(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】通信端末、その制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20221221BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20221221BHJP
H04M 1/247 20210101ALI20221221BHJP
H04L 67/00 20220101ALI20221221BHJP
【FI】
G06F3/12 326
H04M1/00 Q
H04M1/247
H04L67/00
G06F3/12 303
G06F3/12 392
G06F3/12 332
(21)【出願番号】P 2018006689
(22)【出願日】2018-01-18
【審査請求日】2020-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 剛
(72)【発明者】
【氏名】松下 貴博
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-190187(JP,A)
【文献】特開2014-012350(JP,A)
【文献】特開2005-354399(JP,A)
【文献】特開2017-184194(JP,A)
【文献】特開2013-250788(JP,A)
【文献】特開2016-110520(JP,A)
【文献】特開2014-179739(JP,A)
【文献】特開2016-126444(JP,A)
【文献】特開2010-219757(JP,A)
【文献】特開2014-026333(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0182757(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 29/00-29/70
H04L 67/00-67/75
H04M 1/00
H04M 1/24- 1/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末であって、
複数の画像形成装置から情報を取得することで、所定のサービスに対応し前記所定のサービスの設定を有効または無効に設定可能な画像形成装置を検索する検索手段と、
前記検索手段で取得する情報には前記所定のサービスの設定が有効または無効であるかを示す情報が含まれ、複数の画像形成装置から取得した情報に従って、前記所定のサービスの設定が有効である画像形成装置と、前記所定のサービスの設定が無効である画像形成装置とを識別可能なように検索結果画面に表示する表示手段と、
前記検索結果画面からユーザに選択された前記所定のサービスの設定が有効である画像形成装置を前記所定のサービスで使用する装置として登録する登録手段と、
前記検索結果画面からユーザに選択された前記所定のサービスの設定が無効である画像形成装置に対して前記所定のサービスの変更の要求を送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする通信端末。
【請求項2】
前記表示手段は、前記所定のサービスに対応していない画像形成装置を検索結果として表示しないことを特徴とする請求項1に記載の通信端末。
【請求項3】
前記表示手段は、前記所定のサービスの設定が有効な画像形成装置と、前記所定のサービスの設定が無効である画像形成装置とを選択可能に表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の通信端末。
【請求項4】
前記表示手段は、選択可能に表示した、前記所定のサービスの設定が無効である画像形成装置がユーザによって選択されると、当該画像形成装置の現在の設定では前記所定のサービスが利用できないため管理者に問い合わせることを促すメッセージを表示することを特徴とする請求項3に記載の通信端末。
【請求項5】
前記表示手段は、選択可能に表示した、前記所定のサービスの設定が無効である画像形成装置がユーザによって選択されると、当該画像形成装置の前記所定のサービスの設定を変更するための変更画面を表示することを特徴とする請求項3に記載の通信端末。
【請求項6】
前記変更画面を介してユーザから設定の変更を受け付けると、前記送信手段は当該画像形成装置に前記所定のサービスの設定の変更の要求を送信することを特徴とする請求項5に記載の通信端末。
【請求項7】
前記表示手段は、前記送信手段によって当該画像形成装置の設定の変更を要求する場合に、前記所定のサービスの設定を変更するための認証が当該画像形成装置から要求されると、ユーザを認証するための認証画面を表示して認証情報を受け付けることを特徴とする請求項6に記載の通信端末。
【請求項8】
前記表示手段は、前記送信手段の要求に従って当該画像形成装置の設定が変更されると、当該画像形成装置の詳細情報を取得し
、前記検索結果
画面の情報を更新
して表示すること特徴とする請求項6又は7に記載の通信端末。
【請求項9】
前記検索手段は、IPP(Internet Printing Protocol)を用いて、前記所定のサービスに対応しているか否かの情報と、前記所定のサービスに対応している場合にその設定が有効又は無効であるかを示す情報とを、複数の画像形成装置から取得することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の通信端末。
【請求項10】
前記所定のサービスは、IPP(Internet Printing Protocol)を用いたサービスであることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の通信端末。
【請求項11】
前記送信手段は、IPPを用いて、
前記所定のサービスの設定が無効である画像形成装置に前記所定のサービスの設定の変更の要求を送信することを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の通信端末。
【請求項12】
前記送信手段は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)を用いて、
前記所定のサービスの設定が無効である画像形成装置に前記所定のサービスの設定の変更の要求を送信することを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の通信端末。
【請求項13】
前記検索手段は、
各画像形成装置に対して、mDNSによる検索要求パケットを送信することにより、各画像形成装置が前記所定のサービスに対応しているか否かの情報と、前記所定のサービスに対応している場合にその設定が有効又は無効であるかを示す情報とを取得することを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の通信端末。
【請求項14】
前記検索手段は、
ユーザによって指定された、所定の画像形成装置のIPアドレスを用いて、該画像形成装置が前記所定のサービスに対応しているか否かの情報と、前記所定のサービスに対応している場合にその設定が有効又は無効であるかを示す情報とを取得することを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の通信端末。
【請求項15】
通信端末の制御方法であって、
複数の画像形成装置から情報を取得することで、所定のサービスに対応し、前記所定のサービスの設定を有効または無効に設定可能な画像形成装置を検索する検索工程と、
前記検索工程で取得する情報には前記所定のサービスの設定が有効または無効であるかを示す情報が含まれ、複数の画像形成装置から取得した情報に従って、前記所定のサービスの設定が有効である画像形成装置と、前記所定のサービスの設定が無効である画像形成装置とを識別可能なように検索結果画面に表示する表示制御工程と、
前記検索結果画面からユーザに選択された前記所定のサービスの設定が有効である画像形成装置を前記所定のサービスで使用する装置として登録する登録工程と、
前記検索結果画面からユーザに選択された前記所定のサービスの設定が無効である画像形成装置に対して前記所定のサービスの変更の要求を送信する送信工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項16】
通信端末のコンピュータに制御方法を実行させるプログラムであって、
複数の画像形成装置から情報を取得することで、所定のサービスに対応し、前記所定のサービスの設定を有効または無効に設定可能な画像形成装置を検索する検索工程と、
前記検索工程で取得する情報には前記所定のサービスの設定が有効または無効であるかを示す情報が含まれ、複数の画像形成装置から取得した情報に従って、前記所定のサービスの設定が有効である画像形成装置と、前記所定のサービスの設定が無効である画像形成装置とを識別可能なように検索結果画面に表示する表示制御工程と、
前記検索結果画面からユーザに選択された前記所定のサービスの設定が有効である画像形成装置を前記所定のサービスで使用する装置として登録する登録工程と、
前記検索結果画面からユーザに選択された前記所定のサービスの設定が無効である画像形成装置に対して前記所定のサービスの変更の要求を送信する送信工程と、
を有することを特徴とするプログラム。
【請求項17】
前記プログラムは前記通信端末にインストール可能なアプリケーションプログラムであることを特徴とする請求項16に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末、その制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォンやタブレット等のモバイル端末及びPCなどの情報端末から、ネットワーク上に存在するプリンタなどの画像形成装置を検索して、クライアントである端末上に検索結果を表示し、その画像形成装置を利用することが可能となっている。その際、画像形成装置を検索するプロトコルとしてWS-DISCOVERYやmDNSといった技術が使用され、いずれもマルチキャストを使用している。検索を行う側のクライアントが検索要求をマルチキャストでネットワークに送信し、検索要求を受信した画像形成装置が応答を返すことにより、ネットワーク上の画像形成装置を見つけることができる。そして、発見された画像形成装置に対してIPPやWSDといったプロトコルを使用して、より詳細な画像形成装置の情報や状態の取得処理及び印刷処理が実行される。
【0003】
例えば特許文献1では、検索プロトコルと印刷プロトコルを用いた事例が紹介されている。また、例えばMopriaプリントサービスではプリンタの検索にMulticastDNS(以下、mDNSと略記する。)が使用され、印刷プロトコルとしてIPPが使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術には以下に記載する課題がある。例えば、上記従来技術では、クライアント端末は検索応答の中に、印刷サービスの属性が含まれていなければ、その画像形成装置はその印刷サービスを搭載していないと判断し、検索結果一覧にその画像形成装置を表示しない。また、検索応答の中に、印刷サービスの属性が含まれるが、その印刷サービス設定がOFFだという情報が含まれていれば、その画像形成装置は当該印刷サービスで印刷することはできないと判断し、検索結果一覧にその画像形成装置を表示しない。
【0006】
しかし、これらの画像形成装置を表示しないと、ユーザは表示されない画像形成装置が印刷サービスに対応していないのか、対応しているものの設定がOFFなのかの判断ができない。つまり、設定がOFFの画像形成装置であれば設定をONに変更すれば使用できる状態であるにもかかわらず、検索結果に表示されないため判断ができないという課題がある。
【0007】
本発明は、上述の問題の少なくとも一つに鑑みて成されたものであり、所定のサービス機能を利用可能な画像形成装置の検索時において、利用不可の画像形成装置であっても、当該画像形成装置の設定を変更すれば利用可能となる画像形成装置も含めて検索結果として識別可能に出力する仕組みを提供することを目的とする。また、本発明は、設定を変更するユーザインタフェースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、例えば、通信端末であって、複数の画像形成装置から情報を取得することで、所定のサービスに対応し前記所定のサービスの設定を有効または無効に設定可能な画像形成装置を検索する検索手段と、前記検索手段で取得する情報には前記所定のサービスの設定が有効または無効であるかを示す情報が含まれ、複数の画像形成装置から取得した情報に従って、前記所定のサービスの設定が有効である画像形成装置と、前記所定のサービスの設定が無効である画像形成装置とを識別可能なように検索結果画面に表示する表示手段と、前記検索結果画面からユーザに選択された前記所定のサービスの設定が有効である画像形成装置を前記所定のサービスで使用する装置として登録する登録手段と、前記検索結果画面からユーザに選択された前記所定のサービスの設定が無効である画像形成装置に対して前記所定のサービスの変更の要求を送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、所定のサービス機能を利用可能な画像形成装置の検索時において、利用不可の画像形成装置であっても、当該画像形成装置の設定を変更すれば利用可能となる画像形成装置も含めて検索結果として識別可能に出力することができる。また、本発明は、設定を変更するユーザインタフェースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態に係るネットワークの構成を示す図。
【
図2】一実施形態に係るモバイル端末のハードウェア構成図。
【
図4】比較例となるモバイル端末の操作パネルを示す図。
【
図6】一実施形態に係る印刷情報取得のパケットを示す図。
【
図8】一実施形態に係る画像形成装置の検索シーケンス図。
【
図9】一実施形態に係るモバイル端末の操作パネルを示す図。
【
図11】一実施形態に係るモバイル端末の操作パネル。
【
図13】一実施形態に係る印刷情報設定のパケットを示す図。
【
図15】一実施形態に係るモバイル端末の操作パネルを示す図。
【
図17】一実施形態に係る印刷情報設定のパケットを示す図。
【
図19】一実施形態に係るモバイル端末の操作パネルを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の一実施形態を示す。以下で説明される個別の実施形態は、本発明の上位概念、中位概念及び下位概念など種々の概念を理解するために役立つであろう。また、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確立されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
【0012】
<第1の実施形態>
<ハートウェア構成>
以下では、本発明の第1の実施形態について説明する。まず、
図1を参照して、本実施形態のネットワーク構成の一例を説明する。モバイル端末100と画像形成装置101,102,103はアクセスポイント104を介して相互に通信を行う。なお、本発明を
図1の構成例に限定することを意図しているわけではなく、例えばモバイル端末及び画像形成装置は更に多くの台数が接続されていてもよい。また、モバイル端末100はPCなど他の情報端末でもよい。また、無線通信ではなく、有線通信で相互に通信を行ってもよい。ここで画像形成装置101はMopria(登録商標)等の印刷サービスがONに設定され、画像形成装置102はMopriaがOFFに設定され、画像形成装置103はMopriaの機能自体を搭載していないこととする。
【0013】
モバイル端末100は、通信端末の一例であり、無線通信を介して画像形成装置101~103と接続することができる。本実施形態に係るモバイル端末100は、所定のサービス機能、例えば印刷サービスを実行可能な画像形成装置を検索し、検索結果を表示等により出力する。さらに、モバイル端末100は、出力した検索結果を介して選択された画像形成装置と通信を行い、印刷サービス等のサービスを利用することができる。
【0014】
画像形成装置101~103は、プリンタ、ファクシミリ、スキャナなどの少なくとも1つのデバイスを有する画像形成装置である。画像形成装置101~103は、有線接続及び無線接続により接続された外部装置に対して、種々のサービス、例えば、プリント、コピー、スキャン、ファクシミリ送信などを提供することができる。なお、これらの画像形成装置101~103は、設定により、提供するサービスを変更することができる。アクセスポイント104は、画像形成装置101~103と、モバイル端末100とを無線接続する中継装置である。
【0015】
<モバイル端末>
次に、
図2を参照して、通信端末であるモバイル端末100のハードウェア構成を説明する。ここではモバイル端末の一例としてスマートフォンを例にして説明するが、本発明を限定する意図はない。
【0016】
モバイル端末100は、コントローラ200、操作部であるタッチパネル(TP)210、ディスプレイ211、及びHDD212を備える。コントローラ200は、CPU201、RAM202、ROM203、タッチパネルコントローラ(TPC)205、ディスプレイコントローラ206、ディスクコントローラ(DKC)207、無線LANコントローラ206、無線送受信機209、及び不揮発メモリ214を備える。これらのコンポーネントはシステムバス204によって相互に信号を伝達することができる。
【0017】
CPU(Central Processing Unit)201はシステムバス204に接続された各種コンポーネントの制御を行う。ROM(Read Only Memory)203はBIOSやブートプログラムを記憶する。RAM(Random Access Memory)203はCPU201の主記憶装置として使用される。TPC205はタッチパネルコントローラであり、タッチパネル(TP)210の接触状態を検知してCPU201に通知する処理を行う。ディスプレイコントローラ(DC)206は、ディスプレイ211の表示制御を行う。ディスクコントローラ(DKC)207はハードディスク(HDD)212へのアクセスを制御する。HDD212には、モバイル端末100上で動作するOSや各種アプリケーションプログラム、各種データファイルなどが記憶されている。CPU201は、HDD212に記憶されたアプリケーションプログラムをRAM203に展開してアプリケーションプログラムを実行することができる。なお、本実施形態では、モバイル端末100に少なくともWebブラウザアプリケーションと、所定のプリントアプリケーションがインストールされているものとする。なお、所定のプリントアプリケーションの一例は、Mopriaが提供するMopriaプリントアプリケーション(Mopriaプリントプラグイン)などである。なお、これらのアプリケーションプログラムは図示省略のアプリケーションサーバからユーザ操作を介してインストール可能であり、モバイル端末100にプリインストールされていてもよい。無線LANコントローラ206は無線LANネットワークに接続し、ネットワークを介して情報通信を行う。無線送受信機209は3Gや4Gの携帯電話通信網に接続し情報通信を行う。不揮発メモリ214は各種設定情報を記憶している。なお、モバイル端末100は、1つのCPU201が1つのメモリ(RAM203)を用いて後述するシーケンスやフローチャートに示す各処理を実行するものとするが、他の様態であっても構わない。例えば複数のプロセッサや複数のRAM、ROM及びストレージを協働させて後述するフローチャートに示す各処理を実行することもできる。
【0018】
<比較例となる検索手順>
次に、
図3及び
図4を参照して、比較例となる画像形成装置における検索手順のシーケンス及びモバイル端末100の操作パネルの一例を説明する。
図4の401はモバイル端末100でMopriaプリントアプリケーション(所定のサービス)を起動した場合のトップ画面を示す。まだ画像形成装置を一台も登録していないため、登録プリンタリストには1台も表示されていない。
図3の301に示すように、ユーザが「画像形成装置検索」ボタン405を選択すると、402の画面に遷移し、画像形成装置を検索していることを示す画面表示となる。このとき、モバイル端末100は302のようにmDNSで検索要求パケットを各画像形成装置(画像形成装置101-C)へマルチキャストで送信する。
【0019】
図5の501の検索要求を受信した画像形成装置101は、502のようなパケットを303で応答する。応答パケット502には、画像形成装置101がMopriaに対応しているため、Mopriaサポートを表す「Mopria-certified」レコードが含まれる。また、Mopria設定=ONであるため、Mopria設定の状態を表す属性「Print-wfds」レコードの値をTRUEとして応答パケット502が作成される。また、他にもプリンタ名称を表す「Printername」レコードや「UUID」レコード、及びプリンタの位置情報を示す「PrinterInfo」レコードが応答パケット502に含まれる。プリンタの状態を表す「PrinterState」レコード、及びサポートする印刷サービス情報を表す「SerivceTypeInfo」レコードが応答パケット502に含まれる。
【0020】
次に、304で、モバイル端末100は、画像形成装置101のMopria設定が有効だと判断できたので、より詳細情報をIPP(Internet Printing Protocol)の「Get-Printer-Attributes」オペレーションで取得する。602は、305において画像形成装置101が応答するパケットデータの一例である。一部のデータは502の情報と重複しているが、更にサポートするメディアタイプやメディアサイズの情報など、よりプリンタの詳細情報が含まれている。モバイル端末100は、306で、取得したプリンタ情報をRAM202で保持しているプリンタリストに追加する。
【0021】
次に、307で、検索要求を受信した画像形成装置102は、Mopriaをサポートいているため「Mopria-certified」を格納し、Mopria設定=OFFであるため、503のような「Print-wfds」レコードをFALSEとするパケットを応答する。308において、モバイル端末100は、画像形成装置102のMopria設定が無効だと判断したので、画像形成装置102をプリンタリストに追加しない。
【0022】
309で、検索要求を受信した画像形成装置103は、
図5の504に示すパケットを応答する。画像形成装置103は、Mopriaの機能自体をサポートしていないため、本パケットでは「Mopria-certified」や「Print-wfds」レコードを含まない。310において、モバイル端末100は、画像形成装置103がMopria機能を搭載していないと判断し、プリンタリストに追加しない。最終的に311において、モバイル端末100は検索し発見されたプリンタリストを
図4の403のように操作パネルに表示する。この場合、Mopria設定=ONの画像形成装置101のみが表示される。そして、ユーザは403の中から所望の画像形成装置を1つ選択し、登録プリンタリストに登録することで、印刷手順で使用できるようになる(404)。
【0023】
しかしながら、上記比較例における検索手順では、403で、Mopria設定=OFFの画像形成装置102も、Mopria機能サポートの画像形成装置103も同様に表示されない。画像形成装置によっては初期設定でMopria設定=OFFで出荷される画像形成装置もある。その場合、画像形成装置102はMopria設定をONに変更すれば使用できる状態になるが、検索結果に表示されないとユーザはそれに気付くことができない。
【0024】
<提案する検索手順>
次に、
図7を参照して、モバイル端末100から画像形成装置を検索する処理手順を説明する。本フローチャートに係るモバイル端末100のプログラムはHDD212に格納されており、RAM202に読み出されCPU201によって実行される。以下CPU201によって実行される処理を「モバイル端末」として表現する。なお、
図7のフローチャートに係る各処理はモバイル端末100にインストールされている所定のプリントアプリケーション(例えば、Mopriaプリントアプリケーション)のプログラムをCPU201が実行することで実行される。なお、一部の処理(例えば、ユーザ操作の受け付け処理、画面の表示処理、データの送受信処理)は、モバイル端末100上で動作するOSや無線LANコントローラ206等とCPU201が協働することで実現されるものとする。
【0025】
S701で、モバイル端末100は、901の「検索ボタン」がユーザに選択されたことを検知する(801)。S702で、モバイル端末100は、
図5の501のような画像形成装置の検索要求パケットを送信して、操作パネル画面を902に遷移させる(802)。S703で、モバイル端末100は、同一ネットワーク上の画像形成装置101~103から検索要求応答を受信するので、その応答を1つ1つ処理する。Mopria設定=ONの画像形成装置101からは502のような応答パケットを受信する(803)。これよりモバイル端末100は、「Mopria-certified」が含まれ、かつ、「Print-wfds」がTRUEであるので、画像形成装置101がMopria設定有効だと判断できる。従って、S705において、モバイル端末100は、601のように、より詳細な画像形成装置の情報を要求するパケットを送信する(804)。S706で、モバイル端末100は、602のような画像形成装置の詳細情報を画像形成装置101から受信する(805)。S707で、モバイル端末100は、画像形成装置101の情報をプリンタリストに追加する(806)。
【0026】
Mopria設定=OFFの画像形成装置102からは503のような応答パケットを受信する(807)。モバイル端末100は、「Mopria-certified」が含まれるが「Print-wfds」がFALSEのため画像形成装置102がMopria設定無効だと判断する。従って、S708において、モバイル端末100は、Status=OFFとして画像形成装置102の情報をプリンタリストに追加する(808)。
【0027】
Mopria機能が非搭載の画像形成装置103からは
図5(D)のような応答パケットを受信する(809)。モバイル端末100は、「Mopria-certified」も「Print-wfds」も含まれないので、画像形成装置103がMopria非サポートだと判断したので、画像形成装置103の情報はプリンタリストに追加しない(810)。
【0028】
S709で、全画像形成装置からの応答を受信し終わったモバイル端末100は、プリンタリストを903のように操作パネルに表示する(811)。本実施形態では、比較例となる検索手順と異なり、Mopria設定OFFの画像形成装置102も表示している。これにより、ユーザは、画像形成装置102がMopria機能を搭載しているものの設定がOFFで使えないだけだと知ることができる。よって、ユーザはその後、画像形成装置102のMopria設定をON変更するか、或いは画像形成装置102の管理者に連絡して設定をONにしてもらうか等を行うことで、Mopriaを使用した印刷を容易に実現することができる。
【0029】
以上説明したように、本実施形態に係るモバイル端末(通信端末)は、所定のサービス(印刷サービス)を利用可能な画像形成装置を検索し、検索に対して応答した1以上の画像形成装置を検索結果として表示する。さらに、モバイル端末は、検索結果において、各画像形成装置の応答に従って、所定のサービスを利用可能な画像形成装置と、所定のサービスの設定が無効に設定されているため利用できない画像形成装置とを識別可能に表示する。これにより、本実施形態によれば、所定のサービス機能を利用可能な画像形成装置の検索時において、利用不可の画像形成装置であっても、当該画像形成装置の設定を変更すれば利用可能となる画像形成装置も含めて検索結果として識別可能に出力することができる。
【0030】
<第2の実施形態>
以下では、本発明の第2の実施形態について説明する。上記第1の実施形態において、Mopria設定がOFFの画像形成装置も表示される形態を説明した。本実施形態では、印刷するプロトコルと同じプロトコルを使用して、容易にMopria設定をONに変更できる手順について説明する。なお、本実施形態においては上記第1の実施形態と同一部分に関する説明は省略し、その差異についてのみ説明する。また、ここではMopriaなど印刷プロトコルとしてIPPを使用するプリントクライアントを例に説明するが、これに限定されるものではない。プリントクライアントが使用する印刷プロトコルはWSD(Web Services on Devices)など他のプロトコルでもよい。この場合、適宜印刷プトロコルやプリントクライアントの仕様に則ったオペレーションで画像形成装置と通信し、画像形成装置の設定を当該プリントクライアントからの印刷を受け付ける設定に変更するものとする。
【0031】
図10乃至
図13を参照して、IPPを使用してモバイル端末100から画像形成装置102のMopria設定をONにする処理を説明する。
図10のフローチャートはS709の詳細な処理である。なお、
図10のフローチャートに係る各処理は第1の実施形態と同様にモバイル端末100にインストールされている所定のプリントアプリケーション(例えば、Mopriaプリントアプリケーション)のプログラムをCPU201が実行することで実行される。なお、一部の処理はOSや各インタフェース部と協働して実現されるものとする。
図11は本実施形態におけるモバイル端末100の操作パネルの画面例である。また、
図12は本実施形態におけるMopria設定をONに変更する処理のシーケンス図である。1101の画面は第1の実施形態の903と表示内容は同等である。しかし、本実施形態では、プリンタリストに表示された各プリンタを選択可能に表示し、当該プリンタの設定を変更することができる。なお、当該機能が使用できないプリンタ、即ち、当該機能を実行することはできるものの設定がOFFになっているプリンタについてはグレーアウトで選択可能に表示してもよい。ここでは、Mopria設定がOFFになっている画像形成装置102(プリンタB)をユーザが選択し、ONに変更する。以下では第1の実施形態でMopria設定OFFの画像形成装置102を操作パネルに表示している状態から説明する。
【0032】
S1001で、モバイル端末100は、ユーザから画像形成装置102のMopria設定をONに変更する操作を受け付ける(1201)。具体的には、操作パネルの画面1101において、ユーザはプリンタB(画像形成装置102)を選択する。これに応じて、モバイル端末100は、画面1102に遷移し設定変更するかどうかの変更画面(確認画面)を表示する。画面1102において、「Yes」が選択されると、S1002において、モバイル端末100は1301のようなMorpia設定をONに変更するパケットを画像形成装置102に対して送信する(1202)。
【0033】
本パケットでは印刷プロトコルと同じIPPを使用し、「Set-Printer-Attributes」オペレーションで「Print-wfds」の値をTRUEに変更する。続いて、S1003において、モバイル端末100は、「Set-Printer-Attributes」応答で1304のような認証エラーが応答されたか(認証が要求されたか)どうかを判断する(1203)。即ち、ここでは、一定以上の権限を持つユーザに限定すべく、認証情報が必要であるか否かを判断している。
【0034】
このように画像形成装置によっては設定変更を行う際に、一定以上の権限を持つユーザに限定している場合があり、そのような場合、1304のように認証を要求して、一般ユーザには不正に設定変更させないようにしている。S1003において認証エラーを受信した場合、S1004において、モバイル端末100は、画面1103のようなユーザ名及びパスワードを入力させる認証画面を表示し、認証情報をユーザに入力させる(1204)。ユーザの認証情報入力を確認すると、S1005に進み、モバイル端末100は、1303のように認証情報を付加して、S1006において、「Set-Printer-Attributes」を画像形成装置102に送信する(1205、1206)。
【0035】
S1007で、モバイル端末100は、「Set-Printer-Attributes」が成功したかどうかを判断する。1302のように成功応答を受信した場合(1207)、S1008において、モバイル端末100は、更に画像形成装置の詳細情報を取得するため601のような「Get-Printer-attribte」を画像形成装置102に送信する(1208)。S1009において、モバイル端末100は、画像形成装置102から602のような応答を受信し(1209)、S1010において、画面1105のように取得した情報でプリンタリスト表示を更新する(1210)。
【0036】
一方、S1007において、モバイル端末100が1305のように失敗応答を受信した場合(1209)、S1011においてモバイル端末100は画面1106のように失敗した旨を表示し、元のプリンタリスト表示画面1107に遷移する(1210)。
【0037】
以上説明したように、本通信端末は、ユーザが検索結果のプリンタリストから、所望の画像形成装置がMopria設定=OFFでも、容易に設定をONに変更できるので、すぐに選択可能なプリンタとして選択することができ、利便性が向上する。
【0038】
また、本発明は上記実施形態に限定されず様々な変形が可能である。例えば、Mopria設定=OFFが選択された場合に、設定を変更する画面や制御に移行するのではなく、当該画像形成装置の現在の設定では当該機能が利用できないため、管理者に問い合わせることを促すメッセージを表示するようにしてもよい。
【0039】
<第3の実施形態>
以下では、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態では、印刷するプロトコルと違うプロトコルを使用して、容易にMopria設定をONに変更できる手順について説明する。また、ここでは印刷プロトコルはIPPを、違うプロトコルとしてHTTP(Hypertext Transfer Protocol)を例に説明するが、他のプロトコルでもよい。
【0040】
図14乃至
図17を参照して、HTTPを使用してモバイル端末100から画像形成装置102のMopria設定をONにする処理を説明する。
図14のフローチャートは
図10の変形例である。なお、
図14のフローチャートに係る各処理は第1の実施形態と同様にモバイル端末100にインストールされている所定のプリントアプリケーション(例えば、Mopriaプリントアプリケーション)のプログラムや、WebブラウザアプリケーションのプログラムをCPU201が実行することで実行される。なお、一部の処理はOSや各インタフェース部と協働して実現されるものとする。
図15は本実施形態におけるモバイル端末100の操作パネルの画面例である。また、
図16は本実施形態におけるMopria設定をONに変更する処理のシーケンス図である。
【0041】
S1401において、モバイル端末100は、画面1501で画像形成装置102の選択をユーザから受け付け(1601)、画面1502を表示する。画面1502で、「Yes」が選択されると、S1402で、モバイル端末100は、Webブラウザアプリケーションを起動し、1701のような画像形成装置102のWebページを取得するHTTPパケット(HTTP GET)を画像形成装置102に送信する(1602)。その後、S1403で、モバイル端末100は、画像形成装置102からのHTTPパケットに対する応答が成功を示すか否かを判断する。成功であれば(1603、1607)、S1404に進み、そうでなければS1409に進む。
【0042】
このとき、モバイル端末100が指定するWebページのURI(Uniform Resource Identifier)は、mDNS応答に含まれるURIを指定するか、或いは画像形成装置102のIPアドレスを指定する。
【0043】
S1404で、モバイル端末100は、画像形成装置102の認証設定が有効か否かを判断する。画像形成装置102の認証設定が有効な場合(1603~1606)は、S1405に進み、そうでない場合はS1410(1607~)に進む。
【0044】
S1405で、モバイル端末100は、画面1503のようにユーザ名及びパスワードを入力するWebページ画面を表示する(1604)。S1406で、モバイル端末100は、ユーザからの認証情報入力を受け付けたら(1605)、S1407において認証情報を画像形成装置102に送信する(1606)。S1408において、モバイル端末100は、1702のような成功パケットを受信し認証成功すれば、S1410に進み、失敗すればS1409に進む。
【0045】
S1410で、モバイル端末100は、画像形成装置102の画面1504のようなWebページを操作画面に表示する(1607)。次に、S1411で、ユーザがMopria設定をONに変更する入力を行い、その情報を受け付けたモバイル端末100はS1412においてMopria設定をONにするHTTP POST送信を画像形成装置102に送信する(1610)。そしてHTTP POSTの応答を受信すると(1611)、S1413において、モバイル端末100は、Webブラウザを終了し、元のMopriaプリントアプリケーションが提供する画面に戻る。その際、S1414において、モバイル端末100は、画像形成装置102に対して「Get-Printer-Attributes」を送信し(1612)、S1415で画像形成装置102の詳細情報を取得する(1613)。S1416で、モバイル端末100は、画像形成装置102の詳細情報を取得するとプリンタリストを更新し(1614)、画面1505のように更新した情報を表示し、処理を終了する。
【0046】
一方、各ステップにおいて1703のように設定失敗等のエラーを受信した場合は、S1409において、モバイル端末100は、失敗した旨を通知する表示を行い、処理を終了する。
【0047】
このように、画像形成装置によってはMopria設定=OFFの場合に印刷プロトコルであるIPPも無効になっている可能性がある。その場合IPPで「Set-Printer-Attributes」を送信しても失敗するので、本実施形態のようにIPPとは異なるプロトコルでMopria設定をONにすることで上記第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、本実施形態では、所定のプリントアプリケーションからWebブラウザアプリケーションに遷移し、Webブラウザを介した通信でMopria設定を変更にする場合を例示しているがこれに限定されない。OSが提供するWebViewなどの表示コンポーネントを所定のプリントアプリケーションに組み込むことで、所定のプリントアプリケーション自身がWebブラウザとして動作するようにしてもよい。
【0048】
<第4の実施形態>
以下では、本発明の第4の実施形態を説明する。本実施形態では、IPアドレスを指定して検索する場合にMopria設定をONに変更できる手順について説明する。
【0049】
図18乃至
図20を参照して、IPアドレスを指定してモバイル端末100から画像形成装置102を検索して、その後Mopria設定をONにする処理を説明する。
図19は本実施形態におけるモバイル端末100の操作パネルの画面例である。また、
図20は本実施形態におけるMopria設定をONに変更する処理のシーケンス図である。
【0050】
S1801で、モバイル端末100は、画面1901から「Add Printer」が選択されたことを検知し(2001)、画面1902のように検索する画像形成装置のIPアドレス等を入力する画面を表示する(2002)。S1802で、ユーザからIPアドレス等の画像形成装置の情報入力を受け付けたモバイル端末100は、S1803において指定されたIPアドレス宛に「Get-Printer-Attributes」を送信する(2004)。S1804において、モバイル端末100は、画像形成装置102から602のような応答を受信する(2005)。
【0051】
次に、S1805で、モバイル端末100は、応答データの中から「Mopria-certified」や、Mopria設定の「Print-wfds」の値を確認する。「Mopria-certified」が含まれ、「Print-wfds」設定値がTRUEの場合、S1806において、モバイル端末100は、画面1904のように、プリンタ状態を表す検索結果を表示し(2006)、処理を終了する。
【0052】
一方、本設定値がFALSEの場合、S1807において、モバイル端末100は、画面1907のように、Mopria設定=OFFを表す検索結果を表示する。画面1907からユーザが画像形成装置を選択し、Mopria設定をONに変更するシーケンスは上記第1乃至第3の実施形態の変更シーケンスに準拠する。また、本設定値が含まれていない場合は、S1808で、モバイル端末100は、Mopria機能を搭載していない画像形成装置だと判断して、画面1906のように未発見の画面を表示し、処理を終了する。
【0053】
以上説明したように、本実施形態によれば、IPアドレス指定で検索された場合も、ユーザは検索結果のプリンタリストから、所望の画像形成装置がMopria設定=OFFであることが判断でき、かつ、容易に設定をONに変更できるので、利便性が向上する。
【0054】
<その他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0055】
100:モバイル端末、101、102、103:画像形成装置、104:アクセスポイント