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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】遺失物返還支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20120101AFI20221221BHJP
【FI】
G06Q50/26
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021567521
(86)(22)【出願日】2020-12-23
(86)【国際出願番号】 JP2020048118
(87)【国際公開番号】W WO2021132312
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-07-05
(31)【優先権主張番号】P 2019233184
(32)【優先日】2019-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519458820
【氏名又は名称】株式会社プライムページ
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(72)【発明者】
【氏名】洞地 一徳
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 剛
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-210197(JP,A)
【文献】特開2007-280296(JP,A)
【文献】国際公開第2019/188314(WO,A1)
【文献】特開2014-059774(JP,A)
【文献】特開2015-056880(JP,A)
【文献】特開2011-253353(JP,A)
【文献】特開2005-011153(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0378877(US,A1)
【文献】特開2010-092124(JP,A)
【文献】特開2004-030485(JP,A)
【文献】特開2016-118898(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遺失物の返還を支援するシステムであって、
所有者の所有物には前記所有物を特定する所有物情報に基づいて作成された第1情報を示す第1コードが貼付され、
前記所有者を特定する所有者情報に基づいて第2情報を作成し、当該第2情報を示す第2コードを前記所有者の携帯端末に送信するコード発行部と、
前記第1情報と前記第2情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記遺失物に貼付されている第1コードから読み取った第1情報、及び、前記遺失物の引取者の携帯端末に表示された第3コードから読み取った第情報を受信する受信部と、
前記第3コードが前記第2コードと同一であることによって、前記記憶部において前記第1情報及び前記第情報が対応付けられていることになる場合に、前記遺失物が前記引取者の前記所有物であると判定する判定部と、
を備えることを特徴とする遺失物返還支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の遺失物返還支援システムであって、
前記第1情報は、前記所有物情報に関数を適用して作成されること、
を特徴とする遺失物返還支援システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の遺失物返還支援システムであって、
前記第2情報は、前記所有者情報に関数を適用して作成されること、
を特徴とする遺失物返還支援システム。
【請求項4】
請求項2に記載の遺失物返還支援システムであって、
前記第2情報は、前記第1情報及び前記所有者を特定する情報に前記関数を適用して作成されること、
を特徴とする遺失物返還支援システム。
【請求項5】
請求項1に記載の遺失物返還支援システムであって、
前記第1コードには、前記第1情報を含む第1URLが符号化されており、
前記第2コードには、前記第2情報を含む第2URLが符号化されており、
前記遺失物の管理者の管理者端末が、前記遺失物に貼付されている前記第1コードから前記第1情報を読み取り、前記引取者の前記携帯端末に表示された前記第3コードから前記第情報を読み取り、
前記判定部は、前記第3コードが前記第2コードと同一であることによって、前記管理者端末から前記第1URL及び前記第2URLへのアクセスを受け付けたことに応じて、前記遺失物が前記引取者の前記所有物であることを判定すること、
を特徴とする遺失物返還支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遺失物の所有者への返還を支援するための遺失物返還支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
外出等をした際に、自身が所有する物品をどこかに忘れたり落としたりして遺失した場合、その物品を探すことが容易でない場合が多い。また、近年では、所有物に自分の名前や住所などを記載しておくことはプライバシーの面から望ましくないと考える傾向があり、名前など個人を特定できる情報を記載しないことが多いため、遺失物が自分の手元に戻ってくる可能性がより低くなっている。このような状況を改善するための方策として、例えば特許文献1には、遺失物を所有者に戻すためのシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-84032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、遺失物の返還にあたっては、受け取りに来た人が当該遺失物の所有者であることの確認を確実に行ったうえで返還をする必要がある。しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、遺失物を受け取りに来た人がその遺失物の所有者であることの確認を確実に行うことができない、という問題がある。
【0005】
本発明はこのような背景に鑑みてなされたものであり、遺失物の所有者への返還を支援することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、遺失物の返還を支援するシステムであって、所有者の所有物には前記所有物を特定する所有物情報を示す第1コードが貼付され、前記所有者を特定する所有者情報と前記所有者の前記所有物を特定する前記所有物情報とを対応付けて記憶する記憶部と、前記所有者の携帯端末に前記所有者を特定する前記所有者情報を示す第2コードを送信する送信部と、前記遺失物に貼付されているコードから読み取った第1情報、及び、前記遺失物の引取者の携帯端末に表示されたコードから読み取った第2情報を受信する受信部と、前記記憶部において前記第1情報及び前記第2情報が対応付けられているか否かにより、前記遺失物が前記引取者の前記所有物であることを判定する判定部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、その従たる発明として、前記遺失物返還支援システムにおいて、前記第1情報は、前記所有物を特定する情報に関数を適用して作成されること、を含んでいてよい。
【0008】
また、本発明は、その従たる発明として、前記遺失物返還支援システムにおいて、前記第2情報は、前記所有者を特定する情報に関数を適用して作成されること、を含んでいてもよい。この場合、さらに前記第2情報は、前記第1情報及び前記所有者を特定する情報に前記関数を適用して作成されること、を含んでいてもよい。
【0009】
また、本発明は、その従たる発明として、前記遺失物返還支援システムにおいて、前記第1コードには、前記第1情報を含む第1URLが符号化されており、前記第2コードには、前記第2情報を含む第2URLが符号化されており、前記遺失物の管理者の管理者端末が、前記遺失物に貼付されているコードから前記第1情報を読み取り、前記引取者の前記携帯端末に表示されたコードから前記第2情報を読み取り、前記判定部は、前記管理者端末から前記第1URL及び前記第2URLへのアクセスを受け付けたことに応じて、前記遺失物が前記引取者の前記所有物であることを判定すること、を含んでいてもよい。
【0010】
その他の本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、遺失物の所有者への返還を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態の遺失物返還支援システムにおける遺失物の返還について説明する図である。
図2】本発明の一実施形態に係る遺失物返還支援システムの全体構成例を示す図である。
図3】ランダム文字列A及びランダム文字列Bを説明する図である。
図4】所有物22の登録処理の流れを説明する図である。
図5】所有物22の登録処理に用いられる画面51の一例を示す図である。
図6】所有物22の紛失時における処理の流れを示す図である。
図7】所有物22の紛失時に用いられる画面52の一例を示す図である。
図8】遺失物22の拾得時における処理の流れを示す図である。
図9】遺失物22の拾得時に用いられる画面53の一例を示す図である。
図10】遺失物22の受け取り時における処理の流れを示す図である。
図11】遺失物22の受け取り時に用いられる管理者端末4の画面54の一例を示す図である。
図12】遺失物22の受け取り時に用いられる所有者端末2の画面55の一例を示す図である。
図13】所有者21の確認が行われたときの管理者端末4の画面56の一例を示す図である。
図14】コンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
[項目1](引取者の正当性判定:サーバ)
遺失物の返還を支援するシステムであって、
所有者の所有物には前記所有物を特定する所有物情報を示す第1コードが貼付され、
前記所有者を特定する所有者情報と前記所有者の前記所有物を特定する前記所有物情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記所有者の携帯端末に前記所有者を特定する前記所有者情報を示す第2コードを送信する送信部と、
前記遺失物に貼付されているコードから読み取った第1情報、及び、前記遺失物の引取者の携帯端末に表示されたコードから読み取った第2情報を受信する受信部と、
前記記憶部において前記第1情報及び前記第2情報が対応付けられているか否かにより、前記遺失物が前記引取者の前記所有物であることを判定する判定部と、
を備えることを特徴とする遺失物返還支援システム。
[項目2](ハッシュ値:アイテムID→ランダム文字列A)
項目1に記載の遺失物返還支援システムであって、
前記第1情報は、前記所有物を特定する情報に関数を適用して作成されること、
を特徴とする遺失物返還支援システム。
[項目3](ハッシュ値:ユーザID→ランダム文字列B)
項目1又は2に記載の遺失物返還支援システムであって、
前記第2情報は、前記所有者を特定する情報に関数を適用して作成されること、
を特徴とする遺失物返還支援システム。
[項目4](ハッシュ値:ランダム文字列A+ユーザID→ランダム文字列B)
項目2に記載の遺失物返還支援システムであって、
前記第2情報は、前記第1情報及び前記所有者を特定する情報に前記関数を適用して作成されること、
を特徴とする遺失物返還支援システム。
[項目5](URL)
項目1に記載の遺失物返還支援システムであって、
前記第1コードには、前記第1情報を含む第1URLが符号化されており、
前記第2コードには、前記第2情報を含む第2URLが符号化されており、
前記遺失物の管理者の管理者端末が、前記遺失物に貼付されているコードから前記第1情報を読み取り、前記引取者の前記携帯端末に表示されたコードから前記第2情報を読み取り、
前記判定部は、前記管理者端末から前記第1URL及び前記第2URLへのアクセスを受け付けたことに応じて、前記遺失物が前記引取者の前記所有物であることを判定すること、
を特徴とする遺失物返還支援システム。
【0014】
<システムの概要>
以下、本発明の一実施形態に係る遺失物返還支援システムについて説明する。本実施形態の遺失物返還支援システムでは、遺失物を所有者に返還することを支援しようとするものである。図1は、本実施形態の遺失物返還支援システムにおける遺失物の返還について説明する図である。本実施形態の遺失物返還支援システムでは、所有者21は事前にその所有物22にQRコード(登録商標)等のコードA23を貼付しておく。拾得者31が拾得物22を遺失物管理センターの従業員などの管理者41に届けると、管理者41はスマートフォンなどの管理者端末4で拾得物22に貼付してあるコードA23を読み取り、後述するサーバ1にアクセスする。サーバ1からは所有者端末2に通知がなされるとともに、照合用のコードB24が発行される。所有者21は遺失物管理センサー等を訪問し、所有者端末2に表示された照合用のコードB24を管理者41に提示し、管理者41は管理者端末4を操作して、遺失物22のコードA23と、所有者端末2のコードB24とを読み取り、サーバ1においてこれらの照合が行われ、照合に成功したことが管理者端末4に応答されると、管理者41は引取りにきた所有者21に遺失物22を返還することができる。
【0015】
図2は、本発明の一実施形態に係る遺失物返還支援システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の遺失物返還支援システムシステムは、所有者21の所有物22を管理するサーバ1を含んで構成される。サーバ1は、所有者の所有者端末2、拾得者31の拾得者端末3及び遺失物の管理者41の管理者端末4のそれぞれと、通信ネットワーク5を介して通信可能に接続される。通信ネットワーク5は、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0016】
<サーバ1>
サーバ1は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0017】
サーバ1は、アイテム情報受信部111、アイテム情報送信部112、拾得情報受信部113、発見通知送信部114、所有者確認部115、引渡完了通知受信部116、アイテム情報記憶部131を備える。
【0018】
アイテム情報記憶部131は、所有者21からその所有物22に関する情報(以下、アイテム情報という。)を記憶する。アイテム情報には、ユーザである所有者21を特定するための情報(ユーザID)及び所有物22を特定するための情報(アイテムID)に対応付けて、ステータス、アイテム名、メモ、対応方法、写真、ランダム文字列A、拾得情報、ランダム文字列B、有効期限が含まれる。ステータスは、所有物22の状況を表す情報であり、本実施形態では、例えば「通常」又は「紛失中」のいずれかとすることができる。アイテム名は、所有物22の名称であり、所有者21が任意に設定することができる。メモは、所有物22に関する任意の情報であり、所有者21が任意に設定することができる。メモには、例えば、所有物21の型番や色など外観上の特徴を含めることができる。対応方法は、所有物22を紛失した場合に、その所有物22を拾得した拾得者31に対して、拾得物22をどのように取り扱って欲しいかを表すテキスト情報とすることができる。対応方法には、例えば、発見した場所だけを連絡した欲しい、警察や遺失物管理センター等に持ち込んで欲しい、メッセージで連絡して欲しい、電話をして欲しいなどの要望を指定することができる。写真は、所有物22を撮影した画像とすることができる。ランダム文字列Aは、システム内でユニークな文字列である。ランダム文字列Aは、たとえば、ユーザIDのハッシュ値などとしてもよい。拾得情報は、拾得者31が所有物22を拾得した場合に入力可能な情報である。ランダム文字列Bは、システム内でユニークな文字列である。ランダム文字列Bは、例えば、ステータスが「紛失中」に変更されたときに発行される。ランダム文字列Bは、例えば、ランダム文字列Aと、ユーザIDと、紛失時とを連結した文字列のハッシュ値とすることができる。有効期限は、ランダム文字列Bの有効期限であり、ステータスが「紛失中」に変更されてから所定の時間後とすることができる。図3は、ランダム文字列A及びランダム文字列Bを説明する図である。同図に示すようにし、コードA23に符号化されるURLには、ランダム文字列Aが引数として与えられ、コードB24に符号化されるURLには、ランダム文字列Bが引数として与えられ、このランダム文字列Bは、ランダム文字列Aと、ユーザ情報の一部(ユーザIDなど)と、有効期限とを連結した文字列のハッシュ値とすることができる。
【0019】
アイテム情報受信部111は、所有者端末2からアイテム情報を受信する。アイテム情報受信部111は、受信したアイテム情報をアイテム情報記憶部131に登録することができる。
【0020】
アイテム情報送信部112は、所有者端末2にアイテム情報を送信する。アイテム情報送信部112は、アイテム情報記憶部131に登録されているアイテム情報のうち、所有者端末2の所有者21を特定するユーザIDに対応するものを全て読み出して所有者端末2に送信するようにしてもよいし、所有者端末2から検索条件を受信して、アイテム情報記憶部131に登録されているアイテム情報のうち、所有者端末2の所有者21を特定するユーザIDに対応するとともに、検索条件にもマッチするものを読み出して所有者端末2に送信するようにしてもよい。アイテム情報送信部112は、所有者端末2からのリクエスト(以下、アイテム情報取得要求という。)に応じて、アイテム情報取得要求に設定されているユーザIDに対応するアイテム情報を送信することができる。また、アイテム情報送信部112は、拾得者端末3からのアクセス(アイテム情報取得要求)に応じて、アイテム情報の対応方法を送信することができる。アイテム情報送信部112は、拾得者端末3に対して、拾得物(所有物)22に関する情報(以下、拾得物情報という。)の入力画面を送信することもできる。所有者端末2からのアクセスであるか、拾得者端末3からのアクセスであるかは、例えば、ユーザ認証を行ったか否かにより判定することができる。
【0021】
拾得情報受信部113は、拾得者端末3から拾得情報を受信する。拾得者端末3は、所有物22に貼付されているQRコード(登録商標)を読み取ったURLにアクセスし、アクセス先に拾得情報を送信することができる。所有物22に貼付されているQRコード(登録商標)に符号化されているURLには、ランダム文字列Aが埋め込まれており、拾得情報受信部113は、ランダム文字列Aに対応するユーザID及びアイテムIDを特定し、特定したユーザID及びアイテムIDに対応するアイテム情報に、受信した拾得情報を設定するように、アイテム情報記憶部131を更新することができる。
【0022】
発見通知送信部114は、所有物22が発見されたことを所有者端末2に通知する。例えば、発見通知送信部114が拾得者31が拾得者端末3を用いてランダム文字列Aが埋め込まれたURLにアクセスしたことを契機として、発見通知送信部114は、ランダム文字列Aに対応するユーザIDが示す所有者21に対して、所有物22が発見されたことを示す通知(以下、発見通知という。)を送信することができる。発見通知送信部114は、発見通知を送信する前に、ランダム文字列Bを発行し、発行したランダム文字列Bとともに有効期限を、拾得情報に対応するアイテム情報に設定することができる。発行通知送信部114は、例えば、ランダム文字列Aと、ユーザIDと、有効期限とに基づくハッシュ値をランダム文字列Bとすることができる。
【0023】
所有者確認部115は、所有者21を確認する処理を行う。所有者確認部115は、遺失物(拾得物、所有物)22に貼付されているコードA23と、遺失物22を引き取りに来た所有者端末2に表示されているコードB24とを照合することで、当該遺失物22の所有者が、所有者端末2を所持している者であることを確認することができる。本実施形態では、所有者確認部115は、管理者端末4が遺失物22に貼付されているコードA23から読み取ってアクセスしたURLに含まれるランダム文字列Aと、管理者端末4が所有者端末2に表示されているコードB24から読み取ってアクセスしたURLに含まれるランダム文字列Bとが、対応付けてアイテム情報記憶部131に登録されているか否かにより照合を行うことができる。
【0024】
引渡完了通知受信部116は、所有物22の返還(拾得物の引渡し)が行われたことを示す引渡完了通知を管理者端末4から受信する。引渡完了通知には、アイテムIDが含まれる。引渡完了通知受信部116は、引渡完了通知の受信に応じて、アイテムIDに対応するアイテム情報のステータスを「通常」に変更することができる。
【0025】
<所有者端末2>
所有者端末2は、所有者21のコンピュータである。所有者端末2は、可搬型の例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、ノートブック型パーソナルコンピュータなどにより実現することができる。所有者端末2は、アイテム情報登録部211、アイテム情報表示部212、アイテム情報編集部213、発見通知受信部214を備える。
【0026】
アイテム情報登録部211は、アイテム情報を登録する。アイテム情報登録部211は、アイテム情報の各項目の入力画面を表示し、入力画面に入力された各項目を含むアイテム情報をサーバ1に送信することができる。上述したサーバ1のアイテム情報受信部111により、当該アイテム情報はアイテム情報記憶部131に登録される。
【0027】
アイテム情報表示部212は、所有者21の所有物22の一覧を表示する。アイテム情報表示部212は、所有者21のユーザIDを設定したアイテム情報取得要求をサーバ1に送信し、アイテム情報取得要求に応じてサーバ1から送信されるアイテム情報を取得し、取得したアイテム情報を表示することができる。
【0028】
アイテム情報編集部213は、アイテム情報を編集する。アイテム情報編集部213は、アイテム情報を画面に表示し、所有者21からアイテム情報の編集を受け付けることができる。アイテム情報編集部213は、更新されたアイテム情報をサーバ1に送信して、アイテム情報記憶部131のアイテム情報を更新することができる。
【0029】
発見通知受信部214は、発見通知を受信する。また、発見通知受信部214は、ランダム文字列Bを所有者端末2の画面に表示することができる。本実施形態では、発見通知受信部214は、ランダム文字列Bを含むURLを符号化したコードB24を画面に表示することができる。
【0030】
<拾得者端末3>
拾得者端末3は、遺失物の拾得者のコンピュータである。拾得者端末3も、可搬型の例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、ノートブック型パーソナルコンピュータなどにより実現することができる。拾得者端末3は、拾得情報登録部311を備える。
【0031】
拾得情報登録部311は、拾得者31が拾得した遺失物(所有物)22に関する情報(以下、拾得情報という。)を登録する。拾得情報登録部311は、入力画面を表示して拾得情報の入力を受け付けることができる。本実施形態では、拾得情報登録部311は、遺失物22に貼付されているコードA23を読み取り、コードA23を復号化したURLにアクセスして、対応情報と入力画面とを取得することができる。対応情報には、所有者21から拾得者31に対して、拾得物をどのように取り扱って欲しいかが指定されることができる。拾得者31は、遺失物(所有物)22を、例えば、遺失物管理センターや警察署などに届けることができる。
【0032】
<管理者端末4>
管理者端末4は、遺失物管理センターなどの遺失物の管理所において用いられるコンピュータである。管理者端末4は、例えば、パーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレットコンピュータなどにより実現することができる。管理者端末4は、コード読取部411、所有者確認部412、引渡完了通知送信部413を備える。
【0033】
コード読取部411は、QRコード(登録商標)などのコードを読み取る。
【0034】
所有者確認部412は、遺失物22を受け取りにきた人が所有者21であることを確認する。本実施形態では、所有者確認部412は、コード読取部411に、遺失物(所有物)22に貼付されているコードA23と、所有者端末2の画面に表示されているコードB24とを読み取らせ、コードA23から復号化したURLにアクスするとともに、コードB24から復号化したURLにもアクセスして、サーバ1に所有者21の確認(コードA23とコードB24との照合)を行わせることができる。
【0035】
引渡完了通知送信部413は、引渡完了通知をサーバ1に送信する。引渡完了通知送信部413は、遺失物22を所有者21に引き渡した後に、管理者41からの指示に応じて引渡完了通知を送信することができる。
【0036】
<システムの動作>
以下、本実施形態の遺失物返還支援システムの動作について説明する。
【0037】
<アイテムの登録処理>
図4は、所有物22の登録処理の流れを説明する図である。
【0038】
所有者21は、所有物22にコードA23を貼付する(S401)。上述したように、コードA23には、所有物22のアイテムIDを含むURLが符号化されている。コードA23は、例えば、異なるアイテムIDをそれぞれに設定したシールを販売するようにしてもよいし、サーバ1からランダム文字列Aを所有者端末2に送信し、所有者端末2でランダム文字列Aを符号化したコードA23を印刷するようにしてもよい。所有者21は、所有者端末2のカメラ(不図示)で、所有物22に貼付したコードA23からURLを読み取り(S402)、読み取ったURLにアクセスする(S403)。このURLには、ランダム文字列Aが含まれている。
【0039】
サーバ1は、上記URLへのアクセスに応じて、アイテム情報の登録フォームを送信し(S404)、所有者端末2は、登録フォームを表示してアイテム情報の各項目の入力を所有者21から受け付ける。図5は、所有物22の登録処理に用いられる画面51の一例を示す図である。所有者端末2は、画面51において、入力欄511、512、513、514からそれぞれアイテム名、メモ、対応方法、写真の入力を受け付け、ボタン515が押下されると、これらの情報と、ユーザID及びアイテムIDとを含むアイテム情報をサーバ1に送信する(S405)。なお、アイテムIDは、登録フォームに不可視のデータとして埋め込むことができる。ユーザIDは、事前に所有者端末2がサーバ1においてユーザ認証を受けることにより取得することができる。
【0040】
サーバ1は、所有者端末2から受信したアイテム情報をアイテム情報記憶部131に登録する(S406)。なお、サーバ1は、アイテム情報の新規登録時にはステータスを「通常」として登録することができる。
【0041】
以上のようにして、所有物22についてのアイテム情報がサーバ1に登録される。
【0042】
<アイテム紛失時の処理>
図6は、所有物22の紛失時における処理の流れを示す図である。
【0043】
所有者21は所有者端末2を操作してサーバ1にアクセスして(S421)、所有者21に対応するアイテム情報の一覧を取得する(S422)。所有者21は、アイテム情報の一覧から、紛失した所有物22についてのアイテム情報を選択し(S423)、所有者端末2は、選択されたアイテム情報を示すアイテムIDをサーバ1に送信する(S424)。
【0044】
サーバ1は、アイテムIDに対応するアイテム情報をアイテム情報記憶部131から読み出して、当該アイテム情報を編集するための編集フォームを所有者端末2に送信する(S425)。図7は、所有物22の紛失時に用いられる画面52の一例を示す図である。画面52には、上述した図5の画面51の入力欄に加えて、ステータスの入力欄516が設けられる。所有者21は、編集フォームの入力欄516において所有物22のステータスを「紛失中」に変更し(S426)、所有者端末2は、変更されたステータス(又は変更されたステータスを含むアイテム情報)をサーバ1に送信して(S427)、サーバ1は、アイテム情報を更新する(S428)。
【0045】
以上のようにして、所有物22の紛失時にアイテム情報のステータスが「紛失中」に変更される。
【0046】
<遺失物拾得時の処理>
図8は、遺失物22の拾得時における処理の流れを示す図である。
【0047】
拾得者31は、拾得者端末3のカメラ(不図示)を用いて拾得物22に貼付されているコードA23からURLを読み取り(S441)、読み取ったURLにアクセスする(S442)。
【0048】
サーバ1は、アクセスされたURL(コードA23から読み取られたURLであり、ランダム文字列Aが含まれている。)に応じて、ランダム文字列Aに対応するアイテム情報の対応方法をアイテム情報記憶部131から読み出し、読み出した対応方法とともに、拾得物情報を入力するためのフォームを送信する(S443)。図9は、遺失物22の拾得時に用いられる画面53の一例を示す図である。画面53には、対応方法の表示531とともに、拾得物情報の入力欄532が設けられる。拾得物情報には、拾得物22に関する任意の項目を含めることが可能であり、本実施形態では、画面53には、拾得物22の届出先の設定欄5321、遺失物22を拾得した場所の入力欄5322、及び拾得物22及び拾得物22の届出に関するコメントの入力欄5323が設けられている。登録ボタン533が押下されると、拾得者端末3は、拾得物情報(本実施形態では、届出先の名称、届出先の住所及びコメントとすることができる。)をサーバ1に送信し(S444)、サーバ1は、拾得物情報によりアイテム情報を更新するとともに、所有者端末2に発見通知を送信する(S445)。
【0049】
発見通知を受信した所有者端末2は、サーバ1にアクセスしてユーザ認証を受け(S446)、サーバ1は、ランダム文字列Bを発行してアイテム情報を更新するとともに、ランダム文字列Bを符号化したコードB24を発行する(S447)。なお、サーバ1は、ここで有効期限も設定する。
【0050】
以上のようにして、所有物22が拾得された場合、所有物22は遺失物管理センターや警察などの遺失物の管理所に届けられ、拾得物22に関する拾得物情報が拾得者端末3からサーバ1に登録される。また、所有者21に対してコードB24が発行され、所有者21は所有物22が届けられた場所に受け取りに行く。
【0051】
<遺失物受取時の処理>
図10は、遺失物22の受け取り時における処理の流れを示す図である。
【0052】
管理者41は管理者端末4のカメラ(不図示)を用いて遺失物22に貼付してあるコードA23からURLを読み取り(S461)、管理者端末4は、読み取ったURL(A)にアクセスする(S462)。当該URL(A)には、ランダム文字列Aが含まれる。サーバ1は、ランダム文字列Aを含むURL(A)へのアクセスに応じて、所有者端末2に表示されているコードB24を読み取るように指示するメッセージを管理者端末4に送信する(S463)。図11は、遺失物22の受け取り時に用いられる管理者端末4の画面54の一例を示す図である。図11に示す画面54の例では、サーバ4から応答されたメッセージ541を表示している。
【0053】
ここで所有者21は、所有者端末2を用いてサーバ1にアクセスし(S464)、サーバ1は、所有者21を示すユーザIDに対応するアイテム情報のランダム文字列Bを取得して符号化したコードB24を発行し(S465)、所有者端末2は、発行されたコードB24を画面に表示する。図12は、遺失物22の受け取り時に用いられる所有者端末2の画面55の一例を示す図である。図12に示す所有者端末2の画面55の例では、ランダム文字列Bが符号化されたコードB551が表示されている。管理者41は管理者端末4のカメラ(不図示)を用いて、画面55に表示されているコードB551からURL(B)を読み取り(S466)、読み取ったURL(B)にアクセスする(S467)。当該URL(B)には、ランダム文字列Bが含まれる。
【0054】
サーバ1は、URL(A)に含まれるランダム文字列Aに対応するアイテム情報をアイテム情報記憶部131から検索し、当該アイテム情報に含まれるランダム文字列Bと、URL(B)に含まれるランダム文字列Bとを照合する(S468)。この照合が所有者21の確認処理となる。サーバ1は、照合結果を管理者端末4に送信する(S469)。図13は、所有者21の確認が行われたときの管理者端末4の画面56の一例を示す図である。画面56には、所有者21が確認された旨のメッセージ561が表示され、これにより管理者41は真の所有者21が遺失物22を引き取りに来ていることを確認することができる。
【0055】
<ハードウェア>
図14は、サーバ1、所有者端末2、拾得者端末3、及び管理者端末4を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。コンピュータは、CPU101、メモリ102、記憶装置103、通信インタフェース104、入力装置105、出力装置106を備える。記憶装置103は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース104は、通信ネットワーク5に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置105は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置106は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。サーバ1、所有者端末2、拾得者端末3、及び管理者端末4が備える機能部は、CPU101が記憶装置103に記憶されているプログラムをメモリ102に読み出して実行することにより実現することができ、サーバ1、所有者端末2、拾得者端末3、及び管理者端末4が備える記憶部は、メモリ102及び記憶装置103が提供する記憶領域の一部として実現することができる。
【0056】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0057】
例えば、本実施形態では、サーバ1は1台のコンピュータであるものとしたが、複数台のコンピュータにより実現することもできる。
【0058】
また、本実施形態では、拾得者端末3において拾得物情報を入力するものとしたが、拾得者端末3及び拾得物情報を省略するようにしてもよい。
【0059】
また、本実施形態では、コードA23とコードB24との照合はサーバ1で行うものとしたが、管理者端末4で行うようにしてもよい。例えば、管理者端末4とサーバ1とで共通鍵を管理するようにし、ランダム文字列Bを共通鍵で暗号化したデータをランダム文字列Aとして、ランダム文字列Aを符号化したコードAに所有物21に貼付しておき、コードA23から読み取った文字列を共通鍵でデコードしたデータと、所有者端末2に表示されているコードB24から読み取った文字列とが一致したか否かにより所有者21の確認を行うようにすることができる。
【0060】
また、本実施形態では、所有物22の紛失時に所有者21がステータスを「紛失中」に設定するものとしたが、例えば、拾得者端末3から拾得物情報を受信した場合に、対応するアイテム情報のステータスを「紛失中」に更新するようにしてもよい。また、このステータスを変更する際に、サーバ1から所有者端末2に通知を行ってもよい。また、管理者端末4がコードA23を読み取ってサーバ1にアクセスした場合にも同様に、アイテム情報のステータスを「紛失中」に更新するようにして、所有者端末2に通知するようにしてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14