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特許7197606情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/65 20200101AFI20221220BHJP
   A24F 40/53 20200101ALI20221220BHJP
【FI】
A24F40/65
A24F40/53
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020562265
(86)(22)【出願日】2018-12-28
(86)【国際出願番号】 JP2018048450
(87)【国際公開番号】W WO2020136866
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100198845
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 善喬
(72)【発明者】
【氏名】橋本 賢太郎
【審査官】西尾 元宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0332379(US,A1)
【文献】特開2004-013750(JP,A)
【文献】特開2002-079688(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0304402(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
G06Q 30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用に伴って消耗される交換可能な部材を取付可能なエアロゾル発生装置の使用履歴情報を取得する使用情報取得部と、
取得した前記使用履歴情報に基づいて、複数個ずつ購入される前記部材の購入タイミングを推定する購入推定部と、
前記使用履歴情報に基づいて前記部材の使用量を特定する使用量特定部と、
前記使用履歴情報に基づいて前記部材が交換されたか否かを判定する交換判定部と、
前記部材が交換されたと判定されたタイミングにおける前記使用量に基づいて、以降の前記部材の交換タイミングを推定する交換推定部と、
前記購入タイミングに係る情報と前記交換タイミングに係る情報を出力する出力部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記部材の購入履歴を取得する購入履歴取得部をさらに備え、
前記購入推定部は、前記使用履歴情報および前記購入履歴に基づいて、前記部材の購入タイミングを推定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記購入推定部は、前記使用履歴情報および前記交換タイミングの履歴に基づいて前記部材の購入タイミングを推定する、
請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記使用履歴情報に基づいて吸引機会ごとの使用量を推定する機会使用量特定部を備え、
前記購入推定部は、特定した前記使用量と前記吸引機会ごとの使用量とに基づいて、前記購入タイミングを推定する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記交換タイミングに基づいて前記エアロゾル発生装置の使用頻度を推定する頻度推定部を備え、
前記出力部は、前記使用頻度に係る情報を出力する
請求項3又は4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記使用情報取得部は、前記エアロゾル発生装置に関連付けられた通信装置から、前記使用履歴情報を取得し、
前記出力部は、前記通信装置に前記購入タイミングに係る情報を送信する
請求項1から請求項の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
使用に伴って消耗される交換可能な部材を取付可能なエアロゾル発生装置の使用履歴情報を取得するステップと、
取得した前記使用履歴情報に基づいて、複数個ずつ購入される前記部材の購入タイミングを推定するステップと、
前記使用履歴情報に基づいて前記部材の使用量を特定するステップと、
前記使用履歴情報に基づいて前記部材が交換されたか否かを判定するステップと、
前記部材が交換されたと判定されたタイミングにおける前記使用量に基づいて、以降の前記部材の交換タイミングを推定するステップと、
前記購入タイミングに係る情報と前記交換タイミングに係る情報を出力するステップと
を有する情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
使用に伴って消耗される交換可能な部材を取付可能なエアロゾル発生装置の使用履歴情報を取得するステップと、
取得した前記使用履歴情報に基づいて、複数個ずつ購入される前記部材の購入タイミングを推定するステップと、
前記使用履歴情報に基づいて前記部材の使用量を特定するステップと、
前記使用履歴情報に基づいて前記部材が交換されたか否かを判定するステップと、
前記部材が交換されたと判定されたタイミングにおける前記使用量に基づいて、以降の前記部材の交換タイミングを推定するステップと、
前記購入タイミングに係る情報と前記交換タイミングに係る情報を出力するステップと
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生装置に係る情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子タバコからタール残量を取得し、タール残量が閾値より小さい場合に電子タバコの付属品情報をユーザ端末に通知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2016/0189216号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電子たばこや加熱式たばこなどのエアロゾル発生装置において、エアロゾル源のカートリッジ、たばこカプセル(香味カプセル)、たばこスティック、リキッドを含むタンクなど交換可能な部材(リフィル)は、複数個の部材を含むセット単位で販売されることが多い。そのため、1つの部材について残量が少なくなった時点であっても、当該セットに含まれる一部の部材しか使用しておらず、利用者が所持する部材が残っている可能性がある。したがって、特許文献1に記載の技術のように、1つの部材について残量が少なくなった時点で部材の購入を促すことは適切でない可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、エアロゾル発生装置の交換可能な部材(リフィル)において適切な購入タイミングを特定することができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、情報処理装置は、使用に伴って消耗される交換可能な部材を取付可能なエアロゾル発生装置の使用情報を取得する使用情報取得部と、取得した前記使用情報に基づいて、複数個ずつ購入される前記部材の購入タイミングを推定する購入推定部と、前記購入タイミングに係る情報を出力する出力部とを備える。
【0007】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様に係る情報処理装置が、前記部材の購入履歴を取得する購入履歴取得部をさらに備え、前記購入推定部は、前記使用情報および前記購入履歴に基づいて、前記部材の購入タイミングを推定するものであってよい。
【0008】
本発明の第3の態様によれば、第1または第2の態様に係る情報処理装置が、前記使用情報に基づいて前記部材を用いた使用量を特定する使用量特定部と、前記使用量に基づいて、前記部材の交換タイミングを推定する交換推定部とを備え、前記購入推定部は、前記使用情報および前記交換タイミングの履歴に基づいて前記部材の購入タイミングを推定し、前記出力部は、前記購入タイミングに係る情報と前記交換タイミングに係る情報を出力するものであってよい。
【0009】
本発明の第4の態様によれば、第3の態様に係る情報処理装置が、前記使用情報に基づいて前記部材が交換されたか否かを判定する交換判定部を備え、前記交換推定部は、前記部材が交換されたと判定したタイミングにおける前記使用量に基づいて、前記交換タイミングを推定するものであってよい。
【0010】
本発明の第5の態様によれば、第3の態様に係る情報処理装置が、前記使用履歴に基づいて吸引機会ごとの使用量を推定する機会使用量特定部を備え、前記購入推定部は、特定した前記使用量と前記吸引機会ごとの使用量とに基づいて、前記購入タイミングを推定するものであってよい。
【0011】
本発明の第6の態様によれば、第3から第5の何れかの態様に係る情報処理装置が、前記交換タイミングに基づいて前記エアロゾル発生装置の使用頻度を推定する頻度推定部を備え、前記出力部は、前記使用頻度に係る情報を出力するものであってよい。
【0012】
本発明の第7の態様によれば、第1から第6の何れかの態様に係る情報処理装置において、前記使用情報取得部は、前記エアロゾル発生装置に関連付けられた通信装置から、前記使用情報を取得し、前記出力部は、前記通信装置に前記購入タイミングに係る情報を送信するものであってよい。
【0013】
本発明の第8の態様によれば、情報処理方法は、使用に伴って消耗される交換可能な部材を取付可能なエアロゾル発生装置の使用情報を取得するステップと、取得した前記使用情報に基づいて、複数個ずつ購入される前記部材の購入タイミングを推定するステップと、前記購入タイミングに係る情報を出力するステップとを有する。
【0014】
本発明の第9の態様によれば、プログラムは、コンピュータに、使用に伴って消耗される交換可能な部材を取付可能なエアロゾル発生装置の使用情報を取得するステップと、取得した前記使用情報に基づいて、複数個ずつ購入される前記部材の購入タイミングを推定するステップと、前記購入タイミングに係る情報を出力するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0015】
上記態様のうち少なくとも1つの態様によれば、情報処理装置は、エアロゾル発生装置の交換可能な部材(リフィル)において適切な購入タイミングを特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1の実施形態に係るエアロゾル発生装置に関する情報を提供する情報提供システムの構成を示す概略図である。
図2】第1の実施形態に係るエアロゾル発生装置の構成を示す概略ブロック図である。
図3】第1の実施形態に係るエアロゾル発生装置の動作を示すフローチャートである。
図4】第1の実施形態に係る情報提供サーバの構成を示す概略ブロック図である。
図5】第1の実施形態に係る使用履歴データベースの一例である。
図6】第1の実施形態に係る購入履歴データベースの一例である。
図7】第1の実施形態に係る情報提供システムの動作を示すシーケンス図である。
図8】第2の実施形態に係るエアロゾル発生装置の動作を示すフローチャートである。
図9】第2の実施形態に係る情報提供サーバの構成を示す概略ブロック図である。
図10】第2の実施形態に係る使用履歴データベースの一例である。
図11】第2の実施形態に係る情報提供システムの動作を示すシーケンス図である。
図12】第3の実施形態に係る情報提供システムの動作を示すシーケンス図である。
図13】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〈第1の実施形態〉
図1は、第1の実施形態に係るエアロゾル発生装置に関する情報を提供する情報提供システムの構成を示す概略図である。
情報提供システム1は、エアロゾル発生装置100と、通信装置200と、情報提供サーバ300とを備える。エアロゾル発生装置100は、例えば、利用者に吸引させるためのエアロゾルを、燃焼を伴わずに発生させる装置である。なお、利用者による吸引は、エアロゾル発生装置100の使用の一態様である。
【0018】
エアロゾル発生装置100が発生させるエアロゾルは香味を伴うものであってよい。エアロゾル発生装置100の例としては、加熱式たばこ(T-vaporやInfused)および電子たばこ(E-vapor)などが挙げられる。また、エアロゾル発生装置100は、たばこを直接加熱するタイプや、たばこを直接加熱しないタイプ、液体(リキッド)を加熱するタイプを含む。また、エアロゾル発生装置100は、櫛形電極対を有する圧電素子基板を用いてSAW(Surface Acoustic Wave)を発生させることによって液体を霧化するものであってもよい。このように、エアロゾル発生装置100は、燃焼型のデバイスや非燃焼型のデバイス、加熱型のデバイス、非加熱型のデバイスなど、各種のデバイスを含む。なお、これらはあくまでも一例であって、エアロゾル発生装置100はエアロゾルを発生させる装置であれば、どのような装置であってもよい。
【0019】
通信装置200は、エアロゾル発生装置100の利用者が保持可能な通信機能を有する装置である。通信装置200の例としては、スマートフォンや携帯電話、コンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレット端末など)、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブル端末(時計型デバイスやメガネ型デバイスなど)、ヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)が挙げられる。ただし、通信装置200は、これらの例に限定されない。
【0020】
情報提供サーバ300は、通信装置200からエアロゾル発生装置100の使用情報を取得し、取得した情報に基づいて通信装置200にエアロゾル発生装置100に関する情報を提供する。情報提供サーバ300の例としては、サーバ装置やコンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレット端末など)、PDA、スマートフォン、携帯電話、あるいは他種のコンピュータが挙げられる。ただし、情報提供サーバ300は、これらの例に限定されない。
【0021】
また、図1において、エアロゾル発生装置100と、通信装置200とは、近距離無線通信や各種有線通信などの所定の通信規格(通信プロトコル)を用いて互いに接続する。所定の通信規格は、例えば、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))であるが、Wi-Fi(登録商標)、ワイヤレスLAN(wireless LAN:WLAN)や、ワイヤレスWAN(wireless WAN:WWAN)などであってもよい。また、所定の通信規格は、例えば、ISDNs(integrated service digital networks)、LTE(long term evolution)、CDMA(code division multiple access)、LPWA(Low Power Wide Area)などであってもよい。また、所定の通信規格は、これらの例に限られず、どのようなものであってもよく、例えば、USB(Universal Serial Bus)、Mini USB、Micro USB、Lightningなどの有線通信であってもよい。また、所定の通信規格は、衛星通信に関する通信規格であってもよい。
【0022】
また、図1において、通信装置200と、情報提供サーバ300とは、ネットワーク400で互いに接続可能である。ネットワーク400は、例えば、有線ネットワークや無線ネットワークであってもよい。ネットワーク400は、例えば、Wi-Fi、アドホック・ネットワーク(ad hoc network)、イントラネット、エクストラネット、仮想プライベート・ネットワーク(virtual private network:VPN)、ローカル・エリア・ネットワーク(local area network:LAN)、ワイヤレスLAN(WLAN)、広域ネットワーク(wide area network:WAN)、ワイヤレスWAN(WWAN)、大都市圏ネットワーク(metropolitan area network:MAN)、インターネットの一部、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)、ISDNs、LTE、CDMA、ブルートゥース(Bluetooth)、LPWAN(Low Power Wide Area Network)であってもよい。また、ネットワーク400は、衛星通信であってもよい。また、ネットワーク400は、これらの組合せを含んでいてもよい。ただし、ネットワーク400は、これらに限定されない。
【0023】
《エアロゾル発生装置》
第1の実施形態に係るエアロゾル発生装置100は、例えば、棒状に形成されてもよい。例えば、利用者がエアロゾル発生装置100の一端から吸引動作を行うと、エアロゾル発生装置100は、香味を伴うエアロゾルを発生し、利用者に供給する。また、利用者がエアロゾル発生装置100に備わるスイッチを押下すると、エアロゾル発生装置100が、香味を伴うエアロゾルを発生してもよい。なお、エアロゾル発生装置100が香味を伴うエアロゾルを発生する態様は、どのようなものであってもよい。以下、エアロゾル発生装置100のうち吸引動作がなされる側の端を吸引端E1といい、他方の端を非吸引端E2という。なお、エアロゾル発生装置は、エアロゾル生成装置と呼称してもよい。
【0024】
図1に示すように、エアロゾル発生装置100は、電源ユニット110と、霧化ユニット120と、交換可能な部材(リフィル)130とを備える。なお、図1に例示するエアロゾル発生装置100は、あくまでも例示であって、この構成に限定されるわけではない。なお、電源ユニット110はエアロゾル生成制御装置と呼称してもよいし、霧化ユニット120はエアロゾル生成基材と呼称してもよい。交換可能な部材130は、例えば、エアロゾル源のカートリッジ、たばこカプセル(例えば、香味カプセル)、たばこスティックなどである。また、交換可能な部材(リフィル)130は、霧化ユニット120全体であってもよい。また、エアロゾル発生装置100が、E-vaporやSAWを発生させるデバイスなど液体を用いるデバイスであれば、交換可能な部材(リフィル)130は、例えば、液体(リキッド)を含むタンクや容器などであってもよい。
【0025】
エアロゾル発生装置100は、電源ユニット110(エアロゾル生成制御装置)と、霧化ユニット120(エアロゾル生成基材)とに分離可能であってもよい。エアロゾル発生装置100が使用される場合には、電源ユニット110(エアロゾル生成制御装置)と、霧化ユニット120(エアロゾル生成基材)とが互いに接続(例えば螺合、結合)される。また、エアロゾル発生装置100は、電源ユニット110(エアロゾル生成制御装置)と、霧化ユニット120(エアロゾル生成基材)とが同一の筐体に含まれていてもよい。
また、エアロゾル発生装置100が櫛形電極対を有する圧電素子基板を用いてSAWを発生させることによって液体を霧化するものである場合、エアロゾル発生装置100は、例えば、霧化ユニット120として、櫛形電極対を有する圧電素子基板と、液体のエアロゾル源を当該圧電素子基板に供給するように構成された液供給部とを備える。圧電素子基板は、櫛形電極対に高周波で電圧を印加することによって生じる表面弾性波によってエアロゾル源を霧化するように構成されていてもよい。また、圧電素子基板は、表面弾性波によって霧化される所望のエアロゾルに基づいて定められる数の櫛形電極対を有する。なお、櫛形電極対の数は、所望のエアロゾルに基づいて定められる。そのため、櫛形電極対に供給可能な電力が限られる霧化ユニットにおいて、エアロゾル源の霧化効率の向上によって適切な霧化ユニットを提供することができる。
【0026】
電源ユニット110の一端はエアロゾル発生装置100の非吸引端E2をなし、霧化ユニット120の一端はエアロゾル発生装置100の吸引端E1をなす。電源ユニット110の吸引端E1側の端は、霧化ユニット120の非吸引端E2側の端と着脱可能に構成される。例えば、電源ユニット110の吸引端E1側の端と、霧化ユニット120の非吸引端E2側の端とには、互いに螺合可能にねじが切られている。霧化ユニット120の吸引端E1には、交換可能な部材(リフィル)130を差し込むための差し込み穴121が設けられる。なお、電源ユニット110と、霧化ユニット120とは、互いに着脱可能であれば、どのような形態で互いに接続されてもよい。
【0027】
霧化ユニット120には、液体のエアロゾル源が充填され、内部にエアロゾル源を加熱するための熱源122を備えていてもよい。熱源122は、例えば、ヒーターやIH(Induction Heating)などである。なお、霧化ユニット120には、熱源122の代わりに、高周波を発生させる装置を含み、当該高周波によりエアロゾルを発生させるものであってもよい。なお、高周波は、超音波を含む。また、霧化ユニット120は、化学変化によりエアロゾルを発生させる機能を含んでいてもよい。交換可能な部材(リフィル)130には、香味源が充填される。香味源は、例えばたばこ葉を含むが、これに限定されず、たばこ葉を用いて作られたものや、それらに所定の香味を追加したものであってもよい。なお、香味源には、たばこ葉が用いられなくてもよい。電源ユニット110は、霧化ユニット120の熱源122に電力を供給してエアロゾル源を加熱し、エアロゾルを発生させる。エアロゾルは、吸引動作に伴って交換可能な部材(リフィル)130を通って、吸引端E1から放出される。エアロゾルが交換可能な部材(リフィル)130を通ることで、エアロゾルに香味が付与される。
【0028】
なお、霧化ユニット120の交換可能な部材(リフィル)130の香味源は、吸入に伴って消耗される。そのため、交換可能な部材(リフィル)130は、所定回数(例えば50回)の使用(例えば、吸引(パフ))の後に交換(換装)される。また、霧化ユニット120のエアロゾル源も、所定回数の使用(例えば、吸引(パフ))の後に交換(換装)される。つまり、霧化ユニット120や交換可能な部材(リフィル)130は、交換可能な部材(リフィル)の一例である。
【0029】
交換可能な部材(リフィル)130は、複数個のセット(部材セット)で販売される。複数個は例えば5個であり、交換可能な部材(リフィル)130は、例えば5個セットで販売される。そのため、交換可能な部材(リフィル)130は、複数個ずつ購入される。例えば、交換可能な部材(リフィル)130は、5個セットで購入される。なお、複数個は、何個であってもよく、5個はあくまでも例示である。また、1セットに含まれる交換可能な部材(リフィル)130は複数種類であってもよく、その場合において、1セットに含まれる交換可能な部材(リフィル)130は、当該交換可能な部材(リフィル)130の種類ごとに異なる個数であってもよい。例えば、10個の香味カプセルと、2個のカートリッジとが、1セットに含まれていてもよい。なお、香味カプセルと、カートリッジとは、互いに異なる種類の交換可能な部材(リフィル)である。また、1セットに交換可能な部材(リフィル)130が複数種類含まれる場合、当該1セットには、複数種類の交換可能な部材(リフィル)130のうち、少なくとも1種類の交換可能な部材(リフィル)が複数個含まれていればよい。例えば、1セットには、複数個(例えば5個)の香味カプセルが含まれていれば、カートリッジは1個であってもよい。
【0030】
また、交換可能な部材(リフィル)130のうち、霧化ユニット120に挿入される部分の表面には、交換可能な部材(リフィル)130を一意に識別可能な識別子131が付されていてもよい。識別子131は、例えば、交換可能な部材(リフィル)130の種別と、交換可能な部材(リフィル)のセットにおける通し番号の組み合わせであってもよい。霧化ユニット120の差し込み穴121の内面には、交換可能な部材(リフィル)130の識別子131を読み取るためのリーダ123が設けられてもよい。識別子131は、例えばバーコード、二次元コード、またはRFIDタグなどによって実現される。リーダ123は、例えばカメラやバーコードリーダ、またはRFIDリーダなどによって実現される。リーダ123は、交換可能な部材(リフィル)130に付されている識別子131を読み取ることが可能である。なお、交換可能な部材(リフィル)130が香味カプセルの場合、識別子131はカプセルIDと表現されてもよい。また、リーダ123は、必ずしもカメラやバーコードリーダ、RFIDリーダである必要はなく、交換可能な部材(リフィル)130の着脱を検知するセンサなどであってもよい。
【0031】
電源ユニット110は、例えば、バッテリー111と、センサ112と、制御回路113とを有する。
バッテリー111は、例えば、リチウムイオン電池であるが、これに限定されない。バッテリー111は、エアロゾル発生装置100の動作に必要な電力を供給する。例えば、バッテリー111は、センサ112、制御回路113などに電力を供給する。なお、バッテリー111については、後述する。
センサ112は、利用者の吸引動作によって生じる負圧(圧力)を検出する。センサ112は、例えば、圧電素子によって構成される。なお、センサ112については、後述する。
【0032】
制御回路113は、エアロゾル発生装置100の動作を制御する。具体的には、制御回路113は、霧化ユニット120に供給される電力を制御する。また、制御回路113は、エアロゾル発生装置100の使用情報を生成し、通信装置200に送信する。制御回路113は、所定の通信規格(例えばBluetoothなどの近距離無線通信)を用いて、通信装置200との通信を行う。
制御回路113は、例えば、揮発メモリ又は不揮発メモリ(図1には図示しない)に、現在取り付けられている一つの交換可能な部材(リフィル)130の吸引回数(パフ回数)を記憶する。吸引回数(パフ回数)は、例えば、交換可能な部材(リフィル)130が交換されて(取り付けられて)からの累計の吸引回数(パフ回数)である。この場合、制御回路113は、交換可能な部材(リフィル)130が交換された場合には、揮発又は不揮発メモリに記憶されている吸引回数をリセットする。
【0033】
制御回路113は、センサ112が利用者の吸引動作によって生じる負圧(圧力)を検出するごとに、吸引回数を計算する。例えば、制御回路113は、センサ112が利用者の吸引動作によって生じる負圧(圧力)を検出するごとに、揮発又は不揮発メモリに記憶されている吸引回数に「1」を加算する。具体的には、制御回路113は、揮発又は不揮発メモリに記憶されている前回の吸引動作までの累計の吸引回数(例えば、「30」)を、吸引動作によって生じる負圧(圧力)を検出することに応じて、「1」を加算した回数(すなわち、「31」)で更新する。これによって、揮発又は不揮発メモリには、今回の吸引動作までの累計回数が記憶されることになる。
【0034】
また、制御回路113は、揮発メモリ又は不揮発メモリに、複数の交換可能な部材(リフィル)130ごとに吸引回数(パフ回数)を記憶してもよい。この場合、制御回路113は、今回の吸引動作において吸引された交換可能な部材(リフィル)130の吸引回数に対して、「1」を加算する。なお、制御回路113は、交換可能な部材(リフィル)130の識別子131を用いて、いずれの交換可能な部材(リフィル)130が吸引されているのかを識別することができる。
例えば、揮発メモリ又は不揮発メモリに、交換可能な部材(リフィル)130Aの吸引回数が「30」と、交換可能な部材(リフィル)130Bの吸引回数が「20」と、記憶されている場合を想定する。この場合において、制御回路113は、交換可能な部材(リフィル)130Aに対する吸引動作を検出した場合、揮発メモリ又は不揮発メモリに記憶されている交換可能な部材(リフィル)130Aの吸引回数を「31」に更新し、交換可能な部材(リフィル)130Bの吸引回数は「20」のままとする。
【0035】
なお、制御回路113は、揮発メモリ又は不揮発メモリに、前回の吸引に係る交換可能な部材(リフィル)130の識別子131を記憶してもよい。また、制御回路113は、揮発メモリ又は不揮発メモリに、前回の吸引に係る交換可能な部材(リフィル)130の識別子131と、交換可能な部材(リフィル)130の吸引回数(パフ回数)とを対応付けて記憶してもよい。なお、制御回路113が揮発又は不揮発メモリに記憶する情報は、これらの例に限られず、どのような情報であってもよい。
なお、電源ユニット110内に含まれる構成要素の一部が、霧化ユニット120内に含まれてもよい。霧化ユニット120内に含まれる構成要素の一部が、電源ユニット110内に含まれてもよい。あるいは、電源ユニット110及び霧化ユニット120内に含まれるすべての構成要素が、電源ユニット110及び霧化ユニット120に代えて、同一の筐体内に含まれてもよい。
【0036】
《エアロゾル発生装置の構成》
図2は、第1の実施形態に係るエアロゾル発生装置100の構成を示す概略ブロック図である。
図2に示すように、エアロゾル発生装置100は、電源ユニット110及び霧化ユニット120を備える。図示されるように、例えば、電源ユニット110は、バッテリー111、センサ112、制御回路113、記憶部114、及び通知部115を含んでもよい。また、霧化ユニット120は、例えば、熱源122を含む霧化部125、リザーバ124、空気取込流路126、エアロゾル流路127及び吸口部128を含んでもよい。
【0037】
また、図2に示すように、エアロゾル発生装置100は、交換可能な部材(リフィル)130を備える。一例として、交換可能な部材(リフィル)130は、香味源132を含んでもよい。香味源132は、例えば、たばこに含まれる香喫味成分を含んでもよい。交換可能な部材(リフィル)130は、霧化ユニット120に対して着脱可能に構成されてもよい。また、霧化ユニット120及び交換可能な部材(リフィル)130内に含まれるすべての構成要素が、霧化ユニット120及び交換可能な部材(リフィル)130に代えて、同一の筐体内に含まれてもよい。
【0038】
リザーバ124は、エアロゾル源を保持する。例えば、リザーバ124は、繊維状又は多孔質性の素材から構成され、繊維間の隙間や多孔質材料の細孔に液体としてのエアロゾル源を保持する。前述した繊維状又は多孔質性の素材には、例えばコットンやガラス繊維、またはたばこ原料などを用いることができる。リザーバ124は、液体を収容するタンクとして構成されてもよい。エアロゾル源は、例えば、グリセリンやプロピレングリコールといった多価アルコール、水などの液体である。エアロゾル発生装置100がネブライザー等の医療用吸入器である場合、エアロゾル源はまた、患者が吸入するための薬剤を含んでもよい。別の例として、エアロゾル源は、加熱することによって香喫味成分を放出するたばこ原料やたばこ原料由来の抽出物を含んでいてもよい。この場合、交換可能な部材(リフィル)130が装着されずとも、香味成分を含むエアロゾルが生成される。リザーバ124は、消費されたエアロゾル源を補充することができる構成を有してもよい。あるいは、リザーバ124は、エアロゾル源が消費された際にリザーバ124自体を交換することができるように構成されてもよい。すなわち、リザーバ124自体が、交換可能な部材(リフィル)であってもよい。また、エアロゾル源は液体に限られるものではなく、固体でも良い。エアロゾル源が固体の場合のリザーバ124は、例えば繊維状又は多孔質性の素材を用いない空洞の容器であっても良い。
【0039】
霧化部125は、エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成するように構成される。センサ112によって吸引動作が検知されると、霧化部125はエアロゾルを生成する。例えば、ウィック(図示せず)が、リザーバ124と霧化部125とを連結するように設けられてもよい。この場合、ウィックの一部はリザーバ124の内部に通じ、エアロゾル源と接触する。ウィックの他の一部は霧化部125へ延びる。エアロゾル源は、ウィックの毛細管効果によってリザーバ124から霧化部125へと運ばれる。一例として、霧化部125は、バッテリー111に電気的に接続された熱源122(図2では図示しない)を備える。熱源122は、ウィックと接触又は近接するように配置される。吸引動作が検知されると、制御回路113は、霧化部125の熱源122を制御し、ウィックを通じて運ばれたエアロゾル源を加熱することによって当該エアロゾル源を霧化する。霧化部125の別の例は、エアロゾル源を高周波振動によって霧化する高周波式霧化器であってもよい。なお、高周波には超音波が含まれる。霧化部125には空気取込流路126が接続され、空気取込流路126はエアロゾル発生装置100の外部へ通じている。霧化部125において生成されたエアロゾルは、空気取込流路126を介して取り込まれた空気と混合される。エアロゾルと空気の混合流体は、矢印129で示されるように、エアロゾル流路127へと送り出される。エアロゾル流路127は、霧化部125において生成されたエアロゾルと空気との混合流体を吸口部128まで輸送するための管状構造を有する。
【0040】
香味源132は、エアロゾルに香味を付与するための構成要素である。香味源132は、エアロゾル流路127の途中に配置される。霧化部125によって生成されたエアロゾルと空気との混合流体(以下、混合流体を単にエアロゾルと呼称する場合もある)は、エアロゾル流路127を通って吸口部128まで流れる。このように、香味源132は、エアロゾルの流れに関して霧化部125よりも下流に設けられている。換言すれば、霧化部125よりも香味源132の方が、エアロゾル流路127の中で吸口部128に近い側に位置する。したがって、霧化部125によって生成されたエアロゾルは、香味源132を通過してから吸口部128へ達する。エアロゾルが香味源132を通過する際、香味源132に含まれる香喫味成分がエアロゾルに付与される。一例として、エアロゾル発生装置100が電子たばこである場合、香味源132は、刻みたばこ、又はたばこ原料を粒状、シート状もしくは粉末状に成形した加工物などの、たばこ由来のものであってもよい。香味源132はまた、たばこ以外の植物(例えばミントやハーブ等)から作られた非たばこ由来のものであってもよい。一例として、香味源132は、ニコチン成分を含む。香味源132は、メントールなどの香料成分を含有してもよい。また、香味源132は、これらの混合物であってもよい。また、香味源132に加えて、リザーバ124も香喫味成分を含んだ物質を有してもよい。例えば、エアロゾル発生装置100は、香味源132にたばこ由来の香味物質を保持し、リザーバ124には非たばこ由来の香味物質を含むように構成されてもよい。
【0041】
吸口部128は、エアロゾル流路127の終端に位置し、エアロゾル流路127をエアロゾル発生装置100の外部に対して開放するように構成される。図示されるように、エアロゾル流路127は、霧化ユニット120及び交換可能な部材(リフィル)130にわたって延在する。吸口部128は、交換可能な部材(リフィル)130に備えられる。なお、吸口部128は、吸引端E1に該当する。
ユーザは、吸口部128を咥えて吸引することにより、香味が付与されたエアロゾルを含んだ空気を口腔内へ取り込むことができる。
【0042】
バッテリー111は、電力を蓄積し、センサ112、記憶部114、通知部115、霧化部125などのエアロゾル発生装置100の各構成要素に電力を供給する電源である。バッテリー111は、エアロゾル発生装置100の所定のポート(図示せず)を介して外部電源に接続することにより充電することができてもよい。バッテリー111のみを電源ユニット110又はエアロゾル発生装置100から取り外すことができてもよく、新しいバッテリー111と交換することができてもよい。また、電源ユニット110全体を新しい電源ユニット110と交換することによってバッテリー111を新しいバッテリー111と交換することができてもよい。
【0043】
センサ112は、空気取込流路126及び/又はエアロゾル流路127内の圧力の変動を検知する圧力センサ又は流量を検知する流量センサを含んでもよい。センサ112はまた、リザーバ124等の構成要素の重量を検知する重量センサを含んでもよい。センサ112はまた、エアロゾル発生装置100を用いたユーザによるパフの回数を計数するように構成されてもよい。センサ112はまた、霧化部125への通電時間を積算するように構成されてもよい。センサ112はまた、リザーバ124内の液面の高さを検知するように構成されてもよい。センサ112はまた、電源ユニット110への霧化ユニット120の着脱、又は霧化ユニット120への交換可能な部材(リフィル)130の着脱を検出するように構成されてもよい。この場合、センサ112は、図1のリーダ123に相当する機能を含む。また、センサ112は、バッテリー111のSOC(State of Charge,充電状態)、電流積算値、電圧などを検知するように構成されてもよい。電流積算値は、電流積算法やSOC-OCV(Open Circuit Voltage,開回路電圧)法等によって求められてもよい。センサ112はまた、ユーザが操作可能な操作ボタンなどであってもよい。
【0044】
制御回路113は、マイクロプロセッサ又はマイクロコンピュータとして構成された電子回路モジュールであってもよい。制御回路113は、記憶部114に格納されたコンピュータ実行可能命令に従ってエアロゾル発生装置100の動作を制御するように構成されてもよい。記憶部114は、ROM、RAM、フラッシュメモリなどの記憶媒体である。記憶部114は、不揮発メモリや揮発メモリであってもよい。記憶部114には、上記のようなコンピュータ実行可能命令のほか、エアロゾル発生装置100の制御に必要な設定データ等が格納されてもよい。例えば、記憶部114は、通知部115の制御方法(発光、発声、振動等の態様等)、センサ112により検知された値、霧化部125の加熱履歴等の様々なデータを格納してもよい。制御回路113は、必要に応じて記憶部114からデータを読み出してエアロゾル発生装置100の制御に利用し、必要に応じてデータを記憶部114に格納する。
また、制御回路113は、通信機能を備えていてもよく、所定の通信規格(通信プロトコル)を用いて、通信装置200との通信を行う。なお、エアロゾル発生装置100は、通信I/F(インターフェース)を備えていてもよい。通信I/F(図2には図示しない)は、所定の通信規格を用いて各種データの送受信を行う。制御回路113は、通信I/Fを介して、各種のデータを送受信可能である。
【0045】
通知部115は、LEDなどの発光素子、ディスプレイ、スピーカ、バイブレータなどを含んでもよい。通知部115は、必要に応じて、発光、表示、発声、振動などによって、ユーザに対して何らかの通知を行うように構成される。
なお、上記説明した構成において、電源ユニット110はエアロゾル生成制御装置と呼称してもよいし、霧化ユニット120(より正確には、リザーバ124に保持されるエアロゾル源)はエアロゾル生成基材と呼称してもよい。また、霧化部125は、エアロゾル生成基材にエアロゾルを生成させるエアロゾル生成部と呼称してもよい。なお、電源ユニット110(エアロゾル生成制御装置)と、霧化ユニット120(エアロゾル生成基材)は、別々に販売/流通してもよい。通信機能は、電源ユニット110(エアロゾル生成制御装置)、及び、霧化ユニット120(エアロゾル生成基材)の少なくとも一方に設けられていてもよく(双方に設けられている場合を含む)、電源ユニット110(エアロゾル生成制御装置)と霧化ユニット120(エアロゾル生成基材)とが互いに分離している際に各種のデータが送信されてもよい。また、通信機能は、電源ユニット110(エアロゾル生成制御装置)、又は、霧化ユニット120(エアロゾル生成基材)のいずれか一方に設けられていてもよく、電源ユニット110(エアロゾル生成制御装置)と霧化ユニット120(エアロゾル生成基材)とが互いに接続(螺合)している場合に各種のデータが送信されてもよい。
【0046】
《エアロゾル発生装置100の動作》
図3は、第1の実施形態に係るエアロゾル発生装置の動作を示すフローチャートである。なお、図3において、交換可能な部材(リフィル)130が香味カプセルの場合を例として説明する。なお、図3において、交換可能な部材(リフィル)130が香味カプセル以外であってもよい。また、図3において、揮発メモリ又は不揮発メモリには、ある一つの交換可能な部材(リフィル)130の累計の吸引回数が記憶されている場合を例として説明する。
利用者が吸引端E1から吸引動作を開始すると、エアロゾル発生装置100の内部に負圧(圧力)が生じ、センサ112によって当該負圧(圧力)が検出される。センサ112が所定値以上の圧力を検出すると(ステップS1)、バッテリー111は、制御回路113に電力の供給を開始する(ステップS2)。電力の供給を開始された制御回路113が起動すると、バッテリー111に霧化部124に含まれる熱源122およびリーダ123への電力の供給を開始させる(ステップS3)。これにより熱源122は霧化ユニット120のエアロゾル源を加熱し、リーダ123は香味カプセル130の識別子131からカプセルIDを読み取る。
【0047】
制御回路113は、リーダ123から読み取ったカプセルIDを取得する(ステップS4)。制御回路113は、読み取ったカプセルIDが、揮発又は不揮発メモリ(記憶部114)に記憶された前回起動時のカプセルIDと同じであるか否かを判定する(ステップS5)。取得したカプセルIDが、前回起動時に取得したカプセルIDと同じである場合(ステップS5:YES)、制御回路113は、揮発又は不揮発メモリ(記憶部114)に記憶されている吸引回数に「1」を加算する(ステップS6)。他方、取得したカプセルIDが、前回起動時に取得したカプセルIDと異なる場合(ステップS5:NO)、制御回路113は、揮発又は不揮発メモリ(記憶部114)に記憶されている吸引回数を「1」にリセットする(ステップS7)。すなわち、ステップS7において、制御回路113は、取得したカプセルIDが、前回起動時に取得したカプセルIDと異なる場合には、新たな香味カプセルに交換されたと判定し、交換された新たな香味カプセルについて吸引回数を計算する。制御回路113は、揮発又は不揮発メモリが記憶する香味カプセル130のカプセルIDおよび吸引回数を更新する(ステップS8)。制御回路113は、香味カプセル130のカプセルIDおよび吸引回数を含む使用情報を、通信装置200に送信する(ステップS9)。なお、エアロゾル発生装置100と通信装置200とは、あらかじめペアリングされていてもよい。
【0048】
制御回路113は、センサ112が検出する圧力が所定値未満になったか否かを判定する(ステップS10)。センサ112が検出する圧力が所定値以上である場合(ステップS10:NO)、熱源122およびリーダ123への電力供給を継続する。他方、制御回路113は、センサ112が検出する圧力が所定値未満になった場合(ステップS10:YES)、バッテリー111に熱源122およびリーダ123への電力の供給を停止させる(ステップS11)。
【0049】
制御回路113は、ステップS9における使用情報の送信が完了したか否かを判定する(ステップS12)。使用情報の送信が完了していない場合(ステップS12:NO)、制御回路113への電力供給を継続する。他方、使用情報の送信が完了している場合(ステップS12:YES)、制御回路113は、バッテリー111に制御回路113への電力の供給を停止させる(ステップS13)。すなわち、制御回路113は、センサ112が所定の圧力未満になったタイミング、または使用情報の送信が完了したタイミングのうち遅いタイミングにおいて、制御回路113への電力の供給を停止させる。
このように、第1の実施形態に係る制御回路113は、利用者の吸引動作ごとに使用情報を通信装置200に送信する。
【0050】
なお、他の実施形態においては、制御回路113は、吸引回数に代えて延べ吸引時間を計測し、通信装置200に送信してもよい。延べ吸引時間は、例えばセンサ112が検出する圧力が所定値以上になったタイミングから所定値未満になったタイミングまでの時間の総和である。吸引時間は、吸引を終了するまで確定しないため、延べ吸引時間を送信する場合、制御回路113は、センサ112が検出する圧力が所定値未満になった後に、延べ吸引時間を更新し、使用情報を送信する。吸引回数および延べ吸引時間は、使用量の一例である。
【0051】
《通信装置》
通信装置200は、上述したように、例えばスマートフォンやタブレット端末などの通信機能を有する端末である。通信装置200は、少なくともBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信機能と、インターネットなどの広域通信網を介した無線通信機能とを有する。なお、通信装置200は、有線通信機能を有していてもよい。通信装置200とエアロゾル発生装置100とは例えば近距離無線通信により通信し、通信装置200と情報提供サーバ300とは例えば広域通信網などを含むネットワーク400を介した無線通信機能により通信する。
【0052】
通信装置200は、例えば、利用者によってエアロゾル発生装置100に関する情報を表示するためのアプリケーションプログラムをインストールされる。通信装置200は、アプリケーションプログラムの実行により、エアロゾル発生装置100から使用情報を受信し、当該使用情報を情報提供サーバ300に送信する。
通信装置200は、情報提供サーバ300からエアロゾル発生装置100に関する情報として、交換可能な部材(リフィル)130の交換タイミングに関する情報および交換可能な部材(リフィル)130の購入タイミングに関する情報を受信し、表示する。
なお、使用情報の送信およびエアロゾル発生装置100に関する情報の受信は、SNS(Social Networking Service)などのコミュニケーションツールを用いてなされてもよい。
【0053】
《情報提供サーバ》
情報提供サーバ300は、通信装置200を介してエアロゾル発生装置100から使用情報を収集し、使用情報に基づいて、交換可能な部材(リフィル)130の交換タイミングに関する情報および交換可能な部材(リフィル)130の購入タイミングに関する情報を生成する。情報提供サーバ300は、生成した情報を通信装置200に送信する。
【0054】
図4は、第1の実施形態に係る情報提供サーバの構成を示す概略ブロック図である。
情報提供サーバ300は、使用履歴データベース301、購入履歴データベース302、使用情報取得部303、使用量特定部304、交換判定部305、使用履歴更新部306、交換推定部307、購入履歴取得部308、購入推定部309、頻度推定部310、出力部311を備える。
【0055】
図5は、第1の実施形態に係る使用履歴データベースの一例である。なお、図5では、交換可能な部材(リフィル)130が香味カプセルの場合を例として説明する。なお、図5において、交換可能な部材(リフィル)130が香味カプセル以外であってもよい。
使用履歴データベース301は、複数の利用者について、エアロゾル発生装置100の使用履歴を記憶する。具体的には、使用履歴データベース301は、利用者を識別する利用者ID、香味カプセル130のカプセルID、当該香味カプセル130の吸引回数、当該香味カプセル130の使用開始タイミング、当該香味カプセル130の最終使用タイミングを、それぞれ関連付けて記憶する。情報提供サーバ300は、使用履歴データベース301を参照することで、1カプセルの交換時の平均吸引回数、交換タイミングまでの残り吸引回数、平均使用期間などを特定することができる。使用履歴データベース301は、エアロゾル発生装置100から使用情報を受信するたびに更新される。
【0056】
図6は、第1の実施形態に係る購入履歴データベースの一例である。なお、図6では、交換可能な部材(リフィル)130が香味カプセルの場合を例として説明する。なお、図6において、交換可能な部材(リフィル)130が香味カプセル以外であってもよい。
購入履歴データベース302は、複数の利用者について、香味カプセル130のセットの購入履歴を記憶する。具体的には、購入履歴データベース302は、利用者ID、香味カプセル130のセットの購入日時、セットの購入数、香味カプセル130のフレーバーの種類、カプセル残量、購入タイミングの通知が完了したか否かを示す情報とを関連付けて記憶する。情報提供サーバ300は、購入履歴データベース302を参照することで、購入タイミングにおける香味カプセル130の残量を特定することができる。購入履歴データベース302は、提携するEC(Electronic Commerce)サービスまたは提携する実店舗のPOS(Point of Sale)装置が香味カプセル130の購入に係る情報を受け付けるたびに更新される。
【0057】
使用情報取得部303は、広域通信網を介して通信装置200からエアロゾル発生装置100の使用情報を受信する。使用情報取得部303は、通信装置200のアプリケーションプログラムに設定された利用者IDを取得することで、エアロゾル発生装置100の利用者を特定することができる。
使用量特定部304は、使用情報取得部303が受信した使用情報に基づいて交換可能な部材(リフィル)130の吸引回数を取得する。
交換判定部305は、使用情報取得部303が受信した使用情報に基づいて、交換可能な部材(リフィル)130が交換されたか否かを判定する。例えば、交換判定部305は、使用情報に含まれる識別子131(例えば、カプセルID)が、同じ利用者のエアロゾル発生装置100から前回受信した使用情報に含まれる識別子131と異なる場合に、交換可能な部材(リフィル)130が交換されたと判定する。なお、他の実施形態においては、交換判定部305は、使用情報に含まれる吸引回数が前回受信した使用情報に含まれる吸引回数より少ない場合に、または吸引回数が1である場合に、交換可能な部材(リフィル)130が交換されたと判定してもよい。
【0058】
使用履歴更新部306は、交換判定部305の判定結果に基づいて使用履歴データベース301および購入履歴データベース302を更新する。具体的には、使用履歴更新部306は、交換可能な部材(リフィル)130が交換されていない場合、使用履歴データベース301において、使用情報取得部303が受信した使用情報に含まれる識別子131に関連付けられた吸引回数および最終使用日時を更新する。他方、使用履歴更新部306は、交換可能な部材(リフィル)130が交換された場合、使用履歴データベース301に、使用情報取得部303が受信した使用情報に含まれる識別子131に係る吸引回数、使用開始日時、および最終使用日時に係る情報を追加する。またこのとき使用履歴更新部306は、購入履歴データベース302が記憶する利用者の現在のカプセル残量を1つ減算する。
交換推定部307は、使用履歴データベース301が記憶する交換可能な部材(リフィル)130の使用履歴に基づいて、交換タイミングを推定する。具体的には、交換推定部307は、使用履歴に基づいて交換可能な部材(リフィル)130の交換時の平均吸引回数を求め、現在の吸引回数と交換時の平均吸引回数との差から、交換タイミングまでの残り吸引回数を推定する。
なお、交換推定部307は、機械学習(machine learning)やニューラルネットワーク、深層学習(deep learning)によって、交換タイミングを推定してもよい。
なお、ニューラルネットワークは、例えば、階層型ニューラルネットワークや、ディープニューラルネットワークなどがある。ニューラルネットワークは、階層的な構造になったネットワークである。ニューラルネットワークは、例えば入力層、中間層および出力層からなり、各層は複数のノードを有している。そして、ニューラルネットワークは、入力層と中間層とのノード間および中間層と出力層とのノード間に任意の重みを設定することにより、ノード間の結合状態を調整することで分類問題を解くことができる。また、ニューラルネットワークは、相互結合型のニューラルネットワークなどであってもよい。また、ニューラルネットワークは、例えば、単純パーセプトロンやバックプロバケーション、サポートベクターマシン、ホップフィールドモデル、自己組織化マップなどであってもよい。
例えば、交換推定部307は、使用履歴と、当該使用履歴に紐づけられた所定の情報とに基づいて、複数の教師データを作成し、入力情報(例えば、現在の吸引回数)と出力情報(例えば交換タイミングまでの残り吸引回数)とのセットを学習する。所定の情報は、例えば、交換可能な部材(リフィル)130の種類に関する情報や、エアロゾル発生装置100の種類に関する情報、吸引時の天候に関する情報や季節に関する情報、使用した時間に関する情報や場所に関する情報など、使用履歴に対応付けられる情報であれば、どのような情報であってもよい。
交換推定部307は、機械学習やニューラルネットワーク、深層学習を用いて、現在の吸引回数という入力情報を受け付けて、交換タイミングまでの適切な残り吸引回数という出力情報を出力することができる。
【0059】
購入履歴取得部308は、購入履歴データベース302からある利用者における交換可能な部材(リフィル)130の購入履歴を取得する。
購入推定部309は、購入履歴取得部308が取得した購入履歴に基づいて、交換可能な部材(リフィル)130の購入タイミングを推定する。具体的には、購入推定部309は、購入履歴に基づいて交換可能な部材(リフィル)130の購入時の平均カプセル残量を求め、現在のカプセル残量と交換時の平均カプセル残量との差から、購入タイミングまでの残りカプセル数を推定する。
なお、購入推定部309は、機械学習(machine learning)やニューラルネットワーク、深層学習(deep learning)によって、交換タイミングを推定してもよい。
例えば、購入推定部309は、購入履歴と、当該購入履歴に紐づけられた所定の情報とに基づいて、複数の教師データを作成し、入力情報(例えば、現在のカプセル残量)と出力情報(例えば、購入タイミングまでの残りカプセル数)とのセットを学習する。所定の情報は、例えば、カプセルの種類に関する情報や、エアロゾル発生装置100の種類に関する情報、購入した際の天候に関する情報や季節に関する情報、購入した数量に関する情報など、購入履歴に対応付けられる情報であれば、どのような情報であってもよい。
購入推定部309は、機械学習やニューラルネットワーク、深層学習を用いて、現在のカプセル残量という入力情報を受け付けて、適切な購入タイミングまでの残りカプセル数という出力情報を出力することができる。
【0060】
頻度推定部310は、使用履歴データベース301が記憶する交換可能な部材(リフィル)130の使用履歴に基づいて、エアロゾル発生装置100の使用頻度を推定する。具体的には、頻度推定部310は、使用履歴に基づいて交換可能な部材(リフィル)130の使用開始日時から最終使用日時までの時間を吸引回数で除算することで、エアロゾル発生装置100の使用頻度を推定する。頻度推定部310は、使用頻度に代えて交換可能な部材(リフィル)130の交換間隔を特定してもよい。交換間隔は使用頻度の一態様である。
なお、頻度推定部310は、機械学習(machine learning)やニューラルネットワーク、深層学習(deep learning)によって、使用頻度や交換間隔を推定してもよい。
【0061】
出力部311は、通信装置200にエアロゾル発生装置100に関する情報を送信する。具体的には、出力部311は、交換推定部307が推定した交換タイミングまでの残り吸引回数が所定回数(例えば5回)になったときに、通信装置200に交換可能な部材(リフィル)130の交換タイミングが近いことを示す情報を送信する。なお、所定回数は、どのような回数であってもよい。また出力部311は、購入推定部309が推定した購入タイミングまでの残りの交換可能な部材(リフィル)130の数が所定数(例えば0個)になったときに、通信装置200に交換可能な部材(リフィル)130のセットの購入を促進する情報を送信する。なお、所定数は、どのような数であってもよい。また出力部311は、頻度推定部310が推定した使用頻度が低下している場合に、異なるフレーバーの交換可能な部材(リフィル)130や異なる機種のエアロゾル発生装置100を提案する情報を、通信装置200に送信する。
【0062】
《情報提供システムの動作》
図7は、第1の実施形態に係る情報提供システムの動作を示すシーケンス図である。なお、図7では、交換可能な部材(リフィル)130が香味カプセルの場合を例として説明する。なお、図7において、交換可能な部材(リフィル)130が香味カプセル以外であってもよい。
エアロゾル発生装置100は、上述のステップS1からステップS13の処理により、使用情報を生成し、近距離無線通信を用いて通信装置200に送信する(ステップS51)。通信装置200は、エアロゾル発生装置100から使用情報を受信すると、当該使用情報を情報提供サーバ300に送信する(ステップS52)。
【0063】
情報提供サーバ300の使用情報取得部303は、通信装置200から使用情報を受信する(ステップS53)。使用量特定部304は、ステップS53で受信した使用情報に基づいて香味カプセル130の吸引回数を特定する(ステップS54)。交換判定部305は、ステップS53で受信した使用情報に含まれるカプセルIDと、使用履歴データベース301が利用者に関連付けて記憶する最も新しい最終使用日時に関連付けられたカプセルIDとが一致するか否かを判定する(ステップS55)。
カプセルIDが同一である場合(ステップS55:YES)、交換判定部305は、香味カプセル130が交換されていないと判定する。他方、カプセルIDが異なる場合(ステップS55:NO)、交換判定部305は、香味カプセル130が交換されたと判定する。
【0064】
交換判定部305が香味カプセル130が交換されていないと判定した場合(ステップS55:YES)、使用履歴更新部306は、使用履歴データベース301において、使用情報取得部303が受信した使用情報に含まれるカプセルIDに関連付けられた吸引回数および最終使用日時を更新する(ステップS56)。
他方、交換判定部305が香味カプセル130が交換されたと判定した場合(ステップS55:NO)、使用履歴更新部306は、使用履歴データベース301に、使用情報取得部303が受信した使用情報に含まれるカプセルIDに係る吸引回数、使用開始日時、および最終使用日時に係る情報を追加する(ステップS57)。またこのとき使用履歴更新部306は、購入履歴データベース302が当該利用者の利用者IDおよび最後の購入日時に関連付けて記憶するカプセル残量を1つ減算する(ステップS58)。
【0065】
交換推定部307は、使用履歴に基づいて香味カプセル130の交換時の平均吸引回数を算出する(ステップS59)。平均吸引回数は、直近に使用されたいくつかの香味カプセル130に係る吸引回数の平均値であってもよいし、過去に使用されたすべての香味カプセル130に係る吸引回数の平均値であってもよい。交換推定部307は、ステップS59で算出した平均吸引回数から、ステップS54で特定した吸引回数を減算することで、交換タイミングまでの残り吸引回数を推定する(ステップS60)。
【0066】
出力部311は、ステップS60で推定した残り吸引回数が所定回数と等しいか否かを判定する(ステップS61)。残り吸引回数が所定回数と等しい場合(ステップS61:YES)、出力部311は、通信装置200に香味カプセル130の交換タイミングが近いことを示す情報を送信する(ステップS62)。他方、残り吸引回数が所定回数と異なる場合(ステップS61:NO)、出力部311は、通信装置200に交換タイミングが近いことを示す情報を送信しない。なお、第1の実施形態では、出力部311は、残り吸引回数が所定回数より少ない場合にも、交換タイミングが近いことを示す情報を送信しない。これにより、通信装置200に送信される情報が過剰になることを防ぐことができる。
通信装置200は、情報提供サーバ300から交換タイミングが近いことを示す情報を受信すると、当該情報を表示する(ステップS63)。これにより、利用者は、香味カプセル130の交換時期を認識することができる。
【0067】
また、情報提供サーバ300の購入履歴取得部308は、購入履歴データベース302からある利用者における交換可能な部材(リフィル)130の購入履歴を取得する(ステップS64)。購入推定部309は、ステップS64で取得した購入履歴に基づいて交換可能な部材(リフィル)130の購入時の平均カプセル残量を求める(ステップS65)。平均カプセル残量は、直近に使用されたいくつかの香味カプセル130に係るカプセル残量の平均値であってもよいし、過去に使用されたすべての香味カプセル130に係るカプセル残量の平均値であってもよい。購入推定部309は、交換時の平均カプセル残量から現在のカプセル残量を減算することで、購入タイミングまでの消費カプセル数を推定する(ステップS66)。なお、ECサービスまたはPOS端末の何れかから購入履歴を取得できない場合、平均カプセル残量は負数となり得る。すなわち、平均カプセル残量が負数である場合、購入履歴を取得できないサービスによって香味カプセル130が購入されたことを示す。
【0068】
出力部311は、ステップS66で推定した消費カプセル数が所定数と等しいか否かを判定する(ステップS67)。消費カプセル数が所定数に等しい場合(ステップS67:YES)、出力部311は、通信装置200香味カプセル130の購入タイミングが近いことを示す情報を送信する(ステップS68)。他方、消費カプセル数が所定数と異なる場合(ステップS67:NO)、出力部311は、通信装置200に購入タイミングが近いことを示す情報を送信しない。
通信装置200は、情報提供サーバ300から購入タイミングが近いことを示す情報を受信すると、当該情報を表示する(ステップS69)。これにより、利用者は、香味カプセル130の購入時期を認識することができる。
【0069】
頻度推定部310は、使用履歴に基づいて香味カプセル130の使用開始日時から最終使用日時までの時間を吸引回数で除算することで、エアロゾル発生装置100の直近に使用されたいくつかの香味カプセル130に係る使用頻度を推定する(ステップS70)。頻度推定部310は、推定した使用頻度に基づいて使用頻度の変化量を算出する(ステップS71)。
出力部311は、使用頻度の変化量が所定の閾値(負数)以下であるか否かを判定する(ステップS72)。すなわち、出力部311は、使用頻度の変化量が低下しているか否かを判定する。使用頻度の変化量が所定の閾値以下である場合(ステップS72:YES)、購入履歴データベース302に記録された過去に購入されたフレーバーと異なるフレーバーの香味カプセル130または異なる機種のエアロゾル発生装置100を提案する情報を通信装置200に送信する(ステップS73)。
通信装置200は、情報提供サーバ300から香味カプセル130やエアロゾル発生装置100を提案する情報を受信すると、当該情報を表示する(ステップS74)。
【0070】
《作用・効果》
このように、第1の実施形態によれば、情報提供サーバ300は、エアロゾル発生装置100の使用情報に基づいて交換可能な部材(リフィル)130のセットの購入タイミングを推定し、当該購入タイミングに係る情報を送信する。これにより、情報提供サーバ300は、エアロゾル発生装置100の交換可能な部材(リフィル)130の適切な購入タイミングを利用者に知らせることができる。
【0071】
また、第1の実施形態によれば、情報提供サーバ300は、交換可能な部材(リフィル)130の購入履歴を取得し、使用情報および購入履歴に基づいて、交換可能な部材(リフィル)130のセットの購入タイミングを推定する。これにより、情報提供サーバ300は、購入履歴によって利用者が実際に購入した交換可能な部材(リフィル)130の個数を特定することができるため、購入タイミングを適切に推定することができる。なお、他の実施形態においては、情報提供サーバ300は、購入履歴によらず、所定数(例えば、一セットに格納される交換可能な部材(リフィル)130の個数)の交換可能な部材(リフィル)130が消費されたときに、購入タイミングに係る情報を送信してもよい。
【0072】
また、第1の実施形態によれば、情報提供サーバ300は、使用情報に基づいて交換可能な部材(リフィル)130の使用量を特定し、当該使用量に基づいて推定された交換タイミング係る情報を送信する。これにより、情報提供サーバ300は、交換可能な部材(リフィル)130の適切な交換タイミングを利用者に知らせることができる。なお、他の実施形態においては、情報提供サーバ300は、交換タイミング係る情報を送信しなくてもよい。
【0073】
また、第1の実施形態によれば、情報提供サーバ300は、使用情報および交換タイミングの履歴に基づいて交換可能な部材(リフィル)130の購入タイミングを推定する。これにより、情報提供サーバ300は、購入タイミングを適切に推定することができる。なお、他の実施形態においては、情報提供サーバ300は、交換タイミングの履歴を用いずに交換可能な部材(リフィル)130の購入タイミングを推定してもよい。
【0074】
また、第1の実施形態によれば、情報提供サーバ300は、使用情報に基づいて交換可能な部材(リフィル)130が交換されたか否かを判定し、交換可能な部材(リフィル)130が交換されたと判定したタイミングにおける使用量に基づいて、交換タイミングを推定する。これにより、情報提供サーバ300は、利用者によって交換するまでの使用量が異なる場合にも、利用者に応じた交換タイミングを推定することができる。なお、他の実施形態においては、予め定められた使用量(例えば、推奨使用量)に基づいて交換タイミングを推定してもよい。
【0075】
また、第1の実施形態によれば、情報提供サーバ300は、交換タイミングに基づいてエアロゾル発生装置100の使用頻度を推定し、使用頻度が低い場合に、異なるフレーバーの交換可能な部材(リフィル)130または異なる機種のエアロゾル発生装置100を提案する情報を通信装置200に送信する。なお、他の実施形態においては、使用頻度に係る情報として、使用頻度の変化そのものを通信装置200に送信してもよい。この場合、例えば禁煙を試みている利用者に、使用頻度の履歴を提示することで、禁煙の進捗状況を認識させることができる。
【0076】
〈第2の実施形態〉
エアロゾル発生装置100の利用者は、通常、喫煙所等においてエアロゾル発生装置100の吸引動作を行い、その他の場所においては吸引動作を行わない。そのため、利用者にとって吸引機会は限られており、交換可能な部材(リフィル)130の消耗によって、吸引機会において利用者が満足できる吸引回数だけ吸引動作を行うことができないことは、利用者にとって不満となる。第2の実施形態に係る情報提供システム1は、吸引機会において利用者が満足できる吸引回数を確保して、利用者に交換タイミングに関する情報を提供する。
【0077】
第2の実施形態は、第1の実施形態と、エアロゾル発生装置100の制御回路113および情報提供サーバ300の動作が異なる。
【0078】
《エアロゾル発生装置100の動作》
図8は、第2の実施形態に係るエアロゾル発生装置の動作を示すフローチャートである。なお、図8では、交換可能な部材(リフィル)130が香味カプセルの場合を例として説明する。なお、図8において、交換可能な部材(リフィル)130が香味カプセル以外であってもよい。
利用者が吸引端E1から吸引動作を開始すると、エアロゾル発生装置100の内部に負圧(圧力)が生じる。センサ112が所定値以上の圧力を検出すると(ステップS101)、バッテリー111は、制御回路113に電力の供給を開始する(ステップS102)。制御回路113が起動すると、バッテリー111に熱源122およびリーダ123への電力の供給を開始させる(ステップS103)。これにより熱源122は霧化ユニット120のエアロゾル源を加熱し、リーダ123は香味カプセル130のカプセルIDを読み取る。
【0079】
制御回路113は、リーダ123から読み取ったカプセルIDを取得する(ステップS104)。制御回路113は、読み取ったカプセルIDが、揮発又は不揮発メモリに記憶された前回起動時のカプセルIDと同じであるか否かを判定する(ステップS105)。取得したカプセルIDが、前回起動時に取得したカプセルIDと同じである場合(ステップS105:YES)、制御回路113は、吸引回数に「1」を加算する(ステップS106)。他方、取得したカプセルIDが、前回起動時に取得したカプセルIDと異なる場合(ステップS105:NO)、制御回路113は、吸引回数を「1」にリセットする(ステップS107)。制御回路113は、不揮発メモリが記憶する香味カプセル130のカプセルIDおよび吸引回数を更新する(ステップS108)。
【0080】
制御回路113は、センサ112が検出する圧力が所定値未満になったか否かを判定する(ステップS109)。センサ112が検出する圧力が所定値以上である場合(ステップS109:NO)、熱源122およびリーダ123への電力供給を継続する。他方、制御回路113は、センサ112が検出する圧力が所定値未満になった場合(ステップS109:YES)、バッテリー111に熱源122およびリーダ123への電力の供給を停止させる(ステップS110)。
【0081】
制御回路113は、ステップS110で熱源122およびリーダ123への電力の供給が停止してから所定時間(例えば、5分)が経過したか否かを判定する(ステップS111)。所定時間が経過していない場合(ステップS111:NO)、センサ112が所定値以上の圧力を検出したか否かを判定する(ステップS112)。所定値以上の圧力を検出していない場合(ステップS112:NO)、制御回路113は、ステップS111に処理を戻す。他方、所定値以上の圧力を検出した場合(ステップS112:YES)、制御回路113は、ステップS103に処理を戻し、再び熱源122およびリーダ123への電力の供給を開始する。
【0082】
他方、熱源122およびリーダ123への電力の供給が停止してから所定時間が経過した場合(ステップS111:YES)、制御回路113は、香味カプセル130のカプセルIDおよび吸引回数を含む使用情報を、あらかじめペアリングされた通信装置200に送信する(ステップS113)。そして、制御回路113は、バッテリー111に制御回路113への電力の供給を停止させる(ステップS114)。
【0083】
このように、第2の実施形態に係る制御回路113は、利用者の吸引機会ごとに使用情報を通信装置200に送信する。例えば、制御回路113は、吸引回数を吸引動作ごとに送信するのではなく、吸引機会(複数の吸引動作が含まれる)ごとに、吸引回数を送信する。そのため、吸引回数を吸引動作ごとに送信する場合に比べて、吸引回数を送信する回数が低減される。
【0084】
《情報提供サーバ》
図9は、第2の実施形態に係る情報提供サーバの構成を示す概略ブロック図である。
第2の実施形態に係る情報提供サーバ300は、第1の実施形態と使用履歴データベース301が記憶する情報が異なり、また第1の実施形態の構成に加え、さらに機会使用量特定部312を備える。
【0085】
図10は、第2の実施形態に係る使用履歴データベースの一例である。なお、図10では、交換可能な部材(リフィル)130が香味カプセルの場合を例として説明する。なお、図10において、交換可能な部材(リフィル)130が香味カプセル以外であってもよい。
第2の実施形態に係る使用履歴データベース301は、利用者を識別する利用者ID、香味カプセル130のカプセルID、当該香味カプセル130の吸引回数、吸引機会ごとの吸引回数、当該香味カプセル130の使用開始タイミング、当該香味カプセル130の最終使用タイミングを、それぞれ関連付けて記憶する。情報提供サーバ300は、使用履歴データベース301を参照することで、1カプセルの交換時の平均吸引回数、交換タイミングまでの残り吸引回数、1回の吸引機会における平均吸引回数、平均使用期間などを特定することができる。使用履歴データベース301は、エアロゾル発生装置100から使用情報を受信するたびに更新される。
【0086】
機会使用量特定部312は、使用情報取得部303が取得した使用情報と、使用履歴データベース301とに基づいて、1回の吸引機会における吸引回数を特定する。具体的には、受信した使用情報に含まれる吸引回数から、当該使用情報と同じカプセルIDに関連付けて使用履歴データベース301が記憶する吸引回数を減算することで、1回の吸引機会における吸引回数を特定する。
なお、機会使用量特定部312は、機械学習(machine learning)やニューラルネットワーク、深層学習(deep learning)によって、使用頻度や交換間隔を推定してもよい。
【0087】
《情報提供システムの動作》
図11は、第2の実施形態に係る情報提供システムの動作を示すシーケンス図である。なお、図11では、交換可能な部材(リフィル)130が香味カプセルの場合を例として説明する。なお、図11において、交換可能な部材(リフィル)130が香味カプセル以外であってもよい。
エアロゾル発生装置100は、上述のステップS101からステップS114の処理により、使用情報を生成し、例えば近距離無線通信を用いて通信装置200に送信する(ステップS151)。通信装置200は、エアロゾル発生装置100から使用情報を受信すると、当該使用情報を情報提供サーバ300に送信する(ステップS152)。
【0088】
情報提供サーバ300の使用情報取得部303は、通信装置200から使用情報を受信する(ステップS153)。使用量特定部304は、ステップS153で受信した使用情報に基づいて香味カプセル130の吸引回数を特定する(ステップS154)。交換判定部305は、ステップS53で受信した使用情報に含まれるカプセルIDと、使用履歴データベース301が利用者に関連付けて記憶する最も新しい最終使用日時に関連付けられたカプセルIDとが一致するか否かを判定する(ステップS155)。
カプセルIDが同一である場合(ステップS155:YES)、交換判定部305は、香味カプセル130が交換されていないと判定する。他方、カプセルIDが異なる場合(ステップS155:NO)、交換判定部305は、香味カプセル130が交換されたと判定する。
【0089】
交換判定部305が香味カプセル130が交換されていないと判定した場合(ステップS155:YES)、機会使用量特定部312は、使用情報取得部303が取得した使用情報と、使用履歴データベース301とに基づいて、1回の吸引機会における吸引回数を特定する(ステップS156)。使用履歴更新部306は、使用履歴データベース301において、使用情報取得部303が受信した使用情報に含まれるカプセルIDに関連付けられた吸引回数、吸引機会ごとの吸引回数、および最終使用日時を更新する(ステップS157)。
【0090】
他方、交換判定部305が香味カプセル130が交換されたと判定した場合(ステップS155:NO)、使用履歴更新部306は、使用履歴データベース301に、使用情報取得部303が受信した使用情報に含まれるカプセルIDに係る吸引回数、使用開始日時、および最終使用日時に係る情報を追加する(ステップS158)。またこのとき使用履歴更新部306は、購入履歴データベース302が当該利用者の利用者IDおよび最後の購入日時に関連付けて記憶するカプセル残量を1つ減算する(ステップS159)。
【0091】
交換推定部307は、使用履歴に基づいて香味カプセル130の交換時の平均吸引回数を算出する(ステップS160)。交換推定部307は、ステップS160で算出した平均吸引回数から、ステップS154で特定した吸引回数を減算することで、交換タイミングまでの残り吸引回数を推定する(ステップS161)。交換推定部307は、使用履歴データベース301が記憶する使用履歴に基づいて、利用者の1回の吸引機会における吸引回数の平均値を特定する(ステップS162)。
【0092】
出力部311は、ステップS161で推定した残り吸引回数が、1回の吸引機会における吸引回数の平均値に所定回数αを加えた値と等しいか否かを判定する(ステップS163)。残り吸引回数が所定回数と等しい場合(ステップS163:YES)、出力部311は、通信装置200に香味カプセル130の交換タイミングが近いことを示す情報を送信する(ステップS164)。他方、1回の吸引機会における吸引回数の平均値に所定回数αを加えた値と残り吸引回数とが異なる場合(ステップS163:NO)、出力部311は、通信装置200に交換タイミングが近いことを示す情報を送信しない。
通信装置200は、情報提供サーバ300から交換タイミングが近いことを示す情報を受信すると、当該情報を表示する(ステップS165)。これにより、利用者は、香味カプセル130の交換時期を認識することができる。
以下、情報提供システム1は、第1の実施形態のステップS64からステップS74と同様の処理を実行する。
【0093】
《作用・効果》
このように、第2の実施形態に係る情報提供サーバ300は、使用履歴に基づいて吸引機会ごとの吸引回数を推定し、使用履歴から特定した吸引回数と吸引機会ごとの吸引回数とに基づいて、購入タイミングを推定する。これにより、情報提供サーバ300は、吸引機会において利用者が満足できる吸引回数を確保して、利用者に交換タイミングに関する情報を提供することができる。
【0094】
〈第3の実施形態〉
第1、第2の実施形態に係る情報提供システム1は、情報提供サーバ300がエアロゾル発生装置100に関する情報を生成し、これを通信装置200に表示させる。これに対し、第3の実施形態に係る情報提供システム1は、通信装置200がエアロゾル発生装置100に関する情報を生成する。すなわち、第3の実施形態に係る情報提供システム1は、情報提供サーバ300を備えなくてよい。
第3の実施形態に係る通信装置200は、第1の実施形態の情報提供サーバ300と同様の構成を備える。すなわち、通信装置200は、使用履歴データベース301、購入履歴データベース302、使用情報取得部303、使用量特定部304、交換判定部305、使用履歴更新部306、交換推定部307、購入履歴取得部308、購入推定部309、頻度推定部310、出力部311を備える。
【0095】
《情報提供システムの動作》
図12は、第3の実施形態に係る情報提供システムの動作を示すシーケンス図である。なお、図12では、交換可能な部材(リフィル)130が香味カプセルの場合を例として説明する。なお、図12において、交換可能な部材(リフィル)130が香味カプセル以外であってもよい。
エアロゾル発生装置100は、第1の実施形態と同様の処理により、使用情報を生成し、近距離無線通信を用いて通信装置200に送信する(ステップS251)。通信装置200の使用情報取得部303は、通信装置200から使用情報を受信する(ステップS252)。使用量特定部304は、ステップS252で受信した使用情報に基づいて香味カプセル130の吸引回数を特定する(ステップS253)。交換判定部305は、ステップS252で受信した使用情報に含まれるカプセルIDと、使用履歴データベース301が利用者に関連付けて記憶する最も新しい最終使用日時に関連付けられたカプセルIDとが一致するか否かを判定する(ステップS254)。
カプセルIDが同一である場合(ステップS254:YES)、交換判定部305は、香味カプセル130が交換されていないと判定する。他方、カプセルIDが異なる場合(ステップS254:NO)、交換判定部305は、香味カプセル130が交換されたと判定する。
【0096】
交換判定部305が香味カプセル130が交換されていないと判定した場合(ステップS254:YES)、使用履歴更新部306は、使用履歴データベース301において、使用情報取得部303が受信した使用情報に含まれるカプセルIDに関連付けられた吸引回数および最終使用日時を更新する(ステップS255)。
他方、交換判定部305が香味カプセル130が交換されたと判定した場合(ステップS254:NO)、使用履歴更新部306は、使用履歴データベース301に、使用情報取得部303が受信した使用情報に含まれるカプセルIDに係る吸引回数、使用開始日時、および最終使用日時に係る情報を追加する(ステップS255)。またこのとき使用履歴更新部306は、購入履歴データベース302が当該利用者の利用者IDおよび最後の購入日時に関連付けて記憶するカプセル残量を1つ減算する(ステップS257)。
【0097】
交換推定部307は、使用履歴に基づいて香味カプセル130の交換時の平均吸引回数を算出する(ステップS258)。交換推定部307は、ステップS258で算出した平均吸引回数から、ステップS253で特定した吸引回数を減算することで、交換タイミングまでの残り吸引回数を推定する(ステップS259)。
【0098】
出力部311は、ステップS259で推定した残り吸引回数が所定回数と等しいか否かを判定する(ステップS260)。残り吸引回数が所定回数と等しい場合(ステップS260:YES)、出力部311は、通信装置200に香味カプセル130の交換タイミングが近いことを示す情報を表示する(ステップS261)。これにより、利用者は、香味カプセル130の交換時期を認識することができる。他方、残り吸引回数が所定回数と異なる場合(ステップS260:NO)、出力部311は、交換タイミングが近いことを示す情報を表示しない。
【0099】
また、購入履歴取得部308は、購入履歴データベース302からある利用者における交換可能な部材(リフィル)130の購入履歴を取得する(ステップS262)。購入推定部309は、ステップS262で取得した購入履歴に基づいて交換可能な部材(リフィル)130の購入時の平均カプセル残量を求める(ステップS263)。購入推定部309は、交換時の平均カプセル残量から現在のカプセル残量を減算することで、購入タイミングまでの消費カプセル数を推定する(ステップS264)。
【0100】
出力部311は、ステップS264で推定した消費カプセル数が所定数と等しいか否かを判定する(ステップS265)。消費カプセル数が所定数に等しい場合(ステップS265:YES)、出力部311は、交換可能な部材(リフィル)130の購入タイミングが近いことを示す情報を表示する(ステップS266)。これにより、利用者は、交換可能な部材(リフィル)130の購入時期を認識することができる。
他方、消費カプセル数が所定数と異なる場合(ステップS265:NO)、出力部311は、購入タイミングが近いことを示す情報を表示しない。
【0101】
頻度推定部310は、使用履歴に基づいて香味カプセル130の使用開始日時から最終使用日時までの時間を吸引回数で除算することで、エアロゾル発生装置100の直近に使用されたいくつかの香味カプセル130に係る使用頻度を推定する(ステップS267)。頻度推定部310は、推定した使用頻度に基づいて使用頻度の変化量を算出する(ステップS268)。
出力部311は、使用頻度の変化量が所定の閾値(負数)以下であるか否かを判定する(ステップS269)。すなわち、出力部311は、使用頻度の変化量が低下しているか否かを判定する。使用頻度の変化量が所定の閾値以下である場合(ステップS269:YES)、購入履歴データベース302に記録された過去に購入されたフレーバーと異なるフレーバーの香味カプセル130または異なる機種のエアロゾル発生装置100を提案する情報を表示する(ステップS270)。
【0102】
以上、図面を参照していくつかの実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、上述の実施形態においては、使用情報が、吸引回数または延べ吸引時間を格納するが、これに限られない。例えば、他の実施形態において、吸引回数などの使用量を含まない場合、使用量特定部304は、使用情報取得部303が受信した使用情報を受信するたびに吸引回数に「1」を加算することで、吸引回数を特定してもよい。また例えば、他の実施形態において、使用情報が1回の吸引に掛かる吸引時間を格納する場合、使用量特定部304は、吸引時間を積算することで、延べ吸引時間を特定してもよい。
【0103】
また、上述の実施形態では、情報提供サーバ300は、情報を通信装置200に送信するが、これに限られない。例えば、他の実施形態においては、SNSなどのコミュニケーションツールのサーバ装置や、利用者がアクセスするポータルサイトに情報を送信してもよい。また、他の実施形態では、情報提供サーバ300は、購入タイミングに関する情報として、交換可能な部材(リフィル)130の自動購入に係る情報を送信してもよい。通信装置200は、交換可能な部材(リフィル)130の自動購入に係る情報を受信した場合、発注の要否を選択するためのボタンを表示し、利用者が当該ボタンを押下することで、交換可能な部材(リフィル)130を発注する。また、他の実施形態においては、情報提供サーバ300は、提携するECサービスに自動的に発注処理を行ってもよい。
【0104】
また、上述の実施形態では、情報提供サーバ300は、交換タイミングまたは購入タイミングに基づく所定のタイミングで、交換タイミングまたは購入タイミングに関する情報を送信するが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係る情報提供サーバ300は、利用者が通信装置200のアプリケーションプログラムによってリクエストされたときに、交換タイミングまたは購入タイミングに関する情報を送信してもよいし、吸引機会ごとに当該情報を送信してもよい。
【0105】
また、上述の実施形態では、情報提供システム1は、交換可能な部材(リフィル)130の購入タイミングおよび交換タイミングに関する情報を提示するが、これに限らない。他の実施形態においては、情報提供システム1は、霧化ユニット120の購入タイミングおよび交換タイミングに関する情報を提示してもよい。また、他の実施形態においてエアロゾル発生装置100が加熱式たばこである場合、情報提供システム1は、たばこスティックの購入タイミングおよび交換タイミングに関する情報を提示してもよい。また、他の実施形態においてエアロゾル発生装置100がE-Vaporである場合、情報提供システム1は、液体(リキッド)を含むタンクの購入タイミングおよび交換タイミングに関する情報を提示してもよい。
【0106】
〈コンピュータ構成〉
図13は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ90は、プロセッサ91、メインメモリ92、ストレージ93、インタフェース94を備える。
上述の通信装置200および情報提供サーバ300は、コンピュータ90に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ93に記憶されている。プロセッサ91は、プログラムをストレージ93から読み出してメインメモリ92に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、プロセッサ91は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ92に確保する。
プログラムは、コンピュータ90に発揮させる機能の一部を実現するためのものであってもよい。例えば、プログラムは、ストレージに既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせ、または他の装置に実装された他のプログラムとの組み合わせによって機能を発揮させるものであってもよい。なお、他の実施形態においては、コンピュータは、上記構成に加えて、または上記構成に代えてPLD(Programmable Logic Device)などのカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)を備えてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。この場合、プロセッサによって実現される機能の一部または全部が当該集積回路によって実現されてよい。
【0107】
ストレージ93の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ93は、コンピュータ90のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インタフェース94または通信回線を介してコンピュータ90に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ90に配信される場合、配信を受けたコンピュータ90が当該プログラムをメインメモリ92に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ93は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0108】
また、当該プログラムはあ、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、当該プログラムは、前述した機能をストレージ93に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0109】
情報処理装置は、エアロゾル発生装置の交換可能な部材(リフィル)において適切な購入タイミングを特定することができる。
【符号の説明】
【0110】
1 情報提供システム
100 エアロゾル発生装置
110 電源ユニット
111 バッテリー
112 センサ
113 制御回路
114 記憶部
115 通知部
120 霧化ユニット
121 差し込み穴
122 熱源
123 リーダ
124 リザーバ
125 霧化部
126 空気取込流路
127 エアロゾル流路
128 吸口部
129 矢印
130 交換可能な部材(リフィル)
131 識別子
132 香味源
200 通信装置
300 情報提供サーバ
301 使用履歴データベース
302 購入履歴データベース
303 使用情報取得部
304 使用量特定部
305 交換判定部
306 使用履歴更新部
307 交換推定部
308 購入履歴取得部
309 購入推定部
310 頻度推定部
311 出力部
312 機会使用量特定部
400 ネットワーク
図1
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図13