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特許7197848抗ウイルス性の混錬体及び抗ウイルス性の混錬体の形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】抗ウイルス性の混錬体及び抗ウイルス性の混錬体の形成方法
(51)【国際特許分類】
   C08L 83/04 20060101AFI20221221BHJP
   A01N 25/00 20060101ALI20221221BHJP
   A01N 25/10 20060101ALI20221221BHJP
   A01N 61/00 20060101ALI20221221BHJP
   A01P 1/00 20060101ALI20221221BHJP
   C01F 11/18 20060101ALI20221221BHJP
   C08K 3/26 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
C08L83/04
A01N25/00 102
A01N25/10
A01N61/00 B
A01P1/00
C01F11/18 G
C08K3/26
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020068215
(22)【出願日】2020-04-06
(65)【公開番号】P2021165328
(43)【公開日】2021-10-14
【審査請求日】2020-04-06
【審判番号】
【審判請求日】2020-10-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517264339
【氏名又は名称】株式会社エヌティシィー
(74)【代理人】
【識別番号】110001922
【氏名又は名称】弁理士法人日峯国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】皆川 浩章
(72)【発明者】
【氏名】高石 悟
(72)【発明者】
【氏名】中村 祥光
【合議体】
【審判長】木村 敏康
【審判官】阪野 誠司
【審判官】野田 定文
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-094453(JP,A)
【文献】特開平08-239577(JP,A)
【文献】国際公開第2005/013695(WO,A1)
【文献】特開2006-089335(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N, C08L, C08K
JSTplus/JST7580/JMEDPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主成分のシリコン材と副成分のドロマイト由来の抗ウイルス剤からなる混練材から成形された抗ウイルス性の混練体であって、
前記ドロマイト由来の抗ウイルス剤が焼成され水和された焼成ドロマイト水和物であり、シリコン材がシリコーンゴムであって、主成分のシリコーンゴム及び副成分の焼成ドロマイト水和物を含有し、前記シリコーンゴム及び前記焼成ドロマイト水和物が混練されたものであって、抗ウイルス性を呈し、押圧体に接触して表面が押圧されると、柔軟性を保持し、当該表面の前記押圧体への接触面積が押圧作用前に比べて増大する混練体であることを特徴とする抗ウイルス性の混練体。
【請求項2】
主成分のシリコン材と副成分のドロマイト由来の抗ウイルス剤からなる混練材から成形された抗ウイルス性のボール体、棒体あるいは板状の混練体であって、
前記ドロマイト由来の抗ウイルス剤が焼成され水和された焼成ドロマイト水和物であり、全体がボール、棒あるいは板に似た形態をなして、シリコン材がシリコーンゴムであって、主成分のシリコーンゴム及び副成分の焼成ドロマイト水和物を含有し、前記シリコーンゴム及び前記焼成ドロマイト水和物の混練で生成された混練体であって、抗ウイルス性を呈し、人間の手に接触して表面が押圧されると、柔軟性を保持し、当該人間のてのひらへの接触面積が押圧作用前に比べて増大することを特徴とするボール状、棒状あるいは板状の抗ウイルス性の混練体。
【請求項3】
主成分のシリコン材と副成分のドロマイト由来の抗ウイルス剤からなる混練材から成形された抗ウイルス性のドアノブを被覆する混練体であって、
前記ドロマイト由来の抗ウイルス剤が焼成され水和された焼成ドロマイト水和物であり、全体がドアノブに似た形態をなして、シリコン材がシリコーンゴムであって、混練体が主成分のシリコーンゴム及び副成分の焼成ドロマイト水和物を含有し、前記シリコーンゴム及び前記焼成ドロマイト水和物の混練で生成された混練体であって、抗ウイルス性を呈し、当該混練体がドアノブに嵌め込まれるドアノブ収納空間部を有してドアノブを収納し、人間の手に接触して表面が押圧されると、柔軟性を保持し、当該人間のてのひらへの接触面積が押圧作用前に比べて増大することを特徴とするドアノブを被覆する抗ウイルス性の混練体。
【請求項4】
主成分のシリコン材と副成分のドロマイト由来の抗ウイルス剤からなる混練材から成形された抗ウイルス性の携帯電話機を被覆する混練体であって、
前記ドロマイト由来の抗ウイルス剤が焼成され水和された焼成ドロマイト水和物であり、全体が携帯電話機に似た形態をなして、シリコン材がシリコーンゴムであって、混練体が主成分のシリコーンゴム及び副成分の焼成ドロマイト水和物を含有し、前記シリコーンゴム及び前記焼成ドロマイト水和物の混練で生成された混練体であって、抗ウイルス性を呈し、当該混練体が携帯電話機を当該携帯電話機カバーと共に収納可能とする袋状部を有して当該携帯電話機を収納し、人間の手に接触して表面が押圧されると、柔軟性を保持し、当該人間のてのひらへの接触面積が押圧作用前に比べて増大することを特徴とする携帯電話機を被覆する抗ウイルス性の混練体。
【請求項5】
主成分のシリコン材と副成分のドロマイト由来の抗ウイルス剤からなる混練材から成形された抗ウイルス性の室内フロアマット状あるいは自動車車内フロアマット状の混練体であって、
前記ドロマイト由来の抗ウイルス剤が焼成され水和された焼成ドロマイト水和物であり、全体が室内フロアマットあるいは自動車車内フロアマットに似た形態をなして、シリコン材がシリコーンゴムであって、混練体が主成分のシリコーンゴム及び副成分の焼成ドロマイト水和物を含有し、前記シリコーンゴム及び前記焼成ドロマイト水和物の混練で生成された混練体であって、抗ウイルス性を呈し、人間の足あるいは靴に接触して表面が押圧されると、柔軟性を保持し、当該人間の足あるいは靴への接触面積が押圧作用前に比べて増大することを特徴とする室内フロアマット状あるいは自動車車内フロアマット状の抗ウイルス性の混練体。
【請求項6】
主成分のシリコン材と副成分のドロマイト由来の抗ウイルス剤からなる混練材から成形された抗ウイルス性の混練体の形成方法であって、前記ドロマイト由来の抗ウイルス剤が焼成され水和された焼成ドロマイト水和物であり、シリコン材がシリコーンゴムであって、主成分のシリコーンゴム及び副成分の焼成ドロマイト水和物を準備し、前記シリコーンゴム及び前記焼成ドロマイト水和物を混練し、シリコン・焼成ドロマイト水和物を含有する混練材を生成し、当該混練材を型に流し込み、抗ウイルス性を呈し、押圧体に接触して表面が押圧されると、柔軟性を保持し、当該表面の前記押圧体への接触面積が押圧作用前に比べて増大する混練体を形成することを特徴とする抗ウイルス性の混練体の形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコン・焼成ドロマイト水和物からなる混練材または混練体、ボール状、棒状あるいは板状シリコン・焼成ドロマイト水和物からなる混練体、ドアノブ被覆するシリコン・焼成ドロマイト水和物からなる混練体、携帯電話機被覆するシリコン・焼成ドロマイト水和物からなる混練体及びシリコン・焼成ドロマイト水和物からなる混練材または混練体の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、非常に多くの分野に抗菌性グッズが汎用されている。抗ウイルス作用を持つ抗微生物物質の有用性、必要性が広く認識されている。
このような状況下、ドロマイドが抗ウイルス作用を持つ新素材として注目される。
ドロマイドの性状として次のようなことが知られる。
【0003】
1)→ドロマイドは、自然界に無限に存在するカルシウム・マグネシウムの炭酸塩からなる鉱物。菱面体結晶。無色ないし白色半透明。極めて高い安全性を備える。
2)→粉状をなし、抗菌力は極めて強い。強力な殺ウイルス効果を持ち、短時間作用させただけで、ウイルスの感染力を効率的に消失させる。新興-再興感染病対策に有効と考えられる。
3)→純品は高いpHを持ち、殺菌のメカニズムを生ずると考えられている。ドロマイトの濃度と菌数変化との間には濃度依存性が見られることが一般文献に報告される。
【0004】
このような性状を持つドロマイトは、プラスチックへの添加剤として使用されることが
知られ、従来、マスク、フイルターへの応用が提案された。
【0005】
特許文献1には、ドロマイトを焼成し、その一部を水和して粉末として抗ウイルス剤を生成し、得られた粉末を繊維(織布又は不織布)に保持してマスクを製造することが記載される。
【0006】
特許文献2には、ドロマイトを含有することを特徴とする抗ウイルス性塗料組成物が記
載される。
【0007】
特許文献3には、ドロマイトを焼成して水和した後、粉砕して微粒子とすること、シート状物に付着させた微粒子状の抗ウイルス剤の抗ウイルス活性が長時間持続して、シート表面に付着したウイルスがシート内部に取り込まれやすい抗ウイルス剤担持シートが提供されることが記載される。
【0008】
特許文献4には、ドロマイトのか焼物、又はドロマイトのか焼・消化物を含有する抗菌性があり、床材、幅木、腰壁、壁装材などの建材として利用可能な熱可塑性樹脂製建材が記載される。
【0009】
特許文献5には、ドロマイト族粉末と角閑石粉末が所定の割合で混合された抗菌性のある複合セラミックスが記載される。
【0010】
特許文献6には、レーヨン繊維中に酸化アルミニウム、酸化珪素及び酸化マグネシウムを主成分とする無機質抗菌材が10~15重量%混練されている抗菌靴下が記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】国際公開WO2005/013695号公報
【文献】特開2007-106876号公報
【文献】特開2012-72100号公報
【文献】特開2006-89335号公報
【文献】特開2007-169109号公報
【文献】特開平5-49682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1~5に記載されるように、鉱物原料としてのドロマイト由来の抗ウイルス剤がマスク、フイルター、塗料組成物、繊維あるいは担持シート、建材、複合セラミックスに適用応用されることが知られているが、混練材としてシリコン材及びドロマイトを用い、これらを混練してシリコン・ドロマイト混練材を生成し、シリコン・ドロマイト混練材からシリコン・ドロマイト混練体を形成し、抗ウイルス成形品とすることが知られていない。
【0013】
特許文献6には、レーヨン繊維中に酸化アルミニウム、酸化珪素及び酸化マグネシウムを主成分とする無機質抗菌材が10~15重量%混練されていることが記載される。レーヨン繊維中に酸化アルミニウム、酸化珪素及び酸化マグネシウムを主成分とする無機質抗菌材担持される。この文献は、混練材としてシリコン材及びドロマイトを用い、これらを混練してシリコン・ドロマイト混練材を生成し、シリコン・ドロマイト混練材から混合混練状態のシリコン・ドロマイト混練体を形成することを記載しない。
【0014】
感染防止の有効な一つの手段として、当該分野の専門家から手を水洗することで各種のウイルスを除去励行することが勧められる。人は、水洗することは水のある家庭あるいは職場その他の施設にいることが必然である。家庭あるいは職場その他の施設以外のところにいる場合、例えば外部環境における活動中、例えば歩行中にあっても手のひらに付着したウイルスを除菌したいことがあり、任意のときに手のひらに付着したウイルスを除菌することができれば、ウイルス感染防止に有効で安心である。
【0015】
シリコン・ドロマイト混合混練体は、単体成形品として構成でき、抗ウイルス性を呈することで、簡便に常に持参可能な手のひら接触用の抗ウイルス性体として利用し得る。例えば、抗ウイルス性のボール体、棒体あるいは板体として利用し得る。手のひら接触用の抗ウイルス性体を形成するにあたっては、手のひらに付着した各種のウイルスを除去する目的のために、主成分として簡便に常に持参可能な柔軟性のある材料が用いることが求められる。さらにはドロマイトの含有量の比率を高めた、手のひら接触用の抗ウイルス性体とすることが求められる。
【0016】
本発明は、かかる点に鑑み、例えば手のひら接触用の抗ウイルス性体を形成するにあたって、主成分として簡便に常に手持ち可能な材料が用いられること、ドロマイト含有量、すなわち抗ウイルス剤の含有量の比率が高められること、ドロマイト含有量、すなわち抗ウイルス剤の含有量の比率を高めたときに当該材料に確実に保持されること、ドロマイトの抗菌性能向上のために接触面積の増大が可能であることを有効に行い得るようにすることを課題とする。例えば手のひらに付着した各種のウイルスを除去する目的のために使用可能とすること、例えば柔軟性のある抗ウイルス性ボール状体、棒状体あるいは板状体を形成し、外部環境における活動中にあっても手持ちができ、手のひらに付着した各種のウイルスを有効に除去してウイルス感染防止を有効に行い得るようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、ドロマイト由来の抗ウイルス剤が焼成され水和された焼成ドロマイト水和物であり、混練材が主成分のシリコン材及び副成分の焼成ドロマイト水和物からなり、前記シリコン材及び前記焼成ドロマイト水和物が混合混練された状態にあって、抗ウイルス性を呈するシリコン・焼成ドロマイト水和物からなる混練材または混練体を提供する
本発明において、混練材を単に添加し混合する操作がなされるでは足りず、柔軟性で固体性のシリコン材に粉体で固体性の前記焼成ドロマイト水和物を混合混練し、ドロマイトのシリコン材への保持力が高められたシリコン・焼成ドロマイト水和物からなる混練材が形成される。
【0018】
生成されたシリコン・焼成ドロマイト水和物からなる混練材は、抗ウイルス性を呈し、押圧体に接触して柔軟性があり、表面が押圧されると当該表面の押圧体への接触面積が押圧作用前に比べて増大する。
このシリコン・焼成ドロマイト水和物からなる混練材からシリコン・焼成ドロマイト水和物からなる混練体が生成される。シリコン・焼成ドロマイト水和物からなる混練体は、シリコン・焼成ドロマイト水和物からなる混練材と同一の性能を持ち、用途に対応した体積を持つ独立した成形品形態を呈する。
【0019】
前記シリコン材及び前記焼成ドロマイト水和物が混練され、抗ウイルス性を呈し、押圧体に接触して柔軟性を保持し、用途に対応した体積を有する混練体が生成される。混練材が用途に対応して切り分けられて適切なシリコン・焼成ドロマイト水和物からなる混練体が形成される。
シリコン・焼成ドロマイト水和物からなる混練体の形成に当たって、主成分として簡便に常に手持ち可能な柔軟性のある材料としてシリコン材を用いること、焼成ドロマイト水和物の含有量、すなわち焼成ドロマイト水和物からなる抗ウイルス剤の含有量の比率が高められること、焼成ドロマイト水和物の含有量、すなわち抗ウイルス剤の含有量の比率を高めたときにシリコン材に確実に保持されることを考慮する必要がある。
【0020】
製造されたシリコン・焼成ドロマイト水和物からなる混練体は、押圧体に付着した各種のウイルスを除去する目的のために使用可能とされる。例えば柔軟性のある抗ウイルス性ボール体、棒体あるいは板体を形成し、外部環境における活動中にあっても手のひらに付着した各種のウイルスを有効に除去してウイルス感染防止を有効に行い得るようにすることが可能になる。
【0021】
鉱物原料としてのドロマイト由来の抗ウイルス剤を用い得る。このような抗ウイルス剤は市販される。ドロマイト由来の抗ウイルス剤としては、ドロマイト、焼成ドロマイトあるいは焼成ドロマイト水和物が用いられる。ドロマイトとしては、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムばかりでなく、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムからなる主体的化学成分を含んで形成される。
【0022】
本発明は、主成分のシリコン材と副成分のドロマイト由来の抗ウイルス剤からなる混練材から成形された抗ウイルス性の混練体であって、
前記ドロマイト由来の抗ウイルス剤が焼成され水和された焼成ドロマイト水和物であり、シリコン材がシリコーンゴムであって、主成分のシリコーンゴム及び副成分の焼成ドロマイト水和物を含有し、前記シリコーンゴム及び前記焼成ドロマイト水和物が混練されたものであって、抗ウイルス性を呈し、押圧体に接触して表面が押圧されると、柔軟性を保持し、当該表面の前記押圧体への接触面積が押圧作用前に比べて増大する混練体を提供する。また、本発明は、当該混練体の形成方法を提供する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、抗ウイルス性を呈する、柔軟性のある抗ウイルス性で、押圧体、例えば手のひらに接触して、柔軟性を保持し、当該表面の前記押圧体への接触面積が押圧作用前に比べて増大する効果のあるシリコン・ドロマイト混練体を提供することができる。

【0024】
ドロマイトの抗菌性能向上のために接触面積の増大が可能な柔軟性のある材料が用いられること、押圧体、例えば手のひらに付着した各種のウイルスを除去する目的のために使用を可能とする。例えば柔軟性のある抗ウイルス性ボール状体、棒状体あるいは板状体を形成し、外部環境における活動中にあっても手持ちができ、手のひらに付着した各種のウイルスを有効に除去してウイルス感染防止を有効に行い得るようにすることができる。
【0025】
これによって、外部における活動中にあっても各種のウイルスによる感染防止を有効に行い得る。例えば、鉱物原料としてのドロマイト由来の抗ウイルス剤を含有する柔軟性のある抗ウイルス性のハンド用のボール形状、棒形状あるいは板形状のシリコン・ドロマイト混練体の形成に適用応用できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施例になる、鉱物原料としてのドロマイト由来の抗ウイルス剤を含有するシリコン・ドロマイト混練材を生成するミキサーの構成を示す図。
図2】シリコン・ドロマイト混練材からシリコン・ドロマイト混練体が形成されることを示す図。
図3】シリコン・ドロマイト混練体を形成するための各種の型の構造を示す図。
図4】柔軟性のある抗ウイルス性のボール状混練体を示す図。
図5】柔軟性のある抗ウイルス性の棒状混練体を示す図。
図6】柔軟性のある抗ウイルス性の板状混練体を示す図。
図7】柔軟性のある抗ウイルス性のドアノブ被覆混練体を示す図。
図8】柔軟性のある抗ウイルス性の携帯電話機被覆混練体を示す図。
図9】成形品である室内フロア状シリコン・ドロマイト混練体及び自動車車内フロア状シリコン・ドロマイト混練体を示す図。
図10】シリコン・ドロマイト混練体を形成し、保持力を確保することができることを示す実験結果を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0028】
図1は、本発明の実施例になる、鉱物原料としてのドロマイト由来の抗ウイルス剤を含有するドロマイト含有シリコン材を生成するミキサーの構成を示す図である。
図1において、ミキサー1は、横置きされた円筒状の混練筒2、この混練筒2の入口側である上流側に設けられたシリコン原料としてのシリコン材(シリコン材質、シリコーン原料)投入口部3、この混練筒2の出口側に設けられたシリコン・ドロマイト混練材取り出し口部4、この混練筒2の内部に横方向に設置された回転軸5、この回転軸の周囲に設けた攪拌スクリュー6、この攪拌スクリュー6の上流側に設けた送り羽根7、この攪拌スクリュー6の下流側に設けた送り羽根8、回転軸5に回転力を付与する駆動源としてのモーター9、鉱物原料としてのドロマイト由来の抗ウイルス剤を投入するための抗ウイルス剤投入口部10及び抗ウイルス剤投入管11から形成される。
【0029】
柔軟性のあるシリコン材(例えば、上述した低硬度のシリコーンゴム)が準備される。このシリコン材がシリコン材投入口部3から混練筒2に投入される。鉱物原料としてのドロマイト由来の抗ウイルス剤が準備され、この抗ウイルス剤が抗ウイルス剤投入口部10及び抗ウイルス剤投入管11から混練筒2に投入される。この抗ウイルス剤は、例えば鉱物原料としてのドロマイトを焼成し、焼成後に水和し、粉体化することで生成され、市販される。市販される抗ウイルス剤を購入することで投入準備がなされる。
【0030】
混練筒2の内部には、シリコン材投入口部3に面し、送り羽根7が設けられ、投入シリコン材を混練する領域Aに搬送部21が、抗ウイルス剤投入管11に面した領域Bにシリコン材混練材とドロマイト粉末を混合混練する混練部22が、そして下流のドロマイト含有シリコン材取り出し口部4に面し、送り羽根8が設けられた領域Cに送給部23が形成される。
【0031】
投入された柔軟性のあるシリコン材及び粉体状のドロマイトである抗ウイルス剤は、混練部22で混練され、シリコン及びドロマイトになる混合混練状態のシリコン・ドロマイト混練材が生成され、シリコン・ドロマイト混練材(以下、単に混練材と称する場合がある。)24となる。
シリコン材の典型的な例としては、シリコーンゴム(共和工業株式会社製)が知られる。
シリコーンゴムとしては、低硬度シリコーンゴム、中硬度シリコーンゴム、高硬度シリコーンゴムが知られる。本発明には、低硬度シリコーンゴムが好んで用いられる。低硬度シリコーンゴムで柔らかい伸びと密着特性の成形品を製造できる。
【0032】
シリコーンゴム(共和工業株式会社製)は、
1°~20°:低硬度
5°の場合 :耳たぶのような柔らかさを持つ。半透明、黒色。着色され得る。
10°の場合 :肌と似た硬さを持つ。半透明、黒色。着色され得る。ブレンド可。
20°の場合 :半透明、黒色。機能製品に用いられる。
30°~70°:一般硬度
80°~90°:高硬度
と分類される。
【0033】
低硬度シリコーンゴムの特徴:
・柔軟性に富んでいる。元の形状に戻る。
・表面のタック感が強く、自己密着性が強い。
・伸び率が非常に高い。
等の特徴を持つ。
【0034】
混練部22では、固体と固体との混合混練がなされ、混合混練状態のシリコン・ドロマイト混練材を生成する特徴がある。
生成された混練材24は、シリコン・ドロマイト混練材取り出し口部(以下、混練材取り出し口部という。)4からミキサー外部に連続して排出される。
混練材取り出し口部4の近辺に型31が設けられる。
【0035】
型31は、混練材24からボール状混練体、棒状混練体あるいは板状混練体を形成するための型であり、ボール体状、棒体状あるいは板体状の窪み32を備える。
混練材24が型31のボール体、棒体あるいは板体状の窪み32に流し込まれ、所定時間保持され、冷却される。
【0036】
シリコン材を主成分としてドロマイトを含有するボール状混練体、棒状混練体あるいは板状混練体であって、全体がボール、棒あるいは板に似た形態をなして、シリコン材及びドロマイトの混練材からなる柔軟性のある抗ウイルス性のハンド用のボール状シリコン・ドロマイト混練体、棒状シリコン・ドロマイト混練体あるいは板状シリコン・ドロマイト混練体が形成される。
【0037】
図1において、ミキサー1が、横置きされた例が示されたが、竪型配置とすることができる。
【0038】
図2は、シリコン・ドロマイト混練材からシリコン・ドロマイト混練体が形成されることを示す図である。
【0039】
型31は、シリコン・ドロマイト混練体25から成形品、例えばボール状混練シリコン・ドロマイト体、棒状シリコン・ドロマイト混練体あるいは板状シリコン・ドロマイト混練体、ドアノブ被覆シリコン・ドロマイト混練体あるいは携帯電話機被覆シリコン・ドロマイト混練体を形成するための型であり、X軸Y軸で形成される座標上の面に規則正しく整列した複数の窪み32を備える。シリコン・ドロマイト混練体25が窪み32に流し込まれ、所定時間保持され、冷却され、成形品が製作される。
【0040】
シリコン・ドロマイト混練材24は、混練材取り出し口部4から型31に投入される。混練材取り出し口部4に混練材切り分け手段26が設けられ、連続して生成された混練材取り出し口部4は切断され、シリコン・ドロマイト混練体25とされる。すなわちシリコン・ドロマイト混練体25は、シリコン・ドロマイト混練材24から成型されたものである。
【0041】
型31は、矢印で示されるようにX軸及びY軸方向に移動可能とされる。移動は、ミキサー1との関係で相対的である。
一つ一つの独立したシリコン・ドロマイト混練体25が型31に形成された窪み32に一つ一つに投入される。
窪み32に流し込まれたシリコン・ドロマイト混練体25は、所定時間保持され、冷却され、一つ一つの成形品としての製品とされる。
【0042】
図3は、シリコン・ドロマイト混練体を形成するための各種の型の構造を示す図である。図2に示す型31についての各種の型31の構造が示される。型は、合わせ面を中央として相似の上方型と下方型との組み合わせになり、図3には下方型が示される。上方型と下方型との組み合わせによって双方の間には用途に応じた空間部が形成され、この空間部を充填するようにしてシリコン・ドロマイト混練体が流し込み路(図示せず)から流し込まれる。各種の型31を利用して、シリコン・ドロマイト混練材24から切り取られたシリコン・ドロマイト混練体25から各種の製品が製作される。
【0043】
図3(a)は、シリコン・ドロマイト混練体25から、柔軟性のある抗ウイルス性の手ひらで接触用のボール体を形成する型31を示す。
X軸Y軸で形成される座標上の面に規則正しく整列した複数の窪み32を備える。窪み32は、半球体形状をなす。上方型と下方型とが組み合わされ、窪みの組み合わせで形成された空間部にシリコン・ドロマイト混練体25が流し込まれ、所定時間保持され、冷却され、成形品である柔軟性のある抗ウイルス性の手ひらで接触用のボール体が製作される。
【0044】
図3(b)は、シリコン・ドロマイト混練体25から、柔軟性のある抗ウイルス性の手ひらで接触用の棒体を形成する型31を示す。
X軸Y軸で形成される座標上の面に規則正しく整列した複数の窪み32を備える。窪み32は、棒が長手方向に半分にされた半円形断面を持つ形状をなす。上方型と下方型とが組み合わされ、窪みの組み合わせで形成された空間部にシリコン・ドロマイト混練体25が流し込まれ、所定時間保持され、冷却され、成形品である柔軟性のある抗ウイルス性の手ひらで接触用の棒状シリコン・ドロマイト混練体が製作される。
【0045】
図3(c)は、シリコン・ドロマイト混練体25から、柔軟性のある抗ウイルス性の手ひらで接触用の板状シリコン・ドロマイト混練体を形成する他の型31を示す。
型31は、X軸Y軸で形成される座標上の面に規則正しく整列した複数の窪み32を備える。窪み32は、板状形状をなす。上方型と下方型とが組み合わされ、窪みの組み合わせで形成された空間部にシリコン・ドロマイト混練体25が流し込まれ、所定時間保持され、冷却され、成形品である柔軟性のある抗ウイルス性の手ひらで接触用の板状シリコン・ドロマイト混練体が製作される。
【0046】
図3(d)は、シリコン・ドロマイト混練体25から、柔軟性のある抗ウイルス性の手ひらで接触用のハンドノブ被覆リコン・ドロマイト混練体を形成する型31を示す。
型31は、上面に1個もしくは整列した複数の窪み32を備える。ここでは1個の窪みが設けられた例が示される。窪み32は、ドアノブ状形状をなす。型31には、ドアノブ状形状の窪みの中央部に配置される中子33が備えられる。中子33は外方向きに複数の突起34を備え、一部が窪み内面に接する。上方型と下方型とが組み合わされ、中子33を持つ窪みの組み合わせで形成された空間部にシリコン・ドロマイト混練体25が流し込まれ、所定時間保持され、冷却され、成形品である柔軟性のある抗ウイルス性の手ひらで接触用のドアノブ被覆状シリコン・ドロマイト混練体が製作される。
【0047】
図3(e)は、シリコン・ドロマイト混練体25から、柔軟性のある抗ウイルス性の手ひらで接触用の携帯電話機被覆状シリコン・ドロマイト混練体を形成する型31を示す。
型31は、上面に1個もしくは整列した複数の窪み32を備える。ここでは1個の窪みが設けられた例が示される。窪み32は、携帯電話機状形状をなす。型31には、携帯電話機状形状の窪みの中央部に配置されえ携帯電話機状形状の中子36が備えられる。中子の一部が窪みの内面に接する。上方型と下方型とが組み合わされ、中子33を持つ窪みの組み合わせで形成された空間部にシリコン・ドロマイト混練体25が流し込まれ、所定時間保持され、冷却され、成形品である柔軟性のある抗ウイルス性の手ひらで接触用の携帯電話機被覆状シリコン・ドロマイト混練体が製作される。
【0048】
図4から図8は、柔軟性のある抗ウイルス性の手ひらに接触して効果のある成形品である製品の例を具体的に示す図である。
【0049】
図4は、柔軟性のある抗ウイルス性の手ひらに接触効果のあるボール状シリコン・ドロマイト混練体を示す図である。この例の場合、ボールは球状をなす。球状としては、硬式野球ボールあるいはゴルフボール形状、ミカン形状、丸形おもちゃ形状等の身近ななじみの形態に模することができる。
【0050】
図4(a)は、抗ウイルス性の手のひらに接触するボール状混練体を示し、図4(b)は、形成されたボール状混練体100(100A)が人間の手のひらで握られている状態を示す。
【0051】
図3(a)に示される型31が用いられて柔軟性のある抗ウイルス性のボール状シリコン・ドロマイト混練体100(100A)が形成される。
【0052】
柔軟性のある抗ウイルス性のボール状シリコン・ドロマイト混練体100(100A)は、全体がボールに似た形態をなして、シリコン材及びドロマイトの混練材からなり、当該混練材が柔軟性の内部とドロマイト外方露出の表面部(表面)からなって、当該ドロマイト外方露出の表面部が抗ウイルス性を呈し、人間の手のひら40に握られて外方からの力の作用があると、全体の形態を変えながら柔軟性を保持する。
【0053】
ボール状シリコン・ドロマイト混練体100(100A)は、柔軟性を備えているので手のひらで握られ、押圧されると、手ひらに接触用のボール状シリコン・ドロマイト混練体100(100A)の表面の手のひらへの接触面積が押圧前の接触面積に比べて増大する。抗ウイルス作用面積が増大する。この状態にあっても、ボール状シリコン・ドロマイト混練体100(100A)は、全体の形態を変えながら柔軟性を保持し、手のひらにフイットする。
【0054】
ボール状シリコン・ドロマイト混練体100(100A)は、抗菌作用面積が増大した抗ウイルス性能によって手のひらへの接触で、手のひらに付着したウイルス菌を死滅させる。これによって、手のひらに付着したウイルスが手のひらから除去されたことになる。
外方からの力を作用させると、手ひらに接触用のボール状シリコン・ドロマイト混練体100(100A)の表面の手のひらへの接触面積が増大するので、手のひらに付着したウイルス手のひらから除去することが効果的になされる。
【0055】
ボール状シリコン・ドロマイト混練体100(100A)は、柔軟性を備えているので、外力を加えることで、元のボール形状に戻すことができ、繰り返して用いられ得る。
洗浄水の使用の上で便宜でない環境下でも用いられ得、例えば電車に乗ってつり革に掴まったようなとき、乗車中にあるいは降車したとき直ちに除菌操作を行うことができる。
【0056】
図4(c)に示されるように、球状に替えて楕円形球状、すなわちラグビー状あるいは卵状の形状をなすボール状シリコン・ドロマイト混練体100(100A)が用いられ得る。
手のひらでボールを握る関係で、ボール状シリコン・ドロマイト混練体100(100A)の大きさは、野球ボールの大きさ以下で、ピンポン玉の大きさ以上であることが推奨される。手ひらにボール状シリコン・ドロマイト混練体100(100A)が接触するとは、手のひらで握り得る大きさの範囲にあることを意味する。
【0057】
図4(c)に示さるボール状シリコン・ドロマイト混練体100(100A)の大きさは、1例として長手方向に、50mm、横方向に30mm、他の例として78mm、横方向に44mmが採用された。
ボール状シリコン・ドロマイト混練体100(100A)の中央部に固形材を内蔵させることができる。
【0058】
図5は、柔軟性のある抗ウイルス性の手ひらに接触して効果のある成形品である棒状シリコン・ドロマイト混練体を示す図である。
図5(a)は、抗ウイルス性のハンド接触用の棒状シリコン・ドロマイト混練体を示し、図5(b)は、形成された棒状シリコン・ドロマイト混練体100(100B)が人間の手のひらで握られている状態を示す。球状としては、硬式野球バット、あるいはゴルフクラブ形状、ボールペン形状、棒形おもちゃ形状等の身近になじみの形態に模することができる。
【0059】
図3(b)に示される型31が用いられて柔軟性のある抗ウイルス性の棒状シリコン・ドロマイト混練体100(100B)が形成される。
柔軟性のある抗ウイルス性の棒状シリコン・ドロマイト混練体100(100B)は、全体が棒に似た形態をなして、シリコン材及びドロマイトの混練材からなり、当該混練材が柔軟性の内部とドロマイト外方露出の表面部(表面)からなって、当該ドロマイト外方露出の表面部が抗ウイルス性を呈し、人間の手に握られて外方からの力の作用があると、全体の形態を変えながら柔軟性を保持する。そして容易に元の形状に戻され得る。
【0060】
棒状混練シリコン・ドロマイト体100(100B)は、柔軟性を備えているので手のひらで握られ、押圧されると、棒状シリコン・ドロマイト混練体100(100B)の表面の手のひらへの接触面積が増大する。この状態にあっても、棒状シリコン・ドロマイト混練体100(100B)は、全体の形態を変えながら柔軟性を保持する。
【0061】
棒状シリコン・ドロマイト混練体100(100B)は、その抗菌性性能によって手のひらへの接触で、手のひらに付着したウイルス菌を死滅させる。これによって、手のひらに付着したウイルスが手のひらから除去されたことになる。
外方からの力を作用させると、棒状シリコン・ドロマイト混練体100(100B)表面の手のひらへの接触面積が増大するので、手のひらに付着したウイルスが手のひらからの除去が効果的になされる。
【0062】
棒状シリコン・ドロマイト混練体100(100B)は、柔軟性を備えているので、外力を加えることで、元の棒形状に戻すことができ、繰り返して用いられ得る。
洗浄水の便宜のあるところでない環境下でも用いられ得、例えば電車に乗ってつり革に掴まったようなとき、乗車中にあるいは降車したとき直ちにウイルスを除去する操作を行うことができる。
【0063】
棒状シリコン・ドロマイト混練体100(100B)には、円筒形にした棒状混練体が含まれる。また、棒状シリコン・ドロマイト混練体100(100B)には、中心部に固体状の心棒を挿入した棒状シリコン・ドロマイト混練体が含まれる。
【0064】
図6は、柔軟性のある抗ウイルス性の手ひらに接触して効果のある成形品である板状混練体を示す図である。
【0065】
図6(a)は、抗ウイルス性の板状シリコン・ドロマイト混練体を示し、図6(b)は、形成された板状シリコン・ドロマイト混練体100(100C)が人間の手のひらで握られている状態を示す。
図3(c)に示される型31が用いられて柔軟性のある抗ウイルス性の板状シリコン・ドロマイト混練体100(100C)が形成される。
柔軟性のある抗ウイルス性の板状シリコン・ドロマイト混練体100(100C)は、全体が板に似た形態をなして、シリコン材及びドロマイトの混練材からなり、当該混練材が柔軟性の内部とドロマイト外方露出の表面部(表面)からなって、当該ドロマイト外方露出の表面部が抗ウイルス性を呈し、人間の手に握られて外方からの力の作用があると、全体の形態を変えながら柔軟性を保持する。
【0066】
板状シリコン・ドロマイト混練体100(100C)は、柔軟性を備えているので手のひらで握られ、押圧されると、板状シリコン・ドロマイト混練体100(100C)の表面の手のひらへの接触面積が増大する。この状態にあっても、板状シリコン・ドロマイト混練体100(100C)は、全体の形態を変えながら柔軟性を保持する。
【0067】
板状シリコン・ドロマイト混練体100(100C)は、その抗ウイルス性能によって手のひらへの接触で、手のひらに付着したウイルスを死滅させる。これによって、手のひらに付着したウイルスが手のひらから除去されたことになる。
【0068】
外方からの力を作用させると、板状シリコン・ドロマイト混練体100(100C)表面の手のひらへの接触面積が増大するので、手のひらに付着したウイルス手のひらからの除去することが効果的になされる。
板状シリコン・ドロマイト混練体100(100C)は、柔軟性を備えているので、外力を加えることで、元の棒形状に戻すことができ、繰り返して用いられ得る。
【0069】
洗浄水の使用の上で便宜でない環境下でも用いられ得、例えば電車に乗ってつり革に掴まったようなとき、乗車中にあるいは降車したとき直ちにウイルスを除去する操作を行うことができる。
【0070】
以上のように、全体がボール、棒あるいは板に似た形態をなして、混練材が主成分のシリコン材及び副成分のドロマイトからなり、抗ウイルス性を呈し、前記シリコン材及び前記ドロマイトの混合混練で生成された混練体になり、全体の形態を変えながらボール体、棒体あるいは板体の形態を保持し及び柔軟性を保持して、手のひら接触されて、表面が押圧されると当該表面の手のひらへの接触面積が押圧作用前に比べて増大することを特徴とする柔軟性のある抗ウイルス性の手のひらで接触用のボール状混練体、棒状混練体あるいは板状混練体が形成される。
【0071】
図7は、柔軟性のある抗ウイルス性の手ひらに接触して効果のある成形品であるドアノブ被覆シリコン・ドロマイト混練体を示す図である。
この例の場合、ドアノブ被覆混練体は、長手方向に細い筒状の形状をなす。筒状部とすることで、内側におけるドアノブ表面のウイルス除去及び外側において手のひら付着のウイルスを除去するウイルス性能が期待できる。
【0072】
図7(a)は、成形された抗ウイルス性のドアノブ被覆シリコン・ドロマイト混練体を示す写真であり、図7(b)は、形成されたドアノブ被覆シリコン・ドロマイト混練体100(100D)が装着されるドアノブの例を示す。図7(b)には、先端解放のドアノブが示される。
図3(d)に示される型31が用いられて柔軟性のある抗ウイルス性のドアノブ被覆シリコン・ドロマイト混練体100(100D)が形成される。
ドアノブ被覆混練体100(100D)は、手のひら接触に用いられる表面確保のための体積を有し、ドアノブ41を収納可能とする筒状部42を有する。
【0073】
図7(a)に示さるドアノブ被覆シリコン・ドロマイト混練体100(100D)の大きさは、1例として長手方向に、142mm、横方向に最太部で,取っ手部径21mmが採用された。
柔軟性のある抗ウイルス性のドアノブ被覆シリコン・ドロマイト混練体100(100D)は、全体がドアノブに似た形態をなして、シリコン材及びドロマイトの混練材からなり、当該混練材が柔軟性の内部とドロマイト外方露出の表面部(表面)からなって、当該ドロマイト外方露出の表面部が抗ウイルス性を呈し、人間の手に握られて外方からの力の作用があると、全体の形態を変え、接触面積を増大させながら柔軟性を保持する。
【0074】
ドアノブ被覆シリコン・ドロマイト混練体100(100D)は、柔軟性を備えているので手のひらで握られ、押圧されると、ドアノブ被覆シリコン・ドロマイト混練体100(100D)の表面の手のひらへの接触面積が増大する。この状態にあっても、ドアノブ被覆シリコン・ドロマイト混練体100(100D)は、全体の形態を変えながら柔軟性を保持する。
【0075】
ドアノブ被覆シリコン・ドロマイト混練体100(100D)は、その抗ウイルス性能によって手のひらへの接触で、手のひらに付着したウイルスを死滅させる。これによって、手のひらに付着したウイルスが手のひらから除去されたことになる。
外方からの力を作用させると、ドアノブ被覆シリコン・ドロマイト混練体100(100D)表面の手のひらへの接触面積が増大するので、手のひらに付着したウイルスが手のひらからの除去が効果的になされる。
【0076】
ドアノブ被覆シリコン・ドロマイト混練体100(100D)は、柔軟性を備えているので、外力を加えることで、元の形状に戻すことができ、繰り返して用いられ得る。
洗浄水の便宜のあるところでない環境下でも用いられ得、例えば電車に乗ってつり革に掴まったようなとき、乗車中にあるいは降車したとき直ちにウイルスを除去する操作を行うことができる。
【0077】
図7(c)は、成形された突起型のドアノブに適用されるドアノブ被覆混練体を示す。
図7(c)に示されるように、この例の場合、ドアノブ被覆混練体は、長手方向と直径方向の長さがほぼ等しい筒状の形状をなす筒体42で形成される。筒体42は、図で、長手方向の左右方に孔43,44を持つ。筒体42の内部は、空間部45となる。
【0078】
図7(d)は、で表面を回転することで開放する突起型のドアノブ41を示す。
突起型のドアノブ41にドアノブ被覆シリコン・ドロマイト混練体100(100D)の筒体42が被覆されることで、筒内に突起型のドアノブ41が配設される。これで、ドアノブ被覆混練体100(100D)が突起型のドアノブ41に被覆して配設される。
手のひらでドアノブを握る関係で、ドアノブ被覆シリコン・ドロマイト混練体100(100D)の大きさは、ドアノブの大きさに対して10~20%程度大きさであることが推奨される。ドアノブ被覆シリコン・ドロマイト混練体100(100D)に接触するとは、手のひらで握り得る大きさの範囲にあることを意味する。
【0079】
図7(c)に示さるドアノブ被覆シリコン・ドロマイト混練体100(100D)の大きさは、1例として長手方向の筒体長さ43mm、孔43の径34mm、孔44の径38mmが採用された。
【0080】
以上のように、全体がドアノブに似た形態をなして、混練材が主成分のシリコン材及び副成分のドロマイトからなり、抗ウイルス性を呈し、前記シリコン材及び前記ドロマイトの混合混練で生成された混練体になり、当該混練体がドアノブを収納しドアノブに嵌め込まれるドアノブ収納空間部を有し、外形の形態を変えながら全体が携帯電話機に似た形態を保持し及び柔軟性を保持し、手のひらに接触されて、表面が押圧されると当該表面の手のひらへの接触面積が押圧作用前に比べて増大することを特徴とする柔軟性のある抗ウイルス性の手のひらで接触用のドアノブ被覆混練体が形成される。
【0081】
図8は、柔軟性のある抗ウイルス性の手ひらに接触して効果のある成形品である携帯電話機被覆混練体を示す図である。柔軟性のある抗ウイルス性の手ひらで接触用の携帯電話機被覆混練体を示す図である。
この例の場合、携帯電話機被覆混練体は、携帯電話機を包む包袋状の形状をなす。
【0082】
図8(a)は、抗ウイルス性の携帯電話機被覆混練体を示し、図8(b)は、形成された携帯電話機被覆シリコン・ドロマイト混練体100(100E)が装着される携帯電話機の例を示す。
図3(e)に示される型31が用いられて柔軟性のある抗ウイルス性の携帯電話機被覆シリコン・ドロマイト混練体100(100E)が形成される。
携帯電話機被覆混練体100(100E)は、手のひら接触に用いられる体積を有し、携帯電話機を当該携帯電話機カバーと共に収納可能とする袋状部52を有する。袋状部とすることで、内側における携帯電話機表面のウイルス除菌及び外側において手のひら付着のウイルスを除去するウイルス性能が期待できる。
【0083】
図8(b)に示さる携帯電話機被覆シリコン・ドロマイト混練体100(100E)の大きさは、1例として長手方向に、150mm、横方向に90mmが採用された。
柔軟性のある抗ウイルス性の携帯電話機被覆シリコン・ドロマイト混練体100(100E)は、全体が携帯電話機に似た形態をなして、シリコン材及びドロマイトの混練材からなり、当該混練材が柔軟性の内部とドロマイト外方露出の表面部(表面)からなって、当該ドロマイト外方露出の表面部が抗ウイルス性を呈し、人間の手に握られて外方からの力の作用があると、全体の形態を変え、接触面積を増大させながら柔軟性を保持する。
【0084】
携帯電話機被覆シリコン・ドロマイト混練体100(100E)は、柔軟性を備えているので手のひらで握られ、押圧されると、携帯電話機被覆シリコン・ドロマイト混練体100(100E)の表面の手のひらへの接触面積が増大する。この状態にあっても、携帯電話機被覆シリコン・ドロマイト混練体100(100E)は、全体の形態を変えながら柔軟性を保持する。
携帯電話機被覆シリコン・ドロマイト混練体100(100E)は、その抗菌性性能によって手のひらへの接触で、手のひらに付着したウイルス菌を死滅させる。これによって、手のひらに付着したウイルスが手のひらから除去されたことになる。
【0085】
外方からの力を作用させると、携帯電話機被覆シリコン・ドロマイト混練体100(100E)表面の手のひらへの接触面積が増大するので、手のひらに付着したウイルス手のひらから除去することが効果的になされる。
携帯電話機被覆シリコン・ドロマイト混練体100(100E)は、柔軟性を備えているので、外力を加えることで、元の形状に戻すことができ、繰り返して用いられ得る。
【0086】
洗浄水の使用の上で便宜でない環境下でも用いられ得、例えば電車に乗ってつり革に掴まったようなとき、乗車中にあるいは降車したとき直ちにウイルスを除去する操作を行うことができる。
手のひらで携帯電話機を握る関係で、携帯電話機被覆シリコン・ドロマイト混練体100(100E)の大きさは携帯電話機の大きさに対して10~20%程度大きさであることが推奨される。携帯電話機被覆シリコン・ドロマイト混練体100(100E)に接触するとは、手のひらで握り得る大きさの範囲にあることを意味する。
【0087】
以上のように、全体が携帯電話機に似た形態をなして、混練材が主成分のシリコン材及び副成分のドロマイトからなり、抗ウイルス性を呈し、前記シリコン材及び前記ドロマイトの混合混練で生成されたシリコン・ドロマイト混練体になり、当該混練体が携帯電話機を当該携帯電話機カバーと共に収納可能とする袋状部を有し、外形の形態を変えながら全体が携帯電話機に似た形態を保持し及び柔軟性を保持し、手のひらに接触されて、表面が押圧されると当該表面の手のひらへの接触面積が作用前に比べて増大することを特徴とする柔軟性のある抗ウイルス性の携帯電話機被覆シリコン・ドロマイト混練体が形成される。
【0088】
図9は、成形品である室内フロア状シリコン・ドロマイト混練体及び自動車車内フロア状シリコン・ドロマイト混練体を示す図である。
【0089】
図9(a)は、抗ウイルス性の室内フロア状混練体を示し、図9(b)は、形成された室内フロア状シリコン・ドロマイト混練体100(100F)に人間の足が載置されている状態を示し、柔軟性のある抗ウイルス性で、人間の足に接触して効果のある成形品である室内フロア状シリコン・ドロマイト混練体を示す。
【0090】
図9(c)は、抗ウイルス性の自動車車内フロア状混練体を示し、図9(d)は、形成された自動車車内フロア状シリコン・ドロマイト混練体100(100G)に靴が載置されている状態を示し、柔軟性のある抗ウイルス性で、靴に接触して効果のある成形品である自動車車内フロア状シリコン・ドロマイト混練体を示す。
図3に示される型31が用いられて柔軟性のある抗ウイルス性の室内フロア状シリコン・ドロマイト混練体100(100F)あるいは自動車車内フロア状シリコン・ドロマイト混練体100(100G)が形成される。
【0091】
図9(a)において、柔軟性のある抗ウイルス性の室内フロア状シリコン・ドロマイト混練体100(100F)は、全体が室内フロア板に似た形態をなして、シリコン材及びドロマイトの混練材からなり、当該混練材が柔軟性の内部とドロマイト外方露出の表面部(表面)からなって、当該ドロマイト外方露出の表面部が抗ウイルス性を呈し、図9(b)に示されるように人間の足52が載せられて押圧されると、その形態を変え、接触面積を増大させながら柔軟性を保持する。
【0092】
室内フロア状シリコン・ドロマイト混練体100(100F)は、柔軟性を備えているので足で押圧されると、室内フロア状シリコン・ドロマイト混練体100(100F)の表面の足底表面への接触面積が増大する。この状態にあっても室内フロア状シリコン・ドロマイト混練体100(100F)は、形態を変えながら柔軟性を保持する。
室内フロア状シリコン・ドロマイト混練体100(100F)は、その抗菌性性能によって足底への接触で、足底に付着したウイルス菌を死滅させる。これによって、足底に付着したウイルスが足から除去されたことになる。
【0093】
外方からの力を作用させると室内フロア状シリコン・ドロマイト混練体100(100F)表面の足底への接触面積が増大するので、足に付着したウイルスの除去が効果的になされる。
室内フロア状シリコン・ドロマイト混練体100(100F)は、柔軟性を備えているので、外力を加えることで、元の棒形状に戻すことができ、繰り返して用いられ得る。
洗浄水の使用の上で便宜でない環境下でも用いられ得、例えば室内でテレビ観戦しているようなとき、ウイルスを除去する操作を行うことができる。
【0094】
図9(c)において、柔軟性のある抗ウイルス性の自動車車内フロア状シリコン・ドロマイト混練体100(100G)は、周辺に飾りスカート53を備えたプレート上に載置される。自動車車内フロア状シリコン・ドロマイト混練体100(100G)は、全体が自動車車内フロア板に似た形態をなして、シリコン材及びドロマイトの混練材からなり、当該混練材が柔軟性の内部とドロマイト外方露出の表面部(表面)からなって、当該ドロマイト外方露出の表面部が抗ウイルス性を呈し、図9(d)に示されるように靴54が載置されて押圧されると、その形態を変え、接触面積を増大させながら柔軟性を保持する。
自動車車内フロア状シリコン・ドロマイト混練体100(100G)は、柔軟性を備えているので足で押圧されると、自動車車内フロア状混練体100(100G)の表面の足底表面への接触面積が増大する。この状態にあっても自動車車内フロア状シリコン・ドロマイト混練体100(100G)は、形態を変えながら柔軟性を保持する。
【0095】
自動車車内フロア状シリコン・ドロマイト混練体100(100G)は、その抗菌性性能によって足底への接触で、足底に付着したウイルス菌を死滅させる。これによって、足底に付着したウイルスが足から除去されたことになる。
外方からの力を作用させると自動車車内フロア状シリコン・ドロマイト混練体100(100G)表面の足底への接触面積が増大するので、足に付着したウイルスの除去が効果的になされる。
【0096】
自動車車内フロア状シリコン・ドロマイト混練体100(100G)は、柔軟性を備えているので、外力を加えることで、元の棒形状に戻すことができ、繰り返して用いられ得る。
洗浄水の使用の上で便宜でない環境下でも用いられ得、例えば自動車車内で運転手の脇に乗っているようなとき、ウイルスを除去する操作を行うことができる。
【0097】
以上のように、シリコン材を主成分としドロマイトを副成分として含有する室内フロアマットあるいは自動車車内フロアマット状シリコン・ドロマイト混練体であって、
全体が室内フロアマットあるいは自動車車内フロアマットに似た形態をなして、混練材が主成分のシリコン材及び副成分のドロマイトからなり、抗ウイルス性を呈し、前記シリコン材及び前記ドロマイトの混合混練で生成された混練体になり、人間の足あるいは靴に接触して表面が押圧されると、柔軟性を保持し、当該人間の足あるいは靴への接触面積が押圧作用前に比べて増大することを特徴とする柔軟性のある抗ウイルス性の人間の足あるいは靴に接触用の室内フロアマットあるいは自動車車内フロアマット状混練体が形成される。
【0098】
以上のように、シリコン材を主成分としドロマイトを副成分として含有するシリコン・ドロマイト混練体の形成方法であって、
混練材として主成分のシリコン材及び副成分のドロマイトを準備し、抗ウイルス性を呈し、前記シリコン材及び前記ドロマイトを混練し、押圧体、例えば手のひらに接触されて、表面が押圧されると、柔軟性を保持し、当該表面の手のひらへの接触面積が押圧作用前に比べて増大する混練体を形成することを特徴とする柔軟性のある抗ウイルス性の押圧体、例えば手のひらで接触用のシリコン・ドロマイト混練体の形成方法が形成される。
【0099】
また、シリコン・ドロマイト混練体を型に入れ、全体がボール、棒あるいは板に似た形に形成し、全体の形態を変えながらボール体、棒体あるいは板体の形態を保持し及び柔軟性を保持して、手のひらに接触されて、表面が押圧されると当該表面の手のひらへの接触面積が押圧作用前に比べて増大する混練体を形成することを特徴とする柔軟性のある抗ウイルス性の手のひらに接触用のボール状、棒状あるいは板状シリコン・ドロマイト混練体の形成方法が形成される。
【0100】
また、シリコン・ドロマイト混練体を型に入れ、全体がドアノブに似た形に形成し、外形の形態を変えながら柔軟性を保持して、手のひらに接触されて、表面が押圧されると当該表面の手のひらへの接触面積が押圧作用前に比べて増大する混練体を形成することを特徴とする柔軟性のある抗ウイルス性のドアノブ被覆混練体の形成方法が形成される。
【0101】
また、シリコン・ドロマイト混練体を型に入れ、全体が携帯電話機に似た形に形成し、外形の形態を変えながら全体が携帯電話機に似た形態を保持し及び柔軟性を保持し、手のひら接触されて、表面が押圧されると当該表面の手のひらへの接触面積が押圧作用前に比べて増大する混練体を形成することを特徴とする柔軟性のある抗ウイルス性の携帯電話機被覆シリコン・ドロマイト混練体の形成方法が形成される。
【0102】
抗ウイルス性の効果を十分に発揮させるためには、ドロマイト成分が成形体である製品の表面により多く露出した表面積増大状態にすることが好ましいが、長期間に亘って手のひらへの接触する機能を発現するためにシリコン・ドロマイト混練体を形成し、保持力を確保することが不可欠である。
【0103】
図10は、シリコン・ドロマイト混練体を形成し、保持力を確保することができることを示す実験結果を示す図である。当該実験は、本件特許出願人によって当該特許出願人の施設、設備を使用してなされ、シリコン原料及びドロマイト粉末は市販の低硬度のものが用いられた。実験室に用いられた温度は、室温であった。計量器は、一般的なものが使用された。
【0104】
<実験内容>
シリコン原料混練時にドロマイト粉体を混合混練したときに、保持力を確保することができた例を示す実験
1)シリコン原料1000gにドロマイト粉末200gを混合混練(ドロマイト含有量17%)
混練体を形成し、十分に保持力を確保することができた。
2)シリコン原料1000gにドロマイト粉末400gを混合混練(ドロマイト含有量28.6%)。
混練体を形成し、十分に保持力を確保することができた。
3)シリコン原料1000gにドロマイト粉末600gを混合混練(ドロマイト含有量37.5%)。
シリコン・ドロマイト混練体を形成し、十分に保持力を確保することができた。
【0105】
これらの実験結果から、シリコン原料単位重量に対してドロマイト量0.2-0.6の範囲で混在混合させれば、混練体を形成し、十分に保持力を確保した製品とすることができる。
ドロマイト量0.6を超えて混練するとき、混練することができたが、混練作業にかなりの作業を要し、成型時に保持力が弱くなり、切断しやすい現象がみられた。ドロマイト量0.6を超えて混合混練し、全体の形態を変えながらボール形状、棒形状あるいは板形状のシリコン・ドロマイト混練体の形成することは、柔軟性を持ったそれらの形態及びドロマイトの保持性で劣ることになった。ドロマイト量0.20未満では抗ウイルス性の発現が困難である。
【0106】
シリコン・ドロマイト混練材中における抗ウイルス性成分、すなわちドロマイトの含有量は、低硬度のシリコン原料を採用して、ドロマイト量0.3以上で0.5未満%であることが好ましい。
シリコン・ドロマイト混練材24の形成に当たっては、必要に応じて炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムばかりでなく、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムからなる主体的化学成分を第3成分として含有させることができる。
【0107】
これらのことから、シリコン材を主成分としドロマイトを副成分として含有するシリコン・ドロマイト混練材であって、
混練材が主成分のシリコン材及び副成分のドロマイトからなり、抗ウイルス性を呈し、前記シリコン材重量で1に対して前記ドロマイトが0.2-0.6、望ましくは0.3-0.5の範囲で混合混練された状態にあり、柔軟性を保持し、手のひらに接触されて、表面が押圧されると当該表面の手のひらへの接触面積が押圧作用前に比べて増大する混練材であることを特徴とする抗菌性のシリコン・ドロマイト混練材が提供される。
【0108】
本実施例によれば、
抗ウイルス性を呈する、柔軟性のある抗ウイルス性のハンド接触用の、例えば手のひらに接触させて効果のあるシリコン・ドロマイト混練材あるいはシリコン・ドロマイト混練体を提供することができる。
【0109】
ドロマイトの抗菌性能向上のために接触面積の増大が可能な柔軟性のある材料が用いられること、例えば手のひらに付着した各種のウイルスを除去する目的のために使用可能とすること、例えば柔軟性のある抗ウイルス性ボール状体、棒状体あるいは板状体を形成し、外部環境における活動中にあっても手持ちができ、手のひらに付着した各種のウイルスを有効に除去してウイルス感染防止を有効に行い得るようにすることができる。
【0110】
これによって、外部における活動中にあっても各種のウイルスによる感染防止を有効に行い得る。例えば、鉱物原料としてのドロマイト由来の抗ウイルス剤を含有する柔軟性のある抗ウイルス性のハンド用のボール形状、棒形状あるいは板形状のシリコン・ドロマイト混練体の形成に適用応用できる。
【符号の説明】
【0111】
1…ミキサー、2…横置きされた円筒状の混練筒、3…混練筒2の入口側である上流側に設けられたシリコン材投入口部、4…混練筒2の出口側に設けられたシリコン・ドロマイト混練材取り出し口部(混練材取り出し口部という。)、5…混練筒2の内部に横方向に設置された回転軸、6…回転軸の周囲に設けた攪拌スクリュー、7…攪拌スクリュー6の上流側に設けた送り羽根、8…攪拌スクリュー6の下流側に設けた送り羽根、9…回転軸5に回転力を付与する駆動源としてのモーター、10…鉱物原料としてのドロマイト由来の抗ウイルス剤を投入するための抗ウイルス剤投入口部、11…抗ウイルス剤投入管、21…搬送部、22…混練部、23…搬送部、24…シリコン・ドロマイト混練材(混練材という。)、25…シリコン・ドロマイト混練体(混練体という。)、31…型、32…窪み、40…手のひら、42…筒状部、52…袋状部、100(100A、100B、100C、100D、100E、100F,100G)…柔軟性のある抗ウイルス性のハンド接触用のボール体、棒体、板体ドアノブ被覆シリコン・ドロマイト混練体あるいは携帯電話機被覆シリコン・ドロマイト混練体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10