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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】加熱装置及び加熱装置を有する冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   H05B 6/72 20060101AFI20221220BHJP
   F25D 23/12 20060101ALI20221220BHJP
   H05B 6/64 20060101ALI20221220BHJP
   H05B 6/50 20060101ALI20221220BHJP
   A23L 3/36 20060101ALI20221220BHJP
   A23L 3/365 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
H05B6/72 C
F25D23/12 S
H05B6/64 G
H05B6/64 D
H05B6/50
A23L3/36 Z
A23L3/365 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021538830
(86)(22)【出願日】2019-12-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-25
(86)【国際出願番号】 CN2019124654
(87)【国際公開番号】W WO2020140709
(87)【国際公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】201920013453.6
(32)【優先日】2019-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520514414
【氏名又は名称】海尓智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】王 海娟
(72)【発明者】
【氏名】李 鵬
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-229037(JP,A)
【文献】特開2018-025311(JP,A)
【文献】特開2000-100555(JP,A)
【文献】国際公開第2017/123145(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 6/72
F25D 23/12
H05B 6/64
H05B 6/50
A23L 3/36
A23L 3/365
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理待ち物体を載置するための入出口が設けられた筒体と、
前記入出口に設置され、前記入出口を開閉するための扉部と、
電磁波信号を生成するように配置される電磁生成モジュールと、
前記電磁生成モジュールに電気接続され、前記電磁波信号に基づいて、対応する周波数の電磁波を生成するように設置される放射アンテナと、を含む加熱装置であって、
前記電磁生成モジュールに電気接続されると共に前記筒体内の後部下部に設置される信号処理・測定制御回路をさらに含み、
前記信号処理・測定制御回路は、一つの回路基板に集積されており、
さらに、前記筒体内に処理待ち物体を載置するための引き出しを含み、
前記引き出しの底壁の後部に上向きの凹部を形成することで、当該底壁の後部の下方である前記筒体内の後部下部に前記信号処理・測定制御回路を設置する空間を形成する、
加熱装置。
【請求項2】
前記筒体は、金属で製造され、接地されて設置されており、
前記加熱装置は、前記回路基板と前記筒体とを接続するように設置される金属製ホルダーをさらに含む、
請求項に記載の加熱装置。
【請求項3】
ケースをさらに含み、
前記ケースは、前記筒体の内部空間を、処理待ち物体を設置する加熱室、及び、前記回路基板を設置する電気機器室、に仕切るように設置される、
請求項に記載の加熱装置。
【請求項4】
前記回路基板は、水平に設置され、
前記ケースにおける二つの横方向に沿った側壁に、それぞれ上向きかつ内側へ延出される係合舌部が形成されており、前記回路基板は、二つの前記係合舌部の上方に係合して固定される、
請求項に記載の加熱装置。
【請求項5】
前記信号処理・測定制御回路は、前記電磁生成モジュールの稼働・停止を制御するように、前記電磁生成モジュールに電気接続されて設置される制御手段を含む、
請求項1からのいずれか一項に記載の加熱装置。
【請求項6】
前記信号処理・測定制御回路は、前記電磁生成モジュールと前記放射アンテナとの間に直列接続され、前記電磁生成モジュールの負荷インピーダンスを調節するように配置される整合手段を含む、
請求項1からのいずれか一項に記載の加熱装置。
【請求項7】
前記信号処理・測定制御回路は、
前記電磁生成モジュールと前記放射アンテナとの間に直列接続され、通過する入射波信号及び反射波信号について特定のパラメータを検出するように配置される検出手段と、
前記特定のパラメータに基づいて、処理待ち物体の電磁波吸収率を算出するように配置される制御手段と、をさらに含み、
前記整合手段は、前記電磁波吸収率に基づいて、前記電磁生成モジュールの負荷インピーダンスを調節するように配置される、
請求項に記載の加熱装置。
【請求項8】
前記筒体における前記整合手段に対応する位置に、複数の放熱穴が設けられており、前記整合手段が稼働している際に生成した熱エネルギーが前記複数の放熱穴を介して排出されるようにする、
請求項に記載の加熱装置。
【請求項9】
少なくとも一つの貯蔵室が形成される箱体と、前記少なくとも一つの貯蔵室を開閉するための少なくとも一つのドアと、前記少なくとも一つの貯蔵室を低温にさせるように配置される冷蔵システムと、前記冷蔵システムの稼働を制御するように配置される制御基板と、を含む冷蔵庫であって、
前記貯蔵室内に設置される、請求項1からのうち少なくとも一項に記載の加熱装置をさらに含む、
冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キッチン用品に関し、特に、電磁波加熱装置及び加熱装置を有する冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
食料は、冷凍の際に品質が維持されてきているが、冷凍されているものが加工や食用の前に解凍されることが必要となる。従来技術では、使用者が都合よく食料を冷凍したり解凍できるように、冷蔵冷凍装置に食料を解凍する電磁波装置を付加的に設置することが行われている。
【0003】
しかしながら、食料は、種類によってその誘電率も異なる。同じ種類である食料の場合であっても、解凍の際に温度が変化することに伴いその誘電率も変わるため、食料の電磁波吸収率も上下に変化する。このため、加熱効率が高い加熱装置及び加熱装置を有する冷蔵庫を設計することが必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、貯蔵空間が比較的大きい加熱装置を提供することである。
【0005】
また、本発明の目的は、潜在的な安全上の危険を回避することである。
【0006】
また、本発明の目的は、加熱効率を高めることである。
【0007】
また、本発明の目的は、加熱装置を有する冷蔵庫を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一形態では、
処理待ち物体を載置するための入出口が設けられる筒体と、
前記入出口に設置され、前記入出口を開閉するための扉部と、
電磁波信号を生成するように配置される電磁生成モジュールと、
前記電磁生成モジュールに電気接続され、前記電磁波信号に基づいて、対応する周波数の電磁波を生成するように設置される放射アンテナと、を含む、加熱装置であって、
前記電磁生成モジュールに電気接続されるように設置され、前記筒体内の後部下部に設置される信号処理・測定制御回路をさらに含む、
加熱装置を提供する。
【0009】
好ましくは、前記信号処理・測定制御回路は、一つの回路基板に集積される。
【0010】
好ましくは、前記筒体は、金属で製造され、接地されて設置されており、前記加熱装置は、前記回路基板と前記筒体とを接続するように設置される金属製ホルダーをさらに含む。
【0011】
好ましくは、前記加熱装置は、前記筒体の内部空間を、処理待ち物体を設置する加熱室、及び、前記回路基板を設置する電気機器室、に仕切るように設置されるケースをさらに含む。
【0012】
好ましくは、前記回路基板は、水平に設置され、前記ケースにおける二つの横方向に沿った側壁に、それぞれ上向きかつ内側へ延出される係合舌部が形成され、前記回路基板は、二つの前記係合舌部の上方に係合して固定される。
【0013】
好ましくは、前記信号処理・測定制御回路は、前記電磁生成モジュールの稼働・停止を制御するように、前記電磁生成モジュールに電気接続されて設置される制御手段を含む。
【0014】
好ましくは、前記信号処理・測定制御回路は、前記電磁生成モジュールと放射アンテナとの間に直列接続され、前記電磁生成モジュールの負荷インピーダンスを調節するように配置される整合手段を含む。
【0015】
好ましくは、前記信号処理・測定制御回路は、
前記電磁生成モジュールと放射アンテナとの間に直列接続され、通過する入射波信号及び反射波信号について特定のパラメータを検出するように配置される検出手段と、
前記特定のパラメータに基づいて、処理待ち物体の電磁波吸収率を算出するように配置する制御手段と、をさらに含み、
前記整合手段は、前記電磁波吸収率に基づいて、前記電磁生成モジュールの負荷インピーダンスを調節するように配置される。
【0016】
好ましくは、前記筒体における前記整合手段に対応する位置に、複数の放熱穴が設けられており、前記整合手段が稼働している際に生じた熱エネルギーが前記複数の放熱穴を介して排出させるようにする。
【0017】
本発明の他の形態では、
少なくとも一つの貯蔵室が形成される箱体と、
前記少なくとも一つの貯蔵室を開閉するための少なくとも一つのドアと、
前記少なくとも一つの貯蔵室を低温にさせるように配置される冷蔵システムと、
前記冷蔵システムの稼働を制御するように配置される制御基板と、を含む冷蔵庫であって、
前記貯蔵室内に設置される、上記のいずれかに記載の加熱装置をさらに含む、
冷蔵庫を提供する。
【0018】
本発明に係る加熱装置は、信号処理・測定制御回路を筒体内の後部下部に設置することにより、筒体が比較的大きい貯蔵空間を有すると共に、引き出しを用いて食料を載置する時に、食料が過度に高いことにより回路が破損されてしまうことを避けることができる。
【0019】
さらに、本発明では、金属製の筒体を接地させて設置することにより、筒体における高電圧静電荷を放出することができ、漏電などの潜在的な安全上の危険を回避することができる。本発明はさらに、信号処理・測定制御回路を集積した回路基板を金属製の筒体に電気接続して、回路基板における電荷を、金属製の筒体を介して接地にて放出することにより、潜在的な安全上の危険を回避すると共に、回路に対する電磁波の干渉を低減することができる。
【0020】
さらに、本発明では、整合手段により、電磁生成モジュールの負荷インピーダンスを調節することにより、電磁生成モジュールの出力インピーダンス及び負荷インピーダンスの整合度合いを高める。これにより、加熱室内に固有特性(種類、重量や体積等)が異なる食料が置かれたり、又は、食料の温度が変化する場合であっても、比較的多くの電磁波エネルギーが加熱室内に放射される。
【0021】
以下には、図面を参照しながら、本発明における具体的な実施例を詳しく説明する。当業者は、本発明における上記及び他の目的、利点及び特性を明確に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
下記に、図面を参照して、例示的かつ非限定的な形態に基づいて、本発明におけるいくつかの具体的な実施例を詳しく説明する。図面には、同一の符号により、同一又は類似な部品や部分を示す。当業者にとって理解すべきところは、これらの図面が、必ずしも一定の縮尺で描かれたものである必要はないことである。
図1】本発明の一実施例における加熱装置の概略構成図である。
図2】電磁生成モジュール及び給電モジュールを略した図1に示す加熱装置の概略断面図である。
図3図2における領域Aの概略拡大図である。
図4】本発明の一実施例における電気機器室の概略構成図である。
図5図4における領域Bの概略拡大図である。
図6】本発明の他の一実施例における電気機器室の概略構成図である。
図7図6における領域Cの概略拡大図である。
図8】本発明の一実施例における冷蔵庫の概略構成図である。
図9図8におけるコンプレッサー室の概略構成図である。
図10】後方から前を見た加熱装置における貯蔵室に位置する部分の概略構成図である。
図11図10における領域Dの概略拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明の一実施例における加熱装置100の概略構成図である。図2は、電磁生成モジュール161及び給電モジュール162を略した図1に示す加熱装置100の概略断面図である。図1及び図2を参照すると、加熱装置100は、筒体110、扉部120、電磁生成モジュール161、給電モジュール162、及び、放射アンテナ150を含む。
【0024】
筒体110は、処理待ち物体を載置するためのものであり、その前方壁や天井壁に、処理待ち物体を出し入れするための入出口が設けられる。扉部120は、例えば、スライドレールによる接続やヒンジ接続などの適正な方法により筒体110に取り付けられ、入出口を開閉するためのものである。
【0025】
本実施例では、図示するように、加熱装置100は、処理待ち物体を載置するための引き出し140をさらに含んでもよい。引き出し140は、前壁が扉部120に固定して接続されるように設置され、二つの横方向における側壁がスライドレールを介して筒体110に可動可能に接続される。
【0026】
給電モジュール162は、電磁生成モジュール161に電力を供給して電磁生成モジュール161に電磁波信号を生成させるよう、電磁生成モジュール161に電気接続されて設置される。放射アンテナ150は、筒体110に設置され電磁生成モジュール161に電気接続されており、電磁波信号に基づいて、対応する周波数の電磁波を生成し、筒体110における処理待ち物体を加熱する。
【0027】
筒体110及び扉部120は、それぞれ電磁シールドの特性を有しており、扉部120が閉じられている状態で筒体110と扉部120が電気接続されるようにし、電磁波の漏洩を防ぐ。
【0028】
いくつかの実施例では、筒体110は、金属で製造され、受信極として放射アンテナ150の生成する電磁波を受信する。他のいくつかの実施例では、筒体110は、放射アンテナ150の生成する電磁波を受信するための受信極プレートが天井壁に設置される。
【0029】
図3は、図2における領域Aの概略拡大図である。図1乃至図3を参照すると、加熱装置100は、信号処理・測定制御回路をさらに含んでもよい。具体的に、信号処理・測定制御回路は、検出手段171、制御手段172、及び、整合手段173を含んでもよい。
【0030】
検出手段171は、電磁生成モジュール161と放射アンテナ150との間に直列接続され、通過する入射波信号及び反射波信号について、特定のパラメータをリアルタイムで検出するように配置される。
【0031】
制御手段172は、検出手段171から特定のパラメータを取得して、当該特定のパラメータに基づいて、入射波及び反射波のパワーを算出するように配置される。本発明では、特定のパラメータは、電圧値及び/又は電流値とされてもよい。検出手段171は、入射波及び反射波のパワーを直接に測定するためのパワーメータとされてもよい。
【0032】
制御手段172は、さらに、入射波及び反射波のパワーに基づいて、処理待ち物体の電磁波吸収率を算出し、電磁波吸収率と所定の吸収閾値とを比較し、電磁波吸収率が所定の吸収閾値よりも小さい場合に整合手段173に調節命令を送信する。所定の吸収閾値は、60~80%とされてもよいし、例えば、60%、70%、又は、80%であってもよい。
【0033】
整合手段173は、電磁生成モジュール161と放射アンテナ150との間に直列接続され、制御手段172の調節命令に基づいて、電磁生成モジュール161の負荷インピーダンスを調節するよう配置される。これにより、電磁生成モジュール161の出力インピーダンス及び負荷インピーダンスは、その整合度合いが高まり、加熱室111内に固有特性(種類、重量や体積など)が異なる食料が置かれたり、又は、食料の温度が変化する場合でも、比較的多い電磁波エネルギーが加熱室111に放射されることから、加熱の速度が高まる。
【0034】
いくつかの実施例では、整合手段173は、第一コンデンサ群、第二コンデンサ群、及び、一つのインダクタンスを含み、各コンデンサ群には、並列接続されると共に独立して制御される複数のコンデンサが含まれている。ただし、第一コンデンサ群は、入力端が電磁生成モジュール161に電気接続され、出力端がインダクタンスの入力端に電気接続される。第二コンデンサ群は、入力端が第一コンデンサ群の出力端とインダクタンスの入力端との間に直列接続され、出力端が接地する。インダクタンスは、出力端が放射アンテナ150に電気接続され、二つのコンデンサ群により、複数のインピーダンス組み合わせを実現する。例えば、第一コンデンサ群におけるコンデンサの数が4個であり、第二コンデンサ群におけるコンデンサの数が6個である場合には、整合手段173が、24個のインピーダンス組み合わせを実現することができる。
【0035】
いくつかの実施例では、加熱装置100は、解凍を行うことができる。制御手段172は、さらに入射波及び反射波のパワーに基づいて、処理待ち物体の誘電率について虚部の変化率を算出し、虚部の変化率と所定の変化閾値とを比較するように配置されてもよい、処理待ち物体の誘電率について虚部の変化率が所定の変化閾値以上である場合には、電磁生成モジュール161に停止命令を送信し、電磁生成モジュール161を停止して稼働しないようにして、解凍というプロセスが終わる。
【0036】
所定の変化閾値は、食品のせん断強度を向上させるよう、異なる固有特性を有する食品が-3~0℃にある時に、その誘電率について虚部の変化率を測定することにより取得されるものである。例えば、処理待ち物体が生牛肉である場合には、所定の変化閾値を予め設定された2とし設定してもよい。
【0037】
制御手段172は、さらに、解凍プロセスを開始又は停止するトリガー命令を受信して、トリガー命令に基づいて、電磁生成モジュール161が稼働し始めたり又は停止して稼働しないように、対応する制御信号を電磁生成モジュール161に送信するように設置されてもよい。ただし、制御手段172は、給電モジュール162に電気接続され、給電モジュール162から電気エネルギーを取得して常に待機状態に維持されるように配置される。
【0038】
いくつかの実施例では、信号処理・測定制御回路は、信号処理・測定制御回路への取り付けと保守を容易にするために、一つの回路基板170に集積されてもよい。
【0039】
信号処理・測定制御回路は、筒体110内の後部下部に設置されてもよい。これにより、筒体110が比較的大きい物貯蔵空間を有すると共に、引き出し140に載置される食品の過度の高さにより回路が損壊されてしまうことを避けることができる。引き出し140は、底壁の後部に上向きの凹部を形成して、その下方に一つの拡大空間が形成されてもよい。
【0040】
図4は、本発明の一実施例による電気機器室112の概略構成図である。図2及び図4を参照すると、加熱装置100は、筒体110における内部の空間を加熱室111と電気機器室112とに仕切るためのケース130をさらに含んでもよい。処理待ち物体及び回路基板170は、それぞれ、加熱室111及び電気機器室112に設置される。これにより、処理待ち物体及び回路基板170を分離され、回路基板170が偶発的な接触により破損されてしまうことを防ぐことができる。
【0041】
具体的に、ケース130は、加熱室111及び電気機器室112を仕切る仕切り131、及び、筒体110の内壁に固定して接続される裾部132を含んでもよい。
【0042】
いくつかの実施例では、回路基板170は、水平に設置されてもよい。ケース130における二つの横方向に沿った側壁には、それぞれ、上向きかつ内側へ延出される係合舌部134が形成されてもよい。回路基板170は、二つの係合舌部134の上方に固定して係合される。
【0043】
ケース130及び筒体110は、整合手段173に対応する位置に、それぞれ放熱穴190が設けられてもよい。これにより、整合手段173が稼働している際に生じた熱エネルギーを、放熱穴190を介して排出させることができる。
【0044】
いくつかの実施例では、放射アンテナ150は、放射アンテナ150が偶発的な接触により汚れたり破損することを防ぐように、電気機器室112に設置されてもよい。
【0045】
ケース130は、放射アンテナ150が生成する電磁波がケース130を通過して処理待ち物体を加熱するように、絶縁材料で製造されてもよい。さらに、ケース130は、ケース130における電磁波の電磁損失を削減して、処理待ち物体への加熱速度を高めるように、透明でない材料で製造されてもよい。この透明でない材料は、半透明又は非透明の材料とされてもよい。透明でない材料は、PP材料、PC材料又はABS材料などとされてもよい。
【0046】
ケース130は、さらに、加熱装置100を組み立てる流れを簡素化させ、放射アンテナ150を位置決めして取り付けるように、放射アンテナ150を固定するためのものであってもよい。ただし、放射アンテナ150は、仕切り131に固定して接続されるように設置されてもよい。
【0047】
いくつかの実施例では、放射アンテナ150は、ケース130に係合して接続されるように設置されてもよい。図5は、図4における領域Bの概略拡大図である。図5を参照すると、放射アンテナ150には、複数の係合穴151が形成され、これに対応してケース130には複数の係合具133が形成される。複数の係合具133は、それぞれ、複数の係合穴151を通過してから放射アンテナ150に係合して接続されてもよい。
【0048】
本発明における一実施例では、係合具133は、間隔を開けて設置され鏡像対称性を持つ二つのフック部からなる。
【0049】
図6は、本発明の他の一実施例による電気機器室112の概略構成図である。図7は、図6における領域Cの概略拡大図である。図6及び図7を参照すると、本発明の他の一実施例では、係合具133は、放射アンテナ150に垂直であり中央部分が中空とされる固定部と、当該固定部の内周縁より当該固定部に傾斜してアンテナへ延びる弾性部と、からなる。
【0050】
他のいくつかの実施例では、放射アンテナ150は、電気メッキというプロセスによってケース130に固定されるように設置されてもよい。
【0051】
ケース130、仕切り131及び裾部132を接続してケース130の構成強度を高めるように設置される複数の強化リブをさらに含んでもよい。
【0052】
いくつかの実施例では、放射アンテナ150は、筒体110における高さの三分の一乃至二分の一(例えば、三分の一、五分の二、二分の一)の位置に水平に設置されてもよい。これにより、加熱室111は、容積が比較的大きくなると共に、加熱室111における電磁波が比較的高いエネルギーの密度を有することにより、処理待ち物体が急速に加熱されることになる。
【0053】
図4及び図6を参照すると、放射アンテナ150は、筒体110における電磁波がより均一に分布され、処理待ち物体の温度の均一性を向上させるように、その周縁が平滑化された曲線で構成されてもよい。ただし、平滑化された曲線とは、曲線方程式が一次導関数で接続される曲線であるということを意味しており、ここでは、放射アンテナ150における周縁に鋭い角部が存在していないということを意味する。
【0054】
いくつかの実施例では、金属製の筒体110は、電荷を放出して加熱装置100の安全性を高めるように、接地されて設置されてもよい。
【0055】
加熱装置100は、金属製ホルダー180をさらに含んでもよい。金属製ホルダー180は、回路基板170と筒体110を接続して回路基板170を支持し、回路基板170における電荷を、筒体110を介して放出するように設置されてもよい。いくつかの実施例では、金属製ホルダー180は、互いに垂直な二つの部材からなる。金属製ホルダー180は、ケース130及び金属製ホルダー180と筒体110とを接続するように、ケース130に固定接続されてもよい。
【0056】
上記のいずれかの実施例に記載の加熱装置100に基づいて、本発明は冷蔵庫200をさらに提供する。図8は、本発明の一実施例による冷蔵庫200の概略構成図である。図8を参照すると、冷蔵庫200に、少なくとも一つの貯蔵室を形成する箱体、それぞれ少なくとも一つの貯蔵室を開閉するための少なくとも一つのドア、少なくとも一つの貯蔵室を低温にさせる冷蔵システム、及び、冷蔵システムが稼働するように制御する制御基板、を含む。加熱装置100は、その筒体が一つの貯蔵室内に設置されてもよい。
【0057】
本発明では、少なくとも一つとは、一つ、二つ又は二つの以上の複数を意味している。加熱装置100における給電モジュール162は、冷蔵庫200の制御基板により給電され、制御手段172及び冷蔵庫200の制御基板は、互いに情報のやり取りをすることなく独立して稼働しうる。
【0058】
本実施例では、図示するように、貯蔵室の数が二つであり、それぞれ、冷蔵室221及び当該冷蔵室221の下方に設置される冷凍室222である。加熱装置100は、その筒体が冷凍室222内に設置されてよい。
【0059】
冷蔵システムは、コンプレッサー241、コンデンサー243、エバポレーター242、及び、エバポレーター242にて生成された冷風を冷凍室222に送風する冷風ファン244、及び、コンデンサー243から放熱させる放熱ファン245を含んでもよい。
【0060】
箱体は、内部容器220、外部ケース230、及び、内部容器220と外部ケース230との間に設置される保温層210を含んでもよい。外部ケース230は、それぞれ、保温層210における横方向の両側に位置する二つの側面板、保温層210の底部に位置する底部鋼231、及び、保温層210における後部に位置する背面板を含んでもよい。
【0061】
冷蔵庫200は、加熱装置100及び冷蔵システムに給電を行うための商用電力を受ける電源コード(図示せず)をさらに含んでもよい。電源コードは、冷蔵庫200からの漏電を防ぐために、商用電力におけるアース線に接続されると共に、底部鋼231に電気接続されるアース線を含んでもよい。
【0062】
図9は、図8におけるコンプレッサー室2311の概略構成図である。図9を参照すると、底部鋼231は、コンプレッサー室2311を形成している。コンプレッサー241、コンデンサー243、及び、放熱ファン245は、コンプレッサー室2311内に設置されてもよい。コンプレッサー室2311における二つの横方向の側壁には、外気がコンプレッサー室2311に入り、コンデンサー243及びコンプレッサー241を放熱させるように、それぞれ一つの通風口2312が設けられる。
【0063】
いくつかの実施例では、電磁生成モジュール161は、放熱ファン245を用いて電磁生成モジュール161を放熱させるように、コンプレッサー室2311内に設置されてもよい。コンプレッサー室2311には、放熱フィン270がさらに設置され、電磁生成モジュール161の上方に設置されると共に電磁生成モジュール161に熱接続される。これにより、電磁生成モジュール161による放熱の面積が増加し、電磁生成モジュール161の放熱効率が高まる。
【0064】
図10は、貯蔵室に配置された加熱装置の一部を、後方から前方に向かって見た概略構成図である。図11は、図10における領域Dの概略拡大図である。図4図10及び図11を参照すると、金属製ホルダー180の一部が回路基板170の後部に設置され、横方向に沿って垂直に延び、さらに、二つの接続ポートが設けられる。検出手段171(又は整合手段173)の接続端子175及び制御手段172の接続端子174は、それぞれ、一つの接続ポートから延在し、信号伝送線251を介して電磁生成モジュール161に電気接続される。
【0065】
特に、筒体110は、導電線252を介して底部鋼231に電気接続されてもよい。これにより、電荷を底部鋼231に誘導して、潜在的な安全上の危険を回避することができる。
【0066】
信号伝送線251及び導電線252は、予め保温層210に設置されており、内部容器220及び底部鋼231を通過する。冷凍室222及びコンプレッサー室2311には、それぞれ接続端子が設置され、信号伝送線251と導電線252とを一緒に配線でき、組み立てコストを低減することができる。
【0067】
導電線252の二つの接続端子は、留め具261及び留め具262を介して、それぞれ筒体110及び底部鋼231に電気接続される。これにより、組み立ての際に、留め具を締め付けるということだけで、導電線252を筒体110と底部鋼231とに安定かつ確実に電気接続することができる。
【0068】
以上、本明細書に詳しく説明する上で、本発明における複数の例示的実施例を記載したが、当業者にとって理解するべきところは、本発明に係る趣旨及び範囲を逸脱しない限り、依然として、本発明に開示されている内容に基づいて、本発明に係る原理に該当する数多くの他の変形や修正を直接に特定し又は導出することが可能であることである。従って、理解可能なことは、本発明の範囲において、あらゆるこれらの他の変形や修正を含むと考えられるべきである。

図1
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図8
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図11