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  • 特許-光コネクタ取付構造 図1
  • 特許-光コネクタ取付構造 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】光コネクタ取付構造
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/36 20060101AFI20221221BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
G02B6/36
G02B6/02 431
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020199285
(22)【出願日】2020-12-01
(65)【公開番号】P2022087378
(43)【公開日】2022-06-13
【審査請求日】2021-12-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000003263
【氏名又は名称】三菱電線工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八若 正義
(72)【発明者】
【氏名】大泉 晴郎
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 茂
(72)【発明者】
【氏名】石田 智彦
【審査官】井部 紗代子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-223897(JP,A)
【文献】特開2015-163932(JP,A)
【文献】特表2019-504352(JP,A)
【文献】特開2018-180106(JP,A)
【文献】米国特許第05668904(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/00
G02B 6/02
G02B 6/24 - 6/27
G02B 6/30 - 6/34
G02B 6/36 - 6/43
G02B 6/46 - 6/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
裸ファイバ及びそれを被覆するジャケットを有する光ファイバと、
前記光ファイバの端部を覆うように設けられた筒状の光コネクタと、
を備えた光コネクタ取付構造であって、
前記光ファイバの端部は、前記光コネクタ内において、前記ジャケットで被覆されずに前記裸ファイバが露出した先端側の裸ファイバ露出部分と、その後方側の前記ジャケットで被覆されたジャケット被覆部分とを含み、
前記光コネクタは、その内周に、断続することなく、全周に渡って連続するようにねじ切りされた雌ねじで構成されたファイバ取付部が設けられているとともに、前記ファイバ取付部が、前記光ファイバの端部の前記ジャケット被覆部分における先端から所定長の外周面に噛み込むことにより、前記光ファイバに取り付けられている光コネクタ取付構造。
【請求項2】
請求項1に記載された光コネクタ取付構造において、
前記光コネクタには、前記ファイバ取付部を囲うように冷媒流路が形成されている光コネクタ取付構造。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された光コネクタ取付構造において、
前記光コネクタは、筒状のコネクタ本体と、前記コネクタ本体に内嵌めされ前記ファイバ取付部が設けられたファイバ取付部材とを有する光コネクタ取付構造。
【請求項4】
請求項3に記載された光コネクタ取付構造において、
前記ファイバ取付部材から先端側に前記裸ファイバ露出部分が延びているとともに、前記ファイバ取付部材から先端側に延びる前記裸ファイバ露出部分の外周面にクラッドモードストリッパが設けられており、且つ前記裸ファイバ露出部分の前記クラッドモードストリッパが設けられた部分が前記コネクタ本体内の裸ファイバ収容部に収容されている光コネクタ取付構造。
【請求項5】
請求項4に記載された光コネクタ取付構造において、
前記ファイバ取付部材が前記コネクタ本体内の前記裸ファイバ収容部側に突出した形状に形成されている光コネクタ取付構造。
【請求項6】
請求項4又は5に記載された光コネクタ取付構造において、
前記ファイバ取付部材における前記コネクタ本体内の前記裸ファイバ収容部に臨む先端面に金メッキが施されている光コネクタ取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光コネクタ取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
光コネクタが光ファイバの端部に取り付けられた光コネクタ取付構造が知られている。例えば、特許文献1に開示された光コネクタ取付構造では、光ファイバの端部に、ジャケットが剥離されて裸ファイバが露出した先端側の裸ファイバ露出部分と、その後方側のジャケットで被覆されたジャケット被覆部分とが設けられ、裸ファイバ露出部分の外周面にクラッドモードストリッパが形成されている。そして、ジャケット被覆部分に筒状の固定部材が装着され、それらが光コネクタのコネクタ本体に挿入されて固定部材が内嵌めされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-74599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高出力レーザ加工装置の光ファイバケーブルの両端部において、特許文献1に開示されたような光コネクタ取付構造が構成されていれば、仮に、入射側の端部で光源からのレーザ光が、また、出射側の端部で被加工物で反射したレーザ光の戻り光が、それぞれ光ファイバのクラッドに入力されたとしても、通常は、それらが裸ファイバ露出部分の外周面のクラッドモードストリッパにおいて外部に除去される。
【0005】
ところが、クラッドモードストリッパで除去されなかった残存成分が伝播してジャケット被覆部分まで到達すると、それが空気よりも屈折率が高いジャケットに抜け、ジャケットの発熱や焼損を生じさせる虞がある。そのため、ジャケット被覆部分のジャケット、とりわけ残存成分による影響を最も大きく受けるジャケットの先端を光コネクタに接触させて冷却することが重要となる。
【0006】
ところが、ジャケット被覆部分のジャケットの先端が、光コネクタの光ファイバへの取付位置ずれ等のために、光コネクタとの接触部分から外れてしまうと、効果的にジャケットの先端の冷却を行うことができないという問題がある。
【0007】
本発明の課題は、ジャケット被覆部分のジャケットの先端を効果的に冷却することができる光コネクタ取付構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、裸ファイバ及びそれを被覆するジャケットを有する光ファイバと、前記光ファイバの端部を覆うように設けられた筒状の光コネクタとを備えた光コネクタ取付構造であって、前記光ファイバの端部は、前記光コネクタ内において、前記ジャケットで被覆されずに前記裸ファイバが露出した先端側の裸ファイバ露出部分と、その後方側の前記ジャケットで被覆されたジャケット被覆部分とを含み、前記光コネクタは、その内周に、断続することなく、全周に渡って連続するようにねじ切りされた雌ねじで構成されたファイバ取付部が設けられているとともに、前記ファイバ取付部が、前記光ファイバの端部の前記ジャケット被覆部分における先端から所定長の外周面に噛み込むことにより、前記光ファイバに取り付けられている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、光コネクタの内周に設けられた雌ねじで構成されたファイバ取付部が、光ファイバの端部のジャケット被覆部分における先端から所定長の外周面に噛み込むことにより、光コネクタが光ファイバに取り付けられているので、ジャケット被覆部分のジャケットの先端が確実に光コネクタに接触することとなり、その結果、ジャケット被覆部分のジャケットの先端を効果的に冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る光コネクタ取付構造の縦断面図である。
図2図1におけるII-II断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
図1及び2は、実施形態に係る光コネクタ取付構造Cを示す。
【0013】
実施形態に係る光コネクタ取付構造Cは、例えばレーザ加工機等のレーザ光伝送用の光ファイバケーブルにおける入射側及び/又は出射端の端部に構成されるものである。
【0014】
実施形態に係る光コネクタ取付構造Cは、光ファイバ10と、その光ファイバ10の端部を覆うように設けられた筒状の光コネクタ20とを備える。
【0015】
光ファイバ10は、裸ファイバ11及びそれを被覆するジャケット12を有する。
【0016】
裸ファイバ11は、相対的に高屈折率のコア111と、それを被覆する相対的に低屈折率のクラッド112とを有する。具体的には、裸ファイバ11としては、例えば、コア111が純粋石英ガラスで形成され、クラッド112が、フッ素等の屈折率を低下させるドーパントがドープされた石英ガラスで形成された構成のものが挙げられる。裸ファイバ11の外径は、例えば500μm以上1500μm以下である。コア111の直径は、例えば50μm以上1200μmである。なお、裸ファイバ11は、クラッド112の外側を更に被覆するサポート層を有していてもよい。
【0017】
ジャケット12は、樹脂で形成されている。ジャケット12は、内側の第1樹脂層と外側の第2樹脂層との二層で構成されていることが好ましい。内側の第1樹脂層を形成する樹脂としては、例えばシリコーン樹脂等が挙げられる。第1樹脂層の厚さは例えば0.1mm以上0.3mm以下である。外側の第2樹脂層を形成する樹脂としては、例えばナイロン樹脂やフッ素系樹脂が挙げられる。第2樹脂層の厚さは例えば0.1mm以上0.3mm以下である。ジャケット12は、単一樹脂層で構成されていてもよい。単一樹脂層のジャケット12を形成する樹脂としては、例えばアクリル系樹脂等の紫外線硬化性樹脂等が挙げられる。単一樹脂層のジャケット12の厚さは例えば50μm以上200μm以下である。
【0018】
光ファイバ10の端部は、光コネクタ20内において、ジャケット12で被覆されずに裸ファイバ11が露出した先端側の裸ファイバ露出部分101と、その後方側のジャケット12で被覆されたジャケット被覆部分102とを含む。
【0019】
裸ファイバ露出部分101における露出した裸ファイバ11の外周面にはクラッドモードストリッパ13が設けられている。ここで、クラッドモードストリッパ13とは、裸ファイバ11のクラッド112を伝搬するクラッドモード光を裸ファイバ11外に放出するための表面加工形状を意味する。クラッドモードストリッパ13は、例えば裸ファイバ11の外周面に形成された溝等で構成されている。
【0020】
光コネクタ20は、筒状のコネクタ本体21と、そのコネクタ本体21内に内嵌めされたファイバ取付部材22とを有する。光コネクタ20は、例えばステンレス等の金属で形成されている。
【0021】
コネクタ本体21内の中間部には、長さ方向に延びるように形成された円筒孔状空間の裸ファイバ収容部211が設けられている。裸ファイバ収容部211の先端部には、環状のサファイアブロック231の外周に金属製のホルダ232が設けられた封止部材23が内嵌めされている。裸ファイバ収容部211の後方側には、それに連続する円筒孔状空間のファイバ取付部材収容部212が設けられている。ファイバ取付部材収容部212には、ファイバ取付部材22が内嵌め状に収容されている。ファイバ取付部材22は、コネクタ本体21の外周から締め込まれたビス(不図示)によりコネクタ本体21に固定されている。裸ファイバ収容部211の先端側には、それに連続する円錐孔状空間と円筒孔状空間とで構成された石英ブロック収容部213が設けられている。石英ブロック収容部213には、その形状に対応した石英ブロック24が収容されている。
【0022】
コネクタ本体21内には、裸ファイバ収容部211及びファイバ取付部材収容部212の先端側の一部分の外側に、それらを囲うように形成された円筒孔状の冷媒流路25が設けられている。冷媒流路25は、コネクタ本体21の外周部に設けられた冷媒導入口251及び冷媒排出口252に連通しており、それらが外部ポンプ(不図示)に接続されて冷媒(例えば冷却水)が循環するように構成されている。
【0023】
ファイバ取付部材22は、先端側部品221と後方側部品222とを有する。
【0024】
先端側部品221は、先端側の円錐状部分221aと後方側の円筒状部分221bとが同軸に設けられて一体に形成されている。円錐状部分221aの後方端(底面)の外径は、ファイバ取付部材収容部212の内径と同一である。円筒状部分221bの外径は、その円錐状部分221aの後方端の外径よりも小さい。円筒状部分221bの外周には雄ねじが設けられている。先端側部品221には、円錐状部分221a及び円筒状部分221bの軸位置を貫通するように、裸ファイバ11の外径と同一の内径の裸ファイバ挿通孔221cが形成されている。
【0025】
後方側部品222は、先端側の大内径円筒状部分222aと後方側の小内径円筒状部分222bとが同軸に設けられて一体に形成されている。後方側部品222の外径は、大内径円筒状部分222a及び小内径円筒状部分222bの全長に渡って均一であって、ファイバ取付部材収容部212の内径及び先端側部品221の円錐状部分221aの後方端の外径と同一である。大内径円筒状部分222aの内周には、先端側部品221の円筒状部分221bの外周の雄ねじに螺合する雌ねじが設けられている。したがって、大内径円筒状部分222aの内径は、先端側部品221の円筒状部分221bの外径と概ね同一である。大内径円筒状部分222aの長さは、先端側部品221の円筒状部分221bの長さよりも長い。小内径円筒状部分222bは、その内径が光ファイバ10の外径と同一であり、その軸位置の孔が光ファイバ挿通孔222cに構成されている。光ファイバ挿通孔222cにおける先端から所定長(例えば1mm以上6mm以下)の部分の内周には、雌ねじで構成されたファイバ取付部222dが設けられている。このファイバ取付部222dを構成する雌ねじは、スリワリ等で断続することなく、全周に渡って連続するようにねじ切りされて形成されている。
【0026】
ファイバ取付部材22は、先端側部品221の円筒状部分221bの外周の雄ねじが、後方側部品222の大内径円筒状部分222aの内周の雌ねじに螺合して一体化することにより単一部材に構成されている。
【0027】
実施形態に係る光コネクタ取付構造Cでは、光ファイバ10の端部が光コネクタ20の後方から挿通されている。
【0028】
光ファイバ10の端部のうちの裸ファイバ露出部分101は、コネクタ本体21内において、先端部が封止部材23に内嵌め保持されているとともに、先端が石英ブロック24に融着接続されている。裸ファイバ露出部分101のクラッドモードストリッパ13が設けられている部分は、裸ファイバ収容部211の中心軸位置を延びるように設けられている。裸ファイバ露出部分101の基端部分は、コネクタ本体21に内嵌めされたファイバ取付部材22内において、先端側部品221の裸ファイバ挿通孔221cに内嵌め状に挿通されている。
【0029】
光ファイバ10の端部のうちのジャケット被覆部分102は、コネクタ本体21に内嵌めされたファイバ取付部材22内において、その先端が後方側部品222の小内径円筒状部分222bの先端に一致するように位置付けられるとともに、光ファイバ挿通孔222cに内嵌め状に挿通されている。ジャケット被覆部分102の外周面を構成するジャケット12は、粘弾性材料の樹脂で形成されている。そのため、小内径円筒状部分222bの内周に設けられた雌ねじで構成されたファイバ取付部222dは、ジャケット被覆部分102における先端から所定長の外周面に噛み込んでいる。そして、これにより、光コネクタ20は、光ファイバ10に取り付けられている。なお、ジャケット被覆部分102の先端が後方側部品222の小内径円筒状部分222bに接触していればよく、必ずしもジャケット被覆部分102の先端が後方側部品222の小内径円筒状部分222bの先端に一致していなくてもよい。また、光ファイバ10の端部にファイバ取付部材22を装着するときには、まず、ファイバ10の端部に、先端側部品221及び後方側部品222を、先端側に前者及び後方側に後者が位置付けられるように別々に通す。次いで、ジャケット被覆部分102に対して後方側部品222を回転させながら、ファイバ取付部222dにジャケット被覆部分102の先端部をねじ込み、ジャケット被覆部分102の先端を後方側部品222の小内径円筒状部分222bの先端に一致させて位置調整する。そして、先端側部品221の円筒状部分221bを、後方側部品222の大内径円筒状部分222aに螺合させる。
【0030】
実施形態に係る光コネクタ取付構造Cでは、入射側の端部の場合には、光源からのレーザ光が、また、出射側の端部の場合には、被加工物で反射したレーザ光の戻り光が、それぞれ石英ブロック24を介して裸ファイバ11のクラッド112に入射してクラッドモード光として伝搬する。ファイバ取付部材22から先端側には、裸ファイバ露出部分101が延びているとともに、そのファイバ取付部材22から先端側に延びる裸ファイバ露出部分101の外周面にクラッドモードストリッパ13が設けられており、且つ裸ファイバ露出部分101のクラッドモードストリッパ13が設けられた部分がコネクタ本体21内の裸ファイバ収容部211に収容されている。そのため、クラッドモード光は、光コネクタ20内において、大部分が裸ファイバ露出部分101の外周面のクラッドモードストリッパ13からコネクタ本体21の裸ファイバ収容部211内に放出される。クラッドモードストリッパ13から放出された光は、直接的に裸ファイバ収容部211の内壁に照射されたり、また、ファイバ取付部材22の先端側部品221の円錐状部分221aの先端面のテーパ面で反射して間接的に裸ファイバ収容部211の内壁に照射される。光の反射性を高める観点からは、円錐状部分221aのように、ファイバ取付部材22の先端部がコネクタ本体21内の裸ファイバ収容部211側に突出した形状に形成されていることが好ましい。同様の観点から、ファイバ取付部材22におけるコネクタ本体21内の裸ファイバ収容部211に臨む先端面には金メッキ等が施されていることが好ましい。裸ファイバ収容部211の内壁に照射された光は、熱に変換される。その熱は、コネクタ本体21を伝導する。その一部は、コネクタ本体21から外部の大気に赤外線として放出される。また、他の一部は、裸ファイバ収容部211を囲うように形成された冷媒流路25を流動する冷媒に赤外線として放出されて外部に回収される。
【0031】
クラッドモード光は、クラッドモードストリッパ13により完全には除去しきれないが、その残存成分は、更にクラッド112を伝播し、ファイバ取付部材22内でジャケット被覆部分102の先端まで到達すると、空気よりも屈折率が高いジャケット12に抜ける。このとき、その残存成分が熱に変換され、この熱がジャケット12の発熱や焼損を招く原因となり得る。しかしながら、実施形態に係る光コネクタ取付構造Cによれば、光コネクタ20のファイバ取付部材22の内周に設けられた雌ねじで構成されたファイバ取付部222dが、光ファイバ10の端部のジャケット被覆部分102における先端から所定長の外周面に噛み込み、それにより光コネクタ20が光ファイバ10に取り付けられているので、ジャケット被覆部分102のジャケット12の先端が確実に光コネクタ20に接触することとなり、その結果、ジャケット被覆部分102のジャケット12の先端を効果的に冷却することができる。ジャケット12に発生した熱は、ファイバ取付部材22及びコネクタ本体21を順に伝導する。その一部は、コネクタ本体21から外部の大気に赤外線として放出される。また、冷媒流路25は、ファイバ取付部材22のファイバ取付部222dの全長を囲うようにも形成されていることから、他の一部は、冷媒流路25を流動する冷媒に赤外線として放出されて外部に回収される。それにより、ジャケット12の先端の冷却効果がより一層高められている。
【0032】
実施形態に係る光コネクタ取付構造Cでは、以上のようにジャケット被覆部分102のジャケット12の先端を冷却することにより放熱性が優れることから、青色レーザ光のような可視光の伝送用途において、その伝送長を長くすることができ、また、高出力レーザ光の伝送も可能である。さらに、いずれの場合においても、散乱光による発熱を抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、光コネクタ取付構造の技術分野について有用である。
【符号の説明】
【0034】
C 光コネクタ取付構造
10 光ファイバ
101 裸ファイバ露出部分
102 ジャケット被覆部分
11 裸ファイバ
111 コア
112 クラッド
12 ジャケット
13 クラッドモードストリッパ
20 光コネクタ
21 コネクタ本体
211 裸ファイバ収容部
212 ファイバ取付部材収容部
213 石英ブロック収容部
22 ファイバ取付部材
221 先端側部品
221a 円錐状部分
221b 円筒状部分
221c 裸ファイバ挿通孔
222 後方側部品
222a 大内径円筒状部分
222b 小内径円筒状部分
222c 光ファイバ挿通孔
222d ファイバ取付部
23 封止部材
231 サファイアブロック
232 ホルダ
24 石英ブロック
25 冷媒流路
251 冷媒導入口
252 冷媒排出口
図1
図2