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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20221221BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 304D
A63F7/02 326Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020193884
(22)【出願日】2020-11-20
(65)【公開番号】P2022082373
(43)【公開日】2022-06-01
【審査請求日】2022-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100126620
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 豪
(72)【発明者】
【氏名】小林 和広
(72)【発明者】
【氏名】井本 武臣
【審査官】金子 和孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-127865(JP,A)
【文献】特開2020-130509(JP,A)
【文献】特開2016-174692(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の音量で音を出力可能な音出力手段と、
管理者が操作可能な第1操作手段と、
遊技者が操作可能な第2操作手段と、
音量に関する特定画像を表示可能な表示手段と、を備え、
第1操作手段の操作は、複数の音量の中の初期音量に設定する第1設定を行うものであり、
第2操作手段の操作は、複数の音量のいずれかに設定する第2設定を行うものであり、
RAMクリア処理の実行に基づく特定音を出力可能な遊技機であって、
特定音の出力中に第1操作手段が操作された場合、第1設定が行われるものの第1設定に基づく特定画像は表示されず、
特定音の出力中に第2操作手段が操作された場合、第2設定が行われ第2設定に基づく特定画像が表示されることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
所定の音量で音を出力可能な音出力手段と、
管理者が操作可能な第1操作手段と、
遊技者が操作可能な第2操作手段と、
音量に関する特定画像を表示可能な表示手段と、を備え、
第1操作手段の操作は、複数の音量の中の初期音量に設定する第1設定を行うものであり、
第2操作手段の操作は、複数の音量のいずれかに設定する第2設定を行うものであり、
RAMクリア処理の実行に基づく特定音を出力可能な遊技機であって、
特定音の出力中に第1操作手段が操作された場合、第1設定が行われるものの、第1設定に基づく特定画像の表示及び第1設定に基づく特定効果音の出力は行われず、
特定音の出力中に第2操作手段が操作された場合、第2設定、第2設定に基づく特定画像の表示及び第2設定に基づく特定効果音の出力のいずれも行われないことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、所定条件を満たすことにより大当たりの抽選を行うとともに、表示手段における画像表示や音出力手段(スピーカ)による音出力等を行う演出を実行することで、遊技者に対して大当たり等の期待感を視覚的・聴覚的に与えるものが知られている。
そして、近年、ホールの管理者等が操作可能なホール側操作手段により、音出力手段の音量の変更可能範囲が定められた複数の設定値のいずれかを設定可能であるとともに、設定された設定値に定められた変更可能範囲内のいずれかの音量を初期音量として決定し、遊技者が操作可能な遊技者操作手段により上述の変更可能範囲内で段階的に音量を変更可能な遊技機が考案されている(特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-195926号公報
【文献】特開2018-38899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような遊技機においては、遊技に関する情報をクリアするラムクリア(RAMクリア)処理を実行可能であり、ラムクリア処理が実行されると、特定音の出力等により当該ラムクリア処理の実行が報知されるようになっている。ラムクリア処理の実行を確実に認識させるべく、上述の報知は比較的長時間にわたって実行されることが一般的である。そのため、音量の設定についての利便性を向上すべく、上述の報知中も、ホール側操作手段による変更可能範囲の設定や初期音量の決定、及び、遊技者操作手段による音量の変更を行えるようにしたいとの要望があった。
ここで、上述のような遊技機としては、設定された音量を遊技者が視認可能となるように、音量の設定に基づきメーター等を模した画像を表示するようなものが考案されているが、上述の報知中に、ホール側操作手段による初期音量の決定又は遊技者操作手段による音量の変更が行われる都度、上述の画像が表示されるものとすると、処理が煩雑となるというおそれが生じていた。
【0005】
そこで、本発明は、上述した事情によりなされたものであり、音量に関する表示の処理が煩雑となるのを防止可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明は次のように構成されている。
【0007】
(1)本発明は、所定の音量で音を出力可能な音出力手段と、管理者が操作可能な第1操作手段と、遊技者が操作可能な第2操作手段と、音量に関する特定画像を表示可能な表示手段と、を備え、第1操作手段の操作は、複数の音量の中の初期音量に設定する第1設定を行うものであり、第2操作手段の操作は、複数の音量のいずれかに設定する第2設定を行うものであり、RAMクリア処理の実行に基づく特定音を出力可能な遊技機であって、特定音の出力中に第1操作手段が操作された場合、第1設定が行われるものの第1設定に基づく特定画像は表示されず、特定音の出力中に第2操作手段が操作された場合、第2設定が行われ第2設定に基づく特定画像が表示されることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る遊技機によれば、RAMクリア処理の実行に基づく特定音の出力中において、管理者が操作可能な第1操作手段により初期音量に設定する第1設定が行われた場合には第1設定に基づく特定画像(すなわち、初期音量に関する特定画像)は表示されず、遊技者が操作可能な第2操作手段が操作され複数の音量のいずれかに設定する第2設定が行われた場合にのみ第2設定に基づく特定画像(すなわち、第2設定後の音量に関する特定画像)が表示される。これにより、上述の特定音の出力中における音量に関する表示の処理を軽減することができ、ひいては、音量に関する表示の処理が煩雑となるのを防止することができる。
また、本発明に係る遊技機は、特定効果音を出力可能であるものの、RAMクリア処理の実行に基づく特定音の出力中において、第1操作手段が操作された場合及び第2操作手段が操作された場合にはいずれも特定効果音が出力されないようにしてもよい。
これにより、特定音に重複して特定効果音が出力されるのを防止し特定音を確実に聴認可能とすることで、RAMクリア処理の実行を確実に把握させることができる。
【0009】
(2)また、本発明は、所定の音量で音を出力可能な音出力手段と、管理者が操作可能な第1操作手段と、遊技者が操作可能な第2操作手段と、音量に関する特定画像を表示可能な表示手段と、を備え、第1操作手段の操作は、複数の音量の中の初期音量に設定する第1設定を行うものであり、第2操作手段の操作は、複数の音量のいずれかに設定する第2設定を行うものであり、RAMクリア処理の実行に基づく特定音を出力可能な遊技機であって、特定音の出力中に第1操作手段が操作された場合、第1設定が行われるものの、第1設定に基づく特定画像の表示及び第1設定に基づく特定効果音の出力は行われず、特定音の出力中に第2操作手段が操作された場合、第2設定、第2設定に基づく特定画像の表示及び第2設定に基づく特定効果音の出力のいずれも行われないようにしてもよい。
このようにした場合にも、音量に関する表示の処理が煩雑となるのを防止することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、音量に関する表示の処理が煩雑となるのを防止可能な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】パチンコ機の外観斜視図である。
図2】パチンコ機の前扉を開けた状態の外観斜視図である。
図3】パチンコ機の遊技盤の正面概略図である。
図4】パチンコ機の操作ハンドルの斜視図である。
図5】パチンコ機の操作ハンドルの枠カバーを取り外した状態を示す斜視図である。
図6】パチンコ機の操作ハンドルに関する官能試験の結果の説明図である。
図7】パチンコ機における初期位置にある操作ハンドルを示す拡大概略図である。
図8】パチンコ機における最大回転位置にある操作ハンドルを示す拡大概略図である。
図9】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
図10】パチンコ機の大当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。
図11】パチンコ機の当たり図柄乱数判定テーブルの説明図である。
図12】パチンコ機のリーチグループ決定乱数判定テーブルの説明図である。
図13】パチンコ機のリーチモード決定乱数判定テーブルの説明図である。
図14】パチンコ機のリーチモード決定乱数判定テーブルの説明図である。
図15】パチンコ機の変動パターン抽選テーブルの説明図である。
図16】パチンコ機の変動時間決定テーブルの説明図である。
図17】パチンコ機の特別電動役物作動テーブルの説明図である。
図18】パチンコ機の遊技状態設定テーブルの説明図である。
図19】パチンコ機の当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。
図20】パチンコ機の普通図柄変動パターン決定テーブルの説明図である。
図21】パチンコ機の第2始動入賞口開放制御テーブルの説明図である。
図22】パチンコ機の主制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
図23】パチンコ機の主制御基板における初期化処理の概略を示すフローチャートである。
図24】パチンコ機の主制御基板における電断退避処理の概略を示すフローチャートである。
図25】パチンコ機の主制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
図26】パチンコ機の主制御基板におけるセンサ検出時処理の概略を示すフローチャートである。
図27】パチンコ機の主制御基板におけるゲート検出時処理の概略を示すフローチャートである。
図28】パチンコ機の主制御基板における第1始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
図29】パチンコ機の主制御基板における第2始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
図30】パチンコ機の主制御基板における特図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
図31】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
図32】パチンコ機の主制御基板における変動パターン決定処理の概略を示すフローチャートである。
図33】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
図34】パチンコ機の主制御基板における停止後処理の概略を示すフローチャートである。
図35】パチンコ機の主制御基板における特別遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。
図36】パチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。
図37】パチンコ機の主制御基板における普図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
図38】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
図39】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
図40】パチンコ機の主制御基板における普通図柄停止後処理の概略を示すフローチャートである。
図41】パチンコ機の主制御基板における可動片制御処理の概略を示すフローチャートである。
図42】パチンコ機の各音量設定値に定められた複数段階の音量の説明図である。
図43】パチンコ機の音量設定値及び初期音量設定値に応じた初期音量の説明図である。
図44】パチンコ機の音量変更示唆画像及び拡大された音量メーター画像の一例を示す図である。
図45】パチンコ機の音量メーター画像の表示態様の一例を示す図である。
図46】パチンコ機の各音量設定値に定められた音量の段階に応じた音量メーター画像の表示態様及び特定効果音の一例を示す図である。
図47】パチンコ機の副制御基板における電断復帰時初期音量設定処理の概略を示すフローチャートである。
図48】パチンコ機の副制御基板における電源投入中初期音量設定処理の概略を示すフローチャートである。
図49】パチンコ機の副制御基板における現音量変更処理の概略を示すフローチャートである。
図50】パチンコ機の副制御基板における報知制御処理の概略を示すフローチャートである。
図51】変形例に係るパチンコ機の装飾部及び上部誘導通路近辺の拡大右側断面図である。
図52】変形例に係るパチンコ機のレールベース、外レール及び遊技盤の斜視図である。
図53】変形例に係るパチンコ機の外レールの概略図である。
図54】変形例に係るパチンコ機のレールベース、遊技盤の拡大断面図である。
図55】変形例に係るパチンコ機の遊技盤の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
なお、本明細書において、パチンコ機Pに設けられた各構成部品についての、前後(正面、背面)、左右(左側面、右側面)、上下(平面、底面)の方向は、各構成部品をパチンコ機Pに固定した状態でパチンコ機Pを正面視したときの方向を示すものとする。
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、一般的に、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
【0013】
本形態に係るパチンコ機Pは、図1又は図2に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって正面に開口部(特に図示しておらず)を有する扉枠3aと、を備えている。扉枠3aは、パチンコ機Pの前扉3を構成するものである。
本体枠2及び扉枠3aは、本体枠2に対して扉枠3aを閉じ両者が一体となった状態で、機枠1を開閉する(すなわち、本体枠2及び扉枠3aが一体となることで機枠1を開閉可能な枠部が構成され、この枠部が機枠1を開閉する)ことも可能となっている。
【0014】
また、本体枠2の上縁から下縁までの長さ(本体枠2の高さ)は、扉枠3aの上縁から下縁までの長さ(扉枠3aの高さ)よりもやや長く、本体枠2の左縁から右縁までの長さ(本体枠2の横幅)は、扉枠3aの左縁から右縁までの長さ(扉枠3aの横幅)よりもやや長くなっている。したがって、扉枠3aを閉じると、扉枠3aの下縁よりも本体枠2の下縁の方がやや下側に位置し、かつ、扉枠3aの右縁よりも本体枠2の右縁の方がやや右側に位置することとなる(図7図8参照)。
なお、扉枠3a及び本体枠2の高さや横幅は同一として、扉枠3aを閉じると、扉枠3aの下縁と本体枠2の下縁とが一致し、かつ、扉枠3aの右縁と本体枠2の右縁とが一致するように構成してもよい。
また、扉枠3a及び本体枠2は、上述のように、それぞれ別個に開閉可能な枠体として構成されるものでなくてもよい。たとえば、扉枠3a及び本体枠2を収容可能であって機枠1に開閉自在に取り付けられる枠体である外枠(特に図示しておらず)を設け、扉枠3a及び本体枠2が収容された状態の外枠が機枠1を開閉するように構成してもよい。
【0015】
機枠1の左下部には、図1又は図2に示すように、音声を出力する出力装置としてのスピーカ10が設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、扉枠3aには、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音出力装置としてのスピーカ10と、が設けられている。
【0016】
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、扉枠3aにより構成される前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
【0017】
上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(図1参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
【0018】
操作ハンドル5は、遊技球を打ち出すためのものであり、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
【0019】
遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3(扉枠3a)を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、図3に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
【0020】
ここで、操作ハンドル5について、詳述する。
図4及び図5に示すように、操作ハンドル5は、大別して、扉枠3aに固定されるベース510と、このベース510に回転操作可能に支持され、常態において位置する初期位置から所定角度の範囲内で回転する操作枠550と、この操作枠550の前面を覆う枠カバー570と、を備えている。
【0021】
特に図示していないが、ベース510は、扉枠3aに固定した際に正面方向へ向けて開口する略円筒状の部材であり、このベース510内には、各種の構成部品を取り付けるための孔や突起が形成されているとともに、各種構成部品を収容するための収容空間が設けられている。
【0022】
操作枠550は、ベース510に相対回転可能に支持されるものであり、ベース510の開口に対向する円環状のリング体551と、このリング体551内に設けられる平板状の平板部552と、を備えている(図5参照)。リング体551の外周面には、外方へ突出する3つの指掛突起551a、551b、551cが設けられており、この指掛突起551a、551b、551cに遊技者が指を掛けることで、容易に操作枠550の回転操作を行うことができるようになっている。
【0023】
上述の平板部552には、操作枠550の回転軸方向に貫通するとともに、当該操作枠550の周方向に沿って湾曲する長孔状の案内孔553が一対設けられている。この案内孔553には、ベース510から突出するガイド軸518が挿通可能となっており、操作枠550がベース510に支持された状態で、案内孔553がガイド軸518に案内されて操作枠550が回転自在となっている。
また、平板部552の正面側(枠カバー570側)には、操作枠550の中心位置において正面方向に立設する突起554が設けられており、この突起554の近傍には、正面方向に突出するバネ保持片555が設けられている。
【0024】
枠カバー570は、操作枠550の前面を覆った際に背面方向へ向けて開口する略半球状の部材である。この枠カバー570は、その背面側において、案内孔553に挿通されたベース510のガイド軸518とネジ止めされるようになっており、これにより、枠カバー570はベース510に固定されることとなる。また、この枠カバー570の背面側には、操作枠550の突起554が相対回転可能に挿入可能な背面穴(図示しておらず)が設けられており、枠カバー570が操作枠550の前面を覆った際には、操作枠550の突起554が背面穴に挿入されることとなる。
以上のようにネジ止めされることにより、操作枠550は、枠カバー570とベース510との間に、回転自在に挟持されるようになっている。
【0025】
そして、操作ハンドル500が組み立てられた状態においては、ベース510のガイド軸518が操作枠550の案内孔553に挿通されており、ガイド軸518が案内孔553の周方向端部に当接すると、操作枠550のそれ以上の回転が規制される。すなわち、ガイド軸518及び案内孔553は、操作枠550の回転を案内するとともに回転角度を一定範囲内に規制するストッパとして機能することとなる。
【0026】
また、図5に示すように、操作枠550の突起554の外周にはコイルスプリング581が巻回されている。
このコイルスプリング581は、一端が案内孔553に挿通されたベース510のガイド軸518の外周面に巻き付けられているとともに、他端がバネ保持片555に掛け止めされており、ガイド軸518を介して操作枠550を反時計回りに回転させるように常時付勢している。すなわち、操作枠550に対して当該操作枠550の回転軸を中心に反時計回りの回転力を常時作用させている。これにより、操作枠550は、常態において、コイルスプリング581の弾性力により、ガイド軸518が案内孔553における操作枠550の回転方向と反対方向の端部に当接した初期位置に位置することとなる(図5参照)。
【0027】
また、操作枠550が初期位置に位置している状態において、時計回りの回転力を当該操作枠550に作用させると、当該操作枠550は、コイルスプリング581の弾性力に抗して時計回りに回転する。そして、操作枠550に対する時計回りの回転力を解除すると、操作枠550はコイルスプリング581の弾性力によって反時計回りに回転し、初期位置に復帰することとなる。
【0028】
また、この操作ハンドル5においては、コイルスプリング581の巻回量や回転量等を調節することで、操作枠550に対して常時作用させている反時計回りの回転力(付勢力)を調節し、操作枠550の時計回り方向への回転に必要な操作トルクを下記のように設定している。
【0029】
具体的には、操作ハンドル5の初期位置からの回転に必要な操作トルク(以下、第1操作トルクともいう)、操作ハンドル5の初期位置から左打ち基準位置までの回転に必要な操作トルク(以下、第2操作トルクともいう)、及び、操作ハンドル5の左打ち基準位置から最大回転位置までの回転に必要な操作トルク(以下、第3操作トルクともいう)に関し、第2操作トルクが第1操作トルクよりも大きくかつ当該第1操作トルクの2倍以下程度となるとともに、第3操作トルクが第2操作トルクよりも大きくかつ当該第2操作トルクの2倍以下程度となるように設定されている。
たとえば、上述の操作ハンドル5において、第1操作トルクはおよそ6.8N・mm(N・mmは、操作トルクを示す単位であるニュートンミリメートル。以下、同様。)、第2操作トルクはおよそ13.6N・mm、第3操作トルクはおよそ23.8N・mmとすることができる。なお、第1操作トルクのおよそ6.8N・mmは、操作ハンドル5を初期位置から若干時計回りに回転させた状態から、操作枠550に対する時計回りの回転力を解除したときに、当該操作枠550が初期位置に復帰できる最小値である。
【0030】
なおここで、左打ち基準位置とは、遊技領域12のうち、発射された遊技球が第2遊技領域12bよりも第1遊技領域12aへ進入しやすく、当該遊技球が後述する第1始動入賞口15へ入球される可能性が高い所定の領域(いわゆる、ぶっこみ)へ遊技球を打ち込むことが可能な発射強度となる操作ハンドル5の位置である。また、最大回転位置とは、操作枠550の時計回りへの回転が規制されることとなる操作ハンドル5の位置(すなわち、ガイド軸518が案内孔553における操作枠550の回転方向の端部に当接する位置)である。
【0031】
また、上述の操作ハンドル5においては、初期位置から左打ち基準位置までの操作ハンドル5の操作角度(回転角度。以下、第1操作角度ともいう)が、初期位置から最大回転位置までの操作ハンドル5の操作角度(以下、第2操作角度ともいう)の半分以下程度となるように設定されている。なお、第1操作角度は概ね45度~60度の範囲とするのが望ましく、第2操作角度は概ね100度~120度の範囲とするのが望ましい。たとえば、上述の操作ハンドル5において、第1操作角度はおよそ45度、第2操作角度はおよそ100度とすることができる。
【0032】
以上のように、第2操作トルクが第1操作トルクよりも大きくかつ当該第1操作トルクの2倍以下程度となるように設定することで、初期位置から左打ち基準位置までの間における操作トルクが急激に増加せず、遊技者の操作負担を軽減することができる。また、初期位置から左打ち基準位置に至るまでに急激に操作負荷が大きくなる印象を与えてしまうことを防止可能となり、遊技者に操作ハンドル5の操作疲れを感じ難くさせることができる。
また、第3操作トルクが第2操作トルクよりも大きくかつ当該第2操作トルクの2倍以下程度となるように設定することで、左打ち基準位置から最大回転位置までの間における操作トルクが急激に増加せず、初期位置から左打ち基準位置まで操作ハンドル5を回転させたときの操作負荷、及び、左打ち基準位置から最大回転位置まで操作ハンドル5を回転させたときの操作負荷に大きな差が生じないため、遊技者の操作負担を軽減することができる。また、初期位置から最大回転位置に至るまでの間において、最大回転位置に近づけば近づく程急激に操作負荷が大きくなる印象を与えてしまうことを防止可能となり、遊技者に操作ハンドル5の操作疲れを感じ難くさせることができる。
【0033】
以下、上述の操作ハンドル5の実施例を、比較例と対比しつつ説明する。
実施例における操作ハンドル5は、上述のように、第1操作トルクがおよそ6.8N・mm、第2操作トルクがおよそ13.6N・mm、第3操作トルクがおよそ23.8N・mmとなるように設定した。すなわち、実施例における操作ハンドル5は、第2操作トルクが第1操作トルクよりも大きくかつ当該第1操作トルクの2倍以下程度であるという条件(以下、第1条件ともいう)を満たすとともに、第3操作トルクが第2操作トルクよりも大きくかつ当該第2操作トルクの2倍以下程度であるという条件(以下、第2条件ともいう)を満たしている。
これに対して、比較例における操作ハンドル5は、第1操作トルクがおよそ31N・mm、第2操作トルクがおよそ69N・mm、第3操作トルクがおよそ152N・mmとなるように設定した。すなわち、比較例における操作ハンドル5は、上述の第1条件及び第2条件をいずれも満たしていない。
【0034】
そして、上述の実施例における操作ハンドル5、及び、比較例における操作ハンドル5を用いて、初期位置から左打ち基準位置までの操作ハンドル5の回転を所定回数(たとえば100回)行ったときの疲労感(以下、前半疲労感ともいう)、及び、左打ち基準位置から最大回転位置までの操作ハンドル5の回転を所定回数(たとえば100回)行ったときの疲労感(以下、後半疲労感ともいう)を、被験者が実際に操作ハンドル5を回転操作する官能試験によって評価した。
図6に示すように、実施例における操作ハンドル5においては、前半疲労感及び後半疲労感はいずれも小さかったものの、比較例における操作ハンドル5においては、前半疲労感及び後半疲労感はいずれも大きく、実施例における操作ハンドル5は比較例における操作ハンドル5に対し、いずれの疲労感についても評価が優れている。
したがって、上記の結果から明らかなように、第2操作トルクが第1操作トルクよりも大きくかつ当該第1操作トルクの2倍以下程度という範囲、及び、第3操作トルクが第2操作トルクよりも大きくかつ当該第2操作トルクの2倍以下程度という範囲は、上述の疲労感の観点から適正であるといえる。
【0035】
また、上述の操作ハンドル5は、扉枠3a(本体枠2)と下記のような位置関係となるように、扉枠3aに設けられている。なお、以下では、操作枠550のリング体551の外周面に沿って並設されている3つの指掛突起のうち、操作ハンドル5が初期位置にあるときに左側に位置する指掛突起551aを第1指掛突起551a、中央に位置する指掛突起551bを第2指掛突起551b、右側に位置する指掛突起551cを第3指掛突起551cともいう。
【0036】
具体的には、上述の操作ハンドル5は、枠カバー570の中心位置C(扉枠3aに取り付けられた状態で正面側に最も突出する位置)から扉枠3aの下縁までの距離DA1が約40.0mm、かつ、中心位置Cから本体枠2の下縁までの距離DA2が約45.0mmであるとともに、中心位置Cから扉枠3aの右縁までの距離DA3が約49.1mm、かつ、中心位置Cから本体枠2の右縁までの距離DA4が約51.1mmとなる位置に設けられている(図7参照)。
【0037】
ここで、上述の操作ハンドル5は、中心位置Cからリング体551の外周面までの距離DBが約34.6mm、中心位置Cから第1指掛突起551aの突設端(第1指掛突起551aにおける、リング体551の外周面から最も突設した位置)までの距離DC1が約53.4mm、中心位置Cから第2指掛突起551bの突設端(第2指掛突起551bにおける、リング体551の外周面から最も突設した位置)までの距離DC2が約45.6mm、及び、中心位置Cから第3指掛突起551cの突設端(第3指掛突起551cにおける、リング体551の外周面から最も突設した位置)までの距離DC3が約39.3mmとなるように構成されている(図7参照)。
また、上述の操作ハンドル5が初期位置にあるときには、第1指掛突起551aは中心位置Cの左方やや上側に位置し、第2指掛突起551bは中心位置Cのほぼ直上に位置し、第3指掛突起551cは中心位置Cの右方やや上側に位置するようになっている(図7参照)。
【0038】
すなわち、操作ハンドル5が初期位置にあるときには、第1指掛突起551a、第2指掛突起551b及び第3指掛突起551cはいずれも中心位置Cよりも上側に位置しているため、第1指掛突起551a、第2指掛突起551b及び第3指掛突起551cはいずれも、扉枠3aの下縁及び本体枠2の下縁よりも下方に突出しないようになっている(図7参照)。
また、上述のように、中心位置Cから第3指掛突起551cの突設端までの距離DC3が約39.3mm、中心位置Cから扉枠3aの右縁までの距離DA3が約49.1mm、かつ、中心位置Cから本体枠2の右縁までの距離DA4が約51.1mmであるため、操作ハンドル5が初期位置にあるときには、第1指掛突起551a、第2指掛突起551b及び第3指掛突起551cはいずれも、扉枠3aの右縁及び本体枠2の右縁よりも右方に突出しないようになっている(図7参照)。
【0039】
一方、上述の操作ハンドル5が初期位置から第2操作角度(およそ100度)回転し最大回転位置にあるときには、第1指掛突起551aは中心位置Cの上方やや右側に位置し、第2指掛突起551bは中心位置Cの右方やや下側に位置し、第3指掛突起551cは中心位置Cの下方やや右側に位置するようになっている(図8参照)。また、第3指掛突起551cの突設端は、扉枠3a(本体枠2)の下縁よりも上側であって、かつ、扉枠3a(本体枠2)の右縁よりも左側に位置するようになっている(図8参照)。
【0040】
すなわち、操作ハンドル5が最大回転位置にあるときには、第1指掛突起551a、第2指掛突起551b及び第3指掛突起551cはいずれも、扉枠3a(本体枠2)の下端よりも上側に位置しているため、第1指掛突起551a、第2指掛突起551b及び第3指掛突起551cはいずれも、扉枠3aの下縁及び本体枠2の下縁よりも下方に突出しないようになっている(図8参照)。
また、上述のように、中心位置Cから第2指掛突起551bの突設端までの距離DC2が約45.6mm、中心位置Cから扉枠3aの右縁までの距離DA3が約49.1mm、かつ、中心位置Cから本体枠2の右縁までの距離DA4が約51.1mmであるため、操作ハンドル5が初期位置にあるときには、第1指掛突起551a、第2指掛突起551b及び第3指掛突起551cはいずれも、扉枠3aの右縁及び本体枠2の右縁よりも右方に突出しないようになっている(図8参照)。
【0041】
さらに、上述のように、操作ハンドル5が初期位置にあるとき及び最大回転位置にあるときのいずれであっても、第1指掛突起551a、第2指掛突起551b及び第3指掛突起551cはいずれも、扉枠3aの下縁及び本体枠2の下縁よりも下方に突出せず、かつ、扉枠3aの右縁及び本体枠2の右縁よりも右方に突出しないようになっている。
これにより、特に図示していないが、操作ハンドル5が初期位置から最大回転位置に至るまでのいずれの回転位置にあるときであっても、第1指掛突起551a、第2指掛突起551b及び第3指掛突起551cはいずれも、扉枠3aの下縁及び本体枠2の下縁よりも下方に突出せず、かつ、扉枠3aの右縁及び本体枠2の右縁よりも右方に突出しないようになっている。
【0042】
また、上述のように、中心位置Cから第1指掛突起551aの突設端までの距離DC1が約53.4mm、中心位置Cから第2指掛突起551bの突設端までの距離DC2が約45.6mm、中心位置Cから第3指掛突起551cの突設端までの距離DC3が約39.3mmとなっており、リング体551の外周面から最も離れている(リング体551の外周面から最も突出している)のは第1指掛突起551aの突設端である。
また、上述のように、操作ハンドル5が初期位置にあるときには、第1指掛突起551aは中心位置Cの左方やや上側に位置し、操作ハンドル500が最大回転位置にあるときには、第1指掛突起551aは中心位置Cの上方やや右側に位置しているため、上述の最大回転位置における第1指掛突起551aの高さ位置は、上述の初期位置における第1指掛突起551aの高さ位置よりも高くなっている。
すなわち、操作ハンドル5が最大回転位置にあるときの第1指掛突起551の突設端は、操作ハンドル5が初期位置から最大回転位置まで回転する際に突設端が通る回転軌道の最下点には位置しないようになっている。
【0043】
以上のように、上述の操作ハンドル5は、当該操作ハンドル5が初期位置にあるときに、第1指掛突起551a、第2指掛突起551b、第3指掛突起551cのいずれもが、扉枠3aの下縁及び本体枠2の下縁よりも下方に突出せず、かつ、扉枠3aの右縁及び本体枠2の右縁よりも右方に突出しないとともに、操作ハンドル5が最大回転位置にあるときに、第1指掛突起551a、第2指掛突起551b、第3指掛突起551cのいずれもが、扉枠3aの下縁及び本体枠2の下縁よりも下方に突出せず、かつ、扉枠3aの右縁及び本体枠2の右縁よりも右方に突出しないこととなるように設けられている。
これにより、たとえば、パチンコ機Pを島に設置する作業を行うようなときに、一時的に、パチンコ機Pをホールの床等に置いたり、壁に立て掛けたりするような場合であっても、指掛突起551a、551b、551cが床や壁に接触し操作ハンドル5が破損するような事態を防止することができる。
【0044】
また、上述の操作ハンドル5は、当該操作ハンドル5が初期位置から最大回転位置に至るまでのいずれの回転位置にあるときであっても、第1指掛突起551a、第2指掛突起551b及び第3指掛突起551cはいずれも、扉枠3aの下縁及び本体枠2の下縁よりも下方に突出せず、かつ、扉枠3aの右縁及び本体枠2の右縁よりも右方に突出しないようになっている。
これにより、上述のように、パチンコ機Pをホールの床等に置いたり、壁に立て掛けたりしたときに、操作ハンドル5がいかなる回転位置となっていたとしても、指掛突起551a、551b、551cが床や壁に接触し操作ハンドル5が破損するような事態を防止することができる。
【0045】
また、リング体551の外周面から最も離れている突設端を備えた第1指掛突起551aの当該突設端は、操作ハンドル5が最大回転位置にあるときにおいて、当該操作ハンドル5が初期位置から最大回転位置まで回転する際に当該突設端が通る回転軌道の最下点には位置しないようになっている。
これにより、操作ハンドル5が最大回転位置にあるときに、指掛突起551a、551b、551cが扉枠3aの下縁及び本体枠2の下縁よりも下方に突出することを確実に防止することができる。
【0046】
なお、上述の操作ハンドル5に設ける指掛突起の数は、3個に限定されるものではなく、操作ハンドル5と扉枠3a(本体枠2)とが上述のような関係となっていれば、2個以下であってもよいし、4個以上であってもよい。
【0047】
また、上述の操作ハンドル5における中心位置Cから各指掛突起までの距離、初期位置や最大回転位置における各指掛突起の位置、中心位置Cから扉枠3a(本体枠2)までの距離等については、上述の値に限定されるものではなく、操作ハンドル5と扉枠3a(本体枠2)とが上述のような関係となっていれば、任意の値とすることができる。
【0048】
また、上述の操作ハンドル5は、指掛突起551a、551b、551cが扉枠3aの下縁及び本体枠2の下縁の両方よりも下方に突出せず、また、扉枠3aの右縁及び本体枠2の右縁の両方よりも右方に突出しないようになっていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、少なくとも、扉枠3aの下縁及び本体枠2の下縁のうち、下側に位置する下縁よりも下方に突出しないようにしてもよい。同様に、少なくとも、扉枠3aの右縁及び本体枠2の右縁のうち、右側に位置する右縁よりも右方に突出しないようにしてもよい。
このようにした場合であっても、上述と同様の作用効果を奏することとなる。
【0049】
また、上述の操作ハンドル5は、扉枠3aに設けるのではなく、機枠1や本体枠2等、パチンコ機Pのいずれかの箇所に設けるようにしてもよい。そして、機枠1や本体枠2に操作ハンドル5を設けた場合には、操作ハンドル5と機枠1や本体枠2とが上述のような関係となるように設定することができる。
【0050】
また、上述の操作ハンドル5は、第1指掛突起551aがリング体551の外周面から最も離れている突設端を備えるのではなく、他の指掛突起(第2指掛突起551bや第3指掛突起551c)がリング体551の外周面から最も離れている突設端を備えるようにしてもよい。この場合にも、操作ハンドル5が最大回転位置にあるときにおいて、上述の突設端は、操作ハンドル5が初期位置から最大回転位置まで回転する際に当該突設端が通る回転軌道の最下点に位置しないように設定することができる。
【0051】
以下、遊技領域12の説明に戻る。
遊技領域12内には、図3に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動するアタッカー装置17と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って演出を行う演出装置としての演出表示装置21と、が設けられている。
【0052】
一般入賞口14は、図3に示すように、遊技領域12の左側下部に設けられており、当該一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出される。
なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
【0053】
第1始動入賞口15は、図3に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられている。この第1始動入賞口15へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球が入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。これに対して、第2始動入賞口16は、図3に示すように、遊技領域12の中央から右寄りの位置(すなわち第2遊技領域12b内)に設けられている。この第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。
【0054】
また、第2始動入賞口16には、図3に示すように、開閉可能な可動片16b(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片16bが閉じているときには第2始動入賞口16が閉状態となっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能又は困難である。これに対して、可動片16bが開くと、第2始動入賞口16が開状態となるとともに、この可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16へ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
また、この可動片16bの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する一対の羽根部材や、水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして第2始動入賞口16を開閉するシャッター部材により構成してもよい。
なお、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16の設置位置は特に限定されるものではなく、たとえば、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16は、いずれの遊技領域12(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を流下する遊技球も入球しやすいような位置に配置してもよい。
【0055】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出されるとともに、大当たりか否かを決定する大当たりの抽選が行われ、当該抽選の結果に基づき予め定められた複数の特別図柄の中から1の特別図柄が決定される。各特別図柄には種々の遊技利益が対応付けられており、決定された特別図柄の種類に応じて、遊技者にとって有利な特別遊技の実行、所定の遊技状態の設定等の遊技利益を受けられるようになっている。
【0056】
ゲート20は、図3に示すように、第2始動入賞口16の上方に設けられている。このゲート20を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該抽選の結果が当たりであった場合、上述の第2始動入賞口16に設けられた可動片16bが所定時間開かれるようになっている。
【0057】
アタッカー装置17は、図3に示すように、第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16の下方に設けられている。このアタッカー装置17は、遊技球が入球可能な大入賞口18と、この大入賞口18を開閉する開閉扉18bと、を備えている。常態においては、開閉扉18bが閉じられ大入賞口18は閉鎖されているため、当該大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技が実行されると、開閉扉18bが開き大入賞口18が開放されるとともに、開閉扉18bが遊技球を大入賞口18へ導く受皿部材として機能することにより、大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。
また、当該大入賞口18へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出される。
【0058】
アウト口19は、図3に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
【0059】
演出表示装置21は、図3に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、この演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられており、この表示部21aには、背景画像が表示されるほか、演出図柄50(ダミー図柄)が変動表示され、各演出図柄50の停止表示態様により、大当たりの抽選の結果を遊技者に報知する変動演出が行われるようになっている。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
【0060】
本形態に係るパチンコ機Pは、演出装置として、演出表示装置21のほか、上述の音出力装置としてのスピーカ10や、種々の色や点灯パターンで発光することにより演出を行う演出照明装置としてのランプ23(図2参照)を備えている。
なお、演出装置としては、これらに限定されるものではなく、たとえば、種々のタイミングや態様で可動する演出役物装置等を備えてもよい。
【0061】
上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。演出操作装置9は、円形リング状の枠体であって回転操作が可能な操作ダイヤル9aと、操作ダイヤル9aに嵌め込まれており押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。そして、演出表示装置21により所定の演出が実行されているときに、操作ダイヤル9aの回転操作や操作ボタン9bの押下操作を行うと、変動演出等の各種演出が進行したり、異なる表示に切り替わったりするようになっている。
【0062】
上皿6における演出操作装置9の右側には、スピーカ10の音量を変更することが可能な音量変更装置として、上キー、下キー、左キー及び右キーを備えた十字キー25が設けられており(図1参照)、十字キー25における上キー又は下キーの押下操作を行うことで、スピーカ10の音量を後述の複数段階の範囲内で変更できるようになっている。
なお、音量の変更は、十字キー25の押下操作により行うのではなく、上述の演出操作装置9の操作により行うことができるように設定してもよい。また、遊技者がタッチ操作可能なタッチパネルを設け、このタッチパネル上に音量の変更を行うためのボタン部を表示し、当該ボタン部のタッチ操作により音量を変更できるように設定してもよい。
音量の変更については後程詳述する。
【0063】
また、図3に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
【0064】
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、図1に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
【0065】
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの遊技や演出を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は各種制御基板により構成されており、具体的には、図9に示すように、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200、各種演出を制御する副制御基板300、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400を備えている。
【0066】
また、図9に示すように、主制御基板100には発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には遊技球貸出制御基板400が接続されている。さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
【0067】
主制御基板100は、パチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技、遊技者にとって有利な特別遊技等を制御する。
この主制御基板100は、図9に示すように、各種演算処理を行うメインCPU101と、遊技を進行するための制御プログラム、遊技に必要なデータやテーブル等を格納するメインROM102と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるメインRAM103と、を備えている。
そして、メインCPU101は、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や、演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
【0068】
また、図9に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ18aと、ゲート20を遊技球が通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、遊技盤11に向けられる磁気や電波等を検出する不正検出センサ35と、が接続されている。そして、これらの各検出センサから出力される検出信号が主制御基板100に入力されるようになっている。
【0069】
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cと、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16や大入賞口18の開閉制御がなされ、また、各表示装置の表示制御がなされるようになっている。
【0070】
発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
【0071】
図9に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
【0072】
そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御が行われる。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御が行われる。
なお、遊技球を発射する装置としては、発射モータ61ではなく、ロータリーソレノイドを用いてもよい。
【0073】
また、発射払出制御基板200には、図9に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
【0074】
さらに、発射払出制御基板200には、図9に示すように、扉枠3a(前扉3)の開放状態を検出する扉枠開放検出センサ3bと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
【0075】
扉枠開放検出センサ3bは、扉枠3aが開放されていることを検出すると開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、扉枠3aの開放中は、開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、開放検出信号の入力が止まると、扉枠3aが閉じられたと判断し、扉閉鎖コマンドを主制御基板100に送信する。
【0076】
受皿満タン検出センサ7aは受皿7の所定位置に設けられている。受皿7に賞球として払い出される遊技球が所定量以上貯留されて満タン状態になると、貯留された遊技球が上述の所定位置に達することとなる。受皿満タン検出センサ7aは遊技球が上述の所定位置に達したことを検出するとオンとなり受皿検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、貯留された遊技球が上述の所定位置に達している間は受皿検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号が入力されると受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出しなくなるとオフとなり受皿検出信号の出力を停止する。発射払出制御基板200は、受皿検出信号の入力が止まると受皿7の満タン状態が解除されたと判断し、主制御基板100への受皿満タンコマンドの送信を停止する。
【0077】
また、上述の如く、発射払出制御基板200には遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が接続されている。図9に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
【0078】
球貸ボタン36が押下操作されると球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理がなされるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御が行われる。
また、カード返却ボタン37が押下操作されるとカード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対してカードの返却を要求する返却要求信号を送信する。遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御が行われる。
【0079】
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、図9に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
そして、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行い、かつ、画像表示を制御する画像制御基板(図示しておらず)、音出力を制御する音声制御基板310、照明の点灯を制御する電飾制御基板(図示しておらず)に演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板310と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により音出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
【0080】
副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板310を介してスピーカ10及び十字キー25の押下操作を検出する十字キー検出センサ25aが接続されている。また、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、ランプ23、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9c及び操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dが接続されている。
【0081】
画像制御基板は、特に図示していないが、画像CPU、画像ROM、画像RAM等を備えている。この画像制御基板の画像ROMには、演出表示装置21に表示される図柄、背景等の画像データが格納されている。画像CPUは、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき画像ROMから読み出した画像データを画像RAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
【0082】
音声制御基板310は、スピーカ10から出力される音声、BGM等の各種サウンドデータが記憶されたサウンドROM、サウンドデータに基づき音声信号の調整を行う制御部、制御部により調整されたサウンドデータが入力されるアンプ等から構成されている。本形態では、複数のトラック(本形態では40のトラック)ごとに対応するサウンドデータが読み出され、各トラックに対応するサウンドデータがそれぞれ制御部に入力されることによりトラックごとに音声信号の調整が行われ、調整が行われたサウンドデータがアンプに入力され、アンプを介してスピーカ10から出力されるようになっている。
【0083】
また、本形態における制御部は、特に図示していないが、サウンドデータを復号化(デコード)するためのデコーダ部、トラックごとの音量を調整するフェーダ部、所定のトラックが所定以上の音量となることを契機に他のトラックの音量を小さくする第1ダッカー部、いずれのスピーカ10にどの程度の音量でサウンドデータを再生するかを決定するバス出力制御部、各トラックのサウンドデータをいずれのバスに割り当てるかを決定するスイッチャー部、所定のバスが所定以上の音量となることを契機に他のバスの音量を小さくする第2ダッカー部、各バスとスピーカとの対応付けを決定するルーター部、バスごとの音量を設定するチャンネルボリューム部、各バスにおける特定周波数帯域の強調や減少を設定するイコライザー部、各バスの音量が一定以上とならないように調整するリミッタ部、各バスにおける波形補正を行う波形補正部、全体の音量を引き上げるためのゲイン部、ゲイン部で調整された音量が一定以上とならないように再調整するポストリミッタ部、各バスにおける出音のタイミングを遅らせることで各スピーカ10の位置の違いによる音の位相のずれを補正するショートディレイ部、全てのバスの音量を一括で調整するマスターボリューム部、各バスのサウンドデータをアンプにシリアル伝送するための変換を行うシリアル出力部等から構成されており、これらが上記の順番で接続されている。
また、制御部においては、上記各構成を使用するか否か(すなわち上記各構成の機能を有効とするか否か)をそれぞれ別個に設定できるようになっている。たとえば、たとえば、マスターボリュームによる全てのバスの音量の調整を行わない場合には、当該マスターボリューム部を使用せず(すなわちマスターボリューム部の機能を有効とせず(無効とし))、他の構成のみを使用する(すなわち他の構成の機能のみを有効とする)ように設定することができる。本形態に係るパチンコ機Pでは、音量を構成する機能に係る上記構成についてはいずれも使用せず、他の構成のみを使用するように設定している。
【0084】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、音声制御基板310の制御部による音量の調整とは別個に、スピーカ10の音量の設定もできるようになっている。
具体的には、特に図示していないが、副制御基板300にスピーカ10の音量の設定に係る音量設定切替スイッチ10a及び初期音量設定切替スイッチ10bが設けられている。音量設定切替スイッチ10aはダイヤル(図示しておらず)を備えており、ダイヤルの回転操作を行うことで複数の音量設定値(本形態では「0」~「9」の10個)のいずれかを設定可能となっている。また、初期音量設定切替スイッチ10bはレバー(図示しておらず)を備えており、レバーの傾倒操作を行うことで複数の初期音量設定値(本形態では「A」及び「B」)のいずれかを設定可能となっている。本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の音量設定値ごとに複数段階の音量が予め定められており、設定されている音量設定値及び初期音量設定値に応じて、当該音量設定値に定められた複数段階の音量の中からいずれかの音量が初期音量として設定される。
音量設定切替スイッチ10a及び初期音量設定切替スイッチ10bは副制御基板300に設けられており、かつ副制御基板300は遊技盤11の背面に設けられているため(図示しておらず)、遊技者はこれらのスイッチを操作することができず、ホールの店員(管理者)等のみが操作可能である。
【0085】
そして、上述のように、十字キー25の上キー又は下キーの押下操作によって、スピーカ10の音量を音量設定値に定められた複数段階の範囲内において変更できるようになっている。具体的には、上キーの押下操作を行うことにより複数段階における最大の音量に至るまで段階的に音量を増大させることができ、下キーの押下操作を行うことにより複数段階における最小の音量に至るまで段階的に音量を減少させることができる。
十字キー25は上皿6の前方位置に設けられているため(図1参照)、遊技者は十字キー25を操作可能である。
【0086】
また、副制御基板300のサブRAM303には、スピーカ10に対して設定中の音量(以下、現音量ともいう)等が記憶されるようになっている。たとえば、音量設定切替スイッチ10aや初期音量設定切替スイッチ10bが操作されると、現音量として当該操作後の音量設定値及び初期音量設定値に応じた初期音量がサブRAM303に記憶され、十字キー25が押下操作されると、現音量として当該押下操作後の音量がサブRAM303に記憶される。そして、サブRAM303に記憶されている現音量によりスピーカ10から音声が出力される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、音量設定切替スイッチ10a及び初期音量設定切替スイッチ10bにより全てのスピーカ10の初期音量設定を一括で行うことができるようになっているが、これに限定されるものではない。たとえば、スピーカ10ごとに初期音量を設定するための個別のスイッチを設け、このスイッチによりスピーカ10ごとに音量設定値及び初期音量設定値を設定できるようにしてもよい。また、十字キー25によりスピーカ10ごとに現音量を変更できるようにしてもよい。
また、音量設定切替スイッチ10a及び初期音量設定切替スイッチ10bは副制御基板300に直接設けられていたが、これに限定されるものではない。たとえば、音声制御基板310に音量設定切替スイッチ10a及び初期音量設定切替スイッチ10bを設けてもよい。
【0087】
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき演出照明装置23による照明の点灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
【0088】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pが備える各基板には電源基板が接続されており、この電源基板には所定の電源スイッチ及びリセットスイッチが設けられている。電源スイッチがオンとなると電源基板から各基板に電源が供給され、電源スイッチがオフとなると電源基板から各基板への電源の供給が停止する。また、この電源基板にはバックアップ電源が設けられている。
主制御基板100には、供給される電源の電圧値を検知するための電断検知回路が設けられている。この電断検知回路は、供給される電源の電圧値が所定値以下となった場合(たとえば、電源スイッチがオフとなった場合や不測の電源断が発生した場合)に電断と判断して主制御基板100へ電断発生信号を出力し、電圧値が所定値よりも大きくなった場合(たとえば、電源スイッチがオンとなった場合や不測の電源断から復帰した場合)には電断から復帰したと判断して主制御基板100への電断発生信号の出力を停止する。
メインCPU101は、上述の電断発生信号を検出している場合には、メインRAM103へのアクセスを禁止することによりメインRAM103の記憶領域に記憶されている遊技の進行に係る各種データを保持する処理(すなわちバックアップ処理)を行い、電断発生信号を検出しなくなった場合には、メインRAM103へのアクセスの禁止を解除し電断からの復帰時における演出の制御に必要なデータの内容を示す各種コマンドを副制御基板300へ送信する。
ここで、電断発生時の処理が複雑になるのを防止すべく、本形態における副制御基板300には電断検知回路が設けられておらず、当該副制御基板300において上述のようなバックアップ処理は行われない。そのため、電断から復帰した際には、サブCPU301がメインCPU101から送信される上述の各種コマンドに基づいて演出の制御を行うことにより当該時点で適切な演出を実行可能となるようにしている。
【0089】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、電源基板に設けられたリセットスイッチが操作された状態で電源の投入(電源スイッチのオン)が行われた場合や不測の電源断発生時におけるメインRAM103の記憶データと不測の電源断からの復帰時におけるメインRAM103の記憶データとに不整合が生じた場合には、システムリセットが行われるとともにメインRAM103に記憶されているデータをクリアして初期化するラムクリア(以下、RAMクリアともいう)処理が実行される。
なお、記憶データの不整合は、たとえば、電断時のチェックサムと電断復帰時のチェックサムとを比較することにより判断することができる。
【0090】
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態のパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、通常遊技状態ともいう)又は高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、高確率時短遊技状態ともいう)のいずれかの遊技状態が設定される。
【0091】
ここで、低確率遊技状態は、後述する大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が所定の値に設定された遊技状態である。また、高確率遊技状態は、大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定された遊技状態である。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが大当たりの抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
また、非時短遊技状態は、可動片16bが開きにくく(すなわち第2始動入賞口16が開状態となりにくく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しにくい遊技状態である。また、時短遊技状態は、非時短遊技状態よりも可動片16bが開きやすく(すなわち第2始動入賞口16が開状態となりやすく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすい遊技状態である。
なお、工場出荷直後や後述するラムクリア処理後等の初期状態においては通常遊技状態が設定されるようになっている。
【0092】
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、大当たりか否かを決定する大当たりの抽選が行われる。大当たりの抽選によって大当たりに当選すると、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定されるようになっている。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1遊技領域12aを流下する遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となっている。また、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、大入賞口18への入球、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球が可能となっている。そして、通常遊技状態中は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせ、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、大入賞口18へ遊技球が入球し、或いは遊技球がゲート20を通過及び第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を行わせる。
具体的には、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、演出表示装置21において第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われ、通常遊技状態が設定されると、演出表示装置21において第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われる。
【0093】
大当たりの抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係る乱数として、大当たりの判定に用いられる大当たり決定乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる当たり図柄乱数、並びに、決定された特別図柄の変動表示及び当該変動表示に伴って実行される変動演出のパターン(以下、変動パターンともいう)を決定するための変動モード番号及び変動パターン番号の決定に用いられるリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、上述の大当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この大当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動モード番号及び変動パターン番号は上述の変動パターンを決定するためのものであり、この変動モード番号及び変動パターン番号に応じて特別図柄の変動表示及び変動演出が実行される時間である後述の変動時間が決定される。変動モード番号や変動パターン番号の決定に用いられる乱数は上述の3種類に限定されるものではなく、たとえば、これらの乱数に加えて他の乱数を用いてもよいし、これらの乱数のうちいずれか1又は複数の乱数を用いてもよい。
【0094】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数についてそれぞれ乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
【0095】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部~第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
【0096】
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が、第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1特図保留数という)は、第1特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2特図保留数という)は、第2特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」や「保留記憶」ともいい、また、第1特図保留数や第2特図保留数を単に「保留数」ともいう。
【0097】
本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選、特別図柄の決定、変動モード番号、変動パターン番号の決定等に係るテーブルとして、大当たり決定乱数判定テーブル110、当たり図柄乱数判定テーブル111、リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113、及び、変動パターン抽選テーブル114を有している。
なお、大当たりの抽選、特別図柄の決定、変動モード番号、変動パターン番号の決定等に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、特定の乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
【0098】
大当たり決定乱数判定テーブル110は、大当たりの抽選を行うためのものであって、図10に示すように、低確率遊技状態において参照される低確率判定テーブル110aと、高確率遊技状態において参照される高確率判定テーブル110bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~65535の数値範囲内で1個の大当たり決定乱数が取得される。そして、大当たりの抽選を行う時点の遊技状態に応じて、低確率判定テーブル110a又は高確率判定テーブル110bのいずれかの大当たり決定乱数判定テーブル110が選択され、取得された大当たり決定乱数と選択された大当たり決定乱数判定テーブル110とに基づいて大当たりの抽選が行われる。
【0099】
図10(a)に示すように、低確率判定テーブル110aによれば、大当たり決定乱数が10001~10220であった場合に大当たりと判定され、大当たりの当選が決定される。一方、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、10221~65535)であった場合にハズレと判定され、ハズレ(すなわち大当たりの非当選)が決定される。この低確率判定テーブル110aにおける大当たりの当選確率はおよそ1/298となる。
【0100】
図10(b)に示すように、高確率判定テーブル110bによれば、大当たり決定乱数が10001~11119であった場合に大当たりと判定され、大当たりの当選が決定される。一方、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、11120~65535)であった場合にハズレと判定され、ハズレが決定される。したがって、この高確率判定テーブル110bにおける大当たりの当選確率はおよそ1/59となる。
すなわち、高確率判定テーブル110bは、低確率判定テーブル110aに比べて、大当たりの当選確率がおよそ5倍となるように設定されている。
【0101】
低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数(10001~10220)は、高確率判定テーブル110bにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数(10001~11119)に含まれるように設定されている。すなわち、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数は、高確率判定テーブル110bにおいても大当たりと判定されることとなる。
【0102】
当たり図柄乱数判定テーブル111は、特別図柄の種別を決定するためのものであって、図11に示すように、第1特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~199の数値範囲内で1個の当たり図柄乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によって大当たりに当選した場合に、遊技球が入球した始動入賞口に応じて第1始動入賞口判定テーブル111a又は第2始動入賞口判定テーブル111bのいずれかの当たり図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された当たり図柄乱数と選択された当たり図柄乱数判定テーブル111とに基づいて特別図柄の種別が決定される。
【0103】
本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選した場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄ともいう)として3種類の特別図柄(X1、X2、X3)が設けられており、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄ともいう)として2種類の特別図柄(Y1、Y2)が設けられている。
【0104】
図11(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、当たり図柄乱数が0~19であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が20~59であった場合に特別図柄X2が決定され、当たり図柄乱数が60~199であった場合に特別図柄X3が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、特別図柄X1が決定される確率は10%、特別図柄X2が決定される確率は20%、特別図柄X3が決定される確率は70%となっている。
【0105】
図11(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、当たり図柄乱数が0~119であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が120~179であった場合に特別図柄X2が決定され、当たり図柄乱数が180~199であった場合に特別図柄X3が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、特別図柄X1が決定される確率は60%、特別図柄X2が決定される確率は30%、特別図柄X3が決定される確率は10%となっている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、いずれの当たり図柄乱数判定テーブル111であっても、同一の大当たり図柄が決定されるようになっているが、これに限定されるものではなく、各テーブルにおいて異なる大当たり図柄が決定されるようにしてもよい。
【0106】
また、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずにハズレ図柄として特別図柄Y1が決定され、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずにハズレ図柄として特別図柄Y2が決定される。
すなわち、当たり図柄乱数判定テーブル111は、大当たりに当選した場合にのみ参照され、ハズレの場合には参照されないようになっている。
【0107】
リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113及び変動パターン抽選テーブル114は、変動パターンを決定するための変動モード番号及び変動パターン番号の決定に用いられるテーブルである。
上述のように大当たりの抽選及び特別図柄の決定が行われると、当該決定の結果に基づいて変動パターンを決定するための変動モード番号及び変動パターン番号が決定されるとともに、決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンド及び変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが生成される。生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300は、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の具体的な態様(たとえば、演出図柄50の停止表示態様、演出表示装置21の表示部21aに表示する演出画像等)を決定する。
【0108】
リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するために用いられるリーチモード決定乱数判定テーブル113が属するグループを決定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するにあたり、その前段階として、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブル112により、グループの種別が決定される。
このリーチグループ決定乱数判定テーブル112は、遊技状態、始動入賞口の種別、及び、保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)ごとに複数設けられている。ここでは、図12に示すように、遊技状態が通常遊技状態であってかつ第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に選択されるリーチグループ決定乱数判定テーブル112のみ説明し、他のリーチグループ決定乱数判定テーブル112の説明は省略する。
【0109】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~10006の数値範囲内で1個のリーチグループ決定乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によってハズレとなった場合に、当該大当たりの抽選を行う時点の遊技状態、始動入賞口の種別及び保留数に応じてリーチグループ決定乱数判定テーブル112が選択され、取得されたリーチグループ決定乱数と選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいてグループの種別が決定される。
【0110】
具体的には、遊技状態が通常遊技状態であり第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得された第1特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなった場合において、第1特図保留数が0であったときには第1通常遊技状態用判定テーブル112aが選択され、第1特図保留数が1であったときには第2通常遊技状態用判定テーブル112bが選択され、第1特図保留数が2以上であったときには第3通常遊技状態用判定テーブル112cが選択される(図12(a)~(c)参照)。
【0111】
図12(a)に示すように、第1通常遊技状態用判定テーブル112aによれば、リーチグループ決定乱数が0~7999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が8000~10006であった場合に「第2グループ」が決定される。
図12(b)に示すように、第2通常遊技状態用判定テーブル112bによれば、リーチグループ決定乱数が0~8999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~10006であった場合に「第3グループ」が決定される。
図12(c)に示すように、第3通常遊技状態用判定テーブル112cによれば、リーチグループ決定乱数が0~10006であった場合に(すなわちリーチグループ決定乱数がいかなる値であっても)「第3グループ」が決定される。
【0112】
一方、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、グループの種別を決定することなくリーチモード決定乱数判定テーブル113が決定されるようになっている。すなわち、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合にのみ参照され大当たりであった場合には参照されない。
【0113】
リーチモード決定乱数判定テーブル113は、変動パターンの決定に用いられる変動モード番号を決定するとともに、後述する変動パターン番号の決定に用いられる変動パターン抽選テーブル114を決定するためのものである。このリーチモード決定乱数判定テーブル113は、大別して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に参照されるハズレ用判定テーブルと、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に参照される大当たり用判定テーブルと、を備えている。
【0114】
また、ハズレ用判定テーブルは、上述のように決定されたグループの種別ごとに複数設けられている。ここでは、図13に示すように、「第1グループ」が決定された場合に参照される第1グループ用判定テーブル113a、「第2グループ」が決定された場合に参照される第2グループ用判定テーブル113b及び「第3グループ」が決定された場合に参照される第3グループ用判定テーブル113cについて説明し、他のハズレ用判定テーブルの説明は省略する。
【0115】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると0~2038の数値範囲内で1個のリーチモード決定乱数が取得される。そして、上述したグループの種別の抽選によりグループが決定された場合に決定されたグループの種別に対応するハズレ用判定テーブルが選択され、取得されたリーチモード決定乱数と選択されたハズレ用判定テーブルとに基づいて変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114が決定される。
【0116】
具体的には、たとえば、上述したグループの種別の抽選により「第1グループ」が決定された場合に第1グループ用判定テーブル113aが選択され、「第2グループ」が決定された場合に第2グループ用判定テーブル113bが選択され、「第3グループ」が決定された場合に第3グループ用判定テーブル113cが選択される(図13(a)~(c)参照)。
【0117】
図13(a)に示すように、第1グループ用判定テーブル113aによれば、リーチモード決定乱数が0~1799であった場合に、「01H」(最後尾に「H」が付された英数字は16進数表記。以下、同様)という変動モード番号が決定され、かつ変動パターン抽選テーブル114として第1変動テーブル114aが選択される。また、リーチモード決定乱数が1800~2038であった場合に、「02H」という変動モード番号が決定され、かつ変動パターン抽選テーブル114として第1変動テーブル114aが選択される。
図13(b)に示すように、第2グループ用判定テーブル113bによれば、リーチモード決定乱数が0~1499であった場合に「01H」という変動モード番号が決定され、かつ変動パターン抽選テーブル114として第2変動テーブル114bが選択される。また、リーチモード決定乱数が1500~2038であった場合に、「02H」という変動モード番号が決定され、かつ変動パターン抽選テーブル114として第2変動テーブル114bが選択される。
図13(c)に示すように、第3グループ用判定テーブル113cによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に(すなわちリーチグループ決定乱数がいかなる値であっても)、「00H」という変動モード番号が決定され、かつ変動パターン抽選テーブル114として第3変動テーブル114cが選択される。
【0118】
大当たり用判定テーブルは、始動入賞口の種別、大当たりの抽選時(すなわち大当たりの当選時)の遊技状態、及び、大当たりとなった場合に決定された大当たり図柄の種別ごとに複数設けられている。
ここでは、図14に示すように、通常遊技状態において第1始動入賞口15への遊技球の入球により特別図柄X1又はX2が決定された場合に参照される第1大当たり用判定テーブル113d、及び、通常遊技状態において第1始動入賞口15への遊技球の入球により特別図柄X3が決定された場合に参照される第2大当たり用判定テーブル113eについて説明し、他の大当たり用判定テーブルの説明は省略する。
【0119】
本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選し特別図柄の種別が決定された場合に、始動入賞口の種別、決定された特別図柄の種別及び大当たりの抽選時の遊技状態に対応する大当たり用判定テーブルが選択される。そして、上述したハズレ用判定テーブルに基づく決定の場合と同様に、取得されたリーチモード決定乱数と選択された大当たり用判定テーブルとに基づいて変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114が決定される。
【0120】
具体的には、通常遊技状態において第1始動入賞口15への遊技球の入球により大当たりに当選し特別図柄X1又はX2が決定された場合に第1大当たり用判定テーブル113dが選択され、通常遊技状態において第1始動入賞口15への遊技球の入球により大当たりに当選し特別図柄X3が決定された場合に第2大当たり用判定テーブル113eが選択される(図14(a)及び(b)参照)。
【0121】
図14(a)に示すように、第1大当たり用判定テーブル113dによれば、リーチモード決定乱数が0~399であった場合に「30H」という変動モード番号が決定され、かつ変動パターン抽選テーブル114として第30変動テーブル114dが選択される。また、リーチモード決定乱数が400~1499であった場合に「31H」という変動モード番号が決定され、かつ変動パターン抽選テーブル114として第30変動テーブル114dが選択される。また、リーチモード決定乱数が1500~2038であった場合に「32H」という変動モード番号が決定され、かつ変動パターン抽選テーブル114として第31変動テーブル114eが選択される。
図14(b)に示すように、第2大当たり用判定テーブル113eによれば、リーチモード決定乱数が0~1399であった場合に「30H」という変動モード番号が決定され、かつ変動パターン抽選テーブル114として第31変動テーブル114eが選択される。また、リーチモード決定乱数が1400~2038であった場合に「31H」という変動モード番号が決定され、かつ変動パターン抽選テーブル114として第31変動テーブル114eが選択される。
【0122】
変動パターン抽選テーブル114は、変動パターンの決定に用いられる変動パターン番号を決定するためのものであり、多数設けられている。
ここでは、図15に示すように、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に決定される第1変動テーブル114a、第2変動テーブル114b及び第3変動テーブル114c、並びに、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に決定される第30変動テーブル114d及び第31変動テーブル114eについて説明し、他の変動パターン抽選テーブル114の説明は省略する。
【0123】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると0~249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得される。そして、取得された変動パターン乱数と上述の変動モード番号とともに決定された変動パターン抽選テーブル114とに基づいて変動パターン番号が決定される。
たとえば、図15(a)に示すように、第1変動テーブル114aによれば、変動パターン乱数が0~89であった場合に「00H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が90~139であった場合に「01H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が140~249であった場合に「02H」という変動パターン番号が決定される。また、たとえば、図15(d)に示すように、第30変動テーブル114dによれば、変動パターン乱数が0~119であった場合に「30H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が120~250であった場合に「31H」という変動パターン番号が決定される。同様に、他の変動パターン抽選テーブル114においても、取得された変動パターン乱数に対応する変動パターン番号が決定されるようになっている(図15参照)。
【0124】
本形態に係るパチンコ機Pでは、変動開始時(すなわち特別図柄の変動表示の開始時)に上述のような大当たりの抽選及び特別図柄の決定が行われ、大当たりの抽選の結果、決定された特別図柄の種別、大当たりの抽選時の遊技状態及び保留数等に応じて、変動モード番号及び変動パターン番号が決定される。上述の如く、変動モード番号及び変動パターン番号は変動パターンを決定するためのものであり、変動モード番号及び変動パターン番号の組み合わせに応じて特別図柄の変動表示及び変動演出が実行される時間である変動時間が決定される。
【0125】
次に、特図遊技における変動時間の決定の処理や特別遊技の制御等について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pは、上記処理や特別遊技の制御等を行うためのテーブルとして、変動時間決定テーブル115、特別電動役物作動テーブル116及び遊技状態設定テーブル117等を備えている。
【0126】
変動時間決定テーブル115は変動時間を決定するためのものである。この変動時間決定テーブル115には、変動モード番号及び変動パターン番号の組み合わせに対応して変動時間が定められている。変動モード番号及び変動パターン番号が決定されると、変動モード番号及び変動パターン番号の組み合わせに応じた変動時間が決定される。
図16に示すように、変動時間決定テーブル115によれば、たとえば、決定された変動モード番号が「00H」及び変動パターン番号が「01H」であった場合に「5秒」の変動時間が決定され、決定された変動モード番号が「01H」及び変動パターン番号が「02H」であった場合に「15秒」の変動時間が決定される。決定された変動時間が、特別図柄の変動表示及び大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の実行時間となる。
具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、決定された変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、決定された変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、決定された特別図柄が停止表示される。また、決定された変動時間の間、演出表示装置21では変動演出が行われる。
【0127】
本形態に係るパチンコ機Pでは、変動モード番号及び変動パターン番号が決定されると、この決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンド及び変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが副制御基板300に送信される。副制御基板300においては、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて変動演出の態様が決定される。なお、変動演出を前半部分と後半部分とに分け、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドのいずれか一方に基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、他方に基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
【0128】
特別電動役物作動テーブル116は、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するためのものであり、特別遊技の実行中に大入賞口ソレノイド18cを作動させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、図12に示すように、特別電動役物作動テーブル116として、特別図柄X1が決定された場合に参照される第1作動テーブル116aと、特別図柄X2が決定された場合に参照される第2作動テーブル116bと、特別図柄X3が決定された場合に参照される第3作動テーブル116cと、が設けられている。
【0129】
特別図柄X1が決定されると、図17(a)に示す第1作動テーブル116aを参照して特別遊技が実行される。第1作動テーブル116aによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が10回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中に大入賞口18は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわちインターバル時間)は2.0秒に設定されている。
【0130】
特別図柄X2が決定されると、図17(b)に示す第2作動テーブル116bを参照して特別遊技が実行される。第2作動テーブル116bによれば、第1作動テーブル116aと同様のラウンド遊技が5回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中における大入賞口18の開閉回数及びインターバル時間は第1作動テーブル116aと同様の内容に設定されている。この特別遊技においては、
【0131】
特別図柄X3が決定されると、図17(c)に示す第3作動テーブル116cを参照して特別遊技が実行される。第3作動テーブル116cによれば、第1作動テーブル116a及び第2作動テーブル116bと同様のラウンド遊技が3回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中における大入賞口18の開閉回数及びインターバル時間は第1作動テーブル116a及び第2作動テーブル116bと同様の内容に設定されている。
なお、特別遊技中に実行されるラウンド遊技の回数が上述のように設定されているため、特別遊技中に獲得可能な賞球の期待値は、特別図柄X1が決定された場合、特別図柄X2が決定された場合、特別図柄X3が決定された場合の順に次第に少なくなる。
【0132】
遊技状態設定テーブル117は、特別遊技が実行された場合に当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、図18に示すように、特別図柄X1、X2及びX2のいずれが決定された場合にも、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定され、かつ時短遊技状態に設定される。また、高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数ともいう)及び時短遊技状態の継続回数(以下、時短回数ともいう)はいずれも70回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりに当選することなく大当たりの抽選の結果が70回導出されるまで、高確率遊技状態が継続する。また、高確率時短遊技状態の継続中に大当たりに当選した場合には、再度、高確回数及び時短回数が設定されるようになっている。したがって、特別遊技の終了後に遊技状態が高確率時短遊技状態に設定された場合、この高確率遊技時短状態の継続中に大当たりに当選することなく70回の抽選の結果が全てハズレとなると、高確率遊技状態が終了し低確率遊技状態が設定され、かつ時短遊技状態が終了し非時短遊技状態が設定されることにより、遊技状態が通常遊技状態に変更される。
【0133】
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、第2始動入賞口16の可動片16bを作動させて当該可動片16bを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。この普通図柄の抽選によって当たりとなると、可動片16bが開き第2始動入賞口16が開状態となるため、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル118に基づいて、行われる。
【0134】
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の数(以下、普図保留数という)は普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
本明細書においては、上述のように、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されることを「普図保留」ともいう。
【0135】
当たり決定乱数判定テーブル118は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、図19に示すように、非時短遊技状態において参照される非時短判定テーブル118aと、時短遊技状態において参照される時短判定テーブル118bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると0~65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であれば非時短判定テーブル118aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された非時短判定テーブル118aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態であれば時短判定テーブル118bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された時短判定テーブル118bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
【0136】
図19(a)に示すように、非時短判定テーブル118aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され当たりが決定される。一方、これ以外の当たり決定乱数(0、2~65535)であった場合にハズレと判定されハズレが決定される。この非時短判定テーブル118aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
図19(b)に示すように、時短判定テーブル118bによれば、当たり決定乱数が1~65000であった場合に当たりと判定され当たりが決定される。一方、これ以外の当たり決定乱数(0、65001~65535)であった場合にハズレと判定されハズレが決定される。この時短判定テーブル118bにおいて当たりとなる確率は65000/65536、すなわちおよそ99/100となる。
また、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
【0137】
本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動や可動片16bの開閉の制御に係るテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル119及び第2始動入賞口開放制御テーブル120等を備えている。
【0138】
普通図柄変動パターン決定テーブル119は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。普通図柄の変動パターンにはそれぞれ普通図柄の変動時間が対応付けられている。ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル119に基づいて普通図柄の変動パターン(普通図柄の変動時間)が決定される。
図20に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合には普通図柄の変動時間が3秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態の場合には普通図柄の変動時間が0.6秒に決定される。そして、普通図柄の変動時間が決定されると、この決定された変動時間の間、普通図柄表示装置32(図3参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には普通図柄表示装置32が消灯する。
【0139】
第2始動入賞口開放制御テーブル120は、第2始動入賞口16に設けられた可動片16bの作動を制御するために参照されるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、第2始動入賞口16の可動片16bが第2始動入賞口開放制御テーブル120に定められた態様で開閉するようになっている。具体的には、図21に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合には始動入賞口ソレノイド16cが0.2秒(=0.2秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.2秒開放される。また、遊技状態が時短遊技状態の場合には始動入賞口ソレノイド16cが2.4秒(=1.2秒×2回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが合計2.4秒開放される。
【0140】
以上のように、非時短遊技状態と時短遊技状態とにはそれぞれ、第2始動入賞口16を開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては非時短遊技状態よりも第2始動入賞口16に遊技球が入球しやすくなっている。すなわち、時短遊技状態においては、遊技球がゲート20を通過する限り、次々と普通図柄の抽選が行われ第2始動入賞口16が頻繁に開放されるため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら大当たりの抽選の機会を獲得できることとなる。
【0141】
(パチンコ機Pの主制御基板100における処理の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技及び特別遊技の進行に伴って主制御基板100で実行される処理の概要について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板により電源が供給されると、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、図22のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
【0142】
ステップ100において、メインCPU101は、初期化処理を実行する。そして、次のステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、当たり図柄乱数を更新する際に参照される当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、当たり図柄乱数は、更新を開始する時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、当たり図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ102に進む。
【0143】
ステップ102において、メインCPU101は、変動パターンを決定するための乱数であるリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ102の処理が終了すると、以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップ101とステップ102の処理を繰り返し実行する。
【0144】
次に、上述したステップ100の初期化処理について、図23のフローチャートを参照して説明する。
ステップ130において、メインCPU101は、メインROM102から起動プログラムを読み込む等、電断復帰時(電源スイッチがオンとなった場合、不測の電源断から復帰した場合)における各種処理を実行するために必要な初期設定処理を実行する。そして、次のステップ131に進む。
ステップ131において、メインCPU101は、電断復帰後に上述の各種処理の実行を開始するまでの待機時間である電断監視時間を、電断監視時間タイマにセットする。そして、次のステップ132に進む。
【0145】
ステップ132において、メインCPU101は、電断発生信号を検出しているか否かを判定する。そして、電断発生信号を検出していると判定した場合、ステップ131に戻る。一方、電断発生信号を検出していないと判定した場合、次のステップ133に進む。
ステップ133において、メインCPU101は、上述のステップ131で設定された電断監視時間を経過したか否かを判定する。そして、経過していないと判定した場合、ステップ132に戻る。一方、経過したと判定した場合、次のステップ134に進む。なお、電断監視時間タイマには減算タイマを採用しており、上述の電断発生信号の検出の判定が実行されるごとにタイマカウンタが1ずつ減算され、0となった場合に電断監視時間が経過したと判定されるようになっている。
【0146】
ステップ134において、メインCPU101は、メインRAM103へのアクセスを許可する。この処理が行われることにより、これ以降、メインRAM103への各種データの記憶やメインRAM103からの各種データの読み出し(ロード)が可能となる。そして、次のステップ135に進む。
ステップ135において、メインCPU101は、ラムクリア処理の条件を満たしているか否かを判定する。すなわち、電源基板に設けられたリセットスイッチが操作された状態で電源の投入(電源スイッチのオン)が行われたか、不測の電源断発生時におけるメインRAM103の記憶データと不測の電源断からの復帰時におけるメインRAM103の記憶データとに不整合が生じたかを確認する。そして、リセットスイッチが操作された状態で電源が投入された場合や記憶データに不整合が生じた場合に、ラムクリア処理の条件を満たしていると判定する。これに対して、リセットスイッチが操作されずに電源投入された場合やメインRAM103の記憶データに不整合が生じることなく不測の電源断から復帰した場合に、ラムクリア処理の条件を満たしていないと判定する。
ラムクリア処理の条件を満たしていないと判定した場合、ステップ138に進む。一方、ラムクリア処理の条件を満たしていると判定した場合、次のステップ136に進む。
【0147】
ステップ136において、メインCPU101は、ラムクリア処理(すなわちメインRAM103の記憶データのクリア)を実行する。そして、次のステップ137に進む。
ステップ137において、メインCPU101は、ラムクリア処理が実行されたことを示すラムクリアコマンドを発射払出制御基板200や副制御基板300へ送信する。そして、ステップ140に進む。
【0148】
また、上述のステップ135でラムクリア処理の条件を満たしていないと判定した場合に進むステップ138において、メインCPU101は、電断発生前のメインRAM103の記憶データのうち一部のデータのみをクリアし他のデータを維持する。そして、次のステップ139に進む。
ステップ139において、メインCPU101は、電断から復帰したことを示す電断復帰コマンドを発射払出制御基板200や副制御基板300へ送信する。そして、次のステップ140に進む。
【0149】
ステップ140において、メインCPU101は、電断復帰時における演出の制御に必要なデータの内容を示すコマンドを副制御基板300へ送信する。そして、初期化処理を終了する。
ここで、電源復帰時に副制御基板300へ送信されるコマンドとしては、第1特図保留数を示す第1特図保留数指定コマンド、第2特図保留数を示す第2特図保留数指定コマンド、遊技球の打ち出しの方向(すなわち右打ち又は左打ちのいずれか)を示す発射位置指定コマンド等が挙げられる。
【0150】
次に、主制御基板100の電断退避処理を説明する。
本形態に係るパチンコ機Pにおいては、供給される電源の電圧が所定値以下となると、上述の主制御基板100のメイン処理に割り込んで、図24のフローチャートに示す電断退避処理が実行される。
【0151】
ステップ150において、メインCPU101は、電断発生信号を検出しているか否かを判定する。そして、電断発生信号を検出していると判定した場合、ステップ152に進む。一方、電断発生信号を検出していないと判定した場合、次のステップ151に進む。
ステップ151において、メインCPU101は、割り込みを許可するための処理を行う。そして、電断退避処理を終了する。
【0152】
また、上述のステップ150で電断発生信号を検出していると判定した場合に進むステップ152において、メインCPU101は、メインRAM103へのアクセスを禁止する。この処理が行われることにより、これ以降メインRAM103への各種データの記憶やメインRAM103からの各種データの読み出し(ロード)が不可能となりメインRAM103の記憶データが保持されることとなる。そして、次のステップ153に進む。
ステップ153において、メインCPU101は、電断監視時間を電断監視時間タイマにセットする。そして、次のステップ154に進む。
【0153】
ステップ154において、メインCPU101は、電断発生信号を検出しているか否かを判定する。そして、電断発生信号を検出していると判定した場合、ステップ153に戻る。一方、電断発生信号を検出していないと判定した場合、次のステップ155に進む。
ステップ155において、メインCPU101は、上述のステップ153で設定された電断監視時間を経過したか否かを判定する。そして、経過していないと判定した場合、ステップ154に戻る。一方、経過したと判定した場合、電断退避処理を終了し上述の初期化処理を実行する。電断監視時間の経過の判定は上述の初期化処理における判定と同様に行われる。
なお、電断が発生した場合には、上述のステップ153からステップ155までをループしている間、パチンコ機Pの作動が停止することとなる。
【0154】
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、図25のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
【0155】
ステップ200において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ201に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ201において、メインCPU101は、当たり図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ202に進む。
【0156】
ステップ202において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、特図遊技及び特別遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
【0157】
ステップ204において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー関連処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、扉枠3aの開放に基づく扉開放コマンドや受皿7の満タン状態に基づく受皿満タンコマンド等を主制御基板100が受信した場合に、対応するエラー指定コマンド(たとえば、扉開放指定コマンド、満タン状態指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)する。また、メインCPU101は、上述のコマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、対応するエラー解除指定コマンド(たとえば、扉閉鎖指定コマンド、満タン解除指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ206に進む。
【0158】
ステップ206において、メインCPU101は、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aからの検出信号が入力された場合に、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新しそれぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると賞球カウンタを減算する。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、メインCPU101は、パチンコ機Pの遊技状態を当該パチンコ機Pの外部に出力するための外部情報データ、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉するための始動入賞口ソレノイドデータ、大入賞口18の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等の作成を実行する。そして、次のステップ208に進む。
【0159】
ステップ208において、メインCPU101は、上述のステップ207で作成した各データの信号を出力するポート出力、及び、演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信するコマンド送信等の処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
【0160】
次に、上述したステップ202のセンサ検出時処理について、図26のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15を通過したことに基づいて大当たりの抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16を通過したことに基づいて大当たりの抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
【0161】
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、図27のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
【0162】
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、現時点の当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時入力処理を終了する。
【0163】
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、図28のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出スイッチ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出スイッチ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出スイッチ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値(すなわち現時点における第1特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
【0164】
ステップ502において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、大当たり決定乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
【0165】
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ506に進む。
【0166】
ステップ506において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数は全て同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ508に進む。
【0167】
ステップ508において、メインCPU101は、第1特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶し、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
【0168】
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、図29のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出スイッチ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出スイッチ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出スイッチ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値(すなわち現時点における第2特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時入力処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
【0169】
ステップ602において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、大当たり決定乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
【0170】
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ606に進む。
【0171】
ステップ606において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数は全て同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ608に進む。
【0172】
ステップ608において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶し、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
【0173】
次に、上述したステップ203の特図関連制御処理について、図23のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動開始処理(ステップ701)、特別図柄変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、特別遊技制御処理(ステップ704)又は特別遊技終了処理(ステップ705)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
【0174】
次に、上述したステップ701の特別図柄変動開始処理について、図31のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動開始処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。
ステップ801において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、ステップ804に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、次のステップ802に進む。
【0175】
ステップ802において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ811に進む。一方、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ803に進む。
ステップ803において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数をメインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で後述の大当たり抽選処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
【0176】
また、上述のステップ801で第2特図乱数が記憶されていると判定した場合に進むステップ804において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数をメインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で後述の大当たり抽選処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
ステップ805において、メインCPU101は、大当たり決定乱数判定テーブル110のうち現時点の遊技状態に対応するいずれかを取得し、取得したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された大当たり決定乱数とに基づいて大当たりの抽選の結果を導出する(決定する)大当たり抽選処理を実行する。そして、次のステップ806に進む。
【0177】
ステップ806において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、上述のステップ805における抽選の結果が大当たりであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への遊技球の入球によるものか(すなわち、第1始動入賞口15か又は第2始動入賞口16か)を確認した上で、これに応じた当たり図柄乱数判定テーブル111を取得し、取得したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された当たり図柄乱数とに基づいて特別図柄の種別を決定する。一方、上述のステップ805における抽選の結果がハズレであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第1始動入賞口15への遊技球の入球によるものであれば特別図柄Y1を決定し、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第2始動入賞口16への遊技球の入球によるものであれば特別図柄Y2を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の一時記憶領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態(すなわち特別図柄を決定した時点の遊技状態)が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ807に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pの特別図柄変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではなく、保留記憶領域に記憶された順に処理してもよい。
【0178】
ステップ807において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が変動開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ808に進む。
ステップ808において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数に基づいて、変動モード番号及び変動パターン番号の決定に係る変動パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ809に進む。
【0179】
ステップ809において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「-」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には第1特図保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には第2特図保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1特図保留数が1つ減ることを示すように第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2特図保留数が1つ減ることを示すように第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ810に進む。
【0180】
ステップ810において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットし、特別図柄変動開始処理を終了する。
また、上述のステップ802で第1保留記憶領域に第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合に進むステップ811において、特別図柄の変動表示が行われていない待機状態の開始を示す待機状態開始コマンドを副制御基板300へ送信するための待機状態開始コマンド判定処理を実行する。特に図示していないが、本形態における主制御基板100は、待機状態開始コマンドが演出用伝送データ格納領域に記憶されたか否かを示す記憶フラグを備えている。そして、メインCPU101は、記憶フラグがオフのときに待機状態開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶し、記憶フラグがオンのときには待機状態開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶しないようになっている。また、メインCPU101は、待機状態開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶すると記憶フラグをオンにし、始動入賞コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶すると記憶フラグをオフにする。すなわち、待機状態の開始に基づいて待機状態開始コマンドが演出用伝送データ格納領域に記憶されると、当該待機状態中に待機状態開始コマンドが再度記憶されることはなく、いずれかの始動入賞口へ遊技球が入球して特別図柄の変動表示が開始された後に待機状態が開始すると、待機状態開始コマンドが演出用伝送データ格納領域に記憶される。
そして、次のステップ812に進む。
【0181】
ステップ812において、メインCPU101は、特別図柄の変動表示が行われていないことに基づき、演出表示装置21においてデモ表示を行うためのデモ判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時し、所定時間(たとえば35秒)の間、特別図柄の変動表示が行われない場合に、演出表示装置21にデモ画像を表示するためのデモコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別変動開始処理を終了する。
なお、メインCPU101がデモ判定処理を実行するのではなく、サブCPU301が、上述の待機状態開始コマンドを受信してからの経過時間に基づきデモ画像の表示の実行を決定してもよい。
【0182】
次に、上述したステップ808の変動パターン決定処理について、図32のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ901に進む。一方、大当たり図柄でない(すなわちハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ903に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、当該抽選の判定に係る始動入賞口の種別(すなわち、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への入球により取得されたものであるか)を確認するとともに、上述のステップ806で決定された大当たり図柄及び現時点の遊技状態を確認する。そして、次のステップ902に進む。
【0183】
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で確認した始動入賞口の種別、大当たり図柄及び遊技状態に基づいて対応するリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)を取得する。そして、ステップ907に進む。
また、上述のステップ900で大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ903において、メインCPU101は、当該抽選の判定に係る始動入賞口の種別、現時点の遊技状態及び保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)を確認する。そして、次のステップ904に進む。
【0184】
ステップ904において、メインCPU101は、上述のステップ903で確認した始動入賞口の種別、遊技状態及び保留数に基づいて対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル112を選択する。そして、次のステップ905に進む。
ステップ905において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数、及び、上述のステップ904で選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112に基づいてグループの種別を決定し、当該グループの種別を所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ906に進む。
【0185】
ステップ906において、メインCPU101は、上述のステップ905で決定されたグループの種別に基づいてリーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)を選択する。そして、次のステップ907に進む。
ステップ907において、メインCPU101は、上述のステップ902で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)又は上述のステップ906で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)と、上述のステップ802で処理領域に記憶されたリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114を決定し、この決定された変動モード番号を所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ908に進む。
【0186】
ステップ908において、メインCPU101は、上述のステップ907で決定された変動パターン抽選テーブル114を取得する。そして、次のステップ909に進む。
ステップ909において、メインCPU101は、上述のステップ908で選択された変動パターン抽選テーブル114と上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて変動パターン番号を決定し、この決定された変動パターン番号を所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ910に進む。
【0187】
ステップ910において、メインCPU101は、変動時間決定テーブル115と、上述のステップ907で決定された変動モード番号及び上述のステップ909で決定された変動パターン番号と、に基づいて変動時間を決定する。また、メインCPU101は、この決定された変動時間を所定の変動時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ911に進む。
ステップ911において、メインCPU101は、上述のステップ907で決定された変動モード番号に基づいて変動モードコマンドを生成し、上述のステップ909で決定された変動パターン番号に基づいて変動パターンコマンドを生成する。さらに、メインCPU101は、生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、変動パターン決定処理を終了する。
【0188】
次に、上述したステップ702の特別図柄変動停止処理について、図33のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
【0189】
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ910で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄を第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
【0190】
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
ステップ1004において、メインCPU101は、特別図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間カウンタにセットする。そして、次のステップ1005に進む。
【0191】
ステップ1005において、メインCPU101は、特図関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そしてし、特別図柄変動停止処理を終了する。
【0192】
次に、上述したステップ703の停止後処理について、図34のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間タイマカウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
【0193】
ステップ1102において、メインCPU101は、停止表示時間が経過した旨を示す停止表示コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶し、現時点の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1103に進む。
ステップ1103において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、時短遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1104に進む。
【0194】
ステップ1104において、メインCPU101は、高確回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU101は、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、高確遊技フラグをオフにする処理も実行される。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1105に進む。
ステップ1105において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわちハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1111に進む。一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1106に進む。
【0195】
ステップ1106において、メインCPU101は、大当たり当選時の遊技状態及び停止表示された大当たり図柄の種別(X1、X2又はX3)を副制御基板300に伝達するための大当たり当選時コマンドをセットする。そして、次のステップ1107に進む。
ステップ1107において、メインCPU101は、現時点の遊技状態をリセットする。そして、次のステップ1108に進む。
【0196】
ステップ1108において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1109に進む。
ステップ1109において、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄の種別に基づいてメインRAM103にラウンド数をセットする。具体的には、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄がX1であればラウンド数として「10」をセットし、停止表示されている大当たり図柄がX2であればラウンド数として「5」をセットし、停止表示されている大当たり図柄がX3であればラウンド数として「3」をセットする。そして、次のステップ1110に進む。
【0197】
ステップ1110において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1105で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1111において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を確認した上で、当該遊技状態及び停止表示されたハズレ図柄の種別(Y1又はY2)を副制御基板300に伝達するための遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1112に進む。
【0198】
ステップ1112において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
【0199】
次に、上述したステップ704の特別遊技制御処理について、図35のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1108でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過しているか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過していると判定した場合、次のステップ1202に進む。
【0200】
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1210に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた特別電動役物作動テーブル116に基づいて大入賞口18の開閉を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1204に進む。
【0201】
ステップ1204において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1206に進む。一方、ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、次のステップ1205に進む。
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1206に進む。
なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
【0202】
ステップ1206において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1207に進む。
ステップ1207において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているラウンド数を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1208に進む。
【0203】
ステップ1208において、メインCPU101は、上述のステップ1207でデクリメントしたラウンド数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド数が「0」であると判定した場合、次のステップ1209に進む。
ステップ1209において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0204】
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1210において、メインCPU101は、上述のステップ1209でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1211に進む。
ステップ1211において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1212に進む。
【0205】
ステップ1212において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0206】
次に、上述したステップ705の特別遊技終了処理について、図36のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、終了した特別遊技の実行契機となった大当たり図柄(メインRAM103の記憶領域に記憶)を確認するとともに、遊技状態設定テーブル117に基づいて特別遊技の終了後の遊技状態を設定する。具体的には、メインCPU101は、上述の大当たり図柄がX1、X2及びX3のいずれであった場合にも、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグをいずれもオンとし、かつ高確回数及び時短回数のいずれにも「70」をセットする。そして、次のステップ1302に進む。
【0207】
ステップ1302において、メインCPU101は、上述のステップ1301で設定された遊技状態に応じて遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、ステップ1301で設定された高確遊技フラグのオンの情報、時短遊技フラグのオンの情報、高確回数の情報、時短回数の情報が含まれている。そして、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
【0208】
次に、上述したステップ204の普図関連制御処理について、図37のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御終了処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
【0209】
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、図38のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か(すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否か)を判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
【0210】
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数をメインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で後述の普通図柄抽選処理に用いられるようになっている。そして、ステップ1504に進む。
【0211】
ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブル118(非時短判定テーブル118a又は時短判定テーブル118bのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと上述のステップ1503で処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する(決定する)普通図柄抽選処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、非時短判定テーブル118aを参照して処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。これに対して、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、時短判定テーブル118bを参照して処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における普通図柄抽選処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。一方、当たりでない(すなわちハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。
【0212】
ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
また、上述のステップ1505で普通図柄抽選処理の結果が当たりでないと判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
【0213】
ステップ1508において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれに設定されているかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル119を参照して現時点の遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態である場合には普図変動時間カウンタに「3秒」をセットし、時短遊技状態である場合には普図変動時間カウンタに「0.6秒」をセットする。そして、次のステップ1509に進む。
ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄の変動表示が行われる場合には、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示される。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1510に進む。
【0214】
ステップ1510において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1511に進む。
ステップ1511において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
【0215】
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、図39のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、ステップ1508で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
【0216】
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する普図停止表示時間を普図停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
【0217】
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
【0218】
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、図40のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間タイマカウンタにセットされた普図停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該普図停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該普図停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
【0219】
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわちハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0220】
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0221】
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、図41のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16bが作動制御中であるか否か(すなわち、始動入賞口ソレノイド16cが通電されているか否か)を判定する。そして、可動片16bが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16bが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
【0222】
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技状態が非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放制御テーブル120を参照し、上述のステップ1802で確認した遊技状態に応じて始動入賞口ソレノイド16cの通電制御データ(開放データ)として通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0223】
また、上述のステップ1801で可動片16bが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片16bの作動の停止(すなわち始動入賞口ソレノイド16cの通電の停止)を実行する。そして、次のステップ1806に進む。
【0224】
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0225】
(パチンコ機Pの副制御基板300における処理の概要)
上述のように主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技及び普図遊技、並びに、特別遊技が進行することとなる。これら遊技の進行中には種々のコマンドが主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300においては、上述のコマンドの受信に基づき遊技の進行に伴う演出の制御が行われる。また、副制御基板300においては、音量設定切替スイッチ10a、初期音量設定切替スイッチ10bの操作に基づきスピーカ10の初期音量の設定に関する制御が行われ、十字キー25の操作に基づきスピーカ10の現音量の変更に関する制御等が行われる。
以下では、スピーカ10の音量に関する各種処理及び制御について説明する。
【0226】
(初期音量の設定に関する制御の概要)
上述したように、本形態に係るパチンコ機Pでは、副制御基板300に設けられた音量設定切替スイッチ10aにより、スピーカ10の音量として設定可能な複数段階の音量が予め定められた音量設定値を「0」~「9」のいずれかに設定可能となっている。また、副制御基板300に設けられた初期音量設定切替スイッチ10bにより、初期音量として設定される音量を決定するための初期音量設定値を「A」又は「B」のいずれかに設定可能となっている。そして、音量設定切替スイッチ10aの操作、初期音量設定切替スイッチ10bの操作に基づき、設定された音量設定値及び初期音量設定値に応じた初期音量が現音量として設定される。
なお、各音量設定値に対応する複数段階の音量の内容や音量設定値及び初期音量設定値に応じた初期音量の内容は、サブROM302に記憶されており、また、音量設定切替スイッチ10aにより設定された音量設定値や初期音量設定切替スイッチ10bにより設定された初期音量設定値は、サブRAM303に一時的に記憶されるようになっている。サブCPU301は、これらの記憶内容に基づいて初期音量を取得し、取得された初期音量を現音量として設定する。
【0227】
具体的には、図42に示すように、音量設定値「0」、「1」及び「2」には、1段階目として音量「0」、2段階目として音量「1」、3段階目として音量「2」、4段階目として音量「8」、5段階目として音量「16」、6段階目として音量「20」、7段階目として音量「24」、8段階目として音量「32」、9段階目として音量「40」、10段階目として音量「46」という10段階の音量が定められている。
そして、図43に示すように、音量設定値「0」が設定された場合には、「A」及び「B」のいずれの初期音量設定値が設定されたときにも、1段階目の音量「0」が初期音量として設定される。また、音量設定値「1」が設定された場合には、「A」及び「B」のいずれの初期音量設定値が設定されたときにも、2段階目の音量「1」が初期音量として設定される。また、音量設定値「2」が設定された場合には、「A」及び「B」のいずれの初期音量設定値が設定されたときにも、3段階目の音量「2」が初期音量として設定される。
【0228】
音量設定値「3」には、1段階目として音量「36」、2段階目として音量「41」、3段階目として音量「46」、4段階目として音量「64」、5段階目として音量「90」、6段階目として音量「108」、7段階目として音量「128」という7段階の音量が定められている。
そして、音量設定値「3」が設定された場合において、「A」の初期音量設定値が設定されたときには7段階目の音量「128」が初期音量として設定され、「B」の初期音量設定値が設定されたときには3段階目の音量「46」が初期音量として設定される。
【0229】
音量設定値「4」には、1段階目として音量「46」、2段階目として音量「48」、3段階目として音量「68」、4段階目として音量「96」、5段階目として音量「128」、6段階目として音量「136」、7段階目として音量「144」という7段階の音量が定められている。
そして、音量設定値「4」が設定された場合において、「A」の初期音量設定値が設定されたときには7段階目の音量「144」が初期音量として設定され、「B」の初期音量設定値が設定されたときには1段階目の音量「46」が初期音量として設定される。
【0230】
音量設定値「5」には、1段階目として音量「46」、2段階目として音量「51」、3段階目として音量「72」、4段階目として音量「102」、5段階目として音量「136」、6段階目として音量「152」、7段階目として音量「161」という7段階の音量が定められている。
そして、音量設定値「5」が設定された場合において、「A」の初期音量設定値が設定されたときには7段階目の音量「161」が初期音量として設定され、「B」の初期音量設定が設定されたときには1段階目の音量「46」が初期音量として設定される。
【0231】
音量設定値「6」には、1段階目として音量「46」、2段階目として音量「54」、3段階目として音量「76」、4段階目として音量「108」、5段階目として音量「144」、6段階目として音量「171」、7段階目として音量「181」という7段階の音量が定められている。
そして、音量設定値「6」が設定された場合において、「A」の初期音量設定値が設定されたときには7段階目の音量「181」が初期音量として設定され、「B」の初期音量設定値が設定されたときには1段階目の音量「46」が初期音量として設定される。
【0232】
音量設定値「7」には、1段階目として音量「46」、2段階目として音量「57」、3段階目として音量「81」、4段階目として音量「114」、5段階目として音量「152」、6段階目として音量「181」、7段階目として音量「203」という7段階の音量が定められている。
そして、音量設定値「7」が設定された場合において、「A」の初期音量設定値が設定されたときには7段階目の音量「203」が初期音量として設定され、「B」の初期音量設定値が設定されたときには1段階目の音量「46」が初期音量として設定される。
【0233】
音量設定値「8」には、1段階目として音量「46」、2段階目として音量「61」、3段階目として音量「85」、4段階目として音量「121」、5段階目として音量「161」、6段階目として音量「192」、7段階目として音量「228」という7段階の音量が定められている。
そして、音量設定値「8」が設定された場合において、「A」の初期音量設定値が設定されたときには7段階目の音量「228」が初期音量として設定され、「B」の初期音量設定値が設定されたときには1段階目の音量「46」が初期音量として設定される。
【0234】
音量設定値「9」には、1段階目として音量「46」、2段階目として音量「64」、3段階目として音量「90」、4段階目として音量「128」、5段階目として音量「181」、6段階目として音量「215」、7段階目として音量「255」という7段階の音量が定められている。
そして、音量設定値「9」が設定された場合において、「A」の初期音量設定値が設定されたときには7段階目の音量「255」が初期音量として設定され、「B」の初期音量設定値が設定されたときには1段階目の音量「46」が初期音量として設定される。
【0235】
なお、音量を示す鍵括弧内の数値は音量の大きさを示すものであり、当該数値が大きい程音量は大きくなり、当該数値が小さい程音量は小さくなる。また、音量「0」は無音であり、現音量が音量「0」であるときには音声は出力されない。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、音量「0」、「1」及び「2」は、音量設定値「0」、「1」及び「2」にのみ定められており、音量設定値「3」~「9」には定められていない。
なお、音量設定値「0」、「1」及び「2」はパチンコ機Pの動作確認やデバッグ等を行うテスト状態においてのみ使用されるものであり、この音量設定値「0」、「1」及び「2」にのみ定められている音量「0」、「1」及び「2」は、パチンコ機Pの動作確認やデバッグ等でのみ使用される音量となる。また、遊技者が特図遊技や普図遊技を実行可能な通常状態では、音量設定値「3」~「9」のいずれかが使用されるようになっている。
【0236】
また、電断が発生した場合には、当該電断からの復帰時において、サブCPU301が当該復帰時に設定されている音量設定値及び初期音量設定値に応じた初期音量を現音量として設定する。たとえば、電源の切断中(すなわち電断発生中)に音量設定切替スイッチ10aの操作や初期音量設定切替スイッチ10bの操作が行われた場合には、サブCPU301は、電源の投入時(すなわち電断復帰時)に、当該操作後の音量設定値及び初期音量設定値に応じた初期音量を現音量として設定する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、電源投入中(すなわち電源スイッチがオンとなっている間)においても、音量設定切替スイッチ10aの操作や初期音量設定切替スイッチ10bの操作が可能となっている。そして、電源投入中に音量設定切替スイッチ10aの操作や初期音量設定切替スイッチ10bの操作が行われた場合には、サブCPU301は、当該操作時に、当該操作後の音量設定値や初期音量設定値に応じた初期音量を現音量として設定する。
【0237】
(音量の変更に関する制御の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、電源投入中には、特別図柄が停止表示されてから停止表示時間が経過するまでの期間(以下、図柄確定期間ともいう)を除き、十字キー25の上キー又は下キーの押下操作によって、現音量を複数段階の範囲内において変更できるようになっている。
【0238】
具体的には、現音量が複数段階における最も上の段階の音量(すなわち最大音量)以外のときに上キーの押下操作が検出されると、サブCPU301は現音量を1段階上の音量に変更する。現音量が複数段階における最も下の段階の音量(すなわち最小音量)以外のときに下キーの押下操作が検出されると、サブCPU301は現音量を1段階下の音量に変更する。
たとえば、音量設定値「3」が設定されている場合において、現音量が3段階目の音量「46」であったときには、上キーの押下操作が行われるごとに、4段階目の音量「64」→5段階目の音量「64」→・・・のように現音量が1段階上の音量に変更される。すなわち、上キーの押下操作が行われるごとに現音量が1段階ずつ増大する。一方、現音量が7段階目(最も上の段階)の音量「128」であったときに上キーの押下操作が行われても、これよりも上の段階の音量は定められていないため、現音量は変更されず音量「128」のままとなる。
また、下キーの押下操作が行われるごとに、2段階目の音量「41」→1段階目の音量「36」のように現音量が1段階下の音量に変更される。すなわち、下キーの押下操作が行われるごとに現音量が1段階ずつ減少する。一方、現音量が1段階目(最も下の段階)の音量「36」であったときに下キーの押下操作が行われても、これよりも下の段階の音量は定められていないため、現音量は変更されず音量「36」のままとなる。
【0239】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、所定の契機から予め定められた時間が経過した場合、現音量と音量設定値及び初期音量設定値に応じた初期音量とが異なっていたときには、現音量が初期音量に変更されるようになっている。
具体的には、待機状態の開始後又は十字―25の押下操作後に、いずれの始動入賞口にも遊技球が入球せず、新たに十字キー25の押下操作が行われることなく、かつ予め定められた第1リセット時間(本形態では5分)が経過した場合において、現音量が音量設定値及び初期音量設定値に応じた初期音量よりも小さい音量となっていたときには、サブCPU301が現音量を音量設定値及び初期音量設定値に応じた初期音量に変更する。
また、待機状態の開始後又は十字キー25の押下操作後に、いずれの始動入賞口にも遊技球が入球せず、新たに十字キー25の押下操作が行われることなく、かつ予め定められた第2リセット時間(本形態では9時間)が経過した場合において、現音量が音量設定値及び初期音量設定値に応じた初期音量よりも大きい値となっていたときには、サブCPU301が現音量を音量設定値及び初期音量設定値に応じた初期音量に変更する。
第1リセット時間や第2リセット時間は、上記値に限られず、より長い時間やより短い時間を定めてもよい。
【0240】
(音量の設定に関する報知の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、種々のタイミングで、遊技者に対して音量の変更が可能である旨を示唆する音量変更示唆画像AGの表示、現音量が複数段階の何段階目であるかを示す音量メーター画像BGの表示、音量の段階に応じて定められた特定効果音の出力が行われることにより、音量の設定に関する報知がなされるようになっている。
【0241】
(音量変更示唆画像AG)
音量変更示唆画像AGは、遊技者に対して音量の変更が可能である旨を示唆する画像であり、図44(a)に示すように、後述する音量メーター画像BG、及び、音量を変更するための操作態様(上キーの押下操作、下キーの押下操作)を示唆する操作示唆画像CGから構成されている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、待機状態が開始してから当該待機状態が終了することなく予め定められた表示開始時間(本形態では20秒)が経過するか、又は、当該表示開始時間が経過するまでの間に操作ボタン9bが押下操作されると、演出表示装置21の表示部21aの中央に音量変更示唆画像AGが表示される。これにより、本形態に係るパチンコ機Pに音量の変更の機能が搭載されており、音量の変更が可能である旨を遊技者に対して認識させることができる。
【0242】
そして、音量変更示唆画像AGの表示中に十字キー25が押下操作されると、複数段階の範囲内で現音量の変更が行われるとともに、表示中の音量変更示唆画像AGが消去され、代わりに拡大された音量メーター画像BGが表示される。この拡大された音量メーター画像BGにおいては、上述の十字キー25操作後の現音量の段階が示される。
【0243】
音量変更示唆画像AGの表示中に十字キー25が押下操作された場合には、最後に十字キー25が押下操作されてから当該十字キー25が押下操作されることなく予め定められた表示再開時間(本形態では3秒)が経過するか、又は、当該表示再開時間が経過するまでの間に操作ボタン9bが押下操作されると、表示中の音量メーター画像BGが消去され音量変更示唆画像AGが再表示される。一方、表示再開時間が経過するまでの間にいずれかの始動入賞口へ遊技球が入球すると、表示中の音量メーター画像BGが消去され、音量変動示唆画像AGが再表示されることなく変動演出が開始される。
【0244】
また、音量変更示唆画像AGの表示中にデモ画像(図示しておらず)の表示が開始されると、表示中の音量変更示唆画像AGは消去され、デモ画像の表示が終了すると音量変更示唆画像AGが再表示される。
また、音量変更示唆画像AGの表示中にいずれかの始動入賞口へ遊技球が入球し特別図柄の変動表示に伴う変動演出が開始されると、表示中の音量変更示唆画像AGは消去される。
【0245】
上述の音量変更示唆画像AGの表示、消去、再表示等の制御は、サブCPU301により行われる。表示開始時間や表示再開時間は、上記値に限られず、より長い時間やより短い時間を定めてもよい。
【0246】
(音量メーター画像BG)
音量メーター画像BGは、図44に示すように、縦に並んだ計7個の音量バーから構成されており、各音量バーが点灯している旨を示す点灯態様及び消灯している旨を示す消灯態様のいずれかとなることにより、現音量が複数段階のうちの何段階目の音量であるのかを報知できるようになっている。
音量メーター画像BGの表示態様としては、図45に示すように、全ての音量バーが消灯態様となる態様MP0、1番下の音量バーが点灯態様となり他の音量バーが消灯態様となる態様MP1、下から2個の音量バーが点灯態様となり他の音量バーが消灯態様となる態様MP2、下から3個の音量バーが点灯態様となり他の音量バーが消灯態様となる態様MP3、下から4個の音量バーが点灯態様となり他の音量バーが消灯態様となる態様MP4、下から5個の音量バーが点灯態様となり他の音量バーが消灯態様となる態様MP5、下から6個の音量バーが点灯態様となり他の音量バーが消灯態様となる態様MP6、及び、全ての音量バーが点灯態様となる態様MP7が設けられている。
【0247】
音量メーター画像BGの各表示態様は、音量設定値ごとに定められた複数段階の音量の各段階に対応付けられている。
具体的には、図46に示すように、音量設定値「0」、「1」及び「2」においては、1段階目の音量、2段階目の音量及び3段階目の音量にいずれも態様MP0が対応付けられ、4段階目の音量に態様MP1が対応付けられ、5段階目の音量に態様MP2が対応付けられ、6段階目の音量に態様MP3が対応付けられ、7段階目の音量に態様MP4が対応付けられ、8段階目の音量に態様MP5が対応付けられ、9段階目の音量に態様MP6が対応付けられ、10段階目の音量に態様MP7が対応付けられている。
これに対して、図46に示すように、音量設定値「3」~「9」においては、1段階目の音量に態様MP1が対応付けられ、2段階目の音量に態様MP2が対応付けられ、3段階目の音量に態様MP3が対応付けられ、4段階目の音量に態様MP4が対応付けられ、5段階目の音量に態様MP5が対応付けられ、6段階目の音量に態様MP6が対応付けられ、7段階目の音量に態様MP7が対応付けられている。
【0248】
また、音量メーター画像BGに関する画像データ、音量設定値の各段階に対応付けられた音量メーター画像BGの表示態様の内容は、サブROM302に記憶されている。音量メーター画像BGを表示する際には、サブCPU301が、サブROM302から当該表示を行う時点の現音量の段階に対応する表示態様の画像データを取得した上で、当該画像データを演出表示装置21の表示部に表示させる。
たとえば、音量設定値「3」が設定されており、かつ現音量が初期音量である3段階目の音量「46」となっていた場合において音量メーター画像BGを表示させるときには、態様MP3の音量メーター画像BGが表示される。また、音量設定値「4」が設定されており、かつ現音量が初期音量である1段階目の音量「46」となっていた場合において音量メーター画像BGを表示させるときには、態様MP1の音量メーター画像BGが表示される。
また、音量設定値「0」、「1」又は「2」が設定されており、かつ現音量が1段階目の音量「0」、2段階目の音量「1」又は3段階目の音量「2」となっていた場合において音量メーター画像BGを表示させるときには、態様MP0の音量メーター画像BGが表示される。すなわち、設定されている音量設定値が「0」、「1」又は「2」の場合には、現音量として1段階目の音量、2段階目の音量、3段階目の音量のいずれが設定されているときにも態様MP0の音量メーター画像BGが表示される。したがって、この場合には、音量メーター画像BGからは現音量が1段階目の音量、2段階目の音量、3段階目の音量のいずれに設定されているのかを判断できない。
【0249】
(特定効果音)
特定効果音にはSE1~SE9までの計9種類が設けられており、それぞれ音階が異なるように設定されている。そして、各特定効果音は、音量設定値ごとに定められた複数段階の音量の各段階に対応付けられている。
具体的には、図46に示すように、音量設定値「0」、「1」及び「2」においては、2段階目の音量に特定効果音SE1が対応付けられ、3段階目の音量に特定効果音SE2が対応付けられ、4段階目の音量に特定効果音SE3が対応付けられ、5段階目の音量に特定効果音SE4が対応付けられ、6段階目の音量に特定効果音SE5が対応付けられ、7段階目の音量に特定効果音SE6が対応付けられ、8段階目の音量に特定効果音SE7が対応付けられ、9段階目の音量に特定効果音SE8が対応付けられ、10段階目の音量に特定効果音SE9が対応付けられている。1段階目の音量にはいずれの特定効果音も対応付けられていない。
これに対して、図46に示すように、音量設定値「3」~「9」においては、1段階目の音量に特定効果音SE3が対応付けられ、2段階目の音量に特定効果音SE4が対応付けられ、3段階目の音量に特定効果音SE5が対応付けられ、4段階目の音量に特定効果音SE6が対応付けられ、5段階目の音量に特定効果音SE7が対応付けられ、6段階目の音量に特定効果音SE8が対応付けられ、7段階目の音量に特定効果音SE9が対応付けられている。
【0250】
なお、特定効果音に関するサウンドデータ、音量設定値の各段階に対応付けられた特定効果音の内容は、サブROM302に記憶されている。そして、特定効果音を出力する際には、サブCPU301が、サブROM302から当該出力を行う時点の現音量(段階)に対応する特定効果音のサウンドデータを取得した上で、当該サウンドデータに基づいて特定効果音をスピーカ10から出力させる。
たとえば、音量設定値「3」が設定されており、かつ現音量が初期音量である3段階目の音量「46」となっていた場合において特定効果音を出力させるときには、特定効果音SE5が出力される。また、音量設定値「4」が設定されており、かつ現音量が初期音量である1段階目の音量「46」となっていた場合において特定効果音を出力させるときには、特定効果音SE3が出力される。
また、音量設定値「0」、「1」又は「2」が設定されている場合において、現音量が2段階目の音量「1」であるときに特定効果音を出力させるときには特定効果音SE1が出力され、現音量が3段階目の音量「2」であるときに特定効果音を出力させるときには特定効果音SE2が出力される。なお、音量設定値「0」、「1」又は「2」における1段階目の音量にはいずれの特定効果音も対応付けられていないことから、音量設定値「0」、「1」又は「2」が設定されており、かつ現音量が1段階目となっていた場合には、特定効果音は出力されない。
【0251】
(電源投入中における音量メーター画像BGの表示、特定効果音の出力に関する制御)
次に、電源投入中における音量メーター画像BGの表示、特定効果音の出力に関する制御について、場合を分けて説明する。
(1)特別図柄の変動表示中
(十字キー25の押下操作時)
特別図柄の変動表示中においては、上述の音量変更示唆画像AGは表示されていない。
この際に十字キー25の押下操作が行われると、音量変更示唆画像AGは表示されることなく、当該押下操作後の現音量の段階に対応する表示態様の拡大された音量メーター画像BGが演出表示装置21の表示部21aの中央に表示され、この音量メーター画像BGの表示に伴って、当該押下操作後の現音量の段階に対応する特定効果音が出力される。
また、特別図柄の変動表示中において、上述のように音量メーター画像BGが表示されている際に再度十字キー25の押下操作が行われると、当該音量メーター画像BGが当該押下操作後の現音量に対応する表示態様に更新表示され、この音量メーター画像BGの更新表示に伴って、当該押下操作後の現音量の段階に対応する特定効果音が出力される。
表示中の音量メーター画像BGは、最後に十字キー25が押下操作されてから新たに当該十字キー25が押下操作されることなく予め定められた表示終了時間(本形態では3秒)が経過するか、又は、特別図柄の変動表示が終了し停止表示されると(すなわち図柄確定期間が開始されると)消去される。
【0252】
なお、特別図柄の変動表示中に十字キー25の押下操作が行われると、当該押下操作の時点で現音量が変更される。したがって、十字キー25の押下操作の時点で音声が出力されていた場合、当該音声は、当該押下操作後すぐに変更後の現音量で出力される。一方、十字キー25の押下操作の時点で音声が出力されていなかった場合、その後に開始される音出力から変更後の現音量が適用される。
【0253】
(音量設定切替スイッチ10a、初期音量設定切替スイッチ10bの操作時)
本形態に係るパチンコ機Pでは、特別図柄の変動表示中においても、音量設定切替スイッチ10aが操作されて音量設定値が切り替えられた場合や初期音量設定切替スイッチ10bが操作されて初期音量設定値が切り替えられた場合には、現音量が音量設定値及び初期音量設定値に応じた初期音量に設定(変更)されるようになっている。
しかし、この際には、十字キー25の押下操作が行われて現音量が変更された場合と異なり、現音量の段階に対応する表示態様の音量メーター画像BGは表示されず、現音量の段階に対応する特定効果音も出力されないようになっている。
【0254】
具体的には、特別図柄の変動表示中において音量メーター画像BGが表示されていない場合には、音量設定切替スイッチ10aの操作や初期音量設定切替スイッチ10bの操作が行われても、この操作に基づき音量メーター画像BGの表示及び特定効果音の出力は一切行われない。すなわち、当該操作後の現音量の段階に対応する表示態様の音量メーター画像BGは表示されず、当該操作後の現音量の段階に対応する特定効果音も出力されない。
また、特別図柄の変動表示中において音量メーター画像BGが表示されている場合に、音量設定切替スイッチ10aの操作や初期音量設定切替スイッチ10bの操作が行われても、当該操作に基づき表示中の音量メーター画像BGの更新は行われることなく当該時点における表示態様のまま音量メーター画像BGの表示が継続する。そして、特定効果音の出力は一切行われない。すなわち、当該操作後の現音量の段階に対応する表示態様の音量メーター画像BGは表示されず、当該操作後の現音量の段階に対応する特定効果音も出力されない。
【0255】
なお、特別図柄の変動表示中に音量設定切替スイッチ10aや初期音量設定切替スイッチ10bが操作されると、当該操作時点で現音量が当該操作後の音量設定値及び初期音量設定値に応じた初期音量に設定される。したがって、音量設定切替スイッチ10aや初期音量設定切替スイッチ10bの操作時点で音声が出力されていた場合、当該音声は、当該操作後すぐに上述の初期音量で出力される。一方、音量設定切替スイッチ10aや初期音量設定切替スイッチ10bの操作時点で音声が出力されていなかった場合、その後に開始される音出力から上述の初期音量が適用される。
【0256】
(特別図柄の変動表示中の制御に関する具体例)
たとえば、音量設定値が「4」、初期音量設定値が「B」に設定されており、現音量が4段階目の音量「96」であったものとする。
この場合において、特別図柄の変動表示中に音量設定切替スイッチ10aが操作されて音量設定値が「3」に切り替えられると、サブCPU301は、当該操作時点で、現音量を音量設定値「3」及び初期音量設定値「B」に応じた初期音量である3段階目の音量「46」に設定する。この際、サブCPU301は、設定された現音量の段階に応じた音量メーター画像BGの表示、及び、設定された現音量の段階に応じた特定効果音の出力を行わない。
そして、上述の操作時点で音声の出力が行われていた場合には、当該音声については、上述の操作後すぐに音量「46」による出力が開始される。一方、上述の操作時点で音声の出力が行われていなかった場合には、その後に開始される音声の出力から音量「46」が適用される。
【0257】
また、たとえば、音量設定値が「3」、初期音量設定値が「B」に設定されており、現音量が3段階目の音量「46」であった場合において、特別図柄の変動表示中に十字キー25の上キーが押下操作されると、サブCPU301は、当該押下操作時点で、現音量を1段階上の4段階目の音量「64」に変更する。この際、サブCPU301は、音量設定値「3」の4段階目の音量に対応付けられた態様MP4による拡大された音量メーター画像BGを表示するとともに、音量設定値「3」の4段階目の音量に対応付けられた特定効果音SE6を出力する。
そして、上述の押下操作時点で音声の出力が行われていた場合には、当該音声については、上述の押下操作後すぐに音量「64」による出力が開始される。一方、上述の押下操作時点で音声の出力が行われていなかった場合には、その後に開始される音声の出力から音量「64」が適用される。
【0258】
(2)図柄確定期間中(特別図柄の変動表示が終了してから停止表示時間が経過するまでの間)
(十字キー25の押下操作時)
図柄確定期間中においては、十字キー25が押下操作されたとしてもそもそも現音量が変更されない。また、図柄確定期間中は音量変更示唆画像AGが表示されておらず、図柄確定期間が開始される前に音量メーター画像BGが表示されていたとしても、図柄確定期間が開始されると当該音量メーター画像BGは消去されるようになっている。したがって、図柄確定期間中において十字キー25が押下操作されても、音量メーター画像BGの表示は一切行われず、特定効果音の出力も一切行われないようになっている。
【0259】
(音量設定切替スイッチ10a、初期音量設定切替スイッチ10bの操作時)
本形態に係るパチンコ機Pでは、図柄確定期間中においても、音量設定切替スイッチ10aが操作されて音量設定値が切り替えられた場合や初期音量設定切替スイッチ10bが操作されて初期音量設定値が切り替えられた場合には、現音量が音量設定値及び初期音量設定値に応じた初期音量に設定(変更)される。
しかし、この際には(1)と同様に、現音量の段階に対応する表示態様の音量メーター画像BGは表示されず、現音量の段階に対応する特定効果音も出力されないようになっている。
具体的には、図柄確定期間中には音量メーター画像BGが表示されておらず、音量設定切替スイッチ10aの操作や初期音量設定切替スイッチ10bの操作が行われても、この操作に基づき音量メーター画像BGの表示及び特定効果音の出力は一切行われない。すなわち、当該操作後の現音量の段階に対応する表示態様の音量メーター画像BGは表示されず、当該操作後の現音量の段階に対応する特定効果音も出力されない。
【0260】
なお、図柄確定期間中に音量設定切替スイッチ10aや初期音量設定切替スイッチ10bが操作されると、(1)と同様に、当該操作時点で現音量が当該操作後の音量設定値及び初期音量設定値に応じた初期音量に設定される。したがって、音量設定切替スイッチ10aや初期音量設定切替スイッチ10bの操作時点で音声が出力されていた場合、当該音声は、音量設定切替スイッチ10aや初期音量設定切替スイッチ10bの操作後すぐに上述の初期音量で出力される。一方、音量設定切替スイッチ10aや初期音量設定切替スイッチ10bの操作時点で音声が出力されていなかった場合、その後に開始される音出力から上述の初期音量が適用される。
【0261】
(図柄確定期間中の制御に関する具体例)
たとえば、音量設定値が「3」、初期音量設定値が「B」に設定されており、現音量が4段階目の音量「64」であったものとする。
この場合において、図柄確定期間中に音量設定切替スイッチ10aが操作されて音量設定値が「7」に切り替えられると、サブCPU301は、当該操作時点で、現音量を音量設定値「7」及び初期音量設定値「B」に応じた初期音量である1段階目の音量「46」に設定する。この際、サブCPU301は、設定された現音量の段階に応じた音量メーター画像BGの表示、及び、設定された現音量の段階に応じた特定効果音の出力を行わない。
そして、上述の操作時点で音声の出力が行われていた場合には、当該音声については、上述の操作後すぐに音量「46」による出力が開始される。一方、上述の操作時点で音声の出力が行われていなかった場合には、その後に開始される音声の出力から音量「46」が適用される。
【0262】
また、たとえば、音量設定値が「7」、初期音量設定値が「B」に設定されており、現音量が1段階目の音量「46」であった場合において、図柄確定期間中に十字キー25が押下操作されても、サブCPU301は現音量を変更しない。したがって、現音量は音量「46」のままとなる。この際、サブCPU301は、音量メーター画像BGの表示及び特定効果音の出力を行わない。
【0263】
(3)客待ち状態の開始後であって音量変更示唆画像AGが表示される前(すなわち表示開始時間が経過する前又は操作ボタン9bが押下される前)
(十字キー25の押下操作時)
この際には音量変更示唆画像AGが表示されていないことから、(1)と同様に、十字キー25の押下操作が行われると、音量変更示唆画像AGは表示されることなく当該押下操作後の現音量の段階に対応する表示態様の拡大された音量メーター画像BGが演出表示装置21の表示部21aの中央に表示される。しかし、(1)と異なり、当該押下操作に基づく特定効果音の出力は行われないようになっている。すなわち、当該押下操作後の現音量の段階に対応する特定効果音は出力されない。
また、客待ち状態の開始後であって音量変更示唆画像AGが表示される前において、上述のように音量メーター画像BGが表示されている際に十字キー25の押下操作が行われると、当該音量メーター画像BGが当該押下操作後の現音量に対応する表示態様に更新表示される。しかし、上述同様、当該押下操作に基づく特定効果音の出力は行われず、当該押下操作後の現音量の段階に対応する特定効果音は出力されない。
また、表示中の音量メーター画像BGは、最後に十字キー25が押下操作されてから当該十字キー25が押下操作されることなく上述の表示終了時間が経過すると消去される。
【0264】
なお、客待ち状態の開始後であって音量変更示唆画像AGが表示される前に十字キー25の押下操作が行われた場合にも、(1)と同様に、当該押下操作の時点で現音量が変更される。したがって、十字キー25の押下操作の時点で音声が出力されていた場合、当該音声は、当該押下操作後すぐに変更後の現音量で出力される。一方、十字キー25の押下操作の時点で音声が出力されていなかった場合、その後に開始される音出力から変更後の現音量が適用される。
【0265】
(音量設定切替スイッチ10a、初期音量設定切替スイッチ10bの操作時)
本形態に係るパチンコ機Pでは、客待ち状態の開始後であって音量変更示唆画像AGが表示される前においても、音量設定切替スイッチ10aが操作されて音量設定値が切り替えられた場合や初期音量設定切替スイッチ10bが操作されて初期音量設定値が切り替えられた場合には、現音量が音量設定値及び初期音量設定値に応じた初期音量に設定(変更)される。
しかし、この際には(1)と同様に、現音量の段階に対応する表示態様の音量メーター画像BGは表示されず、現音量の段階に対応する特定効果音も出力されないようになっている。
【0266】
具体的には、客待ち状態の開始後であって音量変更示唆画像AGが表示される前において音量メーター画像BGが表示されていない場合に、音量設定切替スイッチ10aの操作や初期音量設定切替スイッチ10bの操作が行われても、この操作に基づき音量メーター画像BGの表示及び特定効果音の出力は一切行われない。すなわち、当該操作後の現音量の段階に対応する表示態様の音量メーター画像BGは表示されず、当該操作後の現音量の段階に対応する特定効果音も出力されない。
また、客待ち状態の開始後であって音量変更示唆画像AGが表示される前において音量メーター画像BGが表示されている場合に、音量設定切替スイッチ10aの操作や初期音量設定切替スイッチ10bの操作が行われても、当該操作に基づき表示中の音量メーター画像BGの更新は行われることなく当該時点における表示態様のまま音量メーター画像BGの表示が継続する。そして、特定効果音の出力は一切行われない。すなわち、当該操作後の現音量の段階に対応する表示態様の音量メーター画像BGは表示されず、当該操作後の現音量の段階に対応する特定効果音も出力されない。
【0267】
なお、客待ち状態の開始後であって音量変更示唆画像AGが表示される前までの期間中に音量設定切替スイッチ10aや初期音量設定切替スイッチ10bが操作されると、(1)と同様に、当該操作時点で現音量が当該操作後の音量設定値及び初期音量設定値に応じた初期音量に設定される。したがって、音量設定切替スイッチ10aや初期音量設定切替スイッチ10bの操作時点で音声が出力されていた場合、当該音声は、音量設定切替スイッチ10aや初期音量設定切替スイッチ10bの操作後すぐに上述の初期音量で出力される。一方、音量設定切替スイッチ10aや初期音量設定切替スイッチ10bの操作時点で音声が出力されていた場合、その後に開始される音出力から上述の初期音量が適用される。
【0268】
(客待ち状態の開始後であって音量変更示唆画像AGが表示される前の制御に関する具体例)
たとえば、音量設定値が「7」、初期音量設定値が「B」に設定されており、現音量が1段階目の音量「46」であったものとする。
この場合において、客待ち状態の開始後であって音量変更示唆画像AGが表示される前に音量設定切替スイッチ10aが操作されて音量設定値が「5」に切り替えられると、サブCPU301は、当該操作時点で、現音量を音量設定値「5」及び初期音量設定値「B」に応じた初期音量である1段階目の音量「46」に設定する。この際、サブCPU301は、設定された現音量の段階に応じた音量メーター画像BGの表示、及び、設定された現音量の段階に応じた特定効果音の出力を行わない。
そして、上述の操作時点で音声の出力が行われていた場合には、当該音声については、上述の操作後すぐに音量「46」による出力が開始される。一方、上述の操作時点で音声の出力が行われていなかった場合には、その後に開始される音声の出力から音量「46」が適用される。
【0269】
また、たとえば、音量設定値が「5」、初期音量設定値が「B」に設定されており、現音量が1段階目の音量「46」であった場合において、客待ち状態の開始後であって音量変更示唆画像AGが表示される前に十字キー25の上キーが押下操作されると、サブCPU301は、当該押下操作時点で、現音量を1段階上の2段階目の音量「51」に変更する。この際、サブCPU301は、音量設定値「5」の2段階目の音量に対応付けられた態様MP2による拡大された音量メーター画像BGを表示するものの、特定効果音については一切出力しない。すなわち、音量設定値「5」の2段階目の音量に対応付けられた特定効果音SE4は出力されない。
そして、上述の押下操作時点で音声の出力が行われていた場合には、当該音声については、上述の押下操作後すぐに音量「51」による出力が開始される。一方、上述の押下操作時点で音声の出力が行われていなかった場合には、その後に開始される音声の出力から音量「51」が適用される。
【0270】
(4)客待ち状態の開始後であって音量変更示唆画像AGの表示中(すなわち表示開始時間が経過した後又は操作ボタン9bが押下された後)
(十字キー25の押下操作時)
この際には、現音量の段階に対応する表示態様の音量変更示唆画像AGが表示されており、十字キー25の押下操作が行われると、表示中の音量変更示唆画像AGが消去され、代わりに当該押下操作後の現音量の段階に対応する表示態様の拡大された音量メーター画像BGが演出表示装置21の表示部21aの中央に表示され、この音量メーター画像BGの表示に伴って、当該押下操作後の現音量の段階に対応する特定効果音が出力される。
また、表示中の音量メーター画像BGは、最後に十字キー25が押下操作されてから当該十字キー25が押下操作されることなく上述の表示再開時間が経過するか、当該表示再開時間が経過するまでの間に操作ボタン9bが押下操作されるか、又は、当該表示再開時間が経過するまでの間にいずれかの始動入賞口へ遊技球が入球すると消去される。
【0271】
なお、客待ち状態の開始後であって音量変更示唆画像AGの表示中に十字キー25の押下操作が行われると、(1)と同様に、当該押下操作の時点で現音量が変更される。したがって、十字キー25の押下操作の時点で音声が出力されていた場合、当該音声は、当該押下操作後すぐに変更後の現音量で出力される。一方、十字キー25の押下操作の時点で音声が出力されていなかった場合、その後に開始される音出力から変更後の現音量が適用される。
【0272】
(音量設定切替スイッチ10a、初期音量設定切替スイッチ10bの操作時)
本形態に係るパチンコ機Pでは、客待ち状態の開始後であって音量変更示唆画像AGの表示中においても、音量設定切替スイッチ10aが操作されて音量設定値が切り替えられた場合や初期音量設定切替スイッチ10bが操作されて初期音量設定値が切り替えられた場合には、現音量が音量設定値及び初期音量設定値に応じた初期音量に設定(変更)される。
しかし、この際には(1)と同様に、現音量の段階に対応する表示態様の音量メーター画像BGは表示されず、現音量の段階に対応する特定効果音も出力されないようになっている。
具体的には、客待ち状態の開始後であって音量変更示唆画像AGの表示中に音量設定切替スイッチ10aの操作や初期音量設定切替スイッチ10bの操作が行われても、この操作に基づき音量メーター画像BGの表示及び特定効果音の出力は一切行われない。すなわち、当該操作後の現音量の段階に対応する表示態様の音量メーター画像BGは表示されず、当該操作後の現音量の段階に対応する特定効果音も出力されない。
【0273】
なお、客待ち状態の開始後であって音量変更示唆画像AGの表示中に音量設定切替スイッチ10aや初期音量設定切替スイッチ10bが操作されると、(1)と同様に、当該操作時点で現音量が当該操作後の音量設定値及び初期音量設定値に応じた初期音量に設定される。したがって、音量設定切替スイッチ10aや初期音量設定切替スイッチ10bの操作時点で音声が出力されていた場合、当該音声は、当該操作後すぐに上述の初期音量で出力される。一方、音量設定切替スイッチ10aや初期音量設定切替スイッチ10bの操作時点で音声が出力されていなかった場合、その後に開始される音出力から上述の初期音量が適用される。
【0274】
(客待ち状態の開始後であって音量変更示唆画像AGの表示中の制御に関する具体例)
たとえば、音量設定値が「5」、初期音量設定値が「B」に設定されており、現音量が1段階目の音量「46」であったものとする。
この場合において、客待ち状態の開始後であって音量変更示唆画像AGが表示されると、この音量変更示唆画像AGに含まれる音量メーター画像BGは現音量の段階に対応する表示態様により表示されることとなる。すなわち、音量変更示唆画像AGに含まれる音量メーター画像BGは、音量設定値「5」における1段階目の音量に対応付けられた態様MP1により表示される。
そして、上述の音量変更示唆画像AGの表示中に音量設定切替スイッチ10aが操作されて音量設定値が「3」に切り替えられると、サブCPU301は、当該操作時点で、現音量を音量設定値「3」及び初期音量設定値「B」に応じた初期音量である3段階目の音量「46」に設定する。
この際、上述の音量変更示唆画像AGに含まれる音量メーター画像BGは、音量設定値「5」における1段階目の音量に対応付けられた態様MP1により表示されているものの、サブCPU301は、当該音量変更示唆画像AGを消去し、かつ代わりに当該操作後の音量設定値「3」における3段階目の音量「46」に対応付けられた態様MP3の拡大された音量メーター画像BGを表示する処理を行わない。すなわち、音量変更示唆画像AGがそのまま継続して表示されるため、上述の操作後の現音量の段階に応じた態様MP3による音量メーター画像BGは表示されない。また、サブCPU301は特定効果音の出力も行わないため、上述の操作後の現音量の段階に応じた特定効果音SE5の出力は行われない。
そして、上述の操作時点で音声の出力が行われていた場合には、当該音声については、上述の操作後すぐに音量「46」による出力が開始される。一方、上述の操作時点で音声の出力が行われていなかった場合には、その後に開始される音声の出力から音量「46」が適用される。
【0275】
また、たとえば、音量設定値が「3」、初期音量設定値が「B」に設定されており、現音量が3段階目の音量「46」であった場合において、客待ち状態の開始後における音量変更示唆画像AGの表示中に十字キー25の上キーが押下操作されると、サブCPU301は、当該押下操作時点で、現音量を1段階上の4段階目の音量「64」に変更する。
この際、サブCPU301は、表示中の音量変更示唆画像AGを消去し、代わりに音量設定値「3」の4段階目の音量に対応付けられた態様MP4の拡大された音量メーター画像BGを表示するとともに、音量設定値「3」の4段階目の音量に対応付けられた特定効果音SE6を出力する。
そして、上述の押下操作時点で音声の出力が行われていた場合には、当該音声については、上述の押下操作後すぐに音量「64」による出力が開始される。一方、上述の押下操作時点で音声の出力が行われていなかった場合には、その後に開始される音声の出力から音量「64」が適用される。
【0276】
(5)デモ画像の表示中
この際には(1)と同一の制御が行われるため説明を省略する。
【0277】
(6)ラムクリア報知中
本形態に係るパチンコ機Pでは、主制御基板100においてラムクリア処理が実行されると、サブCPU301は、当該実行を契機に主制御基板100から送信されるラムクリアコマンドを受信することによりラムクリア報知を実行する。
このラムクリア報知では、予め定められた報知時間(本形態では31秒)が経過するまでの間、ラムクリア処理の実行を報知する特定音声(たとえば「メモリをクリアしました」という音声)がスピーカ10から出力される。この特定音声は、現音量がいずれの音量であったとしても常にスピーカ10の最大音量により出力されるようになっている。また、ラムクリア報知中は、特定音声のみ出力され他の音声については出力されないようになっている。なお、演出表示装置21の表示部21aにおいては、ラムクリア処理の実行を示す画像の表示は行われず、ラムクリア報知の開始前における画像の表示が継続して行われる。
【0278】
本形態に係るパチンコ機Pでは、電源投入中においては十字―25の押下操作に基づく現音量の変更、音量設定切替スイッチ10aや初期音量設定切替スイッチ10bの操作に基づく初期音量の設定が可能となっていることから、ラムクリア報知中もこれら現音量に関する処理が実行される。
(十字キー25の押下操作時)
ラムクリア報知中において音量変更示唆画像AGが表示されていた場合に、十字キー25の押下操作が行われると、表示中の音量変更示唆画像AGが消去され、代わりに当該押下操作後の現音量の段階に対応する表示態様の拡大された音量メーター画像BGが演出表示装置21の表示部21aの中央に表示される。また、ラムクリア報知中において音量変更示唆画像AGが表示されていなかった場合に、十字キー25の押下操作が行われると、音量変更示唆画像AGが表示されることなく当該押下操作後の現音量の段階に対応する表示態様の拡大された音量メーター画像BGが演出表示装置21の表示部21aの中央に表示される。
しかし、上述のいずれの場合であっても、上述の押下操作に基づく特定効果音の出力は行われないようになっている。すなわち、上述の押下操作後の現音量の段階に対応する特定効果音は出力されない。
そして、上述のラムクリア報知の終了後において十字キー25の押下操作が行われた場合には、当該押下操作後の現音量の段階に対応する音量メーター画像BGの表示、及び、当該押下操作後の現音量の段階に対応する特定効果音の出力の両方が行われる。
【0279】
なお、ラムクリア報知中に十字キー25の押下操作が行われた場合にも、(1)と同様に、当該押下操作の時点で現音量が変更される。しかし、上述のように、ラムクリア報知中の特定音声は常にスピーカ10の最大音量で出力されるため変更後の現音量が特定音声の出力に適用されることはなく、ラムクリア報知の終了後に開始される音出力(演出の実行等に伴う音出力)から変更後の現音量が適用される。
【0280】
(音量設定切替スイッチ10a、初期音量設定切替スイッチ10bの操作時)
上述のように、ラムクリア報知中においても、音量設定切替スイッチ10aが操作されて音量設定値が切り替えられた場合や初期音量設定切替スイッチ10bが操作されて初期音量設定値が切り替えられた場合には、現音量が音量設定値及び初期設定値に応じた初期音量に設定(変更)される。
しかし、この際には(1)と同様に、現音量の段階に対応する表示態様の音量メーター画像BGは表示されず、現音量の段階に対応する特定効果音も出力されないようになっている。
【0281】
具体的には、ラムクリア報知中において音量メーター画像BGが表示されていない場合に、音量設定切替スイッチ10aの操作や初期音量設定切替スイッチ10bの操作が行われても、この操作に基づき音量メーター画像BGの表示及び特定効果音の出力は一切行われない。すなわち、当該操作後の現音量の段階に対応する表示態様の音量メーター画像BGは表示されず、当該操作後の現音量の段階に対応する特定効果音も出力されない。
また、ラムクリア報知中において音量変更示唆画像AGや音量メーター画像BGが表示されている場合に、音量設定切替スイッチ10aの操作や初期音量設定切替スイッチ10bの操作が行われても、当該操作に基づき表示中の音量変更示唆画像AGや音量メーター画像BGの更新は行われることなく当該時点における表示態様のまま音量変更示唆画像AGや音量メーター画像BGの表示が継続する。そして、特定効果音の出力は一切行われない。すなわち、当該操作後の現音量の段階に対応する表示態様の音量メーター画像BGは表示されず、当該操作後の現音量の段階に対応する特定効果音も出力されない。
【0282】
なお、ラムクリア報知中に音量設定切替スイッチ10aや初期音量設定切替スイッチ10bが操作されると、(1)と同様に、当該操作時点で現音量が当該操作後の音量設定値及び初期音量設定値に応じた初期音量に設定される。しかし、十字キー25の押下操作が行われた場合と同様に、上述の現音量がラムクリア報知中における特定音声の出力に適用されることはなく、ラムクリア報知の終了後に開始される音出力から上述の初期音量が適用される。
【0283】
(ラムクリア報知中の制御に関する具体例)
たとえば、音量設定値が「6」、初期音量設定値が「B」に設定されており、現音量が3段階目の音量「76」であったものとする。
この場合において、ラムクリア報知の開始時に音量変更示唆画像AGや拡大された音量メーター画像BGが表示されていたときには、この音量変更示唆画像AGに含まれる音量メーター画像BGや拡大された音量メーター画像BGは現音量の段階に対応する表示態様により表示される。すなわち、音量変更示唆画像AGに含まれる音量メーター画像BGや拡大された音量メーター画像BGは、音量設定値「6」における3段階目の音量に対応付けられた態様MP3により表示される。
そして、ラムクリア報知中に音量設定切替スイッチ10aが操作されて音量設定値が「4」に切り替えられると、サブCPU301は、当該操作時点で、現音量を音量設定値「4」及び初期音量設定値「B」に応じた初期音量である1段階目の音量「46」に設定する。
この際、音量変更示唆画像AGが表示されており、当該音量変更示唆画像AGに含まれる音量メーター画像BGが音量設定値「6」における3段階目の音量に対応付けられた態様MP3により表示されていた場合、サブCPU301は、当該音量変更示唆画像AGを消去し、かつ代わりに上述の操作後の音量設定値「4」における1段階目の音量「46」に対応付けられた態様MP1の拡大された音量メーター画像BGを表示する処理を行わない。すなわち、態様MP3の音量変更示唆画像AGがそのまま継続して表示されるため、上述の操作後の現音量の段階に応じた態様MP1による音量メーター画像BGは表示されない。また、サブCPU301は特定効果音の出力も行わないため、上述の操作後の現音量の段階に応じた特定効果音SE3の出力は行われない。
また、拡大された音量メーター画像BGが音量設定値「6」における3段階目の音量に対応付けられた態様MP3により表示されていた場合、サブCPU301は、当該音量メーター画像BGを上述の操作後の音量設定値「4」における1段階目の音量「46」に対応付けられた態様MP1に更新する処理を行わない。すなわち、態様MP3の音量メーター画像BGがそのまま継続して表示されるため、上述の操作後の現音量の段階に応じた態様MP1による音量メーター画像BGは表示されない。また、サブCPU301は特定効果音の出力も行わないため、上述の操作後の現音量の段階に応じた特定効果音SE3の出力は行われない。
なお、ラムクリア報知の開始時に音量変更示唆画像AGや拡大された音量メーター画像BGが表示されていなかった場合も上述と同様に、サブCPU301は、上述の操作後の現音量の段階に応じた態様MP1の音量メーター画像BGを表示せず、上述の操作後の現音量の段階に応じた特定効果音SE3の出力を行わない。
そして、上述の操作時点ではラムクリア報知中の特定音声の出力が行われているものの、現音量として設定された音量「46」は当該特定音声に対しては適用されず、ラムクリア報知後に開始される音出力に対して適用される。すなわち、ラムクリア報知中の特定音声は現音量である音量「46」によって出力されず、ラムクリア報知後に出力される音声は現音量である音量「46」によって出力される。
【0284】
また、たとえば、音量設定値が「4」、初期音量設定値が「B」に設定されており、現音量が1段階目の音量「46」であった場合において、ラムクリア報知中に十字キー25の上キーが押下操作されると、サブCPU301は、当該押下操作時点で、現音量を1段階上の2段階目の音量「48」に変更する。
この際、音量変更示唆画像AGが表示されており、当該音量変更示唆画像AGに含まれる音量メーター画像BGが音量設定値「4」における1段階目の音量に対応付けられた態様MP1により表示されていた場合、サブCPU301は、表示中の音量変更示唆画像AGを消去して音量設定値「4」の2段階目の音量「48」に対応付けられた態様MP2による拡大された音量メーター画像BGを表示する。しかし、サブCPU301は特定効果音の出力については行わず、上述の押下操作後の現音量の段階に応じた特定効果音SE4の出力は行われない。
また、拡大された音量メーター画像BGが音量設定値「4」における1段階目の音量に対応付けられた態様MP1により表示されていた場合、サブCPU301は、当該音量メーター画像BGを上述の操作後の音量設定値「4」における2段階目の音量「48」に対応付けられた態様MP2に更新する。しかし、サブCPU301は特定効果音の出力については行わず、上述の押下操作後の現音量の段階に応じた特定効果音SE4の出力は行われない。
なお、ラムクリア報知の開始時に音量変更示唆画像AGや拡大された音量メーター画像BGが表示されていなかった場合も上述と同様に、サブCPU301は、上述の押下操作後の現音量の段階に応じた態様MP2の音量メーター画像BGを表示するものの、上述の操作後の現音量の段階に応じた特定効果音SE4の出力を行わない。
そして、上述の操作時点ではラムクリア報知中の特定音声の出力が行われているものの、現音量として設定された音量「48」は当該特定音声に対しては適用されず、ラムクリア報知後に開始される音出力に対して適用される。すなわち、ラムクリア報知中の特定音声は現音量である音量「48」によって出力されず、ラムクリア報知後に出力される音声は現音量である音量「48」によって出力される。
【0285】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、たとえば電源投入中の特別図柄の変動表示中や客待ち状態後(すなわち、音量設定切替スイッチ10aや初期音量設定切替スイッチ10bの操作に基づく初期音量の設定、十字キー25の押下操作に基づく現音量の変更のいずれもが可能な状態)において、音量設定切替スイッチ10aや初期音量設定切替スイッチ10bの操作が行われた場合には、現音量が当該操作後の音量設定値及び初期音量設定値に応じた初期音量に設定されるものの、音量メーター画像BGの表示の有無にかかわらず当該操作後の現音量の段階に対応する表示態様の音量メーター画像BGは表示されない。
そして、現音量が上述の初期音量に設定されている際、さらに電源投入中の特別図柄の変動表示中や客待ち状態後において十字キー25の押下操作が行われた場合には、現音量が複数段階の範囲内で変更され、当該押下操作後の現音量の段階に対応する表示態様の音量メーター画像BGが表示される。
音量設定切替スイッチ10a等の操作により現音量が初期値に設定される場合には必ずしも段階的な音量の変更とならない。そのため、たとえば音量メーター画像BGが表示されている際に音量設定切替スイッチ10aが操作されたことにより、表示中の音量メーター画像BGを当該操作後の現音量に対応する音量メーター画像BGに更新してしまうと、音量メーター画像BGが段階的に変化しない場合が生じ、遊技者に対して違和感を与えるおそれがある。
本形態に係るパチンコ機Pによれば、上述のように、音量設定切替スイッチ10a等の操作が行われた場合には、音量メーター画像BGの表示の有無にかかわらず当該操作後の現音量の段階に対応する表示態様の音量メーター画像BGは表示されないようになっているため、音量メーター画像BGが段階的に変化せずに遊技者に対して違和感を与えるような状況の発生を軽減することができる。
【0286】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、特定音声が出力されるラムクリア報知中において音量設定切替スイッチ10aや初期音量設定切替スイッチ10bの操作が行われた場合には、現音量が当該操作後の音量設定値及び初期音量設定値に応じた初期音量に設定されるものの、当該操作後の現音量の段階に対応する表示態様の音量メーター画像BGは表示されない。一方、特定音声が出力されるラムクリア報知中において十字キー25の押下操作が行われた場合には、現音量が複数段階の範囲内で変更され、当該押下操作後の現音量の段階に対応する表示態様の音量メーター画像BGが表示される。
これにより、ラムクリア報知中であっても遊技者により音量の変更が行われた場合には、その旨を確実に報知することができるとともに、ラムクリア報知中の音量メーター画像BGの表示の制御が煩雑になり過ぎるのを防止することができる。
【0287】
また、特定音声が出力されるラムクリア報知中において、音量設定切替スイッチ10aや初期音量設定切替スイッチ10bの操作が行われた場合及び十字キー25の押下操作が行われた場合にはいずれも、これらの操作後の現音量の段階に対応する特定効果音は出力されないようになっている。
これにより、ラムクリア報知中に特定音声に重複して特定効果音が出力されるのを防止してラムクリア報知の実行を確実に報知できるとともに、ラムクリア報知中の音出力の制御が煩雑になり過ぎるのを防止することができる。
【0288】
さらに、本形態に係るパチンコ機Pでは、音量設定切替スイッチ10aにより音量設定値が「3」に設定され、かつ初期音量設定切替スイッチ10bにより初期音量設定値が「B」に設定されている場合には、初期音量は3段階目の「46」であり、この初期音量に基づいて音量メーター画像BGが表示されるときの表示態様は態様MP3となる。また、音量設定切替スイッチ10aにより音量設定値が「4」~「9」のいずれかに設定され、かつ初期音量設定切替スイッチ10bにより初期音量設定値が「B」に設定されている場合には、初期音量は1段階目の「46」であり、この初期音量に基づいて音量メーター画像BGが表示されるときの表示態様は態様MP1となる。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、音量設定値が「3」に設定された場合の初期音量及び音量設定値が「4」~「9」のいずれかに設定された場合の初期音量はいずれも音量「46」で同一となっている。
これにより、たとえば、音量設定切替スイッチ10aにより音量設定値が「3」から「4」~「9」のいずれかに切り替えられた場合、出力中の音声について急激に音量が増加して遊技者に驚きを与えてしまうような事態を防止することができる。
【0289】
次に、初期音量の設定、現音量の変更、音量メーター画像BGの表示、特定効果音の出力を実行するための副制御基板300における制御について説明する。
まず、電断復帰を契機として初期音量を設定する電断復帰時初期音量設定処理について、図47に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ2000において、サブCPU301は、サブROM302から音量設定切替スイッチ10aにより設定されている音量設定値、及び、初期音量設定切替スイッチ10bにより設定されている初期音量設定値に応じた初期音量を取得し、当該初期音量を現音量としてサブRAM303に記憶する。そして、次のステップ2001に進む。
ステップ2001において、サブCPU301は、ラムクリア報知中であるか否かを判定する。そして、ラムクリア報知中でないと判定した場合、電断復帰時初期音量設定処理を終了する。一方、ラムクリア報知中であると判定した場合、次のステップ2002に進む。
【0290】
ステップ2002において、サブCPU301は、サブRAM303に記憶した現音量の適用を一時無効とし、ラムクリア報知中における特定音声の出力に対しては、上記ステップ2000でサブRAM303に記憶した現音量を適用せずに最大音量を適用する。これにより、ラムクリア報知中の特定音声は最大音量で出力される。なお、ラムクリア報知が終了すると、サブCPU301は、サブRAM303に記憶した現音量の適用を有効とする。これにより、ラムクリア報知終了後に開始される音声の出力は、サブRAM303に記憶された現音量により行われる。そして、電断復帰時初期音量設定処理を終了する。
【0291】
次に、電源投入中において初期音量を設定する電源投入中初期音量設定処理について、図48に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ2100において、サブCPU301は、音量設定切替スイッチ10a又は初期音量設定切替スイッチ10bが操作されたか否かを判定する。そして、音量設定切替スイッチ10a及び初期音量設定切替スイッチ10bのいずれも操作されていないと判定した場合、電源投入中初期音量設定処理を終了する。一方、音量設定切替スイッチ10a又は初期音量設定切替スイッチ10bが操作されたと判定した場合、次のステップ2101に進む。
ステップ2101において、サブCPU301は、上述のステップ2100の操作後の音量設定値及び初期音量設定値に応じた初期音量をサブROM302から取得し、当該初期音量を現音量としてサブRAM303に記憶する。そして、次のステップ2102に進む。
【0292】
ステップ2102において、サブCPU301は、ラムクリア報知中であるか否かを判定する。そして、ラムクリア報知中でないと判定した場合、電源投入中初期音量設定処理を終了する。一方、ラムクリア報知中であると判定した場合、次のステップ2103に進む。
ステップ2103において、サブCPU301は、サブRAM303に記憶した現音量の適用を一時無効とし、ラムクリア報知中における特定音声の出力に対しては、上記ステップ2101でサブRAM303に記憶した現音量を適用せずに最大音量を適用する。これにより、ラムクリア報知中の特定音声は最大音量で出力される。なお、ラムクリア報知が終了すると、サブCPU301は、サブRAM303に記憶した現音量の適用を有効とする。これにより、ラムクリア報知終了後に開始される音声の出力は、サブRAM303に記憶された現音量により行われる。そして、電源投入中初期音量設定処理を終了する。
【0293】
次に、現音量を変更する現音量変更処理について、図49に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ2200において、サブCPU301は、十字キー25が押下操作されたか否か、すなわち、十字キー検出センサ25aにより十字キー25の押下操作が検出されたか否かを判定する。そして、十字キー25が押下操作されていないと判定した場合、現音量変更処理を終了する。一方、十字キー25が押下操作されたと判定した場合、次のステップ2201に進む。
ステップ2201において、サブCPU301は、図柄確定期間中であるか否かを判定する。具体的には、主制御基板100から図柄確定コマンドを受信した後であって主制御基板100から停止表示コマンドを受信する前の状態であるか否かを判定する。そして、図柄確定期間中であると判定した場合、現音量変更処理を終了する。一方、図柄確定期間中でないと判定した場合、次のステップ2202に進む。
【0294】
ステップ2202において、サブCPU301は、上キーが押下操作された場合には、サブRAM303に記憶されている現音量が設定中の音量設定値に応じた複数段階の最大音量であるか否かを判定する。一方、下キーが押下操作された場合には、サブRAM303に記憶されている現音量が設定中の音量設定値に応じた複数段階の最小音量であるか否かを判定する。そして、複数段階の最大音量(又は最小音量)であると判定した場合、ステップ2206に進む。一方、複数段階の最大音量(又は最小音量)でないと判定した場合、次のステップ2203に進む。
ステップ2203において、サブCPU301は、上キーが押下操作された場合には、サブRAM303に記憶されている現音量を1段階上の音量に変更し、下キーが押下操作された場合には、サブRAM303に記憶されている現音量を1段階下の音量に変更する。そして、次のステップ2204に進む。
【0295】
ステップ2204において、サブCPU301は、ラムクリア報知中であるか否かを判定する。そして、ラムクリア報知中でないと判定した場合、ステップ2206に進む。一方、ラムクリア報知中であると判定した場合、次のステップ2205に進む。
ステップ2205において、サブCPU301は、サブRAM303に記憶した現音量の適用を一時無効とし、ラムクリア報知中における特定音声の出力に対しては、上記ステップ2203でサブRAM303に記憶した現音量を適用せずに最大音量を適用する。これにより、ラムクリア報知中の特定音声は最大音量で出力される。なお、ラムクリア報知が終了すると、サブCPU301は、サブRAM303に記憶した現音量の適用を有効とする。これにより、ラムクリア報知終了後に開始される音声の出力は、サブRAM303に記憶された現音量により行われる。そして、次のステップ2206に進む。
【0296】
ステップ2206において、サブCPU301は、音量メーター画像BGの表示及び特定効果音の出力を行う報知制御処理を実行する。そして、現音量変更処理を終了する。
【0297】
次に、上述したステップ2206の報知制御処理について、図50に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ2300において、サブCPU301は、特別図柄の変動表示中又はデモ画像の表示中であるか否かを判定する。具体的には、主制御基板100から始動入賞コマンドを受信した後であって図柄確定コマンドを受信する前の状態であるか、主制御基板100からデモコマンドを受信した後であってデモ画像の表示時間が経過するまでの間であるかを判定する。そして、特別図柄の変動表示中及びデモ画像の表示中のいずれでもないと判定した場合、ステップ2305に進む。一方、特別図柄の変動表示中又はデモ画像の表示中であると判定した場合、次のステップ2301に進む。
ステップ2301において、サブCPU301は、音量メーター画像BGの表示中であるか否かを判定する。そして、音量メーター画像BGの表示中であると判定した場合、ステップ2303に進む。一方、音量メーター画像BGの表示中でないと判定した場合、次のステップ2302に進む。
【0298】
ステップ2302において、サブCPU301は、サブRAM303に記憶されている現音量の段階に対応する態様の拡大された音量メーター画像BGを演出表示装置21の表示部21aに表示する。そして、ステップ2304に進む。
また、上述のステップ2301で音量メーター画像BGの表示中であると判定した場合に進むステップ2303において、サブCPU301は、表示中の音量メーター画像BGをサブRAM303に記憶されている現音量の段階に対応する態様に更新する。そして、次のステップ2304に進む。
【0299】
ステップ2304において、サブCPU301は、サブRAM303に記憶されている現音量の段階に対応する特定効果音を出力する。そして、次のステップ2305に進む。
ステップ2305において、サブCPU301は、客待ち状態の開始後であって音量変更示唆画像AGが表示されていない状態であるか否かを判定する。そして、当該状態でないと判定した場合、ステップ2309に進む。一方、当該状態であると判定した場合、次のステップ2306に進む。
【0300】
ステップ2306において、サブCPU301は、音量メーター画像BGの表示中であるか否かを判定する。そして、音量メーター画像BGの表示中であると判定した場合、ステップ2308に進む。一方、音量メーター画像BGの表示中でないと判定した場合、次のステップ2307に進む。
ステップ2307において、サブCPU301は、サブRAM303に記憶されている現音量の段階に対応する態様の拡大された音量メーター画像BGを演出表示装置21の表示部21aに表示する。そして、ステップ2309に進む。
【0301】
また、上述のステップ2306で音量メーター画像BGの表示中であると判定した場合に進むステップ2308において、サブCPU301は、表示中の音量メーター画像BGをサブRAM303に記憶されている現音量の段階に対応する態様に更新する。そして、次のステップ2309に進む。
ステップ2309において、サブCPU301は、客待ち状態の開始後であって音量変更示唆画像AGが表示されている状態であるか否かを判定する。そして、当該状態でないと判定した場合、ステップ2312に進む。一方、当該状態であると判定した場合、次のステップ2310に進む。
【0302】
ステップ2310において、サブCPU301は、表示中の音量変更示唆画像AGをクリアし、代わりに、サブRAM303に記憶されている現音量の段階に対応する態様の拡大された音量メーター画像BGを演出表示装置21の表示部21aに表示する。そして、次のステップ2311に進む。
ステップ2311において、サブCPU301は、サブRAM303に記憶されている現音量の段階に対応する特定効果音を出力する。そして、次のステップ2312に進む。
【0303】
ステップ2312において、サブCPU301は、ラムクリア報知中であるか否かを判定する。そして、ラムクリア報知中でないと判定した場合、報知制御処理を終了する。一方、ラムクリア報知中であると判定した場合、次のステップ2313に進む。
ステップ2313において、サブCPU301は、音量変更示唆画像AGの表示中であるか否かを判定する。そして、音量変更示唆画像AGの表示中でないと判定した場合、次のステップ2315に進む。一方、音量変更示唆画像AGの表示中であると判定した場合、次のステップ2314に進む。
【0304】
ステップ2314において、サブCPU301は、表示中の音量変更示唆画像AGをクリアし、代わりに、サブRAM303に記憶されている現音量の段階に対応する態様の拡大された音量メーター画像BGを演出表示装置21の表示部21aに表示する。そして、報知制御処理を終了する。
また、上述のステップ2313で音量変更示唆画像AGの表示中でないと判定した場合に進むステップ2315において、サブCPU301は、音量メーター画像BGの表示中であるか否かを判定する。そして、音量メーター画像BGの表示中でないと判定した場合、ステップ2317に進む。一方、音量メーター画像BGの表示中であると判定した場合、次のステップ2316に進む。
【0305】
ステップ2316において、サブCPU301は、表示中の音量メーター画像BGをサブRAM303に記憶されている現音量の段階に対応する態様に更新する。そして、報知制御処理を終了する。
また、上述のステップ2315で音量メーター画像BGの表示中でないと判定した場合に進むステップ2317において、サブCPU301は、サブRAM303に記憶されている現音量の段階に対応する態様の拡大された音量メーター画像BGを演出表示装置21の表示部21aに表示する。そして、報知制御処理を終了する。
【0306】
次に、上述の実施の形態の変形例について説明する。
上述の実施の形態では、テスト状態においてのみ使用される音量設定値「0」、「1」及び「2」が設けられていたが、これに限定されるものではない。たとえば、テスト状態においてのみ使用される音量設定値「0」、「1」及び「2」を設けず、通常状態において使用される音量設定値「3」~「9」のみ設けてもよい。
このようにした場合であっても、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。
【0307】
また、上述の実施の形態では、音量設定切替スイッチ10aの操作により設定される音量設定値、及び、初期音量設定切替スイッチ10bの操作により設定される初期音量設定値に応じて初期音量が定められていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、初期音量設定値(初期音量設定切替スイッチ10b)は設けず、音量設定値(音量設定切替スイッチ10a)のみを設け、音量設定切替スイッチ10aの操作に基づいて設定される音量設定値のみに応じて初期音量が定められるようにしてもよい。具体的には、音量設定切替スイッチ10aの操作により、通常状態において使用される音量設定値「3」~「9」のいずれかを設定可能であり、音量設定値「3」が設定された場合には常に3段階目の音量「46」が初期音量として設定され、音量設定値「4」~「9」が設定された場合には常に1段階目の音量「46」が初期音量として設定されるようにしてもよい。
このようにした場合であっても、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。
また、上述の実施の形態では、十字キー25の操作に基づき複数段階の範囲内において現音量を段階的に変更可能となっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、音量の段階を示す数値を直接入力可能なテンキー等の入力手段を設け、当該入力手段により変更したい音量の段階を示す数値を入力することで、現音量を、段階的な変更を経ずに直接、所望の音量に変更できるようにしてもよい。また、この際には、初期音量を含む複数段階の範囲内のいずれの音量も設定できるようにしてもよい。
このようにした場合であっても、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。
【0308】
また、上述の実施の形態では、音量変更示唆画像AGや拡大された音量メーター画像BGは、演出表示装置21の表示部21aにおける中央に表示されていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、所定の演出中に可動可能な演出役物装置が設けられており、演出役物装置の可動範囲と音量変更示唆画像AGや拡大された音量メーター画像BGの表示位置とが重なる場合には、演出表示装置21の表示部21aのうち演出役物装置の可動範囲と重ならない位置において、音量変更示唆画像AGや拡大された音量メーター画像BGを表示するようにしてもよい。
このようにした場合には、音量変更示唆画像AGや拡大された音量メーター画像BGの表示が演出役物装置によって妨げられるのを防止し、これらの画像を確実に視認可能とすることができる。
また、音量変更示唆画像AGには、音量メーター画像BG及び操作示唆画像CGのみならず、他の画像が含まれるようにしてもよい。たとえば、ランプ23等の光量を変更できるように設定されていた場合には、音量メーター画像BG、操作示唆画像CGに加え、現時点で設定されている光量を示す光量メーター画像や光量を変更するための操作態様を示唆する光量操作示唆画像を含めるようにしてもよい。また、たとえば、演出のカスタマイズができるように設定されていた場合には、その旨を示すカスタマイズ示唆画像を含めるようにしてもよい。
このようにした場合には、音量の変更以外の機能の存在を遊技者に認識させることができる。
【0309】
また、上述の実施の形態では、電源投入中の図柄確定期間においては、十字キー25の押下操作に基づく現音量の変更ができないようになっていたが、現音量の変更ができない期間はこれに限定されるものではない。
たとえば、パチンコ機Pに消費電力を常態よりも減少させる節電モードが設けられている場合には、当該節電モード中においても現音量の変更ができないようにしてもよい。
このようにした場合であっても、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。
【0310】
また、上述の実施の形態では、音量設定値「3」かつ初期音量設定値「B」の設定に応じた初期音量である3段階目の音量と、音量設定値「4」~「9」かつ初期音量設定値「B」の設定に応じた初期音量である1段階目の音量とはいずれも同一の音量「46」となっていたが、同一の音量ではなく、略同一の音量としてもよい。
ここで、略同一の音量とは聴認した際に同一と判断可能な範囲の音量であり、数値の差が1~2程度の音量が略同一の音量となる。具体的には、たとえば、音量設定値「3」かつ初期音量設定値「B」の設定に応じた初期音量である3段階目の音量は「46」、音量設定値「4」~「9」かつ初期音量設定値「B」の設定に応じた初期音量である1段階目の音量は「45」等のようにしてもよい。
このようにした場合であっても、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。
【0311】
また、上述の実施の形態では、現音量の段階を示す画像(本発明の特定画像)として音量メーター画像が採用されていたが、現音量の段階を示す画像はこれに限定されるものではない。たとえば、現音量の段階数を直接示す数値の画像や、現音量の段階が上がるに連れて大きいサイズとなる音符の画像等を採用してもよい。
このようにした場合であっても、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。
【0312】
また、上述の実施の形態では、音量設定切替スイッチ10aの操作により現音量として所定の初期音量が設定された後、音量メーター画像BGが表示されていないときに十字キー25の押下操作が行われると、当該押下操作に基づいて現音量が複数段階の範囲内で変更され、当該押下操作後の現音量の段階に対応する表示態様の音量メーター画像BGが表示されるようになっていたが、現音量の変更や音量メーター画像BGの表示の処理はこれに限定されるものではない。
たとえば、音量設定切替スイッチ10aの操作後、音量メーター画像BGが表示されていないときに1回目の十字キー25の押下操作が行われた場合には、現音量の変更が行われることなく当該現音量に対応する表示態様の音量メーター画像BGの表示のみが行われ、当該音量メーター画像BGの表示中に2回目の十字キー25の押下操作が行われた場合に、当該押下操作に基づいて現音量が複数段階の範囲内で変更され、当該押下操作後の現音量の段階に対応する表示態様の音量メーター画像BGが表示されるようにしてもよい。
すなわち、上述の実施の形態のように、音量設定切替スイッチ10aの操作後、音量メーター画像BGが表示されていないときに十字キー25の押下操作が行われた場合に、現音量の変更及び当該押下操作に基づく音量メーター画像BGの表示が行われるようにしてもよいし、音量設定切替スイッチ10aの操作後、音量メーター画像BGが表示されているときに十字キー25の押下操作が行われた場合に、現音量の変更及び当該押下操作に基づく音量メーター画像BGの表示が行われるようにしてもよい。
このようにした場合であっても、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。
また、ラムクリア報知中に出力される特定音声としては、所定の声色(人間の声等)による音声のみならず、所定のメロディ、機械音、警告音等の音としてもよい。また、ラムクリア報知は、ラムクリア処理の実行開始時から所定期間実行するようにしてもよいし、ラムクリア処理の実行中から所定期間実行するようにしてもよいし、ラムクリア処理の終了時から所定期間実行するようにしてもよい。また、ラムクリア報知は、ラムクリア処理中に終了するようにしてもよいし、ラムクリア処理後に終了するようにしてもよい。
このようにした場合であっても、上述の実施の形態と同様の作用効果を奏することとなる。
【0313】
また、初期音量の設定、現音量の変更、音量メーター画像BGの表示、特定効果音の出力に関する制御内容としては下記のようにしてもよい。
(1)パチンコ機Pを、音量設定切替スイッチ10aの操作により、少なくとも音量設定値「小」を含む複数の音量設定値のいずれかを設定可能であるとともに、当該音量設定値に応じた初期音量を現音量として設定可能であり、十字キー25の押下操作により、音量設定値に応じた複数段階の範囲内で現音量を変更可能に設定する。
そして、初期音量の設定、現音量の変更のいずれもが可能な状態であって音量メーター画像BGが表示されていない場合において、音量設定切替スイッチ10aの操作により音量設定値「小」を設定すると、音量設定値「小」に応じた初期音量が現音量として設定されるものの、音量設定値「小」に応じた初期音量に対応する音量メーター画像BGは表示されない。一方、初期音量の設定、現音量の変更の少なくともいずれか一方が可能な状態であって音量メーター画像BGが表示されている場合において、音量設定切替スイッチ10aの操作により音量設定値「小」を設定すると、音量設定値「小」に応じた初期音量が現音量として設定されるとともに、音量設定値「小」に応じた初期音量に対応する音量メーター画像BGが表示される。
このようにした場合、音量メーター画像BGが表示されていないときには、音量設定切替スイッチ10aが操作されても継続して音量メーター画像BGが表示されず、音量メーター画像BGが表示されているときには、音量設定切替スイッチ10aが操作されると継続して音量メーター画像BGが表示されるため、音量メーター画像BGの表示に関する制御が煩雑となるのを抑制することができる。
【0314】
なお、上記内容からは下記のような技術的特徴が導かれる。
(1-A)所定の音量で音を出力可能な音出力手段(スピーカ10)と、管理者が操作可能な第1操作手段(音量設定切替スイッチ10a)と、遊技者が操作可能な第2操作手段(十字キー25)と、音量に関する特定画像(音量メーター画像BG)を表示可能な表示手段(サブCPU301、演出表示装置21)と、を備え、第1操作手段の操作は、複数の音量の中の初期音量に設定する第1設定を行うものであり、第2操作手段の操作は、複数の音量のいずれかに設定する第2設定を行うものであり、第1設定及び第2設定が可能な状態において、特定画像の非表示中に第1設定が行われた場合、第1設定に基づく特定画像は表示されず、特定画像の表示中に第1設定が行われた場合、第1設定に基づく特定画像が表示されることを特徴とする遊技機(パチンコ機P)。
(1-B)所定の音量で音を出力可能な音出力手段(スピーカ10)と、管理者が操作可能な操作手段(音量設定切替スイッチ10a)と、音量に関する特定画像(音量メーター画像BG)を表示可能な表示手段(サブCPU301、演出表示装置21)と、を備え、操作手段の操作は、複数の音量の中の初期音量に設定する第1設定を行うものであり、第1設定が可能な状態において、特定画像の非表示中に第1設定が行われた場合、第1設定に基づく特定画像は表示されず、特定画像の表示中に第1設定が行われた場合、第1設定に基づく特定画像が表示されることを特徴とする遊技機(パチンコ機P)。
【0315】
(2)パチンコ機Pを、音量設定切替スイッチ10aの操作により、少なくとも音量設定値「中」を含む複数の音量設定値のいずれかを設定可能であるとともに、当該音量設定値に応じた初期音量を現音量として設定可能であり、十字キー25の押下操作により、音量設定値に応じた複数段階の範囲内で現音量を変更可能に設定する。
そして、初期音量の設定、現音量の変更のいずれもが可能な状態であって音量メーター画像BGが表示されていない場合において、音量設定切替スイッチ10aの操作により音量設定値「中」を設定すると、音量設定値「中」に応じた初期音量が現音量として設定されるとともに、音量設定値「中」に応じた初期音量に対応する音量メーター画像BGが表示される。また、初期音量の設定、現音量の変更の少なくともいずれか一方が可能な状態であって音量メーター画像BGが表示されている場合において、音量設定切替スイッチ10aの操作により音量設定値「中」を設定すると、音量設定値「中」に応じた初期音量が現音量として設定されるとともに、音量設定値「中」に応じた初期音量に対応する音量メーター画像BGが表示される。
このようにした場合には、音量メーター画像BGの表示の有無にかかわらず、音量設定切替スイッチ10aが操作されると必ず音量メーター画像BGが表示されるため、音量メーター画像BGの表示に関する制御が煩雑となるのを抑制することができる。
【0316】
なお、上記内容からは下記のような技術的特徴が導かれる。
(2-A)所定の音量で音を出力可能な音出力手段(スピーカ10)と、管理者が操作可能な第1操作手段(音量設定切替スイッチ10a)と、遊技者が操作可能な第2操作手段(十字キー25)と、音量に関する特定画像(音量メーター画像BG)を表示可能な表示手段(サブCPU301、演出表示装置21)と、を備え、第1操作手段の操作は、複数の音量の中の初期音量に設定する第1設定を行うものであり、第2操作手段の操作は、複数の音量のいずれかに設定する第2設定を行うものであり、第1設定及び第2設定が可能な状態において、特定画像の非表示中に第1設定が行われた場合、第1設定に基づく特定画像が表示され、特定画像の表示中に第1設定が行われた場合にも、第1設定に基づく特定画像が表示されることを特徴とする遊技機(パチンコ機P)。
(2-B)所定の音量で音を出力可能な音出力手段(スピーカ10)と、管理者が操作可能な操作手段(音量設定切替スイッチ10a)と、音量に関する特定画像(音量メーター画像BG)を表示可能な表示手段(サブCPU301、演出表示装置21)と、を備え、操作手段の操作は、複数の音量の中の初期音量に設定する第1設定を行うものであり、第1設定が可能な状態において、特定画像の非表示中に第1設定が行われた場合、第1設定に基づく特定画像が表示され、特定画像の表示中に第1設定が行われた場合にも、第1設定に基づく特定画像が表示されることを特徴とする遊技機(パチンコ機P)。
【0317】
(3)パチンコ機Pを、音量設定切替スイッチ10aの操作により複数の音量設定値のいずれかを設定可能であるとともに、当該音量設定値に応じた初期音量を現音量として設定可能であり、十字キー25の押下操作により、音量設定値に応じた複数段階の範囲内で現音量を変更可能に設定する。また、ラムクリア報知中に特定音声を出力可能に設定する。
そして、ラムクリア報知中(特定音声の出力中)に十字キー25の押下操作が行われると、複数段階の範囲内で現音量が変更される。また、これに伴って、当該押下操作後の現音量に対応する態様で音量メーター画像BGが表示されるものの、当該現音量に対応する特定効果音は出力されない。
一方、ラムクリア報知中(特定音声の出力中)に音量設定切替スイッチ10aが操作されると、現音量として当該操作後の音量設定値に応じた初期音量が設定される。また、これに伴って、当該操作後の現音量に対応する態様で音量メーター画像BGが表示されるものの、当該現音量に対応する特定効果音は出力されない。
このようにした場合には、音量設定切替スイッチ10aが操作された場合、及び、十字キー25が押下操作された場合のいずれも音量メーター画像BGが表示されるため、音量メーター画像BGの表示に関する制御が煩雑となるのを抑制することができる。
【0318】
なお、上記内容からは下記のような技術的特徴が導かれる。
(3-A)所定の音量で音を出力可能な音出力手段(スピーカ10)と、管理者が操作可能な第1操作手段(音量設定切替スイッチ10a)と、遊技者が操作可能な第2操作手段(十字キー25)と、音量に関する特定画像(音量メーター画像BG)を表示可能な表示手段(サブCPU301、演出表示装置21)と、を備え、第1操作手段の操作は、複数の音量の中の初期音量に設定する第1設定を行うものであり、第2操作手段の操作は、複数の音量のいずれかに設定する第2設定を行うものであり、RAMクリア処理の実行に基づく特定音声を出力可能な遊技機(パチンコ機P)であって、特定音声の出力中に第1操作手段が操作された場合、第1設定及び第1設定に基づく特定画像の表示が行われるものの、第1設定に基づく特定効果音の出力は行われず、特定音声の出力中に第2操作手段が操作された場合、第2設定及び第2設定に基づく特定画像の表示が行われるものの、第2設定に基づく特定効果音の出力は行われないことを特徴とする。
【0319】
(4)パチンコ機Pを、音量設定切替スイッチ10aの操作により複数の音量設定値のいずれかを設定可能であるとともに、当該音量設定値に応じた初期音量を現音量として設定可能であり、十字キー25の押下操作により、音量設定値に応じた複数段階の範囲内で現音量を変更可能に設定する。また、ラムクリア報知中に特定音声を出力可能に設定する。
そして、ラムクリア報知中(特定音声の出力中)に十字キー25の押下操作が行われても現音量は変更されない。また、現音量に対応する態様による音量メーター画像BGは表示されず、当該現音量に対応する特定効果音も出力されない。
一方、ラムクリア報知中(特定音声の出力中)に音量設定切替スイッチ10aが操作されると、現音量として当該操作後の音量設定値に応じた初期音量が設定されるものの、当該操作後の現音量に対応する態様で音量メーター画像BGは表示されず、当該現音量に対応する特定効果音は出力されない。
このようにした場合には、ラムクリア報知中における各種制御が煩雑となるのを抑制することができる。
【0320】
なお、上記内容からは下記のような技術的特徴が導かれる。
(4-A)所定の音量で音を出力可能な音出力手段(スピーカ10)と、管理者が操作可能な第1操作手段(音量設定切替スイッチ10a)と、遊技者が操作可能な第2操作手段(十字キー25)と、音量に関する特定画像(音量メーター画像BG)を表示可能な表示手段(サブCPU301、演出表示装置21)と、を備え、第1操作手段の操作は、複数の音量の中の初期音量に設定する第1設定を行うものであり、第2操作手段の操作は、複数の音量のいずれかに設定する第2設定を行うものであり、RAMクリア処理の実行に基づく特定音声を出力可能な遊技機(パチンコ機P)であって、特定音声の出力中に第1操作手段が操作された場合、第1設定が行われるものの、第1設定に基づく特定画像の表示及び第1設定に基づく特定効果音の出力は行われず、特定音声の出力中に第2操作手段が操作された場合、第2設定、第2設定に基づく特定画像の表示及び第2設定に基づく特定効果音の出力のいずれも行われないことを特徴とする。
【0321】
(5)パチンコ機Pを、音量設定切替スイッチ10aの操作により「大」、「中」又は「小」の音量設定値のいずれかを設定可能であるとともに、当該音量設定値に応じた初期音量を現音量として設定可能である。
初期音量の設定が可能な状態において、音量設定切替スイッチ10aの操作により音量設定値「大」を設定すると、音量設定値「大」に応じた初期音量が現音量として設定されるとともに、音量設定値「大」に応じた初期音量に対応する態様MP5の音量メーター画像BGが表示される。また、音量設定切替スイッチ10aの操作により音量設定値「中」を設定すると、音量設定値「中」に応じた初期音量が現音量として設定されるとともに、音量設定値「中」に応じた初期音量に対応する態様MP1の音量メーター画像BGが表示される。また、音量設定切替スイッチ10aの操作により音量設定値「小」を設定すると、音量設定値「小」に応じた初期音量が現音量として設定されるとともに、音量設定値「小」に応じた初期音量に対応する態様MP4の音量メーター画像BGが表示される。
そして、音量設定値「大」に応じた初期音量は音量設定値「中」に応じた初期音量よりも大きく、音量設定値「中」に応じた初期音量は音量設定値「小」に応じた初期音量と略同一となっている。
このようにした場合には、音量設定切替スイッチ10aにより音量設定値が「中」と「小」との間で切り替えられたとき、出力中の音声について急激に音量が増加して遊技者に驚きを与えてしまうような事態を防止することができる。
【0322】
また、上述の実施の形態における扉枠3aやレール13a、13bの構造は下記のようにしてもよい。
【0323】
扉枠3aには、開口部を覆いかつ前後に配置された2枚の透明板4a、4bが設けられている(図55参照)。また、この扉枠3aには、上述の実施の形態と同様の構成部品(上皿6、受皿7、操作ハンドル5、スピーカ等)が設けられている他、扉枠3aの上部(前扉3の上部)には、たとえば、パチンコ機Pのタイトルロゴやモチーフ等を模した立体物等、所定形状の意匠を構成する装飾部610が設けられている(図51参照)。
【0324】
装飾部610は、扉枠3aの上部から正面側に張り出した側断面視略台形の庇状部材であり、大別して、装飾部610の正面を構成する正面板611と、装飾部610の上面を構成する天板612と、装飾部610の下面を構成する底板613とから構成されている(図51参照)。
また、底板613は、最も背面側に位置し正面側の端部近傍において下方に向けて凸となるように湾曲した曲面613aと、曲面613aにおける正面側の端部から下方に立設する立設面613bと、立設面613bの下端から正面方向へ向けて次第に低くなるように傾斜する傾斜面613cと、傾斜面613cの正面側の端部において正面板611と連接する水平面613dとから構成されている(図51参照)。この底板613は、曲面613a、立設面613b、傾斜面613c、水平面613dの順に、正面方向へ向けて次第に高さ位置が概ね低くなるように形成されている(図51参照)。
【0325】
遊技盤11は、正面視略矩形の板状部材であり(図52図55参照)、上述の如く、遊技盤11の盤面には、一対のレール13a、13bが設けられている。そして、このレール13a、13bによって略円形状に仕切られた領域が遊技領域12となる。
なお、以下では、レール13a、13bのうち外側に位置するレール13a(遊技盤11の外周に近い方のレール)を外レール13aともいうものとし、内側に位置するレール13b(遊技盤11の外周から遠い方のレール)を内レール13bともいうものとする。
【0326】
外レール13aは、遊技球の直径よりも大きい幅を有する長尺の金属製薄板状部材であり、遊技盤11の盤面に設置されるレールベース620のベース面621上に沿って取り付けられる(支持される)ようになっている(図52参照)。
ここで、レールベース620は、正面視略C字型の板状部材であって、遊技盤11の盤面に設置された際に右下方に向けて開口し、かつ遊技領域12(遊技盤11)の略中央部分を中心とする円弧状(すなわち、左方に向けて凸となる円弧状)となるように切り欠かれたものである。そして、この切り欠きにより形成された切り欠き面がベース面621となる(図52参照)。
また、レールベース620を遊技盤11の盤面に設置すると、上述のベース面621は、遊技領域12の左下部(第1遊技領域12aの左下部)に位置しアウト口19から左方に離れた始端位置P1から、遊技盤11の左端部P2及び上端部P3を経て、遊技領域12の右上部(第2遊技領域12bの右上部)に位置する終端位置P4まで至るようになっている(図52図55参照)。
【0327】
また、特に図示していないが、ベース面621の終端位置P4近傍における短手方向の略中央の位置(レールベース620を遊技盤11の盤面に設置した際に、ベース面621における遊技盤11側に位置する円弧状長辺L1(以下、後方長辺L1ともいう)から正面側に位置する円弧状長辺L2(以下、前方長辺L2ともいう)までの長さの略半分の位置(以下、中央位置ともいう))には、横長長方形スリット状の終端案内嵌合孔622が設けられている。
【0328】
さらに、ベース面621における始端位置P1から終端位置P4までの間には、後方長辺L1に沿って、ベース面621から突出する案内突起623が複数設けられている(図52参照)。
また、特に図示していないが、上述のベース面621に設けられている案内突起623の数は、始端位置P1から左端部P2までの範囲H1(以下、第1の範囲H1ともいう)においては、左端部P2から上端部P3までの範囲H2(以下、第2の範囲H2ともいう)以上であり、かつ、上端部P3から終端位置P4までの範囲H3(以下、第3の範囲H3ともいう)以上となっている。具体的には、第1の範囲H1には、たとえば3個の案内突起623を設け、第2の範囲H2には、たとえば2個の案内突起623を設け、第3の範囲H3には、たとえば1個の案内突起623を設けることができる。
また、特に図示していないが、上述のベース面621における左端部P2及び上端部P3には、案内突起623が設けられておらず、ベース面621に設けられた各案内突起623の配置間隔は不均等となっている。
【0329】
そして、上述のベース面621に取り付けられる外レール13aは、ベース面621とほぼ同一の大きさとなっている。具体的には、外レール13aの長手方向の長さは、ベース面621の始端位置P1から終端位置P4までの長さとほぼ同一となっており、外レール13aの短手方向の長さ(外レール13aの幅)は、ベース面621の前方長辺L2から後方長辺L1までの長さ(ベース面621の奥行方向の幅)とほぼ同一となっている(図52参照)。したがって、外レール13aをベース面621に取り付けると、この外レール13aも、始端位置P1から、左端部P2及び上端部P3を経て、終端位置P4まで至ることとなる(図52図55参照)。
【0330】
また、外レール13aには、当該外レール13aをベース面621上に沿って取り付ける際に上述の終端案内嵌合孔622と対応する位置に、当該終端案内嵌合孔622に嵌合可能な終端案内突起632が設けられており、また、上述の案内突起623と対応する位置に、当該案内突起623を嵌合可能な案内嵌合孔633が設けられている(図52図53参照)。
すなわち、この外レール13aに設けられている案内嵌合孔633の数は、上述の案内突起623と同様に、第1の範囲H1においては、第2の範囲H2以上であり、かつ、第3の範囲H3以上となっている。
また、上述の案内突起623と同様に、外レール13aの左端部P2及び上端部P3には、案内嵌合孔633が設けられておらず、外レール13aに設けられた各案内嵌合孔633の配置間隔は不均等となっている。
【0331】
そして、終端案内突起632を終端案内嵌合孔622に嵌め合わせるとともに、各案内突起623を対応する案内嵌合孔633に嵌め合わせることにより(図54参照)、外レール13aをベース面621に取り付けることができる。すなわち、ベース面621に設けられた終端案内嵌合孔622及び案内突起623、並びに、外レール13aに設けられた終端案内突起632及び案内嵌合孔633は、外レール13aをベース面621に取り付ける際の取り付け位置を案内するためのものであり、これらの構成により、外レール13aをベース面621の適切な位置に容易に取り付けることができる。
【0332】
内レール13bは、外レール13aとほぼ同一の幅を有する長尺の合成樹脂製薄板状部材であり、外レール13aと遊技球の直径よりも大きな隙間を隔てて対峙するように遊技盤11の盤面に立設され(図55参照)、アウト口19のやや左側(始端位置P1よりも右側)の位置から、遊技領域12の左上部(第1遊技領域12aの左上部)であって上端部P3よりも左下方となる位置にかけて、左方に凸となる円弧状に配置されている(図55参照)。
【0333】
そして、外レール13aと内レール13bとで挟まれた空間部分の前面が透明板4bの背面と対向することにより、発射装置により発射された遊技球が通過可能な左部誘導通路640が形成されている(図55参照)。
この左部誘導通路640は、遊技領域12の下部に位置する通路入口641と、遊技領域12の上部に位置する通路出口642とを備えており、発射装置により発射された遊技球は、通路入口641、左部誘導通路640内及び通路出口642を経て、遊技領域12に到達可能となっている。
また、上述の如く、左部誘導通路640を形成する外レール13a及び内レール13bは、左方に向けて凸となる円弧状となっているため、遊技球は、自身に発生する遠心力によって外レール13aの表面643(内レール13bと対峙する面)に接触した状態で、左部誘導通路640内を移動しやすくなっている(図54参照)。特に、少なくとも遊技領域12に到達可能な発射強度で発射された遊技球については、外レール13aの表面643に接触した状態を維持しながら左部誘導通路640内を移動する。
【0334】
ここで、左部誘導通路640を遊技球が通過する際、外レール13aにおける、遊技球の接点からベース面621の後方長辺L1と対峙する端辺R1までの範囲は遊技球が接触することはない。そして、上述の案内嵌合孔633はいずれも、この範囲内において後方長辺L1に沿って設けられている(図54参照)。すなわち、上述の案内嵌合孔633は、外レール13aにおける遊技球が接触しない範囲に設けられるようになっている。
【0335】
また、特に図示していないが、外レール13aは、左部誘導通路640を通過する遊技球が正面側(透明板4a、4b側)へ移動し難くなるような傾き(遊技球が遊技盤11側へ移動し易くなるような傾き)に調整されている。すなわち、外レール13aは、遊技球が外レール13aの表面643及び遊技盤11の盤面に接触した状態で左部誘導通路640内を移動しやすいように構成されている。
【0336】
また、遊技領域12の上部には、外レール13aの表面643と遊技球の直径よりも大きな隙間を隔てて対峙する天面651を備えた飾り部材650が、遊技盤11の盤面から立設されている(図55参照)。そして、外レール13aの表面643と飾り部材650の天面651とで挟まれた空間部分の前面が透明板4bの背面と対向することにより、遊技球が通過可能な上部誘導通路660が形成されている(図55参照)。
この上部誘導通路660は、第1遊技領域12aの上部に位置する通路入口661と、第2遊技領域12bの上部に位置する通路出口662とを備えており、所定以上の発射強度で発射された遊技球は、左部誘導通路640、通路入口661、上部誘導通路660内及び通路出口662を経て、第2遊技領域12bに到達可能となっている。すなわち、上部誘導通路660は、所定以上の発射強度で発射された遊技球を、第2遊技領域12bに案内するものである。
また、遊技球は、自身に発生する遠心力によって外レール13aの表面643に接触した状態で、上部誘導通路660内を移動しやすくなっている。特に少なくとも第2遊技領域12bに到達可能な発射強度で発射された遊技球については、外レール13aの表面643に接触した状態を維持しながら上部誘導通路660内を移動する。
【0337】
ここで、上述の装飾部610と上部誘導通路660(外レール13aの表面643、飾り部材650の天面651)との位置関係については、下記のように設定されている。
【0338】
具体的には、上部誘導通路660を構成する外レール13aの表面643における最上端を通り、遊技盤11の盤面に対して直交する仮想線を第1基準線SL1とし、この第1基準線SL1と直交し上下方向に延びる仮想鉛直線ILのいずれかが、装飾部610の底板613(下面)における最後端と交わる位置を第1基準位置SP1とし、上述の仮想鉛直線ILのいずれかが、装飾部610の底板613(下面)における最下端と交わる位置を第2基準位置SP2とする。
そして、第1基準位置SP1は第1基準線SL1よりも下方に位置し、かつ第1基準線SL1から第1基準位置SP1までの距離D1が遊技球の直径以下であり、第2基準位置SP2は第1基準線SL1よりも下方に位置し、かつ第1基準線SL1からの距離D2が遊技球の直径以上であるように設定されている(図51参照)。
遊技球の直径は11mmであることから、たとえば、第1基準線SL1から第1基準位置SP1までの距離D1は4mmとすることができ、第1基準線SL1から第2基準位置SP2までの距離D2は40mmとすることができる。なお、これら各距離D1、D2は上述の値に限定されるものではなく、上述の関係を満たしていれば任意に設定することができる。
【0339】
また、飾り部材650の天面651における、上述の外レール13aの表面643の最上端の直下に対応する位置を通り、遊技盤11の盤面に対して直交する仮想線を第2基準線SL2とし、この第2基準線SL2と直交し上下方向に延びる仮想鉛直線のいずれかが、装飾部610の底板613(下面)における最後端と交わる位置を第3基準位置SP3とし、上述の仮想鉛直線のいずれかが、装飾部610の底板613(下面)における最下端と交わる位置を第4基準位置SP4とする。なおここでは、上述の第1基準位置SP1と第3基準位置SP3とは同一の位置となり、上述の第2基準位置SP2と第4基準位置SP4とは同一の位置となる。
そして、第3基準位置SP3(第1基準位置SP1)は第2基準線SL2よりも上方に位置し、かつ第2基準線SL2から第3基準位置SP3までの距離D3が遊技球の半径以上であり、第4基準位置SP4(第2基準位置SP2)は第2基準線SL2よりも下方に位置し、かつ第2基準線SL2から第4基準位置SP4までの距離D4が遊技球の直径以上であるように設定されている(図51参照)。
遊技球の直径は11mmであることから、たとえば、第2基準線SL2から第3基準位置SP3(第1基準位置SP1)までの距離D3は14mmとすることができ、第2基準線SL2から第4基準位置SP4(第2基準位置SP2)までの距離D4は22mmとすることができる。なお、これら各距離D3、D4は上述の値に限定されるものではなく、上述の関係を満たしていれば任意に設定することができる。
【0340】
以上のように、第2基準位置SP2は第1基準線SL1よりも下方であって、第1基準線SL1からの距離D2を遊技球の直径以上としたことで、前扉3に設ける装飾部610を大型化することができる。さらに、第1基準位置SP1は第1基準線SL1よりも下方であって、第1基準線SL1からの距離D1を遊技球の直径以下としたことで、上述のように装飾部610を大型化しつつも、たとえば、最大の発射強度で遊技球が打ち出される等、遊技球が外レール13aの表面643に沿って上部誘導通路660内を移動する場合に、当該移動する遊技球の視認性を確保することができる。
また、第4基準位置SP4(第2基準位置SP2)は第2基準線SL2よりも下方であって、第2基準線SL2からの距離D4を遊技球の直径以上としたことで、前扉3に設ける装飾部610を大型化することができる。さらに、第3基準位置SP3(第1基準位置SP1)は第2基準線SL2よりも上方であって、第2基準線SL2からの距離D3を遊技球の半径以上としたことで、上述のように装飾部610を大型化しつつも、たとえば、最大の発射強度よりも弱い強度で遊技球が打ち出される等、遊技球が飾り部材650の天面651に沿って上部誘導通路660内を移動する場合に、当該移動する遊技球の視認性を確保することができる。
また、上述の実施の形態や他の実施の形態は、大当たり及び特別遊技の実行を経由せずに(時短発動回数カウンタの時短発動回数への到達や、時短遊技状態を設定する旨が定められた特別図柄(ハズレ図柄、小当たり図柄、時短図柄等)の決定等)時短遊技状態へ移行するようにしてもよい。そして、このように従来よりも時短遊技状態への移行機会が多いパチンコ機では、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す機会が多くなる。これにより、上部誘導通路660内を遊技球が通過する機会も多くなるため、上述のように構成することは極めて効果的である。
【0341】
なお、上述の第1基準線SL1との位置関係、及び、上述の第2基準線SLとの位置関係については両方とも満たすように設定してもよいし、いずれか一方のみを満たすように設定してもよい。
また、上部誘導通路660の内面のうち、下側(内側)に位置する内面は、飾り部材650の天面651により構成されていたが、これに限定されるものではなく、遊技盤11から立設する仕切り部材の天面等により構成してもよい。
【0342】
また、以上のように、外レール13a(ベース面621)に設けられる案内嵌合孔633(案内突起623)の数を、第1の範囲H1においては、第2の範囲H2以上であり、かつ、第3の範囲H3以上としたことで、外レール13aのうち、発射された遊技球から受ける衝撃が大きい(すなわち、発射装置から近い)始端位置P1側については、レールベース620のベース面621に確実に取り付けることができ、外レール13aが取り付け位置からずれる、振動する等により、遊技球を発射強度通りの位置まで案内できず、設計値通りに出玉を発生させることができないといった事態を防止することができる。
特に、上述のような従来よりも時短遊技状態への移行機会が多いパチンコ機では、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す機会が多くなる。これにより、第2遊技領域12bへ遊技球が到達可能な発射強度(たとえば、最も強い発射強度等)で遊技球を打ち出す期間が長くなり、上述の始端位置P1側において遊技球から受ける衝撃の影響も大きくなるため、上述のように構成することは極めて効果的である。
また、外レール13aのうち、発射された遊技球から受ける衝撃が小さい(すなわち、発射装置から遠い)終端位置P4側については、案内嵌合孔633の数が相対的に少ないことから、レールベース620のベース面621への取り付けや外レール13aの加工が容易となる。
さらに、外レール13a(ベース面621)の左端部P2においては、発射された遊技球に基づく左方向への衝撃力が最も大きくなり、また、外レール13a(ベース面621)の上端部P3においては、発射された遊技球に基づく上方向への衝撃力が最も大きくなるところ、これらの位置には案内嵌合孔633(案内突起623)を設けないようにしたことから、上述の外レール13aのずれや振動をより効率的に防止することができる。
また、上述のような従来よりも時短遊技状態への移行機会が多く設けられているパチンコ機では、必然的に長時間に亘ってパチンコ機が稼働し、外レール13aの不具合や劣化等が生じやすくなり、当該外レール13aの修理や交換を行う機会が増えることとなるが、上述のように構成したことで、外レール13aの修理や交換等の作業時は、作業者の習熟度によることなく、遊技球の誘導に影響を及ぼさないような適切な外レール13aの取り付けが容易となる。
【0343】
なお、上述の案内嵌合孔633(案内突起623)は、外レール13a(ベース面621)の始端位置P1から終端位置P4までの範囲に亘って設けるところ、外レール13aにおいて、発射された遊技球からの衝撃を受けやすく負荷のかかりやすい範囲は、遊技仕様によって異なるものであることから、案内嵌合孔633(案内突起623)を、始端位置P1から終端位置P4までの均等に配置するのは望ましくなく、遊技仕様ごとの配置とするのが望ましい。そのため、外レール13a(ベース面621)に設けられる案内嵌合孔633(案内突起623)の数や配置については、下記のように種々の態様としてもよい。
たとえば、外レール13a(ベース面621)に設けられる案内嵌合孔633(案内突起623)の数は、第1の範囲H1の方が第2の範囲H2よりも多く、かつ、第2の範囲H2の方が第3の範囲H3よりも多くなるようにしてもよい。
また、外レール13a(ベース面621)に設けられる案内嵌合孔633(案内突起623)の数は、第1の範囲H1においては第2の範囲H2以上であり、かつ、第2の範囲H2においては第3の範囲H3以上であるようにしてもよい。
また、外レール13a(ベース面621)に設けられる案内嵌合孔633(案内突起623)の数は、第1の範囲H1においては第3の範囲H3以上であり、かつ、第2の範囲H2においては第3の範囲H3以上であるようにしてもよい。
また、第3の範囲H3には、案内嵌合孔633(案内突起623)を設けないようにしてもよい。すなわち、第3の範囲H3の案内嵌合孔633(案内突起623)の数は0としてもよい。
【0344】
また、外レール13a(ベース面621)において、始端位置P1から左端部P2までの範囲を第4の範囲H4とし、左端部P2から終端位置P4までの範囲を第5の範囲H5とし、外レール13a(ベース面621)に設けられる案内嵌合孔633(案内突起623)の数は、第4の範囲H4の方が第5の範囲H5よりも多くなるようにしてもよい。たとえば、第4の範囲H4における案内嵌合孔633(案内突起623)の数を3個、第5の範囲H4における案内嵌合孔633(案内突起623)の数を2個としてもよい。
【0345】
また、外レール13a(ベース面621)において、始端位置P1から上端部P3までの範囲を第6の範囲H6とし、上端部P3から終端位置P4までの範囲を第7の範囲H7とし、外レール13a(ベース面621)に設けられる案内嵌合孔633(案内突起623)の数は、第6の範囲H6の方が第7の範囲H7よりも多くなるようにしてもよい。たとえば、第6の範囲H6における案内嵌合孔633(案内突起623)の数を5個、第5の範囲H4における案内嵌合孔633(案内突起623)の数を0個としてもよい。
【0346】
また、外レール13a(ベース面621)において、始端位置P1から終端位置P4までの中間の位置を中間位置PCとするとともに、始端位置P1から中間位置PCまでの範囲を第8の範囲H8とし、中間位置PCから終端位置P4までの範囲を第9の範囲H9とし、外レール13a(ベース面621)に設けられる案内嵌合孔633(案内突起623)の数は、第8の範囲H8の方が第9の範囲H9よりも多くなるようにしてもよい。たとえば、第8の範囲H8における案内嵌合孔633(案内突起623)の数を4個、第9の範囲H9における案内嵌合孔633(案内突起623)の数を1個としてもよい。
以上のようにした場合であっても、上述と同様の作用効果を奏することとなる。
【0347】
また、外レール13aに案内嵌合孔633が設けられ、レールベース620のベース面621に案内突起623が設けられていたが、これに限定されるものではなく、外レール13aに案内突起623を設け、レールベース620のベース面621に案内嵌合孔633を設けてもよい。同様に、外レール13aに終端案内嵌合孔622を設け、レールベース620のベース面621に終端案内突起632を設けてもよい。
【0348】
また、外レール13aをレールベース620のベース面621に案内して取り付けるための構成は、案内突起623及び案内嵌合孔633に限定されるものではなく、取り付けピン及び当該取り付けピンを挿入可能な挿入孔としてもよいし、案内突起及び当該案内突起を係止可能な切り欠きとしてもよい。
【0349】
また、レールベース620は、遊技盤11と別体となっていたが、これに限定されるものではなく、遊技盤11と一体成型され、遊技盤11の盤面から立設されるようにしてもよい。
【0350】
なお、上述の変形例は、可能な範囲で互いに組み合わせて構成することもできる。
また、上述の実施の形態は、パチンコ機P以外の遊技機に応用することもできる。たとえば、遊技媒体として遊技メダルを用いて遊技を行わせるスロットマシンや、遊技球を用いてスロットマシンと同様の遊技を行わせるパロット(登録商標)遊技機等に適用してもよい。
また、上述の実施の形態におけるスピーカ10は、本発明の音出力手段に相当する。また、上述の実施の形態における音量設定切替スイッチ10aは、本発明の第1操作手段に相当する。また、上述の実施の形態における十字キー25は、本発明の第2操作手段に相当する。また、上述の実施の形態における音量メーター画像は、本発明の音量に関する特定画像に相当する。また、上述の実施の形態におけるサブCPU301及び演出表示装置21は、本発明の表示手段に相当する。また、上述の実施の形態における音量設定値「3」~「9」に定められた1段階目の音量「46」は、本発明の初期音量に相当する。
また、上述の実施の形態におけるパチンコ機Pは、本発明の遊技機に相当する。また、上述の実施の形態における音量設定値「3」~「9」の1段階目の音量に応じた態様MP1による音量メーター画像は、本発明の第1設定に基づく特定画像に相当する。また、上述の実施の形態における音量設定値「3」~「9」の2段階目の音量に応じた態様MP2による音量画像は、本発明の第2設定に基づく特定画像に相当する。
【符号の説明】
【0351】
P パチンコ機
10 スピーカ
21 演出表示装置
25 十字キー
100 主制御基板
101 メインCPU
102 メインROM
103 メインRAM
300 副制御基板
301 サブCPU
302 サブROM
303 サブRAM
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