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特許7197595セラミックマトリクス複合材料からなる中空部品の製造方法
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  • 特許-セラミックマトリクス複合材料からなる中空部品の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】セラミックマトリクス複合材料からなる中空部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/80 20060101AFI20221220BHJP
   C04B 41/87 20060101ALI20221220BHJP
   C04B 41/88 20060101ALI20221220BHJP
   B28B 1/40 20060101ALI20221220BHJP
   B28B 7/34 20060101ALI20221220BHJP
   F01D 5/18 20060101ALI20221220BHJP
   F01D 5/28 20060101ALI20221220BHJP
   F01D 9/02 20060101ALI20221220BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20221220BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
C04B35/80
C04B41/87 G
C04B41/88 U
C04B41/87 M
B28B1/40
B28B7/34 F
F01D5/18
F01D5/28
F01D9/02 102
F01D25/00 X
F02C7/00 D
F01D25/00 L
F02C7/00 C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020539147
(86)(22)【出願日】2018-09-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-10
(86)【国際出願番号】 FR2018052347
(87)【国際公開番号】W WO2019068987
(87)【国際公開日】2019-04-11
【審査請求日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】1759189
(32)【優先日】2017-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516299213
【氏名又は名称】サフラン・セラミックス
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジマ,マチュー・アルノー
(72)【発明者】
【氏名】デュポン,レミ
(72)【発明者】
【氏名】カルラン,マキシム・フランソワ・ロジェ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ,エリク
(72)【発明者】
【氏名】ラコンブ,バンジャマン
【審査官】神▲崎▼ 賢一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-013951(JP,A)
【文献】特開2006-062943(JP,A)
【文献】特開2010-216291(JP,A)
【文献】特開2014-001723(JP,A)
【文献】特表平06-503767(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 35/80
C04B 41/87
C04B 41/88
B28B 1/40
B28B 7/34
F01D 5/18
F01D 5/28
F01D 9/02
F01D 25/00
F02C 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックマトリクス複合材料製中空部品の製造方法であって、
- 中空繊維プリフォーム(1)を成形し、酸化性材料製コア(2)をプリフォームに収容または挿入するステップ(E1)と、
- 前記プリフォームを固化するステップ(E3、E4)と、
- 前記コアの酸化によりこのコアを引き抜くステップ(E5)と、
を備え、
前記コアの酸化によりこのコアを引き抜くステップ(E5)が、
- コア(2)が挿入されたプリフォーム(1)を、20時間~30時間継続する第一の加熱サイクルで、酸化雰囲気下の炉内で加熱し、
- 酸化されたコアの一部を機械的に、例えば削り取りによって除去し、
- プリフォーム(1)を、10時間~15時間継続する第二の加熱サイクルで、酸化性雰囲気下の炉内で加熱し、
- 酸化されたコアの残りの部分を機械的に、例えば削り取りによって除去する、
サブステップを備える、方法。
【請求項2】
加熱酢酸カリウムの触媒の存在下で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
加熱が400℃~800℃の範囲の温度で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
被酸化性コア(2)が、炭素、グラファイト、または他の炭素由来材料製である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
中空繊維プリフォーム(1)は、コアの周りに繊維状テクスチャを纏わせる、もしくは組み立てることによって、またはコアを挿入するための中空領域を有するプリフォームを編むことにより製造される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記プリフォーム固化ステップ(E3、E4)が、
- 少なくとも一つの中間相、例えば窒化ホウ素の中間相を化学的気相浸透法によって繊維プリフォーム(1)上に生成する、
- 少なくとも一つのセラミックマトリクス層、例えば炭化ケイ素層を化学的気相浸透法によって中間相上に生成する、
サブステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
酸化によりコアを引き抜くステップ(E5)の後に、少なくとも部分的に、
プリフォームに金属粉末、例えばシリコン粉末を導入すること(E6)、
溶融金属、例えば溶融シリコンをプリフォームに含浸させること(E7)、
からなるプリフォーム緻密化ステップ(E6、E7)が続く、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
酸化によりコアを引き抜くステップ(E5)の後に、
部品を機械加工すること(E8)、
部品表面を熱または環境障壁を形成する被覆で覆うこと、
からなる酸化工程が続く、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の属する技術分野
本発明は、セラミックマトリクス複合材料またはCMC製の中空部品の製造方法に関する。
【0002】
本発明の適用分野は、ターボ機械の高温部品、例えばタービン部品、機体後部の部品又はターボ機械の二次ノズルに使用される構造部品の製造である。より正確には、本発明はタービンノズルまたは中空ブレードの製造に使用することができる。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
タービン段は、ステータに属する静翼列又はノズル翼列と、それに続くロータに属する動翼とからなる。ノズルの第1段は、通常、加圧および抽気および可能な冷却のためにハブへ空気を供給するように、タービンの外側から内側へ半径方向に空気を輸送するために中空になっている。この空気の一部は、ノズルの冷却に使用できる。
【0004】
また、動翼を中空にして冷却空気を流すことができるようにすることもできる。中空部品の使用はまた、ターボ機械の重量を低減することにもなる。
【0005】
中空CMC部品の製造方法は、米国特許出願公開第2014/0048978号明細書より公知である。この方法は、以下のステップを含む。
【0006】
- 多孔質プリフォームの中空領域にシリコンコアを配置する。
- コアを溶解するためにコアとプリフォームを加熱し、前記コアのシリコンは多孔プリフォームに浸透して該プリフォームを固める。
【0007】
この方法には、2つの主な欠点を有する。
【0008】
第1の欠点は、コアおよび金型(又はフォーマ)が異なる材料で作られるという事実に関連する。実際に、シリコン製のコアは炭素または金属製の金型とは異なる熱膨張率を有し、のことは完成した部品のばらつきを生じさせ得る。したがって、正しい繊維含有量および正しい部品寸法を確保するために、補正が必要である。
【0009】
第2の欠点は、多孔プリフォーム全体にシリコンコアが浸透するようにシリコンコアの体積が正しく寸法設定されなければならないことである。通常、コア中に過剰のシリコンがある場合、キャビティからこの過剰のシリコンを除去するために、排出手段が提供される。同様に、コア中のシリコンの量が多孔質プリフォーム全体に浸透するのに十分でない場合には、追加のシリコンをキャビティに入れるためにるつぼを用意しなければならない。これは、実際にはプリフォーム浸透段階をより複雑にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】米国特許出願公開第2014/0048978号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
発明の概要
本発明はこのような欠点を簡単で、信頼性の高い、かつ安価な方法で改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的のために、本発明は、セラミックマトリクス複合材料製中空部品を製造する方法を提供するものであり、この方法は、
- 中空繊維プリフォームを成形し、酸化可能な材料で作られたコアをプリフォームに収容または挿入するステップ、
- 前記プリフォームとコアを固化するステップ
- コアを酸化することによってコアを引き抜くステップ、
を備える。
【0013】
このようにして、コアは、プリフォームを損傷する危険無しに容易に除去することができる。実際、後者はコア除去に先立って固化されており、前記プリフォームは、コア除去後もその寸法および形状を保持する。
【0014】
酸化は、コアを酸化物に変換する酸化剤または酸化剤とコアの化学反応を意味する。さらに、酸化によるコア除去は、CMC部品の現在の製造の範囲内で、製造方法の大幅な改変を必要とすること無く、容易に実施することができる。
【0015】
除去を容易にするために、コアを貫通させるか、または切断することができる。
【0016】
酸化によるコア引き抜きステップは、以下のサブステップを含むことができる。
- コアが挿入されたプリフォームを、酸化雰囲気下の炉内で加熱するステップ。
- 酸化されたコアを、例えば削り取りにより機械的に除去するステップ。
【0017】
この加熱は、酢酸カリウムなどの触媒の存在下で行うことができる。
【0018】
触媒の存在は、加熱工程の持続時間を提言させ、コア除去を容易にする。
【0019】
前記加熱は、400℃~800℃の範囲の温度で行うことができる。
【0020】
そのような加熱は、
- 20時間~30時間継続する第1の加熱サイクル、
- 10時間~15時間継続する第2の加熱サイクル、
を含んでも良い。
【0021】
一般に、第1および第2の加熱サイクルは、コアの体積ならびに,空気と直接接触している面積に依存して変化させても良い。
【0022】
削り取り作業のような機械的コア除去操作は、各加熱サイクルの後に行うことができる。
【0023】
被酸化性コアは、炭素、グラファイト、または炭素由来の他の材料から作製することができる。
【0024】
このような材料は、段階に対して特に耐性を有する。
【0025】
中空繊維プリフォームは、繊維生地をコア周りに纏わせる、または組み立てることにより、あるいはコア挿入のために中空領域を有するプリフォームを織ることにより製造することができる。
【0026】
前記プリフォームの固化は、以下のサブステップを含んでもよい。
- 繊維プリフォームの繊維上に、例えば窒化ホウ素の、化学的気相含浸法による少なくとも一つの中間相を形成する。
- 中間相上に、例えば炭化ケイ素の、化学的気相含浸法による少なくとも一つのセラミックマトリクス層を形成する。
【0027】
また、中空繊維プリフォームを織るのに使用する糸を固化すること、または繊維生地、例えば一次元織物をコア周りに組み立てる、または纏わせて中空繊維プリフォームを製造することも可能である。
【0028】
前記糸を固化するステップは、以下からなるサブステップを含むことができる。
- 糸上に、例えば窒化ホウ素の、化学的気相含浸法による少なくとも一つの中間相を形成する。
- 中間相上に、例えば炭化ケイ素の、化学的気相含浸法による少なくとも一つのセラミックマトリクス層を形成する。
【0029】
中空プリフォームは、次いで該プリフォーム内に収容または挿入した酸化性材料製コアと共に成形することができる。中空繊維プリフォームは、その後固化された糸と共に織ることができる、または酸化性コア周りのこれら固化した糸から製造した一次元織物を組み立てることによるものとすることができる。
【0030】
酸化によるコア引き抜きステップの後に、少なくとも部分的に以下からなるプリフォームの緻密化ステップを行うことができる。
- -金属粉末、例えばシリコン粉末をプリフォーム内に導入する。
- 溶融金属、例えば溶融シリコンをプリフォームへ浸透させる。
【0031】
酸化によるコア引き抜きステップに続いて、以下のステップを行うことができる。
- 部品を機械加工する。
- 熱バリアまたは環境バリアを形成するコーティングで部品の外表面を覆う。
【0032】
本発明は、添付の図面を参照して、非限定的な例として与えられる以下の説明を読むことによりより良く理解され、本発明の他の詳細、特徴、および利点が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明による方法の様々な連続ステップを示す図である。
図2】コアが挿入されるプリフォームの概略図である。
図3】酸化によってコアを除去した後のプリフォームの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
詳細な説明
図1は、本発明の一実施形態による、セラミックマトリクス複合材料(CMC)材料で作られた中空部品製造方法の種々のステップを概略的に示す。
【0035】
この方法は、中空繊維プリフォームを形成し、酸化性物質製コアを該プリフォーム内へ収容または挿入する第一の工程E1を備える。
【0036】
例えば、コアは、炭素、グラファイト、または炭素由来の他の材料から作製される。
【0037】
本発明による部品の繊維強化材を形成するための繊維プリフォームは、複数の縦糸層と複数の横糸層との間の多層織りによって得ることができる。形成された多層織りは、特に、「インターロック」タイプの織織物、すなわち、横糸の各層が縦糸の複数の層と結合し、同じ縦糸列の全ての糸が織物の平面内で同じ動きを有するものであり得る。
【0038】
もちろん、他のタイプの多層織りを使用してもよい。
【0039】
繊維状プリフォームが製織によって製造される場合、この製織は、プリフォームの長手方向に延在する縦糸を用いて実施することができ、この方向に横糸で織ることも可能であることに留意されたい。
【0040】
一実施形態において、炭化ケイ素糸は、日本の会社である日本カーボン株式会社によって「ニカロン」、「ハイニカロン」または「ハイニカロンS」(いずれも商標)として、または宇部興産株式会社によって「チラノSA3」(商標)として供給されるもので、0.5K(500フィラメント)の寸法(フィラメント数)を有するものが使用できる。
【0041】
高温で、特に腐食環境(湿潤環境など)での使用を意図したターボ機械ブレードの場合、セラミック繊維、特に炭化ケイ素(SiC)繊維を製織に使用する事ができる。より寿命の短い部品には、炭素繊維を使用することもできる。
【0042】
特に、多層織物の異なる様式は、国際公開第2006/136755号に記載されている。
【0043】
このような方法は、コアが挿入された中空領域を含むコヒーレントなプリフォームの製造を可能にする。
【0044】
本発明に係る部品の繊維補強部は、二つの繊維組織の結合により得られる繊維プリフォームから依然として形成することができる。この場合、二つの繊維組織は、例えば縫製、またはニードリング、または単に並べて置くことにより共に結合することができる。特に、両方の繊維織物は、単一の層または、
- 一次元(UD)織物、
- 二次元(2D)織物、
- 編組、
- フェルト、
- 複数の単方向の層を異なる方向に重ね合わせ、単方向の層を例えば縫製、化学的接着剤またはニードリングにより互いに結合することによって得られる、多方向の糸またはケーブルまたは層の単方向の層、
の複数の層の積層から得られる。
【0045】
いくつかの層のスタックの場合、これらの層は例えば、縫合、糸または剛性要素のレイアウトによって、またはニードリングによって、一緒に接合されるか、または単に並べて配置される。
【0046】
前述したように、こうした方法は、コアが挿入される中空領域を備えるコヒーレントなプリフォームの製造を可能にする。
【0047】
最後に、本発明による部品の繊維強化部は、コアの周りに一方向の折り目、布帛またはストリップを纏わせることによって依然として形成することができる。この場合、プリフォームの中空領域は、コアの周りにプリフォームを構築することによって直接形成される。
【0048】
プリフォームと、プリフォームの中空領域に挿入されたコアとを含む組立体は、次に、プリフォームを製造すべき部品の形状に近い形状を維持するように、成形工具内に配置される(ステップE2)。
【0049】
コヒーレントな繊維構造からの繊維状プリフォームを成形する例は、例えば、米国特許出願第2011/0293828号に見出すことができる。
【0050】
次いで、化学気相浸透法(CVI)-ステップE3によって窒化ホウ素(BN)中間相被覆が形成され、該プリフォームは成形工具によって所望の形状に保持され、前記工具は炉内に配置される。工具はグラファイト製とすることができ、ガス相の通過を可能にする穴を含むことができる。この気相は、三塩化ホウ素BCI、アンモニアNHおよび水素ガスHを含み得る。
【0051】
ステップE3の終期において、セラミックマトリクス相は、プリフォームの固化(工程E4)、すなわちプリフォームの繊維を共に十分に結合し、それによってプリフォームが成形工具の補助無しにその形状を保持できるように、CVIによってBN中間相上に形成される。このマトリクス層は、例えば炭化ケイ素SiCからなる。
【0052】
ステップE3およびE4において、プリフォームおよびコアは、700℃~1100℃の温度にさらされる。
【0053】
次に、コア2(図2の破線で見ることができる)およびプリフォーム1は、その後成型金型から除去され、酸化雰囲気下、すなわち、酢酸カリウムなどの触媒の存在下で、酸化によるコアの抜き出しを実行するように、炉内に配置される。酸化とは、物体が酸素と反応して酸化物になることである。
【0054】
この酸化工程E5において、コアは、それを酸化物に変換する化学反応によって除去される。この目的のために、コアおよびプリフォームは、炉内の温度が400℃~800℃、例えば600℃付近で20時間~30時間、例えば約25時間に維持される第一の加熱サイクルを受ける。次いで、コアの一部は、機械的作用、例えば削り取りによって除去される。最初の加熱および削り取りサイクルの終了時に、コア質量の30~50%を除去することができる。
【0055】
次いで、コアおよびプリフォームは炉内の温度が400℃~800℃に、例えば600℃付近で10時間~15時間、例えば約12時間に維持される第二の加熱サイクルを受ける。次いで、コアの残りの部分は、機械的作用、例えば削り取りによって除去される。第一の加熱および削り取りサイクルの終わりに、実質的にすべてのコアが除去され、中空領域3を有するプリフォーム1が得られ、前記中空領域3は図3に破線で示されている。
【0056】
その後、水性懸濁液中に一つ以上の炭素またはセラミック粉末、例えばSiC、Si3N4、ホウ素およびこれらの混合物を含むスリップをプリフォームに含侵させる、またはSC(スラリーキャスティング-工程E6)により、前記プリフォーム内でセラミックマトリクスが形成される。この緻密化工程は、室温で金型内で行われる。次いでプリフォームは金型から取り外されて乾燥され、その後セラミックマトリクスの形成が、溶融シリコンまたは主にシリコンを含む溶融合金の含浸、またはMI(融解含浸-ステージE7)によって炉内で継続される。溶融シリコン合金内に含まれる成分は、ホウ素、アルミニウム、,モリブデン、チタンまたはこれらの混合物から選択されても良い。この緻密化工程は、例えば1400℃~1450℃で行われる。
【0057】
MI緻密化法は、米国特許第4,889,686号、米国特許第4,994,904号および米国特許第5,015,540号に記載されている。
【0058】
次いで、ステップE7の後に得られた部品は炉から取り出され、機能面が、例えばミリングによって可能な限り機械加工される(ステップE8)。
【0059】
熱防護および/または、酸化および/または湿潤環境における腐食に対する防護の機能を有する環境および/または熱障壁を形成する被覆は、部品表面に施される(ステップE9)。特に、国際公開第2010/063946号明細書、国際公開第2010/072978号明細書、米国特許出願公開第2009/0169873号明細書および米国特許出願公開第2010/003504号明細書を参照することができる。
図1
図2
図3