(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】ウエットワイプ用の保存剤組成物
(51)【国際特許分類】
A01N 25/34 20060101AFI20221221BHJP
A01N 31/14 20060101ALI20221221BHJP
A01N 37/06 20060101ALI20221221BHJP
A01N 37/10 20060101ALI20221221BHJP
A01N 43/16 20060101ALI20221221BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20221221BHJP
A47K 7/00 20060101ALI20221221BHJP
A47L 13/17 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
A01N25/34 A
A01N31/14
A01N37/06
A01N37/10
A01N43/16 B
A01P3/00
A47K7/00 D
A47K7/00 G
A47L13/17 A
(21)【出願番号】P 2018567286
(86)(22)【出願日】2017-06-21
(86)【国際出願番号】 US2017038550
(87)【国際公開番号】W WO2017223203
(87)【国際公開日】2017-12-28
【審査請求日】2020-05-12
(32)【優先日】2016-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520061734
【氏名又は名称】アークサーダ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ARXADA, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100106080
【氏名又は名称】山口 晶子
(72)【発明者】
【氏名】サンジラルディ,アンジェラ・マリー
(72)【発明者】
【氏名】ミルズ,スーザン・アーレント
(72)【発明者】
【氏名】カタルド,ヴィト
【審査官】柳本 航佑
(56)【参考文献】
【文献】特許第6951421(JP,B2)
【文献】特表2005-535711(JP,A)
【文献】特表2013-506621(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103919689(CN,A)
【文献】米国特許第09096821(US,B1)
【文献】特表2007-532542(JP,A)
【文献】特開2010-024183(JP,A)
【文献】特開2008-295837(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 25/00-25/34
A01P 3/00
A01N 31/00-31/16
A01N 37/00-37/52
A01N 43/00-43/92
A47K 7/00
A47L 13/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記のものを含むワイピング製品:
天然繊維を含む液体吸収基材であって、天然繊維はセルロース繊維を含み、セルロース繊維は液体吸収基材の80重量%より多く形成する、液体吸収基材;ならびに
保存剤組成物を含むワイピング組成物;保存剤組成物はグルコノラクトン、安息香酸またはその塩、および保存性増強剤を含み、保存性増強剤はフェノールエーテル、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸の金属塩、ソルビン酸、またはソルビン酸の塩を含む。
【請求項2】
保存剤組成物は、ワイピング組成物中に、その組成物が細菌および真菌を含む1種類以上の微生物を阻害、死滅、および/または破壊するのに十分な量で存在する、請求項1に記載のワイピング製品。
【請求項3】
保存性増強剤が、ワイピング組成物中に、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、大腸菌(Escherichia coli)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)および/またはアスペルギルス・ブラジリエンシス(Aspergillus brasiliensis)を阻害、死滅、または破壊するのに十分な量で存在する、請求項1に記載のワイピング製品。
【請求項4】
保存性増強剤が、ワイピング組成物中に、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)を死滅、阻害および/または破壊するのに十分な量で存在する、請求項3に記載のワイピング製品。
【請求項5】
液体吸収基材が不織ウェブを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のワイピング製品。
【請求項6】
ワイピング組成物がさらにグルコン酸塩を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のワイピング製品。
【請求項7】
保存性増強剤がフェノールエーテルを含み、フェノールエーテルがフェノキシエタノールを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載のワイピング製品。
【請求項8】
安息香酸またはその塩が安息香酸ナトリウムを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載のワイピング製品。
【請求項9】
保存性増強剤がワイピング組成物中に0.5重量%未満の量で存在する、請求項1~8のいずれか1項に記載のワイピング製品。
【請求項10】
グルコノラクトンがワイピング組成物中に0.75重量%から0.2重量%までの量で存在する、請求項1~9のいずれか1項に記載のワイピング製品。
【請求項11】
安息香酸またはその塩がワイピング組成物中に0.5重量%から0.05重量%までの量で存在する、請求項1~10のいずれか1項に記載のワイピング製品。
【請求項12】
保存性増強剤およびグルコノラクトンがワイピング組成物中に5:1から1:5までの重量比で存在する、請求項1~11のいずれか1項に記載のワイピング製品。
【請求項13】
ワイピング組成物がさらに溶媒を含有する、請求項1~12のいずれか1項に記載のワイピング製品。
【請求項14】
ワイピング組成物がさらに溶媒を含み、溶媒が水、有機溶媒、またはその混合物を含む、請求項10に記載のワイピング製品。
【請求項15】
ワイピング組成物がさらに1種類以上の界面活性剤、キレーター、ビルダー塩、色素、または香料を含む、請求項1~14のいずれか1項に記載のワイピング製品。
【請求項16】
液体吸収基材がワイピング組成物で飽和されている、請求項1~15のいずれか1項に記載のワイピング製品。
【請求項17】
ワイピング組成物がさらに溶媒を含み、溶媒が水およびアルコール類の混合物を含むか、あるいは水およびグリコール類の混合物を含む、請求項10に記載のワイピング製品。
【請求項18】
グリコール類が、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,3-ブタンジオール、またはそのプロパンジオール誘導体を含む、請求項17に記載のワイピング製品。
【請求項19】
液体吸収基材がメルトブローンウェブ、コフォームウェブ、スパンボンドウェブ、エアレイドウェブ、エアレースドウェブ、水流交絡ウェブ、ボンデッドカードウェブ、またはその積層品を含む、請求項1~18のいずれか1項に記載のワイピング製品。
【請求項20】
保存性増強剤がデヒドロ酢酸ナトリウムを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のワイピング製品。
【請求項21】
保存性増強剤がソルビン酸カリウムを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のワイピング製品。
【請求項22】
下記のものを含む、天然繊維を含む液体吸収基材を保存するためのワイピング組成物であって、天然繊維はセルロース繊維を含み、セルロース繊維は液体吸収基材の80重量%より多く形成する、ワイピング組成物:
保存剤組成物;保存剤組成物はグルコノラクトン、安息香酸またはその塩、および保存性増強剤(フェノキシエタノール、有機酸または有機酸の塩を含む)を含み、有機酸または有機酸の塩は6炭素原子から8炭素原子までの炭素鎖長を有し、有機酸または有機酸の塩は環式または非環式であり、保存性増強剤はワイピング組成物中に、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)に対する生物致死性または生物制止性を組成物に付与するのに十分な量で存在し、安息香酸またはその塩およびグルコノラクトンがワイピング組成物中に5:1から1:5までの重量比で存在する。
【請求項23】
安息香酸またはその塩が安息香酸ナトリウムを含む、請求項22に記載のワイピング組成物。
【請求項24】
安息香酸またはその塩がワイピング組成物中に0.5重量%から0.05重量%までの量で存在する、請求項22または23に記載のワイピング組成物。
【請求項25】
さらにグルコネートを含む、請求項22、23または24に記載のワイピング組成物。
【請求項26】
保存性増強剤がフェノキシエタノールを含む、請求項22に記載のワイピング組成物。
【請求項27】
保存性増強剤がデヒドロ酢酸ナトリウムを含む、請求項22に記載のワイピング組成物。
【請求項28】
保存性増強剤がソルビン酸カリウムを含む、請求項22に記載のワイピング組成物。
【請求項29】
天然繊維を含むワイピング基材に適用すべきワイピング組成物を保存処理する方法であり、天然繊維はセルロース繊維を含み、セルロース繊維はワイピング基材の80重量%より多く形成する、方法であって、
1)ワイプをワイピング組成物で飽和する前に、ワイピング組成物に保存剤組成物を添加する;保存剤組成物は下記のものを含む:
a)グルコノラクトン、
b)安息香酸またはその塩、および
c)フェノキシエタノール、有機酸または有機酸の塩を含む、保存性増強剤;有機酸または有機酸の塩は6炭素原子から8炭素原子までの炭素鎖長を有し、有機酸または有機酸の塩は環式または非環式である;次いで
2)保存剤組成物をワイピング組成物と混合する;
工程を含み、その際、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)に対する生物致死性または生物制止性を組成物に付与するのに十分な量で保存性増強剤をワイピング組成物に添加し、安息香酸またはその塩およびグルコノラクトンがワイピング組成物中に5:1から1:5までの重量比で存在する方法。
【請求項30】
保存性増強剤が、ワイピング組成物中に、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、大腸菌(Escherichia coli)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、および/またはアスペルギルス・ブラジリエンシス(Aspergillus brasiliensis)に対する生物致死性または生物制止性を組成物に付与するのに十分な量で存在する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
保存性増強剤がフェノキシエタノールを含む、請求項29または30に記載の方法。
【請求項32】
保存性増強剤がデヒドロ酢酸ナトリウムを含む、請求項29または30に記載の方法。
【請求項33】
保存性増強剤がソルビン酸カリウムを含む、請求項29または30に記載の方法。
【請求項34】
グルコノラクトンがワイピング組成物中に0.75重量%から0.2重量%までの量で存在する、請求項29~33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
安息香酸またはその塩がワイピング組成物中に0.5重量%から0.05重量%までの量で存在する、請求項29~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
ワイピング組成物がさらに溶媒を含有する、請求項29~35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
溶媒が水およびアルコール類の混合物を含むか、あるいは水およびグリコール類の混合物を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
グリコール類が1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,3-ブタンジオール、またはプロパンジオール誘導体を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
ワイピング組成物がさらに1種類以上の界面活性剤、キレーター、ビルダー塩、色素、または香料を含む、請求項29~38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
その方法がさらに、ワイピング基材をワイピング組成物で飽和する工程を含む、請求項29~39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
ワイピング基材が、メルトブローンウェブ、コフォームウェブ、スパンボンドウェブ、エアレイドウェブ、エアレースドウェブ、水流交絡ウェブ、ボンデッドカードウェブ、またはその積層品を含む、請求項29~40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
ワイピング基材を保存処理するのに十分な量でワイピング組成物をワイピング基材に適用する、請求項29~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
グルコン酸塩が、グルコン酸カルシウムである、請求項6に記載のワイピング製品。
【請求項44】
グルコネートが、グルコン酸カルシウムである、請求項25に記載のワイピング組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本出願は、 U.S. Provisional Patent application Serial No. 62/353,216, 2016年6月22日出願に基づく優先権を主張し、それを本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
[0002] ウエットワイプ(wet wipe)、たとえば化粧を落とす、顔を清浄にする、おむつ交換時に乳児に使う、手を拭くなどのために用いられるものは、しばしば、効果的な清浄化の目的で配合されたワイピング(wiping)組成物を含有する。これらのワイピング組成物を近接表面に適用するために多種多様な方法および手法がある。たとえば、ある適用ではワイピング組成物をまずワイピング製品に適用し、それを次いで近接する表面または物体に適用する。一態様においては、使い捨てワイプをワイピング組成物で飽和させる。予め飽和させたワイプは多数の用途において、たとえば表面の消毒、または乳児、小児もしくは成人の皮膚の清浄化に使用するのにきわめて便利である。これらの予め飽和させたワイプは、従来の清浄化方法、たとえば石鹸と水を使用できない移動中(on-the-go)、たとえば車中、またはパブリックスペースでの使用に特に有用である。
【0003】
[0003] 予め飽和させたワイプおよび他の同様な基材の使用においてより一般的になってきた一つの問題は、基材またはワイプを微生物汚染から保護できないことである。より具体的には、基材はワイピング組成物で飽和されているけれども、抗微生物組成物を含む一般的に用いられるワイピング溶液の多くは、ワイピング基材、特にセルロースを含有するワイピング基材を攻撃することが知られている種々の微生物に対しては有効でない。
【0004】
[0004] たとえば、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia) (B. cepacia)、すなわち少なくとも18の異なる細菌種から構成されている可能性がある複合細菌群は、土壌および水中にみられ、ウエットワイプなどのワイピング基材を含めた天然基材、特にセルロース含有基材を汚染することが知られている。グラム陰性細菌であるバークホルデリア・セパシアは多くの殺菌剤および抗細菌性組成物に対してきわめて抵抗性である。ワイピング基材を汚染および/または攻撃する可能性がある他の微生物には、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、大腸菌(Escherichia coli)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、およびアスペルギルス・ブラジリエンシス(Aspergillus brasiliensis)が含まれる。
【0005】
[0005] 最近、天然の抗微生物剤を保存剤中に使用する傾向により、ワイプ基材を汚染から保護および保存することに関連する問題が激化してきた。よって、ワイピング組成物を適用するために用いられる基材に対する保存剤として使用できる保存剤組成物を含むワイピング組成物に対するニーズがある。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 一般に、本開示はワイピング製品、たとえば予め湿潤させたワイパー(wiper)に関する。ワイピング製品には、たとえば化粧用ウエットワイプ、ベビー用ウエットワイプ、またはこれらに類する他の製品を含めることができる。ワイピング製品は一般に、天然繊維、合成繊維またはその混合物を含有する基材を含む。天然繊維には、しばしばセルロース、たとえばセルロース繊維が含まれる。本開示によれば、近接する表面または物体のワイピングを容易にするだけでなく、基材自体をも微生物汚染から保護するように配合されたワイピング溶液を、ウエットワイプに適用および/または含浸する。一態様において、たとえばワイピング溶液は、微生物、特にバークホルデリア・セパシアに対して基材を保存処理するように配合される。これに関して、一態様において本開示はバークホルデリア・セパシアに対して有効なワイピング組成物に関するものでもある。
【0007】
[0007] 一態様において、本開示は液体吸収基材を含むワイピング製品に関するものであり、その液体吸収基材はセルロース繊維を含有する不織ウェブを含むことができる。セルロース繊維は、たとえばパルプ繊維を含むことができる。液体吸収基材を製造するために用いられる不織ウェブの例には、コフォームウェブ(coform)、エアレイド(airlaid)ウェブ、水流交絡(hydroentangled)ウェブなどが含まれる。本開示によれば、液体吸収基材はワイピング組成物を含有する。ワイピング組成物は、グルコノラクトン、安息香酸またはその塩、および保存性増強剤(preservative enhancing agent)を含む、保存剤組成物を含む。
【0008】
[0008] 本開示によれば、保存性増強剤は、グルコノラクトンおよび安息香酸またはその塩と組み合わせた際に得られる組成物が微生物、たとえばバークホルデリア・セパシアを阻害または破壊することができるように選択される。保存性増強剤は、たとえばフェノールエーテル、有機酸、または有機酸の塩を含むことができる。有機酸または有機酸の塩を使用する場合、保存性増強剤は約6炭素原子から約8炭素原子までの炭素鎖長をもつことができる。保存性増強剤は環式化合物または非環式化合物を含むことができる。本開示による保存性増強剤の具体例は、フェノキシエタノール、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウムなど、およびその混合物である。
【0009】
[0009] 本開示のワイピング組成物は、ワイピング組成物中に保存性増強剤、安息香酸またはその塩、および/またはグルコノラクトンがきわめて少量存在する場合ですら、液体吸収基材を微生物による攻撃に対して保護することができる。たとえば、保存性増強剤は、ワイピング組成物中に0.5%未満の量で存在することができる。グルコノラクトンは、ワイピング組成物中に約0.75%から約0.2%(重量)までの量で存在することができる。安息香酸またはその塩は、ワイピング組成物中に約0.5%から約0.05%(重量)までの量で存在することができる。グルコノラクトンと保存性増強剤および安息香酸またはその塩の組合わせは、上記の少量ですら、微生物、たとえばバークホルデリア・セパシアに対して有効であることが見出された。
【0010】
[0010] 一態様において、保存性増強剤およびグルコノラクトンはワイピング組成物中に約5:1から約1:5まで、たとえば約2:1から約1:2まで、たとえば約1.5:1から約1:1.5までの重量比で存在することができる。
【0011】
[0011] ワイピング組成物はさらなる成分および構成要素を含有することができる。たとえば、組成物は溶媒、たとえば水および/または有機溶媒を含有することができる。抗微生物性組成物は、さらに1種類以上の界面活性剤、キレーター、ビルダー塩、色素または香料を含有することができる。
【0012】
[0012] 本開示は、前記のようにグルコノラクトンを安息香酸またはその塩および保存性増強剤との組合わせで含む保存剤を含有するワイピング組成物に関するものでもある。
[0013]本開示の他の特徴および側面をより詳細に以下に述べる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0014] 本明細書の考察は例示態様にすぎず、より広い本開示の側面を限定するためのものではないことを当業者は理解すべきである。
[0015] 一般に、本開示は、基材内に保有された際に近接表面を拭くのに好適であるだけでなく基材自体を微生物による汚染に対して保護することもできるワイピング組成物に関する。基材上での微生物の増殖を阻害および防止することにより、表面を組成物で拭いている間に不都合な微生物が表面へ移行することがない。本開示は、前記のワイピング組成物を含有する液体吸収基材を含むワイピング製品に関するものでもある。
【0014】
[0016] 多くのワイピング製品、特に化粧用およびベビー用ウエットワイプは、殊にワイピング製品が天然基材、たとえば主にセルロースで構成されるものから作成されている場合は、微生物汚染を防ぐのが特に難しい。殊に基材およびワイピング溶液が天然成分から作成されている場合、ワイピング製品を種々の微生物、特にバークホルデリア・セパシアに対して汚染から保護するには問題が多いことが認められている。しかし本開示は、近接表面を拭くための穏やかなワイピング溶液を含むように配合されているだけでなく、その組成物を適用する基材を保存処理するように特別に配合されてもいる、ワイピング組成物に関する。特に有利なことに、少量の特定の構成要素を互いに組み合わせて使用することにより、多くの微生物、特にバークホルデリア・セパシアに対して劇的かつ予想外に、より良好な保存特性をもつワイピング組成物または溶液が得られることが見出された。
【0015】
[0017] 一態様において、本開示は保存剤組成物を含むワイピング組成物に関するものであり、保存剤組成物はグルコノラクトンを安息香酸またはその塩および保存性増強剤と組み合わせて含む。保存性増強剤は、穏やかでマイルドなワイピング組成物の調製においてグルコノラクトンおよび安息香酸またはその塩と相乗作用し、その組成物は適用される基材をも保護できることが認められた。グルコノラクトンはこれまでパーソナルケア用ワイプのためのワイピング溶液として用いられていた。事実、グルコノラクトンはきわめてマイルドであり、使用するのに一般的に安全である。しかし、本開示の保存性増強剤は、グルコノラクトンレベルを最小限に抑えることができる一方でバークホルデリア・セパシアなどの微生物に対して劇的な予想外の効果をもたらすように、グルコノラクトンおよび安息香酸またはその塩と共に作用することが見出された。
【0016】
[0018] 本開示によれば、グルコノラクトンおよび安息香酸またはその塩と組み合わせて用いられる保存性増強剤は、フェノールエーテル、有機酸、または有機酸の塩を含むことができ、その際、有機酸または有機酸の塩は約5炭素原子から約8炭素原子まで、たとえば約6炭素原子から約8炭素原子までの炭素鎖長をもつ。
【0017】
[0019] 前記のように、本開示は一般に、殺菌性をもつだけでなくワイピング組成物を表面に適用するために用いられる基材を種々の病原体から保護することもできるワイピング組成物を提供するために、グルコノラクトンを安息香酸またはその塩および保存性増強剤と組み合わせることに関する。一態様において、保存性増強剤はフェノールエーテルを含む。たとえば、フェノールエーテルはフェノキシアルカノール、たとえばフェノキシエタノールを含むことができる。フェノキシエタノールは天然物であり、緑茶およびチコリ中に見出される。
【0018】
[0020] 別態様において、保存性増強剤は有機酸または有機酸の塩を含むことができる。より特別には、有機酸または有機酸の塩は約5炭素原子から約8炭素原子まで、たとえば約6炭素原子から約8炭素原子までの炭素鎖長をもつことができる。有機酸または有機酸の塩は環式または非環式であってよい。一態様において、たとえば、保存性増強剤はデヒドロ酢酸またはデヒドロ酢酸の金属塩を含むことができる。一態様において、たとえば保存性増強剤はデヒドロ酢酸ナトリウムを含むことができる。デヒドロ酢酸はピロン(pyrone)誘導体である。本開示の一態様においては、デヒドロ酢酸の塩、たとえばデヒドロ酢酸ナトリウムが比較的大きな水溶性であるため配合物中に用いられる。デヒドロ酢酸ナトリウムはある酸化剤と不適合であることが知られている。しかし、デヒドロ酢酸ナトリウムはグルコノラクトンと適合性であることが見出され、事実、グルコノラクトンと組み合わせた場合には比較的低い濃度ですらバークホルデリア・セパシアに対して有効であることが認められた。
【0019】
[0021] 本開示のさらに他の態様において、保存性増強剤はソルビン酸またはソルビン酸の塩を含む。たとえば、一態様において保存性増強剤はソルビン酸カリウムを含むことができる。ソルビン酸カリウムは干し肉製品およびドライフルーツ中にみられ、天然物である。よって、ソルビン酸カリウムは米国食品医薬品庁(Food and Drug Administration)によって安全なものとして推奨されている。ソルビン酸カリウムは、本開示においてグルコノラクトンおよび 安息香酸またはその塩と組み合わせて使用する場合、予想外に細菌バークホルデリア・セパシアの増殖を抑制することが認められた。ソルビン酸カリウムは一般に殺真菌剤として知られているので、この結果は意外である。メカニズムは分かっていないが、ソルビン酸カリウムは比較的少量で存在する場合ですらグルコノラクトンおよび 安息香酸またはその塩との組合わせで種々の細菌の増殖を抑制できることが見出された。
【0020】
[0022] さらに他の態様において、保存性増強剤はさらなる量の安息香酸または安息香酸の塩を含むことができ、あるいはサリチル酸またはサリチル酸の塩を含むことができる。
【0021】
[0023] 一態様において、1種類以上の保存性増強剤を組み合わせて、グルコノラクトンおよび安息香酸またはその塩と共に使用できる。たとえば、一態様において組成物は、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、およびフェノキシエタノールのうち少なくとも2種類、たとえば少なくとも3種類を含有することができる。
【0022】
[0024] 前記のように、保存性増強剤はワイピング組成物中に比較的低い量で存在することができる。たとえば、保存性増強剤はワイピング組成物中に約1重量%未満、たとえば約0.5重量%未満、たとえば約0.4重量%未満、たとえば約0.3重量%未満、たとえば約0.2重量%未満、たとえば約0.1重量%未満の量で存在することができる。保存性増強剤は、一般に約0.001重量%より多い、たとえば約0.01重量%より多い、たとえば約0.05重量%より多い量で存在する。一態様において、保存性増強剤はワイピング組成物中に約0.1重量%から約0.45重量%までの量で存在する。
【0023】
[0025] 特に有利には、グルコノラクトンが同様に比較的少ない量で存在するように、保存性増強剤をグルコノラクトンおよび安息香酸またはその塩と組み合わせることができる。たとえば、ワイピング組成物はグルコノラクトン(たとえばδ-グルコノラクトン)を含有することができ、それはワイピング組成物中に約1.2重量%未満、たとえば約1重量%未満、たとえば約0.9重量%未満、たとえば約0.8重量%未満、たとえば約0.7重量%未満、たとえば約0.6重量%未満の量、たとえば約0.5重量%未満の量で存在することができる。グルコノラクトンは一般に、ワイピング組成物中に約0.05重量%より多い量、たとえば約0.1重量%より多い量、たとえば約0.2重量%より多い量で存在する。一態様において、グルコノラクトンはワイピング組成物中に約0.75%から約0.2%(重量)までの量で存在する。
【0024】
[0026] 保存性増強剤はグルコノラクトンと共に、一般に約5:1から約1:5まで、たとえば約2:1から約1:2まで、たとえば約1.5:1から約1:1.5までの重量比で存在する。
【0025】
[0027] 安息香酸またはその塩も、ワイピング組成物中に比較的低い量で存在することができる。たとえば、一態様において、安息香酸またはその塩はワイピング組成物中に約約1%から約0.001%(重量)まで、たとえば約0.5%から約0.05%(重量)まで、たとえば約0.3%から約0.1%(重量)までの量で存在することができる。特定の一態様において、安息香酸またはその塩は安息香酸ナトリウムを含む。安息香酸またはその塩はグルコノラクトンと共に、一般に約5:1から約1:5まで、たとえば約4:1から約1:4まで、たとえば約3:1から約1:3まで、たとえば約2:1から約1:2まで、たとえば約1.5:1から約1:1.5までの重量比で存在する。
【0026】
[0028] グルコノラクトン、安息香酸またはその塩、および保存性増強剤は、ワイピング組成物中に含有される保存剤組成物を形成する。一態様において、保存剤組成物はグルコノラクトンを約0.75%から約0.2%(重量)までの量で含有することができる。保存剤組成物は、安息香酸またはその塩を約0.3%から約0.1%(重量)までの量で含有することができる。保存剤組成物は保存性増強組成物を約0.1重量%から約0.45重量%までの量で含有することができる。
【0027】
[0029] 保存性増強剤、安息香酸またはその塩、およびグルコノラクトンのほかに、保存剤組成物は種々の他の構成要素および成分をも含有することができる。たとえば、保存剤組成物はグルコン酸塩、たとえばグルコン酸カルシウムを含有することもできる。グルコノラクトンはグルコン酸のエステルであり、一方、グルコン酸カルシウムはグルコン酸の塩である。保存剤組成物中に存在することができるグルコン酸の他の塩には、グルコン酸バリウム、グルコン酸マグネシウム、グルコン酸マンガン、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸亜鉛、およびその混合物が含まれる。グルコネートは、ワイピング組成物中にきわめて低いレベルで存在することができる。たとえば、グルコネートはワイピング組成物中に約0.5重量%未満の量で、たとえば約0.05重量%未満の量で、たとえば約0.01重量%未満の量で存在することができる。1種類以上のグルコネートがワイピング組成物中に約0.0001重量%より多い量で存在することができる。
【0028】
[0030] 本開示の保存剤組成物のほかに、ワイピング組成物は他の種々の構成要素および成分を含有することができる。たとえば、ワイピング組成物は溶媒、たとえば水を含有することができる。水は一般に、蒸留水または脱イオン水を含めた精製水である。水のほかに、有機溶媒、たとえば低級アルコール類およびグリコール類を含めた他の溶媒を使用できる。低級アルコール類の例にはエタノールおよびイソプロピルアルコールが含まれる。グリコール類の例には、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、および1,3-ブタンジオールが含まれる。さらに、プロパンジオール誘導体、たとえばメチルプロパンジオールをグリコール系溶媒として使用できる。有機溶媒の使用量に対する制限は配合物の最終用途に依存する。有機溶媒、たとえばアルコール類またはグリコール類が存在する場合、それらはワイピング溶液中に約5重量%未満の量、たとえば約3重量%未満の量、たとえば約1重量%未満の量、たとえば約0.5重量%未満の量で存在することができる。他方、水は一般に比較的多量に存在することができる。水は、ワイピング組成物中に、たとえば約60重量%より多い量、たとえば約70重量%より多い量、たとえば約80重量%より多い量、たとえば約85重量%より多い量、たとえば約90重量%より多い量、たとえば約95重量%より多い量で存在することができる。水は一般に約99.5重量%未満の量、たとえば約98重量%未満の量で存在する。
【0029】
[0031] 配合物はさらに、界面活性剤、キレーター、ビルダー塩(builder salt)、色素、香料などを含めた追加成分を含有することができる。適切な界面活性剤には非イオン界面活性剤、たとえばアミンオキシド、線状アルコールエトキシレート、第二級アルコールエトキシレート、エトキシレートエステル、ベタミン(betamine)類、ポリオキシンアルキレンポリマーおよびコポリマー、ならびにアルキルポリグリセリドが含まれるが、これらに限定されない。ワイピング溶液中に存在してもよい具体的な界面活性剤には、グルコシド、たとえばデシルグルコシドが含まれる。ワイピング溶液中に存在してもよい他の界面活性剤は、ポリソルベート非イオン界面活性剤、たとえばポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートを含む。ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートは、約10molから約30molまで、たとえば約15molから約25molまでのポリオキシエチレンを含有することができる。界面活性剤は最終配合物中に0.001重量%から10重量%までの範囲、より一般的には0.01~5重量%の範囲で存在することができる。
【0030】
[0032] 使用できるキレーターの例は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)のナトリウム塩およびカリウム塩、クエン酸、ニトリロ酢酸、ならびに種々のリン酸およびゼオライトである。キレーターは溶媒として用いる水から硬度を排除する作用をする。最終配合物中に使用できるキレーターの重量%は、0.001重量%から10重量%までの範囲、より一般的には0.01~5重量%の範囲である。
【0031】
[0033] 使用できるビルダー塩(building salt)には、メタケイ酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ニトリロトリ酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、クエン酸塩、およびゼオライトが含まれる。最終配合物中に使用できるビルダー塩の重量パーセントは、0.001から15重量%までの範囲であり、好ましい範囲は0.01~0.5重量%である。他の成分は、組成物の浄化および消毒に一般的に用いられる量で組成物に添加される。
【0032】
[0034] 前記のほかに、pH調整剤も組成物中に存してもよい。たとえば、pHを希望レベル内に維持するために、組成物は水酸化ナトリウムおよび/またはクエン酸を含有することができる。
【0033】
[0035] 本開示の特定の一態様において、ワイピング溶液はグルコシド、たとえばデシルグルコシドを、約0.1%から約2%(重量)までの量、たとえば0.15%から約0.4%(重量)までの量で含有する。組成物はポリソルベート界面活性剤、たとえばポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートを、約0.1%から約1%(重量)までの量、たとえば約0.15%から約0.4%(重量)までの量で含有することもできる。クエン酸塩、たとえばクエン酸ナトリウムは、ワイピング組成物中に約0.1%から約4%(重量)までの量、たとえば約0.5%から約2%(重量)までの量で存在することができる。さらに、ワイピング組成物はpHを希望する限界内に維持するために水酸化ナトリウムおよび/またはクエン酸を含有することができる。本開示の保存剤組成物を、ワイピング溶液中に約0.1%から約5%(重量)まで、たとえば約0.5%から約3%(重量)までの量、たとえば約1%から約2%(重量)までの量で含有させることができる。一態様において、本開示の保存剤組成物はワイピング組成物中に約1.5重量%までの量で含有される。ワイピング組成物の残部は1種類以上の溶媒、たとえば水を含むことができる。
【0034】
[0036] ワイピング組成物が配合されると、そのワイピング組成物を基材に適用する。
[0037] 本開示の配合物は、一般的な適用法を用いて基材に適用することができる。一般的な方法には、配合物を基材に吹付け、注ぎ、噴射および/またはぬぐい付ける(wiping)ことが含まれる。組成物は即時使用可能な配合物として最終利用者に提供され、あるいは容器に入れて適用手段と共に最終利用者に提供される。たとえば、エアゾールとして加圧された容器、引き金もしくはポンプスプレーヤー付きの容器、噴射(squirt)容器、または利用者が配合物を基材に注ぐことができる取り外し可能なキャップを備えた一般的な容器に入れて組成物を提供することができる。
【0035】
[0038] しかし、特に有用な適用手段のひとつは、配合物をワイパー基材に含浸させることである。この態様において、ワイプは配合物を含浸するシングルユースワイプであり、容器に保存され、それによりワイプは利用者に分配される。ワイプを入れた容器は、単一のワイプまたは数枚のワイプを収容することができる。適切な容器には、1枚のワイプ、たとえば湿ったタオレット(ナプキン)(towelette)を収容したパウチが含まれ、それを利用者が裂いて開けることができ、あるいは1回に1枚のワイプを取り出すことができるように積み重ねた状態または他の適切な形式で数枚のワイプを収容した再封可能な開口を備えたパウチであってもよい。パウチは一般に、流体不浸透材料、たとえばフィルム、コート紙もしくはホイル、またはこれらに類する他の流体不浸透材料で作成される。本発明のワイプを分配するための他の方法は、容器内のワイプにアクセスするための開口を備えた流体不浸透容器にワイプを入れるものである。容器は、流体不浸透である蓋を備えた成形プラスチック容器であってもよい。一般にその蓋は容器内のワイプにアクセスするための開口を備えているであろう。ワイプを容器から取り出すのに伴なって、利用者が次のワイプを取り出せる状態で次のワイプが容器の開口に配置されるように、容器内のワイプをインターリーブ状に(interleaved)積み重ねてもよい。あるいはワイプは連続材料の個々のワイプ間にミシン目が施された連続材料であってもよい。ミシン目付きの連続ワイプ材料は折り畳まれた形態であってもよく、あるいは巻かれた形態であってもよい。一般に、巻かれた形態では、ワイプ材料は巻かれた材料の中心から供給される。インターリーブ状の積重ねについては、ワイプが容器から取り出されるのに伴なって、利用者が必要に応じて次のワイプを取り出すために次のワイプが開口に配置される。
【0036】
[0039] 使い捨てワイプは、他の適用媒体、たとえば再利用可能なスポンジ、ラグ(rag)などに優る利点を備えている。繰り返し使用されるスポンジ、ラグなどと異なり、含浸ワイプは一回使用して廃棄される。
【0037】
[0040] 配合物をワイプに含浸させ、したがってワイプは予め湿潤しており、処理される基材に沿ってワイプを走行させるのに伴なって基材上に配合物が押し出され、または放出されるであろう。一般に、ワイピング作用により配合物が基材に放出されるように配合物をワイプに飽和させる。
【0038】
[0041] 適切なワイプ基材には、織物および不織材料が含まれる。本質的にいかなる不織ウェブ材料も使用できる。不織材料の例には、メルトブローン(meltblown)、コフォーム(coform)、スパンボンド(spunbond)、エアレイド(airlaid)、エアレースド(airlaced)、水流交絡(hydroentangled)不織布、スパンレース(spunlace)、ボンデッドカーデッド(bonded carded)ウェブ、およびその積層品が含まれるが、これらに限定されない。ワイプ基材を製造するために用いられる繊維は、セルロース繊維、熱可塑性繊維、およびその混合物であってよい。繊維は連続繊維、不連続繊維、ステープルファイバー、およびその混合物であってもよい。不織ウェブの基礎重量は、約12グラム/m2から200グラム以上までの範囲であってもよい。
【0039】
[0042] 一態様において、ワイピング組成物を含浸させた基材は有意量のセルロース系繊維を含有する。特に、本開示のワイピング組成物は製品を汚染する可能性がある微生物による攻撃からセルロース基材を保護するのに特に好適である。特定のな一態様において、たとえば基材は80%より多い、たとえば85%より多い、たとえば90%より多い、たとえば95%より多い、たとえば100%(重量)ですら、セルロース繊維から作成することができる。たとえば、一態様において、基材はパルプ繊維および結合剤からエアレースド法で作成される。基材の基礎重量は、約20gsmから約100gsmまで、たとえば約40gsmから約70gsmまで、たとえば約50gsmから約60gsmまでであってもよい。
【0040】
[0043] 本開示により作成したワイピング製品は多数の用途および適用をもつ。本開示のワイピング組成物は、一般にマイルドかつ穏やかである一方、ある程度の殺菌性も保有するように配合される。よって、ワイピング組成物は特に化粧用ワイプおよびベビー用ワイプに使用するのに好適である。ただし、本開示の組成物は、表面、たとえばカウンタートップまたは食品表面に適用するための消毒用ワイプとして使用するためにも配合できることを理解すべきである。
【0041】
[0044] 消毒剤として配合する場合、ワイピング組成物は他の種々の抗微生物剤、たとえば第四級アンモニア化合物を含有することができる。
[0045] 得られたワイピング製品は、基材に含有された時点で、液体―対―基材の重量比、約5:1から約1:1まで、たとえば約2:1から約4:1までをもつことができる。一態様において、液体―対―基材の重量比は約3対1である。本開示は以下の実施例を参照するとより良く理解できる。
【実施例】
【0042】
実施例1
[0046] ウエットワイプ用配合物で処理したウエットワイプについて28日間-保存剤有効性試験を実施した。ウエットワイプ用配合物―対―ワイプの比はおおよそ3:1であった。ウエットワイプ用配合物は、界面活性剤、乳化剤、pH調整剤、緩衝剤、溶媒、および本開示に従って配合した保存剤組成物のうちの1つを含有していた。試料1~6の保存剤組成物を表1に示す。
【0043】
【0044】
[0047] 3組のウエットワイプ試料1~6に3つの異なる微生物プールを播種した。プール1は、黄色ブドウ球菌(ATCC 6538)、大腸菌(ATCC 8739)、および緑膿菌(ATCC 9027)を含有していた。プール2は、バークホルデリア・セパシア(ATCC 25416)を含有していた。プール3は、カンジダ・アルビカンス(ATCC 10231)およびアスペルギルス・ブラジリエンシス(ATCC 16404)を含有していた。
【0045】
[0048] 播種したウエットワイプ試料それぞれにおいて、プール回収および減少率を測定した。0、1、2、7および14日目にカウントを求めた。14日目に試料を適切なプールで再攻撃し、14、15、16、21および28日目にさらにカウントを求めた。標準的なワイプ保存剤試験方法は下記のとおりであった。
【0046】
[0049] 試料1~6に、まず0日目に、1.5×106コロニー形成単位(CFU)のプール1微生物が回収されるレベルの微生物を播種し、次いで14日目に、1.2×106 CFU/ワイプが回収されるように再攻撃した。結果を表2に示す。
【0047】
【0048】
1 ワイプ当たりのコロニー形成単位
2 CFU/ワイプの減少率パーセント
NR=減少なし
[0050] 試料1~6に、まず0日目に、1.8×106 CFU/ワイプのプール2微生物が回収されるレベルの微生物を播種し、次いで14日目に、1.2×106 CFU/ワイプが回収されるように再攻撃した。表3は、プール2を初回播種した試料についての回収および減少率を示す。
【0049】
【0050】
1 ワイプ当たりのコロニー形成単位
2 CFU/ワイプの減少率パーセント
NR=減少なし
[0051] 試料1~6に、まず0日目に、1.5×105 CFU/ワイプのプール3微生物が回収されるレベルの微生物を播種し、次いで14日目に、1.4×105 CFU/ワイプが回収されるように再攻撃した。結果を表4に示す。
【0051】
【0052】
1 ワイプ当たりのコロニー形成単位
2 CFU/ワイプの減少率パーセント
NR=減少なし
実施例2
[0052] 本開示に従って配合した保存剤組成物で処理したウエットワイプについて28日間-保存剤有効性試験を実施した。ウエットワイプ試料7~12は、Suominen BIOLACE(登録商標)不織ウェブ(ALSL55WQ)基材およびウエットワイプ用配合物を用いて調製された。ウエットワイプ用配合物―対―ワイプの比はおおよそ3:1であった。ウエットワイプ用配合物は、界面活性剤、乳化剤、pH調整剤、緩衝剤、溶媒、および表5に記載する保存剤組成物のうちの1つを含有していた。
【0053】
【0054】
[0053] 3組のウエットワイプ試料7~12に3つの異なる微生物プールを播種した。プール1は、黄色ブドウ球菌(ATCC 6538)、大腸菌(ATCC 8739)、および緑膿菌(ATCC 9027)を含有していた。プール2は、バークホルデリア・セパシア(ATCC 25416)を含有していた。プール3は、カンジダ・アルビカンス(ATCC 10231)およびアスペルギルス・ブラジリエンシス(ATCC 16404)を含有していた。
【0055】
[0054] 播種したウエットワイプ試料それぞれにおいて、プール回収および減少率を測定した。0、1、2、7および14日目にカウントを求めた。14日目に試料を適切なプールで再攻撃し、14、15、16、21および28日目にさらにカウントを求めた。標準的なワイプ保存剤試験方法は下記のとおりであった。
【0056】
[0055] 試料7~12に、まず0日目に、8.90×105 CFU/ワイプのプール1微生物が回収されるレベルの微生物を播種し、次いで14日目に、5.0×105 CFU/ワイプが回収されるように再攻撃した。表6に示すように、試料7~11は7および21日目にCFU/ワイプの減少率が99%を超えた。試料7~11には残りの試験期間を通して微生物増殖のさらなるスパイクは生じなかった。これと比較して、保存処理しなかった試料12には28日間の試験期間を通して微生物増殖がみられた。
【0057】
【0058】
1 ワイプ当たりのコロニー形成単位
2 CFU/ワイプの減少率パーセント
NR=減少なし
[0056] 表7は、まず0日目に、5.0×105 CFU/ワイプのプール2微生物が回収されるレベルの微生物を播種し、次いで14日目に、4.5×105 CFU/ワイプが回収されるように再攻撃した試料についての回収および減少率を示す。試料11は、1および15日目に99%を超えるcfu/mL減少率を生じ、増殖のさらなるスパイクは生じなかった。試料7~10および12には1週目に減少がみられなかった;よって、これらの試料については再攻撃の前に試験を停止した。
【0059】
【0060】
1 ワイプ当たりのコロニー形成単位
2 CFU/ワイプの減少率パーセント
NR=減少なし
[0057] まず0日目に、6.75×104 CFU/ワイプのプール3微生物が回収されるレベルの微生物を播種した試料7~12を、14日目に、5.75×104 CFU/ワイプが回収されるように再攻撃した。試料7~11には、7および21目、すなわち両方の攻撃の1週間後に99%を超えるcfu/mL減少率が生じた。試料7~11には残りの試験期間を通して増殖のスパイクはなかった。結果を表8に示す。
【0061】
【0062】
1 ワイプ当たりのコロニー形成単位
2 CFU/ワイプの減少率パーセント
NR=減少なし
実施例3
[0058] 多数のウエットワイプ用配合物で処理したウエットワイプについて28日間-保存剤有効性試験を実施した。ウエットワイプ用配合物は、界面活性剤、乳化剤、pH調整剤、緩衝剤、溶媒、および保存剤組成物のうちの1つを含有していた。この特定の例においては、保存性増強剤のみを含有する保存剤配合物を試験し、グルコノラクトンおよび安息香酸ナトリウムの両方を含有する試料ならびに保存剤を含有しない試料と比較した。この方法で、播種したワイプ試料それぞれについての保存性増強剤のみによる微生物減少率パーセントを示す。実施例3からの結果を実施例1および実施例2からの結果と比較すると、グルコノラクトンおよび安息香酸またはその塩を含む保存剤組成物と保存性増強剤との組合わせが個々の成分単独より大きな有効性をもつことが明らかである。
【0063】
【0064】
[0059] 3組のウエットワイプ試料13~18に3つの微生物プールを播種した。プール1は、黄色ブドウ球菌(ATCC 6538)、大腸菌(ATCC 8739)、および緑膿菌(ATCC 9027)を含有していた。プール2は、バークホルデリア・セパシア(ATCC 25416)を含有していた。プール3は、カンジダ・アルビカンス(ATCC 10231)およびアスペルギルス・ブラジリエンシス(ATCC 16404)を含有していた。
【0065】
[0060] 播種したウエットワイプ試料それぞれにおいて、プール回収および減少率を測定した。0、1、2、7および14日目にカウントを求めた。14日目に試料を適切なプールで再攻撃し、14、15、16、21および28日目にさらにカウントを求めた。標準的なワイプ保存剤試験方法は下記のとおりであった。
【0066】
[0061] 試料13~18に、まず0日目に、2.82×106 CFU/ワイプのプール1微生物が回収されるレベルの微生物を播種し、次いで14日目に、5.0×106 CFU/ワイプが回収されるように再攻撃した。表10に示すように、試料13~17には、7および21目にCFU/ワイプの減少率が99%を超えた。試料13~17には残りの試験期間を通して微生物増殖のさらなる増大は生じなかった。これと比較して、保存処理しなかった試料18には28日間の試験期間を通して微生物増殖が生じた。
【0067】
【0068】
1 ワイプ当たりのコロニー形成単位
2 CFU/ワイプの減少率パーセント
TNTC=多すぎて計数できない
NR=減少なし
[0062] 表11は、まず0日目に、5.8×106 CFU/ワイプのプール2微生物が回収されるレベルの微生物を播種し、次いで14日目に、4.4×106 CFU/ワイプが回収されるように再攻撃した試料についての回収および減少率を示す。
【0069】
【0070】
1 ワイプ当たりのコロニー形成単位
2 CFU/ワイプの減少率パーセント
TNTC=多すぎて計数できない
NR=減少なし
[0063] まず0日目に、1.0×105 CFU/ワイプのプール3微生物が回収されるレベルの微生物を播種した試料13~18を、14日目に、2.1×105 CFU/ワイプが回収されるように再攻撃した。結果を表12に示す。
【0071】
【0072】
本発明の態様には、以下のものも含まれる。
態様1
下記のものを含むワイピング製品:
液体吸収基材;ならびに
保存剤組成物を含むワイピング組成物;保存剤組成物はグルコノラクトン、安息香酸またはその塩、および保存性増強剤を含み、保存性増強剤はフェノールエーテル、有機酸または有機酸の塩を含み、有機酸または有機酸の塩は約6炭素原子から約8炭素原子までの炭素鎖長を有し、有機酸または有機酸の塩は環式または非環式である。
態様2
保存剤組成物は、ワイピング組成物中に、その組成物が細菌および真菌を含む1種類以上の微生物を阻害、死滅、および/または破壊するのに十分な量で存在する、態様1に記載のワイピング製品。
態様3
保存性増強剤が、ワイピング組成物中に、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、大腸菌(Escherichia coli)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)および/またはアスペルギルス・ブラジリエンシス(Aspergillus brasiliensis)を阻害、死滅、または破壊するのに十分な量で存在する、態様1に記載のワイピング製品。
態様4
保存性増強剤が、ワイピング組成物中に、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)を死滅、阻害および/または破壊するのに十分な量で存在する、態様3に記載のワイピング製品。
態様5
液体吸収基材が不織ウェブを含む、前記態様のいずれかに記載のワイピング製品。
態様6
ワイピング組成物がさらにグルコン酸塩、たとえばグルコン酸カルシウムを含む、前記態様のいずれかに記載のワイピング製品。
態様7
保存性増強剤がフェノールエーテルを含み、フェノールエーテルがフェノキシエタノールを含む、前記態様のいずれかに記載のワイピング製品。
態様8
安息香酸またはその塩が安息香酸ナトリウムを含む、前記態様のいずれかに記載のワイピング製品。
態様9
保存性増強剤がワイピング組成物中に0.5重量%未満の量で存在する、前記態様のいずれかに記載のワイピング製品。
態様10
グルコノラクトンがワイピング組成物中に約0.75重量%から約0.2重量%までの量で存在する、前記態様のいずれかに記載のワイピング製品。
態様11
安息香酸またはその塩がワイピング組成物中に約0.5重量%から約0.05重量%までの量で存在する、前記態様のいずれかに記載のワイピング製品。
態様12
保存性増強剤およびグルコノラクトンがワイピング組成物中に約5:1から約1:5まで、たとえば約2:1から約1:2まで、たとえば約1.5:1から約1:1.5までの重量比で存在する、前記態様のいずれかに記載のワイピング製品。
態様13
ワイピング組成物がさらに溶媒を含有する、前記態様のいずれかに記載のワイピング製品。
態様14
溶媒が水、有機溶媒、またはその混合物を含む、態様10に記載のワイピング製品。
態様15
ワイピング組成物がさらに1種類以上の界面活性剤、キレーター、ビルダー塩、色素、または香料を含む、前記態様のいずれかに記載のワイピング製品。
態様16
液体吸収基材がワイピング組成物で飽和されている、前記態様のいずれかに記載のワイピング製品。
態様17
溶媒が水およびアルコール類の混合物を含むか、あるいは水およびグリコール類の混合物を含む、態様10に記載のワイピング製品。
態様18
グリコール類が、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,3-ブタンジオール、またはそのプロパンジオール誘導体を含む、態様17に記載のワイピング製品。
態様19
液体吸収基材がメルトブローンウェブ、コフォームウェブ、スパンボンドウェブ、エアレイドウェブ、エアレースドウェブ、水流交絡ウェブ、ボンデッドカードウェブ、またはその積層品を含む、前記態様のいずれかに記載のワイピング製品。
態様20
保存性増強剤がデヒドロ酢酸ナトリウムを含む、態様1~4のいずれかに記載のワイピング製品。
態様21
保存性増強剤がソルビン酸カリウムを含む、態様1~4のいずれかに記載のワイピング製品。
態様22
保存性増強剤が安息香酸ナトリウムを含む、態様1~4のいずれかに記載のワイピング製品。
態様23
下記のものを含むワイピング組成物:
保存剤組成物;保存剤組成物はグルコノラクトン、安息香酸またはその塩、および保存性増強剤(フェノキシエタノール、有機酸または有機酸の塩を含む)を含み、有機酸または有機酸の塩は約6炭素原子から約8炭素原子までの炭素鎖長を有し、有機酸または有機酸の塩は環式または非環式であり、保存性増強剤はワイピング組成物中に、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)に対する生物致死性または生物制止性を組成物に付与するのに十分な量で存在し、かつ保存性増強剤はワイピング組成物中に0.5重量%未満の量で存在し、保存性増強剤およびグルコノラクトンは約1.5:1から約1:1.5までの重量比で組成物中に存在する。
態様24
安息香酸またはその塩が安息香酸ナトリウムを含む、態様23に記載のワイピング組成物。
態様25
安息香酸またはその塩がワイピング組成物中に約0.5重量%から約0.05重量%までの量で存在する、態様23または24に記載のワイピング組成物。
態様26
さらにグルコネート、たとえばグルコン酸カルシウムを含む、態様23、24または25に記載のワイピング組成物。
態様27
保存性増強剤がフェノキシエタノールを含む、態様23に記載のワイピング組成物。
態様28
保存性増強剤がデヒドロ酢酸ナトリウムを含む、態様23に記載のワイピング組成物。
態様29
保存性増強剤がソルビン酸カリウムを含む、態様23に記載のワイピング組成物。
態様30
ワイピング基材に適用すべきワイピング組成物を保存処理する方法であって、
1)ワイプをワイピング組成物で飽和する前に、ワイピング組成物に保存剤組成物を添加する;保存剤組成物は下記のものを含む:
a)グルコノラクトン、
b)安息香酸またはその塩、および
c)フェノキシエタノール、有機酸または有機酸の塩を含む、保存性増強剤;有機酸または有機酸の塩は約6炭素原子から約8炭素原子までの炭素鎖長を有し、有機酸または有機酸の塩は環式または非環式である;次いで
2)保存剤組成物をワイピング組成物と混合する;
工程を含み、その際、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)に対する生物致死性または生物制止性を組成物に付与するのに十分な量で保存性増強剤をワイピング組成物に添加し、保存性増強剤はワイピング組成物中に0.5重量%未満の量で存在し、保存性増強剤およびグルコノラクトンは約5:1から約1:5まで、たとえば約2:1から約1:2まで、たとえば約1.5:1から約1:1.5までの重量比で組成物中に存在する方法。
態様31
保存性増強剤が、ワイピング組成物中に、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、大腸菌(Escherichia coli)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、および/またはアスペルギルス・ブラジリエンシス(Aspergillus brasiliensis)に対する生物致死性または生物制止性を組成物に付与するのに十分な量で存在する、態様30に記載の方法。
態様32
保存性増強剤がフェノキシエタノールを含む、態様30または31に記載の方法。
態様33
保存性増強剤がデヒドロ酢酸ナトリウムを含む、態様30または31に記載の方法。
態様34
保存性増強剤がソルビン酸カリウムを含む、態様30または31に記載の方法。
態様35
グルコノラクトンがワイピング組成物中に約0.75重量%から約0.2重量%までの量で存在する、態様30~34のいずれかに記載の方法。
態様36
安息香酸またはその塩がワイピング組成物中に約0.5重量%から約0.05重量%までの量で存在する、態様30~35のいずれかに記載の方法。
態様37
ワイピング組成物がさらに溶媒を含有する、態様30~36のいずれかに記載の方法。
態様38
溶媒が水およびアルコール類の混合物を含むか、あるいは水およびグリコール類の混合物を含む、態様37に記載の方法。
態様39
グリコール類が1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,3-ブタンジオール、またはプロパンジオール誘導体を含む、態様38に記載の方法。
態様40
ワイピング組成物がさらに1種類以上の界面活性剤、キレーター、ビルダー塩、色素、または香料を含む、態様30~39のいずれかに記載の方法。
態様41
その方法がさらに、ワイピング基材をワイピング組成物で飽和する工程を含む、態様30~40のいずれかに記載の方法。
態様42
ワイピング基材が、メルトブローンウェブ、コフォームウェブ、スパンボンドウェブ、エアレイドウェブ、エアレースドウェブ、水流交絡ウェブ、ボンデッドカードウェブ、またはその積層品を含む、態様30~41のいずれかに記載の方法。
態様43
ワイピング基材を保存処理するのに十分な量でワイピング組成物をワイピング基材に適用する、態様30~42のいずれかに記載の方法。
[0064] 本発明に対するこれらおよび他の改変および変更は、より具体的に特許請求の範囲に記載された本発明の精神および範囲から逸脱することなく当業者が実施できる。さらに、種々の態様の側面は全体的または部分的に相互交換できることを理解すべきである。さらに、以上の記載は例示にすぎず、特許請求の範囲にさらに記載された本発明を限定するものではないことを当業者には認識されるであろう。