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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】通信システムおよび印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20221221BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20221221BHJP
   B41J 3/36 20060101ALI20221221BHJP
   B41J 3/44 20060101ALI20221221BHJP
   B41J 2/32 20060101ALN20221221BHJP
【FI】
B41J29/38 401
B41J29/00 E
B41J3/36 Z
B41J3/44
B41J2/32 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018070995
(22)【出願日】2018-04-02
(65)【公開番号】P2019181705
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】501398606
【氏名又は名称】富士通コンポーネント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】小口 達也
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 寿美男
(72)【発明者】
【氏名】森 幸博
【審査官】井出 元晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-177509(JP,A)
【文献】特開2013-091182(JP,A)
【文献】特表2003-500245(JP,A)
【文献】特開2010-064336(JP,A)
【文献】特開2013-109645(JP,A)
【文献】特開2003-248566(JP,A)
【文献】特開2017-062535(JP,A)
【文献】特開2004-274152(JP,A)
【文献】特開2015-075953(JP,A)
【文献】特表2003-513831(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0281252(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 29/00
B41J 3/36
B41J 3/44
B41J 2/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯情報端末と、
グループに属する前記携帯情報端末とのグループ間通信を行うことが可能な印刷装置と
を備え、
前記印刷装置は、
印刷を行う印刷部と、
前記携帯情報端末から前記グループ間通信により印刷データを受信する印刷データ受信部と、
前記印刷データ受信部が受信した前記印刷データを用いて前記印刷部を制御する印刷制御部と、
前記グループ間通信によって印刷対象のオブジェクトを含むライブラリを同期するライブラリ同期制御部と、
他の印刷装置からフィールド定義情報を有するコンテキストデータを収集するデータ収集部と、
前記データ収集部が収集した前記コンテキストデータを結合して、印刷アプリケーション用の出力データを生成する出力データ生成部と
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
互いにグループ間通信を行うことが可能な複数の印刷装置を備えた通信システムであって、
前記複数の印刷装置の各々は、
前記グループ間通信におけるマスタとして機能するマスタモードと、前記グループ間通信におけるスレーブとして機能するスレーブモードとの間で、動作モードを切り替える動作モード切替部と、
前記グループ間通信によって印刷対象のオブジェクトを含むライブラリを同期するライブラリ同期制御部と、
他の印刷装置からフィールド定義情報を有するコンテキストデータを収集するデータ収集部と、
前記データ収集部が収集した前記コンテキストデータを結合して、印刷アプリケーション用の出力データを生成する出力データ生成部と
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項3】
前記印刷装置は、
前記出力データ生成部が生成した前記印刷アプリケーション用の前記出力データを、他の印刷装置へ配信するデータ配信部
を備えることを特徴とする請求項に記載の通信システム。
【請求項4】
前記印刷装置の各々は、
前記グループ間通信を行う通信制御部
を備え、
前記グループ間通信用のデータは、前記グループ間通信の対象とするオブジェクトを特定するための識別子、および、前記オブジェクトの出力位置を特定するための識別子の、少なくともいずれか一方を有する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記グループ間通信用のデータは、前記グループ間通信の対象とするオブジェクトのモード、リスト、結合、展開、要素の少なくとも一つを識別する識別子を有する
ことを特徴とする請求項に記載の通信システム。
【請求項6】
前記オブジェクトに対して付与された識別子によって、前記グループ間通信用データへアクセスする権限を管理可能である
ことを特徴とする請求項またはに記載の通信システム。
【請求項7】
グループに属する携帯情報端末とのグループ間通信を行うことが可能な印刷装置であって、
印刷を行う印刷部と、
前記携帯情報端末から前記グループ間通信により印刷データを受信する印刷データ受信部と、
前記印刷データ受信部が受信した前記印刷データを用いて前記印刷部を制御する印刷制御部と、
前記グループ間通信によって印刷対象のオブジェクトを含むライブラリを同期するライブラリ同期制御部と、
他の印刷装置からフィールド定義情報を有するコンテキストデータを収集するデータ収集部と、
前記データ収集部が収集した前記コンテキストデータを結合して、印刷アプリケーション用の出力データを生成する出力データ生成部と
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項8】
前記出力データ生成部が生成した前記印刷アプリケーション用の前記出力データを、前記グループ間通信により他の印刷装置へ配信するデータ配信部
を備えることを特徴とする請求項に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記印刷データは、印刷対象のオブジェクトを識別する識別子が設定されていることを特徴とする請求項に記載の印刷装置。
【請求項10】
本体に対して着脱可能なペン先ユニットあるいはレーザポインタユニットの少なくともいずれか一方を備えることを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記オブジェクトに対して付与された識別子によって、前記グループ間通信用データへアクセスする権限を管理可能である
ことを特徴とする請求項に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムおよび印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが外出先等において印刷を行うことを実現可能とする、可搬性を有する小型のモバイルプリンタが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-159427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のモバイルプリンタでは、印刷機構またはそれに付随する入力装置、表示装置、バッテリ等のサイズの制約上、一定のサイズよりも小型化することは困難であり、持ち運び容易化も困難であった。また、従来のモバイルプリンタは印刷機能を優先とするものであるため、外部の情報処理装置とグループ間コミュニケーションを行う際、モバイルプリンタがマスタ装置となって通信を管理することがなかった。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するため、持ち運びが容易な印刷装置により、グループ間コミュニケーションを容易に実現できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の通信システムは、携帯情報端末と、携帯情報端末とグループに属するユーザとのグループ間通信を行うことが可能な印刷装置とを備え、印刷装置は、印刷を行う印刷部と、携帯情報端末からグループ間通信により印刷データを受信する印刷データ受信部と、印刷データ受信部が受信した印刷データを用いて印刷部を制御する印刷制御部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、持ち運びが容易な印刷装置により、グループ間コミュニケーションを容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る印刷装置の外観斜視図
図2図1に示す印刷装置のA-A断面図
図3】本発明の一実施形態に係る拡張カセットが接続された印刷装置の外観斜視図
図4】本発明の一実施形態に係る印刷装置のハードウェア構成を示すブロック図
図5】本発明の一実施形態に係る印刷装置による第1の動作の手順を示すシーケンス図
図6】本発明の一実施形態に係る印刷装置による第2の動作の手順を示すシーケンス図
図7】本発明の一実施形態に係る印刷装置による第3の動作の手順を示すシーケンス図
図8】本発明の一実施形態に係る印刷装置の機能構成を示すブロック図
図9】本発明の一実施形態に係るコンテキストデータのデータ構造を示す図
図10】本発明の第1実施例に係る印刷装置とスマートフォンの分離状態を示す斜視図
図11】第1実施例に係る印刷装置とスマートフォンの結合状態を示す斜視図
図12】第1実施例に係る印刷処理の手順を示すシーケンス図
図13】本発明の第2実施例に係る通信システムのシステム構成を示す図
図14】第2実施例に係るライブラリ同期処理の手順を示すシーケンス図
図15】本発明の第3実施例に係る通信システムのシステム構成を示す図
図16】第3実施例に係るライブラリ同期処理の手順を示すシーケンス図
図17】第3実施例に係るローカルデータ配信処理の手順を示すシーケンス図
図18】第3実施例に係るライブラリ同期処理の具体例を示す図(初期)
図19】第3実施例に係るライブラリ同期処理の具体例を示す図(更新後)
図20】第3実施例に係るデータ収集処理およびデータ配信処理の手順を示すシーケンス図
図21】第3実施例に係る通信システムによるコンテキストデータ配信処理の手順を示すシーケンス図
図22】第3実施例に係る通信システムにおいて用いられるコンテキストデータの一例を示す図
図23】第3実施例に係るコンテキストデータの一例を示す図
図24】第3実施例に係るコンテキストデータに基づく出力例を示す図
図25】第3実施例に係るラベル用紙の貼付け例を示す図
図26】本発明の第4実施例に係る通信システムのシステム構成を示す図
図27】本発明の第5実施例に係る通信システムのシステム構成を示す図
図28】本発明の一実施形態に係る拡張ユニットの装着例を示す図
図29】動作モード切り替え処理の手順を示すフローチャート
図30】動作モード切り替え処理の手順を示すフローチャート
図31】動作モード切り替え処理の手順を示すフローチャート
図32】動作モード切り替え処理の手順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態〕
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0010】
(印刷装置の概要)
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷装置100の外観斜視図である。以降の説明では、便宜上、印刷装置100の長手方向をX方向とし、X方向と直交する方向を、Y方向およびZ方向とする。
【0011】
印刷装置100は、細長い円柱状のペン型の外形をなしている、小型且つ携帯可能なIoT(Internet of Things)デバイスである。印刷装置100は、プリンタ機能と無線通信機能とを有している。例えば、印刷装置100は、直径が約18mm~20mm、長さが約165mm~170mmである。
【0012】
図1に示すように、印刷装置100は、ペン型の筐体110を有している。筐体110の表面には、その長手方向に沿って延在するフック110Aが設けられている。これにより、筆記用具と同様にフック110Aによって胸のポケット等に印刷装置100を挟持することが可能となっている。
【0013】
印刷装置100は携帯情報端末に対して着脱自在であり、携帯情報端末に装着された状態で携帯情報端末と一体的に持ち運ぶことが可能である。また、印刷装置100は携帯情報端末とグループ間通信を行うことが可能であり、携帯情報端末から受信した印刷データを用いて印刷を行うことができる。グループ間通信とは、グループに属する特定のユーザのみ参加可能な通信である。また、印刷装置100は、携帯情報端末のみならず、他の印刷装置、センサデバイスなどの他装置との間でもグループ間通信を行うことが可能である。なお、記録紙として例えばA8サイズ(52×74mm)のラベル用紙を用いることができる。これにより、印刷装置100で画像や文字を印刷したラベル用紙を直ちに手帳等に貼り付けることができる。
【0014】
筐体110の外周には、円筒状のダイヤルスイッチ130が設けられている。ダイヤルスイッチ130は、ユーザの操作により電源のオンオフ、動作モードの切り替えなど印刷装置100の各種動作のための操作を可能とする。ダイヤルスイッチ130は異なる回転方向へ回転操作することが可能である。
【0015】
フック110Aの表面には、インジケータ132が設けられている。インジケータ132は、点灯することによって、電源状態、印刷状態、動作モード等の印刷装置100の各種状態を表すことができる。インジケータ132としては、例えばLED(light emitting diode)が用いられる。
【0016】
フック110Aの内部には、通信用のアンテナ134が設けられている。アンテナ134は、外部とのBLE(Bluetooth Low Energy)などによる無線通信において電波を送受信する。
【0017】
なお、筐体110のX正側の端部には着脱可能なキャップ110Bが設けられている。また、筐体110のX負側端部には着脱可能なキャップ110Cが設けられている。
【0018】
印刷装置100は、他の印刷装置等の、携帯情報端末以外の情報処理装置から印刷データを受信して印刷を行うこともできる。また、印刷データを印刷装置100のメモリに記憶させることにより、携帯情報端末と通信接続されていない状態であっても、メモリ内の印刷データを用いて印刷を行うことができる。
【0019】
印刷装置100は、外部の情報処理装置から受信した画像データを印刷することができる。また、印刷装置100は、外部の情報処理装置から受信した印刷データをメモリに記憶することにより、外部の情報処理装置と通信接続されていない状態であっても、メモリに記憶されている画像データを印刷することができる。
【0020】
印刷装置100は、ダイヤルスイッチ130の操作によって、通信機能、印刷機能、アプリケーション機能等、印刷装置100の各種機能を制御することができる。印刷装置100の各種機能は、通信接続された携帯情報端末からも実行を制御できる。
【0021】
印刷装置100は、基本管理機能のうちのデータ管理機能として、携帯情報端末から出力されたデータをダウンロードしてメモリに記憶することにより、メモリに記憶されているデータを、独立してPC等のホストへ登録することができる。これにより、携帯情報端末は、インタラプトされることなく作業等が可能となる。よって擬似的逐次処理となり、効率を上げることができる。また、携帯情報端末に登録したデータは、過多の情報の中で埋もれてしまうことが多い。よって、印刷装置100に逐次印刷ファイリングすることは、防止策の一つとして有効である。
【0022】
また、印刷装置100は、携帯情報端末の個人情報をダウンロードしてメモリに記憶することにより、携帯情報端末に個人情報を残さないことを可能とするファイリング装置として機能する。印刷装置100は、例えば帰宅後ペンスタンド(クレードル)に挿すことで、PC等に対して、メモリに記憶されているデータをアップロードすることができる。印刷装置100は、スマホ本体の様に、頻繁に操作するものではないから、紛失等のリスクが減る。
【0023】
また、印刷装置100は、逐次印字したラベルをユーザがスクラップブック、手帳等に貼っていき、必要なコメントを手書きすることで、機能的・効果的なファイル管理ツールとなる。
【0024】
また、印刷装置100は、区分け用途においては、積層カセットを用い、色違い、形状違い、長さ違いの用紙をセットし、用紙を切り替えて使用できる。
【0025】
また、印刷装置100は、基本管理機能のうちのデータ共有機能として、例えば、2個の印刷装置100があるとして、電源を立ち上げた後、登録済のペアリング機があるとした時、一方を例えばスイッチを指定回数ノックした後、右回転で送信ホスト設定を行い、他方を同じ回数ノックした後左回転して受信スレーブに設定をした場合(又は、初期に、於いてグループ定義しておく)、デバイス間単独でローカルネットワークを介し、ホスト設定デバイスからスレーブ設定デバイスにデータを送信できるようにすれば、独立したローカルコミュニケーションデバイスとなる。これは個人情報等をSNS等に載せたくない場合に有効なローカル情報コミュニケーションツールとなる。
【0026】
また、印刷装置100は、情報のやり取りには、フィールド定義フォーマット形式を用い、登録情報コミュニケーションの情報量を削減することができる。また、非定型フォーマット情報は画像圧縮フォーマット等を使用する。通常の管理情報は定型フォーマットが主であるから、携帯情報端末、印刷装置100、PC本体で定型プラットフォームを登録し、更新情報のみ交信する。
【0027】
また、印刷装置100は、フィールド定義フォーマットで情報交信し、定型プラットフォームをグループ間で共有することで、複数人の情報を一つのフォームに出力して共有できる。つまり、個々が個別にプリントして、プリント媒体を複数枚共有するのではなく、定型のプラットフォーム上で情報共有し、一つの印刷媒体に集約・編集して印刷する。これにより、グループ間での情報共有が効率化できる。
【0028】
また、印刷装置100は、基本管理機能のうちの記録計機能として、記録計として使用することができる。情報を携帯情報端末で受信し、ファイリングするとなると、メモリを消費し、また、必要とする場に一時的に本体を占有することとなるから、高価な使い方になる。対して、印刷装置100が記録計として使えるならば、その間携帯情報端末は別の仕事を実行できるから、効率的となる。
【0029】
また、印刷装置100は、株価チャートや、健康情報等、必要な部分のみ、画像をコピーし、本体に取り込めば良い。記録用途においては、ファンフォールド紙対応とする。
【0030】
また、印刷装置100は、基本管理機能のうちのステータス表示機能として、例えば、電源投入し、指定回数ノックしステータス表示モードとする。印刷装置100は、LEDを点滅し、モードを表示する。「1」の場合は、赤を1秒点灯し、0.5秒消灯する。「0」の場合は、緑を1秒点灯し、0.5秒消灯する。例えば、「1011」と表示するには、赤(1)、消(0.5)、緑(1)、消(0.5)、赤(1)、消(0.5)、赤(1)、消(0.5)の順にLEDを点滅させる。これにより、16種の状態を表示できる。
【0031】
また、印刷装置100は、付属機能として、電源を管理可能であるから、スタンバイモードにすることもできる。その場合、紛失時にはBLE通信でウェイクアップし、例えば、モータを共振させることで、所在場所の確認ができる。
【0032】
また、印刷装置100は、オプション機能として、充電キャップは別オプションとして、渦巻ペンを実装することにより、筆記ペンとプリンタを一体化して持ち運ぶことができる。
【0033】
また、印刷装置100は、ヘッド部モータキャップ部にレーザポインタを取り付け、インジケータをレーザポインタの通電ステータス表示に使うことで、レーザポインタ機能を具備できる。
【0034】
また、印刷装置100は、収容ケース等の長さ制限がある場合、内部の自動給紙用ワンウェイクラッチを削除することで、長さを抑えることができる。
【0035】
また、印刷装置100は、拡張機能として、用紙幅が必要となる場合、今回のペンサイズに変わり、同コンセプトの円柱(Column)プリンタを用いることができる。径は高々1.5倍以内、長さは用紙幅に対応となるので、携帯性は維持可能で、同じ環境を大判に適用可能となる。この時、携帯情報端末をモバイルPCに置き換えて、同じシステム構成にグレードアップ可能となる。
【0036】
また、印刷装置100は、マスタ設定がなされている際、グループ定義として、スレーブ設定がなされている他の印刷装置(スレーブ)に対して順次スキャンによる検出を行い、検出された他の印刷装置との間でグループ間通信を行う。
【0037】
(印刷装置100の構成)
図2は、図1に示す印刷装置100のA-A断面図である。図2に示すように、印刷装置100の筐体110はいずれも円筒状の外筒111および内筒112を有しており、外筒111の内部に内筒112が挿入される二重構造をなしている。外筒111は内筒112に対し回転可能である。外筒111には、給紙口111Aおよび排紙口111Bが形成されている。また、内筒112には、給紙口112Aおよび排紙口112Bが形成されている。
【0038】
図2に示すように、内筒112の内部には印刷機構120が設けられている。印刷機構120は、「印刷部」の一例である。印刷機構120は、図3に示す拡張カセット150から給紙された記録紙に印刷を行うことが可能な、いわゆるサーマルプリンタである。印刷機構120は、サーマルヘッド121、プラテンローラ122、給紙ローラ123、記録紙ガイド124、制御回路125を備えている。
【0039】
サーマルヘッド121は、複数の発熱素子がX方向に並べて設けられている。プラテンローラ122は、X方向に延伸する円柱状の部材であり、サーマルヘッド121と対向して設けられている。プラテンローラ122とサーマルヘッド121との間に記録紙を挟み込むことにより、記録紙をサーマルヘッド121に押し当てることができる。サーマルヘッド121は、制御回路125から供給された制御信号によって複数の発熱素子を発熱制御することにより、記録紙に対して画像を形成することができる。
【0040】
給紙ローラ123は、X方向に延伸する円柱状の部材である。給紙ローラ123の回転により、給紙口111Aおよび給紙口112Aから給紙された記録紙を、記録紙ガイド124に沿ってサーマルヘッド121とプラテンローラ122との間へ搬送することができる。
【0041】
制御回路125は、ヘッド駆動回路(図示省略)およびモータ駆動回路(図示省略)を有している。ヘッド駆動回路は、CPU401から出力された印刷ラインデータをサーマルヘッド121へ供給してサーマルヘッド121の駆動を制御する。モータ駆動回路は、CPU401から出力されたモータ制御データに基づいて、用紙送りを行うためのパルスモータ(図示省略)の駆動を制御する。
【0042】
(拡張カセット150の装着)
図3は、拡張カセット150が接続された印刷装置100の外観斜視図である。印刷装置100により印刷を行う際には、内筒112に対して外筒111を回転させて、図2に示すように、給紙口111Aと給紙口112Aの位置を一致させるとともに、排紙口111Bと排紙口112Bとの位置を一致させる。そして、図3に示すように、給紙口111Aに拡張カセット150を装着する。これにより、拡張カセット150から、給紙口111Aおよび給紙口112Aを介して印刷機構120への給紙が可能となる。記録紙は、印刷機構120から、排紙口111Bおよび排紙口112Bを介して排紙される。図3に示すように、拡張カセット150は概ね薄型の直方体形状を有しており、内部に複数枚の記録紙が収容可能である。拡張カセット150は、印刷装置100に装着された状態で、収容された記録紙を1枚ずつ印刷装置100へ供給する。
【0043】
(印刷装置100のハードウェア構成)
図4は、印刷装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。図4に示すように、印刷装置100は、CPU(Central Processing Unit)401、メモリ402、印刷機構120、アンテナ134(図1参照)、通信I/F(Interface)403、ダイヤルスイッチ130、インジケータ132、拡張I/F404、電源制御回路405、およびバッテリ406を備えている。各ハードウェアは、バス409を介して相互に接続されている。
【0044】
CPU401は、メモリ402に記憶されている各種プログラムを実行し、印刷装置100の各種動作を制御する。メモリ402は、CPU401により実行される各種プログラム、CPU401が各種プログラムを実行するために必要なデータを記憶する。メモリ402としては、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等が挙げられる。
【0045】
通信I/F403はアンテナ無線通信を制御する。本実施形態では、通信I/F403による無線通信方式として比較的低消費電力なBLEを用いている。但し、これに限らず、通信方式として、Wi-Fi、NFC(Near Field Communication)等を用いてもよい。
【0046】
拡張I/F404は、印刷装置100に装着された各種拡張カセットと電気的に接続される。印刷装置100には、拡張カセット150だけでなく、その他の拡張カセットを装着することが可能である。印刷装置100の外部電源として機能する拡張カセットが装着された場合、拡張I/F404は拡張カセットと電気的に接続され、拡張カセットから印刷装置100に電力が供給されるようにする。また、複数種類の記録紙の中から任意の記録紙を選択的に供給可能な拡張カセットが印刷装置100に装着された場合、拡張I/F404は拡張カセットと電気的に接続され、拡張カセットに記録紙の種類を指示する信号を出力する。
【0047】
電源制御回路405は印刷装置100の電源を制御する。電源制御回路405は、バッテリ406と、印刷装置100の各部との間に介在し、ダイヤルスイッチ130の操作に応じて印刷装置100の各部に対する電力供給を制御する。これにより、電源制御回路405は、印刷装置100の電源オン、オフを切り替えることができる。
【0048】
バッテリ406は、印刷装置100の各部へ直流電力を供給する。本実施形態では、バッテリ406としてリチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、ニッケル水素電池等の二次電池を用いている。但し、これに限らず、バッテリ406として、酸化銀電池、リチウム電池等の一次電池を用いてもよい。印刷装置100は、キャップ110Bを取り外すことによりUSBコネクタ(図示省略)を露出させることができ、USBコネクタを介して充電器を接続することで、バッテリ406を充電できるようになっている。
【0049】
次に、図5図7を参照して、印刷装置100の動作について説明する。
【0050】
図5は、印刷装置100の電源をオンにする動作手順を示すシーケンス図である。
【0051】
印刷装置100の電源がオフの状態でユーザがダイヤルスイッチ130を押下して電源オン操作を行うと(S501)、ダイヤルスイッチ130から電源制御回路405へ電源オン要求信号が送信される(S502)。電源制御回路405は、電源オン要求信号を受信すると(S503)、印刷装置100の電源をオン状態に切り替え(S504)、バッテリ406からの電力を印刷装置100の各部へ供給する。なお、この時点では、印刷装置100の電源オン状態が固定されていない状態であり、押下開始から所定時間内にダイヤルスイッチ130が押下されなくなると印刷装置100への電力供給が停止する。
【0052】
ダイヤルスイッチ130の電源オン操作が所定時間継続すると、CPU401が電源制御回路405へ電源固定要求信号を送信する(S505)。電源制御回路405は、電源固定要求信号を受信すると(S506)、印刷装置100の電源オン状態を固定する(S507)。S507以降は、ダイヤルスイッチ130の押下状態が解除されても(S508)、印刷装置100の電源オン状態は解除されない。
【0053】
図6は、印刷装置100の電源をオフにする動作手順を示すシーケンス図である。
【0054】
印刷装置100の電源がオンの状態でユーザがダイヤルスイッチ130を押下する電源オフ操作を行うと(S601)、ダイヤルスイッチ130が、CPU401へ電源オフ要求信号を送信する(S602)。電源オフ要求信号はダイヤルスイッチ130が押下されている間出力されるため、CPU401は、所定の時間連続して電源オフ要求信号を受信すると(S603)、その時点で実行中の処理を終了後、電源制御回路405へ電源固定解除信号を送信する(S604)。
【0055】
電源制御回路405は、電源固定解除信号を受信すると(S605)、印刷装置100の電源オン状態の固定を解除する(S606)。この後、ダイヤルスイッチ130による電源オフ操作が解除されると(S607)、電源制御回路405は印刷装置100を電源オフ状態に切り替える(S608)。電源オフ要求信号が所定時間連続した場合にのみ電源固定解除信号を送信することにより、ユーザの意思に反して不用意にダイヤルスイッチ130が操作されて電源がオフにならないようにしている。
【0056】
図7は、印刷装置100が外部の情報処理装置から受信した印刷データを用いて印刷を行う動作の手順を示すシーケンス図である。
【0057】
通信I/F403がアンテナ無線通信により外部の情報処理装置から印刷データを受信すると(S701)、CPU401が受信した印刷データのコード解析処理を行い(S702)、さらに受信した印刷データを展開する(S703)。これにより、CPU401は、S701で受信した印刷データに応じた印刷ラインデータを生成する(S704)。そして、CPU401は、S704で生成した印刷ラインデータをバッファに格納する(S705)。
【0058】
続いて、CPU401は通信I/F403に通信動作の停止要求を送信する(S706)。通信I/F403は、CPU401から停止要求を受信すると(S707)、無線通信を一時的に停止する(S708)。これにより、印刷機構120による印刷が優先されることとなるため、例えば、ヘッドやモータの駆動タイミングに通信割り込みが入り印字が乱れることを防止することができる。
【0059】
無線通信が停止した状態で、CPU401は、S705でバッファに格納された印刷ラインデータを順次印刷機構120へ転送する(S709)。これにより、制御回路125が、CPU401から転送された印刷ラインデータに基づいてサーマルヘッド121の駆動を制御して、記録紙に印刷する(S710)。
【0060】
印刷機構120は、印刷が完了するとCPU401に印刷完了通知を行う(S711)。CPU401は、印刷完了通知を受けると通信I/F403に通信動作の起動要求を送信する(S712)。通信I/F403は、CPU401から起動要求を受信すると(S713)、無線通信を起動する(S714)。これにより、通信I/F403は、外部の情報処理装置からの印刷データの受信を再開することができる。
【0061】
図8は、印刷装置100の機能構成を示すブロック図である。
【0062】
図8に示すように、印刷装置100は、通信制御部801、通信データ制御部802、印刷データ受信部803、印刷制御部804、動作モード切替部805、データ収集部806、出力データ生成部807、データ配信部808、データ管理部810、ライブラリ同期制御部812、およびグループ管理部813を備えている。
【0063】
通信制御部801は、印刷装置100とともにグループを構成するスマートフォン、他の印刷装置、センサデバイス等の他の情報処理装置との間のグループ間通信を制御する。例えば、通信制御部801は、グループ間通信に関し、以下の制御を行う。
【0064】
(1)BLE無線通信による、他の情報処理装置との通信接続
(2)BLE無線通信による、他の情報処理装置とのペアリング
(3)BLE無線通信による、他の情報処理装置との間のデータの送受信。
本実施形態では、通信制御部801は、通信データ制御部802によって生成されたグループ間通信用のコンテキストデータを用いて、他の情報処理装置とのデータ送受信を行う。
【0065】
(4)他の情報処理装置へ送信されるコンテキストデータへのアクセス権限(グループIDおよびユーザID)設定
(5)他の情報処理装置から受信したコンテキストデータのアクセス権限(グループIDおよびユーザID)判定
【0066】
通信データ制御部802は、通信制御部801がグループ間通信に用いるデータを制御する。通信データ制御部802は、データ管理部810によって管理されるデータを用いて、所定のデータ構造を有するコンテキストデータを生成する。例えば、通信データ制御部802は画像データ、文字データなどのオブジェクトを他の情報処理装置へ送信して他の情報処理装置に出力させる場合、オブジェクトの識別子と、印字や表示時のオブジェクトの出力位置(例えば、表示画面上の出力位置、記録紙上の出力位置)を示す位置情報の識別子とを含むコンテキストデータを生成する。そして、通信制御部801は、生成したコンテキストデータを他の情報処理装置へ送信する。他の情報処理装置は、受信したコンテキストデータに含まれている識別子によって、出力対象のオブジェクトと出力位置とを特定する。ここで、他の情報処理装置が自身の有するライブラリに出力対象のオブジェクトおよびその識別子と、位置情報およびその識別子とを予め保持している場合、通信制御部801はオブジェクトおよび位置情報の実データを他の情報処理装置へ送信する必要はなく、識別子が示されたコンテキストデータのみを他の情報処理装置へ送信すればよい。他の情報処理装置は、受信した識別子を用いて、自身が保持するオブジェクトや位置情報を読み出す。これにより、印刷装置100が他の情報処理装置へ送信するデータのデータ量を抑制できる。
【0067】
印刷データ受信部803は、印刷装置100とともにグループを構成する他の情報処理装置からグループ間通信により印刷データを受信する。
【0068】
印刷制御部804は、印刷データ受信部803が受信した印刷データを用いて、印刷機構120による記録紙への印刷を制御する。
【0069】
動作モード切替部805は、印刷装置100の動作モードを、グループ間通信でマスタとして機能するマスタモードとスレーブとして機能するスレーブモードとの間で切り替える。例えば、動作モード切替部805は、ダイヤルスイッチ130の操作に応じて印刷装置100の動作モードを切り替える。例えば、印刷装置100は初期状態においてスレーブモードで動作し、ダイヤルスイッチ130が操作された場合に動作モード切替部805によってマスタモードに切り替わる。なお、動作モード切替部805による処理の詳細は図29図32で後述する。
【0070】
印刷装置100の動作モードは、電源がオフとなっても保持される。すなわち、印刷装置100は、マスタモードにあるときに電源がオフになった場合、再び電源がオンになるとマスタモードで起動する。反対に、印刷装置100は、スレーブモードにあるときに電源がオフになった場合、再び電源がオンになるとスレーブモードで起動する。また、印刷装置100は、モード切替動作を行っているときに電源をオフにする操作がなされた場合、直ちに電源をオフにするのではなく、初期化動作のため電源がオンに固定された状態を一時的に保持しておき、その間に、動作モードを確実に切り替えて切り替え完了をユーザにインジケータ132などを用いて通知し、その後電源をオフにする。
【0071】
データ収集部806は、印刷装置100がマスタモードであるとき、グループを構成する他のスレーブモードの印刷装置から、グループ間通信によってコンテキストデータを用いた所定のアプリケーション用のデータを収集する。例えば、データ収集部806は、複数の他のスレーブモードの印刷装置の各々から、印刷アプリケーション用のデータ、SNSアプリケーション用のデータ等を収集する。
【0072】
出力データ生成部807は、データ収集部806が収集したアプリケーション用のデータを用いて、所定のアプリケーション用の出力データを生成する。例えば、出力データ生成部807は、データ収集部806が収集したデータを用いて、印刷アプリケーション用の出力データ、SNSのアプリケーション用の出力データ等を生成する。
【0073】
データ配信部808は、出力データ生成部807が生成したアプリケーション用の出力データを、スレーブモードの印刷装置へ配信する。例えば、データ配信部808は、出力データ生成部807が生成した印刷アプリケーション用の出力データ、SNSのアプリケーション用の出力データ等をスレーブモードの印刷装置の各々へ配信する。
【0074】
データ管理部810は、コンテキストデータに用いられる各種データを管理するライブラリである。例えば、データ管理部810は、以下のデータを管理する。なお、以下に示す各データの詳細については、図9を用いて後述する。
【0075】
(1)コンテキストデータによってグループ間で送受信されるオブジェクト
(2)各位置情報の識別情報(@POS)
(3)位置情報の集合体である位置集合情報
(4)各位置集合情報の識別情報(@SPOS)
(5)コンテキストデータによってグループ間で送受信される文字データ
(6)各文字データの識別情報(@LST)
(7)コンテキストデータによってグループ間で送受信される文字データの修飾情報
(8)各修飾情報の識別情報(@MOD)
(9)コンテキストデータによってグループ間で送受信される画像データ
(10)各画像データの識別情報(@FLM、@BLK、@UPT)
(11)要素情報(上記(1)~(10))の組み合わせを定義したZIP情報
(12)各ZIP情報の識別情報(@ZIP)
(13)コンテキストデータの送信先の情報処理装置で行う展開処理を定義したマッピング情報
(14)各マッピング情報の識別情報(@MAP)
【0076】
ライブラリ同期制御部812は、グループを構成する複数の情報処理装置の間でのライブラリの同期を制御する。ライブラリ同期制御部812は、自身のライブラリ(データ管理部810)に格納されているローカルデータを他の情報処理装置へ送信する。ローカルデータとは、自身のライブラリのみに格納されているデータである。ローカルデータとして、コンテキストデータに用いられる要素情報、結合情報、および展開情報の各種情報が挙げられる。また、ライブラリ同期制御部812は、他の情報処理装置から送信されたローカルデータを自身のライブラリに格納する。これにより、自身のライブラリに格納されているローカルデータが他の情報処理装置に格納されるとともに、他の情報処理装置に格納されているローカルデータが自身のライブラリに格納される。したがって、複数の情報処理装置の間でライブラリが同期する。
【0077】
グループ管理部813は、グループを管理する。グループ管理部813は、予め定義されたグループ毎に、グループIDと、グループに属するユーザ、すなわちグループへの参加が許可されたユーザのユーザIDとを管理テーブルによって管理する。印刷装置100は、例えばダイヤルスイッチ130の操作によってマスタモードに切り替えられる。また、マスタモードの印刷装置100は、ダイヤルスイッチ130の操作によって、グループ管理部813が管理する予め定義された複数のグループのうち、グループ間通信に使用するグループを選択する。そして、マスタモードの印刷装置100は、選択されたグループに属するスレーブモードの情報処理装置に接続することにより、グループを構成する。
【0078】
なお、上記した印刷装置100の機能は、メモリ402に記憶されているプログラムをCPU401が実行することによって実現される。CPU401が実行するプログラムは、予め印刷装置100に導入された状態で提供されてもよく、外部から印刷装置100に導入されるようにしてもよい。後者の場合、このプログラムはUSBメモリ、メモリカード、CD-ROM等の外部記憶媒体によって提供されてもよく、ネットワークを介してサーバなどからダウンロードしてもよい。提供されたプログラムは一旦後述する本体202にセーブされ、本体202より印刷装置100にダウンロードされる。CPU401は、プログラムをメモリ402に格納し、再起動を掛けることでダウンロードしたプログラムを起動できるようにしてもよい。
【0079】
(コンテキストデータのデータ構造)
図9は、印刷装置100が用いるコンテキストデータのデータ構造を示す図である。図9に示すように、コンテキストデータは、ヘッダー領域とデータ領域(フィールド定義情報)とを有している。
【0080】
<ヘッダー領域>
ヘッダー領域は、「付与ID」および「属性情報領域」を有している。「付与ID」は、データ項目として、「コンテキストID」を有している。「属性情報領域」は、階層による共有グループ設定を可能とするデータ項目として、「グループID」、および「ユーザID」を有している。
【0081】
「コンテキストID」には、コンテキストデータを一意に識別するユーザ端末でのコンテキストIDが設定される。例えば、コンテキストIDはコンテキストデータが生成されたときに採番される。
【0082】
「グループID」には、コンテキストデータを共有するグループに関する情報が設定され、コンテキストデータのアクセスを許可するか否かを示す「許可フラグ」と、コンテキストデータのアクセスを許可または不許可とするグループの階層を示す「グループ分類」と、グループを一意に識別する「グループID」とが設定される。例えば、許可フラグとしては不許可を示す「0」または許可を示す「1」が設定される。また、グループ分類としては、「00」,「01」,「10」,「11」のいずれかが設定される。「00」はフリーであることを示す。「01」は小グループであることを示す。「10」は中グループであることを示す。「11」は大グループであることを示す。また、グループIDとしては、コンテキストデータの対象とする1または複数のグループのグループIDが設定される。グループIDが5ビットであれば、計32のグループに分類することができる。なお、コンテキストデータに設定されるグループIDは適宜変更することが可能である。例えば教育現場において、コンテキストデータを用いてグループ活動を行う場合、当初グループ単位でコンテキストデータを共有するときには小グループのグループIDが設定される。その後、クラス単位でコンテキストデータを共有するときには大グループのグループIDを設定する。コンテキスト情報は、同一のグループID間で共有される。異なるグループID間で情報共有はされない。「グループ分類」は、さらに、ユーザグループまたはセンサーグループに分類可能とする。階層ランク、階層グループより、1グループ、または複数グループの許可/不許可を設定できる。
【0083】
例えば、マスタとして機能する印刷装置100が、コンテキストデータをグループ内の他の印刷装置へ配信する場合、コンテキストデータにグループIDおよび許可フラグとして「1」を設定する。もし、グループ内のメンバであっても、コンテキストデータにアクセスさせたくないメンバがいる場合には、そのメンバのユーザIDおよび許可フラグとして「0」を設定する。他の印刷装置は、受け取ったコンテキストデータに設定されているグループIDおよび許可フラグ「1」によって、グループを判別し、そのグループのメンバである場合は、コンテキストデータにアクセスできる。但し、他の印刷装置は、受け取ったコンテキストデータに自身のユーザIDおよび許可フラグとして「0」が設定されている場合には、コンテキストデータにアクセスできない。
【0084】
「ユーザID」には、コンテキストデータのアクセスを許可するか否かを示す「許可フラグ」と、コンテキストデータのアクセスを許可または不許可とするユーザを一意に識別する識別情報である「ユーザID」とが設定される。例えば、「許可フラグ」としては不許可を示す「0」または許可を示す「1」が設定される。「ユーザID」としては、コンテキストデータの対象とする1または複数のユーザのユーザIDが設定される。
【0085】
<データ領域>
「データ領域」は、データ項目として、「要素情報」、「結合情報」、および「展開情報」を有している。
【0086】
「要素情報」には、「位置情報」、「位置集合情報」、「リスト情報」、「修飾情報」、「フレーム画像情報」、「ブロック画像情報」、および「ユニット画像情報」が設定される。なお、要素情報に順序依存性は無い。
【0087】
「位置情報」には、コンテキストデータによって送受信される文字データ、画像データ等のオブジェクトの出力位置を定義した座標値や領域サイズ等の位置情報を識別する識別子が設定される。「位置情報」に設定される識別子として「@POS」が用いられる。コンテキストデータに「@POS(A)」が設定された場合、所定のアプリケーションにおける「@POS(A)」によって特定される出力位置に、出力対象のオブジェクトを出力する。なお、印刷装置100では、位置情報および識別子はデータ管理部810によって管理される。
【0088】
「位置集合情報」には、位置情報の集合体である位置集合情報を識別する識別子が設定される。位置集合情報に設定される識別子として「@SPOS」が用いられる。コンテキストデータに「@SPOS(A)」が設定された場合、所定のアプリケーションにおける「@SPOS(A)」によって特定される複数の出力位置に、出力対象のオブジェクトを出力する。なお、印刷装置100において、位置集合情報および識別子は、データ管理部810によって管理される。例えば、文字情報を登録する場合、一つのユニットパターンを位置集合情報によって特定される複数の位置に貼りつけることができる。
【0089】
「リスト情報」は、コンテキスト情報によって送受信されるテキストデータ(例えば、オンデマンドで印刷したいコード列)を識別する識別子が設定される。リスト情報に設定される識別子として、「@LST」が用いられる。印刷装置100において、リスト情報および識別子はデータ管理部810によって管理される。
【0090】
「修飾情報」は、コンテキスト情報によって送受信される文字種類、文字サイズ、回転情報等の文字データの修飾情報を識別する識別子が設定される。「修飾情報」に設定される識別子として、「@MOD」が用いられる。印刷装置100において、修飾情報および識別子はデータ管理部810によって管理される。
【0091】
「フレーム画像情報」は、新規にフレーム画像を登録する場合等、コンテキスト情報によって送受信されるフレーム画像データを識別する識別子が設定される。フレーム画像情報に設定される識別子として、「@FLM」が用いられる。印刷装置100において、フレーム画像データおよび識別子はデータ管理部810によって管理される。
【0092】
「ブロック画像情報」は、新規にブロック画像(ロゴやキャラクタ等)を登録する場合等、コンテキスト情報によって送受信されるロゴ、キャラクタ等のブロック画像データを識別する識別子が設定される。「ブロック画像情報」に設定される識別子として、「@BLK」が用いられる。印刷装置100において、ブロック画像データおよび識別子はデータ管理部810によって管理される。
【0093】
「ユニット画像情報」は、文字登録する場合等に、新規に発生したユニットパターン等を登録する際に、コンテキスト情報によって送受信されるユニットパターン画像データを識別する識別子が設定される。「ユニット画像情報」に設定される識別子として、「@UPT」が用いられる。印刷装置100において、ユニット画像データおよび識別子はデータ管理部810によって管理される。
【0094】
データ項目「結合情報」には、要素情報の組み合わせを定義したZIP情報を識別する識別子が設定される。「結合情報」に設定される識別子として「@ZIP」が用いられる。ZIP情報および識別子はデータ管理部810によって管理される。同じ属性指定(MOD)番号を異なる位置指定(POS)番号にZIPしても良いし、異なるMOD番号を同じPOS番号にZIPしても良い。但し、ZIP番号は異なる。なお、結合操作に順序依存性は無い。
【0095】
コンテキストデータに「結合情報」として「@ZIP(A)」が設定され、「@ZIP(A)」が「@POS(A)」と「@MOD(A)」との組み合わせを定義したものである場合、所定のアプリケーションにおける「@POS(A)」によって特定される出力位置に出力対象の文字データを、「@MOD(A)」によって特定される修飾情報で出力する。
【0096】
また、コンテキストデータに「結合情報」として「@ZIP(B)」が設定され、「@ZIP(B)」が「@SPOS(B)」と「@UPT(B)」との組み合わせを定義したものである場合、所定のアプリケーションにおける「@SPOS(B)」によって特定される複数の出力位置に、「@UPT(B)」によって特定されるユニットパターン画像データを出力する。ZIP情報および識別子は、データ管理部810によって管理される。
【0097】
「展開情報」には、コンテキストデータの送信先の情報処理装置で行われる展開処理を定義したマッピング情報を識別する識別子が設定される。「マッピング情報」に設定される識別子として「@MAP」が用いられる。マッピング情報および識別子は、データ管理部810によって管理される。なお、op作用は順序依存性を持つ。
【0098】
コンテキストデータに「展開情報」として「@MAP(A)」が設定され、「@MAP(A)」が、「op」と「@ZIP(A)」と「@LST(A)」との組み合わせを定義したものであり、且つ「@ZIP(A)」が「@POS(A)」と「@MOD(A)」との組み合わせを定義したものである場合、送信先の情報処理装置において、所定のアプリケーションにおける「@POS(A)」によって特定される出力位置に、「@LST(A)」によって特定される文字データを、「@MOD(A)」によって特定される修飾情報で出力する「op」に相当する展開処理を行う。
【0099】
また、コンテキストデータに「展開情報」として「@MAP(B)」が設定され、「@MAP(B)」が、「op」と「@POS(B)」と「@FLM(B)」との組み合わせを定義したものである場合、送信先の情報処理装置において、所定のアプリケーションにおける「@POS(B)」によって特定される出力位置に、「@FLM(B)」によって特定されるフレーム画像データを出力する、「op」に相当する展開処理を行う。
【0100】
また、コンテキストデータに「展開情報」として「@MAP(C)」が設定され、「@MAP(C)」が、「op」と「@POS(C)」と「@BLK(C)」との組み合わせを定義したものである場合、送信先の情報処理装置において、所定のアプリケーションにおける「@POS(C)」によって特定される出力位置に、「@BLK(C)」によって特定されるブロック画像データを出力する、「op」に相当する展開処理を行う。
【0101】
また、コンテキストデータに「展開情報」として「@MAP(D)」が設定され、「@MAP(D)」が、「op」と「@IDX(D)」と「@ZIP(D)」との組み合わせを定義したものである場合、送信先の情報処理装置において、「@IDX(D)」によって特定されるインデックスに「@ZIP(D)」によって特定される文字などのイメージデータを登録する、「op」に相当する展開処理を行う。
【0102】
このように、本実施形態の印刷装置100は、他の情報処理装置との間で所定のデータ構造を有するコンテキストデータを送受信することで、他の情報処理装置との間で画面表示、印刷等によって出力されるオブジェクトを共有することができる。特に、本実施形態ではコンテキストデータにオブジェクトの識別子を含めることで、印刷装置100からオブジェクトの実データを送受信することなく、オブジェクトを送信先の情報処理装置に出力させることができる。これにより、本実施形態の印刷装置100は、他の情報処理装置との間で送受信するデータのデータ量を抑制することができる。
【0103】
〔第1実施例〕
次に、図10図12を参照して、印刷装置100の第1実施例について説明する。第1実施例では、印刷装置100とスマートフォン200(「携帯情報端末」の一例)との間でグループ間通信を行う通信システム10を構成する例を説明する。
【0104】
(スマートフォン200への印刷装置100の装着)
図10は、第1実施例に係る通信システム10を構成する印刷装置100およびスマートフォン200の分離状態を示す斜視図である。図11は印刷装置100およびスマートフォン200の結合状態を示す斜視図である。
【0105】
図10に示すように、印刷装置100はバインダ210を介してスマートフォン200に装着される。スマートフォン200は、本体202と、本体の前面および背面を覆うように取り付けられたジャケット204とを備えている。ジャケット204の背面には、接着剤などの固定手段よって平板状のバインダ210を取り付けることができる。バインダ210は、X方向を長手方向とする長方形状を有している。バインダ210のY負側の長辺部分には、長辺部分に沿って延在する円筒状の把持部212が設けられている。把持部212は開閉可能であり、図10に示す開いた状態で印刷装置100をセットできる。そして、把持部212を図11に示す閉じることにより、印刷装置100を固定的に把持する。なお、把持部212の内径は、印刷装置100の筐体110の外形と略同サイズである。これにより、図11に示すように、把持部212はがたつきを生じさせることなく印刷装置100を把持できる。なお、図11に示すように、印刷装置100は、スマートフォン200に装着された状態で拡張カセット152、またはその他の拡張カセットを装着可能である。拡張カセット152には記録紙および内蔵バッテリが内部に設けられている。図11に示すように、スマートフォン200に装着された印刷装置100に拡張カセット152を装着することにより、スマートフォン200に装着された状態のまま印刷を行うことができる。
【0106】
第1実施例による印刷装置100は、BLE無線通信によりスマートフォン200との間でグループ間通信を行うことができる。そして、印刷装置100は、グループ間通信によりスマートフォン200から受信した印刷データを用いて印刷を行う。また、印刷装置100は、グループ間通信により、スマートフォン200からデータをダウンロードしてメモリ402に記録するとともに、メモリ402内に記録されている各種ローカルデータをスマートフォン200にアップロードすることができる。
【0107】
第1実施例では、グループ間通信においてスマートフォン200がマスタとして機能し、印刷装置100がスレーブとして機能する。第1実施例では、印刷装置100は動作モード切替部805によってスレーブモードに切り替えられ、スマートフォン200とのグループ間通信を行う。また、印刷装置100は、所定のデータ構造を有するコンテキストデータを用いて、スマートフォン200との間でデータの送受信を行う。
【0108】
(通信システム10による印刷処理の手順)
図12は、第1実施例に係る通信システム10による印刷処理の手順を示すシーケンス図である。ここでは、スマートフォン200から出力された印刷データに基づいて印刷装置100が印刷処理を行う手順について説明する。
【0109】
まず、スマートフォン200が、印刷装置100との無線通信のための通信接続を行う(S1201)。そして、スマートフォン200は、印刷装置100とのペアリングを行う(S1202)。続いて、スマートフォン200は、印刷装置100にローカルデータの要求信号を送信する(S1203)。
【0110】
印刷装置100の通信制御部801が、スマートフォン200からローカルデータの要求信号を受信すると(S1204)、ライブラリ同期制御部812が、通信制御部801を介して自身のライブラリ(データ管理部810)に格納されているローカルデータAをスマートフォン200へ送信する(S1205)。
【0111】
スマートフォン200は、印刷装置100からローカルデータAを受信すると(S1206)、受信したローカルデータAを印刷装置100と同様に自身のライブラリに格納する(S1207)。これにより、印刷装置100のライブラリに格納されているローカルデータAが、スマートフォン200のライブラリにも格納される。
【0112】
続いて、スマートフォン200は、自身のライブラリに格納されているローカルデータBを印刷装置100へ送信する(S1208)。
【0113】
印刷装置100の通信制御部801がスマートフォン200からローカルデータBを受信すると(S1209)、ライブラリ同期制御部812がローカルデータBを自身のライブラリに格納する(S1210)。これにより、スマートフォン200のライブラリに格納されているローカルデータBが、印刷装置100のライブラリにも格納される。
【0114】
そして、ライブラリ同期制御部812は、通信制御部801を介してスマートフォン200にライブラリ更新の完了通知を行う(S1211)。スマートフォン200は、ライブラリ更新完了通知を受けると印刷装置100に印刷データを送信する(S1212)。
【0115】
印刷装置100の通信制御部801が、スマートフォン200から印刷データを受信すると(S1213)、印刷制御部804が印刷データを用いて印刷機構120を制御し、印刷を行う(1214)。印刷が完了すると、印刷制御部804は、通信制御部801を介して、スマートフォン200に印刷完了通知を行う(S1215)。
【0116】
スマートフォン200は、印刷の完了通知を受けると印刷装置100との通信接続を切断する(S1216)。
【0117】
例えば、スマートフォン200は、印刷対象のオブジェクトを特定するための識別子、印刷位置を特定するための識別子等が設定されたコンテキストデータを、印刷データとして印刷装置100へ送信する。印刷装置100は、このコンテキストデータを受信すると、このコンテキストデータに設定されている識別子から、印刷対象のオブジェクト、印刷位置等を特定する。印刷装置100は、予めスマートフォン200とライブラリを同期させることにより、印刷対象のオブジェクトを保持している。このため、印刷装置100は、スマートフォン200から印刷対象のオブジェクトを受け取ることなく、当該オブジェクトを印刷することができる。
【0118】
〔第2実施例〕
次に、図13および図14を参照して、印刷装置100の第2実施例について説明する。第2実施例では、印刷装置100と、2つのスマートフォン200A,200Bとによってグループ間通信を行う通信システム10Aを構成する例を説明する。
【0119】
(通信システム10Aのシステム構成)
図13は、第2実施例に係る通信システム10Aのシステム構成を示す図である。この第2実施例の印刷装置100は、BLE無線通信によりスマートフォン200A,200Bの各々との間でグループ間通信を行うことができる。そして、印刷装置100は、グループ間通信により、スマートフォン200A,200Bの各々から受信した印刷データを用いて印刷を行うことができる。また、印刷装置100は、スマートフォン200A,200Bの各々とのグループ間通信により、メモリ402内に記録されている各種ローカルデータをスマートフォン200A,200Bの各々あるいはいずれかにアップロードすることができる。
【0120】
第2実施例では、グループ間通信において、スマートフォン200A,200Bの各々がマスタとして機能し、印刷装置100がスマートフォン200A,200Bの各々に対するスレーブとして機能する。なお、スマートフォン200A,200Bは、第1実施例のスマートフォン200と同様の機能を有する。印刷装置100は、スマートフォン200A,200Bの各々に対し第1実施例と同様のグループ間通信を行う。
【0121】
(通信システム10Aによる印刷処理の手順)
図14は、第2実施例に係る通信システム10Aによるライブラリ同期処理の手順を示すシーケンス図である。ここでは、通信システム10Aにおいて、スマートフォン200Aと印刷装置100とが一時的にグループを構成し、両者の間でライブラリ同期処理を行う手順について説明する。
【0122】
まず、スマートフォン200Aが、印刷装置100とのBLE無線通信のための通信接続を行う(S1401)。そして、スマートフォン200Aは印刷装置100とのペアリングを行う(S1402)。続いて、スマートフォン200Aは、印刷装置100にローカルデータの要求信号を送信する(S1403)。
【0123】
印刷装置100がスマートフォン200Aからローカルデータ要求信号を受信すると(S1404)、ライブラリ同期制御部812が、通信制御部801を介して、自身のライブラリ(データ管理部810)に格納されているローカルデータAをスマートフォン200Aへ送信する(S1405)。
【0124】
スマートフォン200Aは、印刷装置100からローカルデータAを受信すると(S1406)、ローカルデータAを印刷装置100と同様に自身のライブラリに格納する(S1407)。これにより、印刷装置100のライブラリに格納されているローカルデータAが、スマートフォン200Aのライブラリにも格納される。
【0125】
続いて、スマートフォン200Aは、自身のライブラリに格納されているローカルデータBを印刷装置100へ送信する(S1408)。
【0126】
印刷装置100がスマートフォン200AからローカルデータBを受信すると(S1409)、ライブラリ同期制御部812がローカルデータBを自身のライブラリに格納する(S1410)。これにより、スマートフォン200Aのライブラリに格納されているローカルデータBが印刷装置100のライブラリにも格納される。
【0127】
そして、ライブラリ同期制御部812は、通信制御部801を介して、スマートフォン200Aにライブラリ更新の完了通知を行う(S1411)。スマートフォン200Aは、ライブラリ更新の完了通知を受けると印刷装置100との通信接続を切断する(S1416)。スマートフォン200Bも印刷装置100に対し200A同様のシーケンスで同期することができる。
【0128】
なお、印刷装置100は、スマートフォン200Aおよびスマートフォン200Bの一方から受信したデータを、スマートフォン200Aおよびスマートフォン200Bの他方へ送信することにより、スマートフォン200Aとスマートフォン200Bと間のデータ中継を行うことができる。
【0129】
〔第3実施例〕
次に、図15および図16を参照して、印刷装置100の第3実施例について説明する。第3実施例では、印刷装置100と2つの他の印刷装置100A,100Bとの間でグループ間通信を行う通信システム10Bを構成する例を説明する。
【0130】
(通信システム10Bのシステム構成)
図15は、第3実施例に係る通信システム10Bの構成を示す図である。第3実施例の印刷装置100はBLE無線通信により、印刷装置100A,100Bの各々との間でグループ間通信を行う。そして、印刷装置100は、グループ間通信により印刷装置100A,100Bの各々からローカルデータ、SNSアプリケーションの投稿データ等の各種データを収集したり、印刷装置100A,100Bに対して各種データを配信する。第3実施例では、印刷装置100がグループ間通信のマスタとして機能し、印刷装置100A,100Bの各々がスレーブとして機能する。なお、印刷装置100A,100Bは印刷装置100と同様の機能を有するものである。したがって、印刷装置100A,100Bの各々も、印刷を行ったり、グループ間通信を行うことができる。また、印刷装置100A,100Bの各々は、印刷装置100と同様にスマートフォンとのグループ間通信を行ったり、マスタとして機能したりすることもできる。
【0131】
図15では、印刷装置100は2つの印刷装置100A,100Bとグループを構成しているが、1つ、または、3つ以上の印刷装置とグループを構成することもできる。
【0132】
(通信システム10Bによるライブラリ同期処理の手順)
図16は、第3実施例に係る通信システム10Bによるライブラリ同期処理の手順を示すシーケンス図である。ここでは、印刷装置100がマスタとなって、印刷装置100,100A,100Bの間でライブラリ同期処理を行う手順について説明する。以下、印刷装置100の要素の符号は数字のみとし、印刷装置100Aの要素の符号は末尾にAを付与し、印刷装置100Bの要素の符号は末尾にBを付与する。
【0133】
まず、通信制御部801が、印刷装置100AとのBLE無線通信のための通信接続を行う(S1601)。そして通信制御部801が、印刷装置100Aとのペアリングを行う(S1602)。続いて、ライブラリ同期制御部812が、通信制御部801を介して印刷装置100Aにローカルデータの要求信号を送信する(S1603)。
【0134】
通信制御部801Aが印刷装置100からローカルデータ要求信号を受信すると(S1604)、ライブラリ同期制御部812Aが、通信制御部801Aを介して自身のライブラリ(データ管理部810A)に格納されているローカルデータAを印刷装置100へ送信する(S1605)。
【0135】
通信制御部801が印刷装置100AからローカルデータAを受信すると(S1606)、ライブラリ同期制御部812がローカルデータAを印刷装置100Aと同様に自身のデータ管理部810にライブラリとして格納する(S1607)。これにより、印刷装置100Aのライブラリに格納されているローカルデータAが、印刷装置100のライブラリにも格納される。その後、印刷装置100の通信制御部801は印刷装置100Aとの通信接続を切断する(S1608)。
【0136】
続いて、通信制御部801が、印刷装置100Bとの間でBLE無線通信を行うための通信接続を行う(S1611)。そして通信制御部801が印刷装置100Bとのペアリングを行う(S1612)。続いて、ライブラリ同期制御部812が、通信制御部801を介して、印刷装置100Bにローカルデータの要求信号を送信する(S1613)。
【0137】
通信制御部801Bが印刷装置100から要求信号を受信すると(S1614)、ライブラリ同期制御部812Bが、通信制御部801Bを介して、自身のライブラリに格納されているローカルデータBを印刷装置100へ送信する(S1615)。
【0138】
通信制御部801が印刷装置100BからローカルデータBを受信すると(S1616)、ライブラリ同期制御部812が、ローカルデータBを、印刷装置100Bと同様に自身のライブラリに格納する(S1617)。これにより、印刷装置100Bのライブラリに格納されているローカルデータBが印刷装置100のライブラリにも格納される。その後、印刷装置100の通信制御部801は印刷装置100Bとの通信接続を切断する(S1618)。
【0139】
続いて、印刷装置100は印刷装置100A,100Bの各々にローカルデータを配信する(S1620)。ローカルデータの配信処理については、図17で詳細に説明する。
【0140】
(通信システム10Bによるローカルデータ配信処理の手順)
図17は、第3実施例に係る通信システム10Bによるローカルデータ配信処理の手順を示すシーケンス図である。ここでは、印刷装置100がマスタとなって、印刷装置100A,100Bの各々にローカルデータを配信する手順について説明する。
【0141】
まず、印刷装置100の通信制御部801が、印刷装置100AとのBLE無線通信をおこなうための通信接続を行う(S1701)。そして通信制御部801が、印刷装置100Aとのペアリングを行う(S1702)。続いて、ライブラリ同期制御部812が、通信制御部801を介して印刷装置100Aに自身のライブラリに格納されているローカルデータB,Cを送信する(S1703)。
【0142】
通信制御部801Aが、印刷装置100からローカルデータB,Cを受信すると(S1704)、ライブラリ同期制御部812Aが、ローカルデータB,Cを自身のライブラリに格納する(S1705)。これにより、印刷装置100のライブラリに格納されているローカルデータCと印刷装置100Bのライブラリに格納されているローカルデータBとが、印刷装置100Aのライブラリにも格納される。
【0143】
ライブラリ同期制御部812Aは、通信制御部801Aを介して印刷装置100にライブラリ更新の完了通知を行う(S1706)。印刷装置100は、ライブラリ更新の完了通知を受けると、通信制御部801が印刷装置100Aとの通信接続を切断する(S1707)。
【0144】
続いて、通信制御部801が印刷装置100Bとの間のBLE無線通信のための通信接続を行う(S1711)。そして通信制御部801が、印刷装置100Bとのペアリングを行う(S1712)。続いて、ライブラリ同期制御部812が、通信制御部801を介して、印刷装置100Bに自身のライブラリに格納されているローカルデータA,Cを送信する(S1713)。
【0145】
通信制御部801Bが印刷装置100からローカルデータA,Cを受信すると(S1714)、ライブラリ同期制御部812Bが、受信したローカルデータA,Cを自身のライブラリに格納する(S1715)。これにより、印刷装置100のライブラリに格納されているローカルデータCと印刷装置100Aのライブラリに格納されているローカルデータAとが、印刷装置100Bのライブラリにも格納される。
【0146】
そして、ライブラリ同期制御部812Bは、通信制御部801Bを介して印刷装置100にライブラリ更新の完了通知を行う(S1716)。印刷装置100は、ライブラリ更新の完了通知を受けると、通信制御部801が印刷装置100Bとの通信接続を切断する(S1717)。
【0147】
図16および図17の処理により、印刷装置100,100A,100Bの各々のライブラリにローカルデータA,B,Cが格納され、印刷装置100,100A,100Bの各々のライブラリが同期する。
【0148】
なお、第3実施例では、印刷装置100が印刷装置100A,100Bの各々に対して通信接続を行う際、印刷装置100A,100Bの各々のインジケータ132を点灯させることにより印刷装置100から通信接続要求がなされていることをユーザに通知してもよい。そして、印刷装置100A,100Bの各々のダイヤルスイッチ130の操作により、印刷装置100に対して接続許可信号を送信してもよい。
【0149】
(通信システム10Bによるローカルデータ配信処理の手順)
図18および図19は、第3実施例に係る通信システム10Bにおけるライブラリ同期処理の具体例を示す図である。図18は、通信システム10Bにおいて、ライブラリ同期処理が行われる前の印刷装置100,100A,100Bの各々のライブラリの状態を示す。図19は、ライブラリ同期処理が行われた後の印刷装置100,100A,100Bの各々のライブラリの状態を示す。
【0150】
図18に示すように、ライブラリ同期処理が行われる前は、印刷装置100のデータ管理部810(ライブラリ)には共有データとローカルデータCとが格納されている。また、印刷装置100Aのデータ管理部810Aには共有データとローカルデータAとが格納され、印刷装置100Bのデータ管理部810Bには共有データとローカルデータBとが格納されている。
【0151】
共有データは、印刷装置100,100A,100Bの各々のライブラリに既に格納されている、印刷装置100,100A,100Bが共有済みのデータである。ローカルデータCは印刷装置100のライブラリのみに格納されている。ローカルデータAは印刷装置100Aのライブラリのみに格納されている。ローカルデータBは、印刷装置100Bのライブラリのみに格納されている。
【0152】
通信システム10Bにおいてライブラリ同期処理が行われると、初めに、印刷装置100Aのライブラリに格納されているローカルデータAが印刷装置100に送信され、印刷装置100のライブラリに格納される。次に、印刷装置100Bのライブラリに格納されているローカルデータBが印刷装置100に送信され、印刷装置100のライブラリに格納される。これにより、印刷装置100のライブラリには、共有データと、ローカルデータCと、ローカルデータAと、ローカルデータBとが格納される。
【0153】
その後、印刷装置100は印刷装置100AにローカルデータBと、ローカルデータCとを送信する。印刷装置100Aは、ローカルデータBと、ローカルデータCとを自身のライブラリに格納する。これにより、印刷装置100のライブラリには、共有データと、ローカルデータCと、ローカルデータAと、ローカルデータBとが格納される。
【0154】
また、印刷装置100は、印刷装置100BにローカルデータAと、ローカルデータCとを送信する。印刷装置100Bは、ローカルデータAと、ローカルデータCとを自身のライブラリに格納する。これにより、印刷装置100のライブラリには、共有データと、ローカルデータCと、ローカルデータAと、ローカルデータBとが格納される。
【0155】
以上により、図19に示すように、印刷装置100,100A,100Bの各々のライブラリに共有データとローカルデータA,B,Cとが格納され、印刷装置100,100A,100Bの各々のライブラリが同期する。
【0156】
図20は、第3実施例に係る通信システム10Bによるデータ収集処理およびデータ配信処理の手順を示すシーケンス図である。ここでは、通信システム10Bにおいて、印刷装置100がマスタとなって、印刷装置100A,100Bの各々から所定のアプリケーション用のデータを収集した後、印刷装置100A,100Bの各々に対して、所定のアプリケーション用の出力データを配信する手順について説明する。
【0157】
まず、印刷装置100の通信データ制御部802が、所定のアプリケーション向けのコンテキストデータ(C)を編集する(S2001)。次に、通信制御部801が、印刷装置100AとのBLE無線通信のための通信接続を行う(S2002)。そして、通信制御部801が印刷装置100Aとのペアリングを行う(S2003)。続いて、データ収集部806が、通信制御部801を介して印刷装置100Aにコンテキストデータ(C)を送信する(S2004)。
【0158】
通信制御部801Aが印刷装置100からコンテキストデータ(C)を受信すると(S2005)、通信データ制御部802Aがコンテキストデータ(A)を編集する(S2006)。そして、通信制御部801Aが、印刷装置100に編集したコンテキストデータ(A)を送信する(S2007)。
【0159】
データ収集部806が印刷装置100Aからコンテキストデータ(A)を受信すると(S2008)、出力データ生成部807がコンテキストデータ(A)とコンテキストデータ(C)とを結合してコンテキストデータ(A+C)を生成する(S2009)。その後、通信制御部801は印刷装置100Aとの通信接続を切断する(S2010)。
【0160】
続いて、通信制御部801が、印刷装置100BとのBLE無線通信のための通信接続を行う(S2011)。そして通信制御部801が、印刷装置100Bとのペアリングを行う(S2012)。続いて、データ収集部806が通信制御部801を介して印刷装置100Bにコンテキストデータ(A+C)を送信する(S2013)。
【0161】
通信制御部801Bが印刷装置100からコンテキストデータ(A+C)を受信すると(S2014)、通信データ制御部802Bがコンテキストデータ(B)を編集する(S2015)。そして、通信制御部801Bが印刷装置100にコンテキストデータ(B)を送信する(S2016)。
【0162】
データ収集部806が印刷装置100Bからコンテキストデータ(B)を受信すると(S2017)、出力データ生成部807がコンテキストデータ(A+C)とコンテキストデータ(B)とを結合し、コンテキストデータ(A+B+C)を生成する(S2018)。その後、印刷装置100は印刷装置100Bとの通信接続を切断する(S2019)。
【0163】
続いて、印刷装置100は、印刷装置100A,100Bの各々にコンテキストデータ(A+B+C)を配信する(S2020)。コンテキストデータ(A+B+C)の配信処理については、図21で詳細に説明する。
【0164】
(通信システム10Bによるコンテキストデータ配信処理の手順)
図21は、第3実施例に係る通信システム10Bによるコンテキストデータ配信処理の手順を示すシーケンス図である。ここでは、通信システム10Bにおいて、印刷装置100がマスタとなり、印刷装置100A,100Bの各々に対して所定のアプリケーション向けのコンテキストデータ(A+B+C)を配信する手順について説明する。
【0165】
印刷装置100の通信制御部801は、印刷装置100AとのBLE無線通信のための通信接続を行う(S2101)。そして通信制御部801が印刷装置100Aとのペアリングを行う(S2102)。続いて、データ配信部808が、通信制御部801を介して印刷装置100Aにコンテキストデータ(A+B+C)を送信する(S2103)。
【0166】
通信制御部801Aが印刷装置100からコンテキストデータ(A+B+C)を受信すると(S2104)、印刷装置100Aで実行される所定のアプリケーションが、コンテキストデータ(A+B+C)に基づいて文字データ、画像データ等の出力対象オブジェクトの表示、印刷などを行う(S2105)。
【0167】
そして、通信制御部801Aは、印刷装置100にコンテキストデータ(A+B+C)の受信完了通知を行う(S2106)。印刷装置100がコンテキストデータ(A+B+C)の受信完了通知を受けると、通信制御部801が印刷装置100Aとの通信接続を切断する(S2107)。
【0168】
続いて、通信制御部801が、印刷装置100BとのBLE無線通信のための通信接続を行う(S2111)。そして通信制御部801が印刷装置100Bとのペアリングを行う(S2112)。続いて、データ配信部808が通信制御部801を介して印刷装置100Bにコンテキストデータ(A+B+C)を送信する(S2113)。
【0169】
通信制御部801Bが印刷装置100からコンテキストデータ(A+B+C)を受信すると(S2114)、印刷装置100Bにおいて実行されるアプリケーションが、コンテキストデータ(A+B+C)に基づいて出力対象オブジェクトの表示、印刷などの出力を行う(S2115)。
【0170】
通信制御部801Bは、印刷装置100にコンテキストデータ(A+B+C)の受信完了通知を行う(S2116)。印刷装置100は、コンテキストデータ(A+B+C)の受信完了通知を受けると、通信制御部801で印刷装置100Bとの通信接続を切断する(S2117)。
【0171】
図20および図21の処理により、印刷装置100,100A,100Bの各々がコンテキストデータ(A+B+C)に基づいて、出力対象オブジェクトの出力を行うことが可能となる。すなわち、各印刷装置100,100A,100Bが同一の出力を行うことが可能となる。
【0172】
(コンテキストデータの一例)
図22および図23は、第3実施例に係る通信システム10Bにおいて用いられるコンテキストデータの一例を示す図である。
【0173】
図22(a)は、図20で説明したコンテキストデータ(C)の一例を示す。コンテキストデータ(C)には識別子「MAP(C4)」および識別子「MAP(C5)」が設定されている。識別子「MAP(C4)」は、識別子「FLM(共有)」によって特定されるフレーム画像に対して、識別子「ZIP(C1)」によって特定される出力対象オブジェクト(ブロック画像)を、識別子「ZIP(C1)」によって特定される出力位置に出力するためのマッピング情報である。識別子「MAP(C5)」は、識別子「FLM(共有)」によって特定されるフレーム画像に対して、識別子「ZIP(C3)」によって特定される出力対象オブジェクト(文字列)を、識別子「ZIP(C3)」によって特定される出力位置に出力するためのマッピング情報である。
【0174】
図22(b)は、図20で説明したコンテキストデータ(A)の一例を示す。コンテキストデータ(A)には、識別子「MAP(A4)」および識別子「MAP(A5)」が設定されている。識別子「MAP(A4)」は、識別子「FLM(共有)」によって特定されるフレーム画像に、識別子「ZIP(A1)」によって特定される出力対象オブジェクト(ブロック画像)を、識別子「ZIP(A1)」によって特定される出力位置に出力するマッピング情報である。識別子「MAP(A5)」は、識別子「FLM(共有)」によって特定されるフレーム画像に対して、識別子「ZIP(A3)」によって特定される出力対象オブジェクト(文字列)を、識別子「ZIP(A3)」によって特定される出力位置に出力するマッピング情報である。
【0175】
図22(c)は、図20で説明したコンテキストデータ(B)の一例を示す。コンテキストデータ(B)では、識別子「MAP(B4)」および識別子「MAP(B5)」が設定されている。識別子「MAP(B4)」は、識別子「FLM(共有)」によって特定されるフレーム画像に対して、識別子「ZIP(B1)」によって特定される出力対象オブジェクト(ブロック画像)を、識別子「ZIP(B1)」によって特定される出力位置に出力するためのマッピング情報である。識別子「MAP(B5)」は、識別子「FLM(共有)」によって特定されるフレーム画像に対して、識別子「ZIP(B3)」によって特定される出力対象オブジェクト(文字列)を、識別子「ZIP(B3)」によって特定される出力位置に出力するためのマッピング情報である。
【0176】
図23は、図20および図21で説明したコンテキストデータ(A+B+C)の一例を示す。コンテキストデータ(A+B+C)は、図22(a)に示すコンテキストデータ(C)と、図22(b)に示すコンテキストデータ(A)と、図22(c)に示すコンテキストデータ(B)とが結合されたものである。
【0177】
(コンテキストデータに基づく出力例)
図24は、第3実施例に係る通信システム10Bにおけるコンテキストデータに基づく出力例を示す図である。図24に示すラベル用紙160は、印刷装置100,100A,100Bの各々で、図23のコンテキストデータ(A+B+C)を用いて印刷されたものである。図24に示すラベル用紙160には、コンテキストデータ(A+B+C)に基づいて、フレーム画像161、ブロック画像162、文字列163、ブロック画像164、文字列165、ブロック画像166、および文字列167が印刷されている。
【0178】
フレーム画像161は、コンテキストデータ(A+B+C)の識別子「FLM(共有)」によって特定されるフレーム画像である。識別子「FLM(共有)」は、印刷装置100で設定されたコンテキストデータ(C)から、コンテキストデータ(A+B+C)に結合されたものである。
【0179】
ブロック画像162は、コンテキストデータ(A+B+C)の識別子「BLK(C)」によって特定されるブロック画像である。ブロック画像162は、識別子「ZIP(C1)」,「MAP(C4)」に基づいて、識別子「POS(共有)」によって特定される出力位置に、出力されている。これらの識別子「BLK(C)」,「POS(共有)」,「ZIP(C1)」,「MAP(C4)」は、印刷装置100が設定したコンテキストデータ(C)から、コンテキストデータ(A+B+C)に結合されたものである。
【0180】
文字列163は、コンテキストデータ(A+B+C)の識別子「LST(C)」によって特定される文字列である。文字列163は、識別子「ZIP(C2)」,「ZIP(C3)」,「MAP(C5)」に基づいて、識別子「POS(共有)」によって特定される出力位置に、識別子「MOD(共有)」によって特定される修飾情報に基づく出力属性で、出力されている。これらの識別子「LST(C)」,「POS(共有)」,「MOD(共有)」,「ZIP(C2)」,「ZIP(C3)」,「MAP(C5)」は、印刷装置100が設定したコンテキストデータ(C)からコンテキストデータ(A+B+C)に結合されたものである。
【0181】
ブロック画像164は、コンテキストデータ(A+B+C)の識別子「BLK(A)」によって特定されるブロック画像である。ブロック画像164は、識別子「ZIP(A1)」,「MAP(A4)」に基づいて、識別子「POS(共有)」によって特定される出力位置に、出力されている。これらの識別子「BLK(A)」,「POS(共有)」,「ZIP(A1)」,「MAP(A4)」は、印刷装置100Aが設定したコンテキストデータ(A)から、コンテキストデータ(A+B+C)に結合されたものである。
【0182】
文字列165は、コンテキストデータ(A+B+C)の識別子「LST(A)」によって特定される文字列である。文字列165は、識別子「ZIP(A2)」,「ZIP(A3)」,「MAP(A5)」に基づいて、識別子「POS(共有)」によって特定される出力位置に、識別子「MOD(共有)」によって特定される修飾情報に基づく出力属性で、出力されている。これらの識別子「LST(A)」,「POS(共有)」,「MOD(共有)」,識別子「ZIP(A2)」,「ZIP(A3)」,「MAP(A5)」は、印刷装置100Aが設定したコンテキストデータ(A)から、コンテキストデータ(A+B+C)に結合されたものである。
【0183】
ブロック画像166は、コンテキストデータ(A+B+C)の識別子「BLK(B)」によって特定されるブロック画像である。ブロック画像166は、識別子「ZIP(B1)」,「MAP(B4)」に基づいて、識別子「POS(共有)」によって特定される出力位置に、出力されている。これらの識別子「BLK(B)」,「POS(共有)」,「ZIP(B1)」,「MAP(B4)」は、印刷装置100Bが設定したコンテキストデータ(B)から、コンテキストデータ(A+B+C)に結合されたものである。
【0184】
文字列167は、コンテキストデータ(A+B+C)の識別子「LST(B)」によって特定される文字列である。文字列167は、識別子「ZIP(B2)」,「ZIP(B3)」,「MAP(B5)」に基づいて、識別子「POS(B)」によって特定される出力位置に、識別子「MOD(B)」によって特定される修飾情報に基づく出力属性で、出力されている。これらの識別子「LST(B)」,「POS(B)」,「MOD(B)」,「ZIP(B2)」,「ZIP(B3)」,「MAP(B5)」は、印刷装置100Bが設定したコンテキストデータ(B)から、コンテキストデータ(A+B+C)に結合されたものである。
【0185】
各印刷装置100,100A,100Bは、図24に示す共通の印刷内容をラベル用紙160に印刷することができる。なお、図24ではラベル用紙160への出力例を例示しているが、これに限らず、印刷装置100,100A,100Bの各々が、スマートフォンのディスプレイに対し表示画面として出力させるようにしてもよい。
【0186】
図25は、第3実施例において印刷されたラベル用紙160の貼付け例を示す図である。図25では、ユーザが所持する手帳180の記録面182にラベル用紙160を貼り付けた例を示している。ラベル用紙160は、図24で説明したように、印刷装置100,100A,100Bの各々がコンテキストデータ(A+B+C)を用いて印刷可能なものである。印刷装置100,100A,100Bの各々のユーザは、自身の手帳180に、共通の内容が印刷されたラベル用紙160を貼り付けることができる。印刷装置100,100A,100Bの各々は、記録面182のサイズに応じてラベル用紙160のサイズを変更するようにしてもよい。ラベル用紙160のサイズ変更は、拡張カセットの変更によるものでもよく、拡張カセットに収納されるラベル用紙160の変更によってもよい。また、拡張カセットに複数サイズのラベル用紙160を収納できる場合は、その中から記録面182のサイズに応じたサイズのラベル用紙160を選択的に用いてもよい。なお、図25に示すように、ユーザは、記録面182に文字列184等を筆記することが可能である。この筆記は、例えば、図28で後述するように、印刷装置100に装着された拡張ユニット110Dによるものであってもよい。
【0187】
〔第4実施例〕
次に、図26を参照して、印刷装置100の第4実施例について説明する。第4実施例では、印刷装置100と、3つのセンサデバイス170A,170B,170Cとによってグループ間通信を行う通信システム10Cを構成する例を説明する。
【0188】
図26は、第4実施例に係る通信システム10Cのシステム構成を示す図である。第4実施例において、印刷装置100はセンサデバイス170A,170B,170Cとグループを構成し、BLE無線通信によりセンサデバイス170A,170B,170Cの各々との間でグループ間通信を行う。第4実施例では、印刷装置100がグループ間通信のマスタとして機能し、センサデバイス170A,170B,170Cの各々がスレーブとして機能する。センサデバイス170A,170B,170Cは、いずれも如何なるセンサデバイスであってもよく、例えば温度センサ、気圧センサ、位置センサ、加速度センサ等が挙げられる。
【0189】
印刷装置100は、グループ間通信によりセンサデバイス170A,170B,170Cの各々から温度、気圧、位置、加速度等の各種検出データを収集する。そして、印刷装置100は、検出データをメモリ402に格納したり、印刷機構120によって記録紙に印刷する。検出データをラベル用紙に印刷することにより、検出データが印刷されたラベル用紙を手帳180に貼り付けることができる。また、印刷装置100は、グループ間通信によりスマートフォン200へ検出データを出力することができる。また、印刷装置100は、検出データをグループ間通信により他の印刷装置とシェアすることができる。
【0190】
なお、図26に示す例では印刷装置100は3つのセンサデバイス170A,170B,170Cとグループを構成しているが、これに限らず、2つ以下、または、4つ以上のセンサデバイスと、グループを構成することもできる。
【0191】
〔第5実施例〕
次に、図27を参照して、印刷装置100の第5実施例について説明する。第5実施例では、印刷装置100と2つの他の印刷装置100A,100Bと、センサデバイス170Aとによってグループ間通信を行う通信システム10Dを構成する例を説明する。
【0192】
図27は、第5実施例に係る通信システム10Dのシステム構成を示す図である。第5実施例による印刷装置100は、印刷装置100A,100Bおよびセンサデバイス170Aとグループを構成し、BLE無線通信により印刷装置100A,100Bおよびセンサデバイス170Aの各々との間でグループ間通信を行う。第5実施例では、印刷装置100がグループ間通信のマスタとして機能し、印刷装置100A,100Bおよびセンサデバイス170Aの各々がスレーブとして機能する。センサデバイス170Aは、例えば、温度センサ、気圧センサ、位置センサ、加速度センサである。
【0193】
印刷装置100は、グループ間通信によりセンサデバイス170Aから各種検出データを収集する。そして、印刷装置100は、各種検出データをメモリ402に格納したり、印刷機構120によって記録紙に印刷する。また、印刷装置100は、各種検出データをグループ間通信によりスマートフォン200へ出力することができる。また、印刷装置100は、検出データをグループ間通信により印刷装置100A,100Bとシェアすることができる。
【0194】
なお、通信システム10Dにおいて、印刷装置100A,100Bは印刷装置100と同様の機能を有するものである。したがって、印刷装置100A,100Bの各々は、印刷装置100と同様に記録紙への印刷を行ったり、グループ間通信を行ったりすることができる。また、印刷装置100A,100Bの各々は、印刷装置100と同様にスマートフォンとのグループ間通信を行ったり、マスタとして機能したりすることもできる。
【0195】
通信システム10Dの印刷装置100,100A,100Bは、第3実施例の印刷装置100,100A,100Bと同様である。したがって、第5実施例の印刷装置100,100A,100Bは、第3実施例と同様に印刷装置100がマスタとなって互いのライブラリを同期させたり、所定のアプリケーション向けのコンテキストデータを収集し、収集されたコンテキストデータを結合して印刷装置100A,100Bに配信できる。
【0196】
〔拡張ユニットの装着例〕
図28は、印刷装置100への拡張ユニットの装着例を示す図である。図28に示す例では、筐体110の先端(X正側端部)にはキャップ110Bの代わりに着脱可能な拡張ユニット110Dが設けられている。また、筐体110の後端にはキャップ110Cの代わりに着脱可能な拡張ユニット110Eが設けられている。
【0197】
拡張ユニット110Dはペン先ユニットである。拡張ユニット110Dには筆記具が設けられており、拡張ユニット110Dの先端から筆記具の先端が突出している。印刷装置100に拡張ユニット110Dを装着することにより、拡張ユニット110Dに設けられた筆記具で印刷機構120から出力された記録紙や手帳180への筆記を行うことができる。印刷装置100は、印刷機能、グループ間通信機能に加えて筆記機能を有するものとなるため、印刷装置100の機能性をより高めることが可能となる。
【0198】
拡張ユニット110Eはレーザポインタユニットである。拡張ユニット110Eの内部にはレーザユニットが設けられており、拡張ユニット110Eの後端面にはレーザ光の出射孔が形成されている。印刷装置100に拡張ユニット110Eを装着することにより、拡張ユニット110Eから出射されたレーザ光を、ホワイトボードなどの任意の指示対象物に向けて照射できるようになる。すなわち、印刷装置100は、印刷機能、グループ間通信機能に加えてレーザポインタ機能を有するものとなるため、印刷装置100の機能性をより高めることが可能となる。なお、拡張ユニット110Eは接続端子により印刷装置100に電気的に接続され、ダイヤルスイッチ130の操作によりレーザユニットの動作を制御することが可能である。
【0199】
図29図32は、動作モード切替部805による動作モード切り替え処理の手順を示すフローチャートである。
【0200】
図29において、まず、動作モード切替部805は、電源が投入されると、ベクタアドレスから処理を開始する(S2901)。次に、動作モード切替部805は、マスタフラグがセットされているか否かを判断する(S2902)。
【0201】
S2902においてマスタフラグがセットされていると判断した場合(S2902:Yes)、動作モード切替部805はマスタ切替要求があるか否かを判断する(S2903)。マスタ切替要求があると判断した場合(S2903:Yes)、動作モード切替部805は図31に示すスレーブ-マスタ切替時処理を実行する(S2905)。そして、動作モード切替部805は、図30のAへ処理を進める。一方、S2903においてマスタ切替要求がないと判断した場合(S2903:No)、動作モード切替部805は、マスタ初期化処理を行い(S2904)、さらにその他初期化処理を行い(S2910)、図30のAへ処理を進める。
【0202】
また、S2902において、マスタフラグがセットされていないと判断した場合(S2902:No)、動作モード切替部805は、スレーブフラグがセットされているか否かを判断する(S2906)。
【0203】
S2906において、スレーブフラグがセットされていると判断した場合(S2906:Yes)、動作モード切替部805は、スレーブ切替要求があるか否かを判断する(S2907)。S2907において、スレーブ切替要求があると判断した場合(S2907:Yes)、動作モード切替部805は、図32に示すマスタ-スレーブ切替時処理を実行する(S2909)。そして、動作モード切替部805は、図30のAへ処理を進める。一方、S2907において、スレーブ切替要求がないと判断した場合(S2907:No)、動作モード切替部805は、スレーブ初期化処理を行い(S2908)、さらにその他初期化処理を行い(S2910)、図30のAへ処理を進める。
【0204】
S2906において、スレーブフラグがセットされていないと判断した場合(S2906:No)、動作モード切替部805は、スレーブ初期化処理を行い(S2908)、さらにその他初期化処理を行い(S2910)、図30のAへ処理を進める。
【0205】
図30のAに続けて、動作モード切替部805は、マスタフラグまたはスレーブフラグのいずれがセットされているかを判断する(S3001)。
【0206】
S3001において、マスタフラグがセットされていると判断した場合、動作モード切替部805はメイン処理(マスタ)を実行する(S3002)。そして、動作モード切替部805は、スレーブ切替要求が発生したか否かを判断する(S3003)。S3003において、スレーブ切替要求が発生していないと判断された場合(S3003:No)、動作モード切替部805は、S3001へ処理を戻す。一方、S3003において、スレーブ切替要求が発生したと判断された場合(S3003:Yes)、動作モード切替部805は、スレーブ切替要求フラグをセットする(S3004)。また、動作モード切替部805は、電源固定設定を行う(S3005)。また、動作モード切替部805は、スレーブ切替コンテキストをセットする(S3006)。また、動作モード切替部805はスレーブフラグをセットし(S3007)、マスタフラグをクリアする(S3008)。さらに、動作モード切替部805は、WDTを停止する(S3009)。その後、動作モード切替部805は、図29のB(S2901)へ処理を戻す。
【0207】
一方、S3001において、スレーブフラグがセットされていると判断した場合、動作モード切替部805は、メイン処理(スレーブ)を実行する(S3010)。そして、動作モード切替部805は、マスタ切替要求が発生したか否かを判断する(S3011)。S3011において、マスタ切替要求が発生していないと判断された場合(S3011:No)、動作モード切替部805は、S3001へ処理を戻す。また、S3011において、マスタ切替要求が発生したと判断された場合(S3011:Yes)、動作モード切替部805は、マスタ切替要求フラグをセットする(S3012)。また、動作モード切替部805は、電源固定設定を行う(S3013)。また、動作モード切替部805は、マスタ切替コンテキストをセットする(S3014)。また、動作モード切替部805は、マスタフラグをセットし(S3015)、スレーブフラグをクリアする(S3016)。さらに、動作モード切替部805は、WDTを停止する(S3017)。その後、動作モード切替部805は、図29のB(S2901)へ処理を戻す。
【0208】
図31に示すスレーブ-マスタ切替時処理では、動作モード切替部805は、マスタ切替コンテキストを展開する(S3101)。また、動作モード切替部805は、マスタ切替要求を解除する(S3102)。そして、動作モード切替部805は、マスタ切替完了通知を行う(S3103)。さらに、動作モード切替部805は、電源固定設定を解除する(S3104)。
【0209】
図32に示すマスタ-スレーブ切替時処理では、動作モード切替部805は、スレーブ切替コンテキストを展開する(S3201)。また、動作モード切替部805は、スレーブ切替要求を解除する(S3202)。そして、動作モード切替部805は、スレーブ切替完了通知を行う(S3203)。さらに、動作モード切替部805は、電源固定設定を解除する(S3204)。
【0210】
デフォルト状態では、印刷装置100はスレーブ設定である。そのため、S2902ではマスタフラグがセットされていないと判断された場合、S2906でスレーブフラグがセットされているか否かを判定する。この場合はスレーブフラグがセットされているので、S2907に進むが、スレーブ切替要求フラグは立っていないため、S2908でスレーブ初期化処理を行い、次にS2910に進み初期化処理を終了する。
【0211】
次にS3001に進むが、スレーブフラグがセットされているため、S3010のメイン処理(スレーブ)に進み、マスタ切替要求が発生するまでS3001、S3010、S3011のループを回り続ける。このループ中にマスタ切替要求が発生すると、S3011の判定によりS3012に進み、マスタ切替要求フラグをセットする。その後S3013にて電源固定設定し、S3015でマスタフラグをセットして、S3017においてWDT(ウォッチドッグタイマ)を停止する。
【0212】
この後、CPUは電源投入状態のまま初期化処理が実行されS2902に戻ってくる。この時点では、S3015でマスタフラグがセットされているため、S2903の処理に進む。このとき、S3012においてマスタ切替要求フラグがセットされているため、yesに進み、S2905のスレーブマスタ切替処理を実行する。
【0213】
続いて、S3101のマスタ切替コンテキストを展開し、マスタ切替要求を解除し(S3102)、切替完了を通知(S3103)する。この状態で電源固定設定を解除する(S3104)。なお、S3104は実行/非実行の設定を可能とする。これはモード切替時に、一部のデータを継承するかしないかを設定できるようにするためである。
【0214】
例えば、電源固定を解除する場合、電源断となるため、電源を再投入することになる。このとき、S2902でマスタフラグがセットされているためS2903に進むが、マスタ切替要求は解除されているため、S2904のマスタ初期化処理、S2905のその他の初期化処理を実行する。そして、S3001でマスタフラグがセットされていると判断するため、S3002に進み、マスタとしてのメイン処理を実行する。ここで、スレーブ切替要求が発生するまで、S3003、S3001、S3002のループを回り、マスタとして動作する。また、スレーブ切替要求が発生すると、S3004以降の処理が実行され、マスタモードからスレーブモードに戻るが、この場合の処理は同様である。
【0215】
以上説明したように、印刷装置100はスマートフォン200に着脱自在であり、且つスマートフォン200とグループ間通信を行うことが可能である。また、印刷装置100は他の印刷装置やセンサデバイスとグループ間通信を行うことが可能である。したがって、本発明の一実施形態によれば、持ち運び容易な印刷装置により、グループ間コミュニケーションを容易に実現できる。
【0216】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【符号の説明】
【0217】
10 通信システム
100,100A,100B 印刷装置
110D 拡張ユニット(ペン先ユニット)
110E 拡張ユニット(レーザポインタユニット)
120 印刷機構(印刷部)
125 制御回路
130 ダイヤルスイッチ
132 インジケータ
134 アンテナ
150、152 拡張カセット
170A,170B,170C センサデバイス
200,200A,200B スマートフォン(携帯情報端末)
401 CPU
402 メモリ
403 通信I/F
801 通信制御部
802 通信データ制御部
803 印刷データ受信部
804 印刷制御部
805 動作モード切替部
806 データ収集部
807 出力データ生成部
808 データ配信部
810 データ管理部
812 ライブラリ同期制御部
813 グループ管理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
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