IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ メトラー−トレド アクチェンゲゼルシャフトの特許一覧

<>
  • 特許-風防の電動摺動頂壁を含む実験用天秤 図1
  • 特許-風防の電動摺動頂壁を含む実験用天秤 図2
  • 特許-風防の電動摺動頂壁を含む実験用天秤 図3
  • 特許-風防の電動摺動頂壁を含む実験用天秤 図4
  • 特許-風防の電動摺動頂壁を含む実験用天秤 図5
  • 特許-風防の電動摺動頂壁を含む実験用天秤 図6
  • 特許-風防の電動摺動頂壁を含む実験用天秤 図7
  • 特許-風防の電動摺動頂壁を含む実験用天秤 図8
  • 特許-風防の電動摺動頂壁を含む実験用天秤 図9
  • 特許-風防の電動摺動頂壁を含む実験用天秤 図10
  • 特許-風防の電動摺動頂壁を含む実験用天秤 図11
  • 特許-風防の電動摺動頂壁を含む実験用天秤 図12
  • 特許-風防の電動摺動頂壁を含む実験用天秤 図13
  • 特許-風防の電動摺動頂壁を含む実験用天秤 図14
  • 特許-風防の電動摺動頂壁を含む実験用天秤 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】風防の電動摺動頂壁を含む実験用天秤
(51)【国際特許分類】
   G01G 21/30 20060101AFI20221221BHJP
   G01G 21/28 20060101ALI20221221BHJP
   G01G 23/00 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
G01G21/30
G01G21/28
G01G23/00 F
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019057843
(22)【出願日】2019-03-26
(65)【公開番号】P2019215318
(43)【公開日】2019-12-19
【審査請求日】2022-02-03
(31)【優先権主張番号】18167735.2
(32)【優先日】2018-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】599082218
【氏名又は名称】メトラー-トレド ゲーエムベーハー
【住所又は居所原語表記】Im Langacher, 8606 Greifensee, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100167243
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 充
(72)【発明者】
【氏名】アリス・ブーフマン
(72)【発明者】
【氏名】ビート・マイスター
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・フォークト
【審査官】森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特許第5520127(JP,B2)
【文献】特許第4145035(JP,B2)
【文献】特許第4620094(JP,B2)
【文献】特許第4764388(JP,B2)
【文献】国際公開第2014/038969(WO,A1)
【文献】独国実用新案第202007016933(DE,U1)
【文献】実公平3-11711(JP,Y2)
【文献】特許第3065617(JP,B2)
【文献】実用新案登録第2561148(JP,Y2)
【文献】実用新案登録第2504970(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
実験用天秤(1)であって、該実験用天秤(1)は、
ベース体(2)と、
秤量室床(3)および秤量室後壁(4)を含んでいる秤量室(10)と、
頂壁(6)、第1の側壁(7)、前記第1の側壁(7)に平行に配置された第2の側壁(8)、および前壁(9)を含んでいる風防(5、5’、5”)と、
を備えており、
前記秤量室床(3)、前記風防(5、5’、5”)、および前記秤量室後壁(4)が、
一緒に前記秤量室(10)を囲んでおり、
駆動ユニット(19)が、前記頂壁(6)に動作的に接続されており、前記頂壁(6)の開閉運動を作動させことができ、
前記秤量室後壁(4)が、ベースモジュール(15)およびトップモジュール(16、16’、16”)を備えており、
前記ベースモジュール(15)が、前記ベース体(2)に接続されており、
前記トップモジュール(16、16’、16”)が、前記風防(5、5’、5”)の前記頂壁(6)に接続されており、
前記秤量室後壁(4)の前記トップモジュール(16、16’、16”)の少なくとも一部分が、コンパートメントとして構成されており、
前記駆動ユニット(19)が、前記秤量室後壁(4)の前記トップモジュール(16、16’、16”)の前記コンパートメント形状部分内に配置されていることを特徴とする
、実験用天秤(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の実験用天秤(1)において、
前記駆動ユニット(19)が、前記秤量室後壁(4)の前記トップモジュール(16、16’、16”)の前記コンパートメント形状部分内に横向きの配向で又は横向きに配置されていることを特徴とする実験用天秤(1)。
【請求項3】
請求項に記載の実験用天秤(1)において、
前記駆動ユニット(19)が、前記トップモジュール(16、16’、16”)内に実質的に封入又は配置されていることを特徴とする実験用天秤(1)。
【請求項4】
請求項に記載の実験用天秤(1)において、
前記駆動ユニット(19)が、前記トップモジュール(16、16’、16”)内に横向きの配向で又は横向きに配置されていることを特徴とする実験用天秤(1)。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の実験用天秤(1)において、
前記駆動ユニット(19)が、取付け板(34)、モータ(33)、制御回路(35)、および伝動ユニット(36)を備えていることを特徴とする実験用天秤(1)。
【請求項6】
請求項に記載の実験用天秤(1)において、
前記モータ(33)、前記制御回路(35)、および前記伝動ユニット(36)が、前記取付け板(34)上に設置されていることを特徴とする実験用天秤(1)。
【請求項7】
請求項に記載の実験用天秤(1)において、
前記取付け板(34)が、前記トップモジュール(16、16’、16”)に接続されており、
さらに、前記取付け板(34)の前記トップモジュール(16、16’、16”)への前記接続が、前記駆動ユニット(19)を前記トップモジュール(16、16’、16”)に対して確実に位置決めするように構成されていることを特徴とする実験用天秤(1)
【請求項8】
請求項5から7のいずれか一項に記載の実験用天秤(1)において、
前記伝動ユニット(36)が、
水平軸線を中心として回転できるように配置された少なくとも1つの軸(60)と、
前記軸(60)に固定して取り付けられた従動プーリ(59)と、
前記従動プーリ(59)を前記モータ(33)の駆動プーリ(43)に接続しているベルト(61)と、
前記軸(60)に固定して取り付けられた少なくとも1つの駆動部材(62)と、
を備えていることを特徴とする実験用天秤(1)。
【請求項9】
請求項に記載の実験用天秤(1)において、
前記風防(5、5’、5”)の前記頂壁(6)が、前記少なくとも1つの駆動部材(62)に相互作用的に連結された少なくとも1つのガイド(24)を備えていることを特徴とする実験用天秤(1)。
【請求項10】
請求項に記載の実験用天秤(1)において、
前記少なくとも1つの駆動部材(62)が、ピニオン(62)を備えており、
前記少なくとも1つのガイド(24)が、前記頂壁(6)に沿って長手方向に延在しかつ前記頂壁(6)の前記開閉運動を作動させるために前記ピニオン(62)と相互作用するラック(75)を備えていることを特徴とする実験用天秤(1)。
【請求項11】
請求項から10のいずれか一項に記載の実験用天秤(1)において、
前記制御回路(35)が、中央制御ユニット(U)に接続されており、
また、前記制御回路(35)が、前記中央制御ユニット(U)から命令信号を受信でき、前記命令信号に基づいて前記モータ(33)の運動を制御できることを特徴とする実験用天秤(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、典型的には何分の1ミリグラムの非常に高い精度で小さな物体を秤量するために使用される天秤に関する。天秤がそのように重量を精密に測定することを可能にする感度はまた、天秤を秤量パン(秤量皿)の領域でのいかなる空気循環にも影響されやすいものにする。したがって、秤量パン、および秤量パンの上方の空間は、囲い-一般に風防と呼ばれる-により周囲環境から分離され、この囲いは通常、引戸の態様で開閉され得る1つまたは複数の壁パネルを備える。風防内の空間は、秤量室と呼ばれる。この文脈における実験用天秤という用語は、風防で囲まれた秤量室を含む任意の高精度秤量機器を意味する。そのような実験用天秤は、化学および調剤学の実験室、産業品質管理、宝石取引、貨幣学、大気汚染フィルタの秤量、および他の多くの用途で使用されている。
【0002】
[0002]本発明は、例えば人間オペレータのキーボード命令または実験用ロボットもしくは他の自動システムのアプリケーションプログラムによって制御され得るモータにより風防の摺動する戸のうちの少なくとも1つの開閉運動が駆動される実験用天秤の下位区分に重点を置いている。電動風防は、確立された現況技術に属しており、化学天秤とも呼ばれる最高精度の実験用天秤の共通の構造部になっている。
【0003】
[0003]この状況において、本発明は、具体的には、風防の水平な天井パネル(本明細書では頂壁と呼ばれる)を開閉させる摺動運動を発動又は作動させるためのモータ駆動機構を対象とする。特に関心の対象となることは、実験用天秤の製造および点検に関する細部計画を最適化することを目的とした、頂壁のモータ駆動ユニットのモジュール設計構造と、実験用天秤の基本設計アーキテクチャに含まれるモータ駆動ユニットの構成および配置である。
【背景技術】
【0004】
[0004]米国特許出願公開第2010/0288566A1号で説明されている実験用天秤のための現状技術の通風防御デバイスは、平面的なパネル、すなわち、後壁、前壁、2つの側壁、頂部カバー、および床を有しており、それらは一緒に秤量室を囲んでいる。前壁および側壁は、頂部カバーのエッジから吊り下げられて、実験用天秤のベースハウジングの前部および側部に覆い被さっている。頂部カバーは、前壁および側壁がベースハウジングの前部および側部にわたって上下に摺動することにより、吊り下げられた前壁および側壁とともに上昇および下降されることができ、それにより、秤量室の高さが調整され得る。側壁は、側壁を吊り下げている案内トラックに沿って水平方向に摺動可能である。側壁の水平運動および頂部カバーパネルの垂直運動のための駆動モータの可能性が述べられている。しかし、頂部カバーパネルの水平方向の可動性に関する課題は取り組まれていない。
【0005】
[0005]現況技術の別の例として、米国特許第6,849,809B2号に記載の化学天秤は、モータ駆動機構によって作動される摺動側壁パネルおよび摺動頂部カバーパネルを含む風防を有しており、モータ駆動機構は、風防に隣接して配置されたハウジング内、具体的にはハウジングの頂部コンパートメント内に設置されている。側壁パネルおよび頂部カバーパネルは、それらを1つのモータ駆動機構に接続する個別のクラッチ要素を有している。米国特許第6,849,809B2号における主な焦点は、頂部カバーパネルの摺動ガイドを実験用天秤の運搬用ハンドルに組み入れる概念に置かれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許出願公開第2010/0288566A1号
【文献】米国特許第6,849,809B2号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[0006]本発明において特に関心の対象となる領域、すなわち、風防の摺動頂壁を開閉させる摺動運動を発動又は作動させるためのモータ駆動機構のための最適設計構成については、出願人は、従来技術での情報を見出していない。したがって、本発明の目的は、風防の摺動頂壁の電動駆動機構のための構成を含む実験用天秤を提供することであり、前述の構成は、製造および点検の観点から最適化されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[0007]この課題は、独立請求項1に従って配置されたモータユニットによって作動される移動可能な頂壁パネルを有する風防を含んでいる実験用天秤によって解決される。本発明の有利な実施形態および詳細特徴は、従属請求項に記述されている。
【0009】
[0008]本発明が関連するタイプの実験用天秤は、ベース体と、秤量室床および秤量室後壁を含む秤量室と、頂壁、第1の側壁、第1の側壁に平行に配置された第2の側壁、および前壁を含む風防と、を有している。秤量室床、風防、および秤量室後壁は、一緒に秤量室を囲む。駆動ユニットが、頂壁に動作的に接続されており、かつ、頂壁の開閉運動を発動又は作動させる働きをする。本発明によれば、実験用天秤の秤量室後壁は、ベースモジュールおよびトップモジュールを有しているモジュール設計のものであり、ベースモジュールは、ベース体に接続され、トップモジュールは、風防の頂壁に接続される。秤量室後壁のトップモジュールの少なくとも一部分は、コンパートメントとして構成され、駆動ユニットは、秤量室後壁のトップモジュールの前述のコンパートメント形状部分内に配置される。この構成は、実験用天秤における可動部品の数を減少させることに加えて、利用可能なスペースの有効利用を確実にする。
【0010】
[0009]この文脈における前部、後部、側部、頂部、床という用語は、その動作条件で据えつけられている実験用天秤の使用者の前に現れているときの秤量室に関する。したがって、空間方向および寸法は、実験用天秤の前に座っている人物によって見られたときの幅、高さ、および奥行と定義される。秤量室からハウジングに向かう方向は、実験用天秤の長手方向または前後方向と定義される。横断方向は、長手方向に対して水平かつ垂直と定義される。
【0011】
[0010]本発明による好ましい実施形態では、駆動ユニットは、横向きの配向で配置され、かつ、秤量室後壁のトップモジュールのコンパートメント形状部分内に実質的に封入される。秤量室後壁内に駆動ユニットを封入することは、実験用天秤をよりコンパクトにする。さらに、駆動ユニットは、空間的に頂壁に近接して位置決めされ、それにより、頂壁の運動を引き起こすのに必要とされる部品の数が減少する。
【0012】
[0011]秤量室のモジュール後壁を含む実験用天秤の好ましい実施形態では、駆動ユニットは、横向きの配向で配置され、かつ、秤量室後壁のトップモジュール内に実質的に封入される。トップモジュールは、駆動ユニット内の敏感な構成要素を塵、湿気、および腐食性物質による悪影響(adversarial effect)から保護する遮蔽物として機能する。
【0013】
[0012]好ましくは、本発明による実験用天秤における風防の摺動頂壁のための駆動ユニットは、取付け板、モータ、制御回路、および伝動ユニットを含んでおり、モータ、制御ユニット、および伝動ユニットは、取付け板上に設置されている。伝動ユニットは、モータからの機械力を第1および/または第2の側壁に伝達している。取付け板は、駆動ユニットの他の全ての構成要素を配置するための基本的な支持構造物として機能する。
【0014】
[0013]有利には、取付け板は、トップモジュールに接続されており、取付け板のトップモジュールへの接続は、駆動ユニットをトップモジュールに関して確実に位置決めするように設計されている。取付け板は、トップモジュールと相互作用し、かつ、駆動ユニットとトップモジュールとの間の係合を確立する働きをする。
【0015】
[0014]風防の摺動頂壁のための駆動ユニットの好ましい実施形態では、伝動ユニットは、水平軸線を中心として回転できるように配置された少なくとも1つの軸と、軸にしっかりと取り付けられた従動プーリと、従動プーリをモータの駆動プーリに接続しているベルトと、軸にしっかりと取り付けられた少なくとも1つの駆動部材と、を含んでいる。伝動ユニットは、モータから風防の頂壁への力の伝達および送達を促進する。
【0016】
[0015]有利には、風防の頂壁は、少なくとも1つの駆動部材が頂壁を移動させる作動力を印加するために、少なくとも1つの駆動部材に相互作用的に連結された少なくとも1つのガイドを含んでいる。
【0017】
[0016]好ましい実施形態では、少なくとも1つのガイドは、頂壁に沿って長手方向に延在しているラックを含んでおり、少なくとも1つの駆動部材は、ラックのセレーションに係合して頂壁の開閉運動を発動又は作動させるピニオンとして構成されている。
【0018】
[0017]本発明による実験用天秤の好ましい実施形態では、駆動ユニットの制御回路は、中央制御ユニットに接続されている。制御回路は、中央制御ユニットから命令信号を受信するように動作可能であり、かつ、前述の命令信号に基づいてモータの運動を制御するように動作可能である。あるいは、中央制御ユニットは、モータを直接制御してもよい。
【0019】
[0018]以下、本発明による駆動ユニットを含む実験用天秤が、図面に概略的に示された実施形態を通じて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明が関連するタイプの完全な実験用天秤の斜視図である。
図2図1の実験用天秤の風防の図である。
図3】後壁のトップモジュール、駆動ユニット、および頂壁パネルを分解組立図で示している、図1の実験用天秤の図である。
図4】後壁のトップモジュール、駆動ユニット、および頂壁パネルのより詳細な図である。
図5図4に示された要素のさらに拡大された部分図である。
図6図6aは、完全な駆動ユニットの前方からの斜視図である。図6bは、その取付け板を下にして仰向けになっている図6aの駆動ユニットの図である。
図7図7aは、摺動頂壁の上方からの斜視図である。図7bは、図7aの摺動頂壁の下側の図である。
図8図8aは、頂壁パネルが後退されてそのガイドチャネルから係脱している、秤量室後壁のトップモジュールの図である。図8bは、その完全開位置にある図8aの頂壁パネルの図である。図8cは、半開位置にある図8aの頂壁パネルの図である。図8dは、その完全閉位置にある図8aの頂壁パネルの図である。
図9図1に類似しているが、背の高い秤量室と、秤量室後壁の挿入された追加のモジュールとを含んでいる完全な実験用天秤の斜視図である。
図10図9の実験用天秤の風防の斜視図である。
図11】後壁のトップモジュール、駆動ユニット、頂壁パネルを分解組立図で示している、図9の実験用天秤の図である。
図12】長手方向垂直断面に沿った図9の実験用天秤の断面図である。
図13図12の断面に向けられた側面図である。
図14図9に類似した背の高い風防を含んでいるが、挿入される追加のモジュールを使用する代わりに秤量室後壁の背の高いトップモジュールを含んでいる実験用天秤の図である。
図15】秤量室後壁のトップモジュールから分離された駆動ユニットおよび頂壁パネルを分解組立図で示している、図14の実験用天秤の図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[0019]図1は、本発明による実験用天秤1を3次元図で示す。実験用天秤1の主要部品は、表示操作卓D、ベース体2、秤量室10、およびハウジング11である。ここでは火格子状の秤量プラットフォーム14として示されている秤量パン(秤量皿)14は、秤量室10内に封入されている。秤量プラットフォーム14は、ベース体2の上側の上方で片持ち梁風に突き出されて、ハウジング11内に配置されている秤量セル(図示せず)に機械的に接続されている。ハウジング11はまた、実験用天秤1の中央制御ユニットUを収容している。秤量室10を囲む透明な風防5”は、ベース体2に取り付けられ、かつ、秤量室後壁4を通じてハウジング11に接続されている。
【0022】
[0020]図2は、実験用天秤1から取り外された風防5”を単独で示す。秤量室10は、秤量室床3、秤量室後壁4によって、また、頂壁6、第1の側壁7、第2の側壁8、および前壁9を含む矩形の透明風防パネルによって、囲まれている。秤量室後壁4は、ベースモジュール15およびトップモジュール16”を含むモジュール構造のものである。秤量室後壁4のベースモジュール15は、ベース体2に接続されているが、トップモジュール16”は、風防5”の頂壁6に接続されている。
【0023】
[0021]図3は、図1の実験用天秤1を示しており、ここでは、秤量室後壁4のトップモジュール16”、駆動ユニット19、および風防5”の頂壁パネル6は、実験用天秤1から分離されており、また、互いに分離されている。頂壁16”、駆動ユニット19、および頂壁パネル6を実験用天秤1に取り付けるには、最初に、駆動ユニット19がトップモジュール16”内に取り付けられる。次に、駆動ユニット19が取り付けられたトップモジュール16”が、秤量室後壁4のベースモジュール15の上に取り付けられる。最後に、頂壁パネルガイド24が、駆動ユニット19のガイドチャネル68(図5参照)に挿入され、頂壁パネル6が、ラック75(図7b参照)が駆動ユニット19のピニオン62(図6a参照)に係合する位置まで前方に摺動される。今や、実験用天秤がその他の点で動作状態にあるのであれば、頂壁パネル6は、駆動ユニット19によりいつでも開閉される状態にある。
【0024】
[0022]図4は、モータ33、取付け板34、および伝動ユニット36を含む駆動ユニット19の構成要素を示している、図3の分解組立図部分の拡大詳細図を表す。本発明の好ましい特徴として、この図面は、実験用天秤1の長手前後方向に対する駆動ユニットの横向きの配向を特に示している。頂壁パネル6の後方エッジには、頂壁パネル6の(任意選択の)手動操作のためのスライドハンドル74が取り付けられている。
【0025】
[0023]さらなる拡大部分図では、図5は、トップモジュール16”および駆動ユニット19のそれぞれの右手側の部分、ならびに頂壁パネル6の右手側のガイド24を表している。図面は、どのようにして3つの部品が組み合わさりかつ/または互いに取り付けられるかを示す。取り付けられた駆動ユニット19は、取付け板34の突出部89がトップモジュール16”の突出部79上に位置するときに、トップモジュール16”に対して正確に位置決めされる。頂壁ガイド24は、その下側(図5では不可視)にラック75を担持しており、また、そのエッジに沿ってスプライン76を担持している。取り付けられた状態では、頂壁ガイド24のスプライン76は、ガイドチャネル68の溝77内で摺動し、ピニオン62は、ラック75に係合される。
【0026】
[0024]図6aは、駆動ユニット19を正面斜視図で示し、図6bは、その取付け板34を下にして仰向けになっている駆動ユニット19を示す。駆動ユニット19は、構成要素の全てが取付け板34に取り付けられる組立体ユニットまたはモジュールとして構成されている。駆動プーリ43、駆動ベルト61、従動プーリ59、軸(シャフト)60、ピニオン62、およびラック75を通じて、モータ33から頂壁パネル6に動力が伝達される。軸60、従動プーリ59、およびピニオン62は、まとめて伝動ユニット36と認識される。モータ33は、制御回路35によって制御される。さらに、図6aおよび6bはまた、ガイドチャネル68のより明瞭な図を提供している。
【0027】
[0025]図7aは、摺動頂壁パネル6を上方からの斜視図で示しているが、図7bは、頂壁パネル6の下側を示している。頂壁ガイド24は、ラック75を含んでおり、ラック75の機能は、すでに説明されている。図7bで分かるように、スライドハンドル74は、頂壁パネル6の後方エッジ上に折り重ねられて、頂壁パネル6の下側から突出している。したがって、頂壁パネル6は、スライドハンドル74の下向きの突出部が秤量室後壁4のトップモジュール16”にぶつかるので、頂壁パネル6の閉位置を越えて前方に移動するのを防止される。
【0028】
[0026]図8aから8dは、頂壁パネル6を、秤量室後壁4のトップモジュール16”に対する4つの異なる位置で示している:
図8aでは、頂壁パネル6は、駆動ユニット19への係合から外れているが、ガイドチャネル68へのエッジガイド24の挿入のために位置を調整されている。
【0029】
図8bでは、エッジガイド24は、ガイドチャネル68に挿入されており、エッジガイド24の下側上のラック75(ここでは不可視)は、駆動ユニット19のピニオン62へ係合されている。今や、頂壁パネル6は、その通常開位置にある。
【0030】
図8cでは、頂壁パネル6は、中間の半開位置まで前方に移動されている。
図8dでは、頂壁パネル6は、その完全閉位置まで移動されており、この完全閉位置では、頂壁パネル6のさらなる前方への移動は、秤量室後壁4のトップモジュール16”にぶつかっているスライドハンドル74の下向きの突出部(図7b参照)によって阻止される。
【0031】
[0027]図9から図13は、図1における実験用天秤1と同じであるが、より背の高い風防5’を備えている実験用天秤1を示す。より背の高い風防5’のこのモジュール式代用物は、追加のモジュール18の挿入によって、また、秤量室後壁4の異なるトップモジュール16’の使用によって、可能とされている。図10に示されるように、追加のモジュール18は、ベースモジュール15とトップモジュール16’との間に挿入される。図11に進むと、駆動ユニット19は、トップモジュール16’内に設置され、次いで、トップモジュール16’は、追加のモジュール18の上に取り付けられる。最後に、頂壁パネル6は、図3との関連において上記で説明されたように、駆動ユニット19のガイドチャネル68に滑り込まされる。
【0032】
[0028]図12の断面斜視図、および図13の対応する立断面図で示されているように、追加のモジュール18およびトップモジュール16’を含むより背の高い後壁4は、ハウジング11の頂面よりも高くなっている。ハウジング11から駆動ユニット19に通じる電力線および制御線の電気配線を隠蔽および封入することの他に、後方に向かって満足な外観を提示するために、追加のモジュール18およびトップモジュール16’は、その背面が実験用天秤1の外壁面の一部を形成する囲まれたコンパートメントとして構成されている。
【0033】
[0029]図14および15は、図9から13に類似したより背の高い風防を備えている同じ実験用天秤1を再び示しているが、この実験用天秤1は、挿入される追加のモジュール18を使用する代わりに、秤量室後壁4の背の高いトップモジュール16を備えている。背の高いトップモジュール16は、トップモジュール16”および16’と同様に、駆動ユニット19の設置のために設計されている。
【0034】
[0030]本発明の概念を(いかなる制限も意味することなく)要約すると、駆動ユニット19は、本明細書において説明されかつ図示されてきたように、トップモジュール16”、16’、および16によって例示された異なるトップモジュール内に設置されることができ、そのため、実験用天秤1は、風防5”、5’、および5によって例示されたような、異なる高さの風防を備えることができる。
【0035】
[0031]本発明は、天秤風防の摺動頂壁パネルのための駆動ユニットがモジュール構造の秤量室後壁のトップモジュール内に設置される具体例の提示を通じて説明されてきたが、多数の追加的な変形形態が本発明の教示によって包含されることは、自明であると考えられる。例えば、図示されたラックアンドピニオン構成の代わりに、摺動頂壁パネルは、伝動ユニットの横軸に取り付けられて頂壁パネルの下側と摩擦面接触する摩擦車によって移動されてもよい。天秤風防の騒動頂壁パネルの駆動ユニットの構成のためのモジュールの概念のそのような組み合わせおよび変形形態が、本明細書において本発明に対して求められている保護の範囲に含まれると見なされることは、自明であると考えられる。
【符号の説明】
【0036】
1 実験用天秤
2 ベース体
3 秤量室床
4 秤量室後壁
5、5’、5” 風防
6 頂壁、頂壁パネル
7 第1の側壁、左側壁
8 第2の側壁、右側壁
9 前壁
10 秤量室
11 ハウジング
14 秤量パン
15 秤量室後壁4のベースモジュール
16、16’、16” 秤量室後壁4のトップモジュール
18 秤量室後壁4の追加のモジュール
19 駆動ユニット
24 エッジガイド、頂壁ガイド
33 モータ
34 取付け板
35 制御回路
36 伝動ユニット
43 駆動プーリ
59 従動プーリ
60 軸
61 ベルト
62 駆動部材、ピニオン
68 ガイドチャネル
74 頂壁上のスライドハンドル
75 ラック
76 スプライン
77 溝
79 16”の突出部
89 34の突出部
D 表示ユニット
U 中央制御ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15