(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】表示パネルとそのリペア方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20221221BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20221221BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20221221BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20221221BHJP
H05B 33/22 20060101ALI20221221BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/30 365
G09F9/00 338
H05B33/14 A
H01L27/32
H05B33/22 Z
H05B33/12 B
(21)【出願番号】P 2020205697
(22)【出願日】2020-12-11
【審査請求日】2020-12-11
(31)【優先権主張番号】10-2019-0178609
(32)【優先日】2019-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0114773
(32)【優先日】2020-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】イ ドンユン
(72)【発明者】
【氏名】チェ クヮンヨン
(72)【発明者】
【氏名】ウォン ソンウォン
(72)【発明者】
【氏名】ガン ビョンウク
(72)【発明者】
【氏名】パク ヘミン
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0317155(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0135650(KR,A)
【文献】特開2018-072813(JP,A)
【文献】特開2017-198809(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0355802(US,A1)
【文献】特開2012-068629(JP,A)
【文献】特開2010-032642(JP,A)
【文献】特開2002-149087(JP,A)
【文献】特開昭63-253644(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/30
G09F 9/00
H01L 51/50
H01L 27/32
H05B 33/22
H05B 33/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子からの光が放出される発光領域が定義された複数のピクセル回路と、
ピクセル駆動電圧を前記ピクセル回路に印加する電源ラインと、
前記ピクセル駆動電圧より低い基準電圧が印加される基準電圧ラインと、
前記基準電圧ラインに連結されて一つ以上の前記ピクセル回路に前記基準電圧を印加するブランチラインとを含み、
前記ブランチラインの少なくとも一部が導体化された半導体層を含み、
前記ブランチラインの半導体層は、前記ピクセル回路のうち少なくとも一つの前記発光領域を第1方向に沿って横切るライン部を含
み、
前記ブランチラインは、
前記導体化された半導体層を含んだ単層ブランチラインと、
前記単層ブランチラインに連結され、半導体層と金属層が積層された多層構造のブランチラインとを含む、表示パネル。
【請求項2】
前記ブランチラインの導体化された半導体層の少なくとも一部が、前記ピクセル回路をそれぞれ含むサブピクセルのうち少なくとも一つの発光領域と重なる、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記発光素子のアノード電極上に配置されるバンクをさらに含み、
前記バンクは前記アノード電極の一部を露出し前記発光領域が含まれた開口部を定義し、
前記開口部内で前記ブランチラインの導体化された半導体層の少なくとも一部が前記アノード電極と重なる、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記電源ラインは、
第1方向に沿って前記ピクセル回路に連結されてピクセル駆動電圧を前記ピクセル回路に印加する第1電源ラインと、
前記第1方向と交差する第2方向に沿って長いラインの形態を有し、前記第1電源ラインに連結された第2電源ラインとを含み、
前記第1電源ラインの少なくとも一部が、
半導体層と金属層が積層された多層構造を有する、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項5】
データ電圧が印加される複数のデータラインと、
スキャン信号が印加される複数のゲートラインをさらに含み、
前記ブランチラインの前記半導体層は、
前記第1方向と交差する第2方向に沿って前記ライン部から曲がって前記ピクセル回路に連結された分岐部をさらに含み、
前記ライン部の少なくとも一部が前記導体化された半導体層を含み、
前記ピクセル回路それぞれは一つ以上のトランジスタを含み、
前記分岐部は、半導体領域を有する前記トランジスタの活性層と、前記トランジスタの電極のうち少なくとも一つとを含み、
前記分岐部で前記トランジスタの電極は、導体化された半導体層、または積層された半導体層と金属層を含む、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記単層ブランチラインの少なくとも一部が前記ピクセル回路のうち少なくとも一つの発光領域と重なり、
前記多層構造のブランチラインが前記ピクセル回路に連結され、
前記多層構造のブランチラインで前記金属層の下の半導体層は不導体の状態の半導体を含み、
前記多層構造のブランチラインは、
隣り合うピクセル回路の間のデータラインと交差する、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記基準電圧ラインが前記ブランチラインの半導体層と直接連結された導体化された半導体層を含む、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記ブランチラインは、
第1方向に沿って長いライン部と、
第1方向と交差する第2方向に沿って前記ライン部から曲がって前記ピクセル回路に連結された複数の分岐部とを含み、
前記ライン部の少なくとも一部と前記分岐部の少なくとも一部が半導体層と金属層が積層された多層構造を有する、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記ライン部と前記分岐部において、前記金属層が前記ピクセル回路をそれぞれ含むサブピクセルのうち少なくとも一つの発光領域を回避する経路に配置される、請求項8に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記ライン部または前記分岐部において、前記半導体層と前記金属層が前記発光素子のアノード電極と重なる、請求項9に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記ライン部は、
前記ピクセル回路をそれぞれ含んだサブピクセルのうち少なくとも一つの発光領域と重なる導体化された半導体層をさらに含む、請求項8に記載の表示パネル。
【請求項12】
発光素子を駆動する駆動素子、前記駆動素子の下に配置された光遮断層、および前記駆動素子のゲートに連結されたキャパシタをそれぞれが含み、前記発光素子からの光が放出される発光領域を定義する複数のピクセル回路と、
ピクセル駆動電圧を前記ピクセル回路に印加する電源ラインと、
前記ピクセル駆動電圧より低い基準電圧が印加される基準電圧ラインと、
前記基準電圧ラインに連結されて一つ以上の前記ピクセル回路に前記基準電圧を印加するブランチラインとを含み、
前記ピクセル回路の断面構造は、
第1金属層と、
前記第1金属層を覆うバッファー層と、
前記バッファー層上に形成されて前記駆動素子の半導体層を覆う絶縁層と、
前記絶縁層上に形成された第2金属層とを含み、
前記第1金属層は、前記駆動素子の光遮断層、および前記キャパシタの下部電極を含み、
前記第2金属層は、前記駆動素子のゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極を含み、
前記半導体層は前記駆動素子のチャネルを形成する活性層を含み、
前記ブランチラインの少なくとも一部が前記半導体層と同一平面上に配置される導体化された半導体層を含み、
前記ブランチラインの半導体層は、
前記ピクセル回路のうち少なくとも一つの前記発光領域を横切るライン部を含
み、
前記ブランチラインは、
前記導体化された半導体層を含んだ単層ブランチラインと、
前記単層ブランチラインに連結され、半導体層と金属層が積層された多層構造のブランチラインとを含む、表示パネル。
【請求項13】
前記ピクセル駆動電圧が前記駆動素子のドレイン電極に印加され、
前記ピクセル回路のそれぞれは、
スキャン信号に応答してデータ電圧を前記駆動素子のゲート電極および前記キャパシタに印加する第1スイッチ素子と、
前記スキャン信号に応答して前記基準電圧を前記駆動素子のソース電極に印加する第2スイッチ素子とをさらに含み、
前記キャパシタは、
前記バッファー層を挟んで前記下部電極と対向する中間電極を含んだ第1キャパシタと、
前記絶縁層を挟んで前記中間電極と対向する上部電極を含んだ第2キャパシタとを含み、
前記中間電極は前記バッファー層上に配置された導体化された半導体パターンを含み、
前記第2金属層は、
前記第1および第2スイッチ素子それぞれのゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極をさらに含み、
前記第2金属層は前記キャパシタの上部電極をさらに含む、請求項12に記載の表示パネル。
【請求項14】
前記多層構造のブランチラインに配置された前記金属層が前記第1金属層および前記第2金属層の間で前記半導体層上に配置された、請求項12に記載の表示パネル。
【請求項15】
前記駆動素子のソース電極が前記絶縁層を貫通するコンタクトホールを通じて前記ブランチラインに連結され、
前記コンタクトホール内で前記ブランチラインの導体化された半導体層または前記ブランチラインの金属層が前記駆動素子のソース電極と連結された、請求項14に記載の表示パネル。
【請求項16】
請求項1または12に記載の前記表示パネルのリペア方法において、
前記ブランチラインおよび前記発光素子のアノード電極をレーザービームの波長を変更することなく前記レーザービームを照射して断線させる工程を含む、表示パネルのリペア方法。
【請求項17】
前記ブランチラインは半導体層と金属層が積層された多層構造をさらに含み、
前記レーザービームが前記ブランチラインの前記多層構造および前記アノード電極が重なる位置に照射される、請求項16に記載の表示パネルのリペア方法。
【請求項18】
前記多層構造の半導体層は不導体の状態の半導体層からなる、請求項17に記載の表示パネルのリペア方法。
【請求項19】
前記ブランチラインの導体化された半導体層の少なくとも一部が、
前記ピクセル回路をそれぞれ含むサブピクセルのうち少なくとも一つの発光領域と重なる、請求項16に記載の表示パネルのリペア方法。
【請求項20】
前記多層構造の半導体層は酸化物半導体を含み、
前記多層構造の金属層は銅(Cu)、モリチタン(MoTi)のうちいずれか一つまたはこれらの金属が積層された二重金属層を含む、請求項17に記載の表示パネルのリペア方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関する。より具体的には、本発明は表示装置の表示パネルとそのリペア方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの電子装置は表示装置として液晶表示装置(Liquid Crystal Display;LCD)、有機発光表示装置などを適用している。アクティブマトリクスタイプ(active matrix type)の有機発光表示装置は有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLED)のような発光素子を利用して映像を再現する。このような有機発光表示装置は応答速度が速く、発光効率、輝度および視野角が大きく、ブラック諧調を完全なブラックで表現できるため、明暗比(contrast ratio)と色再現率が優秀である。また、有機発光表示装置はプラスチックのような柔軟な基板上に素子を形成できるためフレキシブルな表示装置の具現に有利である。
【0003】
有機表示装置の高解像度に応じて開口率を高めるための多様な方法の研究が進行されているが、ピクセル回路とこのピクセル回路に連結された配線のため開口率を拡大するための設計が難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前述した必要性および/または問題点を解決することを目的とする。
【0006】
特に、本発明はピクセルの開口率が向上した表示パネルを提供する。本発明は前記表示パネルの不良ピクセルを暗点化するリペア方法を提供する。
【0007】
本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていないさらに他の課題は下記の記載から当業者に明確に理解され得るであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る表示パネルは、発光素子からの光が放出される発光領域が定義された複数のピクセル回路と、ピクセル駆動電圧を前記ピクセル回路に印加する電源ラインと、前記ピクセル駆動電圧より低い基準電圧が印加される基準電圧ラインと、前記基準電圧ラインに連結されて一つ以上の前記ピクセル回路に前記基準電圧を印加するブランチラインとを含む。前記ブランチラインの少なくとも一部は導体化された半導体層を含む。
【0009】
前記表示パネルのリペア方法は、ブランチラインと前記発光素子のアノード電極をレーザービームの波長を変更することなく前記レーザービームを照射して断線させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、ピクセル回路に基準電圧を分配するブランチラインでサブピクセルの発光領域を横切る部分を透明な半導体層で形成することによって、ピクセルの発光領域を拡大し開口率を向上させることができる。
【0011】
本発明は、ダブルキャパシタ構造を利用してピクセル回路のストレージキャパシタの容量を拡大することによって、ピクセル回路が占める面積を減らして発光領域を拡大し開口率をさらに向上させることができる。
【0012】
本発明は、コンタクトホール内で導体化された半導体層または半導体層上に形成された金属層にトランジスタの電極が連結されるようにすることによってコンタクトホールの抵抗を減らすことによって、コンタクトホールの大きさを減らし、またコンタクトホールの個数を減らすことによってピクセル回路が占める面積をさらに減らして発光領域を拡大し開口率をさらに向上させることができる。
【0013】
本発明のリペア方法は、ブランチラインの少なくとも一部がサブピクセルの発光領域と重なってサブピクセルの発光領域と開口部が拡大された表示装置で、発光素子のアノード電極とブランチラインの金属層が重なった部分で、レーザービームを波長を変更することなく一度照射して、不良サブピクセルに連結されたアノード電極とブランチラインを同時に断線させることができる。
【0014】
本発明の効果は以上で言及した効果に制限されず、言及されていないさらに他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解され得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施例に係る表示装置を概略的に説明するブロック図。
【
図3】本発明の第1実施例に係る表示パネルのピクセルを示す平面図。
【
図4】
図3でA-A’に沿って切り取った表示パネルの断面図。
【
図5】
図3でB-B’に沿って切り取った表示パネルの断面図。
【
図6a】
図4および
図5に図示された半導体パターンを形成する工程を示す断面図。
【
図6b】
図4および
図5に図示された半導体パターンを形成する工程を示す断面図。
【
図6c】
図4および
図5に図示された半導体パターンを形成する工程を示す断面図。
【
図7a】
図3に図示されたピクセル回路のコンタクトホール構造を示す平面図。
【
図7b】
図3に図示されたピクセル回路のコンタクトホール構造を示す平面図。
【
図7c】
図3に図示されたピクセル回路のコンタクトホール構造を示す平面図。
【
図7d】
図3に図示されたピクセル回路のコンタクトホール構造を示す平面図。
【
図8】本発明の第2実施例に係る表示パネルのピクセルを示す平面図。
【
図9】
図8でC-C’に沿って切り取った表示パネルの断面図。
【
図10】
図8でD-D’に沿って切り取った表示パネルの断面図。
【
図11a】ハーフトーンマスクを利用して半導体層上に第3金属層のパターンを同時に形成し、半導体層を部分的に導体化するフォト工程を示す図面。
【
図11b】ハーフトーンマスクを利用して半導体層上に第3金属層のパターンを同時に形成し、半導体層を部分的に導体化するフォト工程を示す図面。
【
図11c】ハーフトーンマスクを利用して半導体層上に第3金属層のパターンを同時に形成し、半導体層を部分的に導体化するフォト工程を示す図面。
【
図11d】ハーフトーンマスクを利用して半導体層上に第3金属層のパターンを同時に形成し、半導体層を部分的に導体化するフォト工程を示す図面。
【
図11e】ハーフトーンマスクを利用して半導体層上に第3金属層のパターンを同時に形成し、半導体層を部分的に導体化するフォト工程を示す図面。
【
図12a】
図8に図示されたピクセル回路のコンタクトホール構造を示す平面図。
【
図12b】
図8に図示されたピクセル回路のコンタクトホール構造を示す平面図。
【
図12c】
図8に図示されたピクセル回路のコンタクトホール構造を示す平面図。
【
図15】本発明の多様な実施例に係る表示パネルの断面構造を概略的に示した断面。
【
図16】本発明の多様な実施例に係る表示パネルの断面構造を概略的に示した断面。
【
図17】本発明の多様な実施例に係る表示パネルの断面構造を概略的に示した断面。
【
図18】トランジスタの電極とストレージキャパシタの電極に連結された半導体層および金属層の積層構造を示す断面図。
【
図19】
図8に図示された表示パネルで第1金属層のパターンと半導体層のパターンを詳細に示す平面図。
【
図20】基準電圧ラインとブランチパターンが導体化された半導体パターンで直接連結された例を示す平面図。
【
図21a】基準電圧ラインとブランチラインの間のコンタクトホールの抵抗の有無を示す回路図。
【
図21b】基準電圧ラインとブランチラインの間のコンタクトホールの抵抗の有無を示す回路図。
【
図22】本発明の第3実施例に係る表示パネルで暗点化されるサブピクセルの一部を拡大した平面図。
【
図23】
図22でカッティングラインI-I’に沿って切り取った断面図。
【
図24】本発明の第4実施例に係る表示パネルで暗点化されるサブピクセルの一部を拡大した平面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の利点および特徴、そして、それらを達成する方法は、添付される図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すると明確になるであろう。本発明は以下で開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現され得、ただし、各実施例は本発明の開示を完全なものとし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によって定義されるのみである。
【0017】
本発明の実施例を説明するための図面に開示された形状、大きさ、比率、角度、個数等は例示的なものであるので、本発明は図面に図示された事項に限定されるものではない。明細書全体に亘って同一の参照符号は実質的に同一の構成要素を指し示す。また、本発明の説明において、関連した公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にさせ得る恐れがあると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0018】
本明細書上で言及された「具備する」、「含む」、「有する」、「からなる」等が使われる場合、「~のみ」が使われない限り、他の部分が追加され得る。構成要素を単数で表現した場合、特に明示的な記載事項がない限り複数で解釈され得る。
【0019】
構成要素の解釈において、別途の明示的な記載がなくても誤差範囲を含むものと解釈する。
【0020】
位置関係に対する説明の場合、例えば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~そばに」等で二つの構成要素の間に位置関係が説明される場合、「すぐに」または「直接」が使われないそれらの構成要素の間に一つ以上の他の構成要素が介在され得る。
【0021】
構成要素を区分するために第1、第2等が使われ得るが、これらの構成要素は構成要素の前についた序数や構成要素の名称でその機能や構造が制限されない。
【0022】
以下の実施例は、部分的にまたは全体的に互いに結合または組み合わせ可能であり、技術的に多様な連動および駆動が可能である。各実施例が互いに対して独立的に実施可能でもよく、連関関係で共に実施可能でもよい。
【0023】
以下、添付された図面を参照して本明細書の実施例に係る表示装置について説明する。明細書全体に亘って同じ参照番号は実質的に同じ構成要素を意味する。以下の説明で、本明細書と関連した公知機能あるいは構成に対する具体的な説明が本明細書の要旨を不要に曖昧にさせ得る恐れがあると判断される場合、その詳細な説明を省略したり簡略に説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施例に係る表示装置を概略的に説明するブロック図である。
【0025】
図1を参照すると、本発明の表示装置は少なくとも表示パネル10、タイミングコントローラ11、ソースドライバー12、ゲートドライバー13を含むように構成される。
【0026】
表示パネル10には複数のピクセルP、複数のデータラインDL、複数の基準電圧ラインRLおよび複数のゲートラインGLが配置される。
【0027】
ピクセルPは表示パネル10の画面上にマトリクス形態で配置されてピクセルアレイ(array)を構成する。ピクセルPそれぞれはカラーの具現のために、赤色サブピクセル、緑色サブピクセル、青色サブピクセルに分けられ得る。ピクセルそれぞれは白色サブピクセルをさらに含むことができる。サブピクセルそれぞれは
図2に図示されたピクセル回路を含むことができる。
【0028】
サブピクセルそれぞれは、データ電圧が供給されるデータラインDLのうちいずれか一つに、基準電圧が供給される基準電圧ラインRLのうちいずれか一つに、そして、ゲートラインGLのうちいずれか一つに連結される。各ピクセルPは電源生成部から高電位駆動電源と低電位駆動電源が供給されるように構成される。例えば、電源生成部は高電位駆動電源配線またはパッド部を通じて高電位駆動電源を供給することができる。そして、低電位駆動電源配線またはパッド部を通じて低電位駆動電源を供給することができる。
【0029】
表示装置は少なくとも一つの外部補償回路を含む。外部補償回路技術はピクセルPに備えられた駆動素子の電気的特性をセンシングし、そのセンシング値によって入力ビデオデータDATAを補正する技術を意味する。例えば、センシング部は駆動素子の電気的特性として、駆動素子のしきい電圧と駆動素子の電子移動度によるピクセルP間輝度偏差を補償するように構成される。
【0030】
表示パネル10はスイッチアレイ40をさらに含むように構成され得る。ただし、これに制限されない。スイッチ回路40はソースドライバー12の出力ピンとデータラインDLの間に連結されたデマルチプレクサ(Demultiplexer、DEMUX)を含むことができる。デマルチプレクサはソースドライバー12の一チャネルから出力されるデータ電圧を二以上のデータラインDLに時分割分配することによって、ソースドライバー12のチャネル個数を減らすことができる。
【0031】
ソースドライバー12は表示パネル10にデータ電圧を供給するデータ電圧供給部20を含むように構成される。
【0032】
ソースドライバー12のデータ電圧供給部20は複数のデジタル-アナログコンバータ(以下、DAC)を含む。データ電圧供給部20はディスプレイ駆動時にタイミングコントローラ11から入力される補正された入力映像のデジタルデータDATAを、DACを通じてディスプレイ用データ電圧に変換する。
【0033】
ソースドライバー12のデータ電圧供給部20は、センシング駆動時にタイミングコントローラ11の制御によりDACを通じてセンシング用データ電圧を生成する。センシング用データ電圧はセンシング駆動時に各ピクセルPに備えられた駆動素子のゲート電極に印加される電圧である。
【0034】
ソースドライバー12はセンシング部30をさらに含むように構成され得る。ただし、これに制限されない。
【0035】
タイミングコントローラ11は、ホストシステムから入力されるビデオデータDATA、垂直同期信号Vsync、水平同期信号Hsync、ドットクロック信号DCLKおよびデータイネーブル信号DE等のタイミング信号の入力を受けるように構成される。ただし、これに制限されない。
【0036】
タイミングコントローラ11は入力された信号に基づいて、ソースドライバー12の動作タイミングを制御するためのデータ制御信号DDCと、ゲートドライバー13の動作タイミングを制御するためのゲート制御信号GDCを生成するように構成される。
【0037】
データ制御信号DDCは、ソーススタートパルス(Source Start Pulse)、ソースサンプリングクロック(Source Sampling Clock)、およびソース出力イネーブル信号(Source Output Enable)等を含む。ソーススタートパルスはソースドライバー12のデータサンプリング開始タイミングを制御する。ソースサンプリングクロックはライジングまたはフォーリングエッジに基づいてデータのサンプリングタイミングを制御するクロック信号である。ソース出力イネーブル信号はソースドライバー12の出力タイミングを制御する。
【0038】
ゲート制御信号GDCはゲートスタートパルス(Gate Start Pulse)、ゲートシフトクロック(Gate Shift Clock)等を含む。ゲートスタートパルスは、最初の出力を生成するゲートドライバー13のゲートステージに印加されてゲートステージを制御する。ゲートシフトクロックはゲートステージに共通で入力されるクロック信号であって、ゲートスタートパルスをシフトさせるためのクロック信号である。
【0039】
例えば、タイミングコントローラ11はディスプレイ駆動のための制御信号DDC、GDCとセンシング駆動のための制御信号DDC、GDCを互いに異なるように生成することができる。ただし、これに制限されない。
【0040】
タイミングコントローラ11はピクセルPそれぞれで駆動TFTの電気的特性をセンシングし、それによる補償値をアップデートするためのセンシング駆動と、補償値が反映された入力映像を表示するためのディスプレイ駆動を制御するように構成される。
【0041】
タイミングコントローラ11はセンシング駆動とディスプレイ駆動を、定められた制御シークエンスにしたがって分離するように構成され得るが、これに制限されない。例えば、タイミングコントローラ11の制御によって、センシング駆動はディスプレイ駆動中の垂直ブランク期間で遂行されたり、またはディスプレイ駆動が開始される前のパワーオンシークエンス期間で遂行されたり、またはディスプレイ駆動が終わった後のパワーオフシークエンス期間で遂行され得るが、これに制限されない。センシング駆動はディスプレイ駆動中に遂行されてもよい。
【0042】
垂直ブランク期間は入力映像データDATAが記入されない期間であって、1フレーム分の入力映像データDATAが記入される垂直アクティブ区間の間ごとに配置される。パワーオンシークエンス期間は駆動電源がオンになってから入力映像が表示されるまでの過度期間を意味する。パワーオフシークエンス期間は入力映像の表示が終わってから駆動電源がオフになるまでの過度期間を意味する。ただし、センシング駆動は前述した期間に制限されない。
【0043】
例えば、タイミングコントローラ11はあらかじめ定められた感知プロセスにしたがって待機モード、スリップモード、低電力モードなどを感知し、センシング駆動のための諸動作を制御することができる。すなわち、センシング駆動はシステム電源が印加されている途中で表示装置の画面のみがオフとなった状態、例えば、待機モード、スリップモード、低電力モードなどで遂行されてもよい。ただし、これに制限されない。
【0044】
タイミングコントローラ11は、センシング駆動時にソースドライバー12から入力されるデジタルセンシング値に基づいて、ピクセルPの駆動素子の電気的特性の変化を補償できる補償パラメータを計算するように構成される。
【0045】
例えば、有機発光表示装置はメモリ17を含むかまたはメモリ17と通信するように構成される。そして、補償パラメータがメモリ17に保存され得る。メモリ17に保存される補償パラメータはセンシング駆動時ごとにアップデートされ得、それにより駆動素子の時変特性が容易に補償され得る。ただし、これに制限されない。
【0046】
タイミングコントローラ11は、ディスプレイ駆動時にメモリ17から補償パラメータを読み込み、この補償パラメータを基礎に入力映像のデジタルデータDATAを補正してソースドライバー12に供給する。
【0047】
ゲートドライバー13はピクセルアレイの回路構成要素および配線と共に表示パネル10上に直接形成されるGIP(Gate in panel)回路で具現され得る。GIP回路は表示パネル10の非表示領域であるベゼル領域(Bezel)上に配置されるか、ピクセルアレイ内に分散配置され得る。ゲートドライバー13はタイミングコントローラ11の制御下でデータ電圧に同期されるスキャン信号をゲートラインGLに順次出力する。ゲートドライバー13はシフトレジスタ(Shift register)を利用してスキャン信号をシフトさせることによってスキャン信号をゲートラインGLに順次供給することができる。
【0048】
ホストシステムはTV(Television)システム、セットトップボックス、ナビゲーションシステム、パーソナルコンピュータ(PC)、ホームシアターシステム、モバイル機器、ウェアラブル機器、車両システムのうちいずれか一つであり得る。
【0049】
【0050】
以下、
図2を参照して、ピクセル回路はデータ電圧Vdataが供給されるデータラインDL、基準電圧Vrefが供給される基準電圧ラインRL、およびスキャン信号Vscanが供給されるゲートラインGLに連結される。スキャン信号Vscanはゲートハイ電圧VGHとゲートロー電圧VGLの間でスイングする信号である。
【0051】
ピクセルPは発光素子OLED、駆動素子DT、第1スイッチ素子ST1、第2スイッチ素子ST2、およびストレージキャパシタCstを含むように構成される。駆動素子DTとスイッチ素子ST1、ST2それぞれはトランジスタで具現され得る。
【0052】
発光素子OLEDはアノードとカソード間に形成された有機化合物層を含んだOLEDで具現され得る。有機化合物層は正孔注入層HIL、正孔輸送層HTL、発光層EML、電子輸送層ETLおよび電子注入層EIL等を含むことができるが、これに限定されない。発光素子OLEDは駆動素子DTのソース電極に連結された第3ノードNsと低電位駆動電源EVSSの間に接続され、駆動電流により発光する発光素子である。発光素子OLEDは赤色、緑色、青色、または白色を表示するように構成され得る。
【0053】
駆動素子DTは第1ノードNgに連結されたゲート電極と、第2ノードNdに連結されたドレイン電極と、第3ノードNsに連結されたソース電極を含む。駆動素子DTRは、ゲート-ソース間電圧Vgsにより発光素子OLEDに印加される電流量を調節して発光素子OLEDを駆動する。ピクセル駆動電圧VDDは駆動素子DTのドレイン電極に印加され得る。
【0054】
第1スイッチ素子ST1はゲートラインGLと接続されるゲート電極と、データラインDLに接続されるドレイン電極と、第1ノードNgに連結されたソース電極を含む。第1スイッチ素子ST1はゲートラインGLからのスキャン信号Vscanに応答してターンオン(turn-on)される。第1スイッチ素子STがターンオンされる時、データ電圧Vdataが印加されるデータラインDLが第1ノードNgに電気的に連結されてデータ電圧Vdataが駆動素子DTのゲート電極とストレージキャパシタCstに印加される。
【0055】
第2スイッチ素子ST2はゲートラインGLに接続されるゲート電極と、基準電圧ラインRLに接続されるドレイン電極と、第3ノードNsに連結されたソース電極を含む。第2スイッチ素子ST2はゲートラインGLからのスキャン信号Vscanに応答してターンオンされ、基準電圧ラインRLと第3ノードNsを電気的に連結することによって、基準電圧Vrefを第3ノードNsに印加する。基準電圧Vrefはピクセル駆動電圧EVDDより低い電圧で設定される。一方、第2スイッチ素子ST2は駆動素子DTの電気的特性のセンシングが必要である時にターンオンされ得る。この場合、第2スイッチ素子ST2のゲート電極にゲートドライバー13からのセンシング信号が印加され得る。センシング信号はスキャン信号Vscanとは独立的に発生し得るため、望むセンシング時間で第2スイッチ素子ST2のオン/オフ(on/off)タイミングを制御することができる。
【0056】
ストレージキャパシタCstは第1ノードNgと第3ノードNsの間に接続され、発光期間の間駆動素子DTのゲート-ソース間電圧Vgsを維持させる。ゲート-ソース間電圧Vgsが大きいほど駆動電流が大きくなり、このため、ピクセルPの発光量が大きくなる。換言すると、第1ノードNgに印加される電圧すなわち、データ電圧Vdataの大きさに比例してピクセルPの輝度が増加する。
【0057】
互いに隣り合うピクセル回路は少なくとも一つの基準電圧ラインRLと連結されるように構成される。例えば、
図2に図示されてはいないが、四個のピクセル回路が一つの基準電圧ラインRLを共有するように構成され得る。前述した構成によると、基準電圧ラインRLの個数を低減できるため、開口率を高めることができる長所がある。すなわち、基準電圧ラインRLの個数が低減されるため、より多くのサブピクセルが配置され得る。したがって、解像度が増加し得る長所がある。ただし、これに制限されず、基準電圧ラインRLの個数および共有されるピクセルPの個数および種類は多様に変形実施され得る。
【0058】
図3は、本発明の第1実施例に係る表示パネル10のピクセルPを示す平面図である。
【0059】
図3を参照すると、ピクセルPそれぞれは発光部EAと回路部CAを有するサブピクセルSP1~SP4を含む。
【0060】
サブピクセルSP1~SP4は第1方向(例えば、x軸方向)に沿って配列される。サブピクセルのカラーは一例として、第1サブピクセルSP1は赤色サブピクセルR、第2サブピクセルSP2は緑色サブピクセルG、第3サブピクセルSP3は青色 サブピクセルB、そして、第4サブピクセルSP4は白色サブピクセルWであり得るが、これに限定されない。緑色および白色サブピクセルG、Wは光効率と輝度寄与率が相対的に高いため、その大きさが赤色および青色サブピクセルR、Bより小さくなり得る。
【0061】
発光部EAは発光素子OLEDを含む。回路部CAは発光素子OLEDを駆動する駆動素子DT、第1スイッチ素子ST1、第2スイッチ素子ST2、ストレージキャパシタCst等を含む。
【0062】
第1実施例で、発光部EAと回路部CAは第1方向xと交差する第2方向(y軸方向)に沿って配列される。サブピクセルSP1~SP4それぞれで、回路部CAに具現されたピクセル回路によって発光素子OLEDが駆動されて発光され得る。
【0063】
サブピクセルSP1~SP4それぞれで発光領域は、発光素子OLEDのアノード電極ANDの上に形成されてアノード電極ANDの一部を露出するバンクBNKによって定義される。すなわち、バンクBNKにより露出するアノード電極ANDがサブピクセルSP1~SP4それぞれの発光領域と言える。
【0064】
ピクセルアレイの配線はサブピクセルSP1~SP4に駆動信号を印加するための横ラインおよび縦ラインを含む。ピクセルPは横ラインと縦ラインを共有することができる。縦ラインは隣り合うサブピクセルSP1~SP4の間に配置される。
【0065】
縦ラインは縦電源ラインVDDV、基準電圧ラインRL、およびデータラインDL1~DL4を含むことができる。縦ラインは、第1方向xに隣り合うサブピクセルSP1~SP4の間を横切って第2方向yに 長い配線の形で延びる配線である。
【0066】
横ラインはゲートラインGL、横電源ラインVDDHを含むことができる。横ラインは縦ラインと交差する。横ラインは第1方向xに延びる配線である。
【0067】
ピクセルに連結された配線とトランジスタを構成する電極は同一層または一つ以上の絶縁層を挟んで互いに異なる層に配置され得、電気的連結のために絶縁層を貫通するコンタクトホールを通じて互いに連結され得る。
【0068】
第1~第4データラインDL1~DL4は対応するサブピクセルSPの第1スイッチ素子ST1に連結され得る。ゲートラインGLはサブピクセルSP1~SP4それぞれの第1スイッチ素子ST1に連結され得る。ゲートラインGLはサブピクセルSP1~SP4それぞれの第2スイッチ素子ST2に連結され得る。
【0069】
ピクセル駆動電圧EVDDは縦電源ラインVDDVと横電源ラインVDDHを通じてサブピクセルSP1~SP4のピクセル回路に共通で印加される。縦電源ラインVDDVは横電源ラインVDDHを通じて、サブピクセルSP1~SP4それぞれの駆動素子DTに連結され得る。横電源ラインVDDHは回路部CAに配置される。横電源ラインVDDHは第1方向に延びて、第2方向に延びた縦電源ラインVDDVからの信号を第1方向に沿って配列されたサブピクセルSP1~SP4に伝達する。横電源ラインVDDHは縦電源ラインVDDVと互いに異なる層に配置され、第1電源コンタクトホールSEH1を通じて電気的に連結される。横電源ラインVDDHは駆動素子DTのドレイン電極と互いに異なる層に配置され、第2電源コンタクトホールEH2を通じて電気的に連結される。
【0070】
基準電圧ラインRLに印加される基準電圧VrefはブランチラインRBLを通じて(または経由して)一つ以上のサブピクセルSP1~SP4に印加される。ブランチラインRBLはサブピクセルSP1~SP4それぞれの第2スイッチ素子ST2に連結され得る。ブランチラインRBLは回路部CAに配置される。ブランチラインRBLは第1方向に延びて、第2方向に延びた基準電圧ラインRLからの信号を第1方向に沿って配列されたサブピクセルSP1~SP4に伝達する。より具体的には、第1ブランチラインBLaは基準電圧ラインRLと両終端の二つのサブピクセルSP1、SP4を連結し、第2ブランチラインBLbは基準電圧ラインRLと中の二つのサブピクセルSP2、SP3を連結する。ブランチラインRBLは基準電圧ラインRLと互いに異なる層に配置され、第1基準コンタクトホールRH1を通じて基準電圧ラインRLに電気的に連結される。第1ブランチラインBLaは二つのサブピクセルSP2、SP3を挟んで離隔した第1および第4サブピクセルに連結されるため、第2ブランチラインBLbより長い。第1ブランチラインBLaは第2ブランチラインBLbと干渉しないように中央部分が凹むように曲がる。第2ブランチラインBLbは第1ブランチラインBLaの凹んだ中央部分の下に配置されて隣り合う第2および第3サブピクセルSP2、SP3に連結される。第1ブランチラインBLaの中央部分が凹むようにパターニングされてバンクBNKの下を通るため、ブランチラインRBLによるサブピクセルSP1~SP4の発光面積の損失を減らして開口率を高めることができる。
【0071】
ブランチラインRBLは第2スイッチ素子ST2のドレイン電極と同じ層に配置され、ブランチラインRBLは第2スイッチ素子ST2の活性層とコンタクトホールRH2を通じて電気的に連結される。第2のスイッチ素子ST2のドレイン電極D2はブランチラインRBLと一体化されることができる。
【0072】
本発明の第1スイッチ素子ST1のゲート電極はゲートラインGLの一部であるかそれから分岐されて形成される。第1スイッチ素子ST1のドレイン電極はデータラインDLの一部であるかそれから分岐されて形成される。第1スイッチ素子ST1の活性層はバッファー層BUFを貫通するコンタクトホールSTH1を通じてドレイン電極と連結される(
図14を参照)。ゲート電極を挟んでドレイン電極と対向するように位置する第1スイッチ素子ST1のソース電極は、駆動素子DTのゲート電極と連結される。
【0073】
サブピクセルSP1~SP4それぞれで、発光部EAに配置された発光素子OLEDのアノード電極ANDは第2方向に延びて回路部CAで対応する駆動素子DTおよびストレージキャパシタCstに電気的に連結される。
【0074】
次に、
図4および
図5を参照して本発明の第1実施例に係る表示パネルの断面構造について説明する。
【0075】
図4は、
図3に図示された第2スイッチ素子ST2、およびブランチラインRBLの断面構造を示すために、
図3で第1サブピクセルSP1内の線A-A’に沿って切り取った断面図である。
図5は、駆動素子DT、ストレージキャパシタCst、および横電源ラインVDDHの断面構造を示すために、
図3で第1サブピクセルSP1内の線B-B’に沿って切り取った断面図である。
【0076】
図4を参照すると、表示パネル10は基板SUBS上に配置される第1金属層、バッファー層BUF、半導体層、第1絶縁層GI、第2金属層、第2絶縁層PAS、第3絶縁層OC、アノード電極AND、有機化合物層EL、カソード電極CAT、カラーフィルタCF、およびバンクBNKを含む。第1金属層は少なくともデータラインDL1と光遮断パターンLSを含む。第2金属層は第2スイッチ素子ST2の電極を含む。線A-A’の断面では見えないが、ピクセル回路を構成するすべてのトランジスタDT、ST1、ST2の電極も第2金属層のパターンで形成される。第1および第2金属層それぞれは単一金属層または異種の金属層が積層された二重金属層で具現され得る。半導体層は少なくとも第2スイッチ素子ST2の活性層ACT2を含む。
【0077】
基板SUBS上にデータラインDL1および光遮断パターンLSが配置される。データラインDL1は光遮断パターンLSと同一層に同一の第1金属で形成され得る。光遮断パターンLSは駆動素子DTのチャネル領域(または活性層)の下部にのみ配置されるか、駆動素子DTのチャネル領域の下部だけでなく第1および第2スイッチ素子ST1、ST2のチャネル領域の下部にも配置され得る。光遮断パターンLSは外光を遮断する目的で使ったり、他の電極や配線と連結されてキャパシタの電極として活用され得る。
【0078】
データラインDL1と光遮断パターンLSが配置された基板SUBS上にバッファー層BUFが配置され得る。バッファー層BUFは一層以上の無機絶縁物質層を含んで基板SUBSから拡散するイオンや不純物を遮断し、外部の水分の浸透を遮断する役割をすることができる。
【0079】
バッファー層BUF上には第2スイッチ素子ST2および第1ブランチラインBLaが形成される。
図3の線A-A’では見えないが、第2ブランチラインBLbもバッファー層BUF上に形成され得る。
【0080】
第2スイッチ素子ST2は、活性層ACT2、ゲート電極G2、ソース電極S2、および ドレイン電極D2を含む。活性層ACT2はバッファー層BUF上に配置される。活性層ACT2は半導体からなる。半導体は酸化物半導体、ポリシリコン(Poly Silicon)、非晶質シリコン(Amorphous Si)のうちいずれか一つであり得る。
【0081】
活性層ACT2はチャネル領域、チャネル領域の一側に設けられたソース領域、チャネル領域の他側に設けられたドレイン領域に区分され得る。活性層ACT2のソース領域とドレイン領域にイオンがドーピングされる時、第2金属層で形成されたゲート電極G2がマスクとして作用するためゲート電極G2の下のチャネル領域はイオンがドーピングされない。
【0082】
ゲート電極G2は第1絶縁層GIを挟んで活性層ACT2のチャネル領域上に配置される。第1絶縁層GIはシリコン酸化膜(SiOx)またはシリコン窒化膜(SiNx)からなり得るが、これに限定されるものではない。第1絶縁層GIはゲート絶縁層であり得る。ゲート電極G2はゲートラインGLの一部であるか、ゲートラインGLから分岐された部分であり得る。すなわち、ゲート電極G2とゲートラインGLは同一層に配置された同一の第2金属で形成され得る。
【0083】
ソース電極S2およびドレイン電極D2はバッファー層BUF上で、ゲート電極G2を挟んで互いに離隔して配置される。ソース電極S2およびドレイン電極D2はゲート電極G2と同一層に配置された同一の第2金属で形成され得る。ソース電極S2とバッファー層BUFの間には第1絶縁層GIが配置される。ドレイン電極D2とバッファー層BUFの間にも第1絶縁層GIが配置される。
【0084】
ソース電極S2は第1絶縁層GIを貫通する第2ソースコンタクトホールSTH1を通じて活性層ACT2のソース領域に連結される。ソース電極S2はバッファー層BUFを貫通する第2ソースコンタクトホールSTH2を通じて光遮断パターンLSと連結される。
図4には図示されていないが、前述した通り、光遮断パターンLSは他の電極やラインとの連結を図るのに活用され得るため、光遮断パターンLSはソース電極S2を駆動素子DTのソース電極または発光素子OLEDのアノード電極ANDに電気的に連結するノードの一部であり得る。
【0085】
ドレイン電極D2は第1絶縁層GIを貫通する第2ドレインコンタクトホールRH2を通じて活性層ACT2のドレイン領域に連結される。
【0086】
バッファー層BUF上に形成されるブランチラインBLaは第2スイッチ素子ST2のゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極と同一層に配置される同一金属で形成され得る。 ドレイン電極D2はブランチラインBLaの一部であるか、ブランチラインBLaから分岐された一部分であり得る。
【0087】
第2スイッチ素子ST2とブランチラインBLa上には第2絶縁層PASが配置される。第2絶縁層PASはパッシベーション(Passivation)膜であり得る。パッシベーション膜は下部の素子を保護する絶縁層であって、シリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)またはこれらが二以上積層された多層であり得る。
【0088】
第2絶縁層PAS上には第3絶縁層OCが配置され得る。第3絶縁層OCは下部構造の段差を緩和させるための平坦化膜であり得、ポリイミド(polyimide)、ベンゾシクロブテン系樹脂(benzocyclobutene series resin)、アクリレート(acrylate)等の有機物からなり得る。必要に応じて、パッシベーション膜と平坦化膜のうちいずれか一つは省略され得る。第2絶縁層PASと第3絶縁層OCの間にはカラーフィルタCFが配置され得る。
【0089】
第3絶縁層OC上に発光素子OLEDが配置される。発光素子OLEDは有機化合物層ELを挟んで互いに対向するアノード電極ANDおよびカソード電極CATを含む。
【0090】
本発明による表示装置は下部発光(Bottom Emission)方式で具現されるため、アノード電極ANDは透明電極として機能することができる。一例として、アノード電極ANDは、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)またはZnO(Zinc Oxide)等の透明電極物質からなり得る。
【0091】
アノード電極ANDが形成された基板SUBS上にバンクBNKが配置される。バンクBNKはポリイミド(polyimide)、ベンゾシクロブテン系樹脂(benzocyclobutene series resin)、アクリレート(acrylate)等の有機物からなり得る。
【0092】
バンクBNKが形成された基板SUBS上に有機化合物層ELが配置される。有機化合物層ELは電子と正孔が結合して発光する発光層(Emission layer、EML)を含む。有機化合物層ELは正孔注入層(Hole injection layer、HIL)、正孔輸送層(Hole transport layer、HTL)、電子輸送層(Electron transport layer、ETL)および電子注入層(Electron injection layer、EIL)のうちいずれか一つ以上をさらに含むことができる。
【0093】
カソード電極CATは有機化合物層EL上に配置される。カソード電極CATは基板SUBSの前面に広く形成され得る。本発明の表示装置は下部発光(Bottom Emission)方式で具現され得る。この場合、カソード電極CATは反射電極として機能することができる。例えば、カソード電極CATは、仕事関数が低いマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)またはこれらの合金のような反射物質からなり得る。
【0094】
図5を参照すると、表示パネル10は基板SUBS上に配置される第1金属層、バッファー層BUF、半導体層、第1絶縁層GI、第2金属層、第2絶縁層PAS、第3絶縁層OC、駆動素子DT、発光素子OLED、およびバンクBNKを含む。第1金属層は光遮断パターンLSを含む。第2金属層は駆動素子DTの電極を含む。第1および第2金属層それぞれは単一金属層または異種の金属層が積層された二重金属層で具現され得る。半導体層は少なくとも駆動素子DTの活性層ACT0を含む。
【0095】
基板SUBS上に光遮断パターンLSが配置される。光遮断パターンLSは駆動素子DTのチャネル領域(または活性層)の下部にのみ配置されるか、駆動素子DTのチャネル領域の下部だけでなく第1および第2スイッチ素子ST1、ST2のチャネル領域の下部にも配置され得る。光遮断パターンLSは単に外光を遮断する目的で使うか、光遮断パターンLSを他の電極やラインとの連結を図り、キャパシタなどを構成する電極として活用することができる。
【0096】
光遮断パターンLSが配置された基板SUBS上にバッファー層BUFが配置され得る。バッファー層BUFは基板SUBSから拡散するイオンや不純物を遮断し、外部の水分の浸透を遮断する役割をすることができる。
【0097】
バッファー層BUF上には駆動素子DTおよび横電源ラインVDDHが形成される。駆動素子DTは活性層ACT0、ゲート電極G0、ソース電極S0、ドレイン電極D0を含む。
【0098】
活性層ACT0はバッファー層BUF上に配置される。活性層ACT0はチャネル領域、チャネル領域の一側に設けられたソース領域、チャネル領域の他側に設けられたドレイン領域に区分され得る。活性層ACT0は金属化されていない半導体からなる。半導体は酸化物半導体、ポリシリコン(Poly Silicon)、非晶質シリコン(Amorphous Si)のうちいずれか一つであり得る。
【0099】
ゲート電極G0は第1絶縁層GIを挟んで活性層ACT0のチャネル領域上に配置される。第1絶縁層GIはシリコン酸化膜(SiOx)またはシリコン窒化膜(SiNx)からなり得るが、これに限定されるものではない。ここで第1絶縁層GIはゲート絶縁層GIであり得る。ゲート電極G0はソース電極S0とドレイン電極D0の間にソース電極S0とドレイン電極D0と離隔して配置され得る。ゲート電極G0はソース電極S0とドレイン電極D0と同一層に配置された同一の金属で形成され得る。
【0100】
ソース電極S0およびドレイン電極D0はバッファー層BUF上でゲート電極G0を挟んで互いに離隔する。ソース電極S0およびドレイン電極D0はゲート電極G0と同一層に配置された同一の金属で形成され得る。ソース電極S0とバッファー層BUFの間には第1絶縁層GIが配置される。ドレイン電極D0とバッファー層BUFの間には第1絶縁層GIが配置される。
【0101】
ソース電極S0は第1絶縁層GIを貫通するソースコンタクトホールEH3を通じて活性層ACT0のソース領域に連結される。ソース電極S0は
図3に図示された通り、ピクセルコンタクトホールCH1を通じて発光素子OLEDのアノード電極ANDに電気的に連結される。
【0102】
ドレイン電極D0は第1絶縁層GIを貫通するドレインコンタクトホールEH2を通じて活性層ACT0のドレイン領域に連結される。ドレイン電極D0は横電源ラインVDDHの一部であるか、横電源ラインVDDHから分岐された一部分であり得る。
【0103】
表示パネル10はバッファー層BUF上に駆動素子DTの活性層ACT0と離隔して配置されるキャパシタCstの一電極をさらに含むことができる。ストレージキャパシタCstの一電極は駆動素子DTの活性層ACT0と一体化した半導体を含むことができる。ストレージキャパシタCstの一電極として利用される半導体は導体化され得る。
【0104】
ストレージキャパシタCstは導体化された半導体パターンで形成された一電極と、バッファー層BUF、およびバッファー層BUFを間に置いて半導体パターンと重なる光遮断パターンLSを含む。したがって、光遮断パターンLSの一部はストレージキャパシタCstの他電極の役割を兼ねる。ストレージキャパシタCstは前述した通り、駆動素子DTの第1ノードNgと第3ノードNsの間に連結され得る。
【0105】
駆動素子DTと横電源ラインVDDH上に第2絶縁層PASが配置される。第2絶縁層PASはパッシベーション(Passivation)膜であり得る。パッシベーション膜は下部の素子を保護する絶縁層であって、シリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)またはこれらが積層された多層であり得る。
【0106】
第2絶縁層PAS上には第3絶縁層OCが配置され得る。第3絶縁層OCは下部構造の段差を緩和させるための平坦化膜であり得、ポリイミド(polyimide)、ベンゾシクロブテン系樹脂(benzocyclobutene series resin)、アクリレート(acrylate)等の有機物からなり得る。必要に応じて、パッシベーション膜と平坦化膜のうちいずれか一つは省略され得る。
【0107】
第3絶縁層OC上には発光素子OLEDが配置される。発光素子OLEDはアノード電極AND、有機化合物層EL、カソード電極CATを含む。アノード電極ANDは線B-B’の断面では見えないため、
図4に図示されていない。
【0108】
アノード電極ANDは
図3に図示された通り、第2および第3絶縁層PAS、OCを貫通するピクセルコンタクトホールCH1を通じて、駆動素子DTのソース電極S0に連結される。本発明の表示装置は下部発光(Bottom Emission)方式で具現され得る。このために、発光素子のアノード電極は透明電極として機能することができる。一例として、アノード電極は、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)またはZnO(Zinc Oxide)等の透明電極物質からなり得る。
【0109】
第3絶縁層OC上にバンクBNKが配置される。バンクBNKはポリイミド(polyimide)、ベンゾシクロブテン系樹脂(benzocyclobutene series resin)、アクリレート(acrylate)等の有機物からなり得る。
【0110】
バンクBNKはサブピクセルの開口部でアノード電極を露出するものの、アノード電極ANDの縁を覆うことができる。バンクBNKは発光素子OLEDからの光が外部に放射されるサブピクセルの発光領域を定義する。発光領域はサブピクセルSP1~SP4それぞれの発光部EA内でバンクBNKによって定義された開口部のアノード電極露出領域を含む。バンクBNKによって定義された発光領域で、発光素子OLEDのアノード電極ANDの大部分が露出する。発光領域は
図3で金属なしにアノード電極ANDが露出した開口部APTと実質的に同じである。
【0111】
発光領域内のすべての薄膜層は90%以上の媒質からなり得る。
【0112】
バンクBNKが形成された基板SUBS上に有機化合物層ELが配置される。有機化合物層ELは電子と正孔が結合して発光する層であって、発光層EMLを含み、正孔注入層HIL、正孔輸送層HTL、電子輸送層ETLおよび電子注入層EILのうちいずれか一つ以上をさらに含むことができる。
【0113】
カソード電極CATは有機化合物層EL上に配置される。カソード電極CATは基板SUBSの前面に広く形成され得る。下部発光(Bottom Emission)方式で、カソード電極CATは反射電極として機能することができる。例えば、カソード電極CATは、仕事関数が低いマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)またはこれらの合金のような反射物質からなり得る。
【0114】
図3~
図5に図示された表示パネル10で、トランジスタDT、ST1、ST2の活性層はフォトリソグラフィ(Photolithography)工程(以下、「フォト工程」という)を利用して、望む形状にパターニングされる半導体パターンで具現され得る。これを
図6a~
図6cを結び付けて説明する。
図6a~
図6cで「PAD」は表示パネル10でデータラインDLとソースドライバー12の出力ピン(pin)が連結されるパッド部分である。「APT」はサブピクセルの開口部である。「TFT」は表示パネル10の駆動素子部分である。「Cst」は表示パネル10のストレージキャパシタ部分である。「DATA」は表示パネル10でデータライン部分である。
【0115】
フォト工程は
図6aに図示された通り、バッファー層BUF上に半導体物質を蒸着して半導体層SEMがバッファー層BUF上に形成する。半導体物質は酸化物半導体例えば、インジウム-ガリウム-亜鉛酸化物(Indium-Galium-Zinc Oxide、IGZO)で選択され得る。以下において、半導体物質として非晶質インジウム-ガリウム-亜鉛酸化物(IGZO)を使うものを例示するが、これに限定されるものではない。
【0116】
フォト工程は
図6bに図示された通り、半導体層SEMの上に感光物質層を塗布した後、感光物質層上に望むパターンが彫られたフォトマスクを整列し、そのフォトマスクを通じて感光物質を露光する。引き続き、フォト工程は現像液を感光物質層に噴射して感光物質層で露光された部分のみを溶かして除去する。その結果、望む形状の半導体パターンSEM’がフォトレジストパターンPRの下に残留する。
【0117】
フォト工程は食刻液をフォトレジストパターンPRと半導体パターンSEM’に噴射する。このような湿式食刻工程によって
図6cに図示された通り、フォトレジストパターンPRによって覆われていない半導体パターンSEM’の露出部分が除去される。
【0118】
図7a~
図7dは、
図3に図示されたピクセル回路で半導体パターンSEM’とトランジスタDT、ST1、ST2が連結されるコンタクトホール構造を示す平面図である。
図7a~
図7dで、「GM」はトランジスタDT、ST1、ST2の電極として利用される第2金属層の一部パターンを示す。
図7a~
図7dに図示されたコンタクトホール構造は、
図3で半導体層と第2金属層が連結されるコンタクトホールCH1、STH1、STH2のうちいずれか一つであり得る。
【0119】
図7aのような不導体化された半導体パターンSEM’上に第1絶縁層GIが覆われ、フォト工程によって第1絶縁層GIの一部分が除去される。その結果、
図7bに図示された通り、第1絶縁層GIが除去されたコンタクトホール[CH(GI)]を通じて半導体パターンSEM’の一部が露出する。ここで、半導体パターンSEM’は導体化されていない半導体層である。
【0120】
コンタクトホール[CH(GI)]によって露出した半導体パターンSEM’の一部CA1が導体化される。酸化物半導体(IGZO)は酸素の含量にしたがって伝導特性が変わる。酸素の含量が少なくなると、酸化物半導体(IGZO)の伝導性が高くなって導体の性質を有するようになって金属化される。酸化物半導体(IGZO)の酸素含量を減らす方法として、プラズマ処理が使われ得る。例えば、酸化物半導体をプラズマに露出すると、酸化物半導体の内部に含まれた酸素が除去されて酸化物半導体(IGZO)の抵抗が低くなって導体化(Metalized)され得る。プラズマ処理はヘリウム(He)、水素(H2)あるいはアルゴン(Ar)ガスにプラズマ放電を起こす方法である。
【0121】
第2金属層パターンGMがコンタクトホール[CH(GI)]の一部を覆うように第1絶縁層GI上に形成される。第2金属層パターンGMはトランジスタDT、ST1、ST2のソース電極またはドレイン電極であり得る。第2金属層パターンGMは
図7cに図示された通り、不導体の半導体パターンSEM’の一部とコンタクトホール[CH(GI)]の一部を覆ってその半導体パターンSEM’に接触し、コンタクトホール[CH(GI)]の一部に接触する。
【0122】
図7dに図示された通り、第2金属層パターンGMによって覆われていない半導体パターンSEM’の残りの部分CA2が導体化される。この時、第2金属層パターンGMによって覆われた部分NAはプラズマに露出しないため、導体化されない。
【0123】
本発明の第1実施例に係る表示装置は、一つの基準電圧ラインRLを多数のサブピクセルSP1、SP2、SP3、SP4が共有するという点と二重ブランチラインRBL構造によって、ピクセルPの開口率が改善され得る。
【0124】
図8は、本発明の第2実施例に係る表示パネル10のピクセルを示す平面図である。
【0125】
図8を参照すると、ピクセルPに共有される配線は横ラインと縦ラインを含む。縦ラインは隣り合うサブピクセルSP1~SP4の間に配置される。縦ラインは縦電源ラインVDDV、基準電圧ラインRL、第4データラインDL1~DL4を含むことができる。
【0126】
横ラインはゲートラインGL、横電源ラインVDDH等を含むことができる。横ラインは縦ラインと交差する。横ラインは第1方向xに延びるラインを指し示し得る。
【0127】
ピクセルに連結された配線とトランジスタを構成する電極は同一層または一つ以上の絶縁層を挟んで互いに異なる層に配置され得、電気的連結のために絶縁層を貫通するコンタクトホールを通じて互いに連結され得る。
【0128】
第1~第4データラインDL1~DL4は対応するサブピクセルSPの第1スイッチ素子ST1に連結され得る。ゲートラインGLはサブピクセルSP1~SP4それぞれの第1スイッチ素子ST1に連結され得る。ゲートラインGLはまた、サブピクセルSP1~SP4それぞれの第2スイッチ素子ST2に連結され得る。
【0129】
縦電源ラインVDDVは横電源ラインVDDHを通じて、サブピクセルSP1~SP4それぞれの駆動素子DTに連結され得る。横電源ラインVDDHは回路部CAに配置される。横電源ラインVDDHは第1方向xに延びて第2方向yに延びた縦電源ラインVDDVからの信号を第1方向xに沿って配列されたサブピクセルSP1~SP4に伝達する。横電源ラインVDDHは縦電源ラインVDDVと互いに異なる層に配置され、第1電源コンタクトホールEH4を通じて電気的に連結される。
【0130】
横電源ラインVDDHは駆動素子DTのドレイン電極と同一層に配置され得る。横電源ラインVDDHは導体化された半導体層で具現され得る。この場合、導体化された半導体層が透明であるため横電源ラインVDDHがサブピクセルの発光領域と重なり得、このため、サブピクセルの開口部と発光領域をさらに拡大することができる。
【0131】
横電源ラインVDDHは少なくとも一部で半導体層と、この半導体層上に形成された第3金属層を含んだ多層の構造で具現され得る。第3金属層は銅(Cu)、モリチタン(MoTi)のうちいずれか一つまたはこれらの金属が積層された二重金属層であり得る。第3金属層はトランジスタの活性層とキャパシタ電極などで半導体層上に直接接触され、サブピクセルの発光領域で半導体層上に存在しない。第3金属層は半導体層上に積層されて第1金属層と第2金属層間に配置される。
【0132】
基準電圧ラインRLはブランチラインRBLを通じて(または経由して)、サブピクセルSP1~SP4それぞれの第2スイッチ素子ST2に連結され得る。
【0133】
ブランチラインRBLは横方向すなわち、第1方向xに延びて基準電圧ラインRLからの信号を第1方向に沿って配列されたサブピクセルSP1~SP4に伝達する。ブランチラインRBLは基準電圧ラインRLと互いに異なる層に配置され、第1基準コンタクトホールRH3を通じて基準電圧ラインRLに電気的に連結される。ブランチラインRBLは前述した第1実施例とは異なり、二つに分離されない。ブランチラインRBLは少なくとも一部で半導体層単独で形成され得る。ブランチラインRBLは部分的に半導体層とこの半導体層上に形成された第3金属層を含んだ多層構造を含むことができる。第3金属層は銅(Cu)、モリチタン(MoTi)のうちいずれか一つまたはこれらの金属が積層された二重金属層であり得る。半導体層は金属よりはるかに高い光透過率を有する。第3金属層は第1金属層と第2金属層の間で半導体層上に形成される。
【0134】
ブランチラインRBLで半導体層と第3金属層が積層された多層部分(以下、「多層構造のブランチライン」という)は、隣り合うサブピクセルSP1、SP2、SP3、SP4の間の非発光領域に配置され得る。多層構造のブランチラインはデータラインDL1~DL4のような縦ラインと交差する。
【0135】
ブランチラインRBLで金属層なしに半導体層のみが存在する部分(以下、「単層ブランチライン」という)は透明に見える。酸化物半導体(IGZO)は90%以上の光透過率を有する。単層ブランチラインの半導体層は電流が流れるように導体化され得る。多層構造のブランチラインで金属の下の半導体層は導体化されないことがありますが導体化されていない非晶質半導体であり得る。
【0136】
単層ブランチラインはサブピクセルSP1~SP4のうち少なくとも一つで発光領域を横切ってピクセル回路に連結される。単層ブランチラインは発光領域のアノード電極ANDと重なり得る。単層ブランチラインの半導体層のうち一部はアノード電極と重なる領域で第1方向と第2方向に沿って「L」字状に曲がってピクセル回路のうち少なくとも一つに連結され得る。
【0137】
透明な単層ブランチラインによってサブピクセルの開口率が向上し、発光領域が拡大し得る。透明な単層ブランチラインがサブピクセルSPの発光領域と重なる領域OAだけサブピクセルの開口率が増加する。サブピクセルの発光領域はバンクBNKによって定義されたアノード電極ANDの露出領域を含む。
【0138】
本発明の第1スイッチ素子ST1のゲート電極は、ゲートラインGLの一部であるかそれから分岐されて形成される。第1スイッチ素子ST1のドレイン電極は、データラインDLの一部であるかそれから分岐されて形成される。第1スイッチ素子ST1の活性層は、バッファー層BUFを貫通するコンタクトホールSTH3を通じてドレイン電極と連結される。第1スイッチ素子ST1のソース電極は、半導体層上に形成された第2金属層で具現され得る。第1スイッチ素子ST1は、ソース電極から延びた延長部を含むことができる。このような延長部は、一側が第1スイッチ素子ST1のソース電極と連結され、他側が駆動素子DTのゲート電極と連結され得る。延長部は
図2に図示された通り、第1スイッチ素子ST1のソース電極と駆動素子DTのゲート電極を連結することができる。延長部は第1スイッチ素子ST1のソース電極から連続するため、ソース電極と同様に半導体層とその上に形成された第2金属層を含んだ多層構造であり得る。
【0139】
サブピクセルSP1~SP4それぞれの発光部EAに配置された発光素子OLEDのアノード電極ANDは、第2方向に延びて回路部CAで対応する駆動素子DTおよびストレージキャパシタCstに電気的に連結される。
【0140】
図9は、
図8に図示された第2スイッチ素子ST2、およびブランチラインRBLの断面構造を示すために、
図8で第1サブピクセルSP1内の線C-C’に沿って切り取った断面図である。
図10は、
図8に図示された駆動素子DT、ストレージキャパシタCst、および横電源ラインVDDHの断面構造を示すために、
図8で第1サブピクセルSP1内の線D-D’に沿って切り取った断面図である。
【0141】
図9を参照すると、表示パネル10は基板SUBS上に配置される第1金属層、バッファー層BUF、半導体層、第1絶縁層GI、第2金属層、第2絶縁層PAS、第3絶縁層OC、アノード電極AND、有機化合物層EL、カソード電極CAT、カラーフィルタCF、およびバンクBNKを含む。第1金属層は少なくともデータラインDL1と光遮断パターンLSを含む。第2金属層は第2スイッチ素子ST2の電極を含むことができる。第1および第2金属層それぞれは、単一金属層または異種の金属層が積層された二重金属層で具現され得る。半導体層は少なくとも第2スイッチ素子ST2の活性層ACT2とブランチラインRBLを含む。半導体層上に部分的に第3金属層が積層される。第3金属層はデータラインDL1と交差する半導体層上に形成されて多層構造のブランチラインで構成され、第2スイッチ素子ST2のソースおよびドレイン電極として利用され得る。
【0142】
基板SUBS上にデータラインDL1および光遮断パターンLSが配置される。データラインDL1は光遮断パターンLSと同一層に配置された同一の第1金属で形成され得る。光遮断パターンLSは駆動素子DTのチャネル領域(または活性層)の下部にのみ配置されるか、駆動素子DTのチャネル領域の下部だけでなく第1および第2スイッチ素子232、233のチャネル領域の下部にも配置され得る。光遮断パターンLSは外光を遮断する目的で使うか、他のトランジスタの電極や配線と連結されてキャパシタの電極として活用され得る。
【0143】
データラインDL1と光遮断パターンLSが配置された基板SUBS上にバッファー層BUFが配置され得る。バッファー層BUFは基板SUBSから拡散するイオンや不純物を遮断し、外部の水分の浸透を遮断する。
【0144】
バッファー層BUF上には第2スイッチ素子ST2の電極とブランチラインRBLが配置される。ブランチラインRBLは発光領域と重なる単層構造のブランチラインと、データラインDL1と重なる多層構造のブランチラインを含む。ブランチラインRBLでサブピクセルSP1~SP4の発光領域と重なる単層構造のブランチラインの半導体層は、基準電圧ラインRLに印加される基準電圧VrefをサブピクセルSP1~SP4のピクセル回路に印加するために導体化される。
【0145】
第2スイッチ素子ST2のソースおよびドレイン電極S2、D2は、半導体層上に形成された第3金属層と、第3金属層上で第3金属層に接触する第2金属層を含むことができる。第2スイッチ素子ST2のゲート電極は第2金属層で形成され得る。
【0146】
第2スイッチ素子ST2は活性層ACT2、ゲート電極G2、ソース電極S2、ドレイン電極D2を含む。
【0147】
活性層ACT2はバッファー層BUF上に配置される。活性層ACT2はチャネル領域、チャネル領域の一側に設けられたソース領域、チャネル領域の他側に設けられたドレイン領域に区分され得る。
【0148】
ゲート電極G2は第1絶縁層GIを挟んで活性層ACT2のチャネル領域上に配置された第2金属層で形成され得る。第1絶縁層GIはシリコン酸化膜(SiOx)またはシリコン窒化膜(SiNx)からなり得るが、これに限定されるものではない。第1絶縁層GIはゲート絶縁層であり得る。ゲート電極G2はゲートラインGLの一部であるか、ゲートラインGLから分岐された部分であり得る。すなわち、ゲート電極G2とゲートラインGLは同一層に、同一物質で形成され得る。
【0149】
ソース電極S2およびドレイン電極D2はバッファー層BUF上で、ゲート電極G2を挟んで配置される。したがって、第2スイッチ素子ST2の電極G2、S2、D2はバッファー層BUF上で実質的に同一平面上に配置され得る。
【0150】
ソース電極S2は半導体層のソース領域上に形成された第3金属層と、第3金属層上で第3金属層に接触した第2金属層を含む。ソース電極S2は第3金属層で形成されるため、半導体層からなる活性層ACT2と連結される。ソース電極S2と活性層ACT2のソース領域の間には第1絶縁層GIが配置され得る。ソース電極S2の第2金属層は、第1絶縁層GIを貫通するコンタクトホールSTH4を通じて第3金属層と半導体層の活性層ACT2のソース領域に接触する。そして、ソース電極S2の第2金属層は、第1絶縁層GI、半導体層およびバッファー層BUFを貫通するコンタクトホールSTH5を通じて光遮断パターンLSと連結される。
図9には図示されていないが、前述した通り、光遮断パターンLSは他のトランジスタの電極やラインと連結され得る。ソース電極S2と連結された光遮断パターンLSは、ソース電極S2を駆動素子DTのソース電極または発光素子OLEDのアノード電極ANDに連結することができる。
【0151】
ドレイン電極D2は活性層ACT2を含んだ半導体層上に形成された第3金属層を含む。ドレイン電極D2は第3金属層上で第3金属層に接触する第2金属層をさらに含むことができる。ブランチラインRBLは半導体層上に形成された第3金属層で形成されて
図2に図示された通り、ドレイン電極D2と連結される。したがって、ブランチラインRBLの多層構造のブランチラインとドレイン電極D2は第3金属層で一体化される。
【0152】
第2絶縁層PASは第2スイッチ素子ST2とブランチラインRBLを覆う。第2絶縁層PASはパッシベーション(Passivation)膜であり得る。パッシベーション膜は下部の素子を保護する絶縁層であって、シリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)またはこれらが積層された多層であり得る。
【0153】
第2絶縁層PAS上には第3絶縁層OCが配置され得る。第3絶縁層OCは下部構造の段差を緩和させるための平坦化膜であり得、ポリイミド(polyimide)、ベンゾシクロブテン系樹脂(benzocyclobutene series resin)、アクリレート(acrylate)等の有機物からなり得る。必要に応じて、パッシベーション膜と平坦化膜のうちいずれか一つは省略され得る。
【0154】
第2絶縁層PASと第3絶縁層OCの間にはカラーフィルタCFが配置され得る。
【0155】
第3絶縁層OC上には有機発光ダイオードOLEDが配置される。有機発光ダイオードOLEDは互いに対向するアノード電極AND、有機化合物層EL、カソード電極CATを含む。
【0156】
表示装置は下部発光(Bottom Emission)方式で具現され得る。この場合、アノード電極ANDは透明電極として機能することができる。一例として、アノード電極ANDは、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)またはZnO(Zinc Oxide)等の透明電極物質からなり得る。
【0157】
アノード電極ANDが形成された基板SUBS上にバンクBNKが配置される。バンクBNKはポリイミド(polyimide)、ベンゾシクロブテン系樹脂(benzocyclobutene series resin)、アクリレート(acrylate)等の有機物からなり得る。
【0158】
バンクBNKが形成された基板SUBS上に発光素子OLEDの有機化合物層ELが配置される。有機化合物層ELは電子と正孔が結合して発光する層であって、発光層EMLを含み、正孔注入層HIL、正孔輸送層HTL、電子輸送層ETLおよび電子注入層EILのうちいずれか一つ以上をさらに含むことができる。
【0159】
カソード電極CATは有機化合物層EL上に配置される。カソード電極CATは基板SUBSの前面に広く形成され得る。本発明の第2実施例に係る表示装置は下部発光(Bottom Emission)方式で具現されるため、カソード電極CATは反射電極として機能することができる。例えば、カソード電極CATは、仕事関数が低いマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)またはこれらの合金のような反射物質からなり得る。
【0160】
図9に図示された重なり領域OAから分かるように、ブランチラインRBLの透明な単層構造のブランチラインはサブピクセルSP1~SP2の発光領域と重なる。その結果、本発明はサブピクセルSP1~SP4の発光領域をさらに広くして輝度を高めることができ、消費電力を低くすることができる。
【0161】
図10を参照すると、表示パネル10は基板SUBS上に配置される第1金属層、バッファー層BUF、半導体層、第1絶縁層GI、第2金属層、第2絶縁層PAS、第3絶縁層OC、アノード電極AND、有機化合物層EL、カソード電極CAT、カラーフィルタCF、およびバンクBNKを含む。第1金属層は光遮断パターンLSを含む。第2金属層は、駆動素子DTのゲート電極とストレージキャパシタCstの上部電極CE1として利用され得る。第1および第2金属層それぞれは単一金属層または異種の金属層が積層された二重金属層で具現され得る。半導体層は少なくとも駆動素子DTの活性層ACT0を含む。半導体層上に部分的に第3金属層が積層される。第3金属層は半導体層上に形成されて横電源ラインVDDHとしてパターニングされ、駆動素子DTのソースおよびドレイン電極として利用され得る。駆動素子DTのソースおよびドレイン電極は第3金属層上で第3金属層に接触する第2金属層をさらに含むことができる。
【0162】
基板SUBS上に光遮断パターンLSが配置される。光遮断パターンLSが配置された基板SUBS上にバッファー層BUFが配置され得る。バッファー層BUF上に駆動素子DTおよび横電源ラインVDDHが形成される。
【0163】
駆動素子DTは活性層ACT0、ゲート電極G0、ソース電極S0、ドレイン電極D0を含む。
【0164】
活性層ACT0はバッファー層BUF上に配置された不導体化された半導体層で形成される。活性層ACT0はチャネル領域、チャネル領域の一側に設けられたソース領域、チャネル領域の他側に設けられたドレイン領域に区分され得る。
【0165】
ゲート電極G0は第1絶縁層GIを挟んで活性層ACT0のチャネル領域上に配置される。第1絶縁層GIはシリコン酸化膜(SiOx)またはシリコン窒化膜(SiNx)からなり得るが、これに限定されるものではない。ここで第1絶縁層GIはゲート絶縁層であり得る。ゲート電極G0は、ソース電極S0とドレイン電極D0の間に配置され得る。
【0166】
ソース電極S0およびドレイン電極D0はバッファー層BUF上でゲート電極G0を挟んで配置され得る。
【0167】
ソース電極S0とバッファー層BUFの間に第1絶縁層GIが配置され得る。ソース電極S0はゲート電極G0と同一層で同一の第2金属層を含むことができる。ソース電極S0の第2金属層は第1絶縁層GIを貫通するソースコンタクトホールEH5を通じて活性層ACT0のソース領域に形成された第3金属層に連結され得る。ソース電極S0は
図8に図示された通り、コンタクトホールCH2を通じて発光素子OLEDのアノード電極ANDに連結され得る。
【0168】
ドレイン電極D0は活性層ACTのドレイン領域に形成された半導体層と、その半導体層上に形成された第3金属層を含むことができる。ドレイン電極D0は第3金属層上に形成されて第3金属層に接触した第2金属層をさらに含むことができる。ドレイン電極D0は横電源ラインVDDHの一部であるか、横電源ラインVDDHから分岐された部分であり得る。したがって、横電源ラインVDDHはドレイン電極D0と一体化され得る。したがって、ドレイン電極D0と横電源ラインVDDHは半導体層と、その上に形成された第3金属層を共有することができる。
【0169】
図10でストレージキャパシタCst1は第1および第2キャパシタCst1、Cst2を含んで、前述した第1実施例に比べてより大きな容量を有する。ストレージキャパシタCstは
図2に図示された通り、駆動素子DTのゲート電極G0とソース電極S0の間に連結される。
【0170】
第1キャパシタCstはバッファー層BUFを挟んで対向する光遮断パターンLSと中間電極CE2を含む。光遮断パターンLSはストレージキャパシタCst1の下部電極と一体化される。中間電極CE2は活性層ACT0と連結された導体化された半導体層を含む。中間電極CE2は半導体層上に形成された第3金属層をさらに含むことができる。
【0171】
第2キャパシタCstは第1絶縁層GIを挟んで対向する中間電極CE2と上部電極CE1を含む。上部電極CE1は第1絶縁層GI上でゲート電極G0と同一の第2金属層で形成され得る。
【0172】
図10に図示された通り、本発明はサブピクセルSP1~SP4それぞれのピクセル回路でダブルキャパシタ(Double capacitor)を形成して十分なキャパシタ容量を確保することができる。その結果、ストレージキャパシタCstの大きさが小さくなり得るためサブピクセルSP1~SP4の発光領域が拡大され得、開口率が向上し得る。
【0173】
第2絶縁層PASは駆動素子DT、横電源ラインVDDH、およびストレージキャパシタCstを覆う。第2絶縁層PASはパッシベーション(Passivation)膜であり得る。パッシベーション膜は下部の素子を保護する絶縁層であって、シリコン酸化膜(SiOx)、シリコン窒化膜(SiNx)またはこれらが積層された多層であり得る。
【0174】
第2絶縁層PAS上に第3絶縁層OCが配置され得る。第3絶縁層OCは下部構造の段差を緩和させるための平坦化膜であり得、ポリイミド(polyimide)、ベンゾシクロブテン系樹脂(benzocyclobutene series resin)、アクリレート(acrylate)等の有機物からなり得る。必要に応じて、パッシベーション膜と平坦化膜のうちいずれか一つは省略され得る。
【0175】
第3絶縁層OC上には発光素子OLEDが配置される。発光素子OLEDはアノード電極AND、有機化合物層EL、カソード電極CATを含む。線「D-D」でアノード電極ANDは見えない。
【0176】
一つのフォト工程において、
図8~
図10に図示された表示パネルで半導体層上に第3金属層が部分的に積層され、半導体層が部分的に導体化され得る。このフォト工程はバッファー層BUF上に半導体層と第3金属層を連続蒸着した後にハーフトーンマスク(half-tone mask)を利用する。このフォト工程について
図11a~
図11eを結び付けて説明する。
【0177】
図11a~
図11eは、ハーフトーンマスクを利用して半導体層上に第3金属層のパターンを同時に形成し、半導体層を部分的に導体化するフォト工程を示す図面である。
【0178】
図11aを参照すると、フォト工程はバッファー層BUF上に半導体層SEMを前面蒸着し、その上に金属層MMを蒸着する。半導体層SEMは金属化が容易な酸化物半導体例えば、インジウム-ガリウム-亜鉛酸化物(Indium-Galium-Zinc Oxide、IGZO)で選択され得る。金属層MMは銅(Cu)、モリチタン(MoTi)のうちいずれか一つまたはこれらの金属が積層された二重金属層であり得る。金属層MMは前述した第3金属層として利用される。
【0179】
金属層MM上に感光物質が塗布されて感光物質層が金属層MM上に形成される。フォト工程は感光物質層に望むパターンが彫られたハーフトーンマスクが整列(align)し、ハーフトーンマスクを通じて感光物質層を露光し現像して感光物質層をパターニングする。その結果、フォトレジストパターンPRa、PRbが金属層MM上に残る。
【0180】
ハートトンマスクは透過部、反透過部、および遮断部を含むことができる。ハーフトーンマスクで透過部を通じて入射する光に露出する感光物質は現像液によって完全に除去され、半透過部を通じて入射する光に露出した感光物質は現像液によって上端の一部が除去され得る。第1フォトレジストパターンPRaは露光されない部分であって相対的に厚い。第2フォトレジストパターンPRbはハーフトーンマスクの反透過部を通じて露光された感光物質である。第2フォトレジストパターンPRbの厚さは第1フォトレジストパターンPRbより薄い。第1フォトレジストパターンPRaは半導体層と第3金属層が積層された構造であって、残る部分上に位置する。第2フォトレジストパターンPRbは第3金属層なしに半導体層のみが残る部分に位置する。フォトレジストパターンPRa、PRbがない部分は食刻工程で半導体層と第3金属層がすべて除去される。
【0181】
引き続き、フォト工程は食刻液を金属層MM上に噴射して湿式食刻を進める。その結果、
図11bに図示された通り、第1および第2フォトレジストパターンPRa、PRbにより遮られた金属層MMの一部は半導体層SEM上に残り、食刻液に露出した半導体層SEMは除去される。半導体層SEM上に残留する金属パターンMM’の幅は金属層が過食刻されてフォトレジストパターンPRa、PRaより小さくなり得る。
【0182】
引き続き、フォト工程はアッシング(Ashing)工程を通じてフォトレジストパターンPRa、PRbの厚さを調整する。アッシング工程によって第1フォトレジストパターンPRaは厚さが減少し、第2フォトレジストパターンPRbは完全に食刻されて除去される。その結果、
図11cに図示された通り、アッシング工程後に厚さが減少した第1フォトレジストパターンPRa’が半導体層SEM上に残留する。
【0183】
引き続き、フォト工程は半導体層SEMに対して湿式食刻を進める。その結果、第1フォトレジストパターンPRaの下の半導体層SEMがバッファー層BUF上に残留し、食刻液に露出した半導体層SEMが除去される。
【0184】
引き続き、プラズマ処理が実施されてフォトレジストパターンPRa’により遮られずに露出した半導体パターンSEM’が導体化される。その結果、
図11dに図示された通り、ストーリーキャパシタCstの中間電極CE2として利用される導体化された半導体パターンSEM’がバッファー層BUF上に形成され得る。
【0185】
図面には省略されたが、半導体パターンとトランジスタの電極または配線が連結されるコンタクトホールで半導体パターンが導体化され得る。半導体パターンの導体化後に、フォトレジストパターンPRa’が
図11eに図示されたように除去される。
【0186】
図12a~
図12cは、
図8に図示されたピクセル回路のコンタクトホール構造を示す平面図である。
図12a~
図12cで、「GM」はトランジスタDT、ST1、ST2の電極として利用される第2金属層の一部のパターンを示す。
図12a~
図12cに図示されたコンタクトホール構造は、
図8で半導体層と第2金属層が連結されるコンタクトホールCH2、STH3、STH4のうちいずれか一つであり得る。
【0187】
例えば、駆動素子DTのソース電極S0が第1絶縁層GIを貫通するコンタクトホールSTH4を通じてブランチラインRBLに連結される。コンタクトホールSTH内でブランチラインRBLの導体化された半導体層がソース電極S0と連結された第2金属層に連結され得る。他の例として、コンタクトホールSTH4内でブランチラインRBLの第3金属層が駆動素子DTのソース電極S0と連結され得る。
【0188】
導体化された半導体パターンCSEM/MM’上に第1絶縁層GIが形成された後、第1絶縁層GIが食刻される。その結果、
図12aおよび
図12bに図示された通り、第1絶縁層GIが除去されたコンタクトホール[CH(GI)]を通じて半導体パターンCSEM’/MM’の一部が露出する。
【0189】
第2金属層GMはコンタクトホール[CH(GI)]内で導体化されていない半導体層SEM上に形成された金属パターンMM’に接触され得る。この場合、コンタクトホール[CH(GI)]内で半導体層SEM上の金属パターンMM’が露出するように第1絶縁層GIが食刻される。
【0190】
引き続き、
図12cに図示された通り、第2金属層GMがコンタクトホール[CH(GI)]が完全に覆われるように第1絶縁層GI上に形成される。第2金属層GMはトランジスタDT、ST1、ST2のソース電極、ドレイン電極、またはゲート電極であり得る。第2金属層GMは
図12cに図示された通り、コンタクトホール[CH(GI)]で導体化された半導体パターンCSEMまたは金属パターンMM’に接触する。
【0191】
図12cに図示されたコンタクトホール構造は、抵抗が小さい金属層MM’または導体化された半導体層CSEMに第2金属層GMが接触するため別途の半導体導体化過程が不要である。
図7dに図示されたコンタクトホール構造は第2金属層と重なる半導体層が導体化され得ないため、電気的な抵抗が大きくなる。この抵抗を減少させるために、
図7a~
図7dで半導体層を露出させるコンタクトホールを大きくして半導体層の露出領域を大きくすることによって導体化できるが、コンタクトホールの一部のみが実際の接触領域として利用され得る。
【0192】
図12cに図示されたコンタクトホール構造は導体化された半導体パターンCSEMまたは半導体層上の第3金属パターンMM’が第2金属層GMと接触するため、第2金属層GMと重なる半導体層の導体化が難しいという点を考慮する必要なくコンタクトホールの抵抗を減らすことができる。したがって、本発明は
図12cに図示されたコンタクトホール構造を利用してコンタクトホール[CH(GI)]の大きさを減らしてサブピクセルSP1~SP4でピクセル回路面積を減らすことができる。その結果、本発明はサブピクセルSP1~SP4で発光領域をより大きくし、開口率を向上させることができる。さらに、本発明は
図8から分かるように、ブランチラインRBLとスイッチ素子ST2を連結するコンタクトホールSTH4の個数を一個に減らすことによって、ピクセル回路面積をさらに減らして発光領域をさらに拡大し、開口率をさらに向上させることができる。
【0193】
図13および
図14は、リペア(repair)工程で不良サブピクセルをレーザーカッティング(cutting)で暗点化する例を示す図面である。
【0194】
【0195】
表示パネルのピクセルアレイが完成した後、検査工程が実施される。表示パネルの画面上で不良サブピクセルが発見され得る。この場合、リペア工程は不良サブピクセルのピクセル回路で、ピクセル回路の一部ノード(cutted node)の配線や電極にレーザービームを照射して電流パスを遮断することによって不良サブピクセルを暗点化することができる。不良サブピクセルの暗点化は使用者に視認されることを最小化することができる。
図13および
図14の例は第1サブピクセルを不良サブピクセルとして例示した場合である。
【0196】
図13を参照すると、リペア工程は不良サブピクセルを暗点化するためにピクセル回路に電源Vref、EVDDを供給するブランチラインRBLと横電源ラインVDDHの金属にレーザービームを照射する段階を含む。金属配線は一般的なレーザー(Laser)装備で発生する1,064(nm)波長のレーザービームで溶けて断線され得る。横電源ラインVDDHが半導体層と第3金属層が積層された多層構造である場合、レーザービームの波長を変更することなく横電源ラインVDDHの第3金属層を溶かして横電源ラインVDDHを断線させることができる。第3金属層の下の半導体層は導体化されていないため、第3金属層が断線すると 横電源ラインVDDHが断線され得る。
【0197】
リペア工程は第1スイッチ素子ST1のゲート電極をレーザービームの波長を変更することなくレーザービームで断線する段階をさらに含むことができる。
【0198】
図8に図示された表示パネルで、ブランチラインRBLは半導体層と、その半導体層上に部分的に形成された金属層を含む。半導体層は1,064(nm)波長のレーザービームで溶けないため別途のレーザー装備がさらに必要である。例えば、酸化物半導体(IGZO)は266(nm)波長のレーザービームで溶かすことができる。したがって、
図8に図示された表示パネルの場合、リペア工程の費用を減らすために
図14に図示された通り、多層構造のブランチラインで半導体層上に形成された第3金属層に1,064(nm)波長のレーザービームを照射してブランチラインRBLを断線することが好ましい。
【0199】
多層構造のブランチラインで第3金属層の下の半導体層は導体化されていない部分を含み、隣接したピクセル回路の間のデータラインと交差することができる。したがって、多層構造のブランチライン第3金属層が断線すると基準電圧Vrefが印加される電流パスが遮断され得る。
【0200】
図15~
図17は、本発明の多様な実施例に係る表示パネル10の断面構造を概略的に示した断面である。
【0201】
図15~
図17から分かるように、本発明のピクセル回路の断面構造は基板上に形成された第1金属層ML1、前記第1金属層を覆うバッファー層BUF;前記バッファー層BUF上に形成されてトランジスタTFTの半導体層SEMLを覆う絶縁層GI;および前記絶縁層GI上に形成された第2金属層ML2を含む。
【0202】
前記第1金属層MLは前記トランジスタTFTの光遮断層LSと、キャパシタCstの下部電極を含む。前記第2金属層ML2は実質的に同一平面上に配置される前記トランジスタのゲート電極G、ソース電極S、およびドレイン電極Dを含む。前記半導体層SEMLは前記トランジスタTFTのチャネルを形成する活性層ACTを含む。前記トランジスタTFTは駆動素子DTまたはスイッチ素子ST1、ST2であり得、またピクセル回路のすべてのトランジスタであり得る。
【0203】
前記ブランチラインRBLの少なくとも一部が
図16および
図17に図示された通り、前記半導体層SEMLと実質的に同一平面上に配置される導体化された半導体層を含むことができる。
【0204】
図3に図示された表示パネル10でトランジスタTFT、ストレージキャパシタCst、そして、ブランチラインRBLの断面構造を、
図15のように単純に表現することができる。
図15に図示されたトランジスタTFTは駆動素子DTである。スイッチ素子ST1、ST2は光遮断パターンLSがないことを除けば、その構造は駆動素子DTと実質的に同じである。
【0205】
図15を参照すると、ピクセル回路のトランジスタTFTのゲート電極G、ソース電極S、およびドレイン電極Dは、第1絶縁層GI上に配置された第2金属層ML2から分割された金属パターンで形成され得る。トランジスタTFTはピクセル回路を構成するすべてのトランジスタすなわち、駆動素子とスイッチ素子であり得る。トランジスタTFTはバッファー層BUF上に形成された活性層ACTを含む。活性層ACTはバッファー層BUFと第1絶縁層GIの間の半導体層SEMLから分割された半導体パターンで形成され得る。バッファー層BUFと第1絶縁層GIそれぞれは無機絶縁膜であり得る。
【0206】
トランジスタTFTの下に第1金属層ML1から分割された光遮断パターンLSが配置され得る。光遮断パターンLSはバッファー層BUFによって覆われた第1金属層からパターニングされ得る。ストレージキャパシタCstは導体化された半導体パターンからなる上部電極CEと、第1金属層ML1からなる下部電極を含む。光遮断パターンLSとストレージキャパシタCstの下部電極は、第1金属層ML1の単一パターンで一体化され得る。ブランチラインRBLは第2金属層ML2からパターニングされた第1および第2ブランチラインBLa、BLbを含む。
【0207】
したがって、
図15に図示された表示パネル10で第1金属層ML1は少なくともトランジスタTFTの光遮断パターンLSと、ストレージキャパシタCstの下部電極を含む。半導体層SEMLは少なくともトランジスタTFTの活性層ACTと、ストレージキャパシタCstの上部電極CEを含む。第2金属層ML2は少なくともトランジスタTFTの電極と、ブランチラインBLa、BLb(すなわち、
図15に図示されたRBL)を含む。
【0208】
図8に図示された表示パネル10でトランジスタTFT、ストレージキャパシタCst、そして、ブランチラインRBLの断面構造を
図16のように単純に表現することができる。ストレージキャパシタCstは
図17に図示された構造で具現され得る。
【0209】
図16および
図17を参照すると、第1金属層ML1は少なくともトランジスタTFTの光遮断パターンLSを含む。第1金属層ML1はストレージキャパシタCstの下部電極をさらに含むことができる。半導体層SEMLは少なくともトランジスタTFTの活性層ACT、ストレージキャパシタCstの中間電極CE2、およびブランチラインRBLを含む。第2金属層ML2は少なくともトランジスタTFTの電極と、ストレージキャパシタCstの上部電極CE1を含む。
【0210】
図16に図示されたストレージキャパシタCstの中間電極CE2は導体化された半導体層で具現される。ストレージキャパシタCstは
図16に図示された通り、第1金属層ML1と半導体層SEMLの間の第1キャパシタCst1と、半導体層SEMLと第2金属層ML2の間の第2キャパシタCst2を含むことができる。他の実施例として、ストレージキャパシタCstは
図17に図示された通り、半導体層SEMLと第2金属層ML2の間のキャパシタで具現され得る。
【0211】
半導体層SEMLは単層の半導体層である場合、部分的に導体化され得る。半導体層SEML上に図面で省略された第3金属層が形成され得る。第3金属層は第1金属層ML1と第2金属層ML2の間で半導体層SEML上に配置される。
【0212】
ブランチラインRBLは開口部APTの発光領域に重なった単層ブランチラインを含む。単層ブランチラインは透明な導体化された半導体層で形成されるため発光領域と重なって開口部を拡大することができる。
【0213】
図8に図示された表示パネルでトランジスタの電極とストレージキャパシタの電極は
図18に図示された通り、半導体層および金属層の積層構造に連結され得る。
【0214】
図18を参照すると、トランジスタTFTの活性層ACTは半導体層SEMLと第3金属層ML3が積層された多層構造であり得る。トランジスタTFTのソースおよびドレイン電極S、Dは第1絶縁層GIを貫通するコンタクトホールを通じて半導体層SEML上の第3金属層ML3に接触する。
【0215】
ストレージキャパシタCstの中間電極CE2は半導体層SEMLと第3金属層ML3が積層された多層構造であり得る。この場合、中間電極CE2の半導体層SEMLは導体化される必要がない。
【0216】
パッドPADは第1金属層ML1で形成された第1電極PE1、第2金属層ML2で形成された第2電極PE2、および第2電極PE2上に形成された第3電極PE3を含むことができる。第2電極PE2はバッファー層BUFを貫通するコンタクトホールを通じて第1電極PE1に接触する。第3電極PE3は発光素子OLEDのアノード電極ANDと同時に 透明電極物質で形成される。ソースドライバー12の出力ピンはACF(aniso-tropic conductive film)を通じてパッドPADの第3電極PE3に連結される。
【0217】
図8に図示された表示パネル10で第1金属層のパターンと半導体パターンは
図19と同じである。
【0218】
図19を参照すると、第1金属層MLのパターンは少なくとも縦電源ラインVDDV、基準電圧ラインRL、データラインDL1~DL4、および光遮断パターンLSを含む。
【0219】
半導体パターンは少なくとも第1~第6半導体パターンSEM1~SEM6を含む。第1半導体パターンSEM1はコンタクトホールRH3を通じて基準電圧ラインRLと連結されるブランチラインを含む。
【0220】
ブランチラインRBLの半導体パターンはサブピクセルのうち少なくとも一つの発光領域を第1方向xに沿って横切る導体化されたライン部SEM1-1と、第1方向xと交差する第2方向yに沿ってライン部SEM1-1から曲がってピクセル回路に連結された分岐部SEM1-2を含む。
【0221】
ブランチラインRBLのライン部SEM1-1は一つ以上のサブピクセルの発光領域を横切ってその発光領域と重なり得る。ブランチラインRBLを通じて基準電圧Vrefが一つ以上のサブピクセルに印加され得るように、一つのライン部SEM1-1に複数個の分岐部SEM1-2が連結される。分岐部SEM1-2は第2スイッチ素子ST2で導体化されていない活性層と、第2スイッチ素子ST2の電極のうち少なくとも一電極を含むことができる。分岐部SEM1-2は第2スイッチ素子ST2のソースおよびドレイン電極と接触する導体化された電極部分を含むことができる。
【0222】
第2~第5半導体パターンSEM2~SEM5それぞれは、ストレージキャパシタCs1の電極と、第1スイッチ素子ST1のソースおよびドレイン電極と接触する部分で導体化され得る。第3半導体パターンSEM2は、ストレージキャパシタCs1の電極と、第1スイッチ素子ST1のソースおよびドレイン電極と接触する部分で導体化され得る。第6半導体パターンSEM6は駆動素子DTのソースおよびドレイン電極で導体化され得る。
【0223】
基準電圧ラインRLは導体化された半導体パターンで具現され得る。この場合、
図20に図示された通り、第1半導体パターンSEM1と基準電圧ラインRLが同一平面上で連結されるためコンタクトホールが不要である。基準電圧ラインRLがピクセル回路の第2スイッチ素子ST2に連結される。基準電圧ラインRLと第2スイッチ素子ST2のドレイン電極と基準電圧ラインRLがコンタクトホールを通じて連結されると、
図21aに図示された通り、コンタクトホールの抵抗Rcntと基準電圧ラインRLの配線抵抗Rrが存在する。これに比べ、基準電圧ラインRLと第2スイッチ素子ST2のドレイン電極と基準電圧ラインRLがコンタクトホールなしに直接連結されると、
図21bに図示された通り、それらの間に基準電圧ラインRLの配線抵抗Rrのみが存在する。
【0224】
基準電圧ラインRLが導体化された半導体パターンを具現する時、基準電圧ラインと横電源ラインVDDH間の短絡(short circuit)を防止するために、横電源ラインVDDHは絶縁層を挟んで半導体層と分離された第1金属層ML1または第2金属層ML2で形成され得る。
【0225】
リペア工程は不良サブピクセルを暗点化する時、駆動素子DTと発光素子OLEDのアノード電極ANDの間のノードすなわち、配線を断線させる必要がある。アノード電極を溶かすことができるレーザービームの波長と、金属および半導体層を溶かすことができるレーザービームの波長が異なり得る。例えば、アノード電極として利用されるITOは266(nm)波長のレーザービームで溶かすことができる。これに比べ、ブランチラインの半導体層は1,064(nm)波長のレーザービームで溶かすことができる。この場合、アノード電極を断線させるためのレーザー装備とブランチラインを断線させるためのレーザー装備は別途の装備が必要であり、リペア工程時間が長くなる。本発明の第3実施例はレーザー工程で一つのレーザー装備でアノード電極とブランチラインを同時に断線させるために、ブランチラインを
図22および
図23のような構造で具現することができる。
【0226】
図22は、本発明の第3実施例に係る表示装置の平面図である。
図23は、
図22でカッティングラインI-I’に沿って切り取った断面図である。この実施例はリペア工程で同一波長のレーザービームで発光素子OLEDのアノード電極とブランチラインRBLを同時に断線させることができる。
図22および
図23は
図8に図示された表示パネルのピクセル回路に変更されたブランチラインの一部を拡大した図面である。この実施例において
図8と同じ構成要素については同じ図面符号を付し、それに対する詳細な説明は省略することにする。
【0227】
図22および
図23を参照すると、ブランチラインRBLは第1方向xに沿って長いライン部RBL-1と、第1方向xと交差する第2方向yに沿ってライン部RBL-1から曲がってピクセル回路に連結された分岐部RBL-2を含む。ライン部RBL-1は基準電圧ラインRLに連結され、データラインDL1、DL2と交差する。
【0228】
ブランチラインRBLのライン部RBL-1は、サブピクセルの発光領域とピクセル回路の間で一つ以上のサブピクセルを横切る長さを有する。ライン部RBL-1はサブピクセルの発光領域とゲートラインGLの間で少なくとも一部が発光素子OLEDのアノード電極ANDと重なる。ライン部RBL-1の少なくとも一部はバンクBNKに重なり得る。
【0229】
ブランチラインRBLを通じて基準電圧Vrefが一つ以上のサブピクセルに印加され得るように、一つのライン部RBL-1に複数個の分岐部RBL-2が連結される。分岐部RBL-2は、対応するサブピクセルで第2スイッチ素子ST2の導体化されていない活性層と、第2スイッチ素子ST2のソースおよびドレイン電極と接触する導体化された電極部分を含む。分岐部RBL-2の少なくとも一部は発光素子OLEDのアノード電極ANDと重なる。分岐部RBL-2の少なくとも一部はバンクBNKに重なり得る。
【0230】
ライン部RBL-1の少なくとも一部と分岐部RBL-2の少なくとも一部は
図23に図示された通り、半導体層SEMと第3金属層ML3が積層された多層構造を有する。第3金属層ML3は銅(Cu)、モリチタン(MoTi)のうちいずれか一つまたはこれらの金属が積層された二重金属層であり得る。ライン部RBL-1の 第3金属層ML3により、ライン部RBL-1は開口部の発光領域を回避する経路で配置され得る。例えば、ライン部RBL-1で 第3金属層ML3が存在する部分はサブピクセルの発光領域とゲートラインGLの間に配置され得る。
【0231】
図22および
図23に図示されたピクセル構造を有する表示パネル10で不良サブピクセルが検出されると、リペア工程が実施される。リペア工程は不良サブピクセルを暗点化するために、ピクセル回路に電源Vref、EVDDを供給する電源配線にレーザービームを照射する。金属配線は一般的なレーザー(Laser)装備で発生する1,064(nm)波長のレーザービームでカッティングされ得る。リペア工程はブランチラインRBLで 第3金属層ML3とアノード電極ANDが重なる部分例えば、
図22および
図23でカッティングラインI-I’に沿ってレーザービームの波長を変更することなく、1回のレーザービームの照射でブランチラインRBLを断線させることができる。この時、 第3金属層ML3の下の半導体層SEMは断線されないが、この半導体層SEMは導体化されていない状態であるため断線効果がある。
【0232】
リペア工程は横電源ラインVDDHと、第1スイッチ素子ST1のゲート電極をレーザービームで断線する段階をさらに含むことができる。
【0233】
図24に図示された通り、ブランチラインRBLのライン部RBL-1と分岐部RBL-2で少なくとも一部が導体化された半導体層を含んだ単層構造で具現され得る。例えば、分岐部RBL-2の少なくとも一部は、半導体層SEMと第3金属層ML3が積層された多層構造であり得る。導体化された半導体層は透明であるため、サブピクセルの発光領域と重なって発光領域を含んだ開口部が拡大され得る。リペア工程はライン部RBL-1または分岐部RBL-2で
図23および
図24のように、アノード電極ANDとブランチラインRBLの 第3金属層ML3が重なる位置にレーザービームを照射して不良サブピクセルに連結されたアノード電極ANDとブランチラインRBLを同時に断線させることができる。
【0234】
以上で解決しようとする課題、課題の解決手段、効果に記載した明細書の内容が、請求項の必須の特徴を特定するものではないので、請求項の権利範囲は明細書の内容に記載された事項によって制限されない。
【0235】
以上、添付された図面を参照して本発明の実施例をさらに詳細に説明したが、本発明は必ずしもこのような実施例に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で多様に変形実施され得る。したがって、本発明に開示された実施例は本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであって、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。したがって、以上で記述した実施例はすべての面において例示的なものであって、限定的でないものと理解されるべきである。本発明の保護範囲は特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にあるすべての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0236】
10:表示パネル
SP1、SP2、SP3、SP4:サブピクセル
EA:発光部
CA:回路部
GL:ゲートライン
DL:データライン
RL:基準電圧ライン
Cst:ストレージキャパシタ
VDDH:横電源ライン
VDDV:縦電源ライン
DT:駆動素子
ST1:第1スイッチ素子
ST2:第2スイッチ素子
RBL:ブランチライン