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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 54/02 20060101AFI20221220BHJP
   H02K 41/02 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
B65G54/02
H02K41/02 Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021565190
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(86)【国際出願番号】 JP2019049310
(87)【国際公開番号】W WO2021124430
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-04-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】向井 雅之
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/055720(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/065236(WO,A1)
【文献】特開平6-32451(JP,A)
【文献】特開平3-192013(JP,A)
【文献】米国特許第10118775(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 54/00-54/02
H02K 41/00-41/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライダと、
前記スライダを搬送する複数の搬送モジュールを含む搬送部と、
前記搬送モジュールとは別個に設けられ、隣接する前記搬送モジュールを信号の伝達を可能に接続する接続部材と、
前記複数の搬送モジュールの各々に対応して設けられ、前記搬送モジュールの状態を表示する第1表示器と、を備える、搬送装置。
【請求項2】
前記第1表示器は、各々の前記搬送モジュールの前記スライダの搬送方向に沿って延びる側面における一方側の側面部に配置されている、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記接続部材に設けられ、前記各々の搬送モジュールの状態を表示する第2表示器をさらに備え、
前記第2表示器は、前記各々の搬送モジュールの前記スライダの搬送方向に沿って延びる側面における他方側の側面部に配置されている、請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記接続部材は、前記搬送モジュールから外側に向けて下方に傾斜する傾斜面を含み、
前記第2表示器は、前記傾斜面に配置されている、請求項3に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記第2表示器は、前記接続部材が接続する隣接する前記搬送モジュールの両方に各々対応するように、前記接続部材に一対設けられている、請求項3または4に記載の搬送装置。
【請求項6】
一対の前記第2表示器のうち一方は、隣接する前記搬送モジュールの一方の状態を表示するとともに、前記接続部材の一方の前記搬送モジュール側の部分に配置され、
一対の前記第2表示器のうち他方は、隣接する前記搬送モジュールの他方の状態を表示するとともに、前記接続部材の他方の前記搬送モジュール側の部分に配置されている、請求項5に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記第1表示器および前記第2表示器は、光の点灯、点滅または色により前記搬送モジュールの状態を表示するインジケータを各々含む、請求項3~6のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記搬送モジュールは、モジュール本体と、前記モジュール本体に設けられたリニアモータと、前記モジュール本体に設けられ前記リニアモータの駆動を制御する制御基板と、前記リニアモータに電力を供給するモータ電源基板と、前記制御基板に電力を供給する第1配線と、前記モータ電源基板に電力を供給する第2配線と、を含み、
前記制御基板、前記モータ電源基板、前記第1配線および前記第2配線は、前記モジュール本体に内蔵されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項9】
前記搬送モジュールは、前記第1配線が接続され、前記スライダの搬送方向に沿った前記モジュール本体の異なる位置の側面部に配置された電気的に並列な複数の第1端子をさらに含む、請求項8に記載の搬送装置。
【請求項10】
前記第2配線は、前記搬送モジュールに互いに独立して複数設けられており、
前記搬送モジュールは、前記第2配線が接続され、前記スライダの搬送方向に沿った前記モジュール本体の異なる位置の側面部に配置された電気的に並列な複数の第2端子をさらに含む、請求項9に記載の搬送装置。
【請求項11】
隣接する前記搬送モジュールを各々位置決めして連結する連結部材をさらに備え、
前記第1端子に接続されて前記制御基板に電力を供給する第1電線と、前記第2端子に接続されて前記モータ電源基板に電力を供給する第2電線と、前記接続部材と、前記連結部材とは、互いに独立して前記搬送モジュールから着脱することが可能に構成されている、請求項10に記載の搬送装置。
【請求項12】
前記接続部材は、信号を伝達する電線または信号を伝達する電気経路を有する基板を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、搬送装置に関し、特に、スライダを搬送する複数の搬送モジュールを備える搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スライダを搬送する複数の搬送モジュールを備える搬送装置が知られている。このような搬送装置は、たとえば、国際公開第2018/055720号に開示されている。
【0003】
上記国際公開第2018/055720号には、スライダを搬送する複数の搬送モジュールを備える搬送装置が開示されている。この国際公開第2018/055720号の搬送装置では、複数の搬送モジュールが連結されて搬送経路を構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2018/055720号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記国際公開第2018/055720号の搬送装置では、複数の搬送モジュールが連結されて搬送経路を構成しているため、いずれかの搬送モジュールにおいて異常が発生した場合等に、どの搬送モジュールにおいて異常等が発生したのかを特定することが困難である。そのため、複数の搬送モジュールを備える搬送装置において、異常等が発生した場合に、異常等の発生個所を容易に特定することが可能な搬送装置が望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、複数の搬送モジュールを備える搬送装置において、異常等が発生した場合に、異常等の発生個所を容易に特定することが可能な搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による搬送装置は、スライダと、スライダを搬送する複数の搬送モジュールを含む搬送部と、搬送モジュールとは別個に設けられ、隣接する搬送モジュールを信号の伝達を可能に接続する接続部材と、複数の搬送モジュールの各々に設けられ、搬送モジュールの状態を表示する第1表示器と、を備える。
【0008】
この発明の一の局面による搬送装置では、上記のように、搬送モジュールの状態を表示する第1表示器を複数の搬送モジュールの各々に設ける。これにより、異常等が発生した場合に、各々の搬送モジュールに設けられた第1表示器により異常等を通知することができるので、どの搬送モジュールにおいて異常等が発生しているのかを容易に判別することができる。その結果、複数の搬送モジュールを備える搬送装置において、異常等が発生した場合に、異常等の発生個所を容易に特定することができる。
【0009】
上記一の局面による搬送装置において、好ましくは、第1表示器は、各々の搬送モジュールのスライダの搬送方向に沿って延びる側面における一方側の側面部に配置されている。このように構成すれば、搬送モジュールの側方から第1表示器を容易に確認することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、接続部材に設けられ、各々の搬送モジュールの状態を表示する第2表示器をさらに備え、第2表示器は、各々の搬送モジュールのスライダの搬送方向に沿って延びる側面における他方側の側面部に配置されている。このように構成すれば、搬送モジュールの一方の側方から第1表示器を確認することができるとともに、搬送モジュールの他方の側方から第2表示器を確認することができるので、搬送モジュールの両方の側方から搬送モジュールの状態を確認することができる。
【0011】
上記第2表示器を備える構成において、好ましくは、接続部材は、搬送モジュールから外側に向けて下方に傾斜する傾斜面を含み、第2表示器は、傾斜面に配置されている。このように構成すれば、傾斜面に配置された第2表示器を斜め上方から確認しやすくすることができるので、搬送モジュールの状態を容易に確認することができる。
【0012】
上記第2表示器を備える構成において、好ましくは、第2表示器は、接続部材が接続する隣接する搬送モジュールの両方に各々対応するように、接続部材に一対設けられている。このように構成すれば、隣接する搬送モジュールの接続部分において、隣接する搬送モジュールの両方の状態を確認することができる。
【0013】
この場合、好ましくは、一対の第2表示器のうち一方は、隣接する搬送モジュールの一方の状態を表示するとともに、接続部材の一方の搬送モジュール側の部分に配置され、一対の第2表示器のうち他方は、隣接する搬送モジュールの他方の状態を表示するとともに、接続部材の他方の搬送モジュール側の部分に配置されている。このように構成すれば、隣接する搬送モジュールの接続部分において、隣接する搬送モジュールのいずれに異常等が発生したのかを容易に判別することができる。
【0014】
上記第2表示器を備える構成において、好ましくは、第1表示器および第2表示器は、光の点灯、点滅または色により搬送モジュールの状態を表示するインジケータを各々含む。このように構成すれば、搬送モジュールの状態に応じて光の色や点灯パターン、点滅パターンなどを変えてインジケータに表示することにより、搬送モジュールの状態を容易に確認することができる。
【0015】
上記一の局面による搬送装置において、好ましくは、搬送モジュールは、モジュール本体と、モジュール本体に設けられたリニアモータと、モジュール本体に設けられリニアモータの駆動を制御する制御基板と、リニアモータに電力を供給するモータ電源基板と、制御基板に電力を供給する第1配線と、モータ電源基板に電力を供給する第2配線と、を含み、制御基板、モータ電源基板、第1配線および第2配線は、モジュール本体に内蔵されている。このように構成すれば、制御基板に電力を供給する第1配線と、モータ電源基板に電力を供給する第2配線とを分離してモジュール本体に内蔵できるので、制御基板およびモータ電源基板のそれぞれの必要電力に応じて第1配線および第2配線を設けることができる。
【0016】
この場合、好ましくは、搬送モジュールは、第1配線が接続され、スライダの搬送方向に沿ったモジュール本体の異なる位置の側面部に配置された電気的に並列な複数の第1端子をさらに含む。このように構成すれば、複数の第1端子の入力および出力の極性をなくすことができるので、任意の第1端子を入力端子にして、他の第1端子を出力端子にすることができる。これにより、第1端子に接続する配線の配置の自由度を向上させることができるので、第1端子に接続する配線が長くなるのを抑制することができる。
【0017】
上記搬送モジュールが第1端子を含む構成において、好ましくは、第2配線は、搬送モジュールに互いに独立して複数設けられており、搬送モジュールは、第2配線が接続され、スライダの搬送方向に沿ったモジュール本体の異なる位置の側面部に配置された電気的に並列な複数の第2端子をさらに含む。このように構成すれば、搬送モジュールを長くした場合でも、長さに合わせて複数の第2配線に電力を各々供給することができる。また、複数の第2端子の入力および出力の極性をなくすことができるので、任意の第2端子を入力端子にして、他の第2端子を出力端子にすることができる。これにより、第2端子に接続する配線の配置の自由度を向上させることができるので、第2端子に接続する配線が長くなるのを抑制することができる。
【0018】
この場合、好ましくは、隣接する搬送モジュールを各々位置決めして連結する連結部材をさらに備え、第1端子に接続されて制御基板に電力を供給する第1電線と、第2端子に接続されてモータ電源基板に電力を供給する第2電線と、接続部材と、連結部材とは、互いに独立して搬送モジュールから着脱することが可能に構成されている。このように構成すれば、第1電線、第2電線または接続部材を交換する際に、隣接する搬送モジュールの各々を位置決めする連結部材とは独立して着脱することができるので、連結部材を取り外す必要がない。これにより、一度行った搬送モジュールの位置決めを再度行う必要がない。
【0019】
上記一の局面による搬送装置において、好ましくは、接続部材は、信号を伝達する電線または信号を伝達する電気経路を有する基板を含む。このように構成すれば、接続部材の構成を簡素化することができるので、故障が発生する確率を抑制することができる。その結果、接続部材の保守を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、上記のように、複数の搬送モジュールを備える搬送装置において、異常等が発生した場合に、異常等の発生個所を容易に特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態による搬送装置を示した平面図である。
図2】本発明の一実施形態による搬送装置の全体構成を示したブロック図である。
図3】本発明の一実施形態による搬送装置の搬送部およびスライダを示した断面図である。
図4】本発明の一実施形態による搬送装置の第1表示器および第2表示器を示した斜視図である。
図5】本発明の一実施形態による搬送装置の配線を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1図5を参照して、本発明の一実施形態による搬送装置100の構成について説明する。
【0024】
(搬送装置の構成)
本実施形態による搬送装置100は、搬送部1、2に沿ってスライダ30に載置された搬送対象物を搬送するように構成されている。また、搬送装置100により搬送される搬送対象物は、複数の搬送位置において作業が行われる。搬送対象物は、ロボットや作業者により作業が行われる。
【0025】
搬送装置100は、図1に示すように、搬送部1と、搬送部2と、乗継搬送部3と、乗継搬送部4と、スライダ30と、を備えている。また、搬送装置100は、図2に示すように、制御装置40を備えている。また、搬送装置100は、図3および図4に示すように、接続部材50を備えている。また、搬送装置100は、図3および図4に示すように、第1表示器60を備えている。また、搬送装置100は、図5に示すように、制御電源80と、モータ電源90とを備えている。
【0026】
搬送部1は、搬送モジュール10aを含んでいる。搬送部2は、複数(2つ)の搬送モジュール10bを含んでいる。複数の搬送モジュール10bは、互いに直列的に接続されて、スライダ30の搬送路が形成されている。スライダ30は、搬送部1および2をX方向に搬送され、乗継搬送部3および4により、搬送部1(2)から搬送部2(1)にY方向に搬送される。つまり、スライダ30は、搬送部1、乗継搬送部3、搬送部2、乗継搬送部4の順に搬送されて循環して用いられる。搬送モジュール10aは、搬送モジュール10bよりもX方向に長く形成されている。つまり、搬送モジュール10aは、長尺に形成されている。
【0027】
搬送モジュール10a(10b)は、図2に示すように、リニアモータ固定子11と、位置検知部12と、制御基板13と、モータ電源基板14とを含んでいる。また、搬送モジュール10a(10b)は、図1および図3に示すように、ガイドレール15を含んでいる。また、搬送モジュール10a(10b)は、カバー16を含んでいる。また、搬送モジュール10a(10b)は、モジュール本体101を含んでいる。なお、リニアモータ固定子11は、請求の範囲の「リニアモータ」の一例である。
【0028】
乗継搬送部3および4は、図2に示すように、スライダ30をX方向に搬送する搬送機構20と、搬送機構20をY方向に移動させる移動機構21とを含んでいる。搬送機構20は、リニアモータ固定子11と、位置検知部12と、制御基板13と、モータ電源基板14とを有している。移動機構21は、ガイドレールと、ボールねじ機構とを有している。
【0029】
スライダ30は、図3に示すように、スライダ本体31と、リニアモータ可動子32と、ガイドブロック33と、磁気スケール34とを含んでいる。スライダ30は、複数設けられている。また、複数のスライダ30は、搬送部1、2、乗継搬送部3および4上を、各々独立して移動するように構成されている。
【0030】
搬送部1および2は、略平行に設けられている。搬送部1は、スライダ30をX2方向に搬送し、搬送部2は、スライダ30をX1方向に搬送する。搬送部1および2は、架台上に固定的に設けられている。つまり、搬送部1および2のリニアモータ固定子11およびガイドレール15は、固定的に設けられている。
【0031】
乗継搬送部3は、搬送部1および2のX2方向側に隣接した位置に配置されている。また、乗継搬送部4は、搬送部1および2のX1方向側に隣接した位置に配置されている。乗継搬送部3および4は、移動機構21によりガイドレール15およびリニアモータ固定子11をY方向に移動させる。乗継搬送部3および4は、スライダ30を搬送部1(2)から搬送部2(1)に搬送するために設けられている。
【0032】
図3に示すように、搬送部1および2のリニアモータ固定子11は、モジュール本体101に設けられている。また、乗継搬送部3および4のリニアモータ固定子11は、移動機構21に移動される搬送機構20上に設けられている。なお、乗継搬送部3および4と、搬送部1および2とは、例えば長さが異なるだけであってもよい。この場合、乗継搬送部3および4は、リニアモータ固定子11が、搬送部1および2と同様に、モジュール本体101に設けられてもよい。
【0033】
ここで、リニアモータ固定子11、位置検知部12、制御基板13およびモータ電源基板14は、搬送部1、2、乗継搬送部3、4において同様の構成であるため、まとめて説明する。リニアモータ固定子11は、電磁石を含み、電磁石に駆動電力(電流)が供給されることにより、スライダ30を移動させる。リニアモータ固定子11は、搬送部1および2における搬送方向(X方向)に沿って配置されている。また、図3に示すように、リニアモータ固定子11の電磁石は、芯がY方向に沿って延びるように配置されている。
【0034】
位置検知部12は、スライダ30に設けられた磁気スケール34とY方向に対向するように設けられている。位置検知部12は、磁気スケール34の磁気を検知して、スライダ30の位置を検知するように構成されている。位置検知部12により検知したスライダ30の位置は、スライダ30の移動のフィードバック制御に用いられる。
【0035】
制御基板13は、モジュール本体101に設けられリニアモータ固定子11の駆動を制御するように構成されている。具体的には、制御基板13は、制御装置40からの制御信号に基づいて、モータ電源基板14を介してリニアモータ固定子11に供給される電力(電流)を制御する。図5に示すように、制御基板13は、端子131、配線41、42を介して、制御装置40と信号を送受信可能に構成されている。また、制御基板13は、第1配線13a、第1端子132、第1電線81、82を介して、制御電源80から電力が供給される。つまり、第1配線13aは、制御基板13に電力を供給する。
【0036】
モータ電源基板14は、リニアモータ固定子11に電力を供給するように構成されている。図5に示すように、モータ電源基板14は、第2配線14a、14b、第2端子141、141a、141b、第2電線91、92を介して、モータ電源90から電力が供給される。つまり、第2電線91、92は、モータ電源基板14に電力を供給する。
【0037】
ガイドレール15は、搬送部1および2におけるスライダ30の搬送方向(X方向)に沿って延びるように配置されている。ガイドレール15は、Y方向に沿って平行に一対設けられている。ガイドレール15には、スライダ30のガイドブロック33がX方向に移動可能に係合している。
【0038】
カバー16は、リニアモータ固定子11、位置検知部12およびガイドレール15の上方を覆うように設けられている。つまり、カバー16は、スライダ30がない場合でも、リニアモータ固定子11、位置検知部12およびガイドレール15の上方が露出しないように設けられている。
【0039】
ここで、本実施形態では、制御基板13、モータ電源基板14、第1配線13aおよび第2配線14a(14b)は、モジュール本体101に内蔵されている。具体的には、図3に示すように、制御基板13、モータ電源基板14、第1配線13aおよび第2配線14a(14b)は、モジュール本体101と、架台との間の空間に配置されている。つまり、制御基板13、モータ電源基板14、第1配線13aおよび第2配線14a(14b)は、リニアモータ固定子11、位置検知部12およびガイドレール15の下方に配置されている。これにより、敷設した搬送モジュール10a、10bに沿って第1配線13a、第2配線14a(14b)を内蔵することが可能である。また、搬送モジュール10a、10b内において必要とする電力だけを引き込むことが可能である。また、搬送モジュール10a、10bそのものを電力経路とすることにより、外部システムから搬送モジュール10a、10bへの電線を最短にすることが可能である。搬送モジュール10a、10b外の電線を短くすることができるので、外部ノイズ等の外乱の影響を受けにくくすることが可能である。
【0040】
スライダ本体31は、搬送対象物が載置されるように構成されている。また、図3に示すように、スライダ本体31は、搬送方向(X方向)から見て、搬送部1および2のカバー16を囲むように設けられている。スライダ本体31には、リニアモータ可動子32と、ガイドブロック33と、磁気スケール34とが取り付けられている。
【0041】
リニアモータ可動子32は、リニアモータ固定子11をY方向において挟み込むように設けられている。リニアモータ可動子32は、搬送方向(X方向)に沿って配列された複数の永久磁石を含んでいる。
【0042】
ガイドブロック33は、ガイドレール15に案内されてスライド移動する。ガイドブロック33は、移動方向に沿って移動して循環する複数のボールを有している。
【0043】
磁気スケール34は、搬送方向(X方向)に沿って所定のパターンに着磁されている。
【0044】
制御装置40は、搬送装置100の各部を制御するように構成されている。制御装置40は、搬送装置100のリニアモータ固定子11に供給する電力を制御し、また、スライダ30の移動を制御する。また、制御装置40は、乗継搬送部3および4の移動機構21の駆動を制御して、搬送機構20の移動を制御する。制御装置40は、CPU(中央演算処理装置)、メモリなどを含んでいる。
【0045】
接続部材50は、隣接する搬送モジュール10a、10bを信号の伝達を可能に接続する。具体的には、接続部材50は、図5に示すように、隣接する搬送モジュール10bの端子131同士を接続する。端子131は、接続部材50が挿入されて、接続部材50が接続することが可能に構成されている。また、端子131は、配線41、42を接続することが可能に構成されている。また、接続部材50は、搬送モジュール10a、10bとは別個に設けられている。
【0046】
ここで、本実施形態では、図3および図4に示すように、第1表示器60は、複数の搬送モジュール10a、10bの各々に設けられている。また、第1表示器60は、搬送モジュール10a、10bの状態を表示するように構成されている。第1表示器60は、各々の搬送モジュール10a、10bのスライダ30の搬送方向(X方向)に沿って延びる側面における一方側(Y2方向側)の側面部に配置されている。
【0047】
図3および図4に示すように、接続部材50は、各々の搬送モジュール10a、10bの状態を表示する第2表示器51が設けられている。第2表示器51は、各々の搬送モジュール10a、10bのスライダ30の搬送方向(X方向)に沿って延びる側面における他方側(Y1方向側)の側面部に配置されている。つまり、第2表示器51は、Y方向において、第1表示器60とは反対側の搬送モジュール10a、10bの側面部に配置されている。
【0048】
接続部材50は、搬送モジュール10a、10bから外側(Y1方向側)に向けて下方に傾斜する傾斜面52を含んでいる。第2表示器51は、傾斜面52に配置されている。
【0049】
図3に示すように、接続部材50は、信号を伝達する電気経路を有する基板53を含んでいる。基板53は、搬送モジュール10a、10b、乗継搬送部3、4間において、制御信号を通信可能に接続する。また、基板53には、光源512(たとえば、LED)が設けられている。光源512から発せられる光は、ライトガイド511により第2表示器51に導かれる。基板53は、接続部材50に内蔵されている。また、基板53は、通信および光源512のための回路のみが形成されている。
【0050】
図4に示すように、第2表示器51は、接続部材50が接続する隣接する搬送モジュール10a、10bの両方に各々対応するように、接続部材50に一対(2組)設けられている。また、一対(2組)の第2表示器51のうち一方は、隣接する搬送モジュール10a、10bの一方の状態を表示する。また、一対(2組)の第2表示器51のうち一方は、接続部材50の一方の搬送モジュール側の部分に配置されている。一対(2組)の第2表示器51のうち他方は、隣接する搬送モジュール10a、10bの他方の状態を表示する。また、一対(2組)の第2表示器51のうち他方は、接続部材50の他方の搬送モジュール側の部分に配置されている。
【0051】
第1表示器60および第2表示器51は、光の点灯、点滅または色により搬送モジュール10a、10bの状態を表示するインジケータを各々含んでいる。また、第1表示器60(第2表示器51)は、1組につき、2つずつ設けられている。第1表示器60(第2表示器51)は、搬送モジュール10a、10bの電源の状態を示す表示器と、制御ステータスを示す表示器とを含んでいる。また、第1表示器60(第2表示器51)は、光の点灯状態(消灯、点灯、点滅)、および、光の色(緑、黄、赤など)により、搬送モジュール10a、10bの状態を示すように構成されている。また、第1表示器60(第2表示器51)は、搬送モジュール10a、10bが正常である状態、搬送モジュール10a、10bにエラーが発生している状態、準備中の状態、準備完了の状態などの搬送モジュール10a、10bの状態を示すように構成されている。また、第1表示器60(第2表示器51)は、搬送装置100が正常な場合に、スライダが制御(動作)状態であるかを示すように構成されている。また、第1表示器60(第2表示器51)は、サーボOFFであり、モータ電源OFFである運転準備中の状態、サーボOFFであり運転準備完了の状態などの搬送モジュール10a、10bの状態を示すように構成されている。
【0052】
図5に示すように、搬送モジュール10a、10b、搬送機構20は、第1配線13aが接続され、スライダ30の搬送方向(X方向)に沿ったモジュール本体101の異なる位置の側面部に配置された電気的に並列な複数の第1端子132が設けられている。具体的には、搬送モジュール10a、10b、搬送機構20には、搬送方向(X方向)の一方端近傍および他方端近傍の両方に第1端子132が設けられている。2つの第1端子132は、極性を持たないため、どちらを入力端子としてもよい。また、入力端子でない方を出力端子として用いることが可能である。
【0053】
長尺の搬送モジュール10aは、制御基板13およびモータ電源基板14が2つずつ設けられている。搬送モジュール10aの2つの制御基板13は、信号を通信可能に接続されている。また、2つの制御基板13には、共通の第1端子132から電力が供給されるように構成されている。
【0054】
搬送モジュール10aの2つのモータ電源基板14には、互いに独立して設けられた第2配線14a、14bから電力が供給されるように構成されている。第2配線14aには、スライダ30の搬送方向(X方向)に沿ったモジュール本体101の異なる位置の側面部に配置された電気的に並列な複数の第2端子141aが接続されている。第2配線14bには、スライダ30の搬送方向(X方向)に沿ったモジュール本体101の異なる位置の側面部に配置された電気的に並列な複数の第2端子141bが接続されている。
【0055】
長尺の搬送モジュール10aには複数の第2端子141a、141bを用意することにより、スライダ30が密に走行することになった場合や、搬送モジュール10aに複数電源が必要な場合にも対応することが可能である。これにより、電源容量不足を解消することが可能である。一方で大電力を必要としない場合は、第2端子141aおよび141bを電線により接続することにより対応することが可能である。これにより、省配線化を図ることが可能である。
【0056】
搬送モジュール10bおよび搬送機構20には、制御基板13およびモータ電源基板14が1つずつ設けられている。制御基板13には、第1配線13aを介して、共通の第1端子132から電力が供給されるように構成されている。モータ電源基板14には、第2配線14aを介して、共通の第2端子141から電力が供給されるように構成されている。
【0057】
制御装置40は、制御信号を通信可能な配線41および42により、搬送モジュール10a、10bおよび搬送機構20の制御基板13に接続されている。具体的には、制御装置40は、配線41により、乗継搬送部4の搬送機構20の一方の端子131に接続されている。乗継搬送部4の搬送機構20の他方の端子131は、配線42により、搬送モジュール10aの一方の端子131に接続されている。搬送モジュール10aの他方の端子131は、配線42により、搬送部2の一方の搬送モジュール10bの一方の端子131に接続されている。搬送部2の一方の搬送モジュール10bの他方の端子131は、接続部材50により、搬送部2の他方の搬送モジュール10bの一方の端子131に接続されている。搬送部2の他方の搬送モジュール10bの他方の端子131は、配線42により、乗継搬送部3の搬送機構20の一方の端子131に接続されている。
【0058】
制御電源80は、1つ設けられ、搬送モジュール10a、10bおよび搬送機構20の各々の制御基板13に電力を供給するように構成されている。制御電源80は、第1電線81により、乗継搬送部4の搬送機構20の一方の第1端子132に接続されている。また、制御電源80は、第1電線81により、搬送モジュール10aの一方の第1端子132に接続されている。また、制御電源80は、第1電線81により、搬送部2の一方の搬送モジュール10bの一方の第1端子132に接続されている。搬送部2の一方の搬送モジュール10bの他方の第1端子132は、第1電線82により、搬送部2の他方の搬送モジュール10bの一方の第1端子132に接続されている。搬送部2の他方の搬送モジュール10bの他方の第1端子132は、第1電線82により、乗継搬送部3の搬送機構20の一方の第1端子132に接続されている。
【0059】
モータ電源90は、3つ設けられ、搬送モジュール10a、10bおよび搬送機構20の各々のモータ電源基板14に電力を供給するように構成されている。1つめのモータ電源90は、第2電線91により、乗継搬送部4の搬送機構20の他方の第2端子141に接続されている。また、1つめのモータ電源90は、第2電線91により、搬送モジュール10aの他方の第2端子141aに接続されている。2つめのモータ電源90は、第2電線91により、搬送モジュール10aの一方の第2端子141bに接続されている。3つめのモータ電源90は、第2電線91により、搬送部2の一方の搬送モジュール10bの一方の第2端子141に接続されている。搬送部2の一方の搬送モジュール10bの他方の第2端子141は、第2電線92により、搬送部2の他方の搬送モジュール10bの一方の第2端子141に接続されている。搬送部2の他方の搬送モジュール10bの他方の第2端子141は、第2電線92により、乗継搬送部3の搬送機構20の一方の第2端子141に接続されている。
【0060】
図4に示すように、連結部材70は、接続部材50に対して独立して設けられ、隣接する搬送モジュール10b(10a)を各々位置決めして連結するように構成されている。具体的には、連結部材70は、位置決めされた状態で、搬送装置100が設置される架台上に固定されている。連結部材70は、搬送モジュール10b(10a)の連結位置、乗継搬送部3側の端部位置、および、乗継搬送部4側の端部位置に配置されている。これにより、メンテナンスなどのために搬送モジュール10b(10a)を架台から取り外した場合でも、架台に固定された連結部材70が残る。このため、再び搬送モジュール10b(10a)を連結部材70により位置決めしながら架台に取り付けることが可能である。
【0061】
隣接する搬送モジュール10b(10a)を各々位置決めして連結する連結部材70と、第1端子132に接続されて制御基板13に電力を供給する第1電線81、82と、第2端子141、141a、141bに接続されてモータ電源基板14に電力を供給する第2電線91、92と、接続部材50とは、互いに独立して搬送モジュール10a、10bから着脱することが可能に構成されている。
【0062】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0063】
本実施形態では、上記のように、搬送モジュール10a、10bの状態を表示する第1表示器60を複数の搬送モジュール10a、10bの各々に設ける。これにより、搬送モジュール10aに異常等が発生した場合には、搬送モジュール10aに設けられた第1表示器60により異常等を通知し、搬送モジュール10bに異常等が発生した場合には、搬送モジュール10bに設けられた第1表示器60により異常等を通知することができるので、どの搬送モジュール10a、10bにおいて異常等が発生しているのかを容易に判別することができる。その結果、複数の搬送モジュール10a、10bを備える搬送装置において、異常等が発生した場合に、異常等の発生個所を容易に特定することができる。
【0064】
また、本実施形態では、上記のように、第1表示器60を、各々の搬送モジュール10a、10bのスライダ30の搬送方向(X方向)に沿って延びる側面における一方側(Y2方向側)の側面部に配置する。これにより、搬送モジュール10a、10bの側方から第1表示器60を容易に確認することができる。
【0065】
また、本実施形態では、上記のように、各々の搬送モジュール10a、10bの状態を表示する第2表示器51を、各々の搬送モジュール10a、10bのスライダ30の搬送方向(X方向)に沿って延びる側面における他方側(Y1方向側)の側面部に配置する。これにより、搬送モジュール10a、10bの一方の側方から第1表示器60を確認することができるとともに、搬送モジュール10a、10bの他方の側方から第2表示器51を確認することができるので、搬送モジュール10a、10bの両方の側方から搬送モジュール10a、10bの状態を確認することができる。
【0066】
また、本実施形態では、上記のように、接続部材50は、搬送モジュール10a、10bから外側に向けて下方に傾斜する傾斜面52を含み、第2表示器51を、傾斜面52に配置する。これにより、傾斜面に配置された第2表示器51を斜め上方から確認しやすくすることができるので、搬送モジュール10a、10bの状態を容易に確認することができる。
【0067】
また、本実施形態では、上記のように、第2表示器51を、接続部材50が接続する隣接する搬送モジュール10a、10bの両方に各々対応するように、接続部材50に一対設ける。これにより、隣接する搬送モジュール10a、10bの接続部分において、隣接する搬送モジュールの両方の状態を確認することができる。
【0068】
また、本実施形態では、上記のように、一対の第2表示器51のうち一方を、隣接する搬送モジュール10a、10bの一方の状態を表示するとともに、接続部材50の一方の搬送モジュール側の部分に配置し、一対の第2表示器51のうち他方は、隣接する搬送モジュール10a、10bの他方の状態を表示するとともに、接続部材50の他方の搬送モジュール側の部分に配置する。これにより、隣接する搬送モジュール10a、10bの接続部分において、隣接する搬送モジュールのいずれに異常等が発生したのかを容易に判別することができる。
【0069】
また、本実施形態では、上記のように、第1表示器60および第2表示器51は、光の点灯、点滅または色により搬送モジュール10a、10bの状態を表示するインジケータを各々含む。これにより、搬送モジュール10a、10bの状態に応じて光の色や点灯パターン、点滅パターンなどを変えてインジケータに表示することにより、搬送モジュール10a、10bの状態を容易に確認することができる。
【0070】
また、本実施形態では、上記のように、モジュール本体101に設けられリニアモータの駆動を制御する制御基板13と、リニアモータに電力を供給するモータ電源基板14と、制御基板13に電力を供給する第1配線13aと、モータ電源基板14に電力を供給する第2配線14a、14bとを、モジュール本体101に内蔵する。これにより、制御基板13に電力を供給する第1配線13aと、モータ電源基板14に電力を供給する第2配線14a、14bとを分離してモジュール本体101に内蔵できるので、制御基板13およびモータ電源基板14のそれぞれの必要電力に応じて第1配線13aおよび第2配線14a、14bを設けることができる。
【0071】
また、本実施形態では、上記のように、搬送モジュール10a、10bに、第1配線13aが接続され、スライダ30の搬送方向(X方向)に沿ったモジュール本体101の異なる位置の側面部に配置された電気的に並列な複数の第1端子132を設ける。これにより、複数の第1端子132の入力および出力の極性をなくすことができるので、任意の第1端子132を入力端子にして、他の第1端子132を出力端子にすることができる。これにより、第1端子132に接続する配線の配置の自由度を向上させることができるので、第1端子132に接続する配線が長くなるのを抑制することができる。
【0072】
また、本実施形態では、上記のように、第2配線14a、14bを、搬送モジュール10aに互いに独立して複数設け、搬送モジュール10aに、第2配線14a、14bが接続され、スライダ30の搬送方向(X方向)に沿ったモジュール本体101の異なる位置の側面部に配置された電気的に並列な複数の第2端子141a、141bを設ける。これにより、搬送モジュール10aを長くした場合でも、長さに合わせて複数の第2配線14a、14bに電力を各々供給することができる。また、複数の第2端子141a、141bの入力および出力の極性をなくすことができるので、任意の第2端子141a、141bを入力端子にして、他の第2端子141a、141bを出力端子にすることができる。これにより、第2端子141a、141bに接続する配線の配置の自由度を向上させることができるので、第2端子141a、141bに接続する配線が長くなるのを抑制することができる。
【0073】
また、本実施形態では、上記のように、隣接する搬送モジュール10a、10bを各々位置決めして連結する連結部材70と、第1端子132に接続されて制御基板13に電力を供給する第1電線81、82と、第2端子141、141a、141bに接続されてモータ電源基板14に電力を供給する第2電線91、92と、接続部材50とを、互いに独立して搬送モジュール10a、10bから着脱することが可能に構成する。これにより、第1電線81、82、第2電線91、92または接続部材50を交換する際に、隣接する搬送モジュール10a、10bの各々を位置決めする連結部材70とは独立して着脱することができるので、連結部材70を取り外す必要がない。これにより、一度行った搬送モジュール10a、10bの位置決めを再度行う必要がない。
【0074】
また、本実施形態では、上記のように、接続部材50は、信号を伝達する電気経路を有する基板53を含む。これにより、接続部材50の構成を簡素化することができるので、故障が発生する確率を抑制することができる。その結果、接続部材50の保守を容易に行うことができる。
【0075】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0076】
たとえば、上記実施形態では、制御基板に電力を供給する制御電源を1つ設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御基板に電力を供給する制御電源を複数設けてもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、モータ電源基板に電力を供給するモータ電源を3つ設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、モータ電源を、モジュールの長さ、または、スライダの台数に対応して、1つ、2つまたは4つ以上設けてもよい。また、モータ電源を、モータの定格電流に対応して、1つ、2つまたは4つ以上設けてもよい。
【0078】
また、上記実施形態では、電気的に並列な第1端子を、1つの第1配線に対して、2つ設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、電気的に並列な第1端子を、1つの第1配線に対して、3つ以上設けてもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、電気的に並列な第2端子を、1つの第2配線に対して、2つ設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、電気的に並列な第2端子を、1つの第2配線に対して、3つ以上設けてもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、1つの長尺の搬送モジュール10aに対して、2つの独立した第2配線を設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、1つの搬送モジュールに対して、3つ以上の独立した第2配線を設けてもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、1つの搬送モジュールに対して、1つの第1配線を設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、1つの搬送モジュールに対して、2つ以上の独立した第1配線を設けてもよい。また、第1配線と、第2配線のいずれも独立して複数設けてもよいし、第1配線および第2配線のうちいずれか一方の配線のみを独立して複数設けてもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、乗継搬送部の移動機構がリニアモータおよびガイドレールを水平方向に移動させる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、乗継搬送部の移動機構がリニアモータおよびガイドレールを上下方向に移動させる構成でもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、乗継搬送部の移動機構がリニアモータおよびガイドレールを並進移動させる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、乗継搬送部の移動機構がリニアモータおよびガイドレールを回動させて移動させる構成でもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、接続部材が信号を伝達する電気経路を有する基板を含む構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、接続部材が信号を伝達する電線を含む構成でもよい。また、接続部材が基板、電線以外の信号を伝達する電気経路を有するものであってもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、搬送部1が1つの搬送モジュールを含み、搬送部2が2つの搬送モジュールを含む構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、搬送部は、3以上の搬送モジュールを含んでいてもよい。また、長尺の搬送モジュール10aを複数直列に連結してもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、搬送モジュールの状態を表す第1表示器および第2表示器が、2つ1組により設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1表示器および第2表示器は、1つ1組、または、3つ以上1組により設けられていてもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、制御基板とモータ電源基板とが別個に設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御基板およびモータ電源基板は、共通の基板に制御回路とモータ電源回路とが形成された基板であってもよい。この場合、制御基板部分である制御回路に第1配線から電力が供給され、モータ電源基板部分であるモータ電源回路に第2配線から電力が供給される。
【0088】
また、上記実施形態では、第2表示器が接続部材の傾斜面に設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2表示器が接続部材の上面または側面に配置されていてもよい。なお、第2表示器を確認をし易くするためには。第2表示器を傾斜面に配置するのが好ましい。
【符号の説明】
【0089】
1、2 搬送部
10a、10b 搬送モジュール
11 リニアモータ固定子(リニアモータ)
13 制御基板
13a 第1配線
14 モータ電源基板
14a、14b 第2配線
30 スライダ
50 接続部材
51 第2表示器
52 傾斜面
53 基板
60 第1表示器
70 連結部材
81、82 第1電線
91、92 第2電線
100 搬送装置
101 モジュール本体
132 第1端子
141、141a、141b 第2端子
図1
図2
図3
図4
図5