IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 芦森工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-ホースの継手金具 図1
  • 特許-ホースの継手金具 図2
  • 特許-ホースの継手金具 図3
  • 特許-ホースの継手金具 図4
  • 特許-ホースの継手金具 図5
  • 特許-ホースの継手金具 図6
  • 特許-ホースの継手金具 図7
  • 特許-ホースの継手金具 図8
  • 特許-ホースの継手金具 図9
  • 特許-ホースの継手金具 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】ホースの継手金具
(51)【国際特許分類】
   A62C 33/00 20060101AFI20221221BHJP
   F16L 37/107 20060101ALI20221221BHJP
   F16L 33/00 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
A62C33/00 C
F16L37/107
F16L33/00 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018205179
(22)【出願日】2018-10-31
(65)【公開番号】P2020069092
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000117135
【氏名又は名称】芦森工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087572
【弁理士】
【氏名又は名称】松川 克明
(72)【発明者】
【氏名】広川 登朗
(72)【発明者】
【氏名】本間 毅
(72)【発明者】
【氏名】坂口 正記
【審査官】森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-207704(JP,A)
【文献】特開2005-177444(JP,A)
【文献】特開2004-011860(JP,A)
【文献】特開平11-201357(JP,A)
【文献】特開2016-038019(JP,A)
【文献】特開2017-219106(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 2/00-99/00
F16L 29/00-39/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホースの端部に設けられた雄金具と雌金具とを着脱可能に連結させるホースの継手金具において、
前記の雄金具に前記の雌金具の内部に挿入させる筒状の係合筒部を設け、
この係合筒部の挿入側端部に係合段部を設ける一方、
前記の雌金具の内面側に前記の係合段部に係合される係合片を出没可能に設けると共に、前記の雄金具における係合筒部の外周側で摺動して係合段部に係合された雌金具の係合片を解除する解除リングとして、
係合筒部の外周において係合段部との間で摺動する筒部における前記の係合段部と反対側にフランジ部を設け、
このフランジ部に切り欠き部を設けたものを用い、
前記の解除リングが前記の係合筒部の外周において回転するのを抑制する物理的かつ非弾性的な回転抑制手段を設けたことを特徴とするホースの継手金具。
【請求項2】
請求項1に記載のホースの継手金具において、前記の回転抑制手段として、前記の係合筒部の外周面と解除リングの内周面との何れか一方に係合凸部を設けると共に、他方に前記の係合凸部に係合される係合凹部とを設けたことを特徴とするホースの継手金具。
【請求項3】
請求項1に記載のホースの継手金具において、前記の回転抑制手段として、前記の係合筒部の外周面と解除リングの内周面とにそれぞれ係止部材挿入溝を対向するように設け、対向して設けられた前記の係止部材挿入溝内に係止用部材を挿入させたことを特徴とするホースの継手金具。
【請求項4】
請求項1に記載のホースの継手金具において、前記の回転抑制手段として、前記の係合筒部と解除リングとに、係合筒部と解除リングとを解除可能に係止させる仮係止部材を設けたことを特徴とするホースの継手金具。
【請求項5】
請求項1に記載のホースの継手金具において、前記の回転抑制手段として、前記の雄金具から前記の係合筒部に向けて回転抑制部材を、前記の解除リングにおける切り欠き部に対向するように突出させ、この回転抑制部材により切り欠き部を介して解除リングの回転を抑制することを特徴とするホースの継手金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホースの継手金具に関するものである。特に、ホースの一端に筒状になった雄金具を設ける一方、接続させるホースの一端に筒状になった雌金具を設け、前記の雄金具と雌金具とを着脱可能に連結させるようにした消防用ホースに使用されるホースの継手金具に関するものであり、前記の雄金具には筒状になった係合筒部を設けると共に、この係合筒部に外周側に解除用リングを摺動可能に設け、前記の雄金具の係合筒部を前記の雌金具の内部に挿入させるようにして雄金具と雌金具とを連結させる一方、雄金具と雌金具とを分離させるにあたり、係合筒部に設けた前記の解除用リングを雌金具に向けて移動させて、雄金具を雌金具から離脱させるようにしたホースの継手金具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、消防用ホースを使用するにあたり、ホースを連結させたり、このように連結させたホースを分離させるたりするのにホースの継手金具が使用されていた。
【0003】
そして、前記のようなホースの継手金具として、従来においては、図1に示すように、一方のホースhの一端に筒状になった雄金具10を設ける一方、他方のホースhの一端に筒状になった雌金具20を設けたものを用い、前記の雄金具10と雌金具20とを着脱可能に連結させるようにしている。
【0004】
ここで、前記の雌金具20においては、その内面に出没可能の係合片21を設け、この係合片21をばね手段22により常時内方に突出するよう付勢させている。一方、前記の雄金具10においては、前記の雌金具20内に挿入される係合筒部11の先端側に径大になった係合段部11aを形成すると共に、この係合筒部11の外周において前記の係合段部11aとの間で摺動する解除リング12を設けるようにしている。
【0005】
ここで、この解除リング12においては、内径が係合筒部11の外径よりも大きい一方、前記の係合段部11aの外径よりも小径になった筒部12aを係合筒部11の外周側に摺動可能に設けると共に、この筒部12aにおいて、前記の係合段部11aと反対側の位置に、この筒部12aよりも大径になったフランジ部12bを設けている。
【0006】
そして、このようなホースの継手金具においては、図1に示すように、前記の雄金具10に設けた係合筒部11の先端側における径大になった係合段部11aから係合筒部11を雌金具20の内部に挿入させ、前記の径大になった係合段部11aによって雌金具20の内面に出没可能に設けられた前記の係合片21をばね手段22の弾力に抗して外方に押し広げ、前記の係合段部11aが雌金具20の内部における前記の係合片21の部分を通過して挿入された時点で、前記の係合片21が前記のばね手段22により内方に突出されて係合段部11aの後端における係合筒部11に係合され、雄金具10と雌金具20とが連結されるようにしている。
【0007】
また、このように雄金具10と雌金具20とを連結させた状態で、前記の雌金具20の内部に設けたパッキン23により水密性を保持させるようにしている。さらに、前記の雌金具20の外周には、ゴム製の緩衝用リング24を装着させている。
【0008】
そして、前記のように連結された雄金具10と雌金具20との連結を解除させるにあたっては、雄金具10における係合筒部11の外周側に摺動可能に設けた解除リング12における前記のフランジ部12bを雌金具20側に向けて押し、この解除リング12における前記の筒部12aを雌金具20内に押し込んで、この筒部12aの先端部により、係合段部11aの後端における係合筒部11に係合されていた前記の係合片21をばね手段22の弾力に抗して外方に押し広げ、これにより係合片21を係合段部11aの後端における係合筒部11から離脱させて、雄金具10と雌金具20との連結を解除するようにしている。
【0009】
また、前記の雄金具10と雌金具20とを連結させる連結側とは反対側の端部にそれぞれホースhを取り付けるにあたっては、雄金具10や雌金具20における連結側とは反対側の端部にそれぞれ外周に凹凸を有する取付筒部15,25を設け、各取付筒部15,25をそれぞれのホースhの端部内に挿入させ、このように各取付筒部15,25を挿入させた各ホースhの外周側にそれぞれ筒状になった口巻き布16,26を設け、このように設けた各口巻き布16,26を外周側から押さえ付ける各固定用筒体17,27を設けている。そして、前記の雄金具10や雌金具20における取付筒部15,25が挿入された前記の各ホースhの端部を、前記の各固定用筒体17,27により外周側からに押さえ付けるようにして、前記の口巻き布16、26を介して雄金具10や雌金具20における各取付筒部15,25に取り付けるようにしている。
【0010】
ここで、前記の雄金具10において、その係合筒部11の外周側に摺動可能に設けた解除リング12における前記のフランジ部12bとしては、一般に円形リング状のものが使用されており、雄金具10と雌金具20との連結を解除させた状態では、前記のフランジ部12bが雄金具10の外周から大きく突出した状態になっている。
【0011】
そして、一般に使用される消防用ホースにおいては、ホースhの一端側に前記のようにして雄金具10を設けると共に、ホースhの他端側に前記のようにして雌金具20を設けたものが使用されており、このような消防用のホースを収納する場合には、図2(A)に示すように、前記の雄金具10と雌金具20との連結を解除させたホースhを前記の雄金具10を中心にしてコイル状に巻回させた状態で収納している。雄金具10を中心にするのは、ホースhの基端となる消防自動車には雄金具が装備されているので、雌金具を手前にして巻回されたホースhを展張できるようにするためである。
【0012】
巻回させたホースhを使用する場合には、巻回させた状態のままで消防士が担いで、例えばホースhを自身の肩の上に載せ手で押さえながら駆け足で火災現場を搬送することとなる。そして、巻回させたホースhを伸ばして、ホースhの端部に設けた前記の雄金具10と雌金具20とを前記のように次々に連結させてホースhを接続させ、ホースhを所要長さにして使用するようにしている。
【0013】
ここで、コイル状に巻回させたホースhと雄金具10の外周から突出した円形状のフランジ部12bとが接触する接触部は円弧状の接触になり、ホースhと雄金具10とが滑りやすい状態になっており、ホースhをコイル状に巻回させた状態のままで搬送する場合等に、雄金具10が巻回させたホースhの間から滑り落ちて、コイル状に巻回させたホースhの状態が崩れ、ホースhを搬送させて伸ばしたり、ホースhの端部に設けられた前記の雄金具10と雌金具20とを前記のように連結させてホースhを接続させたりする作業に支障が生じる等の問題があった。
【0014】
このため、特許文献1に示されるものにおいては、図3(A),(B),(C)に示すように、前記のように雄金具10における係合筒部11の外周側に、雄金具10と雌金具20との連結を解除する解除リング12を摺動可能に設けるにあたり、この解除リング12における前記のフランジ部12bにおいて、相対向する二箇所に外方に突出した張り出し部12b1を形成すると共に、前記の張り出し部12b1に直交する位置の外周に、前記の解除リング12における筒部12aに外接するようにして直線又は前記の筒部12aより曲率半径が十分に大きい曲線になった切り欠き部12b2を形成したものを用いるようにしている。
【0015】
そして、特許文献1に示されるものにおいては、図4(A),(B)に示すように、このように雄金具10における解除リング12のフランジ部12bに設けた切り欠き部12b2が、前記のようにコイル状に巻回させたホースhの間に挟まれるようにし、ホースhをコンパクトに巻回できると共に、フランジ部12bにおける切り欠き部12b2とホースhとの接触部分が従来の円弧状から直線又は曲率半径が十分に大きい曲線となることで、接触面積が大きくなって摩擦抵抗が増すと共に手で押さえた時の安定性も高まることから、雄金具10がコイル状に巻回させたホースhから脱落するのを防止するようにしたものが提案されている。
【0016】
しかし、このように雄金具10における解除リング12のフランジ部12bに設けた切り欠き部12b2が、コイル状に巻回させたホースhの間に挟まれるようにした場合においても、前記のホースhをコイル状に巻回させた状態のままで消防士が担いで火災現場に搬送する場合等に大きな衝撃が加わると、雄金具10の上に被せるように配置させた雌金具20側のホースhが浮き上がって、雄金具10における係合筒部11の外周側に設けた解除リング12が、前記の係合筒部11の外周において勝手に回転して、フランジ部12bにおける前記の張り出し部12b1がコイル状に巻回させたホースhの間に位置するようになり、ホースhが張り出し部12b1により持ち上げられて接触するようになり、フランジ部12bとホースhとの接触面積が小さくなり、雄金具10がコイル状に巻回させたホースhの間から脱落する等の問題を十分に解決することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【文献】特開2009-207704号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、ホースの一端に筒状になった雄金具を設ける一方、接続させるホースの一端に筒状になった雌金具を設け、前記の雄金具と雌金具とを着脱可能に連結させるようにした消防用ホースに使用されるホースの継手金具における前記のような様々な問題を解決することを課題とするものである。
【0019】
特に、本発明においては、前記の特許文献1に示されるように、雄金具における係合筒部の外周側に、雄金具と雌金具との連結を解除する解除リングを摺動可能に設けるにあたり、この解除リングにおける前記のフランジ部に直線又は曲率半径が十分に大きい曲線になった切り欠き部を形成し、このように雄金具における解除リングのフランジ部に設けた切り欠き部が、前記のようにコイル状に巻回させたホースの間に挟まれるようにした場合において、前記のホースをコイル状に巻回させた状態のままで消防士が担いで火災現場に搬送する場合等に大きな衝撃が加わり、雄金具の上に被せるように配置させた雌金具側のホースが浮き上がったとしても、雄金具における係合筒部の外周側に設けられた解除リングが、前記の係合筒部の外周において勝手に回転するのを防止し、雄金具がコイル状に巻回させたホースの間から脱落する等の問題を解決することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明におけるホースの継手金具においては、前記のような課題を解決するため、ホースの端部に設けられた雄金具と雌金具とを着脱可能に連結させるホースの継手金具において、前記の雄金具に前記の雌金具の内部に挿入させる筒状の係合筒部を設け、この係合筒部の挿入側端部に係合段部を設ける一方、前記の雌金具の内面側に前記の係合段部に係合される係合片を出没可能に設けると共に、前記の雄金具における係合筒部の外周側で摺動して係合段部に係合された雌金具の係合片を解除する解除リングとして、係合筒部の外周において係合段部との間で摺動する筒部における前記の係合段部と反対側にフランジ部を設け、このフランジ部に切り欠き部を設けたものを用い、前記の解除リングが前記の係合筒部の外周において回転するのを抑制する物理的かつ非弾性的な回転抑制手段を設けた。
【0021】
そして、前記のように雄金具における係合筒部の外周側で摺動して係合段部に係合された雌金具の係合片を解除する解除リングにおいて、前記の筒部における係合段部と反対側におけるフランジ部に切り欠き部を設け、さらにこの解除リングが係合筒部の外周において回転するのを抑制する物理的かつ非弾性的な回転抑制手段を設けると、前記のように解除リングのフランジ部に設けた切り欠き部がコイル状に巻回させたホースの間に挟むようにした状態で大きな衝撃が加わり、雄金具の上に被せるように配置させた雌金具側のホースが浮き上がっても、前記の回転抑制手段により、解除リングが係合筒部の外周において勝手に回転するのが抑制される。
【0022】
ここで、本発明におけるホースの継手金具において、前記のように解除リングが前記の係合筒部の外周において回転するのを抑制する物理的かつ非弾性的な回転抑制手段として、
第1の回転抑制手段としては、前記の係合筒部の外周面と解除リングの内周面との何れか一方に係合凸部を設け、他方に前記の係合凸部に係合される係合凹部とを設け、前記の係合凸部を係合凹部に係合させて、解除リングが勝手に回転するのを抑制させるようにすることができ、
第2の回転抑制手段としては、前記の係合筒部の外周面と解除リングの内周面とにそれぞれ係止部材挿入溝を対向するように設け、対向して設けられた前記の係止部材挿入溝内に係止用部材を挿入させて、解除リングが勝手に回転するのを抑制させるようにすることができ、
第3の回転抑制手段としては、前記の係合筒部と解除リングとに、前記の係合筒部と解除リングとを解除可能に係止させる仮係止部材を設け、このように設けた仮係止部材の係止によって解除リングが勝手に回転するのを抑制させるようにすることができ、
第4の回転抑制手段としては、前記の雄金具から前記の係合筒部に向けて回転抑制部材を、前記の解除リングにおける切り欠き部に対向するように突出させ、この回転抑制部材により切り欠き部を介して解除リングの回転を抑制させるようにすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係るホースの継手金具においては、前記のようにホースの端部に設けた雄金具と雌金具とを着脱可能に連結させるにあたり、雄金具における係合筒部の外周側で摺動して係合段部に係合された雌金具の係合片を解除する解除リングとして、係合筒部の外周において係合段部との間で摺動する筒部における前記の係合段部と反対側にフランジ部を設けたものを用い、フランジ部に切り欠き部を設けたため、前記の特許文献1のものと同様に、雄金具における解除リングのフランジ部に設けた切り欠き部が、コイル状に巻回させたホースの間に挟まれるようにすると、ホースをコンパクトに巻回できると共に、フランジ部における切り欠き部とホースとの接触面積が大きくなって摩擦抵抗が増し、雄金具がコイル状に巻回させたホースから脱落するのが防止される。
【0024】
そして、本発明に係るホースの継手金具においては、前記の解除リングが係合筒部の外周において回転するのを抑制する物理的かつ非弾性的な回転抑制手段を設けたため、前記のように雄金具における解除リングのフランジ部に設けた切り欠き部が、コイル状に巻回させたホースの間に挟まれるようにした状態で、消防士が担いで火災現場に搬送する場合等に大きな衝撃が加わり、雄金具の上に被せるように配置させた雌金具側のホースが浮き上がったとしても、前記の解除リングが係合筒部の外周において勝手に回転するのが防止され、雄金具がコイル状に巻回させたホースの間から脱落したりするのが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】従来のホースの継手金具において、雄金具と雌金具とを連結させた状態を示した半裁断面説明図である。
図2図1に示した従来のホースの継手金具において、雄金具と雌金具との連結を解除させたホースを長さ方向中央付近で二つに折り畳み、その折畳み部を中心としてコイル状に巻回し、雄金具の上に雌金具側のホースを被せるようにした状態を示し、(A)は概略正面図、(B)は雄金具の上に雌金具側のホースを被せるようにした部分の概略断面図である。
図3】特許文献1に示されるホースの継手金具に使用されている雄金具の状態を示し、(A)は解除リングのフランジ部における切り欠き部が上に位置する状態の概略平面図、(B)は解除リングのフランジ部における切り欠き部が上に位置する状態の概略正面図、(C)は解除リングのフランジ部における切り欠き部が上に位置する状態の概略右側面図である。
図4】特許文献1に示されるホースの継手金具において、雄金具と雌金具との連結を解除させたホースを長さ方向中央付近で二つに折り畳み、その折畳み部を中心としてコイル状に巻回し、解除リングのフランジ部における切り欠き部が巻回させたホースの間に挟まれるようにして、雄金具の上に雌金具側のホースを被せるようにした状態を示し、(A)は概略正面図、(B)は雄金具の上に雌金具側のホースを被せるようにした部分の概略断面図である。
図5】本発明の実施形態1におけるホースの継手金具に使用する雄金具において、解除リングの内周面に係合凸部を設けると共に、係合筒部の外周面に前記の係合凸部に係合する係合凹部を設けた状態を示し、(A)は解除リングのフランジ部における切り欠き部が上に位置する状態の概略平面図、(B)は前記の(A)に示したX-X線断面図である。
図6】本発明の実施形態2におけるホースの継手金具に使用する雄金具において、解除リングの内周面に係合凹部を設けると共に、係合筒部の外周面に前記の係合凹部に係合する係合凸部を設けた状態を示し、(A)は解除リングのフランジ部における切り欠き部が上に位置する状態の概略平面図、(B)は前記の(A)に示したX-X線断面図である。
図7】本発明の実施形態3におけるホースの継手金具に使用する雄金具において、係合筒部の外周面と解除リングの内周面とにそれぞれ係止部材挿入溝を対向するように設け、対向して設けられた係止部材挿入溝内に四角柱状になった係止用部材を挿入させた状態を示し、(A)は解除リングのフランジ部における切り欠き部が上に位置する状態の概略平面図、(B)は前記の(A)に示したX-X線断面図である。
図8】前記の実施形態3におけるホースの継手金具に使用する雄金具において、対向して設けられた係止部材挿入溝内に丸棒状になった係止用部材を挿入させた変更例を示し、(A)は解除リングのフランジ部における切り欠き部が上に位置する状態の概略平面図、(B)は前記の(A)に示したX-X線断面図である。
図9】本発明の実施形態4におけるホースの継手金具に使用する雄金具において、係合筒部における取付筒部側の端部の外周面に、解除リングのフランジ部に向けて第1の磁石部材を設けると共に、前記の第1の磁石部材と対向する解除リングのフランジ部の位置に第2の磁石部材を設けた場合において、(A)は解除リングのフランジ部における切り欠き部が上に位置する状態において、解除リングを係合筒部における取付筒部側に摺動させて、解除リングのフランジ部に設けた第2の磁石部材を、係合筒部における取付筒部側の端部に設けた第1の磁石部材に磁着させて、係合筒部に解除リングを磁力によって係止させた状態を示した概略平面図、(B)は前記の(A)の状態から解除リングを係合筒部における係合段部に向けて移動させた状態を示した概略平面図、(C)は前記の(A)に示したX-X線断面図である。
図10】本発明の実施形態5におけるホースの継手金具に使用する雄金具において、係合筒部における取付筒部側の端部から、係合筒部の係合段部に向けて鉤型状に延出された回転抑制部材を、解除リングにおける張り出し部よりも突出量が少なくなった切り欠き部の部分に突出させた場合において、(A)は解除リングのフランジ部における切り欠き部が上に位置する状態において、前記の回転抑制部材を解除リングにおける張り出し部よりも突出量が少なくなった切り欠き部に延出させて、解除リングが回転するのを回転抑制部材によって係止させた状態を示した概略平面図、(B)は前記の(A)の状態から解除リングを係合筒部における係合段部に向けて移動させた状態を示した概略平面図、(C)は前記の(A)に示したX-X線断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態に係るホースの継手金具を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係るホースの継手金具は、下記の実施形態に示したものに限定されず、発明の要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施できるものである。
【0027】
ここで、本発明の実施形態においても、図1及び図2に示した従来におけるホースの継手金具と同様に、雄金具10に設けた係合筒部11の先端側における径大になった係合段部11aから係合筒部11を雌金具20の内部に挿入させ、前記の径大になった係合段部11aによって雌金具20の内面に出没可能に設けられた前記の係合片21をばね手段22の弾力に抗して外方に押し広げ、前記の係合段部11aが雌金具20の内部における前記の係合片21の部分を通過して挿入された時点で、前記の係合片21が前記のばね手段22により内方に突出されて係合段部11aの後端における係合筒部11に係合され、雄金具10と雌金具20とが連結されるようにし、またこのように雄金具10と雌金具20とを連結された状態で、前記の雌金具20の内部に設けたパッキン23により水密性を保持させるようにしている。さらに、前記の雌金具20の外周には、ゴム製の緩衝用リング24を装着させている。
【0028】
そして、前記のように連結された雄金具10と雌金具20との連結を解除させるにあたっては、雄金具10における係合筒部11の外周側に摺動可能に設けた解除リング12における前記のフランジ部12bを雌金具20側に向けて押し、この解除リング12における前記の筒部12aを雌金具20内に押し込んで、この筒部12aの先端部により、係合段部11aの後端における係合筒部11に係合されていた前記の係合片21をばね手段22の弾力に抗して外方に押し広げ、これにより係合片21を係合段部11aの後端における係合筒部11から離脱させて、雄金具10と雌金具20との連結を解除するようにしている。
【0029】
また、前記の雄金具10と雌金具20とを連結させる連結側とは反対側の端部においては、それぞれ外周に凹凸を有する取付筒部15,25を設け、各取付筒部15,25をそれぞれのホースhの端部内に挿入させ、このように各取付筒部15,25を挿入させた各ホースhの外周側にそれぞれ筒状になった口巻き布16,26を設けると共に、各口巻き布16,26を各固定用筒体17,27により外周側からに押さえ付けて、雄金具10や雌金具20における取付筒部15,25が挿入された前記の各ホースhの端部を、前記の口巻き布16、26を介して雄金具10や雌金具20における各取付筒部15,25に取り付けるようにしている。
【0030】
また、本発明の実施形態においては、前記の雄金具10として、前記の特許文献1に示されるように、雄金具10における係合筒部11の外周側に、雄金具10と雌金具20との連結を解除する解除リング12を摺動可能に設けるにあたって、この解除リング12における前記のフランジ部12bにおいて、相対向する二箇所に外方に突出した張り出し部12b1を形成すると共に、前記の張り出し部12b1に直交する位置の外周に、前記の解除リング12における筒部12aに外接するようにして直線又は前記の筒部より曲率半径が十分に大きい曲線になるように切り欠き部12b2を形成したものを用いるようにしている。なお、前記のように解除リング12におけるフランジ部12bにおいて、張り出し部12b1や切り欠き部12b2を形成するにあたっては、特許文献1に記載されたものと同様に、解除リング12におけるフランジ部12bにおける張り出し部12b1や切り欠き部12b2の形状は特に限定されず、張り出し部12b1は、雌金具20と雄金具10との結合状態を解除するために、手作業により解除リング12を雌金具20の方向に押すことができる程度の大きさと形状を有しておればよく、切り欠き部19は、解除リング12における筒部12aに外接する直線状であることが好ましいが、前記の張り出し部12b1よりも曲率半径が十分に大きい直線に近い曲線であってもよい。
【0031】
そして、本発明の実施形態においては、前記の雄金具10における前記の解除リング12が前記の係合筒部11の外周において回転するのを抑制する回転抑制手段30を設けるようにしている。
【0032】
次に、雄金具10における前記の解除リング12が前記の係合筒部11の外周において回転するのを抑制する前記の回転抑制手段30の具体的な実施形態について説明する。
【0033】
(実施形態1)
実施形態1においては、図5(A),(B)に示すように、回転抑制手段30として、前記の雄金具10における解除リング12の内周面の相対向する部分にそれぞれ内方に向けて一対の係合凸部31を設けると共に、前記の係合筒部11の外周面の相対向する部分に、前記の解除リング12の内周面に設けた一対の係合凸部31に係合する一対の係合凹部32を設け、解除リング12の内周面に設けた係合凸部31を、係合筒部11の外周面に設けた係合凹部32に係合させて、解除リング12が係合筒部11の外周において勝手に回転するのを抑制するようにしている。
【0034】
そして、このように解除リング12の内周面に設けた一対の係合凸部31を係合筒部11の外周面に設けた一対の係合凹部32に係合させると、前記のように雄金具10と雌金具20との連結を解除させたホースhをコイル状に巻回させ、雄金具10における解除リング12のフランジ部12bに設けた切り欠き部12b2がコイル状に巻回させたホースhの間に挟まれるようにした場合において、このように巻回させたホースhを消防士が担いで火災現場に搬送する場合等に大きな衝撃が加わり、雄金具10の上に被せるように配置させた雌金具20側のホースhが浮き上がったとしても、雄金具10における係合筒部11の外周側に設けた解除リング12が、前記の係合筒部11の外周において勝手に回転するのが防止され、雄金具10がコイル状に巻回させたホースhの間から脱落したりするのが抑制されるようになる。
【0035】
なお、この実施形態1においては、解除リング12の内周面の相対向する部分にそれぞれ内方に向けて一対の係合凸部31を設けると共に、前記の係合筒部11の外周面の相対向する部分にそれぞれ前記の一対の係合凸部31に係合する一対の係合凹部32を設けるようにしたが、前記の解除リング12の内周面に設ける係合凸部31と、係合筒部11の外周面に設ける前記の係合凸部31に係合する係合凹部32とをそれぞれ1つ設けるだけであってもよい。
【0036】
さらに、係合凸部31の別実施例として、解除リング12にネジ穴を形成して、そのネジ穴にボルトやピンを螺合させつつ、ボルトやピンの先端を解除リング12の内周面から突出させた形態や、同様にボールプランジャの先端部分を突出させた形態も好適である。
【0037】
(実施形態2)
実施形態2においては、図6(A),(B)に示すように、回転抑制手段30として、前記の雄金具10における解除リング12の内周面の相対向する部分にそれぞれ外方に向けて一対の係合凹部32を設けると共に、前記の係合筒部11の外周面の相対向する部分に、前記の解除リング12の内周面に設けた一対の係合凹部32に係合する一対の係合凸部31を設け、解除リング12の内周面に設けた一対の係合凹部32に、係合筒部11の外周面に設けた一対の係合凸部31を係合させて、解除リング12が係合筒部11の外周において勝手に回転するのを抑制するようにしている。
【0038】
そして、このように解除リング12の内周面に設けた一対の係合凹部32に係合筒部11の外周面に設けた一対の係合凸部31に係合させた場合においても、前記の実施形態1の場合と同様に、雄金具10と雌金具20との連結を解除させたホースhをコイル状に巻回させ、雄金具10における解除リング12のフランジ部12bに設けた切り欠き部12b2がコイル状に巻回させたホースhの間に挟まれるようにした場合において、このように巻回させたホースhを消防士が担いで火災現場に搬送する場合等に大きな衝撃が加わり、雄金具10の上に被せるように配置させた雌金具20側のホースhが浮き上がったとしても、雄金具10における係合筒部11の外周側に設けた解除リング12が、前記の係合筒部11の外周において勝手に回転するのが防止され、雄金具10がコイル状に巻回させたホースhの間から脱落したりするのが抑制されるようになる。
【0039】
なお、この実施形態2においては、解除リング12の内周面の相対向する部分にそれぞれ外方に向けて一対の係合凹部32を設けると共に、前記の係合筒部11の外周面の相対向する部分にそれぞれ前記の一対の係合凹部32に係合する係合凸部31を設けるようにしたが、前記の解除リング12の内周面に設ける係合凹部32と、係合筒部11の外周面に設ける前記の係合凹部32に係合する係合凸部31とをそれぞれ1つ設けるだけであってもよい。
【0040】
(実施形態3)
実施形態3においては、図7(A),(B)に示すように、回転抑制手段30として、前記の雄金具10における解除リング12の内周面の相対向する部分にそれぞれ外方に向けて一対の係止部材挿入溝33を設けると共に、前記の係合筒部11の外周面の相対向する部分にそれぞれ内方に向けて、前記の解除リング12の内周面に設けた一対の係止部材挿入溝33と対向するように一対の係止部材挿入溝33を設け、解除リング12の内周面に設けた一対の係止部材挿入溝33と係合筒部11の外周面に設けた一対の係止部材挿入溝33とが対向して形成された一対の空間部分にそれぞれ四角柱状になった係止用部材34を挿入させて、解除リング12が係合筒部11の外周において勝手に回転するのを抑制するようにしている。
【0041】
そして、このように解除リング12の内周面に設けた一対の係止部材挿入溝33と係合筒部11の外周面に設けた一対の係止部材挿入溝33とが対向して形成される一対の空間部分にそれぞれ四角柱状になった係止用部材34を挿入させた場合にも、前記の実施形態1、2の場合と同様に、雄金具10と雌金具20との連結を解除させたホースhをコイル状に巻回させ、雄金具10における解除リング12のフランジ部12bに設けた切り欠き部12b2がコイル状に巻回させたホースhの間に挟まれるようにした場合において、このように巻回させたホースhを消防士が担いで火災現場に搬送する場合等に大きな衝撃が加わり、雄金具10の上に被せるように配置させた雌金具20側のホースhが浮き上がったとしても、雄金具10における係合筒部11の外周側に設けた解除リング12が、前記の係合筒部11の外周において勝手に回転するのが防止され、雄金具10がコイル状に巻回させたホースhの間から脱落したりするのが抑制されるようになる。
【0042】
なお、この実施形態3においては、解除リング12の内周面に設けた一対の係止部材挿入溝33と係合筒部11の外周面に設けた一対の係止部材挿入溝33とが対向して形成される一対の空間部分にそれぞれ四角柱状になった係止用部材34を挿入させるようにしたが、解除リング12の内周面に設ける係止部材挿入溝33と係合筒部11の外周面に設ける係止部材挿入溝33とを対向するようにして1つの空間部分に、四角柱状になった1つの係止用部材34を挿入させるようにするだけであってもよい。
【0043】
また、この実施形態3においては、解除リング12の内周面に設けた一対の係止部材挿入溝33と係合筒部11の外周面に設けた一対の係止部材挿入溝33とが対向して形成される一対の空間部分にそれぞれ四角柱状になった係止用部材34を挿入させるようにしたが、解除リング12の内周面に設けた係止部材挿入溝33と係合筒部11の外周面に設けた係止部材挿入溝33とが対向して形成される空間部分に挿入させる係止用部材34の形状は特に限定されず、解除リング12が係合筒部11の外周において勝手に回転するのを抑制するようになっていればよく、例えば、図8(A),(B)に示すように、解除リング12の内周面に設けた一対の係止部材挿入溝33と係合筒部11の外周面に設けた一対の係止部材挿入溝33とが対向して形成される一対の空間部分にそれぞれ丸棒状になった係止用部材34を挿入させるようにしてもよい。
【0044】
(実施形態4)
実施形態4においては、図9(A),(B),(C)に示すように、回転抑制手段30として、前記の雄金具10において、前記の係合筒部11におけるホースhを取り付ける取付筒部15側の端部の外周面における相対向する部分に、それぞれ前記の解除リング12のフランジ部12bに向けて、解除可能に係止させる仮係止部材の一例である一対の第1の磁石部材35aを設けると共に、前記の解除リング12のフランジ部12bにおいて、前記の係合筒部11における取付筒部15側の端部の外周面に設けた一対の第1の磁石部材35aと対向する位置に一対の第2の磁石部材35bを設けている。
【0045】
そして、雄金具10を雌金具20から離間させて、図9(A)に示すように、前記の解除リング12を前記の係合筒部11において第1の磁石部材35aが設けられた取付筒部15側に摺動させ、この解除リング12のフランジ部12bにおいて、前記の第1の磁石部材35aと対向するようにして設けられた第2の磁石部材35bを、前記の第1の磁石部材35aに磁着させて、係合筒部11に解除リング12を磁力によって係止させるようにしている。
【0046】
ここで、このように前記の係合筒部11に設けられた第1の磁石部材35aと解除リング12のフランジ部12bに設けられた第2の磁石部材35bとを磁着させて、係合筒部11に解除リング12を磁力によって係止させるようにすると、前記の実施形態1~3の場合と同様に、雄金具10と雌金具20との連結を解除させたホースhをコイル状に巻回させ、雄金具10における解除リング12のフランジ部12bに設けた切り欠き部12b2がコイル状に巻回させたホースhの間に挟まれるようにした場合において、このように巻回させたホースhを消防士が担いで火災現場に搬送する場合等に大きな衝撃が加わり、雄金具10の上に被せるように配置させた雌金具20側のホースhが浮き上がったとしても、雄金具10における係合筒部11の外周側に設けた解除リング12が、前記の係合筒部11の外周において勝手に回転するのが防止され、雄金具10がコイル状に巻回させたホースhの間から脱落したりするのが抑制されるようになる。
【0047】
また、この実施形態4において、前記の雄金具10と雌金具20とが連結させた状態にある場合において、雄金具10と雌金具20との連結を解除させるにあたっては、解除リング12のフランジ部12bに設けられた第2の磁石部材35bが係合筒部11に設けられた第1の磁石部材35aに磁着された状態から、図9(B)に示すように、前記の解除リング12を第1の磁石部材35aと第2の磁石部材35bとの磁力に抗して、解除リング12を前記の係合筒部11における係合段部11aに向けて移動させ、前記のように解除リング12における筒部12aを雌金具20内に押し込んで、雄金具10と雌金具20との連結を解除させるようにすることができる。
【0048】
ここで、この実施形態4において、係合筒部11に設ける第1の磁石部材35aや、解除リング12に設ける第2の磁石部材35bの位置や数は特に限定されず、係合筒部11と解除リング12とを磁力によって係止させることができるようになっていればよく、図示していないが、前記の第1の磁石部材35aを係合筒部11におけるホースhを取り付ける取付筒部15側の端部の外周面全周に設けると共に、これに対向するようにして第2の磁石部材35bを解除リング12のフランジ部12bの全周に設けるようにしたり、第1の磁石部材35aを係合筒部11の外周面に設けると共に、これに対向するようにして解除リング12の内周面に第2の磁石部材35bを設けるようにすることもできる。
【0049】
さらに磁石部材35bと同様に仮係止手段として作用する、面ファスナーやボタン、フック等も採用することが可能である。
【0050】
(実施形態5)
実施形態5においては、図10(A),(B),(C)に示すように、回転抑制手段30として、前記の雄金具10において、前記の係合筒部11におけるホースhを取り付ける取付筒部15側の端部における相対向する部分に、それぞれ係合筒部11の係合段部11aに向けて鉤型状に延出された一対の回転抑制部材36を、前記の解除リング12における張り出し部12b1よりも突出量が少なくなったそれぞれの切り欠き部12b2に対向するように突出させるようにしている。
【0051】
ここで、この実施形態5においては、図10(A)に示すように、前記の解除リング12が前記の係合筒部11の取付筒部15側に位置する状態から、図10(B)に示すように、解除リング12が前記の係合筒部11の係合段部11aに導かれた場合においても、前記の一対の回転抑制部材36が、前記の解除リング12における各切り欠き部12b2に対向するように位置するようにし、解除リング12が係合筒部11の取付筒部15側の位置から勝手に前記の係合筒部11の係合段部11aの位置に移動した場合においても、前記の一対の回転抑制部材36により前記の解除リング12における各切り欠き部12b2が押さえられて、解除リング12が係合筒部11の外周において勝手に回転するのが抑制されるようにしている。
【0052】
そして、このように係合筒部11におけるホースhを取り付ける取付筒部15側の端部から係合筒部11の係合段部11aに向けて鉤型状に延出された一対の回転抑制部材36を、前記の解除リング12における張り出し部12b1よりも突出量が少なくなったそれぞれの切り欠き部12b2に対向するように突出させた場合にも、前記の実施形態1~4の場合と同様に、雄金具10と雌金具20との連結を解除させたホースhをコイル状に巻回させ、雄金具10における解除リング12のフランジ部12bに設けた切り欠き部12b2がコイル状に巻回させたホースhの間に挟まれるようにした場合において、このように巻回させたホースhを消防士が担いで火災現場に搬送する場合等に大きな衝撃が加わり、雄金具10の上に被せるように配置させた雌金具20側のホースhが浮き上がったとしても、雄金具10における係合筒部11の外周側に設けた解除リング12が、前記の係合筒部11の外周において勝手に回転するのが防止され、雄金具10がコイル状に巻回させたホースhの間から脱落したりするのが抑制されるようになる。
【0053】
なお、この実施形態5においては、係合筒部11におけるホースhを取り付ける取付筒部15側の端部における相対向する部分に、それぞれ係合筒部11の係合段部11aに向けて鉤型状に延出された一対の回転抑制部材36を、前記の解除リング12における張り出し部12b1よりも突出量が少なくなったそれぞれの切り欠き部12b2の部分に突出させるようにしたが、前記の回転抑制部材36を1つ設け、この1つの回転抑制部材36を解除リング12における張り出し部12b1よりも突出量が少なくなった一方の切り欠き部12b2の部分に突出させるようにするだけであってもよい。
【符号の説明】
【0054】
10 :雄金具
11 :係合筒部
11a :係合段部
12 :解除リング
12a :筒部
12b :フランジ部
12b1 :張り出し部
12b2 :切り欠き部
15 :取付筒部
16 :口巻き布
17 :固定用筒体
19 :切り欠き部
20 :雌金具
21 :係合片
22 :ばね手段
23 :パッキン
24 :緩衝用リング
25 :取付筒部
26 :口巻き布
27 :固定用筒体
30 :回転抑制手段
31 :係合凸部
32 :係合凹部
33 :係止部材挿入溝
34 :係止用部材
35a :第1の磁石部材(仮係止部材)
35b :第2の磁石部材(仮係止部材)
36 :回転抑制部材
h :ホース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10