(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】使い捨て可能な流体カートリッジおよびコンポーネント
(51)【国際特許分類】
G01N 35/08 20060101AFI20221221BHJP
G01N 37/00 20060101ALI20221221BHJP
G01N 27/447 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
G01N35/08 A
G01N37/00 101
G01N27/447 331Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021087756
(22)【出願日】2021-05-25
(62)【分割の表示】P 2019500763の分割
【原出願日】2017-03-24
【審査請求日】2021-06-22
(32)【優先日】2016-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514263713
【氏名又は名称】バイオロジカル ダイナミクス,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】ターナー,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】マドセン,ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,カイ
(72)【発明者】
【氏名】ハイネストローザ サラザール,ジュアン パブロ
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナン,ラジ
(72)【発明者】
【氏名】シモン ヘッペラ,ペドロ デヴィッド
【審査官】倉持 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0274148(US,A1)
【文献】特表2011-516867(JP,A)
【文献】特表2011-522219(JP,A)
【文献】国際公開第2015/148808(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/207731(WO,A1)
【文献】国際公開第2006/120656(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 37/00,
G01N 27/447
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体試料中のナノスケールの分析物を単離するためのコンパクトデバイスであって、該コンパクトデバイスは、
(a)光学経
路を含むハウジン
グであって、ここで、前記ハウジングは流体カートリッ
ジを受けるように構成される、ハウジングと、
(b)流体移動機
構であって、前記流体移動機構は前記流体カートリッジを通して流体
試料を引き込む、流体移動機構と、
(c
)複数の交流(AC)電
極であり、誘電泳動(DEP)の高電界領域と誘電泳動(DEP)の低電界領域とを確立するために、流体試料中で選択的に電圧が印加されるように構成された前記複数の交流(AC)電極、を含む、電子チッ
プと、
(d)
前記コンパクトデバイスのための電
源であって、ここで、前記電源からの出力は5ワット未満である、電源と、
を含み、
ここで、前記コンパクトデバイスは、
接続ポートを介して前記コンパクトデバイスに接続された携帯型コンピューティングデバイスにより制御されるように構成される、
コンパクトデバイス。
【請求項2】
前記携帯型コンピューティングデバイスは、カメラを含む、請求項
1に記載のコンパクトデバイス。
【請求項3】
前記カメラ(120)は、前記携帯型コンピューティングデバイスにより分析される画像を生成する、請求項2に記載のコンパクトデバイス。
【請求項4】
前記電子チップは、前
記流体試料に電流を印加するように構成される、請求項1に記載のコンパクトデバイス。
【請求項5】
ACの界面動電効果
によって、より大きい分子実体からナノスケールの分析物を分離する、請求項1に記載のコンパクトデバイス。
【請求項6】
前記流体カートリッジは、前記コンパクトデバイスの流体カートリッジスロットへと挿入される、請求項1に記載のコンパクトデバイス。
【請求項7】
前記コンパクトデバイスは、携帯型コンピューティングデバイスの充電ポート、USBポート、またはヘッドフォンポートを介して前記携帯型コンピューティングデバイスへ接続するように構成される、請求項1に記載のコンパクトデバイス。
【請求項8】
前記コンパクトデバイスは、3G通信プロトコル、4G通信プロトコル、IEEE 802.11規格、BlueTooth(登録商標)プロトコル、短距離RF通信、衛星通信、可視光通信、赤外線通信、またはそれらの組み合わせで動作する通信インターフェースを含む、請求項1に記載のコンパクトデバイス。
【請求項9】
前記コンパクトデバイスは、USB、RJ45、シリアルポート、パラレルポート、およびそれらの組み合わせを含む、有線通信インターフェースを含む、請求項1に記載のコンパクトデバイス。
【請求項10】
前記
電源は、バッテリー、太陽光パネル、または壁コンセント
を含む、請求項1に記載のコンパクトデバイス。
【請求項11】
前記コンパクトデバイスは平坦な天板を備え、前記携帯型コンピューティングデバイスは前記コンパクトデバイスの前記平坦な天板の上に載る、請求項1に記載のコンパクトデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<相互参照>
本出願は、2016年3月24日に出願された米国仮特許出願第62/313,120号明細書の利益を主張し、該仮出願の両方は、それら全体において引用により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
抗原、分析物または他の微粒子の検出および定量化は、人間の健康を損なう多くの疾病の診断および処置において重要である。生体試料中にある他の材料からの分析物の分離は、後の診断上の特徴づけ、または生物学的特徴づけのために必要とされる生体分析物材料の精製において重要な工程である。そこには、複合生体試料からの分析物を検出することができる製品および方法の必要性が引き続き存在している。
【発明の概要】
【0003】
いくつかの例では、本発明は、生体試料の分析および取扱いの改善された方法の必要性を満たす。本明細書において提供されるある態様の特定の特性は、気泡トラップなどのカートリッジコンポーネントを包含しており、これらが、表面処理が必要とされない流体カートリッジを可能とする。さらに、本明細書において記述されるカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、完全に閉じた流体工学カートリッジを可能とし、これらは、例えば、生体試料および環境試料を処理するために使用された流体工学カートリッジの安全な操作および廃棄を支援する。いくつかの実施形態では、本明細書において記述されるカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、細胞およびナノスケールの分析物を単離するために使用できる。他の実施形態において、カートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、多重化操作およびハイスループット操作を受けられる。まだ他の実施形態において、本明細書に開示されるカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システムおよび方法は、例えば、ポイントオブケアアッセイとして、携帯および使用可能である。
【0004】
本明細書には、いくつかの実施形態では、1つ以上の液体保持リザーバから下流の空気を捕らえるためのリザーバを含む気泡トラップであって、ここで気泡トラップは流体チャネルにより液体保持リザーバに流体接続される、気泡トラップを含む;流体カートリッジコンポーネントが開示され、ここで、そのリザーバは空気泡を捕らえるが、気泡トラップに入口および出口を提供する流体チャネルの下流の気泡トラップを、流体が通過することを可能にする。いくつかの実施形態では、流体カートリッジコンポーネントは、機能的な試料検出を達成するための表面処理を必要としない。いくつかの実施形態では、1つの気泡トラップは、流体チャネルにより第2の気泡トラップコンポーネントに接続され、そして随意に、流体チャネルにより第3の気泡トラップに接続される。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、正方形、長方形、または楕円形である。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、少なくとも3mm×3mm×1mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、少なくとも3mm×5mm×1mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、少なくとも5mm×8mm×3mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、少なくとも7mm×10mm×5mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、最大10mm×10mm×5mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、最大7mm×10mm×5mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、最大5mm×8mm×3mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、最大5mm×5mm×3mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、円筒体または球体である。いくつかの実施形態では、気泡トラップの直径は、少なくとも3mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの直径は、少なくとも5mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの直径は、少なくとも7mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの直径は、少なくとも10mmである。
【0005】
また、本明細書には、流体チャネルと;気泡トラップであって、ここでその気泡トラップは、1つ以上の液体保持リザーバから下流の空気泡を捕らえるためのリザーバを含む気泡トラップと;を含む流体カートリッジコンポーネントが提供され、ここでその流体チャネルは、気泡トラップへの入口および出口を提供し、それにより、気泡トラップを1つ以上の液体保持リザーバに接続し、およびここで、その気泡トラップは、リザーバ中の空気泡を捕らえるが、流体が流体チャネルを通過することを可能にする。いくつかの実施形態では、陽圧が入口に対して印加されるまで、試料リザーバおよび試薬リザーバ中のいかなる液体も、試料リザーバまたは試薬リザーバ内にとどまる。いくつかの実施形態では、1つの気泡トラップは、流体チャネルにより第2の気泡トラップコンポーネントに接続され、そして随意に、流体チャネルにより第3の気泡トラップに接続される。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、正方形、長方形、または楕円形である。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは少なくとも3mm、幅は少なくとも3mm、および高さは少なくとも1mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは少なくとも3mm、幅は少なくとも5mm、および高さは少なくとも1mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは少なくとも5mm、幅は少なくとも8mm、および高さは少なくとも3mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは少なくとも7mm、幅は少なくとも10mm、および高さは少なくとも5mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは最大10mm、幅は最大10mm、および高さは最大5mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは最大7mm、幅は最大10mm、および高さは最大5mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは最大5mm、幅は最大8mm、および高さは最大3mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは最大5mm、幅は最大5mm、および高さは最大3mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、円筒体または球体である。いくつかの実施形態では、気泡トラップの直径は、少なくとも3mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの直径は、少なくとも5mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの直径は、少なくとも7mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの直径は、少なくとも10mmである。
【0006】
他の態様では、いくつかの実施形態では、1つ以上の入口/出口と、リザーバと、フィルターと、セルフシーリングポリマーと、を含む流体カートリッジコンポーネントが本明細書に開示され、ここで、そのセルフシーリングポリマーは液体との接触で作動させられる。いくつかの実施形態では、空気の入口/出口(複数可)はさらに、リザーバ自体よりも小さな開口部を具備する空気の入口/出口ポートを含む。いくつかの実施形態では、フィルターは、多孔性のポリウレタンフィルターである。いくつかの実施形態では、セルフシーリングポリマーは、多孔質基材の孔壁に付いているヒドロゲルを含む。いくつかの実施形態では、多孔質基材は、アクリル、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ(エステルスルホン(estersulfone))、ポリテトラフルオロエチレン(polytetraflorethylene)、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、またはポリウレタンなどの有機高分子を含む。いくつかの実施形態では、多孔質基材は、超高分子量(UHMW)ポリエチレンフリットを含む。いくつかの実施形態では、ポリマーのセルフシーリング(self-sealing)ヒドロゲルは、親水性ポリウレタン、親水性ポリウレア、または親水性ポリウレアウレタンを含む。いくつかの実施形態では、非働化されたセルフシーリングポリマーは空気透過性であり、そして、作動させられるセルフシーリングポリマーは非空気透過性である。いくつかの実施形態では、作動させられるセルフシーリングポリマーは、流体カートリッジコンポーネントから液体を漏れさせない。いくつかの実施形態では、作動させられるセルフシーリングポリマーは、自己充足的で使い捨て可能な流体カートリッジをもたらす。
【0007】
また、本明細書において、1つ以上の入口と、1つ以上の出口と、を含む流体カートリッジコンポーネントが提供され、ここで、入口および出口は、ポート、フィルター、およびセルフシーリングポリマーを含み;ここで、セルフシーリングポリマーは、液体との接触で作動させられる。いくつかの実施形態では、ポートは、リザーバ自体よりも小さな開口部を含む。いくつかの実施形態では、フィルターは、多孔性のポリウレタンフィルターである。いくつかの実施形態では、セルフシーリングポリマーは、多孔質基材の孔壁に付いているヒドロゲルを含む。いくつかの実施形態では、多孔質基材は、アクリル、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ(エステルスルホン(estersulfone))、ポリテトラフルオロエチレン(polytetraflorethylene)、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリウレタン、または超高分子量(UHMW)ポリエチレンフリットなどの有機高分子を含む。いくつかの実施形態では、多孔質基材は、超高分子量(UHMW)ポリエチレンフリットを含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、親水性ポリウレタン、親水性ポリウレア、または親水性ポリウレアウレタンを含む。いくつかの実施形態では、作動させられないセルフシーリングポリマーは空気透過性であり、そして、作動させられるセルフシーリングポリマーは非空気透過性である。いくつかの実施形態では、作動させられるセルフシーリングポリマーは、流体カートリッジコンポーネントから液体を漏れさせない。いくつかの実施形態では、作動させられるセルフシーリングポリマーは、自己充足的で使い捨て可能な流体カートリッジをもたらす。
【0008】
他の態様では、いくつかの実施形態において、分析物または他の微粒子をアッセイするための流体カートリッジが本明細書に開示されており、その流体カートリッジは、プラスチックハウジングと;空気の入口、空気の入口ポート、フィルター、およびセルフシーリングポリマーと;試料リザーバ、試薬リザーバ、気泡トラップ、および検出窓と;排気リザーバと;を含み、空気の出口を含み、空気の出口ポート、フィルター、およびセルフシーリングポリマーを含む。ここで、試料リザーバおよび試薬リザーバは、密閉性で非ガス透過性のゴムカバーを有し、およびここで、空気の入口、試薬リザーバ、試料リザーバ、気泡トラップ、検出窓、および廃棄リザーバは、連続的な流体チャネルにより接続される。いくつかの実施形態では、流体カートリッジは、少なくとも1つの気泡トラップを含む。いくつかの実施形態では、流体カートリッジは、少なくとも2つの気泡トラップを含む。いくつかの実施形態では、流体カートリッジは、少なくとも3つの気泡トラップを含む。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、連続的な流体チャネルにより順次接続される。いくつかの実施形態では、プラスチックハウジングは、射出成形PMMA(アクリル)、環状オレフィン共重合体(COC)、環状オレフィンポリマー(COP)、またはポリカーボネート(PC)である。いくつかの実施形態では、プラスチックハウジング材料は、高レベルな光学的透明度、低い自家蛍光、低い水分/液体吸収、良好な機械的特性(圧縮強度、引張強さ、および曲げ強さ、ヤング率を含む)、および生体適合性(biocompatability)のために選択される。いくつかの実施形態では、試料、試薬、気泡トラップ、検出窓、および流体チャネルは、機能的な試料検出を達成するための表面処理を必要としない。いくつかの実施形態では、流体カートリッジフィルターは、多孔性のポリウレタンフィルターである。いくつかの実施形態では、流体カートリッジの多孔性のポリウレタンフィルターは、セルフシーリングポリマーで覆われる。いくつかの実施形態では、セルフシーリングポリマーは、多孔質基材の孔壁に付いているヒドロゲルを含む。いくつかの実施形態では、多孔質基材は、アクリル、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ(エステルスルホン)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、またはポリウレタンなどの有機高分子を含む。いくつかの実施形態では、多孔質基材は、超高分子量(UHMW)ポリエチレンフリットを含む。いくつかの実施形態では、ポリマーのセルフシーリングヒドロゲルは、親水性ポリウレタン、親水性ポリウレア、または親水性ポリウレアウレタンを含む。いくつかの実施形態では、試料は液体である。いくつかの実施形態では、セルフシーリングポリマーは液体との接触で作動させられる。いくつかの実施形態では、作動させられないセルフシーリングポリマーは空気透過性であり、そして、作動させられるセルフシーリングポリマーは非空気透過性である。いくつかの実施形態では、圧力は入口ポートに送られ、空気を、流体チャネルを介して試薬リザーバおよび試料リザーバへと押し流す。いくつかの実施形態では、流体チャネルを通る一定方向の流れが存在する。いくつかの実施形態では、流体チャネルは逆流圧力(back-flow pressure)に耐性がある。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるデバイスおよび方法の流体チャネル中の1つ以上の空隙は、流体カートリッジ中に形成された気泡トラップとの相互作用を介して除去される。いくつかの実施形態では、リザーバ間の空隙は、一旦充填されると非常に小さく(例えば5μl未満)、気泡トラップはより大きい(例えば約40μl)。本質的に、その閾値は、気泡トラップの断面積が、そのトラップに到達できる空気の気泡の予想される断面積よりも大きいという値である。一旦、気泡がトラップの断面積を充填することができるようにトラップ中の空気の量が十分に多くなると、その後、空気は流体運動と共に移動し、トラップを出ることができる。入口チャネルの断面積が約0.25mm2であり、そして、気泡トラップの断面積が約8mm2であることが、本明細書において企図される。いくつかの実施形態では、気泡トラップの断面積は、入口チャネルの断面積の少なくとも2倍である。
【0009】
いくつかの実施形態では、気泡トラップは、空隙自体よりもより大きい。いくつかの実施形態では、試薬リザーバは、試薬を受けるために開いている。いくつかの実施形態では、試料リザーバは、試薬を受けるために開いている。いくつかの実施形態では、試料リザーバは、試料を受けるために開いている。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、正方形、長方形、または楕円形である。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、少なくとも3mm×3mm×1mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、少なくとも3mm×5mm×1mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、少なくとも5mm×8mm×3mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、少なくとも7mm×10mm×5mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、最大10mm×10mm×5mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、最大7mm×10mm×5mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、最大5mm×8mm×3mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、最大5mm×5mm×3mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップは円形である。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、円筒体または球体である。いくつかの実施形態では、気泡トラップの直径は、少なくとも3mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの直径は、少なくとも5mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの直径は、少なくとも7mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの直径は、少なくとも10mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの高さは、少なくとも1mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの高さは、少なくとも2mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの高さは、少なくとも3mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの高さは、少なくとも4mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの高さは、少なくとも5mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは、少なくとも3mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは、少なくとも4mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは、少なくとも5mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは、少なくとも6mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは、少なくとも7mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは、少なくとも8mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは、少なくとも10mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの幅は、少なくとも3mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの幅は、少なくとも4mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの幅は、少なくとも5mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの幅は、少なくとも6mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの幅は、少なくとも7mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの幅は、少なくとも8mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの幅は、少なくとも10mmである。いくつかの実施形態では、検出窓は、少なくとも0.5マイクロリットルを保持する。いくつかの実施形態では、検出窓は、少なくとも1マイクロリットルを保持する。いくつかの実施形態では、検出窓は、少なくとも2マイクロリットルを保持する。いくつかの実施形態では、検出窓は、少なくとも3マイクロリットルを保持する。いくつかの実施形態では、検出窓は、少なくとも4マイクロリットルを保持する。いくつかの実施形態では、検出窓は、少なくとも5マイクロリットルを保持する。いくつかの実施形態では、検出窓は、少なくとも10マイクロリットルを保持する。いくつかの実施形態では、検出窓は、わずか0.5マイクロリットルしか保持しない。いくつかの実施形態では、検出窓は、わずか1マイクロリットルしか保持しない。いくつかの実施形態では、検出窓は、わずか2マイクロリットルしか保持しない。いくつかの実施形態では、検出窓は、わずか3マイクロリットルしか保持しない。いくつかの実施形態では、検出窓は、わずか4マイクロリットルしか保持しない。いくつかの実施形態では、検出窓は、わずか5マイクロリットルしか保持しない。いくつかの実施形態では、検出窓は、わずか10マイクロリットルしか保持しない。いくつかの実施形態では、検出窓は、わずか50マイクロリットルしか保持しない。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、少なくとも50マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、少なくとも100マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、少なくとも200マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、少なくとも300マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、少なくとも400マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、250マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、わずか50マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、わずか100マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、わずか300マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、わずか400マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、わずか500マイクロメートルである。
【0010】
また、本明細書では、少なくとも1つの入口であって、各入口は:入口ポート;フィルター;およびセルフシーリングポリマー;を含む、少なくとも1つの入口と;少なくとも1つの試料リザーバと;少なくとも1つの試薬リザーバと;少なくとも1つの気泡トラップと;少なくとも1つの検出窓と;少なくとも1つの廃棄リザーバであって、廃棄リザーバは、少なくとも1つの出口であって、各出口は、出口ポート;フィルター;およびセルフシーリングポリマー;を含む出口を含む廃棄リザーバと;を含む、分析物または他の微粒子をアッセイするための流体カートリッジが提供され、ここで、試料リザーバおよび試薬リザーバは、密閉性で非ガス透過性の取外し可能なゴムカバーを有し、およびここで、少なくとも1つの入口、試薬リザーバ、試料リザーバ、気泡トラップ、検出窓、および廃棄リザーバは、連続的な流体チャネルにより接続される。いくつかの実施形態では、流体カートリッジはさらに、少なくとも2つの気泡トラップを含む。いくつかの実施形態では、流体カートリッジはさらに、少なくとも3つの気泡トラップを含む。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、連続的な流体チャネルにより順次接続される。いくつかの実施形態では、プラスチックハウジングは、射出成形PMMA(アクリル)、環状オレフィン共重合体(COC)、環状オレフィンポリマー(COP)、またはポリカーボネート(PC)である。いくつかの実施形態では、アクリルは射出成形PMMA(アクリル)である。いくつかの実施形態では、試料リザーバへと入り、そこから外へ出る流体チャネルの断面積、および試薬リザーバへと入り、そこから外へ出る流体チャネルの断面積の大きさは、十分な流体抵抗を提供して、試料リザーバまたは試薬リザーバ中の流体が、陽圧が入口に印加されることなくリザーバから出ることを防止する。いくつかの実施形態では、フィルターは、多孔性のポリウレタンフィルターである。いくつかの実施形態では、多孔性のポリウレタンフィルターは、セルフシーリングポリマーで覆われる。いくつかの実施形態では、セルフシーリングポリマーは、多孔質基材の孔壁に付いているヒドロゲルを含む。いくつかの実施形態では、多孔質基材は、アクリル、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ(エステルスルホン)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリウレタン、または高分子量(UHMW)ポリエチレンフリットなどの有機高分子を含む。いくつかの実施形態では、多孔質基材は、超高分子量(UHMW)ポリエチレンフリットを含む。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、親水性ポリウレタン、親水性ポリウレア、または親水性ポリウレアウレタンを含む。いくつかの実施形態では、試料は液体である。いくつかの実施形態では、セルフシーリングポリマーは液体との接触で作動させられる。いくつかの実施形態では、作動させられないセルフシーリングポリマーは空気透過性であり、そして、作動させられるセルフシーリングポリマーは非空気透過性である。いくつかの実施形態では、入口ポートに送られる圧力は、空気を、流体チャネルを介して試薬リザーバおよび試料リザーバへと押し流す。いくつかの実施形態では、流体チャネルを通る一定方向の流れが存在する。いくつかの実施形態では、流体チャネルは逆流圧力に耐性がある。いくつかの実施形態では、空隙は5μl未満である。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、空隙自体よりもより大きい。いくつかの実施形態では、流体チャネルの断面積は約0.25mm2である。いくつかの実施形態では、気泡トラップの断面積は約8mm2である。いくつかの実施形態では、気泡トラップの断面積は、流体チャネルの断面積の少なくとも2倍である。いくつかの実施形態では、試薬リザーバは、試薬を受けるために開いている。いくつかの実施形態では、試料リザーバは、試薬を受けるために開いている。いくつかの実施形態では、試料リザーバは、試料を受けるために開いている。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、正方形、長方形、または楕円形である。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは少なくとも3mm、幅は少なくとも5mm、および高さは少なくとも1mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは少なくとも3mm、幅は少なくとも5mm、および高さは少なくとも1mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは少なくとも5mm、幅は少なくとも8mm、および高さは少なくとも3mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは少なくとも7mm、幅は少なくとも10mm、および高さは少なくとも5mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは最大10mm、幅は最大10mm、および高さは最大5mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは最大7mm、幅は最大10mm、および高さは最大5mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは最大7mm、幅は最大10mm、および高さは最大5mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは最大5mm、幅は最大5mm、および高さは最大3mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップは円形である。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、円筒体または球体である。いくつかの実施形態では、気泡トラップの直径は、少なくとも3mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの直径は、少なくとも5mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの直径は、少なくとも7mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの直径は、少なくとも10mmである。いくつかの実施形態では、検出窓は、最低1マイクロリットルを保持する。いくつかの実施形態では、検出窓は、最大1マイクロリットルを保持する。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、少なくとも100マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、少なくとも200マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、250マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、300マイクロメートル未満である。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、400マイクロメートル未満である。
【0011】
他の態様において、いくつかの実施形態では、試料リザーバへ試料を導入する工程と;試薬と混合するために流体チャネルを介して試料を押し流すように、または試料と混合するために試薬を押し流すように、空気の入口ポート上に圧力を印加する工程と;試料を、流体チャネルを介して気泡トラップへと押し流すさらなる圧力を印加する工程と;空気泡を気泡トラップに捕らえる工程と;試料を検出窓に通過させる工程と;試料を廃棄リザーバへ移す工程であって、廃棄リザーバは、排出のための出口ポートを有する、工程と;を含む、分析物または他の微粒子をアッセイするための方法が本明細書において開示され、ここで、流体チャネルの高さは、混合率を制御する。いくつかの実施形態では、方法は生体物質の存在または非存在のための被験体をモニタリングすることをさらに含む。いくつかの実施形態では、生体物質の存在は、被験体が疾患に関する増大したリスクを有していることを示す。いくつかの実施形態では、その疾患は、循環器疾患、神経変性疾患、糖尿病、自己免疫疾患、炎症性疾患、癌、代謝疾患、プリオン病、または病原性疾患である。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、少なくとも100マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、少なくとも200マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、250マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、300マイクロメートル未満である。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、400マイクロメートル未満である。
【0012】
他の態様において、いくつかの実施形態では、試料リザーバへ試料を導入する工程と;試薬と混合するために流体チャネルを介して試料を押し流すように、または試料と混合するために試薬を押し流すように、空気の入口ポート上に圧力を印加する工程と;試料を、流体チャネルを介して気泡トラップへと押し流すさらなる圧力を印加する工程と;空気泡を気泡トラップに捕らえる工程と;試料を検出窓に通過させる工程と;試料を廃棄リザーバへと移す工程であって、廃棄リザーバは、排出のための出口ポートを有する、工程と;を含む、生体物質の有無に関して被験体を試験する方法が本明細書に開示され、ここで、流体チャネルの高さは、混合率を制御する。いくつかの実施形態では、方法は生体物質の存在または非存在のための被験体をモニタリングすることをさらに含む。いくつかの実施形態では、生体物質の存在は、被験体が疾患に関する増大したリスクを有していることを示す。いくつかの実施形態では、その疾患は、循環器疾患、神経変性疾患、糖尿病、自己免疫疾患、炎症性疾患、癌、代謝疾患、プリオン病、または病原性疾患である。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、少なくとも100マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、少なくとも200マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、250マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、300マイクロメートル未満である。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、400マイクロメートル未満である。
【0013】
別の態様において、いくつかの実施形態では、試料リザーバへ試料を導入する工程と;試薬と混合するために流体チャネルを介して試料を押し流すように、または試料と混合するために試薬を押し流すように、空気の入口ポート上に圧力を印加する工程と;試料を、流体チャネルを介して気泡トラップへと押し流すさらなる圧力を印加する工程と;空気泡を気泡トラップに捕らえる工程と;試料を検出窓に通過させる工程と;試料を廃棄リザーバへと移す工程であって、廃棄リザーバは、排出のための出口ポートを有する、工程と;を含む、被験体の疾患を診断する方法が本明細書において開示され、ここで、流体チャネルの高さは、混合率を制御する。いくつかの実施形態では、方法は生体物質の存在または非存在のための被験体をモニタリングすることをさらに含む。いくつかの実施形態では、生体物質の存在は、被験体が疾患に関する増大したリスクを有していることを示す。いくつかの実施形態では、その疾患は、循環器疾患、神経変性疾患、糖尿病、自己免疫疾患、炎症性疾患、癌、代謝疾患、プリオン病、または病原性疾患である。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、少なくとも100マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、少なくとも200マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、250マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、300マイクロメートル未満である。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、400マイクロメートル未満である。
【0014】
また、流体カートリッジ中の分析物または他の微粒子をアッセイする方法が、本明細書において提供され、該方法は:試料リザーバへ試料を導入する工程と;試料を、流体チャネルを介して試薬リザーバに押し流すように、入口ポート上に圧力を印加して、試料-試薬混合物を形成するように試料を試薬と混合させる工程と;試料-試薬混合物を、流体チャネルを介して気泡トラップへと押し流すさらなる圧力を印加する工程と;もし存在する場合、空気泡を気泡トラップに捕らえる工程と;試料-試薬混合物を検出窓に通過させる工程と;試料-試薬混合物を廃棄リザーバへと移す工程であって、廃棄リザーバは、排出のための出口ポートを有する工程と;を含み、ここで、流体チャネルの高さは、その試料および試薬の混合率を制御する。
【0015】
また、流体カートリッジ中の分析物または他の微粒子をアッセイする方法が、本明細書において提供され、該方法は:上述の実施形態のいずれかの流体カートリッジへ試料を導入する工程を含み、ここで、流体チャネルの高さは、混合率を制御する。
【0016】
また、生体物質の有無に関して被験体を試験する方法が、本明細書において提供され、該方法は:試料リザーバへ試料を導入する工程と;試料を、流体チャネルを介して試薬リザーバに押し流すように、入口上に圧力を印加して、試料-試薬混合物を形成するように試料を試薬と混合させる工程と;試料-試薬混合物を、流体チャネルを介して気泡トラップへと押し流すさらなる圧力を印加する工程と;もし存在する場合、気泡を気泡トラップに捕らえる工程と;試料-試薬混合物を検出窓に通過させる工程と;試料-試薬混合物を廃棄リザーバへと移す工程であって、廃棄リザーバは、排出のための出口ポートを有する工程と;を含み、ここで、流体チャネルの高さは、その試料および試薬の混合率を制御する。
【0017】
また、被験体の疾患を診断する方法が、本明細書において提供され、該方法は:試料リザーバへ試料を導入する工程と;試料を、流体チャネルを介して試薬リザーバに押し流すように、入口上に圧力を印加して、試料-試薬混合物を形成するように試料を試薬と混合させる工程と;試料-試薬混合物を、流体チャネルを介して気泡トラップへと押し流すさらなる圧力を印加する工程と;もし存在する場合、空気泡を気泡トラップに捕らえる工程と;試料-試薬混合物を検出窓に通過させる工程と;試料-試薬混合物を廃棄リザーバへと移す工程であって、廃棄リザーバは、排出のための出口ポートを有する工程と;を含み、ここで、流体チャネルの高さは、その試料および試薬の混合率を制御する。いくつかの実施形態では、方法は生体物質の存在または非存在のための被験体をモニタリングすることをさらに含む。いくつかの実施形態では、生体物質の存在は、被験体が疾患に関する増大したリスクを有していることを示す。いくつかの実施形態では、その疾患は、循環器疾患、神経変性疾患、糖尿病、自己免疫疾患、炎症性疾患、癌、代謝疾患、プリオン病、または病原性疾患である。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、少なくとも100マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、少なくとも200マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、250マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、300マイクロメートル未満である。いくつかの実施形態では、流体チャネルの深さは、400マイクロメートル未満である。
【0018】
また、試料中のナノスケールの分析物を単離するためのコンパクトデバイスが、本明細書において提供され、該コンパクトデバイスは:a)ハウジングと、b)少なくとも1つの流体チャネルと、c)試料リザーバ、試薬リザーバ、および廃棄リザーバを含む流体カートリッジと、誘電泳動(DEP)の高電界領域と誘電泳動(DEP)の低電界領域とを確立するために、選択的に電圧が印加されるように構成された複数の交流(AC)電極と、を含み、AC界面動電効果は、より大きい実体からのナノスケールの分析物の分離をもたらし、ここで、コンパクトデバイスはモバイルコンピューティングデバイスにより制御され、そしてコンパクトデバイスの電力要件は5ワット未満である。いくつかの実施形態では、方法はさらに、モバイルコンピューティングデバイスを含み、ここでモバイルコンピューティングデバイスは、スマートフォン、タブレットコンピュータ、またはラップトップコンピュータである。いくつかの実施形態では、モバイルコンピューティングデバイスは、その携帯型コンピューティングデバイスの充電ポート、USBポート、またはヘッドフォンポートを介してコンパクトデバイスへ接続する接続ポートを含む。いくつかの実施形態では、コンパクトデバイスは、モバイルコンピューティングデバイスによって、動力が供給される。いくつかの実施形態では、コンパクトデバイスは、バッテリー、太陽光パネル、または壁コンセントによって、動力が供給される。いくつかの実施形態では、コンパクトデバイスはポンプを含み、ここでポンプは、シリンジ、蠕動ポンプ、またはピエゾポンプである。いくつかの実施形態では、コンパクトデバイスは、分析物を検出するための光学経路を含む。いくつかの実施形態では、分析物は、モバイルコンピューティングデバイス上のカメラを用いて検出される。いくつかの実施形態では、カメラは、モバイルコンピューティングデバイスにより分析される画像を生成する。いくつかの実施形態では、流体カートリッジは、本明細書の実施形態のうちのいずれか1つの流体カートリッジである。いくつかの実施形態では、流体カートリッジは、ヒンジによりコンパクトデバイスに接続される。いくつかの実施形態では、流体カートリッジは、コンパクトデバイスのスロットへと挿入される。いくつかの実施形態では、流体カートリッジは、気泡トラップを含む。いくつかの実施形態では、流体カートリッジは、少なくとも1つの試料リザーバ、および少なくとも1つの対照溶液リザーバを含む。いくつかの実施形態では、流体カートリッジは、試料リザーバを塞ぐスライダを含む。いくつかの実施形態では、コンパクトデバイスは、デバイスが様々なモバイルコンピューティングデバイスに接続することを可能にするための交換可能な天板を含む。いくつかの実施形態では、試料は、血液、唾液、涙液、汗、唾液、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、試料は環境試料を含む。いくつかの実施形態では、コンパクトデバイスは平坦な天板を含み、結果として、モバイルコンピューティングデバイスが、コンパクトデバイスの平坦な天板の上に載る。
【0019】
また、少なくとも1つの入口と;試料チャンバーと;試薬チャンバーと;少なくとも1つの気泡トラップと;検出窓と;少なくとも1つの出口を含む廃棄リザーバと;を含む、流体カートリッジが本明細書で提供され、ここで試料チャンバーおよび賦形剤チャンバーは、密閉性で非ガス透過性の取り外し可能なカバーを含み、およびここで、少なくとも1つの入口、賦形剤チャンバー、試料チャンバー、気泡トラップ、検出窓、および廃棄リザーバは、連続的な流体チャネルにより接続される。いくつかの実施形態では、陽圧が入口に対して印加されるまで、試料チャンバーおよび賦形剤チャンバー中のいかなる液体も、試料チャンバーまたは賦形剤チャンバー内にとどまる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口の各々は:ポート、フィルター、およびセルフシーリングポリマーを含んでいる。いくつかの実施形態では、ポートは、入口または出口自体よりも小さな開口部を含み、フィルターは多孔性のポリウレタンフィルターであり、およびここで、セルフシーリングポリマーは、液体との接触で作動させられる。いくつかの実施形態では、セルフシーリングポリマーは、親水性ポリウレタン、親水性ポリウレア、または親水性ポリウレアウレタンを含む。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、連続的な流体チャネルにより、試料チャンバーおよび試薬チャンバーから下流のチャンバーを含み、ここで流体チャネルは、気泡トラップに入口および出口を提供する。いくつかの実施形態では、流体カートリッジはさらに、2つ以上の気泡トラップを含む。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、連続的な流体チャネルにより順次接続される。いくつかの実施形態では、試料チャンバーへと入り、そこから外へ出る流体チャネルの断面積、および賦形剤チャンバーへと入り、そこから外へ出る流体チャネルの断面積の大きさは、十分な流体抵抗を提供して、試料チャンバーまたは賦形剤チャンバー中の流体が、陽圧が入口に印加されことなくチャンバーから出るのを防止する。いくつかの実施形態では、気泡トラップの断面積は、流体チャネルの断面積の少なくとも2倍である。いくつかの実施形態では、流体チャネルの断面積は、約0.25mm2であり、そして、気泡トラップの断面積は約8mm2である。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは少なくとも3mm、幅は少なくとも3mm、および高さは少なくとも1mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは少なくとも3mm、幅は少なくとも5mm、および高さは少なくとも1mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは最大7mm、幅は最大10mm、および高さは最大5mmである。
【0020】
請求項1に記載の流体カートリッジであって、気泡トラップの長さは最大5mm、幅は最大8mm、および高さは最大3mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、円筒体または球体であり、円筒体または球体の直径は、少なくとも3mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、円筒体または球体であり、円筒体または球体の直径は、少なくとも5mmである。
【0021】
また、試料中のナノスケールの分析物を単離するためのコンパクトデバイスが、本明細書において提供され、該コンパクトデバイスは:ハウジングと;光学経路と;流体移動機構と;電子チップと;本明細書に開示される任意の流体カートリッジと;を含み、ここで、コンパクトデバイスは、携帯型コンピューティングデバイスにより制御され、そしてそのデバイスの電力要件は5ワット未満である。いくつかの実施形態では、試料中の分析物は、モバイルコンピューティングデバイス上のカメラを用いて検出され、そしてそのカメラは、モバイルコンピューティングデバイスにより分析される画像を生成する。いくつかの実施形態では、流体移動機構はポンプを含み、ここでそのポンプは、シリンジ、蠕動ポンプ、またはピエゾポンプである。いくつかの実施形態では、電子チップは、流体カートリッジを制御し、そして試料に電流を印加するように構成される。いくつかの実施形態では、流体カートリッジはさらに、誘電泳動(DEP)高電界領域および誘電泳動低電界領域を確立するために、選択的に電圧が印加されるように構成された、複数の交流(AC)電極を含み、ここでAC界面動電効果は、より大きい実体からナノスケールの分析物を分離する。いくつかの実施形態では、流体カートリッジは、コンパクトデバイスの流体カートリッジスロットへと挿入される。
【0022】
また、流体カートリッジ中の分析物または他の微粒子をアッセイする方法が、本明細書において提供され、該方法は:試料チャンバーに試料を導入する工程と;試料を、流体チャネルを介して試薬チャンバーに押し流すように、入口ポート上に圧力を印加して、試料-試薬混合物を形成するように試料を賦形剤試薬と混合させる工程と;試料-試薬混合物を、流体チャネルを介して気泡トラップへと押し流すさらなる圧力を印加する工程と;もし存在する場合、空気泡を気泡トラップに捕らえる工程と;試料-試薬混合物を検出窓に通過させる工程と;1つ以上の画像を取得する工程であって、ここでその画像はアッセイ分析のために使用される、工程と;試料-試薬混合物を廃棄チャンバーへと移す工程であって、廃棄チャンバーは排出のためのチャンバーの出口を有する、工程と;を含む。いくつかの実施形態では、流体チャネルの高さは、その試料および試薬の混合率を制御する。
【0023】
また、試料中の分析物または他の微粒子を検出するためのシステムが本明細書において提供され、該システムは:ハウジング、光学経路、流体移動機構、および電気的チップ(electrical chip)を含むコンパクトデバイスであって、ここで、コンパクトデバイスはモバイルコンピューティングデバイスおよび流体カートリッジを受けるように構成される、コンパクトデバイスと;少なくとも1つのプロセッサ、メモリ、および実行可能命令を実施するように構成されたオペレーティングシステムを含む、モバイルコンピューティングデバイスと;流体カートリッジと;を含み、ここで、コンパクトデバイスは、モバイルコンピューティングデバイスと流体カートリッジとを互いに対して位置決めして、試料中の分析物または他の微粒子を検出する。いくつかの実施形態では、モバイルコンピューティングデバイスは、スマートフォン、タブレットコンピュータ、またはラップトップコンピュータである。いくつかの実施形態では、モバイルコンピューティングデバイスは、そのモバイルコンピューティングデバイスの充電ポート、USBポート、またはヘッドフォンポートを介してコンパクトデバイスへ接続する接続ポートを含む。いくつかの実施形態では、コンパクトデバイスは、モバイルコンピューティングデバイス、バッテリー、太陽光パネル、または壁コンセントによって、動力が供給される。いくつかの実施形態では、分析物または試料中の他の微粒子は、モバイルコンピューティングデバイス上のカメラを用いて検出される。
【0024】
<引用による組み込み>
本明細書で言及されるすべての公報、特許、および特許出願は、個々の公報、特許、特許出願が引用によって組み込まれるように具体的且つ個別に示される程度まで、引用によって本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の新規な特徴は、とりわけ添付の特許請求の範囲において記載される。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される実施形態を明記する以下の詳細な説明と、以下の添付図面とを引用することによって得られる。
【
図1】入口ポート、試薬リザーバ、試料リザーバ、気泡トラップ、フローセル、廃棄リザーバ、および出口ポートを含む、8チャネル版の流体カートリッジの図面を示す。
【
図2】カートリッジの入口側の断面図を示す。セルフシーリングフリットは、入口ポートの真下に直接密封され、流体運動制御のために、空気が通る(したがって、カートリッジの内部の圧力が操作される)ことを可能にする。試薬リザーバおよび試料リザーバは初めに大気に開放されており、ユーザーが前記試薬および試料を挿入することを可能にし、そして挿入後、ユーザーは、適切なゴム、プラスチック、接着剤、または類似のもので、リザーバを塞ぐ。一旦これらのリザーバがふさがれると、流体運動制御が可能であり、そしてセルフシーリングフリットは、いかなる液体(特に生物学的に危険な試料)も、デバイスから出るのを防止する。
【
図3】例となる気泡トラップを示す。気泡トラップへと通じ、その気泡トラップから外へ通じる流体チャネルは、典型的には、幅が~1mmであり、深さが~0.25mmである。気泡トラップは、典型的には、幅が~4mmであり、深さが~2mmである。気泡トラップの2つの重要な設計特性は、1)断面積の意図された増加(本設計は~0.25mm
2から~8mm
2までを含む)、および、2)気泡トラップがz-方向に高くなるような意図された設計であり、結果として、流体チャネル中の空気が気泡トラップの中で自然に上昇(浮力)し、残りの流体が真下を容易に通ることが可能となる、ことである。
【
図4】カートリッジの出口側の断面図を示す。セルフシーリングフリットは出口ポートの真下に直接密封され、流体運動制御のために空気が通る(したがって、カートリッジの内部の圧力が操作される)ことを可能にする。廃棄リザーバは、一旦流体がフローセルを通過すると、流体がとどまるスペースを与えるが、流体がどうにかして(ユーザーがカートリッジをとり、振り回す等)出口ポートに到達する場合、セルフシーリングフリットは、いかなる液体(特に生物学的に危険な試料)も、デバイスから出ることを防止する。
【
図5】スマートフォンのUSBポートを介して、スマートフォンに接続する典型的なコンパクトデバイスの傾けられた上面図を示す。
【
図6A】スマートフォンに接続された典型的なコンパクトデバイスの上面図を示す。
【
図6B】スマートフォンに接続された典型的なコンパクトデバイスの側面図を示す。
【
図6C】スマートフォンに接続された典型的なコンパクトデバイスの側面図を示す。
【
図7A】スマートフォンに接続された典型的なコンパクトデバイスの上面図を示す。
【
図7B】スマートフォンが接続されていない、典型的なコンパクトデバイスの上面図を示す。
【
図8A】USB電話マウントとスマートフォンとを含む、典型的なコンパクトデバイスの傾けられた上面図を示す。
【
図8B】USBマウントに接続されたスマートフォンを備える、典型的なコンパクトデバイスの傾けられた上面図を示す。
【
図9A】開いたカートリッジドアを備えるスマートフォンに接続された典型的なコンパクトデバイス、およびカートリッジドアへと嵌合するコンパクトカートリッジの上面図を示す。
【
図9B】開いたカートリッジドアへと装填されたカートリッジを備えるスマートフォンに接続された典型的なコンパクトデバイスの上面図を示す。
【
図10A】斜めに開く、開いたカートリッジドアへと装填されたカートリッジを備える、スマートフォンに接続された典型的なコンパクトデバイスの傾けられた上面図を示す。
【
図10B】斜めに開く、開いたカートリッジドアを備えるスマートフォンに接続された典型的なコンパクトデバイスと、カートリッジドアへと嵌合するコンパクトカートリッジとの傾けられた上面図を示す。
【
図11A】スライダコンポーネントを含む典型的なコンパクトカートリッジの上面図を示す。
【
図11B】典型的なコンパクトカートリッジの側面図を示す。
【
図11C】典型的なコンパクトカートリッジの側面図を示す。
【
図12】スライダコンポーネントのない典型的なコンパクトカートリッジの上面図を示す。典型的なコンパクトカートリッジは、血液投入ポートと、血液リザーバポートと、廃棄リザーバポートと、試薬リザーバポートおよびポンプインターフェース位置と、血液リザーバと、試薬リザーバと、廃棄リザーバと、気泡トラップと、チップと、対照溶液チャンバーと、試験チャンバーと、を有する。
【
図13A】初期位置のスライダを備える、典型的なコンパクトカートリッジの上面図を示す。
【
図13B】最終位置のスライダを備える、典型的なコンパクトカートリッジの上面図を示す。スライダは、一旦試料がカートリッジへと装填されたならば、血液投入ポートおよび血液リザーバポートを覆うために使用される。スライダを移動させることにより、ユーザーは廃棄リザーバポートおよび試薬リザーバポートを開き、そしてポンプのインターフェースを可能にする。スライダは、そのカートリッジをシステムへと入れる前に、最終位置に移動されなければならない。
【
図14A】スマートフォンおよびスロットへと挿入されたカートリッジを備える、典型的なコンパクトデバイスの上面図を示す。
【
図14B】スマートフォンおよびスロットへと挿入されたカートリッジを備える、典型的なコンパクトデバイスの側面図を示す。
【
図14C】スマートフォンを備える、典型的なコンパクトデバイスの傾けられた上面図を示す。
【
図14D】スマートフォンを備える、典型的なコンパクトデバイスの側面図を示す。
【
図15A】USBアダプタに接続されたスマートフォンと、スロットへと挿入されたカートリッジを備える、典型的なコンパクトデバイスの上面図を示す。
【
図15B】USBアダプタに接続されたスマートフォンと、スロットへと挿入されたカートリッジを備える、典型的なコンパクトデバイスの側面図を示す。
【
図15C】USBアダプタに接続されたスマートフォンを備える、典型的なコンパクトデバイスの傾けられた上面図を示す。
【
図15D】USBアダプタに接続されたスマートフォンを備える、典型的なコンパクトデバイスの側面図を示す。
【
図16A】スロットへと挿入される予定のカートリッジと共に、USBアダプタに接続されたスマートフォンを備える典型的なコンパクトデバイスの傾けられた上面図を示す。
【
図16B】USBアダプタに接続されたスマートフォンと、スロットへと挿入される予定のカートリッジと共に、典型的なコンパクトデバイスの側面図を示す。
【
図16C】USBアダプタに接続されたスマートフォンと、スロットへと挿入されたカートリッジを備える、典型的なコンパクトデバイスの側面図を示す。
【
図17】本明細書において提供される方法を実施するようにプログラムまたは構成される、コンピュータ制御システムを概略的に例示する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
当技術分野における流体カートリッジは、場合によっては、流体カートリッジの使用における問題を引き起こす詰まりを経験する。場合によっては、これらの詰まりは、使用中に流体カートリッジに入る空気の気泡により引き起こされる。複合試料から分析物を単離するか分離するのに適する、カートリッジコンポーネント、カートリッジ、方法、およびシステムが本明細書において記載される。特定の実施形態では、他の粒子材料を含む試料から分析物を単離するか分離するための、カートリッジコンポーネント、カートリッジ、方法、およびシステムが本明細書において提供される。いくつかの態様では、カートリッジコンポーネント、カートリッジ、方法、およびシステムは、試料中の粒子および分析物の迅速な分離を可能にしうる。他の態様では、カートリッジコンポーネント、カートリッジ、方法、およびシステムは、試料中の粒子からの分析物の迅速な単離を可能にしうる。様々な態様では、カートリッジコンポーネント、カートリッジ、方法、およびシステムは、最小の量の材料を必要とし、および/または血液または環境試料などの複合流体から単離された高純度の分析物を結果としてもたらす、迅速な手順を可能にしうる。
【0027】
本明細書のある実施形態では、試料から分析物を単離するか分離するためのカートリッジコンポーネント、カートリッジ、方法、およびシステムが提供され、カートリッジコンポーネント、カートリッジ、方法、およびシステムは、流体試料を分析することを可能にする。いくつかの実施形態では、分析物は、AC動電学的な力を生成できる(例えば、電極のアレイが電圧を印加されるときに)電極のアレイを含むデバイスを使用して分析されてもよい。AC動電学的(ACE)キャプチャーは、誘電泳動力(FDEP)と、AC電熱(ACET)流およびAC電気浸透(ACEO)流の組み合わせに由来する流力(FFLOW)との間の機能的関係である。いくつかの実施形態では、生成された誘電泳動(DEP)電界は、ACの動電学的力の効果の成分である。他の実施形態において、AC動電学的力効果の成分は、AC電気浸透効果またはAC電熱効果である。いくつかの実施形態では、誘電泳動フィールドを含むAC動電学的力は、高電界領域(正のDEP、すなわち不平等電界により電界線の強い濃縮が存在する区域)、および/または低電界領域(負のDEP、すなわち不平等電界により電界線の弱い濃縮が存在する区域)を含む。
【0028】
特定の実例では、分析物(例えば核酸)は、誘電泳動フィールドの電界領域(例えば高電界領域)において単離される(例えば、粒子材料から単離されるか分離される)。いくつかの実施形態では、カートリッジコンポーネント、カートリッジ、方法、およびシステムは、高電界DEP領域中の分析物を単離して、濃縮する工程を含む。いくつかの実施形態では、カートリッジコンポーネント、カートリッジ、方法、およびシステムは、低電界DEP領域中の分析物を単離して、濃縮する工程を含む。本明細書に開示される方法はまた、分析物からの残留する材料(例えば、細胞物質またはタンパク質様物質)を洗浄する、またはそうでなければ除去する工程(例えば、水分または試薬を用いてアレイをすすぐが、分析物がアレイの高電界DEP領域内で濃縮され維持される)と、残留タンパク質を分解する工程(例えば、熱、プロテアーゼ、または化学薬品を用いるものなどの任意の適切なメカニズムによって生じる分解)と、分析物から分解タンパク質を洗い流す工程と、分析物を採取する工程と、のうちの1つ以上を支援することができるカートリッジコンポーネントおよびカートリッジを随意に含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載された方法の結果は、例えば、酵素学的なアッセイ(例えば、PCRアッセイ)におけるさらなる分析または特性付けのための、随意に適切な量および純度を有する、単離された分析物である。
【0029】
いくつかの実施形態では、単離された分析物は、約10質量%未満の非分析物を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、10分未満で完了する。いくつかの実施形態では、方法はさらに、アレイ上の残留タンパク質を分解する工程を含む。いくつかの実施形態では、残留タンパク質は、1つ以上の化学的な分解物、または酵素学的な分解物により分解される。いくつかの実施形態では、残留タンパク質はプロテイナーゼKにより分解される。
【0030】
いくつかの実施形態では、分析物は核酸である。他の実施形態において、核酸はさらに、ポリメラーゼ連鎖反応により増幅される。いくつかの実施形態では、核酸はDNA、RNAまたはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、単離された核酸は、約80質量%未満、約70質量%未満、約60質量%未満、約50質量%未満、約40質量%未満、約30質量%未満、約20質量%未満、約10質量%未満、約5質量%未満、または約2質量%未満の非核酸の細胞物質および/またはタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、単離された核酸は、約99質量%を超える、約98質量%を超える、約95質量%を超える、約90質量%を超える、約80質量%を超える、約70質量%を超える、約60質量%を超える、約50質量%を超える、約40質量%を超える、約30質量%を超える、約20質量%を超える、または約10質量%を超える核酸を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載された方法は、約1時間未満で完了できる。いくつかの実施形態では、遠心分離は使用されない。いくつかの実施形態では、残留タンパク質は、1つ以上の化学的な分解物、または酵素学的な分解物により分解される。いくつかの実施形態では、残留タンパク質はプロテイナーゼKにより分解される。いくつかの実施形態では、残留タンパク質は酵素により分解され、方法はさらに、タンパク質を分解した後に、酵素を不活性化する工程を含む。いくつかの実施形態では、酵素は、熱により(例えば、50から95℃で5-15分間)不活性化される。いくつかの実施形態では、残留物資および分解タンパク質は、別々か同時的な工程において洗い流される。いくつかの実施形態では、分析物は配列決定に適切な形状で単離される。いくつかの実施形態では、分析物は、ショットガン・シークエンシング法に適切な断片化された形状で単離される。
【0031】
<デバイスおよびシステム>
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、試料から分析物を単離し、精製し、採取するためのデバイスにおける構成要素として使用されうる。一態様では、複合試料から、細胞およびその他同種のものを含む他の粒子材料を、単離する、精製する、および採取するまたは溶離させるためのカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法が本明細書に記載される。他の態様では、本明細書に開示されるカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、細胞物質またはタンパク質物質を含む試料から、分析物を、単離する、精製する、採取するおよび/または溶離させることができる。さらなる他の実施形態では、本明細書に開示されるカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、有機物質および無機物質の複合混合物を含む試料から、分析物を、単離する、精製する、採取する、および/または溶離させることができる。いくつかの態様では、本明細書に開示されるカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、有機物質を含む試料から、分析物を、単離する、精製する、採取するおよび/または溶離させることができる。さらなる他の態様では、本明細書に開示されるデバイスは、無機物質を含む試料から、分析物を、単離する、精製する、採取するおよび/または溶離させることができる。
【0032】
したがって、本明細書に提供されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、複数の交流(AC)電極を含むシステムおよびデバイスと合わせて使用されることもあり、AC電極は、誘電泳動(DEP)電界領域を確立するために、選択的に電圧が印加されるように構成される。いくつかの態様では、AC電極は、誘電泳動(DEP)高電界領域、および誘電泳動(DEP)低電界領域を含む、多数の誘電泳動(DEP)電界領域を確立するために、選択的に電圧を印加されるように構成されてもよい。いくつかの例では、ACの動電学的効果は、DEP電界の、低電界領域中のより大きい粒子材料の濃縮、および/または高電界領域中の分析物(例えば核酸などの高分子)の濃縮(または採取または単離)をもたらす。例えば、電極、およびDEP電界における細胞の濃縮のさらなる説明は、PCT特許公報国際公開第2009/146143号A2において発見されることもあり、その説明は、そのような開示に関して、本明細書において組み込まれる。代替的に、本明細書に提供されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法を利用するシステムおよびデバイスは、直流(DC)電極を活用する。いくつかの実施形態では、複数のDC電極は、少なくとも2つの矩形電極を含み、アレイ全体にわたって広がる。いくつかの実施形態では、DC電極はAC電極間に点在する。
【0033】
DEPは、不平等電界にさらされるとき、誘電体粒子上に力が加わる現象である。本明細書に記載された方法の工程に応じて、本明細書における様々な実施形態の誘電体粒子は、核酸分子などの生物学的な分析物である。デバイス中で生成された誘電泳動力は、帯電された粒子を必要としない。いくつかの例では、力の強さは、媒体、および粒子の特定の電気特性、形状、あるいは大きさ、ならびに電界の周波数に依存する。いくつかの例では、特定の周波数の電界は、粒子を選択的に操作する。本明細書に記載されるある態様では、これらのプロセスは、細胞およびタンパク質様物質などの他の成分からの、核酸分子を含む分析物の分離を可能にする。
【0034】
いくつかの実施形態では、本明細書にされたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、試料中の分析物を単離するためのデバイスと合わせて使用されることもあり、該デバイスは:(1)ハウジングと;(2)ハウジング内の、本明細書に開示されるような複数の交流(AC)電極と;を含み、AC電極は、AC動電学的高電界領域およびAC動電学的低電界領域を確立するために選択的に電圧が印加されるように構成され、それによってACの動電学的効果が、デバイスの動電学的な電界領域における分析物細胞の濃縮をもたらす。いくつかの実施形態では、複数の電極は、誘電泳動高電界領域および誘電泳動低電界領域を確立するために選択的に電圧が印加されるように構成される。
【0035】
いくつかの実施形態では、本明細書にされたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、試料中の分析物を単離するためのデバイスと合わせて使用されることもあり、該デバイスは:(1)本明細書に開示されるような複数の交流(AC)電極であって、AC電極は、AC動電学的高電界領域およびAC動電学的低電界領域を確立するために選択的に電圧が印加されるように構成される、AC電極と;(2)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)または他の酵素反応などの、酵素反応を実施することができるモジュールと、を含む。いくつかの実施形態では、複数の電極は、誘電泳動高電界領域および誘電泳動低電界領域を確立するために選択的に電圧が印加されるように構成される。いくつかの実施形態では、デバイスは、試料から分析物を単離でき、その分析物を採取する、または溶離させることができ、そしてさらに、その分析物上で酵素反応を実施できる。いくつかの実施形態では、酵素反応は、単離および溶離の段階と同じリザーバ中で実施される。他の実施形態において、酵素反応は、単離および溶離の段階とは別のリザーバ中で実施される。さらに別の実施形態では、分析物は単離され、そして、酵素反応は多数のリザーバ中で実施される。
【0036】
様々な実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、1,000Hzから100MHzまでのAC周波数範囲、およそ1ボルトから2000ボルトpk-pkまで変動できる電圧;1ボルトから1000ボルトまでのDC電圧、毎分10マイクロリットルから毎分10ミリリットルまでの流量、および1℃から120℃までの温度範囲で、動作するデバイスおよびシステムと合わせて使用されうる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、約3から約15kHzまでのAC周波数範囲で動作する、デバイスおよびシステムと合わせて使用されうる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、5-25ボルトpk-pkの電圧で動作する、デバイスおよびシステムと合わせて使用されうる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、約1から約50ボルト/cmまでの電圧で動作する、デバイスおよびシステムと合わせて使用されうる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、約1から約5ボルトまでのDC電圧で動作する、デバイスおよびシステムと合わせて使用されうる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、分あたり約10マイクロリットルから約500マイクロリットルまでの流量で動作する、デバイスおよびシステムと合わせて使用されうる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、約20℃から約60℃までの温度範囲内で動作する、デバイスおよびシステムと合わせて使用されうる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、1000Hzから10MHzまでのAC周波数範囲で動作する、デバイスおよびシステムと合わせて使用されうる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、1000Hzから100kHzまでのAC周波数範囲で動作する、デバイスおよびシステムと合わせて使用されうる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、1000Hzから10kHzまでのAC周波数範囲で動作する、デバイスおよびシステムと合わせて使用されうる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、10kHzから100kHzまでのAC周波数範囲で動作する、デバイスおよびシステムと合わせて使用されうる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、100kHzから1MHzまでのAC周波数範囲で動作する、デバイスおよびシステムと合わせて使用されうる。
【0037】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、1ボルトから1000ボルトまでのDC電圧で動作する、デバイスおよびシステムと合わせて使用されうる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、1ボルトから500ボルトまでのDC電圧で動作する、デバイスおよびシステムと合わせて使用されうる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、1ボルトから250ボルトまでのDC電圧で動作する、デバイスおよびシステムと合わせて使用されうる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、1ボルトから100ボルトまでのDC電圧で動作する、デバイスおよびシステムと合わせて使用されうる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、1ボルトから50ボルトまでのDC電圧で動作する、デバイスおよびシステムと合わせて使用されうる。
【0038】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、交流誘電泳動電界領域をもたらす、デバイスおよびシステムと合わせて使用されうる。交流は、細胞を濃縮するのに適切な、任意の電流量、電圧、周波数、およびその他同種のものを有する。いくつかの実施形態では、誘電泳動電界領域は、0.1マイクロアンペア-10アンペアの電流量;1-2000ボルトピークトゥピーク(Volts peak to peak)の電圧;および/または、1-100,000,000Hzの周波数;を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、DEP電界領域は、5-25ボルトピークトゥピークの電圧を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、DEP電界領域は、3-15kHzの周波数を有する交流を使用して生成される。
【0039】
いくつかの実施形態では、DEP電界領域は、100ミリアンペア-5アンペアの電流量を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、DEP電界領域は、0.5アンペア-1アンペアの電流量を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、DEP電界領域は、0.5アンペア-5アンペアの電流量を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、DEP電界領域は、100ミリアンペア-1アンペアの電流量を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、DEP電界領域は、500ミリアンペア-2.5アンペアの電流量を有する交流を使用して生成される。
【0040】
いくつかの実施形態では、DEP電界領域は、1-25ボルトピークトゥピークの電圧を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、DEP電界領域は、1-10ボルトピークトゥピークの電圧を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、DEP電界領域は、25-50ボルトピークトゥピークの電圧を有する交流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、DEP電界領域は、10-1,000,000Hzの周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、DEP電界領域は、100-100,000Hzの周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、DEP電界領域は、100-10,000Hzの周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、DEP電界領域は、10,000-100,000Hzの周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、DEP電界領域は、100,000-1,000,000Hzの周波数を使用して生成される。
【0041】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、直流誘電泳動電界領域をもたらす、デバイスおよびシステムと合わせて使用されうる。直流は、細胞を濃縮するのに適切な、任意の電流量、電圧、周波数、およびその他同種のものを有する。いくつかの実施形態では、第1の誘電泳動電界領域は、0.1マイクロアンペア-1アンペアの電流量;10ミリボルト-10ボルトの電圧;および/または、1ミリ秒-1000秒のパルス幅と0.001―1000Hzのパルス周波数;を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、DEP電界領域は、1マイクロアンペア-1アンペアの電流量を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、DEP電界領域は、100マイクロアンペア-500ミリアンペアの電流量を有する直流を使用して生成される。・いくつかの実施形態では、DEP電界領域は、1ミリアンペア-1アンペアの電流量を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、DEP電界領域は、1マイクロアンペア-1ミリアンペアの電流量を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、DEP電界領域は、500ミリ秒-500秒のパルス幅を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、DEP電界領域は、500ミリ秒-100秒のパルス幅を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、DEP電界領域は、1秒-1000秒のパルス幅を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、DEP電界領域は、500ミリ秒-1秒のパルス幅を有する直流を使用して生成される。いくつかの実施形態では、DEP電界領域は、0.01-1000Hzのパルス周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、DEP電界領域は、0.1-100Hzのパルス周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、DEP電界領域は、1-100Hzのパルス周波数を使用して生成される。いくつかの実施形態では、DEP電界領域は、100-1000Hzのパルス周波数を使用して生成される。
【0042】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、細胞型の混合物を含むこともある試料を分析するために使用されるデバイスおよびシステムと、合わせて使用されうる。例えば、血液は、赤血球および白血球を含む。環境試料は、広い濃度範囲の、多くの型の細胞および他の粒子材料を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、1つの細胞型(または試料を含む細胞型の総数未満の数の細胞型)を濃縮するデバイスおよびシステムと合わせて使用されうる。別の非限定的な例では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、細胞ではなく、ウイルスを特異的に濃縮するために使用されるデバイスおよびシステムと合わせて使用されうる(例えば、300mS/mを超える導電率の流体において、ウイルスはDEPの高電界領域において濃縮する一方で、より大きい細胞は、DEP低電界領域において濃縮するだろう)。
【0043】
したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、分析物の効率的な単離および採取を可能にするために、特定の細胞型を単離するか分離するのに適切なデバイスおよびシステムと合わせて使用されうる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、2つ以上の電界領域を提供するデバイスおよびシステムと合わせて使用されてもよく、ここで、2つ以上の型の細胞が単離されるか濃縮される。
【0044】
<コンパクトデバイスおよびシステム>
また、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法を用いて随意に使用するための、コンパクトデバイスおよびシステムが本明細書において提供され、それらは、容易に運搬できるほど十分に小さく、そして低い電力要件を有する。本明細書におけるコンパクトデバイスは、電話、タブレット、またはラップトップコンピュータなどのモバイルコンピューティングデバイスと共に、随意に使用される。
【0045】
<電力>
本明細書に記載されたコンパクトデバイスには低い電力、例えば、USBポートまたはマイクロUSBポートにより提供された電力で動作する特徴を有する。場合によっては、電力はモバイルコンピューティングデバイスにより提供される。場合によっては、電力はバッテリーパックにより提供される。場合によっては、電力は太陽光充電器により提供される。場合によっては、電力は壁コンセントにより提供される。場合によっては、電力はヘッドホンジャックにより提供される。いくつかの実施形態では、本明細書のコンパクトデバイスは、その時に利用可能である電源に応じて、多数の電源を使用するように構成されることが企図される。
【0046】
USBポートにより提供される電力は、約5ボルトであることが典型的には理解される。USBポートから取り出される推奨の最大電流は、約1000mAである。USBポートにより生成される電力の最大負荷は5ワットである。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるコンパクトデバイスは、5ボルト、1000mA、または5ワットよりも低い電力要件を有する。いくつかの実施形態では、コンパクトデバイスはわずか約1-10ボルトしか必要としない。いくつかの実施形態では、コンパクトデバイスは、わずか約1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ボルトしか必要としない。いくつかの実施形態では、コンパクトデバイスは、わずか約500から約1500mAまでしか必要としない。いくつかの実施形態では、本明細書のコンパクトデバイスは、わずか約500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、または1500mAしか必要としない。いくつかの実施形態では、本明細書のデバイスは、バッテリーパックまたは壁コンセントにより動力が供給され、そして例えば、約2.5から約10ワットまでのより大きい電力要件を有する。いくつかの実施形態では、本明細書のコンパクトデバイスは、0.01から10ワット未満の電力要件を有する。いくつかの実施形態では、本明細書のコンパクトデバイスは、わずか約10、9.5、9.0、8.5、8.0、7.5、7.0、6.5、6.0、5.9、5.8、5.7、5.6、5.5、5.4、5.3、5.2、5.1、5.0、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4.4、4.3、4.2、4.1、4.0、3.9、3.8、3.7、3.6、3.5、3.4、3.3、3.2、3.1、3.0、2.9、2.8、2.7、2.6、2.5、2.4、2.3、2.2、2.1、2.0、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1.0、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02、または0.01ワットしか必要としない。
【0047】
本明細書のコンパクトデバイスは、USB接続ポートまたはマイクロUSB接続ポートなどの接続ポートを介して、モバイルコンピューティングデバイスに結合するように企図される。モバイルコンピューティングデバイスに対するコンパクトデバイスの接続は、いくつかの実施形態では、コンパクトデバイスが電力を取ることを可能し、そしてまた、モバイルコンピューティングデバイスがコンパクトデバイスを制御することを可能にする。いくつかの実施形態では、本明細書のコンパクトデバイスは、2つ以上の接続ポートを含む。いくつかの実施形態では、本明細書のコンパクトデバイスは、ユーザーがコンパクトデバイスに異なるモバイルコンピューティングデバイスを接続することを可能にする接続ポートアダプタを含む。
【0048】
<デジタル処理デバイス>
様々な実施形態では、本明細書に記載された主題は、デジタル処理装置、またはその使用を含む。
図17は、実行可能命令を実行するようにプログラムされるか、そうでなければ構成されるデジタル処理装置(1710)を示す。デジタル処理装置は、アッセイされた生体試料の1つ以上の信号を処理および分析して、結果を生成するようにプログラムされうる。デジタル処理装置は、結果を生成するために、信号を分析するための訓練されたアルゴリズムを用いてプログラムされうる。デジタル処理装置は、例えば、1セットの試料の信号でアルゴリズムを訓練して、訓練されたアルゴリズムを生成することなどの本開示の方法の、様々な態様を調節することができる。デジタル処理装置は、アルゴリズムを用いて1セットの独立した試料を分析し、そして確認された結果を有するアルゴリズムにより生成された予測結果を比較することによって、訓練されたアルゴリズムの陽性的中率を測定することもある。デジタル処理装置は、電子デバイス(例えばリモートサーバー)に対して遠隔的に位置付けられる、ユーザーの電子デバイス、またはコンピュータシステムでありうる。デジタル処理装置は、モバイルコンピューティングデバイスでありうる。さらなる実施形態では、デジタル処理装置はデバイスの機能を実行する、1つ以上のハードウェアの中央処理装置(CPU)(1720)を含む。またさらなる実施形態では、デジタル処理装置はさらに、実行可能命令を実施するように構成された、オペレーティングシステムおよび/またはアプリケーション(1760)を含む。オペレーションシステムまたはアプリケーション(1760)は、実行可能命令(例えばデータ分析モジュール)を実施するように構成された、1つ以上のソフトウェアモジュール(1790)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、デジタル処理装置は、コンピュータネットワーク(1780)に随意に接続される。さらなる実施形態では、デジタル処理デバイスは、ワールドワイドウェブにアクセスするようにインターネットに随意に接続される。またさらなる実施形態では、デジタル処理デバイスは、クラウドコンピューティング・インフラストラクチャに随意に接続される。他の実施形態では、デジタル処理デバイスは、イントラネットに随意に接続される。他の実施形態では、デジタル処理デバイスは、データ記憶デバイスに随意に接続される。
【0049】
本明細書の記載に従って、適切なデジタル処理デバイスは、非限定的な例として、サーバーコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノート型パソコン、サブノート型パソコン、ネットブックコンピュータ、ネットパッドコンピュータ、セットトップコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、インターネット家電、モバイルスマートフォン、タブレット型コンピュータ、携帯情報端末、ビデオゲーム機器、および車両を含む。当業者は、多くのスマートフォンが、本明細書に記載されるシステムにおける使用に適していることを認識するだろう。当業者は、任意のコンピュータネットワーク接続を有する、選択されたテレビ、ビデオプレーヤー、およびデジタル音楽プレーヤーが、本明細書に記載されるシステムにおける使用に適していることを認識するであろう。適切なタブレットコンピュータは、当業者に既知のブックレット、スレート、および変換可能な構成を備えたものを含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、デジタル処理デバイスは実行命令を実行するように構成されたオペレーティングシステムを含有する。オペレーティングシステムは、例えば、デバイスのハードウェアを制御し、アプリケーションの実行のためのサービスを提供する、プログラムおよびデータを含むソフトウェアである。当業者は、適切なサーバーオペレーティングシステムが非限定的な例によって、FreeBSD、OpenBSD、NetBSD(登録商標)、Linux(登録商標)、Apple(登録商標)Mac OS X Server(登録商標)、Oracle(登録商標) Solaris(登録商標)、Windows Server(登録商標)およびNovell(登録商標) NetWare(登録商標)を含むことを認識するだろう。当業者は、適切なパソコンオペレーティングシステムが、非限定的な例として、Microsoft(登録商標)Windows(登録商標)、Apple(登録商標)Mac OS X(登録商標)、UNIX(登録商標)、およびGNU/Linux(登録商標)などの、UNIX(登録商標)のようなオペレーティングシステムを含むことを認識する。いくつかの実施形態では、オペレーティングシステムは、クラウドコンピューティングによって提供される。
【0051】
いくつかの実施形態では、デバイスは、ストレージ(1730)および/またはメモリデバイス(1750)を含む。記憶デバイス及び/又はメモリデバイスは、一時的又は恒久的にデータまたはプログラムを保存するために使用される1以上の物理的な機器である。いくつかの実施形態において、デバイスは揮発性メモリであり、記憶した情報を維持するための電力を必要とする。いくつかの実施形態において、デバイスは不揮発性メモリであり、デジタル処理デバイスに電力が供給されないときに記憶した情報を保持する。さらなる実施形態において、不揮発性メモリはフラッシュメモリを含む。いくつかの実施形態において、不揮発性メモリは、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)を含む。いくつかの実施形態において、不揮発性メモリは、強誘電体ランダムアクセスメモリ(FRAM(登録商標))を含む。いくつかの実施形態において、不揮発性メモリは、相変化ランダムアクセスメモリ(PRAM)を含む。他の実施形態では、デバイスは、限定しない例として、CD-ROM、DVD、フラッシュメモリデバイス、磁気ディスクドライブ、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、およびクラウドコンピューティングベースのストレージを含む、記憶デバイスである。さらなる実施形態では、記憶デバイスおよび/またはメモリデバイスは、本明細書に開示されるものなどのデバイスの組み合わせである。
【0052】
いくつかの実施形態では、デジタル処理装置は、ユーザーへ視覚情報を送るディスプレイ(1740)を含有する。いくつかの実施形態では、ディスプレイはブラウン管(CRT)である。いくつかの実施形態では、ディスプレイは液晶ディスプレイ(LCD)である。さらなる実施形態において、ディスプレイは薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(TFT-LCD)である。いくつかの実施形態において、ディスプレイは、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイである。様々なさらなる実施形態において、OLEDディスプレイは、パッシブ-マトリクスOLED(PMOLED)またはアクティブ-マトリクスOLED(AMOLED)のディスプレイである。いくつかの実施形態において、ディスプレイはプラズマディスプレイである。他の実施形態では、ディスプレイは、ビデオプロジェクターである。いくつかの実施形態では、そのディスプレイはタッチスクリーンである。またさらなる実施形態において、ディスプレイは、本明細書に開示されるものなどのデバイスの組み合わせである。
【0053】
いくつかの実施形態では、デジタル処理装置は、ユーザーと対話する、および/またはユーザーから情報を受信するために、インターフェース(1770)を含む。いくつかの実施形態では、インターフェースはタッチスクリーンを含む。いくつかの実施形態では、インターフェースは入力デバイスを含む。いくつかの実施形態において、入力デバイスはキーボードである。いくつかの実施形態において、入力デバイスは、非限定的な例として、マウス、トラックボール、トラックパッド、ジョイスティック、ゲームコントローラ、またはスタイラスを含むポインティングデバイスである。いくつかの実施形態において、入力デバイスはタッチスクリーンまたはマルチタッチスクリーンである。他の実施形態において、入力デバイスは、声または他の音入力を取り込むマイクロホンである。他の実施形態において、入力デバイスは、動作入力または視覚入力を取り込むカメラまたはビデオカメラである。またさらなる実施形態において、入力デバイスは本明細書に開示されるものなどのデバイスの組み合わせである。
【0054】
<通信>
様々な実施形態では、本明細書に開示される主題は、通信インターフェースを含む。いくつかの実施形態では、通信インターフェースは、デジタル処理装置中に組み込まれている。いくつかの実施形態では、通信インターフェースは、以下の伝送技術の1つ以上に基づいて動作する:3G通信プロトコル、4G通信プロトコル、IEEE 802.11規格、BlueTooth(登録商標)プロトコル、短距離、RF通信、衛星通信、可視光通信、および赤外線通信。
【0055】
いくつかの実施形態では、通信インターフェースは、有線通信インターフェースを含む。例は、USB、RJ45、シリアルポート、およびパラレルポートを含む。
【0056】
<非一時的コンピュータ可読記憶媒体>
様々な実施形態では、本明細書に開示される主題は、随意にネットワーク化されたデジタル処理装置のオペレーティングシステムによって実行可能な命令を含むプログラムでコードされた、1つ以上の非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含む。さらなる実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は、デジタル処理デバイスの有形要素である。またさらなる実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は、デジタル処理デバイスから随意に除去可能である。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は、非限定的な例として、CD-ROM、DVD、フラッシュメモリデバイス、ソリッドステート記憶デバイス、磁気ディスクドライブ、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、クラウドコンピューティングシステムおよびサービスなどを含む。いくつかの場合では、プログラムおよび命令は、媒体上で恒久的に、略恒久的に、半恒久的に、または非一時的にコードされる。
【0057】
<光学系>
本明細書のコンパクトデバイスは、測定値を得るために、電話、タブレット、またはラップトップコンピュータ上のカメラなどの、モバイルコンピューティングデバイスのカメラに頼ることができる。本明細書に記載されたコンパクトデバイスは、それによってモバイルコンピューティングデバイスのカメラが画像を得ることができる少なくとも1つの光学経路を含むことが企図される。いくつかの実施形態では、電話、タブレット、またはラップトップコンピュータ上のカメラなどの、モバイルコンピューティングデバイス上のカメラは、モバイルコンピューティングデバイスへと統合される。いくつかの実施形態では、カメラがより良い画像を得ることを可能にするために、外部レンズが、モバイルコンピューティングデバイス上のカメラ上へと適合されうる。いくつかの実施形態では、カメラは、12メガピクセルカメラである。いくつかの実施形態では、カメラは、10、9、8、7、6、5、4、または3メガピクセルカメラである。
【0058】
本明細書のコンパクトデバイスは、それによってモバイルコンピューティングデバイス上のカメラが画像を得ることができる光学経路を含む。本明細書のコンパクトデバイス中の光学経路は、いくつかの実施形態では、当業者により既知の、典型的な落射蛍光の光学経路を含み、これは、モバイルコンピューティングデバイス中のカメラセンサー、または外部のCMOSセンサーまたはCCDセンサーを介して蛍光シグナルを検出し、試料中の目的の分析物の量を測定する。いくつかの実施形態では、光学経路は、顕微鏡対物レンズを含む。いくつかの実施形態では、光学経路は、内視鏡対物レンズを含む。
【0059】
<流体工学>
本明細書のコンパクトデバイスは、シリンジ、蠕動ポンプ、またはピエゾポンプを含むデバイスを介して流体を移動させるための、様々なメカニズムを使用できる。流体は、流体カートリッジのコンパクトな流体リザーバを使用して、デバイスを介して移動する。典型的な流体工学カートリッジが、本明細書に記載され、そして、コンパクトデバイスの場合には、内側に嵌合するかまたはコンパクトデバイスとドッキングするようサイズ決めされて、形作られる。いくつかの実施形態では、流体カートリッジは、コンパクトデバイスのへと挿入される。いくつかの実施形態では、流体カートリッジは、ヒンジによりコンパクトデバイスに接続される。いくつかの実施形態では、流体カートリッジは、投入ポートを覆うスライダを含む。いくつかの実施形態では、流体カートリッジはリザーバ、例えば、試料リザーバ、試薬リザーバ、および廃棄リザーバを含む。いくつかの実施形態では、流体カートリッジは、少なくとも2つのアッセイチャンバー、例えば試験チャンバーおよび対照溶液チャンバーを含む。いくつかの実施形態では、流体カートリッジはポート、例えば試料投入ポート、試料リザーバポート、廃棄リザーバポート、および試薬リザーバポートを含む。いくつかの実施形態では、試薬リザーバポートは、ポンプのインターフェース位置を含む。いくつかの実施形態では、流体カートリッジは、チップを含む。
【0060】
<電子工学>
様々な実施形態では、本明細書に開示されるコンパクトデバイスは、コンパクトデバイスを制御するために電子チップを含む。いくつかの実施形態では、電子チップは信号増幅器を含む。いくつかの設計では、電子チップは差動増幅器を含む。
【0061】
様々な実施形態では、電子チップは生体サンプルを受けるためにカートリッジを制御するように構成される。さらなる実施形態では、電子チップは生体サンプルをアッセイするためにカートリッジを制御するように構成される。
【0062】
いくつかの実施形態では、電子チップは生体サンプルに電圧を印加するように構成される。さらなる実施形態では、生体サンプルへと電圧を印加する工程は、生体サンプルをイオン化する工程を含む。他の実施形態において、方法はさらに、生体試料に電流を印加する工程を含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、電子チップはアッセイされた生体サンプルからの信号を取得するように構成される。信号の例は、限定されないが、螢光、非螢光、電気、化学、イオンの流れ、荷電分子の流れ、圧力、温度、光強度、色彩強度、コンダクタンスレベル、インピーダンスレベル、濃度レベル(例えばイオンの濃度)、および動的信号を含む。
【0064】
特定の実施形態では、信号は交流(AC)動電学的信号を含む。場合によっては、信号は、1つ以上のAC動電学的高電界領域および1つ以上のAC動電学的低電界領域を含む。
【0065】
<コンピュータプログラム>
本明細書に開示される主題は、少なくとも1つのコンピュータプログラム、またはその使用を含む。コンピュータプログラムは、タスクを実行するために書き込まれた、デジタル処理デバイスのCPUにおいて実行可能である命令のシーケンスを含む。コンピュータ可読命令は、特定のタスクを実行するか又は特定の抽象データ型を実施する、機能、オブジェクト、アプリケーションプログラムインターフェース(API)、データ構造などのプログラムモジュールとして実行されてもよい。本明細書で提供される開示に照らして、当業者は、コンピュータプログラムが様々な言語の様々なバージョンで書き込まれ得ることを認識する。
【0066】
コンピュータ読み取り可能命令の機能は、様々な環境における所望のものとして組み合わせられる、または分散されてもよい。いくつかの実施形態では、コンピュータプログラムは1つの命令列を含む。いくつかの実施形態において、コンピュータプログラムは複数の命令列を含む。いくつかの実施形態では、コンピュータプログラムは1つの位置から提供される。他の実施形態では、コンピュータプログラムは複数の位置から提供される。様々な実施形態では、コンピュータプログラムは、1以上のソフトウェアモジュールを含む。様々な実施形態において、コンピュータプログラムは、一部または全体として、1つ以上のウェブアプリケーション、1つ以上のモバイルアプリケーション、1つ以上のスタンドアロンアプリケーション、1つ以上のウェブブラウザプラグイン、拡張、アドイン、またはアドオン、またはこれらの組み合わせを含む。
【0067】
いくつかの実施では、本明細書のコンパクトデバイスは、電話、タブレット、またはラップトップコンピュータなどのモバイルコンピューティングデバイス上でコンピュータプログラムを使用して、ユーザーによって制御される。コンパクトデバイスのためのコンピュータプログラムは、出力データの分析も実施できる。
【0068】
いくつかの実施形態では、コンピュータプログラムは、アッセイされた生体試料の信号を分析するように構成されたデータ分析モジュールを含む。さらなる実施形態では、信号を分析する工程は、統計分析の使用を含む。場合によっては、信号を分析する工程は、その信号を信号のテンプレートと比較する工程を含む。様々なデータ分析が存在し、それらは、コンピュータプログラム中で分析モジュールを組み立てるために、組み合わせることができる。信号を分析する工程の例は:信号の強度を分析する工程と、信号の周波数を分析する工程と、信号の空間分布様式を識別する工程と、1つ以上の信号の時間パターンを識別する工程と、化学反応の事象に対応する信号における離散性の変動を検出する工程と、圧力レベルを推測する工程と、温度レベルを推測する工程と、光強度を推測する工程と、色彩強度を推測する工程と、コンダクタンスレベルを推測する工程と、インピーダンスレベルを推測する工程と、イオン濃度を推測する工程と、1つ以上のAC動電学的高電界領域および1つ以上のAC動電学的低電界領域のパターンを分析する工程と、化学反応の事象を分析する工程と、を含む。またさらなる実施形態では、化学反応の事象は、分子合成、分子破壊(molecular destruction)、分子崩壊(molecular breakdown)、分子挿入(molecular insertion)、分子分離、分子回転、分子スピン(molecular spinning)、分子伸長(molecular extension)、分子ハイブリダイゼーション、分子転写(molecular transcription)、シークエンシング反応、および熱サイクル、のうちの1つ以上を含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、データ分析モジュールはアッセイされた生体試料の信号を検出するように構成される。信号は、アッセイされた生体試料の1つ以上の撮影された画像を含みうる。1つ以上の画像は、ピクセル画像データを含みうる。1つ以上の画像は、raw画像データとして受信されうる。データ検出モジュールは、モバイルコンピューティングデバイスのピクセル画像データを受信するように構成されうる。ピクセル画像データは、モバイルコンピューティングデバイス上のカメラによって取り込まれた画像由来でありうる。様々な実施形態では、データ分析モジュールは、ピクセル画像データ上で画像処理を実施する。画像のピクセルは、アッセイされた試料によって生成された光子と背景信号との組み合わせである信号によって生成されうる。背景信号は外部光源によって放出または反射された光子から生じうる。場合によっては、特定の自家蛍光材料は、蛍光ベースのアッセイに干渉する可能性がある。従って、未処理のピクセルを使用する光学信号の測定は、アッセイの信号を過大に見積もることもある。画像処理は、ノイズを減らすかまたは画像をフィルタリングするために使用できる。画像処理は、信号品質を改善するために使用できる。様々な実施形態では、データ分析モジュールは基準信号(例えばヌルの試料)を使用して、背景雑音レベルを補正するために、較正を実施する。様々な実施形態では、データ分析モジュールは、コントラストおよび/または明るさを正規化するように、画像を処理する。データ分析モジュールは、ガンマ補正を実施することもある。いくつかの実施形態では、データ分析モジュールは、画像を、グレースケール、RGB、またはLAB色空間に変換する。
【0070】
様々な実施形態では、データ分析モジュールは、データ処理アルゴリズムを使用してピクセル画像データを処理して、信号強度に基づいて、数値の分布へとデータを変換する。ピクセル画像データは、各ピクセルの空間的情報および強度を含みうる。様々な実施形態では、データ分析モジュールは、結果を測定するために使用される予定の画像内の1つ以上のサブフィールドを選択する。このプロセスは状況次第で必要であることもある。例えば、検出されている信号は、カメラレンズと、アッセイされた生体試料との間の不整合のために、カメラの視野全体を満たさないこともあり、または位置から外れていることもある(例えば、試料はカメラの視野の中心から外れていることもある)。1つ以上のサブフィールドは、数値の分布に基づいて選択されうる。例えば、1つ以上のサブフィールドは、最も高い数値の分布を有することに基づいて、選択されうる。いくつかの実施形態では、データ分析モジュールは、画像を複数のサブフィールドへと分割し、そして結果を測定(例えば、無細胞循環腫瘍DNAのポジティブまたはネガティブの検出)するのに使用される1つ以上のサブフィールドを選択する。データ分析モジュールは、アルゴリズムを使用して、複数の可能なサブフィールドから、最も高い信号強度を表わす数値の分布を含む領域を有するサブフィールドの位置を突き止める。例示的な例として、分析物を検出するために蛍光染料を活用するアッセイは、特定の周波数または色の蛍光シグナルを生成できる。その後、データ分析モジュールは、画像をサブフィールドへと分割し、最も高い信号強度を有するサブフィールドを位置付ける。その後、最も高い信号強度を有するサブフィールドは、結果が分析物の存在に対してポジティブまたはネガティブかどうかを算出するために使用されてもよい。様々な実施形態では、サブフィールドに対する信号強度は、サブフィールド内に位置する全てのピクセルに関する平均、中央値、または信号強度の形態に基づいて算出される。信号の空間強度は、モバイルコンピューティングデバイスのカメラによって画像として取り込むことができる。画像は、信号強度に基づいて数値の分布へと変換できる。様々な実施形態では、データ分析モジュールは、ピクセル画像のセットを正規化する。様々な実施形態では、データ分析モジュールは、多数の画像を受信するか、またはアッセイされた生体試料のための前記多数の画像に対応するピクセル画像データのセットを受信する。データ分析モジュールは、単一の画像を分析するよりも正確な結果を生成するために、多数の画像を分析できる。いくつかの実施形態では、アッセイされた生体試料のための、データ分析モジュールは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、または50の画像を分析する。
【0071】
いくつかの実施形態では、データ分析モジュールは、特徴抽出アルゴリズムを使用して、特徴抽出を実施して、無関係な情報を除外しながら、信号に関する関連情報を得る。特徴抽出アルゴリズムのいくつかの例は、方向付けされた勾配のヒストグラム(HOG)、スケール不変特徴変換(SIFT)、およびロバストな特徴の高速化(SURF)を含む。特徴抽出アルゴリズムは、閾値検出(閾値化)、エッジ検出、コーナー検出、ブロブ検出およびリッジ検出のための画像処理において使用されうる。本明細書に提供される開示の観点から、当業者は、多くのアルゴリズムが特徴抽出を実施するために利用可能であることを認識するだろう。
【0072】
いくつかの実施形態では、データ分析モジュールは、試料の結果を判定(例えば、分析物または微粒子のポジティブまたはネガティブの検出)するために訓練されたアルゴリズムを使用する。本開示の訓練されたアルゴリズムは、本明細書に記載されるような1つの特徴空間を含みうる。本開示の訓練されたアルゴリズムは、本明細書に記載されるような2つ以上の特徴空間を含みうる。2つ以上の特徴空間は、互いと異なることもある。各特徴空間は、核酸、タンパク質、炭水化物、脂質、または他の巨大分子の存在などの、試料に関する情報の型を含みうる。アルゴリズムは、主成分分析、部分最小二乗回帰、および独立成分分析を含むアルゴリズムの非制限的な群から選択されうる。アルゴリズムは、多数の変数を直接分析する方法を含むことができ、そして機械学習プロセスに基づく方法を含むアルゴリズムの非制限的な群から選択される。機械学習プロセスは、任意のフォレストアルゴリズム(forest algorithms)、バギング技術(bagging techniques)、ブースティング方式(boosting methods)、またはそれらの任意の組み合わせを含みうる。アルゴリズムは、罰金付きロジスティック回帰、マイクロアレイの予測解析、収縮重心法(shrunken centroids)に基づく方法、サポートベクターマシン分析、または、正則化線形判別分析などの統計的手法を活用できる。アルゴリズムは、様々な被験体から得られた1セットの試料データ(例えば画像データまたはピクセル画像データ)を用いて訓練されてもよい。試料データは、例えば分析物の分析の結果を記憶するオンラインデータベースなどの、本明細書の記載されたデータベースから得られることもある。1セットの試料は、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、または1000、またはそれより多い被験体からの試料を含みうる。訓練されたアルゴリズムは、その正確性、特異性、感応性、陽性的中率、陰性的中率、またはそれらの任意の組み合わせを測定するために、独立した試料を使用して試験されうる。訓練されたアルゴリズムは、少なくとも100の独立した試料の1セットに対して、少なくとも80、90、95、または99%の正確性を有しうる。訓練されたアルゴリズムは、少なくとも100の独立した試料の1セットに対して、少なくとも80、90、95、または99%の陽性的中率を有しうる。訓練されたアルゴリズムは、少なくとも100の独立した試料の1セットに対して、少なくとも80、90、95、または99%の特異性を有しうる。
【0073】
<データベース>
様々な実施形態では、本明細書に開示される主題は、1つ以上のデータベース、または信号およびテンプレート信号を記憶するそのデータベースの使用を含む。本明細書に提供される開示を考慮して、当業者は、多くのデータベースが配列情報の記憶と検索に適していることを認識するだろう。様々な実施形態では、適切なデータベースは、非限定的な例として、関係データベース、非関係データベース、オブジェクト指向型データベース、オブジェクトデータベース、実体関連モデルデータベース、結合性データベース、およびXMLデータベースを包含する。いくつかの実施形態では、データベースはインターネットを利用したものである。さらなる実施形態では、データベースはウェブを利用したものである。またさらなる実施形態では、データベースはクラウドコンピューティングを利用したものである。他の実施形態では、データベースは1つ以上のローカルコンピュータメモリデバイスを利用したものである。
【0074】
<サイズ>
本明細書のコンパクトデバイスは、平均的な人によって片方の手で容易に運ばれるようサイズ決めされる。デバイスの大きさおよび形状は、使用される予定のモバイルコンピューティングデバイスの型に応じて可変である。いくつかの実施形態では、コンパクトデバイスは、モバイルコンピューティングデバイス、少なくとも1つの流体チャネル、および流体カートリッジを保持するために、ハウジングフレームを含む。いくつかの実施形態では、コンパクトデバイスの長さ、幅、および高さが測定される。本明細書の長さは、デバイスが載っている表面に対して平行である、デバイスの片側に沿った測定値である。本明細書の幅は、デバイスが載っている表面に対して平行である、デバイスの片側に沿った測定値である。いくつかの実施形態では、長さは、幅よりも大きい。いくつかの実施形態では、幅は、長さよりも大きい。本明細書の高さは、デバイスが載っている表面に垂直である、デバイスの長さまたは幅のいずれかに沿って取られる測定値である。いくつかの実施形態では、高さは深さと同じ測定値である。いくつかの実施形態では、本明細書のコンパクトデバイスは、約130mmから約320mmまでの範囲の高さ、例えば、約130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、または320mmの高さを有する。いくつかの実施形態では、本明細書のコンパクトデバイスは、約60mmから約230mmまでの範囲の幅、例えば、約60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、または230mmの幅を有する。いくつかの実施形態では、本明細書のコンパクトデバイスは、約20mmから約100mmまでの範囲の深さ、例えば、約20、30、40、50、60、70、80、90、または100mmの深さを有する。
【0075】
<試料>
一態様において、本明細書に記載されるカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、試料から分析物を単離するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、試料は体液を含む。一態様では、試料は、細胞または他の粒子材料、およびその分析物を含む。いくつかの実施形態では、試料は細胞を含まない。
【0076】
いくつかの実施形態では、試料は、液体、随意に水もしくは水溶液、または分散体である。いくつかの実施形態では、試料は体液である。典型的な体液は、血液、血清、血漿、胆汁、乳汁、脳脊髄液、胃液、射精液、粘液、腹水、唾液、汗、涙、尿、滑液、およびその他同種のものを含む。いくつかの実施形態では、体液から分析物は、医学的な治療手段もしくは診断法、デバイス、またはシステムの一部として、本明細書に記載されるカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システムおよび方法を使用して単離される。いくつかの実施形態では、試料は、液体培地中に可溶化したおよび/または分散した、組織および/または細胞である。例えば、組織は、そこから核酸などの分析物が、本明細書に記載の方法、デバイス、またはシステムを使用して単離されうる癌性の腫瘍でありうる。
【0077】
いくつかの実施形態では、試料は環境試料である。いくつかの実施形態では、環境試料は、特定の汚染、感染の発生、またはその他同種のものを示す特定の核酸配列の存在に関して、アッセイされるかモニタリングされる。環境試料は、本明細書に記載される方法、デバイス、またはシステムを使用して、特定の汚染、感染の発生、または同種のものの原因を断定するためにも使用されうる。典型的な環境試料は、都市下水と産業排水、様々な製造工程において使用されたか、その結果生じた水または流体、湖、川、海、帯水層、地下水、暴風雨水、植物または植物の部分、動物または動物の部分、昆虫、都市供給水、および同種のもの含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、試料は食品または飲料である。食品または飲料は、特定の汚染、感染の発生、またはその他同種のものを示す特定の分析物の存在に関して、アッセイまたはモニタリングされうる。食品または飲料は、本明細書に記載される方法、デバイス、またはシステムを使用して、特定の汚染、感染の発生、または同種のものの原因を断定するためにも使用されうる。様々な実施形態では、本明細書に記載される方法、デバイス、およびシステムは、公衆衛生をモニタリングする、または有害な公衆衛生の発生に対応するために、1以上の体液、環境試料、ならびに食品および飲料を用いて使用できる。
【0079】
いくつかの実施形態では、試料は増殖培地である。増殖培地は、細胞を培養するのに適切な任意の培地、例えば、大腸菌を培養するための溶原培地(LB)、哺乳動物細胞を培養するためのハム組織培養培地(Ham’s tissue culture medium)、および同種のものになりうる。媒体は、富栄養培地、最少培地、選択培地、および同種のものになりうる。いくつかの実施形態では、媒体は、複数のクローン細胞を含む、またはそれから本質的に成る。いくつかの実施形態では、培地は、少なくとも2つの種の混合物を含む。いくつかの実施形態では、細胞は、クローン細胞、病原体細胞、細菌細胞、ウイルス、植物細胞、動物細胞、昆虫細胞、および/またはそれらの組み合わせを含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、試料は水である。
【0081】
いくつかの実施形態では、試料はさらに、他の粒子材料を含むこともある。そのような粒子材料は、例えば、封入体(例えばセロイドまたはマロリー体)、細胞円柱(例えば顆粒円柱、硝子円柱、細胞円柱、蝋様円柱および偽円柱)、ピック体、レーヴィ体、神経原線維変化、筋原繊維形成、細胞残屑、および他の粒子材料であってもよい。いくつかの実施形態では、粒子材料は凝集タンパク質(例えばベータアミロイド)である。
【0082】
試料は、高いまたは低い導電率を含むいかなる導電率も有しうる。いくつかの実施形態では、導電率は、約1μS/mから約10mS/mまでである。いくつかの実施形態では、導電率は、約10μS/mから約10mS/mまでである。他の実施形態では、導電率は、約50μS/mから約10mS/mまでである。また他の実施形態では、導電率は、約100μS/mから約10mS/mまで、約100μS/mから約8mS/mまで、約100μS/mから約6mS/mまで、約100μS/mから約5mS/mまで、約100μS/mから約4mS/mまで、約100μS/mから約3mS/mまで、約100μS/mから約2mS/mまで、または約100μS/mから約1mS/mまでである。
【0083】
いくつかの実施形態では、導電率は約1μS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は約10μS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は約100μS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は約1mS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は約2mS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は約3mS/mである。また他の実施形態では、導電率は約4mS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は約5mS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は約10mS/mである。さらに別の実施形態では、導電率は約100mS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は約1S/mである。他の実施形態において、導電率は約10S/mである。
【0084】
いくつかの実施形態では、導電率は少なくとも1μS/mである。まだ他の実施形態では、導電率は少なくとも10μS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は少なくとも100μS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は少なくとも1mS/mである。さらなる実施形態では、導電率は少なくとも10mS/mである。まだ他の実施形態では、導電率は少なくとも100mS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は少なくとも1S/mである。いくつかの実施形態では、導電率は少なくとも10S/mである。いくつかの実施形態では、導電率は最大で1μS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は最大で10μS/mである。他の実施形態において、導電率は最大で100μS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は最大で1mS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は最大で10mS/mである。いくつかの実施形態では、導電率は最大で100mS/mである。まだ他の実施形態では、導電率は最大で1S/mである。いくつかの実施形態では、導電率は最大で10S/mである。
【0085】
いくつかの実施形態では、試料は、10ml未満を含む小容量の液体である。いくつかの実施形態では、試料は8ml未満である。いくつかの実施形態では、試料は5ml未満である。いくつかの実施形態では、試料は2ml未満である。いくつかの実施形態では、試料は1ml未満である。いくつかの実施形態では、試料は500μl未満である。いくつかの実施形態では、試料は200μl未満である。いくつかの実施形態では、試料は100μl未満である。いくつかの実施形態では、試料は50μl未満である。いくつかの実施形態では、試料は10μl未満である。いくつかの実施形態では、試料は5μl未満である。いくつかの実施形態では、試料は1μl未満である。
【0086】
いくつかの実施形態では、デバイスに適用される試料の量、または方法において使用される量は、約100,000,000個未満の細胞を含む。いくつかの実施形態では、試料は、約10,000,000個未満の細胞を含む。いくつかの実施形態では、試料は、約1,000,000個未満の細胞を含む。いくつかの実施形態では、試料は、約100,000個未満の細胞を含む。いくつかの実施形態では、試料は、約10,000個未満の細胞を含む。いくつかの実施形態では、試料は、約1,000個未満の細胞を含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたデバイス、システム、および方法を用いる、試料からの分析物の単離は、約30分未満、約20分未満、約15分未満、約10分未満、約5分未満、または約1分未満の時間を要する。他の実施形態において、本明細書に記載されたデバイス、システム、および方法を用いる、試料からの分析物の単離は、30分以下、約20分以下、約15分以下、約10分以下、約5分以下、約2分以下、または約1分以下の時間を要する。さらなる実施形態において、本明細書に記載されたデバイス、システム、および方法を用いる、試料からの分析物の単離は、約15分未満、好ましくは約10分未満、または約5分未満の時間を要する。
【0088】
一態様では、試料からナノスケールの分析物を単離するための方法が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、ナノスケールの分析物は、直径が1000nm未満である。他の実施形態では、ナノスケールの分析物は、直径が500nm未満である。いくつかの実施形態では、ナノスケールの分析物は、直径が250nm未満である。いくつかの実施形態では、ナノスケールの分析物は、直径が約100nmから約1000nmまでである。他の実施形態では、ナノスケールの分析物は、直径が約250nmから約800nmまでである。また他の実施形態では、ナノスケールの分析物は、直径が約300nmから約500nmまでである。
【0089】
いくつかの実施形態では、ナノスケールの分析物は、直径が1000μm未満である。他の実施形態では、ナノスケールの分析物は、直径が500μm未満である。いくつかの実施形態では、ナノスケールの分析物は、直径が250μm未満である。いくつかの実施形態では、ナノスケールの分析物は、直径が約100μmから約1000μmまでである。他の実施形態では、ナノスケールの分析物は、直径が約250μmから約800μmまでである。また他の実施形態では、ナノスケールの分析物は、直径が約300μmから約500μmまでである。
【0090】
いくつかの実施形態では、分析物は、ナノスケールではなく、そして、限定されないが、大型の細胞残屑、凝集タンパク質、エキソソーム、ミトコンドリア、核、核断片、ヌクレオソーム、小胞体(endoplasmic reticuli)、リソソーム、大型のリソソーム、脂質二重層ビヒクル、脂質単層ビヒクル、細胞膜、細胞膜フラグメントなどの細胞下の成分(subcellular components)、細胞膜、クロマチン断片、ヒストン複合体、エキソソーム、および小成分、例えば、タンパク質、mRNA、miRNA、siRNA、およびDNAを含む単一鎖および二本鎖の核酸を有するエキソソームを用いて複合化された細胞表面タンパク質、を含む材料を含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、本明細書において記述されるカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、任意の分析物を得る、単離する、または分離するために使用できる。いくつかの実施形態では、分析物は核酸である。他の実施形態において、本明細書に記載された方法、デバイス、およびシステムにより単離された核酸は、DNA(デオキシリボ核酸)、RNA(リボ核酸)、およびそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、分析物はタンパク質断片である。いくつかの実施形態では、核酸は、配列決定、または増幅、ライゲーション、もしくはクローニングを含む核酸のさらなる操作に適切な形状で単離される。
【0092】
様々な実施形態では、単離または分離された分析物は、少なくとも99質量%の他の材料から遊離した、少なくとも99質量%の残留する細胞物質から遊離した、少なくとも98質量%の他の材料から遊離した、少なくとも98質量%の残留する細胞物質から遊離した、少なくとも95質量%の他の材料から遊離した、少なくとも95質量%の残留する細胞物質から遊離した、少なくとも90質量%の他の材料から遊離した、少なくとも90質量%の残留する細胞物質から遊離した、少なくとも80質量%の他の材料から遊離した、少なくとも80質量%の残留する細胞物質から遊離した、少なくとも70質量%の他の材料から遊離した、少なくとも70質量%の残留する細胞物質から遊離した、少なくとも60質量%の他の材料から遊離した、少なくとも60質量%の残留する細胞物質から遊離した、少なくとも50質量%の他の材料から遊離した、少なくとも50質量%の残留する細胞物質から遊離した、少なくとも30質量%の他の材料から遊離した、少なくとも30質量%の残留する細胞物質から遊離した、少なくとも10質量%の他の材料から遊離した、少なくとも10質量%の残留する細胞物質から遊離した、少なくとも5質量%の他の材料から遊離した、または少なくとも5質量%の残留する細胞物質から遊離した、分析物を含む組成物である。
【0093】
様々な実施形態では、分析物は、任意の適切な純度を有する。例えば、酵素学的なアッセイが、約20%の残留する細胞物質を有する分析物試料を必要とする場合、80%までの分析物の単離が適切である。いくつかの実施形態では、単離された分析物は、約80質量%未満、約70質量%未満、約60質量%未満、約50質量%未満、約40質量%未満、約30質量%未満、約20質量%未満、約10質量%未満、約5質量%未満、または約2質量%未満の非分析物の細胞物質および/またはタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、単離された分析物は、約99質量%を超える、約98質量%を超える、約95質量%を超える、約90質量%を超える、約80質量%を超える、約70質量%を超える、約60質量%を超える、約50質量%を超える、約40質量%を超える、約30質量%を超える、約20質量%を超える、または約10質量%を超える分析物を含む。
【0094】
分析物は、未修飾の形状、誘導体化された形状、断片化された形状、断片化されていない形状、および同種の形状を含む、任意の適切な形状で単離される。いくつかの実施形態では、分析物が核酸であるとき、核酸は配列決定に適切な形状で採取される。いくつかの実施形態では、核酸は、ショットガン・シークエンシング法。増幅、または他の操作に適切な、断片化された形状で採取される。核酸は、例えば、合成方法による配列決定で使用されるようなヌクレオチドなどの、DNA配列決定手順で使用される試薬を含む溶液において、デバイスから採取されてもよい。
【0095】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された方法は、出発試料の分析物のおおよそ代表となる単離された分析物試料を結果としてもたらす。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたデバイスおよびシステムは、出発試料の分析物のおおよそ代表となる試料から分析物を単離できる。すなわち、方法により採取された分析物、またはデバイスまたはシステムにより採取可能な分析物の集団は、流体中の細胞に存在する分析物の集団に実質的に比例するいくつかの実施形態では、本態様は、流体が、多くの細胞型の複合混合物であり、そして開業医が、様々な細胞型の関連する集団を判定するための分析物に基づいた手順を望む用途において効果的である。
【0096】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された方法により単離された分析物は、少なくとも0.5ng/mLの濃度を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載された方法により単離された分析物は、少なくとも1ng/mLの濃度を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載された方法により単離された分析物は、少なくとも5ng/mLの濃度を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載された方法により単離された分析物は、少なくとも10ng/mLの濃度を有する。
【0097】
いくつかの実施形態では、約50ピコグラムの分析物は、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法を使用して、約5,000個の細胞を含む試料から単離される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、約5,000の細胞を含む試料から、少なくとも10ピコグラムの分析物を産出する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、約5,000の細胞を含む試料から、少なくとも20ピコグラムの分析物を産出する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、約5,000の細胞をから、少なくとも50ピコグラムの分析物を産出する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、約5,000の細胞を含む試料から、少なくとも75ピコグラムの分析物を産出する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、約5,000の細胞を含む試料から、少なくとも100ピコグラムの分析物を産出する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、約5,000の細胞を含む試料から、少なくとも200ピコグラムの分析物を産出する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、約5,000の細胞を含む試料から、少なくとも300ピコグラムの分析物を産出する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、約5,000の細胞を含む試料から、少なくとも400ピコグラムの分析物を産出する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、約5,000の細胞を含む試料から、少なくとも500ピコグラムの分析物を産出する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、約5,000の細胞を含む試料から、少なくとも1,000ピコグラムの分析物を産出する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、約5,000の細胞を含む試料から、少なくとも10,000ピコグラムの分析物を産出する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、約5,000の細胞を含む試料から、少なくとも20,000ピコグラムの分析物を産出する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、約5,000の細胞を含む試料から、少なくとも30,000ピコグラムの分析物を産出する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、約5,000の細胞を含む試料から、少なくとも40,000ピコグラムの分析物を産出する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、約5,000の細胞を含む試料から、少なくとも50,000ピコグラムの分析物を産出する。
【0098】
分析物が核酸であるとき、本明細書に記載された方法を使用して単離された核酸、または本明細書に記載されたデバイスにより単離が可能な核酸は、高品質であり、および/またはDNA配列決定、PCRなどの核酸増幅、もしくはライゲーション、クローニング、あるいはさらなる翻訳または形質転換アッセイなどの他の核酸操作、などの下流の手順において直接使用するのに適切である。いくつかの実施形態では、採取された核酸は、最大で0.01%のタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、採取された核酸は、最大で0.5%のタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、採取された核酸は、最大で0.1%のタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、採取された核酸は、最大で1%のタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、採取された核酸は、最大で2%のタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、採取された核酸は、最大で3%のタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、採取された核酸は、最大で4%のタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、採取された核酸は、最大で5%のタンパク質を含む。
【0099】
分析物が、タンパク質またはタンパク質断片であるとき、本明細書に記載した方法を使用して単離された、または本明細書に記載されたデバイスにより単離可能な、タンパク質またはタンパク質断片は、高品質であり、および/または下流の手順で直接使用するのに適している。いくつかの実施形態では、採取されたタンパク質またはタンパク質断片は、最大で0.01%の非標的タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、採取されたタンパク質またはタンパク質断片は、最大で0.5%の非標的タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、採取されたタンパク質またはタンパク質断片は、最大で0.1%の非標的タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、採取されたタンパク質またはタンパク質断片は、最大で1%の非標的タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、採取されたタンパク質またはタンパク質断片は、最大で2%の非標的タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、採取されたタンパク質またはタンパク質断片は、最大で3%の非標的タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、採取されたタンパク質またはタンパク質断片は、最大で4%の非標的タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、採取されたタンパク質またはタンパク質断片は、最大で5%の非標的タンパク質を含む。
【0100】
<残留物資の除去>
いくつかの実施形態では、分析物の単離の後に、方法は単離された分析物から残留物資を随意に洗い流す工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、分析物から残留物資を洗い流すのに適している流体を含むリザーバを、随意に含みうる。「残留物資」は、試料中に本来存在するもの、細胞中に本来存在するもの、手順の間に添加されたもの、限定されないが、細胞(例えば、無傷細胞または残留する細胞物質)を含むプロセスの任意の工程を通じて作成されたもの、および同種のものである。例えば、残留物資は、無傷細胞、細胞壁断片、タンパク質、脂質、炭水化物、無機質、塩、緩衝液、血漿、および同種のものを含む。いくつかの実施形態では、一定量の分析物は、残留物資を用いて洗い流される。
【0101】
いくつかの実施形態では、残留物資は、任意の適切な流体、例えば水、TBE緩衝液、または同種のものの中で洗い流される。いくつかの実施形態では、残留物資は、流体の任意の適切な容量で洗い流されるか、任意の適切な時間洗い流されるか、2種類以上の流体を用いて洗い流されるか、または他のいかなる変形形態である。いくつかの実施形態では、残留物資を洗い流す方法は、分析物の単離の所望のレベルに関し、高純度の分析物は、より厳重な洗い流すことおよび/または洗浄することを必要とする。他の実施形態において、残留物資を洗い流す方法は、特定の出発物質およびその組成物に関する。いくつかの例では、脂質が多い出発物質は、脂質を可溶化するのに適切な疎水性流体を伴う、洗い流し手順を必要とする。
【0102】
いくつかの実施形態では、方法は、残留タンパク質を含む残留物資を分解する工程を含む。いくつかの実施形態では、デバイスまたはシステムは、残留タンパク質を含む残留物資を分解可能である。例えば、タンパク質は、1つ以上の化学分解(例えば酸加水分解)および酵素学的な分解により分解される。いくつかの実施形態では、酵素学的な分解剤はプロテアーゼである。他の実施形態において、タンパク質分解剤はプロテイナーゼKである。残留物資の分解の随意の工程は、任意の適切な時間、温度、および同種のもので実施される。いくつかの実施形態では、分解された残留物資(分解タンパク質を含む)は、単離された分析物から洗い流される。
【0103】
いくつかの実施形態では、残留物資を分解するために使用された薬剤は、不活性化されるか分解される。いくつかの実施形態では、デバイスまたはシステムは、残留物資を分解するために使用された薬剤を分解可能であるか、または不活性化可能である。いくつかの実施形態では、残留物資を分解するために使用される酵素は、熱(例えば、50から95℃で5-15分間)により不活性化される。例えば、プロテアーゼ(例えば、プロテイナーゼK)を含む酵素は、熱(一般的には、15分、70℃)を使用して分解および/または不活性化される。残留タンパク質が酵素により分解される、いくつかの実施形態では、方法はさらに、タンパク質の分解後に、分解酵素(例えばプロテイナーゼK)を不活性化する工程を含む。いくつかの実施形態では、熱は、デバイス中の加熱モジュールにより提供される(温度範囲は、例えば30から95℃)。
【0104】
方法の特定の工程の順序および/または組み合わせは、変更されうる。いくつかの実施形態では、デバイスまたは方法は、任意の順序または組み合わせで、特定の工程を実施することができる。例えば、いくつかの実施形態では、残留物資および分解タンパク質は、別々か同時的な工程で洗い流される。すなわち、残留物資が洗い流され、その後、残留タンパク質が分解され、その後、単離された分析物から分解タンパク質が洗い流される。いくつかの実施形態では、残留タンパク質は、まず分解され、そしてその後、残留物資および分解タンパク質の両方は、組み合わせられた工程で分析物から洗い流される。
【0105】
いくつかの実施形態では、分析物は、デバイス中に保持され、そしてPCR、酵素学的なアッセイ、または分析物を分析するか、特徴づけるか、増幅する他の手順などのさらなる手順で随意に使用される。
【0106】
例えば、いくつかの実施形態では、単離された分析物は核酸であり、そして本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、単離された核酸上でPCRまたは他の随意の手順を実施可能である。他の実施形態において、核酸は、デバイスから採取および/または溶離される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、デバイスまたはシステムからの核酸の採取および/または溶離を可能にできる。いくつかの実施形態では、単離された核酸は、(i)第2の誘電泳動電界領域を遮断する;および(ii)溶離剤中のアレイから核酸を溶離する;ことによって採取される。典型的な溶離剤は、水、TE、TBE、およびL-ヒスチジン緩衝液を含む。
【0107】
<アッセイおよびアプリケーション>
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、酵素反応の実施を可能にしうる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、等温増幅、連結反応、制約分析、核酸クローニング、転写もしくは翻訳アッセイ、または他の酵素学に基づいた分子生物学的アッセイの実施を可能にしうる。
【0108】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された方法は、短い時間で実施され、デバイスは短い時間で操作され、そしてシステムは短い時間で操作される。いくつかの実施形態では、時間、デバイスへ流体の添加する工程と、単離された分析物を得る工程との間の時間から測定される「手順時間」に関連して短い。いくつかの実施形態では、手順時間は、3時間未満、2時間未満、1時間未満、30分未満、20分未満、10分、または5分未満である。別の態様では、人が、デバイスへ流体の添加する工程と単離された分析物を得る工程との間の手順に注意を払わなければならない、累積的な時間として測定される「実地時間(hands-on time)」に関する時間は、短い。いくつかの実施形態では、実地時間は、20分未満、10分未満、5分未満、1分未満、または30秒未満である。
【0109】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により単離された核酸を随意に増幅する工程を含みうる。いくつかの実施形態では、PCR反応は、電極のアレイ上もしくはその近くで、または本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法を用いて使用されるデバイスまたはシステムにおいて、実施される。いくつかの実施形態では、デバイスまたはシステムは、熱サイクルに適切なヒーターおよび/または温度制御機構を含む。
【0110】
PCRは、2つの効率的な熱伝導性要素(例えばアルミニウムまたは銀)の間に反応化学分析物を配置して、そしてTECを使用して反応温度を調節することにより、従来の熱サイクルを使用して随意に行われる。さらなる設計は、ガラスまたは熱硬化性樹脂(thermo polymer)のような透過性材料を介する赤外線加熱を、随意に使用する。いくつかの例では、設計は、基板を介して網状に繋げられた導電配線を含むスマートポリマーまたはスマートガラスを使用する。この導電配線は、材料の迅速な熱伝導性を可能にして、そして(適切なDC電圧を印加することにより)効率的なPCR反応を持続させるために必要とされる温度変化および温度勾配を提供する。ある例では、加熱は、抵抗性チップヒーター、および温度を急速に、かつ通過する電流の量に比例して変化させる他の抵抗素子を使用して適用される。さらなる他の方法は、核酸鋳型の十分な増幅のために、熱を必要としない(等温反応)。
【0111】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、従来の蛍光光度法(ccd、pmt、他の光学検出器、および光学フィルター)と合わせて使用されることがあり、倍の増幅(fold amplification)が、リアルタイムにまたはある時間間隔でモニタリングされる。ある例では、最終の倍の増幅の定量化は、AFU(倍化を分析するために相互に関連する任意の蛍光ユニット)に変換された、もしくはインピーダンス測定を介して電気信号に翻訳された光学的検出を介して、または他の電気化学的感知を介して報告される。
【0112】
いくつかの例では、光送達スキームは、光励起および/もしくは光学発光、ならびに/または倍の増幅の検出を提供するために活用される。特定の実施形態では、これは、外部部品を使用する必要を取り除くための光導波管として、フローセル材料(アクリル(PMMA)環状オレフィンポリマー(COP)、環状オレフィン共重合体(COC)等のような熱のポリマー)を使用することを含む。加えて、いくつかの例では、光源-発光ダイオード-LED、垂直共振器面発光レーザ-VCSEL、および他の照明スキームは、フローセルの内部で直接統合され、または微小電極アレイ表面上に直接構築されて、内部制御され動力が供給された光源を有する。小型のPMT、CCD、またはCMOS検出器もフローセルへと組み込まれうる。この最小化および小型化は、類似の従来のデバイス(すなわち標準的なベンチトップPCR/QPCR/蛍光測定器)のフットプリントを低減させながら、迅速な信号送達および検出が可能なコンパクトデバイスを可能にする。
【0113】
本明細書に開示される単離された試料はさらに、様々なアッセイフォーマットにおいて活用されうる。例えば、核酸プローブまたはアンプリコンと共に扱われるデバイスは、ドットブロット分析または逆ドットブロット分析、塩基スタッキング一塩基多型(SNP)分析、電子的なストリンジェンシー(electronic stringency)を用いるSNP分析において、またはSTR分析において活用されてもよい。加えて、本明細書に記載されたそのようなカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、例えば酵素的な報告(enzymatic reporting)を用いる遺伝子発現解析、固定された核酸増幅、または制限エンドヌクレアーゼ切断、endo-ヌクレアーゼまたはexo-ヌクレアーゼ切断、小溝結合タンパク質アッセイ、ターミナルトランスフェラーゼ反応、ポリヌクレオチドキナーゼもしくはホスファターゼ反応、リガーゼ反応、トポイソメラーゼ反応、および他の核酸の結合もしくは修飾タンパク質反応を含む、固相フォーマットに適切な他の核酸修飾などの、酵素的な核酸修飾、またはタンパク質-核酸相互作用のためのフォーマットで、活用されても良い。
【0114】
加えて、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、免疫学的アッセイにおいて有用でありうる。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法のいくつかは、サンドイッチアッセイ、競合アッセイまたは他のフォーマットにより体液試料中の抗体を分析するために、抗原(例えば、ペプチド、タンパク質、炭水化物、脂質、プロテオグリカン、糖タンパク質等)と共に、使用されうる。代替的に、デバイスの位置は、サンドイッチアッセイ、競合アッセイまたは他のアッセイフォーマットにより、試料中の抗原を検出するために、抗体と共に対処される。いくつかの実施形態では、単離された核酸は、免疫学的アッセイ型のアレイまたは核酸アレイで使用するに有用である。
【0115】
<流体カートリッジ>
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、流体カートリッジを使用する。いくつかの実施形態では、流体カートリッジは、入口ポート、試薬リザーバ、試料リザーバ、気泡トラップ、フローセル、廃棄リザーバ、および出口ポートを含み、各々は、流体チャネルにより接続される。いくつかの実施形態では、入口ポートは、試料を、流体カートリッジを通して移動させるために、そこへ圧力が印加される流体カートリッジへの開口部である。いくつかの実施形態では、出口ポートは、試料が流体カートリッジを通って移動することを可能にするように、そこを通ってガスが流体カートリッジを流れ出る、デバイスへの開口部である。いくつかの実施形態では、流体カートリッジは、電子チップを流体カートリッジと接続するためのチップアライメント構造(chip alignment feature)を含む。いくつかの実施形態では、チップアライメント構造は流体カートリッジへと成型される。いくつかの実施形態では、流体カートリッジは、コンパクトデバイスから電子チップまでの電気信号の通過のための開口部を含む、電気接点窓を含む。いくつかの実施形態では、電気接点窓には、電子チップと接触する電気接点に嵌合するようサイズ決めされた流体カートリッジ中に材料が存在しない。いくつかの実施形態では、流体カートリッジは、入口ポート、試料リザーバポート、廃棄リザーバポート、および試薬リザーバポートの少なくとも1つのへのアクセスを可能にする流体カートリッジを覆うスライダを含む。流体カートリッジは、分析物をアッセイするためのデバイスへと試料を移動させるために圧力を受けるように構成される。いくつかの実施形態では、圧力は入口ポートに印加される。いくつかの実施形態では、圧力は試薬リザーバポートに印加される。いくつかの実施形態では、圧力はポンプを用いて印加される。いくつかの実施形態では、ポンプは、シリンジ、蠕動ポンプ、またはピエゾポンプである。
【0116】
いくつかの実施形態では、流体カートリッジは、ポートのうちの1つに印加された圧力のない状態で、流体の流れを防止するようサイズ決めされた流体チャネルを含む。いくつかの実施形態では、流体チャネルの幅および高さが測定される。本明細書の幅は、流体カートリッジが載っている表面に平行な、流体チャネルの内部の測定値である。本明細書の高さは、流体カートリッジが載っている表面に垂直な、流体チャネルの内部で取られた測定値である。いくつかの実施形態では、高さは深さと同じ測定値である。いくつかの実施形態では、流体チャネルの幅は、訳1mmである。いくつかの実施形態では、流体チャネルの高さは、訳0.2mmである。いくつかの実施形態では、流体チャネルの幅は、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1.0、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.3、0.2、0.1、または0.05mm以下である。いくつかの実施形態では、流体チャネルの高さは、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1.0、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.3、0.2、0.1、または0.05mm以下である。いくつかの実施形態では、外圧が入口ポートで導入され、そして試料が一方向に移動するまで、試薬ポートおよび試料ポートへと装填された流体は含まれている。いくつかの実施形態では、流体カートリッジは、カートリッジからの液体の流出を防止するためのセルフシーリングフリットを含む。いくつかの実施形態では、セルフシーリングフリットは、アクリル、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ(エステルスルホン)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリウレタン、超高分子量(UHMW)ポリエチレンフリット、親水性ポリウレタン、親水性ポリウレア、または親水性ポリウレアウレタンを含む、セルフシーリングポリマーを含む。
【0117】
本明細書の流体カートリッジは、射出成形ポリマーから作られている。いくつかの実施形態では、流体カートリッジは、射出成形PMMA(アクリル)、環状オレフィン共重合体(COC)、環状オレフィンポリマー(COP)、またはポリカーボネート(PC)である。いくつかの実施形態では、気泡トラップの材料は、高レベルな光学的透明度、低い自家蛍光、低い水分/液体吸収、良好な機械的特性(圧縮強度、引張強さ、および曲げ強さ、ヤング率を含む)、および生体適合性のために選択される。
【0118】
<気泡トラップ>
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、気泡トラップである/気泡トラップを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、多数のトラップを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも12個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、少なくとも45個、または少なくとも50個の気泡トラップを含む。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、流体カートリッジが機能的な試料検出を得るために、ほとんどもしくは全く表面処理を必要としない。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、流体チャネルとして他のカートリッジコンポーネントに接続される。他の実施形態において、本明細書に記載されたカートリッジコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、流体チャネルにより互いに順次に接続された、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、または少なくとも10個の気泡トラップを含む。
【0119】
いくつかの実施形態では、気泡トラップは、気泡を捕らえるための任意の機能的な形状である。他の実施形態において、気泡トラップは、正方形、長方形、楕円形、円、三角形、台形、ひし形、五角形、六角形、八辺形、平行四辺形、または気泡を捕らえるために機能的な他のいかなる形状である。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さ、幅、および高さが測定される。本明細書の長さは、デバイスが載っている表面に平行な、流体の動きの方向の、気泡トラップの1つの側面に沿った測定値である。本明細書の幅は、デバイスが載っている表面に平行な、流体の動きの方向にわたる、気泡トラップの1つの側面に沿った測定値である。いくつかの実施形態では、長さは、幅よりも大きい。いくつかの実施形態では、幅は、長さよりも大きい。本明細書の高さは、デバイスが載っている表面に垂直な、気泡トラップの内部でとられる測定値である。いくつかの実施形態では、高さは深さと同じ測定値である。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、少なくとも3mm×3mm×1mm(幅×長さ×高さ)である。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、少なくとも3mm×5mm×1mm(幅×長さ×高さ)である。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、少なくとも5mm×8mm×3mm(幅×長さ×高さ)である。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、少なくとも7mm×10mm×5mm(幅×長さ×高さ)である。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、最大で10mm×10mm×5mm(幅×長さ×高さ)である。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、最大で7mm×10mm×5mm(幅×長さ×高さ)である。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、最大で5mm×8mm×3mm(幅×長さ×高さ)である。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、最大で5mm×5mm×3mm(幅×長さ×高さ)である。いくつかの実施形態では、気泡トラップは円形である。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、流体カートリッジの上から見おろすとき、円形の形状である。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、円筒体または球体の形状である。いくつかの実施形態では、気泡トラップの直径は、少なくとも3mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの直径は、少なくとも5mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの直径は、少なくとも7mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの直径は、少なくとも10mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの高さは、少なくとも1mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの高さは、少なくとも2mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの高さは、少なくとも3mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの高さは、少なくとも4mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの高さは、少なくとも5mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは、少なくとも3mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは、少なくとも4mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは、少なくとも5mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは、少なくとも6mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは、少なくとも7mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは、少なくとも8mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの長さは、少なくとも10mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの幅は、少なくとも3mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの幅は、少なくとも4mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの幅は、少なくとも5mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの幅は、少なくとも6mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの幅は、少なくとも7mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの幅は、少なくとも8mmである。いくつかの実施形態では、気泡トラップの幅は、少なくとも10mmである。また他の実施形態では、気泡トラップは、気泡を捕らえるのに適切な他のいかなる寸法である。他の実施形態において、1つの気泡トラップの容量は、カートリッジに固有の空隙よりも大きい。他の実施形態において、順次に接続される気泡トラップの全容積は、カートリッジに固有の空隙よりも大きい。
【0120】
いくつかの実施形態では、気泡トラップは、流体カートリッジの支持部(rest)と同じ材料で作られる。いくつかの実施形態では、気泡トラップは、射出成形PMMA(アクリル)、環状オレフィン共重合体(COC)、環状オレフィンポリマー(COP)、またはポリカーボネート(PC)である。いくつかの実施形態では、気泡トラップの材料は、高レベルな光学的透明度、低い自家蛍光、低い水分/液体吸収、良好な機械的特性(圧縮強度、引張強さ、および曲げ強さ、ヤング率を含む)、および生体適合性のために選択される。
【0121】
本質的に、その閾値は、気泡トラップの断面積が、そのトラップに到達しうる空気の気泡の予想される断面積よりも大きいという値である。一旦、気泡がトラップの断面積を充填することができるようにトラップ中の空気の量が十分に多くなると、その後、空気は流体運動と共に移動し、トラップを出ることができる。入口流体チャネルの断面積が約0.25mm2であり、そして気泡トラップの断面積が約8mm2であることが、本明細書において企図される。いくつかの実施形態では、入口流体チャネルの断面積は、約0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1、1.05、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、または2.0mm2である。いくつかの実施形態では、気泡トラップの断面積は、約0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、または12.0mm2である。いくつかの実施形態では、気泡トラップの断面積は、入口流体チャネルの断面積の少なくとも2倍である。
【0122】
<クローズドカートリッジシステム>
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたコンポーネント、カートリッジ、システム、および方法は、クローズドカートリッジシステムを活用する。他の実施形態において、本明細書に記載されたクローズドカートリッジシステムは、少なくとも1つのリザーバ、少なくとも1つのフィルター、およびセルフシーリングポリマーを含む1つ以上の空気の入口/出口を活用し、ここで、セルフシーリングポリマーは、少なくとも1つのリザーバ内の含まれており、液体との接触で作動させられる。いくつかの実施形態では、セルフシーリングポリマーは、アクリル、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ(エステルスルホン)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリウレタン、超高分子量(UHMW)ポリエチレンフリット、親水性ポリウレタン、親水性ポリウレア、または親水性ポリウレアウレタンを含む。さらに他の実施形態では、クローズドカートリッジシステムはさらに、リザーバ自体よりも小さな開口部を具備する空気の入口/出口ポートを含む。クローズドカートリッジシステムのいくつかの実施形態では、クローズドカートリッジシステムのフィルターは、多孔性のポリウレタンフィルターである。いくつかの実施形態では、クローズドカートリッジシステムのフィルターは、多孔性のナイロンフィルターである。クローズドカートリッジシステムのいくつかの実施形態では、作動させられないセルフシーリングポリマーは空気透過性であり、そして、作動させられるセルフシーリングポリマーは非空気透過性である。他の実施形態では、作動させられるセルフシーリングポリマーは、流体カートリッジコンポーネントから液体を漏れさせない。クローズドカートリッジシステムのさらに他の実施形態では、作動させられるセルフシーリングポリマーは、自己充足的で使い捨て可能な流体カートリッジをもたらす。いくつかの実施形態では、クローズドカートリッジシステムは、廃棄リザーバを含む。いくつかの実施形態では、廃棄リザーバは、体液を中和する流体を有する。いくつかの実施形態では、体液を中和する流体は10%の塩素系漂白剤を含む。いくつかの実施形態では、体液を中和する流体は、70%のエタノールまたは70%のイソプロパノールなどのイソプロパノールまたはエタノールなどのアルコールを含む。いくつかの実施形態では、中和する流体は、吸収パッドへと取り込まれる。
【0123】
<測定値>
いくつかの実施形態では、本明細書の測定値は、長さ、幅、および高さとして記載される。本明細書の長さは、デバイスまたはカートリッジが載っている表面に平行な、流体の動きの方向の、特徴の1つの側面に沿った測定値である。本明細書の幅は、デバイスまたはカートリッジが表面上に存在しているとき、デバイスまたはカートリッジが載っている表面に平行な、流体の動きの方向にわたる、1つの側面から反対側面までの測定値である。例えば、
図1の左から右までの流体の動きの観点から、長さは前進する流体移動の距離となり、幅はその観点からの左から右までであろう。いくつかの実施形態では、長さは、幅よりも大きい。いくつかの実施形態では、幅は、長さよりも大きい。本明細書の高さは、デバイスまたはカートリッジが表面上に存在しているとき、デバイスまたはカートリッジが載っている表面に垂直な、特徴の長さまたは幅のいずれかに沿ってとられた測定値である。いくつかの実施形態では、高さは深さと同じ測定値である。いくつかの実施形態では、高さまたは深さは、幅または長さ未満である。
【実施例】
【0124】
本発明の好ましい実施形態が本明細書中に示され記述された一方、そのような実施形態が一例としてしか提供されていないことは当業者にとって明白だろう。多くの変更、変化、および置換が、本発明から逸脱することなく当業者に想到されるであろう。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代案が、本発明の実施において利用されることもあることを理解されたい。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義するものであり、この特許請求の範囲内の方法および構造、ならびにそれらの同等物が、それらによって含まれることが意図されている。
【0125】
<実施例1:患者の試料中のDNAの検出>
血液の試料を個体から取り、試料投入ポート上に配する。試料は、毛管力により流体カートリッジへと引き寄せられる。流体カートリッジ上のスライダを、初期位置から最終位置に移動させ、外部環境から試料投入ポートを閉じる。その後、流体カートリッジを、アッセイのためのコンパクトデバイスへと挿入する。ポンプは、試料を、それが試薬リザーバからの試薬と混合される試験チャンバーへと移動させる。流体カートリッジ中の気泡トラップは、いかなる空気も試験チャンバーに入るのを防止する。電子チップは、試験チャンバーのDEP低領域へ移動させられる細胞、凝集タンパク質、およびエキソソームなどの、血液サンプル中のより大きい粒子から、試験チャンバーのDEP高電界領域へ、ナノ粒子DNA分子を単離するために、1分間、10kHzの正弦波で、14ボルトピークトゥピーク(Vp-p)を印加し、AC誘電泳動(DEP)高電界領域およびAC誘電泳動(DEP)低電界領域を確立する。試料試薬中の検出試薬は、DNA分子に特異的なサイバーグリーン標識を用いて、試料中のDNA分子を標識付けする。1分間の終了時に、画像は、コンパクトデバイスに接続されるスマートフォンのカメラを使用し、内視鏡レンズを使用して、光学経路を介して撮影される。スマートフォン上のアプリケーションが、コンパクトデバイスを制御して、画像を処理し、検出されるDNAのためのポジティブな結果を生成する。その結果は、米国HIPAA医療プライバシー法(US HIPAA medical privacy laws)に従って、個体および個体の医師がアクセス可能なオンラインデータベース中に記憶される。
【0126】
<実施例2:流体カートリッジ>
図1は、流体カートリッジ(1)の典型的な実施形態の上面図を示す。流体カートリッジ(1)は、入口ポート(2)、試薬リザーバ(3)、試料リザーバ(4)、気泡トラップ(5)、フローセル(6)、廃棄リザーバ(7)、および出口ポート(8)を含み、これら全ては、流体チャネル(9)により接続される。
図1の典型的な流体カートリッジは、チップアライメント構造(10)も含む。試料を、試料リザーバ(4)において流体カートリッジ(1)へと投入する。緩衝液などの試薬を押し流す圧力を、試薬リザーバ(3)から、入口ポート(2)へ印加し、その試薬を試料と混合する。試料混合物は、入口ポート(2)、試薬リザーバ(3)、試料リザーバ(4)、気泡トラップ(5)、フローセル(6)、廃棄リザーバ(7)、および出口ポート(8)の各々を接続する流体チャネル(9)を通って移動する。試料は、気泡トラップ(5)を通過し、流体カートリッジ(1)からいかなる捕らえられた空気も除去し、詰まりを回避し、そしてフローセル検出窓(6)中に妨げとなる気泡のない、分析物の検出を可能にする。試料は、分析物の存在のアッセイのためのフローセル(6)へと移る。アッセイからの廃棄物は、廃棄リザーバ(7)中に維持される。出口ポート(8)は、廃棄リザーバ(8)から捕らえられた空気を排出する。典型的な流体カートリッジ(1)は、流体カートリッジ中にシリコンチップが適切に整列されることを可能にするチップアライメント構造(10)を特徴とする。
【0127】
図2は、典型的な流体カートリッジ(1)の一部の断面図を示す。この図では、流体チャネル(9)により接続される、入口ポート(2)、試薬リザーバ(3)、および試料リザーバ(4)が存在する。セルフシーリングフリット(12)は、入口ポート(2)の真下に直接密封され、流体運動制御のために空気が通る(したがって、カートリッジの内部の圧力が操作される)ことを可能にする。試薬リザーバ(3)および試料リザーバ(4)は初めに大気に開放されており、ユーザーが前記試薬および試料を挿入することを可能し、そして挿入後、ユーザーは、適切なゴム、プラスチック、接着剤、または類似のもので、リザーバを塞ぐ。一旦これらのリザーバがふさがれると、流体運動の制御が可能であり、そしてセルフシーリングフリット(12)は、いかなる液体(特に生物学的に危険な試料)も、デバイスから出るのを防止する。
【0128】
図3は、典型的な流体カートリッジ(1)の一部分の断面図を示す。この図では、流体チャネル(9)により、流体カートリッジの支持部の上流および下流に接続される気泡トラップ(5)が存在する。
【0129】
図4は、典型的な流体カートリッジ(1)の一部分の断面図を示す。この図では、セルフシーリングフリット(12)によりふさがれた廃棄リザーバ(7)、および流体カートリッジ(1)の内部の圧力が操作されることを可能にする、廃棄リザーバ(7)から捕らえられた空気を排出するための出口ポート(8)が存在する。廃棄リザーバ(7)は、一旦流体がフローセルを通過したら、流体がとどまるためのスペースを与えるが、その流体がどうにかして(例えば、流体カートリッジが振られるまたは落とされて)出口ポートに到達する場合、セルフシーリングフリット(12)が、いかなる液体(例えば生物学的に危険な試料)もデバイスから出るのを防止する。流体チャネル(9)は、流体カートリッジの支持部との廃棄リザーバの流体連通を可能にする。
【0130】
<実施例3:コンパクトデバイスおよびシステム>
図5は、ヒンジ付きUSBアダプタ(102)、典型的な携帯型コンピューティングシステムまたは携帯電話(103)、スライダ(105)を備えるカートリッジ(104)を有する、典型的なコンパクトデバイス(101)の傾けられた上面図を示す。この典型的なコンパクトデバイス(101)は、携帯電話(103)を収容するようにサイズ決めされ、そして形作られたくぼんだ天板(110)を有する。ヒンジ付きUSBアダプタ(102)は、携帯電話(103)の電源ポートへ接続される。
【0131】
図6Aは、天板(110)、スライダ(105)を備えるカートリッジ(104)を有する、典型的なコンパクトデバイス(101)の側面図を示す。
【0132】
図6Bは、携帯電話(103)を受ける様に構成されるくぼんだ天板(110)を有する、典型的なコンパクトデバイス(101)の側面図を示す。コンパクトデバイス(101)は、カートリッジ(104)も有する。
【0133】
図6Cは、ヒンジ付きUSBアダプタ(102)、携帯電話(103)を受けるように構成されたくぼんだ天板(110)、およびスライダ(105)を備えるカートリッジ(104)を有する、典型的なコンパクトデバイス(101)の上面図を示す。ヒンジ付きUSBアダプタ(102)は、携帯電話(103)の電源ポートに接続される。
【0134】
図7Aは、ヒンジ付きUSBアダプタ(102)を介して接続される携帯電話(103)を備えるコンパクトデバイス(101)の上面図を示す。コンパクトデバイスは、スライダ(105)を備えるカートリッジ(104)も有する。
【0135】
図7Bは、携帯電話のないコンパクトデバイスの上面図を示す。この図は、USBコネクタ(109)を有するUSBアダプタ(102)と、光路窓(106)およびLED照明窓(107)を有し、携帯電話を受けるように構成されたくぼんだ天板(110)と、を示す。コンパクトデバイス(101)は、スライダ(105)を備えるカートリッジ(104)を有する。
【0136】
図8Aは、携帯電話(103)を受けるように位置付けられる、USBコネクタ(109)備えたヒンジ付きUSBアダプタ(102)を有するコンパクトデバイス(101)の傾けられた上面図を示す。コンパクトデバイス(101)は、光路窓(106)およびLED窓(107)を備えるくぼんだ天板(110)を有する。コンパクトデバイスは、スライダ(105)を備えるカートリッジ(104)も有する。
【0137】
図8Bは、携帯電話(103)に接続されたヒンジ付きUSBアダプタ(102)を有する、コンパクトデバイス(101)の傾けられた上面図を示す。コンパクトデバイス(101)は、光路窓(106)およびLED窓(107)を備えるくぼんだ天板(110)を有する。コンパクトデバイスは、スライダ(105)を備えるカートリッジ(104)を有する。
【0138】
図9Aは、携帯電話(103)に接続されたヒンジ付きUSBアダプタ(102)を有する、コンパクトデバイス(101)の上面図を示す。コンパクトデバイス(101)は、携帯電話(103)を受けるように構成されたくぼんだ天板(110)を有する。コンパクトデバイス(101)は、スライダ(105)を有するカートリッジ(104)を受けるように構成された、ヒンジ(112)を備える開いたカートリッジドア(111)も有する。
【0139】
図9Bは、携帯電話(103)に接続されたヒンジ付きUSBアダプタ(102)を有する、コンパクトデバイス(101)の上面図を示す。コンパクトデバイス(101)は、携帯電話(103)を受けるように構成されたくぼんだ天板(110)を有する。コンパクトデバイス(101)は、スライダ(105)を有するカートリッジ(104)を受ける、ヒンジ(112)を備える開いたカートリッジドア(111)も有する。
【0140】
図10Aは、携帯電話(103)に接続されたヒンジ付きUSBアダプタ(102)を有する、コンパクトデバイス(101)の傾けられた上面図を示す。コンパクトデバイス(101)は、携帯電話(103)を受けるように構成されたくぼんだ天板(110)を有する。コンパクトデバイス(101)は、スライダ(105)を有するカートリッジ(104)を受ける、ヒンジ(112)を備える部分的に開くカートリッジドア(111)も有する。
【0141】
図10Bは、携帯電話(103)に接続されたヒンジ付きUSBアダプタ(102)を有する、コンパクトデバイス(101)の傾けられた上面図を示す。コンパクトデバイス(101)は、携帯電話(103)を受けるように構成されたくぼんだ天板(110)を有する。コンパクトデバイス(101)は、スライダ(105)を有するカートリッジ(104)を受けるように構成された、ヒンジ(112)を備える部分的に開いたカートリッジドア(111)も有する。
【0142】
図11Aは、スライダ(105)、チップアライメント構造(113)、電気接点窓(114)、試料投入ポート(115)、および試料リザーバポート(117)を有するカートリッジ(104)の上面図を示す。スライダ(105)は、一旦試料がカートリッジ(104)へと入れると、試料投入ポート(115)および試料リザーバポート(117)を覆うように構成される。
【0143】
図11Bは、スライダ(105)を有するカートリッジ(104)の側面図を示す。
【0144】
図11Cは、スライダ(105)を有するカートリッジ(104)の側面図を示す。
【0145】
<実施例4:単一試料流体カートリッジ>
図12は、試料投入ポート(201)と、試料リザーバポート(202)と、廃棄リザーバポート(203)と、ポンプのインターフェース位置である試薬リザーバポート(204)と、試薬リザーバ(205)と、気泡トラップ(206)と、チップ(207)と、対照溶液チャンバー(208)と、試験チャンバー(209)と、チップアライメント構造(212)と、試料リザーバ(210)と、流体チャネル(211)とを有する、スライダのない典型的な単一試料流体カートリッジ(200)の上面図を示す。試薬リザーバ(204)におけるポンプのインターフェース位置で印加された圧力は、試験チャンバー(209)において分析物の測定を可能にする流体カートリッジ(200)中の流体チャネルを通って試料を移動させる。洗浄液/試薬を製造の際に洗浄液試薬チャンバー(205)へと装填し、対照溶液/試薬を製造の際に対照チャンバー(208)へと装填し、試料ポート(201)および試料リザーバポート(202)を大気に開放し、廃棄リザーバポート(203)および洗浄液リザーバポート(204)を閉じ、試料をユーザーにより試料ポート(201)へと挿入し、試料は、毛細管作用によって試料ポートと試料リザーバ(210)との間の流体ラインを充填し、過剰な試料は試料リザーバ(210)へと流れ、試料ポート(201)および試料リザーバポート(202)を閉じ、廃棄リザーバポート(203)および洗浄液リザーバポート(204)を大気に開放し、カートリッジをデバイスへと装填して、洗浄液リザーバポート(204)との流体インターフェースと、チップ(207)上の電気接点との電気的なインターフェースとを作成し、廃棄リザーバポート(203)を大気に開放したままにし、リザーバポート(204)を洗浄するために圧力を導入し、圧力により、洗浄液試薬を、試薬チャンバー(205)から、試薬チャンバー(205)と気泡トラップ(206)との間の流体ラインへと押し流し、予め試薬チャンバー(205)と気泡トラップ(206)との間の流体ラインへと装填した試料を、洗浄液試薬により気泡トラップ(206)の方へと押し流し、試料は気泡トラップ(206)を通って流れて、空気を除去し、電気信号がチップ(207)に適用される間に、試料はフローセル(209)を通って流れて、試料材料を取り込み、試料は廃棄リザーバ(212)へと流れ、洗浄液試薬は気泡トラップ(206)を通って流れて、空気を除去し、洗浄液試薬はフローセル(209)を通って流れて、取り込まれた試料材料を洗浄し、洗浄液試薬は廃棄リザーバ(212)へと流れ、対照チャンバー(208)およびフローセル(209)は同時に画像化されて、フローセル(209)内の採取された試料材料を定量化し、カートリッジを除去して、廃棄する。
【0146】
図13Aは、スライダ(303)を備える典型的な単一試料流体カートリッジ(304)の上面図を示す。この図では、スライダは初期位置にあり、試料投入ポート(301)および試料リザーバポート(302)は試料を投入するために露出される。この図は、チップアライメント構造(305)および電気接点窓(306)も示す。
【0147】
図13Bは、スライダ(303)を備える典型的な単一試料流体カートリッジ(304)の上面図を示す。この図では、スライダは最終位置にあり、廃棄リザーバポート(307)および試薬ポート(308)はポンプのインターフェースのために露出される。スライダ(303)は、そのカートリッジ(304)をコンパクトデバイスへと入れる前に、最終位置になければならない。この図は、チップアライメント構造(305)および電気接点窓(306)も示す。
【0148】
<実施例5:コンパクトデバイスおよびシステム>
図14Aは、携帯電話(401)などの任意のコンピューティングデバイスを用いて使用可能な、平坦な天板(403)を有するコンパクトデバイス(404)の上面図を示す。コンパクトデバイス(404)は、カートリッジスロットへと挿入されるカートリッジ(402)を有する。コンパクトデバイス(404)は携帯電話(401)に接続されない。
【0149】
図14Bは、平坦な天板(403)、携帯電話(401)、およびカートリッジスロット(図示せず)へと挿入されたカートリッジ(402)を有する、コンパクトデバイス(404)の側面図を示す。コンパクトデバイス(404)は携帯電話(401)に接続されない。
【0150】
図14Cは、平坦な天板(403)、携帯電話(401)、およびUSBポート(405)を有する、コンパクトデバイス(404)の側面図を示す。コンパクトデバイス(404)は携帯電話(401)に接続されない。
【0151】
図14Dは、平坦な天板(403)、携帯電話(401)、およびUSBポート(405)を有する、コンパクトデバイス(404)の傾けられた上面図を示す。コンパクトデバイス(404)は携帯電話(401)に接続されない。
【0152】
図15Aは、携帯電話(401)などの任意のコンピューティングデバイスを用いて使用可能な、平坦な天板(403)を有するコンパクトデバイス(404)の上面図を示す。コンパクトデバイス(404)は、カートリッジスロット(図示せず)へと挿入されるカートリッジ(402)を有する。コンパクトデバイス(404)は、USBコード(406)を用いて携帯電話(401)に接続される。
【0153】
図15Bは、平坦な天板(403)、携帯電話(401)、およびカートリッジスロット(図示せず)へと挿入されたカートリッジ(402)を有する、コンパクトデバイス(404)の側面図を示す。コンパクトデバイス(404)は、USBコード(406)を用いて携帯電話(401)に接続される。
【0154】
図15Cは、平坦な天板(403)、USBコードを用いてコンパクトデバイス(404)に接続される携帯電話(401)を有する、コンパクトデバイス(404)の側面図を示す。
【0155】
図15Dは、平坦な天板(403)、携帯電話(401)、USBコードを用いてコンパクトデバイス(404)に接続される携帯電話(401)を有する、コンパクトデバイス(404)の傾けられた上面図を示す。
【0156】
図16Aは、携帯電話(401)などの任意のコンピューティングデバイスを用いて使用可能な、平坦な天板(403)を有するコンパクトデバイス(404)の傾けられた上面図を示す。コンパクトデバイス(404)は、カートリッジ(402)を受けるように構成されるカートリッジスロット(407)も有する。コンパクトデバイス(404)は、USBコード(406)を用いて携帯電話(401)に接続される。カートリッジは、試料を試験するためにカートリッジスロットへと挿入される。カートリッジ(402)は、カートリッジスロット(407)へとカートリッジ(402)を押して、取り外すことにより、カートリッジスロット(407)から取り出される。
【0157】
図16Bは、平坦な天板(403)、USBコードを用いてコンパクトデバイス(404)に接続される携帯電話(401)を有する、コンパクトデバイス(404)の側面図を示す。カートリッジスロットへの挿入前のカートリッジ(402)が示される。
【0158】
図16Cは、平坦な天板(403)、USBコードを用いてコンパクトデバイス(404)に接続される携帯電話(401)を有する、コンパクトデバイス(404)の側面図を示す。カートリッジスロットへと挿入されたカートリッジ(402)が示される。