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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】減光時に対象物彩度を増加させる光源
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/20 20200101AFI20221221BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20221221BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20221221BHJP
   H05B 45/60 20220101ALI20221221BHJP
【FI】
H05B45/20
H01L33/00 L
H05B33/14 A
H05B45/60
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019547709
(86)(22)【出願日】2018-02-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-21
(86)【国際出願番号】 US2018018297
(87)【国際公開番号】W WO2018160361
(87)【国際公開日】2018-09-07
【審査請求日】2021-02-12
(31)【優先権主張番号】62/466,035
(32)【優先日】2017-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/608,590
(32)【優先日】2017-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502224803
【氏名又は名称】ザ ペン ステイト リサーチ ファウンデーション
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】ケビン ハウザー
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0320004(US,A1)
【文献】特開2015-185365(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00
H05B 47/00
H01L 33/00
H01L 51/50
H05B 45/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
減光時に複数エミッター発光装置の色域を増加させる方法であって、
前記複数エミッター発光装置内の各エミッターを独立に駆動するステップと、
IES TM-30-15色域インデックス(Rg)が所望の値となるように各エミッターの出力を決定するステップと、
前記複数エミッター発光装置の総ルーメン出力が所望の値となるように前記複数エミッター発光装置の出力を調整するステップであって、前記複数エミッター発光装置の出力は、前記決定された各エミッターの出力を増加又は減少させることにより調整される、ステップと、を有し、
前記総ルーメン出力が減少するのに従い、前記IES TM-30-15色域インデックス(Rg)が線形に増加するように、前記IES TM-30-15色域インデックス(Rg)の所望の値と前記総ルーメン出力の所望の値の対の集合が決定される、方法。
【請求項2】
複数のLEDエミッターは、少なくとも7つのLEDエミッターを含み、前記少なくとも7つのLEDエミッターは、赤色エミッター、ライム色エミッター、琥珀色(amber)エミッター、緑色エミッター、シアン色エミッター、青色エミッター及び藍色(indigo)エミッターを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
複数のLEDエミッターは、少なくとも4つのLEDエミッターを含み、前記少なくとも4つのLEDエミッターは、赤色エミッター、緑色エミッター、ロイヤルブルー色(藍色)エミッター及び白色エミッターを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
複数のLEDエミッターは、少なくとも5つのLEDエミッターを含み、前記少なくとも5つのLEDエミッターは、赤色エミッター、ライム色エミッター、緑色エミッター、シアン色エミッター及びロイヤルブルー色(藍色)エミッターを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
減光時に複数エミッター発光装置の色域を増加させる方法であって、
前記複数エミッター発光装置内の各エミッターを独立に駆動するステップと、
IES TM-30-15忠実度インデックス(Rf)が所望の値となるように各エミッターの出力を決定するステップと、
前記複数エミッター発光装置の総ルーメン出力が所望の値となるように前記複数エミッター発光装置の出力を調整するステップであって、前記複数エミッター発光装置の出力は、前記決定された各エミッターの出力を増加又は減少させることにより調整される、ステップと、を有し、
前記総ルーメン出力が減少するのに従い、前記IES TM-30-15忠実度インデックス(Rf)が線形に減少するように、前記IES TM-30-15忠実度インデックス(Rf)の所望の値と前記総ルーメン出力の所望の値の対の集合が決定される、方法。
【請求項6】
全出力における約101から最小調光レベルにおける約140まで線形に増加させるように前記IES TM-30-15色域インデックス(Rg)の所望の値を設定するステップを更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
Duvが所望の値となるように各エミッターの出力を決定するステップを更に有し、
前記総ルーメン出力が減少するのに従い、前記Duvが線形に減少するように、前記Duvの所望の値と前記総ルーメン出力の所望の値の対の集合が決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
相関色温度が所望の値となるように各エミッターの出力を決定するステップを更に有し、
前記総ルーメン出力が減少するのに従い、前記相関色温度が一定となるように、前記相関色温度の所望の値と前記総ルーメン出力の所望の値の対の集合が決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
発光装置であって、
少なくとも2つのLEDエミッターと、
少なくとも1つの内部コントローラと、
前記少なくとも1つの内部コントローラを介して、複数のLEDエミッターを独立に駆動するよう構成された複数のドライバー回路と、
IES TM-30-15色域インデックス(Rg)が所望の値となるように少なくとも1つのエミッターのルーメン出力を増加させ、同時に少なくとも1つのその他のエミッターのルーメン出力を減少させ、前記発光装置の総ルーメン出力が所望の値となるように前記発光装置の出力を調整するよう構成されたプログラミングロジックと、
を備え、
前記総ルーメン出力が減少するのに従い、前記IES TM-30-15色域インデックス(Rg)が線形に増加するように、前記IES TM-30-15色域インデックス(Rg)の所望の値と前記総ルーメン出力の所望の値の対の集合が決定される、発光装置。
【請求項10】
前記少なくとも2つのLEDエミッターのそれぞれは、異なる色を発光するよう構成される、請求項9に記載の発光装置。
【請求項11】
前記少なくとも2つのLEDエミッターは、赤色エミッター、ライム色エミッター、琥珀色(amber)エミッター、緑色エミッター、シアン色エミッター、青色エミッター、藍色(indigo)エミッター及び白色エミッターからなるグループから選択される、請求項9に記載の発光装置。
【請求項12】
前記発光装置は、全出力における約101から最小調光レベルにおける約140まで、前記IES TM-30-15色域インデックス(Rg)を線形に増加させるよう更に構成される、請求項9に記載の発光装置。
【請求項13】
前記発光装置は、50%調光レベルにおいて少なくとも120まで、前記IES TM-30-15色域インデックス(Rg)を増加させるよう更に構成される、請求項9に記載の発光装置。
【請求項14】
前記複数のLEDエミッターのそれぞれはLEDダイスを含む、請求項9に記載の発光装置。
【請求項15】
前記複数のLEDエミッターは、1つのLEDパッケージ内に配置される、請求項9に記載の発光装置。
【請求項16】
前記発光装置は照明器具である、請求項9に記載の発光装置。
【請求項17】
外部コントローラ及び前記内部コントローラに通信可能に接続される外部コントローラインタフェースを更に有する、請求項9に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2017年3月2日に出願された米国仮特許出願第62/466035号明細書及び2017年12月21日に出願された米国仮特許出願第62/608590号明細書に対する優先権を主張し、それらの両方がその全体を参照することにより本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
従来の光源を薄暗くするとき、光源により照らされる対象物の色知覚は弱められる(例えば、よりぼんやりした、少ない鮮やかさ(less saturated)、少ない明確さ(less vivid)、及び少ない強烈さ(less vibrant))。人間の視覚のこの現象はハント効果(Hunt Effect)として知られており、低照明レベルにおいて、対象物は、高照明レベル時より本質的に色彩が少なく見える。住宅照明、ミュージアム照明、映画館照明、応接用(hospitality)照明、及び色知覚と調光(dimming)が照明問題の解決策の重要な要素であるその他の適用例など、多くの適用例に対して、光源を薄暗くしたときに色に対する低下した感受性を補償することは有益となるであろう。
【0003】
「dim-to-warm」技術を特徴とする数多くの近年紹介されたLED製品が存在する。白熱電球もまた、それらが暗いときにより暖かくなる。「dim-to-warm」LED製品を用いて、複数のLEDを組み入れた光源は、減光の間に光源の相関色温度(CCT)がより暖かくなるように自主的に調整される。しかし、dim-to-warmが人間に対してより好ましく又は魅力的な照明の様式のはずであるという生理学的な理由はない。しかし、「dim-to-vibrant」が、即ち、ハント効果を克服するために、より好ましく及びより望ましいはずであるという生理学的な理由はある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、技術的に必要なものは、ハント効果に対抗し、光源が暗いときに対象物彩度(chroma)を増加させるための装置、システム及び方法である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの実施例において、減光時に複数エミッター発光装置の色域を増加させる方法は、前記装置内の各エミッターを独立に駆動するステップと、前記発光装置の総ルーメン出力が減少しても総色域が増加するように、少なくとも1つのエミッターのルーメン出力を増加させ、同時に少なくとも1つのその他のエミッターのルーメン出力を減少させるステップと、を含む。1つの実施例において、複数のLEDエミッターは、少なくとも7つのLEDエミッターを含む。1つの実施例において、前記少なくとも7つのLEDエミッターは、赤色エミッター、琥珀色エミッター、ライム色エミッター、緑色エミッター、シアン色エミッター、青色エミッター及び藍色エミッターを含む。1つの実施例において、複数のLEDエミッターは、少なくとも4つのLEDエミッターを含む。1つの実施例において、前記少なくとも4つのLEDエミッターは、赤色エミッター、緑色エミッター、ロイヤルブルー色(藍色)エミッター及び白色エミッターを含む。1つの実施例において、複数のLEDエミッターは、少なくとも5つのLEDエミッターを含む。1つの実施例において、前記少なくとも5つのLEDエミッターは、赤色エミッター、ライム色エミッター、緑色エミッター、シアン色エミッター及びロイヤルブルー色(藍色)エミッターを含む。
【0006】
1つの実施例において、前記方法は、ルーメン出力が減少するとき、IES TM-30-15忠実度インデックス(Rf)を線形に減少させるステップを含む。1つの実施例において、前記方法は、全出力における約96から最小調光レベルにおける約48まで、IES TM-30-15忠実度インデックス(Rf)を線形に減少させるステップを含む。1つの実施例において、前記方法は、ルーメン出力が減少するとき、IES TM-30-15色域インデックス(Rg)を線形に増加させるステップを含む。1つの実施例において、前記方法は、全出力における約101から最小調光レベルにおける約140まで、IES TM-30-15色域インデックス(Rg)を線形に増加させるステップを含む。1つの実施例において、前記方法は、ルーメン出力が減少するとき、Duvを線形に減少させるステップを含む。1つの実施例において、前記方法は、全出力における約0.0から最小調光レベルにおける約-0.03まで、Duvを線形に減少させるステップを含む。1つの実施例において、前記方法は、ルーメン出力が減少するとき、IES TM-30-15の色相ビン1の彩度シフト(Rcs,h1)を線形に増加させるステップを含む。1つの実施例において、前記方法は、全出力における約-0.1%から最小調光レベルにおける約+35.4%まで、IES TM-30-15の色相ビン1の彩度シフト(Rcs,h1)を線形に増加させるステップを含む。1つの実施例において、前記方法は、ルーメン出力が減少するとき、一定の相対色温度を維持するステップを含む。1つの実施例において、発光装置は照明器具である。1つの実施例において、発光装置は、既存の照明用ソケットに回し入れられる、又はピン口金内に挿入される統合されたベースを持つランプである。
【0007】
1つの実施例において、発光装置は、少なくとも2つのLEDエミッターと、少なくとも1つの内部コントローラと、前記少なくとも1つの内部コントローラを介して、複数のLEDエミッターを独立に駆動するよう構成された複数のドライバー回路と、前記発光装置の総ルーメン出力が減少しても総色域が増加するように、少なくとも1つのエミッターのルーメン出力を増加させ、同時に少なくとも1つのその他のエミッターのルーメン出力を減少させるよう構成されたプログラミングロジックと、を含む。1つの実施例において、前記少なくとも2つのLEDエミッターのそれぞれは、異なる色を発光するよう構成される。1つの実施例において、前記少なくとも2つのLEDエミッターは、赤色エミッター、ライム色エミッター、琥珀色エミッター、緑色エミッター、シアン色エミッター、青色エミッター、藍色エミッター及び白色エミッターを含むグループから選択される。1つの実施例において、前記発光装置は、ルーメン出力が減少するとき、IES TM-30-15忠実度インデックス(Rf)を線形に減少させるよう更に構成される。1つの実施例において、前記発光装置は、全出力における約96から最小調光レベルにおける約48まで、前記IES TM-30-15忠実度インデックス(Rf)を線形に減少させるよう更に構成される。1つの実施例において、前記発光装置は、ルーメン出力が減少するとき、IES TM-30-15色域インデックス(Rg)を線形に増加させるよう更に構成される。1つの実施例において、前記発光装置は、全出力における約101から最小調光レベルにおける約140まで、前記IES TM-30-15色域インデックス(Rg)を線形に増加させるよう更に構成される。1つの実施例において、前記発光装置は、50%調光レベルにおいて少なくとも120まで、前記IES TM-30-15色域インデックス(Rg)を増加させるよう更に構成される。1つの実施例において、前記発光装置は、ルーメン出力が減少するとき、Duvを線形に減少させるよう更に構成される。1つの実施例において、前記発光装置は、全出力における約0.0から最小調光レベルにおける約-0.03まで、Duvを線形に減少させるよう更に構成される。1つの実施例において、前記発光装置は、ルーメン出力が減少するとき、IES TM-30-15の色相ビン1の彩度シフト(Rcs,h1)を線形に増加させるよう更に構成される。1つの実施例において、前記発光装置は、全出力における約-0.1%から最小調光レベルにおける約+35.4%まで、前記IES TM-30-15の色相ビン1の彩度シフト(Rcs,h1)を線形に増加させるよう更に構成される。1つの実施例において、前記発光装置は、ルーメン出力が減少するとき、一定の相対色温度を維持するよう更に構成される。1つの実施例において、前記複数のLEDエミッターのそれぞれはLEDダイスを含む。1つの実施例において、前記複数のLEDエミッターは、1つのLEDパッケージ内に配置される。1つの実施例において、前記発光装置は照明器具である。1つの実施例において、前記発光装置は、外部コントローラ及び前記内部コントローラに通信可能に接続される外部コントローラインタフェースを更に有する。
【0008】
その他の態様において、発光装置は、少なくとも2つのLEDエミッターと、複数のLEDエミッターを独立に駆動するよう構成された複数のドライバー回路と、を含み、前記発光装置は、第1の固定出力レベルで光を放射し、前記出力レベルは、全てのLEDエミッターが同等に駆動される場合に放射されるものより低い総ルーメン出力及び高い総色域を持つ。1つの実施例において、前記発光装置は、第2の固定出力レベルで光を放射するようにも構成され、前記第2の固定出力レベルは、前記第1の固定出力レベルより低い総ルーメン出力及び高い総色域を持つ。1つの実施例において、前記発光装置は、固定出力レベルの順序付けされたセットにおいて光を放射するよう構成され、前記セット内のそれぞれ後の固定出力レベルは、前記セット内の全ての前の固定出力レベルより低い総ルーメン出力及び高い総色域を持つ。
【0009】
特許又は出願のファイルは、カラーで作成された少なくとも1つの図を含む。カラーの図を伴うこの特許又は特許出願の公報は、要求と必要料金の支払いに応じて、事務所(office)により提供されるであろう。
【0010】
上述の目的と特徴、同様にその他の目的と特徴は、以下の記載及び添付する図面を参照して明らかとなり、これらは、本発明の理解を提供し、明細書の一部を構成するために包含され、ここで、同様の参照番号が同様の要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】1つの実施例による発光装置のシステム図である。
図2A】1つの実施例による7 LEDアレイの図である。
図2B】室内環境における発光装置の説明図である。
図3】1つの実施例による9 LEDアレイの図である。
図4A】1つの実施例による36 LEDアレイの図である。
図4B】1つの実施例による22 LEDアレイの図である。
図5A】本発明の1つの実施例において使用される7つのエミッターのピーク波長の線形グラフである。
図5B】本発明の1つの実施例において使用される7つのエミッターの相対スペクトルパワー分布のグラフである。
図6A】色特性における体系的変化を生成するために使用される7 LEDチャネルのそれぞれの小数点の(即ち、相対的な)パーセンテージを示す表である。
図6B図6Aの表で与えられる小数値と関連する相対的DMX値を示す表である。
図6C】10%単位での全出力から最小調光レベルまでのRf、Rg、CCT、Duv及びRcs,h1における体形的変化を示す表である。
図6D】10%単位での全出力から最小調光レベルまでのRf、Rg、CCT、Duv及びRcs,h1における体形的変化を示すグラフである。
図7A】10%単位での全出力から最小調光レベルまでの調光に対するTM-30-15のカラーベクターグラフィック(CVG)(上)と関連するスペクトルパワー分布(SPD)(下)を示す。
図7B】10%単位での全出力から最小調光レベルまでの調光に対するTM-30-15のカラーベクターグラフィック(CVG)(上)と関連するスペクトルパワー分布(SPD)(下)を示す。
図7C】10%単位での全出力から最小調光レベルまでの調光に対するTM-30-15のカラーベクターグラフィック(CVG)(上)と関連するスペクトルパワー分布(SPD)(下)を示す。
図7D】10%単位での全出力から最小調光レベルまでの調光に対するTM-30-15のカラーベクターグラフィック(CVG)(上)と関連するスペクトルパワー分布(SPD)(下)を示す。
図7E】10%単位での全出力から最小調光レベルまでの調光に対するTM-30-15のカラーベクターグラフィック(CVG)(上)と関連するスペクトルパワー分布(SPD)(下)を示す。
図7F】10%単位での全出力から最小調光レベルまでの調光に対するTM-30-15のカラーベクターグラフィック(CVG)(上)と関連するスペクトルパワー分布(SPD)(下)を示す。
図7G】10%単位での全出力から最小調光レベルまでの調光に対するTM-30-15のカラーベクターグラフィック(CVG)(上)と関連するスペクトルパワー分布(SPD)(下)を示す。
図7H】10%単位での全出力から最小調光レベルまでの調光に対するTM-30-15のカラーベクターグラフィック(CVG)(上)と関連するスペクトルパワー分布(SPD)(下)を示す。
図7I】10%単位での全出力から最小調光レベルまでの調光に対するTM-30-15のカラーベクターグラフィック(CVG)(上)と関連するスペクトルパワー分布(SPD)(下)を示す。
図7J】10%単位での全出力から最小調光レベルまでの調光に対するTM-30-15のカラーベクターグラフィック(CVG)(上)と関連するスペクトルパワー分布(SPD)(下)を示す。
図7K】10%単位での全出力から最小調光レベルまでの調光に対するTM-30-15のカラーベクターグラフィック(CVG)(上)と関連するスペクトルパワー分布(SPD)(下)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の図及び記載は、本発明のより明確な理解に適した要素を説明するために簡潔化されているものの、明確さの目的のため、光源を暗くしたときに対象物彩度を増加させるシステムと方法において見つけられる多くのその他の要素を除外していることを理解すべきである。当業者は、その他の要素及び/又はステップが、本発明を実施する際に望ましく及び/又は要求されることを理解しているであろう。しかし、そのような要素及びステップは技術的に十分に知られているため、そして、それらは本発明の更なる理解を容易にするものではないため、そのような要素及びステップの考察はここでは提供されない。ここにおける開示は、当業者に知られたそのような要素及び方法への全ての差異及び変更に向けられる。
【0013】
他に定義されていない場合、ここで用いられる全ての技術的及び科学的用語は、この発明が属する技術の当業者により共通に理解されるものと同じ意味を持つ。ここに記載されるものと類似又は同等のあらゆる方法及び用具が、本発明の実施又は試験に使用できるが、好適な方法又は用具が記載される。
【0014】
ここで使用されるように、以下の用語のそれぞれは、本節におけるそれと関連する意味を持つ。
【0015】
冠詞「a」及び「an」は、冠詞の文法的な目的語の1つ又は1つより大きい(即ち、少なくとも1つ)を参照するためにここで使用される。例として、「an element」は、1つの要素又は1より多い要素を意味する。
【0016】
量、時間区間及び同類のものなどの測定可能な値を参照する際にここで使用されるような「about」は、そのような変動が適切であるように、特定値からの±20%、±10%、±5%、±1%及び±0.1%の変動を含むことを意味する。
【0017】
範囲(Ranges):本開示の全体にわたり、本発明の様々な態様が範囲の形式で提示され得る。範囲の形式による記載は、単に便利さ及び簡潔さのためのものであり、本発明の範囲における不自由な制限として解釈されるべきではないことを理解すべきである。必要に応じて、範囲の記載は、明確に開示される全ての可能な部分的範囲(subranges)及びその範囲内の個々の数値を有すると考えるべきである。例えば、1から6までのような範囲の記載は、1から3、1から4、1から5、2から4、2から6、3から6などの明確に開示される部分的範囲、及びその範囲内の個々の数値、例えば、1、2、2.7、3、4、5、5.3、6、を有すると考えるべきである。これは、範囲の大きさに関らずに適用される。
【0018】
様々な実施例において図面を詳細に参照し、図面内では、幾つかの表示を通して同様の参照番号は同様の部分又は要素を示し、減光時に対象物彩度を増加させる光源がここに提供される。
【0019】
図1を参照して、1つの実施例による例示的な発光装置40が示される。発光装置40は、駆動回路21、22、23、24、25、26、27にそれぞれ接続される複数のLEDエミッター1、2、3、4、5、6、7を含む。各駆動回路21、22、23、24、25、26、27は、それぞれのLEDエミッター1、2、3、4、5、6、7を独立に駆動するよう構成された内部コントローラ30に接続される。内部コントローラ30は、発光装置40が全出力と最小調光レベルとの間を移行するように、各LED 1、2、3、4、5、6、7への電力を個別に操作する。エミッターの厳密な数には制限がないことを認識すべきであり、例えば、装置は、2又はそれ以上のエミッターを含むことができ、あるいは2又はそれ以上の少なくとも2つの異なる光の色のエミッターを含むことができる。装置は、同じ光の色を発光する2又はそれ以上のエミッターのグループを備える複数のエミッターを含むこともできる。
【0020】
幾つかの実施例において、装置は1つ以上の蛍光体変換LED(phosphor-converted LED)(PC-LED)を含む。PC-LEDは、ピーク発光波長を持ち、また1つ以上の蛍光体を含むLEDエミッターとして技術的に知られており、1つ以上の蛍光体は、発光される幾つかの光をより長い波長に変換する。幾つかの実施例において、エミッターと蛍光体との組み合わせは、高い色忠実度(color-fidelity)スコアを持った広域スペクトルの発光を生成することを可能にする。1つの実施例において、エミッターと蛍光体との組み合わせは、90より大きいIES TM-30-15 Rf忠実度スコアを持つスペクトル発光を生成することを可能にする。1つの実施例において、本発明は、1つの青色エミッター、及び1つが緑色領域(約530nmのピーク波長を持つ)で、1つが赤色領域(約630nmのピーク波長を持つ)である2つの狭域発光蛍光体を含む。
【0021】
内部コントローラ30は、様々なレベルのルーメン(lumen)出力において、各LEDエミッター1、2、3、4、5、6、7に駆動される電力を自動的に調整する配線回路とすることができる。内部コントローラ30は、様々なレベルのルーメン出力において、各LEDエミッター1、2、3、4、5、6、7に個別にどの程度の電力が駆動されるかを制御するようプログラム可能なチップを含むデジタルコンポーネントとすることもできる。このため、内部コントローラは、エミッターの出力を個別に操作するためのコンピュータロジック(logic)を含むことができる。ロジックは、ローカル又はリモートで実行可能なソフトウェアプラットフォームなど、あるいはホスト型インターネット又はネットワークプログラム又はポータルなど、コンピュータプラットフォーム上で動作できる。当業者には当然のあらゆるコンピュータ装置が、エミッター信号を駆動するためにシステムと共に使用され、それらは、デスクトップ又はモバイル装置、ラップトップ、デスクトップ、タブレット、スマートフォン又はその他の無線デジタル/セルラー電話、あるいは当業者には当然のその他の装置を含む。発光装置40は、減光の過程で装置の全体のルーメン出力が減少するとき、色域(gamut)を増加させるために複数のLEDエミッターへの電力を独立に駆動するよう構成される。
【0022】
幾つかの実施例において、発光装置40は、外部コントローラと通信するよう構成された少なくとも1つの外部コントローラインタフェースをさらに含む。外部コントローラインタフェースと共に使用するための外部コントローラの例は、制限されるものではないが、既に広範囲で使用されている市販のコントローラを含む。例えば、本発明の外部コントローラインタフェースは、0-10V壁取付け(wall-box)調光器(dimmer)、DMX512コントローラ、DALIコントローラ、無線照明コントローラ、スマートホームコントローラ、周辺光センサ、太陽光電池センサ、又はタイムレコーダ(time clock)と接続する。これらの実施例において、外部コントローラインタフェースは、装置の様々なLEDエミッターの相対的な強度を設定する内部コントローラと、幾つかの実施例において、スイッチ、調光器スイッチ又は音声制御などのヒューマンインタフェースを含む外部コントローラとの橋渡しとして動作する。
【0023】
1つの実施例において、LEDエミッター1、2、3、4、5、6、7のそれぞれは、異なる色を発光するよう構成されるが、幾つかの実施例は、同一色であるLEDエミッターの1つ以上のセットを含むことができる。1つの実施例において、少なくとも4つのLEDエミッターは異なる色を発光し、一方、その他の実施例において、少なくとも7つのLEDエミッターは異なる色を発光する。ここで図2Aを参照すると、少なくとも7つのLEDエミッターが異なる色を発光する実施例において、色及びピーク波長が、赤色エミッター(630 nm)1、琥珀色(amber)エミッター(590 nm)2、ライム色エミッター(568 nm)3、緑色エミッター(530 nm)4、シアン色エミッター(500 nm)5、青色エミッター(460 nm)6、及びロイヤルブルー色(藍色)エミッター(445 nm)7を含んでいるLEDアレイが示される。エミッターは、例えば、7つのLEDアレイを含むLEDパッケージの部分とすることができる。当業者には明らかなように、上で挙げた波長は、エミッターの可能な組合せのただの一例であり、限定することを意味するものではない。幾つかの実施例において、例えば、赤色エミッターは、640nmのピーク波長を有する。その他の実施例において、7つのエミッターは、複数のピーク波長を備えた白色エミッターを含むことができる。各エミッターに供給されるワット数(wattage)又は電力は、上記のように、デジタルコントローラ又は制御回路により独立に制御される。実例の目的として、図2Aの発光装置40は、人12により観測されている対象物14を照らしている頭上室内灯40として、図2Bに描写される環境内に示される。
【0024】
幾つかの実施例において、1つ以上のLEDパッケージは、プリント回路基板又は基板(substrate)上に構成される。単一の内部コントローラ又は制御回路が、例えば、異なるアレイ内に備えられた同一色のLEDを制御するための共通のドライバー回路を用いることにより、複数のLEDアレイを制御するために使用できる。エミッターは、当技術分野で知られた様々なタイプのいずれかとすることができ、例えば、Luxeon Rebel(Lumileds Holding B.V.)の商品名により知られるエミッターなどである。幾つかの実施例において、エミッターは、有機材料を含み、OLEDエミッターである。幾つかの実施例において、1つ以上の内部コントローラ及び1つ以上のLEDパッケージは、同じ基板上に配置される。幾つかの実施例において、エミッターは反射型液晶(LCoS)照明装置として構成される。幾つかの実施例において、エミッターはレーザーダイオードである。幾つかの実施例において、1つ以上のLEDパッケージはPC-LEDである。
【0025】
アレイ内のエミッターの物理的配置は様々な形式を取ることができる。配置は、例えば、対象又は非対称とできる。ここで、図3を参照すると、発光装置140は、9つのLEDエミッター31、32、33、34、35、36、37、38、39を有するよう示される。この例において、図2Aに示されるオフセット配置に対して、ダイス(dies)の配置は3の直列の行と列である。さらに、図3に示される実施例は、深紅色(650 nm)31、赤色(620 nm)32、赤橙色(610 nm)33、琥珀色(585 nm)34、ライム色(566 nm)35、緑色(520 nm)36、シアン色(490 nm)37、青色(460 nm)38、スミレ(violet)色(420 nm)39の色及びピーク波長のエミッターを含む。上記の実施例と同様に、内部コントローラ又は制御回路により各ダイスに駆動される電力は、その他とは独立である。
【0026】
異なる色を発光する少なくとも4つのLEDエミッターを有する1つの実施例において、LEDアレイは、赤色(630 nm)、ライム色(568 nm)、緑色(530 nm)、ロイヤルブルー色又は藍色(445 nm)、及び広域蛍光体変換発光を持つ白色のピーク波長を備えるエミッターを含む。少なくとも5つのLEDエミッターが異なる色を発光するその他の実施例において、LEDアレイは、赤色(630 nm)、ライム色(568 nm)、緑色(530 nm)、シアン色(500 nm)、及びロイヤルブルー色又は藍色(445 nm)のピーク波長を備えるエミッターを含む。
【0027】
LEDアレイのその他の例が図4Aに示される。この例において、エミッターは、異なるルーメン出力に対して平衡を保つために数的に同等ではない。各エミッターに駆動される電力は、独立に制御される。この例において、エミッターは、赤色(1)、琥珀色(2)、ライム色(3)、緑色(4)、シアン色(5)、青(6)、及びロイヤルブルー色(藍色)(7)を含む。図4Aの例は、5つの赤色エミッター、10の琥珀色エミッター、7つのライム色エミッター、5つの緑色エミッター、3つのシアン色エミッター、3つの青色エミッター、3つのロイヤルブルー色(藍色)エミッターを含む。
【0028】
LEDアレイのその他の例は、図4Bに示される。この例において、22のエミッターは、実質的に円形の構成で用いられる。図4B内の各番号1~7に対応する色は、赤色(1)、琥珀色(2)、緑色(3)、シアン色(4)、青色(5)、ロイヤルブルー色(藍色)(6)及び白色(7)である。
【0029】
この構成の2つの主な利点がある。第1に、パッケージに更なるエミッターを追加することは、全体として、パッケージにより可能な最大ルーメン出力を増加させる。第2に、同一タイプで異なる色のエミッターは、効率の違い、及び要求されるスペクトル範囲の光を生成するために必要な内在する科学的性質の違いのため、異なる最大ルーメン出力を有することが多い。より高効率のより少ないエミッターと同じ総発光出力に到達するために、より低効率のより多くのエミッターを使用することにより、効率の差異を補償することができる。
【0030】
エミッターの色分布の一例が図5Aに示される。7つのエミッターの個別のSPDが示される。図5Aにおいて、曲線は、対応するピーク波長を伴って、以下のように番号付けられる:1)赤色(634 nm)、2)琥珀色(597 nm)、3)緑色(525 nm)、4)シアン色(500 nm)、5)青色(475 nm)、6)ロイヤルブルー色(藍色)(445 nm)、及び7)白色(564と436 nm)。図5AのSPDは、各曲線の形状を示すために正規化され、このため、全ての曲線のピーク発光波長は、同一レベルで示される。これは、7つのLEDダイスの全てが同一の発光力レベルで光を放射していることを示すことを意味するものではない。
【0031】
図5Bは、図5Aの記載において上で示した7つのエミッターのSPDの別の表現を示す。図5Bにおける各曲線は、図5Aの記載において上で示したピーク波長を持つエミッターの各グループにより生成された全体の相対的放射ワットを表し、図4Bで示される22のエミッターのセット内のように配置される。
【0032】
様々なエミッターに駆動される電力を調整することにより、光源の色域インデックス(以下、「Rg」)を増加させるため、色特性における体系的変動が生成される。本発明は、忠実度インデックス(以下、「Rf」)、相関色温度(以下、「CCT」)、「Duv」、(これは、既定の光源の色度(chromacity)及び同じCCTの黒体放射体の間の距離を定量化するメトリックであると当技術分野において理解される)、及び色相ビン(hue bin)1の彩度シフト(以下、「Rcs,h1」)への変更を体系的に制御しながら、そのように行う。これらの変数の体系的制御は、本発明の実施例に従い、ハント効果に対抗し、減光の間に対象物の彩度を増加させる。様々なLEDチャネルのそれぞれの小数点の(即ち、相対的な)パーセンテージは、色特性における体系的変動を生成するために使用される。1つの実施例において、発光装置は、ルーメン出力が減少するに従い、IES TM-30-15忠実度インデックス(Rf)の減少を制限するように構成される。1つの実施例において、発光装置は、IES TM-30-15忠実度インデックス(Rf)の減少を、全出力における約96から最小調光レベルにおける約48までに制限するように特別に構成される。1つの実施例において、発光装置は、ルーメン出力が減少するに従い、IES TM-30-15色域インデックス(Rg)を線形に増加させるように構成される。1つの実施例において、発光装置は、IES TM-30-15色域インデックス(Rg)を、全出力における約101から最小調光レベルにおける約140まで線形に増加させるように特別に構成される。1つの実施例において、発光装置は、ルーメン出力が減少するに従い、Duvを線形に減少させるように構成される。1つの実施例において、発光装置は、Duvを全出力における約0.0から最小調光レベルにおける約-0.03まで線形に減少させるように特別に構成される。その他の実施例において、発光装置は、Duvをほぼ又は完全に一定に保持するように構成される。幾つかの実施例において、発光装置は、CCTをおよそ又は完全に一定に保持するように構成される。その他の実施例において、発光装置は、CCT及び色域の両方を独立に又は並行して変更するように構成される。1つの実施例において、発光装置は、ルーメン出力が減少するに従い、IES TM-30-15の色相ビン1の彩度シフト(Rcs,h1)を線形に増加させるように構成される。1つの実施例において、発光装置は、IES TM-30-15の色相ビン1の彩度シフト(Rcs,h1)を、全出力における約-0.1%から最小調光レベルにおける約+35.4%まで線形に増加させるように特別に構成される。1つの実施例において、発光装置は、ルーメン出力が減少するに従い、一定の相対色温度を維持するように構成される。これらの体系的変化は、減光の間に対象物彩度を増加させ、これは、以下でより詳細に記載される実験的例において実証される。
【0033】
発光装置は、対象物又は一般的空間を照らすための技術的に既知の任意のタイプの発光装置とすることができる。1つの実施例において、発光装置は、ランプなどの照明器具、又は頭上の室内照明などの照明設備である。その他の実施例において、発光装置は、既存の照明用ソケットに回し入れられる、又はピン口金内に挿入される交換用電球内にパッケージ化される。LEDモジュールは、照明器具内に組み込まれるか、又は入れ物及び回路を含んだ1つの照明器具とすることができる。発光装置は、住宅、商業、ミュージアム、映画館及び応接(hospitality)用の照明など、様々なアプリケーションにおいて使用できる。
【0034】
有利には、本発明の実施例は、照明が当てられる対象物の外観を変えるため、異なる波長において光放射の相対的な比率(即ち、スペクトルパワー分布)を操作する。高出力(100%)において、スペクトルパワー分布の色域は、約100の色域インデックス(例えば、IES Rg、GAI)を持つ参照発光体と比較可能であろう。光源が薄暗くなるに従い、ルーメン出力が減少するだけでなく、色域が増加するであろう(例えば、IES Rg>100)。
【0035】
幾つかの実施例において、本発明の内部コントローラは、本発明のより低い相対光出力においてより広いスペクトル発光を達成する単一の固定出力構成又は固定出力レベルのセットを含み、又はそれらにより交換できる。例えば、1つの実施例において、本発明の発光装置は、「on」及び「off」状態のみを有するが、「on」状態にある間、発光装置は、参照発光体より低い総ルーメン出力を有し、同時により大きい色域(例えば、IES Rg>100)を有するであろう。例示的な実施例において、図7H、7I又は7Jに示されるように、「on」状態のエミッターは固定出力を持つであろう。あるいは、本発明のエミッターの固定出力状態は、図6A又は6B内の任意の1つの段により定義できる。理解すべきは、図6A、6B、7H、7I及び7Jに示される実施例は、限定することを意味するものではなく、本発明の発光装置の固定出力の実施例は、あらゆる固定出力を有することができ、ここで、照明を当てる対象物をより広く、より明るい(radiant)色域において見せるために、総ルーメン出力は参照発光体より低いが(即ち、暗い)、総色域出力は通常より高くなるであろう。本発明の実施例は、代わりに、出力レベルの固定されたセットを持つことができ、ここで、連続的よりむしろ段階的に、出力レベルは減少し、色域は増加する。
【0036】
1つの実施例において、発光装置から光出力を生成する方法は、ルーメン出力が減少する際に色域を増加させるために、複数のLEDエミッターを独立に駆動するステップを含む。1つの実施例において、方法は、ルーメン出力が減少する際にIES TM-30-15忠実度インデックス(Rf)の減少を制限するステップを含む。1つの実施例において、方法は、全出力における約96から最小調光レベルにおける約48までに、IES TM-30-15忠実度インデックス(Rf)の減少を制限するステップを含む。1つの実施例において、方法は、ルーメン出力が減少する際にIES TM-30-15色域インデックス(Rg)を線形に増加させるステップを含む。1つの実施例において、方法は、全出力における約101から最小調光レベルにおける約140まで、IES TM-30-15色域インデックス(Rg)を線形に増加させるステップを含む。1つの実施例において、方法は、ルーメン出力が減少する際にDuvを線形に減少させるステップを含む。1つの実施例において、方法は、全出力における約0.0から最小調光レベルにおける約-0.03まで、Duvを線形に減少させるステップを含む。1つの実施例において、方法は、ルーメン出力が減少する際にIES TM-30-15の色相ビン1の彩度シフト(Rcs,h1)を線形に増加させるステップを含む。1つの実施例において、方法は、全出力における約-0.1%から最小調光レベルにおける約+35.4%まで、IES TM-30-15の色相ビン1の彩度シフト(Rcs,h1)を線形に増加させるステップを含む。1つの実施例において、方法は、ルーメン出力が減少する際に一定の相関色温度を維持するステップを含む。
【0037】
実験例
ここで、以下の例を参照して本発明が記載される。これらの例は、説明のみの目的のために提供され、本発明は、これらの例に制限されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、ここに提供される教えの結果として明らかとなる任意の及び全ての差異を包含するものと解釈すべきである。
【0038】
更なる記載なしに、上記の説明及び以下の説明例を用いて、当業者が本発明を行い、利用し、及び請求項による方法を実行することができると確信する。このため、以下の実施例は、本発明の好適な実施例を明確に指摘しており、開示の残り部分を何らかの方法で制限するものとして解釈されるものではない。
【0039】
ここで、図6A及び6Dを参照し、7つのLEDチャネルのそれぞれの小数点の(即ち、相対的)パーセンテージが、色特性の体系的差異を生成するために使用される。それらは、図4B及び5Bに記載される22のLEDエミッターのアレイに基づくルーメン出力に応じて調整される。この例において、CCTは3500 Kで一定に維持される。IES TM-30-15忠実度インデックス(Rf)は、全出力における96から最小調光レベルにおける48まで線形に変化する。IES TM-30-15色域インデックス(Rg)は、101から140まで線形に変化する。Duvは、0.0から-0.03まで線形に変化する。赤色飽和度(saturation)を表すIES TM-30-15の色相ビン1の彩度シフト(Rcs,h1)は、-0.001(-0.1%)から+0.354(+35.4%)まで線形に変化する。図6Aで与えられる小数点値に関連する相対的DMX(デジタルマルチプレクス)値は、図6Bに示される。これらDMX値は、ルーメン出力に応じて調整されている。ここで、図6Cに示される例を参照して、Rf、Rg、CCT、Duv及びRcs,h1の体系的変化は、全出力から最小調光レベルまで10%のインクリメントで示される。CCTは一定を維持し、放射の発光効率(LER)が参考のために示される。
【0040】
図7A~7Kは、全出力から最小調光レベルまでの10パーセントのインクリメントでの調光に対する、TM-30-15カラーベクターグラフィック(CVG)〔上部〕及び関連するスペクトルパワー分布(SPD)〔下部〕を提供する。CVGは、16の色相ビンに分割され、それぞれは点により表され、色相グラフのその放射断面(radial section)に取り入れられるTM-30-15色相サンプルの平均を表す。ベクトルは、試験発光体(濃い円)と参照発光体(白い円)との間の各ビンの色相及び飽和の違いを表す。中心から増加する距離のベクトルは飽和の増加を表し、中心への減少する距離のベクトルは飽和の減少を表す。参照発光体円との各ベクトル接線の要素は、その色相ビンの色相シフトを表す。Rgは、試験発光体の点と参照発光体の点により定義される多角形により囲まれる領域の差により決定され、ここで、Rg=100は参照発光体との合致を表す。
【0041】
ここに引用されるそれぞれ及び全ての特許、特許出願、公報の公開は、その全体において参照することにより本書の一部を構成する。本発明は特定の実施例を参照して記載されている一方、本発明のその他の実施例及び変更は、本発明の真の精神及び範囲から逸脱することなしに、当業者により考え出すことができる。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図7I
図7J
図7K