(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】ステアリルアルコール製剤
(51)【国際特許分類】
A01G 7/06 20060101AFI20221221BHJP
A01N 31/02 20060101ALI20221221BHJP
A01P 21/00 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
A01G7/06 A
A01N31/02
A01P21/00
(21)【出願番号】P 2019557757
(86)(22)【出願日】2018-05-10
(86)【国際出願番号】 US2018032041
(87)【国際公開番号】W WO2018209065
(87)【国際公開日】2018-11-15
【審査請求日】2021-04-15
(32)【優先日】2017-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510022440
【氏名又は名称】マローネ バイオ イノベーションズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128761
【氏名又は名称】田村 恭子
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】パターク,パンカジュ
(72)【発明者】
【氏名】ボディ,ルイス
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-300801(JP,A)
【文献】特表2013-501739(JP,A)
【文献】特開2009-55832(JP,A)
【文献】特表2012-511509(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0053244(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 7/06
A01N 31/02
A01P 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)12~24個の炭素原子を有するモノアルコール
10%、
(b)シリコーン
0.1%、
(c)トリスチリルフェノールエトキシレート
5%、
(d)プロピレングリコール
5%、
(e)ソルビン酸カリウム
0.5%、
(f)安息香酸ナトリウム
0.5%、
(g)キサンタンガム
0.1%、および
(h)リグノスルホン酸
1%
を含む、組成物。
【請求項2】
(a)12~19個の炭素原子を有するモノアルコール、(b)20~30個の炭素原子を有するモノアルコール、(c)シリコーン
0.1%、(d)トリスチリルフェノールエトキシレート
5%、(e)プロピレングリコール
5%、(f)ソルビン酸カリウム
0.5%、(g)安息香酸ナトリウム
0.5%、(h)キサンタンガム
0.1%、および(i)リグノスルホン酸
1%を含む、組成物。
【請求項3】
炭酸カルシウムを含有する日焼け防止剤をさらに含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記モノアルコールは12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24個の炭素原子を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
請求項1、2または4のいずれかに記載の前記組成物の有効量を施用するステップを含む、植物体および/または果実に対する日焼けの影響を低下させる方法であって、
前記植物体および/または果実は日焼けの影響が低下している、方法。
【請求項6】
請求項1、2または4のいずれかに記載の前記組成物の有効量を施用するステップを含む、植物体および/または果実の水分保持を向上させる方法であって、
前記植物体および/または果実は水分保持が向上している、方法。
【請求項7】
前記植物体および/または果実は、ブドウ、キュウリ、カボチャ、スイカ、メロン、ジャガイモ、トマト、ナス、ピーマン、イチゴ、オクラ、サヤインゲン、ソラマメ、エンドウ、ダイズ、トウモロコシ、柑橘類、アーモンド、クルミ、リンゴ、エダマメ、ハクサイ、漬け菜類、チンゲンサイ、キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、メキャベツ、タマネギ、ネギ、ニンニク、ラッキョウ、ニラ、アスパラガス、レタス、サラダナ、セロリ、ホウレンソウ、シュンギク、パセリ、シャク、セリ、ウド、ミョウガ、フキまたはシソ、ダイコン、カブ、ゴボウ、ニンジン、タロイモ、サツマイモ、ヤムイモ、ショウガまたはレンコンを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記植物体および/または果実は、ブドウ、キュウリ、カボチャ、スイカ、メロン、ジャガイモ、トマト、ナス、ピーマン、イチゴ、オクラ、サヤインゲン、ソラマメ、エンドウ、ダイズ、トウモロコシ、柑橘類、アーモンド、クルミ、リンゴ、エダマメ、ハクサイ、漬け菜類、チンゲンサイ、キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、メキャベツ、タマネギ、ネギ、ニンニク、ラッキョウ、ニラ、アスパラガス、レタス、サラダナ、セロリ、ホウレンソウ、シュンギク、パセリ、シャク、セリ、ウド、ミョウガ、フキまたはシソ、ダイコン、カブ、ゴボウ、ニンジン、タロイモ、サツマイモ、ヤムイモ、ショウガまたはレンコンを含む、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、(a)12~19個の炭素原子または(b)20~30個の炭素原子を有するモノアルコールの新規な製剤の分野および植物体におけるその新規な使用方法に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年5月12日出願の米国仮出願第62/505,446号明細書および2017年6月19日出願の米国仮出願第62/521,940号明細書についての米国特許法第119条(e)による利益を主張するものである。これらの両方は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
連邦政府の資金による研究に関する声明
無し
【0004】
コンパクトディスクによる提出材料の参照による組み込み
無し
【背景技術】
【0005】
本発明の範囲を限定することなく、その背景については、(a)12~19個の炭素原子または(b)20~30個の炭素原子を有するモノアルコール、および植物体におけるその使用方法に関連して記載する。
【0006】
ステアリルアルコールの組成物および植物生長促進におけるその使用方法については、当技術分野で知られている。例えば、これらの全てが参照によりそれらの全体が組み込まれる、米国特許第64892696号明細書、米国特許第6884759号明細書、米国特許第7585814号明細書、および米国特許第7718571号明細書を参照されたい。より具体的には、ステアリルアルコールの様々な構造、その使用方法が参照により組み込まれる。
【0007】
ステアリルアルコールの様々な構造および製剤が当技術分野に存在するが、それらは不安定であることが多く、効力がほとんどないかまたは全くない。したがって、安定したステアリルアルコール製剤が必要である。
【発明の概要】
【0008】
本開示は、驚くべき効力を有するステアリルアルコールの新規な製剤を企図するものである。
【0009】
一態様では、本開示は、(a)12~24個の炭素原子を有するモノアルコール約10%、(b)Antifoam OR-90約0.1%、(c)Soprophor BSU約2%、(d)プロピレングリコール約5%、(d)ソルビン酸カリウム約0.5%、(e)安息香酸ナトリウム約0.5%、(f)キサンタンガム約0.1%、および(g)Borresperse 3A約1%を含む、組成物に関する。これを実施形態1と呼ぶ。
【0010】
別の態様では、(a)12~19個の炭素原子、(b)20~30個の炭素原子を有するモノアルコール、(c)Antifoam OR-90約0.1%、(d)Soprophor BSU約2%、(e)プロピレングリコール約5%、(f)ソルビン酸カリウム約0.5%、(g)安息香酸ナトリウム約0.5%、(h)キサンタンガム約0.1%、および(i)Borresperse 3A約1%を含む、組成物が企図されている。これは実施形態2である。
【0011】
さらに別の態様では、日焼け防止剤、肥料、殺虫剤、または殺菌剤をさらに含む、実施形態1または2の組成物。これが実施形態3である。
【0012】
一態様では、有効量の実施形態1~3を施用するステップを含む、植物体および/または果実に対する日焼けの影響を低下させる方法であって、前記植物体および/または果実は日焼けの影響が低下している、方法が企図されている。
【0013】
別の態様では、本開示は、有効量の実施形態1~3の組成物を施用するステップを含む、植物体および/または果実の水分保持を向上させる方法であって、前記植物体および/または果実は水分保持が向上している、方法に関する。
【0014】
一態様では、実施形態1~3の新規な製剤の様々な利点が企図され、これには、それらに限定されないが、新規な製剤は、植物体のクチクラを透過する光の割合を減少させることができること、植物体の葉温の低下を起こすことができること、熱ストレスの時期の頃の蒸散を減少させることができること、植物体の収量を増加させることができること、かつ/または植物体/果実を日射による損傷から保護することができることが含まれる。
【0015】
本発明の特徴および利点をより完全に理解するために、次に、添付の図面とともに本発明の詳細な説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】アーモンドの総収量と新規な製剤(「SC-P」)の種々の濃度との関係を示す図である。SC-Pを3回施用することにより、他の全ての処理および未処理対照(「UTC」)と比較して、統計学的により高い収量がもたらされた。これらの結果から、少ないほどより良いこと、およびアーモンドではより早いタイミングでより大きな効果があると思われる。
【
図2】日焼けクルミの%とSC-P製剤の濃度との関係を示す図である。全ての製品が、UTCよりも統計学的に優れており、日焼けクルミの%を低下させた。SC-Pは、標準物質と統計的に同様に機能した。
【
図3】日焼け障害のないリンゴの数を示す図である。日焼け障害のない果実の%は、SC-P 0.6%v/vおよびRaynox標準物質で処理した区画で数値的に最高であった。
【
図4】F25製剤を使用したアーモンド収量を示す図である。処理のタイミング:満開および満開の2週間後。葉面、1エーカー当たり100ガロン。lb表示の総ナッツ重量/樹木で測定した収量評価;データは8/14ラージ区画で収集、繰り返し無しの試験;統計学的解析無し。色、日焼け、活力、赤らみ、収量、および品質等級についてUTCと全ての処理との間で無視し得る差が観察された。処理は1pt Regulaid/100Galを含んでいた。
【
図5】F25製剤を使用した別のアーモンド収量試験を示す図である。P=0.5またはP=0.10のいずれでも、UTC、標準物質、または任意のMBI処理について収量または市場性データのいずれに関しても統計学的な分離はなかった。植物体の生長、葉の色、サイズ、または寿命、果実の核の色またはサイズに留意される目に見える差はなかった。
【
図6】F25製剤を使用したクルミ植物体の健全性を示す図である。いずれの評価日にでも、UTC、標準物質またはF25材料の間で、収量、売り物になるおよび売り物にならないナッツの%、葉の干乾びの発生率、または日焼けの発生率と重度において統計学的に有意な差は観察されなかった。
【
図7】F25製剤を使用したクルミの収量を示す図である。UTC、標準物質、および高割合のMBI-505は、トンナッツ/エーカーについて統計学的に類似していた。いずれの評価時でも、日焼け、ナッツミートの着色、ナッツのクラックアウト、平均ナッツ重量、および平均ナッツサイズについて、UTCと全ての処理との間で、統計学的に有意な差は観察されなかった。
【
図8】200から750nmの間の波長のパーセント光透過率(%T)を示す図である。UV-B放射は280~315nm(緑の破線)で発生するが、一方、光合成的に活性な放射は400~700nm(緑の実線)の間で発生する。シンボルの並びは、製剤化ステアリルアルコール12mL/L濃度(三角形)と2つの代替製剤(正方形、ダイヤモンド)に対応している。水(円)は100%の光透過率になる。
【
図9】ステアリルアルコールの葉への施用によって引き起こされる温度降下の比較を示す図である。ポイントは、4組の葉上で9時間間隔で測定された温度を表す。
【
図10】処理葉、対照葉、およびステアリルアルコール施用前の葉の光合成能力の比較を示す図である。光合成能力の変動は、同じ気孔コンダクタンスについて処理が対照よりも高い/低い光合成値を有すると解釈される。
【
図11】施用72時間後の、ステアリルアルコールで処理したトマト植物体の平均蒸散速度を示す図である。バーは標準誤差を表す。
【
図12】ステアリルアルコールの3回施用による処理後のアーモンド収量の増加を示す図である。満開(A)、満開の14日後(B)、ジューンドロップ(C)、ジューンドロップの14日後(D)、および殻割れ(hull split)(E)で施用した。実験全体にわたる平均値分離は、FisherのLSDを使用して信頼水準90%で実施した。
【
図13】メルローブドウの日光で損傷した房の数を示す図である。バーは、損傷した房の総数の標準誤差を表す。文字は、損傷の各カテゴリについて同じであり、α=0.05での平均値分離についてのチューキーの検定による有意差を表す。
【
図14】プリンセサ食用ブドウの日光で損傷した房の数を示す図である。バーは、損傷した房の数の標準誤差を表す。文字は、α=0.05での平均値分離についてチューキーの検定による、損傷した房の数の有意差を表す。
【
図15】トウモロコシに対するプロトタイプのステアリルアルコール製剤の植物毒性を示す図である。黒い点線は、未処理の対照で観察された植物毒性(乾燥した葉先)の重度を表す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の様々な実施態様の製造および使用について以下に詳細に論じるが、本発明は、多種多様な特定の文脈で実施できる多くの適用可能な発明概念を提供するものであることを理解されたい。本明細書で論じる特定の実施形態は、本発明を製造および使用する特定の方法の単なる例示であり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0018】
本発明の理解を促すため、いくつかの用語を以下に定義する。本明細書で定義される用語は、本発明の関連分野の当業者であれば通常に理解されるような意味を有する。「a」、「an」および「the」などの用語は単数形のもののみを指すと意図するものではなく、例示に使用し得る具体的な例の一般的クラスを包含する。本明細書の専門用語は本発明の特定の実施態様を記載するために使用されるが、それらの利用は、特許請求の範囲で概説される場合を除き、本発明を限定するものではない。
【0019】
本明細書で使用する場合、「SC-P」製剤とは、(a)ステアリルアルコール少なくとも約10%、(b)Antifoam OR-90少なくとも約0.1%、(c)Soprophor BSU少なくとも約2%、(d)プロピレングリコール少なくとも約5%、(e)ソルビン酸カリウム少なくとも約0.5%、(f)安息香酸ナトリウム少なくとも約0.5%、(g)キサンタンガム少なくとも約0.1%、および(h)Borresperse 3A少なくとも約1%を含む。特に明記しない限り、全ての実施例および図はSC-P製剤を使用して実施した。
【0020】
本明細書で使用する場合、「F25」製剤とは、(a)ステアリルアルコール少なくとも約10%、(b)ミリスチン酸イソプロピル少なくとも約30%、(c)Tween20少なくとも約5%、(d)Span80少なくとも約2%、(e)1-ヘキサノール少なくとも約18%、および(d)水少なくとも約35%を含む。
【0021】
本明細書で使用する場合、「MBI-505」とは、有効成分としてステアリルアルコールを有する組成物を表す。
【0022】
本明細書で使用する場合、数字の前にある「約」とは、そのような数字のプラスまたはマイナス20%を意味する。例えば、ステアリルアルコール約10%とは、ステアリルアルコール8~12%を意味する。
【0023】
一実施形態では、本開示の有効成分は、以下の式(1):
【0024】
【化1】
を含む(式中、R1はC10~C22の炭化水素基、R2は水素原子、ヒドロキシル基またはC1~C24炭化水素基を表し、R3は水素原子またはC1~C24炭化水素基を表す)。
【0025】
一般式(1)において、R1、R2およびR3で表される炭化水素基は、それぞれ飽和基または不飽和基とすることができ、好ましくは飽和基とすることができ、直鎖、分枝鎖または環状鎖とすることができ、好ましくは直鎖または分枝鎖とすることができ、特に好ましくは直鎖とすることができる。炭化水素基中の総炭素数は、奇数または偶数のいずれであってもよく、好ましくは偶数とすることができる。
【0026】
R1、R2またはR3中の総炭素数は、好ましくは50以下、より好ましくは12~48、さらにより好ましくは16~44である。一般式(1)において、R1中の炭素数は、好ましくは14~22、より好ましくは14~20、さらにより好ましくは14~18である。一般式(1)によって表される化合物中の総炭素数は、好ましくは12~48、より好ましくは16~28、さらにより好ましくは16~24である。化合物は、より好ましくは、合計で12~24個の炭素を含有し、1つのヒドロキシル基を有する化合物であり、さらにより好ましくは、合計で16~22個の炭素を含有し、1つのヒドロキシル基を有する化合物である。
【0027】
作用機序
一実施形態では、ステアリルアルコールとしても知られる一般式(1)は、ココヤシから抽出できる、植物体の蒸散抑制剤および日光損傷保護剤である。ステアリルアルコールは、ある特定の葉クチクラの天然前駆体である。クチクラとは、気生植物体の表皮細胞の外表面に存在する疎水性の多重層の構造体である。植物体は葉クチクラを用いて、非気孔性の植物体表面からの水分損失を制限し、病原体、草食動物、機械的損傷、または細胞膜やクロロフィルの損傷となる過剰な放射から、気生植物体の器官を保護している。クチクラワックスは、可視スペクトルおよび赤外スペクトルの光の反射率を高めることにより、光合成の光阻害を防ぎ、これによって、蒸散速度が低下し、結果として葉の水利用効率が高まることになる。完全に発達したクチクラが存在する場合および正常な条件下では、ほとんどの蒸散は、葉裏に通常集中している気孔を通して行われる。水ストレス時には、クチクラ構造を改変して、表皮からの水分損失をさらに低下させることができる。これの例外として、クチクラの蒸散は若い熟果においてより高い傾向にある。蒸散は蒸発冷却により過剰な熱を放散する。葉温が暑いほど、この目的のためにより多くの水を消費する必要があり、このことによって、土壌水分ストレスになりやすい地域での長期的な作物の活力が危うくなるおそれがある。光合成は、二酸化炭素が開放気孔を介して葉に入り込むためには、若干の水分損失が必然的に生じることを必要としている。しかし、より暖かい温度下では周囲の空気の飽和水蒸気濃度が上昇し、したがって、葉細胞は、平衡化するために必要とする以上の水分を蒸散することを余儀なくさせる。気温が暖かいほど、気孔は開いたままでいる必要が長いほど、葉から失われる水の量が多くなる。対照的に、内部温度がより低い葉は、温度がより高い葉ほど蒸散する必要がなく、したがって、光合成に割り当てるための限られた水の供給のうちのより多くを節約することができ、その結果、バイオマスの蓄積に割り当てるための限られた水の供給のうちのより多くを節約することができる。葉の伸長は、内部の小さな水不足に特に敏感である。したがって、このような不足を回避することで、より大きな葉の生産が可能になり、次いで、収穫可能な植物成分の光合成産物のより大きな生産にはね返ってくる。蒸散を適度にすることに加えて、内部温度を低下させることによって、葉を光合成にとって最適な温度レベルに近づけることができる。なぜなら、高温が、キー酵素ルビスコの活性化、電子伝達系の膜結合相、光呼吸に割り当てられたエネルギーを含めた、光合成に関連する様々なプロセスに悪影響を及ぼすおそれがあるからである。クチクラの保全性を確保するためには温度を35℃未満に維持することであり、このしきい値を超える葉はクチクラの蒸散をより起こしやすくなる。日焼けは、入射光の放射がキサントフィルサイクルの能力を凌いで過剰な光エネルギーを放散する場合に生じる可能性がある。UV-B(315~280nm)などの光合成範囲外の波長からの放射は、植物体の組織と生長に特に有害となる可能性がある。UV-B放射は、昼光スペクトルの最も高いエネルギー成分であり、以下のこと:草高および葉面積の低下;巻葉、ブロンジング(bronzing)、グレージングまたは白化;開花遅れおよび果実熟成の遅れ;光合成タンパク質の分解;クロロフィルおよびカロテノイドの破壊;キー光合成酵素ルビスコの活性の低下;脂質、タンパク質、およびDNAを損傷する活性酸素種の生成を引き起こすことが示されてきた。UV-B放射の上昇によって、クチクラ厚が増加することも示されており、その結果、収穫可能な材料ではなく保護構造体への植物資源の配分が増加することも指摘されている。さらに、UV-B放射は、周囲温度が35℃を超えると、リンゴなどの果実への日焼けの褐変損傷の駆動原因であると考えられる。草本双子葉植物体の表皮は、UV-B放射を遮蔽するには特に効果がないと考えられる。UV-B放射は、より古い葉や、低緯度および高地で栽培している植物体にとって特に有害である。UV-Bの悪影響は、水不足などの他の環境ストレス要因の存在下で激化するおそれがある。熱とUV-Bとの関係は不明瞭であるが、高温下でクチクラ構造体が弱体化するという証拠が示唆するところは、これら2つのストレス要因を組み合わせると植物体の感受性が上昇することである。
【0028】
したがって、ある特定の実施形態では、ステアリルアルコールは、特にUV-B範囲で、葉または他の気生植物体の器官に伝達される光の割合を減少させることにより、植物体のクチクラの作用が増強し、入射光の放射を低下させ、葉温を下げ、温度を低下させて、蒸散による水分損失の低下をもたらし、これにより、処理された植物体が節約した水を光合成のために使用することを可能とし、水の使用効率、バイオマスの蓄積および収量を増加させる。また、ステアリルアルコールを施用すると、UV-B放射への過度の暴露による損傷が低下するという結果となる。換言すると、過剰な日射を反射することにより、ステアリルアルコールは葉温を下げて熱や水分不足の影響を低下させ、植物体の表面をUV-Bの有害作用から保護する。
【0029】
製剤
本開示はまた、ステアリルアルコールの少なくとも2つの製剤も開示する。1つはF25と呼ばれ、他方はSC-Pと呼ばれる。本実施例および/または図から示されるように、SC-Pは、ステアリルアルコールの濃度は一定のままで、優れた驚くべき強力な効力を呈して、日焼けの影響および/または水分保持を改善する。これは驚くべきことであり、予想外であったが、なぜなら、製剤の変化はステアリルアルコールの溶解度を変化させることのみでよいからである。しかし、本開示は、溶解度が同様である場合、有効成分は変わらないままで効力は予想外に向上したことを示している。
【0030】
本開示の対象としての果実/野菜には、それらに限定されないが、ブドウ、キュウリ、カボチャ、スイカ、メロン、ジャガイモ、トマト、ナス、ピーマン、イチゴ、オクラ、サヤインゲン、ソラマメ、エンドウ、ダイズ、トウモロコシ、ブドウ類、柑橘類、アーモンド、クルミまたはリンゴが含まれる。別の実施形態では、植物体および/または果実は、キュウリ、カボチャ、スイカ、メロン、トマト、ナス、ピーマン、イチゴ、オクラ、サヤインゲン、ソラマメ、エンドウ、エダマメまたはトウモロコシ;葉野菜、例えば、ハクサイ、漬け菜類、チンゲンサイ、キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、メキャベツ、タマネギ、ネギ、ニンニク、ラッキョウ、ニラ、アスパラガス、レタス、サラダナ、セロリ、ホウレンソウ、シュンギク、パセリ、シャク、セリ、ウド、ミョウガ、フキまたはシソ;根菜、例えば、ダイコン、カブ、ゴボウ、ニンジン、ジャガイモ、タロイモ、サツマイモ、ヤムイモ、ショウガまたはレンコンとすることができる。加えて、植物活性化剤は、イネ植物体、コムギ植物体、花卉植物体にも使用が可能である。
【実施例】
【0031】
[実施例1]
ステアリルアルコールは、クチクラを透過する光の割合を減少させる。
【0032】
ステアリルアルコールが、特にUV-Bスペクトル内で、光放射の透過を低下させるという仮説を試験するために、分光光度計を使用してパーセント(%)透過率を測定した。ステアリルアルコールを、可視スペクトルおよび非可視のUV光スペクトルの両方用に、圃場での施用量の1/100に希釈した(有効成分 6mL/L)。可視光スペクトルの分析を96ウェルプレートを使用して実施し、一方、UV透過キュベットと96ウェルプレートとを利用して、UVスペクトルでのパーセント光線透過率を分析した。全ての分光光度計の光線透過率スクリーニングでは、水レファレンスブランクおよびプレートブランクの両方を使用して、製剤試料を透過した光エネルギーとレファレンスブランクを透過したエネルギーとの比を較正した。処理は3回繰り返した。
【0033】
波長全体にわたって、ステアリルアルコールによって、透過放射の量が低下した(
図8)。施用した材料の濃度に応じて、ステアリルアルコールでは、透過したUV-B放射に関しては20~50%低下、および光合成的に活性な放射スペクトル(400~700nm)における光に関しては10~15%低下という結果であった。したがって、ステアリルアルコールは、光合成的に活性な放射と比較して、有害なUV-B放射をより高い割合でブロックする。
【0034】
[実施例2]
ステアリルアルコールは、葉温の低下をもたらす。
【0035】
ステアリルアルコールが、光合成に悪影響を及ぼさずに内部の葉温が低下させるという仮説を試験するために、ステアリルアルコールを、圃場で栽培している植物から選択された8枚のダイズの付着葉に施用した。葉は、2枚の葉を対照/処理のペアとして互いに比較できるように、ブロック内に隔置した。露出してかつ水平方向に葉を抑える(葉の方向の変化によって葉のエネルギーバランスおよび葉温が影響を受けることを防ぐため)釣糸、木材、金属製のホルダーの中に、葉を置いた。家庭用スプレーボトルを使用して、葉の上面にステアリルアルコールの1%v/vDI水溶液を施用する前および6回施用した後、IR温度計で3回、葉温を測定した。葉面を完全に施用範囲とし、過剰な水は振り払った。葉は30分以内に乾燥した。測定は11:00AMから3:15PMまで行い、9回の測定間隔のうち、LICOR 6400XTを使用して4度(化合物施用前1回前および施用後3回)、ガス交換測定を行った。測定条件は、標準:CO2 400ppm、PAR(赤90%および青10%) 2000mol m-2s―1とした。
【0036】
処理葉は、処理前には対照葉よりも高い葉温を有していたが、処理後には同様の値を有した(
図9)。ステアリルアルコールの施用後の葉温の見かけ上の降下は1.5℃(SE±0.31)であり、有意であった(P値<0.02;処理前後の葉に関して、それぞれの葉の測定の平均値として計算された4回の繰り返しを使用した、対応のあるt検定)。これは、ステアリルアルコールが熱を反射するという仮説を支持している。気孔コンダクタンスの変動を考慮すると(
図10)、光合成率は全ての処理間で同様であり、処理葉は対照よりもわずかに高かった。光合成への影響が無いため、背軸気孔が本化合物によって閉塞されていないことも示唆されている。したがって、本化合物は、本明細書で使用される濃度で、放射利用効率または収量にネガティブな影響を与えないはずである。
【0037】
[実施例3]
ステアリルアルコールは熱ストレスの時期の頃の蒸散を減少させる。
【0038】
制御された実験室バイオアッセイを実行して、中度の熱ストレス下でトマト植物体の蒸散を減少させるステアリルアルコールの能力を評価した。研究用トラック噴霧器を使用して、8.9cmの正方形ポットで栽培している6~8葉ステージにある5体のトマト植物体に、ステアリルアルコールを水中6mL/Lの濃度で施用した。市販の炭酸カルシウム植物体日焼け防止製品である、Sombreroを陽性対照として、脱イオン水を陰性対照として施用した。施用量は、1エーカーあたり希釈製品150リットルに相当した。ポットをビニール袋で密閉して土壌表面からの蒸発による水分損失を防ぎ、ポットと植物体との総重量を測定後、植物体を、相対湿度50%、× 3000μW/cm2照明で26℃に設定した生育室内に無作為化完全ブロックで、1日あたり14時間置いた。密閉したポットと植物体を、施用後24時間、48時間、および72時間に再び秤量した。重量の差は、蒸散による水分損失に起因した。次に、植物体の質量を時間に対してプロットし、線形回帰の勾配をμg/秒表示の水分損失速度とした。葉の平均表面積(cm2)は、デジタルリーフエリアスキャナーを使用して計算した。次に、平均蒸散速度を次のように計算した:速度=水分損失速度(μg/秒)/総葉面積(cm2)。
【0039】
トマトの平均蒸散速度(
図11)は、未処理の対照繰り返し(6.68μg/cm2/秒)で最大であり、一方、ステアリルアルコール(5.33μg/cm2/秒)およびSombrero(5.34μg/cm2/秒)では、同程度の約20%の蒸散の低下が達成された。したがって、比較的短いタイムスパンでステアリルアルコールを施用すると、葉の蒸散は減少することが示された。蒸散のこのような低下は、Sombreroでは1.08(±1.13)℃、ステアリルアルコールでは1.50(±0.35)℃の葉温の平均低下を伴った。したがって、ステアリルアルコールの施用後のより低い温度と蒸散の低下との間に、相関関係が示されている。
【0040】
[実施例4]
ステアリルアルコールの施用は、収量を増加させることができる。
【0041】
収量を増加させるステアリルアルコールの可能性が、実施したアーモンド果樹園の圃場試験で観察された。ステアリルアルコールを、製品の体積/キャリアの体積の体積での割合で、1エーカーのタンク溶液あたり379リットル(100ガロン)で6mL/Lの割合にて、施用した。カオリン粘土製品であるSurroundを、陽性対照として、1エーカーあたり50lbsのラベルの割合に従って、3回の施用タイミングにわたって施用した。3~5回:満開、満開の14日後、ジューンドロップ、ジューンドロップの14日後、および殻割れに、施用した。処理はエアブラスト噴霧器で施用し、3区画で繰り返した。アーモンドを収穫した。ステアリルアルコール6ml/L施用で3回処理した樹木の収量(3.2トン/A)は、Surroundで処理したもの(2.7トン/A)または未処理のままとしたもの(2.8トン/A)よりおよそ15%高かった(
図12)。したがって、適切な頻度で施用すると、ステアリルアルコールを使用して収量増加を得ることができる。2/27、3/23、5/17、6/26、8/21および8/27での収穫前圃場評価をチェックし、ステアリルアルコールの作物の安全性を確認した。
【0042】
[実施例5]
ステアリルアルコールは果実を日射による損傷から保護する。
【0043】
過剰または有害な日射からの保護を評価するために、ワイン(メルロー)ブドウ品種および食用(プリンセス)ブドウ品種を植えた確立されたチリのブドウ園でDuarte and Associatesによりステアリルアルコールの施用を行った。2014年、ベリーが直径11mmに達したときおよびその後6週間にわたって2週間間隔で、水100L中3、6または9mL/Lで植物体を処理した。処理ごとに5つの隣接するブドウに噴霧した。処理を3回繰り返し、無作為化完全ブロックデザインで配置した。収穫時に、植物体ごとに房を数え、収量を評価し、糖度を測定し、日射損傷を格付けした。ステアリルアルコールで処理した植物体は、ワイン(
図13)ブドウおよび食用(
図14)ブドウの両品種で、損傷を受けた房の生産が少なかった。損傷が低下したことは、過剰なUVB光線がブロックされていること、したがって、ある特定の条件下では、ステアリルアルコールを施用して、過剰な日射による日焼けまたは他の形態の損傷を防ぐ可能性があることを示唆しているように思われる。
【0044】
[実施例6]
異なるステアリルアルコール製剤の予想外の植物毒性。
【0045】
F25を含めて、一連のプロトタイプのステアリルアルコール製剤を作物の安全性について評価した。圃場およびその他の屋外実験では、F25は、試験された作物の種類と施用量に部分的に応じて、様々なレベルの植物毒性症状を頻繁に伴った。作物の健全性を危険にさらすことを回避するために、1セットの代替製剤のプロトタイプが開発された。表1に、F25を含めた、各プロトタイプの組成をまとめた。
【0046】
【0047】
プロトタイプを、まずトウモロコシで試験し、その後花卉で試験した。植物体は温室で栽培し、試験の時点で約2週齢であり、最初の処理から7日後には4~5葉のステージに達していた。植物体を1月26日に処理し、2月1日に再び処理し、最初の処理の7日後に評価を行った。処理の日に、各プロトタイプ製剤6、12および18ml/Lまたは0.6、1.2、1.8%v/vの濃度用の100mlの水溶液を調製した。溶液を、8002ノズルを備えた研究用トラック噴霧器を使用して、40GPAの体積で植物体に供給した。脱イオン水を陰性対照として施用した。処理ごとに3回繰り返した。処理後、植物体を温室に戻した。
【0048】
植物毒性はパーセント損傷として評価し、100%は完全な植物死に等しいとした。トウモロコシで観察された症状は、燃えたような(乾燥したまたは壊死した)葉先であった。燃えたような先は、ある程度、トウモロコシの普通の現象であるので、未処理の対照植物体でも一部の限定的なベースライン損傷が検出された。しかし、ある特定の処理では、焼け(burning)が葉の最先端の範囲を越えて数インチ伸長しているという状態で観察される植物毒性が大幅に増えた。最も損傷を受けた葉では、焼けたようなゾーンの下では、葉が縮れ、発育不良で広がっていることが観察された。最も植物毒性であるプロトタイプ製剤はSC-AおよびMEであった。対照的に、製剤SC-Pは、未処理の対照よりも少ない症状を示し、したがってより健全であると思われた。詳細については、
図15を参照されたい。ここでも、有効成分濃度が同一のままであったので、ステアリルアルコールの異なる製剤が異なる植物毒性プロファイルを呈したということは、驚くべきことであり、予想外であった。
【0049】
本明細書で論じた任意の実施形態は任意の方法、キット、試薬または本発明の組成物について実行することができると考えられ、逆もまた同じであることが企図される。さらに、本発明の組成物は本発明の方法を達成するために使用することができる。
【0050】
本明細書に記載された特定の実施形態は、例示目的で示されており、本発明を制限しないことが理解されよう。本発明の主要な特徴は、本発明の範囲から逸脱せずに、種々の実施形態で用いることができる。当業者であれば、単なる常套の実験作業を使用して、本明細書に記載された特定の手順に対する多数の等価物を認識するであろうし、または確認することができるであろう。そのような等価物は、本発明の範囲内であると見なされ、特許請求の範囲により包含される。
【0051】
本明細書で言及された公報および特許出願は全て、本発明が関連する当業者の熟練度を示す。公報および特許出願は全て、あたかも個々の公報または特許出願のそれぞれが参照により組み込まれるのに明確におよび個々に示されたと同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0052】
特許請求の範囲および/または明細書で用語「含む(comprising)」と共に使用される場合、語「a」または「an」の使用は、「1つ」を意味していてもよいが、「1または複数」、「少なくとも1つ」、および「1つまたは1つより多く」の意味とも一致する。特許請求の範囲における用語「または」の使用は、選択肢のみを指すと明示的に示されていない限り「および/または」を意味するために使用されるか、または選択肢は相互に排他的であるが、本開示は選択肢のみおよび「および/または」を指す定義を支持する。本出願の全体にわたって、用語「約」とは、ある値が、装置に固有な誤差の変動、その値を決定するために用いられる方法、または研究対象体に存在する変動を含むことを示すために使用される。
【0053】
本明細書および特許請求の範囲中で使用される場合、語「含む(comprising)」(ならびに「含む(comprise)」および「含む(comprises)」などの含むの任意の形態)、「有する(having)」(ならびに「有する(have)」および「有する(has)」などの有するの任意の形態)、「含む(including)」(ならびに「含む(includes)」および「含む(include)」などの含むの任意の形態)、または「含有する(containing)」(ならびに「含有する(contains)」および「含有する(contain)」などの含有するの任意の形態)は、包括的または非限定的であり、追加的な説明されていない要素または方法ステップを除外しない。
【0054】
用語「またはそれらの組合せ」とは、本明細書で使用する場合、その用語に先行する列挙された項目の順列および組合せの全てを指す。例えば、「A、B、C、またはそれらの組合せ」は;A、B、C、AB、AC、BC、またはABCのうちの少なくとも1つ、特定の文脈において順序が重要な場合は、BA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC、またはCABのうちの少なくとも1つも含むと意図されている。この例の続きには、BB、AAA、AB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、およびCABABB等のような、1または複数の項目または用語の反復を含有する組合せが明示的に含まれる。当業者であれば、そうではないと文脈から明白でない限り、典型的には、いかなる組合せでも項目または用語の数には制限がないと理解するであろう。
【0055】
本明細書で開示および特許請求された組成物および/または方法の全ては、本開示に照らして過度の実験作業をせずに作製および実行することができる。本発明の組成物および方法について好ましい実施形態の観点から記載してきたが、当業者であれば、本発明の概念、精神、および範囲から逸脱せずに、本明細書に記載された組成物および/または方法、ならびに方法のステップまたはステップの順序に変形形態を適用できることは明白であろう。当業者に明白であるそのような類似の代用および改変は全て、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の精神、範囲、および概念内にあると見なされる。