(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】体動検知ベッド
(51)【国際特許分類】
A61G 7/043 20060101AFI20221221BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20221221BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
A61G7/043
A61B5/11 100
A61B5/00 102A
A61B5/00 101R
(21)【出願番号】P 2018110890
(22)【出願日】2018-06-11
【審査請求日】2021-06-01
(73)【特許権者】
【識別番号】512133915
【氏名又は名称】グローバル電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100087745
【氏名又は名称】清水 善廣
(74)【代理人】
【識別番号】100106611
【氏名又は名称】辻田 幸史
(74)【代理人】
【識別番号】100189717
【氏名又は名称】太田 貴章
(72)【発明者】
【氏名】松田 樹一
【審査官】胡谷 佳津志
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-099957(JP,A)
【文献】特開2003-159157(JP,A)
【文献】特表2007-525266(JP,A)
【文献】特開2003-204855(JP,A)
【文献】特開2013-135795(JP,A)
【文献】特開2000-189468(JP,A)
【文献】国際公開第2018/100572(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 7/043
A61B 5/11
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
4つの脚部と、前記脚部の間をつなぐ4つの棒材と、少なくとも対向する一対の前記棒材の間に配置されるシートとを有する体動検知ベッドであって、
さらに、前記センサーマットからの検出信号を受信し、受信した前記検出信号によって情報を出力するセンサーコントローラーと、
前記センサーコントローラーを保持するコントローラーホルダーとを有し、
前記棒材は、一対の対向する短棒材と、一対の対向する長棒材とで構成され、
前記シートの外周には、前記短棒材に取り付ける短耳部と、前記長棒材に取り付ける長耳部とを備え、
前記シートの裏面に
センサーマット用ポケットを設け、
前記センサーマット用ポケットに、体動を検知するセンサーを内蔵したセンサーマットを
収納し、
前記コントローラーホルダーを前記棒材のうち前記短棒材に取り付け、
前記センサーマット用ポケットは、前記コントローラーホルダーが取り付けられている前記短棒材に取り付ける前記短耳部側の一辺を開口とし、他の三辺を閉塞し、
前記コントローラーホルダーは、前記棒材に対して回動し、
前記コントローラーホルダーを回動させることで、前記センサーコントローラーを前記シートの前記裏面側に配置する
ことを特徴とする体動検知ベッド。
【請求項2】
前記センサーを圧電センサーとした
ことを特徴とする請求項
1に記載の体動検知ベッド。
【請求項3】
前記センサーコントローラーは、
所定期間、前記体動を検知しないと無体動警報を出力する無体動警報手段と、
前記無体動警報手段を作動させない警報停止手段と
を有する
ことを特徴とする請求項
1又は請求項2に記載の体動検知ベッド。
【請求項4】
請求項
1から請求項3のいずれか1項に記載の体動検知ベッドの収納方法であって、
前記センサーマットを前記シートの前記裏面に配置し、前記センサーコントローラーを前記シートの前記裏面側に配置した状態で、
第1の前記体動検知ベッドの前記脚部に、第2の前記体動検知ベッドの前記脚部を載置することで、第1の前記体動検知ベッドに第2の前記体動検知ベッドを積載する
ことを特徴とする体動検知ベッドの収納方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、就床者の体動を検知できる体動検知ベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
体動を検知できる装置として、例えば特許文献1では、水等の流動体が封入されている複数個の袋体からなるウォーターベッドにおいて、就床者の心臓が位置する袋体の表面にセンサを取り付けることを提案している。
また、特許文献2では、水や空気等の流体を封入した流体封入体と、流体封入体に設ける生体活動検出用センサーを備え、流体封入体を患者等の身体に巻き付け装着して用いることを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-192246号公報
【文献】特開平11-267106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び特許文献2で提案されている装置では、保育施設での午睡中の乳幼児に対して簡便に午睡チェックを行うことができない。
【0005】
本発明は、簡易で収納しやすいベッドで体動検知を行える体動検知ベッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明の体動検知ベッドは、4つの脚部11と、前記脚部11の間をつなぐ4つの棒材12と、少なくとも対向する一対の前記棒材12の間に配置されるシート13とを有する体動検知ベッドであって、さらに、前記センサーマット20からの検出信号を受信し、受信した前記検出信号によって情報を出力するセンサーコントローラー30と、前記センサーコントローラー30を保持するコントローラーホルダー40とを有し、前記棒材12は、一対の対向する短棒材12a、12bと、一対の対向する長棒材12c、12dとで構成され、前記シート13の外周には、前記短棒材12a、12bに取り付ける短耳部13a、13bと、前記長棒材に取り付ける長耳部13c、13dとを備え、前記シート13の裏面にセンサーマット用ポケット13fを設け、前記センサーマット用ポケット13fに、体動を検知するセンサー21を内蔵したセンサーマット20を収納し、前記コントローラーホルダー40を前記棒材12のうち前記短棒材12a、12bに取り付け、前記センサーマット用ポケット13fは、前記コントローラーホルダー40が取り付けられている前記短棒材12a、12bに取り付ける前記短耳部13a、13b側の一辺を開口とし、他の三辺を閉塞し、前記コントローラーホルダー40は、前記棒材12に対して回動し、前記コントローラーホルダー40を回動させることで、前記センサーコントローラー30を前記シート13の前記裏面側に配置することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の体動検知ベッドにおいて、前記センサー21を圧電センサーとしたことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の体動検知ベッドにおいて、前記センサーコントローラー30は、所定期間、前記体動を検知しないと無体動警報を出力する無体動警報手段と、前記無体動警報手段を作動させない警報停止手段とを有することを特徴とする。
請求項4記載の本発明の体動検知ベッドの収納方法は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の体動検知ベッドの収納方法であって、前記センサーマット20を前記シート13の前記裏面に配置し、前記センサーコントローラー30を前記シート13の前記裏面側に配置した状態で、第1の前記体動検知ベッドの前記脚部11に、第2の前記体動検知ベッドの前記脚部11を載置することで、第1の前記体動検知ベッドに第2の前記体動検知ベッドを積載することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、シートの裏面にセンサーマットを配置するため、屎尿による汚染の影響が少なく、就床状態でもセンサーマットの取り付けや取り外しができ、4つの脚部と、脚部の間をつなぐ4つの棒材と、少なくとも対向する一対の棒材の間に配置されるシートとからなる、簡易で収納しやすいベッドで体動検知を行える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施例における体動検知ベッドの全体図
【
図2】同体動検知ベッドのシート及びセンサーマットを示す構成図
【
図3】同体動検知ベッドのコントローラーホルダーを示す構成図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態による体動検知ベッドは、シートの裏面に体動を検知するセンサーを内蔵したセンサーマットを配置するものである。本実施の形態によれば、シートの裏面にセンサーマットを配置するため、屎尿による汚染の影響が少なく、就床状態でもセンサーマットの取り付けや取り外しができ、4つの脚部と、脚部の間をつなぐ4つの棒材と、少なくとも対向する一対の棒材の間に配置されるシートとからなる、簡易で収納しやすいベッドで体動検知を行える。
【0010】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による体動検知ベッドにおいて、シートの裏面にセンサーマット用ポケットを設け、センサーマット用ポケットに、センサーマットを収納するものである。本実施の形態によれば、センサーマットの取り付け及び取り外しを容易に行える。
【0011】
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態による体動検知ベッドにおいて、センサーマットからの検出信号を受信し、受信した検出信号によって情報を出力するセンサーコントローラーと、センサーコントローラーを保持するコントローラーホルダーとを有し、コントローラーホルダーを棒材に取り付けるものである。本実施の形態によれば、床面やシート上にセンサーコントローラーを置く場合に生じる、センサーコントローラーの破損や誤操作を防止でき、センサーコントローラーから出力される情報を正しく把握することができる。
【0012】
本発明の第4の実施の形態は、第3の実施の形態による体動検知ベッドにおいて、コントローラーホルダーは、棒材に対して回動し、コントローラーホルダーを回動させることで、センサーコントローラーをシートの裏面側に配置するものである。本実施の形態によれば、センサーコントローラーをシートの裏面側に配置できるため、センサーコントローラーを取り付けた状態で体動検知ベッドの収納を容易に行える。
【0013】
本発明の第5の実施の形態は、第1から第4のいずれかの実施の形態による体動検知ベッドにおいて、センサーを圧電センサーとしたものである。本実施の形態によれば、シートに伝わる体動を正確に検知することができる。
【0014】
本発明の第6の実施の形態は、第3の実施の形態による体動検知ベッドにおいて、センサーコントローラーは、所定期間、体動を検知しないと無体動警報を出力する無体動警報手段と、無体動警報手段を作動させない警報停止手段とを有するものである。本実施の形態によれば、無体動状態を検知できるとともに、就床者不在状態での無体動警報の出力を停止することができる。
【0015】
本発明の第7の実施の形態による体動検知ベッドの収納方法は、第4の実施の形態による体動検知ベッドの収納方法において、センサーマットをシートの裏面に配置し、センサーコントローラーをシートの裏面側に配置した状態で、第1の体動検知ベッドの脚部に、第2の体動検知ベッドの脚部を載置することで、第1の体動検知ベッドに第2の体動検知ベッドを積載するものである。本実施の形態によれば、センサーマット及びセンサーコントローラーを取り付けた状態で体動検知ベッドを積み重ねて収納することができる。
【実施例】
【0016】
以下に、本発明の体動検知ベッドの一実施例について説明する。
図1は本発明の一実施例における体動検知ベッドの全体図であり、
図1(a)は同体動検知ベッドの斜視図、
図1(b)は同体動検知ベッドの側面図、
図1(c)は同体動検知ベッドの上面図である。
【0017】
図1に示すように、本実施例における体動検知ベッドは、4つの脚部11と、脚部11の間をつなぐ4つの棒材12と、少なくとも対向する一対の棒材12の間に配置されるシート13とを有する。棒材12は、一対の対向する短棒材12a、12bと、一対の対向する長棒材12c、12dとで構成される。
本実施例における体動検知ベッドは、体動を検知するセンサー21(
図2参照)を内蔵したセンサーマット20(
図2参照)と、センサーマット20からの検出信号を受信し、受信した検出信号によって情報を出力するセンサーコントローラー30と、センサーコントローラー30を保持するコントローラーホルダー40とを有する。
コントローラーホルダー40は棒材12に取り付ける。
【0018】
図2は同体動検知ベッドのシート及びセンサーマットを示す構成図であり、
図2(a)は同体動検知ベッドのシートの展開上面図、
図2(b)は同体動検知ベッドのセンサーマットの斜視図、
図2(c)は同センサーマットの内部を示す構成図である。
【0019】
シート13の外周には、短棒材12a(
図1参照)に取り付ける短耳部13a、短棒材12b(
図1参照)に取り付ける短耳部13b、長棒材12c(
図1参照)に取り付ける長耳部13c、及び長棒材12d(
図1参照)に取り付ける長耳部13dを備えている。
短耳部13aには、短棒材12aに取り付ける際に短棒材12aの一部を露出させるための切り欠き部13eが形成されている。この切り欠き部13eによって露出する短棒材12aにコントローラーホルダー40が取り付けられる。
シート13の裏面には、センサーマット用ポケット13fを設けている。センサーマット用ポケット13fは、短耳部13a側の一辺を開口とし、他の三辺を閉塞している。
センサーマット20は、センサーマット用ポケット13fに収納される。センサーマット用ポケット13fにセンサーマット20を収納することで、センサーマット20の取り付け及び取り外しを容易に行える。
シート13及びセンサーマット用ポケット13fには、例えばポリエステル繊維を用いる。
図2(b)及び
図2(c)に示すセンサーマット20は、体動を検知するセンサー21として2つの圧電センサーを内部に設けている。圧電センサーを用いることでシート13に伝わる体動を正確に検知することができる。センサー21は一つでもよいが、複数のセンサー21を設けることで、体動の回数だけでなく体動の大きさも高い精度で検知することができる。
このように、シート13の裏面にセンサーマット20を配置するため、屎尿による汚染の影響が少なく、就床状態でもセンサーマット20の取り付けや取り外しができ、簡易で収納しやすいベッドで体動検知を行える。
【0020】
図3は同体動検知ベッドのコントローラーホルダーを示す構成図であり、
図3(a)は同コントローラーホルダーの斜視図、
図3(b)は同コントローラーホルダーでセンサーコントローラーを保持した状態を示す斜視図、
図3(c)は同コントローラーホルダーの動作を示す構成図である。
【0021】
コントローラーホルダー40は、センサーコントローラー30を保持する保持部41と、棒材12に取り付ける腕部42とからなる。保持部41は、少なくとも両側面と背面に立上壁を有し、これらの立上壁によって囲まれる空間にセンサーコントローラー30を保持する。保持部41の底面に腕部42の一端が接続され、腕部42の他端にはリング部42aが形成されている。コントローラーホルダー40は、このリング部42aによって棒材12に取り付ける。
このようなコントローラーホルダー40によってセンサーコントローラー30を保持することで、床面やシート13上にセンサーコントローラー30を置く場合に生じる、センサーコントローラー30の破損や誤操作を防止でき、センサーコントローラー30から出力される情報を正しく把握することができる。
なお、センサーコントローラー30は、所定期間、体動を検知しないと無体動警報を出力する無体動警報手段(図示せず)と、無体動警報手段を作動させない警報停止手段(図示せず)とを有しており、無体動状態を検知できるとともに、就床者不在状態での無体動警報の出力を停止することができる。
コントローラーホルダー40は、棒材12に対して回動することができる。
図3(c)に示すように、体動検知の作動時(就床時)にはコントローラーホルダー40Aを棒材12よりも上方に位置させることができ、体動ベッドの収納時にはコントローラーホルダー40Bをシート13の裏面側に配置することができる。
このように、コントローラーホルダー40を回動させることで、センサーコントローラー30をシート13の裏面側に配置できるため、センサーコントローラー30を取り付けた状態で体動検知ベッドの収納を容易に行える。
【0022】
図4は同体動検知ベッドの収納状態を示す全体図であり、
図4(a)は同体動検知ベッドの収納状態を示す斜視図、
図4(b)は同体動検知ベッドの収納状態を示す側面図である。
【0023】
本実施例における体動検知ベッドは、センサーマット20をシート13の裏面に配置し、センサーコントローラー30をシート13の裏面側に配置した状態で、第1の体動検知ベッドの脚部11に、第2の体動検知ベッドの脚部11を載置することで、第1の体動検知ベッドに第2の体動検知ベッドを積載することができる。
このように本実施例によれば、センサーマット20及びセンサーコントローラー30を取り付けた状態で体動検知ベッドを積み重ねて収納することができる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明による体動検知ベッドは、特に保育施設での午睡中の乳幼児に対する安全対策に適している。
【符号の説明】
【0025】
11 脚部
12 棒材
12a、12b 短棒材
12c、12d 長棒材
13 シート
13a、13b 短耳部
13c、13d 長耳部
13e 切り欠き部
13f センサーマット用ポケット
20 センサーマット
21 センサー
30 センサーコントローラー
40、40A、40B コントローラーホルダー
41 保持部
42 腕部
42a リング部