(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】ゲームを提供するためのシステム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20221221BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20221221BHJP
A63F 13/5378 20140101ALI20221221BHJP
A63F 13/822 20140101ALI20221221BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20221221BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/79
A63F13/5378
A63F13/822
A63F13/58
(21)【出願番号】P 2020045854
(22)【出願日】2020-03-16
【審査請求日】2022-03-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】599115217
【氏名又は名称】株式会社 ディー・エヌ・エー
(74)【代理人】
【識別番号】100125195
【氏名又は名称】尾畑 雄一
(72)【発明者】
【氏名】永田 峰弘
【審査官】石原 豊
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0070056(US,A1)
【文献】特開2007-075447(JP,A)
【文献】特開2013-144010(JP,A)
【文献】特開2020-000735(JP,A)
【文献】特開2019-010379(JP,A)
【文献】特開2018-086407(JP,A)
【文献】特開2018-068897(JP,A)
【文献】特開2017-196463(JP,A)
【文献】特開2014-131539(JP,A)
【文献】特開2003-000952(JP,A)
【文献】「ブラウンダスト」アンジェリカの水着衣装が入手できる夏イベントが開催!新傭兵も登場,Gamer[online],2018年08月02日,https://www.gamer.ne.jp/news/201808020059/,特に図を参照。[検索日2022年7月29日]
【文献】サマーフェスタの内容と報酬まとめ[宝探しイベント],神ゲー攻略[online],2018年08月02日,https://kamigame.jp/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%80%E3%82%B9/%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%88/%E3%82%B5%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%82%BF.html,特に「第一弾(8/2~)」の記載を参照。[検索日2022年7月29日]
【文献】Vジャンプ編集部,ファイナルファンタジーXII インターナショナル ゾディアックジョブシステム マスターブック,初版,日本,株式会社集英社,2007年08月14日,第13, 16-17ページ,[ISBN:978-4-08-779430-4]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のコンピュータプロセッサを備え、ゲームを提供するためのシステムであって、前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、読み取り可能な命令の実行に応じて、
前記ゲームにおいて使用される所定価値が少なくとも一部に関連付けられた複数のマスであって、少なくとも1つの分岐を有する経路を構成するように配置された前記複数のマスの少なくとも一部を含む所定画面をプレイヤに対して提示するステップと、
前記所定画面を介して、前記経路の始点から終点へと向かう所定方向に順に選択されるように、前記複数のマスに含まれるマスのプレイヤによる選択を繰り返し受け付けるステップと、
前記プレイヤによって選択されたマスに関連付けられた前記所定価値を有効化するステップと、を実行し、
前記所定画面は、
現時点で選択可能なマスに基づく第1範囲内のマスが、関連付けられた前記所定価値と共に表示される一方、前記第1範囲内のマスよりも終点側の第2範囲内のマスが、関連付けられた前記所定価値なしで表示され、前記
第2範囲内のマ
スに関連付けられた前記所定価値
の一覧が、前記所定価値が関連付けられたマスが特定されないように
表示されるように構成され
ている、
システム。
【請求項2】
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、前記複数のマスが配置された所定オブジェクトを前記プレイヤに対して付与するステップを実行し、
前記提示するステップは、前記プレイヤが保有する前記所定オブジェクトに配置された前記複数のマスの少なくとも一部を含む前記所定画面を提示することを含む、
請求項1のシステム。
【請求項3】
前記提示するステップは、前記プレイヤが保有する複数の前記所定オブジェクトのうち、前記プレイヤによって指定された前記所定オブジェクトに対応する前記所定画面を提示することを含み、
前記受け付けるステップは、前記プレイヤが保有する前記所定オブジェクト毎に、前記複数のマスに含まれるマスの選択の状態を管理することを含む、
請求項2のシステム。
【請求項4】
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、前記プレイヤによる指示に応じて、前記所定オブジェクトを、前記ゲームにおいて使用されるコンテンツに関連付けるステップを実行し、
前記所定価値は、前記所定オブジェクトが関連付けられた前記コンテンツが有するパラメータを更新する効果を含む、
請求項2又は3のシステム。
【請求項5】
前記関連付けるステップは、第1条件の充足に応じて、1つの前記コンテンツに対して関連付けが可能な前記所定オブジェクトの数の上限値を増加させることを含む、
請求項4のシステム。
【請求項6】
前記所定価値は、前記ゲームにおいて使用されるコンテンツを含み、
前記有効化するステップは、前記プレイヤによって選択されたマスに関連付けられた前記コンテンツを前記プレイヤに対して付与することを含む、
請求項1ないし3何れかのシステム。
【請求項7】
前記受け付けるステップは、前記複数のマスに含まれるマスの選択に伴って、前記プレイヤが保有する所定アイテムを消費させることを含む、
請求項1ないし6何れかのシステム。
【請求項8】
前記受け付けるステップは、第2条件の充足に応じて、前記所定方向のマス以外のマスの選択を可能とすることを含む、
請求項1ないし7何れかのシステム。
【請求項9】
前記所定画面は、第3条件の充足に応じて、前記第1範囲が拡張するように構成されている、
請求項
1ないし
8何れかのシステム。
【請求項10】
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、第4条件の充足に応じて、前記複数のマスの設定を変更するステップを実行する、
請求項1ないし
9何れかのシステム。
【請求項11】
前記変更するステップは、前記複数のマスに対する前記所定価値の関連付けを変更することを含む、
請求項1
0のシステム。
【請求項12】
前記変更するステップは、前記経路の終点において新たなマスを追加することを含む、
請求項1
0又は1
1のシステム。
【請求項13】
前記受け付けるステップは、第5条件の充足に応じて、前記複数のマスの選択の状態を初期化することを含む、
請求項1ないし1
2何れかのシステム。
【請求項14】
前記複数のマスは、第1価値が関連付けられた第1マスと、前記第1マスよりも終点側に位置する第2マスであって、前記第1価値よりも前記ゲームの進行に有利な第2価値が関連付けられた前記第2マスと、を含む、
請求項1ないし1
3何れかのシステム。
【請求項15】
1又は複数のコンピュータによって実行され、ゲームを提供するための方法であって、
前記ゲームにおいて使用される所定価値が少なくとも一部に関連付けられた複数のマスであって、少なくとも1つの分岐を有する経路を構成するように配置された前記複数のマスの少なくとも一部を含む所定画面をプレイヤに対して提示する工程と、
前記所定画面を介して、前記経路の始点から終点へと向かう所定方向に順に選択されるように、前記複数のマスに含まれるマスのプレイヤによる選択を繰り返し受け付ける工程と、
前記プレイヤによって選択されたマスに関連付けられた前記所定価値を有効化する工程と、を備え、
前記所定画面は、
現時点で選択可能なマスに基づく第1範囲内のマスが、関連付けられた前記所定価値と共に表示される一方、前記第1範囲内のマスよりも終点側の第2範囲内のマスが、関連付けられた前記所定価値なしで表示され、前記
第2範囲内のマ
スに関連付けられた前記所定価値
の一覧が、前記所定価値が関連付けられたマスが特定されないように
表示されるように構成され
ている、
方法。
【請求項16】
ゲームを提供するためのプログラムであって、1又は複数のコンピュータに、
前記ゲームにおいて使用される所定価値が少なくとも一部に関連付けられた複数のマスであって、少なくとも1つの分岐を有する経路を構成するように配置された前記複数のマスの少なくとも一部を含む所定画面をプレイヤに対して提示する処理と、
前記所定画面を介して、前記経路の始点から終点へと向かう所定方向に順に選択されるように、前記複数のマスに含まれるマスのプレイヤによる選択を繰り返し受け付ける処理と、
前記プレイヤによって選択されたマスに関連付けられた前記所定価値を有効化する処理と、を実行させ、
前記所定画面は、
現時点で選択可能なマスに基づく第1範囲内のマスが、関連付けられた前記所定価値と共に表示される一方、前記第1範囲内のマスよりも終点側の第2範囲内のマスが、関連付けられた前記所定価値なしで表示され、前記
第2範囲内のマ
スに関連付けられた前記所定価値
の一覧が、前記所定価値が関連付けられたマスが特定されないように
表示されるように構成され
ている、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームを提供するためのシステム、方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲームにおいて使用される様々な電子的・仮想的な価値(キャラクタ、アイテム、及び、効果等が含まれる。)をプレイヤ又はキャラクタ等に付与する(有効化する)ための様々な仕組みが提供されている。例えば、下記特許文献1は、キャラクタの能力を設定するための設定マップの仕組みが適用されたゲームを開示している。当該ゲームにおいて、プレイヤは、ゲームの進行に伴って獲得した得点を用いて設定マップ上のマーカーを自由に移動させることにより、マーカーの位置に応じた能力をキャラクタに対して設定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した設定マップの仕組みにおいて、プレイヤは、マップ上のマーカーの移動によってキャラクタの能力を自由に設定することができるものの、その仕組み自体に面白さを感じることはできなかった。
【0005】
本発明の実施形態は、ゲームにおいて使用される価値を付与するための仕組みのゲーム性を向上させることを目的の一つとする。本発明の実施形態の他の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るシステムは、1又は複数のコンピュータプロセッサを備え、ゲームを提供するためのシステムであって、前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、読み取り可能な命令の実行に応じて、前記ゲームにおいて使用される所定価値が少なくとも一部に関連付けられた複数のマスであって、少なくとも1つの分岐を有する経路を構成するように配置された前記複数のマスの少なくとも一部を含む所定画面をプレイヤに対して提示するステップと、前記所定画面を介して、前記経路の始点から終点へと向かう所定方向に順に選択されるように、前記複数のマスに含まれるマスのプレイヤによる選択を繰り返し受け付けるステップと、前記プレイヤによって選択されたマスに関連付けられた前記所定価値を有効化するステップと、を実行する。
【0007】
本発明の一実施形態に係る方法は、1又は複数のコンピュータによって実行され、ゲームを提供するための方法であって、前記ゲームにおいて使用される所定価値が少なくとも一部に関連付けられた複数のマスであって、少なくとも1つの分岐を有する経路を構成するように配置された前記複数のマスの少なくとも一部を含む所定画面をプレイヤに対して提示する工程と、前記所定画面を介して、前記経路の始点から終点へと向かう所定方向に順に選択されるように、前記複数のマスに含まれるマスのプレイヤによる選択を繰り返し受け付ける工程と、前記プレイヤによって選択されたマスに関連付けられた前記所定価値を有効化する工程と、を備える。
【0008】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、ゲームを提供するためのプログラムであって、1又は複数のコンピュータに、前記ゲームにおいて使用される所定価値が少なくとも一部に関連付けられた複数のマスであって、少なくとも1つの分岐を有する経路を構成するように配置された前記複数のマスの少なくとも一部を含む所定画面をプレイヤに対して提示する処理と、前記所定画面を介して、前記経路の始点から終点へと向かう所定方向に順に選択されるように、前記複数のマスに含まれるマスのプレイヤによる選択を繰り返し受け付ける処理と、前記プレイヤによって選択されたマスに関連付けられた前記所定価値を有効化する処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の様々な実施形態は、ゲームにおいて使用される価値を付与するための仕組みのゲーム性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係るゲーム提供サーバ10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図。
【
図2】プレイヤ情報テーブルが有するデータ項目を例示する図。
【
図3】ボーナスシート種別情報テーブルが有するデータ項目を例示する図。
【
図4】ボーナスシートのマスの構成の一例を示す図。
【
図5】ボーナスシートのマスの構成の他の例を示す図。
【
図6】保有キャラクタ管理テーブルが有するデータ項目を例示する図。
【
図7】保有ボーナスシート管理テーブルが有するデータ項目を例示する図。
【
図9】マスB1が仮に選択された場合のマス表示領域52を例示する図。
【
図10】マスB1の選択が確定した後におけるマス表示領域52を例示する図。
【
図11】マスB2が仮に選択された場合のマス表示領域52を例示する図。
【
図12】マスB2の選択が確定した後におけるマス表示領域52を例示する図。
【
図13】マスB5が仮に選択された場合のマス表示領域52を例示する図。
【
図14】全ての階層のマスの選択が確定した状態のボーナスシート画面50を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。各図面において、同一の又は類似する構成要素に対しては同一の参照符号が付され得る。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係るゲーム提供サーバ10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図である。サーバ10は、図示するように、インターネット等の通信ネットワーク20を介してプレイヤ端末30と通信可能に接続されている。
図1においては、1つのプレイヤ端末30のみが図示されているが、サーバ10は、複数のプレイヤ端末30と通信可能に接続され得る。サーバ10は、プレイヤ端末30を操作するユーザに対してゲームを提供する。ゲーム提供サーバ10は、本発明のシステムの全部又は一部を実装する装置の一例である。
【0013】
ゲーム提供サーバ10は、一般的なコンピュータとして構成されており、
図1に示すように、コンピュータプロセッサ11と、メインメモリ12と、入出力I/F13と、通信I/F14と、ストレージ(記憶装置)15とを備え、これらの各構成要素が図示しないバス等を介して電気的に接続されている。
【0014】
コンピュータプロセッサ11は、CPU又はGPU等として構成され、ストレージ15等に記憶されている様々なプログラムをメインメモリ12に読み込んで、当該プログラムに含まれる各種の命令を実行する。メインメモリ12は、例えば、DRAM等によって構成される。
【0015】
入出力I/F13は、操作者等との間で情報をやり取りするための各種の入出力装置を含む。入出力I/F13は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチパネル等)等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置を含む。また、入出力I/F13は、ディスプレイ等の画像出力装置、スピーカ等の音声出力装置を含む。
【0016】
通信I/F14は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装され、通信ネットワーク20等を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
【0017】
ストレージ15は、例えば磁気ディスク、フラッシュメモリ等によって構成される。ストレージ15は、オペレーティングシステムを含む様々なプログラム、及び各種データ等を記憶する。例えば、ストレージ15は、本発明の一実施形態に係るゲームプログラム40を記憶する。当該プログラム40は、ゲーム提供サーバ10を、ゲームを提供するためのシステムの全部又は一部として機能させるためのプログラムである。ゲームプログラム40の少なくとも一部は、ウェブブラウザ又はその他のアプリケーションを介してプレイヤ端末30側で実行されるように構成され得る。
【0018】
本実施形態において、ゲーム提供サーバ10は、それぞれが上述したハードウェア構成を有する複数のコンピュータを用いて構成され得る。例えば、サーバ10は、1又は複数のサーバ装置によって構成され得る。
【0019】
このように構成されたゲーム提供サーバ10は、ウェブサーバ及びアプリケーションサーバとしての機能を有し、プレイヤ端末30にインストールされているウェブブラウザ又はその他のアプリケーションからの要求に応答して各種の処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ(例えば、HTMLデータ)及び制御データ等をプレイヤ端末30に対して送信する。プレイヤ端末30では、受信したデータに基づくウェブページ又はその他の画面が表示される。
【0020】
プレイヤ端末30は、一般的なコンピュータとして構成されており、
図1に示すように、コンピュータプロセッサ31と、メインメモリ32と、入出力I/F33と、通信I/F34と、ストレージ(記憶装置)35とを備え、これらの各構成要素が図示しないバス等を介して電気的に接続されている。
【0021】
コンピュータプロセッサ31は、CPU又はGPU等として構成され、ストレージ35等に記憶されている様々なプログラムをメインメモリ32に読み込んで、当該プログラムに含まれる各種の命令を実行する。メインメモリ32は、例えば、DRAM等によって構成される。
【0022】
入出力I/F33は、操作者等との間で情報をやり取りするための各種の入出力装置を含む。入出力I/F33は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチパネル等)等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置を含む。また、入出力I/F33は、ディスプレイ等の画像出力装置、スピーカ等の音声出力装置を含む。
【0023】
通信I/F34は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装され、通信ネットワーク20等を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
【0024】
ストレージ35は、例えば磁気ディスク又はフラッシュメモリ等によって構成される。ストレージ35は、オペレーティングシステムを含む様々なプログラム及び各種データ等を記憶する。ストレージ35が記憶するプログラムは、アプリケーションマーケット等からダウンロードされてインストールされ得る。
【0025】
本実施形態において、プレイヤ端末30は、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブルデバイス、パーソナルコンピュータ、又はゲーム専用端末等として構成され得る。
【0026】
このように構成されたプレイヤ端末30のユーザ(ゲームのプレイヤ)は、ストレージ35等にインストールされているウェブブラウザ又はその他のアプリケーションを介したサーバ10との通信を実行することによって、サーバ10が提供するゲームをプレイすることができる。
【0027】
次に、本実施形態のゲーム提供サーバ10が有する機能について説明する。サーバ10のコンピュータプロセッサ11は、
図1に示すように、メインメモリ12に読み込まれたプログラム(例えば、ゲームプログラム40の少なくとも一部)に含まれる命令を実行することによって、ゲーム進行制御部111、及び、所定価値管理部112として機能するように構成されている。
【0028】
ゲーム進行制御部111は、ゲームの進行の制御に関する様々な処理を実行するように構成されている。例えば、ゲーム進行制御部111は、ゲームに関する様々な画面の画面データ及び制御データ等をプレイヤ端末30に対して送信し、プレイヤ端末30で表示される当該画面を介したプレイヤによる操作入力に応答して様々な処理(ゲームを進行させるための様々な処理を含む。)を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ及び制御データ等をプレイヤ端末30に対して送信する。
【0029】
所定価値管理部112は、ゲームにおいて使用される所定価値の管理に関する様々な処理を実行するように構成されている。本実施形態において、所定価値管理部112は、所定価値が少なくとも一部に関連付けられた複数のマスの少なくとも一部を含む所定画面をプレイヤに対して提示するように構成されている。例えば、所定価値管理部112は、当該所定画面の画面データ及び制御データ等をプレイヤ端末30に対して送信するように構成される。
【0030】
本実施形態において、複数のマスは、少なくとも1つの分岐を有する経路を構成するように配置される。また、経路は、例えば、1つの始点、及び、1又は複数の終点を有するように構成される。
【0031】
また、所定価値管理部112は、所定画面を介して、経路の始点から終点へと向かう所定方向に順に選択されるように、複数のマスに含まれるマスのプレイヤによる選択を繰り返し受け付けるように構成されている。つまり、複数のマスは、当該複数のマスによって構成される経路に沿って始点から終点へと順に、プレイヤによって選択される。
【0032】
また、所定価値管理部112は、プレイヤによって選択されたマスに関連付けられた所定価値を有効化するように構成されている。例えば、所定価値管理部112は、プレイヤによる特定マスの選択に応じて、当該特定マスに関連付けられた所定価値を有効化するように構成される。
【0033】
このように、本実施形態におけるゲーム提供サーバ10は、分岐を有する経路を構成する複数のマスのうち、プレイヤによって選択されたマスに関連付けられた所定価値を有効化し、こうしたマスの選択は、経路の始点から終点へと順に行われる。したがって、例えば、分岐において選択されるマスによって、有効化される所定価値が異なることになり、プレイヤは、マスの選択に対して面白さを感じることができる。このように、ゲーム提供サーバ10は、ゲームにおいて使用される価値を付与するための仕組みのゲーム性を向上させ得る。
【0034】
本実施形態において、所定価値は、様々な種類の電子的及び仮想的な価値を含み、例えば、これらに限定されないが、コンテンツ(キャラクタ及びアイテム等)、及び、ゲームの進行に影響を与える様々な効果等を含む。
【0035】
本実施形態において、所定価値管理部112は、複数のマスが配置された所定オブジェクトをプレイヤに対して付与し、プレイヤが保有する所定オブジェクトに配置された複数のマスの少なくとも一部を含む所定画面を提示するように構成され得る。こうした構成は、所定オブジェクトを用いた所定価値の有効化を可能とする。
【0036】
この場合、複数の所定オブジェクトがプレイヤに対して付与されるようにしてもよい。複数の所定オブジェクトは、典型的には、マスの配置(経路の形状)、関連付けられた所定価値、及び/又は、マスと所定価値との組合せ、が相互に異なるように構成される。例えば、所定価値管理部112は、プレイヤが保有する複数の所定オブジェクトのうち、プレイヤによって指定された所定オブジェクトに対応する所定画面(指定された所定オブジェクトに配置された複数のマスの少なくとも一部を含む所定画面)を提示すると共に、プレイヤが保有する所定オブジェクト毎に、マスの選択の状態を管理するように構成され得る。こうした構成は、所定オブジェクト毎のマスの選択(所定価値の有効化)を可能とする。
【0037】
また、所定オブジェクトが、ゲームにおいて使用されるコンテンツ(キャラクタ、及び、アイテム等)に関連付けられる(例えば、装備される。)ようにすると共に、所定価値を、こうしたコンテンツが有するパラメータを更新(強化、補正、及び、追加等)するための効果としてもよい。例えば、ゲーム進行制御部111は、プレイヤによる指示に応じて、当該所定オブジェクトをコンテンツ(例えば、プレイヤが保有する複数のコンテンツの中から当該プレイヤによって選択されたコンテンツ)に関連付けるように構成される。所定オブジェクトがコンテンツに関連付けられると、当該コンテンツに対して、当該所定オブジェクトに配置された複数のマスの少なくとも一部に関連付けられた効果のうち、有効化されている効果が適用される(例えば、パラメータが更新される。)。こうした構成は、所定オブジェクトの関連付けを介してコンテンツが有するパラメータを更新することを可能とする。
【0038】
本実施形態において、所定条件の充足に応じて、1つのコンテンツに対して関連付けが可能なオブジェクトの数の上限値を増加させるようにしてもよい。この場合、こうした上限値を増加させるという効果を、マスに関連付けられる所定価値として設定し、所定条件を、当該所定価値を有効化することとしてもよい。こうした構成は、複数のオブジェクトのプレイヤによる保有を促進し得る。
【0039】
本実施形態において、マスに関連付けられる所定価値を、ゲームにおいて使用されるコンテンツ(キャラクタ、及び、アイテム等)としてもよい。この場合、所定価値管理部112は、プレイヤによって選択されたマスに関連付けられたコンテンツを当該プレイヤに対して付与するように構成される。こうした構成は、コンテンツをプレイヤに対して付与するための仕組みのゲーム性を向上させる。
【0040】
本実施形態において、プレイヤによるマスの選択の際に、当該プレイヤが保有する所定アイテムを消費させるようにしてもよい。所定アイテムは、様々な電子的及び仮想的なアイテムを含み、例えば、コイン及びポイント等を含む。例えば、所定価値管理部112は、1つのマスの選択に伴って、プレイヤが保有する所定アイテムを所定数だけ消費させるように構成される。所定アイテムは、様々なタイミングでプレイヤに対して付与され、例えば、ゲームの進行に応じて付与され、又は、抽選(ガチャ)によって付与される。こうした構成は、所定アイテムの獲得に対する面白さを向上させ得る。
【0041】
本実施形態において、所定条件の充足に応じて、所定方向のマス以外のマス(例えば、所定方向の反対方向(つまり、経路の終点から始点へと向かう方向)のマス、及び、経路にかかわらず任意のマス等)の選択を可能とするようにしてもよい。この場合、こうした効果を、マスに関連付けられる所定価値として設定し、所定条件を、当該所定価値を有効化することとしてもよい。こうした構成は、ゲーム性をより一層向上させ得る。
【0042】
本実施形態において、複数のマスの少なくとも一部を含む所定画面は、現時点で選択可能なマスに基づく第1範囲内のマス(例えば、現時点で選択可能なマスから所定方向に所定範囲内のマス等)の表示と比較して、当該第1範囲よりも終点側の第2範囲内のマスの表示が制限されるように構成され得る。例えば、所定画面は、第1範囲内のマスが表示される一方、第2範囲内のマスが表示されないように構成される。また、例えば、所定画面は、関連付けられた所定価値と共に第1範囲内のマスが表示される一方、関連付けられた所定価値なしで第2範囲内のマスが表示されるように構成される。こうした構成は、終点側のマスに関する情報が制限されるから、ゲーム性をより一層向上させ得る。
【0043】
本実施形態において、所定条件の充足に応じて、所定画面においてマスの表示が制限されない第1範囲を拡張するようにしてもよい。この場合、こうした第1範囲を拡張する効果を、マスに関連付けられる所定価値として設定し、所定条件を、当該所定価値を有効化することとしてもよい。こうした構成は、ゲーム性をより一層向上させ得る。
【0044】
また、所定画面は、複数のマスの少なくとも一部に関連付けられた所定価値に関する所定情報を含み、当該所定情報は、所定価値が関連付けられたマスが特定されないように構成され得る。こうした構成は、有効化可能な所定価値をマスの特定なしでプレイヤに対して知らせることを可能とし、この結果、ゲーム性をより一層向上させ得る。
【0045】
本実施形態において、所定条件の充足に応じて、複数のマスの設定を変更するようにしてもよい。この場合、こうした効果を、マスに関連付けられる所定価値として設定し、所定条件を、当該所定価値を有効化することとしてもよい。例えば、所定価値管理部112は、所定条件の充足に応じて、複数のマスに対する所定価値の関連付け(マスと所定価値との組合せ)を変更するように構成される。また、例えば、所定価値管理部112は、所定条件の充足に応じて、経路の終点において新たなマスを追加する(経路を拡張する)ように構成される。また、例えば、所定価値管理部112は、所定条件の充足に応じて、複数のマスによって構成される経路を変更する(例えば、マスの数、及び/又は、経路の形状を変更する等)ように構成される。こうした構成は、ゲーム性をより一層向上させ得る。
【0046】
本実施形態において、所定条件の充足に応じて、複数のマスの選択の状態を初期化するようにしてもよい。この場合、こうした効果を、マスに関連付けられる所定価値として設定し、所定条件を、当該所定価値を有効化することとしてもよい。こうした構成は、マスの選択のやり直しを可能とし、この結果、ゲーム性をより一層向上させ得る。
【0047】
本実施形態において、複数のマスを、経路の終点側に位置するマスほど、ゲームの進行に有利な所定価値が関連付けられるようにしてもよい。つまり、本実施形態における複数のマスは、第1価値が関連付けられた第1マスと、当該第1マスよりも終点側に位置する第2マスであって、当該第1価値よりもゲームの進行に有利な第2価値(例えば、レアリティが高いキャラクタ、又は、強化の度合いが大きいコンテンツを強化するための効果等)が関連付けられた第2マスと、を含むように構成され得る。当該第2マスは、「当たり」のマスと言うこともできる。こうした構成は、ゲーム性をより一層向上させ得る。
【0048】
次に、このような機能を有する本実施形態のゲーム提供サーバ10の一態様としての具体例について説明する。この例において、ゲーム提供サーバ10は、RPGを提供する。なお、RPGは、本実施形態におけるゲームの種類の一例であって、本実施形態の他の例では、FPS(ファーストパーソン・シューティングゲーム)を含むシューティングゲーム、及び、パズルゲーム等の様々な種類のゲームが提供され得る。
【0049】
まず、この例において、ゲーム提供サーバ10が有する各テーブルにおいて管理される情報について説明する。これらのテーブルは、例えば、ストレージ15に格納される。
【0050】
図2は、プレイヤ情報テーブルが有するデータ項目を例示する。当該テーブルは、ゲームのプレイヤに関する情報を管理し、図示するように、個別のプレイヤを識別する「プレイヤアカウント」に対応付けて、アカウント名、性別、及び生年月日等を含む「基本情報」、ゲームで使用するキャラクタを育成するための育成用ポイント(所定アイテム)の保有数である「育成用ポイント保有数」等の情報を管理する。この例において、育成用ポイントは、様々なタイミングでプレイヤに対して付与され、例えば、ログインボーナス等の報酬として、又は、ゲームの進行に応じて(例えば、ステージのクリア報酬として)、プレイヤに対して付与される。
【0051】
図3は、ボーナスシート種別情報テーブルが有するデータ項目を例示する。当該テーブルは、キャラクタを強化するためのボーナスシート(所定オブジェクト)の種別に関する情報を管理し、図示するように、個別のボーナスシートの種別を識別する「シート種別ID」に対応付けて、このシート種別におけるマスの構成に関する情報である「マス構成情報」、このシート種別における効果に関する情報である「効果情報」等の情報を管理する。ボーナスシートには、経路を構成するように複数のマスが配置され、マス構成情報は、こうした複数のマスの配置(経路の形状)に関する情報を含む。
【0052】
図4は、マスの構成の一例を示す。
図4の例では、10個のマスB1~B10が4つの階層を有するように配置されており、具体的には、最上部の第1階層は1つのマスB1を有しており、その下側の第2階層は2つのマスB2、B3を有しており、その下側の第3階層は3つのマスB4~B6を有しており、最下部の第4階層は4つのマスB7~B10を有している。第1階層のマスB1は、経路の始点であって、第2階層のマスB2、B3と連結している。また、第2階層のマスB2は、第3階層のマスB4、B5と連結しており、第2階層のマスB3は、第3階層のマスB5、B6と連結している。また、第3階層のマスB4は、第4階層のマスB7、B8と連結しており、第3階層のマスB5は、第4階層のマスB8、B9と連結しており、第3階層のマスB6は、第4階層のマスB9、B10と連結している。第4階層のマスB7~B10は、この経路の終点である。この例では、マスB1~B6の各々は、その下側の階層の2つのマスに連結する分岐点であると言える。
【0053】
図5は、マスの構成の他の例を示す。
図5の例では、6個のマスB1~B6が4つの階層を有するように配置されており、具体的には、最上部の第1階層は1つのマスB1を有しており、その下側の第2階層は2つのマスB2、B3を有しており、その下側の第3階層は1つのマスB4を有しており、最下部の第4階層は2つのマスB5、B6を有している。第1階層のマスB1は、経路の始点であって、第2階層のマスB2、B3と連結している。また、第2階層のマスB2、B3は、それぞれ、第3階層のマスB4と連結している。また、第3階層のマスB4は、第4階層のマスB5、B6と連結している。第4階層のマスB5、B6は、この経路の終点である。この例では、マスB1、B4は、その下側の階層の2つのマスに連結する分岐点であると言える。
【0054】
ボーナスシート種別情報テーブルのマス構成情報には、
図4、
図5に例示したようなマスの構成を特定可能な情報が設定される。なお、
図4、
図5に例示したマスの構成は、マスの構成の一例であって、本実施形態におけるマスの構成(マスの数、及び/又は、経路の形状等)は、これらに限定されない。
【0055】
また、ボーナスシートには、配置される複数のマスに複数の効果がそれぞれ設定され、ボーナスシート種別情報テーブルの効果情報には、これらの複数の効果を特定可能な情報が設定される。効果情報に設定される効果の数は、マスの数と同じであり、例えば、
図4に例示したマスの構成を有するシート種別の効果情報には、10個の効果が設定され、
図5に例示したマスの構成を有するシート種別の効果情報には、6個の効果が設定される。なお、詳しくは後述するが、この例では、複数のマスの各々に対する効果の割り当ては、ボーナスシートがプレイヤに対して付与されるタイミングで行われる。なお、本実施形態の他の例では、ボーナスシートの種別において、予め、複数のマスの各々に対する効果の割り当てが行われている。
【0056】
図6は、保有キャラクタ管理テーブルが有するデータ項目を例示する。当該テーブルは、プレイヤが保有するキャラクタに関する情報を管理し、図示するように、個別のプレイヤを識別する「プレイヤアカウント」、及び、個別のキャラクタを識別する「キャラクタID」の組合せに対応付けて、このキャラクタが有する様々なパラメータに関する情報である「パラメータ情報」、このキャラクタに対して設定されているボーナスシートを識別する「設定シートID」等の情報を管理する。パラメータ情報は、例えば、攻撃力、防御力、及び、知力等の能力の値、及び、保有するスキルの種類等に関する情報を含む。
【0057】
図7は、保有ボーナスシート管理テーブルが有するデータ項目を例示する。当該テーブルは、プレイヤが保有するボーナスシートに配置された各マスに関する情報を管理し、図示するように、個別のプレイヤを識別する「プレイヤアカウント」、個別のボーナスシートを識別する「シートID」、及び、当該ボーナスシートに含まれる個別のマスを識別する「マスID」の組合せに対応付けて、このボーナスシートの種別を示す「シート種別ID」、このマスに設定されている効果に関する情報である「効果情報」、このマスがプレイヤによって選択済みであるか否かを示す「選択済みフラグ」等の情報を管理する。このように、この例では、プレイヤが保有するボーナスシート毎に、マスの選択の状態が管理される。
【0058】
この例では、ボーナスシートは、所定タイミングでプレイヤに対して付与される。例えば、ボーナスシートは、ログインボーナスとして、ステージ等のクリア報酬として、又は、ガチャの景品として、プレイヤに対して付与される。ボーナスシートの付与は、保有ボーナスシート管理テーブルに反映される。
【0059】
また、ボーナスシートの付与は、ボーナスシート種別の特定を伴って行われる。シート種別は、例えば、プレイヤによって指定され、又は、サーバ10によって自動的に特定される(例えば、予め指定されており、又は、ランダムに選択される。)。プレイヤに対してボーナスシートが付与されると、シート種別に対応する数のマスに対して、当該シート種別に設定されている効果が割り当てられる。こうしたマスに対する効果の割り当ては、所定ルールに従って行われ、例えば、ランダムな割り当てが行われる。こうした効果の割り当て結果に従って、保有ボーナスシート管理テーブルの各マスの効果情報が設定される。
【0060】
次に、ボーナスシートに配置されているマスを選択する際の動作について説明する。
図8は、ボーナスシートに配置されているマスを選択するためのボーナスシート画面50(所定画面)を例示する。当該画面50は、図示するように、ボーナスシートに配置されている複数のマスを表示するマス表示領域52と、マスの選択の対象となるボーナスシートを切り替えるためのシート切り替えボタン54と、確定ボタン56とを有する。また、ボーナスシート画面50は、確定ボタン56の左上側において、プレイヤが保有する育成用ポイントの数(プレイヤ情報テーブルにおいて管理されている。)を表示する。シート切り替えボタン54が選択されると、プレイヤが保有するボーナスシートの一覧を含む画面が表示され、プレイヤは、当該画面を介して、マス表示領域52に表示するボーナスシートを切り替えることができる。
【0061】
マス表示領域52には、複数のマスが経路を構成するように配置される。
図8のマス表示領域52において表示されているマスの構成は、
図4に例示したマスの構成に対応している。具体的には、
図8のマス表示領域52には、その左端部において、経路の始点である第1階層のマスB1が配置されており、その右側において、第2階層の2つのマスB2、B3が上下方向に並べて配置されており、その右側において、第3階層の3つのマスB4~B6が上下方向に並べて配置されており、その右側において、それぞれが経路の終点である第4階層の4つのマスB7~B10が上下方向に並べて配置されている。各マスB1~10は、正六角形の形状を有している。経路における分岐点を構成するマスB1~B6の各々については、右側の2辺に接する2つのマスが分岐先となる。
【0062】
図8のボーナスシート画面50は、マス表示領域52において、何れのマスも選択されていない状態に対応している。この状態において、プレイヤは、まず、経路の始点に対応するマスB1のみを選択することができる。この場合、図示するように、現時点で選択可能な第1階層のマスB1、及び、その次の階層である第2階層のマスB2、B3については、設定されている効果(具体的には、「STR+1」、「DEX+1」、及び「スキル1獲得」)が表示されている。一方、第3階層のマスB4~B6、及び、第4階層のマスB7~B10については、設定されている効果は表示されない。このように、この例では、現時点で選択可能なマスが属する階層(
図8における第1階層)の次の階層(
図8における第2階層)までの範囲(第1範囲)のマスについては、設定されている効果が表示される一方、当該範囲よりも終点側の範囲(第2範囲)のマス(
図8における第3、4階層のマス)については、設定されている効果が表示されない。
【0063】
図9は、マスB1が仮に選択された場合のマス表示領域52を例示する。こうしたマスの仮の選択は、例えば、マス表示領域52に対するタップ操作によって行われる。図示するように、仮に選択されたマスB1は、その外観が対応する外観へと変化し、この例では、その輪郭が太線になる。
【0064】
マスB1が仮に選択されている状態で、ボーナスシート画面50の確定ボタン56が選択されると、マスB1の選択が確定される。マスB1の選択が確定すると、保有ボーナスシート管理テーブルの選択済みフラグが更新される。また、マスB1の選択が確定すると、プレイヤの育成用ポイントが消費され、具体的には、所定数のポイント(例えば、5ポイント)が、プレイヤ情報テーブルの育成用ポイント保有数から減じられる。
【0065】
図10は、マスB1の選択が確定した後におけるマス表示領域52を例示する。図示するように、選択が確定したマスB1の外観が対応する外観へと変化しており、具体的には、その背景色が変更されている。また、マスB1の選択の確定に応じて、第2階層のマスB2、B3がその時点で選択可能となり、その次の階層である第3階層のマスB4~B6について、設定されている効果(具体的には、「スキル2獲得」、「AGI+1」、及び「VIT+1)が表示されるようになる。上述したように、この例では、現時点で選択可能なマスが属する階層(
図10における第2階層)の次の階層(
図10における第3階層)までの範囲のマスについては、設定されている効果が表示される一方、当該範囲よりも終点側の範囲のマス(
図10における第4階層のマス)については、設定されている効果が表示されない。
【0066】
図11は、
図10のマス表示領域52の状態から、マスB2が仮に選択された場合の当該領域52を例示する。この場合、図示するように、仮に選択されているマスB2の選択が確定された場合に選択不可となる第3階層のマスB6において、選択不可オブジェクトNEが配置される。プレイヤは、当該オブジェクトNEによって、仮に選択中のマスの選択を確定した場合に選択できなくなるマス(つまり、有効化できなくなる効果)を認識することができる。
【0067】
マスB2が仮に選択されている状態で、ボーナスシート画面50の確定ボタン56が選択されると、マスB2の選択が確定される。マスB2の選択が確定すると、保有ボーナスシート管理テーブルの選択済みフラグが更新される。また、マスB2の選択が確定すると、プレイヤの育成用ポイントが消費され、具体的には、所定数のポイントが、プレイヤ情報テーブルの育成用ポイント保有数から減じられる。
【0068】
図12は、マスB2の選択が確定した後におけるマス表示領域52を例示する。図示するように、選択が確定したマスB2の外観が対応する外観へと変化しており、具体的には、その背景色が変更されている。また、マスB2の選択の確定に応じて、選択不可が確定した第2階層のマスB3、第3階層のマスB6、及び、第4階層のマスB10の外観が対応する外観へと変化しており、具体的には、その輪郭が破線になっている。また、マスB2の選択の確定に応じて、第3階層のマスB4、B5がその時点で選択可能となり、その次の階層である第4階層のマスB7~B10について、設定されている効果(具体的には、「INT+1」、「SPD+1」、「DEF+1」、及び「スキル3獲得」)が表示されるようになる。上述したように、この例では、現時点で選択可能なマスが属する階層(
図12における第3階層)の次の階層(
図12における第4階層)までの範囲のマスについては、設定されている効果が表示される。
【0069】
図13は、
図12のマス表示領域52の状態から、マスB5が仮に選択された場合の当該領域52を例示する。この場合、図示するように、仮に選択されているマスB5の選択が確定された場合に選択不可となる第4階層のマスB7において、選択不可オブジェクトNEが配置される。
【0070】
このように、プレイヤは、マス表示領域52において表示される複数のマスが構成する経路の始点から終点へと(第1階層から第4階層へと)順に当該経路に沿ってマスを選択する。
図14は、第1階層から第4階層までの各階層のマス(具体的には、マスB1、B2、B5、B8)の選択が確定した状態のボーナスシート画面50を例示する。ボーナスシート画面50、図示するように、第4階層までの全ての階層のマスの選択が確定すると、確定ボタン56に代えて、設定ボタン58が配置される。当該設定ボタン58は、対応するボーナスシート(表示中のボーナスシート)をキャラクタに設定する(関連付ける)ためのオブジェクトである。当該ボタン58が選択されると、プレイヤが保有する複数のキャラクタの中から、ボーナスシートを設定するキャラクタを選択するための画面が表示され、プレイヤは、当該画面を介して、対応するボーナスシートをキャラクタに設定することができる。ボーナスシートがキャラクタに設定されると、保有キャラクタ情報テーブルの設定シートIDが更新される。
【0071】
なお、本実施形態の他の例において、ボーナスシートは、予め特定キャラクタに設定されている(関連付けられている)ようにしてもよい。この場合、関連付けられているキャラクタに関する所定条件(例えば、レベルが最大値となるという条件、又は、進化の段階が最大値となるという条件等)の充足に応じて、ボーナスシートが開放される(例えば、マスの選択が可能となる。)ようにしてもよい。
【0072】
この例では、ボーナスシートがキャラクタに設定されると、当該シートにおいて有効化されている効果(選択されているマスに設定されている効果。保有ボーナスシート管理テーブルの選択済みフラグを参照することによって特定される。)が当該キャラクタに適用される。
図14の例では、第1階層から第4階層へと順に「STR(強さ)の値に1が加算される」、「DEX(器用さ)の値に1が加算される」、「AGI(軽快さ)の値に1が加算される」、及び「SPD(速さ)の値に1が加算される」という効果が設定されているマスB1、B2、B5、B8が選択されているので、これらの効果がキャラクタに対して適用される(これらのパラメータの値が更新される。)。
【0073】
この例において、所定条件の充足に応じて、1のキャラクタに設定可能なボーナスシートの数の上限値を増加させるようにしてもよい。例えば、通常は、1のキャラクタに設定可能なボーナスシートの数の上限値を1に制限する一方、所定アイテムの使用に応じて、当該上限値を2以上の所定値とするようにしてもよい。また、当該上限値を増加させる効果を、ボーナスシートのマスに設定する効果としてもよい。この場合、例えば、こうした効果が設定されたマスが選択されているボーナスシートがキャラクタに設定されると、当該キャラクタに対して設定可能なボーナスシートの上限値が増加され、追加のボーナスシートの設定が可能となる。
【0074】
上述した例では、ボーナスシートを用いてキャラクタを強化するための効果を有効化するようにしたが、キャラクタ及びアイテム等のコンテンツを付与するようにしてもよい。この場合、例えば、プレイヤは、複数のマスに含まれるマスの選択によって、当該マスに設定されているコンテンツを獲得することができる。
【0075】
上述した例では、複数のマスによって構成される経路の始点から終点へと向かう方向に順にマスが選択されるようにしたが、所定条件の充足に応じて、当該方向のマス以外のマスを選択できるようにしてもよい。例えば、通常は、経路の始点から終点へと向かう方向に順にマスが選択される一方、所定アイテムの使用(例えば、通常よりも多い数の育成用ポイントの消費等を含む。)に応じて、任意のマスの選択を許容するようにしてもよい。また、このようなマスの選択を許容する効果を、ボーナスシートのマスに設定する効果としてもよい。この場合、例えば、こうした効果が設定されているマスが選択されると、次回以降のマスの選択において、任意のマスの選択が許容される。
【0076】
上述した例において、ボーナスシート画面50において、複数のマスにそれぞれ設定されている複数の効果に関する情報(所定情報)を表示するようにしてもよい。例えば、マス表示領域52において表示されていない効果の一覧を、当該効果が設定されているマスの特定なしで表示するようにしてもよい。こうすれば、プレイヤは、例えば、経路の終点付近のマスに設定されている効果をマスの特定なしで知ることができる。
【0077】
上述した例では、現時点で選択可能なマスが属する階層の次の階層までの第1範囲内のマスについては、設定されている効果が表示される一方、当該第1範囲よりも終点側の第2範囲内のマスについては、設定されている効果が表示されないようにしたが、第2範囲内のマスについては、マス自体が表示されないようにしてもよい。言い換えると、マス表示領域52は、現時点で選択可能なマスが属する階層の次の階層までの範囲のマスのみを表示するように構成され得る。
【0078】
また、所定条件の充足に応じて、こうした表示制限されない範囲(現時点で選択可能なマスが属する階層の次の階層までの範囲)を拡張するようにしてもよい。例えば、通常は、現時点で選択可能なマスが属する階層の次の階層までの範囲を表示制限されない範囲とする一方、所定アイテム(例えば、育成用ポイントが含まれる。)の使用に応じて、現時点で選択可能なマスが属する階層の次の階層のさらに次の階層までの範囲を、表示制限されない範囲とするようにしてもよい。また、このように範囲を拡張する効果を、ボーナスシートのマスに設定する効果としてもよい。この場合、例えば、こうした効果が設定されているマスの選択が確定すると、表示制限されない範囲が拡張される。
【0079】
上述した例において、所定条件の充足に応じて、ボーナスシートに配置されている複数のマスの設定を変更するようにしてもよい。例えば、所定アイテム(例えば、育成用ポイントが含まれる。)の使用に応じて、マスの構成(マスの数、及び/又は、経路の形状)、及び/又は、効果の割り当てを変更するようにしてもよい。また、所定条件の充足に応じて、経路の終点においてマスを追加するようにしてもよい。さらに、このように複数のマスの設定を変更する効果を、ボーナスシートのマスに設定する効果としてもよい。この場合、例えば、こうした効果が設定されているマスの選択が確定すると、複数のマスの設定が変更される。
【0080】
上述した例において、所定条件の充足に応じて、ボーナスシートに配置されている複数のマスの選択の状態を初期化するようにしてもよい。例えば、所定アイテム(例えば、育成用ポイントが含まれる。)の使用に応じて、マスの選択の状態が初期化され、保有ボーナスシート管理テーブルの選択済みフラグがクリアされる。また、このようにマスの選択の状態を初期化する効果を、ボーナスシートのマスに設定する効果としてもよい。この場合、例えば、こうした効果が設定されているマスの選択が確定すると、これまでのマスの選択がクリアされる。
【0081】
上述した例において、経路の終点側のマスに設定される効果を、経路の始点側のマスに設定される効果よりもゲームの進行に有利な効果としてもよい。例えば、第2階層のマスに対して「STR(強さ)の値に1が加算される」という効果が設定される一方、第4階層のマスに対して「STR(強さ)の値に10が加算される」という効果が設定されるようにしてもよい。
【0082】
以上説明した本実施形態に係るゲーム提供サーバ10は、分岐を有する経路を構成する複数のマスのうち、プレイヤによって選択されたマスに関連付けられた所定価値(例えば、キャラクタを強化するための効果)を有効化し、こうしたマスの選択は、経路の始点から終点へと順に行われる。したがって、例えば、分岐において選択されるマスによって、有効化される所定価値が異なることになり、プレイヤは、マスの選択に対して面白さを感じることができる。このように、ゲーム提供サーバ10は、ゲームにおいて使用される価値を付与するための仕組みのゲーム性を向上させ得る。
【0083】
本発明の他の実施形態において、上述した実施形態におけるゲーム提供サーバ10が有する機能の一部又は全部は、ゲーム提供サーバ10及びプレイヤ端末30が協動することによって実現され、又は、プレイヤ端末30のみによって実現され得る。
【0084】
本明細書で説明された処理及び手順は、明示的に説明されたもの以外にも、ソフトウェア、ハードウェアまたはこれらの任意の組み合わせによって実現される。例えば、本明細書で説明される処理及び手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク等の媒体に、当該処理及び手順に相当するロジックを実装することによって実現される。また、本明細書で説明された処理及び手順は、当該処理・手順に相当するコンピュータプログラムとして実装し、各種のコンピュータに実行させることが可能である。
【0085】
本明細書中で説明された処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理または手順は複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は複数のモジュールによって実行され得る。また、本明細書において説明されたソフトウェアおよびハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、またはより多い構成要素に分解することによって実現することも可能である。
【0086】
本明細書において、発明の構成要素が単数もしくは複数のいずれか一方として説明された場合、又は、単数もしくは複数のいずれとも限定せずに説明された場合であっても、文脈上別に解すべき場合を除き、当該構成要素は単数又は複数のいずれであってもよい。
【符号の説明】
【0087】
10 ゲーム提供サーバ
11 コンピュータプロセッサ
111 ゲーム進行制御部
112 所定価値管理部
15 ストレージ
30 プレイヤ端末
40 ゲームプログラム
50 ボーナスシート画面
52 マス表示領域
B1~B10 マス
NE 選択不可オブジェクト