(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】バイポーラプレートストランドの製造方法、バイポーラプレートの製造方法、および製造方法を実施するための装置
(51)【国際特許分類】
H01M 8/0202 20160101AFI20221220BHJP
H01M 8/0254 20160101ALI20221220BHJP
【FI】
H01M8/0202
H01M8/0254
(21)【出願番号】P 2021549627
(86)(22)【出願日】2019-11-04
(86)【国際出願番号】 EP2019080047
(87)【国際公開番号】W WO2020173585
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-10-01
(31)【優先権主張番号】102019202493.9
(32)【優先日】2019-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591006586
【氏名又は名称】アウディ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】AUDI AG
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】ブロース,ヴォルフガング
【審査官】高木 康晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-193868(JP,A)
【文献】特開2007-066868(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池(218)の、複数の接続されたバイポーラプレート(216)を有するバイポーラプレートストランド(214)の製造方法であって、
- それぞれ、複数の少なくとも予成形されたウェブ(206)と、2つの隣接するウェブ(206)の間にそれぞれ延在する複数の少なくとも予成形されたチャネル(208)と、を備えた、第1のユニポーラプレートストランド(200)および第2のユニポーラプレートストランド(202)を提供し、
- ローリング装置(102)のローリング構造(112)であって、アクティブロールエレベーションと(142)と、パッシブロールエレベーション(144)と、を有するローリング構造(112)を備えた一対のロール(106)のローリングギャップ(104)の方向に、前記ユニポーラプレートストランド(200,202)を案内し、
- 前記ユニポーラプレートストランド(200,202)のうちの一方または両方の表面(210,212)の少なくとも1つの表面領域を局所的に加熱することであって、前記ユニポーラプレートストランド(200,202)の前記ローリングギャップ(104)への進入直前または進入中に前記表面領域を接合温度に加熱し、
- 前記ユニポーラプレートストランド(200,202)が、圧力の作用下で前記ローリングギャップ(104)を通って輸送されるときに、バイポーラプレートストランド(214)を形成するように、前記少なくとも1つの表面領域で前記ユニポーラプレートストランド(200,202)を接合する、
ことを備え、
前記アクティブロールエレベーション(142)は、前記ローリングギャップ(104)に位置する2つの前記ユニポーラプレートストランド(200,202)を接合し、前記パッシブロールエレベーション(144)は、前記ローリングギャップ(104)に位置する2つの前記ユニポーラプレートストランド(200,202)を接合
せず、
局所的な加熱が、レーザービーム(110)によって、または少なくとも1つのレーザー装置(108)の複数のレーザービーム(110)によって実行される、バイポーラプレートストランド(214)の製造方法。
【請求項2】
前記ユニポーラプレートストランド(200,202)を提供する前に、前記ウェブ(206)および前記チャネル(208)が、少なくとも1つのエンボス加工装置(114,116,118)によってエンボス加工されることを特徴とする請求項
1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記予成形されたウェブ(206)および前記予成形されたチャネル(208)が、前記ローリング構造(112)による圧力の作用下で前記ローリングギャップ(104)を通って輸送される時に、最終形状にプレス加工されることを特徴とする請求項1
または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記バイポーラプレートストランド(214)が、加熱装置(120)によって弛緩されることを特徴とする請求項1~
3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
少なくとも1つのシールが、適用装置(122)によって、前記バイポーラプレートストランド(214)の外面(218)の少なくとも一方に適用されることを特徴とする請求項1~
4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
少なくとも1つのコーティングが、コーティング装置(124)によって、前記バイポーラプレートストランド(214)の外面(218)の少なくとも一方に適用されることを特徴とする請求項1~
5のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項7】
前記バイポーラプレートストランド(214)が、切断装置(126)によって、個々のバイポーラプレート(216)に分割されることを特徴とする請求項1~
6のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
燃料電池(218)のバイポーラプレート(216)の製造方法であって、
- それぞれ、複数の少なくとも予成形されたウェブ(206)と、2つの隣接するウェブ(206)の間にそれぞれ延在する複数の少なくとも予成形されたチャネル(208)と、を備えた、第1のユニポーラプレートおよび第2のユニポーラプレートを提供し、
- ローリング装置(102)のローリング構造(112)であって、アクティブロールエレベーションと(142)と、パッシブロールエレベーション(144)と、を有するローリング構造(112)を備えた一対のロール(106)のローリングギャップ(104)の方向に、前記ユニポーラプレートを案内し、
- 前記ユニポーラプレートのうちの一方または両方の表面(210,212)の少なくとも1つの表面領域を局所的に加熱することであって、前記ユニポーラプレートの前記ローリングギャップ(104)への進入直前または進入中に前記表面領域を接合温度に加熱し、
- 前記ユニポーラプレートが、圧力の作用下で前記ローリングギャップ(104)を通って輸送されるときに、バイポーラプレート(216)を形成するように、前記少なくとも1つの表面領域で前記ユニポーラプレートを接合する、
ことを備え、
前記アクティブロールエレベーション(142)は、前記ローリングギャップ(104)に位置する2つの前記ユニポーラプレートを接合し、前記パッシブロールエレベーション(144)は、前記ローリングギャップ(104)に位置する2つの前記ユニポーラプレートを接合
せず、
局所的な加熱が、レーザービーム(110)によって、または少なくとも1つのレーザー装置(108)の複数のレーザービーム(110)によって実行される、バイポーラプレート(216)の製造方法。
【請求項9】
請求項1~
8のいずれか一項に記載の製造方法を実施するための装置(200)であって、2つのユニポーラプレートストランド(200,202)のうちの一方または両方の表面(210,212)の少なくとも1つの表面領域、または2つのユニポーラプレートのうちの一方または両方の表面(210,212)の少なくとも1つの表面領域を接合温度に加熱するように設計された加熱装置を備えた装置において、
それらの間にローリングギャップ(104)を形成する一対のロール(106)を有するローリング装置(102)を備え、
前記一対のロール(106)のローラーの少なくとも1つは、前記ローリングギャップ(104)を通る輸送中に、接合温度に加熱された2つのユニポーラプレートまたは2つのユニポーラプレートストランド(200,202)の複数の表面領域を押圧するように設計されたローリング構造(112)を備えており、それにより、前記2つのユニポーラプレートストランド(200,202)が表面領域において接合されてバイポーラプレートストランド(214)を形成する、または、2つのユニポーラプレートが表面領域において結合されてバイポーラプレート(216)を形成するように構成され、
前記一対のロール(106)におけるローラーの前記ローリング構造(112)が、
前記ローリングギャップ(104)に位置する2つの前記ユニポーラプレートストランド(200,202)、または、前記ローリングギャップ(104)に位置する2つの前記ユニポーラプレートに接合を生じさせる、アクティブロールエレベーション(142)と、
前記ローリングギャップ(104)に位置する2つの前記ユニポーラプレートストランド(200,202)、または、前記ローリングギャップ(104)に位置する2つの前記ユニポーラプレートに接合を生じさせない、パッシブロールエレベーション(144)と、
を有し、
前記2つのユニポーラプレートまたは前記2つのユニポーラプレートストランド(200,202)の前記ローリングギャップ(104)への進入直前または進入中に、前記2つのユニポーラプレートのうちの一方または両方の表面(210,212)の少なくとも1つの表面領域、または前記2つのユニポーラプレートストランド(200,202)のうちの一方または両方の表面(210,212)の少なくとも1つの表面領域を局所的に加熱するように構成された、レーザービーム(110)、または少なくとも1つのレーザー装置(108)の複数のレーザービーム(110)を有する、装置(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池の複数の接続されたバイポーラプレートを有するバイポーラプレートストランドを製造するための方法に関する。本発明はまた、燃料電池のバイポーラプレートを製造するための方法、およびそれらの2つの方法を実行するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バイポーラプレートは、燃料電池および燃料電池スタックにおいて使用される。一方、バイポーラプレートにより、燃料は、第1の燃料電池の隣接するアノードに案内されて分配され、カソードガスは、隣接する第2の燃料電池のカソードに分配され、ここで、バイポーラプレートはまた、冷却媒体を案内するための流路を提供する。バイポーラプレートは通常、ハーフシェルとして形成された2つのユニポーラプレートから製造され、グラファイト製のバイポーラプレートの場合は互いに接着結合される。金属バイポーラプレートは、通常、少なくとも一部で互いに溶接された2つのユニポーラプレートを含む。
【0003】
特許文献1には、例えば、2枚のユニポーラプレートを溶接してバイポーラプレートを形成する溶接方法が記載されている。また、特許文献2は、2つのユニポーラプレートを溶接してバイポーラプレートを形成するか、または2つのユニポーラプレートをスペーサープレートに溶接するための方法および装置を記載している。最後に、特許文献3は、レーザービームによって2つのユニポーラプレートを溶接してバイポーラプレートを形成する可能性を提供し、この文献は、装置の請求項10のプリアンブルの特徴を開示している。
【0004】
上記の文献に記載されているすべての方法および装置は、ユニポーラプレートが延在する平面に実質的に垂直な、ユニポーラプレートを溶接するためのレーザービームに関する。これにより、溶接シームが作成され、連続シームが発生して、シーリング機能が実行される可能性がある。いわゆるキルトシーム(quilted seams)を形成することができ、それにより、バイポーラプレートの機械的安定化と、ユニポーラプレートの電気的接触の改善が実現する。
【0005】
このようなレーザー溶接されたバイポーラプレートでは、細孔形成のリスクがあり、媒体の流れに関して局所的な漏れが発生する可能性があることが示されている。このような漏れは、特に広範囲に及ぶ溶接シームで統計的に発生する。シームの始点と終点で漏れがより頻繁に発生することも知られている。つまり、漏れのリスクは、使用する溶接シームの数とその長さとともに増加する。さらに、レーザービームが焦点を合わせて溶接したい点に当たるように、2枚のユニポーラプレートをクランプ装置でクランプできるようにすることは、レーザー溶接にとって複雑で困難であることが分かっている。したがって、一部のバイポーラプレート製造業者は、クランプ装置のクランプ手段のためのスペースを提供するために、ユニポーラプレートのチャネルおよび/またはウェブへの追加のエンボス加工に切り替えており、それらは設定される溶接シームの十分な幅を有する。追加のエンボス加工は、コンポーネントを配置するときに補正される製造公差の観点からも予備を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許出願公開第2005/0252892号明細書
【文献】米国特許出願公開第2004/0072053号明細書
【文献】国際公開第2007/135509号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、上記の少なくともいくつかの不利な点を低減または完全に排除する、バイポーラプレートストランドを製造するための方法、バイポーラプレートを製造するための方法、およびそれらの方法を実行するための装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1の特徴を有するバイポーラプレートストランドの製造方法、請求項9の特徴を有するバイポーラプレートの製造方法、および請求項10の特徴を有する装置によって達成される。本発明の便宜的な改良を有する有利な実施形態が、従属クレームに明記される。
【0009】
燃料電池の、複数の接続されたバイポーラプレートを有するバイポーラプレートストランドの製造方法は、特に以下のステップ、
- 第1のユニポーラプレートストランドおよび第2のユニポーラプレートストランドを提供することであって、それぞれ、複数の少なくとも予成形されたウェブと、それぞれ2つの隣接するウェブの間に延在する複数の少なくとも予成形されたチャネルと、を備えた、第1のユニポーラプレートストランドおよび第2のユニポーラプレートストランドを提供し、
- ローリング装置のローリング構造を備えた一対のロールのローリングギャップの方向に、ユニポーラプレートストランドを案内し、
- ユニポーラプレートストランドのうちの一方または両方の表面の少なくとも1つの表面領域を局所的に加熱することであって、ユニポーラプレートストランドのローリングギャップへの進入直前または進入中に表面領域を接合温度に加熱し、
- ユニポーラプレートストランドが、圧力の作用下でローリングギャップを通って輸送されるときに、バイポーラプレートストランドを形成するように、少なくとも1つの表面領域でユニポーラプレートストランドを接合する、
ことを備える。
【0010】
ユニポーラプレートストランドを接合温度まで加熱する場合、たとえば炉(furnace)を使用することができる。2つのユニポーラプレートストランドが輸送されると、それらは確実に結合されてバイポーラプレートストランドを形成する。
【0011】
局所加熱は、好ましくは、レーザービームによって、または少なくとも1つのレーザー装置の複数のレーザービームによって実行される。複数のレーザー装置を設けてもよい。1つまたは複数のレーザービームは、接合される2つのユニポーラプレートストランドの少なくとも1つの表面上に、好ましくは接合される2つのユニポーラプレートストランドの両面上に、好ましくは、ローリング装置の供給方向に関して横方向に集束または適切に成形され、それにより、少なくとも表面上または少なくとも表面近くでは、溶接に必要な温度、すなわち接合温度が優勢である。次に、圧力の作用下でのローリングギャップを介した輸送中に、2つのユニポーラプレートストランドの最終的な接合に必要な接合力が加えられる。
【0012】
この選択的なロール溶接により、実際の溶接ツールに加えて、通常は非常に複雑なクランプ技術を追加する必要はない。クランプ技術を節約できるため、バイポーラプレートのチャネルとウェブの形状も流れの観点からさらに最適化することができる。
【0013】
レーザー装置は、好ましくは、複数の接触点または接触線、延いては2つのユニポーラプレートの複数の表面領域を接合温度に加熱するために、一対のロールの供給方向に関して、レーザービームを垂直に移動させ、特に横方向に集束させ、または適合した強度分布で移動させるように設計される。
【0014】
一方、レーザービームの位置合わせおよび/または集束または成形の、そのような動的な調整の代わりに、ユニポーラプレートストランドの複数の表面領域が同時に加熱可能となるように、静止レーザー装置が、レーザービームを複数のレーザービームに分割するように設計されたビーム分割装置をさらに備える場合にも、有利であることが判明した。
【0015】
レーザービームの分割によるまたはレーザーを使用した短時間の照射のみによる、レーザー装置による加熱では、2つのユニポーラプレートストランドの材料を加熱するのに十分でない場合がある。したがって、ユニポーラプレートストランドの少なくとも一方、好ましくは両方が、ローリングギャップに導かれる前に予熱されている場合、賢明であることが判明している。この目的のために、誘導加熱装置または赤外線ラジエーターを設けてもよい。
【0016】
接合されるユニポーラプレートストランドの2枚のシートがまだ予成形されておらず、おそらくまだ平らであり、したがって平坦な材料の形態である場合、ユニポーラプレートストランドがローリング装置に提供される前に、少なくとも1つのエンボス加工装置により、ウェブとチャネルをエンボス加工(embossed)することが有利であることが判明した。これはまた、ユニポーラプレートストランドのウェブとチャネルがすでに最終的な形状にプレス加工されている可能性を開く。つまり、予成形された状態ではなく、完成した状態でロールのペアに供給される。
【0017】
一方、エンボス加工装置によってバイポーラプレートストランド上に予成形されたウェブおよびチャネルのみが形成される場合、それらの予成形されたウェブおよびチャネルが、ローリング構造による圧力の作用下でローリングギャップを通って輸送される間に最終形状にプレス加工される場合、有利である。
【0018】
ユニポーラプレートまたはユニポーラプレートストランドの材料の選択または材料の組み合わせに応じて、加熱装置によりバイポーラプレートストランドを弛緩(relaxed)させる、特に再加熱またはアニールする場合、有用であることが判明した。これにより、2つのユニポーラプレートの接続強度が高まり、バイポーラプレートが形成される。
【0019】
反応媒体に対するシールおよび/または燃料電池スタックでの使用に必要な冷却剤の漏出に対する信頼できるシールを提供するために、バイポーラプレートストランドの外面の少なくとも一方、好ましくは両方に、少なくとも1つのシールが、適用装置によって適用される場合に有利である。この目的のために、適用装置は、例えば、スクリーン印刷によりバイポーラプレートストランドの外面にシーリング材を印刷する印刷装置であってもよい。シーリング材の適用後、所定の温度で硬化させることができ、その目的のために、適用装置はさらに適切な加熱装置を有してもよい。
【0020】
燃料電池全体に選択された材料の概念に応じて、バイポーラプレートの追加のコーティングがしばしば望まれる。したがって、少なくとも1つのコーティングがコーティング装置によってバイポーラプレートストランドの少なくとも1つ、好ましくは両方の外面に適用される場合、この文脈において有用であることが判明した。この目的のために、例えばローラー印刷によって所望のコーティング材料を外面に適用する印刷装置を使用することもできる。印刷装置はまた、適用されたコーティング材を乾燥させるために適切な加熱装置を含むことができる。コーティングは、例えば、シールが適用された後に行うことができる。一方、コーティングを最初に適用し、その後にのみ外面に少なくとも1つのシールを提供する可能性もある。
【0021】
燃料電池スタックで使用するために最終寸法にカットされたバイポーラプレートを製造するために、バイポーラプレートのストランドが切断装置によって個々のバイポーラプレートに分割される可能性が開かれる。製造プロセスの最後に、互いに接続されたままのバイポーラプレートを積層可能なユニットに切断することには、個々のプロセスステップの位置公差をこのように大幅に減らすことができるという利点がある。
【0022】
バイポーラプレートストランドを製造するための方法について記載された利点および好ましい実施形態の変形例は、本発明による燃料電池のバイポーラプレートを製造するための方法にも適用される。したがって、この目的で用いられる装置もまた適切であり、ストランド材料の代わりに、バイポーラプレートを形成するように最終寸法に既にカットされたユニポーラプレートを接合し、従って溶接するように設計される。
【0023】
したがって本発明によるバイポーラプレートの製造方法は、特に以下のステップ、
- 第1のユニポーラプレートおよび第2のユニポーラプレートを提供することであって、それぞれ、複数の少なくとも予成形されたウェブと、それぞれ2つの隣接するウェブの間に延在する複数の少なくとも予成形されたチャネルと、を備えた、第1のユニポーラプレートおよび第2のユニポーラプレートを提供し、
- ローリング装置のローリング構造を備えた一対のロールのローリングギャップの方向に、ユニポーラプレートを案内し、
- ユニポーラプレートのうちの一方または両方の表面の少なくとも1つの表面領域を局所的に加熱することであって、ユニポーラプレートのローリングギャップへの進入直前または進入中に表面領域を接合温度に加熱し、
- ユニポーラプレートが、圧力の作用下でローリングギャップを通って輸送されるときに、バイポーラプレートを形成するように、少なくとも1つの表面領域でユニポーラプレートを接合する、
ことを備える。
【0024】
2つのユニポーラプレートを接合してバイポーラプレートを形成するためのこの方法はまた、従来技術から知られている欠点を排除する。
【0025】
局所的な加熱がレーザービーム、または少なくとも1つのレーザー装置における複数のレーザービームによって実行される場合においても、ここでは有用であることが判明した。複数のレーザー装置の使用が可能である。
【0026】
バイポーラプレートストランドを製造するための、またはバイポーラプレートを製造するための本発明による装置は、特に、それらの間にローリングギャップを形成する一対のロールを有するローリング装置を備える。さらに、2つのユニポーラプレートストランドのうちの一方または両方の表面の少なくとも1つの表面領域を接合温度まで上昇させるように設計された加熱装置が存在する。代替的または付加的に、それはまた、ユニポーラプレートのうちの一方または両方の表面の表面領域を接合温度に加熱するように設計することができる。一対のロールのローラーの少なくとも1つは、ローリングギャップを通る輸送中に、接合温度に加熱された2つのユニポーラプレートまたは2つのユニポーラプレートストランドの複数の表面領域を押圧するように設計されたローリング構造を備えており、それにより、2つのユニポーラプレートストランドが表面領域において接合されてバイポーラプレートストランドを形成する、または、2つのユニポーラプレートが表面領域において接合されてバイポーラプレートを形成する。
【0027】
例えば、ローリングギャップ内の表面領域は、ローリングギャップを通る輸送中に圧力の作用下で押圧されると、2つのユニポーラプレートまたは2つのユニポーラプレートストランドの重ね合わされたウェブからなる複数の接触線を形成する。
【0028】
加熱装置は、好ましくは、ローリングギャップの領域またはそのすぐ近くに少なくとも1つのレーザービームまたは複数のレーザービームを集束または適切に成形するように設計された少なくとも1つの光学ユニットを有するレーザー装置として形成される。レーザー装置は、2つのユニポーラプレートストランドの一方または両方の表面の少なくとも1つの表面領域を接合温度まで上昇させるように設計される。複数のレーザー装置を用いることが可能である。
【0029】
換言すれば、レーザー装置は、ユニポーラプレートの材料を、接合される領域、すなわち、ユニポーラプレートの表面上で局所的に、特にユニポーラプレートストランドまたはユニポーラプレートのウェブ上で局所的に接合温度まで加熱するように設計される。したがって、後続のローリング装置は、2つのユニポーラプレートまたは2つのユニポーラプレートストランドがローリングギャップを通って輸送されるときに必要な接合力を加えて、2つのユニポーラプレートまたはユニポーラプレートストランドを互いに永続的に接続して、バイポーラプレートまたはバイポーラプレートストランドを形成させるように設計される。
【0030】
レーザー装置には、好ましくは、レーザー装置の光学ユニットを制御するように設計されたコントローラーが割り当てられる。レーザー装置の光学ユニットは、レーザービームがローリング装置の供給方向に対して実質的に垂直に調節可能となるように、特に横方向に調節可能である。光学ユニットは非常に迅速に移動することができるので、ローリングギャップを通る輸送時に、2つのユニポーラプレートの間または2つのユニポーラプレートストランドの間に複数の結合された接触線または接触点を形成するように、複数の表面領域をレーザービームによって加熱可能である。
【0031】
代替的または付加的に、複数の表面領域または接触線が同時に加熱可能となるように、レーザー装置が、レーザービームを分割するためのビーム分割装置として割り当てられる可能性が開かれる。
【0032】
このような装置を使用することにより、後のバイポーラプレートでの漏れのリスクが原則として劇的に減少し、その結果、予想される製造不良品も大幅に減少する。レーザー装置、特にその光学ユニットは、熱源の優れた空間的および時間的制御性(または必要に応じて調整機能)を可能にし、したがって堅牢なプロセス管理と高い溶接品質を可能にする。
【0033】
装置の有利な改良は、ウェブまたはチャネルが設けられる前に、ユニポーラプレートの少なくとも1つまたはユニポーラプレートストランドの少なくとも1つが真っすぐに(straightened)され、したがって矯正装置(straightening device)によって平滑化されることを提供する。この目的のために、装置は、1つ、好ましくは2つの矯正装置を有する。
【0034】
さらに、複数のウェブおよび複数のチャネルを少なくとも予成形するために、特にそれらを材料にエンボス加工するために、エンボス加工装置(embossing device)が存在する可能性が開かれる。各ユニポーラプレートストランドに独自のエンボス加工装置を割り当てることが可能である。あるいは、2つのユニポーラプレートストランドをエンボス加工する複合エンボス加工装置を提供することもできる。
【0035】
ローリングギャップに案内される前にユニポーラプレートストランドまたはユニポーラプレートを予熱するために、ユニポーラプレートまたはユニポーラプレートストランドの1つを誘導加熱する、少なくとも1つの誘導加熱装置が存在する場合に有利であることが判明した。代替的または付加的に、材料を予熱するために赤外線ラジエーターがあってもよい。結果として、後続のレーザービームは、材料を接合温度まで加熱するために、より低いエネルギーがあればよく、これは、レーザー装置をより小さく設計できることを意味する。
【0036】
装置はまた、ローリング装置の下流に加熱装置を含むことができ、この装置は、バイポーラプレートストランドまたはバイポーラプレートの材料を弛緩させ、特に焼きなましするように設計される。
【0037】
さらに、装置がローリング装置の下流に適用装置を含むことができ、この適用装置は、バイポーラプレートストランドまたはバイポーラプレートの外面の少なくとも1つにシールを適用するように設計される。既に上述したような印刷装置をここで使用してもよい。
【0038】
さらに、装置がローリング装置の下流にコーティング装置を含む可能性が開かれ、この装置は、バイポーラプレートストランドまたはバイポーラプレートの外面の少なくとも1つにコーティングを提供するように設計される。この目的のために、この装置もまた、例えばウェブ印刷法を使用してコーティングを適用するように、既に上述した印刷装置を備えてもよい。
【0039】
装置はまた、バイポーラプレートのストランドを個々のバイポーラプレートに分離するように、またはバイポーラプレートを最終的な寸法に切断するように設計された切断装置を備えることができる。
【0040】
上記の説明に記載されている特徴および特徴の組み合わせ、ならびに以下の図の説明に記載されている、および/または単に図に示されている特徴および特徴の組み合わせは、指定されたそれぞれの組み合わせだけでなく、本発明の範囲から逸脱することなく、他の組み合わせでまたは単独で用いることができる。したがって、実施形態はまた、図に明示的に示されていないかまたは説明されていないが、特徴の別個の組み合わせによって説明された実施形態から生じ、生成可能である本発明によって構成および開示されていると見なされるべきである。
【0041】
本発明のさらなる利点、特徴、および詳細は、特許請求の範囲、好ましい実施形態の以下の説明、および図面に基づいて生じる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】2つのユニポーラプレートから形成されたバイポーラプレートを有する燃料電池スタックの断面の部分的な詳細な図である。
【
図2】2つのユニポーラプレートストランドからバイポーラプレートストランドを製造するためのシステム、および/または2つのユニポーラプレートからバイポーラプレートを製造するためのシステムの概略図である。
【
図3】ユニポーラプレートまたはユニポーラプレートストランドが配置された、一対のロールのローリングギャップの詳細な図である。
【
図4】2つのユニポーラプレートストランドからバイポーラプレートストランドを製造するための装置、および/または2つのユニポーラプレートからバイポーラプレートを製造するための装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1には、複数の燃料セル220から形成される燃料電池スタックの一部が見られる。各燃料セル220は、膜電極アセンブリ222を有するように形成され、膜電極アセンブリ222は、その両側に電極が配置されたプロトン伝導性膜を備える。膜電極アセンブリ222は、燃料電池の電気化学反応を実行するように設計されている。燃料(水素など)は、アノードを形成する電極に案内され、そこで触媒的に酸化されて、電子を放出しながらプロトンを形成する。これらのプロトンは、プロトン伝導性膜(またはイオン交換膜)を介してカソードに輸送される。燃料セルから得られた電子は、電気消費部を介して、好ましくは車両を駆動するための電気モーターを介して流れ、またはバッテリーへと流れる。次に、電子はカソードに伝導され、すなわち、電子がそのカソードに提供される。カソードでは、酸化媒体(たとえば、酸素または酸素を含む空気)が電子の吸収によって陰イオンに還元され、電子が陽子と直接反応して水を形成する。
【0044】
バイポーラプレート216の補助により、燃料またはカソードガスは、ガス拡散層224に伝達され、ガス拡散層224は、それぞれのガスを、膜電極配置222の電極に拡散分布するように伝達する。燃料、酸化媒体、および任意選択的に冷却媒体は、ウェブバック(web backs)を有するバイポーラプレート216のウェブ206によって両側に区切られた、バイポーラプレート216のチャネル208を通して伝達される。
図1から分かるように、この目的のために、1セットのウェブバックがガス拡散層224に対して押し付けられ、チャネル208を流れる反応物がガス拡散層224に、したがって膜電極配置222の電極に分配される。
【0045】
この場合、バイポーラプレート216は、2つのユニポーラプレートを含み、これらは、互いに移動され、それらのウェブ206が互いに向き合うように、特にそれらの対応するウェブバック上で、互いに選択的に接続され、特に溶接される。ユニポーラプレートの互いに向き合うウェブ206は、典型的には、それらのウェブ206の間に配置されたチャネル208を備えた冷却媒体のための配管を形成する。
【0046】
図1から、ユニポーラプレートのウェブ206またはそれらのウェブバックは、必ずしも同じ幅を有する必要はないので、異なる幅および/または深さもチャネル208に存在し得ることが分かる。しかしながら、2つのユニポーラプレートの接続は、互いに永続的に接続され、特に溶接され得る対向するウェブ206のうちの少なくとも2つが互いに静止していることを確実にするべきである。
【0047】
バイポーラプレートストランド214を製造するための装置100が、
図2を参照して説明され、バイポーラプレートストランド214は、燃料セル218の複数の接続されたバイポーラプレート216を有する。この装置100はまた、そのようなバイポーラプレートストランド214を事前に製造することさえ無しに、バイポーラプレート216を直接製造するように設計される。
【0048】
バイポーラプレート216の原材料は、この場合、巻き戻し装置(unwinding device)140、すなわち第1のロール128および第2のロール130を備えた複数の巻き戻し装置140において提供される。ロール128,130は、第1のユニポーラプレートストランド200および第2のユニポーラプレートストランド202の原料を提供する。第1のロール128の材料を真っ直ぐにするために、第1のロール128の第1の巻き戻し装置140の後に第1の矯正装置(straightening device)132が続く。第2のロール130の材料を真っ直ぐにするために、第2のロール130の第2の巻き戻し装置140の後に第2の矯正装置134が続く。第1のロール128から巻き戻され、第1の矯正装置132を使用して真っ直ぐにされた原材料は、第1のエンボス加工装置114によって処理されて、第1のユニポーラプレートストランド200が、複数の少なくとも予成形されたウェブ206と、それぞれ2つの隣接するウェブ206の間に延在する複数の少なくとも予成形されたチャネル208と、を備える。第2のロール130から巻き戻され、第2の矯正装置134を使用して真っ直ぐにされた原材料は、第2のエンボス加工装置116によって処理されて、第2のユニポーラプレートストランド202が、複数の少なくとも予成形されたウェブ206と、それぞれ2つの隣接するウェブ206の間に延在する複数の少なくとも予成形されたチャネル208と、を備える。
【0049】
次に、このように形成されたユニポーラプレートストランド200,202は、任意選択的に適切な偏向装置の助けを借りて、ローリング装置102の方向に、ローリング構造112を備えた一対のロール106のローリングギャップ104に向かって移動する。2つのユニポーラプレートストランド200,202は、ローリングギャップ104に対して入口角度で互いに向かって傾斜している。2つのユニポーラプレートストランド200,202がローリングギャップ104で出会う前に、それらは、必要に応じて最初に予熱される。第1のユニポーラプレートストランド200の予熱は、第1のユニポーラプレートストランド200の材料を誘導加熱するための第1の誘導加熱装置136によって行われる。第2のユニポーラプレートストランド202の予熱は、第2のユニポーラプレートストランド202の材料を誘導加熱するための第2の誘導加熱装置138によって行なわれる。
【0050】
装置100はまた、ローリングギャップ104内またはローリングギャップ104上またはローリングギャップ104のすぐ近くに集束された、または集束可能な、または適切に成形された、レーザービーム110を放出するように設計されたレーザー装置108を備える。レーザービーム110は、2つのユニポーラプレートストランド200,202の表面210,212の少なくとも1つ、好ましくは複数の表面領域を局所的に加熱するように設計される。加熱は、特に、ユニポーラプレートストランド200,202がローリングギャップ104に達するときに、表面210,212が互いに向き合う表面領域で行われる。加熱される表面は、好ましくは、ウェブ206のウェブバックのいくつかを有するか、またはそれらから形成される。誘導加熱装置136,138による予熱およびレーザービーム110による熱の作用による予熱により、ユニポーラプレートストランド200,202の材料は接合温度に加熱される。ここでは、接合温度がユニポーラプレートストランド200,202の材料の断面全体にわたって存在する必要は絶対になく、その結果、傾斜した温度分布が断面に存在してもよい。次に互いに移動される2つのユニポーラプレートストランド200,202の連続輸送中に、ローリング装置102の一対のロール106によって接合温度に加熱された少なくとも1つの表面領域に接合圧力が印加され、それによりそれらの領域で2つのユニポーラプレートストランド200,202が結合され、延いては溶接されて、共通のバイポーラプレートストランド214を形成する。
【0051】
レーザー装置108の光学ユニットは、好ましくは、レーザービーム110が、ユニポーラプレートストランド200,202の材料上で輸送方向に対して横方向に調整されるように設計され、その結果、ユニポーラプレートストランド200,202上の複数の領域が接合温度に加熱され、したがってローリング装置102によって接合圧力を加えると、互いに接合され、したがって溶接される。あるいは、ユニポーラプレートストランド200,202の一方または両方の複数の表面領域を接合温度まで加熱するために、レーザービーム110を複数のレーザービーム110に分割するビーム分割装置を設けてもよい。
【0052】
図3では、一対のロール106のロールのローリング構造112が、それぞれ異なるロール高さ142,144を有することができ、それにより、接触領域204において、接合圧力の作用により2つのユニポーラプレートストランド200,202に接合を生じさせる場合と、これが当てはまらない場合とがあることが分かる。したがって、一方では、それらの間のローリングギャップ104が、その間に位置する2つのユニポーラプレートストランド200,202に接合を生じさせるアクティブロールエレベーション(active roll elevations)142があり、他方では、それらの間のローリングギャップ104が2つのユニポーラプレートストランド200,202に永続的な接合を生じさせないパッシブロールエレベーション(passive roll elevations)144がある。ロールエレベーション142,144はまた、問題のローラーの円周上の領域にのみ配置することができる。例えば、アクティブロールエレベーション142は、円周上に所定の間隔で半径方向に配置され、その結果、例えば、キルトシームまたはステッチシームをプレートストランド間で生成可能であり、それにより、溶接シームの長さ、したがってプロセス時間を低減することができる。したがって、この文脈において、回転中の各ロールは、ローリング構造112に依存して、所定の数の短いステッチング/キルティングシームを製造することができる可能性が開かれる。パッシブロールエレベーション144の場合、または完全にパッシブローラーの場合、それらがプレートロッドのガイドとしてのみ設計されている可能性もある。
【0053】
ローリング構造112のアクティブロールエレベーション142およびパッシブロールエレベーション144を使用する代わりに、レーザー装置108を使用して、ユニポーラプレートストランド200,202のどの領域で材料を接合温度に加熱するかを制御することもでき、それにより輸送ギャップ104を通る輸送時に接合が生じる。次に、この目的のために、レーザー装置108は、表面210,212の領域を、レーザービーム110によって選択的に照射しないようにするか、または低減されたパワーで選択的に照射するように設計され、それによって、これらの領域は、接合に必要な接合温度まで加熱されない。接合温度まで加熱されていないこれらの領域は、圧力の作用下でローリングギャップ104を通って輸送されているにもかかわらず、互いに接合されない。
【0054】
装置100について再び
図2から分かるように、ローリング装置102の後に、結果として生じるバイポーラプレートストランド204を弛緩(relax)、特にバイポーラプレートストランド214を焼きなましするための加熱装置120が続く。加熱装置120の後には、バイポーラプレートストランド210の少なくとも一方、好ましくは両方の外面218にシールを適用するように設計された適用装置122が続く。さらに、装置100の適用装置122の後にコーティング装置124が続き、この装置は、バイポーラプレートストランド214の少なくとも一方、好ましくは両方の外面218に適切なコーティングを適用するように設計されている。さらに、コーティング装置124の後に、バイポーラプレートストランド214で互いに接続された複数のバイポーラプレート216を分離し、必要に応じて、それらを所望の最終寸法に切断するための切断装置126が続く。個々のバイポーラプレート216もこのように提供される。
【0055】
図4は、エンボス加工装置の設計に関してのみ
図2による変形例とは異なる、バイポーラプレート216を製造するための装置100のさらなる変形例を示す。この場合、エンボス加工装置は、第1のユニポーラプレートストランド200の原料と第2のユニポーラプレートストランド202の原料とを一緒にエンボス加工できる複合エンボス加工装置118として形成される。したがって、第1のエンボス加工装置114および第2のエンボス加工装置116を有するより複雑な設計は必要ない。さらに、2つのユニポーラプレートストランド200,202の、ローリング装置102のローリングギャップ104への進入角度が減少し、その結果、バイポーラプレートストランド214およびそれから分離されたバイポーラプレート216の反りが無くなる。
【0056】
結果として、本発明は、バイポーラプレート216またはバイポーラプレートストランド210を製造するための装置、および方法を特定し、これらは、非常に多数の、かつ短いサイクル時間での、バイポーラプレート216の製造を提供する。したがって、装置100および特定された方法は、連続生産に適しており、公知の方法および装置と比較して、バイポーラプレート216の製造における不良品の割合を低減する。本発明に従って形成された溶接接続により、2つのユニポーラプレートまたはそれらのストランドの要求される漏れに対する気密性と必要な電気的接触を確実にする。
【符号の説明】
【0057】
100…装置
102…ローリング装置
104…ローリングギャップ
106…一対のロール
108…レーザー装置
110…レーザービーム
112…ローリング構造
114…第1のエンボス加工装置
116…第2のエンボス加工装置
118…複合エンボス加工装置
120…加熱装置
122…適用装置(シール)
124…コーティング装置(コーティング)
126…切断装置
128…第1のロール(第1のコイル)
130…第2のロール(第2のコイル)
132…第1の矯正装置(straightening device)
134…第2の矯正装置
136…第1の誘導加熱器
138…第2の誘導加熱器
140…巻き戻し装置(unwinding device)
142…ロールエレベーション、アクティブ(ローリング構造)
144…ロールエレベーション、パッシブ(ローリング構造)
200…第1のユニポーラプレートストランド
202…第2のユニポーラプレートストランド
204…接触領域
206…ウェブ
208…チャネル
210…表面(第1のユニポーラプレートストランド/第1のユニポーラプレート)
212…表面(第2のユニポーラプレートストランド/第2のユニポーラプレート)
214…バイポーラプレートストランド
216…バイポーラプレート
218…外面
220…燃料電池
222…膜電極アセンブリ
224…ガス拡散層