(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】複数のテスト端子及び並列接続部品を有する発光ダイオードパッケージ
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20221220BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20221220BHJP
【FI】
H01L33/62
H01L33/00 K
(21)【出願番号】P 2021123144
(22)【出願日】2021-07-28
【審査請求日】2021-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】511207730
【氏名又は名称】聯嘉光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】陳 復邦
(72)【発明者】
【氏名】張 志強
(72)【発明者】
【氏名】黄 長清
(72)【発明者】
【氏名】▲らい▼ 俊銘
(72)【発明者】
【氏名】黄 文星
(72)【発明者】
【氏名】蔡 増光
(72)【発明者】
【氏名】黄 國欣
【審査官】高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0328070(US,A1)
【文献】特表2006-513585(JP,A)
【文献】特開2016-086191(JP,A)
【文献】特開2012-015329(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
G01R 31/26-31/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主部品なる発光ダイオードチップと並列接続副部品とがダイボンディングされる、複数のテスト端子及び並列接続部品を有する発光ダイオードパッケージであって、
両側に位置する上方部品平面と、下底部SMD電極平面とを有し、前記上方部品平面には主部品第1電極と、主部品第2電極と、副部品第1電極と、副部品第2電極とが設けられ、前記主部品第1電極及び前記主部品第2電極により前記主部品なる発光ダイオードチップがダイボンディングされ、前記副部品第1電極及び前記副部品第2電極により前記並列接続副部品がダイボンディングされ、前記主部品第1電極と前記副部品第1電極は電気的に接続されるパッケージングキャリアと、
前記下底部SMD電極平面に設けられ且つ前記主部品第1電極及び前記副部品第1電極に電気的に接続される電気的テスト第1位置接点と、
前記下底部SMD電極平面に設けられ且つ前記副部品第2電極
に電気的に接続される電気的テスト第2位置接点と、
前記下底部SMD電極平面に設けられ且つ前記主部品第2電極に電気的に接続される電気的テスト第3位置接点とを含むことを特徴とする前記発光ダイオードパッケージ。
【請求項2】
前記下底部SMD電極平面にはキャリアの第1外部電極と、キャリアの第2外部電極と、キャリアの中継電極とがさらに設けられ、且つ前記キャリアの第1外部電極は第1電極導通穴を介して前記主部品第1電極及び前記副部品第1電極に電気的に接続され、前記キャリアの第2外部電極は第2電極導通穴を介して前記主部品第2電極に電気的に接続され、前記キャリアの中継電極はキャリアの中継電極導通穴を介して前記副部品第2電極に電気的に接続されることを特徴とする請求項
1に記載の発光ダイオードパッケージ。
【請求項3】
前記パッケージングキャリアの前記下底部SMD電極平面は回路基板を覆い、且つ前記キャリアの第2外部電極と前記キャリアの中継電極は前記下底部SMD電極平面においてはんだペーストによって電気的に接続されることを特徴とする請求項
2に記載の発光ダイオードパッケージ。
【請求項4】
前記パッケージングキャリアの前記下底部SMD電極平面は回路基板に設けられ、且つ前記キャリアの第1外部電極、前記キャリアの第2外部電極及び前記キャリアの中継電極は前記回路基板の回路基板上方平面に延伸し、且つ前記キャリアの第2外部電極と前記キャリアの中継電極は前記回路基板上方平面において導電性フィルムを介して電気的に接続されることを特徴とする請求項
2に記載の発光ダイオードパッケージ。
【請求項5】
前記主部品なる発光ダイオードチップは水平型発光ダイオード、フリップチップ型発光ダイオード、垂直型発光ダイオード及び複数のコンタクトを備えた垂直型発光ダイオードから選ばれるいずれか1種であることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードパッケージ。
【請求項6】
前記パッケージングキャリアの材質はセラミック基板、BT板、銅基板及び炭化ケイ素基板から選ばれるいずれか1種であることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードパッケージ。
【請求項7】
前記主部品なる発光ダイオードチップは複数の発光ダイオードチップが直列に接続されたものであることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードパッケージ。
【請求項8】
異なる前記発光ダイオードチップの間には電気的テスト位置接点がそれぞれ追加されることを特徴とする請求項
7に記載の発光ダイオードパッケージ。
【請求項9】
前記主部品なる発光ダイオードチップは複数の発光ダイオードチップが並列に接続されたものであることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードパッケージ。
【請求項10】
前記並列接続副部品はツェナーダイオード、コンデンサ及び発光ダイオードチップから選ばれるいずれか1種であり、且つ前記並列接続副部品が発光ダイオードチップである場合には、前記並列接続副部品の順方向電圧は前記主部品なる発光ダイオードチップの順方向電圧に近いことを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードパッケージ。
【請求項11】
前記並列接続副部品がツェナーダイオードで且つ単方向である場合には、前記並列接続副部品は反対の極性で前記主部品なる発光ダイオードチップに並列に接続されることを特徴とする請求項
10に記載の発光ダイオードパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードのパッケージ構造に関し、特に、複数のテスト端子及び並列接続部品を有する発光ダイオードパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)は半導体の電子と正孔の結合で高輝度を得る光源である。関連の製品は高輝度殺菌(紫外線)、自動車のヘッドライト及びテールライト(青色光、黄色光、赤色光)、プロジェクター用光源(青色光、緑色光、赤色光)、赤外線による危険検知(赤外線)に用いることができる。性能に優れた高出力LED部品には高輝度と高照度だけでなく、高い信頼性も求められる。例えば、自動車のヘッドライトモジュールでは、LEDが不動作になる場合に、夜間の安全走行に影響がある。自動車用LEDの場合は、たとえ1ppmという微小な不動作でも、自動車業界の基準からすれば改善が必要である。
【0003】
LEDチップ構造によって、LEDは様々なタイプに分けられる。低コストの水平型チップの他に、高出力大サイズチップ分野ではプロセスが複雑なフリップチップ型及び垂直型の高出力LEDチップが開発されている。例えば、特許文献1には、フリップチップ(FLIP-CHIP)型LEDチップ構造が開示されている。特許文献2には、垂直型LEDチップ構造が開示されている。特許文献3には、垂直型LEDを用いた複数のコンタクトによる技術案が開示されており、N電極が下方電極として用いられ、側壁が絶縁の複数のコンタクトがP型半導体層、量子井戸層を垂直に通過してN型半導体層内に延伸することで、動作電流がN型半導体層内に均一分散され、パッケージング工程でワイヤーボンディングに用いるためにP電極に側縁が設けられる。
【0004】
従来、LEDが不動作になるのはウェハーの欠陥で生成される漏れ電流(leakage current)が主な原因で、他にはパッケージング工程で、発光ダイオードの半導体部分でチップダイボンディング工程と電極導通工程における応力で半導体層が牽引されること、又は高温工程における熱応力もしくはパッケージング接着材に牽引されて微細な亀裂が形成されたりフィルムが剥離されたりしてより大きな漏れ電流が生成することで、パッケージが不動作になり又は信頼性が低下することが挙げられる。
【0005】
例えば、
図1は従来のパッケージの回路模式図である。
図2に示すように、従来の発光ダイオードパッケージ構造の断面模式図であり、LEDチップ1のSMDパッケージングを行う時には、キャリアダイボンディング接着層4AによってP電極2をパッケージングキャリア3のダイボンディングベース4に接着させ、ワイヤーボンディングによりN電極5の金線6をワイヤーボンディング端子7に電気的に接続させ、ダイボンディングベース4は導電性金属8を介してパッケージングキャリア3の他側に位置するアノード9A(Anode)に、ワイヤーボンディング端子7は同カソード9B(Cathode)に電気的に接続される。強い静電気で部品が損傷することを防ぐために、LEDチップ1にツェナーダイオード1A(Zener diode)が並列に接続されてもよい。
【0006】
高い信頼性という要件を満たすためには、パッケージング後のLEDチップ1に対して、アノード9A及びカソード9Bをテスト接点としてテスト機器で検出することで、自動車用LEDの高い基準を満たすことができる。
【0007】
しかし、LEDチップ1を検出する時には、部品の不動作が深刻な場合は、順方向電圧Vfと輝度から分かるものの、半導体に微細な亀裂が存在する場合は、これを知るには逆方向バイアス特性(例えば、Ir)に頼るしかない。LEDチップ1にツェナーダイオード1Aが並列に接続された場合、逆方向バイアス電圧下における電気的特性(例えば、漏れ電流Ir)を測定することができず、順方向バイアス電圧動作下における光学的又は電気的特性(例えば、輝度、波長、Vf)を測定する必要があるため、LEDチップ1の信頼性と検出可能性が低下しかねない。
【0008】
並列に接続されたツェナーダイオード1Aの他にも、回路に他の並列接続副部品が存在する場合に、LEDチップ1の電気的特性の測定に干渉を与えかねない。逆方向バイアス動作下におけるLEDチップ1の漏れ電流を正確に測定できなければ、パッケージング工程後のLEDチップ1の信頼性にも劣化テストによる評価にも大きな支障があると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国登録特許第US8183579B2号
【文献】米国登録特許第US8546831号
【文献】米国登録特許第US8319250号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記の実情に鑑みてなされたもので、主たる目的は複数のテスト端子及び並列接続部品を有する発光ダイオードパッケージを開示することであり、主部品なる発光ダイオードチップと並列接続副部品がダイボンディングされた後も、主部品なる発光ダイオードチップと並列接続副部品のそれぞれの電気的特性を測定することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は複数のテスト端子及び並列接続部品を有する発光ダイオードパッケージであり、主部品なる発光ダイオードチップと並列接続副部品とがダイボンディングされ、パッケージングキャリアと、電気的テスト第1位置接点と、電気的テスト第2位置接点と、電気的テスト第3位置接点とを含む。当該パッケージングキャリアは両側に位置する上方部品平面と、下底部SMD電極平面とを有し、当該上方部品平面には主部品第1電極と、主部品第2電極と、副部品第1電極と、副部品第2電極とが設けられ、当該主部品第1電極及び当該主部品第2電極は当該主部品なる発光ダイオードチップに電気的に接続され、当該副部品第1電極及び当該副部品第2電極は当該並列接続副部品に電気的に接続され、実施形態によって、電気的に接続されることはダイボンディング、ワイヤーボンディングなどであってもよく、電気的に接続されたものでさえあれば問題はなく、且つ当該主部品第1電極と当該副部品第1電極は電気的に接続される。当該電気的テスト第1位置接点は当該パッケージングキャリアに設けられ且つ当該主部品第1電極及び当該副部品第1電極に電気的に接続され、当該電気的テスト第2位置接点は当該パッケージングキャリアに設けられ且つ当該副部品第2電極に電気的に接続され、当該電気的テスト第3位置接点は当該パッケージングキャリアに設けられ且つ当該主部品第2電極に電気的に接続される。
【発明の効果】
【0012】
このようにして、主部品第1電極及び主部品第2電極により主部品なる発光ダイオードチップがダイボンディングされ、副部品第1電極及び副部品第2電極により並列接続副部品がダイボンディングされ、本発明では主部品なる発光ダイオードチップと並列接続副部品がダイボンディング工程により重要な構造に接続された後も、電気的テスト第1、第2、第3位置接点により主部品なる発光ダイオードチップ及び並列接続副部品のそれぞれの電気的特性を測定することができ、最後に電気的テスト第2、第3位置接点を接続させれば済み、接続工程が簡単かつ安全に行われるため、主部品なる発光ダイオードチップの信頼性が保持される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は従来のパッケージの回路模式図である。
【
図2】
図2は従来の発光ダイオードパッケージ構造の断面模式図である。
【
図3】
図3は本発明に係るパッケージングキャリアの正面の構造模式図である。
【
図4】
図4は本発明に係るパッケージングキャリアの背面の構造模式図である。
【
図5】
図5は本発明に係るパッケージ構造の回路模式図である。
【
図6】
図6は本発明の一実施例に係るパッケージングキャリアの正面の構造模式図である。
【
図7】
図7は本発明の一実施例に係るパッケージ構造の断面模式図である。
【
図8】
図8は本発明の一実施例に係る別のパッケージ構造の断面模式図である。
【
図9】
図9は本発明の一実施例に係る回路接続の模式図その1である。
【
図10】
図10は本発明の一実施例に係る回路接続の模式図その2である。
【
図11】
図11は本発明の別の実施例に係るパッケージングキャリアの構造模式図である。
【
図12】
図12は本発明の別の実施例に係るパッケージングキャリアの構造模式図である。
【
図13】
図13は本発明の更なる実施例に係るパッケージ構造の回路模式図である。
【
図14】
図14は本発明の更なる実施例に係るパッケージングキャリアの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の特徴、目的及び利点の一層の理解のために、好ましい実施例を挙げ図面を参照して説明する。
図3、
図4及び
図5に示すように、本発明は複数のテスト端子及び並列接続部品を有する発光ダイオードパッケージであり、主部品なる発光ダイオードチップ10と並列接続副部品11とがダイボンディングされ、パッケージングキャリア20と、電気的テスト第1位置接点31と、電気的テスト第2位置接点32と、電気的テスト第3位置接点33とを含む。
【0015】
図6及び
図7に示すように、パッケージングキャリア20は両側に位置する上方部品平面21と、下底部SMD電極平面22とを有し、上方部品平面21には主部品第1電極41と、主部品第2電極42と、副部品第1電極43と、副部品第2電極44とが設けられ、主部品第1電極41及び主部品第2電極42により主部品なる発光ダイオードチップ10がダイボンディングされ、副部品第1電極43及び副部品第2電極44により並列接続副部品11がダイボンディングされ、且つ主部品第1電極41と副部品第1電極43は電気的に接続される。
【0016】
また、電気的テスト第1位置接点31はパッケージングキャリア20に設けられ且つ主部品第1電極41及び副部品第1電極43に電気的に接続される。電気的テスト第2位置接点32はパッケージングキャリア20に設けられ且つ副部品第2電極44に電気的に接続される。電気的テスト第3位置接点33はパッケージングキャリア20に設けられ且つ主部品第2電極42に電気的に接続される。
【0017】
実際の構造としては、パッケージングキャリア20にはセラミック基板(窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素)、銅基板、BT(Bismaleimide Triazine)板などを選んでもよく、パッケージングキャリア20は単層の板とされてもよいし又は複数層の板とされてもよい。電気的テスト第1位置接点31、電気的テスト第2位置接点32及び電気的テスト第3位置接点33は上方部品平面21に設けられる。下底部SMD電極平面22にはキャリアの第1外部電極51と、キャリアの第2外部電極52と、キャリアの中継電極53とが設けられる。且つキャリアの第1外部電極51は第1電極導通穴61を介して主部品第1電極41、副部品第1電極43及び電気的テスト第1位置接点31に電気的に接続される。キャリアの第2外部電極52は第2電極導通穴62を介して主部品第2電極42及び電気的テスト第3位置接点33に電気的に接続される。キャリアの中継電極53はキャリアの中継電極導通穴63を介して副部品第2電極44及び電気的テスト第2位置接点32に電気的に接続される。また、下底部SMD電極平面22にはかさ上げ層54が設けられてもよく(
図4参照)、かさ上げ層54の高さはキャリアの第1外部電極51、キャリアの第2外部電極52及びキャリアの中継電極53の高さに等しく、これにより後続の工程の要件が満たされる。
【0018】
また、電気的テスト第1位置接点31、主部品第1電極41及び副部品第1電極43はパッケージングキャリア20に内蔵された金属導電層64(
図7参照)で電気的に接続されてもよい。電気的テスト第2位置接点32及び副部品第2電極44も、パッケージングキャリア20に内蔵された金属導電層64で電気的に接続されてもよい。電気的テスト第3位置接点33が主部品第2電極42に電気的に接続されることとしては、パッケージングキャリア20に内蔵された金属導電層64(
図7参照)で電気的に接続されることであってもよい。且つ金属導電層64はパッケージングキャリア20の上方部品平面21に形成されてもよい(
図6参照)。
【0019】
本発明では主部品なる発光ダイオードチップ10は水平型発光ダイオード、フリップチップ型発光ダイオード、垂直型発光ダイオード及び複数のコンタクトを備えた垂直型発光ダイオード(例えば、特許文献3)から選ばれるいずれか1種であってもよく、且つ主部品なる発光ダイオードチップ10としては単一の発光ダイオードチップ又は直列に接続された複数の発光ダイオードチップを用いて発光輝度を増すことができる。本発明に係るパッケージ構造の断面は
図7に示すとおりである。主部品なる発光ダイオードチップ10は垂直型発光ダイオードであり、主部品なる発光ダイオードチップ10は上部に位置するN型電極101と、底部に位置するP型電極102とを含み、P型電極102はキャリアダイボンディング接着層103により主部品第2電極42にダイボンディングされ、N型電極101は金線65を用いたワイヤーボンディングによって主部品第1電極41に接続される。並列接続副部品11はツェナーダイオード、コンデンサ及び発光ダイオードチップから選ばれるいずれか1種で、様々な機能を実現することができ、しかも並列接続副部品11が発光ダイオードチップである場合には、並列接続副部品11の順方向電圧(Vf)は主部品なる発光ダイオードチップ10の順方向電圧(Vf)に近い必要がある。並列接続副部品11がツェナーダイオードである場合には、双方向ツェナーダイオード(Bi-directional Zener Diodes)を選んでもよいし、又は単方向ツェナーダイオード(Zener Diode)を選んでもよく、単方向ツェナーダイオード(Zener Diode)である場合には、並列接続副部品11は反対の極性で主部品なる発光ダイオードチップ10に並列に接続される必要がある。
【0020】
図5に示すように、発光ダイオードパッケージ構造の回路に3つのテスト接点があり、電気的テスト第1位置接点31、電気的テスト第2位置接点32及び電気的テスト第3位置接点33である。電気的テスト第1位置接点31及び電気的テスト第2位置接点32を選んでテストを行う場合には、並列接続副部品11が正常な電気的特性で動作するかどうかをテストするために利用できる。電気的テスト第1位置接点31及び電気的テスト第3位置接点33を選んでテストを行う場合には、並列接続副部品11が存在するときに、主部品なる発光ダイオードチップ10の小電流下の順方向電圧Vf、及び主部品なる発光ダイオードチップ10の逆方向バイアス電圧動作下における漏れ電流の正確な数値を測定することができ、逆方向バイアス漏れ電流の形成原因としては半導体における欠陥の拡大や、高温炉での劣化、ESDテストなどが挙げられる。
【0021】
テストが完了した後、電気的テスト第2位置接点32と電気的テスト第3位置接点33は導電性金属66を介して電気的に接続される。導電性金属66はワイヤーボンディング工程の金線を用いてもよいし、又は半導体フィルムとして形成されてもよい。
【0022】
パッケージングキャリア20上の部品を保護するために、テストが完了した後、
図7に示すように、本発明はパッケージングキャリア20の上方部品平面21を覆ってパッケージングするパッケージング材70をさらに含んでもよく、これによりパッケージングキャリア20上の部品、例えば、主部品なる発光ダイオードチップ10、電気的テスト第1位置接点31、電気的テスト第2位置接点32、電気的テスト第3位置接点33、主部品第1電極41、主部品第2電極42、副部品第1電極43、副部品第2電極44などを保護することができる。
【0023】
図8に示すように、別の実施例では、本発明は第1パッケージング材71及び第2パッケージング材72をさらに含んでもよく、第1パッケージング材71によって主部品なる発光ダイオードチップ10、並列接続副部品11、主部品第1電極41、主部品第2電極42、副部品第1電極43及び副部品第2電極44が覆われる。
【0024】
また、パッケージングされていない電気的テスト第1位置接点31、電気的テスト第2位置接点32及び電気的テスト第3位置接点33を用いてテストを行えば、パッケージング工程の時に、金線65がパッケージング材によって牽引されると主部品なる発光ダイオードチップ10が間接的に牽引され破壊されて、主部品なる発光ダイオードチップ10に微細な亀裂が形成され又はフィルムが剥離されると不動作又は不安定になるという従来の問題を解決することができる。
【0025】
テストが完了した後、電気的テスト第2位置接点32と電気的テスト第3位置接点33は導電性金属66を介して電気的に接続される。最後に第2パッケージング材72で導電性金属66、電気的テスト第1位置接点31、電気的テスト第2位置接点32及び電気的テスト第3位置接点33を覆えば、全体のパッケージング工程が完了する。また、主部品なる発光ダイオードチップ10が不動作になる場合には、第2パッケージング材72だけを取り外して、接続導線66を除去し又は遮断させれば、主部品なる発光ダイオードチップ10の損傷は避けられ、再び検出すれば、簡単にかつ効果的に部品の不動作の原因を判明することができる。
【0026】
図9に示すように、一実施例では、電気的テスト第1位置接点31、電気的テスト第2位置接点32及び電気的テスト第3位置接点33はパッケージングキャリア20の下底部SMD電極平面22に設けられてもよい。実際の構造としては、キャリアの第1外部電極51がそのまま電気的テスト第1位置接点31とされ、キャリアの中継電極53が電気的テスト第2位置接点32とされ、キャリアの第2外部電極52が電気的テスト第3位置接点33とされてもよい。テストが完了した後、パッケージングキャリア20の下底部SMD電極平面22は回路基板80を覆い、且つキャリアの第2外部電極52とキャリアの中継電極53は下底部SMD電極平面22においてはんだペースト81によって電気的に接続される。これにより、パッケージングキャリア20は複数として並列されてもよく、しかも当該構造においては、回路基板80は複数のパッケージングキャリア20のキャリアの第1外部電極51及びキャリアの第2外部電極52にそれぞれ電気的に接続される複数の回路基板延伸電極82を有し、後続の工程でこれを利用することができる。
【0027】
図10に示すように、一実施例では、キャリアの第1外部電極51、キャリアの第2外部電極52及びキャリアの中継電極53は回路基板80の回路基板上方平面83に延伸してもよく、且つキャリアの第2外部電極52とキャリアの中継電極53は回路基板上方平面83において導電性フィルム81Aを介して電気的に接続される。
【0028】
前記実施例では、主部品なる発光ダイオードチップ10として垂直型発光ダイオードが選ばれるが、本発明ではフリップチップ型発光ダイオード、複数のコンタクトを備えた垂直型発光ダイオードなどを使用することもでき、以下それぞれを説明する。
【0029】
図11に示すように、主部品なる発光ダイオードチップ10Aとしてフリップチップ型発光ダイオードが選ばれ、且つ並列接続副部品11Aとしてフリップチップ型発光ダイオードが選ばれる場合には、主部品なる発光ダイオードチップ10A、並列接続副部品11Aはそれぞれフリップチップ方式でパッケージングキャリア20にダイボンディングされてもよい。
【0030】
図12に示すように、主部品なる発光ダイオードチップ10Bとして複数のコンタクトを備えた垂直型発光ダイオードが選ばれ、並列接続副部品11Bとしてコンデンサが選ばれる場合には、主部品なる発光ダイオードチップ10BのN型電極(底部に位置し、図示されていない)が主部品第1電極41にダイボンディングされた上に、当該主部品なる発光ダイオードチップのP型電極102はワイヤーボンディング方式で金線65によって主部品第2電極42に電気的に接続されてもよい。且つ
図12に示すように、第1電極導通穴61及び第2電極導通穴62だけを有し、且つ電気的テスト第2位置接点32及び電気的テスト第3位置接点33はテストした後、導電性金属66(ワイヤーボンディング又は金属フィルム)によって電気的に接続され、そのためにキャリアの中継電極導通穴63がなくてもよい。
【0031】
図13に示すように、本発明の更なる実施例に係るパッケージ構造の回路模式図である。本実施例では、主部品なる発光ダイオードチップ10Cは複数の発光ダイオードチップ10C1、10C2、10C3が直列に接続されたものであってもよい。別の実施例では、主部品なる発光ダイオードチップは複数の発光ダイオードチップが並列に接続されたものであってもよい。本実施例では、例えば、
図13で、直列に接続された3つの発光ダイオードチップ10C1、10C2及び10C3が単一のLEDチップと同じ順方向電流で動作する場合に、発光ダイオードチップ10C1、10C2及び10C3(主部品なる発光ダイオードチップ10C)の全体電圧(Vf)は単一のLEDチップの場合の3倍で、その発光効率も単一のLEDチップの場合の3倍である。そのために、従来の自動車ヘッドライトのパッケージとしては高い電圧でより多くの光出力を得るために、複数のLEDチップが直列に接続されたものが一般的である。
【0032】
発光ダイオードチップ10C1、10C2及び10C3が直列に接続された回路においては、一部が損傷されて漏れ電流が生成した場合に、直列接続回路の中で発光ダイオードチップ10C1、10C2及び10C3のいずれかが正常なチップであれば、損傷したチップの漏れ電流は検出できない。そのために、当該欠点を解消するためには、異なる発光ダイオードチップ10C1と10C2と10C3との間には電気的テスト位置接点33B、33Cがそれぞれ追加されてもよく、
図13に示すとおりである。発光ダイオードチップ10C1と10C2との間には電気的テスト位置接点33Bが追加され、発光ダイオードチップ10C2と10C3との間には電気的テスト位置接点33Cが追加される。
【0033】
図13に示すように、電気的テスト第3位置接点33及び電気的テスト位置接点33Bを測定すれば発光ダイオードチップ10C1の漏れ電流特性を測定することができる。同様に、電気的テスト位置接点33B及び電気的テスト位置接点33Cを測定すれば発光ダイオードチップ10C2の漏れ電流特性を測定することができる。同様に、電気的テスト位置接点33C及び電気的テスト第1位置接点31を測定すれば発光ダイオードチップ10C3の漏れ電流特性を測定することができる。より多くのLEDチップが直列に接続された場合は、前記方法を準用することができる。
【0034】
図14に示すように、本発明の更なる実施例に係るパッケージングキャリアの構造模式図である。本実施例では、発光ダイオードチップ10C1は主部品チップA第2電極42Aにダイボンディングされ、発光ダイオードチップ10C1のN電極12C1はワイヤーボンディング方式で主部品チップB第2電極42BのダイボンディングベースのP電極端子42B1に接続され、且つ電気的テスト位置接点33Bに電気的に接続される。
【0035】
発光ダイオードチップ10C2は主部品チップB第2電極42Bにダイボンディングされ、発光ダイオードチップ10C2のN電極12C2はワイヤーボンディング方式で主部品チップC第2電極42CのダイボンディングベースのP電極端子42C1に接続され、且つ電気的テスト位置接点33Cに電気的に接続される。
【0036】
発光ダイオードチップ10C3は主部品チップC第2電極42Cにダイボンディングされ、発光ダイオードチップ10C3のN電極12C3はワイヤーボンディング方式で主部品第1電極41に接続されて、副部品なるツェナーダイオード11Cに並列に接続される。
【0037】
当該実施例でパッケージングキャリアの5つのテスト接点は、電気的テスト第1位置接点31、電気的テスト第2位置接点32、電気的テスト第3位置接点33、電気的テスト位置接点33B及び電気的テスト位置接点33Cを含み、5つの複列プローブを用いて、プログラム化した測定を行うことができる。
【0038】
上述した内容から分かるように、本発明は少なくとも以下の利点を有する。
1.本発明では主部品なる発光ダイオードチップは水平型発光ダイオード、フリップチップ型発光ダイオード、垂直型発光ダイオード又は複数のコンタクトを備えた垂直型発光ダイオードであってもよく、単一のLEDチップとして動作してもよいし直列に接続された複数のLEDチップとして動作してもよく、適用範囲が広く、パッケージング及びテストの両方の使用要件が満たされる。
【0039】
2.電気的テスト第1、第2、第3位置接点を利用して主部品なる発光ダイオードチップ及び並列接続副部品のそれぞれの電気的特性を測定することで、並列接続副部品が存在する回路では主部品なる発光ダイオードチップの逆方向バイアス電気的特性(例えば、漏れ電流Ir)をテストして、チップ原料の欠陥、パッケージングプロセスにおける機械的応力、熱応力、静電力により損傷した部品を特定できないという従来の問題を解決することができ、主部品なる発光ダイオードチップの信頼性が保持される。
【0040】
3.電気的テスト第1、第2、第3位置接点をパッケージングキャリアの上方部品平面又は下底部SMD電極平面に設けることで、テスト接点の様々な接続形態を実現できる。
【0041】
4.第1パッケージング材と第2パッケージング材で段階的にパッケージングするという二次パッケージングの設計により、パッケージング工程の時に、ワイヤーボンディングを受ける金属がパッケージング材によって牽引されると主部品なる発光ダイオードチップが間接的に牽引され破壊されて、微細な亀裂が形成され又はフィルムが剥離されることで部品の性能が低下するにも関わらず、これを検出できないという従来の問題を解決することができる。
【0042】
5.二次パッケージングという設計を用いると、部品が不動作になる場合には、第2パッケージング材だけを取り外して接続導線を除去し又は遮断させれば、主部品なる発光ダイオードチップの損傷は避けられ、再び検出すれば、簡単にかつ効果的に部品の不動作の原因を判明することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 半導体デバイス
1A ツェナーダイオード
2 P電極
3 パッケージングキャリア
4 ダイボンディングベース
5 N電極
6 金線
7 ワイヤーボンディング端子
8 導電性金属
9A アノード
9B カソード
10、10A、10B、10C 発光ダイオードチップ
10C1、10C2、10C3 発光ダイオードチップ
101 N型電極
102 P型電極
11、11A、11B 並列接続副部品
12C1、12C2、12C3 N電極
20 パッケージングキャリア
21 上方部品平面
22 下底部SMD電極平面
31 電気的テスト第1位置接点
32 電気的テスト第2位置接点
33 電気的テスト第3位置接点
33B、33C 電気的テスト位置接点
41 主部品第1電極
42 主部品第2電極
42A 主部品チップA第2電極
42B 主部品チップB第2電極
42B1 ダイボンディングベースのP電極端子
42C 主部品チップC第2電極
42C1 ダイボンディングベースのP電極端子
103 ダイボンディング接着層
43 副部品第1電極
44 副部品第2電極
51 キャリアの第1外部電極
52 キャリアの第2外部電極
53 キャリアの中継電極
54 かさ上げ層
61 第1電極導通穴
62 第2電極導通穴
63 キャリアの中継電極導通穴
64 金属導電層
65 金線
66 導電性金属
70 パッケージング材
71 第1パッケージング材
72 第2パッケージング材
80 回路基板
81 はんだペースト
81A 導電性フィルム
82 回路基板延伸電極
83 回路基板上方平面
【要約】 (修正有)
【課題】発光ダイオードチップと並列接続副部品がダイボンディングされた後も、それぞれの電気的特性が個別に測定可能となる発光ダイオードパッケージ。
【解決手段】本発明はパッケージングキャリア20と、パッケージングキャリア上の電気的テスト第1、第2、第3位置接点(31、32、33)とを含み、パッケージングキャリアは上方平面と、下底部平面とを有し、上方部品平面には主部品第1及び第2電極(41、42)と、副部品第1及び第2電極(43、44)が設けられ、電気的テスト第1位置接点31は主部品第1電極41及び副部品第1電極43に接続され、電気的テスト第2位置接点32は副部品第2電極44に接続され、電気的テスト第3位置接点33は主部品第2電極に接続される。これより電気的テスト第1、第2、第3位置接点にて主部品発光ダイオードチップ及び並列接続副部品のそれぞれの電気的特性を個別に測定することができる。
【選択図】
図6