(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/36 20060101AFI20221221BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20221221BHJP
G09G 3/34 20060101ALI20221221BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20221221BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20221221BHJP
G02F 1/1343 20060101ALI20221221BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 670J
G09G3/34 J
G09G3/20 660Q
G09G3/20 641E
G02F1/133 580
G02F1/133 535
G02F1/13 505
G02F1/1343
G02F1/13357
(21)【出願番号】P 2019035698
(22)【出願日】2019-02-28
【審査請求日】2021-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000166948
【氏名又は名称】シチズンファインデバイス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(72)【発明者】
【氏名】両角 克也
【審査官】橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-323311(JP,A)
【文献】特開2010-139978(JP,A)
【文献】特開2007-212712(JP,A)
【文献】特開2002-372700(JP,A)
【文献】特開平08-334746(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0255021(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0084994(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/36
G09G 3/20
G09G 3/34
G02F 1/133
G02F 1/13
G02F 1/1343
G02F 1/13357
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルへ光を供給する光源と、
前記液晶表示パネルから射出される光を検出する光検出器と、
を備えた液晶表示装置であって、
前記液晶表示パネルは、画像を表示する有効表示領域と、前記有効表示領域の周囲に設けられると共に画像を表示する機能を有する周辺領域とを有し、
前記光源は、
前記有効表示領域に向かって可視光を射出すると共に、前記周辺領域に向かって赤外光を射出し、
前記光検出器は、前記周辺領域から射出される前記赤外光を検出し、
前記液晶表示パネルは、フィールドシーケンシャル方式により1フレーム期間単位で1つの画像を表示し、
前記1フレーム期間は、赤、緑、青の各色に対応する複数のフィールド期間を有し、
前記光検出器による前記赤外光の検出は、前記複数のフィールド期間のそれぞれにおいて行われ、
前記液晶表示パネルは、前記複数のフィールド期間のそれぞれにおいて前記光検出器が検出する前記光の輝度が互いに等しくなるように駆動される、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記有効表示領域と前記周辺領域との間には、互いの領域を空間的に区切る平板状の仕切りが設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記光検出器による前記赤外光の検出は、前記液晶表示パネルの液晶の駆動状態をリセットする電圧を全画素に同時に印加するリセット期間に行われる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記光検出器により検出された前記赤外光の輝度の経時的な変化を検知し、それに基づいて、前記液晶表示パネルの液晶に電圧が印加され始めてから当該液晶が一方の安定状態から他方の安定状態へ完全に遷移するまで、前記光源から
前記可視光の射出が開始されるタイミングを遅らせる、ことを特徴とする請求項1~3の何れか一つに記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置に搭載される液晶表示パネルは、例えば、第一基板と第二基板とを配向膜を形成した面を互いに対向させてシール材を介し貼り合わせることで生じた隙間に液晶を注入したものである。この液晶表示パネルを回路基板と電気的に導通させ、回路基板を介して液晶に所定の電圧を印加することで画像の表示が行われる。
【0003】
一般的に液晶表示パネルにおいては、液晶に所定の電圧を長時間印加すると液晶表示パネルの画像に焼き付き等の表示異常が発生してしまう。
【0004】
また、液晶表示パネルの液晶層の上下に互いに異なる物質(電極等)を配置すると、物質の仕事関数が異なるために、液晶中の残留イオンにより電気層が形成されてしまう。この電気層による電位差の影響を無くすために、液晶に印加する駆動電圧を生産初期状態において予め調整しているが、経年使用による温度変化等の影響でイオンの移動が生じ、生産初期状態に対して電位が大きく変化すると、生産初期状態において調整を行った駆動電圧では液晶に印加される電圧が適正ではなくなり、正常な画像表示が行われなくなる。
【0005】
液晶表示パネルに正常な画像が表示されているかどうかは、例えば、液晶表示パネルから射出される光の輝度を検出することにより検知することができる。このような技術としては、例えば、特許文献1に記載された技術が知られている。特許文献1に記載された技術では、プロジェクタの投射光学系の周辺に光路を遮断しないよう輝度センサを設け、この輝度センサにより、液晶表示パネルの表示領域中央から射出される光の輝度を検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された技術では、液晶表示パネルの表示領域中央から射出される光をそこから離れた位置に設置された輝度センサにより検出しているため、検出される光が弱く、光を正確に検出することができないという問題が発生する恐れがある。
【0008】
本発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、液晶表示パネルから射出される光を正確に検出することが可能な液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルへ光を供給する光源と、前記液晶表示パネルから射出される光を検出する光検出器と、を備えた液晶表示装置であって、前記液晶表示パネルは、画像を表示する有効表示領域と、前記有効表示領域の周囲に設けられると共に画像を表示する機能を有する周辺領域とを有し、前記光検出器は、前記周辺領域から射出される光を検出する液晶表示装置とする。
【0010】
前記有効表示領域と前記周辺領域との間には、互いの領域を空間的に区切る仕切りが設けられている液晶表示装置であっても良い。
【0011】
前記光源は、不可視光を射出し、前記光検出器は、前記周辺領域から射出される前記不可視光を検出する液晶表示装置であっても良い。
【0012】
前記液晶表示パネルは、フィールドシーケンシャル方式により1フレーム期間単位で1つの画像を表示し、前記1フレーム期間は、赤、緑、青の各色に対応する複数のフィールド期間を有し、前記光検出器による前記光の検出は、前記複数のフィールド期間のそれぞれにおいて行われ、前記液晶表示パネルは、前記複数のフィールド期間のそれぞれにおいて前記光検出器が検出する前記光の輝度が互いに等しくなるように駆動される液晶表示装置であっても良い。
【0013】
前記光検出器による前記光の検出は、前記液晶表示パネルの液晶の駆動状態をリセットするリセット期間に行われる液晶表示装置であっても良い。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、液晶表示パネルから射出される光を正確に検出することが可能な液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態における反射型液晶表示パネルの(a)平面図、(b)断面図。
【
図2】本発明の実施形態における反射型液晶表示装置の断面図。
【
図3】本発明の実施形態における反射型液晶表示装置の駆動を示すタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<反射型液晶表示装置の基本構成>
図1は、本発明の実施形態における反射型液晶表示パネルの(a)上面図、(b)断面図である。
図2は、本発明の実施形態における反射型液晶表示装置の断面図である。以下、
図1、2を用いて本発明の実施形態における反射型液晶表示装置の基本構成を説明する。
【0017】
反射型液晶表示装置に使用する反射型液晶表示パネル1は、例えば、液晶6に所定の電圧を印加するための半導体回路を有するシリコン基板からなる第一基板2と、ガラス基板からなる第二基板3とを、配向膜4および透明電極10、反射電極11が形成された面を所定の間隙を設けて互いに対向させた状態でシール材5により接着し、シール材5の一部に設けられた注入口から強誘電性液晶からなる液晶6を注入した後、注入口を封口材により封止してなるLCOS(Liquid Crystal On Silicon)構造を有する液晶表示パネルである。
【0018】
反射型液晶表示パネル1の反射電極11が形成された領域は中央に位置する有効表示領域9aとその周囲に位置する周辺領域9bとに区切られており、有効表示領域9aの反射電極11は複数の画素状のアルミニウム電極で形成され、周辺領域9bの反射電極11はベタ状または複数の画素状のアルミニウム電極で形成されている。有効表示領域9aの反射電極11と周辺領域9bの反射電極11は互いに電気的に絶縁され、独立して駆動できるように構成されている。なお、有効表示領域9aは観察者に視認される画像を表示する領域であり、周辺領域9bは有効表示領域9aと同様に画像を表示する機能を有するが観察者に視認される画像を表示しない領域である。
【0019】
反射型液晶表示パネル1は、回路基板7上に両面接着テープを用いて固定されており、第一基板2上の反射電極11と回路基板7とは、超音波を用いたワイヤーボンディング法等により形成されたアルミニウム細線からなる導通ワイヤで電気的に接続されている。導通ワイヤは、保護のためにシリコン性のワイヤ保護樹脂により覆われている。第二基板3上の透明電極10と回路基板7とは、導電性接着材により電気的に接続されている。回路基板7は、フレキシブルプリント基板(FPC)等を介し、外部回路と電気的に接続される。
【0020】
回路基板7の上面の一端部には光源12が設けられている。光源12は例えばLEDであり、可視光20と近赤外光19とを切り替えて射出することができるように構成されている。可視光20は主に反射型液晶表示パネル1の有効表示領域9aへ向けて射出され、画像表示の際に照明光として用いられる。一方、近赤外光19は、主に反射型液晶表示パネル1の周辺領域9bへ向けて射出され、射出光を検出する際に検出光として用いられる。
【0021】
光源12の周辺には、光源側導光部材15と光源側拡散部材16と光源側偏光板17が配置されており、光源12からの射出光が順次入射するように光源側導光部材15と光源側拡散部材16と光源側偏光板17は互いに対向するように重ねて配置されている。なお、光源側導光部材15は反射板や導光板などにより構成されている。
【0022】
筐体8は反射型液晶表示パネル1と光源12の全体を覆い保護をするように配置され、反射型液晶表示パネル1と光源12に対して所定の位置に固定されている。筐体8内には、反射型液晶表示パネル1の有効表示領域9aと周辺領域9bとを空間的に区切る仕切り21が設けられている。仕切り21は有効表示領域9aと周辺領域9bとの境界付近から上方へ向かって直立する平板状の部材であり、筐体8と一体または別体として形成されている。この仕切り21を配置することで、反射型液晶表示パネル1の有効表示領域9aから射出された可視光20と周辺領域9bから射出された近赤外光19との光学的な干渉を防止することができる。なお、仕切り21の表面は目的に応じて可視光20または近赤外光19を吸収または反射する吸収面または反射面とされていても良く、こうすることで不要光を吸収したり反射光を再利用したりすることができる。
【0023】
また、筐体8の反射型液晶表示パネル1の有効表示領域9aと対向する位置には、窓状の開口部14が設けられており、開口部14には反射型偏光板と吸収型偏光板を互いの偏光透過軸が平行となるよう重ね合わせてなる開口部側偏光板13が配置されている。開口部側偏光板13と光源側導光部材15と光源側拡散部材16と光源側偏光板17は、筐体8により直接又は間接的に保持されている。
【0024】
筐体8の開口部14周辺には反射型液晶表示パネル1の周辺領域9bから射出された近赤外光19を検出する光検出器18としてフォトダイオードが配置されている。光検出器18は反射型液晶表示装置の制御回路と接続されており、反射型液晶表示パネル1から射出された近赤外光19を検出し、近赤外光19の輝度等をデータへ変換し、反射型液晶表示装置の制御回路に送信する。制御回路はそのデータを基に反射型液晶表示装置の動作を制御する。
【0025】
<反射型液晶表示装置の光学系>
以下、
図2を用いて本発明の実施形態における反射型液晶表示装置の光学系を説明する。
【0026】
まず、光源12から射出された近赤外光19は光源側導光部材15を通過し、光源側拡散部材16に入射する。次に、光源側拡散部材16を通過することで拡散され、光源側偏光板17に入射し、光源側偏光板17を通過することで直線偏光となる。その後、開口部側偏光板13の反射型偏光板に入射し、反射型偏光板により反射され、反射型液晶表示パネル1の周辺領域9bに入射する。
【0027】
反射型液晶表示パネル1の周辺領域9bに入射した近赤外光19の直線偏光は、液晶6により変調され、第一基板2上の反射電極11により反射され、開口部側偏光板13に入射する。開口部側偏光板13に入射した光のうち、偏光軸が開口部側偏光板13の透過軸と平行な光は、開口部側偏光板13を透過して観察者側に射出し、偏光軸が開口部側偏光板13の反射軸又は吸収軸と平行な光(透過軸と直交する光)は、開口部側偏光板13により反射又は吸収されて観察者側に射出されることはなく、仮に観察者側に射出されたとしても近赤外光19は可視光ではないため観察者には視認されない。
【0028】
開口部側偏光板13を透過した近赤外光19は開口部14周辺に配置された光検出器18により検出される。光検出器18は近赤外光19の輝度をデータへ変換し、反射型液晶表示装置の制御回路へ送信する。制御回路はそのデータを解析して所望の情報を取得し、その情報を基に、反射型液晶表示パネル1の液晶6に印加される電圧や光源12から射出される光の輝度、射出タイミングなどを調整する。なお、反射型液晶表示パネル1から射出される近赤外光19の輝度と液晶6に印加される電圧との間には相関関係があるため、反射型液晶表示パネル1から射出される近赤外光19の輝度を検出することにより、その時点で液晶6に印加されている電圧を検知することができる。
【0029】
例えば、制御回路は光検出器18により検出された近赤外光19の輝度が所定の値と異なることを検知し、それに基づいて、反射型液晶表示パネル1の液晶6に印加される電圧を増加または減少させ、光検出器18により検出される近赤外光19の輝度が所定の値となるように、液晶6に印加される電圧を調整する。
【0030】
また、制御回路は光検出器18により検出された近赤外光19の輝度の経時的な変化を検知し、それに基づいて、液晶6に電圧が印加され始めてから液晶分子が一方の安定状態から他方の安定状態へ完全に遷移するまで、光源12から可視光20の射出が開始されるタイミングを遅らせる。
【0031】
光源12から射出された可視光20は、光源側導光部材15を通過して光源側拡散部材16に入射し、光源側拡散部材16を通過することで拡散されて光源側偏光板17に入射し、光源側偏光板17を通過することで直線偏光となって開口部側偏光板13の反射型偏光板に入射し、反射型偏光板により反射されて反射型液晶表示パネル1の有効表示領域9aに入射する。
【0032】
反射型液晶表示パネル1の有効表示領域9aに入射した直線偏光は、液晶6により変調され、第一基板2上の反射電極11により反射されて、開口部側偏光板13に入射する。開口部側偏光板13に入射した光のうち、偏光軸が開口部側偏光板13の透過軸と平行な光は、開口部側偏光板13を透過して観察者側に射出し、偏光軸が開口部側偏光板13の反射軸又は吸収軸と平行な光(透過軸と直交する光)は、開口部側偏光板13により反射又は吸収されて観察者側に射出することはなく、これらの関係により観察者に画像として認識される。
【0033】
<反射型液晶表示装置の駆動>
図3は本発明の実施形態における反射型液晶表示装置の駆動を示すタイミングチャートである。以下、
図3を用いて本発明の実施形態における反射型液晶表示装置の駆動を説明する。
【0034】
反射型液晶表示装置は、反射型液晶表示パネル1の有効表示領域9aへ赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の光を光源12から順次供給し、フィールドシーケンシャル方式によりカラー画像または白黒画像を表示するように構成されている。
【0035】
フィールドシーケンシャル方式によりカラー画像または白黒画像を表示する際には、例えば、
図3中に表記されているような1フレーム期間(Nフレーム)において、反射型液晶表示パネル1の有効表示領域9a内にある各画素へ1フレーム分の画像データを順次書き込み、それに同期させて赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の前半のフィールド期間r、g、bにおいて各色の光を一定期間点灯させることにより、1フレーム分のカラー画像または白黒画像を表示し、N+1フレーム以降においてそれと同様の動作を繰り返すことにより、互いに連続した一連のカラー画像または白黒画像を表示する。なお、表示する画像の色と階調はフィールド期間r、g、bにおいて液晶6に電圧を印加する時間(パルス幅)を変化させることにより調整される。
【0036】
一方、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の後半のフィールド期間r’、g’、b’においては、各色の前半のフィールド期間r、g、bにおいて液晶6に印加した電圧とは極性が反転した電圧を印加することにより、液晶6の焼き付きを防止すると共に、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の光源を点灯させないことにより、画像を表示しない。なお、
図3のタイミングチャートにおいて、横軸tは時間を表し、縦軸V、R、G、Bはそれぞれ液晶6の駆動電圧、R光源の駆動電圧、G光源の駆動電圧、B光源の駆動電圧を模式的に表している。
【0037】
フィールドシーケンシャル方式は、カラーフィルタ方式よりも容易に画像を高輝度、高精細にすることができるため有利であるが、駆動方式はこれに限定されない。
【0038】
光源12から近赤外光19を射出し、光検出器18により近赤外光19を検出するタイミングは、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の前半のフィールド期間r、g、bおよび後半のフィールド期間r’、g’、b’の各フィールド期間において一回ずつであり、その一回当たりの検出に要する期間(検出期間)の長さは対応する各フィールド期間の長さよりも短く設定される。この場合、各フィールド期間において液晶6に印加される電圧は、各フィールド期間において光検出器18により検出される近赤外光19の輝度が互いに等しくなるように調整される。この動作を1フレーム期間毎に繰り返し行うことで、液晶6に適切な電圧を継続的に印加することができる。なお、この一連の動作は反射型液晶表示装置の制御回路により自動的に行われる。
【0039】
光源12からの近赤外光19の射出と光検出器18による近赤外光19の検出は、反射型液晶表示装置の動作中に常時行っても良いが、所定のタイミングのみで行っても良い。例えば、各フレーム期間内に液晶6の駆動状態をリセットするための電圧(白色表示電圧や灰色表示電圧)が全画素に同時に印加されるようなリセット期間が設けられている場合には、そのリセット期間においてのみ、光源12からの近赤外光19の射出と光検出器18による近赤外光19の検出を行っても良い。この場合、各リセット期間では全画素が毎回同じ駆動状態になるため、反射型液晶表示パネル1から射出される近赤外光19の経時的な変化を正確に検知することができる。従って、液晶6中の残留イオンの影響により液晶6に印加される電圧が経時的に変化するような場合に、その電圧の変化を正確に検知することができる。なお、光源12からの近赤外光19の射出と光検出器18による近赤外光19の検出を所定のタイミングのみで行えば、常時行う場合と比べて制御回路等の駆動による負担や消費電力が軽減される。
【0040】
以上の実施形態では、反射型液晶表示パネル1の周辺領域9bから射出された近赤外光19を光検出器18により検出しているため、光検出器18を周辺領域9bに近接させて配置したとしても、有効表示領域9aから射出される可視光20に光検出器18が干渉するリスクは低減される。従って、有効表示領域9aから射出される可視光20に影響を与えることなく、光検出器18を周辺領域9bに近接させて配置することができるため、周辺領域9bから射出される近赤外光19を十分な強度で正確に検出することができる。
【0041】
また、反射型液晶表示パネル1の有効表示領域9aと周辺領域9bは互いに独立して液晶6を駆動させることができるため、有効表示領域9aには画像表示に適した駆動を行わせながら、周辺領域9bには光の検出に適した駆動を行わせることができる。
【0042】
光検出器18は筐体8の外部に設置するのではなく、筐体8の内部に設置しても良い。
【0043】
光検出器18により検出する光は近赤外光に限らず、その他の不可視光や可視光などであっても良い。但し、近赤外光のような不可視光の方が画像に影響を与えないため有利である。なお、光源12はLEDに限定されず、光検出器18はフォトダイオードに限定されない。
【0044】
有効表示領域9aと周辺領域9bの形状や位置関係は
図1に示すものに限定されない。
【0045】
上記実施形態では反射型液晶表示パネルを用いた反射型液晶表示装置を一例としているが、これに限定されるものではなく、透過型液晶表示パネルを用いた透過型液晶表示装置などのその他の構成の液晶表示装置にも適用可能である。
【0046】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 反射型液晶表示パネル
2 第一基板
3 第二基板
4 配向膜
5 シール材
6 液晶
7 回路基板
8 筐体
9a 有効表示領域
9b 周辺領域
10 透明電極
11 反射電極
12 光源
13 開口部側偏光板
14 開口部
15 光源側導光部材
16 光源側拡散部材
17 光源側偏光板
18 光検出器
19 近赤外光
20 可視光
21 仕切り