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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】パネル構造体、空間構成用構造体
(51)【国際特許分類】
   E04C 2/38 20060101AFI20221221BHJP
   E04C 2/54 20060101ALI20221221BHJP
   E04H 1/12 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
E04C2/38 P
E04C2/54 A
E04H1/12 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018198479
(22)【出願日】2018-10-22
(65)【公開番号】P2020066857
(43)【公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-10-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】黒江 真行
【審査官】沖原 有里奈
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-296091(JP,A)
【文献】特開2013-159924(JP,A)
【文献】特開2006-077543(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04C 2/00-2/54
E04H 1/12
E04B 2/74-2/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形輪郭の板状体の周囲に縦フレームおよび横フレームを設けたパネル構造体であって、
前記縦フレームおよび前記横フレームが、押し出し成形して形成され、前記板状体の周端部が内側に配置される溝と、
前記縦フレームと前記横フレームとで形成される角部において、前記縦フレームの端部と前記横フレームの端部とを接続する接続部材が内側に配置される接続溝と、
を有し、
前記溝が、前記板状体の厚み方向である幅方向の一端側に位置して前記縦フレームおよび前記横フレームの長手方向に延在するとともに、
前記接続溝が、前記幅方向の他端側に位置して前記縦フレームおよび前記横フレームの長手方向に延在することを特徴とするパネル構造体。
【請求項2】
矩形輪郭の板状体の周囲に縦フレームおよび横フレームを設けたパネル構造体であって、
前記縦フレームおよび前記横フレームが、前記板状体の周端部が内側に配置される溝と、
前記縦フレームと前記横フレームとで形成される角部において、前記縦フレームの端部と前記横フレームの端部とを接続する接続部材が内側に配置される接続溝と、
を有し、
前記溝が、前記板状体の厚み方向である幅方向の一端側に位置して前記縦フレームおよび前記横フレームの長手方向に延在するとともに、
前記接続溝が、前記幅方向の他端側に位置して前記縦フレームおよび前記横フレームの長手方向に延在し、
前記接続部材が前記縦フレームおよび前記横フレームの長手方向にそれぞれ延在する部分を有し、
前記接続溝の開口を覆うキャップ部材によって、前記接続部材が覆われることを特徴とするパネル構造体。
【請求項3】
矩形輪郭の板状体の周囲に縦フレームおよび横フレームを設けたパネル構造体であって、
前記縦フレームおよび前記横フレームが、前記板状体の周端部が内側に配置される溝と、
前記縦フレームと前記横フレームとで形成される角部において、前記縦フレームの端部と前記横フレームの端部とを接続する接続部材が内側に配置される接続溝と、
を有し、
前記溝が、前記板状体の厚み方向である幅方向の一端側に位置して前記縦フレームおよび前記横フレームの長手方向に延在するとともに、
前記接続溝が、前記幅方向の他端側に位置して前記縦フレームおよび前記横フレームの長手方向に延在し、
前記縦フレームおよび前記横フレームのうち、一方の端部には、他方の前記接続溝の底部に当接する突き当たり部と、他方の前記接続溝の開口端に対応した切欠部とが設けられることを特徴とするパネル構造体。
【請求項4】
空間に設けられ、該空間内に内部空間を形成するための空間構成用構造体であって、 前記空間内における前記内部空間の境界に配置された支柱フレームと、
前記支柱フレームの上端部に連結された複数の梁フレームと、
前記支柱フレームと前記梁フレームとで形成された側部と、
を備え、
前記側部には、請求項1から3のいずれか一項に記載のパネル構造体を備え、
前記側部において、前記接続溝が前記内部空間側に配置され、前記溝が外側に配置されることを特徴とする空間構成用構造体。
【請求項5】
前記空間内に設けられ、前記空間から隔離して前記内部空間内で特定の作業を行うためのワークブースであることを特徴とする請求項4に記載の空間構成用構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル構造体、空間構成用構造体に係り、室内や室外に設置される空間構成用構造体に用いて好適な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オフィスや展示ホール等の屋内、あるいは屋外において、各種の展示や打ち合わせ、飲食等を行うための空間を形成するため、床面上に立設した複数の支柱と、これら支柱の上端部同士を連結するよう設けた梁材と、を備えた空間構成用構造体が用いられている(特許文献1)。
【0003】
近年、オフィスのフリーアドレス化や、モバイルワークの進展等に鑑み、このような構造体を設置する機会が増えている。
【0004】
このような構造体においては、特許文献1に加えて特許文献2~4に記載されるように、ガラスなどからなる一枚の板状体の周囲をフレームで囲んだパネル構造体を側面に用いるものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-207258号公報
【文献】特開2006-249835号公報
【文献】特開2005-240339号公報
【文献】特開2012-132296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の構造体では、フレームの厚さ方向における中間部に板状体を設ける構造であるため、パネルに対してフレームの幅が目につき、意匠性を改善したいという要求があった。
また、構造体においてガラスなどの板状体を設ける場合、その面積をなるべく大きくするために、フレームの幅を狭くしたいという要求があるが、その場合、フレームの強度を維持することが難しいという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
1.パネル位構造体において、意匠性を向上する。
2.パネル位構造体において、デザイン性の向上と強度の維持とを図る。
3.部品点数を削減する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のパネル構造体は、矩形輪郭の板状体の周囲に縦フレームおよび横フレームを設けたパネル構造体であって、
前記縦フレームおよび前記横フレームが、押し出し成形して形成され、前記板状体の周端部が内側に配置される溝と、
前記縦フレームと前記横フレームとで形成される角部において、前記縦フレームの端部と前記横フレームの端部とを接続する接続部材が内側に配置される接続溝と、
を有し、
前記溝が、前記板状体の厚み方向である幅方向の一端側に位置して前記縦フレームおよび前記横フレームの長手方向に延在するとともに、
前記接続溝が、前記幅方向の他端側に位置して前記縦フレームおよび前記横フレームの長手方向に延在することにより、上記課題を解決した。
本発明のパネル構造体は、矩形輪郭の板状体の周囲に縦フレームおよび横フレームを設けたパネル構造体であって、
前記縦フレームおよび前記横フレームが、前記板状体の周端部が内側に配置される溝と、
前記縦フレームと前記横フレームとで形成される角部において、前記縦フレームの端部と前記横フレームの端部とを接続する接続部材が内側に配置される接続溝と、
を有し、
前記溝が、前記板状体の厚み方向である幅方向の一端側に位置して前記縦フレームおよび前記横フレームの長手方向に延在するとともに、
前記接続溝が、前記幅方向の他端側に位置して前記縦フレームおよび前記横フレームの長手方向に延在し、
前記接続部材が前記縦フレームおよび前記横フレームの長手方向にそれぞれ延在する部分を有し、
前記接続溝の開口を覆うキャップ部材によって、前記接続部材が覆われることにより、上記課題を解決した。
本発明のパネル構造体は、矩形輪郭の板状体の周囲に縦フレームおよび横フレームを設けたパネル構造体であって、
前記縦フレームおよび前記横フレームが、前記板状体の周端部が内側に配置される溝と、
前記縦フレームと前記横フレームとで形成される角部において、前記縦フレームの端部と前記横フレームの端部とを接続する接続部材が内側に配置される接続溝と、
を有し、
前記溝が、前記板状体の厚み方向である幅方向の一端側に位置して前記縦フレームおよび前記横フレームの長手方向に延在するとともに、
前記接続溝が、前記幅方向の他端側に位置して前記縦フレームおよび前記横フレームの長手方向に延在し、
前記縦フレームおよび前記横フレームのうち、一方の端部には、他方の前記接続溝の底部に当接する突き当たり部と、他方の前記接続溝の開口端に対応した切欠部とが設けられることにより、上記課題を解決した。
本発明のパネル構造体は、矩形輪郭の板状体の周囲に縦フレームおよび横フレームを設けたパネル構造体であって、
前記縦フレームおよび前記横フレームが、前記板状体の周端部が内側に配置される溝と、
前記縦フレームと前記横フレームとで形成される角部において、前記縦フレームの端部と前記横フレームの端部とを接続する接続部材が内側に配置される接続溝と、
を有し、
前記溝が、前記板状体の厚み方向である幅方向の一端側に位置して前記縦フレームおよび前記横フレームの長手方向に延在するとともに、
前記接続溝が、前記幅方向の他端側に位置して前記縦フレームおよび前記横フレームの長手方向に延在することができる。
これにより、矩形輪郭とされるパネル構造体において、板状体よりも外側から板状体の厚み方向視して、板状体が視認者に近接する位置にあるため、板状体を厚さ方向の反対側を視認可能なガラス等からなるものとした際に、縦フレームおよび横フレームに比べて、板状体の視認状態を向上することができる。さらに、板状体周縁部で縦フレームおよび横フレームが板状体を覆う額縁部分として認識される領域を狭くすることで、さらに、意匠性を向上することができる。また、額縁部分として認識される領域を狭くした場合であっても、強度を呈する接続溝側の寸法を、額縁部分を形成する溝の寸法とは関係なく設定することができるため、額縁部分よりも接続溝付近を太くすることが可能となる。これにより、充分な強度を維持して、かつ、ガラス等の質感を充分にアピール可能なデザイン性、意匠性に優れたパネル構造体とすることができる。
【0009】
本発明のパネル構造体は、前記縦フレームおよび前記横フレームは、前記溝が設けられた前記幅方向一端側の部材高さが、前記接続溝が設けられた前記幅方向他端側の部材高さよりも低いことがより好ましい。言い換えると、前記板状体の主面中心から周端部に向かう方向において、前記溝の開口端(縁部端)が、前記接続溝の開口端(縁部端)よりも前記板状体の主面中心から離間していることがより好ましい。
これにより、外側から視認した際に、前記板状体の主面中心から周端部に向かう方向において、ガラス等からなる板状体の面領域を、フレームの面領域よりも細くすることができるため、接続溝の位置に対応する強度を維持する縦フレーム、横フレームの径寸法を大きくし、ガラス等の意匠性をになう板状体を支持する溝の位置をパネル構造体の縁部外側に配置することができ、板状体の視認状態を向上することができる。これにより、充分な強度を維持して、かつ、ガラス等の質感を充分にアピール可能なデザイン性、意匠性に優れたパネル構造体とすることができる。
【0010】
本発明のパネル構造体は、前記縦フレームおよび前記横フレームは、前記接続溝の底部が、前記溝の底部に対して、当該縦フレームまたは横フレームが設けられた前記板状体の周端部よりも前記板状体の主面中心側に配されていることが可能である。言い換えると、前記板状体の主面中心から周端部に向かう方向において、前記溝の底部が、前記接続溝の底部よりも前記板状体の主面中心から離間していることが可能である。
これにより、接続溝の位置に対応する強度を維持する縦フレーム、横フレームの径寸法を大きくし、ガラス等の意匠性をになう板状体を支持する溝の位置をパネル構造体の縁部外側に配置することができ、板状体の視認状態を向上することができる。これにより、充分な強度を維持して、かつ、ガラス等の質感を充分にアピール可能なデザイン性、意匠性に優れたパネル構造体とすることができる。
【0011】
また、本発明のパネル構造体は、前記縦フレームおよび前記横フレームは、前記接続溝の底部が、前記溝の前記幅方向一端側の開口端よりも前記板状体の主面中心側に配されていることができる。言い換えると、前記板状体の主面中心から周端部に向かう方向において、前記溝の開口端(縁部端)が、前記接続溝の底部よりも前記板状体の主面中心から離間している。
これにより、接続溝の位置に対応する強度を維持する縦フレーム、横フレームの径寸法を大きくし、ガラス等の意匠性をになう板状体を支持する溝の位置をパネル構造体の縁部外側に配置することができ、板状体の視認状態を向上することができる。これにより、充分な強度を維持して、かつ、ガラス等の質感を充分にアピール可能なデザイン性、意匠性に優れたパネル構造体とすることができる。
【0012】
本発明のパネル構造体は、前記接続部材が前記縦フレームおよび前記横フレームの長手方向にそれぞれ延在する部分を有し、
前記接続溝の開口を覆うキャップ部材によって、前記接続部材が覆われる手段を採用することもできる。
これにより、例えばL字金具とされる接続部材により、縦フレームと横フレームとを強固に接続して、パネル構造体としての強度を向上することが可能となる。
【0013】
また、本発明のパネル構造体は、前記縦フレームおよび前記横フレームのうち、一方の端部には、他方の前記接続溝の底部に当接する突き当たり部と、他方の前記接続溝の開口端(縁部端)に対応した切欠部とが設けられることができる。
これにより、縦フレームと横フレームとの溝部の内側にガラス等の板状体の周端部を位置して、一方の突き当たり部を他方の接続溝に突き当てることで、組み立て時におけるハンドリング例を向上できるとともに、組み立てた縦フレームと横フレームとからなる枠における強度を向上することができる。
【0014】
また、本発明のパネル構造体は、前記他方の接続溝の開口端(縁部端)に対応した前記切欠部のうち、前記板状体の厚さ方向において前記溝側に位置する外側切欠部が、前記板状体の厚さ方向において前記接続溝側に位置する内側切欠部よりも、前記板状体の厚さ方向における寸法が大きくなるように形成されることが好ましい。
このように、切欠部を設けることで、突き当たり部を接続溝の底部に突き当てる際に、接続溝の縁端部を避けて突き当てる必要がなくなる。これにより、組み立て字の縦フレームと横フレームとのハンドリング性を向上し、組み立て作業時間を短縮することができる。
また、突き当たり部の両側に位置する切欠部の幅方向寸法が異なるように設定されることにより、突き当たり部を形成する際に、切削工具等を容易に用いるようにすることができ、製造時間を短縮して、製造容易性を向上することができる。
【0015】
本発明の空間構成用構造体は、空間に設けられ、該空間内に内部空間を形成するための空間構成用構造体であって、
前記空間内における前記内部空間の境界に配置された支柱フレームと、
前記支柱フレームの上端部に連結された複数の梁フレームと、
前記支柱フレームと前記梁フレームとで形成された側部と、
を備え、
前記側部には、上記のいずれかに記載のパネル構造体を備え、
前記側部において、前記接続溝が前記内部空間側に配置され、前記溝が外側に配置されることができる。
これにより、空間構成用構造体が他の構造物とは独立に設置された際に、板状体が外から視認する視認者側に近接する表面位置にあるため、縦フレームおよび横フレームに比べて、ガラス等とされた板状体の視認状態を向上することができる。さらに、板状体周縁部で縦フレームおよび横フレームが板状体を覆う額縁部分として認識される領域を狭くすることで、さらに、デザイン性、意匠容易性を向上することができる。また、額縁部分として認識される領域を狭くした場合であっても、強度を呈する縦フレームや横フレーム側の寸法を、額縁部分を形成する溝の寸法とは関係なく設定することができるため、額縁部分よりも接続溝付近を太くすることが可能となる。これにより、充分な強度を維持して、かつ、ガラス等の質感を充分にアピール可能なデザイン性、意匠性に優れた空間構成用構造体とすることができる。
【0016】
本発明の空間構成用構造体は、前記空間内に設けられ、前記空間から隔離して前記内部空間内で特定の作業を行うためのワークブースであることができる。
これにより、空間構成用構造体の外側である空間から、内部空間を隔離して、内部空間における作業環境を所望の状態に設定してこれを管理することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、充分な強度を有し、かつ、板状体の視認状態を向上してデザイン性、意匠性に優れたパネル構造体、空間構成用構造体を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係るパネル構造体の第1実施形態を示す斜視図である。
図2】本発明に係るパネル構造体の第1実施形態の角部を示す分解斜視図である。
図3】本発明に係るパネル構造体の第1実施形態における突き当たり部を示す斜視図である。
図4】本発明に係るパネル構造体の第1実施形態の角部における突き当て状態を示す斜視図である。
図5】本発明に係るパネル構造体の第1実施形態の角部を図4とは異なる角度で見た斜視図である。
図6】本発明に係るパネル構造体の第1実施形態の角部付近におけるキャップ部材を示す斜視図である。
図7】本発明に係る空間構成用構造体の第2実施形態を示す斜視図である。
図8】本発明に係る空間構成用構造体の第2実施形態におけるコーナー部を拡大した斜視図(a)、異なる方向から拡大した斜視図(b)である。
図9】本発明に係る空間構成用構造体の第2実施形態におけるパネル構造体および梁フレームを示す図7における矢視断面図である。
図10】本発明に係る空間構成用構造体の第2実施形態における支柱フレームを示す平面図である。
図11】本発明に係る空間構成用構造体の第2実施形態における連結部材を示す斜視図である。
図12】本発明に係る空間構成用構造体の第2実施形態における連結部材を連結した状態を示す斜視図である。
図13】本発明に係る空間構成用構造体の第2実施形態におけるカバー部材を示す斜視図である。
図14】本発明に係る空間構成用構造体の第2実施形態におけるパネル構造体および支柱フレームを示す平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係るパネル構造体の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態におけるパネル構造体を示す斜視図であり、図において、符号100は、パネル構造体である。
【0020】
本実施形態に係るパネル構造体100は、図1に示すように、矩形輪郭の板状体101と、板状体101の周囲に設けられた縦フレーム110および横フレーム120と、底フレーム120Aと、を有する。
【0021】
板状体101は、矩形輪郭の平板とされ、例えばガラス等の透明材とされている。
縦フレーム110と横フレーム120とは、略同一の断面形状を有する棒状とされ、例えば、アルミニウム合金等の金属を押し出し成形して形成される。
縦フレーム110は、長手方向が略鉛直方向となるように板状体101の縦辺に延在し、横フレーム120は、長手方向が略水平方向となるように板状体101の天辺に延在している。
底フレーム120Aは、後述するように、上下方向の寸法の異なる部分を有する以外は縦フレーム110と横フレーム120と略同一の断面形状を有するものとされる。
【0022】
図2は、本実施形態におけるパネル構造体における角部を示す分解斜視図である。
縦フレーム110は、図2に示すように、板状体101に面した位置に板状体101の周端部を内側に位置する溝111と、この溝111に隣接して横フレーム120との接続部材を内側に位置する接続溝112と、を有する。
溝111は、縦フレーム110における幅方向の一端側である視認方向Sの外側位置、接続溝112は、縦フレーム110における幅方向の他端側である視認方向Sの内側位置にそれぞれ配置される。
縦フレーム110は、板状体101の両側となるそれぞれの鉛直方向縦辺において、互いに溝111および接続溝112が対向するように配置される。
【0023】
縦フレーム110は、外板部113と、溝外部114と、接続溝内部115と、接続溝外部116と、接続溝底部117と、を有する。
外板部113は、パネル構造体100の外周面となる板体とされる。外板部113の幅寸法は、板状体101の厚さ方向におけるパネル構造体100の厚さ寸法と等しく形成されている。
外板部113は、その外面113cが主面中心Cgから周端部に向かう方向における外側に位置している。
【0024】
溝外部114は、板状体101の主面中心Cgから周端部に向かう方向、つまり、板状体101の表面と平行な板体とされ、外板部113における板状体101の厚さ方向の一端部で、縦フレーム110の長手方向の全長にわたって設けられる。
接続溝内部115は、板状体101の表面と平行な板体とされ、外板部113における板状体101の厚さ方向の他端部で長手方向の全長にわたって設けられる。
【0025】
接続溝外部116は、板状体101の表面と平行な板体とされ、板状体101の厚さ方向における溝外部114と接続溝内部115との間で、縦フレーム110の長手方向の全長にわたって設けられる。
【0026】
接続溝底部117は、外板部113と平行な板体とされ、板状体101の厚さ方向における接続溝内部115と接続溝外部116との間に外板部113よりも板状体101の面中心側に近接して、縦フレーム110の長手方向の全長にわたって架設される。
【0027】
縦フレーム110においては、溝外部114と接続溝外部116と外板部113とで囲まれた部分が、溝111を形成している。また、縦フレーム110においては、接続溝内部115と接続溝底部117と接続溝外部116とで囲まれた部分が、接続溝112を形成している。
縦フレーム110においては、外板部113と接続溝内部115と接続溝底部117と接続溝外部116とで囲まれた部分が断面矩形のパイプ状となり、縦フレーム110の強度を主に担う部分となっている。
【0028】
縦フレーム110においては、外板部113の厚さ方向、つまり、板状体101の表面と平行な方向において、外板部113の内面113dから溝外部114の先端114aまでの距離が、溝111の深さ寸法となる。すなわち、溝外部114の先端114aは、溝111の開口端(縁部端)となっている。
ここで、外板部113の外面113cから内面113dまでの寸法、つまり、外板部113の厚さ寸法と溝111の深さ寸法とを合わせて、溝外部114の高さ寸法(高さ)Tgとする。
また、外板部113において、溝外部114と接続溝外部116とで挟まれた部分(内面)113dが、溝111の底部となっている。
【0029】
縦フレーム110において、外板部113は、溝111の底部となる領域(内面)113dが、接続溝112に対応する領域113e、つまり、接続溝内部115と接続溝底部117と接続溝外部116とともにパイプ状に形成される領域113eに比べて、厚くなるように形成されている。
【0030】
縦フレーム110においては、外板部113の厚さ方向、つまり、板状体101の表面と平行な方向において、接続溝底部117の内面117eから接続溝内部115の先端115aまでの距離が、接続溝112の深さ寸法となる。同様に、外板部113の厚さ方向、つまり、板状体101の表面と平行な方向において、接続溝底部117の内面117eから接続溝外部116の先端116aまでの距離が、接続溝112の深さ寸法となる。
外板部113の外面113cから接続溝内部115の先端115aまでの寸法を、接続溝内部115の高さ寸法(高さ)Tsとする。
【0031】
すなわち、接続溝内部115の先端115aと、接続溝外部116の先端116aとは、接続溝112の開口端(縁部端)となっている。
接続溝内部115と接続溝外部116とで挟まれた接続溝底部117は、接続溝112の底部となっている。
【0032】
縦フレーム110においては、外板部113の厚さ方向、つまり、板状体101の主面中心Cgから周端部に向かう方向、言い換えると、板状体101の表面と平行な方向において、外板部113から溝外部114の先端114aまでの距離は、外板部113から接続溝底部117までの距離よりも小さい。つまり、溝外部114の高さ寸法(高さ)Tgが接続溝内部115の高さ寸法(高さ)Tsよりも低い。
また、外板部113の厚さ方向において、外板部113から接続溝底部117までの距離は、外板部113から接続溝内部115の先端115aまでの距離よりも小さい。
【0033】
また、外板部113の厚さ方向において、外板部113から接続溝底部117までの距離は、外板部113から接続溝外部116の先端116aまでの距離よりも小さい。
本実施形態においては、外板部113の厚さ方向で、外板部113から接続溝内部115の先端115aまでの距離と、外板部113から接続溝外部116の先端116aまでの距離とは、略等しく設定される。
【0034】
したがって、縦フレーム110において、溝111と接続溝112とは、接続溝外部116を挟んで隣接している。
【0035】
縦フレーム110では、板状体101の主面中心Cgから周端部に向かう方向において、溝111の開口端(縁部端)である溝外部114の先端114aが、接続溝112の開口端(縁部端)である接続溝内部115の先端115aおよび接続溝外部116の先端116aよりも、板状体101の主面中心Cgから離間している。言い換えると、溝111の開口端(縁部端)である溝外部114の先端114aは、接続溝112の開口端(縁部端)である接続溝内部115の先端115aおよび接続溝外部116の先端116aよりも、縦フレーム110の主面中心Cgから周縁外側に向けて離間した位置にある。
【0036】
また、縦フレーム110では、板状体101の主面中心Cgから周端部に向かう方向において、溝111の底部である外板部113が、接続溝112の底部である接続溝底部117よりも、板状体101の主面中心Cgから離間している。
つまり、接続溝112の底部である接続溝底部117が、溝111の底部に対して板状体101の主面中心Cgに近い配置とされる。
【0037】
また、縦フレーム110では、板状体101の主面中心Cgから周端部に向かう方向において、溝111の開口端(縁部端)である溝外部114の先端114aが、接続溝112の底部である接続溝底部117よりも、板状体101の主面中心Cgから離間している。
【0038】
縦フレーム110の上端部は、図2に示すように、外板部113と、溝外部114と、接続溝内部115と、接続溝外部116と、接続溝底部117とがいずれも面一となる端面110bを形成している。縦フレーム110の端面110bは、水平方向に延在する平面となるように形成される。
【0039】
横フレーム120は、縦フレーム110と略同一の断面形状を有する。このため、図における符号を110番代から120番代に読みかえればよい。
【0040】
図3は、本実施形態におけるパネル構造体における突き当たり部を示す斜視図である。
横フレーム120は、図2図3に示すように、外板部123と、溝外部124と、接続溝内部125と、接続溝外部126と、接続溝底部127と、を有し、先端124a,125a,126aも、縦フレーム110と同様に長さ寸法が設定されている。
【0041】
横フレーム120は、パネル構造体100の角部において、縦フレーム110と接続される端部に、端面120bから縦フレーム110と離間する方向に形成された内側切欠部(切欠部)128、外側切欠部(切欠部)129を有する。
【0042】
内側切欠部(切欠部)128は、板状体101の厚さ方向において接続溝内部115に対応した位置に配置される。内側切欠部(切欠部)128の奥部128bは、接続溝内部115の先端115aに当接するように形成される。
外側切欠部(切欠部)129は、板状体101の厚さ方向において接続溝外部116に対応した位置に配置される。外側切欠部(切欠部)129の奥部129bは、接続溝外部116の先端116aに当接するように形成される。
【0043】
板状体101の厚さ方向、つまり、横フレーム120の幅方向において、内側切欠部(切欠部)128と外側切欠部(切欠部)129との間には、突き当たり部122bが設けられる。
突き当たり部122bは、外板部123と接続溝底部127との端面123b,127bとして形成され、いずれも、接続溝底部117に当接するように形成される。
【0044】
板状体101の厚さ方向、つまり、横フレーム120の幅方向において、外側切欠部(切欠部)129よりも板状体101に近接する側には、外突き当たり部121bが設けられる。
外突き当たり部121bは、溝外部124の端面124bを有し、少なくとも、溝外部114の先端114aに当接するように形成される。
外突き当たり部121bは、溝111に対応する位置における外板部123が、横フレーム120の長手方向において、溝外部124の端面124bとほぼ面一な平面として連続するように形成される。
【0045】
外側切欠部(切欠部)129が、内側切欠部(切欠部)128よりも、板状体101の厚さ方向における寸法が大きくなるように形成される。
【0046】
図4は、本実施形態におけるパネル構造体における角部における突き当て状態を示す斜視図である。
パネル構造体100の角部においては、図4に示すように、横フレーム120の突き当たり部122bが、縦フレーム110の接続溝底部117に当接する。また、横フレーム120の外突き当たり部121bが、縦フレーム110における溝外部114の先端114aに当接する。
【0047】
また、横フレーム120の内側切欠部(切欠部)128の奥部128bには、縦フレーム110における接続溝内部115の先端115aが当接する。さらに、横フレーム120の外側切欠部(切欠部)129の奥部129bには、縦フレーム110における接続溝外部116の先端116aが当接する。
このように、対応する箇所がそれぞれ当接することで、横フレーム120と縦フレーム110との接続位置が容易に規定できる。
【0048】
図5は、本実施形態におけるパネル構造体における角部を図4とは異なる角度で見た斜視図である。
パネル構造体100の角部においては、図5に示すように、縦フレーム110と横フレーム120とが接続部材130により接続される。
接続部材130は、縦フレーム110および横フレーム120の長手方向にそれぞれ延在する板部130a,130bを有したL字金具とされる。
【0049】
板部130aは、締結ボルト、ビス、ねじ等の連結手段B2によって、接続溝底部117に接続される。
板部130bは、締結ボルト、ビス、ねじ等の連結手段B2によって、接続溝底部127に接続される。
【0050】
接続部材130は、板部130aが接続溝112の内部に位置し、板部130bが接続溝122の内部に位置する(図9参照)。
接続部材130は、例えばスチール製とされ、充分な強度を有するものとされる。
さらに、接続溝112,122には、接続部材130を覆うように、接続溝112,122の開口した部分を覆うキャップ部材140が設けられる。
【0051】
図6は、本実施形態におけるパネル構造体における角部付近におけるキャップ部材を示す斜視図である。
キャップ部材140は、図6に示すように、縦フレーム110の接続溝112、および、横フレーム120の接続溝122、を覆って閉塞する状態に、接続溝112,122の延在する方向にそれぞれ取り付けられる。
【0052】
キャップ部材140は、接続溝112,122に対応して、略コ字状の断面形状を有して、接続溝112,122に挿入される(図10参照)。
【0053】
キャップ部材140は、縦フレーム110の接続溝112において、接続溝内部115の先端115aと、接続溝外部116の先端116aと、面一となるように閉塞する。キャップ部材140において、接続溝内部115および接続溝外部116に接触する部分には、例えば、突条と凹条との組み合わせなどが対向して当接する面にそれぞれ設けられ、外れ止め145とされてもよい(図5参照)。
【0054】
キャップ部材140は、横フレーム120の接続溝122において、接続溝内部125の先端125aと、接続溝外部126の先端126aと、面一となるように閉塞する。キャップ部材140において、接続溝内部125および接続溝外部126に接触する部分には、例えば、突条と凹条との組み合わせなどが対向して当接する面にそれぞれ設けられ、外れ止め145とされてもよい(図5参照)。
【0055】
本実施形態におけるパネル構造体100は、図1図6に矢印Sで示す外側からの視認方向視して、板状体101が視認側に近接した表面位置にある。このため、ガラス板である板状体101の表面に対する意匠性を向上して、ガラス面の硬質な印象を近しく感じるように、意匠性を向上してデザイン性を改善することができる。
図1図6に矢印Sで示す視認方向視して視認される板状体101を覆う部分、つまり、縦フレーム110の溝外部114および横フレーム120の溝外部124の面積を挟幅化することが可能となる。
この場合であっても、強度を呈するパイプ状の接続溝内部115,125と接続溝外部116,126との寸法を、溝外部114,124の寸法とは関係なく設定することができる。これにより、充分な強度を維持して、かつ、ガラス等の質感を充分にアピール可能なデザイン性、意匠性に優れたパネル構造体100とすることができる。
【0056】
なお、外突き当たり部121b、突き当たり部122b、内側切欠部(切欠部)128、外側切欠部(切欠部)129を、いずれも、一方である横フレーム120に形成したが、これに変えて、他方である縦フレーム110に形成することもできる。
【0057】
以下、本発明に係る空間構成用構造体の第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
図7は、本実施形態における空間構成用構造体を示す斜視図であり、図において、符号10は、空間構成用構造体である。
本実施形態において、上述した第1実施形態のパネル構造体100が空間構成用構造体10に取り付けられており、パネル構造体100に関する点において、上述した第1実施形態と対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0058】
本実施形態に係る空間構成用構造体10は、図7に示すように、上側の開口した略四角柱状の外観を有し、平面視した輪郭が矩形とされ、その内側を外部の空間から分離された内部空間として形成するワークブースとされる。
なお、以下の説明においては、図には現れない構成にも符号を付して、説明をおこなうものとする。
【0059】
本実施形態に係る空間構成用構造体10は、略四角柱状の角部に立設された4本の支柱フレーム11~14と、隣接する2本の支柱フレーム11の上端部の間に架設された4本の梁フレーム15~18と、これら支柱フレーム11~14と梁フレーム15~18とで形成された側面部分に設けられた面板状の側部19A~19Dと、を備える。
支柱フレーム11~14は、いずれも略等しい鉛直方向長さを有する。また、支柱フレーム11~14は、側部19A~19Dの厚さ寸法と略等しい水平方向における幅寸法を有する。
【0060】
4本の支柱フレーム11~14はいずれも略同一の断面形状とされ、空間構成用構造体10の四隅で同じ向きに配置されている。
空間構成用構造体10の正面となる両サイド位置には、支柱フレーム11と支柱フレーム12とが立設され、これらの上端部には、梁フレーム15が略水平方向に架設されている。
空間構成用構造体10の奥側となる両サイド位置には、支柱フレーム13と支柱フレーム14とが立設され、これらの上端部には、梁フレーム18が略水平方向に架設されている。
【0061】
空間構成用構造体10を正面視して左側となる位置には、支柱フレーム11と支柱フレーム13とが立設されており、これらの上端部には、梁フレーム16が略水平方向に架設されている。
空間構成用構造体10を正面視して右側となる位置には、支柱フレーム12と支柱フレーム14とが立設されており、これらの上端部には、梁フレーム17が略水平方向に架設されている。
【0062】
支柱フレーム11と支柱フレーム12と梁フレーム15とで形成される正面側には、入退室用の開閉自在なドア19Aaを有する正面部(側部)19Aが設けられる。正面部(側部)19Aにおいて、ドア19Aaは、例えばガラス製とされ、ドア19Aaを閉じた状態で、空間構成用構造体10の内部空間を外部から視認可能なものとされる。ドア19Aaは、支柱フレーム11と同じ上下方向寸法を有する。正面部(側部)19Aにおいて、ドア19Aa以外の部分には、壁部19Abが配置されている。
【0063】
支柱フレーム13と支柱フレーム14と梁フレーム18とで形成される奥側には、奥面部(側部)19Bが設けられる。奥面部(側部)19Bは、支柱フレーム13と支柱フレーム14と梁フレーム18とに3辺を接続されたパネル構造体100とされ、支柱フレーム11~14の水平方向の幅寸法とほぼ等しい厚み寸法を有することができる。
奥面部(側部)19Bとして、支柱フレーム13と支柱フレーム14と梁フレーム18とに接続されたパネル構造体100は、板状体101および溝外部114,124が、空間構成用構造体10の内部空間と反対側、つまり、外側に位置するように配置される。
【0064】
支柱フレーム11と支柱フレーム13と梁フレーム16とで形成される左側には、左面部(側部)19Cが設けられる。左面部(側部)19Cは、支柱フレーム11と支柱フレーム13とが梁フレーム16とに3辺を接続された面板とされ、支柱フレーム11~14の水平方向の幅寸法とほぼ等しい厚み寸法を有する板体とされる。
【0065】
支柱フレーム12と支柱フレーム14と梁フレーム17とで形成される右側には、右面部(側部)19Dが設けられる。右面部(側部)19Dは、支柱フレーム12と支柱フレーム14とが梁フレーム17とに3辺を接続された面板とされ、支柱フレーム11~14の水平方向の幅寸法とほぼ等しい厚み寸法を有する板体とされる。
【0066】
支柱フレーム11~14の外側面11a~14aは、水平方向に曲率を有する曲面とされ、上下方向の全長で同じ形状として連続している。外側面11a~14aは、水平断面が円弧状となる輪郭を有する。外側面11a~14aは、四角柱状の空間構成用構造体10における角を丸めた形状に対応している。
【0067】
梁フレーム15~18は、その全長にわたってそれぞれカバー部材25~28で覆われている。カバー部材25~28は、その外側面25a~28aが支柱フレーム11~14の外側面11a~14aと同様に、カバー部材25~28の幅方向断面が円弧状となる輪郭を有する。カバー部材25~28の外側面25a~28aは、下端から上方向に向けて、空間構成用構造体10における水平断面輪郭が小さくなるように傾斜した曲面とされている。
【0068】
空間構成用構造体10の上端部において、その四隅では、支柱フレーム11~14と梁フレーム15~18とが連結されている。
【0069】
支柱フレーム11と梁フレーム15と梁フレーム16との連結された空間構成用構造体10の左側正面の隅(コーナー部)においては、支柱フレーム11の外側面11aと、梁フレーム15を覆うカバー部材25の外側面25aと、梁フレーム16を覆うカバー部材26の外側面26aとをそれぞれ接続するコーナー部材21が設けられる。
支柱フレーム12と梁フレーム15と梁フレーム17との連結された空間構成用構造体10の右側正面の隅(コーナー部)においては、支柱フレーム12の外側面12aと、梁フレーム15を覆うカバー部材25の外側面25aと、梁フレーム17を覆うカバー部材27の外側面27aとをそれぞれ接続するコーナー部材22が設けられる。
【0070】
支柱フレーム13と梁フレーム18と梁フレーム16との連結された空間構成用構造体10の左側奥側の隅(コーナー部)においては、支柱フレーム13の外側面13aと、梁フレーム18を覆うカバー部材28の外側面28aと、梁フレーム16を覆うカバー部材26の外側面26aとをそれぞれ接続するコーナー部材23が設けられる。
支柱フレーム14と梁フレーム18と梁フレーム17との連結された空間構成用構造体10の右側奥側の隅(コーナー部)においては、支柱フレーム14の外側面14aと、梁フレーム18を覆うカバー部材28の外側面28aと、梁フレーム17を覆うカバー部材27の外側面27aとをそれぞれ接続するコーナー部材24が設けられる。
【0071】
図8(a)は、本実施形態における空間構成用構造体におけるコーナー部を拡大した斜視図である。
空間構成用構造体10における支柱フレーム11の上端となるコーナー部には、図8(a)に示すように、コーナー部材21が配置される。コーナー部材21の外側面21aは、それぞれ支柱フレーム11の外側面11aと、カバー部材25の外側面25aと、カバー部材26の外側面26aと面一になるように連続性を有する外側に向けて凸状となる曲面状に形成される。コーナー部材21の外側面21aは、例えば、球面に近しい形状とされることができる。
【0072】
空間構成用構造体10の上端部における四隅は、略同一の構造であるので、ここでは、支柱フレーム11と梁フレーム15と梁フレーム16とが連結されてコーナー部材21が配置された左側正面において説明した。他の3つの隅においては、それぞれコーナー部材21をコーナー部材22~24に対応させて、支柱フレーム11と梁フレーム15,16との符号を対応する符号に読みかえるものとする。
【0073】
図8(b)は、本実施形態における空間構成用構造体におけるコーナー部を図8(a)とは異なる方向から拡大した斜視図である。
空間構成用構造体10における支柱フレーム11の上端となるコーナー部においては、図8(b)に示すように、内部空間側で、梁フレーム15と梁フレーム16とが露出するように端部どうしが突き合わされている。梁フレーム15と梁フレーム16とには、空間構成用構造体10の内部空間側に延在する溝15a,16aが形成されており、梁フレーム15と梁フレーム16との内部空間側が面一となるように、溝15a,16aにはキャップ部材35,36が嵌め込まれている。溝15a,16aは、それぞれ梁フレーム15、16の全長に形成される。
なお、図8(b)においては、キャップ部材35が溝15aから取り外された状態を図示している。
【0074】
次に、梁フレーム、カバー部材、および、キャップ部材について説明する。ここでは、空間構成用構造体10のコーナー部材24をコーナー部材23側から見た断面で説明する。
【0075】
図9は、本実施形態における空間構成用構造体においてパネル構造体および梁フレームを図7におけるIX-IX矢視した断面図である。
梁フレーム18は、図9に示すように、その全長で同一の断面形状を有している。梁フレーム18は、略水平に組み付けられる下板部18hと、下板部18hの内側空間側となる端部18h1に立設された内壁部18bと、を有する。
【0076】
下板部18hは、梁フレーム18の全長で同一の幅寸法とされる。下板部18hの幅寸法は、奥面部(側部)19Bの厚さ寸法よりも小さく設定される。
下板部18hよりも空間構成用構造体10の外側となる部分では、カバー部材28の下端板部28bが、奥面部(側部)19Bであるパネル構造体100における横フレーム120の外板部123と直接接触するように配置されている。
【0077】
下板部18hの上外側、つまり、内側空間側とは反対側となる端部18h2の上側位置には、上方の開口した溝を有する突条として接続部18cがその全長に設けられる。
接続部18cは、梁フレーム18の長さ方向に延在する溝が、梁フレーム18の端部位置において連結部材44と接続するための螺合穴とされる。接続部18cの溝には、連結部材44を貫通した締結ボルト、ビス、ねじ等の連結手段Bが螺合されて、梁フレーム18と連結部材44とを固定する(図12に対応する連結手段Bを図示)。
【0078】
内壁部18bは、端部18h1から略鉛直に立ち上がる内壁基部18b1と、高さ方向中間位置に溝18aを介して内壁基部18b1と面一に形成された内壁上部18b2とを有する。
溝18aは、鉛直な梁フレーム18の幅方向断面が矩形とされており、内壁基部18b1の上端部に接続されて略水平な溝下部18a1と、溝下部18a1から立設されて内壁基部18b1および内壁上部18b2と平行な溝奥部18a2と、溝奥部18a2の上端部に接続されるとともに内壁上部18b2の下端に接続された略水平な溝上部18a3と、によって、内壁部18bから凹んだ溝状に形成されている。溝奥部18a2には、その外側、つまり、内側空間側とは反対側となる位置に、後述するように、カバー部材28が取り付けられる。
【0079】
溝上部18a3には、その上外側、つまり、内側空間側とは反対側となる端部18h2の上側位置には、上方の開口した溝を有する突条として接続部18dがその全長に設けられる。
接続部18dは、接続部18cと同様に、梁フレーム18の長さ方向に延在する溝が、梁フレーム18の端部位置において連結部材44と接続するための螺合穴とされる。接続部18dの溝には、連結部材44を貫通した締結ボルト、ビス、ねじ等の連結手段Bが螺合されて、梁フレーム18と連結部材44とを固定する(図12に対応する連結手段Bを図示)。
【0080】
溝18aは、内側空間側を覆うキャップ部材38によって内側空間に面した開口のほぼ全てが閉塞される。キャップ部材38は、溝18aの開口部分を覆うキャップ板38aと、キャップ板38aの上下で溝18aの内側に差し込んで、溝下部18a1と溝上部18a3とに対して接触し、キャップ部材38を嵌合固定するキャップ下部38bとキャップ上部38cとを有する。
【0081】
キャップ下部38bとキャップ上部38cとは、その先端が、溝18aの上下方向寸法よりも小さくなるように傾斜しており、キャップ部材38を溝18aに挿入しやすくなっている。
キャップ下部38bとキャップ上部38cとは、その先端が、溝下部18a1と溝上部18a3とに設けられた凸部18a11と凸部18a31とに当接して、キャップ板38aが内壁部18bと面一となるように位置規制可能とされる。
【0082】
キャップ下部38bには、溝下部18a1と接触する側に凸部38b3が設けられ、溝下部18a1側に設けられた凹部18a13と嵌合する。
キャップ上部38cには、溝上部18a3と接触する側に凸部38c3が設けられ、溝上部18a3側に設けられた凹部18a14と嵌合する。
凸部38b3と凹部18a13の嵌合、および、凸部38c3と凹部18a14の嵌合によって、キャップ部材38が溝18a内に嵌め込まれた状態を維持できる。
【0083】
なお、キャップ下部38bと溝下部18a1、および、キャップ上部38cと溝上部18a3の間での取り付け位置設定は、キャップ部材38が溝18a内に嵌め込んでキャップ板38aと内壁部18bとが面一の状態を維持可能であれば、上記の構造に限定されるものではない。
【0084】
カバー部材28は、図9に示すように、その全長で同一の断面形状を有している。カバー部材28は、外側面28aを形成する曲面部28kが断面円弧状に形成される。曲面部28kにおいては、外側面28aの下端が奥面部(側部)19Bであるパネル構造体100の板状体101の面方向と略等しく、外側面28aの上端が水平面と略等しくなるように湾曲している。曲面部28kは、その全体で厚み寸法が略均一とされる。
【0085】
曲面部28kの下端位置には、梁フレーム18の下板部18hと面一となるように、下端板部28bが設けられる。下端板部28bの幅寸法は、奥面部(側部)19Bであるパネル構造体100の厚さ寸法よりも小さく設定される。下端板部28bの空間構成用構造体10の内側となる部分では、下板部18hが直接的に奥面部(側部)19Bであるパネル構造体100と当接しており、下端板部28bが端部18h2に当接することで、梁フレーム18に対するカバー部材28の位置設定が可能なように配置されている。下端板部28bと下板部18hとの幅寸法は、合わせて奥面部(側部)19Bであるパネル構造体100の厚さ寸法と略等しくなるように設定されている。
下端板部28bの内側空間方向の端部は、下板部18hの外側(内側空間と反対方向)の端部の切欠に当接して上下方向の位置が設定されている。
【0086】
下端板部28bには、固定支持部28cが立設されている。固定支持部28cの上端側は、梁フレーム18の内壁部18bに近接するとともに、接続部18cと接触しないようにその形状が設定される。固定支持部28cの上端には、固定部28dが設けられている。
固定部28dは、溝奥部18a2の裏面、つまり、溝奥部18a2における溝18aと反対側となる裏面に当接するように設けられる。固定部28dは、溝奥部18a2と略平行な板体とされる。固定部28dと溝奥部18a2とにおいては、それぞれの対応する位置に、固定孔28d1および固定孔18a5が設けられている。
【0087】
固定孔28d1および固定孔18a5を貫通するように、締結ボルト、ビス、ねじ等の固定部材B1によって内部空間に対する内側位置から固定することで、カバー部材28を梁フレーム18に固定することが可能となる。
また、図9に図示した固定孔18a5に対応して、図8(b)に梁フレーム15の固定孔15a5が示される。なお、図8(b)において、固定部材B1を省略している。
【0088】
曲面部28kの上端位置は、梁フレーム18の内壁上部18b2の上端側に当接する上端当接部28eとされる。上端当接部28eの先端は、その内側空間側が内壁上部18b2と面一になるように形成される。上端当接部28eの下側位置には、内壁上部18b2の裏面、つまり、内側空間側とは反対側となる面に当接するように、位置規制部28fが下方に向けて形成される。位置規制部28fの下端には、内壁上部18b2の裏面と接触する側に凸部28f3が設けられ、内壁上部18b2の裏面側に設けられた凹部18b5と嵌合する。
【0089】
図9に示すように、空間構成用構造体10における外側からの視認方向Sに対して、板状体101の外側の溝外部124が視認されるが、接続溝外部126は、ガラス等の板状体101を透過してしか視認されないので、空間構成用構造体10の意匠性が向上する。これにより、板状体101の視認面積を大きくすることができる。
また、溝121の底部側には、図9に示すように、板状体101との端部との間にガスケットGを設けてもよい。
【0090】
次に、支柱フレーム、連結部材、コーナー部材について説明する。ここでは、支柱フレーム11に対応するコーナー部分について説明する。
【0091】
図10は、本実施形態における空間構成用構造体における支柱フレームを示す平面図である。
支柱フレーム11は、図10に示すように、中空のパイプ状とされ、上下方向の全長で同じ断面形状として連続している。支柱フレーム11は、断面円弧状の外側面11aを形成する円弧状部11bと、左面部(側部)19C側の板面部11cと、正面部(側部)19A側の板面部11dと、を有する。
これら円弧状部11bと板面部11cと板面部11dとが連結された断面輪郭形状として、略四分円の扇形輪郭となるように形成される。
板面部11cと板面部11dとは、互いに略直交するように断面端部が接続され、円弧状部11bと板面部11c、円弧状部11bと板面部11dも、それぞれ互いに略直交するように断面端部が接続されている。
【0092】
板面部11cの幅方向中央部には、左面部(側部)19Cの反対側となる支柱フレーム11の断面中心側に、肉厚部11c1が突条として形成される。
板面部11dの幅方向中央部には、正面部(側部)19Aの反対側となる支柱フレーム11の断面中心側に、肉厚部11d1が突条として形成される。
肉厚部11c1の板面部11d側と、肉厚部11d1の板面部11c側とは互いに架橋するように中板部11eによって連結される。
【0093】
中板部11eの幅方向中央部には、内部空間に向かう方向の開口した溝を有する突条として接続部11fがその全長に設けられる。
接続部11fは、接続部18c,18dと同様に、支柱フレーム11の長さ方向に延在する溝が、支柱フレーム11の上端位置において連結部材41と接続するための螺合穴とされる。接続部11fの溝には、連結部材41を貫通した締結ボルト、ビス、ねじ等の連結手段Bが螺合されて、支柱フレーム11と連結部材41とを固定する(図12に対応する連結手段Bを図示)。
【0094】
図14は、本実施形態における空間構成用構造体におけるパネル構造体および支柱フレーム付近を示す平断面図である。
支柱フレーム14は、図14に示すように、板面部14dの幅方向中央部には、奥面部(側部)19Bの反対側(裏面側)となる支柱フレーム14の断面中心側に、肉厚部14d1が突条として形成される。
【0095】
肉厚部14d1には、固定孔14d5が設けられている。固定孔14d5は、支柱フレーム14と、奥面部(側部)19Bであるパネル構造体100の縦フレーム110とを接続固定する。
具体的には、縦フレーム110の外板部113と接続溝底部117とには、図14に示すように、固定孔14d5に対応する位置に、固定孔113d5および固定孔117dが設けられている。
【0096】
固定孔14d5には、固定孔113d5および固定孔117dを貫通した締結ボルト、ビス、ねじ等の連結手段B3が螺合されて、支柱フレーム14と縦フレーム110とを固定する。
また、溝111の底部側には、図14に示すように、板状体101との端部との間にガスケットGを設けてもよい。
【0097】
図14に示すように、空間構成用構造体10における外側からの視認方向Sに対して、板状体101の外側の溝外部114が視認されるが、接続溝外部116は、ガラス等の板状体101を透過してしか視認されないので、空間構成用構造体10の意匠性が向上する。これにより、板状体101の視認面積を大きくすることができる。
【0098】
連結部材41~44は、それぞれ、支柱フレーム11~14の上端部位置に連結され、それぞれ対応する梁フレーム16~18のうちの2本と連結される。
連結部材41~44は、いずれも略同一な構成とされるため、ここでは連結部材41を例示して説明する。
図11は、本実施形態における空間構成用構造体における連結部材を示す斜視図である。図12は、本実施形態における空間構成用構造体における連結部材を連結した状態を示す斜視図である。
【0099】
連結部材41は、支柱フレーム11と梁フレーム16と梁フレーム15とを連結する。
連結部材41は、図11図12に示すように、支柱フレーム11に当接する略水平の底板部41aと、梁フレーム16に当接するように底板部41aから立設された縦板部41bと、梁フレーム15に当接するように底板部41aから立設された横板部41cと、を有する。底板部41aと縦板部41bと横板部41cとの厚さ寸法は、略同一とすることができる。
底板部41aは、平面視した輪郭形状として、略四分円の扇形輪郭となるように形成される。
【0100】
底板部41aの平面視した外側端部41a1は、その輪郭形状、つまり、空間構成用構造体10の内部空間と反対側の輪郭形状が、支柱フレーム11の外側面11aに対応して、ほぼ同じ弧状輪郭とされている。なお、外側端部41a1の形状は、後述するように、支柱フレーム11における円弧状部11bの内側面との間に、平面視して隙間Vを形成するように円弧状部11bよりも小さい径寸法の弧状として形成される。
【0101】
底板部41aと縦板部41bとの接合部41abは、扇形輪郭における半径部分によって構成されて略水平な直線状に形成され、底板部41aと縦板部41bとが直交するように接合されている。
底板部41aと横板部41cとの接合部41acは、扇形輪郭における半径部分によって構成されて略水平な直線状に形成され、底板部41aと横板部41cとが直交するように接合されている。
縦板部41bと横板部41cとの接合部41bcは、扇形輪郭における半径部分によって構成されて略鉛直な直線状に形成され、縦板部41bと横板部41cとが直交するように接合されている。
これにより、底板部41a、縦板部41bおよび横板部41cそれぞれの扇形輪郭における円弧部分によって、コーナー部材21が当接する概略三角形状の外縁が形成されている。
連結部材41は、板状体を折り曲げて形成する場合には、上記の接合部41ab,41ac,41bcのうちいずれかが、端部が接触した状態とされてもよい。
【0102】
縦板部41bの正面視した外側端部41b1は、その輪郭形状、つまり、空間構成用構造体10の内部空間から離間する側の輪郭形状が、カバー部材26の外側面26aに対応して、弧状輪郭とされている。なお、外側端部41b1の形状は、後述するように、カバー部材26の曲面部26kの内側面に、外側端部41b1の全長が当接可能なように曲面部26kの内側面よりも小さい径寸法の弧状として形成される。
【0103】
横板部41cの側面視した外側端部41c1は、その輪郭形状、つまり、空間構成用構造体10の内部空間から離間する側の輪郭形状が、カバー部材25の外側面25aに対応して、弧状輪郭とされている。なお、外側端部41c1の形状は、後述するように、カバー部材25の曲面部25kの内側面に、外側端部41c1の全長が当接可能なように曲面部25kの内側面よりも小さい径寸法の弧状として形成される。
【0104】
底板部41aと縦板部41bと横板部41cとは、互いに直交するように配置されており、接合部41abと接合部41bcと接合部41bcとが、空間構成用構造体10の内部空間側の同一箇所で交わるように構成される。
底板部41aには、支柱フレーム11と連結部材41とを連結する連結孔41dが接続部11fに対応した位置に設けられる。
【0105】
縦板部41bには、梁フレーム16と連結部材41とを連結する連結孔41eが接続部16cに対応した位置に設けられ、梁フレーム16と連結部材41とを連結する連結孔41fが接続部16dに対応した位置に設けられる。
横板部41cには、梁フレーム15と連結部材41とを連結する連結孔41gが接続部15cに対応した位置に設けられ、梁フレーム15と連結部材41とを連結する連結孔41hが接続部15dに対応した位置に設けられる。
【0106】
底板部41aには、連結孔41d、接合部41abおよび接合部41acから離間した位置に、貫通部41jが設けられる。
縦板部41bと横板部41cとには、連結孔41e~41hから離間する位置で、接合部41bcを跨ぐように貫通部41kが設けられる。
貫通部41jおよび貫通部41kは、たとえば、必要な配線を通すために設けられる。また、連結部材41を軽量化するために設けられこともできる。貫通部41jおよび貫通部41kの輪郭形状および配置等は、連結部材41の強度に影響を及ぼさなければ任意に設定できる。
【0107】
コーナー部材21は、支柱フレーム11の上端部に取り付けられる。
図13は、本実施形態の空間構成用構造体におけるコーナー部材を内側面側から見た斜視図である。
コーナー部材21は、図13に示すように、外側面21aを形成する曲面部21bと、曲面部21bの下端部21b1から突出する突出部21cと、カバー部材26側の縦端部21b2から突出する突出部21dと、カバー部材25側の横端部21b3から突出する突出部21eと、を有する。
【0108】
曲面部21bは、連結部材41で連結された支柱フレーム11の上端部とカバー部材26,25との間で、これらをなめらかに繋ぐように形状設定可能である。
曲面部21bの下端部21b1は、支柱フレーム11の上端部に合わせて、水平方向視して直線に見えるように円弧状に形成される。
【0109】
曲面部21bの縦端部21b2は、カバー部材26側の前側端部に合わせて、側面視して直線に見えるように円弧状に形成される。
曲面部21bの横端部21b3は、カバー部材25側の左側端部に合わせて、側面視して直線に見えるように円弧状に形成される。
曲面部21bは、下端部21b1と縦端部21b2と横端部21b3とによって、三角形を曲面にしたような輪郭形状とされる。曲面部21bは、略均一な厚さ寸法とされる。
【0110】
曲面部21bと突出部21cと突出部21dと突出部21eとは、いずれも空間構成用構造体10の内側空間に向いた内面21gが、なめらかな曲面とされている。
突出部21cと突出部21dと突出部21eとは、いずれも曲面部21bよりも薄肉化され、突出部21cと下端部21b1、突出部21dと縦端部21b2、突出部21eと横端部21b3は、それぞれが段差を形成している。
【0111】
また、突出部21cと突出部21dと突出部21eとは、いずれも、略均一な幅方向寸法とされる。ここで、突出部21cの幅方向は、曲面部21bの中心から支柱フレーム11に向かう方向、つまり、上下方向とされる。
突出部21dの幅方向は、曲面部21bの中心からカバー部材26に向かう方向、つまり、空間構成用構造体10の前後方向とされる。
突出部21eの幅方向は、曲面部21bの中心からカバー部材25に向かう方向、つまり、空間構成用構造体10の左右方向とされる。
【0112】
支柱フレーム11~14および梁フレーム15~18は、いずれもアルミ合金等の金属製の押し出し材とされることができる。カバー部材25~28、キャップ部材35~38およびコーナー部材21~24は、例えば樹脂製とすることができる。連結部材41~44および連結手段Bは、例えば、スチール材とすることができる。
なお、充分な強度を有している場合、あるいは、外観デザイン性や製造容易性等からの要請がある場合、これらの材質を適宜変更することが可能である。
【0113】
本実施形態における空間構成用構造体10は、オフィス内のワーキングブース、テレビ電話用のブース、あるいは、会議・打合せ用のブースなどとして、例えば、オフィスなどの壁あるいは天井から離間した状態に設置することができる。この際、空間構成用構造体10の内部空間は、側部19A~19Dによって、外部から分離されるとともに、空間構成用構造体10の上部は開口した状態で外部と連通している。また、ドア19Aaを開閉することで入退室および外部からの閉塞状態が可能となる。
同時に、空間構成用構造体10の内部空間は、外部から分離されているが、側部19Bが、透過して視認可能なガラス等からなる板状体101を有するパネル構造体100とされていることで、外部から視認した際の意匠性を高め、また、デザイン性を向上することができる。
【0114】
本実施形態における空間構成用構造体10は、連結部材41~44により連結された支柱フレーム11~14および梁フレーム15~18によって、充分な強度を有することができる。また、上部が天井板などで閉塞されていないとともに、床板が設けられていないため、これらの上下位置における板体を有する構成に比べて、軽量化を図り、その組み立て作業時間を短縮することが可能となる。
【0115】
また、支柱フレーム11~14の外側面11a~14a、カバー部材25~28の外側面25a~27a、およびコーナー部材21~24の外側面21a~24aがいずれも曲面から構成されていることにより、外側から視認した際に、角部がいずれも丸められた四角柱状として視認されるために、平面のみで構成されたものに比べて柔らかい印象を与えることができ、デザイン性を向上することが可能となる。空間構成用構造体10の上側が内側に向かう曲面となるため、柔らかな見た目とすることが可能となるなど、意匠形成の幅が広くなる。
【0116】
さらに、梁フレーム15~18における内部空間に露出する面が、キャップ部材35~38によって、側部19A~19Dと面一となることにより、空間構成用構造体10の内部空間側から視認した際の意匠性を向上し、デザイン性を向上することが可能となる。
【0117】
本実施形態においては、支柱フレーム11~14、梁フレーム16、連結部材41~44を連結しているが、この構成に限定されるものではなく、略四角柱状である内部空間の境界を形成していればよい。
【0118】
コーナー部材21の突出部21c,21d,21eによって、外側面11a,25a,26aとコーナー部材21の外側面21aとの隙間が視認できないようにすることができるため、空間構成用構造体10のデザイン性を向上することができる。
特に、接続部分の隙間が目立ちやすかったカバー部材と支柱フレームとのコーナー部分では、縦横高さの3方向の曲面となるため、隙間を目立たなくすることが困難であったが、本実施形態の空間構成用構造体10では、コーナー部材21~24を載置するだけで、この課題を解決することができる。
【0119】
なお、外側面11a,25a,26aとコーナー部材21の外側面21aとの隙間が視認できないようにする突出部21c,21d,21eは、コーナー部材21側ではなく、支柱フレーム11およびカバー部材25,26側に設けることも可能である。また、少なくとも3方向に突出する突出部21c,21d,21eのうち、少なくとも1方向の突出部がコーナー部材21側と、カバー部材25,26側との異なる側に設けられることもできる。
【0120】
本実施形態においては、側部19Aにドア19Aaを有する構成とし、側部19Bがガラス板からなる板状体101を有するパネル構造体100としたが、これに加えて、側部19C,19Dの一方もしくは両方をパネル構造体100とすることもできる。さらに、側部19B~19Dに扉部や窓部などの開閉可能な構成、あるいは、部分的もしくは一面全面の開口部等を設けることもできる。あるいは、空間構成用構造体10の上部開口付近に他の構成部品を設けることも可能である。
【0121】
さらに、空間構成用構造体10の外形として、略四角柱状としたが、他の多角形状とすることもできる。この場合、複数の支柱フレームと複数の梁フレームとを連結する際に、連結部品における底板部と縦板部と横板部との接合角度を変更することで対応可能である。
【0122】
本発明の活用例として、オフィスに設置されるワークブース、打合せ用ブース、テレビ会議用のブース、電話応答を行うフォンブースや、図書館等の公共施設での閲覧ブースを挙げることができる。
【符号の説明】
【0123】
10…空間構成用構造体
11~14…支柱フレーム
11a~14a…外側面
15~18…梁フレーム
19A…正面部(側部)
19B…奥面部(側部)
19C…左面部(側部)
19D…右面部(側部)
21~24…コーナー部材
25~28…カバー部材
35~38…キャップ部材
41~44…連結部材
V…隙間
100…パネル構造体
101…板状体
110…縦フレーム
111,121…溝
112,122…接続溝
113,123…外板部
114,124…溝外部
115,125…接続溝内部
116,126…接続溝外部
117,127…接続溝底部
120…横フレーム
121b…外突き当たり部
122b…突き当たり部
128…内側切欠部(切欠部)
129…外側切欠部(切欠部)
130…接続部材
140…キャップ部材
B,B2,B3…連結手段
B1…固定部材
G…ガスケット
S…視認方向
V…隙間
Cg…主面中心
Tg…溝外部の高さ
Ts…接続溝内部の高さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14