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特許7198018電池パック、無線電力伝送システムおよび補聴器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】電池パック、無線電力伝送システムおよび補聴器
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/296 20210101AFI20221221BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20221221BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20221221BHJP
   H04R 25/00 20060101ALI20221221BHJP
   H01M 50/247 20210101ALI20221221BHJP
【FI】
H01M50/296
H01M50/284
H01M10/44 A
H04R25/00 H
H01M50/247
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018174101
(22)【出願日】2018-09-18
(65)【公開番号】P2019075368
(43)【公開日】2019-05-16
【審査請求日】2021-06-07
(31)【優先権主張番号】P 2017197930
(32)【優先日】2017-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 寛之
(74)【代理人】
【識別番号】100149607
【弁理士】
【氏名又は名称】宇田 新一
(72)【発明者】
【氏名】末吉 太樹
(72)【発明者】
【氏名】津田 尚
(72)【発明者】
【氏名】井上 真弥
(72)【発明者】
【氏名】永岡 直樹
(72)【発明者】
【氏名】水谷 道
【審査官】渡部 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-008254(JP,A)
【文献】特開2016-213001(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20
H01M 10/44
H04R 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側に配置される電池正極端子と、下側に配置される電池負極端子とを有する二次電池と、
イル部材と、
記電池正極端子、前記電池負極端子および前記コイル部材と電気的に接続される回路基板と
を備え、
前記回路基板は、前記二次電池の上側に配置されて前記電池正極端子と電気的に接続される外部正極端子と、前記二次電池の下側に配置されて前記電池負極端子と電気的に接続される外部負極端子とを備え、
前記コイル部材は、前記二次電池と前記外部正極端子との間、および/または、前記二次電池と前記外部負極端子との間に配置され、
前記外部正極端子は、上下方向に投影したときに前記コイル部材と重複
前記外部正極端子は、端子パターンと、前記端子パターンを仕切る空間とを備え、
前記端子パターンの平面視面積が、前記コイル部材のコイルパターンの外形が画定する外形面積に対して、50%以上であり、
前記空間は、平面視内方から平面視外方端縁まで連続し、前記平面視外方端縁で開放されていることを特徴とする、電池パック。
【請求項2】
前記コイル部材が、前記二次電池と前記外部正極端子との間に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記端子パターンの平面視面積が、前記電池正極端子の平面視面積に対して、50%以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記空間は、スリット形状を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項5】
前記端子パターンは、開ループ形状を有することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項6】
前記端子パターンは、渦巻き形状を有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項7】
前記端子パターンは、互いに相似形状の複数の開ループ部を有し、
前記複数の開ループ部は、平面視内方から平面視外方に向かって並び、かつ、連結されており、
前記複数の開ループ部を横切るように、スリットが形成されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項8】
前記端子パターンの幅(L)と、前記空間の幅(S)との比(L/S)が、1以上、600以下であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の電池パックと、
送電コイルを備える送電装置と
を備えることを特徴とする、無線電力伝送システム。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか一項に記載の電池パックと、
前記電池パックを収容する収容部を有する補聴器筐体と、
前記補聴器筐体の内部に設けられるマイク手段、増幅手段およびスピーカー部と
を備えることを特徴とする、補聴器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池パック、その電池パックを備える無線電力伝送システムおよび補聴器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、無線で充電可能な二次電池ユニットが知られている。このような二次電池ユニットは、電子機器に装着した状態で、対応する充電器を用いて無線で充電できるため、利便性が高い。
【0003】
このような二次電池ユニットは、例えば、特許文献1に開示されている。 特許文献1に記載の電池ユニットは、 正極端子及び負極端子を有する電池と、正極端子及び前記負極端子にそれぞれ接触する複数の接触端子を有するフレキシブル基板と、フレキシブル基板を電池上に固定する固定部材とを備えている。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の電池ユニットでは、負極端子に接続する電子機器の負極端子は、電池ユニットの厚み方向一方面(下面)に配置される一方、正極端子に接続する電子機器の正極端子は、電池ユニットの厚み方向と直交する方向の一方面(側面)に配置される。したがって、特許文献1に記載の電池ユニットは、補聴器などの従来の電池機器に装着しにくい。すなわち、一般的な電子機器では、正極外部端子に接続する電子機器の正極端子と、負極外部端子に接続する電子機器の負極端子とが対向配置しており、これら端子は、電池や電池ユニットの厚み方向両面(上面と下面)から挟むように、設計されている。よって、この電池ユニットでは、一般的な電子機器に対して、端子の位置が異なるため、汎用性に劣る。
【0005】
一方、電池ユニットの厚み方向の両面(上面および下面)に、正極外部端子および負極外部端子が配置される電池ユニットとしては、例えば、特許文献2に開示されている。
【0006】
特許文献2に記載の電池ユニットは、二次電池と、外部から供給される電力を受電する受電コイルと、受電した電力を用いて二次電池の充電を行う回路基板と、二次電池、受電コイルおよび回路基板を収容するケースと、二次電池の正極に相当する位置に設けられる正極出力端子と、二次電池の負極に相当する位置に設けられる負極出力端子とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2014-22122号公報
【文献】特開2015-88376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献2に記載の電池ユニットでは、正極出力端子は、受電コイルと同一平面に配置されている。そのため、正極出力端子の配置および面積が受電コイルによって大幅に制限されて、面積が小さい正極出力端子が、二次電池の正極面の隅部に配置されている。したがって、特許文献2に記載の電池ユニットを、電子機器に装着しようとすると、電子機器の端子が正極出力端子に接触しにくく、装着性が低い。
【0009】
また、電池ユニットを電子機器に装着し易くするために、大面積の正極出力端子を、コイルと同一平面ではなく、受電コイルの厚み方向一方側(特許文献2の図1では上方)に配置することが検討される。しかしながら、その場合、受電時において、送電コイルからの磁力の影響により正極出力端子の内部で渦電流が発生し、その渦電流によって発生する磁力が、送電コイルからの磁力を打ち消すように働く。その結果、受電効率が低下するという不具合が生じる。
【0010】
本発明は、一般的な電子機器の端子に装着し易く、受電効率の低下を抑制できる電池パック、無線電力伝送システムおよび補聴器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明[1]は、上側に配置される電池正極端子と、下側に配置される電池負極端子とを有する二次電池と、前記二次電池の上側および/または下側に配置されるコイル部材と、前記二次電池の上側および/または下側に配置され、前記電池正極端子、前記電池負極端子および前記コイル部材と電気的に接続される回路基板とを備え、前記回路基板は、前記電池正極端子と電気的に接続される外部正極端子を備え、前記外部正極端子は、上下方向に投影したときに前記コイル部材と重複するように、前記コイル部材の上側に配置されており、前記外部正極端子は、端子パターンと、前記端子パターンを仕切る空間とを備え、前記端子パターンの平面視面積が、前記コイル部材のコイルパターンの外形が画定する外形面積に対して、50%以上であり、前記空間は、平面視内方から平面視外方端縁まで連続し、前記平面視外方端縁で開放されている、電池パックを含んでいる。
【0012】
この電池パックによれば、外部正極端子は、上下方向に投影したときにコイル部材と重複するように、コイル部材の上側に配置されている。そのため、電子機器は、コイル部材の上側に設けられる外部正極端子と、二次電池の下側に設けられる電池負極端子とに接続すればよいため、従来の一般的な電子機器の端子設計を変更することがなく、汎用性が良好である。
【0013】
また、この電池パックによれば、外部正極端子の端子パターンの平面視面積が、コイル部材のコイルパターンの外形が画定する外形面積に対して、50%以上である。そのため、電子機器の正極端子が接触できる面積が大きく、装着性に優れる。
【0014】
また、この電池パックによれば、外部正極端子が、端子パターンと、端子パターンを仕切る空間とを備え、空間は、平面視内方から平面視外方端縁まで連続し、平面視外方端縁で開放されている。そのため、外部正極端子では、送電コイルからの磁力が外部正極端子を通過することによって発生する電流は、渦電流になりにくい。すなわち、渦電流の発生が抑制される。そのため、受電効率の低下を抑制することができる。
【0015】
本発明[2]は、前記コイル部材が、前記二次電池の上側に配置される、[1]に記載の電池パックを含んでいる。すなわち、本発明[2]は、上側に配置される電池正極端子と、下側に配置される電池負極端子とを有する二次電池と、前記二次電池の上側に配置されるコイル部材と、前記電池正極端子、前記電池負極端子および前記コイル部材と電気的に接続される回路基板とを備え、前記回路基板は、前記電池正極端子と電気的に接続される外部正極端子を備え、前記外部正極端子は、上下方向に投影したときに前記コイル部材と重複するように、前記コイル部材の上側に配置されており、前記外部正極端子は、端子パターンと、前記端子パターンを仕切る空間とを備え、前記端子パターンの平面視面積が、前記コイル部材のコイルパターンの外形が画定する外形面積に対して、50%以上であり、前記空間は、平面視内方から平面視外方端縁まで連続し、前記平面視外方端縁で開放されている、電池パックを含んでいる。
【0016】
この電池パックによれば、コイル部材は、二次電池の上側に配置されている。また、外部正極端子は、上下方向に投影したときにコイル部材と重複するように、コイル部材の上側に配置されている。そのため、電子機器は、二次電池の上側に配置される外部正極端子と、二次電池の下側に設けられる電池負極端子とに接続すればよいため、従来の一般的な電子機器の端子設計を変更することがなく、汎用性に優れる。また、装着性に優れるとともに、受電効率の低下を抑制することができる。
【0017】
本発明[3]は、前記端子パターンの平面視面積が、前記電池正極端子の平面視面積に対して、50%以上である、[1]または[2]に記載の電池パックを含んでいる。
【0018】
この電池パックによれば、電子機器の正極端子が、より確実に外部正極端子の端子パターンに接触することができる。よって、装着性に優れる。
【0019】
本発明[4]は、前記空間は、スリット形状を有する、[1]~[3]のいずれか一項に記載の電池パックを含んでいる。
【0020】
この電池パックによれば、外部正極端子に発生する渦電流をより確実に抑制することができるため、受電効率の低下をより確実に抑制することができる。
【0021】
本発明[5]は、前記端子パターンは、開ループ形状を有する、[1]~[4]のいずれか一項に記載の電池パックを含んでいる。
【0022】
この電池パックによれば、外部正極端子に発生する渦電流をより確実に抑制することができるため、受電効率の低下をより確実に抑制することができる。
【0023】
本発明[6]は、前記端子パターンは、渦巻き形状を有する、[1]~[5]のいずれか一項に記載の電池パックを含んでいる。
【0024】
この電池パックによれば、電子機器の正極端子の接触面積をより一層大きくしながら、スリットの長さを長くすることができる。そのため、装着性に優れながら、外部正極端子に発生する渦電流をより確実に抑制することができる。
【0025】
本発明[7]は、前記端子パターンは、互いに相似形状の複数の開ループ部を有し、前記複数の開ループ部は、平面視内方から平面視外方に向かって並び、かつ、連結されており、前記複数の開ループ部を横切るように、スリットが形成されている、[1]~[5]のいずれか一項に記載の電池パックを含んでいる。
【0026】
この電池パックによれば、電子機器の正極端子の接触面積をより一層大きくしながら、スリットの総長さを長くすることができる。そのため、装着性に優れながら、外部正極端子に発生する渦電流をより確実に抑制することができる。
【0027】
本発明[8]は、前記端子パターンの幅(L)と、前記空間の幅(S)との比(L/S)が、1以上、600以下である、[1]~[7]のいずれか一項に記載の電池パックを含んでいる。
【0028】
この電池パックによれば、電子機器の正極端子の接触面積をより一層大きくすることができるため、装着性に優れる。
【0029】
本発明[9]は、[1]~[8]のいずれか一項に記載の電池パックと、送電コイルを備える送電装置とを備える、無線電力伝送システムを含んでいる。
【0030】
この無線電力伝送システムによれば、送電装置を駆動することにより、電池パックの二次電池に無線で電力を伝送することができるため、二次電池の無線充電が可能となる。
【0031】
本発明[10]は、[1]~[8]のいずれか一項に記載の電池パックと、前記電池パックを収容する収容部を有する補聴器筐体と、前記補聴器筐体の内部に設けられるマイク手段、増幅手段およびスピーカー部とを備える、補聴器を含んでいる。
【0032】
この補聴器によれば、電池パックの装着性が良好であり、受電効率が良好である。
【発明の効果】
【0033】
本発明の電池パックおよび無線電力伝送システムは、一般的な電子機器に対して汎用性があり、電子機器の端子に装着しやすく、受電効率が良好である。本発明の補聴器は、電池パックの装着が容易であり、受電効率が良好である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1A-Bは、本発明の電池パック第1実施形態の斜視図を示し、図1Aは、上側から視認した斜視図、図1Bは、下側から視認した斜視図を示す。
図2図2A-Bは、図1Aに示す電池パックに用いるコイル付き基板の展開図を示し、 図2Aは、平面図、図2Bは、底面図を示す。
図3図3A-Bは、図2Aに示すコイル付き基板の一部拡大図(コイル部材)を示し、図3Aは、平面図、図3Bは、図3AのA-A側断面図を示す。
図4図4-Bは、図1Aに示す電池パックの平面図を示し、図4Aは、筐体付きの平面図、図4Bは、筐体を省略した場合の平面図を示す。
図5図5は、図1Aに示す電池パックの分解斜視図を示す。
図6図6A-Bは、図1Aに示す電池パックを示し、図6Aは、図4AにおけるA-A側断面図、図6Bは、図4AにおけるB-B側断面図を示す。
図7図7は、本発明の無線電力伝送システムの第1実施形態のブロック図を示す。
図8図8A-Cは、本発明の補聴器の第1実施形態を示し、図8Aは、開状態の斜視図、図8Bは、閉状態の斜視図、図8Cは、閉状態の側面図を示す。
図9図9A-Bは、本発明の電池パックの変形例(端子パターンが、複数の円環形状のループ部を備える形態)の平面図を示し、図9Aは、筐体付きの平面図、図9Bは、筐体を省略した場合の平面図を示す。
図10図10A-Bは、本発明の電池パックの変形例(端子パターンが、円形状である形態)の平面図を示し、図10Aは、筐体付きの平面図、図10Bは、筐体を省略した場合の平面図を示す。
図11図11は本発明の電池パックの変形例(端子パターンが、放射状である形態)の平面図を示す。
図12図12は本発明の電池パックの変形例(端子パターンが、櫛状である形態)の平面図を示す。
図13図13は、本発明の電池パックの第2実施形態の各部材の概略配置図を示す。
図14図14は、本発明の電池パックの第1実施形態の各部材の概略配置図を示す。
図15図15は、本発明の電池パックの第3実施形態の各部材の概略配置図を示す。
図16図16は、本発明の電池パックの第4実施形態の概略配置図を示す。
図17図17は、本発明の電池パックの第2実施形態の変形例(上側および下側にコイル部材を備える形態)の概略配置図を示す。
図18図18は、本発明の電池パックの第2実施形態の変形例(上側および下側にコイル部材および回路基板を備える形態)の概略配置図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の電池パック、無線電力伝送システムおよび補聴器について、図を参照しながら以下に説明する。図6Aにおいて、紙面上下方向は、上下方向(厚み方向、第1方向)であって、紙面上側が、上側(厚み方向一方側、第1方向一方側)、紙面下側が、下側(厚み方向他方側、第1方向他方側)である。また、図6Aにおいて、紙面左右方向は、左右方向(第1方向に直交する第2方向)であり、紙面左側が左側(第2方向一方側)、紙面右側が右側(第2方向他方側)である。また、図6Aにおいて、紙厚方向は、前後方向(第1方向および第2方向に直交する第3方向)であり、紙面手前側が前側(第3方向一方側)、紙面奥側が後側(第3方向他方側)である。具体的には、各図の方向矢印に準拠する。これらの方向の定義により、本発明の電池パック、無線電力伝送システムおよび補聴器の製造時および使用時の向きを限定する意図はない。なお、図1A-Bにおいて、筐体は、透明としている。図2A-Bにおいて、第1カバー絶縁層、第2カバー絶縁層および第3カバー絶縁層を省略している。
【0036】
[第1実施形態]
<電池パック>
図1A図6Bを参照して、本発明の電池パックの第1実施形態を説明する。図1A-Bおよび図5に示すように、電池パック1は、二次電池2、コイル付き基板3、磁性シート4、および、筐体5を備えている。以下、これらの部材を説明する。
【0037】
(二次電池)
図1A-Bおよび図5に示すように、二次電池2は、充放電可能な電池であり、略円柱形状(特に、ボタン型形状)を有している。二次電池2は、その下端部が上部よりもわずかに縮径するように、上下方向途中に段差を有している。
【0038】
二次電池2は、電池正極端子6および電池負極端子7を備えている。
【0039】
電池正極端子6は、二次電池2の上側に配置されている。具体的には、電池正極端子6は、二次電池2の上面、および、上部の周側面に形成されている。
【0040】
電池負極端子7は、二次電池2の下側に配置されている。具体的には、電池負極端子7は、二次電池2の下面、および、下端部の周側面に形成されている。
【0041】
二次電池2としては、具体的には、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池、銀亜鉛二次電池など挙げられる。
【0042】
(コイル付き基板)
図2A-B(展開図)に示すように、コイル付き基板3は、コイル部材8および回路基板9を一体的に備えている。
【0043】
コイル部材8は、シートコイルであって、後述する送電装置によって送電される電力を受電する受電コイルであり、具体的には、後述する送電コイルから発生する磁界によって発電可能な受電コイルである。
【0044】
コイル部材8は、図2A図3Bに示すように、第1ベース絶縁層10、第1コイルパターン11、第2コイルパターン12、第1コイルカバー絶縁層13、および、第2コイルカバー絶縁層14を備えている。
【0045】
第1ベース絶縁層10は、コイル部材8の外形形状をなし、平面視略円形状を有している。
【0046】
第1ベース絶縁層10の平面視略中央には、上下方向(厚み方向)に貫通するビア開口部15が形成されている。ビア開口部15には、金属導通部からなるコイルビア部16が配置されている。コイルビア部16は、第1ベース絶縁層10の上面および下面から露出している。コイルビア部16は、第1コイルパターン11および第2コイルパターン12と一体的に形成されており、これらを電気的に接続する。
【0047】
第1ベース絶縁層10は、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの合成樹脂などの絶縁材料から形成されている。好ましくは、ポリイミド樹脂から形成されている。
【0048】
第1ベース絶縁層10の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、5μm以上であり、また、例えば、100μm以下、好ましくは、60μm以下である。
【0049】
第1コイルパターン11は、第1ベース絶縁層10の上面に配置されている。具体的には、第1コイルパターン11は、第1コイルパターン11の下面が第1ベース絶縁層10の上面に接触するように、第1ベース絶縁層10の上側に配置されている。第1コイルパターン11は、配線17からなるコイル状の配線パターンである。
【0050】
第1コイルパターン11は、図2Aおよび図3A-Bに示すように、平面視において、コイルビア部16(径方向中心)から径方向外側に向かう渦巻き状に形成されている。第1コイルパターン11は、第3ジョイントベース部35付近の外周端に至るまで渦巻き状に形成され、第3ジョイントベース部35付近の外周端においては、第8接続配線57に連結(連続)されている。
【0051】
第1コイルパターン11を構成する配線17の径方向に沿う側断面視形状は、図3Bに示すように、略矩形状に形成されている。
【0052】
第2コイルパターン12は、第1ベース絶縁層10の下面に配置されている。具体的には、第2コイルパターン12は、第2コイルパターン12の上面が第1ベース絶縁層10の下面に接触するように、第1ベース絶縁層10の下側に配置されている。第2コイルパターン12は、配線17からなるコイル状の配線パターンである。
【0053】
第2コイルパターン12は、図2Bに示すように、底面視において、コイルビア部16から径方向外側に向かう渦巻き状に形成されている。第2コイルパターン12は、第3ジョイントベース部35付近の外周端に至るまで渦巻き状に形成され、第3ジョイントベース部35付近の外周端においては、第1接続配線50に連結されている。
【0054】
第2コイルパターン12を構成する配線17の径方向に沿う側断面視形状は、略矩形状に形成されている。
【0055】
配線17を構成する材料としては、例えば、銅、銀、金、ニッケル、はんだまたはそれらの合金などの導電性金属などが挙げられる。好ましくは、銅が挙げられる。
【0056】
第2コイルパターン12の中間部における底面視形状(渦巻き形状パターン)は、第1コイルパターン11の中間部における平面視形状と略同一である。すなわち、第2コイルパターン12の配線17の幅Lcおよび配線17同士の間隔Scは、それぞれ、第1コイルパターン11の配線17の幅Lcおよび間隔Scと略同一であり、第2コイルパターン12の巻き数は、第1コイルパターン11の巻き数と同数である。
【0057】
第1コイルパターン11および第2コイルパターン12のそれぞれにおいて、配線17の幅Lc(配線17の径方向長さ)は、例えば、5μm以上、好ましくは、20μm以上であり、また、例えば、400μm以下、好ましくは、200μm以下である。
【0058】
第1コイルパターン11および第2コイルパターン12のそれぞれにおいて、配線17の厚みTは、例えば、3μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下である。
【0059】
第1コイルパターン11および第2コイルパターン12のそれぞれにおいて、配線17間の間隔Sc(互いに隣接する配線17間の径方向距離)は、例えば、5μm以上、好ましくは、20μm以上であり、また、例えば、400μm以下、好ましくは、200μm以下である。
【0060】
第1コイルパターン11および第2コイルパターン12のそれぞれにおいて、配線17の幅(Lc)と、配線17間の間隔(Sc)との比(Lc/Sc)は、例えば、0.5以上、好ましくは、1以上であり、また、例えば、80以下、好ましくは、10以下、より好ましくは、5以下である。
【0061】
第1コイルパターン11および第2コイルパターン12のそれぞれにおいて、コイルの巻き数は、例えば、1以上、好ましくは、3以上であり、また、例えば、500以下、好ましくは、300以下である。
【0062】
第1コイルカバー絶縁層13は、第1コイルパターン11の上面に配置されている。具体的には、第1コイルカバー絶縁層13は、第1コイルパターン11の上面および側面、ならびに、第1コイルパターン11から露出する第1ベース絶縁層10の上面を被覆するように、第1コイルパターン11および第1ベース絶縁層10の上側に配置されている。
【0063】
第1コイルカバー絶縁層13は、平面視略円形状を有している。上下方向に投影したときに、第1コイルカバー絶縁層13は、第1コイルパターン11を含んでおり、また、第1コイルカバー絶縁層13は、第1ベース絶縁層10に含まれる。
【0064】
第2コイルカバー絶縁層14は、第2コイルパターン12の下面に配置されている。具体的には、第2コイルカバー絶縁層14は、第2コイルパターン12の下面および側面、ならびに、第2コイルパターン12から露出する第1ベース絶縁層10の下面を被覆するように、第2コイルパターン12および第1ベース絶縁層10の下側に配置されている。
【0065】
第2コイルカバー絶縁層14は、平面視略円形状を有している。上下方向に投影したときに、第2コイルカバー絶縁層14は、第2コイルパターン12を含んでおり、また、第2コイルカバー絶縁層14は、第1ベース絶縁層10に含まれる。
【0066】
第1コイルカバー絶縁層13および第2コイルカバー絶縁層14は、第1ベース絶縁層10で上記した絶縁材料と同様の材料から形成されており、好ましくは、ポリイミド樹脂から形成されている。
【0067】
第1コイルカバー絶縁層13および第2コイルカバー絶縁層14の厚みは、それぞれ、例えば、2μm以上、好ましくは、5μm以上であり、また、例えば、70μm以下、好ましくは、60μm以下である。
【0068】
回路基板9は、可撓性を有するフレキシブル配線回路基板であって、コイル部材8の右側に、コイル部材8と連続するように配置されている。
【0069】
回路基板9は、図2A-Bに示すように、第2ベース絶縁層20と、制御素子21と、電池側回路正極端子22と、外部正極端子としての外部側回路正極端子23と、充電用回路負極端子24と、接続配線パターン25と、第3カバー絶縁層26とを備えている。
【0070】
第2ベース絶縁層20は、制御回路ベース部30、負極端子ベース部31、正極端子ベース部32、第1ジョイントベース部33、第2ジョイントベース部34、および、第3ジョイントベース部35を備えている。
【0071】
制御回路ベース部30は、制御素子21(後述)を搭載するためのベース絶縁部であって、回路基板9の平面視略中央に配置されている。制御回路ベース部30は、平面視略円形状を有しており、第1ベース絶縁層10よりもわずかに小さくなるように形成されている。
【0072】
制御回路ベース部30には、接続配線パターン25(後述する第1~第9接続配線50~59)と、制御素子21(後述する整流器47、充電制御器48、変圧器49)とを電気的に接続するためのベースビア部(第1~第10ビア部36~45)が複数形成されている。具体的には、整流器47および第1接続配線50を上下方向に接続するための第1ビア部36と、整流器47および第2接続配線51を上下方向に接続するための第2ビア部37と、整流器47および第3接続配線52を上下方向に接続するための第3ビア部38と、整流器47および第5接続配線54を上下方向に接続するための第4ビア部39と、充電制御器48および第3接続配線52を上下方向に接続するための第5ビア部40と、充電制御器48および第4接続配線53を上下方向に接続するための第6ビア部41と、充電制御器48および第9接続配線58を上下方向に接続するための第7ビア部42と、変圧器49および第6接続配線55を上下方向に接続するための第8ビア部43と、変圧器49および第7接続配線56を上下方向に接続するための第9ビア部44と、変圧器49および第10接続配線59を上下方向に接続するための第10ビア部45とが形成されている。なお、各ベースビア部36~45では、第2ベース絶縁層20に上下方向に貫通するビア開口部が形成されており、そのビア開口部に金属導通部が配置されている。
【0073】
負極端子ベース部31は、充電用回路負極端子24を配置するためのベース絶縁部であって、制御回路ベース部30の前側に間隔を隔てて配置されている。負極端子ベース部31は、平面視略円形状を有し、制御回路ベース部30よりも小さくなるように形成されている。
【0074】
正極端子ベース部32は、外部側回路正極端子23を配置するためのベース絶縁部であって、制御回路ベース部30の後側に間隔を隔てて配置されている。正極端子ベース部32は、平面視略円形状を有しており、第1ベース絶縁層10と略同一形状となるように形成されている。
【0075】
第1ジョイントベース部33は、制御回路ベース部30と負極端子ベース部31とを連結するためのベース絶縁部であり、制御回路ベース部30の前側に配置されている。具体的には、第1ジョイントベース部33は、その前端が負極端子ベース部31と一体的に連続し、その後端が制御回路ベース部30と一体的に連続するように、これらの間に配置されている。第1ジョイントベース部33は、前後方向に延びる平面視略矩形状に形成されている。
【0076】
第1ジョイントベース部33の前後方向途中には、複数(2つ)の第1折り曲げ部60が前後方向に間隔を隔てて形成されている。第1折り曲げ部60は、左端縁から右端縁にかけて、左右方向に直線状に延びている。第1折り曲げ部60を下側に向かってそれぞれ直角に折り曲げ可能となっている。
【0077】
第2ジョイントベース部34は、制御回路ベース部30と正極端子ベース部32とを連結するためのベース絶縁部であり、制御回路ベース部30の後側に配置されている。具体的には、第2ジョイントベース部34は、その前端が制御回路ベース部30と一体的に連続し、その後端が正極端子ベース部32と一体的に連続するように、これらの間に配置されている。第2ジョイントベース部34は、前後方向に延びる平面視略矩形状に形成されている。
【0078】
第2ジョイントベース部34の前後方向途中には、複数(2つ)の第2折り曲げ部61が前後方向に間隔を隔てて形成されている。第2折り曲げ部61は、左端縁から右端縁にかけて、左右方向に直線状に延びている。第2折り曲げ部61は、上側に向かってそれぞれ直角に折り曲げ可能となっている。
【0079】
第3ジョイントベース部35は、制御回路ベース部30と第1ベース絶縁層10とを連結するためのベース絶縁部であり、制御回路ベース部30の左側に配置されている。具体的には、第3ジョイントベース部35は、その右端が制御回路ベース部30と一体的に連続し、その左端が第1ベース絶縁層10と一体的に連続するように、これらの間に配置されている。第3ジョイントベース部35は、左右方向に延びる平面視略矩形状に形成されている。
【0080】
第3ジョイントベース部35には、第2接続配線51および第8接続配線57を上下方向に接続するための第11ビア部46が形成されている。第11ビア部46には、第2ベース絶縁層20を上下方向に貫通するビア開口部が形成されており、そのビア開口部に金属導通部が充填されている。
【0081】
第3ジョイントベース部35の左右方向途中には、複数(2つ)の第3折り曲げ部62が左右方向に間隔を隔てて形成されている。第3折り曲げ部62は、前端縁から後端縁にかけて、前後方向に直線状に延びている。第3折り曲げ部62を上側に向かってそれぞれ直角に折り曲げ可能となっている。
【0082】
電池側回路正極端子22は、充電時においては、コイル部材8からの電流を、二次電池2の電池正極端子6に供給するための端子、かつ、放電時においては、電池正極端子6からの電流を、外部側回路正極端子23を介して外部電子機器(例えば、後述する補聴器90)の正極端子(例えば、後述する外部機器正極端子96)に供給するための端子である。
【0083】
電池側回路正極端子22は、二次電池2の電池正極端子6と直接接触するように配置されている。具体的には、電池側回路正極端子22は、制御回路ベース部30の下面、および、右前部に配置されている。電池側回路正極端子22は、平面視略円形状を有している。
【0084】
外部側回路正極端子23は、放電時において、二次電池2からの電流を外部電子機器の正極端子に供給するための端子である。
【0085】
外部側回路正極端子23は、外部電子機器の正極端子と直接接触するように配置されている。具体的には、外部側回路正極端子23は、正極端子ベース部32の下面、および、底面視略中央(図1図4図5などに示す電池パック1や折り曲げ回路69においては、正極端子ベース32の上面、および、平面視略中央)に配置されている。
【0086】
外部側回路正極端子23は、端子パターン27と、空間としてのスリット空間28とを備えている。
【0087】
端子パターン27は、底面視略中央(径方向中心)から底面視外方(径方向外側)に向かう渦巻き形状を有している。具体的には、端子パターン27は、正極端子ベース部32の底面視略中央から第2ジョイントベース部34付近の外周端に至るまで渦巻き状に形成され、第2ジョイントベース部34付近の外周端においては、第7接続配線56に連結されている。端子パターン27は、渦巻き形状の底面視略中央(径方向中心)をパターンの端点としており、ループを形成しない開ループ形状である。
【0088】
スリット空間28は、端子パターン27を仕切ると同時に、端子パターン27によって区画される隙間である。スリット空間28は、スリット形状(細長い形状)を有し、外部側回路正極端子23において、底面視略中央(底面視内方)から底面視外方(径方向外側)の端縁29まで連続している。具体的には、スリット空間28は、底面視において、略中央(径方向中心)から径方向外側に向かって外方端縁29に至るまで渦巻き形状に形成されている。また、スリット空間28は、外部側回路正極端子23の外方端縁29において、開放されている。具体的には、スリット空間28は、端子パターン27の外方端縁29(第7接続配線56付近)において、スリット空間28以外の空間と連続している。すなわち、スリット空間28は、底面視において、端子パターン27の外形によって端子パターン27の内部に閉ざされる空間ではない。
【0089】
端子パターン27の径方向の長さW(最大長さ)は、例えば、1mm以上、好ましくは、3mm以上であり、また、例えば、50mm以下、好ましくは、12mm以下である。
【0090】
端子パターン27の幅Lは、例えば、5μm以上、好ましくは、20μm以上であり、また、例えば、3000μm以下、好ましくは、500μm以下である。
【0091】
スリット空間28の幅Sは、例えば、5μm以上、好ましくは、20μm以上であり、また、例えば、100μm以下、好ましくは、40μm以下である。
【0092】
端子パターン27の幅(L)と、スリット空間28の幅(S)との比(L/S)は、例えば、1以上、好ましくは、5以上、より好ましくは、10以上であり、例えば、600以下、好ましくは、25以下である。
【0093】
端子パターン27の厚みは、例えば、3μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下である。
【0094】
充電用回路負極端子24は、充電時に、コイル部材8からの電流を二次電池2の電池負極端子7に供給するための端子である。
【0095】
充電用回路負極端子24は、二次電池2の電池負極端子7と直接接触するように配置されている。具体的には、充電用回路負極端子24は、負極端子ベース部31の下面、および、底面視略中央(図1図5などに示す電池パック1や折り曲げ回路69においては、負極端子ベース部31の上面、および、平面視略中央)に配置されている。充電用回路負極端子24は、底面視略円形状を有している。
【0096】
接続配線パターン25は、各端子(22、23、24)、各コイルパターン(11、12)および制御素子21を電気的に接続する配線である。接続配線パターン25は、第1接続配線50、第2接続配線51、第3接続配線52、第4接続配線53、第5接続配線54、第6接続配線55、第7接続配線56、第8接続配線57、第9接続配線58、および、第10接続配線59を備えている。
【0097】
図2Bに示すように、第1接続配線50は、第2コイルパターン12と整流器47とを電気的に接続する。すなわち、第1接続配線50の一端は、第2コイルパターン12に連結し、その他端は、第1ビア部36に連結している。具体的には、第1接続配線50は、第1ベース絶縁層10の上面右端から第3ジョイントベース部35を経由して制御回路ベース部30の下面左端に至るように配置されている。
【0098】
第2接続配線51は、第8接続配線57および第11ビア部46を介して、第1コイルパターン11と整流器47とを電気的に接続する。すなわち、第2接続配線51の一端は、第2ビア部37に連結し、その他端は、第11ビア部46に連結している。具体的には、第2接続配線51は、第3ジョイントベース部35の下面略中央から制御回路ベース部30の下面左端に至るように、かつ、第1接続配線50よりも前側に位置するように、配置されている。
【0099】
第3接続配線52は、整流器47と充電制御器48とを電気的に接続する。すなわち、第3接続配線52の一端は、第3ビア部38に連結し、その他端は、第5ビア部40に連結している。具体的には、第3接続配線52は、制御回路ベース部30の下面略中央に配置されている。
【0100】
第4接続配線53は、充電制御器48と電池側回路正極端子22とを電気的に接続する。すなわち、第4接続配線53の一端は、第6ビア部41に連結し、その他端は、電池側回路正極端子22に連結している。具体的には、第4接続配線53は、制御回路ベース部30の下面において、略中央から右前側まで配置されている。
【0101】
第5接続配線54は、整流器47と充電用回路負極端子24とを電気的に接続する。すなわち、第5接続配線54の一端は、第4ビア部39に連結し、その他端は、充電用回路負極端子24に連結している。具体的には、第5接続配線54は、制御回路ベース部30の下面略中央から第1ジョイントベース部33を経由して負極端子ベース部31の下面略中央に至るように、配置されている。
【0102】
第6接続配線55は、電池側回路正極端子22と変圧器49とを電気的に接続する。すなわち、第6接続配線55の一端は、電池側回路正極端子22に連結し、その他端は、第8ビア部43に連結している。具体的には、第6接続配線55は、制御回路ベース部30の下面右側に配置されている。
【0103】
第7接続配線56は、変圧器49と外部側回路正極端子23とを電気的に接続する。すなわち、第7接続配線56の一端は、第9ビア部44に連結し、その他端は、外部側回路正極端子23に連結している。具体的には、第7接続配線56は、制御回路ベース部30の下面後端から第2ジョイントベース部34を経由して正極端子ベース部32の下面前端に至るように、配置されている。
【0104】
第8接続配線57は、第2接続配線51および第11ビア部46を介して、第1コイルパターン11と整流器47とを電気的に接続する。すなわち、第8接続配線57の一端は、第1コイルパターン11に連結し、その他端は、第11ビア部46に連結している。具体的には、第8接続配線57は、第1ベース絶縁層10の上面右端から第3ジョイントベース部35の上面略中央に至るように、配置されている。
【0105】
第9接続配線58は、充電制御器48と充電用回路負極端子24とを電気的に接続する。すなわち、第9接続配線58の一端は、第7ビア部42に連結し、その他端は、充電用回路負極端子24に連結している。具体的には、第9接続配線58は、制御回路ベース部30の下面略中央から第1ジョイントベース部33を経由して負極端子ベース部31の下面略中央に至るように、配置されている。
【0106】
第10接続配線59は、変圧器49と充電用回路負極端子24とを電気的に接続する。すなわち、第10接続配線59の一端は、第10ビア部45に連結し、その他端は、充電用回路負極端子24に連結している。具体的には、第10接続配線59は、制御回路ベース部30の下面後端から第1ジョイントベース部33を経由して負極端子ベース部31の下面略中央に至るように、配置されている。
【0107】
接続配線パターン25の材料としては、配線17と同様の材料が挙げられる。好ましくは、銅が挙げられる。
【0108】
接続配線パターン25の厚みは、例えば、3μm以上、好ましくは、10μm以上であり、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下である。
【0109】
制御素子21は、充電時や放電時において、接続配線パターン25を流れる電力を制御する素子である。制御素子21は、整流器47、充電制御器48、および、変圧器49を備えている。
【0110】
整流器47は、充電時において、コイル部材8から送電される交流を直流に変換する素子(AC/DCコンバータ)である。整流器47は、制御回路ベース部30の上面に配置されており、平面視において、制御回路ベース部30の左側に配置されている。整流器47は、第1接続配線50、第2接続配線51、第3接続配線52および第5接続配線54と電気的に接続する。
【0111】
充電制御器48は、充電時において、整流器47で直流に変換された電力を制御して、電池側回路正極端子22に送電する素子である。充電制御器48は、必要に応じて、二次電池2の充電状態などをモニタして通信の信号を生成して、送電装置81(後述)に送信する通信機能を備えている。充電制御器48は、制御回路ベース部30の上面に配置されており、平面視において、制御回路ベース部30の略中央に配置されている。充電制御器48は、第3接続配線52、第4接続配線53および第9接続配線58と電気的に接続する。
【0112】
変圧器49は、放電時において、二次電池2からの電圧を調整するための素子である。変圧器49は、制御回路ベース部30の上面に配置されており、平面視において、制御回路ベース部30の後側に配置されている。変圧器49は、第6接続配線55および第7接続配線56と電気的に接続する。
【0113】
第3カバー絶縁層26は、接続配線パターン25に対応して、第2ベース絶縁層20の下側に配置されている。具体的には、第3カバー絶縁層26は、接続配線パターン25およびビア部(36~46)を被覆し、電池側回路正極端子22、外部側回路正極端子23および充電用回路負極端子24を露出するように、第2ベース絶縁層20の下面に配置されている(図5参照)。
【0114】
第3カバー絶縁層26を形成する材料および厚みは、第1ベース絶縁層10の材料および厚みと同様である。
【0115】
このようなコイル付き基板3は、例えば、コイル部材8と、制御素子21を除く回路基板9とを一体的に製造し、次いで、制御素子21を回路基板9に実装することにより製造することができる。
【0116】
具体的には、サブトラクティブ法またはアディティブ法によって、ベース絶縁層(10、20)の上面に、第1コイルパターン11および接続配線パターン25を形成し、ベース絶縁層の下面に、第2コイルパターン12、接続配線パターン25、電池側回路正極端子22、外部側回路正極端子23、および、充電用回路負極端子24を形成する。この際、ビア部(16、36~46)も同時に形成する。
【0117】
次いで、第1コイルパターン11を被覆するように、第1コイルカバー絶縁層13を第1ベース絶縁層10の上面に形成する。第2コイルパターン12を被覆するように、第2コイルカバー絶縁層14を第2ベース絶縁層20の下面に形成する。また、接続配線パターン25およびビア部36~46を被覆し、電池側回路正極端子22、外部側回路正極端子23、および、充電用回路負極端子24を露出するように、第3カバー絶縁層26を形成する。
【0118】
次いで、制御回路ベース部30の上面において、制御素子21(整流器47、充電制御器48および変圧器49)を、対応するベースビア部36~45に、はんだなどを介して実装する。これにより、回路基板9の制御素子21は、接続配線パターン25を介して、コイル部材8の第1コイルパターン11および第2コイルパターン12と電気的に接続される。
【0119】
回路基板9において、制御回路ベース部30と、その上面および下面に配置される制御素子21、電池側回路正極端子22、接続配線パターン25および第3カバー絶縁層26とを、制御回路部66とする。負極端子ベース部31と、その下面に配置される充電用回路負極端子24、接続配線パターン25および第3カバー絶縁層26とを、負極端子部67とする。正極端子ベース部32と、その下面に配置される外部側回路正極端子23、接続配線パターン25および第3カバー絶縁層26とを、正極端子部68とする。
【0120】
(磁性シート)
図5に示すように、磁性シート4は、平面視略円形状の平板形状を有し、平面視において、コイル部材8と略同一の大きさおよび形状に形成されている。
【0121】
磁性シート4は、磁性体を含有するシートであり、例えば、磁性体粒子含有樹脂シート、磁性体焼結シートなどが挙げられる。
【0122】
磁性体粒子含有樹脂シートは、磁性体粒子および樹脂成分を含有する組成物からシート状に形成されている。
【0123】
磁性体粒子を構成する磁性体としては、例えば、軟磁性体、硬磁性体などが挙げられ、好ましくは、軟磁性体が挙げられる。軟磁性体としては、例えば、磁性ステンレス(Fe-Cr-Al-Si合金)、センダスト(Fe-Si-Al合金)、パーマロイ(Fe-Ni合金)、ケイ素銅(Fe-Cu-Si合金)、Fe-Si合金、Fe-Si―B(-Cu-Nb)合金、Fe-Si-Cr-Ni合金、Fe-Si-Cr合金、Fe-Si-Al-Ni-Cr合金、フェライトなどが挙げられる。
【0124】
樹脂成分としては、例えば、ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリルゴム、ポリアクリル酸エステル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、スチレンアクリレート共重合体などのゴム質重合体が挙げられる。また、上記以外にも、樹脂成分としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂などの熱硬化性樹脂、例えば、ポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂などが挙げられる。
【0125】
磁性体焼結シートは、上記した磁性体を焼結してシート状に形成したものであり、例えば、フェライトシートなどが挙げられる。
【0126】
磁性シート4の厚みは、例えば、10μm以上、好ましくは、50μm以上であり、また、例えば、500μm以下、好ましくは、300μm以下である。
【0127】
(筐体)
図1A-Bおよび図5に示すように、筐体5は、上下方向に延びる略円筒形状を有し、円筒部70および上部71を一体的に備えている。
【0128】
円筒部70は、上方および下方を開放する円筒形状を有している。
【0129】
円筒部70の前側側面には、ジョイント開口部72が形成されている。ジョイント開口部72は、図1Aに示すように、コイル付き基板3および磁性シート4を筐体5に収容した際に、第1ジョイントベース部33を筐体5から外部に配置できるように、形成されている。具体的には、ジョイント開口部72は、図5に示すように、前側側面の下端から上端に至るまで側面視略矩形状に切り欠かれている。
【0130】
上部71は、円環形状を有している。上部71の周端縁は、円筒部70の上端縁と連続している。
【0131】
上部71には、平面視略円形状の端子開口部73が形成されている。端子開口部73を区画する円は、上部71の外周縁を区画する円と、同心円をなしている。端子開口部73は、端子パターン27の外形よりも僅かに大きくなるように形成されている。
【0132】
(電池パック)
次いで、電池パック1の組み立てについて説明する。
【0133】
まず、図2A-Bに示すコイル付き基板3を、筐体5に収容可能なように、図5に示すように、折り曲げる。
【0134】
具体的には、図2Aに示すコイル付き基板3において、第1ジョイントベース部33の2つの第1折り曲げ部60をそれぞれ下側に直角(山折り)となるように折り曲げて、負極端子ベース部31を制御回路ベース部30の下方に配置する。また、第3ジョイントベース部35の2つの第3折り曲げ部62をそれぞれ上側に直角(谷折り)となるように折り曲げて、コイル部材8を制御回路ベース部30の上方に配置する。次いで、第2ジョイントベース部34の2つの第2折り曲げ部62をそれぞれ上側に直角(谷折り)となるように折り曲げて、正極端子ベース部32を制御回路ベース部30およびコイル部材8の上方に配置する。
【0135】
これにより、図5に示すように、正極端子部68、コイル部材8、制御回路部66および負極端子部67が、上側から順に、互いに間隔を隔てて配置された折り曲げ回路69が得られる。
【0136】
折り曲げ回路69において、正極端子部68の外部側回路正極端子23、コイル部材8の第2コイルパターン12、制御回路部66の制御素子21、および、負極端子部67の充電用回路負極端子24は、上側を向くように配置される。また、コイル部材8の第1コイルパターン11、ならびに、制御回路部66の接続配線パターン25および電池側回路正極端子22は、下側に向くように配置される。すなわち、図1Aに示す電池パックの状態における正極端子部68、コイル部材8および負極端子部67は、それぞれ、図2A-Bに示す展開図の状態における正極端子部68、コイル部材8および負極端子部67に対して、上下方向が反転している。また、正極端子部68および負極端子部67は、前後方向にも反転しており、コイル部材8は、左右方向にも反転している。
【0137】
正極端子部68、コイル部材8、制御回路部66および負極端子部67は、それぞれ、上下方向に間隔を隔てて、面方向に平行に並ぶように配置され、第1ジョイントベース部33、第2ジョイントベース部34および第3ジョイントベース部35は、上下方向に延びるように配置される。
【0138】
次いで、二次電池2を、図5に示すように、制御回路部66および負極端子部67の間に配置する。
【0139】
この際、二次電池2を、電池正極端子6が上側に、電池負極端子7が下側となるように配置する。具体的には、電池側回路正極端子22が電池正極端子6と接触し、充電用回路負極端子24が電池負極端子7と接触するように、二次電池2を制御回路部66および負極端子部67の間に配置する。
【0140】
また、磁性シート4を、コイル部材8および制御回路部66の間に配置する。
【0141】
次いで、筐体5を、二次電池2に配置する。
【0142】
すなわち、磁性シート4が配置された折り曲げ回路69を、筐体5に収容するとともに、筐体5を二次電池2の上面に回路基板9に配置する。より具体的には、筐体5を、円筒部70の下端縁が二次電池2の上面(電池正極端子)の周端縁に接触するように、二次電池2の上面に配置する。この際、第1ジョイントベース部33および負極端子部67が円筒部70のジョイント開口部72から外部に露出するように、折り曲げ回路69を筐体5に収容する。
【0143】
これにより、図1A-Bおよび図6A図7Bに示すように、電池パック1が得られる。
【0144】
なお、電池パック1の組み立ての際に、必要に応じて、二次電池2および筐体5を、接着剤層(図示せず)を介して、固定する。具体的には、円筒部70の下端縁と、二次電池2の電池正極端子6の周端縁の上面との間に、接着剤層を配置する。
【0145】
電池パック1では、筐体5の内部に、コイル付き基板3および磁性シート4が収容されている。具体的には、筐体5の内部において、正極端子部68、コイル部材8、磁性シート4、および、制御回路部66が、上から順に配置されている。
【0146】
正極端子部68は、外部側回路正極端子23が上側に位置するように配置されている。正極端子部68において、外部側回路正極端子23は、上下方向に投影したときに、コイル部材8および二次電池2と重複するように、コイル部材8および二次電池2の上側に配置されている。また、外部側回路正極端子23は、筐体5の端子開口部73から露出している。すなわち、外部側回路正極端子23は、上下方向に投影したときに、端子開口部73に含まれるように配置されている。
【0147】
端子パターン27の平面視面積(図4Bのハッチング部分)は、コイル部材8の第1コイルパターン11の外形が画定する外形面積(図3Aのハッチング部分)に対して、例えば、50%以上、好ましくは、80%以上であり、また、例えば、150%以下、好ましくは、100%以下である。
【0148】
端子パターン27の平面視面積は、電池正極端子6の平面視面積(図5に示す二次電池2のハッチング部分)に対して、例えば、50%以上、好ましくは、80%以上であり、また、例えば、100%以下、好ましくは、95%以下である。
【0149】
コイル部材8は、第1コイルパターン11が下側に位置し、第2コイルパターン12が上側に位置するように、配置されている。
【0150】
制御回路部66は、制御素子21が上側に位置し、電池側回路正極端子22および接続配線パターン25が下側に位置するように、配置されている。
【0151】
負極端子部67は、充電用回路負極端子24が上側に位置するように、二次電池2の下側に配置されている。負極端子部67の上面は、電池負極端子7の下面に接触している。すなわち、充電用回路負極端子24は、電池負極端子7に接触している。
【0152】
コイル付き基板3の第1ジョイントベース部33は、負極端子部67および制御回路部66の上下方向中間において、ジョイント開口部72を通過するように、配置されている。第1ジョイントベース部33は、二次電池2の前側周側面に接触するように配置されている。
【0153】
第2ジョイントベース部34は、正極端子部68および制御回路部66の上下方向中間において、円筒部70の後端の内側面に接触するように、配置されている。
【0154】
第3ジョイントベース部35は、コイル部材8および制御回路部66の上下方向中間において、円筒部70の左端の内側面に接触するように、配置されている。
【0155】
二次電池2は、制御回路部66の下側および負極端子部67の上側に配置されている。二次電池2の上面(電池正極端子6)は、制御回路部66の電池側回路正極端子22と接触し、二次電池2の下面(電池負極端子7)は、負極端子部67の充電用回路負極端子24と接触している。これにより、電池正極端子6は、回路基板9の電池側回路正極端子22と電気的に接続し、電池負極端子7は、回路基板9の充電用回路負極端子24と電気的に接続している。二次電池2の下面および周側面は、筐体5から露出している。
【0156】
電池パック1は、平面視において、外部側回路正極端子23が端子開口部73から露出し、底面視において、電池負極端子7が露出している。これにより、図6Aの仮想線が示すように、外部機器正極端子96および外部機器負極端子97を対向配置するように備える外部電子機器(例えば、後述する補聴器90)に対して、電池パック1を容易に装着することができる。すなわち、正極端子96を上側から広面積の電池正極端子6に直接接触でき、かつ、負極端子97を下側から広面積の電池負極端子7に直接接触できる。
【0157】
<無線電力伝送システム>
次いで、図7を参照して、本発明の無線電力伝送システムの第1実施形態を説明する。
【0158】
無線電力伝送システム80は、電池パック1と、送電装置81とを備えている。
【0159】
送電装置81は、送電コイル82と、発振回路83と、外部電源接続手段84とを備えている。
【0160】
送電コイル82は、例えば、上述したコイル部材8、例えば、銅線などの線材を巻回してなる巻きコイルなどが挙げられる。
【0161】
発振回路83は、例えば、1MHz以上10MHz以下(好ましくは、1MHz以上5MHz以下)の周波数を有する電力を発生させる回路である。発振回路83としては、例えば、LC発振回路方式、CR発振回路方式、水晶発振回路方式、スイッチング回路方式のいずれの回路であってもよい。
【0162】
外部電源接続手段84は、外部電源85に接続可能な手段であり、例えば、ACアダプタ、USB端子などが挙げられる。
【0163】
コイル部材8(受電コイル)と送電コイル82との間における磁界による電力伝送は、磁界共鳴方式および電磁誘導方式のいずれであってもよい。好ましくは、伝送距離を長くできる観点、および、コイルの位置ずれに対しても高効率な電力伝送が可能である観点から、磁界共鳴方式が挙げられる。
【0164】
<充放電メカニズム>
(充電時)
外部電源85により発振回路83に供給された電力は、例えば1MHz以上10MHz以下の周波数の電力に変換され、その周波数の電力によって、送電コイル82から磁界が発生する。送電コイル82によって発生された磁界によって、コイル部材8(受電コイル)は、その周波数の電力を受電する。
【0165】
受電された電力は、制御素子21によって、直流に変換および所定以下の電圧に制御され、二次電池2に給電される。すなわち、コイル部材8に、例えば、1MHz以上10MHz以上の交流が発生し、その交流が、第1接続配線50および第2接続配線51を経由して、整流器47によって直流に変換される。そして、その直流は、第3接続配線52を経由して、充電制御器48に到達する。その後、充電制御器48で制御された直流は、第4接続配線53、および、電池側回路正極端子22を経由して、二次電池2の電池正極端子6に到達する。一方、負極側では、二次電池2の電池負極端子7(グランド)から、充電用回路負極端子24および第9接続配線58を経由して、充電制御器48に電流が到達する。
【0166】
これにより、二次電池2が充電される。
【0167】
(放電時)
二次電池2の電池正極端子6から、所定の電圧(例えば、3.7V)を有する電流が放電され、その電流が、電池側回路正極端子22および第6接続配線55を経由して、変圧器49に到達する。そして、所定の電圧の電流が、変圧器49によって、所望の電圧(例えば、1.2V)に変圧される。その後、その変圧された電流は、第7接続配線56および外部側回路正極端子23を経由して、外部電子機器(例えば、後述する補聴器90)の正極端子(例えば、後述する外部機器正極端子96)に到達する。一方、負極側では、二次電池2の電池負極端子7は、外部電子機器の負極端子(例えば、後述する外部機器負極端子97)に直接接触しているため、外部電子機器から、電池負極端子7(グランド)に電流が直接到達し、次いで、充電用回路負極端子24および第10接続配線59を経由して、変圧器49に電流が到達する。
【0168】
これにより、二次電池2が放電し、外部電子機器を駆動させる。
【0169】
(用途)
このような電池パック1および無線電力伝送システム80は、従来の二次電池および一次電池を用いる電子機器に幅広く使用することができる。そのような電子機器としては、例えば、補聴器、スマートグラス、スマートウォッチなどのウェアラブル端末、例えば、スピーカー、例えば、医療機器などが挙げられる。
【0170】
この電池パック1では、外部側回路正極端子23は、上下方向に投影したときにコイル部材8と重複するように、二次電池2およびコイル部材8の上側に配置されている。よって、外部側回路正極端子23は、電池パック1の上側において、露出されている。また、電池負極端子7は、電池パック1の下側において、露出されている。そのため、電子機器は、二次電池2の上側に配置される外部側回路正極端子23と、二次電池2の下側に設けられる電池負極端子7とに接続すればよい。したがって、従来の一般的な電子機器の端子設計(後述する補聴器90では、2つの端子96、97が対向配置される設計)を変更することがなく、汎用性に優れる。
【0171】
また、この電池パック1では、外部側回路正極端子23の端子パターン27の平面視面積が、コイル部材8の第1コイルパターン11の外形が画定する外形面積に対して、50%以上である。そのため、電子機器の正極端子(補聴器90の外部機器正極端子96)が接触できる面積が大きく、装着性に優れる。
【0172】
また、電池負極端子7についても、負極端子部67を除いて、多くの部分が露出されているため、補聴器90の外部機器負極端子97の先端が、収容部95の側面視中央付近から外れた位置に配置される場合においても、外部機器負極端子97は、電池負極端子7に確実に接触することができる(図6A参照)。
【0173】
また、この電池パック1では、外部側回路正極端子23が、端子パターン27と、端子パターン27を仕切るスリット空間28とを備え、スリット空間28は、平面視内方から平面視外方端縁まで連続し、平面視外方端縁29で開放されている。そのため、外部側回路正極端子23では、送電コイル82からの磁力が外部側回路正極端子23を通過することによって発生する電流は、渦電流になりにくい。すなわち、渦電流の発生が抑制される。そのため、受電効率の低下を抑制することができる。
【0174】
また、この電池パック1では、端子パターン27の平面視面積が、電池正極端子6の平面視面積に対して、50%以上である。そのため、電子機器の正極端子が、より確実に外部側回路正極端子23の端子パターン27に接触することができる。よって、装着性に優れる。
【0175】
また、この電池パック1では、スリット空間28は、スリット形状を有する。そのため、外部側回路正極端子23に発生する渦電流をより確実に抑制することができるため、受電効率の低下をより確実に抑制することができる。
【0176】
また、この電池パック1では、端子パターン27は、開ループ形状を有する。そのため、外部側回路正極端子23子に発生する渦電流をより確実に抑制することができるため、受電効率の低下をより確実に抑制することができる。
【0177】
また、この電池パック1では、端子パターン27は、渦巻き形状を有する。そのため、電子機器の正極端子の接触面積をより一層大きくしながら、スリット空間28の長さを長くすることができる。そのため、装着性に優れながら、外部側回路正極端子23に発生する渦電流をより確実に抑制することができる。
【0178】
また、この電池パック1では、端子パターン27の幅(L)と、スリット空間28の幅(S)との比(L/S)が、1以上、600以下である。そのため、電子機器の正極端子96に対する接触面積をより一層大きくすることができるため、装着性に優れる。
【0179】
また、この無線電力伝送システム80は、電池パック1と、送電コイル82を備える送電装置81とを備えている。
【0180】
そのため、電池パック1の二次電池2に無線で電力を伝送することができるため、二次電池2の無線充電が可能となる。
【0181】
また、この無線電力伝送システム80では、送電装置81が、1MHz以上10MHz以下の周波数の電力を伝送する。
【0182】
そのため、電池パック1が、1MHz以上10MHz以下の高周波の電力で受電することができ、二次電池2を高効率で充電することができる。
【0183】
<補聴器>
次いで、図8A-Cを参照して、本発明の補聴器の第1実施形態を説明する。
【0184】
補聴器90は、電池パック1、補聴器筐体91、マイク手段92、増幅手段93、スピーカー部94、外部機器正極端子96および外部機器負極端子97を備えている。
【0185】
補聴器90に用いる電池パック1に搭載する変圧器49としては、例えば、1.2Vに変圧可能な変圧器を用いる。
【0186】
補聴器筐体91は、筐体本体部91Aと、開閉機構部91Bとを有する。
【0187】
筐体本体部91Aは、その内部に、マイク手段92、増幅手段93、スピーカー部94、外部機器正極端子96および外部機器負極端子97を収容している。
【0188】
外部機器正極端子96および外部機器負極端子97は、筐体本体部91Aの下側において、互いに間隔を隔てて対向配置されている。外部機器正極端子96の先端(外部側回路正極端子23との接触点)と外部機器負極端子97の先端(電池負極端子7との接触点)との間隔は、電池パック1の上下方向長さ(図1A図6A参照)と略同一である。
【0189】
マイク手段92、増幅手段93およびスピーカー部94は、補聴器筐体91の内部に配置されており、これらは、外部機器正極端子96および外部機器負極端子97と電気的に接続されている。
【0190】
開閉機構部91Bは、筐体本体部91Aの下端に配置されている。開閉機構部91Bは、側面視弧状かつ正面視コ字状の湾曲した板部材であり、開閉機構部91Bの一端(固定端部)98は、筐体本体部91Aの下端において、ヒンジ部を介して、回転可能に固定されている。開閉機構部91Bは、外部機器正極端子96および外部機器負極端子97の間の空間とともに、収容部95を形成する。
【0191】
収容部95は、電池パック1を収容可能な空間を有している。収容部95は、電池パック1、または、市販の一次電池(好ましくは、ボタン型一次電池)を選択的に収容できるように構成されている。
【0192】
収容部95は、固定端部98を支点として開閉機構部91Bを回転させることにより、補聴器筐体91の内部に収容、または、その外部に露出される。具体的には、図8Aに示すように、開閉機構部91Bの遊端部99(固定端部98とは反対側の他端)を下側に向かって移動させることにより、収容部95は外部に露出する(開状態)。一方、図8Bに示すように、遊端部99を上側に向かって移動させることにより、収容部95は補聴器筐体91の内部に収容される(閉状態)。
【0193】
開閉機構部91Bが開状態である場合では、収容部95の上方は、開放されており、電池パック1の取り換えが可能となる。一方、開閉機構部91Bが閉状態である場合では、収容部95の内部の大きさおよび形状は、電池パック1の大きさおよび形状と略同一である。図8Cに示すように、外部機器正極端子96および外部機器負極端子97の先端は、それぞれ、側面視において、収容部95の中心からずれた位置(中心と端縁との間)に配置されている。
【0194】
電池パック1は、収容部95に収容されている。具体的には、電池パック1は、図8Bに示すように、開閉機構部91Bが閉状態である場合において、外部機器正極端子96が、端子開口部73を通過して、外部側回路正極端子23に接触し、外部機器負極端子97が、電池負極端子7に接触するように、収容部95内部に配置される。
【0195】
この補聴器90は、電池パック1と、補聴器筐体91と、マイク手段92と、増幅手段93と、スピーカー部94とを備えている。そのため、補聴器90を電池パック1の収容部95に収容する際に、外部機器正極端子96は、外部側回路正極端子23と接触しやすく、外部機器負極端子97は、電池負極端子7と接触しやすい。そのため、電池パック1の装着性に優れる。
【0196】
特に、図6Aおよび図8Cに示すように、補聴器90の外部機器正極端子96の先端が、収容部95の側面視中央付近から外れた位置に配置される場合においても、外部機器正極端子96は、外部側回路正極端子23の端子パターン27に確実に接触することができる。また、外部機器負極端子97においても、収容部95の側面視中央付近から外れた位置に配置される場合においても、外部機器負極端子97は、電池負極端子7に確実に接触することができる。
【0197】
この補聴器90では、収容部95が、一次電池も収容可能とする。そのため、一次電池および二次電池のどちらを用いても駆動することができるため、利便性に優れる。
【0198】
<変形例>
以下の各変形例において、図1A図8Cで上記した一実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、各変形例を適宜組み合わせることができる。さらに、各変形例は、特記する以外、一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0199】
(1)図4A-Bに示す一実施形態では、端子パターン27は、渦巻き形状を有しているが、例えば、図9A-Bに示すように、端子パターン27は、互いに相似形状の複数の開ループ部101を有することもできる。
【0200】
図9A-Bに示す実施形態では、端子パターン27は、複数(5つ)の円環形状のループ部100を備えている。複数のループ部100は、互いに相似形状であり、同心円をなしている。
【0201】
複数のループ部100の間には、平面視略C状の第2スリット空間102が形成されており、第2スリット空間102により、複数のループ部100は、径方向に互いに間隔を隔てて均等配置される。
【0202】
複数のループ部100を横切るように、直線状のスリット空間28が形成されている。スリット空間28は、端子パターン27の平面視略中央から前側に向かって最外側のループ部100の前端縁(外方端縁)29に至るまで延びている。
【0203】
複数のループ部100およびスリット空間28によって、開ループ形状を有する複数の開ループ部101が構成され、複数の開ループ部101は、平面視内方から平面視外方に向かって並んでいる。
【0204】
端子パターン27は、複数の開ループ部101を径方向に連結する複数の連結部103を備えている。これにより、複数の開ループ部101は、互いに連結されている。
【0205】
端子パターン27の各面積比、長さW、開ループ部101の幅L、スリット空間28および第2スリット空間102の幅S、これらの比(L/S)などは、図4A-Bに示す一実施形態と同様である。
【0206】
この実施形態においても、図4A-Bに示す一実施形態と同様の作用効果を奏する図9A-Bに示す実施形態によれば、電子機器の正極端子との接触面積をより一層大きくしながら、スリット空間の総長さを長くすることができる。そのため、装着性に優れながら、外部側回路正極端子23に発生する渦電流をより確実に抑制することができる。
【0207】
(2)図4A-Bに示す一実施形態では、端子パターン27は、渦巻き形状を有しているが、例えば、図10A-Bに示すように、端子パターン27は、平面視略円形状を有することもできる。
【0208】
図10A-Bに示す実施形態では、端子パターン27を横切るように、スリット空間28が形成されている。スリット空間28は、直線状に形成されており、端子パターン27の平面視略中央から前側に向かって端子パターン27の前端縁に至るまで延びている。
【0209】
この実施形態においても、図4A-Bに示す一実施形態と同様の作用効果を奏する。外部側回路正極端子23に発生する渦電流をより確実に抑制できる観点からは、好ましくは図4A-Bおよび図9A-Bに示す実施形態が挙げられる。
【0210】
(3)図4A-Bに示す一実施形態では、端子パターン27は、渦巻き形状パターンであるが、例えば、図11および図12に示すように、端子パターン27は、パターンの外方端縁29で開放される複数の空間104を備える放射状パターンまたは櫛状パターンとすることもできる。
【0211】
この実施形態においても、図4A-Bに示す一実施形態と同様の作用効果を奏する。外部側回路正極端子23に発生する渦電流をより確実に抑制できる観点、および、電子機器の正極端子との接触面積を大きくできる観点からは、好ましくは、図4A-Bおよび図9A-Bに示す一実施形態が挙げられる。
【0212】
(4)図1A図2Bに示す一実施形態では、電池パック1は、コイル部材8および回路基板9が一体的に形成されているコイル付き基板3を備えているが、例えば、図示しないが、コイル部材8および回路基板9は、別々の部材から構成することもできる。
【0213】
この実施形態では、コイル部材8は、回路基板9と電気的に接続するために複数(2つ)の端子を備え、回路基板9は、コイル部材8と電気的に接続するための複数(2つ)の端子を備えている。そして、これらの端子を電気的に接続して、筐体5に収容する。
【0214】
(5)図1A図2Bに示す一実施形態では、回路基板9は、制御素子21として、整流器47、充電制御器48、変圧器49を備えているが、例えば、図示しないが、回路基板9は、整流器47、充電制御器48および変圧器49のうち2つまたは3つを一つの部材としてまとめた素子(例えば、集積回路)を備えることもできる。また、その他、回路基板9は、制御素子21として、さらに、ノイズを抑制するためのコンデンサなどのその他の素子を備えることもできる。接続配線パターン25およびベースビア部36~45は、その制御素子21の種類や数に応じて適宜変更される。具体的には、例えば、整流器47、充電制御器48および変圧器49を一つの部材(制御素子21)として用いた場合には、第5接続配線54、第9接続配線58および第10接続配線59を一つの接続配線として用いて、この接続配線パターンを介して充電用回路負極端子24および制御素子21を電気的に接続することができる。
【0215】
(6)図1A-Bおよび図5に示す一実施形態では、電池パック1は、磁性シート4を備えているが、例えば、図示しないが、電池パック1は、磁性シート4を備えなくてもよい。
【0216】
電力受電効率の観点から、好ましくは、電池パック1は、磁性シート4を備える。
【0217】
(7)図1A-Bおよび図5に示す一実施形態では、電池パック1に用いられる二次電池2は、負極タブおよび正極タブを備えていないが、例えば、図示しないが、二次電池2は、電池正極端子6の上面に配置される正極タブと、電池負極端子7の下面に設けられる負極タブとを備えることもできる。この実施形態では、正極タブを介して、電池正極端子6と電池側回路正極端子22とが電気的に接続され、負極タブを介して、電池負極端子7と充電用回路負極端子24とが電気的に接続される。
【0218】
(8)図1A-Bおよび図6A-Bに示す一実施形態では、電池側回路正極端子22は、電池正極端子6に直接接触することにより、これらは電気的に接続し、充電用回路負極端子24は、電池負極端子7と直接接触することにより、これらは電気的に接続しているが、例えば、図示しないが、電池側回路正極端子22および充電用回路負極端子24は、それぞれ、導電性接着剤層を介して、電池正極端子6または電池負極端子7と電気的に接続することもできる。これにより、各端子を確実に電気的に接続するとともに、二次電池2、コイル付き基板3および筐体5を互いに強固に固定することができる。
【0219】
(9)図1A-Bおよび図2A-Bに示す実施形態では、二次電池2の上側に、コイル部材8および回路基板9が一体的に形成されているコイル付き基板3を備えているが、例えば、図示しないが、二次電池2の下側に配置される下側コイル部材および/または下側回路基板をさらに備えることもできる。この場合、必要に応じて、負極端子部67は適宜設計され、例えば正極端子部68と同様の構成を採用することもできる。
【0220】
(10)図1A-Bおよび図2A-Bに示す一実施形態では、コイル付き基板3は、1つのコイル部材8を備えているが、例えば、図示しないが、コイル付き基板3(折り曲げ回路69)は、複数のコイル部材8を備えていてもよい。複数のコイル部材8の数や配置は限定的でなく、例えば、二次電池2の上側に複数設けられていてもよく、二次電池2の下側に複数設けられていてもよく、また、二次電池2の両側に単数または複数設けられていてもよい。この場合、必要に応じて、負極端子部67は適宜設計され、例えば正極端子部68と同様の構成を採用することもできる。
【0221】
[第2~第4実施形態]
図13図18を参照して、本発明の電池パックなどの第2~第4実施形態を説明する。なお、第2~第4実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0222】
<電池パック>
第1実施形態の電池パック1は、二次電池2の上側に、コイル部材8および回路基板9(特に、制御回路部66)を備えているが、これらの上下配置は限定されず、例えば、コイル部材8は、二次電池2の上側、下側および両側のいずれに配置されていてもよく、また、回路基板9(特に、制御回路部66)は、二次電池2の上側、下側および両側のいずれに配置されていてもよい。
【0223】
例えば、第2実施形態では、図13の概略配置図が参照されるように、コイル部材8は、二次電池2の下側に配置され、回路基板9(具体的には、制御回路部66)は、二次電池2の上側に配置されている。より具体的には、コイル部材8は、二次電池2の下側(電池負極端子7側)であって負極端子部67の上側に配置されている。また、制御回路部66は、二次電池2の上側(電池正極端子6側)であって正極端子部68の下側に配置されている。特に、コイル部材8および回路基板9は、長尺な第3ジョイントベース部35によって、電気的に接続されている。
【0224】
なお、参考までに、第1実施形態の概略配置図を図14に示す。第2実施形態および後述する第3~4実施形態において、この配置以外の形態は、第1実施形態と同様であり、配置の変更に伴う構成の変更は、第1実施形態を適宜変更して適用される。例えば、負極端子部67は、必要に応じて適宜設計され、例えば正極端子部68と同様の構成を採用することもできる。
【0225】
また、例えば、第3実施形態では、図15の概略配置図が参照されるように、コイル部材8は、二次電池2の下側に配置され、回路基板9(具体的には、制御回路部66)は、二次電池2の下側に配置されている。より具体的には、コイル部材8は、二次電池2の下側であって負極端子部67の上側に配置されている。また、制御回路部66は、二次電池2の下側であってコイル部材8および負極端子部67の上側に配置されている。
【0226】
また、例えば、第4実施形態では、図16の概略配置図が参照されるように、コイル部材8は、二次電池2の上側に配置され、回路基板9(具体的には、制御回路部66)は、二次電池2の下側に配置されている。より具体的には、コイル部材8は、二次電池2の上側であって正極端子部68の下側に配置されている。また、制御回路部66は、二次電池2の下側であって負極端子部67の上側に配置されている。
【0227】
<無線電力伝送システムおよび補聴器>
本発明の無線電力伝送システムおよび補聴器の第2~第4実施形態は、電池パック1の第2~第4実施形態を用いる以外は、第1実施形態と同様である。また、充放電メカニズム、用途、作用効果なども第1実施形態と同様である。好ましくは、より一層の汎用性に優れる観点から、第1実施形態が挙げられる。
【0228】
<変形例>
(1)図13に示す第2実施形態では、二次電池2の上側にコイル部材8が配置されていないが、例えば、図17が示すように、二次電池2の上側にコイル部材8をさらに配置することもできる。すなわち、二次電池2の上側および下側の両方にコイル部材8を配置することもできる。
【0229】
この場合、図17に示す形態では、上側の部材と下側の部材の電気的接続について、実線で示すように、上側のコイル部材8と下側のコイル部材8とが直接電気的に接続されているが、例えば、破線で示すように、上側の回路基板9と、下側のコイル部材8とが直接電気的に接続されていてもよい。また、これらの両方の接続を採用することもできる。
【0230】
(2)図17に示す実施形態では、二次電池2の下側に回路基板9が配置されていないが、例えば、図18が示すように、二次電池2の下側に回路基板9(特に、制御回路部66)をさらに配置することもできる。すなわち、二次電池2の上側および下側の両方に回路基板9を配置することもできる。
【0231】
この場合、図18に示す形態では、二次電池2に対して上側の部材と下側の部材の電気的接続について、実線で示すように、上側のコイル部材8と下側のコイル部材8とが直接電気的に接続されているが、例えば、破線で示すように、上側の制御回路部66と、下側のコイル部材8とが直接電気的に接続されていてもよく、上側のコイル部材8と下側の制御回路部66とが直接電気的に接続されていてもよく、上側の制御回路部66と下側の制御回路部66とが直接電気的に接続されていてもよい。これらの接続を適宜組み合わせることもできる。
【0232】
また、下側のコイル部材8と下側の制御回路部66との相対位置や、上側のコイル部材8と上側の制御回路部66との相対位置は、それぞれ、限定されず、例えば、図示しないが、上下反対とすることもできる。
【0233】
(3)第1実施形態の変形例(1)~(10)についても同様に、第2~第4実施形態の変形例として、第2~第4実施形態に適用することができる。
【符号の説明】
【0234】
1 電池パック
2 二次電池
3 コイル付き基板
5 筐体
6 電池正極端子
7 電池負極端子
8 コイル部材
9 回路基板
11 第1コイルパターン
17 配線
23 外部側回路正極端子
27 端子パターン
28 スリット空間
80 無線電力伝送システム
81 送電装置
82 送電コイル
90 補聴器
91 補聴器筐体
92 マイク手段
93 増幅手段
94 スピーカー部
95 収容部
101 開ループ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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