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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】ウラシル化合物及びその用途
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/12 20060101AFI20221221BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20221221BHJP
   A01N 43/54 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
C07D401/12 CSP
A01P13/00
A01N43/54 F
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020525559
(86)(22)【出願日】2019-06-10
(86)【国際出願番号】 JP2019022939
(87)【国際公開番号】W WO2019240082
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2022-01-28
(31)【優先権主張番号】P 2018110924
(32)【優先日】2018-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(72)【発明者】
【氏名】木地 俊之
【審査官】三木 寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-155061(JP,A)
【文献】特開昭63-041466(JP,A)
【文献】国際公開第2003/014109(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 401/12
A01P 13/00
A01N 43/54
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(A):
【化1】
で示される化合物。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物と、不活性担体とを含有する除草用組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物を、雑草又は雑草の生育する場所に施用する工程を含む雑草の防除方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、日本国特許出願2018-110924号(2018年6月11日出願)に基づくパリ条約上の優先権および利益を主張するものであり、ここに引用することによって、上記出願に記載された内容の全体が、本明細書中に組み込まれるものとする。
本発明はウラシル化合物及びその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には式(B):
【化1】
で示される化合物(以下、化合物Bと記す)が雑草防除効力を有することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第6537948号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は優れた雑草防除効力を有し、且つ、有用植物に対する安全性が高い化合物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は上記課題について検討した結果、下記式(A)で示される化合物が優れた雑草防除効力を有し、且つ、有用植物に対する安全性が高いことを見出し、本発明に至った。
本発明は、以下のとおりである。
[1] 式(A):
【化2】
で示される化合物(以下、化合物Aと記す)。
[2] [1]に記載の化合物と、不活性担体とを含有する除草用組成物(以下、本発明組成物Aと記す)。
[3] [1]に記載の化合物を、雑草又は雑草の生育する場所に施用する工程を含む雑草の防除方法(以下、本発明防除方法と記す)。
【発明の効果】
【0006】
化合物Aは、優れた雑草防除効力を有し、且つ、有用植物に対する安全性が高く、除草用組成物の有効成分として有効である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明組成物Aは、化合物Aと不活性担体とを含有する。本発明組成物Aは、通常、化合物Aと固体担体、液体担体等の不活性担体とを混合し、必要に応じて界面活性剤、その他の製剤用補助剤を添加して、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤、粒剤、ドライフロアブル剤、乳剤、マイクロカプセル剤等に製剤化される。これらの製剤には化合物Aが重量比で通常0.1~99%含有される。
【0008】
製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えば粘土類(カオリンクレー、珪藻土、ベントナイト、フバサミクレー、酸性白土等)、乾式シリカ、湿式シリカ、タルク、セラミック、その他の無機鉱物(セリサイト、石英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム等)、化学肥料(硫安、燐安、硝安、尿素、塩安等)等の微粉末及び粒状物等、並びに合成樹脂(ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ナイロン-6、ナイロン-11、ナイロン-66等のナイロン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル-プロピレン共重合体等)が挙げられる。
【0009】
液体担体としては、例えば水、アルコール類(メタノール、エタノール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、灯油等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、エーテル類(ジイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等)、アミド類(N,N-ジメチルホルムアミド(以下、DMFと記す)、N,N-ジメチルアセトアミド等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、炭酸プロピレン及び植物油(大豆油、綿実油等)が挙げられる。
【0010】
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤、及びアルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩等の陰イオン界面活性剤が挙げられる。
【0011】
その他の製剤用補助剤としては、例えば固着剤、分散剤、着色剤及び安定剤等、具体的には例えばカゼイン、ゼラチン、糖類(でんぷん、アラビアガム、セルロース誘導体、アルギン酸等)、リグニン誘導体、ベントナイト、合成水溶性高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸類等)、酸性リン酸イソプロピル、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、BHA(2-tert-ブチル-4-メトキシフェノールと3-tert-ブチル-4-メトキシフェノールとの混合物)が挙げられる。
【0012】
本発明の雑草の防除方法は、化合物Aの有効量を雑草又は雑草が生育する場所若しくは生育するであろう場所に施用する工程を含むものである。本発明の雑草の防除方法には、通常、組成物Aの形態で用いられる。本発明の雑草の防除方法としては、例えば組成物Aを雑草に茎葉処理する方法、組成物Aを雑草が生育する又は生育するであろう土壌表面に処理する方法、組成物Aを雑草が生育する土壌に混和処理する方法、及び組成物Aを雑草が生育する又は生育するであろう場所を湛水した水田の表面水に処理する方法が挙げられる。本発明の雑草の防除方法には、雑草を防除する面積1haあたり化合物Aが、通常5~5000g用いられる。
【0013】
化合物Aは、有用植物を栽培する農耕地等で使用して、当該農耕地における雑草を防除することができる。
上記の有用植物としては、例えば、トウモロコシ、イネ、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、ソルガム、ワタ、ダイズ、ラッカセイ、テンサイ、ナタネ、ヒマワリ、サトウキビ、タバコ、ホップ;
ナス科野菜(ナス、トマト、ピーマン、トウガラシ、ジャガイモ等)、ウリ科野菜(キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、スイカ、メロン、マクワウリ等)、アブラナ科野菜(ダイコン、カブ、セイヨウワサビ、コールラビ、ハクサイ、キャベツ、カラシナ、ブロッコリー、カリフラワー等)、キク科野菜(ゴボウ、シュンギク、アーティチョーク、レタス等)、ユリ科野菜(ネギ、タマネギ、ニンニク、アスパラガス等)、セリ科野菜(パセリ、セロリ、アメリカボウフウ等)、アカザ科野菜(ホウレンソウ、フダンソウ等)、シソ科野菜(シソ、ミント、バジル等)、マメ科作物(エンドウ、インゲンマメ、アズキ、ソラマメ、ヒヨコマメ等)、イチゴ、サツマイモ、ヤマノイモ、サトイモ、コンニャク、ショウガ、オクラ;
仁果類(リンゴ、ナシ、セイヨウナシ、カリン、マルメロ等)、核果類(モモ、スモモ、ネクタリン、ウメ、オウトウ、アンズ、プルーン等)、カンキツ類(ウンシュウミカン、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ等)、堅果類(クリ、クルミ、ハシバミ、アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、マカダミアナッツ等)、液果類(ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ラズベリー等)、ブドウ、カキ、オリーブ、ビワ、バナナ、コーヒー、ナツメヤシ、ココヤシ、アブラヤシ等。
上記の有用植物には、遺伝子組換え植物も含まれる。
【0014】
化合物Aが効力を有する防除対象としての雑草としては、次のものが挙げられる。
イラクサ科雑草(Urticaceae):ヒメイラクサ(Urtica urens)
タデ科雑草(Polygonaceae):ソバカズラ(Polygonum convolvulus)、サナエタデ(Polygonum lapathifolium)、アメリカサナエタデ(Polygonum pensylvanicum)、ハルタデ(Polygonum persicaria)、イヌタデ(Polygonum longisetum)、ミチヤナギ(Polygonum aviculare)、ハイミチヤナギ(Polygonum arenastrum)、イタドリ(Polygonum cuspidatum)、ギシギシ(Rumex japonicus)、ナガバギシギシ(Rumex crispus)、エゾノギシギシ(Rumex obtusifolius)、スイバ(Rumex acetosa)
スベリヒユ科雑草(Portulacaceae):スベリヒユ(Portulaca oleracea)
ナデシコ科雑草(Caryophyllaceae):ハコベ(Stellaria media)、ウシハコベ(Stellaria aquatica)、ミミナグサ(Cerastium holosteoides)、オランダミミナグサ(Cerastium glomeratum)、オオツメクサ(Spergula arvensis)、マンテマ(Silene gallica)
ザクロソウ科雑草(Molluginaceae):クルマバザクロウソウ(Mollugo verticillata)
アカザ科雑草(Chenopodiaceae):シロザ(Chenopodium album)、ケアリタソウ(Chenopodium ambrosioides)、ホウキギ(Kochia scoparia)、ノハラヒジキ(Salsola kali)、アトリプレックス属(Atriplex spp.)
【0015】
ヒユ科雑草(Amaranthaceae):アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)、ホナガイヌビユ(Amaranthus viridis)、イヌビユ(Amaranthus lividus)、ハリビユ(Amaranthus spinosus)、ホナガアオゲイトウ(Amaranthus hybridus)、オオホナガアオゲイトウ(Amaranthus palmeri)、ホソアオゲイトウ(Amaranthus patulus)、ウォーターヘンプ(Amaranthus tuberculatus)、アメリカビユ(Amaranthus blitoides)、ハイビユ(Amaranthus deflexus)、アマランサス クイテンシス(Amaranthus quitensis)、ナガエツルノゲイトウ(Alternanthera philoxeroides)、ツルゲイトウ(Alternanthera sessilis)、サングイナリア(Alternanthera tenella)
ケシ科雑草(Papaveraceae):ヒナゲシ(Papaver rhoeas)、ナガミヒナゲシ(Papaver dubium)、アザミゲシ(Argemone mexicana)
アブラナ科雑草(Brassicaceae):セイヨウノダイコン(Raphanus raphanistrum)、ラディッシュ(Raphanus sativus)、ノハラガラシ(Sinapis arvensis)、ナズナ(Capsella bursa-pastoris)、セイヨウカラシナ(Brassica juncea)、セイヨウアブラナ(Brassica napus)、ヒメクジラグサ(Descurainia pinnata)、スカシタゴボウ(Rorippa islandica)、キレハイヌガラシ(Rorippa sylvestris)、グンバイナズナ(Thlaspi arvense)、ミヤガラシ(Myagrum rugosum)、マメグンバイナズナ(Lepidium virginicum)、カラクサナズナ(Coronopus didymus)
フウチョウソウ科雑草(Capparaceae):クレオメ アフィニス(Cleome affinis)
【0016】
マメ科雑草(Fabaceae):クサネム(Aeschynomene indica)、ジグザグジョイントベッチ(Aeschynomene rudis)、アメリカツノクサネム(Sesbania exaltata)、エビスグサ(Cassia obtusifolia)、ハブソウ(Cassia occidentalis)、ジュズハギ(Desmodium tortuosum)、ノハラハギ(Desmodium adscendens)、イリノイヌスビトハギ(Desmodium illinoense)、シロツメクサ(Trifolium repens)、クズ(Pueraria lobata)、カラスノエンドウ(Vicia angustifolia)、タヌキコマツナギ(Indigofera hirsuta)、インディゴフェラ トルキシレンシス(Indigofera truxillensis)、野生ササゲ(Vigna sinensis)
カタバミ科雑草(Oxalidaceae):カタバミ(Oxalis corniculata)、オッタチカタバミ(Oxalis strica)、オキザリス オキシプテラ(Oxalis oxyptera)
フウロソウ科雑草(Geraniaceae):アメリカフウロ(Geranium carolinense)、オランダフウロ(Erodium cicutarium)
トウダイグサ科雑草(Euphorbiaceae):トウダイグサ(Euphorbia helioscopia)、オオニシキソウ(Euphorbia maculata)、コニシキソウ(Euphorbia humistrata)、ハギクソウ(Euphorbia esula)、ショウジョウソウ(Euphorbia heterophylla)、ヒソップリーフサンドマット(Euphorbia brasiliensis)、エノキグサ(Acalypha australis)、トロピッククロトン(Croton glandulosus)、ロブドクロトン(Croton lobatus)、ブラジルコミカンソウ(Phyllanthus corcovadensis)、トウゴマ(Ricinus communis)
【0017】
アオイ科雑草(Malvaceae):イチビ(Abutilon theophrasti)、キンゴジカ(Sida rhombiforia)、マルバキンゴジカ(Sida cordifolia)、アメリカキンゴジカ(Sida spinosa)、シダ グラジオビ(Sida glaziovii)、シダ サンタレムネンシス(Sida santaremnensis)、ギンセンカ(Hibiscus trionum)、ニシキアオイ(Anoda cristata)、エノキアオイ(Malvastrum coromandelianum)
アカバナ科雑草(Onagraceae):チョウジタデ(Ludwigia epilobioides)、キダチグンバイ(Ludwigia octovalvis)、ヒレタゴボウ(Ludwigia decurre)メマツヨイグサ(Oenothera biennis)、コマツヨイグサ(Oenothera laciniata)
アオギリ科雑草(Sterculiaceae):コバンバノキ(Waltheria indica)
スミレ科雑草(Violaceae):マキバスミレ(Viola arvensis)、ワイルドパンジー(Viola tricolor)
ウリ科雑草(Cucurbitaceae):アレチウリ(Sicyos angulatus)、ワイルドキューカンバー(Echinocystis lobata)、野生ニガウリ(Momordica charantia)
ミソハギ科雑草(Lythraceae):ヒメミソハギ(Ammannia multiflora)、ナンゴクヒメミソハギ(Ammannia auriculata)、ホソバヒメミソハギ(Ammannia coccinea)、エゾミソハギ(Lythrum salicaria)、キカシグサ(Rotala indica)
ミゾハコベ科雑草(Elatinaceae):ミゾハコベ(Elatine triandra)、カリフォルニアウォーターウォート(Elatine californica)
【0018】
セリ科雑草(Apiaceae):セリ(Oenanthe javanica)、ノラニンジン(Daucus carota)、ドクニンジン(Conium maculatum)
ウコギ科雑草(Araliaceae):チドメグサ(Hydrocotyle sibthorpioides)、ブラジルチドメグサ(Hydrocotyle ranunculoides)
マツモ科雑草(Ceratophyllaceae):マツモ(Ceratophyllum demersum)
ハゴロモモ科雑草(Cabombaceae):ハゴロモモ(Cabomba caroliniana)
アリノトウグサ科雑草(Haloragaceae):オオフサモ(Myriophyllum aquaticum)、フサモ(Myriophyllum verticillatum)、ウォーターミルフォイル類(Myriophyllum spicatum、Myriophyllum heterophyllum等)
ムクロジ科雑草(Sapindaceae):フウセンカズラ(Cardiospermum halicacabum)
サクラソウ科雑草(Primulaceae):アカバナルリハコベ(Anagallis arvensis)
ガガイモ科雑草(Asclepiadaceae):オオトウワタ(Asclepias syriaca)、ハニーヴァインミルクウィード(Ampelamus albidus)
アカネ科雑草(Rubiaceae):キャッチウィードベッドストロー(Galium aparine)、ヤエムグラ(Galium spurium var. echinospermon)、ヒロハフタバムグラ(Spermacoce latifolia)、ブラジルハシカグサモドキ(Richardia brasiliensis)、ウィングドファルスボタンウィード(Borreria alata)
【0019】
ヒルガオ科雑草(Convolvulaceae):アサガオ(Ipomoea nil)、アメリカアサガオ(Ipomoea hederacea)、マルバアサガオ(Ipomoea purpurea)、マルバアメリカアサガオ(Ipomoea hederacea var. integriuscula)、マメアサガオ(Ipomoea lacunosa)、ホシアサガオ(Ipomoea triloba)、ノアサガオ(Ipomoea acuminata)、ツタノハルコウ(Ipomoea hederifolia)、マルバルコウ(Ipomoea coccinea)、ルコウソウ(Ipomoea quamoclit)、イポモエア グランディフォリア(Ipomoea grandifolia)、イポモエア アリストロチアフォリア(Ipomoea aristolochiafolia)、モミジバヒルガオ(Ipomoea cairica)、セイヨウヒルガオ(Convolvulus arvensis)、コヒルガオ(Calystegia hederacea)、ヒルガオ(Calystegia japonica)、ツタノハヒルガオ(Merremia hedeacea)、ヘアリーウッドローズ(Merremia aegyptia)、ロードサイドウッドローズ(Merremia cissoides)、オキナアサガオ(Jacquemontia tamnifolia)
ムラサキ科雑草(Boraginaceae):ワスレナグサ(Myosotis arvensis)
シソ科雑草(Lamiaceae):ヒメオドリコソウ(Lamium purpureum)、ホトケノザ(Lamium amplexicaule)、タマザキメハジキ(Leonotis nepetaefolia)、ニオイニガクサ(Hyptis suaveolens)、ヒプティス ロファンタ(Hyptis lophanta)、メハジキ(Leonurus sibiricus)、ヤブチョロギ(Stachys arvensis)
【0020】
ナス科雑草(Solanaceae):ヨウシュウチョウセンアサガオ(Datura stramonium)、イヌホオズキ(Solanum nigrum)、テリミノイヌホオズキ(Solanum americanum)、アメリカイヌホオズキ(Solanum ptycanthum)、ケイヌホオズキ(Solanum sarrachoides)、トマトダマシ(Solanum rostratum)、キンギンナスビ(Solanum aculeatissimum)、ワイルドトマト(Solanum sisymbriifolium)、ワルナスビ(Solanum carolinense)、センナリホオズキ(Physalis angulata)、スムーズグランドチェリー(Physalis subglabrata)、オオセンナリ(Nicandra physaloides)
ゴマノハグサ科雑草(Scrophulariaceae):フラサバソウ(Veronica hederaefolia)、オオイヌノフグリ(Veronica persica)、タチイヌノフグリ(Veronica arvensis)、アゼナ(Lindernia procumbens)、アメリカアゼナ(Lindernia dubia)、アゼトウガラシ(Lindernia angustifolia)、ウキアゼナ(Bacopa rotundifolia)、アブノメ(Dopatrium junceum)、オオアブノメ(Gratiola japonica)、
オオバコ科雑草(Plantaginaceae):オオバコ(Plantago asiatica)、ヘラオオバコ(Plantago lanceolata)、セイヨウオオバコ(Plantago major)、ミズハコベ(Callitriche palustris)
【0021】
キク科雑草(Asteraceae):オナモミ(Xanthium pensylvanicum)、オオオナモミ(Xanthium occidentale)、イガオナモミ(Xanthium italicum)、野生ヒマワリ(Helianthus annuus)、カミツレ(Matricaria chamomilla)、イヌカミツレ(Matricaria perforata)、コーンマリーゴールド(Chrysanthemum segetum)、オロシャギク(Matricaria matricarioides)、ヨモギ(Artemisia princeps)、オウシュウヨモギ(Artemisia vulgaris)、チャイニーズマグウォート(Artemisia verlotorum)、セイタカアワダチソウ(Solidago altissima)、セイヨウタンポポ(Taraxacum officinale)、ハキダメギク(Galinsoga ciliata)、コゴメギク(Galinsoga parviflora)、ノボロギク(Senecio vulgaris)、セネシオ ブラジリエンシス(Senecio brasiliensis)、セネシオ グリセバチ(Senecio grisebachii)、アレチノギク(Conyza bonariensis)、オオアレチノギク(Conyza smatrensis)、ヒメムカシヨモギ(Conyza canadensis)、ブタクサ(Ambrosia artemisiaefolia)、クワモドキ(Ambrosia trifida)、タウコギ(Bidens tripartita)、コセンダングサ(Bidens pilosa)、アメリカセンダングサ(Bidens frondosa)、ビーデンス スバルテルナンス(Bidens subalternans)、セイヨウトゲアザミ(Cirsium arvense)、アメリカオニアザミ(Cirsium vulgare)、マリアアザミ(Silybum marianum)、マスクチッスル(Carduus nutans)、トゲチシャ(Lactuca serriola)、ノゲシ(Sonchus oleraceus)、オニノゲシ(Sonchus asper)、ビーチクリーピングオックスアイ(Wedelia glauca)、パーフォリエートブラックフット(Melampodium perfoliatum)、ウスベニニガナ(Emilia sonchifolia)、シオザキソウ(Tagetes minuta)、パラクレス(Blainvillea latifolia)、コトブキギク(Tridax procumbens)、イェルバ ポロサ(Porophyllum ruderale)、パラグアイ スターバー(Acanthospermum australe)、ブリストリー スターバー(Acanthospermum hispidum)、フウセンガズラ(Cardiospermum halicacabum)、カッコウアザミ(Ageratum conyzoides)、コモンボーンセット(Eupatorium perfoliatum)、アメリカタカサブロウ(Eclipta alba)、ダンドボロギク(Erechtites hieracifolia)、アメリカンエバーラスティング(Gamochaeta spicata)、ウラジロチチコグサ(Gnaphalium spicatum)、ジャゲリア ヒトラ(Jaegeria hirta)、ゴマギク(Parthenium hysterophorus)、メナモミ(Siegesbeckia orientalis)、メリケントキンソウ(Soliva sessilis)、タカサブロウ(Eclipta prostrata)、アメリカタカサブロウ(Eclipta alba)、トキンソウ(Centipeda minima)、
【0022】
オモダカ科雑草(Alismataceae):ウリカワ(Sagittaria pygmaea)、オモダカ(Sagittaria trifolia)、セイヨウオモダカ(Sagittaria sagittifolia)、タイリンオモダカ(Sagittaria montevidensis)、アギナシ(Sagittaria aginashi)、ヘラオモダカ(Alisma canaliculatum)、サジオモダカ(Alisma plantago-aquatica)
キバナオモダカ科(Limnocharitaceae):キバナオモダカ(Limnocharis flava)
トチカガミ科雑草(Hydrocharitaceae):フロッグビット(Limnobium spongia)、クロモ(Hydrilla verticillata)、コモンウォーターニンフ(Najas guadalupensis)
サトイモ科雑草(Araceae):ボタンウキクサ(Pistia stratiotes)
ウキクサ科雑草(Lemnaceae):アオウキクサ(Lemna aoukikusa)、ウキクサ(Spirodela polyrhiza)、ミジンコウキクサ属(Wolffia spp)
ヒルムシロ科雑草(Potamogetonaceae):ヒルムシロ(Potamogeton distinctus)、ポンドウィード類(Potamogeton crispus、Potamogeton illinoensis、Stuckenia pectinata等)
ユリ科雑草(Liliaceae):ワイルドオニオン(Allium canadense)、ワイルドガーリック(Allium vineale)、ノビル(Allium macrostemon)
ミズアオイ科雑草:ホテイアオイ(Eichhornia crassipes)、アメリカコナギ(Heteranthera limosa)、ミズアオイ(Monochoria korsakowii)、コナギ(Monochoria vaginalis)
ツユクサ科雑草(Commelinaceae):ツユクサ(Commelina communis)、マルバツユクサ(Commelina bengharensis)、エレクトデイフラワー(Commelina erecta)、イボクサ(Murdannia keisak)
【0023】
イネ科雑草(Poaceae):イヌビエ(Echinochloa crus-galli)、タイヌビエ(Echinochloa oryzicola)、ヒメタイヌビエ(Echinochloa crus-galli var formosensis)、レイトウォーターグラス(Echinochloa oryzoides)、コヒメビエ(Echinochloa colona)、ガルフコックスパー(Echinochloa crus-pavonis)、エノコログサ(Setaria viridis)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)、キンエノコロ(Setaria glauca)、アメリカエノコログサ(Setaria geniculata)、メヒシバ(Digitaria ciliaris)、ラージクラブグラス(Digitaria sanguinalis)、ジャマイカンクラブグラス(Digitaria horizontalis)、ススキメヒシバ(Digitaria insularis)、オヒシバ(Eleusine indica)、スズメノカタビラ(Poa annua)、オオスズメノカタビラ(Poa trivialis)、ナガハグサ(Poa pratensis)、スズメノテッポウ(Alospecurus aequalis)、ブラックグラス(Alopecurus myosuroides)、カラスムギ(Avena fatua)、セイバンモロコシ(Sorghum halepense)、シャターケーン(Sorghum vulgare)、シバムギ(Agropyron repens)、ネズミムギ(Lolium multiflorum)、ホソムギ(Lolium perenne)、ボウムギ(Lolium rigidum)、イヌムギ(Bromus catharticus)、アレチノチャヒキ(Bromus sterilis)、スズメノチャヒキ(Bromus japonicus)、カラスノチャヒキ(Bromus secalinus)、ウマノチャヒキ(Bromus tectorum)、ホソノゲムギ(Hordeum jubatum)、ヤギムギ(Aegilops cylindrica)、クサヨシ(Phalaris arundinacea)、ヒメカナリークサヨシ(Phalaris minor)、シルキーベントグラス(Apera spica-venti)、オオクサキビ(Panicum dichotomiflorum)、テキサスパニカム(Panicum texanum)、ギネアキビ(Panicum maximum)、メリケンニクキビ(Brachiaria platyphylla)、ルジグラス(Brachiaria ruziziensis)、アレクサンダーグラス(Brachiaria plantaginea)、スリナムグラス(Brachiaria decumbens)、パリセードグラス(Brachiaria brizantha)、コロンビアグラス(Brachiaria humidicola)、シンクリノイガ(Cenchrus echinatus)、ヒメクリノイガ(Cenchrus pauciflorus)、ナルコビエ(Eriochloa villosa)、ペニセタム(Pennisetum setosum)、アフリカヒゲシバ(Chloris gayana)、オヒゲシバ(Chlorisvirgata)、オオニワホコリ(Eragrostis pilosa)、ルビーガヤ(Rhynchelitrum repens)、タツノツメガヤ(Dactyloctenium aegyptium)、タイワンアイアシ(Ischaemum rugosum)、チゴザサ(Isachne globosa)、野生イネ(Oryza sativa)、アメリカスズメノヒエ(Paspalum notatum)、コースタルサンドパスパルム(Paspalum maritimum)、キシュウスズメノヒエ(Paspalum distichum)、キクユグラス(Pennisetum clandestinum)、ホソバチカラシバ(Pennisetum setosum)、ツノアイアシ(Rottboellia cochinchinensis)、アゼガヤ(Leptochloa chinensis)、オニアゼガヤ(Leptochloa fascicularis)、イトアゼガヤ(Leptochloa filiformis)、アマゾンスプラングルトップ(Leptochloa panicoides)、アシカキ(Leersia japonica)、サヤヌカグサ(Leersia sayanuka)、エゾノサヤヌカグサ(Leersia oryzoides)、ウキガヤ(Glyceria leptorrhiza)、ムツオレグサ(Glyceria acutiflora)、ドジョウツナギ(Glyceria maxima)、コヌカグサ(Agrostis gigantea)、ハイコヌカグサ(Agrostis stolonifera)、ギョウギシバ(Cynodon dactylon)、カモガヤ(Dactylis glomerata)、ムカデシバ(Eremochloa ophiuroides)、オニウシノケグサ(Festuca arundinacea)、オオウシノケグサ(Festuca rubra)、チガヤ(Imperata cylindrica)、ススキ(Miscanthus sinensis)、スイッチグラス(Panicum virgatum)、ノシバ(Zoysia japonica)
【0024】
カヤツリグサ科雑草(Cyperaceae):カヤツリグサ(Cyperus microiria)、コゴメガヤツリ(Cyperus iria)、クグガヤツリ(Cyperus compressus)、タマガヤツリ(Cyperus difformis)、ヒナガヤツリ(Cyperus flaccidus)、アゼガヤツリ(Cyperus globosus)、アオガヤツリ(Cyperus nipponics)、キンガヤツリ(Cyperus odoratus)、ミズガヤツリ(Cyperus serotinus)、ハマスゲ(Cyperus rotundus)、キハマスゲ(Cyperus esculentus)、ヒメクグ(Kyllinga gracillima)、アイダクグ(Kyllinga brevifolia)、ヒデリコ(Fimbristylis miliacea)、テンツキ(Fimbristylis dichotoma)、マツバイ(Eleocharis acicularis)、クログワイ(Eleocharis kuroguwai)、ホタルイ(Schoenoplectiella hotarui)、イヌホタルイ(Schoenoplectiella juncoides)、タイワンヤマイ(Schoenoplectiella wallichii)、ヒメカンガレイ(Schoenoplectiella mucronatus)、カンガレイ(Schoenoplectiella triangulatus)、シズイ(Schoenoplectiella nipponicus)、サンカクイ(Schoenoplectiella triqueter)、コウキヤガラ(Bolboschoenus koshevnikovii)、ウキヤガラ(Bolboschoenus fluviatilis)
トクサ科雑草(Equisetaceae):スギナ(Equisetum arvense)、イヌスギナ(Equisetum palustre)
サンショウモ科雑草(Salviniaceae):サンショウモ(Salvinia natans)
アカウキクサ科雑草(Azollaceae):オオアカウキクサ(Azolla japonica)、アカウキクサ(Azolla imbricata)
デンジソウ科(Marsileaceae):デンジソウ(Marsilea quadrifolia)
その他:糸状藻類(Pithophora、Cladophora)、蘚類、苔類、ツノゴケ類、シアノバクテリア、シダ類、永年性作物(仁果類、石果類、液果類、堅果類、カンキツ類、ホップ、ブドウ等)の吸枝(sucker)。
【実施例
【0025】
以下、本発明を製造例、製剤例及び試験例等によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。
化合物Aの製造例を示す。
【0026】
第1工程
2,4-ジクロロ-5-アミノフェノール50g及びt-ブチルメチルエーテル500mLの混合物に、N,N-ジエチルアニリン49.7mLを0℃で滴下し、次にクロロギ酸エチル26.9mL及びt-ブチルメチルエーテル50mLの混合物を0℃で滴下した。得られた混合物を還流下で3時間撹拌した。得られた混合物を氷水1Lに加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を1N塩酸及び食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を10%酢酸エチル/ヘキサンで洗浄し、次式で示される中間体Aを47.0g得た。
【化3】
中間体A: 1H-NMR (DMSO-d6) δ(ppm): 1.23 (3H, t), 4.12 (2H, q), 7.33 (1H, s), 7.46 (1H, s), 8.90, (1H, s), 10.52 (1H, s).
【0027】
第2工程
窒素雰囲気下で水素化ナトリウム(60%、油性)10.1g及びN,N-ジメチルホルミアミド(以下、DMFと記す)180mLの混合物に、中間体A30.0gを0℃で少しずつ加えた。得られた混合物に3-アミノ-4,4,4-トリフルオロクロトン酸エチル19.4mL及びDMF120mLの混合物を0℃で滴下した。得られた混合物を100℃で5時間撹拌した。得られた混合物を氷水に加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水及び食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を10%酢酸エチル/ヘキサンで洗浄し、次式で示される中間体Bを27.0g得た。
【化4】
中間体B: 1H-NMR (DMSO-d6) δ(ppm): 6.41 (1H, s), 7.10 (1H, s), 7.69 (1H, s), 10.85 (1H, s), 12.70 (1H, br s).
【0028】
第3工程
中間体B25.0g及びアセトン250mLの混合物に、炭酸カリウム30.2g及びヨウ化メチル18.3mLを順次加え、混合物を還流下で3時間撹拌した。得られた混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を5%酢酸エチル/ヘキサンで洗浄し、次式で示される中間体Cを18.0g得た。
【化5】
中間体C: 1H-NMR (DMSO-d6) δ(ppm): 3.44 (3H, s), 3.83 (3H, s), 6.63 (1H, s), 7.40 (1H, s), 7.83 (1H, s).
【0029】
第4工程
中間体C18.0g及びジクロロメタン180mLの混合物に、三臭化ホウ素9.40mLを0℃で加え、混合物を室温で1時間撹拌した。得られた混合物を氷水に加え、ジクロロメタンで抽出した。得られた有機層を飽和重曹水及び食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を5%酢酸エチル/ヘキサンで洗浄し、次式で示される中間体Dを14.0g得た。
【化6】
中間体D: 1H-NMR (DMSO-d6) δ(ppm): 3.41 (3H, s), 6.58 (1H, s), 7.07 (1H, s), 7.70 (1H, s), 10.88 (1H, s).
【0030】
第5工程
中間体D14.0g及びアセトン112mLの混合物に、炭酸カリウム10.9gを加えた。得られた混合物に2-クロロ-3-オキソブタンアミド8.02g及びアセトン28mLの混合物を加え、混合物を還流下で12時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、残さを水に溶解した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、次式で示される中間体Eを8.00g得た。
【化7】
中間体E: 1H-NMR (DMSO-d6) δ(ppm): 1.71 (1.2H, s), 2.30 (1.8H, s), 3.41 (1.2H, s), 3.43 (1.8H, s), 5.24 (0.6H, s), 6.55 (0.4H, s), 6.62 (0.6H, s), 7.15 (0.6H, s), 7.21 (0.4H, s), 7.62 (0.8H, br s), 7.72 (0.6H, br s), 7.76 (0.6H, br s), 7.88 (0.4H, s), 7.92 (0.6H, s), 13.86 (0.4H, br s).
【0031】
第6工程
中間体E8.0g、1,1,3,3-テトラメトキシプロパン3.78mL及び酢酸24mLの混合物に、33%臭化水素/酢酸溶液9.49mLを0℃で滴下した。得られた混合物を50℃で4時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。得られた混合物にメタノール8mL及び水72mLを加え、50℃で1時間撹拌した。得られた混合物を冷却した飽和重曹水へゆっくりと加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた残さをカラムクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/へキサン)で精製し、次式で示される中間体Fを4.5g得た。
中間体F: 1H-NMR (DMSO-d6) δ(ppm): 3.38 (3H, s), 6.22 (1H, t), 6.53 (1H, s), 7.03 (1H, s), 7.33-7.35 (1H, m), 7.41 (1H, d), 7.93 (1H, s), 12.11 (1H, s).
【0032】
第7工程
中間体F4.5g及びキシレン45mLの混合物に三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体0.063mLを加え、次にジアゾ酢酸エチル1.48mLを0℃で滴下した。得られた混合物を40℃で4時間撹拌した後、15%硫酸水溶液18mLを加え、混合物を40℃で1時間撹拌した。得られた混合物を27%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、析出した固体をろ過した。ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残さをカラムクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、化合物Aを3.1g得た。
化合物Aの1H-NMRデータを以下に示す。
1H-NMR (DMSO-d6) δ(ppm): 1.15 (3H, t), 3.38 (3H, s), 4.10 (2H, q), 4.88 (2H, s), 6.56 (1H, s), 7.09 (1H, s), 7.13 (1H, dd), 7.59 (1H, d), 8.00-8.03 (2H, m).
【0033】
次に化合物Aの製剤例を示す。なお、部は重量部を表す。
【0034】
製剤例1
5部の化合物A、2部のGERONOL(登録商標) FF/4-E、8部のGERONOL(登録商標) FF/6-E、及び85部のSOLVESSO(登録商標) 200を十分に混合し製剤を得る。
【0035】
製剤例2
化合物A1.5部に、リグニンスルホン酸ナトリウム2部、タルク40部、及びベントナイト56.5部を加え混合する。ついで、この混合物に適当量の水を加え、さらに撹拌し、造粒機で造粒し、通風乾燥して製剤を得る。
【0036】
製剤例3
ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩及び湿式シリカの混合物(重量比1:1)35部、化合物A10部、及び水55部を十分に混合し、製剤を得る。
【0037】
次に、化合物Aの雑草防除効力及び有用植物に対する安全性(薬害)を試験例により示す。下記試験例において、雑草防除効力の評価は、調査時の供試植物の出芽又は生育の状態が無処理区のそれと比較して違いが全くないか、ほとんど違いがないものを「0」とし、供試植物が完全枯死又は出芽若しくは生育が完全に抑制されているものを「100」として、0~100に区分する。
無処理区とは、化合物Aを使用しないこと以外は処理区と同じ操作をする区を意味する。
【0038】
試験例1
プラスチックポットに土壌をつめ、アメリカアサガオ、アオゲイトウ、及びトウモロコシを播種し、温室で15日間育成した。製剤例1に記載の方法で得た製剤の所定量を、Agridex(登録商標)を1%含む水で希釈し、希釈液を得た。化合物Aの処理量が20gai/ha又は10gai/haとなるように、該希釈液を上記植物の上方から204L/haの割合で均一に散布した。その後、該植物を11日間温室で育成し、上記方法で評価した。その結果を[表1]に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
化合物Aはアオゲイトウ及びアメリカアサガオに対して、高い雑草防除効力を示した。さらに、化合物Aのトウモロコシに対する薬害は低く、有用植物に対しては高い安全性を示した。
【0041】
比較例1
化合物Aに代えて化合物Bを用い、試験例1と同様に試験を行った。その結果を[表2]に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
化合物Bはアオゲイトウ及びアメリカアサガオに対して、高い雑草防除効力を示すとともに、有用植物であるトウモロコシに対して高い薬害を示した。
【産業上の利用可能性】
【0044】
化合物Aは、雑草に対して優れた防除効力を有し、且つ、有用植物に対する安全性が高く、除草用組成物の有効成分として有用である。