(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】操舵操作子
(51)【国際特許分類】
B62D 1/10 20060101AFI20221220BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20221220BHJP
B60R 16/027 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
B62D1/10
B60R11/02 C
B60R16/027 T
(21)【出願番号】P 2021501459
(86)(22)【出願日】2019-02-27
(86)【国際出願番号】 JP2019007592
(87)【国際公開番号】W WO2020174614
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青木 夕紀
(72)【発明者】
【氏名】清水 陽祐
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健之
【審査官】森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-164466(JP,A)
【文献】特開2014-166834(JP,A)
【文献】特開2013-089245(JP,A)
【文献】特開2013-079061(JP,A)
【文献】特開平04-057087(JP,A)
【文献】特開平04-013175(JP,A)
【文献】特開2018-176935(JP,A)
【文献】国際公開第2018/092230(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 1/00- 1/28
B60R 11/02
B60R 16/00-16/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の操舵操作子であって、
車体に回転可能に設けられたハブ部と、
前記ハブ部の外周から径方向外方に延びる延長部と、
前記延長部の外縁に設けられた外縁部と、
前記ハブ部に設けられたディスプレイと、
前記延長部に設けられた少なくとも第1光源と、
前記ディスプレイ及び前記第1光源を制御するインターフェース制御装置とを有し、
前記インターフェース制御装置は、
前記車両の状態を示す車両状態情報及び
前記車両の周囲の環境を示す環境情報の少なくとも一方に対応した画像を前記ディスプレイに表示させ、
前記環境情報は、外界認識装置によって取得され、前記車両と前記車両の周囲に存在する周辺車両との相対位置関係を示す周辺車両情報を含み、
前記インターフェース制御装置は、前記周辺車両情報を示す第1画像を前記ディスプレイに表示させ、
前記インターフェース制御装置は、前記車両状態情報に含まれる、自動運転モード及び手動運転モードを含む運転モード情報に応じて前記第1画像を変化させ、
前記インターフェース制御装置は、前記自動運転モードである場合に、前記手動運転モードである場合よりも、前記第1画像に表示する前記車両を中心とした領域を広域にする操舵操作子。
【請求項2】
車両の操舵操作子であって、
車体に回転可能に設けられたハブ部と、
前記ハブ部の外周から径方向外方に延びる延長部と、
前記延長部の外縁に設けられた外縁部と、
前記ハブ部に設けられたディスプレイと、
前記延長部に設けられた少なくとも第1光源と、
前記ディスプレイ及び前記第1光源を制御するインターフェース制御装置とを有し、
前記インターフェース制御装置は、
前記車両の状態を示す車両状態情報及び
前記車両の周囲の環境を示す環境情報の少なくとも一方に対応した画像を前記ディスプレイに表示させ、
前記環境情報は、外界認識装置によって取得され、前記車両と前記車両の周囲に存在する周辺車両との相対位置関係を示す周辺車両情報を含み、
前記インターフェース制御装置は、前記周辺車両情報を示す第1画像を前記ディスプレイに表示させ、
前記インターフェース制御装置は、前記車両状態情報に含まれる、自動運転モード及び手動運転モードを含む運転モード情報に応じて前記第1画像を変化させ、
前記インターフェース制御装置は、前記自動運転モードである場合に、前記車両状態情報に基づいて前記車両の将来軌道を取得し、前記ディスプレイに前記将来軌道を表す第2画像を表示させ、
前記インターフェース制御装置は、前記ディスプレイにおいて前記第2画像を前記第1画像の上方に配置し、前記将来軌道に応じて前記第2画像を左右に移動させる操舵操作子。
【請求項3】
車両の操舵操作子であって、
車体に回転可能に設けられたハブ部と、
前記ハブ部の外周から径方向外方に延びる延長部と、
前記延長部の外縁に設けられた外縁部と、
前記ハブ部に設けられたディスプレイと、
前記延長部に設けられた少なくとも第1光源と、
前記ディスプレイ及び前記第1光源を制御するインターフェース制御装置と
、
前記外縁部に設けられた少なくとも1つのタッチセンサとを有し、
前記インターフェース制御装置は、
前記車両の状態を示す車両状態情報及び
前記車両の周囲の環境を示す環境情報の少なくとも一方に対応した画像を前記ディスプレイに表示させ、
前記環境情報は、外界認識装置によって取得され、前記車両と前記車両の周囲に存在する周辺車両との相対位置関係を示す周辺車両情報を含み、
前記インターフェース制御装置は、前記周辺車両情報を示す第1画像を前記ディスプレイに表示させ、
前記インターフェース制御装置は、前記車両状態情報に含まれる、自動運転モード及び手動運転モードを含む運転モード情報に応じて前記第1画像を変化させ、
前記インターフェース制御装置は、前記タッチセンサが検出する操作入力に応じて前記第1光源を発光させ
、
前記インターフェース制御装置は、前記車両状態情報に基づいて前記自動運転モードから前記手動運転モードに変更するときに生成される運転介入要求が生成されているか否かを判定し、前記運転介入要求が生成されており、かつ乗員による前記外縁部の把持操作に対応した前記操作入力が検出された場合と、前記運転介入要求が生成されておらず、かつ乗員による前記外縁部の把持操作に対応した前記操作入力が検出された場合とで前記第1光源の発光態様を変化させる操舵操作子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の操舵操作子に関する。
【背景技術】
【0002】
自動運転車両のステアリングホイールとして、リング部に液晶モニタ等の表示部を設け、表示部に操舵角に応じて周方向に移動する操舵角表示を表示させることによって、操舵角を乗員に認識させるものがある(例えば、特許文献1)。また、リング部に設けた発光素子を操舵方向に順に発光させることによって、将来の車両軌跡を表示し、ヨーレートや横加速度の大きさに応じて発行色を変化させるものがある(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-83523号公報
【文献】国際公開第2015-145674号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両の前方を監視している運転者にとって、リング部に設けられた発光体が車両の挙動に合わせて発光すると、乗員の視界の下部で光がちらつき、乗員が煩わしさを感じる虞がある。
【0005】
本発明は、以上の背景を鑑み、車両の操舵操作子において、乗員に煩わしさを感じさせることなく、適切に情報を表示することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明のある態様は、車両(2)の操舵操作子(10)であって、車体(15)に回転可能に設けられたハブ部(31)と、前記ハブ部の外周から径方向外方に延びる延長部(32)と、前記延長部の外縁に設けられた外縁部(33)と、前記ハブ部に設けられたディスプレイ(40)と、前記延長部に設けられた少なくとも第1光源(27A)と、前記ディスプレイ及び前記第1光源を制御するインターフェース制御装置(41)とを有し、前記インターフェース制御装置は、車両の状態を示す車両状態情報及び車両の周囲の環境を示す環境情報の少なくとも一方に対応した画像を前記ディスプレイに表示させる。
【0007】
この構成によれば、第1光源が外縁部ではなく、その内側の延長部に設けられているため、第1光源からの光が乗員に煩わしさを感じさせることを低減することができる。また、ハブ部に設けられたディスプレイが車両状態情報に対応した画像を表示するため、乗員に適切に情報を伝達することできる。
【0008】
上記の態様において、前記環境情報は、外界認識装置によって取得され、前記車両と前記車両の周囲に存在する周辺車両との相対位置関係を示す周辺車両情報を含み、前記インターフェース制御装置は、前記周辺車両情報を示す第1画像(91、92)を前記ディスプレイに表示させるとよい。
【0009】
この構成によれば、乗員はディスプレイを確認することによって、周辺車両の存在及び位置を認識することができる。
【0010】
上記の態様において、前記インターフェース制御装置は、前記車両状態情報に含まれる、自動運転モード及び手動運転モードを含む運転モード情報に応じて前記第1画像を変化させるとよい。
【0011】
この構成によれば、ディスプレイによって各運転モードに適した情報を乗員に伝達することができる。例えば、手動運転モードでは乗員は目視により周辺車両を含む外部環境を監視するため、ディスプレイには周辺車両に関する情報よりも自車両の状態を表示する方がよい。
【0012】
上記の態様において、前記インターフェース制御装置は、前記自動運転モードである場合に、前記手動運転モードである場合よりも、前記第1画像に表示する前記車両を中心とした領域を広域にするとよい。
【0013】
この構成によれば、手動運転モードでは、ディスプレイには周辺車両に関する情報よりも自車両に関する情報を多く表示することができる。
【0014】
上記の態様において、前記インターフェース制御装置は、前記手動運転モードである場合に、前記車両状態情報に基づいて前記車両の加減速状態を判定し、前記加減速状態に応じて前記第1画像に含まれる前記車両に対応した自車両画像を変化させるとよい。
【0015】
この構成によれば、乗員は自車両画像に基づいて車両の加減速を認識することができる。
【0016】
上記の態様において、前記インターフェース制御装置は、前記自車両画像上に車速に応じて移動速度が変化する複数の物体画像(105)を表示させるとよい。
【0017】
この構成によれば、乗員は自車両画像に基づいて車両の加減速を認識することができる。
【0018】
上記の態様において、前記インターフェース制御装置は、前記自動運転モードである場合に、前記車両状態情報に基づいて前記車両の将来軌道を取得し、前記ディスプレイに前記将来軌道を表す第2画像(92、102)を表示させるとよい。
【0019】
この構成によれば、乗員はディスプレイに表示される第2画像に基づいて自車両の進行方向を認識することができる。
【0020】
上記の態様において、前記インターフェース制御装置は、前記ディスプレイにおいて前記第2画像を前記第1画像の上方に配置し、前記将来軌道に応じて前記第2画像を左右に移動させるとよい。
【0021】
この構成によれば、比較的小さなスペースを利用して第2画像を表示することができる。
【0022】
上記の態様において、前記外縁部に設けられた少なくとも1つのタッチセンサ(35~37)を有し、前記インターフェース制御装置は、前記タッチセンサが検出する操作入力に応じて前記光源を発光させるとよい。
【0023】
この構成によれば、乗員によるタッチセンサへの操作入力がない場合には、延長部及び外縁部の少なくとも一方に設けられた光源は発光しないため、光源からの光が乗員に煩わしさを感じさせることを低減することができる。
【0024】
上記の態様において、前記外縁部に設けられた少なくとも1つの第2光源を有し、前記インターフェース制御装置は、前記タッチセンサへの前記操作入力に応じて前記第1光源及び前記第2光源の発光態様を変化させるとよい。
【0025】
この構成によれば、第1光源及び第2光源は乗員の操作に応じて発光するため、乗員は自身の操作が操舵操作子によって検知されたことを認識することができる。また、乗員がタッチセンサに対して操作を行っていないときには第1光源及び第2光源は発光しないため、乗員が煩わしさを感じ難くすることができる。
【0026】
上記の態様において、前記インターフェース制御装置は、前記車両状態情報に基づいて前記自動運転モードから前記手動運転モードに変更するときに生成される運転介入要求が生成されているか否かを判定し、前記運転介入要求が生成されており、かつ乗員による前記外縁部の把持操作に対応した前記操作入力が検出された場合と、前記運転介入要求が生成されておらず、かつ乗員による前記外縁部の把持操作に対応した前記操作入力が検出された場合とで前記第1光源の発光態様を変化させるとよい。
【0027】
この構成によれば、乗員は運転介入要求に対する自身の応答操作が操舵操作子によって検知されたことを認識することができる。
【発明の効果】
【0028】
以上の構成によれば、車両の操舵操作子において、乗員に煩わしさを感じさせることなく、適切に情報を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図4】操舵操作子に設けられた第1~第3静電容量センサの位置関係を示す説明図
【
図5】操舵操作子のリング部の断面図(
図3のV-V断面図)
【
図6】ディスプレイに表示される画像であり、(A)ドア開時画像、(B)停車時画像、(C)自動運転時画像、(D)手動運転時画像
【
図7】(A)自動運転時のシングルタップ操作、(B)自動運転時のさすり操作、(C)運転介入要求の発生時の把持操作に対する操舵操作子の発光態様を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して、本発明に係る車両制御システムの実施形態について説明する。
図1に示すように、車両制御システム1は、自動運転が可能な車両2に設けられる。車両2は、乗員が主として運転操作を行う手動運転モードと、車両2が主として運転操作を行う自動運転モードで走行することができる。
図1に示すように、車両2は、車両2の車輪を転舵させる操舵装置4と、車輪を回転させる駆動装置5と、車輪の回転を制動する制動装置6とを有する。
【0031】
車両制御システム1は、各種センサを備えた操舵操作子10と、操舵操作子10からの信号に応じて操舵装置4、駆動装置5、及び制動装置6の少なくとも1つを制御する走行制御装置11とを有する。操舵操作子10は、車両2の操舵するために、乗員の入力操作を受け付ける装置である。操舵操作子10は、例えばステアリングホイールや操縦桿を含み、その外縁部の形状は円形や四角形、円の一部を切り欠いた形状、左右の円弧部と上下の直線部とを組み合わせた形状等であってよい。
【0032】
図2に示すように、操舵操作子10は、車体15に支持装置16を介して回転可能に支持されている。支持装置16は、車体15の一部を構成する。支持装置16は、車両2の車室17の前壁を構成するダッシュパネル18に設けられて左右に延びるレール21と、レール21に支持されたスライダ22と、スライダ22から後方に延びるアーム23と、アーム23の有端に設けられたベース24とを有する。スライダ22はレール21に沿って左右に移動可能にスライダ22に支持されている。アーム23は、少なくとも1つの関節25を有し、スライダ22に対して前後方向及び上下方向に移動可能にベース24を支持している。アーム23は例えば複数の平行リンク機構を含むとよい。
【0033】
図2及び
図3に示すように、操舵操作子10は、アーム23のベース24に回転可能に設けられたハブ部31と、ハブ部31の外周から径方向外方に延びる延長部32と、延長部32の外縁に設けられた外縁部33とを有する。延長部32は、ハブ部31と同軸状に設けられた円板状のディスク部を構成する。本実施形態では、延長部32は、ハブ部31から径方向外方に延びると共に、操舵操作子10(ハブ部31)の回転軸線A方向においてベース24と相反する側に延び、ハブ部31を頂点とする円錐形に形成されている。延長部32は、パンチングメタルのように複数の貫通孔を有してもよい。延長部32は、樹脂材料や金属材料によって形成されているとよい。
【0034】
外縁部33は、延長部32の外縁に沿って延びている。本実施形態では、外縁部は操舵操作子10(ハブ部31)の回転軸線Aを中心とした環状に形成され、リング部を構成する。外縁部33は円形状の横断面を有する。外縁部33の横断面における直径は延長部32の厚みよりも大きい。外縁部33は、操舵操作子10を回転操作するために、乗員によって把持されるグリップ部として機能する。外縁部33の表面は、例えばゴム等の可撓性を有する素材によって形成されているとよい。
【0035】
図1に示すように、操舵操作子10には、第1静電容量センサ35と、第2静電容量センサ36と、第3静電容量センサ37と、回転角センサ38と、力覚センサ39とが設けられている。回転角センサ38は、操舵操作子10の車体15に対する回転角を検出する。回転角センサ38は、ロータリエンコーダやレゾルバ等であってよい。他の実施形態では、操舵操作子10にジャイロセンサが設けられてもよい。ジャイロセンサは、操舵操作子10の回転速度を検出する。力覚センサ39は、公知の圧電式又はひずみゲージ式のセンサであってよく、ベース24とハブ部31の間に設けられている。
【0036】
図2、
図4及び
図5に示すように、第1~第3静電容量センサ35~37は、静電容量の変化に基づいて乗員の指等の物体の接近及び接触を検出するタッチセンサである。第1~第3静電容量センサ35~37は、操舵操作子10の外縁部33に設けられている。
【0037】
外縁部33は、乗員側を向く正面部33Aと、正面部33Aと相反する背面部33Bとを有する。詳細には、外縁部33の外周縁(操舵操作子10の回転軸線Aを中心として外縁部33の径が最大となる部分)と、外縁部33の内周縁(操舵操作子10の回転軸線Aを中心として外縁部33の径が最小となる部分)とを含む平面で外縁部33を2分割した場合に、ベース24側に配置される部分を背面部33B、ベース24部と相反する側に配置される部分を正面部33Aとする。第1静電容量センサ35は外縁部33の正面部33A及び背面部33Bの一方に設けられ、第2静電容量センサ36は外縁部33の正面部33A及び背面部33Bの他方に設けられている。本実施形態では、第1静電容量センサ35が正面部33Aに設けられ、第2静電容量センサ36が背面部33Bに設けられている。
【0038】
第1静電容量センサ35は、外縁部33の正面部33Aに沿って、外縁部33と同軸の環状に形成された1つのセンサである。他の実施形態では、第1静電容量センサ35は、外縁部33の正面部33Aに沿って周方向に配列された複数のセンサであってもよい。第1静電容量センサ35は、正面部33Aにおける内周側に配置されていることが好ましい。詳細には、操舵操作子10の回転軸線Aに沿った方向から見て、外縁部33の幅方向における中央を通過する中心環状線より径方向内側、すなわち外縁部33の内周部33Dに第1静電容量センサ35が配置されていることが好ましい。
【0039】
第2静電容量センサ36は、外縁部33の背面部33Bに沿って、外縁部33と同軸の環状に形成された1つのセンサである。他の実施形態では、第2静電容量センサ36は、外縁部33の背面部33Bに沿って周方向に配列された複数のセンサであってもよい。第2静電容量センサ36は、背面部33Bの幅方向における中央に沿って延びていることが好ましい。第2静電容量センサ36は、第1静電容量センサ35よりも大きい直径を有することが好ましい。
【0040】
第3静電容量センサ37は、外縁部33の外周縁を含む外周部33Cに沿って、周方向に複数配列されている。第3静電容量センサ37のそれぞれは、周方向に等しい角度幅を有し、等間隔で互いに隣り合って配置されている。隣り合う第3静電容量センサ37の間の隙間は小さいほど好ましい。本実施形態では、第3静電容量センサ37は、36個設けられ、それぞれ約10度の角度幅を有する。
【0041】
第1~第3静電容量センサ35~37は、静電容量に応じた信号を出力する。第1~第3静電容量センサ35~37は、物体が接近するほど、また接近する物体が大きいほど、また物体の比誘電率が高いほど静電容量が増加する。
【0042】
図2に示すように、延長部32及び外縁部33の少なくとも一方には少なくとも1つの光源27が設けられている。本実施形態では、光源27は、延長部32に設けられた少なくとも1つの第1光源27Aと、外縁部33に設けられた少なくとも1つの第2光源27Bとを有する。第1光源27A及び第2光源27Bは、例えばLEDであってよい。複数の第1光源27Aは、延長部32の正面部32Aに均一に分散されてもよく、ハブ部31を中心として放射状に配列されてもよく、ハブ部31を中心とした複数の同心円上に配列されてもよい。複数の第1光源27Aは、延長部32における各部を独立して発光させることができる。複数の第2光源27Bは、外縁部33の正面部33Aに沿って周方向に配列されてもよい。また、1つの第2光源27Bが、外縁部33の正面部33Aに沿って周方向に環状に設けられてもよい。第2光源27Bは、外縁部33の周方向における各部を独立して発光させることができる。
【0043】
図2に示すように、ハブ部31の正面部31A側(乗員側)には、ディスプレイ40が設けられている。ディスプレイ40は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイであり、カラー画像を表示することができる。ディスプレイ40は円形に形成され、ハブ部31の正面の面積の50%以上を占めている。
【0044】
走行制御装置11は、車両2の各種状態量を検出する車両センサ45と、自車両2の周囲の環境情報を検出する外界認識装置46とに接続されている。車両センサ45は、例えば車両2の車速を検出する車速センサや、車両2の加速度を検出する加速度センサ、車両2のヨーレートを検出するヨーレートセンサ、ドアの開閉状態を検出するドア開閉センサ等を含む。走行制御装置11は、車両センサ45から車両2の各種状態量を取得する。
【0045】
外界認識装置46は、周辺車両情報及び周辺環境情報を取得し、走行制御装置11に出力する。外界認識装置46は、自車両2の周囲を撮像するカメラ47と、自車両2の周囲に存在する物体を検出するレーザやライダ等の物体検出センサ48と、ナビゲーション装置49とを含む。外界認識装置46は、カメラ47が取得した画像から道路区画線や車線を取得し、カメラ47が取得した画像や物体検出センサ48の検出信号に基づいて自車両2の周囲を走行する周辺車両の位置及び速度を含む周辺車両情報を取得する。また、外界認識装置46は、ナビゲーション装置49からの自車両位置及び地図情報に基づいて、自車両2が走行する車線や隣接車線や分岐路等の周辺環境情報を取得する。
【0046】
走行制御装置11は、第1操作制御において、回転角センサ38からの信号に基づいて操舵装置4を制御し、操舵操作子10の押し引き操作や、第1~第3静電容量センサ35~37へのタッチ操作によって駆動装置5及び制動装置6を制御する。走行制御装置11は、例えば、力覚センサ39からの信号に基づいて操舵操作子10の回転軸線Aに沿った押し側(乗員から離れる側)及び引き側(乗員に近づく側)への移動を検出し、操舵操作子10が引き側に操作されたときに車両2を減速させるべく駆動装置5及び制動装置6を制御し、操舵操作子10が押し側に操作されたときに車両2を加速させるべく駆動装置5を制御するとよい。これにより、乗員は操舵操作子10を回転させることによって車両2を操舵することができ、操舵操作子10を押し込み操作することによって車両2を加速させることができ、操舵操作子10を引き操作することによって車両2を減速させることができる。また、走行制御装置11は、第1操作制御において、回転角センサ38からの信号に基づいて操舵装置4を制御し、アクセルペダル52からの信号に基づいて駆動装置5を制御し、ブレーキペダル53からの信号に基づいて駆動装置5及び制動装置6を制御してもよい。また、アクセルペダル52及びブレーキペダル53は、共通化して、踏み込むと加速に対応した信号、踏み込みを戻すと減速に対応した信号を出力するようにしてもよい。
【0047】
走行制御装置11は、操舵操作子10の回転角を検出する回転角センサ38からの信号に応じて操舵装置4を制御する第1操作モードと、第1~第3静電容量センサ35~37の少なくとも1つからの信号に応じて操舵装置4を制御する第2操作モードとを実行する。走行制御装置11は、車両2の運転モードに応じて第1操作モード及び第2操作モードを変更するとよい。走行制御装置11は、手動運転モードであるときに第1操作モードを実行し、自動運転モードであるときに第2操作モードを実行するとよい。
【0048】
走行制御装置11は、第1操作モードにおいて、乗員の操舵操作子10の回転操作に応じて操舵装置4を制御し、車輪の舵角を変化させる。走行制御装置11は、第2操作モードにおいて、乗員の第1~第3静電容量センサ35~37のタッチ操作に応じて操舵装置4及び駆動装置5の少なくとも一方を制御する。
【0049】
第1静電容量センサ35及び第2静電容量センサ36は、静電容量に応じた信号を走行制御装置11に出力する。走行制御装置11は、第1静電容量センサ35及び第2静電容量センサ36から出力される信号に応じて、駆動装置5及び制動装置6の少なくとも一方を制御する。走行制御装置11は、例えば、自動運転モードに対応した第2操作モードにおいて、第1静電容量センサ35及び第2静電容量センサ36から出力される信号に応じて、駆動装置5及び制動装置6の少なくとも一方を制御するとよい。本実施形態では、制御装置は、第1静電容量センサ35から所定の信号を受けたときに車両2を加速させるべく駆動装置5を制御する加速制御を実行し、第2静電容量センサ36から所定の信号を受けたときに車両2を減速させるべく駆動装置5及び制動装置6の少なくとも一方を制御する減速制御を実行する。加速制御は、目標車速を現在の値から所定値増加させるための制御や、自車両2と自車両2の前方を走行する前走車との目標車間距離を現在の値から所定値短くする制御を含む。減速制御は、目標車速を現在の値から所定値低下させるための制御や、自車両2と前走車との目標車間距離を現在の値から所定値長くする制御を含む。
【0050】
乗員が第1静電容量センサ35に対して所定の操作を行った場合に、第1静電容量センサ35は所定の信号を走行制御装置11に出力する。乗員が第1静電容量センサ35に対して行う所定の操作は、例えばシングルタップ操作やダブルタップ操作、長押し操作等の所定の静電容量の変化を発生させる操作であるとよい。本実施形態では、走行制御装置11は、乗員の第1静電容量センサ35に対するシングルタップ操作に対応した第1静電容量センサ35の静電容量の変化を検出したときに、加速制御を実行する。
【0051】
乗員が第2静電容量センサ36に対して所定の操作を行った場合に、第2静電容量センサ36は所定の信号を走行制御装置11に出力する。乗員が第2静電容量センサ36に対して行う所定の操作は、例えばシングルタップ操作やダブルタップ操作、長押し操作等の所定の静電容量の変化を発生させる操作であるとよい。本実施形態では、走行制御装置11は、乗員の第2静電容量センサ36に対するシングルタップ操作に対応した第2静電容量センサ36の静電容量の変化を検出したときに、減速制御を実行する。
【0052】
また、走行制御装置11は、車両2の停止時において、第1~第3静電容量センサ35~37の少なくとも1つから受ける信号に応じて、駆動装置5を制御して車両2の走行を開始する走行開始制御を実行するとよい。また、走行制御装置11は、車両2の走行時において、第1~第3静電容量センサ35~37の少なくとも1つから受ける信号に応じて、駆動装置5及び制動装置6の少なくとも一方を制御して車両2の走行を開始する走行開始制御を実行するとよい。走行制御装置11は、車両センサ45によって車速を取得し、車速が0又は所定値以下のときに車両2が停止していると判定するとよい。走行制御装置11は、例えば車速が所定値以下であり、かつ周方向において特定の位置に配置された第3静電容量センサ35によってシングルタップに対応した静電容量の変化を検出したときに、走行開始制御を実行し、駆動装置5を制御して車両2の走行を開始するとよい。また、走行制御装置11は、例えば車速が所定値より大きく、かつ周方向において特定の位置に配置された第3静電容量センサ37によってシングルタップに対応した静電容量の変化を検出したときに、停車制御を実行し、車両2を停車させるとよい。
【0053】
また、走行制御装置11は、複数の第3静電容量センサ37からの信号に基づいて、外縁部33に接触する乗員の手を含む物体が外縁部33の周方向における右回り方向、及び右回り方向と相反する左回り方向のいずれの移動方向に移動したかを検出し、物体の移動方向に基づいて操舵装置4を制御する操舵制御を実行する。物体が外縁部33の外周部33Cを周方向に移動すると、周方向に並ぶ複数の第3静電容量センサ37の静電容量が順番に増加した後に減少するため、複数の第3静電容量センサ37の静電容量の変化を検出することによって物体の外縁部33に対する周方向の移動を検出することができる。これにより、走行制御装置11は、複数の第3静電容量センサ37によって乗員による外縁部33の外周部33Cのさすり操作を検出することができる。外縁部33の右回り方向のさすり操作と左回り方向のさすり操作では、静電容量が変化する第3静電容量センサ37の順番が異なるため、走行制御装置11は乗員による右回り及び左回りのさすり操作を区別して認識することができる。また、走行制御装置11は、複数の第3静電容量センサ37からの信号に基づいて、外縁部33において乗員によるさすり操作が行われた部分(領域)を特定することができる。走行制御装置11は、乗員のさすり操作が外縁部33の特定の部分に行なわれたときに、操舵制御を実行するようにしてもよい。
【0054】
図1に示すように、ディスプレイ40、第1光源27A及び第2光源27Bは、インターフェース制御装置41によって制御される。インターフェース制御装置41は、車両2の状態を示す車両状態情報及び車両2の周囲の環境を示す環境情報の少なくとも一方に対応した画像をディスプレイ40に表示させ、第1~第3静電容量センサ35~37が検出する乗員の操作入力に応じて第1光源27A及び第2光源27Bを発光させる。車両状態情報は、車両2の運転モード(自動運転又は手動運転)、車両2の進行方向又は将来軌跡、車両2の速度、及び車両2の操舵角の少なくとも1つを含む。環境情報は、車両2の周囲に存在する周辺車両との相対位置関係を少なくとも含み、周辺車両の速度や、車両2と周辺車両との相対速度等を含んでもよい。インターフェース制御装置41は、走行制御装置11、後述する外界認識装置46、及び車両センサ45から、車両状態情報及び環境情報を取得する。インターフェース制御装置41は、外界認識装置46及び車両センサ45から直接に情報を取得してもよく、走行制御装置11を介して外界認識装置46及び車両センサ45から情報を取得してもよい。また、インターフェース制御装置41は、第1~第3静電容量センサ35~37と、走行制御装置11とからの信号に基づいて、第1光源27A及び第2光源27Bの発光態様を制御する。第1~第3静電容量センサ35~37からの信号はインターフェース制御装置41に直接に入力されてもよく、走行制御装置11を介してインターフェース制御装置41に入力されてもよい。
【0055】
次に、インターフェース制御装置41がディスプレイ40に表示させる画像について説明する。
図6に示すように、ディスプレイ40に表示される画像は、ドア開状態、停車状態(待機状態)、自動運転状態、手動運転状態の車両状態に応じて変化する。
【0056】
インターフェース制御装置41は、車両センサ45に含まれるドア開閉センサからの信号を、走行制御装置11を介して取得し、車両2のドアが開かれていると判定したときに、
図6(A)に対応したドア開時画像70をディスプレイ40に表示させる。ドア開時画像70は、予め設定された任意の画像であってよい。本実施形態に係るドア開時画像70は、黒色の背景と、ディスプレイ40の中央に配置された白色のエンブレム71とを含む。
【0057】
インターフェース制御装置41は、車両センサ45に含まれる車速センサからの信号や、パーキングブレーキの作動状態に関する信号、車両2の電源状態に関する信号を、走行制御装置11を介して取得し、これらの情報に基づいて車両2の電源がオンであり、かつ車両2が停車している停車状態であると判定したときに、
図6(B)に対応した停車時画像80をディスプレイ40に表示させる。停車時画像80は、ディスプレイ40の中央部に自車両2を表示する自車両画像81と、ディスプレイ40の上縁付近であって、自車両画像81の上方に表示された車両2の進行方向に対応した進行方向画像82(第2画像)とを含む。自車両画像81は、自車両2を抽象的に表示する画像であり、灰色の円形に描画されている。停車時画像80における自車両画像81は、自車両2が停車していることを乗員に認識させるために、形状が一定であり、不活性な印象を与える色(例えば、灰色)に着色されている。停車時画像80における進行方向画像82は、円形の点である。停車時画像80における進行方向画像82は、自車両2が走行していないため、左右方向における中央である中立位置に表示されている。
【0058】
インターフェース制御装置41は、走行制御装置11から運転モードを取得し、運転モードが自動運転モードであると判定したときに、
図6(C)に示す自動運転時画像90をディスプレイ40に表示させる。自動運転時画像90は、ディスプレイ40の中央部に自車両2を表示する自車両画像91と、ディスプレイ40の上縁付近であって、自車両画像91の上方に表示された車両2の進行方向に対応した進行方向画像92(第2画像)と、自車両2の周囲に存在する障害物に対応した障害物画像93とを含む。障害物は、自車両の周囲に存在する周辺車両や、人、落下物等を含む。自車両画像91と各障害物画像93とは、車両2と車両2の周囲に存在する周辺車両との相対位置関係を示す相対位置画像94(第1画像)を形成する。相対位置画像94は、車両2の周囲の領域を表す平面図である。
【0059】
自動運転時画像90における自車両画像91は、略円形に描画されている。自車両画像91は、車両2が走行中であることを乗員に認識させるために、その周縁部は液体が流動するように揺らいでいるとよい。また、自車両画像91は、車両2が走行中であることを乗員に認識させるために、停車時画像80における自車両画像81の色とは異なる色に着色されており、活性な印象を与える色(例えば青色)に着色されているとよい。自車両画像91は、加速度に応じて下方に移動し、減速度に応じて上方に移動し、右旋回に応じて左に移動し、左旋回に応じて右に移動するとよい。自車両画像91の動きから乗員は、車両2の加減速状態及び旋回状態を認識することができる。
【0060】
自動運転時画像90における進行方向画像92は、円形の点である。インターフェース制御装置41は、走行制御装置11から取得した車両2の将来軌道に応じて、進行方向画像92をディスプレイ40の中心とした周方向に沿って左右に移動させる。例えば、車両2の将来軌道が右方への旋回である場合、進行方向画像92はディスプレイ40の中心の上方に配置されたニュートラル位置よりも右方に移動するとよい。進行方向画像92の左右への移動量は、車両2の将来軌道の旋回量に対応させるとよい。
【0061】
自動運転時画像90における障害物画像93は、円形の点と、点を囲む円である。インターフェース制御装置41は、走行制御装置11を介して外界認識装置46が取得した周辺車両情報を取得し、各周辺車両に対応する障害物画像93を自車両画像91の周囲に表示する。
【0062】
インターフェース制御装置41は、走行制御装置11から運転モードを取得し、運転モードが手動運転モードであると判定したときに、
図6(D)に示す手動運転時画像100をディスプレイ40に表示させる。手動運転時画像100は、ディスプレイ40の中央部に自車両2を表示する自車両画像101と、ディスプレイ40の上縁付近であって、自車両画像101の上方に表示された車両2の進行方向に対応した進行方向画像102(第2画像)と、自車両2の周囲に存在する障害物に対応した障害物画像103を含む。自車両画像101と各障害物画像103とは、車両2と車両2の周囲に存在する周辺車両との相対位置関係を示す相対位置画像104(第1画像)を形成する。
【0063】
手動運転時画像100における自車両画像101は、略円形に描画されている。自車両画像101は、車両2が走行中であることを乗員に認識させるために、その周縁部は液体が流動するように揺らいでいるとよい。手動運転時画像100における自車両画像101は、自動運転時画像90における自車両画像91よりも、周縁部の揺らぎ(変動)が大きいことが好ましい。また、手動運転時画像100における自車両画像101は、自動運転時画像90における自車両画像91よりも大きい。すなわち、インターフェース制御装置41は、自動運転モードである場合に、手動運転モードである場合よりも、画像に表示する自車両2を中心とした領域を広域にしている。
【0064】
インターフェース制御装置41は、車両2の加速時と減速時で、自車両画像101の色を変化させるとよい。すなわち、インターフェース制御装置41は、手動運転モードである場合に、車両状態情報に基づいて車両2の加減速状態を判定し、加減速状態に応じて画像に含まれる車両2に対応した自車両画像101を変化させる。例えば、自車両画像101は、加速時に青色に着色され、減速時に赤色に着色されるとよい。また、自車両画像91は、加速度に応じて下方に移動し、減速度に応じて上方に移動し、右旋回に応じて左に移動し、左旋回に応じて右に移動するとよい。インターフェース制御装置41は、車両2の加減速を車両センサ45が取得する車速又は加減速、アクセルペダル52やブレーキペダル53からの信号に基づいて車両2の加減速を判定するとよい。
【0065】
インターフェース制御装置41は、自車両画像101上に車速に応じて移動速度が変化する複数の物体画像105を表示させる。本実施形態では、物体画像105は、泡を連想させる略円形であり、自車両画像101の中心から放射状に移動する。このとき、物体画像105は、移動するにつれて直径が大きくなる。これにより、乗員には、物体画像105がディスプレイ40の奥側から正面側から沸き上がるように見える。物体画像105は、移動する際に横及び縦に揺動するとよい。また、インターフェース制御装置41は、車速の増加に応じて物体画像105の個数や移動速度を増加させてもよい。インターフェース制御装置41は、車両センサ45に含まれる車速センサが検出した車速を、走行制御装置11を介して取得するとよい。
【0066】
手動運転時画像100における進行方向画像102は、円形の点である。インターフェース制御装置41は、回転角センサ38からの信号に基づく操舵操作子10の回転角を走行制御装置11から取得し、操舵操作子10の回転角に応じて、進行方向画像92をディスプレイ40の中心とした周方向に沿って左右に移動させる。
【0067】
手動運転時画像100における障害物画像103は、自動運転時画像90における障害物画像93と同様である。自車両画像101と各障害物画像93とは、車両2と車両2の周囲に存在する周辺車両との相対位置関係を示す相対位置画像104を形成する。他の実施形態では、手動運転時画像100において障害物画像103を省略してもよい。
【0068】
以上のように、インターフェース制御装置41は、ドア開状態、停車状態、自動運転状態、及び手動運転状態の車両状態に応じてディスプレイ40に表示する画像を変化させる。インターフェース制御装置41は、車両状態情報に含まれる、自動運転モード及び手動運転モードを含む運転モード情報に応じて自車両画像91、101と障害物画像93、103とを含む相対位置画像94、104を変化させる。
【0069】
インターフェース制御装置41は、第1~第3静電容量センサ35~37からの信号に基づいて第1光源27A及び第2光源27Bを制御する。
図7(A)に示すように、インターフェース制御装置41は、第1~第3静電容量センサ35~37からの信号に基づいて、外縁部33において乗員にタッチ操作された領域を特定し、外縁部33のタッチ操作された領域に設けられた複数の第2光源27Bを発光させる。乗員のタッチ操作は、例えばシングルタップ操作やダブルタップ操作、長押し操作であってよい。インターフェース制御装置41は、複数の第3静電容量センサ37からの信号に基づいてタッチ操作された領域を特定することができる。
図7(B)に示すように、乗員によるタッチ操作が外縁部33のさすり操作である場合、インターフェース制御装置41は、複数の第3静電容量センサ37からの信号に基づいてさすり操作された部位に対応した第2光源27Bを乗員の手の動きの方向に順に発光させるとよい。
【0070】
また、
図7(A)に示すように、インターフェース制御装置41は、第1~第3静電容量センサ35~37からの信号に基づいて、乗員の外縁部33へのタッチ操作を検出したときに、複数の第1光源27Aを発光させる。このとき、複数の第1光源27Aの内で少なくとも延長部32の内周部に配置されたものを発光させる。また、
図7(B)に示すように、インターフェース制御装置41は、乗員の外縁部33へのさすり操作を検出したときに、複数の第1光源27Aの内で延長部32の内周部に配置され、かつ径方向においてさすり操作がなされた領域に対応したものを発光させてもよい。乗員による外縁部33へのタッチ操作に応じて、第1光源27Aを発光させることによって、乗員は自身のタッチ操作が車両2に伝わったことを理解することができる。
【0071】
走行制御装置11は、自動運転モードから手動運転モードに切り替えるときに運転介入要求(ハンドオーバー要求)を生成する。運転介入要求は、例えばスピーカーからの音声や警告音、ディスプレイ40への表示によって乗員に報知されるとよい。運転介入要求に対して、運転者は操舵操作子10の外縁部33を両手で把持することによって受諾の意志表示をすることが要求される。
図7(C)に示すように、インターフェース制御装置41は、走行制御装置11から取得する運転介入要求に基づいて運転介入要求が生成されているか否かを判定し、運転介入要求が生成されているときに、第1~第3静電容量センサ35~37からの信号に基づいて、乗員が両手で外縁部33を把持したことを検出すると、外縁部33に設けられた全ての第2光源27Bを発光させると共に、第1光源27Aを発光させる。このとき、全ての第1光源27Aを発光させてもよく、延長部32の内周部に配置された一部の第1光源27Aを発光させてもよい。インターフェース制御装置41は、手のひらの幅に対応する左右の複数の第3静電容量センサ37の静電容量が増加したときに乗員による外縁部33の把持操作が行われたと判定するとよい。タッチ操作を検出したときに乗員は、全ての第2光源27Bが環状に発光することによって、運転介入要求に対する自身の受諾応答が車両2に伝達されたことを理解することができる。
【0072】
インターフェース制御装置41は、走行制御装置11から取得する運転介入要求に基づいて運転介入要求が生成されていないと判定した場合に、第1~第3静電容量センサ35~37からの信号に基づいて、乗員が両手で外縁部33を把持したことを検出すると、外縁部33において乗員に把持された部分に対応した第2光源27Bを発光させると共に、第1光源27Aを発光させる。このように、インターフェース制御装置41は、運転介入要求の有無によって、乗員による外縁部33の把持操作に対して第2光源27Bの発光態様を変化させる。
【0073】
以上の実施形態に係る操舵操作子10によれば、乗員によるタッチセンサへの操作入力がない場合には、第1光源27A及び第2光源27Bは発光しないため、第1光源27A及び第2光源27Bからの光が乗員に煩わしさを感じさせることを低減することができる。また、ハブ部31に設けられたディスプレイ40が車両状態情報に対応した画像を表示するため、乗員に適切に情報を伝達することできる。
【0074】
自動運転時及び手動運転時において、ディスプレイ40に自車両2と周辺車両との相対位置関係を示す相対位置画像94、104が表示されるため、乗員はディスプレイ40を確認することによって、周辺車両の存在及び位置を認識することができる。また、自動運転時と手動運転時とで自車両2を表す自車両画像91、101が相違するため、乗員は自車両画像91、101に基づいて現在の運転モードを認識することができる。また、乗員は、自車両画像101の色に基づいて車両2の加減速状態を認識することができる。また、乗員は、自車両画像101上に表示される物体画像105に基づいて車両2の速度を認識することができる。また、乗員は、ディスプレイ40に表示される進行方向画像92、102に基づいて自車両2の進行方向を認識することができる。
【0075】
第1光源27A及び第2光源27Bは乗員の操作に応じて発光するため、乗員は自身の操作が車両2に伝達されたことを認識することができる。
【0076】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、ディスプレイ40に表示される各画像は例示であり、形状や動き、色、大きさ、位置は適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 :車両制御システム
2 :車両
10 :操舵操作子
11 :走行制御装置
27 :光源
27A :第1光源
27B :第2光源
31 :ハブ部
31A :正面部
32 :ディスク部
35 :第1静電容量センサ
36 :第2静電容量センサ
37 :第3静電容量センサ
38 :回転角センサ
40 :ディスプレイ
41 :インターフェース制御装置
45 :車両センサ
46 :外界認識装置
70 :ドア開時画像
80 :停車時画像
81、91、101 :自車両画像
82、92、102 :進行方向画像
90 :自動運転時画像
93、103 :障害物画像
94、104 :第1画像
100 :手動運転時画像
105 :物体画像
A :回転軸線