IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士機械製造株式会社の特許一覧

特許7197705実装装置、実装システム及び検査実装方法
<>
  • 特許-実装装置、実装システム及び検査実装方法 図1
  • 特許-実装装置、実装システム及び検査実装方法 図2
  • 特許-実装装置、実装システム及び検査実装方法 図3
  • 特許-実装装置、実装システム及び検査実装方法 図4
  • 特許-実装装置、実装システム及び検査実装方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】実装装置、実装システム及び検査実装方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/08 20060101AFI20221220BHJP
【FI】
H05K13/08 Q
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021534864
(86)(22)【出願日】2019-07-19
(86)【国際出願番号】 JP2019028508
(87)【国際公開番号】W WO2021014505
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2021-12-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 光孝
(72)【発明者】
【氏名】大山 茂人
(72)【発明者】
【氏名】成田 春菜
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-214212(JP,A)
【文献】特開2007-158052(JP,A)
【文献】国際公開第2017/141377(WO,A1)
【文献】特開2000-13097(JP,A)
【文献】国際公開第2015/040667(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00 - 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
実装システムに用いられる実装装置であって、
部品を保持する供給部と、
前記部品を前記供給部から採取し実装対象物に実装処理する実装部と、
前記実装対象物を撮像する検査撮像部と、
前記実装部が採取した状態の前記部品を撮像する採取撮像部と、
前記実装部が採取した状態での部品の撮像画像を利用して欠品予測部品を判定し、該欠品予測部品に応じた欠品検査領域に対して前記実装対象物を撮像した撮像画像を用いて前記実装対象物上での部品の欠品を検出する欠品検査処理を実行し、部品の欠品があるときには、欠品した部品を前記供給部から採取し前記実装対象物上に配置するよう前記実装部を制御する制御部と、
を備えた実装装置。
【請求項2】
前記実装システムは、複数の前記実装装置を含み、
前記制御部は、他の実装装置で実装処理した前記実装対象物に対して前記欠品検査処理を実行し、部品の欠品があるときには、前記他の実装装置で実装すべき欠品した部品を前記供給部から採取し前記実装対象物上に配置するよう前記実装部を制御する、請求項1に記載の実装装置。
【請求項3】
前記供給部は、前記部品を保持した保持部材を装着し、
前記実装システムは、前記保持部材を収容する収容部を備え前記供給部から前記保持部材を回収し及び/又は前記保持部材を前記供給部へ移動する移動型作業装置を更に含み、
前記制御部は、前記実装対象物上に部品の欠品があり該欠品した部品が前記供給部にないときには、前記移動型作業装置に該欠品した部品を保持した保持部材を前記供給部へ移動させる、請求項2に記載の実装装置。
【請求項4】
前記実装部は、前記部品を採取する採取部材を装着及び装着解除可能であり、
前記供給部は、前記部品を保持した保持部材を装着し、
前記実装システムは、前記保持部材を収容する収容部を備え前記供給部から前記保持部材を回収し及び/又は前記保持部材を前記供給部へ移動する移動型作業装置を更に含み、
前記制御部は、前記実装対象物上に部品の欠品があり該欠品した部品を採取する前記採取部材が前記実装部にないときには、前記移動型作業装置に該欠品した部品を採取する採取部材を前記実装部へ移動させる、請求項2又は3に記載の実装装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記実装部が採取した状態での部品の撮像画像を利用するに際して、該撮像画像から求められる該部品の採取位置及び/又は採取姿勢の値が所定の閾値を超えた部品を配置する配置領域である前記欠品検査領域に対して前記欠品検査処理を実行する、請求項1~4のいずれか1項に記載の実装装置。
【請求項6】
前記実装システムは、複数の前記実装装置を含み、
前記制御部は、他の実装装置の前記採取撮像部で撮像した撮像画像に基づいて求められた前記部品の採取位置及び/又は採取姿勢の情報を取得し、前記欠品検査処理を実行する、請求項1~5のいずれか1項に記載の実装装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記実装対象物上に部品の欠品があるときには、前記実装対象物上に存在する異物を検出する異物検査処理を実行するよう前記検査撮像部を制御する、請求項1~のいずれか1項に記載の実装装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記実装対象物上に部品を実装する領域の一部又は全部に対して前記異物検査処理を実行する、請求項に記載の実装装置。
【請求項9】
請求項1~のいずれか1項に記載の実装装置を備えた、実装システム。
【請求項10】
部品を保持する供給部と、前記部品を前記供給部から採取し実装対象物に実装処理する実装部と、前記実装対象物を撮像する検査撮像部と、前記実装部が採取した状態の前記部品を撮像する採取撮像部とを備えた実装装置を有する実装システムに用いられる検査実装方法であって、
(a)前記実装部が採取した状態での部品の撮像画像を利用して欠品予測部品を判定し、該欠品予測部品に応じた欠品検査領域に対して前記実装対象物を撮像した撮像画像を用いて前記実装対象物上での部品の欠品を検出する欠品検査処理を実行するステップと、
(b)前記ステップ(a)で部品の欠品があるときには、欠品した部品を前記供給部から採取し前記実装対象物上に配置するよう前記実装部を制御するステップと、
を含む検査実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、実装装置、実装システム及び検査実装方法を開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、実装装置に用いられる検査装置としては、欠品検査を実行し、部品の欠品が検出された基板に対して基板上の異物検査を行うものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この検査装置では、欠品が検出されない基板に対しては異物検査を行わず、欠品が検出された基板に対しては、欠品が検出された位置の周辺や部品を移動した領域に対して優先的に異物検査を行う。このため、この検査装置では、不良基板の発生をより抑制することができる。また、実装装置としては、部品を保持したフィーダを保管する保管庫と部品を供給する供給部との間を移動する交換ロボットによりフィーダの交換を実行するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この実装装置では、交換ロボットによりフィーダを自動交換することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開公報2015/040667号
【文献】国際公開公報2017/033268号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1の検査装置では、異物検査については考慮しているが、欠品に対する対策が十分考慮されていなかった。このため、この検査装置では、作業者が欠品を解消するなどの作業を要するなど、生産効率が良好ではなかった。また、上述した特許文献2では、欠品や異物に関しては考慮されていなかった。このように、実装装置を含むシステムにおいて、より効率よく生産を実行することが望まれていた。
【0005】
本開示は、このような課題に鑑みなされたものであり、より効率よく生産を実行することができる実装装置、実装システム及び検査実装方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示では、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本開示の実装装置は、
実装システムに用いられる実装装置であって、
部品を保持する供給部と、
前記部品を前記供給部から採取し実装対象物に実装処理する実装部と、
前記実装対象物を撮像する検査撮像部と、
前記実装対象物を撮像した撮像画像を用いて前記実装対象物上での部品の欠品を検出する欠品検査処理を実行し、部品の欠品があるときには、欠品した部品を前記供給部から採取し前記実装対象物上に配置するよう前記実装部を制御する制御部と、
を備えたものである。
【0008】
この実装装置では、実装対象物を撮像した撮像画像を用いて実装対象物上での部品の欠品を検出する欠品検査処理を実行し、部品の欠品があるときには、欠品した部品を供給部から採取し実装対象物上に配置するよう実装部を制御する。この実装装置では、実装処理を実行する構成と、検査処理を実行する構成とを備えているため、欠品検査を実行したのち、この欠品の部品を再実装することができる。このため、作業者が欠品に対する作業を実行する場合などに比して、より効率よく生産を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実装システム10の一例を示す概略説明図。
図2】実装装置15及び基板Sの構成の概略を示す説明図。
図3】実装処理ルーチンの一例を示すフローチャート。
図4】部品Pを採取した実装ヘッド32の一例を示す説明図。
図5】欠品検査再実装処理ルーチンの一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態を図面を参照しながら以下に説明する。図1は、本開示である実装システム10の一例を示す概略説明図である。図2は、実装装置15及び基板Sの構成の概略を示す説明図である。なお、本実施形態において、左右方向(X軸)、前後方向(Y軸)及び上下方向(Z軸)は、図1、2に示した通りとする。
【0011】
実装システム10は、例えば、実装対象物としての基板Sに部品Pを実装処理する実装装置15が基板Sの搬送方向に配列された生産ラインとして構成されている。ここでは、実装対象物を基板Sとして説明するが、部品Pを実装するものであれば特に限定されず、3次元形状の基材としてもよい。この実装システム10は、図1に示すように、印刷装置11と、印刷検査装置12と、保管部13と、管理PC14と、実装装置15と、自動搬送車16と、ローダ18と、ホストPC60などを含んで構成されている。印刷装置11は、基板Sにはんだペーストなどを印刷する装置である。印刷検査装置12は、印刷されたはんだの状態を検査する装置である。
【0012】
実装装置15は、部品Pを採取して基板Sへ実装させる装置である。また、この実装装置15は、基板Sの欠品や基板Sに配置された部品の状態を検査する実装検査処理を実行する機能を備えている。実装装置15は、基板処理部22と、供給部24と、採取撮像部27と、実装部30と、実装制御部40とを備える。実装制御部40は、図2に示すように、CPU41を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、装置全体の制御を司る。実装制御部40は、記憶部42や検査部45を有している。記憶部42には、実装条件情報43や基板情報44などが記憶されている。実装条件情報43は、生産ジョブであり、部品Pの情報や部品Pを基板Sへ実装する配置順、配置位置、部品Pを採取するフィーダ25の装着位置などの情報が含まれている。基板情報44は、基板Sの実装状態などを管理する情報であり、例えば、部品Pを実装する際の採取状態や検査結果、欠品部品の再実装結果などが含まれる。なお、欠品とは、部品Pの実装処理を行ったが、何らかの要因で基板S上に部品Pが存在しないものをいう。この基板情報44は、ホストPC60へ送信され、生産管理用の基板情報データベースとして保存される。検査部45は、例えば、基板Sを撮像した画像に基づいて基板Sや配置された部品Pの状態を検査する機能ブロックである。この実装制御部40は基板処理部22や供給部24、実装部30へ制御信号を出力する一方、基板処理部22や供給部24、実装部30からの信号を入力する。
【0013】
基板処理部22は、基板Sの搬入、搬送、実装位置での固定、搬出を行うユニットである。基板処理部22は、図2の前後に間隔を開けて設けられ左右方向に架け渡された1対のコンベアベルトを有している。基板Sはこのコンベアベルトにより搬送される。基板処理部22は、このコンベアベルトを2対備えており、同時に2つの基板Sを搬送固定することができる。供給部24は、実装部30へ部品Pを供給するユニットである。この供給部24は、部品Pを保持した保持部材としてのテープを巻き付けたリールを含むフィーダ25を1以上の装着部に装着している。フィーダ25は、図示しないコントローラを備えている。このコントローラは、フィーダ25に含まれるテープのIDや部品Pの種別、部品P残数などの情報を記憶している。フィーダ25が装着部に装着されるとこのコントローラはフィーダ25の情報を実装制御部40へ送信する。また、供給部24は部品Pを複数配列して載置する保持部材としてのトレイ26を有するトレイユニットを備えている。
【0014】
採取撮像部27は、実装ヘッド32に採取され保持された状態の1以上の部品Pの画像を撮像する装置である。この採取撮像部27は、基板処理部22と供給部24との間に配置されている。この採取撮像部27の撮像範囲は、採取撮像部27の上方である。採取撮像部27は、部品Pを保持した実装ヘッド32が採取撮像部27の上方を通過する際、部品Pの画像を撮像し、撮像画像を実装制御部40へ出力する。実装制御部40は、この撮像画像によって、部品Pの形状及び部位が正常であるか否かの検査や、部品Pの採取時の位置や回転などのずれ量の検出などを実行することができる。
【0015】
実装部30は、部品Pを供給部24から採取し、基板処理部22に固定された基板Sへ配置するユニットである。実装部30は、ヘッド移動部31と、実装ヘッド32と、ノズル33と、検査撮像部34と、ノズル保管部35とを備えている。ヘッド移動部31は、ガイドレールに導かれてXY方向へ移動するスライダと、スライダを駆動するモータとを備えている。実装ヘッド32は、1以上の部品Pを採取してヘッド移動部31によりXY方向へ移動するものである。この実装ヘッド32は、スライダに取り外し可能に装着されている。実装ヘッド32の下面には、1以上のノズル33が取り外し可能に装着されている。ノズル33は、負圧を利用して部品Pを採取するものである。なお、部品Pを採取する採取部材は、ノズル33のほか部品Pを機械的に保持するメカニカルチャックなどとしてもよい。検査撮像部34は、実装ヘッド32の下方を撮像するカメラであり、例えば、基板Sに配置された部品Pを撮像するほか、基板Sに形成された基準マークや2Dコードなどを撮像する。この検査撮像部34は、実装ヘッド32が装着されるスライダの下面側に配設されており、実装ヘッド32の移動に伴い、XY方向に移動する。検査撮像部34は、部品Pが配置された基板Sに設定されている複数の欠品検査領域A(図2参照)の画像データを実装制御部40へ出力する。実装制御部40は、検査部45により、この画像データを解析する。
【0016】
保管部13は、実装装置15で用いられるフィーダ25を一時的に保管する保管場所である。保管部13は、印刷検査装置12と実装装置15との間の搬送装置の下部に設けられている。保管部13には、供給部24と同様の装着部を有している。フィーダ25がこの装着部に接続されると、フィーダ25のコントローラはフィーダ25の情報を管理PC14へ送信する。なお、保管部13では、自動搬送車16によりフィーダ25が運ばれるほか、作業者によりフィーダ25が運ばれてもよい。管理PC14は、フィーダ25の管理を行う装置であり、ローダ18が実行する実行データなどを記憶し、ローダ18を管理する。自動搬送車16は、フィーダ25や、実装システム10で用いられる部材などを図示しない倉庫と保管部13との間で自動搬送するものである。倉庫には、フィーダ25や他の部材などが保管されている。
【0017】
ローダ18は、移動型作業装置であり、実装システム10の正面の移動領域内(図1の点線参照)で移動し、実装装置15のフィーダ25など、実装処理に必要な部材などを自動で回収及び補給する装置である。このローダ18は、移動制御部50と、記憶部53と、収容部54と、交換部55と、移動部56と、通信部57とを備えている。移動制御部50は、CPU51を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、装置全体の制御を司る。この移動制御部50は、フィーダ25を供給部24から回収し又はフィーダ25を供給部24へ補給し、フィーダ25を保管部13との間で移動させるよう装置全体を制御する。記憶部53は、例えばHDDなど、処理プログラムなど各種データを記憶するものである。収容部54は、フィーダ25を収容する収容空間を有する。この収容部54は、例えば、4つのフィーダ25を収容可能に構成されている。交換部55は、フィーダ25を出し入れすると共に上下段に移動させる機構である。交換部55は、フィーダ25をクランプするクランプ部と、クランプ部をY軸方向(前後方向)に移動させるY軸スライダと、クランプ部をZ軸方向(上下方向)に移動させるZ軸スライダとを有している。交換部55は、実装用装着部28でのフィーダ25の装着及び装着解除と、バッファ用装着部29でのフィーダ25の装着及び装着解除を実行する。移動部56は、実装装置15の正面に配設されたX軸レール19に沿ってローダ18をX軸方向(左右方向)へ移動させる機構である。通信部57は、管理PC14や実装装置15などの外部機器と情報のやりとりを行うインタフェースである。このローダ18は、現在位置や実行した作業内容を管理PC14へ出力する。このローダ18は、フィーダ25を回収、補給可能であるが、実装ヘッド32やノズル33、はんだカートリッジ、スクリーンマスク、基板支持用のバックアップピンなど、実装処理に関連する部材を回収、補給するよう構成してもよい。
【0018】
ホストPC60(図1参照)は、実装システム10の各装置が用いる情報、例えば、実装条件情報43を複数含む生産計画データベースや、基板情報44を複数含む基板情報データベースなどを記憶、管理するサーバとして構成されている。
【0019】
次に、こうして構成された本実施形態の実装システム10の動作、まず実装装置15が部品Pを基板Sへ実装する処理について説明する。図3は、実装装置15の実装制御部40のCPU41により実行される実装処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、実装装置15の記憶部42に記憶され、作業者による開始指示により実行される。このルーチンを開始すると、まず、CPU41は、今回生産する基板Sの実装条件情報を読み出して取得する(S100)。CPU41は、ホストPC60から取得して記憶部42に記憶された実装条件情報43を読み出すものとする。次に、CPU41は、基板処理部22に基板Sを実装位置まで搬送させ、固定処理させる(S110)。次に、CPU41は、採取する対象の部品を実装条件情報43に基づいて設定し(S120)、予め設定された位置のフィーダ25から部品Pを実装ヘッド32に採取させ、採取撮像部27の上方へ移動させる(S130)。
【0020】
次に、CPU41は、実装部30が採取した状態の部品Pを採取撮像部27に撮像処理させ、基準位置に基づいてずれ量を算出する(S140)。図4は、部品Pを採取した実装ヘッド32を下方から見たときの一例を示す説明図である。図4では、実装ヘッド32は、4つのノズル33を備えた例を示した。また、図4では、点線で基準位置の部品Pを示した。図4に示すように、部品Paでは基準位置に対してXY座標方向の位置ずれが生じ、部品Pbでは基準位置に対して回転して傾きを生じた回転ずれが生じている。このように、実装部30では、部品Pの採取状態の変化が生じうる。ずれ量を算出すると、CPU41は、部品Pの位置ずれ量が、閾値内であるか、閾値を超え且つ許容値内であるか、許容値を超えているかを調べる(S150)。この実装装置15では、部品Pの採取状態での位置ずれ量に対して、超えると欠品などが生じる確率が上がる所定の閾値が経験的に定められていると共に、この閾値より大きな値であり、超えると部品Pを基板Sに配置しても正常な製品が得られない許容値が経験的に定められている。
【0021】
S150で部品Pの位置ずれ量が閾値を超え且つ許容値内であるときには、CPU41は、該当する部品Pを欠品予測部品として基板情報44に記憶させる(S160)。このとき、CPU41は、該当する部品Pの配置位置番号と、欠品予測部品である情報とを対応づけて、基板Sの識別情報(ID)を含む基板情報44に記憶させる。S160のあと、またはS150で部品Pの位置ずれ量が閾値内であるときには、CPU41は、部品Pの回転ずれ量が、閾値内であるか、閾値を超え且つ許容値内であるか、許容値を超えているかを調べる(S170)。この実装装置15では、部品Pの採取状態での回転ずれ量に対して、超えると欠品などが生じる確率が上がる所定の閾値が経験的に定められていると共に、この閾値より大きな値であり、超えると部品Pを基板Sに配置しても正常な製品が得られない許容値が経験的に定められている。
【0022】
S170で部品Pの回転ずれ量が閾値を超え且つ許容値内であるときには、該当する部品Pを欠品予測部品として基板情報44に記憶させる(S180)。このとき、CPU41は、該当する部品Pの配置位置番号と、欠品予測部品である情報とを対応づけて、基板Sの識別情報(ID)を含む基板情報44に記憶させる。このように、採取撮像部27で撮像した画像から得られた、その後不良につながる可能性のある情報を基板情報44に記憶しておくのである。基板情報44によれば、どの実装装置15で実装した部品Pに、不良の可能性があるかを管理することができる。
【0023】
一方、S150で部品Pの位置ずれ量が許容値を超えているとき、または、S170で部品Pの回転ずれ量が許容値を超えているときには、CPU41は、この部品Pを実装すると不良基板になると判定し、該当する部品Pを実装処理に用いない非実装部品に設定し、その後廃棄処理させる(S190)。実装ヘッド32が複数の部品Pを保持している場合に、その一部に非実装部品があるときには、CPU41は、正常な部品Pを基板Sに配置させたのちに、非実装部品を所定の廃棄場所へ廃棄させる。なお、廃棄した部品Pの代わりの部品Pは、この実装装置15の実装処理の最後にまとめて行われるものとしてもよい。
【0024】
S190のあと、または、S180のあと、あるいは、S170で部品Pの回転ずれ量が閾値内であるとき、CPU41は、部品Pの配置処理を実装部30に実行させる(S200)。続いて、CPU41は、現在、実装位置に固定されている基板Sの実装処理が終了したか否かを判定し(S210)、実装処理が終了していないときには、S120以降の処理を実行する。即ち、CPU41は、次に採取、配置する部品Pを設定し、この部品Pを実装部30に採取させ、部品Pの状態に応じて基板情報44に欠品予測部品の情報を記憶したり、非実装部品を廃棄させつつ、基板Sに部品Pを配置する処理を実行する(S120~S200)。一方、S210で、現在、実装位置に固定されている基板Sの実装処理が終了したときには、CPU41は、欠品検査再実装処理を実行する(S220)。欠品検査債実装処理は、詳しくは後述するが、基板S上の欠品の有無を検査し、欠品があるときには、該当部品の再実装処理を実行する処理である。S220で欠品検査再実装処理を実行したあと、CPU41は、実装終了した基板Sを基板処理部22により排出させ(S230)、実装条件情報43に設定されているすべての基板Sの生産が完了したか否かを判定する(S240)。すべての基板Sの生産が完了していないときには、CPU41は、S110以降の処理を実行する一方、すべての基板Sの生産が完了したときには、このルーチンを終了する。このような実装処理が実装装置15の各々で実行されるため、基板情報44には、特定の基板Sにおいて、どの位置に欠品予測部品があるかの情報が集積されて記憶される。
【0025】
ここで、S220の欠品検査再実装処理について説明する。図5は、欠品検査再実装処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、実装装置15の記憶部42に記憶され、現在の実装装置15での実装処理が終了したあと、実装処理ルーチンのS220で実行される。このルーチンを開始すると、まず、CPU41は、基板処理部22に固定され、この実装装置15での実装処理が終了している基板Sの基板情報44を読み出して取得する(S300)。次に、CPU41は、欠品予測部品に応じた欠品検査領域Aを設定する(S310)。CPU41は、この実装装置15で検査を実行する基板Sの欠品検査領域Aの全域において、欠品予測部品があるか否かを判定し、欠品予測部品がないときには、欠品検査領域Aを設定せずに、欠品検査処理を省略してもよい。このとき、CPU41は、欠品予測部品があるときには、これを配置する配置領域を含む領域を欠品検査領域Aに設定し、欠品検査処理を実行するものとしてもよい。この実装装置15では、欠品が起きる可能性のある領域だけ欠品検査処理を実行するので、検査時間をより短縮することができる。
【0026】
次に、CPU41は、設定された欠品検査領域Aを検査撮像部34によって撮像処理する(S320)。CPU41は、ヘッド移動部31を制御して、検査撮像部34を基板Sの欠品検査領域A上へ移動させ、検査撮像部34に撮像させる。次に、CPU41は、部品Pが適切に配置された際に撮像された基準画像を用いて撮像画像に欠品があるか否かを判定する(S330)。撮像した欠品検査領域Aに欠品があるときには、欠品の位置に応じた異物検査領域を設定し(S340)、基板S上の異物を検査する異物検査処理を実行する(S350)。この異物検査処理は、欠品になった部品が基板Sのどこかに異物として存在し、不良基板が製造されてしまわないための検査である。異物検査領域の設定は、例えば、欠品位置の周囲において、異物の存在が基板製造に悪影響を与える領域とすることができる。例えば、異物検査領域は、現在部品Pが配置されておらず、次の実装装置15以降で部品Pが配置される領域や、既に配置された部品Pの下部に欠品となった部品Pが入り込むような特殊形状の部品Pの配置領域、高価な部品の配置領域などに設定することができる。例えば、部品Pが配置されない領域などは、異物の存在で不良基板が生じる可能性が低いため、異物検査を省略することができる。異物検査処理は、設定された欠品検査領域Aを検査撮像部34により撮像し、例えば、基板S上に部品Pを適正に配置して得られた画像と撮像した画像とを比較することにより行うことができる。
【0027】
続いて、CPU41は、欠品検査領域Aに異物があるか否かを判定し(S360)、異物があるときには、作業者へ報知する(S370)。作業者への報知は、例えば、操作パネルにその旨のメッセージを表示したり、音を出力するものとしてもよい。このとき、CPU41は、実装装置15の動作を一旦停止させ、作業者から再開の入力を得たのち、S370以降の処理を行うものとしてもよい。一方、S360で欠品検査領域Aに異物がないときには、CPU41は、欠品となっている部品Pの再実装処理を実行する(S380~S400)。再実装処理では、CPU41は、欠品となっている部品Pがフィーダ25やトレイ26に保持されて供給部24にあるか否かを判定し(S380)、供給部24に該当する部品Pがないときには、ローダ18にその部品Pを補給搬送させる指令を出力する(S390)。例えば、図2において、部品P1が、この実装装置15で実装されたものであるときは、供給部24に部品P1がほぼ存在する。一方、部品P2が、この実装装置15の前に実装されたものであるときは、供給部24に部品P2がないことがある。この場合、CPU41は、例えば、保管部13にある部品P2をこの供給部24までローダ18に補給させるのである。なお、保管部13にある部品Pは、管理PC14により管理されており、欠品の部品Pが保管部13にあるかについては、管理PC14の管理情報から把握することができる。CPU41は、保管部13に該当する部品Pがないときには、自動搬送車16に保管部13まで該当する部品Pを搬送させてもよい。また、CPU41は、S390で指令を出力したのち、供給部24に部品Pが搬送されるまで待機し、供給部24に部品Pが搬送されたのち、以降の処理を実行する。ローダ18は、この指令を受けると、保管部13から該当する部品Pを保持したフィーダ25やトレイ26を指令された実装装置15まで移動させる。
【0028】
S390のあと、または、S380で供給部24に欠品の部品Pがあるときには、CPU41は、この欠品の部品Pの再実装処理を実装部30に実行させる(S400)。再実装処理では、CPU41は、該当する部品Pを供給部24から実装ヘッド32により採取させ、S330で把握している欠品部品の位置へ移動して配置させる。なお、欠品の部品Pを採取するノズル33については、予め予測をしておき、実装部30のノズル保管部35に保管しておいてもよいし、ローダ18により保管部13から移動させてもよい。また、実装ヘッド32もノズル33と同様である。このように、実装装置15では、検査装置の機能と実装装置の機能とを有しているため、欠品検査を行ったのちに、その欠品となっている部品Pを容易に再実装することができる。
【0029】
S400のあと、またはS370のあと、あるいは、S330で欠品検査領域Aに欠品がないときには、CPU41は、次の欠品検査領域Aがあるか否かを判定し(S410)、次の欠品検査領域Aがあるときには、S310以降の処理を実行する。即ち、CPU41は、S310で次の欠品検査領域Aを設定し、欠品検査処理を行い、必要に応じて異物検査処理や再実装処理を実行する。一方、S410で次の欠品検査領域Aがないとき、即ち全ての欠品検査を実行したときには、実行した処理内容の情報を基板情報44に含めて記憶部42に更新、記憶させ(S420)、このルーチンを終了する。
【0030】
ここで、本実施形態の構成要素と本開示の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の供給部24が供給部に相当し、実装部30が実装部に相当し、検査撮像部34が検査撮像部に相当し、実装制御部40が制御部に相当し、フィーダ25及びトレイ26が保持部材に相当し、ノズル33及びメカニカルチャックが採取部材に相当し、採取撮像部27が採取撮像部に相当する。なお、本実施形態では、実装装置15の動作を説明することにより本開示の検査実装方法の一例も明らかにしている。
【0031】
以上説明した本実施形態の実装装置15では、実装対象物としての基板Sを撮像した撮像画像を用いて基板S上での部品Pの欠品を検出する欠品検査処理を実行し、部品Pの欠品があるときには、欠品した部品Pを供給部24から採取し基板S上に配置するよう実装部30を制御する。この実装装置15では、実装処理を実行する構成と、検査処理を実行する構成とを備えているため、欠品検査を実行したのち、この欠品の部品Pを再実装することができる。このため、作業者が欠品に対する作業を実行する場合などに比して、より効率よく生産を実行することができる。また、実装システム10は、複数の実装装置15を含み、CPU41は、他の実装装置15で実装処理した基板Sに対して欠品検査処理を実行し、部品Pの欠品があるときには、他の実装装置15で実装すべき欠品した部品Pを供給部24から採取し基板S上に配置するよう実装部30を制御する。この実装装置15では、他の実装装置15で実装した部品Pの欠品についても再実装することができるため、より効率よく生産を実行することができる。
【0032】
また、供給部24は、部品Pを保持した保持部材としてのフィーダ25やトレイ26を装着し、実装システム10は、フィーダ25などを収容する収容部54を備え供給部24からフィーダ25を回収し及び/又はフィーダ25などを供給部24へ装着する移動型作業装置としてのローダ18を更に含む。このとき、CPU41は、基板S上に部品Pの欠品があり、この欠品した部品Pが供給部24にないときには、ローダ18に欠品した部品を保持したフィーダ25を供給部へ移動させる。この実装装置15では、他の実装装置15で実装した部品Pがこの実装装置15にない場合であっても、部品Pを確保することができるため、より確実且つより効率よく生産を実行することができる。更に、CPU41は、基板S上に部品Pの欠品があり、この欠品した部品Pを採取する採取部材としてのノズル33が実装部30にないときには、ローダ18にこの欠品した部品Pを採取するノズル33を実装部30へ移動させる。この実装装置15では、他の実装装置15で実装した部品Pを採取する採取部材がこの実装装置15にない場合であっても、部品Pを採取することができるため、より確実且つより効率よく生産を実行することができる。
【0033】
更にまた、CPU41は、検査撮像部34が撮像した、実装部30が採取した状態での部品Pの撮像画像を利用して欠品検査処理を実行する。この実装装置15では、採取した状態の部品Pの撮像画像を利用して、より効率よく生産を実行することができる。また、CPU41は、実装部30が採取した状態での部品Pの撮像画像から求められる部品Pの採取位置や採取姿勢としての回転位置の値が所定の閾値を超えた部品Pを配置する配置領域に対して欠品検査処理を実行する。この実装装置15では、部品Pの採取状態に基づいて欠品検査処理を実行する領域を特定するため、欠品検査処理を更に効率よく実行することによって、更に効率よく生産を実行することができる。更に、CPU41は、他の実装装置15の採取撮像部27で撮像した撮像画像に基づいて求められた部品Pの採取位置や採取姿勢の情報を基板情報44から取得し、欠品検査処理を実行する。この実装装置15では、他の実装装置15で得られた情報を利用して欠品検査処理を実行することによって、より効率よく生産を実行することができる。
【0034】
そして、CPU41は、基板S上に部品Pの欠品があるときには、基板S上に存在する異物を検出する異物検査処理を実行する。この実装装置15では、部品Pの欠品があるときに限って異物検査処理を実行することによって、より効率よく生産を実行することができる。また、CPU41は、基板S上に部品Pを実装する領域の一部又は全部に対して異物検査処理を実行する。この実装装置15では、部品実装に関係のある領域に限って異物検査処理を実行することによって、より効率よく生産を実行することができる。更に、CPU41は、この後の実装処理で部品Pを実装する領域や、欠品部品が潜り込むような特殊形状の部品の配置領域や、高価な部品の配置領域に対して異物検査処理を実行するため、不良基板の発生や、生産コストの上昇などをより抑制することができる。
【0035】
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0036】
例えば、上述した実施形態では、他の実装装置15で実装処理した基板Sの部品Pに対して欠品検査処理を実行するものとしたが、特にこれに限定されず、現在の実装装置15で実装処理した部品Pのみ欠品検査処理するものとしてもよい。この実装装置15では、実装部30に部品Pが必ずあるので、再実装処理しやすい。また、再実装処理する部品Pがないときには、ローダ18が部品Pを搬送するものとしたが、特にこれに限定されず、ローダ18を省略し、自動搬送車16が搬送してもよいし、作業者が搬送してもよい。
【0037】
上述した実施形態では、採取撮像部27が部品Pを実装ヘッド32が採取した状態の撮像画像を撮像し、この撮像画像を利用して欠品検査処理を実行するものとしたが、特にこれに限定されず、採取撮像部27の撮像画像を利用して得られたずれ量を用いずに、欠品検査処理を実行してもよい。特に、CPU41は、基板Sの領域全体に亘って欠品検査処理を実行してもよい。同様に、上述した実施形態では、異物検査領域を設定し、その領域のみに対して異物検査処理を行うものとして説明したが、特にこれに限定されず、基板Sの領域全体に亘って異物検査処理を実行してもよい。この実装装置15では、検査時間を要するが、より確実な欠品検査及び異物検査を実行することができる。
【0038】
上述した実施形態では、本開示を実装システム10や実装装置15として説明したが、実装装置15の制御方法や、この実装装置15の制御方法を実現するプログラムとしてもよい。
【0039】
ここで、本開示の実装装置、実装システム及び検査実装方法は、以下のように構成してもよい。例えば、本開示の実装装置において、前記実装システムは、複数の前記実装装置を含み、前記制御部は、他の実装装置で実装処理した前記実装対象物に対して前記欠品検査処理を実行し、部品の欠品があるときには、前記他の実装装置で実装すべき欠品した部品を前記供給部から採取し前記実装対象物上に配置するよう前記実装部を制御するものとしてもよい。この実装装置では、他の実装装置で実装した部品の欠品についても再実装することができるため、より効率よく生産を実行することができる。
【0040】
複数の前記実装装置を含む実装システムに用いられる本開示の実装装置において、前記供給部は、前記部品を保持した保持部材を装着し、前記実装システムは、前記保持部材を収容する収容部を備え前記供給部から前記保持部材を回収し及び/又は前記保持部材を前記供給部へ移動する移動型作業装置を更に含み、前記制御部は、前記実装対象物上に部品の欠品があり該欠品した部品が前記供給部にないときには、前記移動型作業装置に該欠品した部品を保持した保持部材を前記供給部へ移動させるものとしてもよい。この実装装置では、他の実装装置で実装した部品がこの実装装置にない場合であっても、部品を確保することができるため、より確実且つより効率よく生産を実行することができる。
【0041】
複数の前記実装装置を含む実装システムに用いられる本開示の実装装置において、前記実装部は、前記部品を採取する採取部材を装着及び装着解除可能であり、前記供給部は、前記部品を保持した保持部材を装着し、前記実装システムは、前記保持部材を収容する収容部を備え前記供給部から前記保持部材を回収し及び/又は前記保持部材を前記供給部へ移動する移動型作業装置を更に含み、前記制御部は、前記実装対象物上に部品の欠品があり該欠品した部品を採取する前記採取部材が前記実装部にないときには、前記移動型作業装置に該欠品した部品を採取する採取部材を前記実装部へ移動させるものとしてもよい。この実装装置では、他の実装装置で実装した部品を採取する採取部材がこの実装装置にない場合であっても、部品を採取することができるため、より確実且つより効率よく生産を実行することができる。
【0042】
本開示の実装装置は、前記実装部が採取した状態の前記部品を撮像する採取撮像部、を備え、前記制御部は、前記実装部が採取した状態での部品の撮像画像を利用して前記欠品検査処理を実行するものとしてもよい。この実装装置では、採取した状態の部品の撮像画像を利用して、より効率よく生産を実行することができる。
【0043】
採取撮像部を備えた本開示の実装装置において、前記制御部は、前記実装部が採取した状態での部品の撮像画像を利用するに際して、該撮像画像から求められる該部品の採取位置及び/又は採取姿勢の値が所定の閾値を超えた部品を配置する配置領域に対して前記欠品検査処理を実行するものとしてもよい。この実装装置では、部品の採取状態に基づいて欠品検査処理を実行する領域を特定するため、欠品検査処理を更に効率よく実行することによって、更に効率よく生産を実行することができる。
【0044】
採取撮像部を備えた本開示の実装装置において、前記実装システムは、複数の前記実装装置を含み、前記制御部は、他の実装装置の前記採取撮像部で撮像した撮像画像に基づいて求められた前記部品の採取位置及び/又は採取姿勢の情報を取得し、前記欠品検査処理を実行するものとしてもよい。この実装装置では、他の実装装置で得られた情報を利用して欠品検査処理を実行することによって、より効率よく生産を実行することができる。
【0045】
前記制御部は、前記実装対象物上に部品の欠品があるときには、前記実装対象物上に存在する異物を検出する異物検査処理を実行するよう前記検査撮像部を制御するものとしてもよい。この実装装置では、部品の欠品があるときに限って異物検査処理を実行することによって、より効率よく生産を実行することができる。このとき、前記制御部は、前記実装対象物上に部品を実装する領域の一部又は全部に対して前記異物検査処理を実行するものとしてもよい。この実装装置では、部品実装に関係のある領域に限って異物検査処理を実行することによって、より効率よく生産を実行することができる。このとき、制御部は、この後の実装処理で部品を実装する領域や、特殊形状の部品の配置領域、高価な部品の配置領域に対して前記異物検査処理を実行するものとしてもよい。
【0046】
本開示の実装システムは、上述したいずれかの実装装置を備えたものである。この実装システムは、上述したいずれかの実装装置を有するため、これと同様の効果を奏することができる。
【0047】
本開示の検査実装方法は、
部品を保持する供給部と、前記部品を前記供給部から採取し実装対象物に実装処理する実装部と、前記実装対象物を撮像する検査撮像部とを備えた実装装置を有する実装システムに用いられる検査実装方法であって、
(a)前記実装対象物を撮像した撮像画像を用いて前記実装対象物上での部品の欠品を検出する欠品検査処理を実行するステップと、
(b)前記ステップ(a)で部品の欠品があるときには、欠品した部品を前記供給部から採取し前記実装対象物上に配置するよう前記実装部を制御するステップと、
を含むものである。
【0048】
この検査実装方法では、上述した実装装置と同様に、欠品検査を実行したのち、この欠品の部品Pを再実装することができるため、より効率よく生産を実行することができる。なお、この検査実装方法において、上述した実装装置の態様を採用してもよいし、上述した実装装置の機能を発現するステップを含むものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本開示の実装装置、実装システム及び検査実装方法は、電子部品の実装分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0050】
10 実装システム、11 印刷装置、12 印刷検査装置、13 保管部、14 管理PC、15 実装装置、16 自動搬送車、18 ローダ、19 X軸レール、22 基板処理部、24 供給部、25 フィーダ、26 トレイ、27 採取撮像部、30 実装部、31 ヘッド移動部、32 実装ヘッド、33 ノズル、34 検査撮像部、35 ノズル保管部、40 実装制御部、41 CPU、42 記憶部、43 実装条件情報、44 基板情報、45 検査部、50 移動制御部、51 CPU、53 記憶部、54 収容部、55 交換部、56 移動部、57 通信部、60 ホストPC、A 欠品検査領域、P、Pa,Pb,P1,P2 部品、S 基板。
図1
図2
図3
図4
図5