にするために設計されている。等体積の有機極性溶媒を摂氏0~10度の温度に予冷し、酸化防止剤と共に濃縮ゴム含有非極性溶媒画分を有するゴム析出装置タンクに連続的に添加する。これは天然ゴムを、混合した溶媒溶液の密度よりも密度が大きいことによってタンクの底部に沈むゲル状固形物にして析出させることになり、溶液中に残った有機不純物が有機極性溶媒と非極性有機溶媒との混合物(すなわち混合液体有機溶媒)と共に残され、酸化防止された高純度で高分子量の天然ゴム生成物が生み出される。有機極性溶媒と非極性有機溶媒との液体混合物を、溶媒の在庫、回収及び再利用のための混合液体有機溶媒貯蔵タンクに移送する。
【0065】
析出した天然ゴム生成物は、析出タンクから連続的に除去され得、混合液体有機溶媒を除去しゲル状析出ゴムを固形ゴム及び/または乾燥固形ゴムの一様な断片に形成及び/または成形するシステム(複数可)へと移送され得る。混合液体有機溶媒は混合液体有機溶媒貯蔵タンクへ移送され得る。固化したゴムの一様な断片は、顧客販売及び使用に最適な梱包、貯蔵及び出荷のためのおおよその大きさとなっている。固化したゴムの一様な断片は、シート、四角もしくは直方体ブロック、円柱、または任意の形状、またはそれらの組合せの形状であり得る。混合液体有機溶媒で濡れたゴム片を、混合溶媒の残余を除去する温度管理された固形ゴム乾燥機へと連続的に移送して天然Taraxacumゴムの完成乾燥生成物を生産する。乾燥プロセスからの凝縮した溶媒混合物を混合液体有機溶媒貯蔵タンクへ移送する。乾燥ゴム片は、乾燥ゴム片を標準的なパレット上に載せる梱包システムへ連続的に移送され得、天然ゴムの酸化を最小限に抑える及び防止するために、内容物全体を密封し、貯蔵及び在庫へと移動させて、顧客販売のために固形ゴム製品を出荷及び輸送する。固形天然ゴム製品は、タイヤを含むがこれに限定されない様々な商品を製造するために使用され得る。
【0066】
混合液体有機溶媒を除去しゲル状析出ゴムを形成及び/または成形するシステムによって、及び/または乾燥機によって析出装置において除去された有機極性及び非極性有機溶媒液体混合物は、液相で混合液体有機溶媒貯蔵タンク内に収集及び貯蔵され得る。混合液体有機溶媒を蒸留混合溶媒分離システムへ連続的に移送する。分離システムは、極性溶媒抽出プロセスのための供給原料としての再利用及び再生利用のために貯蔵される浄化された極性溶媒、ならびに非極性有機溶媒抽出プロセスのための供給原料としての再利用及び再生利用のために貯蔵される浄化された非極性溶媒を生成する。
【0067】
使用済みバイオマスの処理
連続式非極性溶媒スラリー相抽出分離器からの、またはCrown Iron Worksもしくは等価な連続式溶媒抽出システムからの使用済みバイオマスを、使用済みバイオマス乾燥機へ連続的に移送する。使用済みバイオマス乾燥機は、使用済みバイオマスから非極性有機溶媒を蒸発させ除去して1000PPM未満のレベルを達成する。蒸発した溶媒を凝縮させ、非極性有機溶媒抽出プロセスのための供給原料としての再利用及び再生利用のための貯蔵へと移送する。
【0068】
低圧蒸気の形態のエネルギーがこの施設のプロセスの多くに必要とされる。それゆえ、この連続プロセスの蒸気要求量を供給するために蒸気ボイラーが必要とされる。乾燥した使用済みバイオマスは、1ポンドあたりおよそ7,500BTUのBTU含有量を有し、ボイラーのための供給原料として使用され得る。ボイラーは、施設のエネルギー要求に応えるために天然ガスか、燃料油か、容易に入手できる低コストの他の任意の燃料かのいずれかを使用するために装備されることになる。
【0069】
本開示の幅広さ及び範囲は、上記例のいずれによっても限定されるべきではなく、以下の実施形態、以下の特許請求の範囲、及びそれらの均等物によってのみ画定されねばならない。
【0070】
実施形態
実施形態1。炭水化物含有液及び炭水化物除去済みバイオマス固形物をゴム保有植物から得るための処理システムであって、一連の複数の連続撹拌タンク抽出段において1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液が次の連続撹拌抽出段へと流れるような、互いに流体連通して直列に配列された前記複数の連続撹拌タンク抽出段を含む抽出システムを含み、各抽出システムにおいて前記連続撹拌タンク抽出段の少なくとも1つが、液体溶媒を受け入れるように適合し構成された入口を有し、前記抽出システムの前記少なくとも1つの連続撹拌抽出段が、バイオマス、及び水、水溶液またはそれらの組合せを含む少なくとも約50℃の温度の液体溶媒を受け入れるために適合し構成されており、前記バイオマスがTaraxacum属または別の非Hevea植物のゴム保有植物からのものであり、前記抽出システムが、前記抽出システムによって前記炭水化物含有液及び前記炭水化物除去済みバイオマス固形物が生成するような要領で前記バイオマスを前記液体溶媒と混合するように適合し構成されており;さらに、一連の前記連続撹拌タンク抽出段の最後と流体連通して配列された固液分離器を含み、前記分離器が、前記炭水化物除去済みバイオマス固形物を前記炭水化物含有液から分離するために適合し構成されている、前記処理システム。
【0071】
実施形態2。極性有機物画分及び極性化合物除去済みバイオマス固形物をゴム保有植物から得るための処理システムであって、一連の複数の連続撹拌タンク抽出段において1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液が次の連続撹拌抽出段へと流れるような、互いに流体連通して直列に配列された前記複数の連続撹拌タンク抽出段を含む抽出システムを含み、各抽出システムにおいて前記連続撹拌タンク抽出段の少なくとも1つが、液体有機溶媒を受け入れるように適合し構成された入口を有し、前記抽出システムの前記少なくとも1つの連続撹拌抽出段が、炭水化物除去済みバイオマス固形物及び有機極性溶媒液を受け入れるために適合し構成されており、前記炭水化物除去済みバイオマス固形物がTaraxacum属または別の非Hevea植物のゴム保有植物からのものであり、前記抽出システムが、前記抽出システムによって前記液体極性有機物画分及び前記極性化合物除去済みバイオマス固形物が生成するような要領で前記炭水化物除去済みバイオマス固形物を前記有機極性溶媒と混合するように適合し構成されており;さらに、一連の前記連続撹拌タンク抽出段の最後と流体連通して配列された固液分離器を含み、前記分離器が、前記極性化合物除去済みバイオマス固形物を前記液体極性有機物画分から分離するために適合し構成されている、前記処理システム。
【0072】
実施形態3。ゴム含有非極性溶媒画分及び使用済みバイオマス固形物をゴム保有植物から得るための処理システムであって、一連の複数の連続撹拌タンク抽出段において1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液が次の連続撹拌抽出段へと流れるような、互いに流体連通して直列に配列された前記複数の連続撹拌タンク抽出段を含む抽出システムを含み、各抽出システムにおいて前記連続撹拌タンク抽出段の少なくとも1つが、液体溶媒を受け入れるように適合し構成された入口を有し、前記抽出システムの前記少なくとも1つの連続撹拌抽出段が、極性化合物除去済みバイオマス固形物及び非極性有機溶媒を受け入れるために適合し構成されており、前記極性化合物除去済みバイオマス固形物がTaraxacum属または別の非Hevea植物のゴム保有植物からのものであり、前記抽出システムが、前記抽出システムによって前記ゴム含有非極性溶媒画分液及び前記使用済みバイオマス固形物が生成するような要領で前記極性化合物除去済みバイオマス固形物を前記非極性有機溶媒と混合するように適合し構成されており;さらに、一連の前記連続撹拌タンク抽出段の最後と流体連通して配列された固液分離器を含み、前記分離器が、前記使用済みバイオマス固形物を前記ゴム含有非極性溶媒画分液から分離するために適合し構成されている、前記処理システム。
【0073】
実施形態4。ゴム含有画分をゴム保有植物から得るための処理システムであって、(a)前記植物またはその部分からのバイオマス、及び水、水溶液またはそれらの組合せを含む液体溶媒を受け入れ;第1抽出システムによって炭水化物含有液及び炭水化物除去済みバイオマス固形物が生成するような要領で前記バイオマスと液体溶媒とを少なくとも約50℃の温度で混合し;前記炭水化物除去済みバイオマス固形物を前記炭水化物含有液から分離するように適合し構成された、前記第1抽出システムを含み、前記ゴム保有植物がTaraxacum属のものまたは別の非Hevea植物であり、(b)前記第1抽出システムからの前記炭水化物除去済みバイオマス固形物を受け入れ;第2抽出システムによって液体極性有機物画分及び極性化合物除去済みバイオマス固形物が生成するような要領で前記炭水化物除去済みバイオマス固形物を有機極性溶媒と混合し;前記液体極性有機物画分及び極性化合物除去済みバイオマス固形物を分離するように適合し構成された、前記第2抽出システム、ならびに(c)前記第2抽出システムからの前記極性化合物除去済みバイオマス固形物、及び非極性有機溶媒を受け入れ;第3抽出システムによってゴム含有非極性溶媒画分液及び使用済みバイオマス固形物が生成するような要領で前記極性化合物除去済みバイオマス固形物を前記非極性有機溶媒と混合し;前記ゴム含有非極性溶媒画分液及び使用済みバイオマス固形物を分離するように適合し構成された、前記第3抽出システムを含み、前記第1、第2または第3抽出システムのうちの少なくとも1つが、各抽出システムの一連の複数の連続撹拌タンク抽出段において1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液が次の連続撹拌抽出段へと流れるような、互いに流体連通して直列に配列された前記複数の連続撹拌タンク抽出段を含み、各抽出システムにおいて前記連続撹拌タンク抽出段の少なくとも1つが、前記溶媒を受け入れるように適合し構成された入口、及び前記バイオマスまたは前記固形物を受け入れるように適合し構成された入口を有し、各抽出システムがさらに、前記それぞれの抽出システムの一連の前記連続撹拌タンク抽出段の最後と流体連通して配列された固液分離器を含み、前記固液分離器が、前記炭水化物除去済みバイオマス固形物、極性化合物除去済みバイオマス固形物または使用済みバイオマス固形物を前記炭水化物含有液、前記液体極性有機物画分または前記ゴム含有非極性溶媒画分液から分離するように適合し構成されている、前記処理システム。
【0074】
実施形態5。前記抽出システムの1つまたは2つが、ソックスレー抽出器、浸漬抽出器、向流浸漬抽出器、または濾過抽出器を含む、実施形態4に記載の処理システム。
【0075】
実施形態6。ゴム含有画分をゴム保有植物から得るための処理システムであって、(a)前記植物またはその部分からのバイオマス、及び有機極性溶媒を受け入れ;第2抽出システムによって液体極性有機物画分及び極性化合物除去済みバイオマス固形物が生成するような要領で前記バイオマスを有機極性溶媒と混合し;前記液体極性有機物画分及び極性化合物除去済みバイオマス固形物を分離するように適合し構成された、第1抽出システム、ならびに(c)前記第1抽出システムからの前記極性化合物除去済みバイオマス固形物を受け入れ;第2抽出システムによってゴム含有非極性溶媒画分及び使用済みバイオマス固形物が生成するような要領で前記極性化合物除去済みバイオマス固形物を非極性有機溶媒と混合し;前記ゴム含有非極性溶媒画分及び使用済みバイオマス固形物を分離するように適合し構成された、前記第2抽出システムを含み、前記第1または第2抽出システムのうちの少なくとも1つが、各抽出システムの一連の複数の連続撹拌タンク抽出段において1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液が次の連続撹拌抽出段へと流れるような、互いに流体連通して直列に配列された前記複数の連続撹拌タンク抽出段を含み、各抽出システムにおいて前記連続撹拌タンク抽出段の少なくとも1つが、前記溶媒を受け入れるように適合し構成された入口、及び前記バイオマスまたは前記固形物を受け入れるように適合し構成された入口を有し、各抽出システムがさらに、前記それぞれの抽出システムの一連の前記連続撹拌タンク抽出段の最後と流体連通して配列された固液分離器を含み、前記固液分離器が、前記極性化合物除去済みバイオマス固形物または使用済みバイオマス固形物を前記液体極性有機物画分または前記ゴム含有非極性溶媒画分から分離するように適合し構成されている、前記処理システム。
【0076】
実施形態7。前記抽出システムの1つが、ソックスレー抽出器、浸漬抽出器、向流浸漬抽出器、または濾過抽出器を含む、実施形態6に記載の処理システム。
【0077】
実施形態8。前記固形物質を少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段に導入する前に前記固形物質の粒径を低減する及び/または形状及び状態を改変するように適合し構成された固形物前処理調整機(複数可)をさらに含む、実施形態1~7のいずれか1項に記載の処理システム。
【0078】
実施形態9。前記少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段と結び付いた再循環ループをさらに含む、実施形態1~7のいずれか1項に記載の処理システム。
【0079】
実施形態10。前記再循環ループが熱交換器または伝熱装置を含む、実施形態9に記載の処理システム。
【0080】
実施形態11。前記再循環ループが、粒子低減及び/または形状改変装置を含む、実施形態9に記載の処理システム。
【0081】
実施形態12。前記少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段が、剪断を増大させて前記バイオマス、炭水化物除去済みバイオマス固形物、極性化合物除去済みバイオマス固形物または使用済みバイオマス固形物の前記粒径及び形状を低減及び/または改変するように適合し構成された翼を有する、実施形態1~11のいずれか1項に記載の処理システム。
【0082】
実施形態13。少なくとも1つのCSTE段が、約50℃~約100℃の温度の前記液体溶媒を受け入れ収容するように適合し構成されている、実施形態1、実施形態4または実施形態5のいずれか1項に記載の処理システム。
【0083】
実施形態14。少なくとも1つのCSTE段が、100℃より高い温度及び大気圧より高い圧力の前記液体溶媒を受け入れ収容するように適合し構成されている、実施形態1、実施形態4または実施形態5のいずれか1項に記載の処理システム。
【0084】
実施形態15。炭水化物含有液をゴム保有植物から抽出する方法であって、一連の複数の連続撹拌タンク抽出段において1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液が次の連続撹拌抽出段へと流れるような、互いに流体連通して直列に配列された前記複数の連続撹拌タンク抽出段の少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段に、水、水溶液またはそれらの組合せを含む液体溶媒、及び前記植物またはその部分からのバイオマスを導入することを含み、前記ゴム保有植物がTaraxacum属のものまたは別の非Hevea植物であり;前記少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段の中に、水、水溶液またはそれらの組合せを含む液体溶媒、及びバイオマスを導入すること;前記少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段において、少なくとも約50℃の温度で前記液体溶媒を前記バイオマスと混合して、前記バイオマスと会合している前記炭水化物を前記液体溶媒中に抽出するのを可能にすること;ならびに、前記少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液を固液分離器に導入して、分離された炭水化物含有液及び炭水化物除去済みバイオマス固形物を得ることを含む、前記方法。
【0085】
実施形態16。極性有機物画分をゴム保有植物の炭水化物除去済みバイオマス固形物から抽出する方法であって、一連の複数の連続撹拌タンク抽出段において1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液が次の連続撹拌抽出段へと流れるような、互いに流体連通して直列に配列された前記複数の連続撹拌タンク抽出段の少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段に、有機極性溶媒及び前記炭水化物除去済みバイオマス固形物を導入することを含み、前記ゴム保有植物がTaraxacum属のものまたは別の非Hevea植物であり;前記固形物と会合している前記極性有機物画分を前記有機極性溶媒中に抽出することを可能にする要領で前記少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段において前記有機極性溶媒を前記炭水化物除去済みバイオマス固形物と混合すること;ならびに前記少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液を固液分離器に導入して、分離された極性有機物画分液及び極性化合物除去済みバイオマス固形物を得ることを含む、前記方法。
【0086】
実施形態17。ゴム含有非極性溶媒画分をゴム保有植物の極性化合物除去済みバイオマス固形物から抽出する方法であって、一連の複数の連続撹拌タンク抽出段において1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液が次の連続撹拌抽出段へと流れるような、互いに流体連通して直列に配列された前記複数の連続撹拌タンク抽出段の少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段に、非極性有機溶媒及び極性化合物除去済みバイオマス固形物を導入することを含み、前記ゴム保有植物がTaraxacum属のものまたは別の非Hevea植物であり;前記固形物と会合している前記天然ゴムを前記非極性有機溶媒中に抽出することを可能にする要領で前記少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段において前記非極性有機溶媒を前記極性化合物除去済みバイオマス固形物と混合すること;ならびに前記少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液を固液分離器に導入して、分離されたゴム含有非極性溶媒画分及び使用済みバイオマス固形物を得ることを含む、前記方法。
【0087】
実施形態18。ゴム含有非極性溶媒画分をゴム保有植物から抽出する方法であって、(a)前記植物またはその部分からのバイオマス、及び水、水溶液またはそれらの組合せを含む液体溶媒を第1抽出システムに導入し;前記バイオマスと液体溶媒とを少なくとも約50℃の温度で混合して炭水化物含有液及び炭水化物除去済みバイオマス固形物を生成し;前記炭水化物除去済みバイオマス固形物を前記炭水化物含有液から分離することを含み、前記ゴム保有植物がTaraxacum属のものまたは別の非Hevea植物であり、(b)前記第1抽出システムからの前記炭水化物除去済みバイオマス固形物、有機極性溶媒を第2抽出システムに導入し;前記炭水化物除去済みバイオマス固形物を前記有機極性溶媒と混合して液体極性有機物画分及び極性化合物除去済みバイオマス固形物を生成し、前記液体極性有機物画分及び極性化合物除去済みバイオマス固形物を分離すること、ならびに(c)前記第2抽出システムからの前記極性化合物除去済みバイオマス固形物、及び非極性有機溶媒を第3抽出システムに導入し;前記極性化合物除去済みバイオマス固形物を前記非極性有機溶媒と混合してゴム含有非極性溶媒画分及び使用済みバイオマス固形物を生成し;前記ゴム含有非極性溶媒画分及び使用済みバイオマス固形物を分離することを含み、前記第1、第2または第3抽出システムのうちの少なくとも1つが、各抽出システムの一連の複数の連続撹拌タンク抽出段において1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液が次の連続撹拌抽出段へと流れるような、互いに流体連通して直列に配列された前記複数の連続撹拌タンク抽出段を含み、各抽出システムにおいて前記連続撹拌タンク抽出段の少なくとも1つが、前記溶媒を受け入れるように適合し構成された入口、及び前記バイオマスまたは前記固形物を受け入れるように適合し構成された入口を有し、各抽出システムがさらに、前記それぞれの抽出システムの一連の前記連続撹拌タンク抽出段の最後と流体連通して配列された固液分離器を含み、前記固液分離器が、前記炭水化物除去済みバイオマス固形物、極性化合物除去済みバイオマス固形物または使用済みバイオマス固形物を前記炭水化物含有液、前記液体極性有機物画分または前記ゴム含有非極性溶媒画分から分離するように適合し構成されている、前記方法。
【0088】
実施形態19。前記抽出システムの1つまたは2つが、ソックスレー抽出器、浸漬抽出器、向流浸漬抽出器、または濾過抽出器を含む、実施形態14に記載の方法。
【0089】
実施形態20。ゴム含有非極性溶媒画分をゴム保有植物から抽出する方法であって、(a)前記植物またはその部分からのバイオマス、及び有機極性溶媒を第1抽出システムに導入し;前記バイオマスを前記有機極性溶媒と混合して液体極性有機物画分及び極性化合物除去済みバイオマス固形物を生成し、前記液体極性有機物画分及び極性化合物除去済みバイオマス固形物を分離することを含み、前記ゴム保有植物がTaraxacum属のものまたは別の非Hevea植物であり、(b)前記第1抽出システムからの前記極性化合物除去済みバイオマス固形物、及び非極性有機溶媒を第2抽出システムに導入し;前記極性化合物除去済みバイオマス固形物を前記非極性有機溶媒と混合してゴム含有非極性溶媒画分及び使用済みバイオマス固形物を生成し;前記ゴム含有非極性溶媒画分及び使用済みバイオマス固形物を分離することを含み、前記第1または第2抽出システムのうちの少なくとも1つが、各抽出システムの一連の複数の連続撹拌タンク抽出段において1つの連続撹拌タンク抽出段からの流出液が次の連続撹拌抽出段へと流れるような、互いに流体連通して直列に配列された前記複数の連続撹拌タンク抽出段を含み、各抽出システムにおいて前記連続撹拌タンク抽出段の少なくとも1つが、前記溶媒を受け入れるように適合し構成された入口、及び前記バイオマスまたは前記固形物を受け入れるように適合し構成された入口を有し、各抽出システムがさらに、前記それぞれの抽出システムの一連の前記連続撹拌タンク抽出段の最後と流体連通して配列された固液分離器を含み、前記固液分離器が、前記極性化合物除去済みバイオマス固形物または使用済みバイオマス固形物を前記液体極性有機物画分または前記ゴム含有非極性溶媒画分から分離するように適合し構成されている、前記方法。
【0090】
実施形態21。シュート、花、葉、根、茎基部またはそれらの組合せを含む前記植物の部分がバイオマス供給原料として使用される、実施形態15、実施形態16、実施形態17、実施形態18、実施形態19または実施形態20のいずれか1項に記載の方法。
【0091】
実施形態22。前記植物がTaraxacum属のものであり、前記植物の部分が根、茎基部またはそれらの組合せを含む、実施形態21に記載の方法。
【0092】
実施形態23。Taraxacum属の前記植物が、T.koksaghyzもしくはその栽培品種、1つ以上のTaraxacum属種もしくは栽培品種からの遺伝子移入生殖質を含む品種、種間ハイブリッド生殖質を含む品種、2つ以上の栽培品種からのハイブリッド生殖質を含む品種、任意のゴム保有Taraxacum属種、栽培品種もしくは品種の突然変異誘発もしくは遺伝子編集から生まれる品種、遺伝子導入Taraxacum植物、またはそれらの任意の組合せである、実施形態22に記載の方法。
【0093】
実施形態24。前記品種が、T.koksaghyzとT.officinaleとの種間ハイブリッド生殖質を含む、実施形態23に記載の方法。
【0094】
実施形態25。前記方法において供給原料として使用される前記バイオマスが、前記植物、品種または栽培品種のうちの1つまたは1つより多くから得られるものである、実施形態24に記載の方法。
【0095】
実施形態26。前記水、水溶液またはそれらの組合せのpHが、7より大きいが約10以下である値を有する、実施形態15、実施形態18または実施形態19に記載の方法。
【0096】
実施形態27。前記液体溶媒の温度が約50℃~約100℃である、実施形態15、実施形態18または実施形態19のいずれか1項に記載の方法。
【0097】
実施形態28。前記液体溶媒は温度が100℃より高く圧力が大気圧より高い、実施形態15、実施形態18または実施形態19のいずれか1項に記載の方法。
【0098】
実施形態29。前記炭水化物が化学または発酵プロセスにおいて供給原料として使用される、実施形態15、実施形態18または実施形態19のいずれか1項に記載の方法。
【0099】
実施形態30。前記炭水化物除去済みバイオマス固形物またはその一部を乾燥させることをさらに含む、実施形態15、実施形態18または実施形態19のいずれか1項に記載の方法。
【0100】
実施形態31。前記有機極性溶媒が、1~8個の炭素原子を有するアルコール、3~8個の炭素原子を有するケトン、3~8個の炭素原子を有するヒドロキシケトン、ケトール、3~8個の炭素原子を有するエステル、またはそれらの組合せを含む、実施形態16、実施形態18、実施形態19、実施形態20または実施形態21に記載の方法。
【0101】
実施形態32。前記有機極性溶媒が、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、第三級ブチルアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、その含水形態を含む、実施形態31に記載の方法。
【0102】
実施形態33。前記少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段に随伴する流出液を再循環させること、ならびに前記流出液を再循環させている間、前記流出液中の前記固形物質の粒径を低減する、及び/または粒子形状を改変する、及び/または繊維を露出させるべく剪断を掛けることをさらに含む、実施形態15~31または実施形態32のいずれか1項に記載の方法。
【0103】
実施形態34。前記少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段に随伴する流出液を再循環させること、ならびに前記流出液の圧力及び温度を改変して前記溶媒における前記生成物(複数可)の溶解性を向上させることをさらに含む、実施形態33に記載の方法。
【0104】
実施形態35。前記バイオマス、炭水化物除去済みバイオマス固形物、または極性化合物除去済みバイオマス固形物を前記液体溶媒または溶媒と混合する前記ステップが、前記少なくとも1つの連続撹拌タンク抽出段において前記バイオマス、炭水化物除去済みバイオマス固形物、または極性化合物除去済みバイオマス固形物の前記粒径及び形状を低減及びまたは剪断することを含む、実施形態15~33または実施形態34のいずれか1項に記載の方法。
【0105】
実施形態36。前記炭水化物除去済みバイオマス固形物が約1~約8時間にわたって前記有機極性溶媒で抽出される、実施形態16、実施形態18、実施形態19または実施形態22~35のいずれか1項に記載の方法。
【0106】
実施形態37。前記固液分離の後に前記極性有機物画分を濾過して微細な固形粒子を分離するステップをさらに含む、実施形態16、実施形態18、実施形態19または実施形態22~36に記載の方法。
【0107】
実施形態38。潤滑剤、化粧品原料、昆虫フェロモン、封止剤、接着剤、界面活性剤または乳化剤が濃縮されている極性有機副画分を、前記極性有機物画分から得るステップをさらに含む、実施形態16、実施形態18、実施形態19または実施形態22~37に記載の方法。
【0108】
実施形態39。前記極性有機副画分において、18-オキソ-ノナデカン酸、パルミチン酸エチルエステル、オレアノール酸、コレカルシフェロール、17-ヒドロキシ-9Z-オクタデセン酸、スフィンゴシン、12-オキソ-9-オクタデシン酸、シス-5-テトラデセノイルカルニチン、アゼライン酸、モノオレイン、ベータ-ヒドロキシパルミチン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、シス-9-ヘキサデセン酸、またはそれらの異性体のうちの少なくとも1つが濃縮されている、実施形態38に記載の方法。
【0109】
実施形態40。前記非極性有機溶媒が、1~16個の炭素原子を有する炭化水素を含む、実施形態17~38のいずれか1項に記載の方法。
【0110】
実施形態41。前記炭化水素が、4~9個の炭素原子を有するアルカン、5~10個の炭素原子を有するシクロアルカン、5~10個の炭素原子を有するアルキル置換シクロアルカン、6~12個の炭素原子を有する芳香族化合物、及び7~12個の炭素原子を有するアルキル置換芳香族化合物からなる群から選択される、実施形態40に記載の方法。
【0111】
実施形態42。前記非極性有機溶媒が、n-ヘキサン、混合ヘキサン、シクロヘキサン、n-ペンタン、混合ペンタン、2-メチルペンタン、3-メチルペンタン、2,3-ジメチルブタン、2-2-ジメチルブタン、メチルシクロペンタン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、またはそれらの混合物を含む、実施形態40に記載の方法。
【0112】
実施形態43。前記極性化合物除去済みバイオマス固形物が約1時間~約8時間にわたって前記非極性有機溶媒で抽出される、実施形態17~42のいずれか1項に記載の方法。
【0113】
実施形態44。大気圧で、及び前記非極性有機溶媒の大気圧での沸点またはそれ未満の温度で、前記極性化合物除去済みバイオマス固形物が前記非極性有機溶媒で抽出される、実施形態17~43のいずれか1項に記載の方法。
【0114】
実施形態45。前記非極性有機溶媒の大気圧での沸点より高い温度で、及び大気圧より高い圧力で、前記極性化合物除去済みバイオマス固形物が前記有機非極性溶媒で抽出される、実施形態17~43のいずれか1項に記載の方法。
【0115】
実施形態46。前記使用済みバイオマス固形物からの前記ゴム含有非極性溶媒画分の前記分離が、遠心分離、濾過、沈降、溶存ガス浮上分離またはそれらの組合せによって成し遂げられる、実施形態17~45のいずれか1項に記載の方法。
【0116】
実施形態47。乾燥重量で、バイオマスまたは極性化合物除去済みバイオマス固形物供給原料の中に含まれている前記天然ゴムの少なくとも80%、90%、95%、98%または99%が、前記ゴム含有非極性溶媒画分中に抽出される、実施形態17~45のいずれか1項に記載の方法。
【0117】
実施形態48。以下のステップ:(a)前記ゴム含有非極性溶媒画分を濾過するステップ、(b)前記ゴムを溶液中に維持しながら前記非極性有機溶媒の少なくとも半分の蒸留または蒸発を行って濃縮ゴム溶液を得るステップ、(c)酸化防止剤を濃縮ゴム溶液に添加するステップ、(d)冷却した有機極性溶媒を(b)または(c)の前記濃縮ゴム溶液に添加して前記天然ゴムを析出させるステップ、(e)前記有機極性溶媒と非極性有機溶媒と析出ゴムとの前記混合物をさらに冷却してゲル状ゴム析出物及び混合液体有機溶媒を形成するステップ。(f)前記ゲル状ゴム析出物を前記混合液体有機溶媒から分離及び除去するステップ、(g)前記ゲル状ゴム析出物を形成及び/または成形する、及び/または前記混合液体有機溶媒の一部をさらに除去するステップ、(h)前記形成及び/または成形されたゲル状ゴム析出物を乾燥させて乾燥固形ゴム生成物を得るステップ、(i)ステップ(a)~(h)の任意の組合せのうちの少なくとも1つをさらに含む、実施形態17~46または実施形態47に記載の方法。
【0118】
実施形態49。前記植物がTaraxacum属のものであり、前記バイオマスが、葉、茎、花、根、茎基部またはそれらの組合せを含む前記Taraxacum植物の部分から得られるものであり、前記ゴム含有非極性溶媒画分、ゲル状ゴム析出物、または乾燥固形ゴムが、(i)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)と蒸発光散乱検出との併用(GPC-ELSD)、GPCと多角度光散乱との併用(GPC-MALS)、及びGPCと屈折率との併用(GPC-RI)からなる群から選択される分析方法によって多分散度及び重量平均分子量を決定した場合に前記多分散度(P)が1.1~4であり前記重量平均分子量が1モルあたり約1.0×106~5.0×106グラムである単峰性の分子量分布、(ii)0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満もしくは0.1重量%未満の灰分、及び/または(iii)0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満もしくは0.1重量%未満の窒素含有量のうちの少なくとも1つを有するポリイソプレンを含む、実施形態48に記載の方法。
【0119】
実施形態50。前記植物がTaraxacum属のものであり、前記バイオマスが、葉、茎、花、根、茎基部またはそれらの組合せを含む前記Taraxacum植物の部分から得られるものであり、前記ゴム含有非極性溶媒画分、ゲル状ゴム析出物、または乾燥固形ゴムが、0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満または0.1重量%未満の灰分及び0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満または0.1重量%未満の窒素含有量を有する、実施形態48に記載の方法。
【0120】
実施形態51。前記植物がTaraxacum属のものであり、前記バイオマスが、根、茎基部またはそれらの組合せを含む前記Taraxacum植物の部分から得られるものであり、前記ゴム含有画分、ゲル状ゴム析出物、または乾燥固形ゴムの中のポリイソプレンが、多分散性(P)を1~4とし重量平均分子量を1モルあたり約1.0×106~5.0×106グラムとする本質的に単峰性の分子量分布を有し、前記多分散性及び前記重量平均分子量が、(GPC)と蒸発光散乱検出との併用(GPC-ELSD)、GPCと多角度光散乱との併用(GPC-MALS)、及びGPCと屈折率との併用(GPC-RI)からなる群から選択される分析方法によって決定される、実施形態48に記載の方法。
【0121】
実施形態52。前記ゴム含有非極性溶媒画分、ゲル状ゴム析出物、または乾燥固形ゴムが0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満もしくは0.1重量%未満の灰分を有する、実施形態48に記載の方法。
【0122】
実施形態53。前記植物がTaraxacum属のものであり、前記バイオマスが、葉、茎、花、根、茎基部またはそれらの組合せを含む前記Taraxacum植物の部分から得られるものであり、前記ゴム含有非極性溶媒画分、ゲル状ゴム析出物、または乾燥固形ゴムが、0.5重量%未満の窒素含有量を有する、実施形態48に記載の方法。
【0123】
実施形態54。前記方法が連続式である、実施形態15~53または実施形態54のいずれか1項に記載の方法。
【0124】
実施形態55。前記方法が半連続または回分モードである、実施形態15~53または実施形態54のいずれか1項に記載の方法。
【0125】
実施形態56。前記使用済みバイオマスが乾燥して液体含有量が0.1重量パーセント以下となっている、実施形態17~54または実施形態55のいずれか1項に記載の方法。
【0126】
実施形態57。前記乾燥した使用済みバイオマスが、ボイラーのための供給原料、バイオ燃料生産のための供給原料、動物用飼料補給物、セルロース断熱材、パーティクルボード用の添加剤もしくは充填剤、土壌改良剤、建築資材、またはそれらの任意の組合せとして使用される、実施形態56に記載の方法。
【0127】
実施形態58。少なくとも1つの抽出システムにおいて前記CSTE段の少なくとも第1及びそれ以降の任意のCSTE段が、(i)前記液体溶媒を受け入れるように適合し構成された入口、(ii)前記バイオマス、前記炭水化物除去済みバイオマス固形物、もしくは前記極性化合物除去済みバイオマス固形物を受け入れるように適合し構成された入口、または(iii)(i)の入口及び(ii)の入口の組合せを有する、実施形態1~14のいずれか1項に記載の処理システム。
【0128】
実施形態59。少なくとも1つの抽出システムにおいて前記CSTE段の各CSTE段が、(i)前記液体溶媒を受け入れるように適合し構成された入口、(ii)前記バイオマス、前記炭水化物除去済みバイオマス固形物、もしくは前記極性化合物除去済みバイオマス固形物を受け入れるように適合し構成された入口、または(iii)(i)の入口及び(ii)の入口の組合せを有する、実施形態58に記載の処理システム。
【0129】
実施形態60。少なくとも1つの抽出システムにおいて前記CSTE段の少なくとも第1及びそれ以降の任意のCSTE段が、(i)前記液体溶媒を受け入れるように適合し構成された入口、(ii)前記バイオマス、前記炭水化物除去済みバイオマス固形物、もしくは前記極性化合物除去済みバイオマス固形物を受け入れるように適合し構成された入口、または(iii)(i)の入口及び(ii)の入口の組合せを有する、実施形態15~56または実施形態57のいずれか1項に記載の方法。
【0130】
実施形態61。少なくとも1つの抽出システムにおいて前記CSTE段の各CSTE段が、(i)前記液体溶媒を受け入れるように適合し構成された入口、(ii)前記バイオマス、前記炭水化物除去済みバイオマス固形物、もしくは前記極性化合物除去済みバイオマス固形物を受け入れるように適合し構成された入口、または(iii)(i)の入口及び(ii)の入口の組合せを有する、実施形態60に記載の方法。