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特許7197635回転翼航空機の防火壁配置のための補強材骨格
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】回転翼航空機の防火壁配置のための補強材骨格
(51)【国際特許分類】
   B64F 5/40 20170101AFI20221220BHJP
   B64C 1/06 20060101ALI20221220BHJP
   B64C 1/10 20060101ALI20221220BHJP
   B64C 27/04 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
B64F5/40
B64C1/06
B64C1/10
B64C27/04
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021099310
(22)【出願日】2021-06-15
(65)【公開番号】P2022082417
(43)【公開日】2022-06-01
【審査請求日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】20400021
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】509125888
【氏名又は名称】エアバス ヘリコプターズ ドイチェランド ゲーエムベーハー
(73)【特許権者】
【識別番号】593020038
【氏名又は名称】エアバス ヘリコプターズ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴェシエレ,オルリアン
(72)【発明者】
【氏名】モンティル,ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ジスター,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ノイキルヒ,ヒューバート
(72)【発明者】
【氏名】ジェルベーズ,パスカル
(72)【発明者】
【氏名】カマーラー,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】アルノー,ピエール
【審査官】志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-142586(JP,A)
【文献】米国特許第02989273(US,A)
【文献】米国特許第03166277(US,A)
【文献】米国特許第03744743(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64F 5/40
B64C 1/00
B64C 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
整備段階において回転翼航空機(1)の上部デッキ(6)に取り付けられるように、かつ、前記整備段階の後に前記上部デッキ(6)から取り外されるように構成された補強材骨格(30)であって、
上側補強支持を提供するための複数の支持アーム(32a、32b、32c)を伴う上部補強構造(32)と、
側方補強支持を提供するための複数の支持脚(33a、33b、34a、34b)を伴う側方補強構造(33)と、を備え、
前記複数の支持アーム(32a、32b、32c)及び前記複数の支持脚(33a、33b、34a、34b)は、自己支持型フレーム構造(40)を形成し、
前記自己支持型フレーム構造(40)は、前記回転翼航空機(1)の前記上部デッキ上(6)に提供された防火壁配置(10)上に、前記防火壁配置(10)のうちの少なくとも前部防火壁(10a)、後部防火壁(10b)及び中間防火壁(10c)を支持及び補強するために整備段階において配置されるように構成される、補強材骨格(30)。
【請求項2】
回転翼航空機(1)の上部デッキ(6)に提供された関連付けられた固定手段に固定的に取り付けられるように構成された取り付け手段(36a、36b、36c、36d)を更に備える、請求項1に記載の補強材骨格(30)。
【請求項3】
前記取り付け手段(36a、36b、36c、36d)は、前記複数の支持脚(33a、33b、34a、34b)に組み込まれる、請求項2に記載の補強材骨格(30)。
【請求項4】
前記複数の支持脚(33a、33b、34a、34b)のうちの関連付けられた支持脚(33a、33b、34a、34b)を相互接続する下部連結アーム(35a、35b)を更に備える、請求項1に記載の補強材骨格(30)。
【請求項5】
前記上部補強構造(32)は、関連付けられたスナップ式又はクリップ接続を用いて、組み立てられた状態で、前記側方補強構造(33)に取り外し可能に取り付けられる、請求項1に記載の補強材骨格(30)。
【請求項6】
前記自己支持型フレーム構造(40)は、折り畳み式である、請求項1に記載の補強材骨格(30)。
【請求項7】
前記補強材骨格(30)の組み立てられた状態で、前記複数の支持脚(33a、33b、34a、34b)を前記複数の支持アーム(32a、32b、32c)に取り外し可能に取り付ける複数の支持脚接続(43a、43b、44a、44b)を更に備える、請求項1に記載の補強材骨格(30)。
【請求項8】
前記複数の支持脚(33a、33b、34a、34b)のうちの少なくとも1つは、前記補強材骨格(30)の少なくとも分解された状態で前記複数の支持脚(33a、33b、34a、34b)のうちの少なくとも1つの折り畳みを可能にする関連付けられたヒンジ(45a、45b、46a、46b)を備える、請求項7に記載の補強材骨格(30)。
【請求項9】
前記複数の支持アーム(32a、32b、32c)のうちの少なくとも1つは、前記補強材骨格(30)の少なくとも分解された状態で前記複数の支持アーム(32a、32b、32c)のうちの少なくとも1つの折り畳みを可能にする関連付けられたヒンジ(42a、42b、42c)を備える、請求項7に記載の補強材骨格(30)。
【請求項10】
前記複数の支持アームのうちの少なくとも1つ(32c)は、前記補強材骨格(30)の組み立てられた状態で前記複数の支持アームのうちの前記少なくとも1つ(32c)の折り畳みを可能にする関連付けられたヒンジ(42c)を備え、
前記下部連結アーム(35a、35b)の各々は、前記補強材骨格(30)の前記組み立てられた状態で前記下部連結アーム(35a、35b)の折り畳みを可能にする関連付けられたヒンジ(49a、49b)を備える、請求項に記載の補強材骨格(30)。
【請求項11】
補強材骨格(30)の組み立てられた状態で前記複数の支持アーム(32a、32b、32c)に向けた前記複数の支持脚(33a、33b、34a、34b)の折り畳みを可能にするために前記複数の支持脚(33a、33b、34a、34b)を前記複数の支持アーム(32a、32b、32c)に枢動可能に接続する複数のヒンジ(42g、42h、42i、42j)を更に備える、請求項1に記載の補強材骨格(30)。
【請求項12】
前記複数の支持脚(33a、33b、34a、34b)のうちの少なくとも2つ及び前記複数の支持アーム(32a、32b)のうちの関連付けられた1つは、C型又はU型の骨格セクション(37、38)を形成する、請求項1に記載の補強材骨格(30)。
【請求項13】
前記複数の支持脚(33a、33b、34a、34b)のうちの第1及び第2の脚(33a、34a)、並びに、前記複数の支持アーム(32a、32b、32c)のうちの第1の支持アーム(32a)は、前部骨格セクション(37)を形成し、
前記複数の支持脚(33a、33b、34a、34b)のうちの第3及び第4の脚(33b、34b)、並びに、前記複数の支持アーム(32a、32b、32c)のうちの第2の支持アーム(32b)は、後部骨格セクション(38)を形成し、
前記複数の支持アーム(32a、32b、32c)のうちの第3の支持アーム(32c)は、前記前部骨格セクション(37)を前記後部骨格セクション(38)に接続する、請求項1に記載の補強材骨格(30)。
【請求項14】
連付けられたヒンジ(42d)を用いて前記複数の支持アームのうちの1つ(32c)に接続された延長支持アーム(31)を更に備える、請求項1に記載の補強材骨格(30)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、整備段階において回転翼航空機の上部デッキに取り付けられるように構成された、特に、回転翼航空機の上部デッキ上に提供された防火壁配置上の、補強材骨格に関する。
【背景技術】
【0002】
小型又は中型のヘリコプタなどの回転翼航空機において、関連付けられた胴体は、典型的には、胴体によって形成される航空機内部領域を胴体の上に配置された航空機上部デッキから分離する、上部一次外板を備える。航空機内部領域は、通常、少なくともコックピットを収容し、また更に乗客及び/又は貨物のためのキャビンを収容することができる。
【0003】
航空機上部デッキは、一般に、1つ以上のエンジン、典型的にはエアブリージングガスタービンを収容し、したがって「エンジンデッキ」とも呼ばれる、エンジン収容領域を含む。1つ以上のエンジンは、例えば、ギアボックスなどの関連付けられた出力分配ユニットに出力を提供し、この出力分配ユニットが、例えばロータ、プロペラなどの適切な推進ユニットにこの出力を提供することによって、回転翼航空機を駆動させるように適合される。典型的には、エンジンは、航空機内部領域の外側のエンジンデッキ上、胴体上部、並びに、それぞれの動力装置の他の主構成要素、メインギアボックス、及びメインロータの近くに、配置される。
【0004】
耐空証明条例に従い、所与の回転翼航空機のエンジンデッキは、火災事象において耐火性でなければならない。したがって、エンジンデッキには全体として通常、防火区域を形成する適切な防火壁配置が装備される。防火区域は防火壁配置内にエンジンを収容して、防火壁が、エンジンと、エンジンデッキの前方及び船尾領域に向かって、所与の回転翼航空機の胴体によって形成される航空機内部領域と、の間の耐火性分離を画定するようになっている。防火壁配置は更に、所与の回転翼航空機の、それぞれの環境制御システム、メインギアボックス、及び操縦制御装置を保護するために提供される。
【0005】
より具体的には、エンジンデッキ内の防火壁配置は、通常、前部防火壁並びに後部防火壁を備え、また典型的には、下部防火壁を形成する胴体の上部一次外板によって、並びに、所与の回転翼航空機の上部ロフトを表しエンジンデッキをカバーするカウリングによって、区切られる。回転翼航空機が双発航空機の場合、どちらのエンジンも、通常、両方のエンジンを互いから保護するために、防火壁配置の中央又は中間防火壁によって互いに分離され、各エンジンが別々の独立に閉じたエンジンコンパートメント内に配置されるようになる。防火壁配置は、各エンジンコンパートメントの空気、水、及び流体分離を保証する。エンジンデッキ上の可動部と固定部との間の残余ギャップは、好ましい耐火シール及び/又はガスケットを用いて気密密閉される。
【0006】
いずれの場合も、エンジンは、いくつかのエンジンマウントを用いて、上部一次外板、及びビーム又はフレームなどの対応する枠組部材に取り付けられ、また防火壁配置の特定部分は、一般に、例えば整備段階において、エンジン又は他の機械部品へのアクセスを可能にするために、取り外し可能である。前部防火壁及び後部防火壁は、所与の航空機上部デッキの前部及び後部それぞれに対する障壁を表す。カウリングは、通常、例えば整備段階においてエンジンにアクセスできるようにするために、少なくとも部分的に取り外し可能である。
【0007】
例示の防火壁配置は、文献EP2046638B1、EP2443034B1、EP2917532B1、US9868545B2、及びUS2018/0156131A1に記載されている。
【0008】
より具体的に言えば、文献EP3556661A1は、防火壁配置が提供されたエンジンコンパートメントを伴う回転翼航空機を記載している。防火壁配置は、前部防火壁及び中央防火壁を含む。前部防火壁は上部防火壁部分及び下部防火壁部分を有する。
【0009】
文献EP3056423A1は、少なくとも内部領域と胴体内部に配置されたエンジン収容領域とを画定し、少なくとも1つの関連付けられた防火壁配置によって画定される少なくとも1つの防火区域を備える、胴体を伴う、回転翼航空機を記載している。少なくとも1つの防火区域は、少なくとも1つの関連付けられた防火壁配置内に少なくとも1つのエンジンを収容し、関連付けられた防火壁配置が少なくとも1つのエンジンと胴体の内部領域との間の耐火分離を画定するようになっている。少なくとも1つの関連付けられた防火壁配置は、前部防火壁、後部防火壁、下部防火壁、及び中間防火壁を含む、少なくとも1つの防火区域を区切る、複数の相互接続された防火壁を備える。
【0010】
通常、こうした防火壁配置において、前部防火壁及び後部防火壁、並びに中間防火壁は、存在すればそれぞれ、典型的にはチタン薄板で作られる二次部品である。耐火性は最低厚み0.4mmですでに達成されていると考えられるが、こうしたチタン薄板の典型的な厚みは1.2mmに達する。
【0011】
より具体的に言えば、前部、後部、及び中間の防火壁は、存在する場合、結果としてそれぞれの航空機上部デッキ二次構造の安定性を増加させるように、及び、カウリングが防火壁に剛性を与えると同時にカウリングカバーを適所に維持するように、設計される。カウリングは、閉じた状態において、航空機上部デッキ上に位置するすべての設備及び機器をカバーするため、所与の回転翼航空機の外部環境に対するエンジンデッキの、またより一般的には航空機上部デッキの、保護を形成する。更に、カウリングは、発生するすべての飛行荷重を所与の航空機一次構造、すなわち所与の航空機機体へと搬送及び移動しながら、基礎となる成形に起因して、所与の回転翼航空機のそれぞれの空気力学的挙動を向上させ、したがって空力抵抗を減少させる。更にカウリングは、所与の調整及び通風システム、吸気保護格子、エンジンプレナム、及びエンジン排気ノズルの荷重などの、他の荷重も支持し、またこれに耐える。
【0012】
所与のカウリング、並びに、前部、後部、及び中間の防火壁を伴うそれぞれの防火壁配置は、存在する場合、所与の回転翼航空機内で組み立てられ、また適所に置かれるとき、剛性で堅固なシステムを形成する。しかしながら、例えば整備段階において、所与のカウリングを開いて取り外すとき、このシステム全体の剛性及び堅固性は低下し、前部、後部、及び/又は、中間の防火壁、あるいはそれらの構造部品はより容易に損傷するようになり得る。
【0013】
文献US6138949Aは、エンジンコンパートメントから近接するコンパートメントへと火が伝わるのを防ぐための防火シールドを含む、メインロータ支持構造を伴う回転翼航空機を記載している。防火シールドは、関連付けられたメインビームから吊り下げられ、またねじ切り係合された、複数の防火パネルを含む。防火パネルはチタン材料で作られ、約0.03mmの厚みを有する。防火パネルは、火の伝達を防ぐように設計されるが、印加されるいずれの歩行荷重も伝達しないように設計される。代わりに防火パネルは、防火パネルが強化され、整備段階で容易に損傷しないような補強枠組を形成する、関連付けられたシール板を用いて、スライディングアタッチメントを介して垂直ポストに取り付けられる。しかしながら、補強枠組は比較的大きく重いものであり、したがって回転翼航空機の全重量を増加させる。
【発明の概要】
【0014】
したがって、本発明の目的は、回転翼航空機の上部デッキ上に提供される防火壁配置のための新しい補強枠組を提供することである。この目的は、請求項1の特徴を有する補強材骨格によって解決される。
【0015】
より具体的には、本発明に従い、整備段階において回転翼航空機の上部デッキに取り付けられるように構成された、補強材骨格が提供される。補強材骨格は、上側補強支持を提供するための複数の支持アームを伴う上部補強構造と、側方補強支持を提供するための複数の支持脚を伴う側方補強構造と、を備える。複数の支持アーム及び複数の支持脚は、自己支持型フレーム構造を形成する。
【0016】
複数の支持アームは、3つの折り畳み式アーム又は部品によって形成可能であり、また複数の支持脚は4つの折り畳み式脚又は部品によって形成可能である。複数の支持アーム及び複数の支持脚は、好ましくは解除可能な様式で、共にクリップすることができる。複数の支持脚が、好ましくは所与の回転翼航空機の上部デッキに取り付け可能である。加えて、延長支持アームを、好ましくは解除可能な様式で、複数の支持アームのうちの1つに提供及び接続することができる。
【0017】
例として、補強材骨格は、回転翼航空機の上部デッキ上に提供された防火壁配置上に位置決めすることができる。有利なことに補強材骨格は、補強材骨格の重みが通常の動作モードにおいて回転翼航空機全体の重みを増加させないように、例えばそれぞれの整備段階が完了したときに、防火壁配置から取り外し可能であり得る。
【0018】
好ましくは、防火壁配置は、関連付けられたエンジンコンパートメント内に収容された少なくとも1つの航空機エンジンと、他の近接する航空機領域と、の間に耐火性分離を画定する。こうした他の近接する航空機領域は、航空機内部領域、並びに、例えば更なる航空機エンジンのエンジンコンパートメント及び例えばギアボックス又は排気孔収容領域などのエンジン収容領域に対する前方及び船尾領域、を含む。防火壁配置は、前部防火壁、後部防火壁、及び中間防火壁を備えることができる。
【0019】
補強材骨格を回転翼航空機の上部デッキ上に提供される防火壁配置上に位置決めすることによって、有利には、前部防火壁、後部防火壁、及び/又は中間防火壁に対する損傷、及び/又はより一般的に、上部デッキ上の構造部品に対する損傷を、整備段階において、例えばエンジン分解中に防止することができる。更に、防火壁配置上の補強材骨格を更に固定するために、補強材骨格に安全フックを取り付けることができる。安全フックは、例えば、整備格納庫内でロープを介して枠組に接続することができる。補強材骨格への安全フックの取り付けを簡略化するために、補強材骨格上に適切なアイ(eye)又はラグ(lug)を提供することができる。
【0020】
したがって、前部防火壁、後部防火壁、及び/又は中間防火壁の損傷に起因する、並びに固定されていない補強材骨格に起因する整備段階中の技術者の負傷は、有益に防ぐことができる。更に、補強材骨格を用いて防護壁配置の剛性及び堅固性を向上させることによって、整備段階を短くすることができる。したがって有利には、それぞれの整備コストを低減させることができる。
【0021】
一態様によれば、補強材骨格は、回転翼航空機の上部デッキに提供された関連付けられた固定手段に固定的に取り付けられるように構成された取り付け手段を備える。
【0022】
好ましくは、取り付け手段は複数の支持脚に組み込まれる。
【0023】
一態様によれば、補強材骨格は、複数の支持脚のうちの関連付けられた支持脚を相互接続する、下部連結アームを備える。
【0024】
一態様によれば、上部補強材骨格は、特に、関連付けられたスナップ式又はクリップ接続を用いて、組み立てられた状態で、側方補強構造に好ましくは取り外し可能に取り付けられる。
【0025】
一態様によれば、自己支持型フレーム構造は折り畳み式である。
【0026】
一態様によれば、補強材骨格は、補強材骨格の組み立てられた状態で複数の支持脚を複数の支持アームに取り外し可能に取り付ける複数の支持脚接続を備える。
【0027】
好ましくは、複数の支持脚のうちの少なくとも1つは、補強材骨格の少なくとも分解された状態で複数の支持脚のうちの少なくとも1つの折り畳みを可能にする関連付けられたヒンジを備える。
【0028】
好ましくは、複数の支持アームのうちの少なくとも1つは、補強材骨格の少なくとも分解された状態で複数の支持アームのうちの少なくとも1つの折り畳みを可能にする関連付けられたヒンジを備える。
【0029】
一態様によれば、複数の支持アームのうちの少なくとも1つは、補強材骨格の少なくとも組み立てられた状態で複数の支持アームのうちの少なくとも1つの折り畳みを可能にする関連付けられたヒンジを備え、下部連結アームの各々は、補強材骨格の組み立てられた状態で下部連結アームの折り畳みを可能にする関連付けられたヒンジを備える。
【0030】
一態様によれば、補強材骨格は、補強材骨格の組み立てられた状態で複数の支持アームに向けた複数の支持脚の折り畳みを可能にするために、複数の支持脚を複数の支持アームに枢動可能に接続する複数のヒンジを備える。
【0031】
一態様によれば、複数の支持脚のうちの少なくとも2つ及び複数の支持アームのうちの関連付けられた1つは、C型又はU型の骨格セクションを形成する。
【0032】
一態様によれば、複数の支持脚のうちの第1及び第2の脚、並びに、複数の支持アームのうちの第1の支持アームが、前部骨格セクションを形成し、複数の支持脚のうちの第3及び第4の脚、並びに、複数の支持アームのうちの第2の支持アームが、後部骨格セクションを形成し、複数の支持アームのうちの第3の支持アームが、前部骨格セクションを後部骨格セクションに接続する。
【0033】
一態様によれば、補強材骨格は、特に、関連付けられたヒンジを用いて複数の支持アームのうちの1つに接続された延長支持アームを備える。
【0034】
一態様によれば、自己支持型フレーム構造は、防火壁配置のうちの少なくとも前部防火壁、後部防火壁、及び、中間防火壁を支持及び補強するために、回転翼航空機の上部デッキ上に提供された防火壁配置上に、整備段階において配置されるように構成される。
【0035】
本発明の好ましい実施形態は、添付の図面を参照しながら下記で説明する例として概説される。これらの添付の図面において、同一の又は同様に機能する構成要素及び要素は同一の参照番号及び文字で標示され、したがって下記の説明では一回だけ説明される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】カウリングによってカバーされ、防火壁配置が提供された、エンジン収容領域を伴う回転翼航空機を示す斜視図である。
図2図1の防火壁配置を示す側面図である。
図3図1のカウリングのない、図1及び図2の防火壁配置を補強するための補強材骨格が提供された、図1のエンジン収容領域を示す斜視図である。
図4】一実施形態に従った、図3の補強材骨格を示す斜視図である。
図5】別の実施形態に従った、図4の補強材骨格を示す斜視図である。
図6】更に別の実施形態に従った、図4の補強材骨格を示す斜視図である。
図7】更に別の実施形態に従った、図4の補強材骨格を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、例示的にヘリコプタとして示される回転翼航空機1を示す。したがって、簡単にわかりやすくするために、回転翼航空機1は以下「ヘリコプタ1」と呼ばれる。
【0038】
好ましくは、ヘリコプタ1は、動作中、上昇及び前方又は後方推進力を提供するための少なくとも1つのマルチブレードメインロータを備える。少なくとも1つのマルチブレードメインロータは、ヘリコプタの動作時に関連付けられたロータ軸の周りを回転する、関連付けられたロータヘッドでロータシャフトに取り付けられた、複数のロータブレードを優先的に備える。更に、ヘリコプタ1は、例えばスキッド型又はホイール型の着陸装置などの、着陸装置を備える。しかしながら、図を簡単にわかりやすくするために、少なくとも1つのマルチブレードメインロータ及び着陸装置の図、並びに、図面を不必要に複雑にするだけである他の構成要素の図は省略する。
【0039】
ヘリコプタ1は、航空機内部領域2a、2bを形成する、胴体2を例示的に備える。航空機内部領域2a、2bは、好ましくは少なくともコックピット2aを収容し、更に、乗客及び/又は貨物用のキャビン2bを収容することができる。例として、尾部資材3がヘリコプタ1の胴体2に接続される。
【0040】
ヘリコプタ1は、動作中、逆トルクを提供するように、すなわち、ヨーイングに関してヘリコプタのバランスを取るために、少なくとも1つのマルチブレードメインロータの回転によって生み出されるトルクを逆にするように構成された、少なくとも1つの優先的に覆われた逆トルクデバイス4を更に備える。少なくとも1つのカウンタートルクデバイス4は、尾部資材3の船尾セクションに例示的に提供され、好ましくは尾部ロータ4aを備える。尾部資材3の船尾セクションは、好ましくはフィン5を更に備える。
【0041】
一態様によれば、胴体2は、航空機内部領域2a、2bを胴体2の上に配置された航空機上部デッキ6から分離する上部一次外板2cを備える。言い換えれば、上部一次外板2cは胴体2の上部端を形成する。
【0042】
例示的に、上部一次外板2cは、前部デッキ外板2h、エンジンデッキ外板2i、及び後部デッキ外板2jを含む。エンジンデッキ外板2iは、航空機上部デッキ6の一部であり、防火壁配置10を伴うエンジン収容領域7を例示的に形成するエンジンデッキ6aに関連付けられる。好ましくは、航空機上部デッキ6及び、より具体的には少なくともエンジンデッキ6aは、胴体2の上部に取り付けられるカウリング8によってカバーされる。
【0043】
好ましくは、胴体2は、例示的に航空機内部領域2a、2bを包含し、グローバルな貨物運搬デューティ用に設計及び適合された、ヘリコプタ1の一次構造を形成するために相互接続されたフレーム及び縦ビームに取り付けられた側板2f、2gを含む。したがって、胴体の上部一次外板2cは、これらのグローバルな貨物運搬デューティにも関与し、またしたがって、胴体2のグローバルな貨物運搬に寄与する。
【0044】
図2は、好ましくは少なくとも前部防火壁10a及び後部防火壁10bを含む、図1の防火壁配置10を示す。例示的に、防火壁配置10は中間防火壁10cを更に含む。好ましくは、前部防火壁10a、後部防火壁10b、及び中間防火壁10cの各々は、チタン、スチール、セラミック、ポリマー複合材料、又はハイブリッド有機無機複合材料のうちの、少なくとも1つを含む、耐火性材料を備える。一具体化において、前部防火壁10a、後部防火壁10b、又は中間防火壁10cのうちの少なくとも1つは、最小厚みが少なくとも0.4mmの、好ましくは、0.6mmから0.8mmの範囲内の厚みであり、優先的には1.2mmの厚みの、チタン薄板を有する。
【0045】
例として、中間防火壁10cは、また前部防火壁10a及び後部防火壁10bも、図1のエンジンデッキ6aを通る尾部ロータ駆動シャフトを少なくとも部分的に収容するように適合された、チャネル10dを形成する。更に、前部防火壁10aには例示的に上部延長部10eが提供され、後部防火壁10bには後部カバー10fが提供される。更にガスケット10gは、例として前部防火壁10aに組み込まれる。
【0046】
図3は、図1のヘリコプタ1の航空機上部デッキ6の一部であり、図1及び図2の防火壁配置10と共にエンジン収容領域7を形成する、図1のエンジンデッキ6aを示す。防火壁配置10は、例示的に、図2に従った、前部防火壁10a、後部防火壁10b、中間防火壁10c、チャネル10d、上部延長部10e、及び後部カバー10fを含むが、ガスケット10gは図3には見られない。
【0047】
図1で説明したように、エンジンデッキ6aは図1の胴体2の上に配置される。例として、前部及び後部防火壁10a、10bは、エンジンデッキ6a、すなわちエンジン収容領域7を、図1のヘリコプタ1の縦方向に区切る。一態様によれば、エンジン収容領域7は、少なくとも1つの航空機エンジンを防火壁配置10内に収容し、防火壁配置10は少なくとも1つの航空機エンジンと航空機内部領域(図1の2a、2b)との間に、少なくとも耐火性分離を画定するようになる。
【0048】
より一般的には、防火壁配置10は好ましくは、少なくとも1つの航空機エンジンと他の近接する航空機領域との間の耐火性分離を画定する。こうした他の近接する航空機領域は、航空機内部領域(図1の2a、2b)、並びに例えば、更なる航空機エンジンのエンジンコンパートメント、及び、例えばギアボックス又は排気孔収容領域などの、エンジン収容領域7に対する前方及び船尾領域を含む。
【0049】
例示的に、エンジン収容領域7は、防火壁配置10内に防火壁配置10の中間防火壁10cを用いて互いから分離される、2つの航空機エンジン11a、11bを収容する。各航空機エンジン11a、11bは、好ましくは関連付けられたエンジンコンパートメント20a、20b内に配置される。例として、2つの近接するエンジンコンパートメント20a、20bが提供され、航空機エンジン11aはエンジンコンパートメント20a内に配置され、航空機エンジン11bはエンジンコンパートメント20b内に配置される。
【0050】
好ましくは、2つの航空機エンジン11a、11bは、発電のために燃料/空気混合を燃焼させる、エアブリージング推進ガスタービンとして具体化される。更に、各航空機エンジン11a、11bは、好ましくは、関連付けられたエンジンコンパートメント20a、20b内に提供された関連付けられたエンジンマウントに取り付けられる。しかしながら、航空機エンジン11a、11b及び関連付けられたエンジンマウントは、詳細に説明しない。実際に、航空機エンジン11a、11b及び関連付けられたエンジンマウントは、当業者に周知のエンジン及びエンジンマウントによって実装可能であるため、それらの詳細な説明は、簡略及び簡潔にするために省略可能である。
【0051】
一態様によれば、2つの航空機エンジン11a、11b及びしたがって2つの近接するエンジンコンパートメント20a、20bは、カウリング8の取り付けられた状態で、図1のカウリング8によってカバーされる。それにもかかわらず、図3では、例えば、2つの航空機エンジン11a、11bのうちの1つをその関連付けられたエンジンコンパートメント20a、20bから取り外すのを可能にするために必要な、カウリング8の取り外された状態を示すために、カウリング8は示されていない。しかしながら、図3に示されるように、例えば整備段階中に、カウリング8がエンジンコンパートメント20a、20bから、及びより一般的にはエンジンデッキ6aから取り外される限り、防火壁配置10は、整備段階中に防火壁配置10に対する更に他の損傷を防止するために、補強支持を必要とする。
【0052】
一態様によれば、こうした補強支持は、補強材骨格30を用いて提供可能である。補強材骨格30の例示的な実現は、下記の図4から図7で詳細に説明する。
【0053】
好ましくは、補強材骨格30は、整備段階において、エンジンデッキ6aに、及び、より一般的には航空機上部デッキ6に、取り付けられるように構成される。言い換えれば補強材骨格30は、整備段階の後、航空機上部デッキ6から取り外すことができ、したがって航空機上部デッキ6上に永続的に設置されない。
【0054】
より具体的には、補強材骨格30は、好ましくは、上側補強支持を提供するための複数の支持アーム32a、32b、32cを伴う上部補強構造32、及び、側方補強支持を提供するための複数の支持脚33a、33b、34a、34bを伴う側方補強構造33を少なくとも備える。支持脚33a、33b、34a、34bは側方補強支持を提供することが意図されているため、「側方支持脚33a、33b、34a、34b」とも呼ばれる。補強材骨格30は、複数の支持アーム32a、32b、32cのうちの1つに、例示的に支持アーム32cに接続された、延長支持アーム31を更に備えることができる。
【0055】
例として、延長支持アーム31は、防火壁配置10の上部延長部10eに対する補強支持を形成する。更に、側方支持脚33a、34a及び支持アーム32aは、防火壁配置10の前部防火壁10aに対する補強支持を形成し、また側方支持脚33b、34b及び支持アーム32bは、防火壁配置10の後部防火壁10bに対する補強支持を形成する。更に、支持アーム32cは、防火壁配置の中間防火壁10cに対する補強支持を形成する。
【0056】
図4は、上部補強構造32及び側方補強構造33を伴う、図3の補強材骨格30を示す。上部補強構造32は複数の支持アーム32a、32b、32cを有し、側方補強構造33は複数の側方支持脚33a、33b、34a、34bを有する。
【0057】
一態様によれば、複数の支持アーム32a、32b、32c及び複数の側方支持脚33a、33b、34a、34bは、自己支持型フレーム構造40を形成する。好ましくは、この自己支持型フレーム構造40は、整備段階において、図1から図3の防火壁配置10の少なくとも前部防火壁10a、後部防火壁10b、及び中間防火壁10cを支持及び補強するために図1の回転翼航空機1の上部デッキ6上に提供された、防火壁配置10上に配置されるように構成される。
【0058】
例えば図1の回転翼航空機1の上部デッキ6への、補強材骨格30の取り付けを可能にするために、適切な取り付け手段36a、36b、36c、36dが提供可能である。これらの取り付け手段36a、36b、36c、36dは、好ましくは、回転翼航空機1の上部デッキ6に提供された、例えば既存のエンジンマウントなどの、関連付けられた固定手段に固定的に取り付けるように構成される。例として、取り付け手段36a、36b、36c、36dは、複数の側方支持脚33a、33b、34a、34bに組み込まれる。
【0059】
例示的に、複数の側方支持脚33a、34a、33b、34bのうちの少なくとも2つ、及び複数の支持アーム32a、32b、32cのうちの関連付けられた1つは、C型又はU型の骨格セクションを形成する。例として、側方支持脚33a、34a、及び支持アーム32aは前部骨格セクション37を形成し、側方支持脚33b、34b、及び支持アーム32bは後部骨格セクション38を形成する。例示的に、前部骨格セクション37は支持アーム32cを介して後部骨格38に接続される。前部及び後部の骨格セクション37、38は、好ましくはC型又はU型である。
【0060】
一態様によれば、支持アーム32a、32bは、支持アーム32cによって互いに接続される。したがって支持アーム32a、32b、32cは、例示的にH型構造を形成する。支持アーム32a、32bを支持アーム32cを用いて互いに接続することによって、前部及び後部骨格セクション37、38は同様に互いに接続される。
【0061】
加えて、補強材骨格30の2つの任意選択の下部連結アーム35a、35bは、好ましくは、複数の側方支持脚33a、33b、34a、34bのうちの関連付けられた側方支持脚を相互接続する。例示的に、任意選択の下部連結アーム35aは、側方支持脚33a、33bを相互接続し、任意選択の下部連結アーム35bは、側方支持脚34a、34bを相互接続する。
【0062】
補強材骨格30は更に、図3の延長支持アーム31を備える。前述のように、延長支持アーム31は支持アーム32cに接続される。
【0063】
好ましくは、少なくとも延長支持アーム31、支持アーム32a、32b、32c及び側方支持脚33a、33b、34a、34bであるが、優先的には、任意選択の下部連結アーム35a、35b、及び取り付け手段36a、36b、36c、36dも、ロッド、バー、又はビームによって形成される。これらは、図1から図3の少なくとも防火壁配置10を剛性及び堅固にするのに適した、例えば金属又はスチールなどの、任意の材料から作ることができる。
【0064】
一態様によれば、また図4に例として示されるように、少なくとも延長支持アーム31、支持アーム32a、32b、32c及び側方支持脚33a、33b、34a、34bであるが、優先的には、任意選択の下部連結アーム35a、35b、及び取り付け手段36a、36b、36c、36dも、補強材骨格30の組み立てられた状態で互いに耐久的に取り付けられ、すなわち、自己支持型フレーム構造40を構築するために、少なくとも補強材骨格30の迅速で容易な分解ができないように、互いに堅固に取り付けられるか又は一体化される。しかしながら、代替的実現では、例えば、補強材骨格30が使用中でないか、又は移送目的であるとき、下記の図5から図7で例として説明するように、補強材骨格30の少なくとも部分的な迅速で容易な分解及び/又は折り畳みは、実行可能であり得る。
【0065】
図5は、延長支持アーム31、複数の支持アーム32a、32b、32cを有する上部補強構造32、複数の側方支持脚33a、33b、34a、34bを有する側方補強構造33、下部連結アーム35a、35b、及び、取り付け手段36a、36b、36c、36dを伴う、図4の補強材骨格30を示す。前述のように、下部連結アーム35a、35bは任意選択であり、したがって省略可能である。
【0066】
しかしながら、図4とは対照的に、ここで上部補強構造32は、組み立てられた状態で側方補強構造33に取り外し可能に取り付けられる。同様に、下部連結アーム35a、35bも、側方補強構造33に取り外し可能に取り付けられる。側方補強構造33への上部補強構造32及び下部連結アーム35a、35bの取り外し可能な取り付けは、例示的に、複数の側方支持脚接続43a、43b、44a、44b及び下部連結アーム接続47a、47b、48a、48bを介して実現される。
【0067】
更にまた図4とは対照的に、ここで上部補強構造32は結果として分解することができる。したがって、上部補強構造32の複数の支持アーム32a、32b、32cのうちの支持アーム32a、32bはここで、組み立てられた状態で、関連付けられた上部支持アーム接続41a、41bを介して支持アーム32cに取り外し可能に取り付けられる。同様に、支持アーム32cはここで、上部支持アーム接続41cを介して延長支持アーム31に取り外し可能に取り付けられる。
【0068】
好ましくは、補強材骨格30の少なくとも迅速で容易な分解は、少なくとも側方支持脚接続43a、43b、44a、44bをスナップ式又はクリップ接続として実装することによって、実行可能である。同様に、下部連結アーム接続47a、47b、48a、48b及び/又は上部支持アーム接続41a、41b、41cも、スナップ式又はクリップ接続として実装可能である。
【0069】
更にまた図4とは対照的に、上部補強構造32の支持アーム32a、32b、32c、側方補強構造33の側方支持脚33a、33b、34a、34b、及び/又は下部連結アーム35a、35bは、少なくとも補強材骨格30の分解された状態で折り畳み可能であり得る。これは、関連付けられた上部支持アームヒンジ42a、42b、42cを伴う支持アーム32a、32b、32c、関連付けられた側方支持脚ヒンジ45a、45b、46a、46bを伴う側方支持脚33a、33b、34a、34b、及び/又は、関連付けられた下部連結アームヒンジ49a、49bを伴う下部連結アーム35a、35bを提供することによって達成可能である。
【0070】
図6は、前部及び後部骨格セクション37、38を伴う図4の補強材骨格30を示す。図4によれば、補強材骨格30は、延長支持アーム31、複数の支持アーム32a、32b、32cを有する上部補強構造32、複数の側方支持脚33a、33b、34a、34bを有する側方補強構造33、下部連結アーム35a、35b、及び、取り付け手段36a、36b、36c、36dを用いて形成される。前述のように、下部連結アーム35a、35bは任意選択であり、したがって省略可能である。
【0071】
しかしながら、図4とは対照的に、自己支持型フレーム構造40を形成する補強材骨格30はここで、補強材骨格30の組み立てられた状態で折り畳み可能である。より具体的には、支持アーム32cはここで、好ましくは関連付けられた上部支持アームヒンジ42dを介して延長支持アーム31に接続され、関連付けられた上部支持アームヒンジ42e、42fを介して支持アーム32a、32bに接続され、図5に従った上部支持アームヒンジ42cが提供される。更に、下部連結アーム35a、35bはここで、好ましくは関連付けられた側方支持脚ヒンジ45c、45d、46c、46dを介して側方支持脚33a、33b、34a、34bに接続され、図5に従って下部連結アームヒンジ49a、49bが提供される。
【0072】
延長支持アーム31を上部支持アームヒンジ42dの周りで矢印50によって示される方向に移動させることによって、延長支持アーム31は支持アーム32cに向かって折り畳まれる。更に、上部支持アームヒンジ42cを矢印52によって示される方向に、及び、下部連結アームヒンジ49a、49bを矢印51によって示される方向に、移動させることによって、後部の骨格セクション38は、前部骨格セクション37に向かって折り畳まれる。
【0073】
図7は、前部及び後部骨格セクション37、38を伴う図4の補強材骨格30を示す。図4によれば、補強材骨格30は、延長支持アーム31、複数の支持アーム32a、32b、32cを有する上部補強構造32、複数の側方支持脚33a、33b、34a、34bを有する側方補強構造33、下部連結アーム35a、35b、及び、取り付け手段36a、36b、36c、36dを用いて形成される。前述のように、下部連結アーム35a、35bは任意選択であり、したがって省略可能である。
【0074】
しかしながら、図4とは対照的に、自己支持型フレーム構造40を形成する補強材骨格30はここでも再度、補強材骨格30の組み立てられた状態で折り畳み可能である。より具体的には、支持アーム32cは好ましくはここで、図5に従った関連付けられた上部支持アームヒンジ42dを介して延長支持アーム31に接続され、また、側方支持脚33a、33b、34a、34bは好ましくはここで、関連付けられた上部支持アームヒンジ42g、42h、42i、42jを介して支持アーム32a、32bに接続される。
【0075】
延長支持アーム31を上部支持アームヒンジ42dの周りで図6の矢印50によって示される方向に移動させることによって、延長支持アーム31は支持アーム32cに向かって折り畳まれる。更に、側方支持脚33a、33bを下部連結アーム35aと共に矢印53によって示される方向に移動させることによって、側方支持脚33a、33b及び下部連結アーム35aは、上部補強構造32に向かって折り畳まれる。更に、側方支持脚34a、34bを下部連結アーム35bと共に矢印54によって示される方向に移動させることによって、側方支持脚34a、34b及び下部連結アーム35bは、同様に、上部補強構造32に向かって折り畳まれる。
【0076】
前述の実施形態への改変は当業者の一般的な知識の範囲内にあり、したがって本発明の一部ともみなされることに留意されたい。例えば、例えば、図1から図3の防火壁配置10上への取り付けの間、補強材骨格30を更にしっかり固定するために、図3から図7の補強材骨格30に安全フックを取り付けることができる。補強材骨格への安全フックの取り付けを可能にするために、適切なアイ又はラグを補強材骨格に取り付けることができる。更に、図3から図7のうちのいずれか1つに従った上部補強構造32の複数の支持アーム32a、32b、32cのうちの1つ以上の長さは、例えば、適切な長さ調節デバイスなどを使用して調節可能である。
【0077】
図面は本発明の実施形態を概略的に表すことのみを意図しており、詳細な構造を示すものではないことを、更に留意されたい。
【符号の説明】
【0078】
1 回転翼航空機
2 胴体
2a コックピット
2b キャビン
2c 胴体の上部主外板
2f、2g 胴体側板
2h 前部デッキ外板
2i エンジンデッキ外板
2j 後部デッキ外板
3 尾部資材
4 逆トルクデバイス
4a 尾部ロータ―
5 フィン
6 航空機上部デッキ
6a エンジンデッキ
7 エンジン収容領域
8 カウリング
10 防火壁配置
10a 前部防火壁
10b 後部防火壁
10c 中間防火壁
10d 尾部ロータ駆動シャフト
10e 前部防火壁上部延長部
10f 後部カバー
10g ガスケット
11a、11b 航空機エンジン
20a、20b エンジンコンパートメント
30 補強材骨格
31 上部延長支持アーム
32 上部補強構造
32a、32b、32c 上部支持アーム
33 側方補強構造
33a、33b 側方支持脚
34a、34b 側方支持脚
35a、35b 下部連結アーム
36a、36b、36c、36d 骨格取り付け手段
37 前部骨格セクション
38 後部骨格セクション
40 自己支持型フレーム構造
41a、41b、41c 上部支持アーム接続
42a、42b、42c、42d、42e、42f、42g、42h、42i、42j 上部支持アームヒンジ
43a、43b 側方支持脚接続
44a、44b 側方支持脚接続
45a、45b、45c、45d 側方支持脚ヒンジ
46a、46b、46c、46d 側方支持脚ヒンジ
47a、47b 下部連結アーム接続
48a、48b 下部連結アーム接続
49a、49b 下部連結アームヒンジ
50、51、52、53、54 折り畳み方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7