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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】化粧品
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/25 20060101AFI20221221BHJP
   A61K 8/88 20060101ALI20221221BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20221221BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20221221BHJP
   A61Q 1/14 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
A61K8/25
A61K8/88
A61K8/34
A61K8/92
A61Q1/14
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019021133
(22)【出願日】2019-02-08
(65)【公開番号】P2019137677
(43)【公開日】2019-08-22
【審査請求日】2022-01-05
(31)【優先権主張番号】P 2018024077
(32)【優先日】2018-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】大賀 光
(72)【発明者】
【氏名】文 春明
(72)【発明者】
【氏名】千葉 桐子
(72)【発明者】
【氏名】本橋 亜衣
(72)【発明者】
【氏名】森下 薫
【審査官】松井 一泰
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-262816(JP,A)
【文献】特開2007-223994(JP,A)
【文献】特開2003-104868(JP,A)
【文献】特開平05-097629(JP,A)
【文献】特開昭62-212315(JP,A)
【文献】特開2005-047893(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/90
A61Q 1/00- 90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の香料の香りを弱める香料除去用組成物であって、前記香料を溶解させる溶媒と、
溶解した前記香料を吸着する複数の孔を有する多孔質粉末とを含む香料除去用組成物が固形油分と混合練成されてなる固形状消香体と、
前記所定の香料を含む固体の化粧料と、
一端部に前記固形状消香体を固着し、他端部に前記固体の化粧料を固着した棒状の支持体と、
からなるスティック状の化粧品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は香料除去用組成物、より詳しくは、化粧品等に含まれる香料からの香りを消すための組成物に関するものである。本発明はさらに、上述のような香料除去用組成物を用いた消香体および化粧品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、香料によって賦香された化粧品や医薬品が広く実用に供されている。香料による香りは一般に、化粧品等の使用者やその周囲の者を良い気分にさせるものであるが、例えば食事に際しては、そのような香りを消したいこともある。さらには、使用者が、ある香りを発する化粧品を使用しているとき、使用者の気分や周囲状況等の変化に応じて、別の香りを楽しみたくなった場合には、現在の香りを一度消すことも望まれる。
【0003】
一般に、肌からの臭いを除去する方法としては、肌に付着した臭気成分をコットンパフや濡れティッシュ等で拭い去る方法、加齢臭等の臭気成分を他の芳香成分によってマスキングする方法等が知られている。しかし、香料には様々な香気成分が含まれているため、上述のように特定の臭気成分を消臭する技術では、香料からの香りを十分に消すことは困難となっている。
【0004】
香料からの香りを消す技術については未だ十分に研究がなされていないが、その種の技術の一つとして、例えば特許文献1に示される香料除去用組成物が知られている。この香料除去用組成物は、
(a)水と、
(b)エタノールと、
(c)水:エタノールの質量比が1:1の水エタノール混合溶液に1質量%以上溶解するカルボン酸エステル類及び/又は多価アルコール類から選ばれる1種又は2種以上と、
を含むものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-262816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に示されている香料除去用組成物は、香料中の香気成分を拭き取るために使用されるものであるので、拭き取りが不十分な場合は、香料の香りを良好に除去できないこともある。
【0007】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、香料からの香りを良好に消すことができる香料除去用組成物を提供することを目的とする。本発明はさらに、上述のような香料除去用組成物を用いた消香体および化粧品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による香料除去用組成物は、所定の香料の香りを弱める香料除去用組成物であって、香料を溶解させる溶媒と、溶解した香料を吸着する複数の孔を有する多孔質粉末とを含むことを特徴とするものである。
【0009】
なお上記の多孔質粉末は、比表面積が30m/g以上であるものが望ましい。
【0010】
また、多孔質粉末として具体的には、粉末シリカやナイロンパウダーが好適に用いられ得る。
【0011】
本発明の香料除去用組成物において、多孔質粉末として特に粉末シリカが用いられる場合は、香料除去用組成物全体の質量に対する多孔質粉末の質量の比をA、多孔質粉末の比表面積をB(m/g)としたとき、
4≦A×B≦400
の関係が満たされることが望ましい。
【0012】
他方、上記溶媒として具体的には、液状油分あるいはアルコールが好適に用いられ得る。
【0013】
本発明はさらに、以上述べた香料除去用組成物を用いた種々の形態の消香体を提供するものである。そのような消香体の一つは、本発明による香料除去用組成物が、固形油分と混合練成されてなる固形状消香体である。
【0014】
また本発明は、棒状の支持体の一端部に上記本発明による固形状消香体が固着され、他端部に所定の香料、つまり上記固形状消香体が香りを消す対象である香料を含む固体の化粧料が固着されてなるスティック状の化粧品を提供するものである。
【0015】
また、本発明による別の消香体は、本発明による香料除去用組成物が、シート状の担体に担持されてなるシート状消香体である。
【0016】
また、本発明によるさらに別の消香体は、本発明による香料除去用組成物と、噴射剤とを含むエアゾール状消香体である。
【発明の効果】
【0017】
本発明による香料除去用組成物は、香料を溶解させる溶媒と、溶解した香料を吸着する
複数の孔を有する多孔質粉末とを含むものであるので、この香料除去用組成物によれば、
溶媒により溶解した香料を多孔質粉末に吸着させて、香料からの香りを良好に消すことが
できる。なお、この「香りを良好に消す」とは、香りを完全に消すことに限らず、香りを
十分に弱めることも含むものである。本発明による消香体や化粧品は、上述した通りの香
料除去用組成物を用いて構成されたものであるから、同様に、香料からの香りを良好に消
し得るものとなる。
また特に本発明による化粧品は、棒状の支持体の一端部に固形状消香体が固着され、他端部に固体の化粧料が固着されてスティック状とされたものであるから、以下の効果も奏する。すなわち、使用者が化粧料を用いて化粧をした後に化粧料からの香りが好みに合わないようなものであることを感じた場合は、このスティック状化粧品を化粧時から一端、他端が入れ替わるように素早く保持状態を変えて消香操作に移れるので、その香りを極めて迅速に消すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態によるスティック状の化粧品を示す斜視図
図2】本発明の第2実施形態によるシート状消香体を示す斜視図
図3】本発明の第3実施形態によるエアゾール状消香体を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態によるスティック状の化粧品10の斜視形状を示すものである。図示される通りこのスティック状の化粧品10は、棒状の支持体11と、この支持体11の一端部11aに固着された固形状消香体13と、支持体11の他端部11bに固着された化粧料14とを有する。化粧料14は、固形状消香体13が香りを消す対象である香料を含むものであって、例えば固形の、いわゆる練香水である。なお化粧料14はそのような練香水に限らず、香料を含むその他の固形の化粧品、例えば口紅等であってもよい。さらに、そのような化粧料14の代わりに、固形状消香体13が香りを消す対象である香料を含む医薬品や医薬部外品等が、上記他端部11bに固着されてもよい。
【0020】
棒状の支持体11の長さ方向中央部は、固形状消香体13や化粧料14を使用する際に使用者によって把持される、概略円筒状の把持部12に連結されている。また把持部12には、固形状消香体13を覆うキャップ15と、化粧料14を覆うキャップ16とが離脱可能に組み合わされるようになっている。
【0021】
なお、キャップ15および16は、特に設けなくても構わない。そのようにする場合は、従来公知の繰り出し機構を適用して、固形状消香体13および化粧料14の一方あるいは双方を、把持部12内に退避かつ把持部12外に露出可能に、把持部12の長手方向に出退自在に構成しておくことが望ましい。
【0022】
次に、固形状消香体13の組成について説明する。下に示す表1~3は、56個のサンプルについて、固形状消香体13を構成する香料除去用組成物の組成例と、各組成例を適用した固形状消香体13の評価結果とを示すものである。これらの表1~3においては、各列が1つのサンプルの組成例と評価結果とを示している。そして、最上行に「実」と記してある組成例は本発明における実施例としての組成例を示し、最上行に「比」と記してある組成例は本発明に対する比較例としての組成例を示している。表中の数値は、固形状消香体13を構成する香料除去用組成物全体の質量に対する各成分の比(単位は質量%)を示している。そして香料除去用組成物の評価のうち、香りを弱める能力に関する評価は、良い評価から悪い評価に向かって◎(非常に優れている)、〇(優れている)、△(効果が認められる)、×(実用不可)の4段階で評価した。この評価が◎、〇あるいは△である香料除去用組成物が本発明による香料除去用組成物であり、それらが固形状消香体13に適用され得る。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
本実施形態における固形状消香体13は、例えば実施例1の組成を有する香料除去用組成物が混合練成されてなる固形状消香体である。この香料除去用組成物は、より具体的には、
下記3種類
マイクロクリスタリンワックス・・・2質量%、
ポリエチレンワックス・・・1質量%、
パラフィンワックス・・・6質量%
の固形油分(ワックスベース)と、
球状粉末である粉末シリカA・・・30質量%と、
液状油分であるトリ-2-エチルへキサン酸グリセリル・・・残量
とから構成されている。
【0027】
上記粉末シリカAは、具体的には、平均粒子径が5μmで、比表面積が200~400m/gの多孔質粉末である。表1~3には、多孔質粉末が上記以外の粉末シリカである場合について、それらを粉末シリカB~Lとして示してある。なお上記3種類の固形油分(ワックスベース)は、固形状消香体13を固形に練り上げるために用いられている。
【0028】
一方、本実施形態における固形状消香体13が香りを消す対象としている化粧料14である練香水は、例えば以下の表4に示す組成を有する。なお、この表4における「配合量」は、全体の質量に対する各成分の比(質量%)で示してある。
【0029】
【表4】
【0030】
化粧料14としての練香水は、通常のものと同様に、使用者の肌に塗布することにより、香りを楽しむために使用される。こうして化粧料14を塗布した後、その塗布部分に固形状消香体13を塗布すると、化粧料14中の香水による香りを良好に消すことができる。これは、香水が溶媒としての液状油分によって溶解し、溶解した香水が多孔質粉末である粉末シリカAに良好に吸着されるからである。なお、上記の溶媒としては、液状油分の他にアルコール等も好適に用いることができる。
【0031】
なお、表1~3に示される通り、粉末シリカA等からなる多孔質粉末は、香りを良好に消すためには、比表面積が30m/g以上であるものが望ましい。
【0032】
また、本発明の香料除去用組成物において、多孔質粉末が特に粉末シリカである場合は、香料除去用組成物全体の質量に対する多孔質粉末の質量の比をA、多孔質粉末の比表面積をB(m/g)としたとき、
4≦A×B≦400・・・(1)
の関係が満たされることが望ましい。なお表1~3では、上記質量の比を質量%で示しているから、Aの値は表1~3中の値の1/100となる。また表1~3では、上記A×Bの値を、各実施例または比較例の最下行に示している。
【0033】
本発明者の研究によると、香料除去用組成物において使用される多孔質粉末の比表面積Bが大であるほど、より少量の多孔質粉末で、香料の香りを消す効果が得られることが判った。つまり本発明の香料除去用組成物において多孔質粉末は、溶解した香水を吸着するように作用するので、比表面積(質量当たりの表面積)が大きい多孔質粉末ほど、香りを良好に消す上で必要な全体の量は少なくて済むものと考えられる。そこから、A×Bの値は、ある範囲内に収束すると予想されるので、前述した評価が◎、〇あるいは△である実施例の香料除去用組成物について実際のAおよびBの値からA×Bの値を計算したところ、多孔質粉末が粉末シリカである場合は全て、上記(1)式が満足されていることが確認された。
【0034】
なお表1~3において、本発明の実施例である香料除去用組成物について、上記(1)式を満足しているA×Bの値は、背景を濃くして示している。多孔質粉末が粉末シリカではなく、メタクリル酸メチルクロスポリマーからなる実施例53でも、上記(1)式は満足されている。その一方、多孔質粉末が酸化チタン、水酸化Al、ステアリン酸からなる実施例55および、多孔質粉末がナイロン(ナイロン-12)のパウダーからなる実施例56では、上記(1)式は満足されていない。
【0035】
次に図2を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態は、本発明による香料除去用組成物22が、例えば不織布等からなるシート状の担体21に担持されてなるシート状消香体20である。このようなシート状消香体20で、香料が付着した肌等の部分を拭えば、この場合も前述したのと同じ理由により、香料の香りを消すことができる。
【0036】
なお、このシート状消香体20を構成する香料除去用組成物22は、第1実施形態で用いられた固形油分(ワックスベース)、つまり消香体を固形に練り上げるための固形油分を含まなくてもよい。したがって、この香料除去用組成物22としては、例えば表1~3に本発明の実施例として示した香料除去用組成物から、固形油分を除いたものを好適に用いることができる。この点は、以下に述べる第3実施形態で用いられる香料除去用組成物についても同様に言えることである。
【0037】
次に図3を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。この第3実施形態は、エアゾール缶31と、このエアゾール缶31に取り付けられた、噴射口32を含む噴射ノズル33と、エアゾール缶31内に噴射剤と共に収容された本発明による香料除去用組成物と、エアゾール缶31に取り付けられたキャップ34とからなるエアゾール状消香体30である。このようなエアゾール状消香体30から、香料が付着した肌等の部分に香料除去用組成物を吹き付ければ、この場合も前述したのと同じ理由により、香料の香りを消すことができる。
【0038】
次に、本発明による香料除去用組成物のさらに別の実施例について、表5および表6を参照して説明する。
【0039】
【表5】
【0040】
上記表5に、本発明の実施例57および58、並びに本発明に対する比較例59としての香料除去用組成物の組成を示す。同表では、全体の質量に対する各成分の比を質量%で示している。これらの香料除去用組成物は、例えば前述した図2のシート状消香体20を構成するために使用されている。シート状消香体20におけるこれら3例の香料除去用組成物の香りを弱める能力は、前述した4段階評価によれば、記載順にそれぞれ〇、〇、×であった。
【0041】
ここで、各香料除去用組成物における成分について詳しく説明する。水はイオン交換水であり、香料を分散させる分散媒として作用する。エタノールは、濃度が95度の一般アルコールである。このエタノールは、香料を溶解させる溶媒として作用する。分散あるいは溶解した香料を吸着する多孔質粉末としての粉末シリカAの平均粒子径および比表面積は、前述した通りである。また粉末シリカMは、具体的には日揮触媒化成株式会社製のサティニアM-5であり、その平均粒子径は4~8μm、比表面積は150~180m/gである。また、同じく多孔質粉末としてのポリメチルシルセスキオキサン(球状シリコーン樹脂微粒子)は、株式会社タナック製のトスパール145Aであり、その平均粒子径は4.5μm、比表面積は20m/gである。キレート剤であるEDTA-3Naとして具体的には、ナガセケムテックス製のものが用いられている。なお、このキレート剤が添加されていることにより、香料除去用組成物の乳化安定性が改善されている。
【0042】
上に述べたように実施例57および58の香料除去用組成物は、香りを弱める能力の評価が〇(優れている)であるのに対し、比較例59としての香料除去用組成物の評価は×(実用不可)であることから判断すると、比較例59で用いられている多孔質粉末としてのポリメチルシルセスキオキサンは、本発明の香料除去用組成物を構成する上では不適であると考えられる。
【0043】
【表6】
【0044】
上記表6に、本発明の実施例60および61、並びに本発明に対する比較例62としての香料除去用組成物の組成を示す。同表では、全体の質量に対する各成分の比を質量%で示している。これらの香料除去用組成物は、例えば前述した図3のエアゾール状消香体30を構成するために使用されている。エアゾール状消香体30におけるこれら3例の香料除去用組成物の香りを弱める能力は、前述した4段階評価によれば、記載順にそれぞれ〇、〇、×であった。
【0045】
ここで、各香料除去用組成物における成分について詳しく説明する。液状油分のシクロペンタシロキサンとして具体的には、信越化学工業株式会社製のエキセコールD-5が用いられている。同じく液状油分のジフェニルシロキシフェニルトリメチコンとして具体的には、信越化学工業株式会社製のシリコーンオイルKF-56が用いられている。同じく液状油分のエチルヘキサン酸セチルとして具体的には、日光ケミカルズ株式会社製のNIKKOL CIOが用いられている。以上述べた3つの液状油分は、香料を溶解させる溶媒として作用する。
【0046】
他方、溶解した香料を吸着する多孔質粉末としての粉末シリカA、粉末シリカMおよびポリメチルシルセスキオキサン(球状シリコーン樹脂微粒子)は、それぞれ上述した実施例57、実施例58、および比較例59におけるものと同じものが適用されている。界面活性剤であるPEG-10ジメチコンとしては、信越化学工業株式会社製のシリコーンSC9450Nが用いられている。
【0047】
各例の各香料除去用組成物は、例えば質量比で9倍のLPガスと混合されて、図3のエアゾール状消香体30を構成する。先に述べたように実施例60および61の香料除去用組成物は、香りを弱める能力の評価が〇(優れている)であるのに対し、比較例62としての香料除去用組成物の評価は×(実用不可)であることから判断すると、比較例62で用いられている多孔質粉末としてのポリメチルシルセスキオキサンは、本発明の香料除去用組成物を構成する上では不適であると考えられる。
【符号の説明】
【0048】
10 スティック状の化粧品
11 支持体
11a 支持体の一端部
11b 支持体の他端部
13 固形状消香体
14 化粧料
20 シート状消香体
21 シート状の担体
22 香料除去用組成物
30 エアゾール状消香体
31 エアゾール缶
32 噴射ノズル
図1
図2
図3