(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 1/00 20060101AFI20221221BHJP
H04N 5/76 20060101ALI20221221BHJP
H04N 5/232 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
G06T1/00 200D
H04N5/76
H04N5/232 300
H04N5/232 939
(21)【出願番号】P 2018206876
(22)【出願日】2018-11-01
【審査請求日】2021-10-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深田 昌敬
【審査官】山口 大志
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-154506(JP,A)
【文献】特開2007-206932(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00
G06F 12/00
H04N 5/76
H04N 5/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のイメージファイルフォーマットのファイルを生成する情報処理装置であって、
前記所定のイメージファイルフォーマットに格納される画像データが満たすべき格納条件の指定を受け付ける受付手段と、
画像データを取得する取得手段と、
前記取得手段において取得された画像データのうち、前記格納条件を満たす1つ以上の画像データを1つの前記所定のイメージファイルフォーマットに格納し、前記格納条件を満たさない画像データを当該1つの前記所定のイメージファイルフォーマットに格納しないように前記ファイルを生成する生成手段と、
を有
し、
前記格納条件は、画像データに含まれる被写体の条件、又は、画像データに関する撮像が行われたときのシーンの条件を含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記生成手段は、前記格納条件を満たさない画像データを、別の前記所定のイメージファイルフォーマットに格納して、前記ファイルと異なる別のファイルを生成する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記生成手段は、前記取得手段において取得された画像データが所定の条件を満たす場合、当該画像データが前記格納条件を満たすか否かによらず、別の前記所定のイメージファイルフォーマットに当該画像データを格納して、前記ファイルと異なる別のファイルを生成する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定の条件は、前記取得手段において取得された画像データが連続撮像によって取得された画像に対応することであり、
前記生成手段は、前記連続撮像によって取得された一連の画像に関する複数の画像データを含んだファイルを生成する、ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記受付手段は、さらに、ファイルを保存するフォルダについて、当該フォルダに格納されるファイルが満たすべき条件をさらに受け付ける、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記フォルダに格納されるファイルが満たすべき条件に基づいて、前記受付手段によって受け付けることができる前記格納条件と受け付けることができない前記格納条件とを判別可能に表示する表示手段をさらに有する、ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記格納条件は、画像データが生成された期間に関する条件を含む、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記格納条件は、前記イメージファイルフォーマットに格納される画像データの枚数の条件を含む、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記
生成手段は、前記取得手段において取得された画像データのうち、特定の被写体を含む1つ以上の画像データを1つの前記所定のイメージファイルフォーマットに格納するように前記ファイルを生成する、ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記格納条件は、画像データに関する撮像が行われたときに用いられた撮像のモードの条件を含む、ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記格納条件は、前記イメージファイルフォーマットに画像データが格納されて得られるファイルのサイズの条件を含む、ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記
生成手段は、前記取得手段において取得された画像データのうち、同一シーンの1つ以上の画像データを1つの前記所定のイメージファイルフォーマットに格納するように前記ファイルを生成する、ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記生成手段が生成したファイルを記憶する記憶手段をさらに有する、ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記生成手段は、前記取得手段において取得された画像データを格納した場合のイメージファイルフォーマットのサイズが、前記記憶手段における記憶領域の残容量を超える場合に、当該イメージファイルフォーマットを、当該画像データを格納せずに、前記ファイルとして前記記憶手段に出力する、ことを特徴とする請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記記憶手段と異なる別の記憶手段を有し、
前記生成手段は、前記取得手段において取得された画像データを格納した場合のイメージファイルフォーマットのサイズが、前記記憶手段における記憶領域の残容量を超える場合であって、当該サイズが前記別の記憶手段における記憶領域の残容量を超えない場合、生成したファイルの出力先を前記別の記憶手段にする、ことを特徴とする請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記生成手段は、前記格納条件を満たす1つ以上の画像データが格納される前記イメージファイルフォーマットに対して、当該格納条件を格納する、ことを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記所定のイメージファイルフォーマットは、ISO/IEC23008 Part12で規定されたイメージファイルフォーマットである、ことを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項18】
所定のイメージファイルフォーマットのファイルを生成する情報処理装置によって実行される制御方法であって、
前記所定のイメージファイルフォーマットに格納される画像データが満たすべき格納条件の指定を受け付ける受付工程と、
画像データを取得する取得工程と、
前記取得工程において取得された画像データのうち、前記格納条件を満たす1つ以上の画像データを1つの前記所定のイメージファイルフォーマットに格納し、前記格納条件を満たさない画像データを当該1つの前記所定のイメージファイルフォーマットに格納しないように前記ファイルを生成する生成工程と、
を有
し、
前記格納条件は、画像データに含まれる被写体の条件、又は、画像データに関する撮像が行われたときのシーンの条件を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項19】
コンピュータを、請求項1から17のいずれか1項に記載の情報処理装置が有する各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つ以上のデータを含んだファイルの生成技術に関する。
【背景技術】
【0002】
単一又は複数の静止画像や、静止画像のバースト等のシーケンスを1つのファイルに格納するため、HEIF(High Efficiency Image File Format)と呼ばれる標準が策定されている。HEIFでは、メタデータを含む規範的な構造が定められており、メタデータとイメージとを関連付けする方法や、特定の形式のメタデータの構成が定められている。また、特許文献1には、HEIFにおいて動的に派生イメージを格納、生成する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2016/0371265号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、HEIFファイルには、複数の画像データを含めることができ、また、ユーザは、編集により、HEIFファイルに格納する画像データを選択することができる。しかしながら、その編集には手間がかかるため、利便性がよくないという課題がある。
【0005】
本発明は、1つ以上のデータが含まれる1つのファイルを生成する際のユーザの利便性を向上させる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様による情報処理装置は、所定のイメージファイルフォーマットのファイルを生成する情報処理装置であって、前記所定のイメージファイルフォーマットに格納される画像データが満たすべき格納条件の指定を受け付ける受付手段と、画像データを取得する取得手段と、前記取得手段において取得された画像データのうち、前記格納条件を満たす1つ以上の画像データを1つの前記所定のイメージファイルフォーマットに格納し、前記格納条件を満たさない画像データを当該1つの前記所定のイメージファイルフォーマットに格納しないように前記ファイルを生成する生成手段と、を有し、前記格納条件は、画像データに含まれる被写体の条件、又は、画像データに関する撮像が行われたときのシーンの条件を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、1つ以上のデータが含まれる1つのファイルを生成する際のユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】イメージファイルフォーマット生成処理の流れの例を示す図である。
【
図3】生成されるイメージファイルフォーマットの一例を示す図である。
【
図4】情報処理装置のユーザインタフェースの一例を示す図である。
【
図5】情報処理装置のユーザインタフェースの一例を示す図である。
【
図6】情報処理装置のユーザインタフェースの一例を示す図である。
【
図7】イメージファイルフォーマット出力判定処理の流れの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を実施するための一態様を示すにすぎず、本発明を説明される態様に限定することを意図したものではない。すなわち、以下の実施形態を変形・変更した態様も本発明の範囲内に含まれる。
【0010】
本実施形態では、1つ以上の画像データを含んだHEIF(High Efficiency Image File Format)ファイルを生成する情報処理装置について説明する。なおHEIFは、ISO/IEC23008 Part12において規定されたイメージファイルフォーマットである。従来、連続撮像される等の特定の条件を満たした複数の画像データをHEIFファイルに格納することは想定されている。しかしながら、ユーザの意図に合致した画像データ群をHEIFファイルに含めるためには、生成されたHEIFファイルに対してユーザが編集作業を行い、格納する画像データを手動で指定しなければならないという課題がある。これに対し、本実施形態に係る情報処理装置は、HEIFファイルを生成する場合に、1つのファイルに格納される画像データ群が満たすべき条件の指定を受け付ける。そして、情報処理装置は、画像データを取得した際に、指定された条件を満たす画像データを1つのファイルに自動的に格納して、HEIFファイルを生成する。これにより、ユーザの意図に合致した画像データ群を、容易かつ自動的にHEIFファイルに含めることができるようになる。
【0011】
なお、近年、カメラやスマートフォン等の画像生成装置は、その多機能化により、撮像日時や、画像サイズ、画像品質のみならず、撮像時の情報や、撮像した画像データのメタ情報等の様々な情報を生成することができるようになっている。一例として、画像生成装置は、画像データと共に、画像を撮像した位置の情報、画像データにおける被写体やシーンが何であるか等を認識・識別する情報、撮像時の撮像モード等、画像データに付随する多数の情報を生成しうる。このため、本実施形態に係る情報処理装置は、これらの情報に応じて、上述の条件を設定することができるようにする。
【0012】
なお、本実施形態では、HEIFファイルを生成する例を中心に説明するが、これに限らず、例えば、MiAF(Multi-image Application Format)ファイルを生成するときにも以下の議論を適用可能である。また、画像生成装置とは異なる装置(例えば画像解析装置)により得られた情報に基づいて、上述の条件を設定できるようにしてもよい。
【0013】
以下では、このような処理を実行する情報処理装置について、装置構成について説明した後に、実行される処理の流れについて説明する。
【0014】
(装置構成)
図1に、本実施形態に係る情報処理装置101の構成例を示す。なお、情報処理装置101は、例えば、カメラ、スマートフォン、タブレットPC等の、撮像機能を有する電子機器であるが、これに限られず、例えば予め生成された画像データ及びそれに付随する情報を収集可能な任意の装置であってもよい。すなわち、情報処理装置101は、イメージファイルフォーマットやその他の形式の画像ファイルを読み出して画像を入力し、1つのイメージファイルフォーマットに格納するファイル編集装置であってもよい。また、そのような場合、情報処理装置101は、1つの装置として構成されてもよいが、クラウド等のシステムに含まれる複数の装置によって構成されてもよい。また、情報処理装置101は、上述のような電子機器等に内蔵される装置であってもよいし、その外部に接続される周辺機器であってもよい。
【0015】
情報処理装置101は、一例として、不揮発メモリ103、ROM104、RAM105、制御部106、撮像部107、操作部108を含んで構成される。また、情報処理装置101は、さらに、ファイル出力部109、メタデータ処理部110、符号化部111、表示部112、画像認識部113、LAN制御部114を含む。なお、これらの要素は、システムバス102に接続され、相互に情報の送受信が可能である。上述の要素は、それぞれハードウェア要素であってもよいし、その少なくとも一部が例えばROM104に格納されたプログラムを制御部106が実行することによって実現されるソフトウェア要素であってもよい。また、少なくとも一部の要素が、専用のハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0016】
不揮発メモリ103は、SDカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)、フラッシュメモリ等の1つ以上の記録媒体である。不揮発メモリ103は、場合によっては、複数の種別の記録媒体含みうる。ROM104は、読み出し専用メモリであり、情報処理装置101で実行される処理に対応するソフトウェアプログラムを格納する不揮発性の記憶装置である。ROM104に格納されているプログラムは、RAM105に転送され、制御部106等の各要素によって読み出され、実行される。RAM105は、ランダムアクセスメモリであり、情報処理装置101の主記憶部である。RAM105は、主として、各要素が処理を実行する際のデータの一時記憶領域として使用される。
【0017】
制御部106は、画像処理装置101の全体制御を行う。制御部106は、例えば、ROM104からOperation System(OS)プログラムを読み出して実行する、CPUやMPU等の任意のプロセッサでありうる。なお、CPUはCentral Processing Unitの頭字語であり、MPUはMicro Processing Unitの頭字語である。制御部106は、例えば、ROM104から、各種ドライバやアプリケーションに対応するプログラムを読み出して実行することにより、例えば後述の処理の少なくとも一部や他の要素の制御を行うように構成される。また、制御部106は、処理を行った結果を画面表示させるための表示部112へのデータの送信、撮像部107への自動でシャッターを切る指示の送信、メタデータ処理部110へのファイルに格納するメタデータ情報の通知等を行う。また、制御部106は、特定用途向け集積回路(ASIC)やデジタルシグナルプロセッサ(DSP)等の他のプロセッサを含んで構成されてもよい。
【0018】
撮像部107は、光学系やCMOSセンサー等のイメージセンサーを含んで構成され、制御部106からの指示により撮像処理を実行して画像信号を取得する。撮像部107は、取得した画像信号を符号化部111に入力する。操作部108は、ユーザ操作を受け付けて、その操作受付結果を示す情報を制御部106へ出力する。制御部106は、操作部108によって受け付けられたユーザ操作に基づいて、表示部112の表示の変更、撮像部107への撮像の指示、LAN制御部114への接続指示等の処理を実行しうる。
【0019】
ファイル出力部109は、メタデータ処理部110及び符号化部111において処理されたファイルを所定の形式で出力する。出力されたファイルは、不揮発メモリ103に保存される。メタデータ処理部110は、符号化部111で符号化されたデータを受信し、所定のファイルフォーマット規格に準じた形式のファイルを生成するためのデータ処理を行う。メタデータ処理部110は、メタデータをファイルに格納するためのフォーマット処理を行い、例えば処理するファイルフォーマットの形式がHEIFである場合は、HEIF規格仕様に準拠した形式のファイルを生成する。また、メタデータ処理部110は、制御部106の指示により、その他のMPEG等で規定される動画ファイル形式やJPEG等の静止画形式のファイルを生成するためのデータ処理を行う。符号化部111は、撮像部107から入力された画像信号を符号化し、デジタルデータに変換する。また、符号化部111は、情報処理装置101の不揮発メモリ103に格納された画像や画像ファイルを復号する。符号化部111は、ユーザ操作によって動画や静止画の再生処理を行う場合に、対応するデータの復号を行い、復号されたデータを表示部112に出力する。表示部112は、復号された画像データや、ユーザ操作のためのユーザインタフェース(UI)画面等、各種情報を画面表示する。画像認識部113は、撮像部107から入力された画像信号や、不揮発メモリに格納されたファイルから人物や物体、シーン等を認識し制御部へそれら認識した情報を送る。
【0020】
LAN制御部114は、LAN(ローカルエリアネットワーク)に接続するために用いられる通信インターフェースであり、有線LAN又は無線LANにおける通信のための通信制御を実行する。例えば、情報処理装置101が、有線LANに接続する場合、LAN制御部114は、伝送メディアのPHY(物理)層及びMAC(媒体アクセス制御)層の処理のためのハードウェア回路を含む。LAN制御部114は、有線LANで接続する形態の場合、例えば、Ethernet(登録商標)のNIC(Network Interface Card)に相当する。また、LAN制御部114は、情報処理装置101が無線LANで接続する形態とする場合、IEEE802.11a/b/g/n/ac等のIEEE802.11規格シリーズに準拠した無線LANでの通信のための通信制御を実行する。LAN制御部114は、この場合、規格に準拠したPHY層及びMAC層の制御を行うためのコントローラ、RF回路、アンテナを含んで構成される。
【0021】
(処理の流れ)
続いて、情報処理装置101が、イメージファイルフォーマット(HEIF)を生成する処理の流れについて、
図2を参照して説明する。本処理は、例えば、情報処理装置101が、撮像部107を用いて撮像を行う度に、又は外部から画像データを取得する度に実行される。ただし、これに限られず、例えば情報処理装置101がユーザによる指示を受け付けたことに応じて、情報処理装置101の内部に格納されている画像データを対象として本処理が実行されてもよい。なお、本処理は、主として、制御部106、メタデータ処理部110、ファイル出力部109において実行される。なお、本実施形態ではHEIFファイルを生成する場合について説明するが、1つ以上のデータを格納可能な所定のファイルフォーマットのファイルを生成する場合に、以下の議論を適用することができる。
【0022】
まず、処理の説明に先立ち、情報処理装置101が生成するHEIFファイルの構成について
図3を用いて説明する。HEIFファイル301は、一般的でシンプルな形式において、管理データ部302及びメディアデータ部303を含んで構成される。管理データ部302は、メディアデータの符号化に関する情報やHEIFファイルへの格納方法に関する情報等を含んだ、ファイル管理データが格納される。
【0023】
メディアデータ部303は、コンテンツデータ(動画像、静止画像及び音声)を符号化したデータ(メディアデータ)や、外部規格を参照するメタデータ等が格納される。メディアデータ部303内には、MediaDataBoxというBox内に、符号化された画像イメージやExif等のデータブロックが格納される。データ314及び315には、各画像データの塊が格納され、データ316及び317には、Exifデータブロック等の外部規格で定義されたメタデータのブロックが格納される。
【0024】
管理データ部302は、Boxと呼ばれる構造情報が含まれており、それぞれのBoxはtype識別子で区別される。Box304は、識別子「ftyp」で区別されるFileTypeBoxである。Box304は、ファイルの種類を識別するために用いられ、ファイル形式はbrandと呼ばれる4文字の識別子によって識別される。HEIFファイルは、「mif1」や「msf1」等の、brandを識別する4文字の識別子を用いて表される。Box305は、MetaBoxと呼ばれ、識別子「meta」により識別される。このBox305には様々なBoxが格納され、画像アイテムや、画像アイテムに関連するメタデータアイテム等のアンタイムドなメタデータのBoxが格納される。Box306は、HandlerReferenceBoxと呼ばれ、識別子「hdlr」で識別される。HandlerReferenceBox内のハンドラタイプによって、MetaBoxに含まれるコンテンツの構造やフォーマットが識別される。HEIFファイルでは、このハンドラのタイプとして「pict」という4文字の識別コードが使用される。Box307は、ItemLocationBoxと呼ばれ、識別子「iloc」によって識別される。ItemLocationBoxでは、アイテムごとのIDや、そのアイテムが格納されている場所を示す情報が記述される。HEIFファイルを取得した装置は、この情報を参照することで、管理データ部302において定義されたアイテムのデータがどこに存在するかを特定することができる。Box308は、ItemInfomationBoxと呼ばれ、識別子「iinf」によって識別される。このBox308には、アイテムごとにItemInformationEntryが定義され、このエントリー内にアイテムのIDやアイテムの種別、アイテムの名前等の情報が格納される。
【0025】
Box309は、ItemReferenceBoxと呼ばれ、識別子「iref」によって識別される。ItemReferenceBoxでは、参照関係のあるアイテムの関連付けを行い、どのような参照タイプであるか等の情報が格納される。1つのアイテムが複数のアイテムを参照して構成される場合は、参照するアイテムのIDが順に記述される。例えば、アイテム1が、アイテム2を参照してサムネイル画像を構成する場合、参照タイプにはサムネイルイメージを示す「thmb」が格納される。また、「from_item_id」にはアイテム1を示すIDが格納され、「to_item_id」にはアイテム2を示すIDが格納される。また、1枚の画像イメージを複数のタイルに分割してHEIFファイルに格納する場合には、それらの関連を示す情報が定義される。例えば、1つのイメージとして構成された画像をアイテム1とする。また、複数のタイルに分割された画像アイテムを、アイテム2、アイテム3、アイテム4、アイテム5とする。この場合、アイテム2、アイテム3、アイテム4、アイテム5の画像から1枚のアイテム1の画像が形成されることが特定可能な情報が格納される。例えば、参照タイプには、派生イメージを示す「dimg」が格納される。また、「from_item_id」にはアイテム1を示すIDが格納され、「to_item_id」にはアイテム2、アイテム3、アイテム4、アイテム5を示すIDのすべてが格納される。この記述により、タイルに分割された画像アイテムが1つの画像イメージとして再構成されることを、HEIFファイルを取得した装置が認識することができる。Box309では、これらの他にも、画像イメージが参照するExif等の外部規格で定義されたメタデータとの参照関係が記述されてもよい。この場合、参照タイプとして「cdsc」が用いられ、「from_item_id」にExif情報を示すアイテムのIDが、「to_item_id」に画像イメージのアイテムを示すIDがそれぞれ格納される。
【0026】
Box310は、ItemPropertyBoxと呼ばれ、識別子「iprp」によって識別される。このBox310には、各アイテムに適用されるプロパティ情報や、そのプロパティの構成方法を示すBox(Box311及びBox312)が格納される。Box311は、ImagePropertyContainerBoxと呼ばれ、識別子「ipco」で識別される。このBox311には、各プロパティを記述するBoxが格納される。ここで格納されるBoxとして様々なBoxが定義されており、例えば、画像のサイズを示すBox、カラー情報を示すBox、Pixel情報を示すBox、HEVCパラメータを格納するBox等が必要に応じて格納される。これらのファイルフォーマットは、ISO/IEC23008 Part12で規定されているBox構造と共通である。Box312は、ItemPropertyAssociatioBoxと呼ばれ、識別子「ipma」によって識別される。Box312では、アイテムごとに、アイテムプロパティ構成が記述され、そのアイテムに適用されるプロパティのインデックスが順に記述される。
【0027】
Box313は、UniversalUniqueIdentifiersBoxと呼ばれ、識別子「uuid」によって識別される。Box313は、ユーザ定義可能なBoxであり、extended typeを用いて、ユーザ固有のBoxを定義することができる。このBox313を用いることにより、Box内のデータ構造をユーザ固有に定義することができる。例えば、このBox313を用いて、どのような条件の画像データがこのイメージファイルに格納されているかを示す情報が記述されうる。例えば、1つのイメージファイル内に10枚の画像データを格納する条件でイメージファイルが生成された場合、Box313内に、画像枚数を条件として格納したことがわかるタグ情報と、その枚数が10枚であることが特定可能な情報とが格納される。また、例えば、最初の画像を格納してから1分以内に生成された画像データを同一のイメージファイルとして格納することや、特定の被写体が写っている画像データを1つのイメージファイルに格納すること等の様々な条件が記述されうる。ここでのデータ構造は、ファイルを生成するWriterとファイルを読み出すReaderとが共通に解釈可能な、任意の形式を取ることができる。このように、Box313を用いて画像データの格納条件が記述されることにより、ユーザ固有のフォーマットで、HEIFファイル内に条件情報を格納することができる。また、ユーザ固有のフォーマットを解釈可能な装置は、Box313を参照することにより、取得したHEIFファイルがどのような条件で生成されたかを容易に識別することができる。また、Box313は、extended typeを識別できない装置には読み飛ばされ又は破棄されるようにすることができる。なお、上述のようにして、uuidを用いて、情報処理装置101によって1つのイメージファイルフォーマットに画像データが格納されるための格納条件を記述することができるが、これに限られない。例えば、別途、ISO/IEC23008 Part12等でBox構造を定義して、上述の格納条件が記述されるようにしてもよい。これにより、より汎用的な構成により、どのような条件に基づいて画像データがイメージファイル内に格納されたかを規定することができる。これにより、多くの装置が、この格納条件を解釈することが可能となる。一方、上述のようにuuidを用いて格納条件がファイル内に格納されることにより、格納条件を認識する必要のない装置が不要なデータを解釈すること等の不要な処理を行うことを防ぐことができる。
【0028】
図2の処理において、まず、情報処理装置101は、撮像部107によって取得した画像信号を符号化部111によって符号化して画像データを生成し、その画像データをメタデータ処理部110へ供給する(S201)。なお、取得される画像データには、メタデータや撮像装置によって得られる各種情報が含まれる。メタデータ処理部110は、入力された画像データを解析する(S202)。ここでは、その入力画像についてのメタデータが解析される。メタデータ処理部110は、例えば、画像の生成日時や画像サイズ、EXIF等に格納されているメタデータを解析する。また、メタデータ処理部110は、HEIFファイルに画像データを含める条件が被写体に関する条件である場合、画像データに対する被写体認識処理によって画像から識別される被写体を解析する。また、メタデータ処理部110は、同一シーンの画像を1つのイメージファイルフォーマットに格納する等の条件が設定されている場合は、画像データのシーンを解析しうる。すなわち、メタデータ処理部110は、画像データをHEIFファイルに含める条件に応じて、解析対象のデータを変更しうる。
【0029】
次に、情報処理装置101は、取得された画像データが、ユーザ指定の条件によるファイルへの格納の対象外であるか否かを判定するための特定の条件に該当するか否かを判定する(S203)。特定の条件は、例えば、画像データが、HDR撮像モードによって撮像したブラケット撮像画像に関するものであること等を含みうる。HDR撮像時には、ホワイトバランスや感度を変更しながら連続で撮像した複数の画像を合成してHDR画像を生成する。このため、上述のような特定の条件を指定することにより、ユーザ指定の条件によらずに、一連の撮像で得られた複数の画像データを1つのファイルに格納することができる。情報処理装置101は、画像データが特定の条件に該当すると判定した場合(S203でYES)は、処理をS206へ進め、画像データが特定の条件に該当しない場合(S203でNO)は、処理をS204へ進める。また、情報処理装置101は、条件によっては、S204とS206の処理を両方行い、2つのファイルに画像データが格納されるような処理を行ってもよい。S204とS206の処理が共に実行される場合、この特定の条件を満たす画像データを、1つのイメージファイルフォーマットに格納する(S206)のに加え、ユーザ指定の条件で別のイメージファイルフォーマットに格納する(S204)。また、本実施形態では、特定の条件を満たす画像データを1つのイメージファイルフォーマット内に格納するように処理すると説明したが、これに限られない。例えば、特定の条件を考慮せずに、情報処理装置101においてユーザ指定された設定のみに従って、1つのイメージファイルフォーマット内に画像データを格納するようにしてもよい。このように、ユーザ指定の条件によらない特定の条件に基づいて、取得された画像データが、1つのイメージファイルフォーマットに格納すべきかが判定される。
【0030】
S204では、情報処理装置101は、1つのイメージファイルフォーマットに格納される画像データが満たすべき格納条件を取得する。そして、情報処理装置101は、入力された画像データが取得された格納条件を満たすか否かを判定する(S205)。情報処理装置101は、画像データが格納条件を満たす場合(S205でYES)は処理をS208へ進め、画像データが格納条件を満たさない場合(S205でNO)は処理をS206へ進める。ここで、格納条件は、例えば事前にユーザの操作等によって、情報処理装置101に事前設定された条件である。なお、複数の格納条件が指定されていてもよく、また、その複数の格納条件は条件ごとに、論理和や論理積のような論理演算で指定可能であってもよい。さらに、条件によっては、1つの画像を複数のイメージファイルフォーマットに格納するような条件が指定されていてもよい。なお、この格納条件は、例えば情報処理装置101がダウンロードした設定ファイル等によって指定されてもよい。例えば、メーカ指定の条件や、複数の情報処理装置101に共通の条件を設定するために、格納条件が規定されたファイルが生成され、情報処理装置101は、そのファイルをダウンロードすることによって条件指定を行うことができてもよい。なお、上述の特定の条件についても、ファイルのダウンロードやユーザ指定によって変更可能であってもよい。
【0031】
ここで、
図4~
図6を用いて、ユーザによる格納条件の指定方法の一例について説明する。
図4~
図6は、情報処理装置101において、イメージファイルフォーマットに格納する画像の条件を設定する処理の流れを、情報処理装置101のユーザインタフェースの一例(表示画面)を用いて示した図である。ここでは、情報処理装置101がカメラである場合の例を示している。ただし、これに限られず、同様のユーザインタフェースを提供可能な任意の装置が、情報処理装置101として用いられうる。また、条件指定が可能な限りにおいて、
図4~
図6に示すもの以外の構成が用いられてもよい。例えば、外部キーボードを使用した条件の入力や、ファイルのダウンロードによる条件の指定が行われてもよい。
【0032】
情報処理装置101は、その操作機能として、タッチパネルを含んだディスプレイ402、シャッターボタン403、ダイヤル404、録画ボタン405、操作ボタン406~408を含む。ディスプレイ402は、画面を表示し、タッチパネルによって表示された項目に対する各種ユーザ操作を受け付ける。シャッターボタン403は、ユーザによって押下されたことに応じて撮像を行うための操作ボタンである。ダイヤル404は、ユーザによるモード選択を受け付ける。ユーザは、このダイヤル404を操作することによって、撮像時のモードを変更することができる。録画ボタン405は、ユーザによって押下されたことに応じて動画撮像を開始・終了するための操作ボタンである。ボタン406は、ユーザによる設定操作のために利用されるボタンである。ボタン407は、ユーザがメニュー画面を表示するために利用するボタンである。ボタン408は、ユーザが各種情報を表示させる際に操作するボタンである。これらの機能部は、物理的な構成として情報処理装置101に含まれる。
【0033】
次に、ディスプレイ402に操作項目として画面表示され、上述のタッチパネルや物理的なボタン等によって操作されるソフトウェアボタン構成について説明する。タブ409は、撮像時の条件に関する設定の際に選択されるタブである。ユーザが画面内のタブ409の部分をタッチすることにより、情報処理装置101の画面は、撮像条件の設定画面に遷移する。この撮像時の設定においては、記録画質、露出、ISO感度の設定等を行うことができる。さらに、この撮像時の設定においては、撮像被写体となる人物を登録することもできる。この登録により、被写体の条件を設定して、特定の被写体を含んだ複数の画像データを1つのイメージファイルフォーマット内に格納することが可能となる。タブ410は、情報処理装置101に関する各種設定を行う際に選択されるタブである。ユーザが画面内のタブ410をタッチすることにより、情報処理装置101の画面は、情報処理装置101の各種設定を行うための設定画面に遷移する。このタブ410内での設定により、ユーザは、1つのイメージファイルフォーマットに格納する画像データの条件を設定することができる。また、ユーザは、このタブ410を用いて、無線LAN等のネットワークの設定項目やその他の設定を行うことができる。タブ411は、情報処理装置101内の不揮発メモリに保存されている画像データの再生に関する設定タブである。ユーザが画面内のタブ411をタッチすることにより、情報処理装置101の画面は、情報処理装置101内の不揮発メモリに保存されている画像データの再生に関する設定画面に遷移する。ユーザは、このタブ411での設定により、再生表示に関する設定や、記録されている画像の削除、またリサイズやトリミング等の簡易的な編集に関する設定を行うことができる。
【0034】
項目412は、各種設定メニューの第1種別の設定が含まれる。同様に、項目413は第2種別の、項目414は第3種別の、項目415は第4種別の、項目416は第5種別の、設定が含まれる。一例において、これらの設定種別のうち、有効な設定種別に対応する項目(項目412)は、他の設定種別に対応する項目よりも大きく、太く表示される。なお、有効な設定種別が判別可能な他の表示が用いられてもよい。例えば、有効な設定種別に対応するアイコン(番号)やその背景が、他の設定種別に対応するアイコン(番号)やその背景と異なる色で表示されてもよい。また項目417で示される「SETUP1」は、設定種別の番号が表示されており、ユーザは、この項目417を確認することにより、どの設定種別の操作を行っているかを確認することができる。
【0035】
項目418は、フォルダ作成に関する設定項目を示している。ユーザは、この項目418を選択(タッチ)することによって、フォルダ作成に関する設定を行うことができる。項目418が選択された場合の画面遷移については、
図5を用いて後述する。項目419は、ファイル形式に関する設定項目を示している。ユーザは、この項目419(タッチ)を選択することによって、ファイル形式(記録フォーマット)を指定することができる。ユーザは、ファイル形式の設定において、例えば、画像データを、イメージファイルフォーマットとして記録するか、JPEGとして記録するか、またRAW画像として記録するかを選択することができる。また、ユーザは、1つの画像データを複数の形式で記録するような設定を行うこともできる。ユーザがファイル形式にイメージファイルフォーマットを含む設定を選択した場合に、本実施形態で説明するようなイメージファイルフォーマットへの格納条件指定が可能となる。項目420は、ファイル作成に関する設定項目を示している。ユーザは、この項目420を選択(タッチ)することにより、イメージファイルフォーマットを作成する際に1つのファイルに格納する画像の条件を指定することができる。項目420が選択された場合の画面遷移については、
図6を用いて後述する。項目421は、ファイル番号の付番方法に関する設定項目を示している。ユーザは、項目421を選択(タッチ)することにより、ファイル番号の付番方法を指定することができる。
【0036】
項目418が選択された場合(フォルダ作成設定)のユーザインタフェースについて、
図5を用いて説明する。情報処理装置101は、項目418が選択されると、例えば項目501のように背景色を変化させることにより、フォルダ作成設定が選択されていることが判別可能となるような表示を行う。フォルダは、例えば、日ごと、週ごと、月ごと等、撮像が行われる期間ごとに作成される。これらを表しているのが、項目502(日ごと)、項目503(週ごと)、項目504(月ごと)である。ユーザが項目502を選択することにより、日付が変わるごとに不揮発メモリ内にフォルダが生成され、撮像等の処理によって得られたファイルが、そのファイルが生成された日付に対応するフォルダに格納される。同様に、ユーザが項目503を選択することにより、1週間ごとにフォルダが生成され、その週に撮像等によって得られたファイルが、そのファイルが生成された日付の属する週に対応するフォルダ内に格納される。また、ユーザが項目504を選択することにより、1月ごとにフォルダが生成され、その月に撮像等によって得られたファイルが、そのファイルが生成された日付の属する月に対応するフォルダ内に格納される。なお、情報処理装置101は、各項目の選択を受け付けた場合に、数値の入力を受け付け、その数値に応じた期間ごとにフォルダを生成するようにしてもよい。例えば、情報処理装置101は、項目502の選択を受け付けた後に、数値5を受け付けた場合、5日ごとにフォルダを生成するように動作しうる。ファイルの出力がない期間については、フォルダが作成されない。
図5では項目502が選択されている状態を示しており、例えば背景色が変化することにより、日ごとのフォルダ作成設定が選択されていることが判別可能となるように項目502が表示される。
【0037】
次に、項目420が選択された場合(1つのファイルに格納する画像の条件指定)のユーザインタフェースについて、
図6を用いて説明する。情報処理装置101は、項目420が選択されると、例えば項目601のように背景色を変化させることにより、ファイル作成設定が選択されていることが判別可能となるような表示を行う。ファイル作成設定では、1つのファイルに格納する画像について、1つ以上の条件を設定することができる。これらを表しているのが、項目602(条件1)、項目603(条件2)、項目604(条件3)である。項目602~項目604のそれぞれについて、別個の条件を設定することが可能である。
図6では、項目602(条件1)が選択された状態を示しており、例えば背景色の変化により選択された条件を判別可能となるような表示が行われる。
【0038】
各条件には、項目605~項目610等の条件設定のための項目が含まれる。なお、これらの条件のそれぞれは、論理和や論理積等の論理演算による指定が可能であってもよい。また、そのような指定が行われずに、予め決定した論理演算により各条件の関係が定められてもよい。また、各条件は、複数の項目を指定可能であってもよいし、1つのみ指定可能であってもよい。
【0039】
項目605は、条件が指定されないことを示す項目であり、ユーザがこの項目を選択することにより、すべての条件が指定されない状態にすることができる。この場合、情報処理装置101は、予め決定されているデフォルトの条件で、画像データを1つのファイルに格納するように設定される。デフォルト条件は、例えば、1つの画像データのみを1つのファイルに格納する、連写で撮像された画像データについては1つのファイルに格納する、等の条件でありうる。また、
図7を用いて説明した処理のように、情報処理装置101は、不揮発メモリ103の空き容量に応じて、ファイルを出力する場合にこの条件が適用されないように動作してもよい。
【0040】
項目606は、期間の条件を指定するための項目である。ユーザが項目606を選択することにより、画像データを1つのファイルに格納する期間を設定可能となる。期間の条件は、例えば、秒単位(項目611)、分単位(項目612)、時間単位(項目613)、日単位(項目614)、週単位(項目615)、月単位(項目616)のいずれかを選択可能でありうる。なお、これらのいずれかの項目が選択されたことに応じて、数値の入力が受け付けられる。例えば、項目612が選択された後に、数値5が入力された場合、5分単位で画像データを1つのファイルに格納する条件が設定される。なお、
図5を用いて説明したようにして、フォルダ作成の間隔が設定されている場合には、その間隔より短い単位の期間のみが設定可能にされうる。例えば、項目502が選択されたことにより、日ごとにフォルダが生成される場合、日単位(項目614)、週単位(項目615)及び月単位(項目616)を選択することができないようにされうる。なお、選択可能な条件と選択可能でない条件とが、
図6に示すように、例えば背景色を変更することによって判別可能に表示されうる。
図6では、条件1(項目602)として、期間に関する条件(項目606)が選択され、その詳細として、1分単位(項目612)で画像データを1つのファイルに格納する設定が指定されている。この設定の場合、最初の画像を撮像してから1分以内に撮像された画像については、画像データが1つのイメージファイルフォーマット内に格納されることになる。
【0041】
項目607は、モードの条件を指定するための項目である。ユーザがこの項目を選択することにより、特定の撮像モードでの撮像で得られる画像データを1つのファイルに格納するような条件を設定可能となる。モードは、HDR写真を作成するためのモードでありうる。この場合、例えばHDR写真を作成する場合に撮像によって得られるブラケットイメージを1つのファイルに格納するという条件の指定がなされうる。また、モードは、連射撮像モードでありうる。この場合、連写撮像で得られた画像データを1つのファイルに格納するという条件の指定がなされうる。これら以外にも、同一モードにおける1回の操作で撮像された画像データを1つのファイルに格納するための条件が指定されうる。なお、複数のモードでの撮像で得られた複数の画像データを1つのファイルに格納するための条件が設定されてもよい。例えば2つ以上のモードが指定され、さらに、例えば項目606の期間の条件が設定されることにより、所定期間内に指定されたモードで撮像された画像データを全て1つのファイルに格納するような条件付けを行うことができる。
【0042】
項目608は、被写体の条件を指定するための項目である。ユーザがこの項目を選択することにより、特定の被写体が写っている画像データを1つのファイルに格納するような条件を設定可能となる。この設定が行われることにより、指定された被写体が写っている画像データが1つのファイルに格納される。なお、複数の被写体が写っている画像データが存在する場合、その画像データは、複数のファイルに格納されてもよいし、画像データ内で中心フォーカスが合っている被写体に対応する1つのファイルに格納されてもよい。また、指定された被写体が写っていない画像データについては、1つの画像データを1つのファイルに格納するようにしてもよい。項目609は、撮像枚数の条件を指定するための項目である。ユーザがこの項目を選択することにより、1ファイルに格納する画像の枚数を指定することができる。例えば、撮像枚数の条件が10枚と設定された場合、ファイル内に10枚分の画像データが含まれている場合には、さらなる画像データを含めずに、新しいイメージファイルフォーマットを生成するような処理が行われる。項目610は、サイズの条件を指定するための項目である。ユーザがこの項目を選択することにより、ファイルのサイズが指定されたサイズを超える(超えた)場合に新しく画像を格納するイメージファイルフォーマットが生成される。なお、このサイズは、画像1枚のサイズ以下となるような指定はできないものとする。新しくイメージファイルフォーマットが生成されるときに、それまで画像データの格納対象とされていたイメージファイルフォーマットがファイルとして出力される。なお、上述の項目は一例であり、これら以外の項目が条件として用いられてもよい。例えば、シーンの条件を指定するための項目が存在してもよい。
【0043】
図2に戻り、S208において、情報処理装置101は、取得された画像データを追記可能な、S205で満たすと判定された格納条件で生成されたイメージファイルフォーマットが存在するか否かを確認する。情報処理装置101は、そのようなイメージファイルフォーマットが存在する場合(S208でYES)は処理をS209へ進め、そのようなイメージファイルフォーマットが存在しない場合(S208でNO)は処理をS206へ進める。なお、複数の格納条件のそれぞれに基づいて画像データを複数のファイルに格納する必要がある場合は、それぞれについて、S208の判定とS206又はS209の処理を実行しうる。
【0044】
S209では、情報処理装置101は、RAM上に生成されているイメージファイルフォーマット内に、S201で取得された画像データを格納する。このときに、情報処理装置101は、関連するメタデータを併せてそのイメージファイルフォーマットに追記する。なお、上述のように、1つの画像データが複数のファイルに格納されてもよい。情報処理装置101は、S209の後に処理をS210へ進める。
【0045】
一方、S206では、情報処理装置101は、新規にイメージファイルフォーマットを生成し、S201で取得された画像データを、このイメージファイルフォーマット内に格納する。なお、情報処理装置101は、同時に生成可能なイメージファイルの数(編集中のイメージファイルフォーマットの数)を制限してもよい。これにより、本処理において要求されるRAMの容量を削減することができる。なお、情報処理装置101は、制限数を超えてイメージファイルを生成しようとした場合には、いずれかのイメージファイルを不揮発メモリ103へ出力するようにしうる。この場合、どのイメージファイルを不揮発メモリ103へ出力するかは、合理的に対象を選択可能な任意の方法で選択されうる。また、同時に生成可能なイメージファイルを1つに制限し、生成中のイメージファイルと異なる条件の画像データが取得された場合に、その生成中のイメージファイルを不揮発メモリ103へ出力するようにしてもよい。情報処理装置101は、新規に生成されたイメージファイルフォーマットに対して、格納された画像データが格納条件を満たしているとS205で判定された場合は、その格納条件を格納する(S207)。なお、情報処理装置101は、格納される画像データが格納条件を満たしていないとS205で判定された場合は、格納条件をイメージファイルフォーマットに含めずに、そのイメージファイルフォーマットをファイルとして不揮発メモリ103に出力しうる。情報処理装置101は、S207の後に処理をS210へ進める。
【0046】
S210では、情報処理装置101は、イメージファイルフォーマットを不揮発メモリ103等にファイルとして出力するか否かを判定する。ここでS210の処理について、
図7を用いて説明する。
図7の処理では、情報処理装置101は、まず、S209で生成されたファイル又はS206及びS207で生成されたファイルのファイルサイズが、記録先の不揮発メモリ(例えば不揮発メモリ103)の残容量サイズ以上になったかを判定する(S701)。情報処理装置101は、ファイルサイズが記憶領域の残容量サイズを超過していると判定した場合(S701でYES)には処理をS702へ進める。また、情報処理装置101は、ファイルサイズが記憶領域の残容量サイズを超過していないと判定した場合(S701でNO)には処理をS707へ進める。なお、本実施形態では、S201において新規に画像データが取得されてからS701の判定が実行されるような例を説明しているが、あらかじめ予測される撮像画像サイズに応じて、事前処理としてS701の判定が行われてもよい。
【0047】
S707では、情報処理装置101は、イメージファイルフォーマットへの画像データの格納を終了する条件に達したかを判定する。情報処理装置101は、終了条件に達したと判定した場合(S707でYES)は処理をS708へ進め、終了条件に達していないと判定した場合(S707でNO)は処理を終了する。
【0048】
S702では、情報処理装置101は、記録先として指定されている不揮発メモリ以外の不揮発メモリに残容量があるか否かを判定する。情報処理装置101は、他の不揮発メモリに残容量がある場合(S702でYES)には処理をS706へ進め、そのような残容量がない場合(S702でNO)には処理をS703へ進める。なお、S702の判定は、情報処理装置101が複数の不揮発メモリを有する場合に実行される。すなわち、情報処理装置101は、不揮発メモリ103以外の不揮発メモリを有しない場合には、S702の判定を行わず、処理をS703へ進めてもよい。なお、情報処理装置101は、例えば、不揮発メモリ103に格納されているファイルをHDD等の外部記憶装置に移して、不揮発メモリ103の残容量を拡大してもよい。
【0049】
S706では、情報処理装置101は、記録先の不揮発メモリを、残容量がある不揮発メモリへと変更する。なお、本実施形態では、記録中の不揮発メモリに残容量がある場合であっても、イメージファイルファーマットとして生成中のファイルが残容量を超えた場合に記録先を変更するようにしたが、これに限られない。例えば、記録可能な容量分だけをファイル出力し、残りの画像データを、新規のイメージファイルフォーマットに含めることにより、別の不揮発メモリに記録するようにしてもよい。
【0050】
S703では、情報処理装置101は、所定のメッセージの画面表示や所定のランプの点灯・点滅、所定の音声出力等により、画像データをこれ以上記録することができないことをユーザへ通知する。そして、情報処理装置101は、取得された画像データを破棄し(S704)、ファイル出力していないイメージファイルフォーマットがあるか否かを確認する(S705)。情報処理装置101は、ファイル出力していないイメージファイルフォーマットが存在する場合(S705でYES)は処理をS708へ進め、そのようなイメージファイルフォーマットが存在しない場合(S705でNO)は処理を終了する。S708では、情報処理装置101は、イメージファイルフォーマットを、ファイルとして不揮発メモリに出力する。
【0051】
なお、
図7の処理は、
図2のS210において実行されるほか、タイマの満了等に応じて実行されてもよい。例えば、一定期間ごとに取得された画像データを1つのイメージファイルフォーマットに格納する格納条件が定められている場合、最初の画像データがイメージファイルフォーマットに格納されてから指定の期間が経過したことに応じて、
図7の処理が実行される。また、撮像モードをユーザが切り替えたことに応じて、ファイル出力が行われるようにしてもよい。
【0052】
図2に戻り、S211では、情報処理装置101は、全てのイメージファイルを出力する条件が満たされたか否かを判定する。例えば、情報処理装置101は、画像データのイメージファイルフォーマットへの格納処理を終了するユーザ指示が受け付けられた場合に条件が満たされたと判定しうる。また、情報処理装置101は、例えば、所定期間にわたって画像データが取得されなかった場合に、条件が満たされたと判定してもよい。情報処理装置101は、条件が満たされたと判定した場合(S211でYES)にはイメージファイルを不揮発メモリ103に出力して処理を終了し、条件が満たされていないと判定した場合(S211でNO)には処理をS201に戻す。
【0053】
なお、上述の実施形態では、イメージファイルを不揮発メモリに出力すると説明したが、これに限られない。例えば、情報処理装置101は、外部の装置や、内蔵されている他の記憶装置にイメージファイルを記憶させてもよい。また、情報処理装置101は、クラウド等のシステムによって構成される場合等において、ネットワークを経由して、ファイルをクライアントに送信する等の処理を行ってもよい。
【0054】
以上のように、本実施形態では、情報処理装置101が、1つのイメージファイルフォーマットに格納される画像データが満たすべき格納条件の指定を受け付けるようにする。そして、情報処理装置101は、撮像や編集作業によって入力された画像データが、指定された条件を満たしているか否かを判定し、条件を満たしている画像データを1つのイメージファイルフォーマット内に格納する。また、情報処理装置101は、条件を満たしていない画像データについては別のイメージファイルフォーマット内に格納する。これにより、事前にユーザが指定した格納条件を満たす画像データを自動で1つのイメージファイルフォーマットにまとめることができる。
【0055】
ここで、第1の特定期間内に生成された画像データを1つのイメージファイルフォーマットに格納するような格納条件が指定されることがありうる。また、第2の特定期間内に生成されたファイルを1つのフォルダに格納するような設定がなされる場合もある。この場合、情報処理装置101は、第2の特定期間より長い第1の特定期間の指定を許容しないようにしうる。これにより、2つのフォルダに跨って記憶されるような画像データが1つのイメージファイル内に格納されないようにすることができる。このとき、
図6に示すように、フォルダ設定との関係において指定可能な条件と指定可能でない条件とが判別可能となるような表示が行われることにより、ユーザによる条件の指定時の利便性を向上させることができる。なお、第1の特定期間は、第2の特定期間より短く設定された場合であっても、2つの第2の特定期間に跨る場合もありうる。この場合、2つの第2の特定期間に跨る画像データを1つのイメージファイルフォーマットに格納してもよいし、格納しなくてもよい。すなわち、1つ目の第2の特定期間の満了に応じて1つのイメージファイルフォーマットをイメージファイルとして出力し、2つ目の第2の特定期間の開始と共に別のイメージファイルフォーマットへの画像データの格納を開始してもよい。また、情報処理装置101は、画像枚数やファイルサイズ、撮像モード、被写体やシーンなどの識別情報を格納条件として受付可能としうる。このように、様々な条件を指定して、その条件を満たす画像データを1つのイメージファイルフォーマットに格納することにより、ユーザの意図通りに画像データを格納したファイルを生成することができる。また、情報処理装置101は、ファイル内に、どのような条件を満たす画像データが格納されているかを示すメタデータを付加しうる。これにより、情報処理装置101が後にファイルを読み出す際に、また、ファイルを提供された外部の装置が、そのファイルに関する格納条件を容易に判別することができる。これにより、ファイルを取得した装置が、特定の格納条件で生成されたファイルを容易に特定し、再生等の処理を行うことができるようになる。
【0056】
また、情報処理装置101は、連続撮像等の特定の撮像条件等で生成された画像データについて、ユーザ指定の格納条件とは別に1つのファイルに格納するようにしてもよい。これによれば、画像群として意味を有することが事前に判明している一連の画像データを1つのファイルに格納することが可能となる。さらに、情報処理装置101は、ファイル出力先の残容量を考慮して、ファイル出力を制御しうる。これにより、生成中のファイルの保存先が失われないようにし、ユーザの意図通りのファイルを確実に出力することを可能としうる。
【0057】
<<その他の実施形態>>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0058】
101:情報処理装置、103:不揮発メモリ、104:ROM、105:RAM、106:制御部、107:撮像部、108:操作部、109:ファイル出力部、110:メタデータ処理部、111:符号化部、112:表示部、113:画像認識部、114:LAN制御部