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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】冷却装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20221220BHJP
   F25D 9/00 20060101ALI20221220BHJP
   F25D 17/02 20060101ALI20221220BHJP
   H01L 23/473 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
H05K7/20 T
F25D9/00 B
F25D17/02 301
H01L23/46 Z
H05K7/20 N
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021078894
(22)【出願日】2021-05-07
(65)【公開番号】P2022172738
(43)【公開日】2022-11-17
【審査請求日】2021-05-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】磯谷 聡
【審査官】小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-136664(JP,A)
【文献】特開2017-033427(JP,A)
【文献】特開平03-208365(JP,A)
【文献】特開2013-183023(JP,A)
【文献】特表2015-501489(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0163631(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109065992(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
F25D 9/00
F25D 17/02
H01L 23/473
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱部材を含む電子回路基板と、前記発熱部材から受熱する部材であって、熱媒体を利用することによって前記発熱部材を冷却する冷却部材と、を含むモジュールを複数搭載する筐体の内部に、少なくとも一部が配置され、前記筐体の外部から供給された前記熱媒体が通過する第1の可撓性配管と、
前記第1の可撓性配管から、複数の前記モジュールのうちのいずれかの一のモジュールに含まれる前記冷却部材と、複数の前記モジュールのうちのいずれかの他のモジュールに含まれる前記冷却部材に前記熱媒体を供給する第2の可撓性配管と、に前記熱媒体を分岐させる分岐部材とを備え、
前記分岐部材は、前記冷却部材とともに設けられ
前記冷却部材は、前記発熱部材と重なって配置されるコールドプレートである
ことを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
前記第1の可撓性配管の管径は、前記第2の可撓性配管の管径より大きい、
請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記第2の可撓性配管と、
前記分岐部材とともに設けられている前記冷却部材である第1の冷却部材から排出された前記熱媒体と、前記他のモジュールに含まれる前記冷却部材である第2の冷却部材から排出された前記熱媒体と、を合流させる合流部材と、をさらに備える、
請求項1または2に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記合流部材は、前記第2の冷却部材とともに設けられ、前記第1の冷却部材から排出された前記熱媒体が通過する、第3の可撓性配管から流入する前記熱媒体と、前記第2の冷却部材から排出された前記熱媒体と、を合流させ、
請求項3に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記合流部材は、前記第1の冷却部材とともに設けられ、前記第2の冷却部材から排出された前記熱媒体が通過する、第3の可撓性配管から流入する前記熱媒体と、前記第1の冷却部材から排出された前記熱媒体と、を合流させ、
請求項3に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記第2の可撓性配管は、複数の可撓性配管がカップリング部材によって直列に接続された配管である、
請求項1乃至5のいずれかに記載の冷却装置。
【請求項7】
前記第2の可撓性配管は、分岐用フィッティング部材によって、他の可撓性配管とも接続され、前記分岐部材から流入する前記熱媒体を、前記第2の可撓性配管と前記他の可撓性配管とに分岐させる、
請求項1乃至6のいずれかに記載の冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発熱部材を冷却する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
発熱部材を含む電子部品を冷却する技術が存在する。例えば、特許文献1及び2には、冷却対象である発熱部材と冷却部材とが積層された積層体に熱媒体を供給することで発熱部材を冷却する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-145317号公報
【文献】特開2019-097237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一つの機器に冷却対象が複数設置されることがある。この場合、冷却対象の配置を柔軟に決定できるように、冷却部材に冷媒を供給する配管を、ゴム等の可撓性が高い材料が用いられた配管とすることがある。しかし、機器の外部から熱媒体を供給する配管が、冷却対象ごとに独立して接続されると、機器内の配管の本数が増加する。配管の本数が増加すると、機器の内部が配管で圧迫される。機器の内部が圧迫されると、例えば、機器内部の温度が上昇する虞がある。また、機器の内部が圧迫されないように機器を構成しようとすると、機器が大型化してしまう。
【0005】
特許文献1及び2に開示される技術は、冷却対象と冷却部材に供給する配管とを固定することを前提としている。そのため、特許文献1及び2には、上記のような場面は想定されていない。
【0006】
本開示は、上記課題を鑑みてなされたものであり、配管の本数の増加を抑制することが可能な冷却装置等を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様にかかる冷却装置は、発熱部材を含む電子回路基板と、前記発熱部材から受熱する部材であって、熱媒体を利用することによって前記発熱部材を冷却する冷却部材と、を含むモジュールを複数搭載する筐体内に、少なくとも一部が配置され、前記筐体外から供給された前記熱媒体が通過する第1の可撓性配管と、前記第1の可撓性配管から、前記モジュールに含まれる前記冷却部材と第2の可撓性配管とに前記熱媒体を分岐させる分岐部材とを備え、前記分岐部材は、前記冷却部材とともに設けられている。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、配管の本数の増加を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の第1の実施形態の冷却装置の構成の一例を示す平面図である。
図2】本開示の第1の実施形態の冷却装置の構成の一例を示す断面図である。
図3】本開示の第2の実施形態の冷却装置の構成の一例を示す平面図である。
図4】本開示の変形例1の冷却装置の構成の一例を示す平面図である。
図5】本開示の第3の実施形態の冷却装置を含む電子機器の構成の一例を示す斜視図である。
図6】本開示の第3の実施形態の電子機器の下段の構成の一例を示す平面図である。
図7】本開示の第3の実施形態の電子機器の上段の構成の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0011】
<第1の実施形態>
第1の実施形態の冷却装置の概要について説明する。
【0012】
図1は、冷却装置100の構成の一例を示す平面図である。図1に示すように、冷却装置100は、第1の可撓性配管10と分岐部材11とを備える。
【0013】
筐体200には、複数のモジュールが配置される。図1に示すモジュール1は、筐体に配置されるモジュールの一例である。モジュール1は、例えば、発熱部材14を含む電子回路基板15と、冷却部材12とを有する。冷却部材12は、発熱部材14の上に配置されている。冷却部材12は、発熱部材14から受熱する部材である。冷却部材12は、分岐部材から熱媒体が供給され、発熱部材14から受け取った熱を熱媒体に受熱させる。冷却部材12は、このように熱媒体を利用することにより発熱部材14を冷却する。
【0014】
第1の可撓性配管10、分岐部材11、及び第2の可撓性配管13の内部は、熱媒体が通過する。第1の可撓性配管の一端は、分岐部材11と接続される。第1の可撓性配管の他端は、例えば、熱媒体を供給するポンプまたはラジエータ等と接続されるが、図1では記載を省略している。また、第2の可撓性配管13の一端は、分岐部材11と接続される。第2の可撓性配管13の他端は、例えば、複数のモジュールのうちのいずれかであって、モジュール1と異なる他のモジュール等と接続されるが、図1では記載を省略している。なお本開示において、可撓性配管は、例えば、EPDM(Ethyleme Propylene Diene Monomer)ゴム等の可撓性の高い材質の配管である。可撓性配管は、ホースまたはチューブとも呼ばれる。
【0015】
図2は、冷却装置100の構成の一例を示す断面図である。具体的には、図2は、図1のA-A線に沿う断面図である。図2に示す矢印は、熱媒体が通過する方向を示す。例えば、筐体外から供給される熱媒体は、第1の可撓性配管10を通過し、分岐部材11に供給される。分岐部材11は、第1の可撓性配管10から供給された熱媒体を、冷却部材12と第2の可撓性配管13とに分岐させる。すなわち、第2の可撓性配管13は、複数のモジュールのうちのいずれかの他のモジュールに含まれる冷却部材に、分岐部材11から流入した熱媒体を供給する。このとき、第2の可撓性配管13には、発熱部材14による発熱の影響を直接受けていない熱媒体が供給される。
【0016】
このように、第1の実施形態の冷却装置100は、発熱部材を含む電子回路基板と、発熱部材から受熱する部材であって、熱媒体を利用することによって発熱部材を冷却する冷却部材と、を含むモジュールを複数搭載する筐体の内部に、少なくとも一部が配置され、筐体の外部から供給された熱媒体が通過する第1の可撓性配管と、第1の可撓性配管から、複数のモジュールのうちのいずれかの一のモジュールに含まれる冷却部材と、複数の前記モジュールのうちのいずれかの他のモジュールに含まれる前記冷却部材に前記熱媒体を供給する第2の可撓性配管と、に熱媒体を分岐する分岐部材と、を備える。そして、分岐部材は、冷却部材とともに設けられている。これにより、冷却装置100は、例えば、筐体外から熱媒体を供給する配管を、モジュールごとに独立して設けなくとも、各モジュールの冷却部材に熱媒体を供給することができる。すなわち、第1の実施形態の冷却装置100は、配管の本数の増加を抑制することができる。さらに、第2の可撓性配管に流入する熱媒体は、発熱部材による発熱の影響を直接受けていない。すなわち、第1の実施形態の冷却装置100は、第2の可撓性配管から他のモジュールの冷却部材に熱媒体を供給する場合に、他のモジュールの冷却部材に対しても、温度上昇を抑制した熱媒体を供給することができる。
【0017】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態の冷却装置について説明する。
【0018】
図3は、第2の実施形態の冷却装置101の構成の一例を示す平面図である。図3の例では、筐体200にモジュール1とモジュール2とが搭載されている。モジュール1は、発熱部材14を含む電子回路基板15と、冷却部材12とを有する。モジュール2は、発熱部材24を含む電子回路基板25と、冷却部材22とを有する。発熱部材14、24は、例えば、CPU(Control Processing Unit)及びメモリ等であるが、この例に限らない。冷却部材22は、冷却部材12と同様に、発熱部材24を冷却する部材である。すなわち冷却部材22は、発熱部材24の上に配置され、発熱部材24から受け取った熱を熱媒体に受熱させることにより発熱部材24を冷却する。冷却部材12、22は、コールドプレートと呼ばれることもある。また、本実施形態において、冷却部材12を第1の冷却部材と称し、冷却部材22を第2の冷却部材と称することもある。モジュール1とモジュール2とは、冷却部材による冷却方法は同様であるが、異なる装置であってよい。また、モジュール1とモジュール2とには、図3に示す部材に加え、さらに別の部材が搭載されてもよい。
【0019】
冷却部材12には、分岐部材11と接続接手16とが設けられている。接続接手16は、冷却部材12と第3の可撓性配管17とを接続する。すなわち、冷却部材12から排出される熱媒体は、接続接手16を通過し、第3の可撓性配管17に流入する。
【0020】
冷却部材22には、接続接手26と、合流部材23とが設けられている。接続接手26は、冷却部材22と第2の可撓性配管13とを接続する。すなわち、第2の可撓性配管13を流れた熱媒体は、接続接手26を通過し、冷却部材22に供給される。合流部材23は、分岐部材11とともに設けられている冷却部材12から排出された熱媒体と、冷却部材22から排出された熱媒体と、を合流させる。より具体的には、合流部材23は、冷却部材22と第3の可撓性配管17と第4の可撓性配管18とを接続する。すなわち、合流部材23は、冷却部材22から排出される熱媒体と第3の可撓性配管17から流入する熱媒体とを合流させ、第4の可撓性配管18に排出する。
【0021】
次に、図3に示す冷却装置101において、熱媒体が通過する経路を順番に説明する。第1の可撓性配管10は、筐体200外のポンプまたはラジエータ等(図示せず)から供給された熱媒体を、分岐部材11に供給する。分岐部材11は、冷却部材12と第2の可撓性配管13とに熱媒体を分岐する。ここで、例えば、第1の可撓性配管10に2L/min(リットル毎分)の流量で熱媒体が供給されるとする。この場合、例えば分岐部材11は、冷却部材12と第2の可撓性配管13とのそれぞれに、1L/minの流量で熱媒体を供給する。このとき、流量に合わせて可撓性配管の管径が異なっていてもよい。例えば、第1の可撓性配管10の管径は、第2の可撓性配管13の管径より大きくしてもよい。
【0022】
冷却部材12を流れる熱媒体は、発熱部材14及び冷却部材12から熱を受け取り、接続接手16と第3の可撓性配管17とを通過し、合流部材23に流入する。また、分岐部材11から第2の可撓性配管13に供給された熱媒体は、接続接手26を通過し、冷却部材22に流入する。冷却部材22を流れる熱媒体は、発熱部材24及び冷却部材22から熱を受け取り、合流部材23に流入する。そして、熱媒体は、合流部材23から、第4の可撓性配管18に流入する。第4の可撓性配管18は、例えば、筐体200外のラジエータ等に接続される。すなわち、筐体200内で熱を受け取った熱媒体は、第4の可撓性配管18を通過し、ラジエータ等によって冷却される。冷却された熱媒体は、再度第1の可撓性配管10に供給される。
【0023】
このように、第2の実施形態の冷却装置101は、発熱部材を含む電子回路基板と、発熱部材から受熱する部材であって、熱媒体を利用することによって発熱部材を冷却する冷却部材と、を含むモジュールを複数搭載する筐体内に、少なくとも一部が配置され、筐体外から供給された熱媒体が通過する第1の可撓性配管と、第1の可撓性配管から、モジュールに含まれる冷却部材と第2の可撓性配管とに熱媒体を分岐する分岐部材とを備える。そして、分岐部材は、冷却部材とともに設けられている。これにより、第1の実施形態の冷却装置100と同様の効果を奏する。
【0024】
また、第2の実施形態の冷却装置101は、第2の可撓性配管と、分岐部材とともに設けられている冷却部材である第1の冷却部材から排出された前記熱媒体と、第2の冷却部材から排出された熱媒体と、を合流させる合流部材と、をさらに備える。このとき、第2の冷却部材は、他のモジュールに含まれる冷却部材である。このように構成することで、冷却部材のそれぞれから排出される熱媒体を、独立した配管を用いて筐体外へ排出する必要がなくなる。すなわち、配管の本数の増加を抑制することができる。
【0025】
[変形例1]
冷却装置は図4に示すよう構成されてもよい。図4は、変形例1の冷却装置101の構成の一例を示す平面図である。図4に示すように、冷却部材12には、分岐部材11と合流部材23とが設けられている。また、冷却部材22には、接続接手26、27が設けられている。
【0026】
変形例1では、冷却部材22を通過した熱媒体は、接続接手27を通過し、第3の可撓性配管17に流入する。合流部材23は、第3の可撓性配管から流入する熱媒体と、冷却部材12から排出される熱媒体と、を合流させる。そして合流部材23から排出される熱媒体は、第4の可撓性配管18に流入する。
【0027】
このように、変形例1の冷却装置101において、合流部材は、第1の冷却部材とともに設けられ、第3の可撓性配管から流入する熱媒体と、第1の冷却部材から排出された熱媒体と、を合流させる。このとき、第3の可撓性配管は、第2の冷却部材から排出された熱媒体が通過する。このように構成することにより、図3の冷却装置に比べ、筐体内の配管による圧迫を抑制することができる。
【0028】
[変形例2]
第2の実施形態では、筐体200が2つのモジュールを搭載している例について説明したが、筐体200に搭載されているモジュールは3つ以上であってもよい。例えば、図3の例において、接続接手26の代わりに分岐部材を備え、当該分岐部材から、モジュール1、2と異なるモジュールが備える冷却部材に対して熱媒体を供給するよう構成してもよい。この場合、当該冷却部材と分岐部材とは、可撓性配管及び接続接手により接続される
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態の冷却装置について説明する。なお、第1及び第2の実施形態で説明した内容と重複する内容については、一部内容を省略する。
【0029】
図5は、第3の実施形態の冷却装置102を含む電子機器1000の構成の一例を示す斜視図である。電子機器1000は、例えばサーバであってよい。また、例えば、複数の電子機器1000がサーバラック(図示せず)に収容され、複数の電子機器1000は、一まとまりのサーバとして動作してもよい。
【0030】
電子機器1000は、筐体300とメイン基板9と冷却装置102と複数のモジュールとを備える。メイン基板9と冷却装置102と複数のモジュールとは、筐体300内に収容される。メイン基板9と複数のモジュールとは接続される。ここで、本実施形態では、複数のモジュールとして、モジュール3A、3B、4A、4B、5A、5B、6A、6B、8が存在する。例えば、図5に示すようにモジュール5Aは、モジュール5Bの上部(すなわち+z軸方向)に配置されている。同様に、モジュール3A、4A、6Aのそれぞれは、モジュール3B、4B、6Bの上部(+z軸方向)に配置されている。モジュール3A、4A、5A、6A、8は、複数の可撓性配管を介して接続されている。本実施形態では、モジュール3A、4A、5A、6A、8を含む構成を、電子機器1000の上段と称する。また、モジュール3B、4B、5B、6Bを含む構成を、電子機器1000の下段と称する。なお、本実施形態において、モジュール3A、3Bをまとめてモジュール3と称することもある。この例に限らず、同一の数字に対して異なるアルファベットが記載されている符号が付与された構成をまとめて呼称する際に、アルファベットを省略して記載する。
【0031】
モジュール3、4、5、6、8は、モジュール1、2と同様の構成である。すなわち、モジュール3、4、5、6、8のそれぞれは、少なくとも、発熱部材を含む電子回路基板と冷却部材とを備える。また、図5の例では、モジュール3は、冷却部材32が+z軸方向に向くように設置されている。モジュール6、8も同様に冷却部材が+z軸方向に向くように設置されている。これに対して、モジュール4、5は、冷却部材が-z軸方向に向くように設置されている。各モジュールの設置向きはこの例に限らない。例えば各モジュールが、各モジュールが有する冷却部材を+z軸方向に向くように設置されてもよい。
【0032】
次に図6及び7を用いて、電子機器1000の構成について説明する。図6は、電子機器1000の下段の構成の一例を示す平面図である。また、図7は、電子機器1000の上段の構成の一例を示す平面図である。図6及び図7は、いずれも図5における+z軸方向からの視点における平面図である。
【0033】
冷却装置102は、第1の可撓性配管30、50と、分岐部材31、51と、第2の可撓性配管33、53と、第3の可撓性配管37、57と、第4の可撓性配管38、58と、合流部材43、63とを備える。第1の可撓性配管30、50と、分岐部材31、51と、第2の可撓性配管33、53と、第3の可撓性配管37、57と、第4の可撓性配管38、58と、合流部材43、63と、のそれぞれは、第1の可撓性配管10と、分岐部材11と、第2の可撓性配管13と、第3の可撓性配管17と、第4の可撓性配管18と、合流部材23とのそれぞれと、同様の機能を有する。すなわち、第1の可撓性配管30、50は、いずれも、筐体300外のポンプまたはラジエータ等から熱媒体が供給される。また、第4の可撓性配管38、58は、いずれも、モジュール内を通過した熱媒体を、筐体300外のラジエータ等に排出する。
【0034】
第1の可撓性配管30、50は、それぞれ固定部材301、501によって電子回路基板35、55上に固定される。同様に、第2の可撓性配管33と第3の可撓性配管37とが固定部材332によって、電子回路基板45上に固定され、第2の可撓性配管53と第3の可撓性配管57とが固定部材532によって、電子回路基板55上に固定される。
【0035】
次に、図6を用いて電子機器1000の下段の詳細を説明する。下段において、第2の可撓性配管33B、53Bのそれぞれは、2本の可撓性配管がカップリング部材331、531Bによって接続された配管である。カップリング部材は、2本の可撓性配管を接続するための部材である。なお、図6の例では、2本の可撓性配管を接続しているが、2つ以上のカップリング部材を用いて、3本以上の可撓性配管を直列に接続してもよい。このように、第2の可撓性配管は、複数の可撓性配管がカップリング部材によって直列に接続された配管である。これにより、筐体300の大きさやモジュールの配置に応じて、長さを調節した配管を設置することが可能となる。また、カップリング部材により、可撓性配管の取り外しも容易となる。なお同様に、第3の可撓性配管37、57のそれぞれは、カップリング部材371、571によって2本の可撓性配管が接続された配管である。
【0036】
電子機器1000の下段における熱媒体が通過する経路を説明する。まず、モジュール3B、4Bを通過する熱媒体の経路について説明する。第1の可撓性配管30Bは、筐体300外のポンプまたはラジエータ等から供給された熱媒体を分岐部材31Bに供給する。分岐部材31Bは、冷却部材32Bと第2の可撓性配管33Bとに熱媒体を分岐する。冷却部材32Bを流れる熱媒体は、発熱部材34B及び冷却部材32Bから熱を受け取り、接続接手36Bと第3の可撓性配管37Bとを通過し、合流部材43Bに流入する。また、分岐部材31Bから第2の可撓性配管33Bに供給された熱媒体は、接続接手46Bを通過し、冷却部材42Bに流入する。冷却部材42Bを流れる熱媒体は、発熱部材44及び冷却部材22から熱を受け取り、合流部材43Bに流入する。そして、熱媒体は、合流部材43Bから、第4の可撓性配管38Bに流入する。第4の可撓性配管38Bは、例えば、筐体300外のラジエータ等に接続される。すなわち、筐体300内で熱を受け取った熱媒体は、第4の可撓性配管38Bを通過し、ラジエータ等によって冷却される。冷却された熱媒体は、再度第1の可撓性配管30Bに供給される。なお、モジュール5B、6Bを通過する熱媒体の経路は、上述したモジュール3B、4Bを通過する熱媒体の経路と同様である。
【0037】
次に、電子機器1000の下段の詳細を説明する。図7に示すように、第2の可撓性配管33Aは、分岐用フィッティング部材333によって、第5の可撓性配管39と接続される。第2の可撓性配管33Aは、分岐部材31Aから熱媒体が流入すると接続接手46Aの方向と第5の可撓性配管39の方向とに熱媒体を分岐させる。このように、第2の可撓性配管は、分岐用フィッティング部材によって、他の可撓性配管とも接続され、分岐部材から流入する熱媒体を、第2の可撓性配管と他の可撓性配管とに分岐させる。また、第4の可撓性配管58Aは、分岐用フィッティング部材581によって、第8の可撓性配管59と接続される。第4の可撓性配管58Aにおいて、第8の可撓性配管59から流入する熱媒体と、合流部材63Aから流入する熱媒体と、が合流する。
【0038】
電子機器1000の下段における熱媒体が通過する経路を説明する。モジュール3A、4Aと、モジュール5A、6Aと、を流れる経路は、上述のモジュール3B、4Bと、モジュール5B、6Bと、を流れる経路と同様であるので省略する。
【0039】
第5の可撓性配管39は、フード部材7の接続接手76に接続される。分岐用フィッティング部材333において分岐した熱媒体は、第5の可撓性配管39を通過し、接続接手76に流入する。第5の可撓性配管39から流入した熱媒体は、接続接手76から、第6の可撓性配管80に流入する。熱媒体は、第6の可撓性配管80から接続接手85を通過し、冷却部材82に供給される。冷却部材82を通過した熱媒体は、接続接手86と、第7の可撓性配管83とを通過し、接続接手76に流入する。第7の可撓性配管83から流入した熱媒体は、接続接手76から第8の可撓性配管59を追加し、分岐用フィッティング部材581に流入する。
【0040】
このように、第3の実施形態の冷却装置102は、分岐部材及び分岐用フィッティング部材を用いて配管を接続し、各冷却部材に熱媒体を供給している。そのため、配管の本数の増加を抑制することができる。また、第3の実施形態においても、筐体300内の各冷却部材に供給される熱媒体は、発熱部材による発熱の影響を直接受けていない熱媒体である。すなわち、温度上昇が抑制された熱媒体が、各冷却部材に供給される。以上より、冷却装置102は、配管の本数の増加を抑制しつつ、効率よく発熱部材を冷却することができる。
【0041】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0042】
1 モジュール
10、30、50 第1の可撓性配管
11、31、51 分岐部材
12、22、32、42、52、62、82 冷却部材
13、33、53 第2の可撓性配管
14、24、34、44、54、64 発熱部材
15、25、35、45、55、65 電子回路基板
17、37、47 第3の可撓性配管
18、38、58 第4の可撓性配管
23、43、63 合流部材
331、371、531、571 カップリング部材
333、581 分岐用フィッティング部材
100、101、102 冷却装置
200、300 筐体
1000 電子機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7