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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】質問調査装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20221221BHJP
【FI】
G06Q50/16
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019010624
(22)【出願日】2019-01-24
(65)【公開番号】P2020119341
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2022-01-07
(73)【特許権者】
【識別番号】519100077
【氏名又は名称】コクー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100153268
【弁理士】
【氏名又は名称】吉原 朋重
(72)【発明者】
【氏名】木村 一元
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 歩
【審査官】山内 裕史
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-197255(JP,A)
【文献】特開2002-312561(JP,A)
【文献】特開2003-058469(JP,A)
【文献】特開2007-140841(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不動産の売買を行うユーザーに対し提示する前記売買に際し利用した業者に関する質問を識別する質問識別情報と、前記ユーザーに対し提示する具体的な質問の内容である具体的質問情報と、を対応付けて記憶する質問情報記憶手段と、
前記業者を識別する業者識別情報と、前記質問識別情報と、該質問識別情報で識別される前記具体的質問情報に対する前記ユーザーの回答情報と、を関連付けて記憶する回答情報記憶手段と、
前記ユーザーが前記不動産の代金決済・引き渡しを行うタイミングにおいて、前記売買を仲介する第1業者に対する前記具体的質問情報と共に、前記ユーザーと接触するものの前記売買を仲介できない第2業者に対する前記具体的質問情報を、前記ユーザーが操作する端末の表示装置に表示させる質問情報提示手段と、
前記第2業者を識別する前記業者識別情報と、前記質問情報提示手段によって前記ユーザーに提示される前記具体的質問情報を識別する前記質問識別情報と、前記第2業者に対する前記具体的質問情報の前記ユーザーによる回答情報と、を関連付けて受け付け、前記回答情報記憶手段に記憶させる回答情報取得手段と、
前記回答情報記憶手段に記憶される情報に関する前記第2業者からの閲覧要求に応じ、前記第2業者が操作する端末へ、前記回答情報記憶手段において前記第2業者を識別する前記業者識別情報と関連付けられる前記質問識別情報に対応する前記具体的質問情報及び前記回答情報を閲覧可能な状態で提供する回答情報提供手段と、を有することを特徴とする質問調査装置。
【請求項2】
前記質問が、前記業者における前記ユーザーと接触する営業スタッフを評価するための観点で構造化・階層化して作成されていることを特徴とする請求項1に記載の質問調査装置。
【請求項3】
前記営業スタッフを評価するための観点が、前記営業スタッフのコミュニケーション力及び人柄に要素展開され、前記コミュニケーション力が、前記営業スタッフの知識、ヒアリング力及び提案力に要素展開され、前記人柄が、前記営業スタッフの対応力及び人間性に要素展開され、前記対応力が、対応の早さ、対応の頻度、感じの良さ、丁寧さ及び誠実さに要素展開され、前記人間性が、真面目さ、親切さ、安心感、熱心さ、信頼性及び親身さに要素展開されることを特徴とする請求項2に記載の質問調査装置。
【請求項4】
前記第2業者に対する具体的質問情報が、前記第1業者に対する具体的質問情報と内容が同一であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載の質問調査装置。
【請求項5】
不動産の売買を行うユーザーに対し提示する前記売買に際し利用した業者に関する質問を識別する質問識別情報と、前記ユーザーに対し提示する具体的な質問の内容である具体的質問情報と、を対応付けて記憶する質問情報記憶手段と、前記業者を識別する業者識別情報と、前記質問識別情報と、該質問識別情報で識別される前記具体的質問情報に対する前記ユーザーの回答情報と、を関連付けて記憶する回答情報記憶手段と、を有するコンピューターにおいて、
質問情報提示手段が、前記ユーザーが前記不動産の代金決済・引き渡しを行うタイミングにおいて、前記売買を仲介する第1業者に対する前記具体的質問情報と共に、前記ユーザーと接触するものの前記売買を仲介できない第2業者に対する前記具体的質問情報を、前記ユーザーが操作する端末の表示装置に表示させるステップと、
回答情報取得手段が、前記第2業者を識別する前記業者識別情報と、前記質問情報提示手段によって前記ユーザーに提示される前記具体的質問情報を識別する前記質問識別情報と、前記第2業者に対する前記具体的質問情報の前記ユーザーによる回答情報と、を関連付けて受け付け、前記回答情報記憶手段に記憶させるステップと、
回答情報提供手段が、前記回答情報記憶手段に記憶される情報に関する前記第2業者からの閲覧要求に応じ、前記第2業者が操作する端末へ、前記回答情報記憶手段において前記第2業者を識別する前記業者識別情報と関連付けられる前記質問識別情報に対応する前記具体的質問情報及び前記回答情報を閲覧可能な状態で提供するステップと、を含むことを特徴とする質問調査方法。
【請求項6】
前記質問が、前記業者における前記ユーザーと接触する営業スタッフを評価するための観点で構造化・階層化して作成されていることを特徴とする請求項5に記載の質問調査方法。
【請求項7】
前記営業スタッフを評価するための観点が、前記営業スタッフのコミュニケーション力及び人柄に要素展開され、前記コミュニケーション力が、前記営業スタッフの知識、ヒアリング力及び提案力に要素展開され、前記人柄が、前記営業スタッフの対応力及び人間性に要素展開され、前記対応力が、対応の早さ、対応の頻度、感じの良さ、丁寧さ及び誠実さに要素展開され、前記人間性が、真面目さ、親切さ、安心感、熱心さ、信頼性及び親身さに要素展開されることを特徴とする請求項6に記載の質問調査方法。
【請求項8】
前記第2業者に対する具体的質問情報が、前記第1業者に対する具体的質問情報と内容が同一であることを特徴とする請求項5乃至7の何れか一に記載の質問調査方法。
【請求項9】
コンピューターに、請求項5乃至8の何れか一に記載の方法を実行させるための質問調査プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
不動産売買における非購入理由を収集し、特定者に閲覧させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
居住用マンション・一戸建てなど不動産の売買が盛んに行われている中、その売買を仲介する業務が存在し、それを生業とする不動産仲介業者も多数存在する。
【0003】
ところで、不動産の売買においては、売主が売り物件の情報を市場において提示する一方、買主が売り物件の情報を入手し、仲介業者が両者のニーズの調整を行った結果、それらが合致すれば、不動産の売買が成立する。
【0004】
従来、不動産の売買に関する事務の効率化又は省力化を企図するアイデアの提案が盛んに行われ、例えば、特許文献1では、不動産業者の担当者と顔を合わせることなく、物件情報の閲覧や不動産物件の下見をすることが可能な不動産仲介業務支援システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-170421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そのような背景下、不動産売買の仲介業務においては、見込み客に接触できた案件が多数ある中、成約まで至る案件は少数であるという実情が有る。しかしながら、業者は、案件失注の具体的な理由を知ることができず、過去の失注経験を将来の業務改善に結び付けられないという問題点があった。
【0007】
そこで本発明では、上記問題点を鑑み、被質問者に違和感を抱かれないように不動産売買を見送った理由を収集し、収集した情報を業者に活用させることによって、将来不動産売買を行う者の満足度を高めると共に、業者の業績向上にも寄与する質問調査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示する質問調査装置の一形態は、不動産の売買を行うユーザーに対し提示する前記売買に際し利用した業者に関する質問を識別する質問識別情報と、前記ユーザーに対し提示する具体的な質問の内容である具体的質問情報と、を対応付けて記憶する質問情報記憶手段と、前記業者を識別する業者識別情報と、前記質問識別情報と、該質問識別情報で識別される前記具体的質問情報に対する前記ユーザーの回答情報と、を関連付けて記憶する回答情報記憶手段と、前記ユーザーが前記不動産の代金決済・引き渡しを行うタイミングにおいて、前記売買を仲介する第1業者に対する前記具体的質問情報と共に、前記ユーザーと接触するものの前記売買を仲介できない第2業者に対する前記具体的質問情報を、前記ユーザーが操作する端末の表示装置に表示させる質問情報提示手段と、前記第2業者を識別する前記業者識別情報と、前記質問情報提示手段によって前記ユーザーに提示される前記具体的質問情報を識別する前記質問識別情報と、前記第2業者に対する前記具体的質問情報の前記ユーザーによる回答情報と、を関連付けて受け付け、前記回答情報記憶手段に記憶させる回答情報取得手段と、前記回答情報記憶手段に記憶される情報に関する前記第2業者からの閲覧要求に応じ、前記第2業者が操作する端末へ、前記回答情報記憶手段において前記第2業者を識別する前記業者識別情報と関連付けられる前記質問識別情報に対応する前記具体的質問情報及び前記回答情報を閲覧可能な状態で提供する回答情報提供手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
開示する質問調査装置は、被質問者に違和感を抱かれないように不動産売買を見送った理由を収集し、収集した情報を業者に活用させることによって、将来不動産売買を行う者の満足度を高めると共に、業者の業績向上にも寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施の形態に係る質問調査装置の概要を示す図である。
図2】本実施の形態に係る質問調査装置の機能ブロック図である。
図3】本実施の形態に係る具体的質問情報の一例を示す図である。
図4】本実施の形態に係る第1業者に関する具体的質問情報の一例を示す図である。
図5】本実施の形態に係る第2業者に関する具体的質問情報の一例を示す図である。
図6】本実施の形態に係る質問の構造化・階層化の態様の一例を示す図である。
図7】本実施の形態に係る第1業者に関する具体的質問情報の一例を示す図である。
図8】本実施の形態に係る第2業者に関する具体的質問情報の一例を示す図である。
図9】本実施の形態に係る質問調査装置のハードウエア構成例を示す図である。
図10】本実施の形態に係る質問調査装置による非購入理由の収集処理例の流れを示すフローチャートである。
図11】本実施の形態に係る質問調査装置による非購入理由の閲覧処理例の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
(本実施の形態に係る質問調査装置の動作原理)
【0012】
図1乃至8を用いて、本実施の形態に係る質問調査装置(以下、単に「本装置」という。)100の動作原理を説明する。図1は、本装置100と周辺装置との接続関係を示す図であり、図2は、本装置100の機能ブロック図である。図3乃至5、7、8は、具体的質問情報260の一例を示す図であり、図6は、本装置100において取り扱う質問の構造化・階層化の態様を説明するための図である。
【0013】
図1で示すように、本装置100は、通信ネットワーク310を介して、不動産の売買210を行うユーザー220が操作するユーザー端末300や不動産の売買210の仲介業者230、240が操作する業者端末320と接続される。通信ネットワーク310は、有線・無線何れでも良い。ユーザー端末300、業者端末320は、スマートフォンやタブレット端末の様な携帯情報端末であっても良く、ラップトップ型やデスクトップ型のパーソナルコンピューターであっても良い。
【0014】
ユーザー220は、複数の業者230、240に接触した後、第1業者230を通じて(第1業者230に不動産仲介業務を依頼して)不動産の売買210を行う。第2業者240は、不動産の売買210において、ユーザー220と接触はしたものの、不動産仲介業務を依頼されなかった業者である。
【0015】
図2で示すように、本装置100は、質問情報記憶手段110、回答情報記憶手段120、質問情報提示手段130、回答情報取得手段140、回答情報提供手段150を有する。
【0016】
質問情報記憶手段110は、ユーザー220に対し提示する質問であって、売買210に際し利用した業者230、240に関する質問を識別する質問識別情報250と、ユーザー220に対し提示する具体的な質問の内容である具体的質問情報260と、を対応付けて記憶する。
【0017】
図3で示すように、具体的質問情報260は、「あなたが、今回の物件を決めるにあたり、実際に相談をし、比較・検討をした不動産会社は、何社ございましたか。…」のような、ユーザー220に対し提示する具体的な質問の内容である。図4で示すように、具体的質問情報260は、「ここからは、「弊社」についてお伺いします。…」のように、売買210を仲介する第1業者230に対する具体的な質問を含む。
【0018】
一方で、不動産売買の仲介業務においては、見込み客に接触できた案件が多数ある中、成約まで至る案件は少数であるという実情が有る。図5で示すように、そのような背景下、具体的質問情報260は、「ここからは、今回の物件購入にあたり、比較・検討された会社について、お伺いします。…」のように、ユーザー220と接触したものの、売買210を仲介できない第2業者240に対する具体的な質問を含む。
【0019】
質問情報記憶手段110に記憶される質問は、業者230、240による業務をユーザー220に評価させるためのアンケートであり、業者230、240の業務改善に役立たせるという観点(業者230、240による業務を評価するという観点)で構造化・階層化して作成されている。図6で示すように、記憶手段110に記憶される質問は、例えば、「クチコミ」、「価格」、「会社」、「物件」、「エリア」、「営業スタッフ」の観点で要素展開され、さらに、「物件」の観点は、「コンセプト」、「間取り」、「資産性」、「品質」等の観点で要素展開される。なお、図6は、第2業者240に対する具体的質問情報260の構造化・階層化の態様を示すものであるが、第1業者230に対する具体的質問情報260も同様の態様である。
【0020】
また、記憶手段110に記憶される質問は、例えば、営業スタッフを評価するための観点が、営業スタッフのコミュニケーション力及び人柄の観点で要素展開され、さらに、コミュニケーション力が、営業スタッフの知識、ヒアリング力及び提案力の観点で要素展開され、人柄が、営業スタッフの対応力及び人間性の観点で要素展開され、対応力が、対応の早さ、対応の頻度、感じの良さ、丁寧さ及び誠実さの観点で要素展開され、人間性が、真面目さ、親切さ、安心感、熱心さ、信頼性及び親身さの観点で要素展開される。ユーザー220による営業スタッフの評価は、他の評価項目に比し、業者240の業務改善に即効的に活用することができる。
【0021】
また、記憶手段110に記憶される第2業者240に対する具体的質問情報260は、第1業者230に対する具体的質問情報260と内容が同一である。そうすることによって、被質問者220に違和感を抱かれないように不動産売買210を見送った理由を収集することができる。
【0022】
図4及び5で示すように、第1業者230に対する具体的質問情報260が「あなたが、今回、弊社での物件のご購入にあたって、決め手となったポイントはどのような点となりますか。…」であるところ、第2業者240に対する具体的質問情報260は「あなたが、今回、弊社での物件のご購入にあたり、比較・検討された会社について、購入に踏み切れなかったポイントはどのような点となりますか。…」となっている。
【0023】
また、図7及び8で示すように、第1業者230に対する具体的質問情報260が「「営業担当者の対応」の中で、あなたが評価できた点はございますか。…」であるところ、第2業者240に対する具体的質問情報260は「「営業担当者の対応」の中で、あなたが気になった点はございますか。…」となっている。
【0024】
回答情報記憶手段120は、業者230、240を識別する業者識別情報270と、質問識別情報250と、質問識別情報250で識別される具体的質問情報260に対するユーザー220の回答情報280と、を関連付けて記憶する。
【0025】
質問情報提示手段130は、ユーザー220が不動産の売買210における代金決済を行い、不動産の引き渡しを受けるタイミング290において、第1業者230に対する具体的質問情報260と共に、第2業者240に対する具体的質問情報260を、ユーザー端末300の表示装置に表示させる。タイミング290は、不動産取引という大きな出来事を終え、安堵するユーザー220にとって、業者230、240の業務評価の調査について快く応じ易い機会であると考えられる。
【0026】
また、第1業者230に対する具体的質問情報260の提示と同じタイミング290で、第2業者240に対する具体的質問情報260を提示することによって、被質問者220に違和感を抱かれないように不動産売買210を見送った理由を収集することができる。
【0027】
回答情報取得手段140は、第2業者240を識別する業者識別情報270と、質問情報提示手段130によってユーザー220に提示される具体的質問情報260を識別する質問識別情報250と、第2業者240に対する具体的質問情報260のユーザー220による回答情報280と、を関連付けて(対応付けて)受け付ける。回答情報取得手段140は、受け付けた情報270、250、280を関連付けて回答情報記憶手段120に記憶させる。
【0028】
回答情報提供手段150は、回答情報記憶手段120に記憶される情報に関する第2業者240からの閲覧要求に応じ、第2業者240が操作する端末320へ、第2業者240を識別する業者識別情報270と回答情報記憶手段120において関連付けられる質問識別情報250に対応する具体的質問情報260及び回答情報280を閲覧可能な状態で提供する。なお、質問識別情報250に対応する具体的質問情報260は、質問情報記憶手段110から抽出する。このようにすることで、本装置100は、収集した不動産売買210を見送った理由を業者240に提供することができる。
【0029】
回答情報提供手段150は、回答情報記憶手段120に記憶される生のデータをそのまま閲覧させる形態でも良いし、そのデータを加工して閲覧させる形態でも良い。また、回答情報提供手段150は、質問識別情報250を利用して閲覧可能な内容を限定し、使い勝手を向上させる形態であっても良い。
【0030】
上記のように、本装置100は、被質問者220に違和感を抱かれないように不動産売買210を見送った理由を収集することができる。そして、本装置100は、収集した不動産売買210を見送った理由を業者240に活用させることによって、業者240の業務改善が進み、以て、将来不動産売買210を行う者の満足度を高めると共に、業者の業績向上にも寄与することができる。
(本実施の形態に係る質問調査装置のハードウエア構成)
【0031】
図9を用いて、本装置100のハードウエア構成例について説明する。図9は、本装置100のハードウエア構成の一例を示す図である。図9で示すように、本装置100は、CPU(Central Processing Unit)510、ROM(Read-Only Memory)520、RAM(Random Access Memory)530、補助記憶装置540、通信I/F550、入力装置560、表示装置570、記録媒体I/F580を有する。
【0032】
CPU510は、ROM520に記憶されたプログラムを実行する装置であり、RAM530に展開(ロード)されたデータを、プログラムの命令に従って演算処理し、本装置100全体を制御する。ROM520は、CPU510が実行するプログラムやデータを記憶している。RAM530は、CPU510でROM520に記憶されたプログラムを実行する際に、実行するプログラムやデータが展開(ロード)され、演算の間、演算データを一時的に保持する。
【0033】
補助記憶装置540は、基本ソフトウエアであるOS(Operating System)や本実施の形態に係るアプリケーションプログラムなどを、関連するデータとともに記憶する装置である。補助記憶装置540は、記憶手段110、120を含み、例えば、HDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリなどである。
【0034】
通信I/F550は、有線・無線LAN(Local Area Network)、インターネットなどの通信ネットワーク310に接続し、通信機能を提供する他装置とデータの授受を行うためのインターフェースである。
【0035】
入力装置560は、キーボードなど本装置100にデータ入力を行うための装置である。表示装置(出力装置)570は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成される装置であり、本装置100が有する機能をユーザーが利用する際や各種設定を行う際のユーザーインターフェースとして機能する装置である。記録媒体I/F580は、CD-ROM、DVD-ROM、USBメモリなどの記録媒体590とデータの送受信を行うためのインターフェースである。
【0036】
本装置100が有する各手段は、CPU510が、ROM520又は補助記憶装置540に記憶された各手段に対応するプログラムを実行することにより実現される形態としても良い。また、本装置100が有する各手段は、当該各手段に関する処理をハードウエアとして実現される形態としても良い。また、通信I/F550を介して外部サーバー装置から本発明に係るプログラムを読み込ませたり、記録媒体I/F580を介して記録媒体590から本発明に係るプログラムを読み込ませたりして、本装置100に当該プログラムを実行させる形態としても良い。
(本実施の形態に係る質問調査装置による処理例)
(1)本装置100による非購入理由の収集処理例
【0037】
図10を用いて、本装置100による非購入理由の収集処理例について説明する。図10は、本装置100による非購入理由の収集処理例の流れを示すフローチャートである。
【0038】
S10で質問情報提示手段130が、ユーザー220が不動産の売買210における代金決済を行い、不動産の引き渡しを受けるタイミング290において、第1業者230に対する具体的質問情報260を、ユーザー端末300の表示装置に表示させる。タイミング290において、第1業者230に関する業務評価の調査依頼を行うことによって、ユーザー220は、不動産取引という大きな出来事を終えたという安堵のため、第1業者230に関する業務評価の調査について快く応じるものと考えられる。
【0039】
図3で示すように、質問情報提示手段130は、「あなたが、今回の物件を決めるにあたり、実際に相談をし、比較・検討をした不動産会社は、何社ございましたか。…」のような具体的質問情報260を提示し、第1業者230、第2業者240を特定する。
【0040】
図4及び7で示すように、その後、質問情報提示手段130は、「ここからは、「弊社」についてお伺いします。…」、「あなたが、今回、弊社での物件のご購入にあたって、決め手となったポイントはどのような点となりますか。…」、「「営業担当者の対応」の中で、あなたが評価できた点はございますか。…」のような第1業者230による業務を評価するための具体的質問情報260を提示する。
【0041】
S20で回答情報取得手段140が、第1業者230を識別する業者識別情報270と、S10においてユーザー220に提示される具体的質問情報260を識別する質問識別情報250と、第1業者230に対する具体的質問情報260のユーザー220による回答情報280と、を関連付けて受け付ける。そして、回答情報取得手段140は、S20において受け付けた情報270、250、280を回答情報記憶手段120に記憶させる。
【0042】
S30で質問情報提示手段130が、タイミング290において、第1業者230に対する具体的質問情報260と共に、第2業者240に対する具体的質問情報260を、ユーザー端末300の表示装置に表示させる。タイミング290において、第2業者240に関する業務評価の調査依頼を行うことによって、ユーザー220は、不動産取引という大きな出来事を終えたという安堵のため、第2業者240に関する業務評価の調査について快く応じるものと考えられる。
【0043】
また、第1業者230に対する具体的質問情報260と同じタイミング290で、第2業者240に対する具体的質問情報260を提示することによって、被質問者220に違和感を抱かれないように不動産売買210を見送った理由を収集することができる。
【0044】
図5及び8で示すように、質問情報提示手段130は、「ここからは、今回の物件購入にあたり、比較・検討された会社について、お伺いします。…」、「あなたが、今回、弊社での物件のご購入にあたり、比較・検討された会社について、購入に踏み切れなかったポイントはどのような点となりますか。…」、「「営業担当者の対応」の中で、あなたが気になった点はございますか。…」のような第2業者240による業務を評価するための具体的質問情報260を提示する。
【0045】
S40で回答情報取得手段140が、第2業者240を識別する業者識別情報270と、S30においてユーザー220に提示される具体的質問情報260を識別する質問識別情報250と、第2業者240に対する具体的質問情報260のユーザー220による回答情報280と、を関連付けて受け付ける。そして、回答情報取得手段140は、S40において受け付けた情報270、250、280を回答情報記憶手段120に記憶させる。
【0046】
上記のように、質問情報提示手段130が提示する第2業者240に対する具体的質問情報260は、第1業者230に対する具体的質問情報260と内容が同一である。そうすることによって、被質問者220に違和感を抱かれないように不動産売買210を見送った理由を収集することができる。
【0047】
上記のような処理を行うことによって、本装置100は、被質問者220に違和感を抱かれないように不動産売買210を見送った理由を収集することができる。
(2)本装置100による非購入理由の閲覧処理例
【0048】
図11を用いて、本装置100による非購入理由の閲覧処理例について説明する。図11は、本装置100による非購入理由の閲覧処理例の流れを示すフローチャートである。
【0049】
S110で回答情報提供手段150が、第2業者240(第2業者240の従業員を含む)からの、回答情報記憶手段120に記憶される情報に関する閲覧要求を受け付ける。
【0050】
S120で回答情報提供手段150が、S110において閲覧請求を行った第2業者240について、回答情報記憶手段120に記憶される情報の閲覧権限を有するか否か、及び、閲覧権限を有する情報を特定するための認証を行う。当該認証においては、ID(業者識別情報270)及びパスワードを組み合わせた認証方式であっても良く、その他どのような認証方式を採用しても特に問題は無い。
【0051】
S130で回答情報提供手段150が、S110において受け付けた第2業者240からの閲覧要求に応じ、第2業者240が操作する端末320へ、第2業者240を識別する業者識別情報270と回答情報記憶手段120において関連付けられる質問識別情報250に対応する具体的質問情報260及び回答情報280を閲覧可能な状態で提供する。なお、質問識別情報250に対応する具体的質問情報260は、質問情報記憶手段110から抽出する。このようにすることで、本装置100は、収集した不動産売買210を見送った理由を業者240に提供することができる。
【0052】
回答情報提供手段150は、回答情報記憶手段120に記憶される生のデータをそのまま閲覧させる形態でも良いし、そのデータを加工して閲覧させる形態でも良い。また、回答情報提供手段150は、質問識別情報250を利用して閲覧可能な内容を限定し、使い勝手を向上させる形態であっても良い。
【0053】
上記のような処理を行うことによって、本装置100は、収集した不動産売買210を見送った理由を業者240に活用させることによって、業者240の業務改善が進み、以て、将来不動産売買210を行う者の満足度を高めると共に、業者の業績向上にも寄与することができる。
【0054】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0055】
100 質問調査装置
110 質問情報記憶手段
120 回答情報記憶手段
130 質問情報提示手段
140 回答情報取得手段
150 回答情報提供手段
210 不動産の売買
220 ユーザー
230 第1業者
240 第2業者
250 質問識別情報
260 具体的質問情報
270 業者識別情報
280 回答情報
290 不動産の代金決済・引き渡しを行うタイミング
300 ユーザー端末
310 通信ネットワーク
320 業者端末
510 CPU
520 ROM
530 RAM
540 補助記憶装置
550 通信インターフェース
560 入力装置
570 出力装置
580 記録媒体インターフェース
590 記録媒体
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