(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】広バンド・ギャップ半導体デバイスを製造するときの高エネルギ注入中におけるマスキング・システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/266 20060101AFI20221220BHJP
【FI】
H01L21/265 M
(21)【出願番号】P 2021517577
(86)(22)【出願日】2019-09-23
(86)【国際出願番号】 US2019052487
(87)【国際公開番号】W WO2020068699
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-05-28
(32)【優先日】2018-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】ホーキンス,ウィリアム・グレッグ
(72)【発明者】
【氏名】ガンディ,レザ
(72)【発明者】
【氏名】バウアー,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ルー,シャオシン
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0166531(US,A1)
【文献】特開平10-233503(JP,A)
【文献】特開昭58-031521(JP,A)
【文献】国際公開第2017/093076(WO,A1)
【文献】特開2012-204568(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/266
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中間半導体デバイス構造体であって、
第1導電型を有するSiC基板層と、
前記SiC基板層上に配置され、前記第1導電型を有する、炭化硅素(SiC)エピタキシャル(エピ)層と、 前記SiCエピ層の第1部分上に直接
形成され、5マイクロメートル(μm)と20μmとの間の厚さを有するシリコン高エネルギ注入マスク(SiHEIM)であって、500キロ電子ボルト(keV)よりも高い注入エネルギを有する
第2導電型の高エネルギ注入プロセス中に、前記SiCエピ層の第1部分の注入を阻止するように構成される、SiHEIMと、
を備え、
前記SiHEIMが、立法センチメートル(cm
3
)あたり1×10
16
と立方センチメートル(cm
3
)あたり1×10
20
との間の前記第1導電型のエピタキシャル・ドーピング濃度を有し、前記SiHEIMが前記高エネルギ注入プロセス中において前記中間半導体デバイス構造体の荷電を阻止するような導電性を有する、ポリシリコン層である、中間半導体デバイス構造体。
【請求項2】
請求項1記載の中間デバイス構造体において、前記高エネルギ注入プロセスの注入エネルギが、10メガ電子ボルト(MeV)と50MeVとの間であり、前記SiHEIMが、前記高エネルギ注入プロセス中における第2導電型のイオンの注入を阻止するように構成される、中間デバイス構造体。
【請求項3】
請求項1記載の中間デバイス構造体において、前記SiHEIMが、前記SiCエピ層の第2部分の上方に直接定められたトレンチ構造を含み、前記トレンチ構造が、前記高エネルギ注入プロセス中における注入に、前記SiCエピ層の第2部分を露出させるように構成される、中間デバイス構造体。
【請求項4】
請求項3記載の中間デバイス構造体において、前記トレンチ構造が、1μmと20μmとの間のそれぞれのトレンチ深さと、1μmと10μmとの間のそれぞれのトレンチ幅と、1:2と1:20との間のアスペクト比とを有する、中間デバイス構造体。
【請求項5】
請求項3記載の中間デバイス構造体において、前記SiCエピ層の第1部分が、前記SiCエピ層の第2部分に隣接して配置され前記第1導電型を有する高エネルギ注入領域を含み、前記SiHEIMが、前記高エネルギ注入プロセス中における前記SiCエピ層の第2部分の第2導電型のイオンの注入を選択的に許容するように構成される、中間デバイス構造体。
【請求項6】
請求項1記載の中間デバイス構造体において、前記SiHEIMが本質的にシリコンで構成される、中間デバイス構造体。
【請求項7】
請求項1記載の中間デバイス構造体において、前記SiHEIMが、パターニングされた酸化物層上に直接配置されパターニングされたポリシリコン層を含み、一方、前記酸化物層が、前記SiCエピ層の第1部分上に直接配置される、中間デバイス構造体。
【請求項8】
方法であって、
SiC半導体層上に炭化硅素(SiC)エピタキシャル(エピ)層を形成するステップと、
前記SiCエピ層上にポリシリコン・マスク層を配置するステップと、
前記ポリシリコン・マスク層をパターニングして、前記SiCエピ層の第1部分上に高エネルギ注入シリコン・マスク(SiHEIM)を直接生成するステップと、
前記SiC層の高エネルギ注入を実行して、前記SiCエピ層内に高エネルギ注入領域を形成するステップであって、前記高エネルギ注入領域が、5マイクロメートル(μm)と10μmとの間の深さを有する、ステップと、
を含
み、
前記SiCエピ層上に前記ポリシリコン・マスク層を配置するステップが、
マスキング・ウェハの酸化物層を平面化するステップであって、前記マスキング・ウェハが、前記ポリシリコン・マスク層上に直接配置された平面化酸化物層を含み、前記ポリシリコン・マスク層が、埋め込み酸化物(BOX)層上に直接配置され、前記埋め込み酸化物層(BOX)層が、シリコン・ハンドル・ウェハ上に直接配置される、ステップと、
前記マスキング・ウェハの平面化酸化物層を、前記SiCエピ層に接合するステップと、
前記シリコン・ハンドル・ウェハと前記マスキング・ウェハのBOX層とを除去して、前記平面化酸化物層上に直接配置された前記ポリシリコン・マスク層を生成するステップと、
を含む、方法。
【請求項9】
請求項
8記載の方法において、高エネルギ注入を実行するステップが、前記高エネルギ注入の間、前記SiC層を加熱するステップを含む、方法。
【請求項10】
請求項
8記載の方法において、前記ポリシリコン・マスク層をパターニングするステップが、
フォトレジスト層を前記ポリシリコン・マスク層上に直接配置するステップと、
フォトリソグラフィを実行して前記フォトレジスト層をパターニングし、フォトレジスト・マスクを生成するステップと、
前記SiCエピ層の第2部分からフォトレジスト・マスクによって露出された前記ポリシリコン・マスク層の部分をエッチングして、前記ポリシリコン・マスク層を前記SiHEIMにパターニングするステップと、
を含む、方法。
【請求項11】
請求項
10記載の方法において、前記SiHEIMが、前記SiCエピ層上に直接配置された酸化物層を含み、前記ポリシリコン・マスク層が、前記酸化物層上に直接配置され、前記エッチングするステップが、前記フォトレジスト・マスクによって露出された前記ポリシリコン・マスク層の部分、および前記ポリシリコン・マスク層の下にある前記酸化物層の部分をエッチングして、前記ポリシリコン・マスク層を前記SiHEIMにパターニングするステップを含む、方法。
【請求項12】
請求項
8記載の方法において、前記高エネルギ注入領域が、立法センチメートル(cm
3)あたり約1×10
14以上のドーピング濃度を含む、方法。
【請求項13】
請求項
8記載の方法において、前記高エネルギ注入領域が、立方センチメートル(cm
3)あたり約5×10
15と立方センチメートル(cm
3)あたり約1×10
17との間のドーピング濃度を含む、方法。
【請求項14】
請求項
8記載の方法であって、デバイス層を形成するステップを含み、前記デバイスが、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、接合型電界効果トランジスタ(JFET)、バイポーラ接合型トランジスタ(BJT)、またはダイオードを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本明細書において開示する主題は、広バンド・ギャップ半導体パワー・デバイスに関し、更に特定すれば、荷電平衡(CB)SiCパワー・デバイスのような、炭化硅素(SiC)パワー・デバイスを形成するときに使用される高エネルギ注入マスクに関する。
【従来技術】
【0002】
[0002] 半導体パワー・デバイスに対して、荷電平衡(CB)設計は様々な利点を提供する。例えば、CBデバイスは、従前からのユニポーラ・デバイス設計と比較して、単位面積あたり少ない抵抗および少ない導通損失を明確に示す。しかしながら、これらのCB設計だけでなく他の半導体パワー・デバイスの設計は、深部注入領域(deeply implanted region)を含む場合があり、これらの領域はデバイスの1つ以上の半導体層を貫通して数マイクロメートルに達する可能性もある。SiCのような特定の半導体材料へのドーパントの拡散係数は、シリコンのような他の半導体材料と比較すると、相対的に低い。したがって、SiC CBデバイスを作成しているとき、1つ以上の深部注入領域を達成するために高エネルギ・イオン注入技法を使用することがある。このような構造を製作するために高エネルギ注入を使用するには、適したマスキング材料を選択しなければならない。しかしながら、従来のマスキング材料は、高エネルギ注入に使用するには適していないことが、現在では認識されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0003] 例えば、低エネルギ注入動作(例えば、500キロ電子ボルト(KeV)未満)のためのマスキング材料として通例使用される有機材料には、フォトレジスト、ポリイミド、および他の関連材料が含まれる。しかしながら、高エネルギ注入動作に有機マスク(ソフト・マスクとも呼ぶ)を使用すると、有機材料の比較的厚い層(例えば、20マイクロメートル(μm)以上)を被着させる必要があるが、この厚い層を所望の高解像度構造(structure)に効果的にパターニングするのは困難である。また、これらの有機マスキング材料は、高エネルギ注入デバイスのイオン・ビームに露出されると劣化し、したがって、高エネルギ注入には寸法的に安定しないと考えられている。加えて、有機材料は、通例、摂氏300度(°C)よりも高い温度に加熱されると耐えることができない(do not survive)が、高エネルギ注入の種類によっては、その間に300°Cより高い温度が発生するおそれがある。更に、有機マスキング材料は、注入が完了した後に、除去するのが難しい場合もあり、望ましくない残渣を後に残し、最終的なデバイスの性能に影響を及ぼす可能性がある。
【0004】
[0004] 二酸化硅素(SiO2)は、硬質マスキング材料の一例であるが、これも高エネルギ注入プロセスには相応しくない。具体的には、SiO2は、高エネルギ注入を阻止するために使用される厚さでは、成長させるまたはエッチングすることが困難な材料になり得る。例えば、二酸化硅素に伴う形成速度(formation rate)は低いので、約2μmよりも厚い二酸化硅素層を形成するのは困難である。加えて、SiO2の層が厚い程、堆積されている間に応力を発生し易い。形成後に材料をパターニングしようとするとき、数マイクロメータを超える深さにSiO2をエッチングするのも難しく、SiO2マスクの残渣部分が残留し、下地層の意図する部分にドーパントが達するのを阻止するという望ましくない結果になる可能性がある。例えば、マスクにおいてSiO2層をパターニングするために、SiO2層の部分をエッチング・プロセスから保護するために、有機フォトレジスト・マスクが使用されることがある。このエッチング・プロセス中に、SiO2がしかるべく(suitably)エッチングされてSiO2マスクを形成する前に、フォトレジスト・マスクの一部または全部が分解または腐食し、SiO2マスクのパターニングおよび/または下地の半導体層の注入において、望ましくない不規則性が生ずる結果となるおそれがある。
【0005】
[0005] 金属マスク(例えば、ニッケル、金、銅)のような他の硬質マスクも、高エネルギ注入に使用するときに、問題が生ずる。例えば、中間デバイス構造(structure)内に高応力および/または剥離を生ずることなく蒸着またはスパッタリングによって、数マイクロメートルよりも厚い厚さで金属層を堆積することは困難である。加えて、数マイクロメートルよりも厚い金属層をエッチングすることも、困難である可能性がある。更に、遮蔽に金属層を使用するとき、注入後に除去されない残渣金属が、半導体デバイスの製作中における熱酸化ステップのような、後続の熱処理の間に半導体デバイス内に追い込まれる(driven into)可能性があることを注記しておく。したがって、金属マスキング材料は、有機マスキング材料の欠点(limitation)の一部を克服することができるが、金属マスクを使用すると、パワー・デバイスの半導体構造内における金属原子の望ましくない閉じ込めが生ずる可能性があり、最終的な半導体パワー・デバイスにおいて予測不可能性および/または障害(例えば、短絡)が生ずるに至る可能性がある。潜在的にデバイス動作に危害が生ずる可能性があることに加えて、金属マスクからの残渣金属は、製作機器(例えば、注入チェンバ、ファーネス)内に堆積し、機器を汚染する、および/または機器の正常動作に危害が及ぶ可能性もあり、望ましくない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006] 一実施形態では、中間半導体デバイス構造体(structure)は、第1導電型を有するSiC基板層と、SiC基板層上に配置され第1または第2導電型を有する炭化硅素(SiC)エピタキシャル(エピ)層とを含む。また、この中間デバイス構造体は、SiCエピ層の第1部分上に直接配置され、5マイクロメートル(μm)と20μmとの間の厚さを有するシリコン高エネルギ注入マスク(SiHEIM)も含む。SiHEIMは、500キロ電子ボルト(KeV)よりも高い注入エネルギを有する高エネルギ注入プロセスの間、SiCエピ層の第1部分の注入を阻止するように構成される。
【0007】
[0007] 他の実施形態では、方法は、SiC半導体層上に炭化硅素(SiC)エピタキシャル(エピ)層を形成するステップと、SiCエピ層上にポリシリコン・マスク層を配置するステップと、ポリシリコン・マスク層をパターニングして、SiCエピ層の第1部分上に高エネルギ注入シリコン・マスク(SiHEIM)を直接生成する(yield)ステップと、SiC層の高エネルギ注入を実行して、SiCエピ層内に高エネルギ注入領域を形成するステップであって、高エネルギ注入領域が5μmと10μmとの間の深さを有する、ステップとを含む。
【0008】
[0008] 他の実施形態では、中間半導体デバイス構造体は、第1導電型を有するSiC基板層と、SiC基板層上に配置され第1または第2導電型を有する炭化硅素(SiC)エピタキシャル(エピ)層と、SiCエピ層の第1部分上に直接配置されたシリコン高エネルギ注入マスク(SiHEIM)とを含む。また、この中間半導体デバイス構造体は、SiHEIMによって露出されたSiCエピ層の第2部分内に配置され第2導電型を有する高エネルギ注入領域も含み、高エネルギ注入領域は2マイクロメートル(μm)と15μmとの間の深さを有する。
【0009】
[0009] 本開示のこれらおよびその他の特徴、態様、ならびに利点は、以下の詳細な説明を添付図面を参照しながら読解すれば、一層深く理解されて来るであろう。添付図面において、同様の記号は図面全体を通じて同様の部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本手法の実施形態にしたがって、シリコン高エネルギ・マスク(SiHEIM)を含む中間半導体デバイス構造体上において高エネルギ注入プロセスを実行する高エネルギ注入システムの模式図である。
【
図2】本手法の実施形態にしたがって、高エネルギ注入プロセスおよびSiHEIMを少なくとも部分的に使用して製作された半導体デバイスの実施形態の斜視図である。
【
図3】本手法の実施形態にしたがって、高エネルギ注入プロセス中にSiHEIMマスクの実施形態を使用して、半導体パワー・デバイスを形成するプロセスの流れ図である。
【
図4A】本手法の実施形態による
図3のプロセスのステップと対応する、中間デバイス構造体の部分的断面図である。
【
図4B】本手法の実施形態による
図3のプロセスのステップと対応する、中間デバイス構造体の部分的断面図である。
【
図4C】本手法の実施形態による
図3のプロセスのステップと対応する、中間デバイス構造体の部分的断面図である。
【
図4D】本手法の実施形態による
図3のプロセスのステップと対応する、中間デバイス構造体の部分的断面図である。
【
図4E】本手法の実施形態による
図3のプロセスのステップと対応する、中間デバイス構造体の部分的断面図である。
【
図4F】本手法の実施形態による
図3のプロセスのステップと対応する、中間デバイス構造体の部分的断面図である。
【
図5】本手法の実施形態にしたがって、高エネルギ注入プロセス中にSiHEIMマスクの他の実施形態を使用して半導体パワー・デバイスを形成するプロセスの流れ図である。
【
図6A】本手法の実施形態による
図5のプロセスのステップと対応する、中間デバイス構造体の部分的断面図である。
【
図6B】本手法の実施形態による
図5のプロセスのステップと対応する、中間デバイス構造体の部分的断面図である。
【
図6C】本手法の実施形態による
図5のプロセスのステップと対応する、中間デバイス構造体の部分的断面図である。
【
図6D】本手法の実施形態による
図5のプロセスのステップと対応する、中間デバイス構造体の部分的断面図である。
【
図6E】本手法の実施形態による
図5のプロセスのステップと対応する、中間デバイス構造体の部分的断面図である。
【
図6F】本手法の実施形態による
図5のプロセスのステップと対応する、中間デバイス構造体の部分的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0016] 以下に、1つ以上の具体的な実施形態について説明する。これらの実施形態について簡潔な説明を行うために、この明細書には実際の実施態様の特徴全ては記載されていない。尚、あらゆる工学または設計プロジェクトにおけると同様、このような実際の実施態様のいずれの開発においても、開発者の具体的な目標を達成するためには、実施態様に特定的な多数の判断を行わなければならず、実施態様毎に異なるシステム関連の制約または業務関連の制約を順守しなければならないことは、認められてしかるべきである。更に、このような開発努力は、複雑で時間がかかることもあるが、他方において、本開示の恩恵を受ける当業者にとっては、設計、製作、および製造といった日常業務であることも認められてしかるべきである。
【0012】
[0017] 本開示の種々の実施形態のエレメントを導入するとき、「a」、「an」、「the」、および「said」という冠詞は、1つ以上のそのエレメントがあるという意味を表すことを意図している。「備える」(comprising)、「含む」(including)、および「有する」(having)という用語は、包含的であり、列挙されるエレメント以外にも追加のエレメントがあってもよいという意味を表すことを意図している。 更に、以下の論述における数値例はいずれも、限定ではないことを意図しており、したがって、追加の数値、範囲、および割合も、開示する実施形態の範囲内に該当する。
【0013】
[0018] 本明細書において使用する場合、「層」(layer)という用語は、下地表面の少なくとも一部の上に、連続的にまたは不連続的に配置された材料を指す。更に、「層」という用語は、必ずしも、均一な厚さで配置された材料を意味するとは限らず、配置される材料は均一な厚さまたは可変厚さを有してもよい。更に、「層」という用語は、本明細書において使用する場合、文脈上そうでないとする明確な指示がない限り、1つの層または複数の層を指す。更に、本明細書において使用する場合、「上に配置される」(disposed on)という表現は、特に具体的に指示されていないならば、互いに直接接触して配置された層、または間に介在層を有することによって間接的に配置された層を指す。したがって、「上に直接配置された」(disposed directly on)という表現は、本明細書において使用する場合、2つの層または構造が互いに直接接触しており、それらの間に介在層も構造もないことを意味する。「隣接する」(adjacent)という用語は、本明細書において使用する場合、2つの層が連続的に配置され、互いに直接接触することを意味する。
【0014】
[0019] 本開示において、層/領域が他の層または基板「上」(on)にあるというように記載されているとき、これらの層/領域は、互いに直接接触する、またはこれらの層および領域間に1つ(以上の)層または構造を有することができると理解するものとする。更に、「上に」(on)という用語は、層/領域の互いに対する相対的な位置を記述し、必ずしも「の上に」(on top of)を意味する訳ではない。何故なら、上または下の相対的な位置は、見る人に対するデバイスの向きによって異なるからである。更に、「上面」(top)、「底面」(bottom)、「上方に」(above)、「の下に」(below)、「上側」(upper)、およびこれらの用語の変形の使用は、便宜的に行われ、特に明記されていなければ、決してコンポーネントの特定の向きを要求するのではない。このことを念頭に入れて、本明細書において使用する場合、「下側」(lower)、「中間「(middle)、または「底面」(bottom)という用語は、基板層に相対的に近い側の(nearer)構造(例えば、エピタキシャル層)を指し、一方「上面」(top)または「上側」(upper)という用語は、基板層から相対的に離れた特定の構造(例えば、エピタキシャル層)を指す。
【0015】
[0020] 以下で論ずるように、開示する半導体デバイスは、反復エピタキシャル成長およびドーパント注入ステップを使用して実施される多層ドリフト領域を含むことができる。本明細書において使用する場合の「多層」(multi-layered)という用語、および特定数の層(例えば、「二層」、「三層」、「四層」)に対する言及は、半導体デバイスのエピタキシャル(エピ)層の数を指す。尚、エピ層の内、最上位にあるエピ層を本明細書ではデバイス層と呼び、下に位置するエピ層の1つ以上を本明細書では荷電平衡(CB)層と呼ぶことは認めることができよう。
【0016】
[0021] 本実施形態は、半導体荷電平衡(CB)デバイスまたは半導体スーパージャンクション(SJ)デバイスのような半導体デバイスの設計、および製造方法を対象とする。開示する設計および方法は、垂直CBトレンチ金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)デバイスのようなCBデバイス、ならびに中間電圧(例えば、2kV~10kV)および高電圧(例えば、10kV以上、または10kV~20kV)電力変換関連用途に利用することができる他のデバイスの製造において有用である。以下では垂直CBトレンチ-MOSFETデバイスのコンテキストで論ずるが、開示する技法は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、接合型電界効果トランジスタ(JFET)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、および/またはダイオードのような、他の適した種類の半導体デバイスにも適用可能な場合もあることは認めることができよう。加えて、以下では、炭化硅素(SiC)層に注入するというコンテキストで論ずるが、開示する方法は、シリコン、窒化ガリウム、ダイアモンド、窒化アルミニウム、窒化硼素、または他の適した半導体材料のような他の半導体材料に対して高エネルギ注入プロセスを実行するときにも有用な場合もある。
【0017】
[0022] 前述のように、半導体デバイスの製作中に、中間デバイス構造体の1つ以上の半導体層内に1つ以上の構造(例えば、荷電平衡領域、荷電平衡バス領域、スーパージャンクション・ピラー)を定めるために、深イオン注入を実行することができる。高エネルギ・イオン注入(本明細書では、高エネルギ注入とも呼ぶ)は、低いドーパント拡散の半導体層(例えば、SiC)を含む特定の型の半導体層内に、実質的な深さ(例えば、数マイクロメートル)まで、ドーパントが貫入することを可能にする。本明細書において使用する場合、「高エネルギ」(high-energy)とは、10メガ電子ボルト(MeV)と50MeVとの間というような、500キロ電子ボルト(MeV)よりも大きなエネルギを有する注入動作を指す。例えば、高エネルギ注入は、ドーパントが1μmよりも大きな深さ(例えば、2μmと15μmとの間、5μmと10μmとの間)までSiCエピ層内に貫入することを可能にする。しかしながら、高エネルギ注入は、注入の間中間デバイス構造体の特定領域にドーパントが到達するのを効果的に阻止することができるマスクを設計するときに、特異な課題が発生する。更に具体的には、現在認識されているのは、高エネルギ注入マスクは、適した厚さに制御可能に形成できなければならないこと、高エネルギ注入プロセスの条件に対して実質的に安定でなければならないこと(例えば、熱的に安定、化学的に安定)、下地層と比較して同様の熱膨張特性を有さなければならないこと、そして明確に定められた、高アスペクト比の構造(たとえば、実質的に垂直な側壁を有するトレンチ構造)に信頼性高くパターニングできなければならないことである。
【0018】
[0023] 以上のことを念頭に入れて、本実施形態は、半導体デバイス(例えば、SiC半導体パワー・デバイス)の製作における高エネルギ注入動作に使用するのに適した高エネルギ注入マスクを対象とする。具体的には、本実施形態は、SiCパワー・デバイスの製作中に、高エネルギ注入プロセスが下地のSiC層の部分にドープするのを効果的に阻止するように設計されたシリコン高エネルギ注入マスク(SiHEIM)を含む。以下で論ずるように、開示するSiHEIMを製作するために、下地のSiC層上に適した厚さ(例えば、5μmと20μmとの間)でポリシリコン・マスク層を最初に形成する(例えば、成長させる、堆積させる、接合する)。続いて、従前からのSi製作技法(例えば、フォトリソグラフィ、ドライ・エッチング)を使用して、ポリシリコン・マスク層をパターニングし、高エネルギ注入のためにSiC層の暴露部分(unmask portion)を選択的に露出させる。確立されているシリコン製作技術を使用して正確にポリシリコン・マスク層を形成しパターニングすると、最終的なSiHEIMは、高アスペクト比のトレンチ構造(例えば、5μmと20μmとの間の深さ、そして1μmと10μmとの間の幅)を含む。これは、実質的に垂直な側壁を有し、正確に定められた深部注入領域の下地SiC層への注入を容易にする。
【0019】
[0024] 加えて、熱特性に関して、現在認識されているのは、開示するSiHEIMは、SiCと比較すると、同様の熱膨張係数を有し、デバイス製作中における温度変化(例えば、加熱/冷却サイクル)にも拘わらず、SiHEIMとSiC層との間の剥離を防止または軽減することである。また、開示するSiHEIMは、熱的に安定であり(例えば、500°Cよりも高い、1000°Cよりも高い温度)、高エネルギ注入プロセスによって実質的に劣化されない。有機マスクとは異なり、SiHEIMマスクは、下地のSiC層を効果的に遮蔽しつつ、比較的薄く(例えば、20μm以下)残すことができ、注入後には、確立されているシリコン・エッチング技法を使用して綺麗に除去される。更に、金属マスクとは異なり、開示するSiHEIMは、半導体デバイスおよび/または製作機器の望ましくない金属汚染の危険性を回避し、最終的な半導体デバイスおよび/または製作機器の信頼性を高める。したがって、開示するSiHEIMは、SiC半導体デバイスの製作の一部として、1つ以上の高エネルギ注入動作中におけるSiC層の効果的な遮蔽を可能にする。
【0020】
[0025] 以上のことを念頭に入れて、
図1は、本技法による高エネルギ注入システム10の実施形態例の模式図である。前述のように、図示する高エネルギ注入システム10は、500キロ電子ボルト(keV)以上のエネルギ(例えば、10メガ電子ボルト(MeV)と50MeVとの間)において、高エネルギ注入プロセスを実行するように設計されている。加えて、高エネルギ注入システム10は、第1導電型(例えば、n-型)または第2導電型(例えば、p-型)を有し、半導体表面内の深くまで(例えば、2μmよりも大きな深さ、2μmと15μmとの間まで)達するドープ半導体領域(doped semiconductor region)を形成するエネルギで、複数の異なる適したドーパント・イオン(例えば、硼素、窒素、燐、アルミニウム、砒素)を注入することができる。
【0021】
[0026]
図1に示すように、高エネルギ注入システム10は、注入室12を含む。注入室12は、注入プロセス中通常真空下に維持される内部空間(volume)14を定める。高エネルギ注入システム10の多数のコンポーネントが、注入室12の内部に配置されており、イオン源16、フィルタ18、および加速器20を含む。これらについては、以下で更に詳しく論ずる。尚、
図1の高エネルギ注入システム10は簡略化された実施形態であり、システム10の動作についての論述を全体的に容易にするために特定のコンポーネントを図示したものであることは、認めることができよう。したがって、高エネルギ注入システム10の実施形態は、本開示による高エネルギ注入システム10の動作を可能にするために、追加のコンポーネントまたは異なるコンポーネント(例えば、真空ポンプ、コントローラ、センサ等)を含んでもよいことは、注記してしかるべきである。
【0022】
[0027] 図示する高エネルギ注入システム10の実施形態の動作中に、イオン源16はイオン22を生成する。イオン22は、所望のドーパント原子(例えば、硼素、窒素、燐、アルミニウム、砒素)のイオンを含む。しかしながら、場合によっては、イオン源16によってイオン22が生成されるとき、所望のドーパント・イオン26とは全く異なる副産物イオン24も生成されることもある。このような実施形態では、高エネルギ注入システム10のフィルタ18は、望ましくないイオン24の分離および除去を容易にし、所望のドーパント原子のイオン26だけを選別して、システムにおける次の段階(例えば、加速器20)に進むようにする。本開示によれば、分離磁石、物理的フィルタ、質量分光分析計等のような、任意の適した種類のフィルタ18またはフィルタリング技法を使用することができる。
【0023】
[0028] 選別されたドーパント・イオン26は、続いて、加速器20に誘導される。加速器20は、ドーパント・イオンを所望の注入エネルギ(例えば、500keVよりも大きい、10MeVと50MeVとの間)に加速し、1つ以上の高エネルギ・イオン・ビーム28を形成し、中間デバイス構造体32の上面30に向けて誘導する。尚、ドーパント・イオンの性質、中間デバイス構造体32の性質、および注入エネルギの組み合わせが、貫入深さ、即ち、イオンが中間デバイス構造32の中にどの位深く注入するかについての範囲を決定することは理解されてしかるべきである。例えば、注入に適したエネルギにイオンを加速するために、加速器20内に適した磁場を生成することもできる。ある実施形態では、加速器20と中間デバイス構造体32との間に1つ以上のコンポーネント(例えば、1組のプレート)を配置してもよく、これらのコンポーネントを使用すると、中間デバイス構造体32の上面30上において1つ以上の次元でイオン・ビーム28を誘導またはスキャンし、均質な注入を達成することもできる。
【0024】
[0029] 加速器20を離れた後、イオン・ビーム28は上面30に衝突し、中間デバイス構造体32の1つ以上のエピ層34の部分に選択的に注入する。図示する例では、中間デバイス構造体32は、第2または埋め込みエピ層34B上に直接配置された最上位またはデバイス・エピ層34Aを含み、一方第2または埋め込みエピ層34Bは、基板層36上に直接配置されている。例えば、エピ層34Aおよび34Bならびに基板層36は、SiC層であってもよく、中間デバイス構造体32は、SiCパワーFETデバイスのそれであってもよい。
【0025】
[0030] 前述のように、本実施形態では、SiHEIM40がデバイス・エピ層34上に配置され、中間デバイス構造体32の上面30の一部を形成する。SiHEIM40は、イオン・ビーム28がエピ層34の遮蔽された領域42に到達しドープするのを効果的に阻止する。尚、SiHEIM40は、中間デバイス構造体32の下に位置する部分が一定量の注入(implantation dose)を受けるのを阻止または防止するのに十分な厚さ44を有するように形成される(例えば、成長、堆積、接合)ことは認めることができよう。
【0026】
[0031] 例えば、特定の実施形態では、SiHEIM40は、1μmと20μmとの間(例えば、5μmと20μmとの間)の厚さ44を有するのでもよい。SiHEIM40は、複数の(a number of)正確に定められた高アスペクト比のトレンチ構造46を含み、その各々が、1μmと10μmとの間のそれぞれの幅48を有し、各々がSiHEIM40の厚さ44全体を貫通し、下地のエピ層34の領域50を、注入のために、選択的に露出させる。したがって、図示する中間デバイス構造体32のエピ層34は、エピ層34の露出または暴露領域50の直下に配置された高エネルギ注入領域52を含む。高エネルギ注入領域52は、各々、対応する高アスペクト比のトレンチ構造46の幅48と実質的に同様な、それぞれの幅を有する。高エネルギ注入領域52は、各々、深さ56を有し、図示する実施形態では、深さ56は、エピ層34Aの厚さ58A全体を貫通し、エピ層34Bの厚さ58Bの一部に貫入する。加えて、注記すべきは、SiHEIM40のトレンチ構造46が、実質的に垂直に(例えば、中間デバイス構造体32のエピ層34に対して実質的に垂直に)パターニングされたエッジ62を含むことである。したがって、高エネルギ注入領域52は、実質的に垂直なエッジ64(例えば、エピ層34Aの表面に対して実質的に垂直)を有すると記述してもよい。
【0027】
[0032] ある実施形態では、高エネルギ注入プロセス中に中間デバイス構造体32を加熱してもよい。例えば、図示する高エネルギ注入システム10は、熱源66を含み、注入プロセス中に中間デバイス構造体32が装着されるステージまたはプラットフォームに統合することができる。ある実施形態では、熱源66は、基板層36に直接接触するのではなく、代わりにウェハの直ぐ近くにある。尚、特定の高エネルギ注入プロセス中に中間デバイス構造体32を加熱する(例えば、100°Cと1000°Cとの間の温度まで)と、高エネルギ注入プロセスによって導入される可能性がある損傷を、それが起きたときに、修復(例えば、アニール)できることが、現在認められている。また、高温イオン注入は、高投与量まで注入されるとき、基板層36のアモルファス化を回避することができる。前述のように、開示するSiHEIM40は、高エネルギ・イオン・ビーム28に対して熱的に安定であり(例えば、100°Cと1000°Cとの間の温度、または1000°Cより高い温度でも)、化学的にも安定である(例えば、実質的に劣化しない)。
【0028】
[0033] 熱的および化学的安定性に加えて、SiHEIM40は、他のマスキング材料および技法に対して、追加の利点も提供する。具体的には、特定の実施形態では、開示するSiHEIM40を高純度で形成し、本質的にシリコンで構成することができる。例えば、典型的なエピ層の汚染濃度(contaminant concentration)は、立方センチメートル(cm3)あたり1012であるとしてよいが、特定の実施形態では、SiHEIM40の汚染濃度を厳しく制御することができる。SiHEIM40の清潔さ(cleanliness)は、中間デバイス構造体32または注入室12の望まれない汚染を抑えるという視点からは有益である。即ち、注入プロセス中に、中間デバイス構造体32に衝撃を与える(impact)イオンが、SiHEIM40の限られた部分を置換させ(displace)、室10内で拡散させる可能性がある。ある状況では、置換された材料が注入室12内に堆積し、一方他の状況では、この材料が加速され、中間デバイス構造体32のエピ層34内において、ドーパント・イオンと共に意図せずに注入される。
【0029】
[0034] しかしながら、SiHEIM40が過剰に純粋な実施形態では、置換された材料が、高エネルギ注入システム10または注入された中間デバイス構造体32を使用して製作された半導体材料の動作を潜在的に妨害する汚染種(例えば、金属原子またはイオン)を含む可能性が低いことが、現在認められている。加えて、現在認められているのは、SiHEIM40からの少量のシリコンが下地のSiC層に注入されていく場合、これは、中間デバイス構造体32または最終的な半導体デバイスの電気的特性に重大な影響を及ぼさないということである。また、シリコンは半導体製造においてありふれた材料であるので、注入中にSiHEIM40から置換されたシリコン、および/または後続の熱処理中に下地のSiC層から放出されたシリコンは、通常では、半導体デバイスまたは製作機器に対する問題または懸念にはならない。前述のように、これは金属マスキング技法とは際だって対照的である。金属マスキング技法では、少量の置換された金属であっても、製造中(例えば、製作中に注入室および/またはファーネスを汚染する)、およびデバイスの動作中(例えば、予測できない挙動、デバイス端子の短絡)に、望ましくない副作用を生ずる可能性がある。
【0030】
[0035]
図2は、1つ以上の高エネルギ注入プロセス中に、少なくとも部分的に、開示するSiHEIMを使用して形成された半導体デバイス70の実施形態の斜視図である。
図2に示す実施形態では、半導体デバイス70、更に具体的には、SiC荷電平衡(CB)トレンチ金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)デバイスである。尚、トレンチ-MOSFETデバイス70の特定のコンポーネントを更に明確に図示するために、一般に理解されている設計エレメントのあるもの(例えば、最上位メタライゼーション、パシベーション、エッジ終端等)を省略することは、認めることができよう。
【0031】
[0036]
図1の中間デバイス構造体32と同様、
図2のトレンチMOSFETデバイス70の図示する実施形態は、第2エピ層34B上に直接配置された第1またはデバイス・エピ層34Aを含む。一方、第2エピ層34Bは、基板層36上に直接配置されている。第1エピ層34Aは、第1導電型(例えば、n-型)のエピ・ドーピングを有し、トレンチ-MOSFETデバイス70のデバイス特定構造を含む。これらの構造には、内部にゲート74(例えば、ポリシリコン・ゲート)が配置されたトレンチ構造72、第1導電型(例えば、n-型)を有するソース領域76、第2導電型(例えば、p-型)を有するベース領域78、および第2導電型(例えば、p-型)を有する防御領域80を含む。
【0032】
[0037]
図2に示すトレンチ-MOSFETデバイス70の実施形態では、第2エピ層34Bは、第1導電型(例えば、n-型)のエピ・ドーピングを有する荷電平衡(CB)層である。加えて、CB層34Bは、第2導電型(例えば、p-型)を有する荷電平衡(CB)領域82を含む。他の実施形態では、デバイス70は、デバイス70が特定の用途に適した阻止電圧を有するように、任意の適した数の(例えば、2、3、4、5、またはそれ以上)CB層を含んでもよい。更に、図示するSiCトレンチ-MOSFETデバイス70は、デバイス・エピ層34Aのソース領域76上に配置されたソース・コンタクト84と、基板36の底面上に直接配置されたドレイン・コンタクト86とを含む。
【0033】
[0038] また、
図2において図示するSiCトレンチ-MOSFETデバイス70の実施形態は、荷電平衡(CB)バス領域90も含む。荷電平衡(CB)バス領域90は、第2導電型を有するデバイス・エピ層34A内にあるベース領域78または防御領域80とCB領域82との間を延びる。尚、デバイス70がオフ状態からオン状態に遷移するとき、正孔はベース領域78からCB領域82に、CBバス領域80を通じて、流れることができることが現在認められている。逆に、オン状態からオフ状態への遷移の間、キャリアがCB領域82からベース領域78に、CBバス領域90を通じて、流れることができる。その結果、デバイス70のスイッチング性能は、全体的にキャリアの再結合-生成率には無関係となり、これによってスイッチング速度の向上、ならびにスイッチングおよび動的オン抵抗損失の低減を提供する。
【0034】
[0039] したがって、図示するCBバス領域90は、高エネルギ注入プロセスおよび開示するSiHEIMを使用して形成された構造の一例である。即ち、CBバス領域90は、第1エピ層34Aの厚さ58A全体を貫通し、第2エピ層34Bの厚さ58B内に部分的に貫入し、CB領域82と接触する。複数のCB層を有する他の実施形態では、CBバス領域90は、複数のCB層の各々の少なくとも一部も貫通し、各CB層のCB領域82と接触することができる。したがって、特定の実施形態では、CBバス領域90は、1つ以上のCB層のCB領域と接触するために、2μmよりも大きい深さ92(例えば、2μmと15μmとの間、5μmと15μmとの間、5μmと10μmとの間)を有すればよいが、SiCエピ層において2μm未満(例えば、約1μm)の深さに制限される標準的な注入エネルギ(例えば、500keV未満)には適さない構造となる。CBバス領域90は高エネルギ注入領域の一例として提示したが、他の実施形態では、デバイス70の他の構造(例えば、CB領域82、ベース領域78、ソース領域76)を、開示したSiHEIMを使用して、本明細書において開示したように、高エネルギ注入プロセスの間に形成できることも認めることができよう。尚、CBバス領域90および/または高エネルギ注入プロセスを使用して形成された他の領域は、立方センチメートル(cm3)あたり約1×1014(例えば、立方センチメートル(cm3)あたり約5×1015と立方センチメートル(cm3)あたり約1×1017との間)以上のドーピング濃度を有してもよいことは、理解されてしかるべきである。
【0035】
[0040]
図3は、高エネルギ注入プロセス中に、開示するSiHEIMマスク40を使用して注入された少なくとも1つの高エネルギ注入領域(例えば、CBバス領域90)を有するSiCパワー・デバイス(例えば、
図2のトレンチMOSFETデバイス70)を形成するプロセス100の実施形態を示す流れ図である。尚、図示するプロセス100の実施形態は単に例として提示するに過ぎず、他の実施形態では、プロセス100は、本開示にしたがって、追加のステップ、繰り返しステップ、またはもっと少ないステップを含んでもよいことは注記してしかるべきである。加えて、
図3については
図4A~
図4Fを参照しながら論ずる。
図4A~
図4Fは、
図3のプロセスの個々のステップの出力または生産物(product)にそれぞれ対応する中間デバイス構造体の部分的断面図である。尚、
図4A~
図4Fに示す種々の層および構造は、全て同じ拡縮率で描かれているのではないことは認められてしかるべきである。
【0036】
[0041] 図示する実施形態では、プロセス100は、開始すると、1つ以上のSiCエピ層を形成して(ブロック102)、中間デバイス構造体104を生成する。特定の実施形態では、気相、液相、または固相エピタキシャル成長技法を使用して、SiCエピ層を成長させることができる。例えば、SiCエピ層は、エピタキシャル成長室において化学蒸着(CVD)技法を使用して、下地層(例えば、SiC基板層、他のSiCエピ層)上に成長させることができる。手短に
図4Aに目を向けると、中間デバイス構造体例104は、SiC基板36上に直接成長させたSiCエピ層34を含む。簡素化のために省略したが、SiCエピ層34は、任意の適した数のSiCエピ層(例えば、
図1に示すようなデバイス層34Aおよび1つ以上のCB層34B)を含んでもよく、各エピ層は、個々のSiCデバイスに適した構造(例えば、
図2に示すようなCB領域82、防御領域80、ソース領域76、ベース領域78)を含んでもよいことは、認めることができよう。
【0037】
[0042]
図3に戻り、プロセス100は、続いて、ブロック102において形成したSiCエピ層34上にポリシリコン・マスク層110を直接形成し(ブロック106)、次いで堆積したポリシリコン・マスク層を平面化して、中間デバイス構造体108を生成する。例えば、ポリシリコン・マスク層110は、エピタキシャル成長室において化学蒸着(CVD)技法を使用して、SiCエピ層34上に成長させることができる。特定の実施形態では、ポリシリコン・マスク層110が最小限の応力で堆積されるように、高温(例えば、1000°Cよりも高い、1050°Cあたりの温度)で堆積する。ある実施形態では、化学-機械的平面化、または他の適した平面化技法を使用して、ポリシリコン・マスク層110を平面化する(例えば、薄くする、平坦化する、または滑らかにする)。手短に
図4Bに目を向けると、中間デバイス構造体例108は、SiCエピ層34上に直接配置されたポリシリコン・マスク層110を含み、この層は、平面化後、実質的に平坦で均一な上面112を有する。
【0038】
[0043]
図3に戻り、プロセス100は、続いて、フォトレジスト層を被着し、パターニングして(ブロック114)、ポリシリコン・マスク層110上にフォトレジスト・マスクを直接形成し、中間デバイス構造体116を生成する。このフォトレジスト・マスクは、任意の適したフォトリソグラフ技法および/または機器を使用して、形成することができる。例えば、特定の実施形態では、1-ライン・ウェハ・ステッパ(I-line wafer stepper)を使用して、フォトレジストをパターニングする。手短に
図4Cに目を向けると、中間デバイス構造体例108は、ポリシリコン・マスク層110上に直接配置されたフォトレジスト・マスク118を含む。更に具体的には、ポリシリコン・マスク層110の表面は、遮蔽部分120と、露出または暴露部分122とを含む。ある実施形態では、マスクは酸化硅素層である。
【0039】
[0044]
図3のプロセス100は、続いて、ポリシリコン・マスク層110の露出部分122をエッチングして(ブロック124)、中間デバイス構造体126に示すように、SiHEIM40を形成する。例えば、1つ以上のSiCエピ層34の注入に備えて、深反応イオン・エッチング(DRIE:deep reactive ion etching)を使用して、SiHEIM40をパターニングすることができる。尚、DRIEは、ポリシリコン・マスク層110の露出部分122内に深く(例えば、20μm以上)貫入し、高アスペクト比の構造を形成できることは、認めることができよう。フォトレジスト・マスク118は、ポリシリコン・マスク層110の遮蔽部分122をエッチングから保護し、高アスペクト比のトレンチ構造46を形成する。エッチングの後、フォトレジスト・マスク118を徐々にSiHEIM40の表面からエッチング中に除去することができ、一方特定の実施形態では、別のプロセスにおいて除去する(例えば、溶解する)こともできる。
【0040】
[0045]
図4Dに示すように、中間デバイス構造体126は、高アスペクト比のトレンチ構造46を有するSiHEIM40を含み、各トレンチ構造46は、
図4Cに示すフォトレジスト・マスク118の構造体によって定められるそれぞれの幅48(例えば、1μmと10μmとの間)を有する。加えて、前述のように、図示するトレンチ構造46は、SiHEIM40の厚さ44に対応する深さを有する。したがって、SiHEIM40をパターニングした後、SiCエピ層34Aの表面は、防御領域42と暴露または露出領域50とを含む。前述のように、トレンチ構造46のエッジ62は、実質的に垂直である(例えば、中間デバイス構造体32のエピ層34に対して実質的に垂直)。
【0041】
[0046] SiHEIM40を形成した後、
図3のプロセス100は、続いて、高エネルギ注入プロセスを実行し(ブロック128)、エピ層34の表面内に高エネルギ注入領域52を形成し、中間デバイス構造体130を生成する。
図4Eに示すように、中間デバイス構造体130は高エネルギ注入領域52を含む。高エネルギ注入領域52は、各々、対応する高アスペクト・トレンチ構造46の幅48と実質的に同様の、それぞれの幅を有する。高エネルギ注入領域52は、各々、深さ56を有する。図示する実施形態では、深さ56は、エピ層34Aの厚さ58A全体を貫通し、エピ層34Bの厚さ58Bの一部に貫入する。前述のように、SiHEIM40のトレンチ構造46は、高エネルギ注入領域52が実質的に垂直なエッジ64も含むように、実質的に垂直なエッジ62を含む。
【0042】
[0047]
図3に戻り、プロセス100は、続いて、SiHEIM40を除去し(ブロック132)、中間デバイス構造体134を生成する。例えば、特定の実施形態では、ドライ・エッチング(例えば、DRIE)、ウェット・エッチング、またはSiCエピ層34の表面からSiHEIM40を綺麗に除去する他の適した技法を使用して、SiHEIM40を除去することができる。
図4Fに示すように、一旦SiHEIM40が除去されたなら、中間デバイス構造体134のSiCエピ層34の表面は暴露または露出される。矢印138で示すように、特定の実施形態では、ブロック106、114、124、128、および132を繰り返して第2SiHEIM40を形成し、第2高エネルギ注入プロセスを実行して、第2組の高エネルギ注入領域(例えば、高エネルギ注入領域52に対して導電型が反対)をSiCエピ層34内に形成できることは、認めることができよう。SiHEIM40を使用する1つ以上の高エネルギ注入ステップの後、プロセス100は、ブロック136に進み、適したステップ(例えば、熱酸化、メタライゼーション、パシベーション、エッジ終端等)を実行して、製作を完了し、SiCデバイス(例えば、
図2のSiCトレンチ-MOSFETデバイス70)を生成する。
【0043】
[0048]
図5は、少なくとも1つの高エネルギ注入領域(例えば、CBバス領域90)を有するSiCパワー・デバイス(例えば、
図2のトレンチ-MOSFETデバイス70)を形成する代替プロセス140の実施形態を示す流れ図である。更に具体的には、プロセス140は、SiHEIMの実施形態を使用し、高エネルギ注入の前に、これをSiCエピ層の表面に接合する(bond)ことを含む。尚、図示するプロセス140の実施形態は単に例として提示するに過ぎず、他の実施形態では、プロセス140は、本開示にしたがって、追加のステップ、繰り返しステップ、またはもっと少ないステップを含んでもよいことは注記してしかるべきである。加えて、
図5について、
図4Aおよび
図4Fだけでなく
図6A~
図6Fも参照して論ずる。
図6A~
図6Fは、
図5のプロセス140の個々のステップの出力または生産物にそれぞれ対応する、中間デバイス構造体の部分的断面図である。尚、
図6A~
図6Fに示す種々の層および構造は、同じ拡縮率で描かれているのではないことは認められてしかるべきである。
【0044】
[0049] 図示する実施形態では、プロセス140は、開始すると、1つ以上のSiCエピ層を形成し(ブロック102)、
図3に関して先に論じたように、
図4Aに示す中間デバイス構造体104を生成する。プロセス140は、続いて、中間デバイス構造体104とは別のマスキング・ウェハ(例えば、絶縁物上シリコン(SOI)ウェハ)を平面化して(ブロック142)、このマスキング・ウェハを接合するための準備を行う。例えば、マスキング・ウェハは、CMPまたは他の適した技法を使用して平面化することができ、2つの構造体の効果的な接合をし易くするために、実質的に高精度で均一な(例えば、平坦、滑らかな)表面を生成する。
図6Aは、平面化後における、SOIマスキング・ウェハである中間デバイス構造体144の実施形態を示す。更に具体的には、平面化されたマスキング・ウェハ144は、平面化された酸化物(例えば、SiO
2)層を含む。本明細書では、これを酸化物マスク層146と呼ぶ。酸化物マスク層146を、ポリシリコン・マスク層110上に直接配置する。ポリシリコン・マスク層110は、これよりも薄い埋め込み酸化物(BOX)層148上に直接配置され、一方、埋め込み酸化物(BOX)層148は、シリコン・ハンドル・ウェハ(silicon handle wafer)150上に直接配置されている。尚、特定の実施形態では、酸化物マスク層146を平面化の間に完全に除去し、代わりに、直接接合のために、ポリシリコン・マスク層110を露出させてもよいことは注記してしかるべきである。
【0045】
[0050]
図5に戻り、図示するプロセス140の実施形態は、続いて、マスキング・ウェハ144(
図6Aに示す通り)を中間デバイス構造体104(
図6Aに示す通り)の1つ以上のエピ層の表面に接合して(ブロック152)、中間デバイス構造体154(
図6Bに示す通り)を生成する。更に具体的には、酸化物マスク層146(またはポリシリコン・マスク層110)がSiCエピ層34上に直接配置されるように、マスキング・ウェハ144を180°回転させる(例えば、ひっくり返す)。次いで、中間デバイス構造体154を適した温度に加熱し(例えば、600°Cと1000°Cとの間でアニールする)、酸化物マスク層146(または、ポリシリコン・マスク層110)をSiCエピ層34の表面上に直接接合する。
【0046】
[0051]
図5に図示するプロセス140の実施形態は、続いて、シリコン・ハンドル・ウェハ150およびBOX層148を除去し(ブロック156)、中間デバイス構造体158を形成する。例えば、シリコン・ハンドル・ウェハ150およびBOX層148は、本開示によれば、CMP、エッチング、および/または他の適した技法を使用して除去することができる。
図6Cは、中間デバイス構造体158を示す。中間デバイス構造体158は、酸化物マスク層146を含むことを除いて、
図4Bの中間デバイス構造体108と同様である。
【0047】
[0052] プロセス140の残りは、
図3のプロセス100と実質的に同様である。即ち、プロセス140は、続いて、
図3に関して先に論じたように、ポリシリコン・マスク層110の表面上にフォトレジスト層を被着してパターニングし(ブロック114)、中間デバイス構造体160を生成する。したがって、
図6Dに示す中間デバイス構造体160のSiCエピ層34は、防御領域120と露出または暴露領域122とを含む。
図5に戻って、ポリシリコン・マスク層110および酸化物マスク層146の双方の露出領域122をエッチングして(ブロック162)、中間デバイス構造体164を生成する。
図6Eに示すように、中間デバイス構造体164は、ポリシリコン・マスク層110および酸化物マスク層146の部分から形成された2層SiHEIM40の実施形態を含む。
【0048】
[0053]
図5に戻り、プロセス140は、続いて、高エネルギ注入プロセスを実行して(ブロック128)、エピ層34内に高エネルギ注入領域52を形成し、中間デバイス構造体130を生成する。
図6Eに示すように、中間デバイス構造体166は、SiCエピ層34内に配置された高エネルギ注入領域52を含む。
図5のプロセス140は、続いて、SiHEIM40を除去して(ブロック132)、
図4Fに示す中間デバイス構造体134を生成する。前述のように、特定の実施形態では、矢印138によって示すように、このプロセスを部分的に繰り返して、追加の高エネルギ注入プロセスを実行してもよい。
【0049】
[0054] 尚、半導体以外のマスキング材料(例えば、有機マスク、金属マスク)とは異なり、SiHEIM40は、高エネルギ注入プロセスによってドープされると記述してもよいことは、認めることができよう。加えて、特定の実施形態では、ブロック128の高エネルギ注入プロセスの前にもSiHEIM40にドープして、SiHEIM40を導電性にする。これによって、注入中における中間デバイス構造体130または164の荷電に伴う問題を軽減することができる。即ち、現在認められているのは、特定の高エネルギ注入プロセスは、中間デバイス構造体が注入の間電荷を蓄積するときに、問題が発生する可能性があるということである。特定の高エネルギ注入システム10は、このような荷電の問題を軽減するために、フラッド・ガン(flood gun)のような種々の技法を使用する。しかしながら、SiHEIM40に十分なレベルまでドープして導電性にすると、注入中におけるこの荷電の影響を実質的に低減することが、現在認められている。
【0050】
[0055] したがって、特定の実施形態では、SiHEIM40が第1導電型(例えば、n-型)または第2導電型(例えば、p-型)を有する場合もある。例えば、特定の実施形態では、SiHEIM40が形成されるときに(例えば、CVD成長プロセス中)ドープすることもでき、または形成後にドープすることもできる(例えば、
図4Bの中間デバイス構造体108または
図6Cの中間デバイス構造体158のポリシリコン・マスク層110にドープする)。特定の実施形態では、SiHEIM40が、第1または第2導電型の、立法センチメートル(cm
3)あたり1×10
16と立方センチメートル(cm
3)あたり1×10
20との間のドーピングを有してもよい。SiHEIM40にドープする特定の実施形態では、高エネルギ注入領域52を形成するために使用されるドーパント種とは異なるものを使用して、SiHEIM40に特定的にドープすることもできる。
【0051】
[0056] 本開示の技術的効果には、SiCエピ層の高エネルギ注入動作において使用するためのシリコン高エネルギ注入マスク(SiHEIM)の実施形態が含まれる。開示したSiHEIMは、適した厚さに制御可能に形成することができ、高エネルギ注入プロセスの条件に対して実質的に安定であり(例えば、熱的に安定、化学的に安定)、SiCエピ層と比較して同様の熱膨張特性を有し、正確に定められた高アスペクト構造(例えば、実質的に垂直な側壁を有するトレンチ構造)に信頼性高くパターニングすることができる。したがって、開示したSiHEIMは、下地のSiCエピ層内に深く(例えば、1μmよりも大きい、2μmと15μmとの間、5μmと10μmとの間の深さ)達し、正確に定められた構造(例えば、SiCエピ層の表面に対して垂直なエッジ)を有する、高エネルギ注入領域の注入を可能にする。更にまた、開示したSiHEIMは、高エネルギ注入プロセスにおける有機(ソフト)マスクおよび金属(硬質)マスクの使用に伴う欠点に取り組み、これらを克服する。
【0052】
[0057] この書面による説明は、当業者が任意のデバイスまたはシステムを製造するおよび使用すること、ならびに任意の組み込まれた方法を実行することを含んで、本開示を実践することを可能にするために、最良の態様を含む例を使用する。本開示の特許可能な範囲は、請求項によって定められ、当業者に想起される他の例も含むこともできる。このような他の例は、請求項の一語一句(literal language)違わない構造的エレメントを有する場合、または請求項の一語一句と実質的に違わない均等な構造的エレメントを含む場合、特許請求の範囲に該当することを意図している。