(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】金属フレーム構造体
(51)【国際特許分類】
A47B 47/02 20060101AFI20221221BHJP
A47B 97/00 20060101ALI20221221BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20221221BHJP
F16B 7/18 20060101ALI20221221BHJP
B25H 1/02 20060101ALN20221221BHJP
【FI】
A47B47/02 B
A47B97/00 M
A47B13/00 Z
F16B7/18 D
B25H1/02
(21)【出願番号】P 2022102350
(22)【出願日】2022-06-27
【審査請求日】2022-06-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521045575
【氏名又は名称】株式会社伊藤工業
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(72)【発明者】
【氏名】松本 正
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 博高
(72)【発明者】
【氏名】三谷 剛司
(72)【発明者】
【氏名】池ノ谷 成恭
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】実開昭51-155701(JP,U)
【文献】特開2008-281147(JP,A)
【文献】実開昭56-111838(JP,U)
【文献】特開2005-253743(JP,A)
【文献】実開昭50-080501(JP,U)
【文献】実開昭57-131127(JP,U)
【文献】特開2016-137158(JP,A)
【文献】特開2009-174582(JP,A)
【文献】特開2016-086914(JP,A)
【文献】特開2018-000750(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 1/00-41/06
A47B 47/02、97/00
F16B 7/18、12/00-12/60
B25H 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の筒状フレームと、
前記筒状フレームのうち前記筒状フレームの設置状態において水平面に沿う部位から上方に向けて突出し、支持対象物を支持する筒状の支持フレームと、を備え、
前記筒状フレームは、前記支持フレームの下端部が固定される固定部を有し、
前記固定部には、前記支持フレームが下方から上方に向けて挿入される形で前記支持フレームが貫通する貫通孔が形成されており、
前記支持フレームは、前記筒状フレームの設置状態において鉛直方向に沿って延びるフレーム本体と、前記フレーム本体の下端部の外周面から外方に突出するフランジ部と、を有し、
前記固定部の下面における前記貫通孔の周囲に前記フランジ部が対向し、かつ前記貫通孔を前記フレーム本体が貫通した状態で、前記フランジ部が前記固定部に固定される、
金属フレーム構造体。
【請求項2】
金属製の筒状フレームと、
前記筒状フレームのうち前記筒状フレームの設置状態において水平面に沿う部位から上方に向けて突出し、支持対象物を支持する筒状の支持フレームと、を備え、
前記筒状フレームは、前記支持フレームの下端部が固定される固定部を有し、
前記固定部には、前記支持フレームが下方から上方に向けて挿入される形で前記支持フレームが貫通する貫通孔が形成されており、
前記筒状フレームは、第1の筒体及び第2の筒体を含む複数の筒体をつなげることで構成されており、
前記第1の筒体と前記第2の筒体とは、前記第1の筒体の長手方向に沿った一側面に形成される第1開口孔に、前記第2の筒体の長手方向の一端面に形成される第2開口孔を突き合せた状態で結合され、
前記第1の筒体と前記第2の筒体とを結合する結合金具は、前記第1の筒体内で前記第1の筒体の前記第1開口孔の周囲に固定される第1片と、前記第2の筒体内で前記第2の筒体の前記第2開口孔の周囲に固定される第2片と、を有するアングル材を含み、
前記第1片は前記第1の筒体に対して取り外し不可の態様で固定され、
前記第2片は前記第2の筒体に対して取り外し可能な態様で固定される、
金属フレーム構造体。
【請求項3】
前記筒状フレームの内部空間と前記支持フレームの内部空間とは連通しており、配線を通すための通線空間を含む、
請求項1又は2に記載の金属フレーム構造体。
【請求項4】
前記筒状フレームは、一方向に延びる一対のサイドフレーム、及び前記一対のサイドフレームの一端部同士を連結するバックフレームを含み、前記一対のサイドフレーム及び前記バックフレームで囲まれた空間に天板を支持可能であって、
前記固定部は、前記バックフレームに配置されている、
請求項1又は2に記載の金属フレーム構造体。
【請求項5】
前記筒状フレームの長手方向に沿った一側面には、前記筒状フレームの内部空間に通じる配線通し孔が形成されている、
請求項1又は2に記載の金属フレーム構造
体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に金属フレーム構造体に関し、より詳細には、例えば、工場で用いられる作業台、飲食店で用いられるテーブル、又は住宅で用いられる棚等の種々の構造物を金属製の筒状フレームにて構成する金属フレーム構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術として、金属製の筒状フレームと、結合金具と、を備える金属フレーム構造体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。筒状フレームは、複数の筒体を長さに沿ってつなげることで構成されており、長さに沿って連通する内部空間が形成される。結合金具は、複数の筒体を結合する。
【0003】
関連技術に係る金属フレーム構造体においては、筒状フレームは、2つの第1の筒体と、第2の筒体と、2つの第3の筒体と、を有し、これらが筒状フレームの「長さ」に沿って連結されることで1本の筒状フレームを構成する。具体的には、左右方向に沿って長さを有する第2の筒体の長手方向の両端部に、それぞれ第1の筒体を介して第3の筒体が連結され、第3の筒体が下方に延びることにより、筒状フレーム全体として、下方に開放された略C字状(アーチ状)を成す。このように構成される筒状フレームは、その形状から、設置面に立設される脚部と、脚部によって支持されるトップ部と、に大別される。つまり、筒状フレームを構成する複数の筒体のうち第3の筒体が「脚部」であって、第2の筒体が「トップ部」である。第1の筒体は、脚部(第3の筒体)とトップ部(第2の筒体)との間を連結する。
【0004】
上記関連技術に係る金属フレーム構造体では、例えばディスプレイ等の器具を支持する場合、筒状フレームのトップ部(第2の筒体)から下方に向けて突出する吊下フレームを設け、この吊下フレームに対してディスプレイ等の器具が取り付けられる。この場合、吊下フレームの内部空間が第2の筒体の内部空間に連通しており、器具に接続される配線を、第2の筒体内から吊下フレーム内に引き回すことが可能である。そして、器具は、吊下フレームによって筒状フレームのトップ部に吊り下げられるので、器具の取付状態が安定しやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記関連技術に係る金属フレーム構造体では、吊下フレームが取り付けられるように筒状フレーム自体が十分な高さを有する比較的大型の構造体となり、金属フレーム構造体の組み立ても大掛かりな作業となる場合がある。
【0007】
本開示の目的は、主として組立性の向上を図りやすい金属フレーム構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る金属フレーム構造体は、金属製の筒状フレームと、筒状の支持フレームと、を備える。前記支持フレームは、前記筒状フレームのうち前記筒状フレームの設置状態において水平面に沿う部位から上方に向けて突出し、支持対象物を支持する。前記筒状フレームは、前記支持フレームの下端部が固定される固定部を有する。前記固定部には、前記支持フレームが下方から上方に向けて挿入される形で前記支持フレームが貫通する貫通孔が形成されている。
【0009】
本開示の一態様に係る金属フレーム構造体は、金属製の筒状フレームと、結合金具と、を備える。前記筒状フレームは、第1の筒体及び第2の筒体を含む複数の筒体をつなげることで構成される。前記結合金具は、前記第1の筒体と前記第2の筒体とを結合する。前記第1の筒体と前記第2の筒体とは、前記第1の筒体の長手方向に沿った一側面に形成される第1開口孔に、前記第2の筒体の長手方向の一端面に形成される第2開口孔を突き合せた状態で結合される。前記結合金具は、前記第1の筒体内で前記第1の筒体の前記第1開口孔の周囲に固定される第1片と、前記第2の筒体内で前記第2の筒体の前記第2開口孔の周囲に固定される第2片と、を有するアングル材を含む。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、主として組立性の向上を図りやすい金属フレーム構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る金属フレーム構造体の概略斜視図である。
【
図2】
図2は、同上の金属フレーム構造体の使用例を示す概略斜視図である。
【
図3】
図3は、同上の金属フレーム構造体の概略分解斜視図である。
【
図4】
図4は、同上の金属フレーム構造体の天板等を外した状態の概略斜視図である。
【
図5】
図5は、同上の金属フレーム構造体の天板等を外した状態の斜め下方から見た概略斜視図である。
【
図6A】
図6Aは、同上の金属フレーム構造体の要部を示す概略分解斜視図である。
【
図6B】
図6Bは、同上の金属フレーム構造体の要部を示す斜め下方から見た概略分解斜視図である。
【
図7A】
図7Aは、同上の金属フレーム構造体の要部を示す概略斜視図である。
【
図7B】
図7Bは、同上の金属フレーム構造体の要部を示す斜め下方から見た概略斜視図である。
【
図8】
図8は、同上の金属フレーム構造体の要部を示す斜め下方から見た概略分解斜視図である。
【
図9】
図9は、同上の金属フレーム構造体の要部を示す斜め下方から見た概略斜視図である。
【
図10】
図10は、同上の金属フレーム構造体の要部を示す概略断面図である。
【
図11】
図11は、実施形態2に係る金属フレーム構造体の概略斜視図である。
【
図12】
図12は、同上の金属フレーム構造体を斜め下方から見た概略斜視図である。
【
図13】
図13は、同上の金属フレーム構造体の概略分解斜視図である。
【
図14】
図14は、実施形態3に係る金属フレーム構造体の概略斜視図である。
【
図15】
図15は、同上の金属フレーム構造体を斜め下方から見た概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態1)
[1]概要
まず、本実施形態に係る金属フレーム構造体10の概要について、
図1~
図3、
図8を参照して説明する。
【0013】
金属フレーム構造体10は、例えば、工場で用いられる作業台、飲食店若しくはコワーキングスペース等で用いられるテーブル若しくはベンチ、又は住宅で用いられる棚若しくはベッド等の種々の構造物を金属製の筒状フレーム1にて構成する。つまり、金属フレーム構造体10は、金属製の筒状フレーム1によって、例えば、十分な強度を確保した作業台、テーブル、ベンチ、棚又はベッド等の什器(家具を含む)としての構造物を構成する。金属フレーム構造体10にて構成される構造物は、例えば、建物の床面又は地面等からなる設置面S1に設置された状態で使用される。
【0014】
金属フレーム構造体10においては、筒状フレーム1は、第1の筒体11及び第2の筒体12を含む複数の筒体をつなげることで構成される。つまり、第1の筒体11及び第2の筒体12を含む複数の筒体をつなげることによって、1本の筒状フレーム1が構成されている。ここで、筒状フレーム1を構成する複数の筒体の組み合わせ方、及び使用する筒体の形状等によって、様々な形状の筒状フレーム1を構成可能である。つまり、様々な筒体の中から選択される複数の筒体を適宜組み合わせることにより、金属フレーム構造体10として、用途に応じた任意の形状の構造物を実現することができ、金属フレーム構造体10としての拡張性が高くなる。特に、本実施形態に係る金属フレーム構造体10は、例えば、ブラケット61(
図4参照)等のアタッチメントを用いて作業台の天板71等の様々な部材を取付可能に構成されており、より多様な構造物を実現可能である。
【0015】
ところで、拡張性を確保した場合でも、例えば、上記関連技術のように、ディスプレイ等の器具を支持する場合に、筒状フレーム1のトップ部から下方に向けて突出する吊下フレームに器具が取り付けられる構成では、筒状フレーム1自体が十分な高さを有する比較的大型の構造体となる。したがって、金属フレーム構造体10の組み立ても大掛かりな作業となる場合がある。これに対して、本実施形態に係る金属フレーム構造体10は、下記の構成により、主として組立性の向上を図りやすい金属フレーム構造体10を実現する。
【0016】
すなわち、
図2及び
図3に示すように、本実施形態に係る金属フレーム構造体10は、金属製の筒状フレーム1と、筒状の支持フレーム2と、を備える。支持フレーム2は、筒状フレーム1のうち筒状フレーム1の設置状態において水平面に沿う部位から上方に向けて突出し、支持対象物73を支持する。筒状フレーム1は、支持フレーム2の下端部が固定される固定部100を有する。固定部100には、支持フレーム2が下方から上方に向けて挿入される形で支持フレーム2が貫通する貫通孔101が形成されている。
【0017】
この構成によれば、支持対象物73としての器具(ディスプレイ等)を、支持フレーム2にて支持することで、筒状フレーム1上に取り付けることができる。ここで、支持フレーム2は、その下端部が筒状フレーム1の固定部100に固定された状態で、筒状フレーム1の水平面に沿う部位から上方に向けて突出するので、筒状フレーム1のトップ部から下方に向けて突出する吊下フレームに器具が取り付けられる構成に比べて、筒状フレーム1自体の高さを低く抑えることができる。したがって、金属フレーム構造体10を、比較的小型の構造体として具現化でき、金属フレーム構造体10の組立性の向上を図りやすい。さらに、支持フレーム2が固定される固定部100には、支持フレーム2が下方から上方に向けて挿入される形で支持フレーム2が貫通する貫通孔101が設けられているので、例えば、貫通孔101の内周縁によって支持フレーム2の傾きが抑制され、支持フレーム2が安定して固定部100に固定される。結果的に、支持フレーム2に支持される支持対象物73(器具)の取付状態が安定しやすい。
【0018】
また、
図3及び
図8に示すように、本実施形態に係る金属フレーム構造体10は、金属製の筒状フレーム1と、結合金具3と、を備える。筒状フレーム1は、第1の筒体11及び第2の筒体12を含む複数の筒体をつなげることで構成される。結合金具3は、第1の筒体11と第2の筒体12とを結合する。第1の筒体11と第2の筒体12とは、第1の筒体11の長手方向に沿った一側面に形成される第1開口孔111に、第2の筒体12の長手方向の一端面に形成される第2開口孔121を突き合せた状態で結合される。結合金具3は、第1片31(
図8参照)と、第2片32(
図8参照)と、を有するアングル材を含む。第1片31は、第1の筒体11内で第1の筒体11の第1開口孔111の周囲に固定される。第2片32は、第2の筒体12内で第2の筒体12の第2開口孔121の周囲に固定される。
【0019】
この構成によれば、第1の筒体11の一側面に第2の筒体12の一端面を突き合わせるようにして、第1の筒体11と第2の筒体12とが結合される。ここで、結合金具3のアングル材(L字金具)は、第1の筒体11内で第1の筒体11の第1開口孔111の周囲に第1片31を固定し、第2の筒体12内で第2の筒体12の第2開口孔121の周囲に第2片32を固定することによって、第1の筒体11と第2の筒体12とを結合する。したがって、例えば、先に第1片31を第1の筒体11に固定しておけば、第1の筒体11の第1開口孔111から突出する第2片32を第2の筒体12に固定するだけで、第1の筒体11と第2の筒体12とを結合することができる。あるいは、先に第2片32を第2の筒体12に固定しておけば、第2の筒体12の第2開口孔121から突出する第1片31を第1の筒体11に固定するだけで、第1の筒体11と第2の筒体12とを結合することができる。よって、金属フレーム構造体10の組立性の向上を図りやすい。
【0020】
[2]定義
本開示では、設置面S1への金属フレーム構造体10の設置状態(
図1の状態)での鉛直方向を高さ方向D1と定義する。また、本実施形態では、説明の便宜上、設置状態での金属フレーム構造体10の正面に立つ人H1(
図2参照)から見た方向を基準として、前後方向D2及び左右方向D3を定義する。つまり、前後方向D2は金属フレーム構造体10の奥行方向に相当し、左右方向D3は金属フレーム構造体10の幅方向に相当する。高さ方向D1、前後方向D2及び左右方向D3は、互いに直交する。
【0021】
本開示でいう「構造物」は、金属フレーム構造体10の筒状フレーム1で構成される什器(家具を含む)等の構造物であって、作業台、テーブル、ベンチ、棚又はベッド等を含む。また、構造物は、ブース、プレハブ小屋又は物置等の個室であってもよい。本実施形態では一例として、金属フレーム構造体10の筒状フレーム1で構成される構造物が、工場で用いられる作業台である場合について説明するが、構造物の用途を限定する趣旨ではない。
【0022】
本開示でいう「筒体」とは、断面矩形状の角筒状、断面円形状の円筒状、又は断面多角形状(三角形状、五角形状及び六角形状等を含む)の筒状等に形成された部材を意味する。特に、金属製の筒状フレーム1を構成する複数の筒体(第1の筒体11及び第2の筒体12を含む)は、いずれも金属製のパイプ材(金属パイプ)からなる。本実施形態では一例として、複数の筒体がいずれも断面矩形状の角筒状である場合について説明するが、筒体の形状を角筒状に限定する趣旨ではない。
【0023】
本開示でいう「金属製」は、様々な金属を材料として形成される部材を含み、例えば、ステンレス鋼、鉄、アルミニウム、炭素鋼、合金鋼及び銅等の様々な部材を含む。さらに、「金属製」の筒状フレーム1は、一種類の金属で形成される場合だけでなく、例えば、異なる種類の金属で形成された複数の筒体にて構成されてもよいし、複数種類の金属が多層構造を成してもよい。さらに、筒状フレーム1は、少なくとも骨格が金属製であればよく、例えば、非金属によるコーティング、メッキ層、又は塗膜等が表面に形成されていてもよい。金属フレーム構造体10の各部品は、それぞれに求められる十分な強度を保つように、材質及び厚み等が設定されている。
【0024】
本開示でいう「支持対象物」は、支持フレーム2等によって支持され、金属フレーム構造体10に取り付けられる対象となる器具であって、ディスプレイ(モニタ)、マイク、スピーカ、カメラ又は照明器具等の様々な器具を含む。また、支持対象物73は、1つの器具に限らず、同種又は異種の複数の器具であってもよい。さらに、支持対象物73は、例えば、棚、箱又は台のように器具以外の物体であってもよい。本実施形態では一例として、支持対象物73がディスプレイである場合について説明するが、支持対象物73をディスプレイに限定する趣旨ではない。
【0025】
本開示でいう「平行」とは、一平面上の二直線であればどこまで延長しても交わらない場合、つまり二者間の角度が厳密に0度(又は180度)である場合に加えて、二者間の角度が0度に対して数度(例えば10度未満)程度の誤差範囲に収まる関係にあることをいう。同様に、本開示でいう「直交」とは、二者間の角度が厳密に90度で交わる場合に加えて、二者間の角度が90度に対して数度(例えば10度未満)程度の誤差範囲に収まる関係にあることをいう。
【0026】
[3]詳細
次に、本実施形態に係る金属フレーム構造体10の詳細について、
図1~
図10を参照して説明する。本実施形態では、上述したように金属フレーム構造体10の筒状フレーム1は、工場で用いられる作業台を構造物として構成する。この作業台においては、例えば、人H1(作業者)が、製品の加工、組み立て又は検査等の作業を行う。また、本実施形態では一例として、金属フレーム構造体10は据え置き型である。つまり、金属フレーム構造体10は、設置面S1上に置かれているだけであって、設置面S1に加工を施すことなく設置できる。
【0027】
[3.1]全体構成
金属フレーム構造体10は、
図1及び
図2に示すように、筒状フレーム1と、支持フレーム2と、結合金具3と、バックパネル部4と、土台部51と、を備えている。支持フレーム2には、上述したようにディスプレイ等の支持対象物73が支持されるが、支持対象物73は、金属フレーム構造体10の構成要素に含まれない。
図1では、支持フレーム2に支持される支持対象物73(ディスプレイ)を想像線(二点鎖線)で示している。
【0028】
筒状フレーム1は、1つの第1の筒体11と、複数(ここでは4つ)の第2の筒体12と、を有している。筒状フレーム1は、第1の筒体11及び(複数の)第2の筒体12を含む複数の筒体をつなげることで構成されている。ここで、筒状フレーム1を構成する複数の筒体(第1の筒体11及び第2の筒体12を含む)は、それぞれの内部空間Sp1(
図5参照)が一続きにつながる(連通する)ように、結合金具3を用いて結合されている。
【0029】
具体的には、第1の筒体11は、一対のサイドフレーム13と、バックフレーム14と、を含む。各サイドフレーム13は、一方向(本実施形態では前後方向D2)に延び、バックフレーム14は、一対のサイドフレーム13の一端部(本実施形態では後端部)同士を連結する。つまり、金属フレーム構造体10の正面に立つ人H1から見て、左右方向D3に沿って長さを有するバックフレーム14の長手方向の両端部に、それぞれ一対のサイドフレーム13の後端部(奥側の端部)が連結され、一対のサイドフレーム13が前方(手前)に延びることにより、第1の筒体11全体として、前方に開放された略C字状を成す。つまり、第1の筒体11は、上方から見て、手前側に開放された略C字状の「長さ」を有している。
【0030】
このように、一対のサイドフレーム13とバックフレーム14とは、第1の筒体11の「長さ」に沿って連結されており、1本の筒状フレーム1(第1の筒体11)を構成する。したがって、第1の筒体11の内部空間Sp1は、一対のサイドフレーム13からバックフレーム14にかけて連通する1つの空間を成す。一対のサイドフレーム13とバックフレーム14との接合は、例えば、溶接若しくは接着、又はこれらの組み合わせによって実現される。
【0031】
ここで、第1の筒体11の両端部、つまり各サイドフレーム13の長手方向の他端部(本実施形態では前端部)には、それぞれキャップ52が取り付けられている。これにより、第1の筒体11の両端部が一対のキャップ52にて塞がれる。キャップ52は、一例として取り外し可能な態様で第1の筒体11に取り付けられている。
図4等では、キャップ52が取り外された状態を図示している。
【0032】
複数(ここでは4つ)の第2の筒体12は、第1の筒体11の下面から下方に向けて突出する。つまり、高さ方向D1に沿って長さを有する第2の筒体12の長手方向の一端部(本実施形態では上端部)には、それぞれ第1の筒体11が連結される。具体的には、第1の筒体11の各サイドフレーム13における長手方向(前後方向D2)の両端部に対して、それぞれ第2の筒体12が1つずつ結合される。
【0033】
ここで、筒状フレーム1の内部空間Sp1を連通させるように、複数(ここでは4つ)の第2の筒体12が第1の筒体11に対して連結される。具体的には、第1の筒体11におけるサイドフレーム13における長手方向(前後方向D2)の両端部においては、その一側面(本実施形態では下面)にそれぞれ第1開口孔111が形成されている。一方、各第2の筒体12における長手方向(高さ方向D1)の一端面(本実施形態では上端面)には第2開口孔121が形成されている。各第2の筒体12は、第2開口孔121を第1の筒体11の第1開口孔111に突き合せた状態で、第1の筒体11(サイドフレーム13)に対して結合される。これにより、互いに突き合わされた第1開口孔111及び第2開口孔121を通して、第1の筒体11の内部空間Sp1と第2の筒体12の内部空間Sp1とが連通する。
【0034】
また、本実施形態では、筒状フレーム1を構成する複数の筒体(第1の筒体11及び第2の筒体12)は、いずれも断面矩形状の中空角筒状である。より詳細には、複数の筒体のうち、第2の筒体12の断面形状は正方形状である。第1の筒体11のうち、サイドフレーム13の断面形状は高さ方向D1に沿った長辺を有する長方形状であって、バックフレーム14の断面形状は正方形状である。ここで、サイドフレーム13の断面(長方形)の短辺(左右方向D3の寸法)は、第2の筒体12の断面(正方形)の一辺と略同一寸法である。一方、サイドフレーム13の断面(長方形)の長辺(高さ方向D1の寸法)は、バックフレーム14の断面(正方形)の一辺と略同一寸法である。つまり、バックフレーム14の断面形状は、第2の筒体12の断面形状に比べて一回り大きい。ただし、筒状フレーム1を構成する複数の筒体は角筒状に限らず、例えば断面円形状の中空円筒状であってもよい。
【0035】
支持フレーム2は、筒状フレーム1のうち上面から上方に突出し、支持対象物73(本実施形態ではディスプレイ)を支持する部材である。支持フレーム2は、高さ方向D1に沿って長さを有する。つまり、支持フレーム2は、筒状フレーム1に対して自立姿勢で固定される。このような支持フレーム2にて支持対象物73が支持されることにより、例えば、天板71上のスペースを有効に利用できる。
【0036】
具体的には、支持フレーム2は、支持対象物73としてのディスプレイを取り付け可能な器具支持具74(
図2参照)を支持する。器具支持具74には、支持対象物73が取り外し可能な態様で取り付けられ、これにより、支持対象物73は、支持フレーム2に対して間接的に支持されることになる。本実施形態では一例として、支持フレーム2は、断面円形状の中空円筒状である。器具支持具74は、支持フレーム2の長手方向(高さ方向D1)に沿って、支持フレーム2に対する取り付け位置が可変である。そのため、筒状フレーム1に対する支持対象物73の取付高さが調節可能となる。ただし、支持フレーム2は円筒状に限らず、例えば断面矩形状の中空角筒状であってもよい。
【0037】
支持フレーム2は、少なくとも長手方向(高さ方向D1)の一端面が開放されており、支持対象物73に接続される配線を、当該一端面から引き込むことが可能である。本実施形態では、支持フレーム2の長手方向の両端面が開放されているため、例えば支持フレーム2の下端面から引き込んだ配線を、支持フレーム2の上端面から引き出して支持対象物73に接続することが可能である。
【0038】
結合金具3は、第1の筒体11と第2の筒体12とを結合する部材である。結合金具3は、上述したように第1片31と第2片32とを有するアングル材を含んでおり、第1片31及び第2片32がそれぞれ第1の筒体11及び第2の筒体12に固定されることにより、第1の筒体11と第2の筒体12とを機械的に結合する。本実施形態では一例として、1つの第2の筒体12に対して2つの結合金具3(アングル材)が用いられており、したがって、4つの第2の筒体12を第1の筒体11に結合するのに8つの結合金具3(アングル材)が用いられる。
【0039】
また、金属フレーム構造体10は、例えば、第1の筒体11又は第2の筒体12と結合金具3とを結合するリベット、ねじ(ボルトを含む)、座金(ワッシャ)、ナット等の、金属フレーム構造体10の構成部品同士を結合するための締結具を更に備えている。ただし、これらの締結具は、あくまで構成部品同士を締結するための一手段に過ぎず、その他の手段で代替することも可能であるので、
図1等においては、これらの締結具の図示を適宜省略している。
【0040】
本実施形態に係る金属フレーム構造体10においては、筒状フレーム1は、その形状から、設置面S1に立設される脚部と、脚部によって支持されるトップ部と、に大別される。脚部は、設置面S1に対して直交するように高さ方向D1に沿った長さを有する。トップ部は、設置面S1に対して平行となるように左右方向D3に沿った長さを有する。本実施形態では一例として、筒状フレーム1を構成する複数の筒体のうち第2の筒体12が「脚部」であって、第1の筒体11(一対のサイドフレーム13及びバックフレーム14)が「トップ部」である。
【0041】
また、筒状フレーム1には、例えば、コンセント、スイッチ、USBコンセント、端子台又は通線孔等の種々の配線器具72を取り付け可能である。具体的には、筒状フレーム1には、少なくとも1つの器具取付孔15が形成されており、器具取付孔15に対して配線器具72を取り付け可能である。本実施形態では一例として、筒状フレーム1のうちトップ部としての第1の筒体11、複数(例えば3つ)の器具取付孔15が設けられている。器具取付孔15は、
図4に示すように、一方のサイドフレーム13の上面、バックフレーム14の上面及び下面にそれぞれ形成されている。特に配線器具72が取り付けられない器具取付孔15については、カバーが取り付けられて器具取付孔15が覆われていてもよいし、配線を通す作業孔として用いられてもよい。
【0042】
本実施形態に係る金属フレーム構造体10においては、筒状フレーム1の内部空間Sp1は、配線を通すための通線空間を含んでいる。つまり、筒状フレーム1の内部空間Sp1は、筒状フレーム1を構成する複数の筒体(第1の筒体11及び第2の筒体12を含む)にわたって連通しているので、この内部空間Sp1に配線を通すことが可能である。これにより、金属フレーム構造体10の周辺における配線の露出を抑えつつ、筒状フレーム1に沿って、例えば、配線器具72等につながる電源ケーブル又は通信線等の配線を通すことができる。
【0043】
金属フレーム構造体10は、筒状フレーム1に対して、例えば、作業台の天板71、ベンチの座面等の様々な部材を、取り付け可能に構成されている。天板71等の部材は、金属フレーム構造体10に対して取外し可能に取り付けられる。これにより、金属フレーム構造体10に対して所望の拡張機能を容易に持たせることが可能である。
図2では一例として、人H1が立位姿勢で使用する作業台を示しているが、この態様に限らず、例えば、人H1は椅子等に座った状態(座位姿勢)で作業台を使用してもよい。
【0044】
本実施形態では、作業台の天板71は、筒状フレーム1のうちのトップ部(第1の筒体11)に取り付けられるブラケット61にて、筒状フレーム1に固定される。具体的に、ブラケット61は、第1の筒体11のうちの一対のサイドフレーム13の対向面(左右方向D3の内側面)にそれぞれ取り付けられるアングル材からなる。ブラケット61は、前後方向D2に沿って長さを有し、1つのサイドフレーム13に1つ取り付けられており、計2つのブラケット61が金属フレーム構造体10に取り付けられる。したがって、天板71は、左右方向D3に離間した一対のサイドフレーム13間に架け渡されるようにして設置されるのであって、金属フレーム構造体10のサイズに合わせた適切な天板71を設置可能である。
【0045】
ここで、平面視における天板71の形状及び大きさは、一対のサイドフレーム13及びバックフレーム14で囲まれた空間に合わせて設定されている。これにより、筒状フレーム1は、一対のサイドフレーム13及びバックフレーム14で囲まれた空間に天板71を支持可能である。つまり、平面視において天板71は三方から筒状フレーム1で囲まれる形になり、筒状フレーム1は天板71の強固に支持可能である。しかも、筒状フレーム1のトップ部(第1の筒体11)に対して配線器具72が取り付けられる場合には、配線器具72が天板71の周囲に配置されることになり、配線器具72の使い勝手がよい。
【0046】
さらに、ブラケット61の上面は、第1の筒体11の上面に比べて低い位置に配置されている。つまり、ブラケット61の上面と第1の筒体11の上面との間には、ブラケット61側が一段下がるような段差が生じている。ここで、天板71の厚みは、ブラケット61の上面と第1の筒体11の上面との間の段差に合わせて設定されている。これにより、一対のサイドフレーム13間に天板71が取り付けられた状態では、第1の筒体11の上面と天板71の上面とは略面一になる。したがって、例えば、天板71の周囲に位置する筒状フレーム1上のスペースを、天板71と連続する作業スペースとして利用することができる。
【0047】
バックパネル部4は、左右方向D3に離間した一対の脚部(第2の筒体12)間にわたって取り付けられる。本実施形態では、4つの第2の筒体12のうち、後方(金属フレーム構造体10の正面に立つ人H1から見て奥側)に位置する2つの第2の筒体12に対して、バックパネル部4が取り付けられる。ここでは、バックパネル部4の長手方向(左右方向D3)の両端部が、それぞれ第2の筒体12に対して接合されることにより、バックパネル部4が一対の脚部(第2の筒体12)間に取り付けられる。バックパネル部4と第2の筒体12との接合は、例えば、ねじ止め、溶接若しくは接着、又はこれらの組み合わせによって実現される。
【0048】
本実施形態では一例として、バックパネル部4は、正面視において左右方向D3に沿った長辺を有する長方形状であって、前後方向D2に厚みを有する薄箱状に形成されている。具体的には、バックパネル部4は、後カバー41と、前カバー42と、を有している。前カバー42は、後カバー41との間に空間を確保した状態で、後カバー41に対して前後方向D2に組み合わされて結合される。これにより、バックパネル部4は、後カバー41と前カバー42との間に、例えば電源タップ(テーブルタップ)等の器具を収容することが可能である。バックパネル部4の下面には、バックパネル部4内に収容された器具に接続される配線を通すための通線孔43(
図5参照)が形成されている。
【0049】
金属フレーム構造体10は、このようなバックパネル部4を備えることにより、電源タップ(テーブルタップ)等の器具を収容するためのスペースを確保できる。しかも、バックパネル部4は、一対の脚部(第2の筒体12)間に取り付けられることで、筋交(ブレース)としても機能し、筒状フレーム1の強度及び安定性を向上させることができる。さらに、本実施形態では、バックパネル部4は、後側の筒状フレーム1の脚部(第2の筒体12)に対して取り付けられている。これにより、金属フレーム構造体10の背面を壁等に寄せて金属フレーム構造体10が設置される場合、バックパネル部4は壁際に位置することになり、金属フレーム構造体10(作業台)を使用する人H1の邪魔になりにくい。
【0050】
土台部51は、筒状フレーム1の脚部(第2の筒体12)の下端部に取り付けられ、金属フレーム構造体10の設置時に、脚部(第2の筒体12)を支持することにより、脚部(第2の筒体12)を設置面S1上に立設可能とする。具体的には、土台部51は、第2の筒体12に対して直交するように前後方向D2に沿った長さを有している。本実施形態では一例として、土台部51は断面矩形状の中空角筒状である。土台部51は、その上面から上方に突出するアングル材(L字金具)からなる突台511(
図3参照)を有し、第2の筒体12の下端部に挿入された突台511を第2の筒体12に対して接合することにより、第2の筒体12に取り付けられる。突台511と第2の筒体12との接合は、例えば、ねじ止め、溶接若しくは接着、又はこれらの組み合わせによって実現される。
【0051】
ここでは、1つの土台部51は前後方向D2に離間した一対の突台511を有している。一対の突台511は、それぞれ一対の脚部(第2の筒体12)に接合される。つまり、前後方向D2に離間した一対の第2の筒体12につき1つの土台部51が設けられるため、二対の第2の筒体12に対しては計2つの土台部51が取り付けられることになる。結果的に、4つの脚部(第2の筒体12)は、2つの土台部51上から上方に延びるように土台部51にて支持されることにより、設置面S1上に立設される。
【0052】
また、本実施形態に係る金属フレーム構造体10は、設置面S1からの脚部(第2の筒体12)の高さを調節する高さ調節機構として、土台部51の下面に設けられたアジャスタ512を備えている。アジャスタ512は、土台部51の下面からの突出量を調節可能に構成されている。そのため、アジャスタ512を操作することで、設置面S1に対する土台部51の高さ方向D1の位置を調節可能であって、これにより高さ調節機構が実現される。このような高さ調節機構を備えることにより、例えば、設置面S1の傾斜又は歪み等があっても、金属フレーム構造体10を安定して設置することが可能である。
【0053】
[3.2]支持フレームの固定構造
次に、金属フレーム構造体10の筒状フレーム1に対する支持フレーム2の固定構造について、
図6A~
図7Bを参照して、より詳細に説明する。
図6A及び
図6Bは、筒状フレーム1に対して支持フレーム2を取り付ける作業途中の状態を示し、
図7A及び
図7Bは、筒状フレーム1に対して支持フレーム2を取り付けた状態を示す。また、
図6A及び
図7Aは、金属フレーム構造体10を斜め上方から見た
図4の領域Z1を拡大した概略図であって、
図6B及び
図7Bは、金属フレーム構造体10を斜め下方から見た
図5の領域Z1を拡大した概略図である。
【0054】
本実施形態においては、支持対象物73を支持する筒状の支持フレーム2は、筒状フレーム1のうち、筒状フレーム1の設置状態において水平面に沿う部位から上方に向けて突出する。本実施形態では一例として、第1の筒体11のうち、筒状フレーム1の設置状態において上方を向いた部位(上面)から、支持フレーム2が上方に向けて突出する。そのため、支持フレーム2の下端部が固定される固定部100は、筒状フレーム1のうち第1の筒体11に設けられている。
【0055】
固定部100には、高さ方向D1に沿って貫通する貫通孔101が形成されている。支持フレーム2は、固定部100の貫通孔101に対して下方から上方に向けて挿入される形で、貫通孔101を貫通する。つまり、支持フレーム2は、筒状フレーム1(第1の筒体11)の一部に形成された貫通孔101を貫通した状態で、その下端部が固定部100に固定されることによって、筒状フレーム1に立設される。
【0056】
より詳細には、支持フレーム2は、フレーム本体21と、フランジ部22と、を有している。フレーム本体21は、筒状フレーム1の設置状態において、鉛直方向(高さ方向D1)に沿って延びる。フランジ部22は、フレーム本体21の下端部の外周面から外方に突出する。ここで、フレーム本体21は円筒筒状であって、フランジ部22は平面視において左右方向D3に沿った長辺を有する長方形の矩形板状に形成されている。本実施形態では、フレーム本体21とフランジ部22とは一体化されている。フレーム本体21とフランジ部22との接合は、例えば、溶接若しくは接着、又はこれらの組み合わせによって実現される。
【0057】
貫通孔101の開口面は、平面視において、フレーム本体21の外径よりも大きく、かつフランジ部22の外形よりも小さい。そのため、支持フレーム2のうち、フレーム本体21は貫通孔101を貫通できるが、フランジ部22は貫通孔101を貫通できない。さらに、筒状フレーム1(第1の筒体11)における固定部100と対向する部位(下面)には、フランジ部22よりも一回り大きい導入孔102が形成されている。したがって、支持フレーム2が導入孔102から上方に向けて挿入されると、フレーム本体21が貫通孔101を通して固定部100から上方に突出し、フランジ部22は固定部100における貫通孔101の周囲に対向する。
【0058】
ここにおいて、固定部100における貫通孔101の周囲には、複数(ここでは4つ)の固定孔103が形成されている。一方、フランジ部22における複数の固定孔103に対応する位置には複数(ここでは4つ)の透孔23が形成されている。そのため、例えば、ねじ(ボルトを含む)、座金(ワッシャ)及びナット等の締結具により、これら固定孔103及び透孔23を共締めすることで、固定部100とフランジ部22とを結合することが可能である。要するに、本実施形態では、固定部100の下面における貫通孔101の周囲にフランジ部22が対向し、かつ貫通孔101をフレーム本体21が貫通した状態で、フランジ部22が固定部100に固定される。
【0059】
この構成によれば、支持フレーム2が固定される固定部100には、支持フレーム2のフレーム本体21が貫通する貫通孔101が設けられているので、例えば、貫通孔101の内周縁によって支持フレーム2の傾きが抑制され、支持フレーム2が安定して固定部100に固定される。しかも、フランジ部22は固定部100の下方に位置するのであって、筒状フレーム1上にフランジ部22が位置することはなく、フランジ部22が露出することにより見栄えが悪くなることを回避できる。
【0060】
固定部100とフランジ部22とを結合するための締結具は、例えば、ねじ(ボルトを含む)及びナット等の、取り外し可能な締結具であることが好ましい。これにより、支持フレーム2は筒状フレーム1に対して、取り外し可能な態様で取り付けられることになる。ただし、この構成に限らず、固定部100とフランジ部22とを結合するための締結具は、リベット等の取り外し不可の締結具であってもよい。
【0061】
また、本実施形態では、筒状フレーム1の内部空間Sp1と支持フレーム2の内部空間Sp2とは連通しており、配線を通すための通線空間を含んでいる。つまり、支持フレーム2は、固定部100の貫通孔101を貫通した状態で筒状フレーム1に固定されるので、支持フレーム2の下端面の開口が固定部100で塞がれることもなく、当該開口を通して支持フレーム2の内部空間Sp2は筒状フレーム1(第1の筒体11)の内部空間Sp1につながる。これにより、金属フレーム構造体10の周辺における配線の露出を抑えつつ、例えば、支持対象物73につながる電源ケーブル又は通信線等の配線を通すことができる。
【0062】
さらに、本実施形態では、上述したように筒状フレーム1(第1の筒体11)は、一対のサイドフレーム13と、バックフレーム14と、を含むところ、固定部100は、バックフレーム14に配置されている。具体的には、バックフレーム14の長手方向(左右方向D3)の中央部に固定部100が設けられている。したがって、筒状フレーム1の中でも特に剛性の高いバックフレーム14に支持フレーム2が固定されることになり、支持フレーム2の固定構造の強度を向上させることができる。しかも、支持フレーム2に支持される支持対象物73が、金属フレーム構造体10の正面に立つ人H1から見て後端部(奥側の端部)寄りに配置されるので、例えば天板71上を広く使うことができる。
【0063】
[3.3]筒体間の結合構造
次に、金属フレーム構造体10の筒状フレーム1を構成する複数の筒体の結合構造について、
図8~
図10を参照して、より詳細に説明する。
図8は、第1の筒体11に対して第2の筒体12を取り付ける作業途中の状態を示し、
図9は、第1の筒体11に対して第2の筒体12を取り付けた状態を示す。また、
図8及び
図9は、金属フレーム構造体10を斜め下方から見た
図5の領域Z2を拡大した概略図である。
【0064】
本実施形態では、第1の筒体11と複数(ここでは4つ)の第2の筒体12とが、結合金具3にて結合されることにより、内部空間Sp1が連通した一体物の筒状フレーム1を構成している。ここで、第1の筒体11と第2の筒体12とは、第1の筒体11の長手方向に沿った一側面に形成される第1開口孔111に、第2の筒体12の長手方向の一端面に形成される第2開口孔121を突き合せた状態で結合される。結合金具3は、第1片31と、第2片32と、を有するアングル材(L字金具)を含む。第1片31は、第1の筒体11内で第1の筒体11の第1開口孔111の周囲に固定される。第2片32は、第2の筒体12内で第2の筒体12の第2開口孔121の周囲に固定される。
【0065】
本実施形態では一例として、第1開口孔111は、第1の筒体11の長手方向に沿った一側面としての「下面」に形成されている。一方、第2開口孔121は、第2の筒体12の長手方向の一端面としての「上端面」に形成されている。したがって、第1の筒体11と第2の筒体12とは、第1の筒体11の下面の第1開口孔111に、第2の筒体12の上端面の第2開口孔121を突き合せた状態で組み合わされ、結合金具3に結合される。
【0066】
より詳細には、第1開口孔111は、複数(ここでは4つ)の第2の筒体12に対応するように、1つの第1の筒体11に対して複数(ここでは4つ)設けられている。複数の第1開口孔111のうちの2つは、サイドフレーム13とバックフレーム14との間の角部に配置され、残りの2つはそれぞれサイドフレーム13の前端部に配置されている。複数の第1開口孔111は、いずれも平面視において、第2開口孔121と略同形状の正方形状に形成されている。
【0067】
本実施形態では、上述したように1つの第2の筒体12に対して2つの結合金具3(アングル材)が用いられている。各結合金具3は、その第1片31が第1開口孔111から第1の筒体11内に挿入され、第1の筒体11内において第1片31が第1の筒体11に結合される。これにより、各結合金具3の第2片32は、第1開口孔111から第1の筒体11外に(下方に向けて)突出する。そして、各結合金具3は、その第2片32が第2開口孔121から第2の筒体12内に挿入され、第2の筒体12内において第2片32が第2の筒体12に結合される。その結果、第1の筒体11に対して第2の筒体12が結合金具3を介して連結される。
【0068】
ここで、1つの第2の筒体12に対応する2つの結合金具3は、それぞれの第2片32が第1開口孔111の周縁のうちの異なる2辺から突出するように、第1片31が第1の筒体11に結合されている。厳密には、サイドフレーム13とバックフレーム14との間の角部に配置された第1開口孔111においては、サイドフレーム13が延びている側(前側)の辺と、バックフレーム14が延びている側(左右方向D3の内側)の辺との2辺に、結合金具3が取り付けられる。サイドフレーム13に配置された第1開口孔111においては、サイドフレーム13の長手方向である前後方向D2に対向する2辺に、結合金具3が取り付けられる。
【0069】
ところで、第1片31と第1の筒体11との接合は、例えば、リベット、ねじ止め、溶接若しくは接着、又はこれらの組み合わせによって実現される。同様に、第2片32と第2の筒体12との接合は、例えば、リベット、ねじ止め、溶接若しくは接着、又はこれらの組み合わせによって実現される。ただし、本実施形態では、第1片31は第1の筒体11に対して取り外し不可の態様で固定され、第2片32は第2の筒体12に対して取り外し可能な態様で固定される。つまり、第1片31と第1の筒体11との接合は、例えば、リベットのように取り外し不可の締結具により実現され、第2片32と第2の筒体12との接合は、例えば、ねじ(ボルト及びナット)のように取り外し可能な締結具により実現される。
【0070】
これにより、第1の筒体11と複数(ここでは8つ)の結合金具3とは一部材として扱うことができ、組立性が更に向上する。つまり、作業者は、第1の筒体11から突出している結合金具3の第2片32を第2開口孔121から第2の筒体12内に挿入し、第2の筒体12内において第2片32を第2の筒体12に結合するだけで、第1の筒体11と第2の筒体12とを結合することができる。
【0071】
具体的に、各第2片32には複数(ここでは2つ)のねじ孔33(
図8参照)が形成されている。一方、第2の筒体12における第2開口孔121の周囲、つまり脚部(第2の筒体12)の上端部における複数のねじ孔33に対応する位置には複数(ここでは4つ)の長孔122(
図8参照)が形成されている。そのため、例えば、ねじ(ボルトを含む)及び座金(ワッシャ)等の締結具により、長孔122及びねじ孔33を共締めすることで、第2片32と第2の筒体12とを結合することが可能である。
【0072】
また、脚部(第2の筒体12)の上端部に形成された長孔122は、
図10に示すように、高さ方向D1に長く形成されている。そのため、第2の筒体12に対する結合金具3(第2片32)の高さ方向D1の位置を調節可能である。これにより、第2の筒体12に対する第1の筒体の高さ方向D1の位置が調節可能となり、例えば、例えば、設置面S1の傾斜又は歪み等があって、複数の第2の筒体12の高さが微妙にずれていても、第1の筒体11を水平に設置しやすくなる。
【0073】
[3.4]その他の構成
筒状フレーム1の長手方向に沿った一側面には、筒状フレーム1の内部空間Sp1に通じる配線通し孔16が形成されている。配線通し孔16は、主として筒状フレーム1に配線を通す通線作業時に、作業者が内部空間Sp1にアクセスするために使用される。本実施形態に係る金属フレーム構造体10は、筒状フレーム1の適所に複数の配線通し孔16を有している。このような配線通し孔16が設けられることで、通線作業が容易になる。これら複数の配線通し孔16の少なくとも一つについては、カバーが取り付けられてもよいし、配線を通す通線孔として用いられてもよい。
【0074】
特に、配線通し孔16は、筒状フレーム1を構成する複数の筒体(第1の筒体11及び第2の筒体12を含む)の結合部付近、又は支持フレーム2と筒状フレーム1との結合部付近に配置されることが好ましい。ここでいう「結合部付近」は、作業者が、結合部を通る配線に、手指又は治具にて触れることができる程度に、結合部に近い位置を指す。
【0075】
具体的に、
図4及び
図5に示すように、第1の筒体11のうち、サイドフレーム13とバックフレーム14と第2の筒体12との結合部付近には、それぞれ配線通し孔16が設けられている。この配線通し孔16は、バックフレーム14の長手方向(左右方向D3)の両端部における前面にそれぞれ配置されている。さらに、第1の筒体11のうち、支持フレーム2との結合部(固定部100)付近にも配線通し孔16が設けられている。この配線通し孔16は、バックフレーム14の長手方向(左右方向D3)の中央部における上面及び下面にそれぞれ配置されている。
【0076】
[4]変形例
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。本開示において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0077】
金属フレーム構造体10が採用している種々の構成は、「金属」に限らず、例えば、炭素繊維強化プラスチック(カーボンコンポジット)、その他の樹脂製品、又は木材等にも適用可能である。
【0078】
また、バックパネル部4は、金属フレーム構造体10に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。特に、実施形態1で説明したような天板71が、左右方向D3に離間した脚部(第2の筒体12)間にわたって取り付けられている場合、バックパネル部4が省略されても、天板71をもって筒状フレーム1の強度及び安定性を向上させることができる。さらに、バックパネル部4に加えて又は代えて、斜めに延びる2本の筋交部材が互いに交差するように設けられてもよい。
【0079】
また、土台部51は、金属フレーム構造体10に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。例えば、金属フレーム構造体10が据え置き型でなく定位置固定型である場合には、土台部51は省略される。この場合、土台部51に代えて固定部材が用いられ、固定部材が設置面S1に対して、例えば、ねじ止め若しくは接着、又はこれらの組み合わせによって固定されることで、脚部(第2の筒体12)が設置面S1に立設される。定位置固定型であれば、脚部(第2の筒体12)の下端部に接合される突台511は、土台部51に代えて固定部材に設けられる。つまり、固定部材は、その上面から上方に突出するL字金具からなる突台511を有し、第2の筒体12の下端部に挿入された突台511を第2の筒体12に対して接合することにより、第2の筒体12に取り付けられる。
【0080】
また、第1の筒体11と第2の筒体12とを結合する結合金具3として、1つの第2の筒体12に対して2つの結合金具3が用いられることは必須ではなく、1つの第2の筒体12に対して1つの結合金具3、又は3つ以上の結合金具3が用いられてもよい。つまり、1つの第2の筒体12は、1つの結合金具3(アングル材)にて第1の筒体11と結合されてもよいし、3つ以上の結合金具3(アングル材)にて第1の筒体11と結合されてもよい。1つの第2の筒体12に対して用いられる結合金具3(アングル材)の数を調節することで、第1の筒体11に対する第2の筒体12の結合強度を調節できる。
【0081】
さらに、1つの第2の筒体12に対して設けられる複数(例えば2つ)の結合金具3の配置についても、実施形態1で説明した構成に限らない。例えば、サイドフレーム13とバックフレーム14との間の角部の第1開口孔111が、やや前方寄りに配置される場合、当該第1開口孔111において、サイドフレーム13の長手方向である前後方向D2に対向する2辺に、結合金具3が取り付けられてもよい。この場合、サイドフレーム13とバックフレーム14との間の角部に取り付けられる第2の筒体12は、サイドフレーム13の後端よりも前方側に配置される。1つの第2の筒体12に対して設けられる複数の結合金具3の配置を調節することにより、第1の筒体11に対する第2の筒体12の結合強度を調節できる。
【0082】
(実施形態2)
本実施形態に係る金属フレーム構造体10Aは、
図11~
図13に示すように、筒状フレーム1が下方に開放された略C字状(アーチ状)の形状を有する点で、実施形態1に係る金属フレーム構造体10と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
【0083】
本実施形態では、特に第1の筒体11の構成が実施形態1とは大きく異なる。第1の筒体11は、一対のサイドフレーム13及びバックフレーム14に加えて、複数(ここでは2つ)の縦フレーム17と、1つの上フレーム18と、を有している。これら複数の縦フレーム17と、上フレーム18と、が第1の筒体11の「長さ」に沿って連結されており、1本の第1の筒体11を構成する。具体的には、左右方向D3に沿って長さを有する上フレーム18の長手方向の両端部に、それぞれ縦フレーム17が結合され、縦フレーム17が下方に延びることにより、第1の筒体11は正面視において、下方に開放された略C字状(アーチ状)を成す。
【0084】
各縦フレーム17の上端部は、正面視において、湾曲形状を有しており、その先端部が、以下に説明する結合構造によって上フレーム18と結合される。すなわち、縦フレーム17と上フレーム18とは、その内部空間Sp1を連通させるように長さに沿って、結合プレート19にてつなげられる。結合プレート19は、
図13に示すように、矩形板状の部材であって、一部が上フレーム18に挿入され、当該一部が上フレーム18に固定される。また、結合プレート19のうち、上フレーム18から突出する部位は、縦フレーム17に挿入され、当該部位が縦フレーム17に固定される。これにより、結合プレート19は、内部空間Sp1において縦フレーム17と上フレーム18とを結合する。
【0085】
本実施形態では、支持フレーム2は、第1の筒体11における上フレーム18に対して吊り下げられるように取り付けられる。上フレーム18は、長手方向の複数箇所(ここでは3箇所)に支持フレーム2を取り付け可能に構成されている。
図11及び
図12では、上フレーム18に対して2つの支持フレーム2が取り付けられ、2つの支持対象物73が支持される例を示している。
【0086】
ところで、高さ方向D1に沿って長さを有する縦フレーム17は、その長手方向の中央部に第1開口孔111が形成されている。サイドフレーム13及びバックフレーム14は、それぞれの長手方向の一端面に形成された第2開口孔121を、第1開口孔111に突き合せるようにして、縦フレーム17と組み合わされる。ここで、結合金具3は、第1開口孔111から第2片32(
図8参照)を突出させるように、その第1片31(
図8参照)が縦フレーム17に固定されている。そして、結合金具3の第2片32を第2開口孔121から挿入し、サイドフレーム13及びバックフレーム14内においてサイドフレーム13及びバックフレーム14に固定する。これにより、サイドフレーム13及びバックフレーム14は、結合金具3によって縦フレーム17に結合される。つまり、サイドフレーム13及びバックフレーム14が「第2の筒体」に相当し、縦フレーム17が「第1の筒体」に相当する。
【0087】
この構成において、縦フレーム17のうち、サイドフレーム13及びバックフレーム14から下方に突出する部位は、第2の筒体12に代えて脚部として機能する。そのため、本実施形態では、脚部として機能する第2の筒体12は2つのみである。
【0088】
また、本実施形態では、配線通し孔16が、縦フレーム17及び上フレーム18の背面に複数設けられている。これにより、縦フレーム17及び上フレーム18内に配線を通す通線作業が容易になる。
【0089】
また、本実施形態では、筒状フレーム1は、複数の筒体をつなげることで構成されている。ここで、複数の筒体のうちの少なくとも1つの筒体については、平面視において反転させて組み合わせ可能であってもよい。一例として、バックフレーム14を左右方向D3において反転可能とすることで、バックフレーム14の長手方向(左右方向D3)の中央部より左側にある配線器具72を、中央部より右側に移動することができる。このような構成によれば、組み立ての自由度が高くなり、ユーザの使い勝手に合わせてカスタマイズが可能となる。
【0090】
実施形態2で説明した種々の構成は、実施形態1で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせることが可能である。
【0091】
(実施形態3)
本実施形態に係る金属フレーム構造体10Bは、
図14及び
図15に示すように、前後方向D2において対称な構成を採用している点で、実施形態1に係る金属フレーム構造体10と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
【0092】
この金属フレーム構造体10Bでは、作業台の天板71を前後方向D2の両方から使用することができる。そのため、例えば、複数人の人H1(作業者)が同時に金属フレーム構造体10を使用できる。
【0093】
具体的に、金属フレーム構造体10Bでは、一対のサイドフレーム13が前後方向D2に延長され、これら一対のサイドフレーム13の長手方向の中央部同士をバックフレーム14で連結するように構成されている。これにより、第1の筒体11は、平面視において、前後方向D2の両側に開放された略H字状の形状を有する。本実施形態では、バックフレーム14に対して前後方向D2の両側に、それぞれ天板71を取り付け可能であるため、2枚の天板71が取り付け可能である。
【0094】
脚部としての第2の筒体12は、各サイドフレーム13の長手方向(前後方向D2)の両端部となる4箇所、及びバックフレーム14の長手方向(左右方向D3)の中央部の計5箇所に取り付けられる。つまり、筒状フレーム1は、5つの第2の筒体12を有している。
【0095】
また、金属フレーム構造体10Bは、バックフレーム14と平行に配置され、一対のサイドフレーム13の長手方向の両端部同士を連結する一対の補強フレーム75を更に備える。加えて、金属フレーム構造体10Bは、サイドフレーム13と平行に配置され、一対の補強フレーム75の長手方向の中央部をそれぞれバックフレーム14の長手方向の中央部に連結する一対の補強フレーム76を更に備える。これら補強フレーム75,76が設けられることにより、天板71が比較的大きい場合でも、十分な耐荷重性能を実現できる。
【0096】
実施形態3で説明した種々の構成は、実施形態1又は実施形態2で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせることが可能である。
【0097】
〔発明の付記〕
以下、上述の実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0098】
<付記1>
金属製の筒状フレームと、
前記筒状フレームのうち前記筒状フレームの設置状態において水平面に沿う部位から上方に向けて突出し、支持対象物を支持する筒状の支持フレームと、を備え、
前記筒状フレームは、前記支持フレームの下端部が固定される固定部を有し、
前記固定部には、前記支持フレームが下方から上方に向けて挿入される形で前記支持フレームが貫通する貫通孔が形成されている、
金属フレーム構造体。
【0099】
<付記2>
前記支持フレームは、前記筒状フレームの設置状態において鉛直方向に沿って延びるフレーム本体と、前記フレーム本体の下端部の外周面から外方に突出するフランジ部と、を有し、
前記固定部の下面における前記貫通孔の周囲に前記フランジ部が対向し、かつ前記貫通孔を前記フレーム本体が貫通した状態で、前記フランジ部が前記固定部に固定される、
付記1に記載の金属フレーム構造体。
【0100】
<付記3>
前記筒状フレームの内部空間と前記支持フレームの内部空間とは連通しており、配線を通すための通線空間を含む、
付記1又は2に記載の金属フレーム構造体。
【0101】
<付記4>
前記筒状フレームは、第1の筒体及び第2の筒体を含む複数の筒体をつなげることで構成されており、
前記第1の筒体と前記第2の筒体とは、前記第1の筒体の長手方向に沿った一側面に形成される第1開口孔に、前記第2の筒体の長手方向の一端面に形成される第2開口孔を突き合せた状態で結合され、
前記第1の筒体と前記第2の筒体とを結合する結合金具は、前記第1の筒体内で前記第1の筒体の前記第1開口孔の周囲に固定される第1片と、前記第2の筒体内で前記第2の筒体の前記第2開口孔の周囲に固定される第2片と、を有するアングル材を含む、
付記1~3のいずれかに記載の金属フレーム構造体。
【0102】
<付記5>
前記第1片は前記第1の筒体に対して取り外し不可の態様で固定され、
前記第2片は前記第2の筒体に対して取り外し可能な態様で固定される、
付記4に記載の金属フレーム構造体。
【0103】
<付記6>
前記筒状フレームは、一方向に延びる一対のサイドフレーム、及び前記一対のサイドフレームの一端部同士を連結するバックフレームを含み、前記一対のサイドフレーム及び前記バックフレームで囲まれた空間に天板を支持可能であって、
前記固定部は、前記バックフレームに配置されている、
付記1~5のいずれかに記載の金属フレーム構造体。
【0104】
<付記7>
前記筒状フレームの長手方向に沿った一側面には、前記筒状フレームの内部空間に通じる配線通し孔が形成されている、
付記1~6のいずれかに記載の金属フレーム構造体。
【符号の説明】
【0105】
1 筒状フレーム
2 支持フレーム
3 結合金具
10,10A,10B 金属フレーム構造体
11 第1の筒体
12 第2の筒体
13 サイドフレーム(第2の筒体)
14 バックフレーム(第2の筒体)
16 配線通し孔
17 縦フレーム(第1の筒体)
21 フレーム本体
22 フランジ部
31 第1片
32 第2片
71 天板
73 支持対象物
100 固定部
101 貫通孔
111 第1開口孔
121 第2開口孔
Sp1 (筒状フレームの)内部空間
Sp2 (支持フレームの)内部空間
【要約】
【課題】主として組立性の向上を図りやすい金属フレーム構造体を提供する。
【解決手段】金属フレーム構造体10は、金属製の筒状フレーム1と、筒状の支持フレーム2と、を備える。支持フレーム2は、筒状フレーム1のうち筒状フレーム1の設置状態において水平面に沿う部位から上方に向けて突出し、支持対象物を支持する。筒状フレーム1は、支持フレーム2の下端部が固定される固定部100を有する。固定部100には、支持フレーム2が下方から上方に向けて挿入される形で支持フレーム2が貫通する貫通孔101が形成されている。
【選択図】
図3