(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】酒類の情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20221221BHJP
G07F 9/10 20060101ALN20221221BHJP
【FI】
G06Q50/10
G07F9/10 F
(21)【出願番号】P 2018147694
(22)【出願日】2018-08-06
【審査請求日】2021-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】506160710
【氏名又は名称】有限会社村上商店
(73)【特許権者】
【識別番号】512198785
【氏名又は名称】株式会社エイブルコンピュータ
(74)【代理人】
【識別番号】100113608
【氏名又は名称】平川 明
(74)【代理人】
【識別番号】100123319
【氏名又は名称】関根 武彦
(72)【発明者】
【氏名】村上 修
(72)【発明者】
【氏名】新田 一也
【審査官】菊池 伸郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-164237(JP,A)
【文献】特開2010-067185(JP,A)
【文献】特開2016-164761(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0280529(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0019559(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0257586(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07F 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酒類の一の銘柄に固有の情報である銘柄固有情報を取得することと、前記銘柄固有情報を符号化することと、当該符号を出力すること、を実行する制御部を備える一以上の第1の装置と、
前記符号を読取可能な符号読取部と、表示部と、制御部とを備える一以上の第2の装置と、を有する酒類の情報処理システムであって、
前記第1の装置は酒類の試飲装置であり、
前記第1の装置の制御部は、
試飲のための酒類の供給と同時に、又は、酒類の供給後に、当該供給された酒類に対応する前記銘柄固有情報の前記符号を、光学的に読み取り可能に出力し、
前記第2の装置の制御部は、
前記符号読取部を介して前記符号を読み取ることと、
前記読み取った符号を復号し、前記銘柄固有情報を取得することと、
前記銘柄固有情報を含むユーザー個別情報を、前記表示部を介して所定のレイアウトで表示すること、
を実行する、酒類の情報処理システム。
【請求項2】
酒類の一の銘柄に固有の情報である銘柄固有情報を取得することと、前記銘柄固有情報を符号化することと、当該符号を出力すること、を実行する制御部を備える一以上の第1の装置と、
前記符号を読取可能な符号読取部と、表示部と、制御部とを備える一以上の第2の装置と、
出力部及び制御部を備える酒類の試飲装置と、を有する酒類の情報処理システムであって、
前記第1の装置の制御部が実行する前記符号の出力は、前記酒類の試飲装置に前記符号化された銘柄固有情報を提供することであって、
前記酒類の試飲装置の制御部は、
試飲のための酒類の供給と同時に又は酒類の供給後に、当該供給された酒類に対応する
前記第1の装置から提供された前記符号化された銘柄固有情報の前記符号を、前記酒類の試飲装置の前記出力部を介して光学的に読み取り可能に出力すること、を実行し、
前記第2の装置の制御部は、
前記符号読取部を介して前記符号を読み取ることと、
前記読み取った符号を復号し、前記銘柄固有情報を取得することと、
前記銘柄固有情報を含むユーザー個別情報を、前記表示部を介して所定のレイアウトで表示すること、を実行する、
酒類の情報処理システム。
【請求項3】
前記第1の装置及び前記酒類の試飲装置は、それぞれ通信部をさらに備えており、
前記第1の装置から前記酒類の試飲装置への、前記符号化された銘柄固有情報の提供は、前記各通信部を介して、前記符号化された銘柄固有情報を電子情報として送信することである、
ことを特徴とする請求項
2に記載の酒類の情報処理システム。
【請求項4】
前記第2の装置は、入力部と記憶部とをさらに備えており、
前記第2の装置の制御部は、
前記銘柄固有情報に対する付加情報を、前記入力部を介して取得することと、
一以上の前記ユーザー個別情報を、前記記憶部に保存すること、
をさらに実行し、
前記ユーザー個別情報には、前記付加情報が含まれる、
ことを特徴とする請求項1
から3のいずれか一項に記載の酒類の情報処理システム。
【請求項5】
前記第1の装置の制御部は、
対話型のユーザーインターフェースに基づく入力を受付けることで、前記銘柄固有情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1
から3のいずれか一項に記載の酒類の情報処理システム。
【請求項6】
前記酒類の試飲装置は液晶ディスプレイを備えており、
前記供給された酒類に対応する前記銘柄固有情報の前記符号を出力することは、
前記液晶ディスプレイに前記符号を表示することである、
請求項
1から
5のいずれか一項に記載の酒類の情報処理システム。
【請求項7】
前記酒類の試飲装置は印刷手段を備えており、
前記供給された酒類に対応する前記銘柄固有情報の前記符号を出力することは、
前記符号を紙片に印刷することである、
請求項
1から
5のいずれか一項に記載の酒類の情報処理システム。
【請求項8】
少なくとも前記第2の装置とネットワークを介して接続されるサーバ装置をさらに有しており、
前記第2の装置はさらに通信部を備え、
前記第2の装置の制御部は前記ユーザー個別情報を、前記通信部を介して前記サーバ装置に送信する、ことをさらに実行し、
一以上の前記ユーザー個別情報が前記サーバ装置に保存される、
ことを特徴とする、請求項1から
7のいずれか一項に記載の酒類の情報処理システム。
【請求項9】
前記第2の装置の制御部は、
前記入力部を介して受付けるユーザーの操作に基づいて、前記通信部を介して前記サーバ装置に保存された前記ユーザー個別情報を取得することと、
前記取得したユーザー個別情報を、前記表示部を介して所定のレイアウトで表示するこ
と、をさらに実行する、
ことを特徴とする、請求項
8に記載の酒類の情報処理システム。
【請求項10】
前記サーバ装置には、複数の前記第2の装置から送信された複数の前記ユーザー個別情報が保存されており、
前記第2の装置が取得するユーザー個別情報は、
前記ユーザー個別情報を取得する前記第2の装置とは異なる前記第2の装置から前記サーバ装置に送信されたユーザー個別情報である、
ことを特徴とする、請求項
9に記載の酒類の情報処理システム。
【請求項11】
前記第2の装置が取得するユーザー個別情報は、
前記サーバ装置に所定のユーザー属性情報を送信することを条件として、前記サーバ装置から提供されるものである、
ことを特徴とする、請求項
9又は
10に記載の酒類の情報処理システム。
【請求項12】
前記酒類は日本酒であることを特徴とする、請求項1から
11のいずれか一項に記載の酒類の情報処理システム。
【請求項13】
前記銘柄固有情報には、
銘柄の名称、生産地名、種類、原料の米の品種、原料の米の精白度合い、アルコール度数、の少なくともいずれか一つが含まれる、
ことを特徴とする請求項
12に記載の酒類の情報処理システム。
【請求項14】
第1の装置により、酒類の一の銘柄に固有の情報である銘柄固有情報を取得する第1のステップと
前記第1の装置により、前記第1のステップで取得した銘柄固有情報を符号化する第2のステップと
前記第1の装置により、前記第2のステップで生成された符号を出力する第3のステップと、
第2の装置により、前記第3のステップで出力された符号を読み取る第4のステップと、
前記第2の装置により、前記第4のステップで読み取った符号を復号し、前記銘柄固有情報を取得する第5のステップと、
前記第2の装置により、前記第5のステップで取得した前記銘柄固有情報を含むユーザー個別情報を、所定のレイアウトで表示する第6のステップと、
を有する、酒類の情報処理方法
であって、
前記第1の装置は、酒類の試飲装置であり、
前記第3のステップでは、前記酒類の試飲装置による試飲のための酒類の供給と同時に、又は、酒類の供給後に、当該供給された酒類に対応する前記銘柄固有情報に係る前記符号を、光学的に読み取り可能に出力する、
酒類の情報処理方法。
【請求項15】
酒類の試飲装置を制御するためのプログラムであって、
酒類の一の銘柄に固有の情報である銘柄固有情報を取得する第1のステップと、
前記第1のステップで取得した銘柄固有情報を符号化する第2のステップと、
前記酒類の試飲装置による試飲のための酒類の供給と同時に、又は、酒類の供給後に、当該供給された酒類に対応する前記銘柄固有情報に係る前記符号を、光学的に読み取り可能に出力する第3のステップと、
を前記酒類の試飲装置に実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酒類に係る情報の管理及び提供を行うためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
酒類の試飲を希望するユーザーに対して、所定の代金と引き換えに、試飲に適した所定量の酒類を提供する、酒類の試飲装置が知られている(例えば、特許文献1)。このような装置によると、空港、駅、宿泊施設、イベント会場、など多様な場所で、酒類の試飲の機会を提供することができる。また、試飲用の酒類の提供のためにスタッフが常駐する必要が無く、多くの場所で恒常的に酒類の試飲の機会を提供することができる。
【0003】
このようにスタッフが常駐しないことは、上記のメリットの反面、酒類を試飲した者(以下、試飲者ともいう)が、試飲した酒類の情報を詳しく知りたいと思った場合であっても、その情報を提供する者がいないというデメリットをも生じさせることになる。これについては、試飲装置或いはその近傍に、提供されている酒類の情報を掲出することも考えられるが、スペースには限りがあり、多くの銘柄の酒類を提供する場合には、これらについて全て詳細な情報を掲出しておくことは現実的でない。
【0004】
また、試飲者の側においても、酒類の試飲をした後、例えその酒類についての情報の提供を受けた場合であっても、当該情報と試飲時の感想とを関連付けて記憶しておくことは、容易ではないという問題がある。これに対して、手帳、携帯情報端末などに、試飲時の情報と感想を記録しておくことも考えられるが、酒類についての詳細な情報を適時に書き取る(入力する)ことは煩雑であり、記録を残すことを断念する者も多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記のような実情に鑑みて、酒類の提供にあたり、当該酒類についての詳細な情報を限られたスペースで提供することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明に係る酒類の情報処理システムは、酒類の一の銘柄に固有の情報である銘柄固有情報を取得することと、前記銘柄固有情報を符号化することと、当該符号を出力すること、を実行する制御部を備える一以上の第1の装置と、前記符号を読取可能な符号読取部と、表示部と、制御部とを備える一以上の第2の装置と、を有するシステムであって、前記第2の装置の制御部は、前記符号読取部を介して前記符号を読み取ることと、前記読み取った符号を復号し、前記銘柄固有情報を取得することと、前記銘柄固有情報を含むユーザー個別情報を、前記表示部を介して所定のレイアウトで表示すること、を実行する。
【0008】
なお、ここで「銘柄固有情報」とは、ある銘柄の酒類を他の銘柄と識別可能に特定する情報であり、酒類が日本酒であれば、例えば、銘柄の名称、種類(吟醸酒、純米酒、原酒、等)、生産地、原材料米の品種、原材料米の精白度(又は精米歩合)、アルコール度数、日本酒度、酸度、酵母の種類、などが該当する。
【0009】
上記のようなシステムの構成により、酒類の提供するにあたり、当該酒類の提供を行う者は、当該酒類についての詳細な情報を第1の装置により符号化し、酒類の提供を受ける者が第2の装置で当該符号を読み取る事で、酒類の詳細な情報を入手することができる。即ち、多くの銘柄の酒類を提供するような場においても、それら酒類についての詳細な情報を限られたスペースで提供可能にすることができる。
【0010】
また、前記第2の装置は、入力部と記憶部とをさらに備えており、前記第2の装置の制御部は、前記銘柄固有情報に対する付加情報を、前記入力部を介して取得することと、一以上の前記ユーザー個別情報を前記記憶部に保存すること、をさらに実行し、前記ユーザー個別情報には、前記付加情報が含まれる、ようにしてもよい。ここで、付加情報とは、銘柄固有情報に対する付加的な情報であり、例えば、当該銘柄を試飲した日時、当該銘柄のボトルの写真、当該銘柄を試飲した者の評価点数、当該銘柄を試飲した者のコメント、などが該当する。
【0011】
上記のような構成によると、酒類の提供を受けた者は、その銘柄についての詳細な情報を取得することができるとともに、例えば当該銘柄の提供を受けた状況、当該銘柄に対する感想、などの個人的な記録を、銘柄固有情報と容易に関連づけて記録することができるようになる。
【0012】
また、前記第1の装置の制御部は、対話型のユーザーインターフェースに基づく入力を受付けることで、前記銘柄固有情報を取得する、ものであってもよい。このような構成によると、銘柄固有情報を入力する酒類の提供者は、入力すべき情報の取捨選択、表現の仕方、等をどうするかについて個別に考慮する必要がなくなり、容易に銘柄固有情報を入力することができる。
【0013】
また、前記第1の装置は酒類の試飲装置であり、前記第1の装置の制御部は、試飲のための酒類の供給と同時に、又は、酒類の供給後に、当該供給された酒類に対応する前記銘柄固有情報の前記符号を、光学的に読み取り可能に出力する、ものであってもよい。酒類の試飲の場では特に銘柄固有情報の需要が高く、酒類を装置によって自動で提供するような場において、本発明は好適である。
【0014】
また、前記のシステムは、出力部及び制御部を備える酒類の試飲装置をさらに有しており、前記第1の装置の制御部が実行する前記符号の出力は、前記酒類の試飲装置に前記符号化された銘柄固有情報を提供することであって、前記酒類の試飲装置の制御部は、試飲のための酒類の供給と同時に又は酒類の供給後に、当該供給された酒類に対応する前記第1の装置から提供された前記符号化された銘柄固有情報の当該符号を、前記出力部を介して光学的に読み取り可能に出力すること、を実行するものであってもよい。
【0015】
さらに、前記第1の装置及び前記酒類の試飲装置は、それぞれ通信部をさらに備えており、前記第1の装置から前記酒類の試飲装置への、前記符号化された銘柄固有情報の提供は、前記各通信部を介して、前記符号化された銘柄固有情報を電子情報として送信するものであってもよい。このような構成によると、酒類の提供者は、酒類の試飲装置とは離れた場所で銘柄固有情報を入力し、符号を試飲装置において出力させることができる。
【0016】
なお、前記供給された酒類に対応する前記銘柄固有情報の前記符号を出力することは、液晶ディスプレイに前記符号を表示することであってもよいし、前記符号を紙片に印刷することであってもよい。また、当該紙片は接着部を有する、いわゆるシールであってもよい。このような構成であれば、符号が印刷された紙片をさらに活用することができる。
【0017】
また、前記システムは、少なくとも前記第2の装置とネットワークを介して接続される
サーバ装置をさらに有しており、前記第2の装置はさらに通信部を備え、前記第2の装置の制御部は前記ユーザー個別情報を、前記通信部を介して前記サーバ装置に送信する、ことをさらに実行し、一以上の前記ユーザー個別情報が前記サーバ装置に保存される、ものであってもよい。
【0018】
このような構成であると、システムの運用者はユーザー個別情報をサーバに収集し、ビッグデータとして活用することも可能になる。
【0019】
また、前記第2の装置の制御部は、前記入力部を介して受付けるユーザーの操作に基づいて、前記通信部を介して前記サーバ装置に保存された前記ユーザー個別情報を取得することと、前記取得したユーザー個別情報を、前記表示部を介して所定のレイアウトで表示すること、をさらに実行する、ものであってもよい。
【0020】
このような構成によると、前記第2の装置のユーザーは、個々の第2の装置におけるユーザー個別情報のバックアップ等に、サーバ装置に保存されたユーザー個別情報を活用することができるようになる。
【0021】
また、前記サーバ装置には、複数の前記第2の装置から送信された複数の前記ユーザー個別情報が保存されており、前記第2の装置が取得するユーザー個別情報は、前記ユーザー個別情報を取得する前記第2の装置とは異なる前記第2の装置から前記サーバ装置に送信されたユーザー個別情報であってもよい。このような構成によると、一の第2の装置のユーザーは、他のユーザーのユーザー個別情報を入手することができる。
【0022】
また、前記第2の装置が取得するユーザー個別情報は、前記サーバ装置に所定のユーザー属性情報を送信することを条件として、前記サーバ装置から提供されるものであってもよい。なお、ここでユーザー属性情報とは、ユーザーの属性を示す情報であり、例えば、性別、年齢、飲酒歴、氏名、住所、職業などが該当する。
【0023】
このような構成によると、システムの管理者は、前記サーバ装置に保存されたユーザー個別情報にアクセスしようとする前記第2の装置のユーザーの属性情報を入手することができ、提供された銘柄の酒類と、当該提供を受けたユーザーの属性との関連を分析することが可能になる。
【0024】
また、前記酒類は日本酒であってもよく、前記銘柄固有情報には、銘柄の名称、生産地名、種類、原料の米の品種、原料の米の精白度合い、アルコール度数、の少なくともいずれか一つが含まれていてもよい。
【0025】
また、上記の課題を解決するため、本発明に係る情報処理方法は、第1の装置により、酒類の一の銘柄に固有の情報である銘柄固有情報を取得する第1のステップと前記第1の装置により、前記第1のステップで取得した銘柄固有情報を符号化する第2のステップと前記第1の装置により、前記第2のステップで生成された符号を出力する第3のステップと、第2の装置により、前記第3のステップで出力された符号を読み取る第4のステップと、前記第2の装置により、前記第4のステップで読み取った符号を復号し、前記銘柄固有情報を取得する第5のステップと、前記第2の装置により、前記第5のステップで取得した前記銘柄固有情報を含むユーザー個別情報を、所定のレイアウトで表示する第6のステップと、を有する。
【0026】
また、上記の課題を解決するため、本発明に係るプログラムは、酒類の一の銘柄に固有の情報である銘柄固有情報を取得する第1のステップと、前記第1のステップで取得した銘柄固有情報を符号化する第2のステップと、前記第2のステップで生成された符号を出
力する第3のステップと、を有する情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムと、酒類の一の銘柄に固有の情報である銘柄固有情報が符号化された当該符号を読み取る第1のステップと、前記第1のステップで読み取った符号を復号し、前記銘柄固有情報を取得する第2のステップと、前記第2のステップで取得した、前記銘柄固有情報を含むユーザー個別情報を、所定のレイアウトで表示する第3のステップと、を有する情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムと、を含む。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、酒類の提供にあたり、当該酒類についての詳細な情報を限られたスペースで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る日本酒銘柄情報処理システムの構成例を模式的に示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態2に係る日本酒銘柄情報処理システムの概要図である。
【
図3】
図3は、実施形態2に係る日本酒銘柄情報処理システムが有する構成要素の一例を概略的に示したブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態2に係る日本酒試飲装置の外観を示す概略図である。
【
図5】
図5は、実施形態2に係る銘柄固有情報と付加情報とが所定のレイアウトで表示された画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本実施形態に係るシステムにおける日本酒情報処理のための処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】
図7Aは、実施形態3におけるサーバ装置の構成を概略的に示したブロック図である。
図7Bは、実施形態3における試飲者端末の構成を概略的に示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に記載がない限りは発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0030】
<実施形態1>
まず実施形態1に係る日本酒銘柄情報処理システム1の概要について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、実施形態1に係る日本酒銘柄情報処理システムの構成例を模式的に示すブロック図である。以下では、日本酒銘柄情報処理システム1を単にシステムともいう。本実施形態に係るシステムは、供給者端末80、被供給者端末90を含んで構成される、日本酒に関する情報を処理するためのシステムである。一のシステムにおける上記の各構成要素は、それぞれ複数であってもよく、特に被供給者端末90は、基本的には本システムを利用する日本酒の被供給者の数だけ存在する。なお、本実施形態において、供給者端末80が本発明における第1の装置に相当し、被供給者端末90が本発明における第2の装置に相当する。
【0031】
(供給者端末)
供給者端末80は、日本酒を供給する者(酒蔵、日本酒販売店など)が、当該提供する日本酒の情報を処理するために用いられる端末装置である。被供給者端末90は、供給者から日本酒の供給を受ける者が管理する端末装置であり、例えばスマートフォンなどの、携帯可能な情報処理端末である。
【0032】
供給者端末80は、一般的なコンピュータにより構成され、制御部810、記憶部820、プリンタ830、及び各種入出力部(図示しない)を含んで構成される。制御部81
0は、供給者端末80の制御を司る手段であり、例えば、CPUなどによって構成される。制御部810は、機能モジュールとして、銘柄固有情報取得部811、符号化処理部812、符号情報処理部813を有している。各機能モジュールは、例えば、ROM等の記憶手段に記憶されたプログラムをCPUによって実行することで実現してもよい。
【0033】
記憶部820は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)、などからなり、各種の情報が記憶される。また、プリンタ830は、シート状の紙片に対して印刷を行う出力手段であり、インクジェット方式であってもトナー方式であってもよい。なお、プリンタが印刷を行う紙片は、通常のコピー用紙等であってもよいし、印刷面の反対側に接着面を有するシール状の紙片であってもよい。
【0034】
続けて、制御部810が有する各機能モジュールについて説明する。銘柄固有情報取得部811は、図示しない入力部を介して、日本酒の銘柄毎に固有な情報(銘柄固有情報)を取得し、記憶部820に格納する。具体的には、例えば、図示しないディスプレイ装置を介して提供される、対話型のユーザーインターフェースにより、日本酒供給者(以下、供給ユーザーともいう)からの入力を受付けることによって、銘柄固有情報を取得する。
【0035】
ここで、銘柄固有情報とは、例えば、銘柄の名称、種類(吟醸酒、純米酒、原酒、等)、生産地、原材料米の品種、原材料米の精白度(又は精米歩合)、アルコール度数、日本酒度、酸度、酵母の種類、などの、ある銘柄の日本酒を他の銘柄と識別可能に特定する情報である。上述の対話型インターフェースでは、これらの各項目について順番に入力が促され、供給ユーザーは項目に応じて提供される入力方法(例えば、テキストボックスへの文字の入力、プルダウンメニューからの選択、チェックボックスへのチェック、など)によって入力を行う。
【0036】
符号化処理部812は、銘柄固有情報取得部811によって取得された銘柄固有情報を、光学的に読み取り可能な二次元コードに符号化し、記憶部820に格納する。符号情報処理部813は、符号化処理部812によって二次元コードに変換された銘柄固有情報(以下、符号ともいう)を、プリンタ830を介して出力する処理を行う。
【0037】
(被供給者端末)
被供給者端末90は、日本酒の供給を受ける者(以下、被供給者ともいう)が管理する、例えば、スマートフォンなどの、携帯可能な情報処理端末であり、制御部910、カメラ920、タッチパネルディスプレイ930、記憶部940を含んで構成される。制御部910は、被供給者端末90の制御を司る手段であり、例えば、CPUなどによって構成される。制御部910は、機能モジュールとして、復号処理部911、ユーザー個別情報処理部912を有している。各機能モジュールは、例えば、ROM等の記憶手段に記憶されたプログラムをCPUによって実行することで実現してもよい。
【0038】
カメラ920は、符号を光学的に撮像する(読み取る)ことが可能であれば、既知の携帯型情報端末に搭載される通常の性能のもので足りる。被供給者端末90に内蔵されているものであっても良いし、拡張的に付加されるものであってもよい。なお、本実施形態におけるカメラ920が、本発明における第2の装置の符号読取部に該当する。
【0039】
タッチパネルディスプレイ930は、どのような方式のものであってもよく、既知の技術を適用可能である。なお、本実施形態におけるタッチパネルディスプレイ930は、本発明における第2の装置の表示部及び入力部に該当する。また、記憶部940は、RAM等の主記憶部、フラッシュメモリ等の補助記憶部から構成され、各種の情報が記憶される。
【0040】
続けて、制御部910が有する各機能モジュールについて説明する。復号処理部911は、カメラ920を介して符号を取得し、当該取得した符号を復号することによって元の銘柄固有情報を取得する。
【0041】
ユーザー個別情報処理部912は、ユーザー個別情報を作成し、これを記憶部940に格納する。なお、本実施形態において、ユーザー個別情報とは、銘柄固有情報と、当該銘柄固有情報をどのように表示するかというレイアウト情報との組み合わせの情報である。また、ユーザー個別情報処理部912は、前記のレイアウト情報に従って、銘柄固有情報を所定のレイアウトでタッチパネルディスプレイ930に表示する。
【0042】
なお、上記のレイアウト情報は、銘柄識別情報と併せて符号に格納されていてもよいし、被供給者端末を管理するユーザーが所望のレイアウト情報を取得(或いは作成)するのであってもよい。
【0043】
(日本酒に関する情報の処理)
次に、本実施形態に係るシステムにおいて行われる日本酒に関する情報の処理について説明する。まず、日本酒を供給する供給ユーザーは、供給者端末80により、銘柄固有情報を符号化し、該符号を印刷する。ここで、符号が印刷されるのは、例えば、市販される日本酒のボトルに貼付されるラベル、同じく市販される日本酒の包装箱、シール状の紙片などである。
【0044】
符号をシール状の紙片などに印刷した場合には、当該シールを、例えば日本酒を販売する店頭の棚、店内POPなどに貼付して用いることもできる。また、いわゆるディスペンサー型の飲料供給装置を用いて、日本酒の試飲の機会を提供するような場合において、当該装置の筐体、装置の近傍に設けた案内板などに貼付して用いることもできる。また、シールでない紙片に符号を印刷した場合であっても、これを所望の場所に、所望の方法で掲出して用いる事ができる。
【0045】
次に、日本酒の供給を受ける側の被供給者は、日本酒の供給を受ける際に、当該日本酒の銘柄に係る符号が提供されていれば、被供給者端末90のカメラ920を用いて符号を撮影する(読み込む)。撮影する符号は、購入或いは贈与された日本酒の包装、ラベルなどに印刷されたものであってもよいし、日本酒販売店の店頭で掲示されているものであってもよい。また、日本酒試飲装置を利用する際に、提供されるものであってもよい。
【0046】
符号が被供給者端末90によって読み込まれると、前述の制御部910の各機能により、当該符号に係る銘柄固有情報が、タッチパネルディスプレイ930に所定のレイアウトで表示されるとともに、記憶部940に保存される。
【0047】
以上のような本実施形態のシステムの構成により、日本酒の供給者は、少ないスペースで、提供する日本酒についての詳細な情報を提供することができ、日本酒の被供給者は、容易に、供給された日本酒についての詳細な情報を閲覧及び記録することができる。
【0048】
(実施形態1の変形例)
なお、上記の実施形態1では、ユーザー個別情報処理部912によって作成されたユーザー個別情報は、記憶部940に保存される構成となっていたが、必ずしもこのような構成である必要はない。即ち、ユーザー個別情報処理部912は、銘柄固有情報を所定のレイアウトでタッチパネルディスプレイ930に表示するのみであっても構わない。
【0049】
<実施形態2>
(システム構成)
次に、実施形態2に係る日本酒銘柄情報処理システム2の概要について、
図2を参照しながら説明する。以下では、日本酒銘柄情報処理システム2を単にシステムともいう。本実施形態に係るシステムは、供給者端末10、サーバ装置20、日本酒試飲装置30、試飲者端末40を含んで構成される、日本酒の銘柄に関する情報処理のためのシステムである。なお、一のシステムにおける上記の各構成要素は、それぞれ複数であってもよく、特に試飲者端末40は、基本的には本システムを利用する日本酒の試飲者の数だけ存在する。なお、本実施形態において、供給者端末10が本発明における第1の装置に相当し、試飲者端末40が本発明における第2の装置に相当する。また、本実施形態における日本酒試飲装置30が、本発明における酒類の試飲装置に相当する。
【0050】
日本酒銘柄情報処理システム2においては、供給者端末10、サーバ装置20、日本酒試飲装置30、試飲者端末40が、ネットワークN1によって相互に接続される。ネットワークN1には、例えば、インターネット等の世界規模の公衆通信網であるWAN(Wide Area Network)やその他の通信網が採用されてもよい。また、ネットワークN1は、携帯電話等の電話通信網、WiFi等の無線通信網を含んでもよい。
【0051】
供給者端末10は、日本酒を供給する者(酒蔵、日本酒販売店など)が、当該提供する日本酒の情報を処理するために用いられる端末装置である。サーバ装置20は、ネットワークN1を介して供給者端末10、日本酒試飲装置30、及び試飲者端末40と通信を行うとともに、所定の情報処理を行う装置である。日本酒試飲装置30は、試飲に適した量の日本酒を利用者の求めに応じて提供する装置であり、内部には試飲に供される複数の銘柄の日本酒が格納されている。試飲者端末40は、日本酒試飲装置30を利用する日本酒の試飲者が管理する端末装置であり、例えばスマートフォンなどの、携帯可能な情報処理端末である。
【0052】
以下、システムの各構成要素について、詳しく説明する。
図3は、
図2に示した供給者端末10、サーバ装置20、日本酒試飲装置30、試飲者端末40、の構成の一例を概略的に示したブロック図である。
【0053】
(供給者端末)
供給者端末10は、一般的なコンピュータにより構成される。すなわち、供給者端末10は、CPUやDSP等のプロセッサ、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)等の主記憶部、EPROM、ハードディスクドライブ(HDD)、リムーバブルメディア等の補助記憶部を有するコンピュータである。なお、リムーバブルメディアは、例えば、USBメモリやSDカード等のフラッシュメモリ、あるいは、CD-ROMやDVDディスク、ブルーレイディスクのようなディスク記録媒体である。補助記憶部には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納され、そこに格納されたプログラムを主記憶部の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部等が制御されることによって、後述するような、所定の目的を果たす各機能部を実現することができる。ただし、一部又は全部の機能部はASICやFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0054】
供給者端末10は、制御部110、記憶部120、通信部130、及び各種入出力部(図示しない)を含んで構成される。制御部110は、供給者端末10の制御を司る手段であり、例えば、CPUなどによって構成される。制御部110は、機能モジュールとして、銘柄固有情報取得部111、符号化処理部112、符号情報処理部113を有している。各機能モジュールは、例えば、ROM等の記憶手段に記憶されたプログラムをCPUによって実行することで実現してもよい。
【0055】
記憶部120は、上記の主記憶部及び補助記憶部からなり、各種の情報が記憶される。
また、通信部130は、供給者端末10をネットワークN1に接続するための通信手段である。通信部130は、例えばLAN(Local Area Network)インターフェースボードや、無線通信のための無線通信回路を含んで構成される。
【0056】
続けて、制御部110が有する各機能モジュールについて説明する。銘柄固有情報取得部111は、図示しない入力部を介して、日本酒の銘柄毎に固有な情報(銘柄固有情報)を取得し、記憶部120に格納する。具体的には、例えば、図示しないディスプレイ装置等を介して提供される、対話型のユーザーインターフェースにより、日本酒供給者(以下、供給ユーザーともいう)からの入力を受付けることによって、銘柄固有情報を取得する。
【0057】
符号化処理部112は、銘柄固有情報取得部111によって取得された銘柄固有情報を、光学的に読み取り可能な二次元コードに符号化し、記憶部120に格納する。符号情報処理部113は、符号化処理部112によって二次元コードに変換された銘柄固有情報(以下、符号ともいう)を、通信部130を介してサーバ装置20に送信する。
【0058】
(サーバ装置)
サーバ装置20は、供給者端末10と同様の構成を備える一般的なコンピュータにより構成され、制御部210、記憶部220、通信部230を有している。なお、サーバ装置20は、単一のコンピュータで構成されてもよいし、互いに連携する複数台のコンピュータによって構成されてもよい。
【0059】
制御部210は、サーバ装置20の制御を司る手段であり、機能モジュールとして、符号情報処理部211を有している。符号情報処理部211は、通信部230を介して供給者端末10から符号を取得し、記憶部220に格納する。また、符号情報処理部211は、通信部230を介して、後述する日本酒試飲装置30に符号を送信する。当該機能モジュールは、例えば、ROM等の記憶手段に記憶されたプログラムをCPUによって実行することで実現してもよい。
【0060】
記憶部220及び通信部230の構成及び機能は、供給者端末10における記憶部120及び通信部130と同様であるため説明を省略する。
【0061】
(日本酒試飲装置)
日本酒試飲装置30は、いわゆるディスペンサー型の飲料提供装置であり、制御部310、画像表示部320、通信部330、記憶部340の他、筐体内部に格納されている複数銘柄の日本酒を、利用者の選択に応じて提供するための各種機構を有している。
図4は、本実施形態に係る日本酒試飲装置30の外観を示す概略図である。
図4に示すように、日本酒試飲装置30は、外観上、銘柄容器ディスプレイ部351、選択ボタン352、コイン投入部353、日本酒取出口354、画像表示部320を備えている。
【0062】
制御部310は、日本酒試飲装置30の制御を司る手段であり、機能モジュールとして、符号情報処理部311、日本酒供給処理部312を有している。各機能モジュールは、例えば、ROM等の記憶手段に記憶されたプログラムをCPUによって実行することで実現してもよい。
【0063】
画像表示部320は、例えば液晶ディスプレイなどで構成されており、所定の情報を表示する。通信部330は日本酒試飲装置30をネットワークN1に接続するための通信手段であり、例えばLANインターフェースボードや、無線通信のための無線通信回路を含んで構成される。記憶部340は、ROM、RAM等の主記憶部、HDD等の補助記憶部から構成され、各種の情報が記憶される。
【0064】
銘柄容器ディスプレイ部351は、試飲が可能な銘柄の容器がディスプレイされる箇所である。コイン投入部353に所定金額の硬貨等を投入したうえで、ディスプレイされている容器の下部に配置されている選択ボタン352を押下すると、当該銘柄の日本酒が日本酒取出口354内部に配置された容器に供給される。
【0065】
続けて、制御部310が有する各機能モジュールについて説明する。符号情報処理部311は、通信部330を介してサーバ装置20から符号を取得し、記憶部340に格納する。また、後述の日本酒供給処理部312の処理により、日本酒が供給された際に、当該供給された日本酒の銘柄に対応する符号を記憶部340から読出して画像表示部320に表示する。
【0066】
日本酒供給処理部312は、日本酒の試飲希望者の操作に基づいて、日本酒供給のための一連の装置の駆動に係る処理を行う。具体的には、コインの投入の認証、押下された選択ボタン352の判定、押下された選択ボタン352に対応する日本酒の供給、日本酒の温度、鮮度、残量等の監視、などの処理を実行する。
【0067】
(試飲者端末)
試飲者端末40は、例えば、スマートフォンなどの、携帯可能な情報処理端末であり、制御部410、カメラ420、タッチパネルディスプレイ430、通信部440、記憶部450を含んで構成される。制御部410は、試飲者端末40の制御を司る手段であり、例えば、CPUなどによって構成される。制御部410は、機能モジュールとして、復号処理部411、付加情報取得部412、ユーザー個別情報作成部413を有している。各機能モジュールは、例えば、ROM等の記憶手段に記憶されたプログラムをCPUによって実行することで実現してもよい。
【0068】
カメラ420は、符号を光学的に撮像する(読み取る)ことが可能であれば、既知の携帯型情報端末に搭載される通常の性能のもので足りる。試飲者端末40に内蔵されているものであっても良いし、拡張的に付加されるものであってもよい。なお、本実施形態におけるカメラ420が、本発明における第2の装置の符号読取部に該当する。
【0069】
タッチパネルディスプレイ430は、どのような方式のものであってもよく、既知の技術を適用可能である。なお、本実施形態におけるタッチパネルディスプレイ430は、本発明における第2の装置の表示部及び入力部に該当する。
【0070】
通信部440は試飲者端末40をネットワークN1に接続するための通信手段であり、例えば、無線通信のための無線通信回路を含んで構成される。記憶部450は、ROM、RAM等の主記憶部、フラッシュメモリ等の補助記憶部から構成され、各種の情報が記憶される。
【0071】
続けて、制御部410が有する各機能モジュールについて説明する。復号処理部411は、カメラ420を介して符号を取得し、当該取得した符号を復号することによって元の銘柄固有情報を取得する。
【0072】
付加情報取得部412は、復号処理部411によって符号から元の銘柄固有情報を取得した場合に、タッチパネルディスプレイ430を介して、試飲者端末40のユーザーから、付加情報を取得する。具体的には所定の入力手順、入力画面によってユーザーに付加情報の入力を求め、情報の入力を受付ける。
【0073】
ここで、付加情報とは、銘柄固有情報に対する付加的な情報であり、例えば、当該銘柄
を試飲した日時、当該銘柄のボトルの写真、当該銘柄を試飲した者の評価点数、当該銘柄を試飲した者のコメント、などが該当する。付加情報取得部412は、テキストの入力欄を提示したり、カメラ420によるボトル撮影のためのフレーム(画面)を提示したりして、ユーザーに上記のような付加情報の入力を促す。
【0074】
ユーザー個別情報作成部413は、復号処理部411によって取得した銘柄固有情報と、付加情報取得部412が取得した付加情報とを、所定のレイアウトで表示させるための、ユーザー個別情報を作成し、記憶部450に格納する。なお、本実施形態におけるユーザー個別情報とは、銘柄固有情報と、これに対応する付加情報と、銘柄固有情報を付加情報とを所定のレイアウトで表示させるためのレイアウト情報、との組み合わせである。なお、「所定のレイアウト」とは必ずしも一パターンのみのレイアウトを指す意味ではなく、付加情報の種類、量などに応じて複数のパターンがあってもよい。また、付加情報酒類、量に関わらず、試飲者端末40のユーザーが任意に選択可能な複数パターンのレイアウトがあってもよい。
図5に銘柄固有情報と付加情報とが所定のレイアウトで表示された画面の一例を示す。
図5中の、左上の枠G1部に表示される情報が銘柄固有情報であり、その他の部分に表示されるものが付加情報に該当する。
【0075】
(処理の流れ)
次に、前述した各構成要素が行う処理について説明する。
図6は、本実施形態に係るシステムにおける日本酒情報処理のための処理の流れを示すフローチャートである。まず、供給者端末10は、所定の対話型インターフェースによって、日本酒試飲装置30において日本酒を供給する者(酒蔵、日本酒販売店など)から、当該供給する日本酒の銘柄固有情報の入力を受付ける。即ち、供給者端末10の銘柄固有情報取得部111は、銘柄固有情報を取得し(ステップS101)、これを記憶部120に格納する。そして、供給者端末10は、取得した銘柄固有情報を、符号化処理部112において二次元コードに符号化し(ステップS102)、これを記憶部120に格納する。続けて、供給者端末10は、符号情報処理部113において、符号をサーバ装置20に送信する処理を行う(ステップS103)。
【0076】
サーバ装置20は、供給者端末10から送信された符号を受信し、これを記憶部220に格納するとともに、日本酒試飲装置30に送信する(ステップS104)。ここで、サーバ装置20が符号を取得し、記憶するステップを経ることで、符号情報のバックアップを行うことができる。
【0077】
日本酒試飲装置30は、符号情報処理部311において、通信部330を介してサーバ装置20から符号を取得し、記憶部340に格納する(ステップS105)。そして、日本酒試飲装置30は、日本酒の試飲の申込みを受付けると、日本酒供給処理部312において、当該試飲の申込みがされた銘柄の日本酒を供給する一連の処理を実行する(ステップS106)。さらに、日本酒試飲装置30は、符号情報処理部311においてステップS106で供給された日本酒に対応する符号を記憶部340から呼び出し、画像表示部320に当該符号を表示する(ステップS107)。
【0078】
ステップS107で表示された符号は、ステップS106で日本酒の供給を受けた試飲者の操作により、当該試飲者の試飲者端末40のカメラ420で撮影されることで読み込まれる。即ち、試飲者端末40は、試飲者の操作を受付け、カメラ420を介して符号を取得する(ステップS108)。試飲者端末40は、復号処理部411において、ステップS108で取得した符号を復号し、元の銘柄固有情報を取得する(ステップS109)。さらに試飲者端末40は、ステップS109で取得した銘柄固有情報をタッチパネルディスプレイに表示する(ステップS110)。これにより日本酒の試飲者は、自己の試飲した銘柄の日本酒についての銘柄固有情報を閲覧することができる。
【0079】
次に、試飲者端末40は、付加情報取得部412において、試飲者から付加情報の入力を受付け、付加情報を取得する(ステップS111)。続けて、試飲者端末40は、ユーザー個別情報作成部413において、ユーザー個別情報を作成し、これを記憶部450に格納する(ステップS112)。さらに、試飲者端末40は、ステップS112で作成したユーザー個別情報に対応するレイアウトで、銘柄固有情報及び付加情報をタッチパネルディスプレイに表示する(ステップS113)。ここまで述べた一連の処理を実行し、本実施形態に係るシステムにおける日本酒情報処理のための処理のフローは一旦終了する。なお、フロー終了後も、ステップS112で記憶部450に格納されたユーザー個別情報は、試飲者端末40の管理者の操作に基づいて、所望のタイミングでいつでもタッチパネルディスプレイ430に表示することができる。
【0080】
以上述べたような、日本酒銘柄情報処理システム2により、日本酒の試飲の機会を装置によって提供するにあたり、当該試飲に係る日本酒についての詳細な情報を限られたスペースで提供する事ができる。また、日本酒を試飲した試飲者が、当該日本酒についての情報を、容易に付加情報とともに記録することができる。
【0081】
なお、上記の処理の流れのステップS111において、試飲者が付加情報を試飲者端末40に入力しなかった場合には、フローはそこで終了してしまうが、この場合であっても、試飲者は符号を読み取ることで銘柄個別情報を容易に閲覧することができる。
【0082】
(実施形態2の変形例)
なお、上記の実施形態2では、供給者端末10から一旦サーバ装置20を経由して符号を日本酒試飲装置30に送信していたが、サーバ装置20を経由せずに、直接供給者端末10から日本酒試飲装置30に符号を送信するような構成にしてもよい。即ち、サーバ装置20は必須の構成要素ではなく、これが存在しない構成としてもよい。
【0083】
また、上記の実施形態2では、日本酒試飲装置30は符号を記憶部340に記憶しておき、日本酒が試飲のために供給された際には記憶部340から対応する符号を読み出す構成であったが、必ずしもこのようにする必要は無い。即ち、日本酒が試飲のために供給される際には、その都度、供給者端末10又はサーバ装置20から対応する符号を取得するようにしてもよい。
【0084】
<実施形態3>
次に本システムの実施形態3について説明する。本実施形態は、試飲者端末40の管理者(以下、試飲ユーザーともいう)の会員登録を行い、会員となった試飲ユーザーには会員専用のサービスが提供されるシステムとなっている。これにより、実施形態2のシステム構成と比べて、サーバ装置20の制御部210における機能モジュール及び、試飲者端末40の制御部410における機能モジュールに追加の構成がある点が異なっている。以下では、本実施形態特有の構成及び、各構成要素の機能について説明し、実施形態2と同じ構成、機能及び処理については同一の符号を付して説明を省略する。
【0085】
図7Aは本実施形態におけるサーバ装置20の構成を概略的に示したブロック図であり、
図7Bは試飲者端末40の構成を概略的に示したブロック図である。
【0086】
(サーバ装置)
本実施形態のサーバ装置20は、制御部210の機能モジュールとして、ユーザー個別情報処理部212及び、会員情報処理部213を有している。ユーザー個別情報処理部212は、通信部230を介して、試飲者端末40からユーザー個別情報を受信し、記憶部220に格納する。また、ユーザー個別情報処理部212は、後述の認証を受けた試飲者
端末40の要求に応じて、記憶部220に格納したユーザー個別情報を、試飲者端末40に送信する。
【0087】
会員情報処理部213は、試飲者端末40から、試飲ユーザーに関する所定の属性情報を取得し、記憶部220に格納するとともに、当該試飲ユーザーに対応するユーザーID及びパスワードを発行する。また、会員情報処理部213は、発行したユーザーID及びパスワードを、通信部230を介して試飲者端末40に送信する。また、会員情報処理部213は、試飲者端末40からユーザーID及びパスワードによる認証要求を取得し、認証を行う。なお、「所定の属性情報」とは、例えば試飲ユーザーの性別、年齢、氏名、住所、職業などが該当する。ただし、これらの全てを含む必要はなく、いずれか一つであっても足りる。
【0088】
(試飲者端末)
本実施形態の試飲者端末40は、制御部410の機能モジュールとして、会員特典要求部414を有している。また、本実施形態のユーザー個別情報作成部413は、作成したユーザー個別情報を、記憶部450に格納するとともに、通信部440を介してサーバ装置20に送信する。
【0089】
会員特典要求部414は、通信部440を介して、試飲ユーザーに関する所定の属性情報を送信するとともに、サーバ装置20からユーザーID及びパスワードを取得する。また、会員特典要求部414は、通信部440を介して、ユーザーID及びパスワードによる認証要求をサーバ装置20に送信する。また、会員特典要求部414は、通信部440を介して、サーバ装置20から、他の試飲ユーザーのユーザー個別情報を取得し、これに対応する銘柄固有情報及び付加情報を所定のレイアウトで、タッチパネルディスプレイ430に表示する。
【0090】
(会員登録の処理)
次に、会員登録に関する処理について説明する。まず、試飲者端末40の会員特典要求部414は、試飲ユーザーの操作に基づき、所定の属性情報をサーバ装置20に送信する。サーバ装置20の会員情報処理部213は、試飲者端末40から所定の属性情報の送信を受けると、これを記憶部220に格納すると共に、当該試飲ユーザーに個別のユーザーID及びパスワードを発行し、記憶部220に格納する。これによって当該試飲ユーザーについての会員登録が完了する。そして、発行されたID及びパスワードは、会員情報処理部213によって試飲者端末40に送信される。
【0091】
(会員専用サービス提供の処理)
続けて、会員専用サービス提供に関する処理について説明する。まず、試飲者端末40の会員特典要求部414は、試飲ユーザーの操作に基づき、ユーザーID及びパスワードによる認証要求をサーバ装置20に送信する。サーバ装置20の会員情報処理部213は、認証要求を受けると、当該ユーザーID及びパスワードに基づいて認証を行う。即ち、送信されたユーザーID及びパスワードが記憶部220に記憶されているユーザーID及びパスワードと一致するか否かを判定する。正しく認証が行われると、所定のユーザーインターフェースにより、認証された試飲ユーザー以外の試飲ユーザーに係るユーザー個別情報の取得要求を受付ける。そして、試飲者端末40の会員特典要求部414は、試飲ユーザーの操作に基づき、サーバ装置20から、他の試飲ユーザーのユーザー個別情報を取得し、これに対応する銘柄固有情報及び付加情報を所定のレイアウトでタッチパネルディスプレイ430に表示する。
【0092】
以上の様な本実施形態に係る日本酒銘柄情報処理システムによると、試飲ユーザーは会員登録することで、他の試飲ユーザーの付加情報を閲覧することが可能になり、他の試飲
ユーザーが同じ日本酒を試飲してどのように感じたのか、どの銘柄の日本酒が良く飲まれているのか等の情報を知ることができる。また、会員登録の際に試飲ユーザーの属性情報を入手することができ、システムの運営者は試飲された日本酒とこれを試飲したユーザーの属性との関連を分析することが可能になる。
【0093】
(実施形態3の変形例)
なお、上記の実施形態3では、会員登録することで他の試飲ユーザーのユーザー個別情報を取得できることとしていたが、これに限らず、サーバ装置20に保存されている自己のユーザー個別情報に係る画面を閲覧できるようにしても構わない。このような構成であれば、自らの試飲者端末40にユーザー個別情報を記憶しておかなくても、所望のタイミングで、銘柄固有情報及び対応する付加情報を所定のレイアウトで閲覧することができる。
【0094】
<その他>
なお、上記の各実施形態は、本発明を例示的に説明するものに過ぎず、本発明は上記の具体的な態様には限定されない。
【0095】
例えば、上記の実施形態2及び3では、日本酒試飲装置30において符号が表示されるようになっていたが、このような構成でなくとも構わない。即ち、日本酒試飲装置30は画像表示部320の代わりに、プリンタを備え、符号の画像を表示する代わりに、符号を印刷した紙片を出力するようにしてもよい。
【0096】
また、必ずしも日本酒試飲装置30において符号が出力されるようになっている必要も無い。即ち、供給者端末10がプリンタを備え、符号情報処理部113が、当該プリンタで紙片、シールなどに符号を印刷して出力するようにしてもよい。そして、当該符号が印刷された紙片を、日本酒試飲装置30の筐体、日本酒試飲装置30の近傍に、対応する日本酒の銘柄が判別できるようにして掲出することで、試飲ユーザーはこれを試飲者端末40において読み取ることができる。なお、この場合には、サーバ装置20及び日本酒試飲装置30は、日本酒銘柄情報処理システムの構成から除外することが可能である。
【0097】
また、上記の実施形態2及び3における供給者端末10は日本酒試飲装置30と別体の構成である必要は無く、日本酒試飲装置30が供給者端末10を兼ねる構成であっても構わない。即ち、日本酒試飲装置30の制御部310が、銘柄固有情報取得部及び符号化処理部の機能を発揮するような構成であってもよい。この場合には、サーバ装置20も日本酒銘柄情報処理システムの構成から除外することができる。
【0098】
また、上記の各実施形態では、本発明の適用を、日本酒の試飲に係る機会を例にして説明したが、必ずしも対象となる酒類は日本酒に限られず、本発明は、焼酎、ワインなど、他の酒類にも適用可能である。この場合には、銘柄固有情報の内容はそれぞれの酒類に適した内容にすればよい。
【0099】
また、試飲の場合に限らず、販売する酒類に対しても本発明は適用可能である。この場合、符号は酒類の封入容器、ラベル、包装などに表示されるようにしてもよい。
【0100】
また、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0101】
本発明は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0102】
1、2・・・日本酒銘柄情報処理システム
10、80・・・供給者端末
20・・・サーバ装置
30・・・日本酒試飲装置
40・・・試飲者端末
90・・・被供給者端末
110、210、310、410、810、910・・・制御部
351・・・銘柄容器ディスプレイ部
352・・・選択ボタン
353・・・コイン投入部
354・・・日本酒取出口
N1・・・ネットワーク