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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】監視ユニット
(51)【国際特許分類】
   B25J 19/06 20060101AFI20221220BHJP
【FI】
B25J19/06
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021536511
(86)(22)【出願日】2019-07-30
(86)【国際出願番号】 JP2019029796
(87)【国際公開番号】W WO2021019677
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-01-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野村 壮志
(72)【発明者】
【氏名】平野 篤規
【審査官】仁木 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-010704(JP,A)
【文献】特開2009-289473(JP,A)
【文献】特開2008-138440(JP,A)
【文献】特開2014-140920(JP,A)
【文献】特開2009-158190(JP,A)
【文献】特開昭62-163198(JP,A)
【文献】特開平08-219830(JP,A)
【文献】特開2011-247561(JP,A)
【文献】実開昭64-019216(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 ー 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定作業を行うロボットの周辺を監視する監視ユニットであって、
所定の照射領域に電波を照射し、物体で反射された電波を受信して該物体を検知する電波センサと、
前記ロボットの制御部との通信を介して前記電波センサの検知信号を出力する監視制御部と、
前記照射領域の外縁に沿って光を発光する発光部と、
作業者による前記発光部の発光指示が入力される入力部と、
を備え、
前記監視制御部は、前記ロボットの制御部との通信を介して前記ロボットの作業状態の情報を取得し、前記ロボットが前記所定作業中でない場合に前記発光部を発光可能とし、前記ロボットが前記所定作業中である場合に前記発光部を発光不能とする
監視ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の監視ユニットであって、
前記入力部は、作業者により前記発光指示と発光停止の指示との入力操作が可能な操作スイッチである
監視ユニット。
【請求項3】
請求項1または2に記載の監視ユニットであって、
前記監視制御部は、前記入力部を兼ねており、前記ロボットの制御部との通信を介して前記発光指示が入力され、前記発光指示に基づいて前記発光部が発光した後の所定タイミングで前記発光部の発光を停止させる
監視ユニット。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の監視ユニットであって、
前記発光部は、前記電波センサが配置される基板上に、前記照射領域の外縁に合わせた角度で光を発光するように配置されている
監視ユニット。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の監視ユニットであって、
前記発光部は、可視光を発光するものである
監視ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、監視ユニットを開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の監視ユニットとしては、工場内に設置されたロボットの周辺に物体が侵入するのを監視するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この監視ユニットは、ロボットの動作可能領域を含む動作領域への物体の侵入を監視するセンサ部と、ロボットより高い位置から動作領域の外縁に向けて可視光を発光する可視光光源とを備える。そして、監視ユニットは、可視光光源から可視光を発光させることで、工場内の人物に動作領域を把握させ、物体の侵入を検知するとロボットの作動を停止させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-140920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような監視ユニットによる監視を適切に行うためには、必要な監視領域に対しセンサ部の検知領域がずれないように監視ユニットが適切な位置に設置されている必要がある。しかしながら、センサ部として電波を照射する電波センサが用いられる場合、監視ユニットの設置時に、電波の照射領域を作業者が目視で確認することはできない。また、上述した監視ユニットのように、ロボットが作動している状態で可視光光源を発光させたとしても、監視ユニットを適切な位置に設置するのは困難である。このため、必要な監視領域と、電波の照射領域とがずれてしまうことがあり、問題となる。
【0005】
本開示は、監視ユニットの監視領域を作業者に容易且つ確実に設定可能とすることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本開示の監視ユニットは、
所定作業を行うロボットの周辺を監視する監視ユニットであって、
所定の照射領域に電波を照射し、物体で反射された電波を受信して該物体を検知する電波センサと、
前記ロボットの制御部との通信を介して前記電波センサの検知信号を出力する監視制御部と、
前記照射領域の外縁に沿って光を発光する発光部と、
作業者による前記発光部の発光指示が入力される入力部と、
を備え、
前記発光部は、前記ロボットが前記所定作業中か否かに拘わらず前記発光指示に基づいて発光する
ことを要旨とする。
【0008】
本開示の監視ユニットでは、照射領域の外縁に沿って光を発光する発光部が、ロボットが所定作業中か否かに拘わらず作業者の発光指示に基づいて発光する。これにより、作業者は、発光部が発光する光により電波センサの照射領域の外縁を確認することができる。このため、監視ユニットの設置時などに、必要な監視領域に電波センサの照射領域が確実に一致するように、監視ユニットの位置を容易に調整することができる。したがって、監視ユニットの監視領域を作業者に容易且つ確実に設定可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】作業システム10の構成の概略を示す構成図。
図2】監視ユニット20の構成の概略を示す構成図。
図3】監視ユニット20と照射領域Aを示す外観斜視図。
図4】監視ユニット設置工程の一例を示す工程図。
図5】監視ユニット20が可視光線VLを発光する様子の説明図。
図6】発光制御処理の一例を示すフローチャート。
図7】変形例の監視ユニット20Bが非可視光線ILを発光する様子の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本開示を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は作業システム10の構成の概略を示す構成図であり、図2は監視ユニット20の構成の概略を示す構成図であり、図3は監視ユニット20と照射領域Aを示す外観斜視図である。
【0012】
作業システム10は、作業台12と、ロボット14と、ロボット制御装置16と、表示操作パネル18と、監視ユニット20とを備える他、図示は省略するが機械部品や電子部品などのワークを供給する供給装置や、ワークを載置するトレイなどを搬送する搬送装置などを備える。
【0013】
ロボット14は、例えば作業台12の上面に配置された垂直多関節型のロボットアームを備える。このロボット14は、供給装置により供給されたワークをピッキングし、搬送装置により搬送されたトレイ上に整列させてプレースする作業などの所定作業を自動で行う。表示操作パネル18は、作業者がタッチ操作可能なタッチパネル式の液晶ディスプレイとして設けられており、ロボット14の作動状況などの各種情報を表示したり、各種設定や各種指示などに関する入力操作を受け付けたりする。監視ユニット20は、作業台12の側面などに1以上配置されており、ロボット14の周辺の所定の監視領域内への物体の侵入を監視する。ロボット制御装置16は、CPUやROM、HDD、RAMなどで構成されており、ロボット14や供給装置、搬送装置などの制御を行ったり、表示操作パネル18の表示制御や入力制御などを行う。また、ロボット制御装置16は、監視ユニット20と通信可能に接続されており、監視ユニット20が所定の監視領域内への物体の侵入を検知すると、ロボット14の作動を停止させたり、表示操作パネル18に警告を表示したり、図示しないスピーカや警告灯などを用いて警告を出力したりする。
【0014】
監視ユニット20は、ユニット本体21と、基板22と、電波センサ24と、演算処理部26と、可視光LED27と、操作スイッチ28とを備える。ユニット本体21は、略直方体状に形成されており、図示しない取付穴を通したネジを作業台12の側面のネジ穴に締め付けることなどにより固定される。基板22は、表面に電波センサ24や可視光LED27、操作スイッチ28が配置され、裏面に演算処理部26が配置されている。
【0015】
電波センサ24は、周波数が24GHzや77GHzなどの所定の周波数帯の電波を送受信するためのアンテナ25を有する。電波センサ24は、アンテナ25から所定の照射領域Aに対して電波を発信し、照射領域A内の物体に当たって反射した電波をアンテナ25で受信することにより、物体の有無を検知可能である。本実施形態では、アンテナ25(電波センサ24)が略矩形状に構成されており、アンテナ25から照射される電波の照射領域Aは略四角錐台状(テーパ状)の領域となる(図3参照)。演算処理部26は、電波センサ24からの検知信号や演算処理の結果などをロボット制御装置16に出力したり、ロボット制御装置16からの指示信号を入力したりする。例えば、電波センサ24は、FM-CW方式により検知した物体までの距離を演算処理部26が演算処理し、その結果を出力する。
【0016】
可視光LED27は、照射領域Aの外縁に沿って直線状の可視光線VLを発光するものである。この可視光LED27は、アンテナ25の四隅の近傍となる位置に計4個配置されている(図3参照)。各可視光LED27は、略四角錐台状の照射領域Aの外縁の角度(照射角度)に沿う角度で可視光線VLを発光するように光軸が固定された状態で、基板22に配置されている。操作スイッチ28は、ユニット本体21の前面に作業者が操作可能に配置され、作業者に押される度に可視光LED27の発光のオンオフを切り替えるように構成されている。このため、監視ユニット20は、ロボット14が所定作業中であるか否かに拘わらず、操作スイッチ28の操作により可視光LED27が発光可能となる。勿論、監視ユニット20は、ロボット14の周辺の監視領域を監視するものであり、通常はロボット14の所定作業中に作業者が監視領域内に侵入して操作スイッチ28を操作することはなく、可視光LED27の発光のオンオフが切り替えられることはない。
【0017】
次に、作業者が監視ユニット20を設置する際の作業工程を説明する。図4は監視ユニット設置工程の一例を示す工程図である。図示するように、監視ユニット設置工程では、まず、作業者が監視ユニット20を作業台12に仮位置で取り付ける(S100)。例えば、監視ユニット20のネジの取付穴が長穴として形成されているために左右方向などに位置調整可能な場合、作業者は、その長穴の略中心でネジを仮締めすることにより仮位置で取り付けるものなどとする。次に、作業者は操作スイッチ28の操作により発光を指示することで可視光LED27を発光させる(S110)。
【0018】
図5は監視ユニット20が可視光線VLを発光する様子の説明図である。図示するように、各可視光LED27は、アンテナ25から略四角錐台状(テーパ状)に照射される電波の照射領域Aの外縁に沿って、それぞれ可視光線VLを発光する。このため、作業者は、可視光線VLを視認することで照射領域Aの外縁即ち監視ユニット20の監視領域を確認することができる。
【0019】
次に、作業者は、可視光線VLを見て照射領域Aを確認しながら監視ユニット20の位置を調整する(S120)。例えば、図5の斜線領域を照射領域Aに含めたい場合、作業者は監視ユニット20の位置を図中右側に調整することになる。なお、監視ユニット20の位置の調整は、左右方向だけでなく上下方向に調整可能であってもよい。このようにして必要な監視領域を監視できるように、作業者が監視ユニット20の位置を調整すると、作業者はネジを本締めすることにより監視ユニット20を作業台12に固定する(S130)。続いて、作業者は、操作スイッチ28の操作により発光停止を指示することで可視光LED27からの発光を停止させて(S140)、監視ユニット設置工程を完了する。
【0020】
ここで、本実施形態の構成要素と本開示の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のロボット14がロボットに相当し、監視ユニット20が監視ユニットに相当し、電波センサ24が電波センサに相当し、演算処理部26が監視制御部に相当し、可視光LED27が発光部に相当し、操作スイッチ28が入力部に相当する。
【0021】
以上説明した監視ユニット20は、照射領域Aの外縁に沿って光を発光する可視光LED27が、ロボット14が所定作業中であるか否かに拘わらず、作業者の操作スイッチ28の操作により発光する。このため、作業者は、監視ユニット20の設置時に可視光線VLを見て照射領域Aの外縁を確認しながら、必要な監視領域に照射領域Aが確実に一致するように監視ユニット20の位置を容易に調整することができる。
【0022】
また、作業者は、操作スイッチ28の操作により可視光LED27を速やかに発光させるから、監視ユニット20の位置調整の作業性を向上させることができる。また、作業者は、監視ユニット20の位置調整の作業が終了すれば、発光を速やかに停止させることができる。このため、監視ユニット20の設置時など位置調整が必要な場合にのみ監視ユニット20から発光させ、ロボット14の所定作業中は発光を停止させることができる。したがって、ロボット14の周辺で作業を行う作業者が光を煩わしいと感じるのを防止すると共に、必要な場合にのみ発光することで省エネルギ化を図ることができる。
【0023】
また、可視光LED27は、電波センサ24が配置される基板22上に、照射領域Aの外縁に合わせた角度で光を発光するように配置されているから、可視光LED27と電波センサ24とを同一基板上に配置したコンパクトな構成とすることができる。
【0024】
また、可視光LED27が発光する可視光線VLにより、作業者は照射領域Aを目視で容易に確認することができるから、監視領域をさらに容易且つ確実に設定可能とすることができる。
【0025】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0026】
例えば、上述した実施形態では、操作スイッチ28の操作により発光のオンオフを切り替えたが、これに代えてあるいは加えて、監視ユニット20の演算処理部26などの監視制御部から出力される信号により切り替えてもよい。図6は、発光制御処理の一例を示すフローチャートであり、演算処理部26により実行されるものとする。
【0027】
この発光制御処理では、演算処理部26は、まず、可視光LED27が発光中であると判定するか(S200)、ロボット制御装置16からの発光指示を受信したと判定するのを待つ(S210)。例えば、ロボット制御装置16は、表示操作パネル18に可視光LED27の発光操作画面を表示して発光のオンオフの操作を受け付け、受け付けた操作に基づいて発光指示または発光停止指示を演算処理部26に送信するものとする。また、この発光操作画面では、複数の可視光LED27を一括してオンオフの切り替え操作が可能としてもよい。こうすれば、複数の監視ユニット20の可視光LED27を一々操作する必要がないから、位置調整の作業性を向上させることができる。演算処理部26は、S210でロボット制御装置16からの発光指示を受信したと判定すると、可視光LED27を発光すると共に(S220)、図示しないタイマにより可視光LED27の発光時間の計測を開始する(S230)。
【0028】
演算処理部26は、S200で可視光LED27が発光中であると判定するか、S230で可視光LED27の発光時間の計測を開始すると、ロボット制御装置16から発光停止指示を受信するか(S240)、発光時間が所定時間以上経過するのを待つ(S250)。なお、所定時間は、作業者により監視ユニット20の位置調整に必要な時間に応じて、数分から数十分程度の時間に定められている。演算処理部26は、S240,S250で発光停止指示を受信しておらず、所定時間以上経過していないと判定すると、S200に戻る。一方、演算処理部26は、発光停止指示を受信するか、可視光LED27の発光時間が所定時間以上経過すると、可視光LED27の発光を停止して(S260)、S200に戻る。このように、演算処理部26により可視光LED27の発光のオンオフを切り替えることができる。また、この変形例では、所定時間が経過した所定タイミングで可視光LED27の発光を停止するから、作業者が停止指示を忘れていても発光を停止させることが可能となり、より確実に省エネルギ化を図ることができる。
【0029】
変形例では、発光時間が所定時間以上経過すると可視光LED27の発光を停止したが、これに限られず、ロボット制御装置16からの発光停止指示に基づいて発光を停止し、発光時間の計測を行わなくてもよい。あるいは、発光時間が所定時間以上経過すると発光を停止し、ロボット制御装置16が発光停止指示を送信しなくてもよい。また、演算処理部26が発光時間を計測するものに限られず、ロボット制御装置16が監視ユニット20に発光指示を送信してからの時間を計測し、所定時間以上経過すると発光停止指示を送信するものとしてもよい。また、上述した実施形態においても、操作スイッチ28をタイマ付きのスイッチとして、操作スイッチ28の操作により可視光LED27の発光を開始してから所定時間以上経過すると消灯するように構成してもよい。
【0030】
上述した実施形態では、可視光LED27と電波センサ24とを同一基板上に配置するものとしたが、これに限られず、別々の基板上に配置するものとしてもよい。
【0031】
上述した実施形態では、可視光LED27を矩形状の電波センサ24の四隅に1つずつ計4つ設けたが、これに限られず、矩形状の電波センサ24の1の対角線上となる隅の位置に1つずつ計2つ設けてもよいし、隅の位置に限られず辺上の位置に設けてもよい。また、電波センサ24は、矩形状に限られず円形状としてもよく、円周を四等分した位置に可視光LED27を計4つ設けてもよいし、円周を三等分した位置に可視光LED27を計3つ設けてもよい。また、可視光LED27は、5以上の複数設けられていてもよい。
【0032】
上述した実施形態では、可視光LED27が直線状の可視光線VLを発光したが、これに限られず、面状の可視光線を発光してもよい。
【0033】
上述した実施形態では、監視ユニット20の設置時の位置調整を行う場合を例示して説明したが、これに限られず、監視ユニット20の設置後に例えばロボット14の停止時などに監視ユニット20の位置調整や監視領域の確認を行う場合に適用してもよい。
【0034】
上述した実施形態では、監視ユニット20が、可視光線VLを発光する可視光LED27を備えたが、これに限られず、非可視光を発光する非可視光LED27Bを備えてもよい。図7は、変形例の監視ユニット20Bが非可視光線ILを発光する様子の説明図である。非可視光LED27Bは、可視光線VLに代えて、例えば赤外線などの非可視光線ILを発光する点を除いて、可視光LED27と同じ位置に同様に配置されている。
【0035】
この変形例では、作業者は、例えばタブレット30などの携帯端末で非可視光線ILを確認する。タブレット30は、表示操作パネル32と、非可視光カメラとしての赤外線カメラ34と、表示操作パネル32への画像表示や表示操作パネル32に対する入力操作などを制御する表示操作制御部36とを備える。図示するように、タブレット30は、赤外線カメラ34で撮像された画像を表示操作パネル32に表示する。これにより、作業者は、非可視光LED27Bが発光する非可視光線ILを視認することができるから、照射領域Aの外縁即ち監視ユニット20Bの監視領域を確認することができる。なお、タブレット30が、赤外線カメラ34とは別に可視光を撮像する通常のカメラ(可視光カメラ)を備え、通常のカメラで撮像した監視ユニット20Bの画像に、非可視光線ILの画像を重ねて表示操作パネル32へ表示してもよい。また、タブレット30などの携帯端末に表示するものに限られず、メガネのレンズをディスプレイとするメガネ型ディスプレイや作業者の頭部に装着するヘッドマウントディスプレイなどに表示してもよい。これらのディスプレイに表示する場合、作業者が携帯端末を保持する必要がないから、位置調整の作業性を向上させることができる。
【0036】
このように、監視ユニット20Bが非可視光を発光する場合、作業者が光を煩わしいと感じるのを確実に防止することができる。ただし、光を目視できないために、監視ユニット20Bの位置調整をした後に作業者が操作スイッチ28の操作を忘れる可能性がより高いものとなる。このため、図6の発光制御処理で説明したように、発光時間の経過により非可視光LED27Bの発光を停止することが望ましい。これにより、非可視光LED27Bの発光を確実に停止させて省エネルギ効果を高めることができる。
【0037】
上述した実施形態や変形例では、ロボット14が所定作業中であるか否かに拘わらず可視光LED27や非可視光LED27Bが発光可能としたが、これに限られず、ロボット14が所定作業中でない場合に発光可能とし、ロボット14が所定作業中である場合に発光不能としてもよい。例えば、演算処理部26がロボット制御装置16との通信によりロボット14の作業状態の情報を取得し、ロボット14が所定作業中であれば操作スイッチ28から発光指示が入力されても発光しないようにしたり、発光中にロボット14が所定作業を開始すれば発光を停止するものなどとしてもよい。
【0038】
ここで、本開示の監視ユニットは、以下のように構成してもよい。例えば、本開示の監視ユニットにおいて、前記入力部は、作業者により前記発光指示と発光停止の指示との入力操作が可能な操作スイッチであるものとしてもよい。こうすれば、作業者は、電波センサの照射領域を確認する際に、操作スイッチの操作により速やかに発光部から発光させることができるから、監視ユニットの位置調整の作業性を向上させることができる。また、監視ユニットの位置調整の作業が終了すれば、作業者は発光部からの発光を速やかに停止させることができるから、作業者が光を煩わしいと感じるのを防止すると共に省エネルギ化を図ることができる。
【0039】
本開示の監視ユニットにおいて、前記監視制御部は、前記入力部を兼ねており、前記ロボットの制御部との通信を介して前記発光指示が入力され、前記発光指示に基づいて前記発光部が発光した後の所定タイミングで前記発光部の発光を停止させるものとしてもよい。こうすれば、作業者は、電波センサの照射領域を確認する際に、ロボットの作動制御部に対する操作入力により発光部を発光させることができる。また、監視制御部が所定タイミングで発光部の発光を停止させるため、作業者が停止指示を忘れていても発光を停止させることが可能となり、省エネルギ化を図ることができる。なお、所定タイミングは、例えば、ロボットの制御部との通信を介して発光の停止指示が入力されたタイミングや、発光部が発光してから所定時間が経過したタイミングなどとすることができる。
【0040】
本開示の監視ユニットにおいて、前記発光部は、前記電波センサが配置される基板上に、前記照射領域の外縁に合わせた角度で光を発光するように配置されているものとしてもよい。こうすれば、発光部と電波センサとを同一基板上に配置したコンパクトな構成で、監視領域を作業者に容易且つ確実に設定可能とすることができる。
【0041】
本開示の監視ユニットにおいて、前記発光部は、可視光を発光するものであるものとしてもよい。こうすれば、作業者が電波センサの照射領域を目視で容易に確認することができるから、監視領域をさらに容易且つ確実に設定可能とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、ロボットの周辺を監視する監視ユニットの技術分野などに利用可能である。
【符号の説明】
【0043】
10 作業システム、12 作業台、14 ロボット、16 ロボット制御装置、18 表示操作パネル、20,20B 監視ユニット、21 ユニット本体、22 基板、24 電波センサ、25 アンテナ、26 演算処理部、27 可視光LED、27B 非可視光LED、28 操作スイッチ、30 タブレット、32 表示操作パネル、34 赤外線カメラ、36 表示操作制御部、A 照射領域、VL 可視光線、IL 非可視光線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7