(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】ヘッドガスケット
(51)【国際特許分類】
F16J 15/08 20060101AFI20221221BHJP
F02F 11/00 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
F16J15/08 Q
F02F11/00 B
F16J15/08 G
(21)【出願番号】P 2019229740
(22)【出願日】2019-12-19
【審査請求日】2021-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100187377
【氏名又は名称】芳野 理之
(74)【代理人】
【識別番号】100098796
【氏名又は名称】新井 全
(74)【代理人】
【識別番号】100121647
【氏名又は名称】野口 和孝
(72)【発明者】
【氏名】小山 秀行
(72)【発明者】
【氏名】金子 莉菜
(72)【発明者】
【氏名】松延 新吾
(72)【発明者】
【氏名】田中 良憲
(72)【発明者】
【氏名】田中 陽
【審査官】山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-032940(JP,A)
【文献】実開昭61-117960(JP,U)
【文献】実開昭61-010955(JP,U)
【文献】特開2013-023507(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/00-15/14
F02F 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟まれた状態で配置されるヘッドガスケットであって、
水および油の少なくともいずれかを通過させる穴を有する基板と、
前記基板の一方の面に形成された第1ゴムコート層と、
前記基板の他方の面に形成された第2ゴムコート層と、
を有し、
前記基板は、前記
基板の外周縁部および前記穴の内周縁部に設けられ前記シリンダヘッドと前記シリンダブロックとの間に挟まれた状態において前記シリンダヘッドおよび前記シリンダブロックの少なくともいずれかに向かって突出した凸部を有することを特徴とするヘッドガスケット。
【請求項2】
前記凸部は、
前記
基板の外周縁部に設けられ前記一方の面から前記シリンダヘッドの側に向かって突出した第1凸部と、
前記穴の内周縁部に設けられ前記他方の面から前記シリンダブロックの側に向かって突出した第2凸部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のヘッドガスケット。
【請求項3】
前記凸部は、
前記
基板の外周縁部に設けられ前記他方の面から前記シリンダブロックの側に向かって突出した第1凸部と、
前記穴の内周縁部に設けられ前記一方の面から前記シリンダヘッドの側に向かって突出した第2凸部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のヘッドガスケット。
【請求項4】
前記凸部は、
前記
基板の外周縁部に設けられ前記一方の面から前記シリンダヘッドの側に向かって突出した第1凸部と、
前記穴の内周縁部に設けられ前記他方の面から前記シリンダブロックの側に向かって突出した第2凸部と、
前記
基板の外周縁部に設けられ前記他方の面から前記シリンダブロックの側に向かって突出した第3凸部と、
前記穴の内周縁部に設けられ前記一方の面から前記シリンダヘッドの側に向かって突出した第4凸部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のヘッドガスケット。
【請求項5】
前記凸部は、前記基板と前記第1ゴムコート層とにより形成され前記水および前記油をシールするシールラインと、前記基板と前記第2ゴムコート層とにより形成され前記水および前記油をシールするシールラインと、に近い位置に設けられたことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のヘッドガスケット。
【請求項6】
前記一方の面および前記他方の面を基準としたときの前記凸部の突出高さは、前記第1ゴムコート層および前記第2ゴムコート層のそれぞれの厚みよりも小さいことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のヘッドガスケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドガスケットに関し、より具体的には、ゴムコート層を有するヘッドガスケットに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドガスケットは、エンジンのシリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟まれた状態で配置される。この種のヘッドガスケットは、メタル製のガスケット基板と、メタル製のガスケット基板に接着されたゴムコート層と、を有する。例えば産業用ディーゼルエンジンにおいては、ディーゼルエンジンの生産性の向上と、増し締め工程の削減と、を理由として、メタル製のガスケット基板を有するヘッドガスケットが採用されている。メタル製のガスケット基板を有するヘッドガスケットは、例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、エンジンが長時間高負荷で運転すると、エンジン運転中にシリンダブロックあるいはクランクケースの熱膨張が起こる。そうすると、シリンダブロックの熱膨張により、シリンダヘッドとシリンダブロックとを互いに締結しているヘッドボルトの軸力の及ぶ範囲から遠い部位(離れた箇所)において、ヘッドガスケットのゴムコート層が流れる現象が生じることがある。言い換えれば、ヘッドガスケットのゴムコート層が、柔らかくなったり溶けたりすることによりメタル製のガスケット基板から流動する現象(流れてずれる現象)が生じることがある。
【0005】
ゴムコート層がガスケット基板から流動すると、シリンダヘッドとシリンダブロックとの間におけるヘッドガスケットのシール性能が低下するので、エンジンの性能とエンジンの耐久性とが低下するおそれがある。
【0006】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、シリンダブロックの熱膨張が生じた場合であっても、ゴムコート層がガスケット基板から流動する現象を抑えることができるヘッドガスケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟まれた状態で配置されるヘッドガスケットであって、水および油の少なくともいずれかを通過させる穴を有する基板と、前記基板の一方の面に形成された第1ゴムコート層と、前記基板の他方の面に形成された第2ゴムコート層と、を有し、前記基板は、前記穴の外周縁部および前記穴の内周縁部に設けられ前記シリンダヘッドと前記シリンダブロックとの間に挟まれた状態において前記シリンダヘッドおよび前記シリンダブロックの少なくともいずれかに向かって突出した凸部を有することを特徴とする本発明に係るヘッドガスケットにより解決される。
【0008】
本発明に係るヘッドガスケットによれば、基板は、水および油の少なくともいずれかを通過させる穴の外周縁部および内周縁部に設けられた凸部を有する。凸部は、ヘッドガスケットがシリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟まれた状態において、シリンダヘッドおよびシリンダブロックの少なくともいずれかに向かって突出している。シリンダヘッドとシリンダブロックとが、ボルト等を用いて締め付けられると、ボルト等の締め付け圧力が、ヘッドガスケットに掛かる。ボルト等の締め付け圧力がヘッドガスケットに掛かると、基板の凸部が、第1ゴムコート層の内周側および外周側の少なくともいずれかの部分と、第2ゴムコート層の内周側および外周側の少なくともいずれかの部分と、に食い込む。これにより、ボルト等の締め付け圧力がヘッドガスケットに掛っている状態において、シリンダブロックの熱膨張が生じた場合であっても、凸部は、第1ゴムコート層および第2ゴムコート層が基板から流動する現象(流れてずれる現象)が生ずることを抑制する。そのため、シリンダヘッドとシリンダブロックとの間におけるヘッドガスケットのシール性能が低下することを抑えることができる。これにより、ヘッドガスケットの構造を大幅に変更しなくとも、エンジンの性能とエンジンの耐久性とが低下することを抑えることができる。
【0009】
本発明に係るヘッドガスケットにおいて、好ましくは、前記凸部は、前記穴の外周縁部に設けられ前記一方の面から前記シリンダヘッドの側に向かって突出した第1凸部と、前記穴の内周縁部に設けられ前記他方の面から前記シリンダブロックの側に向かって突出した第2凸部と、を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明に係るヘッドガスケットによれば、ボルト等の締め付け圧力がヘッドガスケットに掛かると、第1凸部が、第1ゴムコート層の外周側の部分に食い込む。また、第2凸部が、第2ゴムコート層の内周側の部分に食い込む。これにより、ボルト等の締め付け圧力がヘッドガスケットに掛っている状態において、シリンダブロックの熱膨張が生じた場合であっても、第1凸部および第2凸部は、第1ゴムコート層および第2ゴムコート層が基板から流動する現象(流れてずれる現象)が生ずることを抑制する。そのため、シリンダヘッドとシリンダブロックとの間におけるヘッドガスケットのシール性能が低下することを抑えることができる。
【0011】
本発明に係るヘッドガスケットにおいて、好ましくは、前記凸部は、前記穴の外周縁部に設けられ前記他方の面から前記シリンダブロックの側に向かって突出した第1凸部と、前記穴の内周縁部に設けられ前記一方の面から前記シリンダヘッドの側に向かって突出した第2凸部と、を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明に係るヘッドガスケットによれば、ボルト等の締め付け圧力がヘッドガスケットに掛かると、第1凸部が、第2ゴムコート層の外周側の部分に食い込む。また、第2凸部が、第1ゴムコート層の内周側の部分に食い込む。これにより、ボルト等の締め付け圧力がヘッドガスケットに掛っている状態において、シリンダブロックの熱膨張が生じた場合であっても、第1凸部および第2凸部は、第1ゴムコート層および第2ゴムコート層が基板から流動する現象(流れてずれる現象)が生ずることを抑制する。そのため、シリンダヘッドとシリンダブロックとの間におけるヘッドガスケットのシール性能が低下することを抑えることができる。
【0013】
本発明に係るヘッドガスケットにおいて、好ましくは、前記凸部は、前記穴の外周縁部に設けられ前記一方の面から前記シリンダヘッドの側に向かって突出した第1凸部と、前記穴の内周縁部に設けられ前記他方の面から前記シリンダブロックの側に向かって突出した第2凸部と、前記穴の外周縁部に設けられ前記他方の面から前記シリンダブロックの側に向かって突出した第3凸部と、前記穴の内周縁部に設けられ前記一方の面から前記シリンダヘッドの側に向かって突出した第4凸部と、を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明に係るヘッドガスケットによれば、ボルト等の締め付け圧力がヘッドガスケットに掛かると、第1凸部が、第1ゴムコート層の外周側の部分に食い込む。また、第2凸部が、第2ゴムコート層の内周側の部分に食い込む。また、第3凸部が、第2ゴムコート層の外周側の部分に食い込む。また、第4凸部が、第1ゴムコート層の内周側の部分に食い込む。これにより、ボルト等の締め付け圧力がヘッドガスケットに掛っている状態において、シリンダブロックの熱膨張が生じた場合であっても、第1~4凸部は、第1ゴムコート層および第2ゴムコート層が基板から流動する現象(流れてずれる現象)が生ずることをより一層抑制する。そのため、シリンダヘッドとシリンダブロックとの間におけるヘッドガスケットのシール性能が低下することをより一層抑えることができる。
【0015】
本発明に係るヘッドガスケットにおいて、好ましくは、前記凸部は、前記基板と前記第1ゴムコート層とにより形成され前記水および前記油をシールするシールラインと、前記基板と前記第2ゴムコート層とにより形成され前記水および前記油をシールするシールラインと、に近い位置に設けられたことを特徴とする。
【0016】
本発明に係るヘッドガスケットによれば、ボルト等の軸力の及ぶ範囲から遠い部位(離れた箇所)においても、シリンダヘッドとシリンダブロックとの間におけるヘッドガスケットのシール性能が低下することを抑えることができる。つまり、シリンダヘッドとシリンダブロックとの間におけるヘッドガスケットのシール性能が低下することをより一層抑えることができる。
【0017】
本発明に係るヘッドガスケットにおいて、好ましくは、前記一方の面および前記他方の面を基準としたときの前記凸部の突出高さは、前記第1ゴムコート層および前記第2ゴムコート層のそれぞれの厚みよりも小さいことを特徴とする。
本発明に係るヘッドガスケットによれば、第1ゴムコート層および第2ゴムコート層のそれぞれの厚みTが、圧縮により小さくなったとしても、基板の凸部がシリンダヘッドおよびシリンダブロックに突き当たることを抑制できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、シリンダブロックの熱膨張が生じた場合であっても、ゴムコート層がガスケット基板から流動する現象を抑えることができるヘッドガスケットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るヘッドガスケットを備えるエンジンと第1実施形態に係るヘッドガスケットとを示す図である。
【
図2】
図1(A)および
図1(B)のD-D線におけるシリンダヘッドとシリンダブロックとヘッドガスケットとの断面構造例を示す図である。
【
図3】本発明の第2実施形態および第3実施形態に係るヘッドガスケットの断面構造例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0021】
(第1実施形態)
<エンジン100の概要>
図1は、本発明の第1実施形態に係るヘッドガスケットを備えるエンジンと第1実施形態に係るヘッドガスケットとを示す図である。
図1(A)は、本実施形態に係るヘッドガスケット1を備えるエンジン100の分解斜視図である。
図1(B)は、本実施形態に係るヘッドガスケット1の形状例を示す平面図である。
【0022】
図1(A)に示すエンジン100は、例えば小型の産業用ディーゼルエンジンである。エンジン100は、例えばターボチャージ付きの高出力な3気筒エンジンであり、建設機械、農業機械、芝刈り機等に搭載される。エンジン100は、シリンダヘッド101と、シリンダブロック102と、ヘッドガスケット1と、を有している。ヘッドガスケット1は、シリンダヘッドガスケットとも呼ばれ、シリンダヘッド101とシリンダブロック102との間に挟まれた状態で保持されている。ヘッドガスケット1は、エンジン100の駆動によりシリンダブロック102が熱膨張しても、シリンダヘッド101とシリンダブロック102との間において水油のシールを確実に行う機能を有する。
【0023】
図1(A)に示すエンジン100の構造例では、エンジン100のシリンダブロック102は、3つのシリンダ103と、タペット油穴部104~107と、を有する。シリンダヘッド101は、シリンダブロック102に対して、ヘッドガスケット1を挟んで、複数本のヘッドボルト108を用いて固定されている。ヘッドボルト108の雄ネジ部108Mは、シリンダブロック102の雌ネジ部102Nに嵌まる。これにより、シリンダヘッド101およびシリンダブロック102は、ヘッドガスケット1を挟んだ状態でヘッドボルト108により互いに締結されている。なお、
図1に示すY方向は、
図1に示すシリンダブロック102のクランク軸の軸方向であり、X方向とZ方向とに直交している。X方向は、水平方向である。Z方向は、上下方向である。
【0024】
<ヘッドガスケット1>
ヘッドガスケット1の構造例を、
図1(A)および
図1(B)を参照して説明する。ヘッドガスケット1の形状は、シリンダヘッド101およびシリンダブロック102の形状に対応している。ヘッドガスケット1は、シリンダヘッド101とシリンダブロック102との間に挟まれ、シリンダヘッド101とシリンダブロック102との密着性を高めるとともに、シリンダヘッド101とシリンダブロック102との間において水油をシールする。後で説明するが、ヘッドガスケット1は、メタル(金属)製の基板と、基板の両面に形成されているゴムコート層と、を有する3層積層構造体である。
【0025】
図1(B)に示すヘッドガスケット1は、3つの円形の燃焼室穴3と、4つのタペット油穴4~7と、複数のヘッドボルト通し穴9と、を有する。3つの円形の燃焼室穴3は、
図1(A)に示すシリンダブロック102の3つのシリンダ103のそれぞれに対応した位置に設けられ、3つのシリンダ103のそれぞれに対応した大きさを有する。4つのタペット油穴4~7は、
図1(A)に示すシリンダブロック102のタペット油穴部104~107のそれぞれに対応した位置に設けられ、タペット油穴部104~107のそれぞれに対応した対応した大きさを有する。
【0026】
図2は、
図1(A)および
図1(B)のD-D線におけるシリンダヘッドとシリンダブロックとヘッドガスケットとの断面構造例を示す図である。
図2に示すように、シリンダヘッド101は、タペット油穴部110を有している。シリンダヘッド101のタペット油穴部110は、シリンダブロック102のタペット油穴部107に対応した位置に設けられ、シリンダブロック102のタペット油穴部107に対応した大きさを有する。
【0027】
ヘッドガスケット1は、メタル(金属)製のシート状のガスケット基板(以下、説明の便宜上、単に「基板」という。)10と、基板10の第1面11に形成されている第1ゴムコート層21と、基板10の第2面12に形成されている第2ゴムコート層22と、を有する3層積層構造体である。
図2に例示するように、基板10は、凸部31,32,33を有する。凸部31,32,33の詳細については、後述する。ヘッドガスケット1は、水および油の少なくともいずれかを通過させる穴を有する。具体的には、基板10は、穴10Hを有する。第1ゴムコート層21は、穴21Hを有する。第2ゴムコート層22は、穴22Hを有する。これらの穴10H、21H、22Hは、
図1(B)に示すヘッドガスケット1のタペット油穴7を構成している。第1ゴムコート層21および第2ゴムコート層22のそれぞれの厚みTは、例えば10~30μm程度である。但し、第1ゴムコート層21および第2ゴムコート層22のそれぞれの厚みTは、特に限定されず、エンジン100の種類、エンジン100のサイズや気筒数、あるいはシリンダヘッドとシリンダブロックの締付力等により、任意に選択可能とされている。
【0028】
<第1ゴムコート層21および第2ゴムコート層22>
図1(B)に示すタペット油穴7の周囲におけるヘッドガスケット1の構造は、タペット油穴4~6の周囲におけるヘッドガスケット1の構造と同様である。これは、
図3(A)および
図3(B)に関して後述する第2実施形態に係るヘッドガスケット1Aおよび第3実施形態に係るヘッドガスケット1Bについても同じである。そこで、以下では、タペット油穴7の周囲の部分を例に挙げて説明し、タペット油穴4~6の周囲の部分の説明を適宜省略する。
【0029】
図2に示すように、第1ゴムコート層21は、基板10の第1面(一方の面)11に対して、必要に応じて例えば加硫接着されている。同様にして、第2ゴムコート層22は、基板10の第2面(他方の面)12に対して、必要に応じて例えば加硫接着されている。これにより、シリンダヘッド101の表面111とシリンダブロック102の表面121との少なくともいずれかに比較的大きな凸状部分があったとしても、第1ゴムコート層21および第2ゴムコート層22は、凸状部分が基板10に直接的に接触することを抑制して基板10の損傷を抑制する。これにより、第1ゴムコート層21および第2ゴムコート層22は、ヘッドガスケット1のシール性能を確保することができる。なお、第1ゴムコート層21および第2ゴムコート層22の形成方法は、加硫接着方法に限定されるわけではなく、加硫接着方法とは異なる他の接着方法であってもよい。
【0030】
また、第1ゴムコート層21および第2ゴムコート層22のそれぞれの表面には、必要に応じて、ゲル材が塗布されていてもよい。ゲル材は、比較的高い流動性を有し、シリンダヘッド101の表面111とシリンダブロック102の表面121とに存在する小さな凹部内に充填される。これにより、ヘッドガスケット1のシール性能を高めることができる。ゲル材としては、シリコーン系またはフッ素系のゲル材を用いることができる。なお、必ずしも、ゲル材は、第1ゴムコート層21と第2ゴムコート層22とのそれぞれの表面に塗布されていなくともよい。
【0031】
ヘッドガスケット1が有する各部材の好ましい材料例を挙げれば、基板10の材質としては、例えば軟鉄、純鉄、アルミニウム、ステンレス鋼等のメタルが挙げられる。第1ゴムコート層21および第2ゴムコート層22の材質としては、耐油性ゴムであるニトリルゴム、耐熱耐油性ゴムであるフッ素ゴム、シリコーンゴム、ウレタン、他の種類のゴム材料、あるいは樹脂材料、ゴムとテフロン(登録商標)等樹脂との複合材料等などが挙げられる。但し、ヘッドガスケット1が有する各部材の材料は、これらの例には特に限定されず、エンジン100が使用される環境や場所によって適宜選択可能とされている。
【0032】
図2に示すように、第1ゴムコート層21は、折り曲げ部分21M、21N、21P、21Qを有する。折り曲げ部分21M、21N、21P、21Qは、第1ゴムコート層21の補強あるいは密着性の確保を確実に行うために成形された細長い突起部分である。折り曲げ部分21M、21N、21P、21Qは、水平方向Xに対して、所定の鋭角θで予め屈曲している。基板10の第1面11には、図示しないビードが形成されている。ここでいうビードとは、メタル製の基板10の第1面11の補強と密着性の向上とを図るために成形された細長い突起である。例えば、第1ゴムコート層21の折り曲げ部分21Mは、基板10の第1面11に設けられたビードに対応して形成されている。
【0033】
同様にして、第2ゴムコート層22は、折り曲げ部分22M、22N、22P、22Qを有する。折り曲げ部分22M、22N、22P、22Qは、第2ゴムコート層22の補強あるいは密着性の確保を確実に行うために成形された細長い突起である。折り曲げ部分22M、22N、22P、22Qは、水平方向Xに対して、所定の鋭角θで予め屈曲している。基板10の第2面12には、図示しないビードが形成されている。ここでいうビードとは、メタル製の基板10の第2面12の補強と密着性の向上とを図るために成形された細長い突起である。例えば、第2ゴムコート層22の折り曲げ部分22N、22Qは、基板10の第2面12に設けられたビードに対応して形成されている。
【0034】
第1ゴムコート層21に折り曲げ部分21M、21N、21P、21Qが設けられているのは、第1ゴムコート層21とシリンダヘッド101の表面111との間のシール性と、第1ゴムコート層21と基板10の第1面11との間のシール性と、をより高めるためである。すなわち、折り曲げ部分21N、21Qは、第1ゴムコート層21の弾性変形を利用して、シリンダヘッド101の表面111の破線で示す部分111P、111Qにそれぞれ密着される。部分111P、111Qは、例えば水やタペット油をシールしようとする部分である。また、折り曲げ部分21M、21Pは、第1ゴムコート層21の弾性変形を利用して、基板10の第1面11の破線で示す部分10P、10Qにそれぞれ密着される。部分10P、10Qは、例えば水やタペット油をシールしようとする部分である。
【0035】
また、第2ゴムコート層22に折り曲げ部分22M、22N、22P、22Qが設けられているのは、第2ゴムコート層22とシリンダブロック102の表面121との間のシール性と、第2ゴムコート層22と基板10の第2面12との間のシール性と、をより高めるためである。すなわち、折り曲げ部分22M、22Pは、第2ゴムコート層22の弾性変形を利用して、シリンダブロック102の表面121の破線で示す部分121P、121Qにそれぞれ密着される。部分121P、121Qは、例えば水およびタペット油をシールしようとする部分である。また、折り曲げ部分22N、22Qは、第2ゴムコート層22の弾性変形を利用して、基板10の第2面12の破線で示す部分10R、10Sにそれぞれ密着される。部分10R、10Sは、例えば水とタペット油をシールしようとする部分である。これにより、ヘッドガスケット1は、第1ゴムコート層21と第2ゴムコート層22の弾性変形を用いて、シリンダヘッド101の表面111とシリンダブロック102の表面121との間の密着性を高めて、より良好なシール性を確保している。
【0036】
<基板10>
図2に示すように、基板10は、凸部31,32,33を有する。本実施形態に係るヘッドガスケット1において、凸部31は、本発明の「第1凸部」の一例である。凸部32,33は、本発明の「第2凸部」の一例である。
【0037】
凸部31は、基板10の穴10Hの外周縁部に設けられている。すなわち、凸部31は、シリンダヘッド101のタペット油穴部110の外周側130と、シリンダブロック102のタペット油穴部107の外周側140と、に対応する位置に設けられている。また、凸部31は、ヘッドガスケット1がシリンダヘッド101とシリンダブロック102との間に挟設された状態において、基板10の第1面11からシリンダヘッド101の側に向かって突出している。
【0038】
凸部32は、基板10の穴10Hの内周縁部に設けられている。すなわち、凸部32は、シリンダヘッド101のタペット油穴部110の内周側131と、シリンダブロック102のタペット油穴部107の内周側141と、に対応する位置に設けられている。また、凸部32は、ヘッドガスケット1がシリンダヘッド101とシリンダブロック102との間に挟設された状態において、基板10の第2面12からシリンダブロック102の側に向かって突出している。
【0039】
凸部33は、基板10の穴10Hの内周縁部に設けられている。すなわち、凸部33は、シリンダヘッド101のタペット油穴部110の内周側132と、シリンダブロック102のタペット油穴部107の内周側142と、に対応する位置に設けられている。また、凸部33は、ヘッドガスケット1がシリンダヘッド101とシリンダブロック102との間に挟設された状態において、基板10の第2面12からシリンダブロック102の側に向かって突出している。
【0040】
なお、凸部33は、基板10の穴10Hの内周の全周囲にわたって設けられているため、凸部32と実質的に同一部分である。言い換えれば、凸部32は、基板10の穴10Hの内周の全周囲にわたって設けられているため、凸部33と実質的に同一部分である。
【0041】
このように、基板10の凸部31,32,33は、
図1に示すヘッドボルト108の軸力の及ぶ範囲から遠い部位(離れた箇所)の一例として、シリンダヘッド101のタペット油穴部110の外周側130、内周側131、内周側132と、シリンダブロック102のタペット油穴部107の外周側140、内周側141、内周側142と、に対応する部位に設けられている。
【0042】
基板10の各凸部31,32,33のZ方向に関する突出高さ(形成高さともいう)Kの取り得る数値としては、第1ゴムコート層21および第2ゴムコート層22のそれぞれの厚みTよりも小さい。突出高さKの数値範囲は、例えば約1~5μm程度である。
【0043】
ここで、エンジンが長時間高負荷で運転すると、エンジンの運転中にシリンダブロックの熱膨張が起こる。そうすると、シリンダブロックの熱膨張により、シリンダヘッドとシリンダブロックとを互いに締結しているヘッドボルトの軸力の及ぶ範囲から遠い部位(離れた箇所)において、ヘッドガスケットのゴムコート層が流れる現象が生じることがある。言い換えれば、ヘッドガスケットのゴムコート層が、柔らかくなったり溶けたりすることによりメタル製のガスケット基板から流動する現象(流れてずれる現象)が生じることがある。ゴムコート層がガスケット基板から流動すると、シリンダヘッドとシリンダブロックとの間におけるヘッドガスケットのシール性能が低下するので、エンジンの性能とエンジンの耐久性が低下するおそれがある。
【0044】
これに対して、本実施形態に係るヘッドガスケット1では、
図1に示すシリンダヘッド101とシリンダブロック102とが、ヘッドボルト108を用いて締め付けられると、ヘッドボルト108の締め付け圧力がヘッドガスケット1に掛かる。ヘッドボルト108の締め付け圧力がヘッドガスケット1に掛かると、基板10の凸部31が第1ゴムコート層21の外周側の部分21Wに食い込む。また、基板10の凸部32が、第2ゴムコート層22の内周側の部分22Wに食い込む。また、基板10の凸部33が、第2ゴムコート層22の内周側の部分22Vに食い込む。
【0045】
これにより、ヘッドボルト108の締め付け圧力がヘッドガスケット1に掛っている状態において、シリンダブロック102の熱膨張が生じた場合であっても、凸部31は、第1ゴムコート層21の外周側の部分21Wが基板10から流動する現象(流れてずれる現象)が生ずることを抑制する。凸部32は、第2ゴムコート層22の内周側の部分22Wが基板10から流動する現象(流れてずれる現象)が生ずることを抑制する。凸部33は、第2ゴムコート層22の内周側の部分22Vが基板10から流動する現象(流れてずれる現象)が生ずることを抑制する。
【0046】
従って、ヘッドガスケット1は、シリンダヘッド101の表面111と、シリンダブロック102の表面121と、の間においてより良好なシール性を確保できる。つまり、シリンダヘッド101とシリンダブロック102との間におけるヘッドガスケット1のシール性能が低下することを抑えることができる。これにより、ヘッドガスケット1の構造を大幅に変更しなくとも、エンジン100の性能とエンジン100の耐久性とが低下することを抑えることができる。
【0047】
また、
図2に示すように、凸部31は、基板10のビードと第1ゴムコート層21の折り曲げ部分21Mとにより形成されるシールラインBL1と、基板10のビードと第2ゴムコート層22の折り曲げ部分22Mとにより形成されるシールラインBL1と、に近い位置に設けられる。同様にして、凸部32は、基板10のビードと第1ゴムコート層21の折り曲げ部分21Nとにより形成されるシールラインBL2と、基板10のビードと第2ゴムコート層22の折り曲げ部分22Nとにより形成されるシールラインBL2と、に近い位置に設けられる。凸部33は、基板10のビードと第1ゴムコート層21の折り曲げ部分21Qとにより形成されるシールラインBL3と、基板10のビードと第2ゴムコート層22の折り曲げ部分22Qとにより形成されるシールラインBL3と、に近い位置に設けられる。これにより、ヘッドボルト108の軸力の及ぶ範囲から遠い部位(離れた箇所)においても、シリンダヘッド101とシリンダブロック102との間におけるヘッドガスケット1のシール性能が低下することを抑えることができる。つまり、シリンダヘッド101とシリンダブロック102との間におけるヘッドガスケット1のシール性能が低下することをより一層抑えることができる。
【0048】
ここで、シールラインBL1とは、折り曲げ部分21Mと破線で示す部分10Pとを結ぶ線と、折り曲げ部分22Mと破線で示す部分121Pとを結ぶ線と、を含んでおり、水およびタペット油をシールするシールラインである。シールラインBL2とは、折り曲げ部分21Nと破線で示す部分111Pとを結ぶ線と、折り曲げ部分22Nと破線で示す部分10Rとを結ぶ線と、を含んでおり、水およびタペット油をシールするシールラインである。さらに、シールラインBL3とは、折り曲げ部分21Qと破線で示す部分111Qとを結ぶ線と、折り曲げ部分22Qと破線で示す部分10Sとを結ぶ線と、を含んでおり、水およびタペット油をシールするシールラインである。部分10P、10R、10S、111P、111Q、121P、各タペット油のシールラインは、
図1(B)で示すY方向に平行に形成されている。
【0049】
また、第1面11を基準としたときの凸部31の突出高さKは、第1ゴムコート層21の厚みTよりも小さい。第2面12を基準としたときの凸部32,33のそれぞれの突出高さKは、第2ゴムコート層22の厚みTよりも小さい。これにより、第1ゴムコート層21および第2ゴムコート層22のそれぞれの厚みTが、圧縮により小さくなったとしても、基板10の凸部31,32,33がシリンダヘッド101およびシリンダブロック102に突き当たることを抑制できる。
【0050】
次に、本発明の第2実施形態および第3実施形態に係るヘッドガスケットを、
図3を参照して順次説明する。なお、第2実施形態および第3実施形態に係るヘッドガスケットの構成要素が、
図1および
図2に関して前述した第1実施形態に係るヘッドガスケットの構成要素と同様である場合には、重複する説明は適宜省略し、以下、相違点を中心に説明する。
【0051】
図3は、本発明の第2実施形態および第3実施形態に係るヘッドガスケットの断面構造例を示す図である。
図3(A)は、本発明の第2実施形態に係るヘッドガスケット1Aの断面構造例を示す図である。
図3(B)は、本発明の第3実施形態に係るヘッドガスケット1Bの断面構造例を示す図である。
【0052】
(第2実施形態)
図3(A)に示す本発明の第2実施形態のヘッドガスケット1Aでは、基板10Aは、凸部231,232,233を有する。本実施形態に係るヘッドガスケット1Aにおいて、凸部231は、本発明の「第1凸部」の一例である。凸部232,233は、本発明の「第2凸部」の一例である。
【0053】
凸部231は、基板10Aの穴10Hの外周縁部に設けられている。すなわち、凸部231は、シリンダヘッド101のタペット油穴部110の外周側130と、シリンダブロック102のタペット油穴部107の外周側140と、に対応する位置に設けられている。また、凸部231は、ヘッドガスケット1Aがシリンダヘッド101とシリンダブロック102との間に挟設された状態において、基板10Aの第2面12からシリンダブロック102の側に向かって突出している。
【0054】
凸部232は、基板10Aの穴10Hの内周縁部に設けられている。すなわち、凸部232は、シリンダヘッド101のタペット油穴部110の内周側131と、シリンダブロック102のタペット油穴部107の内周側141と、に対応する位置に設けられている。また、凸部232は、ヘッドガスケット1Aがシリンダヘッド101とシリンダブロック102との間に挟設された状態において、基板10Aの第1面11からシリンダヘッド101の側に向かって突出している。
【0055】
凸部233は、基板10Aの穴10Hの内周縁部に設けられている。すなわち、凸部233は、シリンダヘッド101のタペット油穴部110の内周側132と、シリンダブロック102のタペット油穴部107の内周側142と、に対応する位置に設けられている。また、凸部233は、ヘッドガスケット1Aがシリンダヘッド101とシリンダブロック102との間に挟設された状態において、基板10Aの第1面11からシリンダヘッド101の側に向かって突出している。
【0056】
なお、凸部233は、基板10Aの穴10Hの内周の全周囲にわたって設けられているため、凸部232と実質的に同一部分である。言い換えれば、凸部232は、基板10Aの穴10Hの内周の全周囲にわたって設けられているため、凸部233と実質的に同一部分である。
【0057】
本実施形態に係るヘッドガスケット1Aによれば、ヘッドボルト108の締め付け圧力がヘッドガスケット1Aに掛っている状態において、シリンダブロック102の熱膨張が生じた場合であっても、凸部231は、第2ゴムコート層22の外周側の部分221が基板10Aから流動する現象(流れてずれる現象)が生ずることを抑制する。凸部232は、第1ゴムコート層21の内周側の部分211が基板10Aから流動する現象(流れてずれる現象)が生ずることを抑制する。凸部233は、第1ゴムコート層21の内周側の部分212が基板10Aから流動する現象(流れてずれる現象)が生ずることを抑制する。
【0058】
これにより、シリンダヘッド101とシリンダブロック102との間におけるヘッドガスケット1Aのシール性能が低下することを抑えることができる。これにより、ヘッドガスケット1Aの構造を大幅に変更しなくとも、エンジン100の性能とエンジン100の耐久性とが低下することを抑えることができる。
【0059】
(第3実施形態)
図3(B)に示す本発明の第3実施形態のヘッドガスケット1Bでは、基板10Bは、凸部31,32,33,231,232,233を有する。すなわち、第3実施形態のヘッドガスケット1Bの基板10Bは、第1実施形態のヘッドガスケット1の基板10と、第2実施形態のヘッドガスケット1Aの基板10Aと、が組み合わされた構造を有する。本実施形態に係るヘッドガスケット1Bにおいて、凸部31は、本発明の「第1凸部」の一例である。凸部32,33は、本発明の「第2凸部」の一例である。凸部231は、本発明の「第3凸部」の一例である。凸部232,233は、本発明の「第4凸部」の一例である。
【0060】
本実施形態に係るヘッドガスケット1Bによれば、ヘッドボルト108の締め付け圧力がヘッドガスケット1Bに掛かると、凸部31,32,33,231,232,233が、第1ゴムコート層21の外周側の部分21Wおよび内周側の部分211,212と、第2ゴムコート層22の外周側の部分221および内周側の部分22W,22Vと、の両方に食い込む。
【0061】
これにより、シリンダヘッド101とシリンダブロック102との間におけるヘッドガスケット1Bのシール性能が低下することをより一層抑えることができる。これにより、ヘッドガスケット1Bの構造を大幅に変更しなくとも、エンジン100の性能とエンジン100の耐久性とが低下することをより一層抑えることができる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせたりすることができる。
例えば、本発明の第1~3の実施形態に係るヘッドガスケット1,1A,1Bは、3気筒のディーゼルエンジンに限らず、例えば4気筒以上のディーゼルエンジン、あるいは他の種類のエンジン、例えばガソリンエンジンに適用されても良い。
【符号の説明】
【0063】
1、1A、1B:ヘッドガスケット、 3:燃焼室穴、 4、5、6、7:タペット油穴、 9:ヘッドボルト通し穴、 10、10A、10B:基板、 10H:穴、 10P、10Q、10R、10S:部分、 11:第1面、 12:第2面、 21:第1ゴムコート層、 21H:穴、 21M、21N、21P、21Q:折り曲げ部分、 21W:部分、 22:第2ゴムコート層、 22H:穴、 22M、22N、22P、22Q:折り曲げ部分、 22V、22W:部分、 31、32、33:凸部、 100:エンジン、 101:シリンダヘッド、 102:シリンダブロック、 102N:雌ネジ部、 103:シリンダ、 104、105、106、107:タペット油穴部、 108:ヘッドボルト、 108M:雄ネジ部、 110:タペット油穴部、 111:表面、 111P、111Q:部分、 121:表面、 121P、121Q:部分、 130:外周側、 131、132:内周側、 140:外周側、 141、142:内周側、 211、212、221:部分、 231、232、233:凸部、 BL1、BL2、BL3:シールライン、 K:突出高さ、 T:厚み