(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】商品陳列システム
(51)【国際特許分類】
A47F 5/00 20060101AFI20221221BHJP
B65G 1/08 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
A47F5/00 Z
B65G1/08 A
B65G1/08 J
(21)【出願番号】P 2019022917
(22)【出願日】2019-02-12
【審査請求日】2022-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】722012006
【氏名又は名称】サンデン・リテールシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】新谷 佑輔
(72)【発明者】
【氏名】細谷 哲生
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-158836(JP,A)
【文献】特開平06-024528(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 5/00
B65G 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店内に面して配置され、商品を保管する保管庫と、
前記保管庫に設けられ、前記店内に臨み、該店内に向けて前記商品を陳列する陳列棚と、を備えた店舗に設けられる商品陳列システムにおいて、
前記保管庫に配設され、前記陳列棚に前記商品を陳列する陳列装置を有し、
前記陳列装置は、
供給される
複数の前記商品を保持する
とともに前方に連続して送り出す保持部と、
前記保持部に保持された前記商品
が連続して送り込まれるとともに前記陳列棚に
連続して送り出す送出部と、を含む商品陳列システム。
【請求項2】
前記陳列装置は、前記保持部に保持された前記商品を受取る受取部を含み、
前記保持部には、該保持部に保持される前記商品が前記受取部に移動することを制止可能な制止部が設けられており、
前記送出部は、前記受取部を介して前記保持部に
並んで保持された
複数の前記商品を前記陳列棚に
連続して送り出す、請求項1に記載の商品陳列システム。
【請求項3】
前記保持部は、前記保管庫に配設されており、
前記保管庫の壁には、該保管庫の外部に向かって開放し、前記保持部と接続する供給部が形成される、請求項2に記載の商品陳列システム。
【請求項4】
前記受取部は、載置された前記商品を移動させる移送機であり、前記陳列棚の前記店内とは反対側の端部に沿って配設される、請求項2または3に記載の商品陳列システム。
【請求項5】
前記送出部には、前記受取部によって移動する商品の移動方向を変更するガイドが設けられる、請求項4に記載の商品陳列システム。
【請求項6】
前記陳列装置は、前記受取部及び前記送出部を上下方向に昇降することが可能な昇降部をさらに含む、請求項2~5のいずれか一項に記載の商品陳列システム。
【請求項7】
前記保管庫に設けられ、前記商品を保管する保管棚と、
前記保管庫の壁に設けられる扉と、を有し、
前記保管棚は、前記壁に沿って配設され、
前記扉は、前記保管棚に対応する位置に設けられる、請求項1~6のいずれか一項に記載の商品陳列システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は商品陳列システムに係り、特に作業員による商品の陳列補充作業の負担を軽減する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンビニエンスストアでは、商品の陳列補充作業は該コンビニエンスストアの従業員(作業員)の手作業によって行われている。このような商品の陳列補充作業は、従業員にとって重労働となっている。特に、飲料水等の低温下で陳列される商品の陳列補充作業は、従業員が該低温下で商品を保管する保管庫の中で長時間作業をすることになるため、好ましいことではない。
【0003】
そこで、従業員に代わり、商品の陳列補充作業を全自動で行う商品搬送システムが開発されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、コンビニエンスストアを含めた小売業においては、来店客が比較的多い時間帯や比較的少ない時間帯がまばらであり、来店客が比較的多い時間帯にのみ従業員の人数を増やすことは管理者等にとって容易なことではない。したがって、このような小売店では、来店客が比較的少ない時間帯に手が余った従業員が商品の陳列補充作業をすることで、商品の陳列補充作業に要する時間や人件費等の問題を軽減することが一般的である。
【0006】
ここで、上記特許文献1に開示される技術について鑑みると、商品搬送システムに用いるような大掛かりな装置をコンビニエンスストアのような小規模な店舗に設置することは、当該装置を設置するためのスペースを確保することや、設置にかかる費用を回収することが難しいという問題がある。
【0007】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、比較的小規模かつ安価な構成にして、商品の陳列補充作業に係る作業員の労力を軽減させることができる商品陳列システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明の商品陳列システムは、店内に面して配置され、商品を保管する保管庫と、前記保管庫に設けられ、前記店内に臨み、該店内に向けて前記商品を陳列する陳列棚と、を備えた店舗に設けられる商品陳列システムにおいて、前記保管庫に配設され、前記陳列棚に前記商品を陳列する陳列装置を有し、前記陳列装置は、供給される複数の前記商品を保持するとともに前方に連続して送り出す保持部と、前記保持部に保持された前記商品が連続して送り込まれるとともに前記陳列棚に連続して送り出す送出部と、を含むことを特徴とする。
【0009】
好ましくは、前記陳列装置は、前記保持部に保持された前記商品を受取る受取部を含み、前記保持部には、該保持部に保持される前記商品が前記受取部に移動することを制止可能な制止部が設けられており、前記送出部は、前記受取部を介して前記保持部に並んで保持された複数の前記商品を前記陳列棚に連続して送り出すとよい。
【0010】
好ましくは、前記保持部は、前記保管庫に配設されており、前記保管庫の壁には、該保管庫の外部に向かって開放し、前記保持部と接続する供給部が形成されるとよい。
好ましくは、前記受取部は、載置された前記商品を移動させる移送機であり、前記陳列棚の前記店内とは反対側の端部に沿って配設されるとよい。
【0011】
好ましくは、前記送出部には、前記受取部によって移動する商品の移動方向を変更するガイドが設けられるとよい。
好ましくは、前記陳列装置は、前記受取部及び前記送出部を上下方向に昇降することが可能な昇降部をさらに含むとよい。
【0012】
好ましくは、前記保管庫に設けられ、前記商品を保管する保管棚と、前記保管庫の壁に設けられる扉と、を有し、前記保管棚は、前記壁に沿って配設され、前記扉は、前記保管棚に対応する位置に設けられるとよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の商品陳列システムによれば、陳列棚に商品を陳列する陳列装置が店舗に備えられた保管庫に配設されるようにしたので、店舗に設置するために必要なスペースを小さくすることができる。また、例えば従業員によって供給される商品を保持部によって保持したあと、送出部によって陳列棚に商品を送り出すことで、従業員による商品陳列棚への陳列補充作業を陳列装置によって行うことができる。
【0014】
これにより、比較的小規模かつ安価な構成にして、陳列補充作業に係る従業員の労力を軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に係る自動陳列棚が配置された店舗の間取り図である。
【
図5】左前方から視た、商品陳列ユニットにおける搬送装置周辺の斜視図である。
【
図6】左後方から視た、商品陳列ユニットにおける搬送装置周辺の斜視図である。
【
図7】コントローラの接続関係を示すブロック図である。
【
図9】
図1中の矢視Aで視た商品保管棚及びその周辺の正面図である。
【
図10】
図1中の矢視Bで視た商品供給部及びその周辺の正面図である。
【
図11】搬送制御部が実行する搬送制御により、商品が棚板の各レーンに陳列される態様を説明する説明図である。
【
図12】搬送制御部が実行する搬送制御により、商品が棚板の各レーンに陳列される態様を説明する説明図である。
【
図13】搬送制御部が実行する搬送制御により、商品が棚板の各レーンに陳列される態様を説明する説明図である。
【
図14】搬送制御部が実行する搬送制御により、商品が棚板の各レーンに陳列される態様を説明する説明図である。
【
図15】別実施例に係る第1方向変換器の斜視図である。
【
図16】さらなる別実施例に係る第1方向変換器の斜視図である。
【
図17】さらなる別実施例の変形例に係る第1方向変換器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
図1を参照すると、本発明に係る自動陳列棚9が配置された店舗1の間取り図が示されている。店舗1は、例えば商品を小売りするコンビニエンスストアである。この店舗1には、カウンタ3、常温棚5、冷蔵棚7及び本発明に係る自動陳列棚9が配置されている。
【0017】
カウンタ3は、来店客が店内2で選んだ商品を購入する際に会計を行うレジカウンタである。常温棚5は、常温で保管及び陳列することが可能な商品を陳列する商品陳列棚である。冷蔵棚7は、常温より低い低温(例えば5℃)で保管及び陳列する必要がある商品を陳列する商品陳列棚である。
【0018】
自動陳列棚9は、冷蔵室11(保管庫)及び通路13(外部)を備えた商品陳列棚であり、店内2に面するように冷蔵室11が配置され、冷蔵室11の店内2とは反対側に通路13が配置されている。この自動陳列棚9は、来店客がガラス戸9a(
図2参照)を店内2側に開放することで商品100を取り出すことが可能である。
【0019】
また、自動陳列棚9は、後述する商品陳列棚24に商品100を陳列する陳列補充作業を自動で行うことができる。以下、説明の便宜上、冷蔵室11から視て店内2に臨む方向を前方といい、通路13に臨む方向を後方という。
【0020】
冷蔵室11は、室内の温度を低温(一定温度)に保たれた部屋であり、ドア21を開けることで従業員(作業員)が入ることが可能な所謂ウォークインである。この冷蔵室11には、商品保管棚23(保管棚)、商品陳列棚24(陳列棚)及び商品陳列ユニット40(陳列装置)が配設されている。
【0021】
図2を参照すると、
図1中I-I断面の断面図が示されている。商品保管棚23は、例えば冷蔵棚7や陳列棚に陳列する商品100を保管する棚であり、後述する断熱壁31に沿って配設されている。すなわち、冷蔵室11の室内が低温に保たれているため、商品保管棚23に保管される商品100もまた、低温に保たれる。
【0022】
商品陳列棚24は、本体25及び棚板27を備えている。本体25は、商品陳列棚24の本体を形成するフレームである。棚板27は、略水平であって、前端27aが下方に傾くように本体25に複数、上下方向に並んで支持されている。この棚板27の上側の面には、例えば図示しないローラが複数設けられている。これにより、商品100は、棚板27の通路13側の後端27b(端部)に載置されると、前方に向かってスムーズに移動することができる。
【0023】
また、棚板27の上側の面には、前後方向に延びるレーンが左右方向に複数設けられている(後述する
図5参照)。したがって、棚板27は、商品100を各レーンに種類ごとに分けて陳列することができる。商品陳列ユニット40は、棚板27に商品100を陳列する装置である。詳しくは後述する。
通路13は、従業員等が立入ることが可能な区画である。この通路13は、例えば伝熱性の低い断熱壁31(壁)によって冷蔵室11と隔たれている。
【0024】
断熱壁31には、商品取出扉33(扉)及び商品供給部35(供給部)が設けられている。商品取出扉33は、商品保管棚23に対応する位置に設けられており、開放することで商品保管棚23に商品100を陳列して保管することや、保管された商品100を後方から取り出すことが可能な扉である。商品供給部35は、商品陳列ユニット40に商品100を供給するため、断熱壁31に設けられた開口である。
【0025】
このように断熱壁31に商品取出扉33が設けられることで、従業員が冷蔵室11に入ることなく商品100を取り出すことができるため、冷蔵室11の前後方向の長さを狭めることができるので、自動陳列棚9を店舗1に設置するために必要なスペースを小さくすることができる。ゆえに、冷蔵室11内の温度を均一にするために必要な冷蔵装置(不図示)を小型化することや、冷却に必要なエネルギを軽減させることができる。
【0026】
商品陳列ユニット40は、商品陳列棚24の後側に設けられた装置であり、商品供給部35から供給された商品100を棚板27の後端27bに載置することができる。
図3及び
図4を参照すると、商品陳列ユニット40の側面図及び正面図が示されている。また、
図5及び
図6を参照すると、左前方及び左後方から視た、商品陳列ユニット40における搬送装置47周辺の斜視図が示されている。商品陳列ユニット40は、フレーム41、昇降装置43(昇降部)、搬送装置47及びバケット45(保持部)を備えている。
【0027】
フレーム41は、昇降装置43及び搬送装置47を支持する骨格である。昇降装置43は、支持台51及び駆動機53を備えている。支持台51は、フレーム41の左右の柱部材41aに亘って上下方向に移動可能に配設されている。この支持台51は、レール51a及び支持脚51bを有している。
【0028】
レール51aは、搬送装置47の後述する第2方向変換器62を左右方向に移動可能に支持する柱部材である。支持脚51bは、柱部51c及び取付部51dを備え、下向きに略コの字状に形成された平板部材であり、レール51aの左右端部にそれぞれ取り付けられている。柱部51cは、レール51aの前端及び後端から上方に延びて形成された前後一対の支持柱である。取付部51dは、前後一対の柱部51cの上端に亘って前後方向に延びて形成されている。
【0029】
駆動機53は、昇降レール53a、昇降用ベルト53b、昇降モータ53c及びカウンタウエイト53dを有している。昇降レール53aは、フレーム41右側の柱部材41aに形成された上下方向に延びるレールである。この昇降レール53aは、支持台51が前後方向及び左右方向に移動することを規制しつつ、上下方向については移動可能となるように支持台51を支持している。
【0030】
昇降用ベルト53bは、前後方向内側にギア歯が形成されたタイミングベルトであり、上部で昇降モータ53cに係止ししつつ下方に延びている。この昇降用ベルト53bは、前側の端部が支持台51に、後側の端部がカウンタウエイト53dにそれぞれ取り付けられている。この昇降モータ53cは、昇降レール53aの上端に設けられており、駆動することで昇降用ベルト53bを牽引することが可能である。
【0031】
また、昇降モータ53cは、駆動することで昇降用ベルト53bを駆動することが可能である。カウンタウエイト53dは、例えば支持台51の質量と略同一質量の錘である。
【0032】
これにより、駆動機53は、昇降モータ53cを駆動することで、昇降用ベルト53bを牽引して支持台51を昇降レール53aに沿って上下方向に移動させることや、支持台51とカウンタウエイト53dとの質量を吊り合わせることで支持台51を所定の位置で停止させることができる。
【0033】
バケット45は、一端が断熱壁31に固定され、他端が前方に向かって延びて形成される台である。このバケット45は、ストック部45a、ゲート45b(制止部)及びゲートモータ45cを有している。
【0034】
ストック部45aは、バケット45の上側に形成され、前後方向に延びる凹状であり、断熱壁31に設けられた商品供給部35から商品100が供給されると、該商品100を保持することが可能である。このストック部45aは、略水平であって前側がわずかに下方に傾くように傾斜している。このストック部45aの上側の面には、例えば図示しないローラが複数設けられている。
【0035】
ゲート45bは、バケット45の前端に上下方向に回動可能に取り付けられており、上方に向かって延びるように位置するとき、ストック部45a上に載置された商品100を静止させる(ゲートOFF状態)。一方、ゲート45bは、前方に向かって延びるように位置するとき、ストック部45aの上面と略平行な面を形成する(ゲートON状態)。ゲートモータ45cは、ゲート45bに取り付けられた電動モータであり、ゲート45bを回動させることができる。
【0036】
したがって、バケット45は、ゲート45bがゲートOFF状態のとき、商品供給部35から供給される商品100を静止させることができる。また、ゲート45bがゲートON状態となることで、静止した商品100を前方に向かって送り出すことができる。
【0037】
搬送装置47は、棚板27の商品100に対応するレーンにバケット45から送り込まれる商品100を搬送する装置である。この搬送装置47は、コンベア60(受取部)、第1方向変換器61及び第2方向変換器62(送出部)を有している。
【0038】
コンベア60は、ベルト60a(送出部)及び該ベルト60aを支持する支持フレーム60bを有する所謂ベルトコンベア装置であり、ベルト60a上に載置される商品100をベルト60aが回動する方向に移動させることができる。ここで、ベルト60aが回動する方向とは、上側の面が左右方向に移動するよう回動する方向をいい、コンベア60を作動制御することでベルト60aの回動する方向を変更することができる。また、コンベア60は、支持フレーム60bが支持台51の取付部51dに固定されている。
【0039】
第1方向変換器61は、第1支持骨格61a及び第1ガイド61bを有しており、コンベア60の右側に配設されている。第1支持骨格61aは、下端が支持フレーム60bに取り付けられ、上方に延びて形成される骨格部材である。第1ガイド61bは、円弧状の第1カーブ部61cが形成された部材であり、第1支持骨格61aに上下方向を軸にして回動可能に取り付けられている。この第1ガイド61bは、回動軸中心がベルト60aの前後方向略中央に位置する。
【0040】
ここで、第1方向変換器61は、第1ガイド61bを回動させることで、第1カーブ部61cの前側の端部が左側に位置する貯蓄態様及び第1カーブ部61cの後側の端部が左側に位置する搬出態様に切り替わることができる。
【0041】
第2方向変換器62は、左右方向に移動可能となるようにレール51aに配設されている。この第2方向変換器62は、左右駆動部62a、第2支持骨格62b及び第2ガイド62c(ガイド)を有している。この左右駆動部62aは、例えばレール51aに配設されたモータ62eを駆動することで第2方向変換器62を左右方向に移動させることができる。
【0042】
第2支持骨格62bは、左右駆動部62aの後部から上方に延びて形成された骨格部である。第2ガイド62cは、第2支持骨格62bに固定されて取り付けられており、コンベア60のベルト60aに対応する位置に配設されている。また、第2ガイド62cは、第1ガイド61bと同様に第2カーブ部62dが形成されており、ベルト60aに載置されて移動する商品100を棚板27に送り出すことができる。
【0043】
さらに、搬送装置47には、第1支持骨格61aの上部にカメラ71が、断熱壁31の商品取出扉33の上方には取出モニタ73が、商品供給部35の左方には供給モニタ75がそれぞれ配設されている。また、カメラ71、取出モニタ73及び供給モニタ75並びに上記した各種モータと電気的に接続するコントローラ77が例えば断熱壁31に配設されている。
【0044】
カメラ71は、商品100の後方に配設され、前方斜め下方向を撮像する撮像装置であり、コンベア60のベルト60aの上面と上下方向において同じ高さに位置する棚板27に陳列された商品100を撮像している。
【0045】
取出モニタ73は、商品取出扉33から商品100を取り出す従業員に向けて表示する液晶モニタであり、商品100の陳列状況や補充が必要な商品を従業員に通知することができる(後述する
図9参照)。供給モニタ75は、商品100のうち供給する商品100の供給手順を表示する液晶モニタであり、複数種類ある商品のうちのどの商品を何個、どのような順番で供給するべきかを従業員に通知することができる(後述する
図10参照)。
【0046】
コントローラ77は、総合的な制御を行うための制御装置であり、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(CPU)等を含んで構成されている。
【0047】
図7を参照すると、コントローラ77の接続関係を示すブロック図が示されている。コントローラ77の入力側には、カメラ71が電気的に接続されており、カメラ71が撮像する撮像情報が入力されている。このコントローラ77は、陳列状況判定部81、供給順序判定部83、モニタ制御部85及び搬送制御部87を有している。
【0048】
図8を参照すると、カメラ71が撮像した撮像情報が示されている。以下、
図8に基づき、陳列状況判定部81による陳列状況判定について説明する。なお、説明の便宜上、コンベア60のベルト60aの上面と上下方向において同じ高さに位置する棚板27を当棚板27dといい、上方の棚板27を上棚板27uという。
【0049】
カメラ71は、一例として、当棚板27dの各レーンのうち、一番右側のレーンLa、その左隣のレーンLb、さらにその左隣のレーンLcの3つのレーンを撮像している。ここで、レーンLaには商品100A、レーンLbには商品100B、レーンLcには商品100Cがそれぞれ一列に載置されている。この商品100A、100B、100Cは、例えば無色透明のペットボトル製の容器を用いた飲料製品であり、キャップ101のみ有色の樹脂製である。
【0050】
ところで、例えば照射した赤外線を受信することで測距する赤外線センサを用いることについて鑑みると、無色透明の容器は、照射した赤外線が乱反射するため、誤検知を生じる虞がある。
【0051】
そこで、陳列状況判定部81は、カメラ71が撮像した画像を基に、キャップ101の上端から上棚板27uの直上の下面後端27bまでの距離を測ることで各レーンLa、Lb、Lcに載置されている商品100A、100B、100Cそれぞれの数を判定する。
【0052】
詳しくは、陳列状況判定部81には、商品100A、100B、100Cの高さ及び径などの商品情報や、当棚板27dの前後長さ及び当棚板27dの上面から上棚板27uの直上の下面後端27bまでの距離などの棚情報が予め従業員等によって登録されている。これら商品情報や棚情報に基づき、キャップ101の上端から上棚板27uの直上の下面後端27bまでの距離ha、hb、hcによって各レーンLa、Lb、Lcに陳列される商品100A、100B、100Cの数を示す指標102を作成することができる。
【0053】
したがって、陳列状況判定部81は、キャップ101の上端から上棚板27uの直上の下面後端27bまでの距離ha、hb、hc及び商品100の数の関連性に基づいた指標102を予め記憶することができる。
【0054】
そして、キャップ101の上端から上棚板27uの直上の下面後端27bまでの距離が、レーンLaは距離haであるとすると、陳列状況判定部81は、商品の数を示す指標102に基づいて陳列状況判定をすることにより、例えば距離haは「3本」の線に最も近い長さなので、商品100Aの本数は3本であると判定する。同様に、レーンLbは距離hb、レーンLcは距離hcであるとすると、陳列状況判定部81は、商品100Bの本数は1本であり、商品100Cの本数は5本であると判定する。
【0055】
このように、カメラ71が撮像した撮像情報を基にレーンLa、Lb、Lcに陳列される商品100A、100B、100Cの数を判定することで、誤検知等を発生させることなく商品100の陳列状況を判定することができる。
【0056】
なお、陳列状況判定部81は、キャップ101の上端から上棚板27uの直上の下面後端27bまでの距離を測るように説明したが、2段上の棚板27の下面後端27bまでの距離を測るようにしてもよく、キャップ101の上端から当棚板27dの直下の後端27bまでの距離を測るようにしてもよく、上棚板27uや当棚板27dに目印を設け、該目印からの距離を測るようにしてもよい。
【0057】
このようにキャップ101の上端から基準部までの距離を測るうえで、基準部を当棚板27dの直下の後端27bとすることで、最上段の棚板27においても商品100の本数を数えることができる。また、上棚板27uや当棚板27dに目印を設け、該目印からの距離を測ることで、例えば棚板27の後端27bがカメラ71によって撮像しにくい色や形状であっても、良好に陳列状況判定をすることができる。
【0058】
図7に戻り、供給順序判定部83は、陳列状況判定部81によって判定された陳列状況から、どの商品をどのような順序で供給するのが最適な陳列順序かを判定する判定部である。具体的には、商品100A、100B、100Cが1レーン当たり6本載置されると必要十分な陳列補充状態(良陳列補充状態)であるとすると、レーンLa、Lb、Lcがすべて良陳列補充状態となるためには、商品100Cを1本、商品100Bを5本、商品100Aを3本陳列補充する必要がある。
【0059】
ここで、良陳列補充状態とは、商品100A、100B、100Cが1レーン当たりに載置可能な本数の例えば2/3のことを示す。これにより、例えば来店客が一度商品100を手に取ったあと商品100を陳列補充し、その後さらに来店客が商品100を棚板27に戻すような場合であっても、商品100が棚板27の後端27bから溢れることを抑制することができる。
【0060】
したがって、例えばレーンLc、レーンLb、レーンLa、といったように、左側のレーンから順に商品100C、100B、100Aを陳列する場合は、バケット45のストック部45aに、商品100Cが1本、商品100Bが5本、商品100Aが3本、前側からこのような順番で並んで載置されていると効率よく各商品100を陳列することができる。
【0061】
すなわち、供給順序判定部83は、バケット45のストック部45aに商品100Cが1本、商品100Bが5本、商品100Aが3本、前側からこのような順番で並んで載置され、レーンLc、レーンLb、レーンLa、の順に商品100を陳列することが最も効率のよい陳列順序であることを判定することができる。
【0062】
モニタ制御部85は、供給順序判定部83によって判定された最適な陳列順序に基づき、商品保管棚23から取り出す商品100の種類及び本数並びに商品100A、100B、100Cの供給順序を取出モニタ73及び供給モニタ75に表示させる。ここで、上記具体例によると、商品100Aを3本、商品100Bを5本、商品100Cを1本、商品保管棚23から取り出す必要がある。
【0063】
図9を参照すると、
図1中の矢視Aで視た商品保管棚23及びその周辺の正面図が示されている。商品保管棚23の上方には、取出モニタ73が配設されている。取出モニタ73には、商品100A、100B、100Cの棚の位置及び取り出す本数が表示されている。
【0064】
具体的には、まず、例えば図示しない管理PC(コンピュータ)等で各商品100が商品保管棚23のどの位置に保管されているか(保管位置情報)を予め登録しておく。このように予め登録された保管位置情報に基づき、商品保管棚23のうち、左の列の上から2番目に商品100Cが保管されていることを示す、C(商品100C):2(上から2番目)-1(1本)という表示が左の列の上方に表示される。同様に、商品100A、100Bについても、「対応する商品名:棚の位置-取り出す本数」が表示されている。
【0065】
これにより、従業員は、取出モニタ73に表示された数の商品100A、100B、100Cを効率的に取り出すことができる。したがって、従業員が商品保管棚23から商品100A、100B、100Cを探す手間や商品取出扉33を長時間開放することによる冷蔵室11の温度上昇を軽減することができる。
【0066】
図10を参照すると、
図1中の矢視Bで視た商品供給部35及びその周辺の正面図が示されている。商品供給部35の近傍には、供給モニタ75が配設されている。この供給モニタ75には、供給順序判定部83によって判定された最適な陳列補充順序に基づき、商品100A、100B、100Cの供給順序及びその本数が示されている。
【0067】
上記具体例によると、商品100Cを1本、商品100Bを5本、商品100Aを3本、前側からこのような順番でバケット45のストック部45aに載置されるように商品100を供給することが望ましい。そこで、商品100Cを1本、次に商品100Bを5本、最後に商品100Aを3本、それぞれ供給することを通知する。
【0068】
これにより、従業者は、供給モニタ75に表示された順序で商品100Cを1本、商品100Bを5本、商品100Aを3本、このような順番で商品供給部35からバケット45のストック部45aに供給することで、商品100A、100B、100Cが前側から最適な順番でバケット45のストック部45aに載置されるように商品100を供給することができる。
【0069】
図11~14を参照すると、搬送制御部87が実行する搬送制御により、商品100A、100B、100Cが棚板27のレーンLa、Lb、Lcに陳列補充される態様を説明する説明図が示されている。以下、
図11~14に沿い、搬送制御部87が実行する搬送制御の一例について説明する。
【0070】
まず、商品100CをレーンLcに搬送するべく、本実施形態における搬送制御では、ゲート45bをゲートOFF状態からゲートON状態に切換える。これにより、商品100Cは、ストック部45aからベルト60aに向かって移動する。そして、商品100Cがゲート45bを1本超えると、再びゲート45bをゲートON状態からゲートOFF状態に切換える。ここで、商品100Cがゲート45bを1本超えたか否かの判定は、例えば図示しない赤外線センサにより、キャップ101がゲート45bを通過したことを検出するようにし、ストック部45aからゲート45bを通過する商品100の本数をカウントすればよい。
【0071】
また、
図11によると、第1方向変換器61は、第1カーブ部61cの後端が後方を臨むように第1ガイド61bを回動させる貯蓄態様となっている。したがって、商品100Cは、ストック部45aからゲート45bを通過してベルト60aに載置されるとき、第1カーブ部61cにより移動方向を左方向に滑らかに変更することができる。
【0072】
また、商品100Cがベルト60aに載置されるとき、搬送制御では、ベルト60aの上面が左方向に移動するようにベルト60aを回動する。これにより、ベルト60aに載置された商品100Cは、より滑らかにベルト60aに載置され、その後も左方向に移動することができる。
【0073】
また、搬送制御では、第2ガイド62cの前端がレーンLcの左端に位置するように第2方向変換器62を移動させる。なお、ゲート45bをゲートOFF状態からゲートON状態にする前に予め第2方向変換器62を当該位置に位置させておくようにしてもよい。
【0074】
したがって、商品100Cは、ベルト60aによって左方向に移動する途中で第2ガイド62cに接触し、第2カーブ部62dによりレーンLcに向かって移動する。これにより、搬送制御では、ベルト60aに載置された商品100Cの移動する方向をレーンLcに向かう方向に変換してレーンLcに供給することができる。
【0075】
次に、
図12によると、商品100BをレーンLbに搬送するべく、搬送制御では、ゲート45bをゲートOFF状態からゲートON状態に切換え、第2ガイド62cの前端がレーンLbの左端に位置するように第2方向変換器62を移動させる。このとき、レーンLbに搬送する商品100Bは5本であるため、商品100Cがゲート45bを5本超えると、再びゲート45bをゲートON状態からゲートOFF状態に切換える。
【0076】
このように、複数の商品100をレーンに搬送するような場合は、必要な本数の商品100がゲート45bを通過するまでゲート45bをゲートON状態にすることで、短時間に複数の商品100を一度に搬送することができる。なお、商品100Bがベルト60aに載置され、レーンLbに搬送される過程は商品100CをレーンLcに搬送するときと同様のため、ここでの説明は省略する。
【0077】
次に、
図13によると、商品100AをレーンLaに搬送するべく、搬送制御では、ゲート45bをゲートOFF状態からゲートON状態に切換え、第2ガイド62cの前端がレーンLcの左端より左側に位置するように第2方向変換器62を移動させる。
【0078】
そして、商品100CをレーンLcに搬送するときと同様にベルト60aに載置された商品100Aは、ストック部45aに載置されていた3本すべてがゲート45bを通過してベルト60aに載置される。ここで、3本の商品100Aすべてがベルト60aに載置されると、搬送制御部87は、ベルト60aの回転を止める。このようにして、搬送制御部87は、コンベア60のベルト60a上に商品100を載置して保持することができる。
【0079】
ここで、
図14によると、搬送制御部87は、第1方向変換器61を制御して第1カーブ部61cの前端が前方を臨むように第1ガイド61bを回動させる搬出態様にする。その後、搬送制御部87は、ベルト60aの上面が右方向に移動するようにベルト60aを回動して商品100Aを右方向に移動させる。これにより、搬送制御では、第1カーブ部61cにより、商品100Aの移動方向を右方向から前方向に滑らかに変更することで、ベルト60aからレーンLaに商品100Aを搬送することができる。
【0080】
ところで、棚板27は、上記したように本体25に複数、上下方向に並んで支持されている。そこで、例えば最も下方に位置する棚板27に商品100を陳列補充する場合は、
図13のようにコンベア60のベルト60a上に商品100を載置して保持し、当該棚板27に対応する位置まで搬送装置47を降下させて商品100を陳列補充する(
図2参照)。これにより、ひとつの搬送装置47で複数の棚板27に商品100を陳列補充することができる。
【0081】
図15を参照すると、別実施例に係る第1方向変換器161の斜視図が示されている。本実施形態に係る別実施例として、第1方向変換器61に代わり、第1方向変換器161が備えられている。別実施例における第1方向変換器161には、第1ガイド161bが設けられている。この第1ガイド161bは、第1カーブ部61cの代わりに平板を複数折り曲げた第1カーブ部161cが形成されている。
【0082】
これにより、前側の面161dに商品100を当てることで前方に移動する勢いを減じてからベルト60a上に商品100を載置することができる。
【0083】
図16を参照すると、さらなる別実施例に係る第1方向変換器261の斜視図が示されている。本実施形態に係るさらなる別実施例として、第1方向変換器61に代わり、第1方向変換器261が備えられている。さらなる別実施例における第1方向変換器261には、第1回動ガイド261bが設けられている。この第1回動ガイド261bは、上方から視て十字状に形成されており、上下方向に延びる中心軸261cを軸にして回動することができる。
【0084】
また、第1回動ガイド261bは、図示しないモータにより、回転及び静止を制御して繰り返すことができる。これにより、第1回動ガイド261bの回動するタイミングを調整することで、バケット45から搬送装置47に移動する商品100がベルト60a上に載置される時期を制御することができる。
【0085】
図17を参照すると、さらなる別実施例の変形例に係る第1方向変換器361の斜視図が示されている。本実施形態に係るさらなる別実施例の変形例として、第1方向変換器61に代わり、第1方向変換器361が備えられている。さらなる別実施例の変形例における第1方向変換器361には、第1回動ガイド361b(第1移動方向変更部、第3移動方向変更部、複合変更部材、板状のガイド)が設けられている。
【0086】
この第1回動ガイド361bは、図示しないモータにより、中心軸361cを軸にして回動することが可能な平板部材であり、本実施形態における第1方向変換器61と同様に商品100の移動方向を変更することができる。すなわち、バケット45からコンベア60に移動しようとする商品100の移動方向に対し、第1回動ガイド361bの向きを上方から視て例えば45°で商品100と当接するようにして貯蓄態様となり、コンベア60から棚板27に移動しようとする商品100の移動方向に対し、第1回動ガイド361bの向きを上方から視て例えば45°で商品100と当接するようにして搬出態様となる。
【0087】
これにより、第1回動ガイド361bは、簡単な構成にして商品100の移動方向を変更することができる。なお、第1回動ガイド361bは中心軸361cを軸にして回動することが可能な構成としたが、第1回動ガイド361bの一端に中心軸361cが位置するような構成にしてもよい。
【0088】
以上説明したように、本発明に係る商品陳列システムでは、店内2に面して配置され、商品100を保管する冷蔵室11と、冷蔵室11に設けられ、店内2に臨み、該店内2に向けて商品100を陳列する商品陳列棚24と、を備えた店舗1に設けられる商品陳列システムにおいて、冷蔵室11に配設され、商品陳列棚24に商品100を陳列する商品陳列ユニット40を有し、商品陳列ユニット40は、供給される商品100を保持するバケット45と、バケット45に保持された商品100を商品陳列棚24に送り出すコンベア60のベルト60a及び第2方向変換器62と、を含む。
【0089】
従って、商品陳列棚24に商品100を陳列補充する商品陳列ユニット40が店舗1に備えられた冷蔵室11に配設されるようにしたので、店舗1に設置するために必要なスペースを小さくすることができる。また、従業員によって供給される商品100をバケット45によって保持したあと、第2方向変換器62によって商品陳列棚24に商品100を送り出すことで、例えば従業員による陳列補充作業のうち、商品陳列棚24に商品100を陳列補充する作業を商品陳列ユニット40によって行うことができる。
【0090】
また、商品陳列ユニット40は、バケット45に保持された商品100を受取るコンベア60を含み、バケット45には、該バケット45に保持される商品100がコンベア60に移動することを制止可能なゲート45bが設けられており、第2方向変換器62は、コンベア60を介してバケット45に保持された商品100を商品陳列棚24に送り出す。
【0091】
従って、バケット45に保持される商品100がコンベア60に移動することをゲート45bによって制止すること及びバケット45に保持された商品100を、コンベア60を介して第2方向変換器62により商品陳列棚24に送り出すようにしたので、バケット45に保持される商品100の一部をコンベア60に移動させたあと、ゲート45bによりバケット45に保持される商品100がコンベア60に移動することを制止し、該制止中にコンベア60に移動した商品100を第2方向変換器62によって商品陳列棚24に送り出すことができる。ゆえに、例えば従業員が商品100をバケット45に供給することを妨げることなく、第2方向変換器62により商品100を商品陳列棚24に送り出すことができる。
【0092】
また、バケット45は、冷蔵室11に固定されており、冷蔵室11の断熱壁31には、通路13に向かって開放し、バケット45と接続する商品供給部35を形成したので、例えば従業員が商品100をバケット45に供給するときに一定の位置から該供給作業をすることができる。
【0093】
また、コンベア60は、載置された商品100を移動させる移送機であり、商品陳列棚24の冷蔵室11側の後端27bに沿って配設されたので、コンベア60を冷蔵室11に設置するために必要なスペースをより小さくすることができる。
【0094】
また、第2方向変換器62には、コンベア60によって移動する商品100の移動方向を変更する円弧状の第2ガイド62cが設けられる。
従って、コンベア60に載置されて移動する商品100の移動方向を円弧状の第2ガイド62cによって変更して商品陳列棚24に該商品100を送り出すようにしたので、簡単な構成にして商品100を商品陳列棚24に送り出すことができる。
【0095】
また、商品陳列ユニット40は、コンベア60及び第2方向変換器62を上下方向に昇降することが可能な昇降装置43をさらに含む。
従って、昇降装置43により、コンベア60及び第2方向変換器62を上下方向に昇降可能にしたので、例えば商品陳列棚24が、複数の棚板27を上下方向に並べて構成されている棚であっても、コンベア60及び第2方向変換器62を昇降させて商品100を各棚板27に陳列補充することができる。
【0096】
そして、冷蔵室11に設けられ、商品100を保管する商品保管棚23と、冷蔵室11の断熱壁31に設けられる商品取出扉33と、を有し、商品保管棚23は、断熱壁31に沿って配設され、商品取出扉33は、商品保管棚23に対応する位置に設けられたので、例えば従業員が冷蔵室11に入ることなく、商品取出扉33を開けて商品保管棚23から商品100を取り出すことができる。
【0097】
特に、このように商品保管棚23と商品取出扉33とを冷蔵室11に設けることで、商品100を商品保管棚23に陳列補充する際に従業員が冷蔵室11に入ることなく作業をすることができるので、陳列補充作業に係る従業員の労力を軽減させることができる。
【0098】
さらには、従業員が冷蔵室11に入ることなく作業をすることができるため、冷蔵室11の前後方向の長さを狭めることができるので、本発明に係る商品陳列システムを店舗1に設置するために必要なスペースをさらに小さくすることができる。
【0099】
ゆえに、冷蔵室11内の温度を均一にするために必要な冷蔵装置(不図示)を小型化することや、冷却に必要なエネルギを軽減させることができる。
【0100】
以上で本発明に係る商品陳列システムの説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、本実施形態では、供給順序判定部83によって判定される陳列補充順序を説明したが、上記陳列補充順序は一例であり、適宜変更するようにしてもよい。
【0101】
また、本実施形態では、取出モニタ73を用いて商品100A、100B、100Cが保管される商品取出扉33を案内するようにしたが、商品取出扉33にランプを設けるようにしてもよい。
【0102】
また、本実施形態では、コンベア60を用いてバケット45から棚板27に商品100を移送するようにしたが、商品100をバケット45から棚板27に直接移送するようにしてもよい。この場合、ストック部45aは、略水平であって前側がわずかに下方に傾くように傾斜しているため、バケット45に保持された商品100を棚板27に送り出す送出部の機能を兼ねる。
【0103】
また、本実施形態では、商品陳列ユニット40の設置費用軽減のため、従業員が商品保管棚23から商品100を取り出し、商品供給部35から商品陳列ユニット40に商品100を供給するようにしたが、商品保管棚23に保管される商品100を商品供給部35から商品陳列ユニット40に従業員の手に依らずに供給するようにしてもよい。
【0104】
また、本実施形態では、室内の温度を低温に保たれた冷蔵室11を用いて説明したが、温かい飲料を扱う保管庫であってもよく、常温であってもよい。
【0105】
また、本実施形態に係る別実施例及びさらなる別実施例では、第1方向変換器61に代わり第1方向変換器161、261を備えるようにして説明したが、第2方向変換器62に代わり同様の構成の第2方向変換器を設けるようにしてもよい。
【0106】
また、本実施形態では、カメラ71を商品100の後方に備えるようにして説明したが、商品100の前方に備えるようにしてもよい。
また、本実施形態では、レーンLa(所定のレーン)を一番右側のレーンにして説明したが、一番左側のレーンであってもよく、左右方向中央であってもよい。
【0107】
また、本実施形態では、カメラ71は、一番右側のレーンLa、その左隣のレーンLb、さらにその左隣のレーンLcの3つのレーン、すなわち左右方向に並んで構成された複数のレーンLの最後尾を撮像するように説明したが、上下方向に並んで構成された複数のレーンの最後尾を撮像するようにしてもよい。
【0108】
または、カメラ71は、支持台51によって上下方向に移動可能な搬送装置47に配設されることで、上下方向に移動可能としたが、搬送装置47を左右方向にも移動可能にしてもよい。
【0109】
また、本実施形態では、陳列状況判定部81は、キャップ101の上端から上棚板27uの直上の下面後端27bまでの距離を測るように説明したが、上棚板27uの下面後端27bにおける任意の位置を基準にして距離を測定するようにしてもよい。
【0110】
また、本実施形態では、カメラ71を搬送装置47の第1方向変換器61に取り付けたが、コンベア60及び第2方向変換器62に取り付けるようにしてもよい。
【0111】
また、本実施形態において単に「陳列」とした記載には、陳列と補充とが含まれるものとしてよい。
【符号の説明】
【0112】
1 店舗
2 店内
11 冷蔵室(保管庫)
13 通路(外部)
23 商品保管棚(保管棚)
24 商品陳列棚(陳列棚)
27 棚板
27b 後端(端部)
31 断熱壁(壁)
33 商品取出扉(扉)
35 商品供給部(供給部)
40 商品陳列ユニット(陳列装置)
43 昇降装置(昇降部)
45 バケット(保持部)
45b ゲート(制止部)
60 コンベア(受取部)
60a ベルト(送出部)
62 第2方向変換器(送出部)
62c 第2ガイド(ガイド)
100 商品