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特許7197751情報処理システム、情報処理装置、サーバ装置、プログラム、又は方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-19
(45)【発行日】2022-12-27
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、サーバ装置、プログラム、又は方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20221220BHJP
【FI】
G06Q50/20
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022526696
(86)(22)【出願日】2020-06-30
(86)【国際出願番号】 JP2020025658
(87)【国際公開番号】W WO2022003821
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2022-05-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511298587
【氏名又は名称】公益財団法人石橋財団
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 隆
(72)【発明者】
【氏名】石橋 直樹
【審査官】谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-030120(JP,A)
【文献】特開平08-190506(JP,A)
【文献】特開2005-165663(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0278721(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
芸術作品の複数のデータである第1芸術データ、第2芸術施設内のみで一般人の閲覧に供される複数のデータである第2芸術データ、及び、インターネットからの閲覧に供される複数のデータである第3芸術データを格納可能なデータベース部と、
前記データベース部と接続し、第1芸術施設内の第1ネットワークを介して、前記第1芸術データを、提供可能な第1アクセス提供部と、
前記データベース部と接続し、前記第2芸術施設内の第2ネットワークを介して、前記第1芸術データに対して契約による公開についてのライセンスの有無のルールを適用した後の前記第2芸術データを提供可能な通信機能を備える情報処理装置で構成される第2アクセス提供部と、
前記データベース部と接続し、公共に提供される第3ネットワークを介して、前記第芸術データの解像度を変更した前記第3芸術データを提供可能な通信機能を備える情報処理装置で構成される第3アクセス提供部と、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記第1ネットワークは、前記第1芸術施設内に設置された端末であって、前記第2芸術施設が閲覧に供する芸術作品に係るデータを作成する者に係る端末、からアクセス可能である、
請求項に記載のシステム。
【請求項3】
前記データベース部内に格納されるデータについて、アクセス可能な範囲として、少なくとも、
前記第1アクセス提供部が前記第1ネットワークを介して提供可能な前記第1芸術データ、
前記第2アクセス提供部が前記第2ネットワークを介して提供可能な前記第2芸術データ、
前記第3アクセス提供部が前記第3ネットワークを介して提供可能な前記第3芸術データ、
のいずれか一を設定可能な画面を表示する、前記第1芸術施設内に設置された端末を備える、
請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2ネットワークは、前記第2芸術施設に訪問した者が、前記第2芸術施設内の端末からアクセス可能である、
請求項1乃至のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2芸術データは、前記第2ネットワークを介したWebAPIを用いて、アクセス可能である、
請求項1乃至のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2芸術データは、前記第2芸術施設内に設置された一の芸術作品と所定の関連性を有する芸術作品を閲覧に供する芸術施設のデータを含
前記一の芸術作品と所定の関連性を有する芸術作品は、
前記一の芸術作品の製作者が製作した芸術作品、
前記一の芸術作品の製作者の所属するグループ内の製作者が製作した芸術作品、
前記一の芸術作品と連作の芸術作品、及び/又は、
前記一の芸術作品が製作された制作年代と同一時期に制作された芸術作品、
である、
請求項1乃至のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記第2芸術データは、前記第2芸術施設内に設置された一の芸術作品と所定の関連性を有する芸術作品のデータを含
前記一の芸術作品と所定の関連性を有する芸術作品は、
前記一の芸術作品の製作者が製作した芸術作品、
前記一の芸術作品の製作者の所属するグループ内の製作者が製作した芸術作品、
前記一の芸術作品と連作の芸術作品、及び/又は、
前記一の芸術作品が製作された制作年代と同一時期に制作された芸術作品、
である、
請求項1乃至のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1芸術データの一部又は全部を格納する、一又は複数のデータベースと連携可能である、
請求項1乃至のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記データベースは、前記第1芸術施設内で閲覧に供される芸術作品についての評価情報、売買情報、及び/又は、修復情報を含む、
請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記データベースは、前記第1芸術施設において開催されたイベントのデータを格納する、
請求項8又は9に記載のシステム。
【請求項11】
前記一又は複数のデータベース内において、前記第1芸術データは、芸術作品を、芸術作品名とID、又は、芸術作品の製作者とID、で管理される、
請求項8乃至10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1芸術施設と、前記第2芸術施設は、同一の芸術施設である、
請求項1乃至11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記システムは、前記データベース部の機能を備える記憶装置を備える、
請求項1乃至12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記システムは、前記第2芸術データの解像度を変更する演算装置を備える、
請求項1乃至13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
芸術作品の複数のデータである第1芸術データ、第2芸術施設内のみで一般人の閲覧に供される複数のデータである第2芸術データ、及び、インターネットからの閲覧に供される複数のデータである第3芸術データを格納可能なデータベース部を備えるシステムにおいて、
前記データベース部が第1芸術データを格納するステップと、
第1芸術施設内に提供される第1ネットワークを介して、前記システム内の第1アクセス提供部が、前記第1芸術データへのアクセスを提供するステップと、
前記データベース部が第2芸術データを格納するステップと、
前記第2芸術施設内に提供される第2ネットワークを介して、前記システム内の第2アクセス提供部が、前記第1芸術データに対して契約による公開についてのライセンスの有無のルールを適用した後の前記第2芸術データへのアクセスを提供するステップと、
前記データベース部が第3芸術データを格納するステップと、
公共に提供される第3ネットワークを介して、前記システム内の第3アクセス提供部が、前記第芸術データの解像度を変更した前記第3芸術データへのアクセスを提供するステップと、
を実行する方法。
【請求項16】
前記システムは、前記データベース部の機能を備える記憶装置を備える、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記システムは、前記第2芸術データの解像度を変更する演算装置を備える、
請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
芸術作品の複数のデータである第1芸術データ、第2芸術施設内のみで一般人の閲覧に供される複数のデータである第2芸術データ、及び、インターネットからの閲覧に供される複数のデータである第3芸術データを格納可能なデータベース部を備えるシステムにおいて、
前記データベース部を、第1芸術データを格納する手段、
第1芸術施設内に提供される第1ネットワークを介して、前記システム内の第1アクセス提供部を、前記第1芸術データへのアクセスを提供する手段、
前記データベース部を、第2芸術データを格納する手段、
前記第2芸術施設内に提供される第2ネットワークを介して、前記システム内の第2アクセス提供部を、前記第1芸術データに対して契約による公開についてのライセンスの有無のルールを適用した後の前記第2芸術データへのアクセスを提供する手段、
前記データベース部を、第3芸術データを格納する手段、
公共に提供される第3ネットワークを介して、前記システム内の第3アクセス提供部を、前記第芸術データの解像度を変更した前記第3芸術データへのアクセスを提供する手段、
として動作させるためのコンピュータプログラム。
【請求項19】
前記システムは、前記データベース部の機能を備える記憶装置を備える、
請求項18に記載のコンピュータプログラム。
【請求項20】
前記システムは、前記第2芸術データの解像度を変更する演算装置を備える、
請求項18又は19に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願において開示された技術は、情報処理システム、情報処理装置、サーバ装置、プログラム、又は方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人々が芸術を鑑賞することをサポートする情報技術には様々な技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-165663号公報
【文献】特開2001-167031号公報
【文献】特開2003-296587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、人々が、芸術作品の鑑賞をより適切にサポートする情報処理技術はなかった。そこで、本発明の様々な実施形態は、上記の課題を解決するために、情報処理システム、情報処理装置、サーバ装置、プログラム、又は方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の一実施形態のシステムは、
第1芸術データ、第2芸術データ、及び、第3芸術データを格納可能なデータベース部と、
前記データベース部と接続し、第1芸術施設内の第1ネットワークを介して、前記第1芸術データを提供可能な第1アクセス提供部と、
前記データベース部と接続し、第2芸術施設内の第2ネットワークを介して、前記第1芸術データに基づく前記第2芸術データを提供可能な第2アクセス提供部と、
前記データベース部と接続し、公共に提供される第3ネットワークを介して、前記第1芸術データに基づく前記第3芸術データを提供可能な第3アクセス提供部と、
を備えるシステム。なお、かかる形態のシステムは、第1乃至第3ネットワーク自体を構成要素として含まなくてよい。
【0006】
本願の第2実施形態のシステムは、
前記第1芸術データは、前記第2芸術施設内で閲覧に供される芸術作品に関する学術的資料に係るデータを含む、
第1実施形態のシステム。
【0007】
本願の第3実施形態のシステムは、
前記第1ネットワークは、前記第1芸術施設内に設置された端末であって、前記第2芸術施設が閲覧に供する芸術作品に係るデータを作成する者に係る端末、からアクセス可能である、
第1又は第2実施形態のシステム。
【0008】
本願の第4実施形態のシステムは、
前記第2芸術施設が閲覧に供する芸術作品に係るデータの一部又は全部は、所定の時期に、前記第2芸術データを格納する前記データベース部に格納される、
第1乃至第3のいずれか一の実施形態のシステム。
【0009】
本願の第5実施形態のシステムは、
前記データベース部内に格納されるデータについて、アクセス可能な範囲として、少なくとも、
前記第1アクセス提供部が前記第1ネットワークを介して提供可能な前記第1芸術データ、
前記第2アクセス提供部が前記第2ネットワークを介して提供可能な前記第2芸術データ、
前記第3アクセス提供部が前記第3ネットワークを介して提供可能な前記第3芸術データ、
のいずれか一を設定可能な画面を表示する、前記第1芸術施設内に設置された端末を備える、
第1乃至第4のいずれか一の実施形態のシステム。
【0010】
本願の第6実施形態のシステムは、
前記第2芸術データは、前記第2芸術施設内で閲覧に供される芸術作品についてのデータを含む、
第1乃至第5のいずれか一の実施形態のシステム。
【0011】
本願の第7実施形態のシステムは、
前記第2ネットワークは、前記第2芸術施設に訪問した者が、前記第2芸術施設内の端末からアクセス可能である、
第1乃至第6のいずれか一の実施形態のシステム。
【0012】
本願の第8実施形態のシステムは、
前記第2芸術データは、前記第2ネットワークを介したWebAPIを用いて、アクセス可能である、
第1乃至第7のいずれか一の実施形態のシステム。
【0013】
本願の第9実施形態のシステムは、
前記第2芸術データは、前記第2芸術施設内に設置された一の芸術作品と所定の関連性を有する芸術作品に係る芸術施設についてのデータを含む、
第1乃至第8のいずれか一の実施形態のシステム。
【0014】
本願の第10実施形態のシステムは、
前記所定の関連性を有する芸術作品に係る芸術施設は、前記第2芸術施設との地理的な距離が、所定の距離よりも短い距離であるものに限られる、
第1乃至第9のいずれか一の実施形態のシステム。
【0015】
本願の第11実施形態のシステムは、
前記第2芸術データは、前記第2芸術施設内に設置された一の芸術作品と所定の関連性を有する芸術作品のデータを含む、
第1乃至第10のいずれか一の実施形態のシステム。
【0016】
本願の第12実施形態のシステムは、
前記一の芸術作品と所定の関連性を有する芸術作品は、
前記一の芸術作品の製作者が製作した芸術作品、
前記一の芸術作品の製作者の所属するグループ内の製作者が製作した芸術作品、
前記一の芸術作品と連作の芸術作品、及び/又は、
前記一の芸術作品が製作された制作年代と同一時期に制作された芸術作品、
を含む、第1乃至第11のいずれか一の実施形態のシステム。
【0017】
本願の第13実施形態のシステムは、
前記第1芸術データの一部又は全部を格納する、一又は複数のデータベースと連携可能である、
第1乃至第12のいずれか一の実施形態のシステム。
【0018】
本願の第14実施形態のシステムは、
前記一又は複数のデータベース内に格納された情報を変更して前記第2芸術データを生成するコンバータを含む、
第1乃至第13のいずれか一の実施形態のシステム。
【0019】
本願の第15実施形態のシステムは、
前記データベースは、前記第1芸術施設と関連付けられて格納されている芸術作品についての芸術作品情報を格納する、
第1乃至第14のいずれか一の実施形態のシステム。
【0020】
本願の第16実施形態のシステムは、
前記データベースは、前記第1芸術施設内で閲覧に供される芸術作品についての過去の情報を含む、
第1乃至第15のいずれか一の実施形態のシステム。
【0021】
本願の第17実施形態のシステムは、
前記過去の情報は、前記芸術作品についての、評価情報、売買情報、及び/又は、修復情報、を含む、
第1乃至第16のいずれか一の実施形態のシステム。
【0022】
本願の第18実施形態のシステムは、
前記データベースは、前記第1芸術施設において提供される芸術作品の解説に供されるデータを格納する、
第1乃至第17のいずれか一の実施形態のシステム。
【0023】
本願の第19実施形態のシステムは、
前記芸術作品の解説に供される情報は、音声、動画、及び/又は、テキスト、を含む、
第1乃至第18のいずれか一の実施形態のシステム。
【0024】
本願の第20実施形態のシステムは、
前記データベースは、前記第1芸術施設内と関連付けて開催されたイベントに係る情報を格納する、
第1乃至第19のいずれか一の実施形態のシステム。
【0025】
本願の第21実施形態のシステムは、
前記一又は複数のデータベース内において、前記第1芸術に係る情報は、芸術作品を、芸術作品名とID、又は、芸術作品の製作者とID、で管理される、
第1乃至第20のいずれか一の実施形態のシステム。
【0026】
本願の第22実施形態のシステムは、
前記第1芸術施設と、前記第2芸術施設は、同一の芸術施設である、
第1乃至第21のいずれか一の実施形態のシステム。
【0027】
本願の第23実施形態のシステムは、
前記第2芸術データは、一の芸術作品を撮像した画像データAを含み、
前記第3芸術データは、前記画像データAよりも解像度が低い、前記一の芸術作品を撮像した画像データBを含む、
第1乃至第22のいずれか一の実施形態のシステム。
【0028】
本願の第24実施形態の方法は、第1芸術データ、第2芸術データ、及び、第3芸術データを格納可能なデータベース部を備えるシステムにおいて、
前記データベース部が第1芸術データを格納するステップと、
第1芸術施設内に提供される第1ネットワークを介して、前記システム内の第1アクセス提供部が、前記第1芸術データへのアクセスを提供するステップと、
前記データベース部が第2芸術データを格納するステップと、
第2芸術施設内に提供される第2ネットワークを介して、前記システム内の第2アクセス提供部が、前記第1芸術データに基づく前記第2芸術データへのアクセスを提供するステップと、
前記データベース部が第3芸術データを格納するステップと、
公共に提供される第3ネットワークを介して、前記システム内の第3アクセス提供部が、前記第1芸術データに基づく前記第3芸術データへのアクセスを提供するステップと、
を実行する方法。
【0029】
本願の第25実施形態のプログラムは、第1芸術データ、第2芸術データ、及び、第3芸術データを格納可能なデータベース部を備えるシステムにおいて、
前記データベース部を、第1芸術データを格納する手段、
第1芸術施設内に提供される第1ネットワークを介して、前記システム内の第1アクセス提供部を、前記第1芸術データへのアクセスを提供する手段、
前記データベース部を、第2芸術データを格納する手段、
第2芸術施設内に提供される第2ネットワークを介して、前記システム内の第2アクセス提供部を、前記第1芸術データに基づく前記第2芸術データへのアクセスを提供する手段、
前記データベース部を、第3芸術データを格納する手段、
公共に提供される第3ネットワークを介して、前記システム内の第3アクセス提供部を、前記第1芸術データに基づく前記第3芸術データへのアクセスを提供する手段、
として動作させるためのプログラム。
【0030】
本願の第26実施形態のプログラムは、コンピュータを、第1乃至第23実施形態のいずれか一のシステムとして機能させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0031】
本発明の一実施形態により、より適切に芸術作品の鑑賞をサポートできる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、一実施例に係るシステムの機能を示すブロック図である。
図2図2は、一実施例に係るシステムの構成を示すブロック図である。
図3図3は、一実施例に係るシステムの構成を示すブロック図である。
図4図4は、一実施例に係るシステムの構成を示すブロック図である。
図5図5は、一実施例に係るシステムによって表示される画面の一例である。
図6図6は、一実施例に係るシステムによって表示される画面の一例である。
図7図7は、一実施例に係るシステムによって表示される画面の一例である。
図8図8は、一実施例に係るシステムによって表示される画面の一例である。
図9図9は、一実施例に係るシステムによって表示される画面の一例である。
図10図10は、一実施例に係るシステムによって表示される画面の一例である。
図11図11は、一実施例に係るシステムによって表示される画面の一例である。
図12図12は、一実施例に係るシステムによって表示される画面の一例である。
図13図13は、一実施例に係るシステムに処理されるフローの一例である。
図14図14は、一実施例に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【0033】
1.本願発明の一実施形態に係るシステムの概要
美術館などの芸術作品の鑑賞を提供する施設は、近年、芸術作品自体を提供することにとどまらず、芸術作品をより身近なものとする種々の工夫を取り入れている。本願発明の一実施形態は、芸術作品の鑑賞をサポートするシステムに係る。なお、本願書類において、「システム」という用語は、一又は複数の情報処理装置から構成されてよい。情報処理装置については、後述する。また、本願書類において、「芸術作品」との用語は、絵画、彫刻、庭園、工芸、陶芸、写真、建築、華道、書道、折り紙、浮世絵、などの種々の美術的な作品の上位概念の用語であってよく、また、文芸、デザイン、総合芸術、などの種々のものの上位概念の用語であってよい。
【0034】
2.一実施形態に係るシステムの機能
本願発明の一実施形態に係るシステムは、以下の、データベース部、第1アクセス提供部、第2アクセス提供部、及び、第3アクセス提供部、の一部又は全部を備えてよい。
【0035】
2.1.データベース部21
データベース部は、データベースを管理する機能を有する。データベース部は、一又は複数のデータベースから構成されてよい。データベース部は、かかる一又は複数のデータベースに対して、情報の追加及び/又は削除などの、情報の管理をする機能を有してよい。
【0036】
データベース部は、前記第1芸術データの一部又は全部を格納してよい。
【0037】
データベース部は、システムの構成要素の一部としての内部のデータベースと接続されていてもよいし、システムの構成要素外の外部のデータベースと接続されてもよい。後者においては、一例のシステムは、一又は複数のデータベースを含む外部のローカルデータベース部と連携可能であってよい。
【0038】
データベース部が接続可能な内部又は外部の一例のローカルデータベース部は、第1芸術施設と関連付けられた芸術作品についての芸術作品情報を格納してよい。
【0039】
芸術作品情報は、例えば、芸術作品自体に係る情報、芸術作品の制作場所に係る情報、芸術作品の制作者に係る情報、芸術作品の種類に係る情報、及び/又は、芸術作品の制作時期に係る情報、を含んでよい。
【0040】
芸術作品自体に係る情報は、芸術作品を撮像した一又は複数の画像ファイルを含んでよい。画像ファイルは、芸術作品を、芸術作品の性質に合わせて、種々の方向から撮像された画像ファイルでよい。かかる画像ファイルは、例えば、芸術作品が絵画であれば、絵画の絵の正面から撮像した画像ファイルでよいが、芸術作品が立体的なものであれば、かかる立体的な芸術作品を、正面と解釈されうる一又は複数の方向から撮像してもよいし、正面以外の、側方、後方、上方、及び/又は、下方、などの種々の方向から撮像された、一又は複数の画像ファイルであってもよい。また、画像ファイルは、芸術作品の全体が撮像された画像ファイルであってもよいし、及び/又は、芸術作品内の特定の一又は複数の個所のみが撮像された画像ファイルでもよい。また、画像ファイルは、芸術作品内の同一の撮像対象について、異なる画素数、異なる画質、などの画像ファイルを各々有してもよい。
【0041】
芸術作品の制作場所に係る情報は、芸術作品が製作された国、地域、などを含んでよい。
【0042】
芸術作品の制作者に係る情報は、制作者に係る情報を含んでよい。例えば、制作者の名前、国籍、制作者の属するコミュニティなどの、制作者の人物年表に含まれる情報を含んでよい。情報を含んでよい。人物年表は、生年月日、没年月日などを含んでよい。
【0043】
芸術作品の種類に係る情報は、芸術史における芸術作品が属する分野の情報であってよい。
【0044】
芸術作品の制作時期に係る情報は、制作開始時期、制作終了時期、などであってよい。
【0045】
データベース部が接続可能な内部又は外部の一例のローカルデータベース部は、前記第1芸術施設内で閲覧に供される芸術作品に対する社会的活動に係る情報を格納してよい。また、芸術作品に対する社会的活動に係る情報は、前記芸術作品についての、評価情報、売買情報、修復情報、及び/又は、管理情報、を含んでよい。
【0046】
データベース部が、このような芸術作品に対する社会的活動に係る情報が格納されていることにより、かかる情報にアクセス可能な者は、かかる芸術作品自体の研究や、他の芸術作品との関係についての研究に、簡易に利用できる利点がある。
【0047】
芸術作品についての評価情報は、芸術作品を評価した情報であってよい。例えば、評価情報は、批評家による批評を掲載した新聞記事、雑誌、専門誌、書籍、映画、ドラマ、などの種々のメディアの情報であってよい。評価情報は、かかる内容の情報をファイル化されたものでよい。
【0048】
芸術作品についての管理情報は、芸術作品が、制作者によって制作された時点から、現在までの取引に係る情報の一部又は全部であってよい。芸術作品についての管理情報は、例えば、芸術作品についての販売者、購入者、仲介者、貸出者、借入者、販売・購入日、貸出日、返却日、販売・購入場所、取引額、販売・購入マーケット、売買を示す情報、その他の売買に関連する情報などであってよい。売買を示す情報は、購入伝票、領収書、通関時に利用された生類、輸送に利用された書類、などであってよい。売買に関連する情報は、例えば、芸術作品を売買するための広告に関する情報や、オークションの情報、売買を示す情報、などであってよい。芸術作品について、制作時点から現在までの取引に関する情報により、かかる芸術作品の真贋を判定することが可能となる利点がある。なお、全ての芸術作品について、制作時点から、現在までの取引の、全ての情報があるとは限らず、一部欠けている場合でも、芸術作品についての真贋を判定する情報であることに変わりはない。これらの情報において、購入伝票や領収書など、物理的な物については、撮像装置によって撮像された画像の形式で、ファイルとして、情報を格納してよい。
【0049】
芸術作品の修復情報は、芸術作品の修復に係る情報であってよい。例えば、芸術作品についての修復情報は、修復した者、修復した団体、修復した場所、修復の時期(例えば、修復開始時期、修復終了時期、修復の期間など)などであってよい。
【0050】
データベース部が接続可能な内部又は外部の一例のローカルデータベース部は、前記第1芸術施設において提供される芸術作品の解説に供される情報を格納してよい。また、前記芸術作品の解説に供される情報は、音声、動画、及び/又は、テキスト、を含んでよい。
【0051】
芸術作品の解説に供される情報は、芸術作品を一般の人向けに紹介する情報であってもよいし、芸術作品を子供用に紹介する情報であってもよいし、及び/又は、芸術作品をかかる芸術作品の専門家向けに説明する情報であってもよい。
【0052】
また、芸術作品の解説に供される情報は、種々の形式のものでよく、例えば、動画、音声、静止画、及び/又は、テキストなどであってよい。
【0053】
また、芸術作品の解説に供される情報は、芸術作品を撮像したものを含んでよい。かかる芸術作品を撮像したものの画質は、所定の画質以上のものでよく、実際の芸術作品の品質を担保可能な程度の高い画素数のものであってよい。芸術作品を撮像してデジタル化することにより、劣化を防止できる利点がある。また高い画素数で撮像することにより、芸術作品を本物に近い状況で保存することが可能であり、鑑賞に堪える芸術作品を再現可能になる利点がある。
【0054】
また、前記芸術作品の解説に供される情報は、テキスト、を含んでよく、与えられたファイルから、テキストのみを取得し、格納可能であって良い。かかる格納されたテキスト情報は、WEB上のアプリケーションに用いられてよい。
【0055】
データベース部が接続可能な内部又は外部の一例のローカルデータベース部は、前記第1芸術施設と関連付けて開催されたイベントに係る情報を格納してよい。
【0056】
かかる第1芸術施設と関連付けて開催されたイベントは、第1芸術施設において開催された種々の催し物であってよく、例えば、第1芸術施設において開催された展覧会、第1芸術施設において開催されたセミナー、第1芸術施設において開催された教育活動、などを含んでよい。
【0057】
かかるイベントに係る情報は、種々のものを含んでよい。例えば、一のイベントに係る情報は、かかるイベントにおいて利用された芸術作品、かかるイベントにおいて利用された芸術作品を開設するための資料、及び/又は、芸術の視点におけるかかるイベントの位置づけ、などを含んでよい。芸術の視点におけるイベントの位置づけは、例えば、芸術作品が対象とする特定の時代(古典、現代、など)や、芸術作品が対象とする特定の国(日本、フランス、イタリア、など)、芸術作品が対象とする特定の芸術家、などの情報を含んでよい。
【0058】
また、イベントに係る情報は、イベント自体に関する情報を含んでよい。イベント自体に関する情報は、例えば、イベントの開催期間(開催開始日から開催終了日)、イベントへの参加合計者数、イベントについての広告、イベントに対する評価の情報、などを含んでよい。
【0059】
また、データベース部が接続可能な内部又は外部の一例のローカルデータベース部は、上述の第1芸術施設及び/又は第2芸術施設内の一の芸術作品と所定の関連性を有する芸術作品に係る情報を格納してよい。ここで、一の芸術作品と所定の関連性を有する芸術作品は、前記一の芸術作品の製作者が製作した芸術作品、前記一の芸術作品の製作者の所属するグループ内の製作者が製作した芸術作品、前記一の芸術作品と連作の芸術作品、及び/又は、前記一の芸術作品が製作された制作年代と同一時期に制作された芸術作品、を含んでよい。一の芸術作品と所定の関連性を有する芸術作品に係る情報は、例えば、かかる一の芸術作品と所定の関連性を有する芸術作品を閲覧に供する芸術施設についての情報、及び/又は、上述の一の芸術作品と所定の関連性を有する芸術作品を説明する情報、を含んでよい。また、上述の一の芸術作品と所定の関連性を有する芸術作品は、第1芸術施設及び/又は第2芸術施設内の一の芸術作品と関連付けて上述の一の芸術作品と所定の関連性を有する芸術作品を説明する情報を含んでよい。
【0060】
一例のシステムは、メインデータベース部、を備えてよい。かかるメインデータベース部は、上述の内部又は外部の各データベース部から取得される情報の一部又は全部を、格納してよい。メインデータベース部の管理部は、上述の内部又は外部の各ローカルデータベース部内の情報を、所定のタイミングで、メインデータベース部内に格納するよう、上述の内部又は外部の各ローカルデータベース部と連携してよい。メインデータベース部内に格納する所定のタイミングは、毎日でもよいし、毎週でもよいし、毎月など、種々の時期に規定されてよい。メインデータベース部における、内部又は外部の各ローカルデータベース部内の情報の取得は、各外部のローカルデータベース部内の変更があった場所のみを、メインデータベース部内に格納する方法を採用してもよい。
【0061】
また、一例のシステム内のメインデータベース部内の情報は、一の芸術作品に対して関連付けられたID番号によって、検索可能であってよい。上述の各データベース部が外部から提供されている場合等においてその実装方法が異なる場合があり横断的な検索が難しい場合においても、上述のとおりメインデータベース部に外部データベース部の情報のうち関連する情報のみをメインデータベース部に格納することにより、メインデータベース部内で効率的かつ横断的な検索を可能とし、必要な情報を取得できる利点がある。
【0062】
一又は複数のローカルデータベース部が全て外部データベース部である場合、一実施形態のシステムにおけるデータベース部は、メインデータベース部を含むが、一又は複数のローカルデータベース部は、含まなくてよい。
【0063】
かかる構成の場合について、一実施形態のシステムは、例えば、図2のような構成となってよい。
【0064】
一又は複数のローカルデータベース部が全て内部データベース部である場合、一実施形態のシステムにおけるデータベース部は、メインデータベース部及び一又は複数のローカルデータベース部を含んでよい。
【0065】
一又は複数のローカルデータベース部のうちの一部が内部データベース部であり残りが外部データベース部である場合、一実施形態のシステムにおけるデータベース部は、メインデータベース部と一又は複数の内部ローカルデータベース部を含むが、一又は複数の外部ローカルデータベース部は含まなくてよい。
【0066】
メインデータベース部は、第1芸術データ、第2芸術データ、及び、第3芸術データ、を格納してよい。
【0067】
第1芸術データとは、後述の第1アクセス提供部によって提供可能なデータである。第1芸術データは、例えば、後述の研究員等が、閲覧、作成、管理、利用等するデータを含んでよい。また、第1芸術データは、例えば、後述の研究員等が、閲覧、作成、管理、利用等するデータのみであってよい。
【0068】
第2芸術データとは、後述の第2アクセス提供部によって提供可能なデータである。第2芸術データは、例えば、後述の第2芸術施設内のみで一般人の閲覧に供されるデータを含んでよい。第2芸術データは、例えば、後述の第2芸術施設内のみで一般人の閲覧に供されるデータのみであってよい。
【0069】
第3芸術データとは、後述の第3アクセス提供部によって提供可能なデータである。第3芸術データは、例えば、一般のインターネットからの閲覧に供されるデータを含んでよい。第3芸術データは、例えば、後述の一般のインターネットからの閲覧に供されるデータのみであってよい。
【0070】
また、メインデータベース部は、格納するデータについて、第1芸術データ、第2芸術データ、第3芸術データ、第1芸術データかつ第2芸術データ、第1芸術データかつ第3芸術データ、第1乃至第3芸術データ、のいずれかであるかを示す情報を含んでよい。また、メインデータベース部は、格納するデータについて、第1芸術データ、第2芸術データ、第3芸術データ、第1芸術データかつ第2芸術データ、第1芸術データかつ第3芸術データ、第1乃至第3芸術データのいずれかであるかの設定を可能とする機能を有してよい。かかる格納するデータは、ファイル単位、及び/又は、フォルダ単位、であってよい。
【0071】
メインデータベース部は、第1芸術データと第2芸術データとの同一のデータについて、記憶装置内の同一の場所に記憶してもよいし、記憶装置内の異なる場所に記憶してもよい。また、メインデータベース部は、第1芸術データと第3芸術データとの同一のデータについて、記憶装置内の同一の場所に記憶してもよいし、記憶装置内の異なる場所に記憶してもよい。また、メインデータベース部は、第2芸術データと第3芸術データとの同一のデータについて、記憶装置内の同一の場所に記憶してもよいし、記憶装置内の異なる場所に記憶してもよい。ここで、データを同一の場所に記憶するとは、同一のデータについて、第1芸術データ、第2芸術データ、及び/又は、第3芸術データのいずれか一部又は全部として利用できる共有のデータであってもよい。かかる構成は、例えばデータと関連付けられたフラグによって、第1芸術データ、第2芸術データ、及び/又は、第3芸術データを、区別できる態様であってよい。
【0072】
また、メインデータベース部は、一又は複数のデータベース部を含んでもよい。例えば、メインデータベース部は、3つのデータベース部を含んでよい。この場合、本願書類において、各メインデータベース部を、第1メインデータベース部、第2メインデータベース部、第3メインデータベース部、と称することもある。なお、メインデータベース部が、3つのデータベース部を含む場合、後述のとおり、学術的資料に係る第1芸術データ、公開される芸術施設に係る第2芸術データ、一般に公開される第3芸術データ、と芸術施設に係る芸術作品についてのデータを芸術作品に係るデータを踏まえて段階的に区分けできる利点がある。
【0073】
メインデータベース部が、第1メインデータベース部を含む場合、第1メインデータベース部は、第1芸術データを格納してよい。また、第1メインデータベース部は、格納するデータに対してアクセス可能なネットワーク及び/又は第1乃至第3芸術データを、設定する機能を有してよい。
【0074】
メインデータベース部が、第2メインデータベース部を含む場合、第2メインデータベース部は、第2芸術データを格納してよい。
【0075】
メインデータベース部が、第3メインデータベース部を含む場合、第3メインデータベース部は、第3芸術データを格納してよい。
【0076】
また、メインデータベース部は、一又は複数のコンバータを含んでよい。コンバータは、データの内容及び/又は形式を変更する機能を有してよい。
【0077】
例えば、メインデータベース部は、第12コンバータを含み、かかる第12コンバータは、第1メインデータベース部及び第2メインデータベース部と接続可能であってよい。第12コンバータは、第1メインデータベース部と第2メインデータベース部との間に設置され、第1メインデータベース部のデータを第2メインデータベース部内に移動する場合に、データの内容及び/又は形式する機能を有してよい。
【0078】
後述の通り、第2メインデータベース部は、第2アクセス提供部と接続可能であってよく、第2アクセス提供部は、一例として、第2芸術施設内においてデータを提供してよい。この場合、第1メインデータベース部内のデータとして、第1芸術施設内に公開してよいが、第2芸術施設内には公開してはいけないものがある場合、かかるコンバータによって、データの内容及び/又は形式を変更することで、第2芸術施設内において公開してはいけないデータを、物理的に、第1メインデータベース部から、第2芸術施設と連携しうる第2メインデータベース部に移動しないよう制御し、データの機密性を物理的に維持できる利点がある。
【0079】
また、メインデータベース部は、第23コンバータを含み、かかる第23コンバータは、第1メインデータベース部及び第2メインデータベース部と接続可能であってよい。第12コンバータは、第1メインデータベース部と第2メインデータベース部との間に設置され、第1メインデータベース部のデータを第2メインデータベース部内に移動する場合に、データの内容及び/又は形式する機能を有してよい。
【0080】
後述の通り、第3メインデータベース部は、第3アクセス提供部と接続可能であってよく、第3アクセス提供部は、一例として、第3芸術施設内においてデータを提供してよい。この場合、第2メインデータベース部内のデータとして、第2芸術施設内に公開してよいが、第3芸術施設内には公開してはいけないものがある場合、かかるコンバータによって、データの内容及び/又は形式を変更することで、第3芸術施設内において公開してはいけないデータを、物理的に、第2メインデータベース部から、第3芸術施設と連携しうる第3メインデータベース部に移動しないよう制御し、データの機密性を物理的に維持できる利点がある。
【0081】
また、メインデータベース部は、一又は複数の各ローカルデータベース部との間にコンバータを含んでもよいし、含まなくてもよい。かかるコンバータを含む場合、例えば、第11コンバータは、第1ローカルデータベース部及び第1メインデータベース部と接続可能であってよい。第11コンバータは、第1ローカルデータベース部と第1メインデータベース部との間に設置され、第1ローカルデータベース部のデータを第1メインデータベース部内に移動する場合に、データの内容及び/又は形式する機能を有してよい。
【0082】
図3は、かかる一実施形態のシステムの構成を図示したものである。
【0083】
上述において、データベース部を実現する情報処理装置は、種々の構成、対応であってよい。例えば、データベース部は、一又は複数の情報処理装置で構成されてよい。また、データベース部内の、ローカルデータベース部やメインデータベース部は、各々、一又は複数の情報処理装置で構成されてよい。また、メインデータベース部内の第1乃至第3メインデータベース部及び各コンバータ部は、各々、一又は複数の情報処理装置で構成されてよい。また、一の情報処理装置によって複数の機能を構成することも可能であることから、例えば、第1メインデータベース部と第12コンバータ部を一の情報処理装置で構成し、第2メインデータベース部と第23コンバータ部を一の情報処理装置で構成する、など、これらに限られず、多様な構成であってよい。また、データベースを実現する情報処理装置は、種々のデータベース技術を利用してよく、データベースモデルも種々のものが使用されてよい。例えば、リレーショナルデータモデル、オブジェクトデータモデル、ネットワーク型データモデル、階層型データモデル、などがあってよく、かかるデータモデルを実装する種々のデータベースが用いられてよい。
【0084】
なお、例えば、第1メインデータベース部と第12コンバータ部とを接続するネットワークと、第2メインデータベース部のネットワークと、を異なるものとした場合、第1メインデータベース部内のデータと、第2メインデータベース部内のデータと、を物理的に異なるネットワークとすることができるため、第1メインデータベース部内のデータの機密性を向上できる利点がある。また、特に、第1メインデータベース部と第12コンバータ部とを接続するネットワークと、第2メインデータベース部のネットワークと、の間にファイアウォールを設定する場合、かかるファイアウォールによって、より第1メインデータベース部内のデータと、第2メインデータベース部内のデータと、のデータの移転を制御可能であるため、データの機密性を向上できる利点がある。
【0085】
同様に、例えば、第2メインデータベース部と第23コンバータ部とを接続するネットワークと、第3メインデータベース部のネットワークと、を異なるものとした場合、第2メインデータベース部内のデータと、第3メインデータベース部内のデータと、を物理的に異なるネットワークとすることができるため、第2メインデータベース部内のデータの機密性を向上できる利点がある。また、特に、第2メインデータベース部と第23コンバータ部とを接続するネットワークと、第3メインデータベース部のネットワークと、の間にファイアウォールを設定する場合、かかるファイアウォールによって、より第2メインデータベース部内のデータと、第32メインデータベース部内のデータと、のデータの移転を制御可能であるため、データの機密性を向上できる利点がある。
【0086】
なお、上述においては、第3メインデータベース部内のデータを、第2メインデータベース部から取得する構成を説明したが、かかる構成と共に、又は、かかる構成に代えて、第3メインデータベース部と、第1メインデータベース部と、を接続してもよいし、かかる第3メインデータベース部と、第1メインデータベース部と、の間に第13コンバータ部とを設けて、かかる第13コンバータ部が、第1メインデータベース部内のデータの内容及び/又は形式を変更して、第3メインデータベース部内に移転するよう構成してもよい。また、同様に、第1メインデータベース部と第13コンバータ部とを接続するネットワークと、第3メインデータベース部のネットワークと、を異なるものとしたり、かかる間にファイアウォールを設定した場合、上述と同様に、データの機密性を向上できる利点がある。
【0087】
2.2.第1アクセス提供部22
第1アクセス提供部は、データベース部に対するアクセスを提供する。また、第1アクセス提供部は、第1ネットワークを提供する。
【0088】
第1アクセス提供部は、第1ネットワークを介して、例えば、第1芸術施設内の情報処理装置に対し、アクセスを提供してよく、第1芸術施設内の情報処理装置は、かかる第1アクセス提供部にアクセス可能であってよい。第1芸術施設内の情報処理装置としては、例えば、第1芸術施設内で芸術作品について研究、調査、及び/又は、資料作成、をする者(本願書類において、「研究員等」ということもある。)が利用する情報処理装置(本願書類において、「研究員等用情報処理装置」ということもある。)であってよい。かかる資料は、専門家向けの資料であってもよいし、一般人向けの資料であってもよい。また、一般人向けの資料は、大人用の資料を含んでもよいし、子供用の資料を含んでもよい。第1アクセス提供部は、第1ネットワークを介して、例えば、第1芸術施設内の情報処理装置のみからアクセス可能であってよい。この場合、第1アクセス提供部の管理するデータは、第1芸術施設内の情報処理装置からであることとなり、機密性を向上できる利点がある。また、第1アクセス提供部は、第1ネットワークを介して、例えば、第1芸術施設内に設置された情報処理装置のみからアクセス可能であってよい。この場合、第1アクセス提供部の管理するデータは、第1芸術施設内に設置された情報処理装置からであることとなり、機密性を向上できる利点がある。
【0089】
また、一実施形態のシステムは、第1アクセス提供部を介して、データベース部内の第1芸術データを、研究員等用情報処理装置から、利用可能であってよい。第1芸術データは、例えば、上述の、研究員等が閲覧、作成、管理、及び/又は、利用、などをするデータであってよい。かかる第1芸術データは、芸術作品について、専門家向けに作成された資料を含んでよいし、一般人向けに作成された資料を含んでよい。一般人向けの資料は、大人用の資料を含んでよいし、子供用の資料を含んでよい。
【0090】
なお、第1芸術データは、第2芸術データを含んでよく、第2芸術データの上位概念であってよい。また、第2芸術データは、第1芸術データに基づいて変更・修正されたデータであってもよい。
【0091】
また、第1芸術データは、第3芸術データを含んでよく、第3芸術データの上位概念であってよい。また、第3芸術データは、第1芸術データに基づいて変更・修正されたデータであってもよい。
【0092】
また、データベース部が、第1メインデータベースを有する場合、第1アクセス提供部は、第1メインデータベースと接続可能であってよい。
【0093】
芸術作品を備える施設は、芸術作品の研究を深化できる理想的な研究環境の一つである。しかしながら、芸術作品の研究を深めるためには、芸術作品自体にとどまらず、種々の関連する研究資料があることが好ましい。また、芸術作品についての最先端の知見は、芸術作品の研究者が有していることが多いが、かかる知見を早期に一般の聴衆、すなわち、芸術作品を鑑賞しに来場する来場者に提供できることが好ましい。
【0094】
そこで、一実施形態に係るシステムが、データベース部と第1アクセス提供部を備え、かかる第1アクセス提供部と接続可能な情報処理装置から、芸術作品についての専門的な資料について閲覧したり格納する等の管理が可能であり、かつ、一般人用の資料を格納したり閲覧する等の管理が可能である場合、芸術作品についての研究を深めると同時に、かかる知見を一般人に早期に提供できる資料を作成できる利点がある。
【0095】
第1アクセス提供部は、メインデータベース部が格納するデータについて、第1芸術データ、第2芸術データ、第3芸術データ、第1芸術データかつ第2芸術データ、第1芸術データかつ第3芸術データ、第1乃至第3芸術データ、のいずれかであるかの設定を可能とする機能を提供してよい。また、第1アクセス提供部のみが、メインデータベース部が格納するデータについて、第1芸術データ、第2芸術データ、第3芸術データ、第1芸術データかつ第2芸術データ、第1芸術データかつ第3芸術データ、第1乃至第3芸術データ、のいずれかであるかの設定を可能とする機能を提供してよく、第2アクセス提供部及び第3アクセス提供部は、かかる機能の提供できなくてよい。この場合、第1アクセス提供部が提供する第1芸術施設内の情報処理装置のみから、格納するデータについてのアクセス可能な範囲を設定できる利点がある。かかる格納するデータは、ファイル単位、及び/又は、フォルダ単位、であってよい。この場合、より精緻に、アクセス可能な範囲を設定できる利点がある。
【0096】
また、第1アクセス提供部による情報の提供方法は、ユニキャストでもよいし、ブロードキャストでもよいし、マルチキャストでもよい。
【0097】
また、第1アクセス提供部による情報の提供の契機は、例えば、来場者が持参した端末からの要求に対応して送信してもよいし、かかる端末からの要求を必要とせずに送信してもよい。また、送信のタイミングは、かかる端末からの要求に対応するタイミングで情報を送信してもよいし、かかる端末からの要求を必要とせず又はかかる要求とは関係のないタイミングで情報を送信してもよい。
【0098】
第1アクセス提供部を構成するハードウェアは、例えば、通信機能を備える情報処理装置であってよい。また、通信機能は、無線通信であってもよいし、有線通信であってもよい。通信機能を備える情報処理装置は、例えば、無線通信であれば、無線LANの通信が可能な情報処理装置であってよい。例えば、WIFI接続機器、ブルートゥース機器、近距離無線通信機器、などであってよく、その規格も、IEEE802.11、IEEE802.15などであってよいが、これらに限られない。有線通信であれば、イーサネットの通信が可能な情報処理装置であってよい。なお、通信機能を備える情報処理装置は、リピータ、ブリッジ、ルータなどの機能を備えてよい。
【0099】
2.3.第2アクセス提供部
第2アクセス提供部は、データベースに対するアクセスを提供する。また、第2アクセス提供部は、第2ネットワークを提供する。
【0100】
第2アクセス提供部は、第2ネットワークを介して、例えば、第2芸術施設内の情報処理装置に対し、アクセスを提供してよく、第2芸術施設内の情報処理装置は、かかる第2アクセス提供部にアクセス可能であってよい。
【0101】
近年の情報処理技術の革新は目覚ましく、最先端のデバイスが、実質的に最先端である期間は、1乃至2ヵ月程度である。そのため、芸術施設内においてかかる最先端デバイスを備え、芸術施設の来場者に対してかかる備えられた最先端のデバイスを提供したところで、数ヵ月でそのデバイスは最先端ではなくなってしまう。そのため、最先端デバイスを芸術施設で常に提供することを考えると、設備負担が過重となり、現実的ではない。
【0102】
一実施形態に係るシステムが、データベース部と第2アクセス提供部を備える場合、芸術施設に来場した者が持参する最新の携帯情報端末(例えば、スマートフォン、タブレット、ファブレット、スマートウォッチなどのスマートデバイスなどが挙げられるが、これらに限られない)にアプリケーションを提供することにより、来場者が持参しうる最先端デバイスを活用して、芸術作品の鑑賞をサポート可能となる利点がある。また、かかる場合、来場者は、常日頃利用し、愛着のある携帯端末を用いて、芸術作品を鑑賞できる利点もある。なお、第2アクセス提供部が、第1アクセス提供部を介して芸術作品に関する研究員等が作成した資料に基づいた第2芸術データに対するアクセスを提供する場合、上述のとおり、最先端の芸術作品に関する知見を有する研究員等によって作成された芸術作品についての資料が、美術館などの第2芸術施設に来場した一般人に公開することができ、より芸術作品についての研究成果を広く一般人も含めて早期に公開できる利点がある。
【0103】
また、第2ネットワークは、例えば、第2芸術施設内に位置する情報処理装置がアクセス可能であってよい。第2芸術施設内に位置する情報処理装置は、例えば、第2芸術施設内に設置され、第2芸術施設に訪問した来場者が利用可能な情報処理装置を含んでよい。また、第2芸術施設内に位置する情報処理装置は、第2芸術施設内に訪問した来場者が持参した情報処理装置を含んでよい。
【0104】
また、第2アクセス提供部は、第2ネットワークを介して、例えば、第2芸術施設内の情報処理装置のみからアクセス可能であってよい。この場合、第2アクセス提供部が提供するデータは、第2芸術施設内の情報処理装置に対してのみ提供されるととなり、第2芸術施設に訪問した来場者のみが、かかる第2芸術データにアクセスできるメリットを享受できる利点がある。
【0105】
また、第2アクセス提供部は、データベース部内の第2芸術データ、を提供してよい。第2芸術データは、例えば、芸術作品について、一般人向けに作成された資料であってもよい。一般人向けの資料は、大人用の資料を含んでよいし、子供用の資料を含んでよい。
【0106】
データベース部が、第2メインデータベースを有する場合、第2アクセス提供部は、第2メインデータベースと接続可能であってよい。
【0107】
また、第2芸術データは、前記第2ネットワークを介したWebAPIを用いて、アクセス可能であってよい。
【0108】
WEBAPIは、HTML、CSV、などの情報へのアクセスを提供する種々のプロトコルを含んでよい。一実施形態に係るシステムが、情報へのアクセスを提供する種々のプロトコルを含むWEBAPIを用いて、情報へのアクセスを可能とする場合、よく利用されたWEBAPIであることから、迅速かつ柔軟なアプリケーション開発が可能となり、また、種々の新デバイスへの対応が可能となる利点がある。
【0109】
また、第2アクセス提供部による情報の提供方法、第2アクセス提供部による情報の提供の契機、及び/又は、第2アクセス提供部を構成するハードウェアは、各々、上述に記載した第1アクセス提供部と同じであってもよいし、異なってもよい。
【0110】
なお、第1芸術施設と第2芸術施設が同一の施設の場合において、第1アクセス提供部が提供する第1ネットワークと、第2アクセス提供部が提供する第2ネットワークは、異なるネットワークであってよい。例えば、例えば、同一の施設としての美術館において、第2アクセス提供部は地下から3階までの領域でアクセス可能な第2ネットワークを提供し、第1アクセス提供部は4階や別館の領域でアクセス可能な第1ネットワークを提供する、などであってよい。
【0111】
2.4.第3アクセス提供部
第3アクセス提供部は、データベースに対するアクセスを提供する。また、第3アクセス提供部は、第3ネットワークを提供する。第3ネットワークは、一般的なインターネットであってよい。
【0112】
データベース部が、第3メインデータベースを有する場合、第3アクセス提供部は、第3メインデータベースと接続可能であってよい。
【0113】
また、第3アクセス提供部による情報の提供方法、第3アクセス提供部による情報の提供の契機、及び/又は、第3アクセス提供部を構成するハードウェアは、各々、上述に記載した第1アクセス提供部と同じであってもよいし、異なってもよい。
【0114】
3.実施形態に係るシステム
3.1.一実施形態に係るシステムの構成
一実施形態に係るシステムは、メインデータベース部を備え、メインデータベース部が第1メインデータベース部乃至第3メインデータベース部から構成され、第1メインデータベース部へのアクセスを提供する第1アクセス提供部と、第2メインデータベース部へのアクセスを提供する第2アクセス提供部と、第3メインデータベース部へのアクセスを提供する第3アクセス提供部と、を備えるシステムであってよい。図4は、かかるシステムの一例である。なお、ここでは、第1メインデータベース部は、メタデータベース401Aに対応し、第2メインデータベース部がミュージアムデータベース401Bに対応し、第3メインデータベース部がパブリックデータベース401Cに対応してよい。
【0115】
また、第1アクセス提供部がメタデータベースと連結可能にアクセスを提供するものであってよい(図示されていない)。かかる第1アクセス提供部が、メタデータベースへのアクセスを提供する場合、例えば、研究員等が研究などを行う施設内である第1芸術施設内に設置された研究員等用情報処理装置からアクセスが可能であり、第1芸術データにアクセスし、芸術作品についての研究や資料の作成が可能である利点がある。
【0116】
また、第2アクセス提供部が、ミュージアムDBAPI402Aを介して、ミュージアムデータベースへのアクセスを提供するものであってよい。かかる第2アクセス提供部が、ミュージアムデータベースへのアクセスを提供する場合、例えば、美術館などの第2芸術施設内に訪問した来場者が、来場者が持参した最先端の情報処理装置を用いて、ミュージアムデータベース内の第2芸術データにアクセス可能である利点がある。
【0117】
また、第3アクセス提供部が、パブリックDBAPI402Bを介して、パブリックデータベースへのアクセスを提供するものであってよい。かかる第3アクセス提供部が、パブリックデータベースへのアクセスを提供する場合、例えば、美術館などの第2芸術施設内に訪問する前や訪問した後の来場者が、来場者が有する最先端の情報処理装置を用いて、パブリックデータベース内の第3芸術データにアクセス可能である利点がある。
【0118】
ここで、App1乃至m405は、かかる美術館への来場者が有する情報処理装置上のアプリケーションを例示しており、各来場者が普段使用する情報処理装置を用いて、美術館の外部では、パブリックDBAPIを介して、パブリックデータベースにアクセス可能であることを示し、各来場者が普段使用する同一の情報処理装置を用いて、かかる美術館内ではミュージアムデータベースにアクセス可能であることを示している。
【0119】
また、一実施形態のシステムが、第12コンバータであるメタデータコンバータ403Aを備える場合において、メタデータベース内のデータに基づいて、ミュージアムデータベース内にデータを格納する場合、必要に応じて、すなわち、所定の条件を充足するデータについて、データの内容又は形式を変更できる利点がある。例えば、ミュージアムデータベースは、第2芸術施設としての美術館に訪問した一般来場者に公開されうるデータが格納されることから、一のファイル内のデータや一のフォルダ内のデータについて、公開が適さない場合がある。公開が適さない場合は、例えば、契約上、公開についてのライセンスを受けていない場合等が挙げられる。そこで、メタデータベース内のデータに基づいて、ミュージアムデータベースにデータを格納する場合に、メタデータベース内のデータをそのままミュージアムデータベースに移動する場合もあれば、メタデータコンバータ403Aが所定の条件を充足するメタデータベース内のデータに対して予め定められた変換ルールに基づいてデータの変更処理を行った後のデータをミュージアムデータベースに移動する場合もあってよい。このように構成することで、かかる適切な対応を可能にできる利点がある。ここで、所定の条件は、例えば、公開についてのライセンスを受けていないデータを含む場合等が挙げられ、対応する予め定められた変換ルールは、例えば、かかるライセンスを受けていないデータを削除する変更処理または他のデータに変更する変更処理等が挙げられる。このように、第12コンバータであるメタデータコンバータ403Aは、メタデータベース内の第1芸術データに基づき、ミュージアムデータベース内に第2芸術データを生成してよい。
【0120】
また、一実施形態に係るシステムが、メタデータベース内のデータに基づいて、ミュージアムデータベース内にデータを格納するタイミングが、例えば、毎日所定の時刻に行われる場合、美術館内に公開されるデータの変更や修正を、迅速に行うことができる利点がある。
【0121】
同様に、一実施形態のシステムが、第23コンバータであるミュージアムデータコンバータ403Bを備える場合において、ミュージアムデータベース内のデータに基づいて、パブリックデータベース内にデータを格納する場合、必要に応じて、すなわち、所定の条件を充足するデータについて、データの内容又は形式を変更できる利点がある。例えば、パブリックデータベースは、インターネット上の外部に公開されうるデータが格納されることから、一のファイル内のデータや一のフォルダ内のデータについて、一般の公開が適さない場合がある。一般の公開が適さない場合は、例えば、上述の契約上の観点や、芸術的な観点から美術館内での公開にとどめておくべきデータの場合等が挙げられる。そこで、ミュージアムデータベース内のデータに基づいて、パブリックデータベースにデータを格納する場合に、ミュージアムデータベース内のデータをそのままパブリックデータベースに移動する場合もあれば、ミュージアムデータコンバータ403Bが所定の条件を充足するミュージアムデータベース内のデータに対して予め定められた変換ルールに基づいてデータの変更処理を行った後のデータをパブリックデータベースに移動する場合もあってよい。かかる場合の一例としては、例えば、ある芸術作品について撮像されて細部まで描写可能な第1所定の解像度以上の解像度を有する画像のデータは、美術館内で公開される場合を考える。ミュージアデータコンバータは、かかる画像データを、パブリックデータベース内に格納する場合に、かかる画像の解像度をかかる第1所定の解像度よりも低い、第2所定の解像度の画像データに変換してよい。このようにすることで、上述の利点を得ることが可能となる。このように、第23コンバータであるミュージアムデータコンバータ403Bは、メタデータベース内の第1芸術データに基づいて生成された、ミュージアムデータベース内の第2芸術データに基づき、パブリックデータベース内に第3芸術データを生成してよい。なお、他の態様として、上述のとおり、第13コンバータが、第1芸術データに基づき第3芸術データを直接生成してもよい。
【0122】
また、一実施形態に係るシステムが、ミュージアデータベース内のデータに基づいて、パブリックデータベース内にデータを格納するタイミングが、例えば、毎日所定の時刻に行われる場合、一般に公開されるデータの変更や修正を、迅速に行うことができる利点がある。
【0123】
また、一実施形態のシステムは、メタデータベースを含むネットワークと、ミュージアデータベースを含むネットワークの間に、ファイアウォール404Aを備えてよい。この場合、メタデータベースを含むネットワークと、ミュージアデータベースを含むネットワークの間の情報のアクセスを制限し、メタデータベースのセキュリティを向上できる利点がある。
【0124】
また、一実施形態のシステムは、ミュージアデータベースを含むネットワークと、パブリックデータベースを含むネットワークの間に、ファイアウォール404Bを備えてよい。この場合、ミュージアデータベースを含むネットワークと、パブリックデータベースを含むネットワークの間の情報のアクセスを制限し、ミュージアデータベースのセキュリティを向上できる利点がある。
【0125】
一実施形態に係るシステムは、例えば、図5のような表示を行い、かかるシステムについての説明が表示されてよい。
【0126】
また、第1メインデータベース部は、第1乃至第5ローカルデータベースと接続可能であってよい。なお、本図においては、ローカルデータベース4061乃至406nとして図示している。
【0127】
第1ローカルデータベースは、上述の種々の芸術作品情報を格納するデータベースであってよい。かかるデータベースは商用のシステムであってもよく、例えば、図5のようなログイン画面からログイン可能であってよい。かかるシステムは、種々の芸術作品情報を格納してよく、検索機能を備えてよい。例えば、図7は、かかるデータベースの検索機能の表示画面の一例である。
【0128】
第2ローカルデータベースは、上述の芸術作品に対する社会的活動に係る情報を格納するデータベースであってよい。例えば、図8のようなログイン画面からログイン可能であってよい。かかるシステムは、種々の芸術作品情報を格納してよく、検索機能を備えてよい。例えば図9は、かかるデータベースの検索機能の表示画面の一例である。
【0129】
第3ローカルデータベースは、写真、音声、及び動画、の形式で上述の芸術作品の解説する情報を格納するデータベースであってよい。図10は、芸術作品を解説する情報を検索した画面の一例である。かかる画面においては、作品IDと関連付けられて、芸術作品を撮像した画像、芸術作品の名称、作者名、分類、作品番号、そして、かかる芸術作品を解説する画像、音声、動画、が関連付けられて表示されている。また、かかる画面、かかるデータベースがこれらの各データを関連付けて記憶したことに基づき、表示されてよい。
【0130】
第4ローカルデータベースは、上述のテキスト形式で上述の芸術作品の解説に供される情報を格納するデータベースであってよい。例えば、図11のようなログイン画面からログイン可能であってよい。かかるシステムは、テキスト形式の芸術作品の解説に供される情報を格納してよく、検索機能を備えてよい。例えば、図12は、かかるデータベースの検索機能の表示画面の一例である。
【0131】
第5ローカルデータベースは、イベントに係る情報を格納するデータベースであってよい。
【0132】
第1メインデータベース部は、かかる第1乃至第5ローカルデータベースから、設定された所定のデータを、毎日所定の時刻に取得し、格納してよい。また、第1メインデータベース部は、かかる第1乃至第5ローカルデータベース以外の情報処理装置からのデータも、格納してよい。例えば、研究員等用情報処理装置が格納するデータを、第1メインデータベース部内に格納してよい。また、第1メインデータベース部に移動されたデータは、開示範囲の初期設定としては、第1芸術データ、に設定されてよい。これにより、新たに移動されたデータが、意図せず、美術館内への公開や、インターネットを介した公開などの情報の漏洩するリスクを低減できる利点がある。なお、かかる取得前から予め有していたファイルやフォルダは、かかる取得前に設定されていた開示範囲の設定(例えば、第1芸術データ、第2芸術データ、第3芸術データなど)を変更せずに維持されてもよい。この場合、予め設定された開示範囲が第1芸術データに変更されないことにより、再度開示範囲を設定しなおす負担が減少する利点がある。
【0133】
3.2.一実施形態に係るシステムのフロー
ステップ1
第1乃至第5ローカルデータベースから、毎日、第1所定の時刻に、メタデータベース等の第1メインデータベースへ、第1芸術データが格納される。
【0134】
ステップ2
第1メインデータベース部から、毎日、第2所定時刻に、ミュージアデータベース等の第2メインデータベース部に、第2芸術データが格納される。
【0135】
ステップ3
第1メインデータベース部又は第2メインデータベース部から、毎日、第3所定時刻に、第3芸術データが、パブリックデータベース等の第3メインデータベース部に格納される。
【0136】
なお、上述において、各データについての各格納は、既にデータが格納済みのファイルで同一のファイルについては、再度格納しなくてよい。この場合、一実施形態のシステムは、ファイルの同一性のみを確認し、ファイルが同一であることが判定された場合には、再度格納の処理を行わなくてよい。
【0137】
また、第1メインデータベース部内のデータについて、第1芸術データ、第2芸術データ、第3芸術データ、第1芸術データかつ第2芸術データ、第1芸術データかつ第3芸術データ、第1乃至第3芸術データのいずれかであるかの設定は、上述のフローのどの時点においても可能であってよい。
【0138】
4.一実施形態に係るシステムの構成
一実施形態に係るシステムは、一又は複数の情報処理装置から構成されてよい。かかる情報処理装置の一例として、情報処理装置1410を説明する。情報処理装置は、図14のように、バス1411、演算装置1412、記憶装置1413、及び通信IF1416を備えてよい。また、情報処理装置は、入力装置1414、表示装置1415を備えてよい。また、ネットワーク19と、直接または間接的に接続される。
【0139】
バスは、演算装置、記憶装置、入力装置、表示装置及び/又は通信IFの間の情報を伝達する機能を有してよい。
【0140】
演算装置の例としては、例えばプロセッサが挙げられる。これは、CPUであってもよいし、MPUであってもよい。また、グラフィックスプロセッシングユニット、デジタルシグナルプロセッサなどを有してもよい。要するに、演算装置は、プログラムの命令を実行できる装置であればよい。
【0141】
記憶装置は、情報を記録する装置である。これは、外部メモリと内部メモリのいずれでもよく、主記憶装置と補助記憶装置のいずれでもよい。また、磁気ディスク(ハードディスク)、光ディスク、磁気テープ、半導体メモリなどでもよい。また、ネットワークを介した記憶装置又は、ネットワークを介したクラウド上の記憶装置を有してもよい。
【0142】
なお、演算装置に物理的に近い位置で情報を記憶する、レジスタ、L1キャッシュ、L2キャッシュなどは、計算機アーキテクチャのデザインとして、演算装置内に含ませてもよいし、記憶装置がこれらを含んでもよい。要するに、演算装置、記憶装置及びバスが協調して、情報処理を実行できるよう構成されていればよい。
【0143】
記憶装置は、一実施形態に係るシステムを実行するプログラムを備えることができる。また、一実施形態に係るシステムを実行する際に必要なデータを、適宜記録することもできる。また、記憶装置が、データベースを含んでもよいし、情報処理装置自体がデータベースであってもよい。
【0144】
また、上記は、演算装置が、記憶装置に備えられたプログラムに基づいて実行される場合を記載したが、上記のバス、演算装置と記憶装置が組み合わされた形式の一つとして、一実施形態に係るシステムに係る情報処理を、ハードウェア回路自体を変更することができるプログラマブルロジックデバイス又は実行する情報処理が決まっている専用回路で実現されてもよい。
【0145】
入力装置は、情報を入力するものであるが、他の機能を有してもよい。また、入力装置としては、キーボード、マウス、タッチパネル、又はペン型の指示装置などの入力装置であってよい。
【0146】
表示装置は、情報を表示する機能を有する。例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどが挙げられるが、要するに、情報を表示できる装置であればよい。また、タッチパネルのように入力装置を一部に備えてもよい。
【0147】
ネットワークは、通信IFと共に、情報を伝達する。すなわち、情報処理装置内の情報を、ネットワークを介して他の情報端末(図示しない)に伝達できるようにする機能を有する。
【0148】
本願発明の一実施例に係る情報処理装置を構成するハードウェアは、汎用電子計算機であってもよいし、専用電子計算機であってもよい。また、当該ハードウェアは、ワークステーション、デスクトップパソコン、ラップトップパソコン、ノートパソコン、PDA、携帯電話、スマートフォンなどでもよい。
【0149】
本図では、一台の情報処理装置として説明したが、情報処理装置は、複数の情報処理装置で構成されてもよい。当該複数の情報処理装置は、内部的に接続されていてもよいし、ネットワークを介して外部的に接続されていてもよい。また、情報処理装置は、物理的な存在であってもよいし、仮想的なものであってもよい。例えば、クラウドコンピューティングを用いて、情報処理装置を実現してもよい。特に、データベース等を、クラウドで実現してもよい。また、情報処理装置が複数の情報処理装置で構成される場合、その所有者は、異なってもよい。また、情報処理装置を本願発明に係るシステムとして運営する者は、情報処理装置の所有者と異なっていてもよい。例えば、一実施形態に係るシステムをクラウドで実現する場合、一実施形態のシステムの一部が所有者に係るシステムであり、一実施形態に係るシステム内のデータベースなどを異なる所有者のクラウドとしてもよい。この場合、一実施形態に係るシステムは、かかる他の所有者のクラウドに対するデータの送信及びかかるクラウドからの受信に係る部分を備えるが、かかる一実施形態に係るシステムはかかるクラウドが備える部分を有しなくともよい。
【0150】
本願書類の実施例において述べた発明例は、本願書類で説明されたものに限らず、その技術的思想の範囲内で、種々の例に適用できることはいうまでもない。例えば、本願書類の実施例において、情報処理装置の画面に提示される情報は、他の情報処理装置における画面で表示できるために前記他の情報処理装置に対して送信できるよう、各実施例のシステムが構成されてもよい。
【0151】
また、本願書類で説明される種々の処理及び手順は、上述で説明した実施形態において明示的に説明されたものによってのみならず、上述の各構成の技術思想に基づき暗示的に説明されたもので実現されてよく、また、ソフトウェア、ハードウェア又はこれらの組み合わせによっても実現可能なものであってよい。また、本願書類で説明される処理及び手順は、それらの処理・手順の一部又は全部をコンピュータプログラムとして実装し、各種のコンピュータに実行させることが可能であってよい。またこれらのコンピュータプログラムは、記憶媒体に記憶されてよい。また、これらのプログラムは、非一過性又は一時的な記憶媒体に記憶されてよい。
【符号の説明】
【0152】
401A メタデータベース
401B ミュージアデータベース
401C パブリックデータベース
402A ミュージアムDBAPI
402B パブリックDBAPI
403A メタデータコンバータ
403B ミュージアデータコンバータ
404A ファイアウォール
404B ファイアウォール
405 情報処理装置上のアプリケーション
4061 第1ローカルデータベース
406n 第nローカルデータベース
4071 第1データコンバータ
407n 第nデータコンバータ
1410 情報処理装置
1411 バス
1412 演算装置
1413 記憶装置
1414 入力装置
1415 表示装置
1416 通信IF
1419 ネットワーク


図1
図2
図3
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