(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】参照維持と同時並行したコンピュータ支援設計モデルの簡易化
(51)【国際特許分類】
G06F 30/10 20200101AFI20221220BHJP
【FI】
G06F30/10
(21)【出願番号】P 2021031848
(22)【出願日】2021-03-01
(62)【分割の表示】P 2018566272の分割
【原出願日】2017-06-16
【審査請求日】2021-03-31
(32)【優先日】2016-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500430693
【氏名又は名称】ダッソー システムズ ソリッドワークス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロバート エム.シーゲル
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド ヴァン ザイル ザ サード
【審査官】田中 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-150692(JP,A)
【文献】特開2007-233560(JP,A)
【文献】特開2005-284413(JP,A)
【文献】特表2010-517136(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ支援設計モデルを簡易化するためコンピュータ実施される方法であって、
前記方法は、
複数のフィーチャーから構成されたコンピュータ支援設計(CAD)モデルを構築することと、
固有の識別子を前記複数のフィーチャーのうち2つのフィーチャーと関連付け、(i)前記2つのフィーチャーは1組の面から成り、かつ、(ii)各々の固有のユニークな識別子は前記1組の面において1つの個々の面を識別することと、
前記2つのフィーチャーの削除に応じて、
新しいフィーチャーを
生成して前記2つのフィーチャーを置き替えることと、
新しい識別子を前記生成された新しいフィーチャーの各々の面に割り当てることと、
(a)前記2つのフィーチャーと関連した前記固有の識別子と、(b)前記新しいフィーチャーのそれぞれの面に割り当てられた前記新しい識別子と間のコンピュータメモリにマッピングを作成することであって、前記マッピングは、前記固有の識別子を前記新しい識別子に変換することを可能にすることと、
を含むコンピュータ実施される方法。
【請求項2】
前記マッピングは、前記新しいフィーチャーを、参照された面を識別する所与の固有の識別子に関連付けることによって、前記1組の面に含まれた前記参照された面に対する実装された参照の維持を可能にする請求項1に記載のコンピュータ実施される方法。
【請求項3】
前記実装された参照が、(i)派生部品参照、(ii)組立体メイト参照、(iii)見取り図参照、(iv)図面の寸法参照、(v)注釈参照,(vi)カスタムプロパティ参照、および(vii)文書設定参照の組のうち少なくとも一つである、請求項2に記載のコンピュータ実施される方法。
【請求項4】
前記マッピングは、前記2つのフィーチャーと関連した少なくとも一つの固有の識別子を使用する動作の不良を
、前記動作が該動作により使用される前記少なくとも一つの固有の識別子に対応する所与の新しい識別子を決定することを可能にすることで防止する請求項1に記載のコンピュータ実施される方法。
【請求項5】
前記マッピングは、(i)識別された面および(ii)前記識別された面の対応する幾何学的エンティティのうちの一方または両方を位置づけることを可能にする、請求項1に記載のコンピュータ実施される方法。
【請求項6】
前記CADモデルが履歴ベースモデルであり、
前記2つのフィーチャーを削除することが、前記2つのフィーチャー
に関連した履歴データを削除することを含む、請求項1に記載のコンピュータ実施される方法。
【請求項7】
前記コンピュータメモリに保存されたデータ構造内の前記固有の識別子及び前記新しい識別子を収集することをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実施される方法。
【請求項8】
前記固有の識別子は、前記データ構造の個々の前記新しい識別子を相互参照する
ために用いられる、請求項7に記載のコンピュータ実施される方法。
【請求項9】
所与の固有の識別子を前記新しいフィーチャーのエンティティのために作成された対応する新しい識別子に動的に変換することをさらに含む請求項1に記載のコンピュータ実施される方法。
【請求項10】
コンピュータ支援設計システムを簡易化するシステムであって、前記システムは、
プロセッサと、
コンピュータコード命令が格納されたメモリであって、前記プロセッサ及び前記メモリは、前記コンピュータコード命令により、前記システムに、
複数のフィーチャーから構成され
たコンピュータ支援設計システム(CAD)モデルを構築し、
固有の識別子を前記複数のフィーチャーの2つの特徴と関連付け、(i)前記2つのフィーチャーは1組の面から成り、かつ、(ii)各々の固有のユニークな識別子は前記組の面において1つの個々の面を識別し、かつ、
前記2つの特徴の削除に対応して、
新しい
フィーチャーを生成し、前記2つの
フィーチャーを置き換え、
新しい識別子を前記生成された新しいフィーチャーのうちのそれぞれの面に割り当て、かつ、
(a)前記2つのフィーチャーと関連した前記固有の識別子と、(b)前記新しいフィーチャーのそれぞれの面に割り当てられた前記新しい識別子との間のコンピュータメモリ内におけるマッピングを生成し、前記新しい特徴のそれぞれの面に割り当てられ、前記マッピングは、前記固有の識別子を前記新しい識別子に変換することを可能にする
ことを引き起こすように構成されているシステム。
【請求項11】
前記マッピングは、前記新しいフィーチャーを、参照された面を識別する所与の固有の識別子に関連付けることによって、前記1組の面に含まれる前記参照された面に対する実装された参照の維持を可能にする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記実装された参照が、(i)派生部品参照、(ii)組立体メイト参照、(iii)見取り図参照、(iv)図面の寸法参照、(v)注釈参照,(vi)カスタムプロパティ参照、および(vii)文書設定参照のうち少なくとも一つである、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
動作により使用される少なくとも一つの固有の識別子に対応する所与の新しい識別子を決定する前記動作を可能にすることで、前記マッピングは、前記2つのフィーチャーと関連した少なくとも一つの固有の識別子を使用する前記動作の不良を防止する、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記マッピングは、(i)識別された面および(ii)前記識別された面の対応する幾何学的エンティティのうちの一方または両方を位置づけることを可能にする、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記CADモデルが履歴ベースモデルであり、
前記2つのフィーチャーを削除するとき、前記プロセッサ及び前記メモリは、前記コンピュータコード命令により、前記システムに、
前記複数のフィーチャーのうちの前記2つのフィーチャーに関連付けられた履歴データを削除させるようにさらに構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記プロセッサ及び前記メモリは、前記コンピュータコード命令により、前記システムに、
前記
コンピュータメモリに保存されたデータ構造内の固有の識別子及び前記新しい識別子を収集させるようにさらに構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
前記固有の識別子は、データ構造内の個々の前記新しい識別子を相互参照する
ために用いられる、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記プロセッサ及び前記メモリは、前記コンピュータコード命令により、前記システムに、
所与の固有の識別子を前記新しいフィーチャーのエンティティのため
に作成された対応する識別子に動的に変換させるようさらに構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
1つまたは複数のクライアントとネットワークを介して通信するサーバーによって実行されたコンピュータープログラムであって、前記コンピュータープログラムは、
プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
1つまたは複数のフィーチャーを含むコンピュータ支援設計システム(CAD)モデルを構築し、
固有の識別子を2つの前記複数のフィーチャーと関連付け、(i)前記2つのフィーチャーは1組の面から成り、かつ、(ii)各々の固有のユニークな識別子は前記1組の面において1つの個々の面を識別し、
前記2つのフィーチャーの削除に応じて、
新しいフィーチャーを
生成して前記2つのフィーチャーを置き替えることと、
新しい識別子を前記生成された新しいフィーチャーのそれぞれの面に割り当てることと、
(a)前記2つのフィーチャーと関連した前記固有の識別子と、(b)前記新しいフィーチャーのそれぞれの面に割り当てられた前記新しい識別子と間のコンピュータメモリ内のマッピングを作成することであって、前記マッピングは、前記固有の識別子を前記新しい識別子に変換することを可能にすることと、
を引き起こすプログラム命令を含むコンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2016年6月17日出願の米国仮特許出願第62/351,644号の利益を主張する。上記出願の全体の教授は、参照することによって本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアは、ユーザが複雑な三次元(3D)モデルを構築し、操作することを可能にする。いくつかの異なるモデリング技法を使用して、3Dモデルを生成することができる。1つのこうした技術は、ソリッドモデリング技法であり、それは、3Dモデルが相互接続されたトポロジカルなエンティティ(例えば、頂点、辺、および面)の集まりであるトポロジカルな3Dモデルを提供する。トポロジカルなエンティティは、対応する支持する幾何学的エンティティ(例えば、点、切り取られた曲線、および切り取られた面)を有する。切り取られた面は、辺によって境界が定められたトポロジカルな面に対応する。
【0003】
一般に、ソリッドモデルは、モデリング作業によって生成される様々なフィーチャーから成る。例えば、ソリッドモデルは、押し出し操作によって生成される突起部および切断操作によって生成される穴を含んでもよい。突起と穴に加えて、フィーチャーは、非限定的な例としてフィレット、シェル、スイープ、および面取り部を含む。
【0004】
CADシステムは、ソリッドモデリングとパラメトリックモデリング技法などの他のモデリング技法を組み合わせてもよい。パラメトリックモデリング技法を使用して、モデルの異なるフィーチャーおよび構成要素のための様々なパラメータを定義し、様々なパラメータの間の関係に基づいてこれらのフィーチャーと構成要素の間の関係を定義することができる。ユーザが、1つまたは複数のフィーチャーのパラメータを変更した後、CADシステムは、そのフィーチャーから自動的にモデルを再構築することができる。フィーチャーに基づいたソリッドモデリングは、部分的に固有のパラメータ特性により、設計プロセス中の強力な編集能力を可能にする。
【0005】
設計技術者は、3D CADシステムの典型的なユーザである。設計技術者は、3Dモデルの物理的および美的態様を設計し、3Dモデリング技法に熟練している。設計技術者は、3D部品を作成し、3D部品を部分組立体または組立体に組み立てることができる。部分組立体はまた、他の部分組立体で構成されてもよい。組立体は、部品および部分組立体を用いて設計される。部品および部分組立体は、これ以降、一括して構成要素と呼ばれる。
【0006】
3Dモデルの2次元描写は、一般に3Dモデルの設計を準備し、正式に文書化するために使用される。こうした描写は、図面と呼ばれる。注記および寸法を含みうる図面を作成するため、CADシステムは、3D部品モデルならびにモデル中の参照頂点、辺、および面を参照して、作図することができる。
【0007】
多くのCADシステムは、履歴ベースのCADモデルを構築する。一般に履歴ベースの部品のCADモデルは、2次元見取り図によって制御された基礎フィーチャーを生成することによって作成され、その後、非限定的な例として、回転操作、ロフト操作、またはスイープ操作を使用して押し出しをすることができる。CADモデルのそれぞれのその後のフィーチャーは、以前のフィーチャーの上に作られ、したがって、以前に作成されたフィーチャーに基づいている。ユーザが、履歴ベースのモデルのフィーチャーを編集するとき、そのモデルは、以前の状態、すなわち、 その後の依存的なフィーチャーを作成する前の状態にロールバックする。履歴ベースのモデリングシステムは、典型的には設計プロセス内の以前のステップと現在のステップとの間にインクリメンタル操作を保存する。これらのインクリメンタル操作により、最初から全体のモデルを再構築することに比べて、ロールバックならびにロールフォワードおよびその他の操作のためより高性能な水準に達することができる。しかし、一モデルにすべてのこれらのインクリメンタル操作を保存することは、3D部品がかなり複雑でありえ(例えば、100以上のフィーチャーを含む)、3Dモデルがかなり複雑でありうる(例えば、何千もの部分組立体を含む)ことを考えると、やはり性能に影響を与える。
【0008】
インクリメンタル操作は、部品モデルを編集するとき、より速い速度を可能にしうる。しかし、より大きいモデルでは、インクリメンタル操作は、モデルのサイズへの影響が顕著であり、読み込み、保存、および全体的なメモリの使用量など操作に影響を与える。さらに、多くのユーザが知る大きな影響は、大きいモデルの再構築時間であり、起きる理由は様々でありえ、一部品を作業しているときだけでなく、部品が組立体または図面に含まれているときにも、起こりうる。
【0009】
設計が完了したときまたは設計プロセス中、ユーザは、3Dモデルに保存されるデータ量を減らしてCADシステムの性能を上げたいと思う場合がある。その上、ユーザは、もはや必要でないモデルから無関係なフィーチャーを取り除きたいと思う場合がある。ユーザはまた、3Dモデルを他人と共有する前に3Dモデルの所有者の態様を隠したいと思う場合があり、したがって、所定のフィーチャーを取り除きたいと思う可能性がある。
【0010】
設計のフィーチャーを取り除くため、従来技術では、3D部品モデルをそのモデルの幾何学的形状だけを含む中立フォーマットにエクスポートし、そして3D部品モデルをトポロジカルなフィーチャーの定義なしにCADシステムに再インポートすることをユーザに可能にする。したがって、幾何学的形状だけが3D部品モデルを定義する。この方法の欠点は、組立体または図面が3D部品モデルを使用する場合、面、辺、および頂点参照ができなくなり、ユーザは、各参照を苦労して再定義することにより欠陥を修正する必要があることである。さらなる欠点としては、組立体モデルおよび/または図面モデルは、3D部品の所有者のみが読み出しアクセス権を持ちうるファイルに保存されうることである。したがって、ユーザは、欠陥を修正することを許可されない場合がある。これらの欠点を克服すると同時に3Dモデルの簡易化を可能にするシステムおよび方法は、現在の最先端の技術上の有益な改善である。
【発明の概要】
【0011】
一般に、一態様では、本発明の実施形態は、コンピュータ支援設計モデルを簡易化するためコンピュータ実施される方法を特徴とする。フィーチャーから成る三次元(3D)モデルは、コンピュータ支援設計(CAD)を用いて構築される。3Dモデルの2つ以上のフィーチャーを定義する日付は削除され、新しいフィーチャーが2つ以上のフィーチャーを置き換えるよう作成され、それぞれが1組の面から構成されている。減少したデータ量は、2つ以上のフィーチャーを定義するデータ量に関連する新しいフィーチャーに関連付けられる。さらに、固有の識別子は、それぞれの面の組内のそれぞれの1つの面を識別し、その方法は、面の組に含まれる参照された面に対して実装された参照の維持を可能にする固有の識別子のマッピングを作成する。マッピングは、参照された面を使用し、CADシステムによって実行される動作の不良を防止する。
【0012】
実施形態によっては、データ記憶システムに動作可能に結合されたプロセッサおよびプロセッサに動作可能に結合されたデータ記憶メモリを有するコンピュータ支援設計(CAD)システムを含む。こうした実施形態では、データ記憶システムは三次元(3D)モデルを保存し、データ記憶メモリは、1つまたは複数のフィーチャーから成る三次元(3D)モデルを構築するようプロセッサを構成する命令を備える。プロセッサはコマンドを受け取り、新しいフィーチャーによって置き替えられる3Dモデルの2つ以上のフィーチャー(それぞれが面エンティティを有する)を特定する。それぞれがそれぞれの面を識別する識別子のマッピングは、置き替えられたフィーチャー内の参照された面に対して実装された参照を維持することができる。マッピングは、参照された面を使用する動作不良を防止する。新しいフィーチャーが作成され、2つ以上のフィーチャーを置き替え、減少したデータ量は、2つ以上のフィーチャーを定義するデータ量に関連する新しいフィーチャーに関連付けられる。
【0013】
さらに実施形態によっては、コンピュータに1つまたは複数のフィーチャーから成る三次元(3D)モデルを構築させる命令を備える非一時的コンピュータ可読データ記憶媒体を含み、新しいフィーチャーによって置き替えられる3Dモデルの2つ以上のフィーチャーを特定し、それぞれが2つ以上のフィーチャーのそれぞれの1つの面を識別する識別子のマッピングを作成する。マッピングは、それぞれの面の1つに対して実装された参照を維持することができ、参照された面を使用し、CADシステムによって実行される動作不良を防止する。新しいフィーチャーは、2つ以上のフィーチャーを作成し置き替える。新しいフィーチャーは、2つ以上のフィーチャーに外観上似ている。さらに、減少したデータ量は、2つ以上のフィーチャーを定義するデータ量に関連する新しいフィーチャーに関連付けられる。
【0014】
本発明の他の態様は、3Dモデルが履歴ベースの3Dモデルであるとき、複数のフィーチャーの内の2つ以上のフィーチャーに関連付けられた履歴データを削除することを含む。さらに本発明の別の態様は、コンピュータメモリに保存されるデータ構造内に固有の識別子を収集し、2つ以上のフィーチャーを定義するデータを削除した後、それぞれの識別された面および/またはそれぞれの識別された面の対応する幾何学的エンティティを位置づけるマッピングを作成する。本発明の別の態様は、新しいフィーチャーにデータ構造内のそれぞれの識別子を相互参照する新しい識別子を割り当てる。本発明の他の態様は、実装された参照を評価することおよび評価された実装された参照を新しいフィーチャーのエンティティのために作られた対応する識別子に動的に変換することを含む。本発明の実施形態では、実装された参照は、派生部品参照、組立体メイト参照、見取り図参照、図面の寸法参照、注釈参照、カスタムプロパティ参照、および文書設定参照である。
【0015】
本発明の1つまたは複数の実施形態の詳細については、添付の図面および以下の説明に記載される。本発明の他の特長、目的、および利点については、その説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
前述は、類似の参照文字が、異なる図に渡って同じ対象物を指す、添付図面に図示する通り、本発明の例示の実施形態に関する、以下のより具体的な記載から明らかとなるであろう。図面は、必ずしも正確な縮尺ではなく、代わりに、本発明の実施形態を図示することに重点が置かれている。
【
図1】
図1は、本発明の実施形態における組立体および部品の図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態における組立体および部品の図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態における組立体および部品の図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態における組立体および部品の図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態における機構のネーミングの図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態におけるモデルを簡易化するステップを含む流れ図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態が実装されうるコンピュータシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、多くのフィーチャーを有する3D CAD部品において、こうしたフィーチャー全てを処理するための諸経費がかなりの程度であるという問題を対象とする。その上、こうした3D CAD部品および3D CAD部品を含む3D組立体モデルおよび多くの他の3D CAD部品の再構築には、非常に長い時間がかかりうる。本発明は、3Dモデルおよびその一部を簡易化することによりこの問題を解決し、その結果、簡易化されたモデルを再構築することが、即時になりうる。
【0018】
本発明は、フィーチャーに基づいたソリッドモデルを簡易化し、ソリッドモデルに保存されたデータ量を減らすことによってCADシステムの性能を向上させ、それにより、CADシステムの操作に使用されるデータ量およびCADシステムによって管理されるデータ量を減らす。モデルを簡易化する際、本発明では、フィーチャーおよび関連する履歴データ(例えば、フィーチャーが作成された順番を特定するデータおよびインクリメンタル操作を保存するデータ)を取り除く。フィーチャーの除去と共に、簡素化は、フィーチャーの面の固有の識別子(「ID」)を取り除く。これら識別子は、様々な動作が参照するために使用されている。動作不良を防ぐため、本発明は、様々な動作、構成要素、および図面によって必要とされる参照を維持する。これらの参照は、フィーチャーに基づいたソリッドモデリングシステムおよび/または面モデリングシステムを支持するコンピュータの処理において頻繁に利用されるので重要である。
【0019】
本発明は、新しいフィーチャーを作成して取り除かれたフィーチャーと置き替える。新しいフィーチャーはまた、組立体文書および図面文書または色などの部品文書への内部参照などの他の文書からの参照を解明するデータを含む。非限定的な例として、派生部品参照、組立体メイト参照、見取り図参照、図面寸法および注釈参照、カスタムプロパティ参照、ならびに文書設定参照を維持する、面、辺、および頂点参照は、維持される(後でさらに論じられる)。
【0020】
図1を参照すると、分割ウィンドウ100が図示されている。分割ウィンドウ100の左半分110は、組立体112およびフィーチャーマネージャデザインツリー114を示す。フィーチャーマネージャデザインツリー114において、組立体112はハウジング116という名前の部品であり、それは、組立体122において青色の3D部品モデル122である。分割ウィンドウ100の右半分120は、ハウジングという名前の部品の3D部品モデル122を示す。ハウジングのフィーチャーマネージャデザインツリー124は、3D部品モデル122のフィーチャーおよび3D部品モデル122の他の属性をリスト化している。フィーチャーは、複数のフィレット、突起、およびカット、ならびに面取り部を(フィーチャーの名前によって示されるように)含む。見ることができる通り、3D部品モデル122はかなり複雑である。
【0021】
図2は、3Dモデルを簡易化する簡易プロセスの最初を示す。
図2では、メニュー品目202が、ユーザによって選択されて3Dモデルの簡易化したモデルへの変換を開始する。
【0022】
図3は、簡易プロセスの完了時の結果を示す。3D部品モデル122のフィーチャーをリスト化するハウジング部品のフィーチャーマネージャデザインツリー124は、変換1 302と名づけられたフィーチャーだけをリスト化している。変換1 302と名づけられたフィーチャーは、
図1および2のフィーチャーマネージャデザインツリー124にリスト化された3D部品モデル122(すなわち、フィレット、突起、カット、面取り部など)の多くのフィーチャーを置き替えた。
【0023】
図4は、ダイアログ402が現れ、ユーザにフィーチャーが簡易化されたと通知する(すなわち、1つのフィーチャーが、2つ以上のフィーチャーに置き替えられた)変換プロセスの最後を示す。その後、ユーザは、簡易化された3D部品モデル122を有する組立体112を再構築することを選択できる。ユーザが、モデルを再構築することを選択するとき、フィーチャーマネージャデザインツリー114のフィーチャーのリストには、3D部品モデル122の全ての初期のフィーチャーは載ってないが、すべての初期のフィーチャーを置き替えた、簡易化された3D部品モデル122の変換1 302と名付けられたフィーチャーがリスト化されている。
【0024】
本発明の一実施形態において、ソリッドモデルおよび/またはサーフェスモデルの定義における各フィーチャーの操作は、固有の識別子(「ID」)をその操作によって作成された新しい面に割り当てる。そして、固有の識別子は参照として使用することができる。文字列などの他の表示もまた使用されてもよいが、各面IDは、一連の整数として表すことができる。一実施形態では、各IDは、少なくとも2つの要素を持ち、1つは面が属するフィーチャーへの参照であり、2つ目はフィーチャーから作成された各面に割り当てられた固有の要素である。IDは、通常、ソリッドモデルおよび/またはサーフェスモデルの面の属性として保存される。
【0025】
ここで
図5を参照すると、割り当てられたIDを備えるフィーチャー500が表示されて、識別子の考えられる実装を示している。フィーチャー500は、まず面B1-F1(すなわち、識別子B1-F1を有する面501)の輪郭の見取り図を作成することによって、そしてその見取り図をいくらか下方に押し出すことによって、構築された可能性がある。この例における押し出し見取り図は、フィーチャー500であり、それは突起のフィーチャーでB1という割り当てられたIDを持つ。フィーチャー500の面501、502、503、504は、それぞれID B1-F1、B1-F2、B1-F3、およびB1-F4を持つ。フィーチャー500の2つの隠れた面、すなわち、底面および背面はID B1-F5およびB1-F6を割り当てられている。辺および頂点のIDは、面IDから簡単に得ることができることに留意されたい。例えば、上面501と前面503の間の辺510は、ID 辺B1-F1/B1-F3を割り当てることができる。IDは、フィーチャーに関して公式で生成されてもよく(例えば、パターンフィーチャーの要素、押し出しフィーチャーの端部または側面、および見取り図のセグメントへの参照)、3Dモデルの幾何学形状に直接結びついていなくてもよい。
【0026】
IDは、双方向的である。すなわち、フィーチャーを考えると、そのフィーチャーに属する面を位置づけることができ、面を考えると、面が属するフィーチャーを位置づけることができる。この双方向性を使用して簡単なことは、ユーザがフィーチャーを選択する場合、ソリッドモデルの対応する面をハイライトできることである。同様に、ユーザがソリッドモデルの面を選択する場合、対応するフィーチャーをモデリング領域またはフィーチャーのリストまたは他のフィーチャーの文字表示(例えば、その例が
図1~4に示されている、Dassault Systemes SolidWorks Corporation of Waltham、MassachusettsのSOLIDWORKS(登録商標)のソフトウェアアプリケーションで入手可能なフィーチャーマネージャ(登録商標)デザインツリー内)にハイライトさせることができる。
【0027】
組立体、図面、または後で生成される部品のフィーチャーに使用される面、辺、および頂点への参照は、それぞれの面、辺、および/または頂点のIDのコピーを保存する。本発明の一実施形態では、面参照は、参照された面に隣接する面のIDと共に参照された面のIDを含む。面のIDはまた、辺または頂点を参照するため保存されてもよい。2つの面の間の辺は、これら2つの面のIDによって特定することができる。頂点は、頂点で交わる3つの面のIDによって特定することができる。
【0028】
ここで
図6を参照すると、3D部品を簡易化するためのプロセス600が、本発明の例示的な実施形態として示されている。3D部品を簡易化する前に、すべての既存の3D部品の面のIDをコピーし、表に保存する(ステップ605)。そして、マッピングが、3D部品の各面とそれぞれの面に対するIDに関連付けられた表の列との間に生成される(ステップ610)。マッピングは、表への単なるインデックスであってもよい。そして、全ての既存の3D部品のフィーチャーは、3D部品のトポロジおよびジオメトリを残して、3D部品の履歴データと同様に削除される(ステップ615)。次のステップでは、最初の参照を新しい参照に変換することを可能にする全てのマッピングデータと共に、初期のフィーチャーから生成されたトポロジおよびジオメトリを含む、単一の新しいフィーチャーが生成される(ステップ620)。このマッピングデータは、例えば、再建動作中に意図した面、辺、および頂点を見つけるため、組立体および図面からの最初の参照の自動評価を可能にする。新しいIDは、単一の新しいフィーチャーの面に割り当てられる(ステップ625)。例示的な実施形態では、固有のフィーチャーIDが、新しいフィーチャーのために作成され、その固有のフィーチャーIDおよび所与の面のIDを含む表の列のインデックスは、新しいフィーチャー内の対応する面のための新しいIDを形成する。保存された表に表される古い面のIDとそれぞれの対応する新しい面のIDをマップするすばやいルックアップテーブル(例えば、ハッシュテーブル)が作成される(ステップ630)。例えば、部品モデルを参照する組立体または製図文書が開かれたときなど任意の後の時点で、参照を評価できるように、元の面のIDを含む表およびすばやいルックアップテーブルの両方が、簡易化されたフィーチャーと共に保存される。
【0029】
プロセス600の最後のステップでは、新しいフィーチャーが「簡易化された」と示される(ステップ635)。プロセス600を実行すると、単一のフィーチャーが、3D部品の全てのフィーチャーのために作成される。プロセス600は、ユーザが指示する通り3Dモデル内の様々な3D部品に対して繰り返されてもよい。
【0030】
本発明の実施形態は、3D部品を部分的に簡易化することも可能にする。これらの実施形態は、ユーザが3D部品の特定のフィーチャーを指し示して削除することおよびそれから単一の新しいフィーチャーを作成することを可能にする。一部のフィーチャーだけが削除されるとき、その部品モデルは、削除される最後のフィーチャーが作成された状態の直前の以前の状態にロールバックされる。この以前の状態は、維持される(すなわち、簡易化されない)最初のフィーチャーが作成された状態でもある。ロールバックの後、トポロジおよびジオメトリは、モデリング履歴内のその時点までのフィーチャーによって生成された3Dモデルを表す。その後のフィーチャーは削除され、新しい簡易化されたフィーチャーが、これらの削除されたフィーチャーを新しい識別子に置き替え、本明細に記載されるマッピングが作成される。その上、トポロジおよびジオメトリは、新しい簡易化されたフィーチャーに移動される。残ったフィーチャーの内の最初の参照は、簡易化されたフィーチャー内に作成されたマッピングに基づいて新しい参照によって置き替えられる。最後に、維持されているフィーチャーは、最終モデルを生成するため再適用される。
【0031】
部品のフィーチャーの変換(ステップ605~635)の後、プロセス600は、簡易化された部品の文書を参照する組立体の文書および製図文書などの文書の参照を変換する。この変換は、組立体の文書または製図文書をユーザが開いて、メモリにロードしているとき、動的に発生する。したがって、変換は、部品が簡易化されるときに実行される必要はなく、簡易化の後、任意の時点で発生しうる。さらに、変換は、参照する文書(すなわち、組立体の文書または製図文書)の修正を要求しない。部品の文書の所有者は、他の文書への書き込み/編集アクセス権が無い場合があるので、これは重要である。
【0032】
プロセス600へのいくつかの拡張が可能である。一実施形態では、3D部品モデル内の複数の本体が簡易化されうる。例えば、2つのソリッド体から構成される3D部品モデルが簡易化されてもよく、ソリッド体およびサーフェス体から構成される3D部品モデルが簡易化されてもよい。さらに、本発明の実施形態は、既に論じた通り一部のフィーチャーだけが削除される3D部品モデルのフィーチャーの部分簡易化を実施する。
【0033】
本発明の実施形態では、面および辺への下流参照は、新しい幾何学形状の種類が参照を支持する限り、失敗しない。さらに、フィーチャーから作成された平面上の見取り図は、新しい面が平面である限り失敗しない(例えば、見取り図が依存する平面を失う)。出力された幾何学形状の辺上のフィレットも、失敗しない。さらに、出力された幾何学形状の面および辺に関する見取り図の制約および出力された幾何学形状を用いて定義される参照幾何学形状は失敗しない。
【0034】
図7は、CPU702、コンピュータのモニタ704、キーボード入力装置706、マウス入力装置708、および記憶装置710を含むコンピュータ化されたモデリングシステム700を示す。CPU702、コンピュータのモニタ704、キーボード706、マウス708、および記憶装置710は、一般に入手可能なコンピュータハードウェア装置を含んでもよい。例えば、CPU702は、インテルベースのプロセッサを含んでもよい。マウス708は、設計技術者が押下して、CPU702によって実行されるソフトウェアプログラムにコマンドを発行することができる従来の左ボタンおよび右ボタンを有してもよい。マウス708の代替で、または追加で、コンピュータ化されたモデリングシステム700は、マウス、スタイラス、タッチセンス式パッド、またはキーボード706に組み込まれたポインティング装置およびボタン等のポインティング装置を含んでもよい。同業者であれば、マウス装置に関連して本明細に説明したものと同じ結果が、別の入手可能なポインティング装置を使用して得られることを理解するであろう。本明細書の議論から明らかになるように、他の適切なコンピュータハードウェアのプラットフォームが好適である。こうしたコンピュータハードウェアのプラットフォームは、Microsoft Windows(登録商標)7およびWindows(登録商標)10、UNIX、Linux、またはMAC OSオペレーティングシステムを動作させることができることが好ましい。
さらなるコンピュータプロセシングユニットおよびハードウェア装置(例えば、ラピッドプロトタイプ装置、ビデオ、およびプリンタ装置)が、コンピュータ化されたモデリングシステム700に含まれてもよい。さらに、コンピュータ化されたモデリングシステム700は、ネットワークハードウェアおよびソフトウェアを含んでもよく、それによりハードウェアプラットフォーム712への通信を可能にし、他のコンピュータ構成要素の中でも、CPUおよび記憶システムを含む多数のコンピュータシステム間の通信を容易にする。
【0035】
コンピュータ支援モデリングソフトウェア(例えば、プロセス600)は、記憶装置710に保存され、CPU702に読み込まれ、CPU702に実行されてもよい。モデリングソフトウェアは、設計技術者が3Dモデルを作成し修正することを可能にし、本明細書に記載の本発明の態様を実施する。CPU702は、コンピュータのモニタ704を使用して、3Dモデルおよび上述の他の態様を表示する。キーボード706およびマウス708を使用して、設計技術者は、3Dモデルに関連するデータを入力し、修正することができる。CPU702は、キーボード706およびマウス708からの入力を受け付け、処理する。CPU702は、3Dモデルに関連するデータと共に入力を処理し、モデリングソフトウェアによって命令された通りコンピュータのモニタ704に表示され対応する適切な変更を行う。一実施形態では、モデリングソフトウェアは、1つまたは複数のソリッドおよびサーフェス体から構成される3Dモデルを構築するために使用することができるソリッドモデリングシステムに基づいている。
【0036】
本発明の実施形態は、デジタル電子回路、あるいはコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはその組み合わせで実施されてもよい。装置は、プログラム可能プロセッサにより実行するため機械可読記憶装置内で有形に具現化されたコンピュータプログラム製品に実装されてもよく、方法のステップは、命令プログラムを実行するプログラム可能プロセッサによって実施されて、入力データで動作し、出力を生成することにより機能を実施してもよい。本発明の実施形態は、データ記憶システム、少なくとも1つの入力装置、および少なくとも1つの出力装置からデータおよび命令を受け取り、データ記憶システム、少なくとも1つの入力装置、および少なくとも1つの出力装置へデータおよび命令を伝送するよう結合された少なくとも1つのプログラム可能プロセッサを含むプログラム可能システム上で実行可能な1つまたは複数のコンピュータプログラムで実施することができるので有利である。各コンピュータプログラムは、高水準の手続き型言語またはオブジェクト指向プログラミング言語で、あるいは所望であれば組立体言語または機械言語で実装されてもよい。いずれにしても、言語は、コンパイラ言語またはインタープリタ言語であってもよい。適切なプロセッサは、非限定的な例として、汎用および専用マイクロプロセッサの両方を含む。一般に、プロセッサは、命令およびデータを読み出し専用メモリおよび/またはランダムアクセスメモリから受け取り、実施形態によっては、命令およびデータをグローバルネットワークを介してダウンロードすることができる。有形に具現化するコンピュータプログラム命令およびデータのための好適な記憶装置は、例として、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリ装置などの半導体メモリ装置、内部ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、およびCD-ROMディスクを含む全ての非揮発性メモリの形態を含む。上述のいずれも、カスタム設計されたASIC(特定用途向け集積回路)によって補完されても、またはこれに組み入れられてもよい。
【0037】
本明細書に記載された本発明の実施形態またはその態様は、ハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェアの形態で実施することができる。ソフトウェアで実施された場合、そのソフトウェアは、プロセッサがソフトウェアまたはその命令のサブセットをロードできるように構成される任意の非一時的コンピュータ可読媒体に保存されてもよい。そして、そのプロセッサは命令を実行して、本明細書に記載された方法で作動するまたは装置を動作させるよう構成される。
【0038】
本発明は、例示的なコンピュータシステムの環境と共に説明されているが、本発明の実施形態は、数多くの他の汎用または専用コンピュータシステムの環境または構成と共に使用可能である。コンピュータシステムの環境は本発明のいかなる態様の使用または機能性の範囲に関していかなる制限を示唆することも意図していない。さらに、このコンピュータシステムの環境は、例示的な動作環境に示された構成要素のうちの任意の1つまたはその組み合わせに関していかなる依存性または必要性を有すると解釈されるべきではない。本発明の態様と共に使用するために適切でありうるコンピュータシステム、環境、および/または構成の例として、パーソナルコンピュータ(PC)、サーバコンピュータ、ハンドヘルドおよびラップトップデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、セットトップボックス、プログラム可能家電、携帯電話およびモバイルオペレーティングシステム、ネットワークPC、マイクロコンピュータ、メインフレームコンピュータ、上記のシステムまたは装置のいずれかを含む分散コンピューティング環境などが挙げられるが、それに限定されない。コンピュータシステムは、スタンドアロンの構成要素またはワークステーションを有してもよく、あるいはコンピュータシステムは、既知の通信ネットワーク、プロセシングネットワーク、クラウドベースのネットワーク、関連プロトコルなどのいずれかによってネットワーク化されたコンピュータから形成されていてもよい。
【0039】
理解されるように、ネットワークは、インターネットなどの公衆ネットワーク、またはLANまたはWANネットワークなどの私設ネットワーク、またはその任意の組み合わせであってもよく、PSTNまたはISDNサブネットワークを含んでもよい。ネットワークはまた、イーサネットワークなどの有線であってもよく、または携帯電話ネットワークは、EDGE、3Gおよび4G無線携帯電話システムを含む無線であってもよい。無線ネットワークはまた、WiFi、ブルートゥースまたは既知である通信の任意の他の無線形態であってもよい。このように、ネットワークは単に例示であり、本発明の進歩の範囲を制限するものではない。
【0040】
本発明の利点は、ユーザが3Dモデルおよび関連する図面モデルを修正して、無効な参照を訂正することを簡単にすると同時に、対話するため3Dモデルをより小さく、より速くすることを含む。完全な詳細の幾何学モデルは、質量特性、完全詳細表示、およびモデルの任意の詳細な形状を参照する能力などのモデルの完全な幾何学忠実度を含んで維持される。その上、本発明は、動作されるのにより少ないデータを必要とするので(例えば、再構築動作)、CADシステムの性能を向上させることができる。
【0041】
本発明の別の利点は、モデルを構築するために使用されるフィーチャーを示す必要がないので、ユーザが3Dモデルの所有者の内部設計を保持できることである。言い換えると、本発明は、モデルの所有者の態様の除去を可能にし、それは、モデルが第3者と共有される前には有用でありうる。本発明はまた、フィーチャーリスト内の情報の除去を可能にし、それは、より整頓されたユーザインタフェース領域を作成し、それにより、ユーザの生産性を向上することができる。
【0042】
さらなる利点は、参照が維持されるので、ユーザが、下流のメイト(すなわち、簡易化されたフィーチャーへの参照を含むメイト関係)ならびに全ての図面の寸法および注記を再実行し、作り直すことを容易にすることを含む。さらに、質量特性を再計算でき、3Dモデルの簡易化以前と同様に同じ値を生む。色などの他のカスタムプロパティのほか、これもまた維持される文書設定に関しても、同じことは真である。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態が説明されてきた。それにもかかわらず、本発明の範囲内で様々な修正がなされてもよいことは同業者には理解されるであろう。例えば、本発明の実施形態では、操作が実行される順序を変更してもよい。さらに、実施の必要に応じて、本明細書に記載の特定の操作が組み合わされた、排除された、追加された、またはその他の方法で再配置された操作として実施されてもよい。例えば、本発明の実施形態では、
図6のテップ615は、見取り図への押し出し操作を適用することによるフィーチャーの構築を示すデータなどのフィーチャーを作成した構築操作を示すデータを単に消去してもよい。