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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】油煙捕集装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/06 20060101AFI20221221BHJP
   F24F 13/24 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
F24F7/06 101A
F24F13/24 242
F24F13/24 245
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021140361
(22)【出願日】2021-08-30
(62)【分割の表示】P 2019234421の分割
【原出願日】2017-08-10
(65)【公開番号】P2021183904
(43)【公開日】2021-12-02
【審査請求日】2021-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000237374
【氏名又は名称】富士工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 寛之
【審査官】▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106568109(CN,A)
【文献】特開平04-159500(JP,A)
【文献】特開2008-169826(JP,A)
【文献】特開平06-300338(JP,A)
【文献】国際公開第2008/053867(WO,A1)
【文献】特開2007-093136(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/06
F24F 13/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
前記モータの回転軸に取り付けられ、空気の流れを発生させるファンと、
前記ファンを内部に含むファンケーシングと、
を備える油煙捕集装置であって、
前記ファンケーシングは、
前記空気を吸入する吸入口と、
前記空気を排出する排出口と、
前記吸入口と対向するように設けられた連通口と、
を有し、
前記連通口を挟んで、前記吸入口とは反対側に吸音材を備え、
前記連通口は、前記ファンと前記吸音材とを空間的に連通させ、
前記連通口の外縁は、前記ファンの外径と同じまたは前記ファンの外径より内側に位置するように設けられ、
前記吸音材よりも前記吸入口から離れる方に位置する第2空間を有し、
前記第2空間は閉じられた空間であることを特徴とする油煙捕集装置。
【請求項2】
前記第2空間は、音を減衰するように囲われた空間であることを特徴とする請求項1に記載の油煙捕集装置。
【請求項3】
前記吸音材は、前記連通口との間に第1空間をもって設けられることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の油煙捕集装置。
【請求項4】
前記ファンは、前記回転軸と接続される動力伝達板と前記動力伝達板の周囲に複数のフィンを有し、
前記動力伝達板は、前記複数のフィンと接続されるリング部と、前記回転軸と接続される中心部と、前記中心部と前記リング部の間に設けられたスポーク部と、前記リング部と前記中心部と前記スポーク部に囲われた複数の動力伝達板開口部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の油煙捕集装置。
【請求項5】
前記動力伝達板は、前記回転軸方向において、前記ファンの中央位置より前記連通口側に設けられることを特徴とする請求項4に記載の油煙捕集装置。
【請求項6】
前記モータの少なくとも一部は、前記ファンの最も前記連通口側の部分よりも前記吸入口から離れる方に位置するように設けることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の油煙捕集装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油煙捕集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、レンジフードなどの油煙捕集装置の送風機(ファン)で発生する音が室内に伝わらないように、油煙捕集装置の内部に防音対策を施した油煙捕集装置が提案されている。たとえば、特許文献1は、全面と下面を開口し内部に送風機を設けた箱体状のフード本体と、このフード本体の前面を覆うように設けたフロントフードと、有底筒状で内面に吸音材を貼付し底部近傍の円筒部に吸込口を有し、開口側端部を送風機吸込口に連通接続した遮音筒とからなるレンジフードを開示する。このレンジフードは、内側に吸音材を貼った遮音筒を送風機の吸込口に備え、送風機から発生した音は遮音筒の内部を吸音材に吸音されながら伝播することで、レンジフード外部に音が伝播する時には音が減衰しているため、在室者に不快感を与えないようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開平03-052534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のレンジフード(油煙捕集装置)では、遮音筒が送風機の吸込口に設けられているために通気抵抗が増大し、レンジフード(油煙捕集装置)の吸気や排気の性能が悪くなり、遮音筒が設けられていることによる新たな騒音が発生する恐れがある。また、送風機の吸込口は、油分を含んだ空気の流路となるため、油で汚れやすく、頻繁に清掃を行わなければならないという問題があった。
そこで、本発明では、吸排気の性能および清掃性を低減させることがなく、ファンで発生する騒音が室内に伝わることを抑制した油煙捕集装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、モータと、前記モータの回転軸に取り付けられ、空気の流れを発生させるファンと、前記ファンを内部に含むファンケーシングと、を備える油煙捕集装置であって、前記ファンケーシングは、前記空気を吸入する吸入口と、前記空気を排出する排出口と、前記吸入口と対向するように設けられた連通口と、を有し、前記連通口を挟んで、前記吸入口とは反対側に吸音材を備え、前記連通口は、前記ファンと前記吸音材とを空間的に連通させ、前記連通口の外縁は、前記ファンの外径と同じまたは前記ファンの外径より内側に位置するように設けられ、前記吸音材よりも前記吸入口から離れる方に位置する第2空間を有し、前記第2空間は閉じられた空間であることを特徴とする油煙捕集装置が提供される。
これによれば、ファンと吸音材とを空間的に連通させた連通口を設けると共に油分を含む空気の流れの流路外に吸音材を設けることで、吸音材が汚れることが無くかつ空気の流れの抵抗になることもないので、吸排気の性能および清掃性を低減させることがなく、ファンで発生する騒音が室内に伝わることを抑制した油煙捕集装置を提供することができる。
【0006】
さらに、吸音材は、連通口との間に第1空間をもって設けられることを特徴としてもよい。
これによれば、吸音材が連通口との間に第1空間をもって設けられることで、連通口から音が広がって伝播するため、より広い面積で吸音することができ、効率的に吸音することができる。
【0007】
さらに、ファンは、回転軸と接続される動力伝達板と動力伝達板の周囲に複数のフィンを有し、動力伝達板は、複数のフィンと接続されるリング部と、回転軸と接続される中心部と、中心部とリング部の間に設けられたスポーク部と、リング部と中心部とスポーク部に囲われた複数の動力伝達板開口部を有することを特徴としてもよい。
これによれば、動力伝達板に開口部を設けることで、連通口の方へ音が伝播しやすくなり、より吸音できるようになる。
【0008】
さらに、動力伝達板は、回転軸方向において、ファンの中央位置より連通口側に設けられることを特徴としてもよい。
これによれば、動力伝達板がファンの中央位置より連通口側に設けられることで、空気の排気時に動力伝達板が抵抗にならないため、より効率よく排気できるとともに、騒音を低減できる。また、動力伝達板と吸音材との距離が近くなるため、動力伝達板で発生する音をより効率よく吸音することができる。
【0009】
さらに、モータの少なくとも一部は、ファンの最も連通口側の部分よりも吸入口から離れる方に位置するように設けることを特徴としてもよい。
これによれば、モータの少なくとも一部は、ファンの最も連通口側の部分よりも吸入口から離れる方に位置するように設けることで、空気の排気時にモータが抵抗にならないため、より効率よく排気できるとともに、騒音を低減できる。また、モータと吸音材との距離が近くなるため、モータで発生する音をより効率よく吸音することができる。
【0010】
さらに、吸音材よりも吸入口から離れる方に位置する第2空間を有するようにし、第2空間は閉じられた空間であることを特徴としてもよい。
これによれば、第2空間が閉じられているため第2空間へ伝播した音が第2空間の外へ逃げにくく、より効率的に吸音することができる。
すなわち、モータと、前記モータの回転軸に取り付けられ、空気の流れを発生させるファンと、前記ファンを内部に含むファンケーシングと、を備える油煙捕集装置であって、前記ファンケーシングは、前記空気を吸入する吸入口と、前記空気を排出する排出口と、前記吸入口と対向するように設けられた連通口と、を有し、前記連通口を挟んで、前記吸入口とは反対側に吸音材を備え、前記連通口は、前記ファンと前記吸音材とを空間的に連通させ、前記連通口の外縁は、前記ファンの外径と同じまたは前記ファンの外径より内側に位置するように設けられ、前記吸音材よりも前記吸入口から離れる方に位置する第2空間を有し、前記第2空間は閉じられた空間であることを特徴とする油煙捕集装置とすることができる。
これによれば、吸音材を挟んで連通口の反対側に音を減衰するように囲われた第2空間を設けることで、吸音材で吸音しきれなかった音をカバー内部へ伝播するようにすることで、吸音しきれなかった音をカバー内での反射によって吸音し、油煙捕集装置外へ伝播することを防止することができる。
【0011】
さらに、第2空間は、音を減衰するように囲われた空間であることを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明によれば、排気の性能および清掃性を低減させることがなく、ファンで発生する騒音が室内に伝わることを抑制した油煙捕集装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る第一実施例のレンジフードの6面図。(A)上面図、(B)正面図、(C)底面図、(D)右側面図、(E)背面図、(F)左側面図。
図2】本発明に係る第一実施例のレンジフードの、(A)図1に示したA-A断面における断面図、(B)吸音材付近の拡大断面図。
図3】本発明に係る第一実施例のレンジフードの、(A)図1に示したB-B断面における断面図、(B)吸音材付近の拡大断面図。
図4】本発明に係る第一実施例の変形例のレンジフードの、(A)図1に示したA-A断面における断面図、(B)吸音材付近の拡大断面図。
図5】本発明に係る第一実施例の変形例のレンジフードの、(A)図1に示したB-B断面における断面図、(B)吸音材付近の拡大断面図。
図6】本発明に係る第二実施例のレンジフードの6面図。(A)上面図、(B)正面図、(C)底面図、(D)右側面図、(E)背面図、(F)左側面図。
図7】本発明に係る第二実施例のレンジフードの、(A)図6に示したA-A断面における断面図、(B)吸音材付近の拡大断面図。
図8】本発明に係る第二実施例のレンジフードの、(A)図6に示したB-B断面における断面図、(B)吸音材付近の拡大断面図。
図9】本発明に係る第三実施例のレンジフードの、(A)上面図、(B)正面図、(C)底面図、(D)右側面図、(E)左側面図、(F)右斜上からの斜視図、(G)右斜下からの斜視図、(H)左斜上からの斜視図、(I)左斜下からの斜視図。
図10】本発明に係る第三実施例のレンジフードの、図9に示したA-A断面における断面図。
図11】本発明に係る第三実施例の変形例のレンジフードの、図9に示したA-A断面における断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、図面を参照しながら、本発明に係る各実施例について説明する。
<第一実施例>
図1乃至図3を参照し、本実施例に係る、レンジフード1に設けられた油煙捕集装置100を説明する。レンジフード1は、調理器(図示せず)の周囲に設置され、調理により発生する湯気や油煙等を捕集し、ダクト接続部6が接続されるダクト(図示せず)を介して屋外へ排気するレンジフードである。レンジフード1は、ダクト接続部6を有する本体2と、本体2の上面に接続されモータ30の一部と吸音材40を内部に有するカバー50と、湯気や油煙等を捕集するための、上方に凹状の内面パネル4を内面に有する薄型のフード部3と、内面パネル4との間で空気を整流するための整流板5とを備える。フード部3は、内面パネル4に設けられた吸込み口7で連通するように本体2と連結される。
【0015】
油煙捕集装置100は、本体2とカバー50の内部に備えられる。油煙捕集装置100は、モータ30と、モータ30の回転軸31に取り付けられ、空気の流れを発生させるファン20と、ファン20を内部に含むファンケーシング10とを備える。モータ30は、本実施例の油煙捕集装置100の室内に設置されるレンジフード1に備えられているので、交流モータが好ましいが、これに限定されず、屋外などで使用できる直流モータであってもよい。ファン20は、静圧の高いシロッコファンであり、本実施例では下方にある吸込み口7から油煙等を含む空気を吸い込み、水平方向に向けての排気流を形成する。ファン20は、モータ30の回転軸31と接続される動力伝達板21と、動力伝達板21の周囲に複数のフィンを有する。
【0016】
ファンケーシング10は、空気を吸入する吸入口11と、吸入口11から吸入した空気を排出する排出口12と、吸入口11と対向するように設けられた連通口13とを備える。モータ30が通電し、ファンケーシング10の内部にあるファン20が回転すると、整流板5と内面パネル4の間にある隙間から油煙等を含む空気が吸い込まれる。その空気は、内面パネル4のほぼ中央部に開けられた吸込み口7を経由して吸入口11からファンケーシング10内部に吸入される。ファンケーシング10内に吸入された空気に含まれる油分は、ファン20のフィン22に衝突・付着することで、空気から取り除かれる。油分が取り除かれた空気は、ファン20の遠心方向(水平方向)に排気流を形成し、排出口12から排出される。ファン20が回転することで生ずる空気の流れ(流路)は、吸入口11で下から上への方向で吸入されて、そこから遠心方向の水平方向に変わり、排出口12から排出されるという流れ(流路)である。
【0017】
連通口13は、ファンケーシング10の下面に設けられた吸入口11と対向するように、ファンケーシング10の上面に設けられている。連通口13の下側にはファン20が配置され、連通口13の上側にはモータ30の本体が配置され、モータ30の回転軸31が連通口13を横切るように配置されている。なお、モータ30は、ファンケーシング10の上面に取り付けられ、連通口13を跨ぐようにして設けられたモータ取付具32によりモータ30の本体の下から1/3の高さの辺りで支持されている。モータ取付具32は、B-B断面のみに表されているように(図3(B))、モータ30を支持できる程度の帯状をなす。連通口13の外縁Eは、ファン20の外径Lから形成される縁と同じまたはファン20の外径Lから形成される縁より内側すなわち回転軸31寄りに位置するように設けられる。
【0018】
本実施例では、連通口13の上側にはモータ30の本体が配置され、モータ30の回転軸31が連通口13を横切るように配置されているが、これに限定されず、モータ30の本体がファン20の内部に入るように配置されてもよい。しかし、本実施例のように、モータ30の少なくとも一部が、ファン20の最も連通口13側の部分Pよりも吸入口11から離れる方に位置するように設けることで、空気の排気時にモータ30が抵抗にならないため、より効率よく排気できるとともに、騒音を低減できる。また、モータ30と吸音材40との距離が近くなるため、モータ30で発生する音をより効率よく吸音することができる。
【0019】
吸音材40は、連通口13を挟んで、吸入口11とは反対側であって、モータ取付具32の下面、すなわちモータ取付具32より連通口13側に、ほぼカバー50の内部を覆うようにして設けられる。このように吸音材40を設けることで、連通口13は、ファン20と吸音材40と空間的に連通させる。すなわち、音の発生源となるファン20のフィン22と吸音材40は、連通口13を介して空間的に連通された位置関係となる。また、連通口13は、ファン20よりモータ30側(上側)にあるので、上述した空気の流路上にはなく、ましてやそのような連通口13よりもさらに上側にあり、空気が流れ込まないカバー50内に配置された吸音材40は、上述した空気の流路上にはないため油煙等を含む空気が入り込まない位置に配置されている。吸音材40は、たとえば、吸音部材や吸音共鳴部材を指し、非限定的な例としては、グラスウール、ロックウール、金属繊維等からなる繊維状吸音部材や、ウレタンフォーム、メラミンフォーム、粉末焼結等からなる多孔質吸音部材や、有孔板、ヘルムホルツ型吸音器、サイドブランチなどの干渉型消音器等からなる空間内の音の干渉を利用した部材などが挙げられる。
【0020】
このように、音が伝わり易くするためにファン20と吸音材40とを空間的に連通させた連通口13を設けると共に、油分を含む空気の流れの流路外に吸音材40を設けることで、吸音材40が汚れることが無くかつ空気の流れの抵抗になることもないので、吸排気の性能および清掃性を低減させることがなく、ファン20で発生する騒音が室内に伝わることを抑制した油煙捕集装置100を提供することができる。
【0021】
また、吸音材40は、連通口13との間に第1空間S1をもって設けられる。すなわち、連通口13はモータ30の回転軸31を横切る位置に設けられ、吸音材40はモータ30の本体の下から1/3程度の高さにあるので、カバー50の内面に亘ってモータ30の本体の高さの1/3程度の第1空間S1が設けられている。このように、吸音材40が連通口13との間に第1空間S1をもって設けられることで、仮に吸音材40と連通口13の間に音の伝播を遮る障害物があったとしても、連通口13から音が広がって伝播するため、より広い面積で吸音することができ、効率的に吸音することができる。なお、吸音材40は、複数枚積層して設けられてもよい。この場合、吸音材40と吸音材40の間には隙間(空間)を設ける方が好ましい。また、吸音材40の縁は、連通口13の外縁Eよりも外側(回転軸31から離れる側)に位置することが好ましい。これにより、連通口13からファンケーシング10外部に伝播した音をより効率的に吸音することができる。
【0022】
また、油煙捕集装置100は、吸音材40よりも吸入口11から離れる方すなわち上方に位置し、吸音材40の両端で第1空間S1と連通した第2空間S2を形成するように、カバー50を備える。このように、吸音材40を挟んで連通口13の反対側に一部に第1空間S1と連通した第2空間S2を設けることで、第2空間は、音を減衰するように囲われた空間であるということができる。「音を減衰するように囲われた」とは、吸音材の背面に空間があり、空間内に入射した音が反射して干渉し合うことで音が減衰するように吸音材背面に囲われた空間が存在するという意味である。これによれば、吸音材を挟んで連通口の反対側に音を減衰するように囲われた第2空間を設けることで、吸音材で吸音しきれなかった音をカバー内部へ伝播するようにすることで、吸音しきれなかった音をカバー内での反射によって吸音し、油煙捕集装置外へ伝播することを防止することができる。なお、吸音材はカバーとの間、吸音材とモータとの間に隙間を有しており、第2空間は閉じられていない空間となっているが、これに限らず、隙間が生じず第2空間は閉じられた空間であっても良い。これによれば、第2空間が閉じられているため第2空間へ伝播した音が第2空間の外へ逃げにくく、より効率的に吸音することができる。
【0023】
また、ファン20は、回転軸31と接続される動力伝達板21と動力伝達板21の周囲に複数のフィン22を有しているところ、動力伝達板21は、動力伝達板21の最も外周を形成し、複数のフィン22と接続されるリング部211と、回転軸31と実際に接続される中心部212と、中心部212とリング部211の間に設けられたスポーク部213と、リング部211と中心部212とスポーク部213に囲われた複数の動力伝達板開口部214を有する。たとえば、スポーク部213が3つならば動力伝達板開口部214も3つであり、スポーク部213が4つならば動力伝達板開口部214も4つである。スポーク部213は中心部212からリング部211へモータ30の回転駆動力を伝えるための強度が必要とされるが、動力伝達板21における開口率を高めるため動力伝達板開口部214の総面積が小さくならないようにスポーク部213の幅は狭い方が好ましい。このように、動力伝達板21に動力伝達板開口部214を設けることで、連通口13の方へファン20の音が伝播しやすくなり、より吸音できるようになる。
【0024】
また、本実施例では、動力伝達板21は、回転軸31の方向において、ファン20の最も連通口13側に位置しているが、これに限定されず、ファン20の中央位置より連通口13側に設けられてもよい。このように、動力伝達板21がファン20の中央位置より連通口13側に設けられることで、空気の排気時に動力伝達板21が抵抗にならないため、より効率よく排気できるとともに、騒音を低減できる。また、動力伝達板21と吸音材40との距離が近くなるため、動力伝達板21で発生する音をより効率よく吸音することができる。
【0025】
<第一実施例の変形例>
図4乃至図5を参照し、本実施例に係る、レンジフード1’に設けられた油煙捕集装置100’を説明する。なお、重複記載を避けるため、上記実施例と異なる点を中心に説明する。レンジフード1’は、ダクト接続部6を有する本体2と、本体2の上面に接続されモータ30の一部を内部に有するカバー50と、湯気や油煙等を捕集するための、上方に凹状の内面パネル4を内面に有する薄型のフード部3と、内面パネル4との間で空気を整流するための整流板5とを備える。
【0026】
油煙捕集装置100’は、本体2とカバー50の内部に備えられる。油煙捕集装置100’は、モータ30と、モータ30の回転軸31に取り付けられ、空気の流れを発生させるファン20と、ファン20を内部に含むファンケーシング10とを備える。ファン20は、静圧の高いシロッコファンであり、本実施例では下方にある吸込み口7から油煙等を含む空気を吸い込み、水平方向に向けての排気流を形成する。ファン20は、モータ30の回転軸31と接続される動力伝達板21と、動力伝達板21の周囲に複数のフィンを有する。
【0027】
ファンケーシング10は、空気を吸入する吸入口11と、吸入口11から吸入した空気を排出する排出口12と、吸入口11と対向するように設けられた連通口13とを備える。モータ30が通電し、ファンケーシング10の内部にあるファン20が回転すると、整流板5と内面パネル4の間にある隙間から油煙等を含む空気が吸い込まれる。その空気は、内面パネル4のほぼ中央部に開けられた吸込み口7を経由して吸入口11からファンケーシング10内部に吸入される。ファンケーシング10内に吸入された空気に含まれる油分は、ファン20のフィン22に衝突・付着することで、空気から取り除かれる。油分が取り除かれた空気は、ファン20の遠心方向(水平方向)に排気流を形成し、排出口12から排出される。ファン20が回転することで生ずる空気の流れ(流路)は、吸入口11で下から上への方向で吸入されて、そこから遠心方向の水平方向に変わり、排出口12から排出されるという流れ(流路)である。
【0028】
連通口13は、ファンケーシング10の下面に設けられた吸入口11と対向するように、ファンケーシング10の上面に設けられている。連通口13の下側にはファン20が配置され、連通口13の上側にはモータ30の本体が配置され、モータ30の回転軸31が連通口13を横切るように配置されている。連通口13の外縁Eは、ファン20の外径Lから形成される縁と同じまたはファン20の外径Lから形成される縁より内側すなわち回転軸31寄りに位置するように設けられる。
【0029】
吸音材40’は、連通口13を挟んで、吸入口11とは反対側であって、カバー50との接続部辺りの本体2の内面側に、カバー50よりも大きい範囲で設けられる。このように吸音材40’を設けることで、連通口13は、ファン20と吸音材40’と空間的に連通させる。すなわち、音の発生源となるファン20のフィン22と吸音材40’は、連通口13を介して空間的に連通された位置関係となる。また、連通口13は、ファン20よりモータ30側(上側)にあるので、上述した空気の流路上にはなく、そのような連通口13よりもさらに上側に配置された吸音材40’は、上述した空気の流路上にはない位置に配置されている。
【0030】
このように、音が伝わり易くするためにファン20と吸音材40’とを空間的に連通させた連通口13を設けると共に、油分を含む空気の流れの流路外に吸音材40’設けることで、吸音材40’が汚れることが無くかつ空気の流れの抵抗になることもないので、吸排気の性能および清掃性を低減させることがなく、ファン20で発生する騒音が室内に伝わることを抑制した油煙捕集装置100’を提供することができる。
【0031】
また、吸音材40’は、連通口13との間に第1空間S1をもって設けられる。すなわち、吸音材40’は本体2の内面側に設けられるので、連通口13と吸音材40’の間に第1空間S1が設けられている。このように、吸音材40’が連通口13との間に第1空間S1をもって設けられることで、連通口13から音が広がって伝播するため、より広い面積で吸音することができ、効率的に吸音することができる。また、吸音材40’の縁は、連通口13の外縁Eよりも外側(回転軸31から離れる側)に位置することが好ましい。これにより、連通口13からファンケーシング10外部に伝播した音をより効率的に吸音することができる。
【0032】
また、油煙捕集装置100’は、吸音材40’よりも吸入口11から離れる方すなわち上方に位置して閉じられた第2空間S2を形成するように、カバー50を備える。このように、吸音材40’を挟んで連通口13の反対側に閉じられた第2空間S2を設けることで、吸音材40’で吸音しきれなかった音をカバー50の内部へ伝播するようにすることで、吸音しきれなかった音をカバー50内での反射によって吸音し、油煙捕集装置100’外へ伝播することを防止することができる。
【0033】
<第二実施例>
図6乃至図8を参照し、本実施例に係る、レンジフード1Aに設けられた油煙捕集装置100Aを説明する。なお、重複記載を避けるため、上記実施例と異なる点を中心に説明する。レンジフード1Aは、ダクト接続部6を有し、油煙捕集装置100Aを内部に備える本体2Aと、湯気や油煙等を捕集するための、上方に凹状の内面パネル4を内面に有する薄型のフード部3と、内面パネル4との間で空気を整流するための整流板5とを備える。フード部3は、内面パネル4に設けられた吸込み口7で連通するように本体2Aと連結される。
【0034】
油煙捕集装置100Aは、本体2Aの内部に備えられる。油煙捕集装置100Aは、モータ30と、モータ30の回転軸31に取り付けられ、空気の流れを発生させるファン20と、ファン20を内部に含むファンケーシング10とを備える。ファン20は、静圧の高いシロッコファンであり、本実施例では下方にある吸込み口7から油煙等を含む空気を吸い込み、水平方向に向けての排気流を形成する。ファン20は、モータ30の回転軸31と接続される動力伝達板21と、動力伝達板21の周囲に複数のフィンを有する。
【0035】
ファンケーシング10は、空気を吸入する吸入口11と、吸入口11から吸入した空気を排出する排出口12と、吸入口11と対向するように設けられた連通口13とを備える。モータ30が通電し、ファンケーシング10の内部にあるファン20が回転すると、整流板5と内面パネル4の間にある隙間から油煙等を含む空気が吸い込まれる。その空気は、内面パネル4のほぼ中央部に開けられた吸込み口7を経由して吸入口11からファンケーシング10内部に吸入される。ファンケーシング10内に吸入された空気に含まれる油分は、ファン20のフィン22に衝突・付着しすることで、空気から取り除かれる。油分が取り除かれた空気は、ファン20の遠心方向(水平方向)に排気流を形成し、排出口12から排出される。ファン20が回転することで生ずる空気の流れ(流路)は、吸入口11で下から上への方向で吸入されて、そこから遠心方向の水平方向に変わり、排出口12から排出されるという流れ(流路)である。
【0036】
連通口13は、ファンケーシング10の下面に設けられた吸入口11と対向するように、ファンケーシング10の上面に設けられている。連通口13の下側にはファン20が配置され、連通口13の上側にはモータ30の本体が配置され、モータ30の回転軸31が連通口13を横切るように配置されている。連通口13の外縁Eは、ファン20の外径Lから形成される縁と同じまたはファン20の外径Lから形成される縁より内側すなわち回転軸31寄りに位置するように設けられる。
【0037】
本実施例では、連通口13の上側にはモータ30の本体が配置され、モータ30の回転軸31が連通口13を横切るように配置されているが、これに限定されず、モータ30の本体がファン20の内部に入るように配置されてもよい。しかし、本実施例のように、モータ30の少なくとも一部が、ファン20の最も連通口13側の部分Pよりも吸入口11から離れる方に位置するように設けることで、空気の排気時にモータ30が抵抗にならないため、より効率よく排気できるとともに、騒音を低減できる。また、モータ30と吸音材40Aとの距離が近くなるため、モータ30で発生する音をより効率よく吸音することができる。
【0038】
吸音材40Aは、連通口13を挟んで、吸入口11とは反対側であって、モータ30の本体を横切るようにほぼ本体2Aの内部を覆うようにして設けられる。このように吸音材40Aを設けることで、連通口13は、ファン20と吸音材40Aと空間的に連通させる。すなわち、音の発生源となるファン20のフィン22と吸音材40Aは、連通口13を介して空間的に連通された位置関係となる。また、連通口13は、ファン20よりモータ30側(上側)にあるので、上述した空気の流路上にはなく、ましてやそのような連通口13よりもさらに上側にあり、空気が流れ込まない本体2A内に配置された吸音材40Aは、上述した空気の流路上にはないため油煙等を含む空気が入り込まない位置に配置されている。
【0039】
このように、音が伝わり易くするためにファン20と吸音材40Aとを空間的に連通させた連通口13を設けると共に、油分を含む空気の流れの流路外に吸音材40Aを設けることで、吸音材40Aが汚れることが無くかつ空気の流れの抵抗になることもないので、吸排気の性能および清掃性を低減させることがなく、ファン20で発生する騒音が室内に伝わることを抑制した油煙捕集装置100Aを提供することができる。
【0040】
また、吸音材40Aは、連通口13との間に第1空間S1をもって設けられる。すなわち、連通口13はモータ30の回転軸31を横切る位置に設けられ、吸音材40Aはモータ30の本体を横切るように配置されているので、本体2Aの内面に亘ってモータ30の本体の高さの1/3程度の第1空間S1が設けられている。このように、吸音材40Aが連通口13との間に第1空間S1をもって設けられることで、連通口13から音が広がって伝播するため、より広い面積で吸音することができ、効率的に吸音することができる。
【0041】
また、油煙捕集装置100Aは、吸音材40Aよりも吸入口11から離れる方すなわち上方に位置して閉じられた第2空間S2を形成するように、本体2Aの内部で吸音材40Aが配置される。このように、吸音材40Aを挟んで連通口13の反対側に閉じられた第2空間S2を設けることで、吸音材40Aで吸音しきれなかった音を本体2Aの内部へ伝播するようにすることで、吸音しきれなかった音を本体2A内での反射によって吸音し、油煙捕集装置100A外へ伝播することを防止することができる。
【0042】
<第三実施例>
図9乃至図10を参照し、本実施例に係る、レンジフード1Bに設けられた油煙捕集装置100Bを説明する。なお、重複記載を避けるため、上記実施例と異なる点を中心に説明する。レンジフード1Bは、ダクト接続部6を有し、油煙捕集装置100Bを内部に備える本体2Bと、湯気や油煙等を捕集するための、上方に凹状の内面パネル4を内面に有する薄型のフード部3と、内面パネル4との間で空気を整流するための整流板5とを備える。フード部3は、内面パネル4に設けられた吸込み口7で連通するように本体2Bと連結される。
【0043】
油煙捕集装置100Bは、本体2Bの内部に備えられる。油煙捕集装置100Bは、モータ30と、モータ30の回転軸31に取り付けられ、空気の流れを発生させるファン20と、ファン20を内部に含むファンケーシング10Bとを備える。モータ30は、上記実施例とは異なり、回転軸31が水平方向になるように設けられている。ファン20は、静圧の高いシロッコファンであり、本実施例では下方にある吸込み口7から油煙等を含む空気を吸い込み、垂直方向に向けての排気流を形成する。ファン20は、モータ30の回転軸31と接続される動力伝達板21と、動力伝達板21の周囲に複数のフィンを有する。
【0044】
ファンケーシング10Bは、空気を吸入する吸入口11と、吸入口11から吸入した空気を排出する排出口と、吸入口11と対向するように設けられた連通口13とを備える。モータ30が通電し、ファンケーシング10Bの内部にあるファン20が回転すると、整流板5と内面パネル4の間にある隙間から油煙等を含む空気が吸い込まれる。その空気は、内面パネル4のほぼ中央部に開けられた吸込み口7および煙道8を経由してほぼ垂直方向に開けられた吸入口11からファンケーシング10B内部に吸入される。ファンケーシング10B内に吸入された空気に含まれる油分は、ファン20のフィン22に衝突・付着しすることで、空気から取り除かれる。油分が取り除かれた空気は、ファン20の遠心方向(垂直方向)に排気流を形成し、排出口から排出される。ファン20が回転することで生ずる空気の流れ(流路)は、吸入口11で正面側から背面側への方向(図10の図視で左から右の方向)で吸入されて、そこから遠心方向の垂直方向に変わり、排出口から排出されるという流れ(流路)である。
【0045】
連通口13は、ファンケーシング10Bの正面側の面に設けられた吸入口11と対向するように、ファンケーシング10Bの背面側の面に設けられている。連通口13の正面側にはファン20が配置され、連通口13の背面側にはモータ30の本体が配置され、モータ30の回転軸31が連通口13を横切るように配置されている。連通口13の外縁は、ファン20の外径から形成される縁と同じまたはファン20の外径から形成される縁より内側すなわち回転軸31寄りに位置するように設けられる。
【0046】
吸音材40Bは、連通口13を挟んで、吸入口11とは反対側であって、本体2Bの背面側の内面全面に接するように設けられる。このように吸音材40Bを設けることで、連通口13は、ファン20と吸音材40Bと空間的に連通させる。すなわち、音の発生源となるファン20のフィン22と吸音材40Bは、連通口13を介して空間的に連通された位置関係となる。また、連通口13は、ファン20よりモータ30側(背面側)にあるので、上述した空気の流路上にはなく、ましてやそのような連通口13よりもさらに背面側にあり、空気が流れ込まない本体2B内であって背面側の内面に接するように配置された吸音材40Bは、上述した空気の流路上にはないため油煙等を含む空気が入り込まない位置に配置されている。
【0047】
このように、音が伝わり易くするためにファン20と吸音材40Bとを空間的に連通させた連通口13を設けると共に、油分を含む空気の流れの流路外に吸音材40Bを設けることで、吸音材40Bが汚れることが無くかつ空気の流れの抵抗になることもないので、吸排気の性能および清掃性を低減させることがなく、ファン20で発生する騒音が室内に伝わることを抑制した油煙捕集装置100Bを提供することができる。
【0048】
また、吸音材40Bは、連通口13との間に第1空間S1をもって設けられる。すなわち、連通口13はモータ30の回転軸31を横切る位置に設けられ、吸音材40Bは本体2Bの背面側の内面全面に接するように配置されているので、連通口13より背面側の本体2Bの内面に亘って第1空間S1が設けられている。このように、吸音材40Bが連通口13との間に第1空間S1をもって設けられることで、連通口13から音が広がって伝播するため、より広い面積で吸音することができ、効率的に吸音することができる。
【0049】
<第三実施例の変形例>
図11を参照し、本実施例に係る、レンジフード1B’に設けられた油煙捕集装置100B’を説明する。なお、重複記載を避けるため、上記実施例と異なる点を中心に説明する。レンジフード1B’は、以下に述べる、本体2Bの中における吸音材40B’の配置以外は、上述の第三実施例と同じである。
【0050】
吸音材40B’は、連通口13を挟んで、吸入口11とは反対側であって、本体2Bの背面側であって内面とは接しないように設けられる。このように吸音材40B’を設けることで、連通口13は、ファン20と吸音材40B’と空間的に連通させる。すなわち、音の発生源となるファン20のフィン22と吸音材40B’は、連通口13を介して空間的に連通された位置関係となる。また、連通口13は、ファン20よりモータ30側(背面側)にあるので、上述した空気の流路上にはなく、ましてやそのような連通口13よりもさらに背面側にあり、空気が流れ込まない本体2B内に配置された吸音材40B’は、上述した空気の流路上にはないため油煙等を含む空気が入り込まない位置に配置されている。
【0051】
このように、音が伝わり易くするためにファン20と吸音材40B’とを空間的に連通させた連通口13を設けると共に、油分を含む空気の流れの流路外に吸音材40B’を設けることで、吸音材40B’が汚れることが無くかつ空気の流れの抵抗になることもないので、吸排気の性能および清掃性を低減させることがなく、ファン20で発生する騒音が室内に伝わることを抑制した油煙捕集装置100B’を提供することができる。
【0052】
また、吸音材40B’は、連通口13との間に第1空間S1をもって設けられる。すなわち、連通口13はモータ30の回転軸31を横切る位置に設けられ、吸音材40B’は本体2Bの背面側であってモータ30の背面に近接して配置されているので、連通口13より背面側の本体2Bのモータ30の本体の幅に亘って第1空間S1が設けられている。このように、吸音材40B’が連通口13との間に第1空間S1をもって設けられることで、連通口13から音が広がって伝播するため、より広い面積で吸音することができ、効率的に吸音することができる。
【0053】
また、油煙捕集装置100B’は、吸音材40B’よりも吸入口11から離れる方すなわち背面側の方に位置して閉じられた第2空間S2を形成するように、本体2Bの内部で吸音材40B’が配置される。このように、吸音材40B’を挟んで連通口13の反対側に閉じられた第2空間S2を設けることで、吸音材40B’で吸音しきれなかった音を本体2Bの内部へ伝播するようにすることで、吸音しきれなかった音を本体2B内での反射によって吸音し、油煙捕集装置100B’外へ伝播することを防止することができる。なお、本実施例では、第2空間S2は閉じられているが、一部に第1空間S1と連通していてもよい。
【0054】
なお、本発明は、例示した実施例に限定するものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
【0055】
たとえば、上述した油煙捕集装置は、すべてレンジフードに備えられたものであるが、食卓の上方に設けられる電灯の中に備えられてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 レンジフード
2 本体
3 フード部
4 内面パネル
5 整流板
6 ダクト接続部
7 吸込み口
8 煙道
100 油煙捕集装置
10 ファンケーシング
11 吸入口
12 排出口
13 連通口
20 ファン
21 動力伝達板
211 リング部
212 中心部
213 スポーク部
214 動力伝達板開口部
22 フィン
30 モータ
31 回転軸
32 モータ取付具
40 吸音材
50 カバー
S1 第1空間
S2 第2空間
E 連通口の外縁
L ファンの外径
P ファンの最も連通口側の部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11