(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】再生ポリオレフィン材料からの共押出架橋多層ポリオレフィン発泡構造体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B32B 5/32 20060101AFI20221221BHJP
B32B 27/32 20060101ALI20221221BHJP
B32B 27/26 20060101ALI20221221BHJP
B32B 27/18 20060101ALI20221221BHJP
B29C 48/21 20190101ALI20221221BHJP
B29C 48/69 20190101ALI20221221BHJP
B29C 44/00 20060101ALI20221221BHJP
B29C 44/24 20060101ALI20221221BHJP
B29C 67/20 20060101ALI20221221BHJP
C08J 9/04 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
B32B5/32
B32B27/32 E
B32B27/26
B32B27/18 Z
B29C48/21
B29C48/69
B29C44/00 F
B29C44/24
B29C67/20 P
C08J9/04 101
C08J9/04 CES
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021014148
(22)【出願日】2021-02-01
(62)【分割の表示】P 2017535371の分割
【原出願日】2015-12-29
【審査請求日】2021-03-02
(32)【優先日】2014-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511040425
【氏名又は名称】トーレ プラスティックス (アメリカ) インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】ボールドウィン ジェシー
(72)【発明者】
【氏名】ボック ケイトリン ミッシェル
(72)【発明者】
【氏名】シエラドツキ パヴェル
【審査官】磯部 洋一郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-519178(JP,A)
【文献】特開昭62-81429(JP,A)
【文献】特開2008-194251(JP,A)
【文献】特開平05-228947(JP,A)
【文献】特開2014-195977(JP,A)
【文献】特開平08-197664(JP,A)
【文献】特開昭62-174131(JP,A)
【文献】米国特許第04203815(US,A)
【文献】特開2002-347194(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 5/32
B32B 27/32
B32B 27/26
B32B 27/18
B29C 48/21
B29C 48/69
B29C 44/00
B29C 44/24
B29C 67/20
C08J 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層発泡構造体の形成方法であって、
ポリプロピレン又はポリエチレン、及び第1の化学発泡剤を含む第1の層と、
前記第1の層の側方の第2の層であって、
5~50質量%の
、低温粉砕ポリオレフィン発泡体材料を含む再生架橋ポリオレフィン発泡体材料、
50~95質量%のポリプロピレン、ポリエチレン、又はポリプロピレン及びポリエチレンの組合せ、及び
第2の化学発泡剤を含む第2の層とを、
共押出すること、
前記共押出された層を電離放射線で照射すること、及び
前記照射され共押出された層を発泡させること、を含む方法。
【請求項2】
第3の層を、前記第2の層の、前記第1の層と反対側にて共押出することを更に含み、前記第3の層が、
ポリプロピレン又はポリエチレンと、
第3の化学発泡剤と、を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の層及び前記第3の層が、再生ポリオレフィン材料を実質的に不含である、請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
前記電離放射線が、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、又は電子線からなる群から選択される、請求項
1に記載の方法。
【請求項5】
前記共押出構造体が、最大4回にまで分けて照射される、請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
前記電離放射線が、200~1500kVの加速電圧を有する電子線である、請求項
4に記載の方法。
【請求項7】
吸収される電子線量が10~500kGyである、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記電離放射線が、前記押出構造体を20~75%の架橋度に架橋する、請求項
1に記載の方法。
【請求項9】
発泡することが、前記照射構造体を溶融塩で加熱することを含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項10】
前記多層発泡構造体が、20~250kg/m
3の密度を有する、請求項
1に記載の方法。
【請求項11】
前記多層発泡構造体が、0.05~1.0mmの平均独立気泡寸法を有する、請求項
1に記載の方法。
【請求項12】
前記多層発泡構造体が、0.2~50mmの厚さを有する、請求項
1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の層の平均表面粗さが、80μm未満である、請求項
1に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の層及び第3の層が、ポリプロピレン及びポリエチレンを含む、請求項
2に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の発泡体層の、前記第2の発泡体層と反対側に
積層体層
を適用することを
更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記積層体層が、フィルム、生地、繊維層、及び革からなる群から選択される、請求項
15に記載の
方法。
【請求項17】
前記第1の発泡体層の、前記第2の発泡体層と反対側に積層体層を適用することを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項18】
前記第3の発泡体層の、前記第2の発泡体層と反対側に
基材を
付着することを更に含
む、請求項
2に記載の
方法。
【請求項19】
前記基材の、前記第3の発泡体層と反対側の基材上に積層体層を熱成形することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2014年12月30日に出願された米国特許出願第14/586,721号、2014年12月30日に出願された米国特許出願第14/586,745号、及び2014年12月30日に出願された米国特許出願第14/586,781号の利益を主張する。これらの特許出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、多層ポリオレフィン発泡構造体に関する。より具体的には、共押出架橋ポリオレフィン多層発泡構造体に関する。
【背景技術】
【0003】
過去30年間にわたり、製造業は、多くの種類の廃棄物:新聞、段ボール、アルミニウム、鋼、ガラス、種々のプラスチック、フィルム、発泡体、などの再生に成功してきた。プラスチックの場合には、商業的に利用可能な新製品には、容易には再生されない特定の種類のプラスチック廃棄物が存在する。1つのこのような種類の廃棄物は、金属化ポリオレフィン材料である。
【0004】
金属化ポリオレフィンは、食品包装産業では、バリアフィルムとしてよく使われている。例えば、金属化ポリオレフィンフィルムは、ポテトチップバッグ、スナックバーの包み紙、などに使用される。金属化ポリオレフィンフィルム、特にポリプロピレンフィルムの他の用途には、電子及び医療デバイスの包装並びに電子フィルムコンデンサの誘電体が挙げられる。
【0005】
金属化ポリオレフィン、特にポリプロピレンの他の用途は、メッキ産業にある。射出成形ポリプロピレンの装飾クロムメッキ(三価クロム)は、家庭電化製品並びにその他の耐久及び非耐久消費財の部品でよく見掛ける。また、同様によく見掛けるのは、ポリプロピレン及びポリエチレン成形部品並びに、例えば、菓子用トレイなどを含む熱成形シートの装飾真空金属化である。
【0006】
ポリプロピレン成形品の金属メッキはまた、装飾用途に限定されるものではない。EMI及びRFIシールド、静電消散、耐摩耗性、耐熱性、並びに熱的及び化学的バリアなどの工学的要件には、ポリプロピレン成形品の金属メッキを必要とする場合がある。
【0007】
現在では、金属化ポリオレフィンを含むフィルム及び発泡体を含む種々のフィルム及び発泡体の回収及び再生のための様々な方法及びシステムが存在する。更に、製造業者が製造工程における「より環境に優しい」技術を採用する試みを続けているので、これらの再生材料の商用利用への需要が増加している。しかし、再生材料が製造工程で使用される場合にはいつも、種々の問題が生じている。
【発明の概要】
【0008】
本出願人らは、発泡構造体を生成するための再生材料の使用は、望ましくない発泡体表面のバラツキを生ずる場合があることを見出した。これらの望ましくない表面のバラツキには、特に、望ましくない表面粗さ、望ましくない表面の柔らかさ、望ましくない表面の堅さ、表面エネルギー、及び望ましくない表面接着性が含まれる。自動車用内装品産業におけるような特定の商業的用途では、発泡体の表面特性は重要である。自動車用内装品に使われる場合、ラミネーターは通常、フィルム、生地、繊維層、又は革を発泡体に積層する。その後、通常は、発泡積層体を、硬質ポリプロピレン、ABS、又は木質繊維複合材料基材上に熱成形できる。発泡積層体の形成及び/又は発泡積層体の熱成形による形成を成功させるためには、発泡体表面のバラツキをなくす必要がある。発泡体表面上の表面バラツキは、積層強度及び品質に悪影響を与える場合がある。
【0009】
望ましくない表面特性の一例を
図5A及び5Bに示す。
図5A及び5Bの発泡体は、100部の樹脂当たり(「PPHR」)8%部の裁断(低温粉砕ではない)工場スクラップ架橋ポリプロピレン/ポリエチレンブレンド発泡体を含んでいる。
図5A及び5Bに示すように、完全に破砕、分散されていない、及び他の理由でこれらの発泡シート中に再混入された黒色再生発泡体を、ダークスポット及び「ゲル」として認めることができる。これらのスポット及び「ゲル」は、ラミネーターにより、フィルム、生地、繊維層、又は革をこれらの発泡体に接着させる際に問題を生ずる可能性がある。特に、「ゲル」の接着性がより低くなり、熱成形などの二次操作中に剥離し、フィルム、生地、繊維層、又は革上に目に見える水ぶくれ様欠陥を生ずる場合がある。
【0010】
出願者らは、未使用(非再生)ポリオレフィン材料由来の表面発泡体層(単一又は複数)及び1種又は複数の再生ポリオレフィン材料由来の内部発泡体層(単一又は複数)を含む共押出多層発泡構造体を見いだした。更に、これらの発泡構造体には、2種の非再生発泡体層に挟まれた又は埋め込まれた再生発泡体層(単一又は複数)を含めることができる。従って、これらの多層発泡構造体は、製造業者が連続して再生材料を使用して、全てが非再生材料から作製された発泡構造体と同じ規格を満たすことができる、より低いコストの、より環境に優しい製品を作り出すことを可能にする。
【0011】
記載されるのは、多層発泡構造体並びにこれらの構造体の製造方法及び使用方法である。より具体的には、記載されるのは、独立気泡組織形態を有する物理架橋された、共連続的押出多層発泡構造体の配合物である。これらの配合物は、再生ポリオレフィン材料を利用し、それを層中に組み込むことができる。本明細書で記述のように、「構造体」としては、層、フィルム、ウェブ、シート、又は他の類似の構造体が含まれるが、これらに限定されない。
【0012】
いくつかの実施形態には、発泡体層及び発泡体層の側方の(on a side)フィルム層を共押出することによる多層構造体の形成方法が含まれる。発泡体層は、ポリプロピレン及び/又はポリエチレン並びに化学発泡剤を含むことができる。発泡体層はまた、架橋剤を含むことができ、化学発泡剤はアゾジカルボンアミドとすることができる。フィルム層は、ポリプロピレン及び/又はポリエチレンを含むことができる。両層のポリプロピレンは、230℃で、10分間当たり0.1~25グラムのメルトフローインデックスを有することができる。両層のポリエチレンは、190℃で、10分間当たり0.1~25グラムのメルトフローインデックスを有することができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、これらの共押出構造体は、電離放射線を照射できる。共押出構造体は、4回にまで分けて照射してよい。電離放射線は、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、又は電子線であってよい。更に、電離放射線は、200~1500kVの加速電圧を有する電子線であってよい。電子線の放射線量は、10~500kGyであってよい。電離放射線は、共押出構造体を20~75%の架橋度に架橋できる。
【0014】
いくつかの実施形態では、照射共押出構造体も同様にして発泡され得る。発泡工程により、連続的に発泡構造体を形成できる。発泡は、構造体を溶融塩、輻射加熱器、垂直熱風炉、水平熱風炉、マイクロ波エネルギー、又はこれらの組み合わせを使って加熱することを含んでよい。
【0015】
多層発泡構造体は、20~250kg/m3の密度及び0.2~50mmの厚さを有することができる。更に、発泡体層は、0.05~1.0mmの平均独立気泡寸法及び80μm未満の平均表面粗さを有することができる。
【0016】
いくつかの実施形態には、第1の発泡体層及び第1の発泡体層の側方の第2の発泡体層を共押出することによる多層構造体の形成方法が含まれる。第1の発泡体層は、ポリプロピレン及び/又はポリエチレン並びに第1の化学発泡剤を含むことができる。第2の発泡体層は、ポリプロピレン及び/又はポリエチレン並びに第2の化学発泡剤を含むことができる。両層のポリプロピレンは、230℃で、10分間当たり0.1~25グラムのメルトフローインデックスを有することができる。両層のポリエチレンは、190℃で、10分間当たり0.1~25グラムのメルトフローインデックスを有することができる。第1及び/又は第2の発泡体層はまた、架橋剤を含むことができる。更に、第1及び/又は第2の化学発泡剤は、アゾジカルボンアミドとすることができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、これらの共押出構造体は、電離放射線を照射できる。共押出構造体は、4回にまで分けて照射してよい。電離放射線は、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、又は電子線であってよい。更に、電離放射線は、200~1500kVの加速電圧を有する電子線であってよい。電子線の放射線量は、10~500kGyであってよい。電離放射線は、共押出構造体を20~75%の架橋度に架橋できる。
【0018】
いくつかの実施形態では、照射共押出構造体も同様にして発泡され得る。発泡工程により、連続的に発泡構造体を形成できる。発泡は、構造体を溶融塩、輻射加熱器、垂直熱風炉、水平熱風炉、マイクロ波エネルギー、又はこれらの組み合わせを使って加熱することを含んでよい。
【0019】
多層発泡構造体は、20~250kg/m3の密度及び0.2~50mmの厚さを有することができる。更に、多層発泡構造体は、0.05~1.0mmの平均独立気泡寸法を有することができる。更に、第1の発泡体層及び/又は第2の発泡体層は、80μm未満の平均表面粗さを有することができる。
【0020】
いくつかの実施形態には、第1の層及び第1の層の側方の第2の層を共押出することによる多層構造体の形成方法が含まれる。第1の層は、ポリプロピレン及び/又はポリエチレン並びに第1の化学発泡剤を含むことができる。第2の層は、5~75質量%の再生金属化ポリオレフィン材料、25~95質量%のポリプロピレン、ポリエチレン、又はポリプロピレン及びポリエチレンの配合物、並びに第2の化学発泡剤を含むことができる。更に、第3の層を、第1の層の反対側で、第2の層の側方に共押出することができる。第3の層は、ポリプロピレン及び/又はポリエチレン並びに第3の化学発泡剤を含むことができる。更に、第1及び/又は第3の層は、再生ポリオレフィン材料を実質的に不含とすることができる。更に、第1、第2、又は第3の層のいずれか又は全ては、架橋剤を含むことができる。更に、第1、第2、又は第3の化学発泡剤のいずれか又は全てを、アゾジカルボンアミドとすることができる。いずれの層のポリプロピレンも、230℃で、10分間当たり0.1~25グラムのメルトフローインデックスを有することができる。いずれの層のポリエチレンも、190℃で、10分間当たり0.1~25グラムのメルトフローインデックスを有することができる。
【0021】
再生金属化ポリオレフィン材料は、0.95cm(0.375インチ)の標準的ふるいを通過する程度に十分小さくすることができる。更に、再生金属化ポリオレフィン材料は、再生される前に、0.003~100μmの全体厚さの金属層(単一又は複数)を有していてよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、これらの共押出構造体は、電離放射線を照射できる。共押出構造体は、4回にまで分けて照射してよい。電離放射線は、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、又は電子線であってよい。更に、電離放射線は、200~1500kVの加速電圧を有する電子線であってよい。電子線の放射線量は、10~500kGyであってよい。電離放射線は、共押出構造体を20~75%の架橋度に架橋できる。
【0023】
いくつかの実施形態では、照射共押出構造体も同様にして発泡され得る。発泡工程により、連続的に発泡構造体を形成できる。発泡は、構造体を溶融塩、輻射加熱器、垂直熱風炉、水平熱風炉、マイクロ波エネルギー、又はこれらの組み合わせを使って加熱することを含んでよい。
【0024】
多層発泡構造体は、20~250kg/m3の密度及び0.2~50mmの厚さを有することができる。更に、多層発泡構造体は、0.05~1.0mmの平均独立気泡寸法を有することができる。更に、第1の発泡体層及び/又は第3の発泡体層は、80μm未満の平均表面粗さを有することができる。
【0025】
いくつかの実施形態は、ポリプロピレン及び/又はポリエチレンを含む共押出しされた第1の発泡体層及び共押出しされた第1の発泡体層の側方の第2の発泡体層を有する多層発泡構造体を含む。第2の発泡体層は、5~75質量%の再生金属化ポリオレフィン材料及び25~95質量%のポリプロピレン、ポリエチレン、又はポリプロピレン及びポリエチレンの配合物を含むことができる。多層発泡構造体はまた、第3の共押出発泡体層を第2の発泡体層の側方で、第1の発泡体層の反対側に含めることができる。第3の層は、ポリプロピレン及び/又はポリエチレンを含むことができる。第1の発泡体層及び/又は第3の発泡体層は、再生ポリオレフィン材料を実質的に不含とすることができる。いずれの層のポリプロピレンも、230℃で、10分間当たり0.1~25グラムのメルトフローインデックスを有することができる。いずれの層のポリエチレンも、190℃で、10分間当たり0.1~25グラムのメルトフローインデックスを有することができる。
【0026】
多層発泡構造体は、20~250kg/m3の密度及び0.2~50mmの厚さを有することができる。更に、多層発泡構造体は、0.05~1.0mmの平均独立気泡寸法を有することができる。多層発泡構造体はまた、20~75%の架橋度を有することができる。更に、第1の発泡体層及び/又は第3の発泡体層は、80μm未満の平均表面粗さを有することができる。更に、いくつかの実施形態では、多層発泡構造体は、細長く切断、摩擦鋸盤で切断、剪断、ヒートカット、レーザー切断、プラズマ切断、ウォータージェット切断、金型切断、機械切断、又は手作業により切断されて、製品が形成されてよい。
【0027】
いくつかの実施形態は、多層発泡構造体及び積層体層を含む積層体を含む。多層発泡構造体は、ポリプロピレン及び/又はポリエチレンを含む共押出第1の発泡体層及び第1の発泡体層の側方の第2の共押出発泡体層を含むことができる。第2の発泡体層は、5~75質量%の再生金属化ポリオレフィン材料及び25~95質量%のポリプロピレン、ポリエチレン、又はポリプロピレン及びポリエチレンの配合物を含むことができる。積層体層は、第1の発泡体層の側方で、第2の発泡体層の反対側とすることができる。積層体層は、フィルム、生地、繊維層、又は革とすることができる。第1の発泡体層は、80μm未満の平均表面粗さを有することができる。多層発泡構造体はまた、第3の共押出発泡体層を第2の発泡体層の側方で、第1の発泡体層の反対側に含めることができる。第3の層は、ポリプロピレン及び/又はポリエチレンを含むことができる。第1及び/又は第3の層は、再生ポリオレフィン材料を実質的に不含とすることができる。更に、積層体は、第3の発泡体層の側方で、第2の発泡体層の反対側となるように基材上に更に熱成形できる。
【0028】
いくつかの実施形態には、第1の層及び第1の層の側方の第2の層を共押出することによる多層構造体の形成方法が含まれる。第1の層は、ポリプロピレン及び/又はポリエチレン並びに第1の化学発泡剤を含むことができる。第2の層は、5~50質量%の再生架橋ポリオレフィン発泡体材料、50~95質量%のポリプロピレン、ポリエチレン、又はポリプロピレン及びポリエチレンの配合物、並びに第2の化学発泡剤を含むことができる。更に、第3の層を、第2の層の側方で、第1の層の反対側に共押出することができる。第3の層は、ポリプロピレン及び/又はポリエチレン並びに第3の化学発泡剤を含むことができる。更に、第1及び/又は第3の層は、再生ポリオレフィン材料を実質的に不含とすることができる。更に、第1、第2、又は第3の層のいずれか又は全ては、架橋剤を含むことができる。更に、第1、第2、又は第3の化学発泡剤のいずれか又は全てを、アゾジカルボンアミドとすることができる。いずれの層のポリプロピレンも、230℃で、10分間当たり0.1~25グラムのメルトフローインデックスを有することができる。いずれの層のポリエチレンも、190℃で、10分間当たり0.1~25グラムのメルトフローインデックスを有することができる。
【0029】
再生架橋ポリオレフィン発泡体材料は、低温で粉砕したポリオレフィン発泡体材料とすることができる。低温粉砕ポリオレフィン発泡体材料は、3.5米国標準メッシュを通過する程度に十分小さくすることができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、これらの共押出構造体は、電離放射線を照射できる。共押出構造体は、4回にまで分けて照射してよい。電離放射線は、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、又は電子線であってよい。更に、電離放射線は、200~1500kVの加速電圧を有する電子線であってよい。電子線の放射線量は、10~500kGyであってよい。電離放射線は、共押出構造体を20~75%の架橋度に架橋できる。
【0031】
いくつかの実施形態では、照射共押出構造体も同様にして発泡され得る。発泡工程により、連続的に発泡構造体を形成できる。発泡は、構造体を溶融塩、輻射加熱器、垂直熱風炉、水平熱風炉、マイクロ波エネルギー、又はこれらの組み合わせを使って加熱することを含んでよい。
【0032】
多層発泡構造体は、20~250kg/m3の密度及び0.2~50mmの厚さを有することができる。更に、多層発泡構造体は、0.05~1.0mmの平均独立気泡寸法を有することができる。更に、第1の発泡体層及び/又は第3の発泡体層は、80μm未満の平均表面粗さを有することができる。
【0033】
いくつかの実施形態は、ポリプロピレン及び/又はポリエチレンを含む共押出しされた第1の発泡体層及び共押出しされた第1の発泡体層の側方の第2の発泡体層を有する多層発泡構造体を含む。第2の発泡体層は、5~50質量%の再生架橋ポリオレフィン発泡体材料及び50~95質量%のポリプロピレン、ポリエチレン、又はポリプロピレン及びポリエチレンの配合物を含むことができる。多層発泡構造体はまた、第3の共押出発泡体層を第2の発泡体層の側方で、第1の発泡体層の反対側に含めることができる。第3の層は、ポリプロピレン及び/又はポリエチレンを含むことができる。第1の発泡体層及び/又は第3の発泡体層は、再生ポリオレフィン材料を実質的に不含とすることができる。いずれの層のポリプロピレンも、230℃で、10分間当たり0.1~25グラムのメルトフローインデックスを有することができる。いずれの層のポリエチレンも、190℃で、10分間当たり0.1~25グラムのメルトフローインデックスを有することができる。再生架橋ポリオレフィン発泡体材料は、低温粉砕ポリオレフィン発泡体材料を含むことができる。
【0034】
多層発泡構造体は、20~250kg/m3の密度及び0.2~50mmの厚さを有することができる。更に、多層発泡構造体は、0.05~1.0mmの平均独立気泡寸法を有することができる。多層発泡構造体はまた、20~75%の架橋度を有することができる。更に、第1の発泡体層及び/又は第3の発泡体層は、80μm未満の平均表面粗さを有することができる。更に、いくつかの実施形態では、多層発泡構造体は、細長く切断、摩擦鋸盤で切断、剪断、ヒートカット、レーザー切断、プラズマ切断、ウォータージェット切断、金型切断、機械切断、又は手作業により切断されて、製品が形成されてよい。
【0035】
いくつかの実施形態は、多層発泡構造体及び積層体層を含む積層体を含む。多層発泡構造体は、ポリプロピレン及び/又はポリエチレンを含む第1の共押出発泡体層及び第1の発泡体層の側方の第2の共押出発泡体層を含むことができる。第2の発泡体層は、5~50質量%の再生架橋ポリオレフィン発泡体材料及び50~95質量%のポリプロピレン、ポリエチレン、又はポリプロピレン及びポリエチレンの配合物を含むことができる。積層体層は、第1の発泡体層の側方で、第2の発泡体層の反対側とすることができる。積層体層は、フィルム、生地、繊維層、又は革とすることができる。第1の発泡体層は、80μm未満の平均表面粗さを有することができる。再生架橋ポリオレフィン発泡体材料は、低温粉砕ポリオレフィン発泡体材料を含むことができる。多層発泡構造体はまた、第3の共押出発泡体層を第2の発泡体層の側方で、第1の発泡体層の反対側に含めることができる。第3の層は、ポリプロピレン及び/又はポリエチレンを含むことができる。第1及び/又は第3の層は、再生ポリオレフィン材料を実質的に不含とすることができる。更に、積層体は、第3の発泡体層の側方で、第2の発泡体層の反対側となるように基材上に更に熱成形できる。
【0036】
本明細書に記載する発明の態様及び実施形態は、態様及び実施形態「からなる」及び/又は「から本質的に成る」を含むことは理解されよう。本明細書で記載の全ての方法、システム、組成物、及び装置に対して、方法、システム、組成物、及び装置は、記載された要素又はステップを含むことができ、又は記載された要素又はステップ「からなる」若しくは「から本質的になる」ことができる。システム、組成物、又はデバイスが「から本質的に成る」として記載される場合、記載された要素、システム、組成物、又は装置は、記載された要素を含み、システム、組成物、又は装置の性能に実質的に影響を与えない他の要素を含んでよいが、明示的に記載されたそれらの要素以外のシステム、組成物、又は装置の性能に実質的に影響を与える任意の他の要素を含まないか、又はシステム、組成物、又は装置の性能に実質的に影響を与えるのに十分な濃度又は量の追加の要素を含まない。方法が、記載されたステップ「から本質的に成る」として記載される場合、方法は、記載されたステップを含み、方法の結果に実質的に影響を与えない他のステップを含んでよいが、方法は、明示的に記載されたこれらのステップ以外の方法の結果に実質的に影響を与える任意の他のステップを含まない。
【0037】
本開示では、種々の実施形態において、特定の要素、特定の組成物、特定の化合物、又は特定の成分「を実質的に不含」は、約5質量%未満、約2質量%未満、約1質量%未満、約0.5質量%未満、約0.1質量%未満、約0.05質量%未満、約0.025質量%未満、又は約0.01質量%未満の特定の要素、特定の組成物、特定の化合物、又は特定の成分が存在することを意味する。特定の要素、特定の組成物、特定の化合物、又は特定の成分「を実質的に不含」は、約1質量%未満の特定の要素、特定の組成物、特定の化合物、又は特定の成分が存在することを示すのが好ましい。
【0038】
本発明の追加の利点は、以下の詳細説明から当業者には容易に明らかになるであろう。以下の記載から分かるように、本発明は他の異なる実施形態が可能であり、また、これらの詳細は、種々の明らかな点で修正が可能であり、これらは全て本発明を逸脱することなく行うことができる。従って、実施例及び説明は、制限的なものではなく、本質的に例示的なものと見なされるべきである。
以降では、添付図面に言及しながら本発明の代表的実施形態について説明を行う。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1A】実施例1の発泡体のバックライト方式拡大写真である。
【
図1B】実施例1の発泡体のフロントライト方式非拡大写真である。
【
図1C】非発泡の場合の実施例1のバックライト方式拡大写真である。
【
図2A】実施例2の発泡体のバックライト方式拡大写真である。
【
図2B】実施例2の発泡体のフロントライト方式非拡大写真である。
【
図2C】非発泡の場合の実施例2のバックライト方式拡大写真である。
【
図3A】実施例3の発泡体の第1のバックライト方式拡大写真である。
【
図3B】実施例3の発泡体の第2のバックライト方式拡大写真である。
【
図3C】実施例3の発泡体の第1のフロントライト方式非拡大写真である。
【
図3D】実施例3の発泡体の第2のフロントライト方式非拡大写真である。
【
図3E】非発泡の場合の実施例3のバックライト方式拡大写真である。
【
図4A】実施例4の発泡体のバックライト方式拡大写真である。
【
図4B】実施例4の発泡体のフロントライト方式非拡大写真である。
【
図4C】非発泡の場合の実施例4のバックライト方式拡大写真である。
【
図5A】裁断再生架橋ポリオレフィン発泡体を含む発泡体の第1の写真である。
【
図5B】裁断再生架橋ポリオレフィン発泡体を含む発泡体の第2の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
(0056) 記載されているのは、共押出架橋独立気泡多層発泡構造体の製造方法である。多層発泡構造体の層又は複数層は、再生ポリオレフィン材料から得ることができる。再生ポリオレフィン発泡体層を含む共押出架橋独立気泡多層発泡構造体の製造方法は、(a)共押出、(b)照射、及び(c)発泡のステップを含んでよい。
【0041】
(0057) 共押出は、多層の材料の同時押出である。このタイプの押出成形は、2つ以上の押出機を使用して一定の体積の材料処理量を、所望の形状に材料を押し出すことができる押出ヘッド(ダイ)に供給する。
【0042】
(0058) 共押出ステップでは、発泡体組成物が複数の押出機に供給され、非発泡多層構造体が形成できる。例えば、「A」発泡体組成物を1つの押出機に供給でき、「B」発泡体組成物を第2の押出機に供給できる。構成成分を押出機に供給する方法は、利用可能な押出機及び材料取り扱い機器の設計をベースにすることができる。必要に応じ、発泡体組成物の成分のプレブレンディングを行って、それらの分散を促進してもよい。ヘンシェルミキサーをこのようなプレブレンディングに使用できる。全ての構成成分をプレブレンディングでき、押出機の単一出入口を通して供給できる。構成成分はまた、個別に設計された別々の出入口を通ってそれぞれの構成成分を供給できる。例えば、架橋促進剤又は任意の他の添加剤が液体の場合、促進剤及び/又は添加剤は、固体構成成分とのプレブレンディングの代わりに、押出機の供給ゲート(単一又は複数)又は押出機のベント開口部(ベントが設けられている場合)を介して、添加できる。「プレブレンディング」及び個々の構成成分の出入口供給の組合せも用いることができきる。
【0043】
(0059) それぞれの押出機は、定常量のそれぞれの組成物を、1つ又は複数のマニホルドと、それに続くシート押出ダイに供給して、非発泡共押出多層シートを作製できる。材料を共押出するための下記の2つの共通の方法が存在する。(1)フィードブロックマニホールド、及び(2)ダイ内のマルチマニホールド。フィードブロックマニホールドの構成要素には、(a)上、中及び下層のための入口ポート、(b)別々のフローストリームをフィードブロック内の1つの層化溶融物ストリームに導く層流メルトラミネーション領域、(c)フィードブロックとシートダイとの間のアダプタプレート、及び/又は(d)シートダイ(単層ダイに類似)を含むことができ、層化溶融物ストリームがダイの中心に入り、ダイ出口から流れ出るマニホルドに沿って別々の多層押出物として広がる。マルチマニホールドダイの構成要素は、(a)2つ以上の供給チャネルがあること、(b)それぞれの溶融チャネルが流量制御用のそれ自身のチョーカーバーを有すること、及び/又は(c)溶融物ストリームが出口近くのダイ内に収束し、別々の多層押出物として出てくること、を除いて、単層ダイと類似とすることができる。
【0044】
(0060) 層厚みは、マニホルド(単一又は複数)及びダイの設計により決定できる。例えば、それぞれの押出機の速度及び寸法が供給に応じて適合される場合、80/20フィードブロックマニホールドは、約4:1比率で組成物を供給できる。この比は、例えば、(a)1つの押出機と別の押出機との間の相対的押出速度、(b)それぞれの押出機の相対的寸法、及び/又は(c)個別層の組成(即ち、粘度)により変えることができる。
【0045】
(0061) 全体多層シートの厚さは、全体ダイギャップにより制御することができる。しかし、全体多層シート厚さは、例えば、溶融多層押出物の引き伸ばし(即ち、「延伸」)及び/又は溶融多層押出物のニップを通した平滑化によって更に調節できる。
【0046】
(0062) 多層構造体は、異なる組成物から構成される少なくとも2層を含むことができる。いくつかの実施形態では、多層構造体は、異なる発泡体組成物から構成される少なくとも2層を含む。いくつかの実施形態では、多層構造体は、少なくとも1つの非再生ポリオレフィン層及び少なくとも1つの再生ポリオレフィン層を含む。例えば、構造体は、A/B層構造、A/B/A層構造、A/B/C層構造とすることができ、又は複数の他の層を有することができる。いくつかの構造体では、B層は、再生ポリオレフィン材料を含むことができ、A層は非再生ポリオレフィン材料を含むことができる。しかし、A、Bの両方、及び他の層を、非再生ポリオレフィン材料又は再生ポリオレフィン材料から同様に構成することができる。更に、多層構造体は、特に、結合層、フィルム層、及び/又は追加の発泡体層(追加の再生及び/又は非再生層を含む)などの追加の層を含むことができる。
【0047】
(0063) 非再生層(単一又は複数)を形成するために押出機に供給される発泡体組成物は、少なくとも1種のポリプロピレン、少なくとも1種のポリエチレン、又はこれらの組み合わせを含むことができる。これらのポリプロピレン(単一又は複数)及び/又はポリエチレン(単一又は複数)は、再生金属化ポリオレフィン材料に関して下記の同じ種類を含む。即ち、ポリプロピレンには、限定されないが、ポリプロピレン、耐衝撃性改善ポリプロピレン、ポリプロピレン-エチレンコポリマー、耐衝撃性改善ポリプロピレン-エチレンコポリマー、メタロセンポリプロピレン、メタロセンポリプロピレン-エチレンコポリマー、メタロセンポリプロピレンオレフィンブロックコポリマー(制御されたブロック配列を有する)、ポリプロピレンベースポリオレフィンプラストマー、ポリプロピレンベースポリオレフィンエラストプラストマー、ポリプロピレンベースポリオレフィンエラストマー、ポリプロピレンベース熱可塑性ポリオレフィンブレンド及びポリプロピレンベース熱可塑性エラストマーブレンドが挙げられる。更に、ポリプロピレンは、無水マレイン酸でグラフト化されてもよい。更に、ポリエチレンは、限定されないが、LDPE、LLDPE、VLDPE、VLLDPE、HDPE、ポリエチレン-プロピレンコポリマー、メタロセンポリエチレン、メタロセンエチレン-プロピレンコポリマー、及びメタロセンポリエチレンオレフィンブロックコポリマー(制御されたブロック配列を有する)を含み、これらのいずれかがグラフト化相溶化剤又はアセテート及び/又はエステル基を含むコポリマーを含んでもよい。これらのポリエチレンは、無水マレイン酸でグラフト化されてもよい。これらのポリエチレンはまた、アセテート及び/又はエステル基を含むコポリマー及びターポリマーであってもよく、アセテート及び/又はエステル基を含むコポリマー及びターポリマーイオノマーであってもよい。非再生層(単一又は複数)を形成するために押出機に供給される発泡体組成物は、少なくとも約75質量%、好ましくは少なくとも約90質量%、より好ましくは少なくとも約95質量%、更により好ましくは少なくとも約98質量%の非再生ポリプロピレン、ポリエチレン、又はこれらの組み合わせを含むことができる。更に、非再生層(単一又は複数)を形成するために押出機に供給される発泡体組成物は、再生ポリオレフィン材料を実質的に不含とすることができる。非再生層(単一又は複数)を形成するために押出機に供給される発泡体組成物は、100質量%未使用又は非再生材料とすることもできる。
【0048】
(0064) 開示発泡体組成物を使って多様な多層発泡体製品及び積層体を作製することができるので、構造体、製品、及び積層体の種々の最終用途要件を満たすために、発泡体組成物において多様なポリプロピレン及びポリエチレンを用いることができる。
【0049】
(0065) 再生層(単一又は複数)を形成するために押出機に供給される発泡体組成物には、限定されないが、再生ポリオレフィン材料、再生金属化ポリオレフィン材料、再生ポリオレフィンフィルム材料、再生ポリオレフィン金属化フィルム材料、再生ポリオレフィン発泡体材料、再生ポリオレフィン金属化発泡体材料、又はこれらの組み合わせを含む再生材料を含めることができる。再生層(単一又は複数)を形成するために押出機に供給される発泡体組成物には、少なくとも約5質量%、好ましくは少なくとも約10質量%、より好ましくは少なくとも約15質量%の再生材料を含めることができる。更に、再生層(単一又は複数)を形成するために押出機に供給されるこれらの発泡体組成物には、少なくとも約25質量%、好ましくは少なくとも約30質量%、より好ましくは少なくとも約40質量%のポリプロピレン、ポリエチレン、又はこれらの組み合わせを含めることができる。
【0050】
(0066) 再生層(単一又は複数)を形成するために押出機に供給される発泡体が、再生金属化ポリオレフィン材料を含む場合は、発泡体組成物は、約5~約75質量%、好ましくは約10~約70質量%、及びより好ましくは約20~約60質量%の再生金属化ポリオレフィン材料を含むことができる。更に、これらの再生金属化ポリオレフィン発泡体組成物は、約25~約95質量%、好ましくは約30~約90質量%、及びより好ましくは約40~約80質量%のポリプロピレン、ポリエチレン、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0051】
(0067) 再生金属化ポリオレフィン材料は、種々の形態で入手できる。例としては、ペレット、小粒、チップ、フレーク、ビーズ、円柱、ロッド、糸くず状物、及び粉末が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、再生金属化ポリオレフィン材料は、国際公開第2013057737A2号で開示の工程を使って均一ペレットとして得ることができる。この特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、再生金属化ポリオレフィン材料のチップ又はフレークは、廃棄異形材、射出成形片、などの寸法を小さくするためによく使われるプラスチック粉砕器及び細断機により得ることができる。第3の例では、粉砕金属化ポリオレフィン材料は、市販微粉砕機器又は低温粉砕により得ることができる。
【0052】
(0068) 形態の如何にかかわらず、再生材料片は、寸法を小さくして約0.95cm(0.375インチ)の標準的ふるいを通過させることが好ましいであろう。約0.95cm(0.375インチ)の標準的ふるいを通過しない再生片は、押出機内の他の構成成分と十分に剪断、混合するのが困難になる場合がある。この結果、均一構造体が得られないことがある。
【0053】
(0069) 金属化ポリオレフィンの一次供給源は、金属化及び金属コーティング産業である。これらの産業は、真空金属化、アーク又はフレーム溶射、化学メッキ、又は化学メッキに続く電気メッキを含む種々技術を用いて金属化ポリオレフィンを得ている。コーティングは多くの場合、1つの金属層に限定されない。異なる技術を使って沈着した種々の金属多層でコーティングされたポリオレフィンも本開示発明で使用できる。
【0054】
(0070) 金属化ポリオレフィンは、真空金属化、アーク又はフレーム溶射、化学メッキ、又は化学メッキに続く電気メッキにより得ることができる。金属化ポリオレフィンを得るためのそれぞれの技術は、以下で簡単に説明される。
【0055】
(0071) 真空金属化では、金属が真空槽中で蒸発される。その後、蒸気が基材表面上に凝縮し、金属コーティングの薄層が残る。この沈着工程はまた、一般に物理蒸着(PVD)と呼ばれる。
【0056】
(0072) フレーム溶射では、手持ち式装置を使って、基材上に金属コーティング層を噴霧する。沈着を手助けする主な力は、酸素及びガスにより駆動される燃焼フレームである。金属製粉末が加熱され、溶融される。燃焼フレームが、混合物を加速し、それを噴霧として放出する。
【0057】
(0073) アーク噴霧は、フレーム溶射に類似であるが、エネルギー源が異なる。燃焼フレームに依存する代わりに、アーク噴霧は、そのエネルギーを電気アークから得る。DC電流を通す金属コーティング材料から構成された2つのワイヤーがそれらの先端で一緒に接触する。2つのワイヤーが接触時に、放出されるエネルギーがワイヤーを加熱、溶融し、同時に、気体流が溶融金属を基材表面上に沈着させ、金属層を生成する。
【0058】
(0074) 化学メッキでは、プラスチックの表面が、酸化剤溶液を使ってエッチング除去される。酸化剤溶液の結果として、表面が極めて水素結合を受けやすくなり、通常、水素結合はコーティング適用中に増加する。ポリオレフィン材料(エッチング後)が金属イオンを含む溶液中に浸漬されると、コーティングが起こり、このコーティングが金属層としてプラスチック表面に結合する。
【0059】
(0075) 電気メッキ(電解メッキ)を成功させるために、ポリオレフィン表面は、最初に導電性になる必要があり、これは化学メッキにより実現できる。ポリオレフィン表面が導電性になると、基材が溶液中に浸漬される。溶液中では、金属塩が電流の正電源(カソード)に連結される。アノード(負電荷)伝導体も浴中に配置され、これにより、正電荷の塩とつながった電気回路が形成される。金属塩は、基材に電気的に引き付けられ、そこで金属層が生成される。この過程が発生するのに伴い、通常、金属塩と同種類の金属から作製されているアノード伝導体が溶液中に溶解し、金属塩の供給源と置換するが、これは、沈着の間に枯渇する。
【0060】
(0076) それぞれの技術により沈着させ得るコーティングの量は、変化する。最終用途要件に応じて、1つの技術が別の技術より好ましい場合がある。それにもかかわらず、これらの技術により沈着された金属コーティングは、単層の約0.003μmから多層コーティングの100μmの範囲、好ましくは単層の0.006μmから多層コーティングの75μm、及びより好ましくは単層の0.01μmから多層コーティングの50μm、の範囲であろう。再生金属化ポリオレフィン中の金属は、約0.05~約5質量%変化する。
【0061】
(0077) ポリオレフィンに適用される最も一般的な金属コーティングはアルミニウムである。あまり一般的でないコーティングは、三価のクロム、ニッケル及び銅である。更に、あまり一般的でないコーティングは、限定されないが、スズ、六価クロム、金、銀、並びにニッケル-クロムなどの共沈着金属である。当業者は、これらの金属コーティングは、純元素コーティングとは限らないことを理解するであろう。例えば、「ニッケル」は、ニッケル-リン又はニッケル-ホウ素合金であってよく、「銅」は、銅-亜鉛合金(真鍮)又は銅-スズ合金(青銅)であってよい。金属が合金化されているか否かにかかわらず、特定の金属は、いまだに主要なコーティング成分である。金属コーティングが、70~100%の表示金属、より好ましくは80~100%の表示金属、更により好ましくは85~100%の表示金属を含むのが好ましいであろう。当業者なら、金属層の表面を酸化することができ、一部の金属を曇らせることができることを理解するであろう。
【0062】
(0078) ポリプロピレン及びポリエチレンフィルムの両方を、フィルム金属化産業で真空金属化することができる。従って、いずれの再生金属化ポリオレフィンも、少なくとも1種のポリプロピレン又は少なくとも1種のポリエチレン、又は両方の混合物を含む可能性があることを予測すべきである。バリア用途(装飾用途ではなく)に対しては、ポリプロピレン及びポリエチレンフィルムの両方がEVOH及びPVOHなどの他のバリア層と共に共押出しされ得る。このような場合、これらの多層膜は、EVOH及びPVOHをポリプロピレン又はポリエチレンに結合するために、接着性「結合層」を有することができる。これらの結合層は、ポリオレフィンでは、OBCからアセテート又はエステル基を有するポリエチレン、ポリエチレンイオノマーまでの範囲に及ぶ。
【0063】
(0079) 同様に、無水マレイン酸でグラフト化したポリプロピレン及びポリエチレンも、産業界では、接着性を向上させるために使用され、EVOH又はPVOHのみでなく、金属コーティングも結合する。
【0064】
(0080) 金属コーティング産業では、ポリプロピレンは、ポリエチレンより好ましい場合が多い。しかし、この産業で製造される製品のより広範な最終用途要件のために、ポリプロピレンを他のオレフィンとブレンドして、例えば、柔らかさ要件、衝撃性要件、又は粘着性要件などに適合させてよい。従って、この産業からのいずれの再生金属化ポリオレフィンも、ポリオレフィンとブレンドしてよい。
【0065】
(0081) 再生ポリオレフィンのポリオレフィン成分を含むポリプロピレン(単一又は複数)は、弾性又は柔軟化成分、典型的な例としては、エチレン、α-オレフィン、又はゴム成分を含んでよい。従って、本開示では、用語の「ポリプロピレン」は、限定されないが、ポリプロピレン、耐衝撃性改善ポリプロピレン、ポリプロピレン-エチレンコポリマー、耐衝撃性改善ポリプロピレン-エチレンコポリマー、メタロセンポリプロピレン、メタロセンポリプロピレン-エチレンコポリマー、メタロセンポリプロピレンオレフィンブロックコポリマー(制御されたブロック配列を有する)、ポリプロピレンベースポリオレフィンプラストマー、ポリプロピレンベースポリオレフィンエラストプラストマー、ポリプロピレンベースポリオレフィンエラストマー、ポリプロピレンベース熱可塑性ポリオレフィンブレンド及びポリプロピレンベース熱可塑性エラストマーブレンドを含む。
【0066】
(0082) 「ポリプロピレン」の非限定的例は、アイソタクチックホモポリプロピレンである。市販品の例としては、BraskemのFF018F、Total Petrochemicalsの3271、及びConocoのCOPYLENE(商標)CH020が挙げられるが、これらに限定されない。
【0067】
(0083) 「耐衝撃性改善ポリプロピレン」の非限定的例は、エチレン-プロピレン(EP)コポリマーゴム含有ホモポリプロピレンである。ゴムは、非晶質又は半結晶性であり得るが、材料にプラストマー又はエラストマー特性を付与するのに十分な量は含まれていない。市販の「耐衝撃性改善ポリプロピレン」のいくつかの非限定的例は、BraskemのTI4015F及びTI4015F2並びにLyondellBasellのPro-fax(登録商標)8623及びPro-fax(登録商標)SB786である。
【0068】
(0084) 「ポリプロピレン-エチレンコポリマー」は、ランダムエチレン単位を有するポリプロピレンである。市販の「ポリプロピレン-エチレンコポリマー」のいくつかの非限定的例は、Total Petrochemicalsの6232,7250FL及びZ9421並びにBraskemのTR3020Fである。
【0069】
(0085) 「耐衝撃性改善ポリプロピレン-エチレンコポリマー」は、ランダムエチレン単位を有し、エチレン-プロピレン(EP)コポリマーゴムを有するポリプロピレンである。ゴムは、非晶質又は半結晶性であり得るが、材料にプラストマー又はエラストプラストマー特性を付与するのに十分な量は含まれていない。市販の耐衝撃性改善ポリプロピレン-エチレンコポリマーの非限定的例は、BraskemのPRISMA(商標)6910である。
【0070】
(0086) 「メタロセンポリプロピレン」は、メタロセンシンジオタクチックホモポリプロピレン、メタロセンアタクチックホモポリプロピレン、及びメタロセンアイソタクチックホモポリプロピレンである。「メタロセンポリプロピレン」の非限定的例は、LyondellBasellからMETOCENE(商標)及びExxonMobilからACHIEVE(商標)の商標名で市販されているものである。メタロセンポリプロピレンはまた、Total Petrochemicalsから市販されており、限定されないが、グレードM3551、M3282MZ、M7672、1251、1471、1571、及び1751が含まれる。
【0071】
(0087) 「メタロセンポリプロピレン-エチレンコポリマー」は、ランダムエチレン単位を有するメタロセンシンジオタクチック、メタロセンアタクチック、及びメタロセンアイソタクチックポリプロピレンである。市販品の例としては、Total PetrochemicalsのLumicene(登録商標)MR10MX0及びLumicene(登録商標)MR60MC2並びにLyondellBasellのPurell(登録商標)SM170Gが挙げられるが、これらに限定されない。
【0072】
(0088) 「メタロセンポリプロピレンオレフィンブロックコポリマー」は、ランダムに分布していない-即ち、制御されたブロック配列の、交互に配置された結晶性ハード「ブロック」及び非晶質ソフト「ブロック」を有するポリプロピレンである。「メタロセンポリプロピレンオレフィンブロックコポリマー」の例には、限定されないが、Dow Chemical CompanyのINTUNE(商標)製品系列が含まれる。
【0073】
(0089) 「ポリプロピレンベースポリオレフィンプラストマー」(POP)及び「ポリプロピレンベースポリオレフィンエラストプラストマー」は、プラストマー及びエラストプラストマーの特性を有するメタロセン及び非メタロセンプロピレンの両方をベースとするコポリマーである。非限定的例は、Dow Chemical CompanyからVERSIFY(商標)(メタロセン)、ExxonMobilからVISTAMAXX(商標)(メタロセン)、及びLyondellBasellからKOATTRO(商標)(非メタロセン)(プラストマーポリマーのブテン-1ベース系列-特定のグレードは、ブテン-1ホモポリマーベースであり、これらの他は、ポリプロピレン-ブテン-1コポリマーベース材料である)の商標名で市販されているものである。
【0074】
(0090) 「ポリプロピレンベースポリオレフィンプエラストマー」(POE)は、エラストマー特性を有するメタロセン及び非メタロセンプロピレンの両方をベースとするコポリマーである。プロピレンベースポリオレフィンエラストマーの非限定的例は、Mitsubishi Chemical CorporationからTHERMORUN(商標)及びZELAS(商標)(非メタロセン)、LyondellBasellからADFLEX(商標)及びSOFTELL(商標)(両方とも非メタロセン)、Dow Chemical CompanyからVERSIFY(商標)(メタロセン)、並びにExxonMobilからVISTAMAXX(商標)(メタロセン)の商標名で市販されているポリマーである。
【0075】
(0091) 「ポリプロピレンベース熱可塑性ポリオレフィンブレンド」(TPO)は、ポリプロピレン、ポリプロピレン-エチレンコポリマー、メタロセンホモポリプロピレン、及びメタロセンポリプロピレン-エチレンコポリマーであり、熱可塑性ポリオレフィンブレンド(TPO)にプラストマー、エラストプラストマー又はエラストマー特性を付与するのに十分多い量のエチレン-プロピレンコポリマーゴムを含む。ポリプロピレンベースポリオレフィンブレンドの非限定的例は、JSR CorporationからEXCELINK(商標)、Mitsubishi Chemical CorporationからTHERMORUN(商標)及びZELAS(商標)、Ferro CorporationからFERROFLEX(商標)及びRxLOY(商標)、並びにTeknor Apex CompanyからTELCAR(商標)の商標名で市販されているポリマーブレンドである。
【0076】
(0092) 「ポリプロピレンベース熱可塑性エラストマーブレンド」(TPE)は、ポリプロピレン、ポリプロピレン-エチレンコポリマー、メタロセンホモポリプロピレン、及びメタロセンポリプロピレン-エチレンコポリマーであり、熱可塑性エラストマーブレンド(TPE)にプラストマー、エラストプラストマー、又はエラストマー特性を付与するのに十分多い量のジブロック又は多元ブロック熱可塑性ゴム改質剤(SEBS、SEPS、SEEPS、SEP、SERC、CEBC、HSBなど)を有する。ポリプロピレンベース熱可塑性エラストマーブレンドポリマーの非限定的例は、GLS CorporationからDYNAFLEX(登録商標)及びVERSAFLEX(登録商標)、Teknor Apex CompanyからMONPRENE(登録商標)及びTEKRON(登録商標)並びにAdvanced Polymers Alloys(Ferro Corporationの一部門)からDURAGRIP(登録商標)の商標名で市販されているポリマーブレンドである。
【0077】
(0093) 全ての上記ポリプロピレンは、無水マレイン酸でグラフト化されていてもよい。非限定的例は、Mitsui ChemicalsのADMER(登録商標)QF500A及びADMER(登録商標)QF551Aである。ほとんどの市販無水物グラフト化ポリプロピレンは、ゴムも含むという点に留意すべきである。
【0078】
(0094) 用語の「ポリエチレン」は、限定されないが、LDPE、LLDPE、VLDPE、VLLDPE、HDPE、ポリエチレン-プロピレンコポリマー、メタロセンポリエチレン、メタロセンエチレン-プロピレンコポリマー、及びメタロセンポリエチレンオレフィンブロックコポリマー(制御されたブロック配列を有する)を含む。
【0079】
(0095) 「メタロセンポリエチレン」は、非弾性からエラストマーまでの範囲の特性を有するメタロセンベースポリエチレンである。メタロセンポリエチレンの非限定的例は、Dow Chemical CompanyからENGAGE(商標)、ExxonMobilからENABLE(商標)及びEXCEED(商標)、及びBorealisからEXACT(商標)の商標名で市販されている。
【0080】
(0096) 「VLDPE」及び「VLLDPE」は、弾性又は柔軟化成分、通常はα-オレフィンを含む、超低密度ポリエチレン、及び直鎖状超低密度ポリエチレンである。VLDPE及びVLLDPEの非限定的例は、Dow Chemical CompanyからFLEXOMER(商標)及びBorealisから特殊グレードのSTAMYLEX(商標)の商標名で市販されている。
【0081】
(0097) 「メタロセンポリエチレンオレフィンブロックコポリマー」は、ランダムに分布していない-即ち、制御されたブロック配列の、交互に配置された結晶性ハード「ブロック」及び非晶質ソフト「ブロック」を有するポリエチレンである。「メタロセンポリエチレンオレフィンブロックコポリマー」の例には、限定されないが、Dow Chemical CompanyのINFUSE(商標)製品系列が含まれる。
【0082】
(0098) 全ての上記ポリエチレンは、無水マレイン酸でグラフト化されていてもよい。非限定的市販品の例は、Mitsui ChemicalsのADMER(登録商標)NF539A、DuPontのBYNEL(登録商標)4104、及びArkemaのOREVAC(登録商標)18360である。ほとんどの市販無水物グラフト化ポリエチレンは、ゴムも含むという点に留意すべきである。
【0083】
(0099) これらのポリエチレンはまた、アセテート及び/又はエステル基を含むコポリマー及びターポリマーであってもよい。コモノマー基としては、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジル、及びアクリル酸が挙げられるが、これらに限定されない。非限定的例は、DuPontからBYNEL(登録商標)、ELVAX(登録商標)及びELVALOY(登録商標);ArkemaからEVATANE(登録商標)、LOTADER(登録商標)、及びLOTRYL(登録商標);ExxonMobilからESCORENE(商標)、ESCOR(商標)、及びOPTEMA(商標)の商標名で市販されている。
【0084】
(0100) これらのポリエチレンはまた、アセテート及び/又はエステル基を含むコポリマー及びターポリマーイオノマーであってもよい。よく使われるコモノマー基は、メタクリル酸であるが、これに限定されない。非限定的例は、DuPontからSURLYN(登録商標);ExxonMobilからIOTEK(商標)、及びDow Chemical CompanyからAMPLIFY(商標)IOの商標名で市販されている。
【0085】
(0101) 再生ポリオレフィンのポリマー成分はまた、EVOH及び/又はPVOH(「PVA」)を含んでもよい。「EVOH」は、エチレン及びビニルアルコールのコポリマーである。非限定的例は、KurarayからEVAL(商標)及びEXCEVAL(商標)、並びにNippon GohseiからSOARNOL(商標)の商標名で市販されている。「PVOH」はポリビニルアルコールである。非限定的例は、DuPontからELVANOL(登録商標)並びにKurarayからPOVAL(登録商標)、MOWIOL(登録商標)、及びMOWIFLEX(登録商標)の商標名で市販されている。
【0086】
(0102) 再生層(単一又は複数)の形成に使用される再生ポリオレフィン発泡体材料には、低温粉砕工場スクラップ、ポリプロピレン発泡体、ポリエチレン発泡体、又はポリプロピレン/ポリエチレンブレンド発泡体を含む架橋発泡体が含まれるが、これらに限定されない。再生層(単一又は複数)を形成するために押出機に供給される発泡体組成物が、再生ポリオレフィン発泡体材料を含む場合、発泡体組成物は、約5~約50質量%、好ましくは約10~約45質量%、及びより好ましくは約15~約40質量%の再生ポリオレフィン発泡体材料を含むことができる。更に、これらの再生ポリオレフィン発泡体材料発泡体組成物は、約50~約95質量%、好ましくは約55~約90質量%、及びより好ましくは約60~約85質量%のポリプロピレン、ポリエチレン、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0087】
(0103) 低温微粉砕(低温粉砕としても知られる)は、熱感受性、被酸化性、及び/又は「粉砕が困難な」材料を微細粉末にするために用いることができる方法である。架橋ポリオレフィン発泡体は、身近にある粉砕システムにうまく適合しない1つのこのような材料の例である。低温微粉砕工程では、窒素又は二酸化炭素などの低温液体を使って、粉砕の前に及び/又は粉砕中に材料を冷却して、その溶融を防止するのを及び/又は脆性化するのを支援することができる。低温粉砕した工場スクラップ架橋発泡体(ポリプロピレン発泡体、ポリエチレン発泡体、及びポリプロピレン/ポリエチレンブレンド発泡体を含む)は、商業的粉砕業者から種々の粒径及び粒径分布で市販されている。
【0088】
(0104) 破砕ミルは通常、排出シュートの近くにふるいを備え、粉砕される材料が少なくとも最大の所望の粒径まで小さくできることを保証する。粉砕ふるいは、少なくとも3.5米国標準メッシュ、好ましくは少なくとも6米国標準メッシュ、及びより好ましくは少なくとも30米国標準メッシュとすることができる。再生発泡体材料片は、少なくとも3.5米国標準メッシュ(5.6mm開口)、好ましくは少なくとも6米国標準メッシュ(3.35mm開口)、及びより好ましくは少なくとも30米国標準メッシュ(0.600mm開口)を通過する大きさに粉砕されるのが好ましい場合がある。
【0089】
(0105) 細かく粉砕した工場スクラップ架橋ポリプロピレン、ポリエチレン、及びポリプロピレン/ポリエチレンブレンド発泡体の非限定的例は、Midwest Elastomers,Inc.(Wapakoneta,OH)により製造されたものである。このようなMidwest Elastomersからの再生発泡体は、排出シュート近くに設置された30米国標準メッシュふるいを使って、粉砕できる。
【0090】
(0106) 再生ポリオレフィン発泡体材料はまた、再生ポリオレフィン材料を既に含有した発泡体材料を含むことができる。従って、再生ポリオレフィン発泡体材料は、再々生ポリオレフィン材料を含むことができる。例えば、再生ポリオレフィン発泡体材料は、金属化ポリオレフィン材料及び/又は低温粉砕工場スクラップ(factor scrap)架橋発泡体の再生内容物を既に含んでいてもよい。更に、再生ポリオレフィン発泡体材料には、米国特許出願第14/144,986号明細書に記載の再生金属化ポリオレフィン材料に由来する発泡体を含めることができる。これによって、米国特許出願第14/144,986号明細書は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0091】
(0107) 種々の発泡体層を形成するために押出機に供給される組成物は、230℃で10分間当たり約0.1~約25グラムのメルトフローインデックスを有する少なくとも1種のポリプロピレン及び/又は190℃で10分間当たり約0.1~約25グラムのメルトフローインデックスを有する少なくとも1種のポリエチレンを含むことができる。いくつかの実施形態では、ポリプロピレン(単一又は複数)及び/又はポリエチレン(単一又は複数)のメルトフローインデックスは、それぞれ、230℃及び190℃で10分間当たり約0.3~約20グラム、及びより好ましくは、それぞれ230℃及び190℃で10分間当たり約0.5~約15グラムとすることができる。
【0092】
(0108) ポリマーの「メルトフローインデックス」(MFI)値は、ポリプロピレン及びポリプロピレンベース材料に対し230℃で、ポリエチレン及びポリエチレンベース材料に対し190℃で、2.16kgのプランジャを使って10分間、ASTM D1238に従って定義及び測定できる。比較的高メルトフロー樹脂に対しては、テスト時間を減らしてもよい。
【0093】
(0109) MFIは、ポリマーの流れ特性の尺度を与え、分子量及びポリマー材料の加工性の指標である。MFI値が高すぎると、これは低粘度に相当し、本開示に従った押出しを満足に実施できない場合がある。高すぎるMFI値に付随する問題には、押出中の低圧力、厚さプロファイルを設定時の問題、低溶融粘度による不均一な冷却プロファイル、不十分な溶融強度、装置の問題、又はこれらの組み合わせが含まれる。低すぎるMFI値に付随する問題には、溶融加工中の高圧力、シート品質及びプロファイルの問題、及び発泡剤分解及び活性化にリスクを生じるより高い押出温度が含まれる。
【0094】
(0110) 上記MFI領域はまた、発泡工程にとっても重要である。理由は、それらが材料の粘度を反映し、粘度が発泡に対し影響を与えるためである。如何なる理論にも縛られるものではないが、特定のMFI値が他の値よりより効果的であるいくつかの理由があると考えられている。分子鎖長がより長くなると、より低いMFI材料は、いくつかの物理学的性質を改善し得、応力が加えられると、鎖が流動するのに必要なより多くのエネルギーを作り出す。また、分子鎖(MW)がより長くなるほど、鎖が結晶化できる結晶実体がより多くなり、それにより、分子間の結びつきを介してより高い強度をもたらす。しかし、あまりに低すぎるMFIでは、粘度が高くなりすぎる。他方では、より高いMFI値を有するポリマーは、より短い鎖を有する。従って、所与の体積のより高いMFI値の材料において、より低いMFIを有するポリマーに比べて、顕微鏡レベルでより多くの鎖末端が存在し、回転に必要な空隙があるために、回転し、自由体積を作り出すことができる(例えば、ポリマーのTg、即ちガラス転移温度超で発生する回転)。この自由体積の増加により、応力下で容易な流動が可能となる。
【0095】
(0111) 発泡体多層構造体のいずれかの層の形成に使用できる特定のMFI値のこれらのポリプロピレン(単一又は複数)及び/又はポリエチレン(単一又は複数)には、前に記載のものと同じ種類が含まれる。即ち、ポリプロピレンには、限定されないが、ポリプロピレン、耐衝撃性改善ポリプロピレン、ポリプロピレン-エチレンコポリマー、耐衝撃性改善ポリプロピレン-エチレンコポリマー、メタロセンポリプロピレン、メタロセンポリプロピレン-エチレンコポリマー、メタロセンポリプロピレンオレフィンブロックコポリマー(制御されたブロック配列を有する)、ポリプロピレンベースポリオレフィンプラストマー、ポリプロピレンベースポリオレフィンエラストプラストマー、ポリプロピレンベースポリオレフィンエラストマー、ポリプロピレンベース熱可塑性ポリオレフィンブレンド及びポリプロピレンベース熱可塑性エラストマーブレンドが挙げられる。更に、ポリプロピレンは、無水マレイン酸でグラフト化されてもよい。更に、ポリエチレンは、限定されないが、LDPE、LLDPE、VLDPE、VLLDPE、HDPE、ポリエチレン-プロピレンコポリマー、メタロセンポリエチレン、メタロセンエチレン-プロピレンコポリマー、及びメタロセンポリエチレンオレフィンブロックコポリマー(制御されたブロック配列を有する)を含み、これらのいずれかがグラフト化相溶化剤又はアセテート及び/又はエステル基を含むコポリマーを含んでもよい。前に考察したように、これらのポリエチレンは、無水マレイン酸でグラフト化されてもよい。これらのポリエチレンはまた、アセテート及び/又はエステル基を含むコポリマー及びターポリマーであってもよく、アセテート及び/又はエステル基を含むコポリマー及びターポリマーイオノマーであってもよい。
【0096】
(0112) 多層発泡構造体の再生層中に、比較的大きな又は肉厚(発泡した気泡寸法との関係で)の金属片が存在する場合は、望ましくない「空隙」及び「大きな気泡」が発生することがある。従って、グラフト化相溶化剤又はアセテート及び/又はエステル基を構成成分として含むコポリマーを有するポリプロピレン及び/又はポリエチレンの含有は、これらの望ましくない「空隙」及び「大きな気泡」の形成を防止するのに必要とされる場合がある。
【0097】
(0113) 更に、押出機に供給される発泡体組成物はまた、開示多層発泡構造体の製造に適合する追加の添加物も含む場合がある。通常の添加剤としては、有機過酸化物、酸化防止剤、押出加工助剤、他の潤滑剤、熱安定剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、造核剤、可塑剤、抗菌剤、抗真菌剤、光安定剤、UV吸収剤、粘着防止剤、フィラー、防臭剤、増粘剤、気泡寸法安定剤、金属不活性化剤、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0098】
(0114) 全ての構成成分が押出機に供給される方法にかかわらず、押出機処理再生ポリオレフィン材料内の剪断力及び混合は、均一層を生成するのに十分でなければならない(押出機に供給される再生ポリオレフィン材料が均一である限りにおいて)。同時回転二軸スクリュー押出機は、押出機バレルを通して均一の特性を有する層を押し出すための十分な剪断力及び混合を提供することができる。
【0099】
(0115) 比エネルギーは、構成成分の押出成形中にいかに多くの仕事量が適用されているか及びいかに押出工程が強力であるかを示す指標である。比エネルギーは、キログラム当たりを基準に正規化された、押出機により処理される材料に加えられたエネルギーとして定義できる。比エネルギーは、合計供給材料1キログラム当たり1時間当たり適用されたキロワット単位のエネルギーで定量化できる。比エネルギーは、式
【数1】
に従って計算できる。
【0100】
(0116) 比エネルギーを使って、押出機内の構成成分の剪断及び混合の量を定量化できる。本発明に使用される押出機は、少なくとも0.090kW・hr/kg、好ましくは少なくとも0.105kW・hr/kg、及びより好ましくは少なくとも0.120kW・hr/kgの比エネルギーを生成することができる。
【0101】
(0117) 多層構造体の各層の押出成形温度は、化学発泡(即ち、「膨張」)剤の熱分解開始温度より少なくとも10℃低くすることができる。押出温度が発泡剤の分解温度を超える場合は、発泡剤が分解し、望ましくない「プリフォーミング(prefoaming)」が生じることになる。
【0102】
(0118) 発泡体組成物は、種々の異なる化学発泡剤を含むことができる。化学発泡剤の例には、アゾ化合物、ヒドラジン化合物、カルバジド、テトラゾール、ニトロソ化合物、及び炭酸塩が含まれるが、これらに限定されない。更に、化学発泡剤は、単独で、又は任意の組み合わせで使用してよい。一般に、化学発泡剤の量は、種々の層でほぼ同じとすることができる。例えば、1つの層が別の層より顕著に多いPPHRの化学発泡剤を有する場合には(同じ化学発泡剤と仮定して)、発泡がより少ない層が発泡より多い層の膨張を妨げる可能性がある。従って、多層構造体が加熱、発泡されるに伴い、多層構造体それ自体に対して、反り、座屈、及び/又は折り畳みが起こるという問題が発生する可能性がある。
【0103】
(0119) いくつかの実施形態で使用できる1つの化学発泡剤は、アゾジカルボンアミド(「ADCA」)である。発泡体層中のADCAの量は、約40%PPHR以下とすることができる。ADCAの熱分解は通常、約190~230℃で起こる。ADCAの押出機中での熱分解を防止するために、押出温度を190℃以下に保持することができる。いくつかの実施形態で使用できる別の化学発泡剤は、p-トリルスルホニルヒドラジド(「TSH」)である。発泡体層中のTSHの量は、約77%PPHR以下とすることができる。いくつかの実施形態で使用できる別の化学発泡剤は、p-トリルスルホニルセミカルバジド(「TSS」)である。発泡体層中のTSSの量は、約63%PPHR以下とすることができる。化学発泡剤の量は、特に、非発泡シート厚さ、所望の発泡体厚さ、所望の発泡体密度、押出しされる材料、架橋パーセンテージ、化学発泡剤の種類(異なる発泡剤は、大きく異なる量の気体を生成する場合がある)に依存し得る。しかし、各層の発泡剤の量は、各層の発泡が相対的に等しくなるように選択されるべきである。
【0104】
(0120) 熱的に分解可能な発泡剤の分解温度と、最高融点を有するポリマーの融点との間の差異が大きい場合、発泡剤分解のために触媒を使用してよい。代表的触媒としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、グリセリン、及び尿素が挙げられるが、これらに限定されない。
【0105】
(0121) 押出のためのより低い温度の許容限度は、最高融点を有するポリマーの温度とすることができる。押出温度が最高融点を有するポリマーの融点より低くなる場合には、望ましくない「不溶解物」が構造体中に現れる場合がある。発泡時に、このより低い温度許容限度以下で押出しされた押出層は、不均一な厚さ、不均一な気泡構造、気泡のつぶれたポケット、及び他の望ましくない属性を示す場合がある。
【0106】
(0122) 非発泡多層シートの押出(本出願で記載のような)は、通常「押出発泡」と呼ばれる発泡多層シートの押出とは異なる。押出発泡は、物理発泡剤、化学発泡剤、又はこれらの組み合わせを使って実施できる。物理発泡剤の例は、高圧下でポリマー融液中に直接注入できる無機及び有機気体(例えば、窒素、二酸化炭素、ペンタン、ブタン、など)である。ポリオレフィン融液が押出ダイを出る際に、これらの気体は、核形成し、膨張して、発泡ポリマーを生成する。化学発泡剤の例(例えば、本開示で前に記載のもの)は、分解温度で発熱的に又は吸熱的に分解して気体を生成できる固体である。化学発泡剤から生成される典型的な気体には、特に、窒素、二酸化炭素、一酸化炭素、及びアンモニアが含まれる。化学発泡剤を使って押出発泡をするために、化学発泡剤は、ポリオレフィン融液中に分散でき、まだ押出機及びダイ中にある間に、融液を、化学発泡剤の分解温度を超えて加熱することができる。従って、ポリオレフィン融液が押出ダイを出るに伴い、発泡ポリマーが作成できる。
【0107】
(0123) 発泡剤が物理発泡剤、化学発泡剤、又はこれらの組み合わせであるか否かにかかわらず、典型的な押出発泡は、最初に非発泡多層シートを共押出し、発泡が押出後に起こる本開示の方法により製造された同等の発泡構造体よりも、かなり粗い表面を有するポリオレフィン発泡構造体を生成する。押出発泡構造体のより粗い表面は通常、最初に非発泡多層シートを共押出する本開示の方法により製造された発泡体に比べて、より大きな寸法の気泡により引き起こされる。発泡構造体の気泡寸法及び寸法分布は、一部の商業的用途では重要でない場合もあるが、表面粗さが気泡寸法の関数であるために、より大きな気泡を有する発泡体は、平滑な発泡体表面を必要とする用途に対しては、より小さい気泡を有する発泡構造体よりあまり望ましくないであろう。
【0108】
(0124) 上記のように、発泡構造体の表面プロファイルは、多くの用途で重要であり、従って、押出発泡構造体は、これらの用途に対しては望ましくない場合がある。むしろ、これらの用途は、特に、フィルム、生地、繊維層、及び/又は革への積層の容易さ;積層での接触割合;及び視覚的美観などの望ましい特性を得るために、平滑な発泡構造体表面を必要とする。押出発泡シートの表面粗さと、本明細書記載の方法により製造された非押出発泡シートの表面粗さとの間の比較を下記の実施例セクションで認めることができる。本明細書記載の方法により製造された発泡体の平均表面粗さは、約80μm未満、約70μm未満、約50μm未満、約40μm未満、約30μm未満、約25μm未満、約20μm未満、約15μm未満、及び約10μm未満とすることができる。本明細書記載の方法により製造された発泡体の平均の最大高さ(最大高さのピークと最大深さの谷との間の高さ)は、約700μm未満、約600μm未満、約300μm未満、約250μm未満、約200μm未満、約150μm未満、及び約100μm未満とすることができる。
【0109】
(0125) 非発泡共押出多層構造体の厚さは、約0.1~約30mm、好ましくは約0.2~約25mm、より好ましくは約0.3~約20mm、更により好ましくは約0.4~約15mmとすることができる。更に、非発泡共押出多層構造体中の再生層(単一又は複数)及び非再生層(単一又は複数)を含むいずれの個別層の厚さも、少なくとも約0.05mm、好ましくは少なくとも約0.1mm、より好ましくは少なくとも約0.15mm、更により好ましくは少なくとも約0.2mmとすることができる。
【0110】
(0126) 多層構造体の層(単一又は複数)が発泡されることを目的としない場合(例えば、層が「皮膜」層又は「フィルム」層の場合)の実施形態では、非発泡層(単一又は複数)は、溶融される場合に、発泡工程中に発泡体層(単一又は複数)の膨張を大きく妨害しないように、薄くて、容易に柔軟になるものとすることができる。発泡体層(単一又は複数)の膨張を妨害し得る非発泡層(単一又は複数)の物理的性質としては、非発泡層の厚さ、柔軟性、溶融強度、及び架橋パーセンテージが挙げられるが、これらに限定されない。同様に、発泡体層(単一又は複数)の厚さ、柔軟性、溶融強度、及び架橋パーセンテージ並びに発泡体層(単一又は複数)の最終的な厚さ及び密度もまた、非発泡層(単一又は複数)が発泡体層(単一又は複数)の膨張を妨害するか否かに影響を与える場合がある。
【0111】
(0127) 一般に、非発泡層(単一又は複数)の厚さは、好ましくは、全体共押出非発泡構造体の厚さの約20%以下とすることができる。非発泡層(単一又は複数)の厚さが共押出非発泡構造体の全体厚さの約20%より大きいと、多層構造体が加熱、発泡されるに伴い、多層構造体それ自体に対して、反り、座屈、及び/又は折り畳みが起こるという問題が発生する可能性がある。対照的に、非発泡層(単一又は複数)の厚さは、全体非発泡共押出多層構造体との関連でどの程度薄くし得るかについての制限はない。例えば、非発泡層(単一又は複数)は、約0.1μmもの薄さ(即ち、多層フレキシブルパッケージング及びバリアフィルムに使用される典型的な厚さの薄い結合層)にすることができる。
【0112】
(0128) 共押出多層構造体が押出機により製造された後、共押出構造体は、所与の曝露での電離放射線による照射に供して、共押出構造体の組成物を架橋し、それにより、照射架橋多層構造体を得ることができる。電離放射線は、ポリプロピレン(単一又は複数)、ポリプロピレンベース材料、一部のポリエチレン(単一又は複数)、及び一部のポリエチレンベース材料に対し、十分な程度の架橋を生成できない場合が多い。従って、通常、架橋促進剤を、押出機に供給される発泡体組成物に添加して架橋を促進することができる。電離放射線により架橋されたポリマーは、一般に「物理的に架橋された」と呼ばれる
【0113】
(0129) 物理架橋は、化学架橋とは異なる。化学架橋では、架橋は、架橋促進剤を使って生成できるが、電離放射線は使用しない。化学架橋は通常、過酸化物、シラン、又はビニルシランの使用を含む。過酸化物架橋工程中、架橋は通常、押出ダイ中で発生する。対照的に、シラン及びビニルシラン架橋工程では、架橋は通常、押出後の二次操作中に発生し、この操作では、押出材料の架橋が熱及び湿気により加速できる。
【0114】
(0130) 化学架橋工程に関係なく、化学架橋発泡構造体は通常、物理架橋の開示方法により製造された同等の発泡構造体よりも、かなり粗い表面を示す。化学架橋発泡構造体のより粗い表面は通常、物理架橋を使用する本開示の方法により製造された発泡体に比べて、より大きな寸法の気泡により引き起こされる。発泡構造体の気泡寸法及び寸法分布は、一部の商業的用途では重要でない場合もあるが、表面粗さが気泡寸法の関数であるために、より大きな気泡有する発泡体は、平滑な発泡体表面を必要とする用途に対しては、より小さい気泡を有する発泡構造体よりあまり望ましくないであろう。
【0115】
(0131) 上記のように、発泡構造体の表面プロファイルは、多くの用途で重要であり、従って、化学架橋構造体は、これらの用途に対しては望ましくない。むしろ、これらの用途は、特に、フィルム、生地、繊維層、及び/又は革への積層の容易さ;積層での接触割合;及び視覚的美観などの望ましい特性を得るために、平滑な発泡構造体表面を必要とする。化学架橋化学架橋シートの表面粗さと、本明細書記載の方法により製造された物理架橋されたシートの表面粗さとの間の比較を下記の実施例セクションで認めることができる。
【0116】
(0132) 電離放射線の例には、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、及び電子線が挙げられるが、これらに限定されない。それらの中でも、均一なエネルギーを有する電子線を使って、架橋多層構造体を作製することができるのが好ましい。電子線を使った照射時の曝露時間、照射頻度、及び加速電圧は、共押出多層構造体の目的の架橋度及び厚さに応じて、広範囲に変えることができる。しかし、電離放射線は通常、約10~約500kGy、好ましくは約20~約300kGy、及びより好ましくは約20~約200kGyの範囲とすべきである。曝露が少なすぎると、発泡時に気泡安定性が維持されない場合がある。曝露が強すぎると、得られた多層発泡構造体の成形性が不十分となる場合がある。(成形性は、多層発泡構造体が熱成形用途に使われる場合に望ましい特性であり得る)。また、非発泡多層構造体は、電子線照射への曝露時に発熱による熱放出により軟化し、その結果、曝露が強すぎると、構造体が変形する場合がある。更に、ポリマー成分はまた、過度のポリマー鎖切断により分解する場合がある。
【0117】
(0133) 共押出非発泡多層構造体は、4回にまで分けて照射してよく、好ましくは2回以下、及びより好ましくは1回のみの照射がよい。照射頻度が約4回を超える場合は、ポリマー成分が劣化する可能性があり、その場合、発泡時に、例えば、得られた発泡体層で均一の気泡が生成されないであろう。
【0118】
(0134) 共押出多層構造体の厚さが約4mmを超える場合は、多層プロファイルのそれぞれの一次表面の電離放射線による照射は、一次表面(単一又は複数)及び内層(単一又は複数)の架橋度を均一にするのに好ましい場合がある。
【0119】
(0135) 電子線による照射は、種々の厚さを有する共押出構造体が電子の加速電圧を制御することにより効果的に架橋されるという点で利点がある。加速電圧は通常、約200~約1500kV、好ましくは約400~約1200kV、及びより好ましくは約600~約1000kVの範囲とすることができる。加速電圧が約200kV未満である場合、照射は、共押出構造体の内側部分に到達しない可能性がある。その結果、発泡時に内側部分の気泡が粗くなり、不均一になる場合がある。更に、所定の厚さプロファイルに対する低すぎる加速電圧は、アーク放電を生じ、発泡多層構造体中に「ピンホール」又は「トンネル」を生成することがある。他方では、加速電圧が約1500kVより大きい場合には、ポリマーが分解する場合がある。
【0120】
(0136) 選択した電離放射線の種類に関係なく、架橋が実施され、共押出構造体の組成物は、「Toray Gel Fraction Percentage Method」により測定して、約20~約75%、好ましくは約30~約60%架橋できる。
【0121】
(0137) 「Toray Gel Fraction Percentage Method」に従って、テトラリン溶媒を使って、組成物中の非架橋成分が溶解される。原理的には、非架橋材料をテトラリン中に溶解し、架橋度は全体組成物中の架橋材料の質量パーセントとして表される。
【0122】
(0138) ポリマー架橋のパーセントの測定に使用される装置には、100メッシュ(0.0011cm(0.0045インチ)ワイヤー径);sus304ステンレス鋼バッグ;番線とクリップ;Miyamotoサーモスタット油浴装置;化学てんびん;ドラフト;ガスバーナー;高温オーブン;帯電防止銃;及び3つの3.5リットルの蓋付き広口ステンレス鋼容器が含まれる。使用する試薬及び材料には、テトラリン高分子量溶媒、アセトン、及びシリコーンオイルが含まれる。具体的には、空のワイヤーメッシュバッグが秤量され、質量が記録される。各試料に対し、約100ミリグラム±約5ミリグラムの試料を秤取し、ワイヤーメッシュバッグに移す。ワイヤーメッシュバッグ及び試料(通常、発泡体細断物)の質量を記録する。それぞれのバッグを対応する番手のワイヤーとクリップに取り付ける。溶媒温度が130℃に達すると、束(バッグと試料)を溶媒中に浸漬する。試料を上下に約5回又は6回震盪させて全ての気泡を放出させ、試料を完全に濡らす。試料を攪拌器に取り付け、溶媒が発泡体を溶解できるように3時間撹拌する。その後、ドラフト中で試料を冷却する。一級アセトンを入れた容器中で、試料を上下に約7回又は8回震盪させて洗浄する。試料を第2のアセトン洗浄液中で2度目の洗浄を行う。洗浄試料を新しいアセトンの3つめの容器中で上記のようにもう一度洗浄する。その後、試料をドラフト中に吊り下げて約1~約5分間、アセトンを蒸発させる。次に、試料を120℃の乾燥オーブン中で約1時間乾燥させる。少なくとも約15分間冷却する。ワイヤーメッシュバッグを化学てんびんで秤量し、質量を記録する。
【0123】
(0139) その後、架橋度は、式100*(C-A)/(B-A)を使って計算できる。式中、A=空のワイヤーメッシュバッグの質量、B=ワイヤーバッグ質量+テトラリン浸漬前の発泡体試料質量、及びC=ワイヤーバッグ質量+テトラリン浸漬後の溶解後試料質量である。
【0124】
(0140) 好適な架橋剤には、市販の二官能、三官能、四官能、五官能、及び更に多い官能基のモノマーが挙げられるが、これらに限定されない。このような架橋モノマーは、液体、固体、ペレット、及び粉末形態で利用可能である。例としては、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチルロールメタントリアクリレート、1,9-ノナンジオールジメタクリレート及び1,10-デカンジオールジメタクリレートなどのアクリレート又はメタクリレート;カルボン酸のアリルエステル(例えば、トリメリット酸トリアリルエステル、ピロメリト酸トリアリルエステル、及びシュウ酸ジアリルエステル);トリアリルシアヌレート及びトリアリルイソシアヌレートなどのシアヌル酸又はイソシアヌル酸のアリルエステル;N-フェニルマレイミド及びN,N’-m-フェニレンビスマレイミドなどのマレイミド化合物;フタル酸ジプロパギル及びマレイン酸ジプロパギルなどの少なくとも2つの三重結合を有する化合物が挙げられるが、これらに限定されない。更に、このような架橋剤は、単独又は任意の組み合わせで使用してよい。1つの層の組成物中の架橋剤の量は、特に、分子量、官能基、及び架橋剤の架橋効率並びに電離放射線量に応じて変えることができる。二官能液体架橋モノマーのジビニルベンゼン(DVB)を本発明の架橋剤として使うことができ、約4%PPHR以下、好ましくは約2%~約3.5%PPHRのレベルで押出機に添加できる。一部のポリマーは、他のものより容易に架橋する。従って、より架橋する傾向があるポリマーを含む層は、架橋する傾向が少ないポリマーを含む層より少ない架橋剤を有してよい。いくつかの実施形態では、ある層は、より多くの架橋を促進するためにより多くの架橋剤の添加を要し得る別の層より意図的に多く架橋できる。
【0125】
(0141) 架橋は、種々の異なる技術を使って行ってよく、異なるポリマー分子の間の分子間、及び単一ポリマー分子の部分間の分子内の両方に形成できる。このような技術としては、ポリマー鎖から離れた架橋剤の提供及び架橋を形成できる又は架橋を形成するように活性化できる官能基を含む架橋剤を組み込んだポリマー鎖の提供が挙げられるが、これらに限定されない。
【0126】
(0142) 押出構造体の照射後、熱分解可能な発泡剤の分解温度より高い温度で架橋多層構造体を加熱することにより発泡を行い得る。熱分解可能な発泡剤のアゾジカルボンアミドでは、発泡は、連続工程中で、約200~約260℃、好ましくは約220~約240℃で行うことができる。連続発泡シートの製造には、バッチ工程よりも連続発泡工程が好ましい場合がある。
【0127】
(0143) 発泡は通常、架橋多層構造体を溶融塩、輻射加熱器、垂直熱風炉、水平熱風炉、マイクロ波エネルギー、又はこれらの組み合わせを使って加熱することにより行うことができる。発泡はまた、例えば、オートクレーブ中での窒素を使った注入工程に続けて、溶融塩、輻射加熱器、垂直熱風炉、水平熱風炉、マイクロ波エネルギー又はこれらの方法の組合せによる自由発泡で実施してもよい。溶融塩及び輻射加熱器の好ましい組み合わせを使って、架橋多層構造体を加熱できる。特に、溶融塩と接触していない照射押出構造体を輻射加熱器により加熱できる。
【0128】
(0144) 必要に応じて、発泡の前に、架橋構造体を予備加熱して軟化させることができる。これにより、発泡時に構造体の膨張を安定化するのを支援することができる。
【0129】
(0145) 多層発泡構造体の密度は、JIS K6767に準拠して、「コア」密度ではなく、セクション密度又は「全体」密度を使って定義及び測定できる。上記方法を使って製造した多層発泡構造体は、約20~約250kg/m3、好ましくは約30kg/m3~約125kg/m3のセクション、又は「全体」密度を有する発泡体を与えることができる。セクション密度は、発泡剤の量及び共押出構造体の厚さにより制御できる。構造体の密度が約20kg/m3未満の場合は、その密度を得るのに大量の化学発泡剤が必要となるために、構造体を効率的に発泡し得ない。更に、構造体の密度が約20kg/m3未満の場合は、発泡ステップ中の構造体の膨張を制御するのが次第に困難になる可能性がある。更に、多層発泡構造体の密度が約20kg/m3未満の場合は、発泡構造体が次第に気泡のつぶれを生じやすくなる。従って、約20kg/m3未満の密度では、均一のセクション密度及び厚さの多層発泡構造体(再生材料を含む又は含まない場合の)を製造するのが困難になる可能性がある。
【0130】
(0146) 多層発泡構造体は、約250kg/m3のセクション密度に限定されない。約少なくとも350kg/m3、約少なくとも450kg/m3、又は約少なくとも550kg/m3の発泡体を製造してもよい。しかし、所定の用途に使用できる他の材料と比較すると、より高い密度は一般に、法外な費用がかかることがあるので、多層発泡構造体は、約250kg/m3未満の密度を有するのが好ましいものとなり得る。
【0131】
(0147) 多層発泡構造体中の種々の発泡体層(再生ポリオレフィン材料を含む又は含まない場合の)は類似の密度を有することができる。これらの密度は、化学発泡剤(単一又は複数)、化学発泡剤の種類(単一又は複数)、それぞれの共押出非発泡層(単一又は複数)の厚さ、及び/又は共押出非発泡多層構造体の全体厚さの量により決定及び調節できる。個々の発泡体層が相互に大きく異なる密度を有する場合、多層構造体が加熱、発泡されるに伴い、多層発泡構造体それ自体に対して、反り、座屈、及び/又は折り畳みが起こるという問題が発生する可能性がある。発泡体層の密度は、相互間で約15%以内、好ましくは相互間で約10%以内、及びより好ましくは相互間で約5%以内の密度とすることができる。
【0132】
(0148) 多上記方法を使用して製造した多層発泡構造体は、独立気泡を有し得る。好ましくは少なくとも90%の気泡、好ましくは少なくとも95%の気泡、及びより好ましくは98%を超える気泡が未損傷の気泡壁を有する。平均気泡寸法は、約0.05~約1.0mm、好ましくは約0.1~約0.7mmとすることができる。平均気泡寸法が約0.05mm未満の場合には、多層発泡構造体の密度が通常、250kg/m3より大きくなり得る。平均気泡寸法が1mmより大きいと、発泡体は不均一な表面を有する可能性がある。また、発泡体中の気泡集団が好ましい平均気泡寸法でない場合には、発泡構造体が裂ける可能性があるので望ましくない。このことは、発泡構造体が引き伸ばされるか、発泡構造体の一部が、二次工程に供せされる場合に発生する。多層発泡構造体中の気泡寸法は、二峰性分布を有してもよく、これは、比較的丸い発泡構造体のコア中の気泡集団、及び比較的平坦で薄い形状及び/又は楕円形である発泡構造体の表面近くの皮膜中の気泡集団を表している。
【0133】
(0149) 多層発泡構造体の厚さは、約0.2~約50mm、好ましくは約0.4~約40mm、より好ましくは約0.6~約30mm、更により好ましくは約0.8~約20mmとすることができる。厚さが約0.2mmより小さいと、一次表面からの大きなガス損失に起因して発泡が効率的ではない可能性がある。厚さが約50mmを超えると、発泡ステップ中に膨張を制御するのが次第に困難になる可能性がある。従って、均一のセクション密度及び厚さの多層発泡構造体(再生材料を含む又は含まない場合の)を製造するのが次第により困難になる可能性がある。
【0134】
(0150) 所望の厚みはまた、切断、スカイビング、又は接合などの二次工程により得ることができる。切断、スカイビング、又は接合により、約0.1mm~約100mmの範囲の厚さを生成することができる。
【0135】
(0151) 多層構造体の層(単一又は複数)が発泡されることを目的としない場合の実施形態では、非発泡層(単一又は複数)の厚さは、多層構造体を発泡する際に、縮減し得る。これは、発泡体層(単一又は複数)を膨張させ、従って、非発泡層(単一又は複数)を引き伸ばすことにより実現することができる。従って、例えば、多層構造体がその元の領域を2倍に広げる場合、非発泡層(単一又は複数)の厚さは、約半分になることが期待できる。更に、多層構造体がその元の領域を4倍に広げる場合、非発泡層(単一又は複数)の厚さは、その元の厚さの約1/4に縮減されることが期待できる。
【0136】
(0152) 開示多層発泡構造体は、様々な用途に使用できる。1つのこのような用途は、発泡テープ及びガスケット材料である。独立気泡発泡テープは通常、窓ガラスの取付けなどの分野で使用され、この場合、発泡テープ細片が2枚の窓ガラスの間に配置されて、ガラスの間の空気が密封される。これにより、窓の断熱特性が向上する。発泡体はまた、毎日の及び季節による温度変動に由来するビル及び窓枠の熱膨張及び収縮の影響からの窓ガラスのクッションとしても機能する。同様に、独立気泡発泡体ガスケットは通常、シールとクッションを目的として使用される。手持ち式の電子機器及び家庭電化製品は、発泡体ガスケットを含み得る2つの例である。柔らかい可撓性のある発泡構造体は通常、テープ又はガスケットに好適する。
【0137】
(0153) 多層発泡構造体がテープ又はガスケットとして使用される場合、感圧性接着剤層を主表面の片方又は両方の少なくとも一部の上に配置し得る。当該技術分野において既知の任意の感圧接着剤を使用してよい。このような感圧接着剤例としては、アクリルポリマー、ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、ブロックコポリマー、ポリオレフィン、シリコーン類、ゴムベース粘着剤、エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸とのコポリマー、イソオクチルアクリレートとアクリル酸とのコポリマー、アクリル系接着剤とゴムベース粘着剤とのブレンド、並びに前述のものの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0138】
(0154) 多層発泡構造体はまた、熱成形できる。多層発泡構造体を熱成形するために、多層発泡構造体中の全層に対し、ポリオレフィンブレンドの融点まで発泡体を加熱できる。いずれかの層が不混和性のポリマーである場合、多層発泡構造体は、2つ以上の融点を示し得る。この場合、多層発泡構造体は通常、発泡体が多層発泡体組成物の最低の融点と最高の融点との間の中間の温度に加熱される場合に、熱成形できる。更に、多層発泡構造体は、硬質ポリプロピレン、ABS、又は木質繊維複合材料などの基材上に熱成形できる。好ましくは、多層発泡構造体は、多層発泡体の非再生発泡体層側を基材に向けるようにして基材上に熱成形され得る。基材それ自体もまた、多層発泡構造体として同時に熱成形できる。更に、基材は、多層発泡体の非再生発泡体層側(即ち、表面)に向けることができる。
【0139】
(0155) 熱成形製品の一例は、自動車用空気ダクトである。独立気泡発泡構造体は、そのより低い質量(固形プラスチックに比べて)、ダクトを通って流れる空気の温度を維持するのを助けるその断熱性、及び振動に対するその耐性(固形プラスチックに対し)に起因して、特にこの用途に適合させることができる。従って、堅固な多層発泡構造体は、自動車空気ダクトに好適するものとすることができる。
【0140】
(0156) いくつかの実施形態では、多層発泡構造体は、多層発泡体及び積層体層を含む積層体である。好ましくは、積層体は、多層発泡体の非再生発泡体層側(即ち、表面)に向けることができる。これらの積層体では、多層発泡構造体は、例えば、フィルム及び/又は箔と組み合わせることができる。このような層のための好適な材料の例としては、ポリ塩化ビニル(PVC);熱可塑性ポリオレフィン(TPO);熱可塑性ウレタン(TPU);ポリエステル、ポリプロピレン、クロス及び他の生地などの生地;革及び/又は不織布などの繊維層が挙げられるが、これらに限定されない。このような層は、当業者に周知の標準的な技術を使って製造し得る。重要なのは、本開示の多層発泡体は、これら材料の片側又は両側に積層してよく、複数の他の層を含んでよいことである。多層発泡体が、両側に積層される場合、好ましくは、これらの積層体層は、多層発泡体の非再生発泡体層側に向けることができる。
【0141】
(0157) これらの積層体では、化学結合、機械的手段、又はこれらの組み合わせにより、1つの層を隣接層に接合してよい。隣接積層体層はまた、相対する電磁電荷又は両方が主に疎水特性若しくは主に親水特性を有する材料間に存在する引力の使用を含む任意の他の手段により相互に固定されてよい。
【0142】
(0158) いくつかの実施形態では、多層発泡構造体又は積層体は、ドアパネル、ドアロール、ドアインサート、ドアスタッファー、トランクスタッファー、アームレスト、センターコンソール、シートクッション、シートバック、ヘッドレスト、シートバックパネル、インストルメントパネル、ニーボルスター、ヘッドライナーなどの自動車用内装部品に使用される。これらの多層発泡構造体又は積層体はまた、チェアークッション、チェアーバック、ソファークッション、ソファートリム、リクライナークッション、リクライナートリム、カウチクッション、カウチトリム、スリーパークッション、又はスリーパートリムなどの家具(例えば、市販品、事務所、及び住宅用家具)に使用できる。これらの多層発泡積層体又は構造体はまた、モジュラーウォール、移動可能壁、壁パネル、モジュラーパネル、事務所システムパネル、間仕切り、又は移動式間仕切りなどの壁に使用できる。多層発泡積層体又は構造体はまた、移動式又は固定式であり得る貯蔵ケース(例えば、市販品、事務所及び住宅用)に使用できる。更に、多層発泡積層体及び構造体はまた、チェアークッションカバー、チェアーバックカバー、アームレストカバー、ソファーカバー、ソファークッションカバー、リクライナークッションカバー、リクライナーカバー、カウチクッションカバー、カウチカバー、スリーパークッションカバー、スリーパーカバー、壁カバー、及び建築用カバーなどのカバーに使用できる。
【0143】
(0159) いくつかの実施形態は、開示多層発泡構造体の第1の層及び堅い広葉樹の床パネル、加工した木の床パネル、積層体床パネル、ビニル床タイル、セラミック床タイル、磁器床タイル、石材床タイル、石英床タイル、セメント床タイル、及びコンクリート床タイルからなる群より選択される第2の層を含む。上述のように、好ましくは、第2の層(単一又は複数)は、多層発泡構造体の非再生層(単一又は複数)側(即ち、表面)に向けることができる。
【0144】
(0160) これらの積層体では、化学結合、機械的手段、又はこれらの組み合わせにより、第1の層を隣接するパネル又はタイルに接合してよい。隣接積層体層はまた、相対する電磁電荷又は両方が主に疎水特性若しくは主に親水特性を有する材料間に存在する引力の使用を含む任意の他の手段により相互に固定されてよい。
【0145】
(0161) 開示多層発泡体を床パネル、特に、堅い広葉樹の床パネル、加工された木の床パネル、及び積層体床パネル、に接着する一般的な方法は、発泡体表面及び/又はパネル表面の少なくとも一部の上に配置できる感圧性接着剤層を介する方法とすることができる。好ましくは、接着層は、多層発泡構造体の非再生層の表面上に配置できる。当該技術分野において既知の任意の感圧接着剤を使用してよい。このような感圧接着剤の例は、アクリルポリマー、ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、ブロックコポリマー、ポリオレフィン、シリコーン類、ゴムベース粘着剤、エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸とのコポリマー、イソオクチルアクリレートとアクリル酸とのコポリマー、アクリル系接着剤とゴムベース粘着剤とのブレンド、並びに前述のものの組み合わせである。
【0146】
(0162) 床パネル、特に、堅い広葉樹の床パネル、加工された木の床パネル、及び積層体床パネルに接着した多層発泡体は、いくつかの役割を果たす。発泡体は、例えば、パネル上を長靴又はハイヒールで歩く場合に、パネルが衝撃を受ける際の反射音圧レベルを下げることができる。下張り床上のいずれの不均一性、出っ張り、又はスパイク上突起(例えば、付き出ている釘の頭)も発泡体により緩衝されるので、発泡体はまた、パネルと下張り床との間の水蒸気バリアとして機能し、複数のパネルの間でより均一な敷設をするのを助けることができる。これらの床板及びタイルは、一般に、住宅、事務所ビル、及びその他の商業ビルに設置される。
【0147】
(0163) 本発明の別の実施形態は、上部床層、下張り床層、及び1つ又は複数の中間層を含むフローリングシステムを提供し、少なくとも1つの中間層が下張り床と上部床層との間に配置された開示多層発泡構造体を含む。好ましくは、下張り床及び上部床層は、多層発泡構造体の非再生層の側/表面に向けることができる。
【0148】
(0164) このシステムでは、発泡体層は、下張り床又は上部床層を含むいずれかの隣接層に接合されても、されなくてもよい。開示システムのいずれかの層が接合される場合、接着は、化学結合、機械的な手段、又はこれらの組み合わせにより行うことができる。隣接層はまた、相対する電磁電荷又は両方が主に疎水特性若しくは主に親水特性を有する材料間に存在する引力の使用を含む任意の他の手段により相互に固定されてよい。
【0149】
(0165) いずれかの層が接着される場合、接着の一般的な方法として、一成分型ウレタン接着剤、二成分型ウレタン接着剤、一成分型アクリル接着剤、又は二成分型アクリル接着剤を使用することができる。接着剤は、システムの住宅、事務所ビル、及び商業ビルでの敷設中に適用できる。
【0150】
(0166) このシステムの発泡体は、いくつかの役割を果たす。発泡体は、例えば、パネル上を長靴又はハイヒールで歩く場合に、上部床層が衝撃を受ける際の反射音圧レベルを下げることができる。下張り床上のいずれの不均一性、出っ張り、又はスパイク上突起(例えば、付き出ている釘の頭)も発泡体により緩衝されるので、発泡体はまた、パネルと下張り床との間の水蒸気バリアとして機能し、複数のパネルの間でより均一な敷設をするのを助ける。上部床層が、グラウトによる連結されたセラミック床タイル、磁器床タイル、石材床タイル、石英床タイル、セメント床タイル、及びコンクリート床タイルで構成され、フロアリングシステム中の全ての層が接合される場合では、発泡体は、システムの種々の層の変動する熱膨張及び収縮を緩衝することにより、グラウトの破壊を減らすのを助けることができる。
【0151】
(0167) 上記用途のいずれかの要件を満たすために、本開示の開示構造体を、限定されないが、エンボス加工、コロナ又はプラズマ処理、表面粗化、表面平滑化、穿孔又は微穿孔、切継ぎ、切断、スカイビング、層化、接合、及び穴あけ加工を含む種々の二次工程に供し得る。
【0152】
(0168) 実施例
次表は、次の実施例に使用される種々の成分及びこれらの成分の説明の一覧である。
【表1】
(本開示の全実施例は、フィードブロックマニホールドを使って共押出した)
【0153】
(0169) 実施例1-A/B製品、A=発泡体及びB=フィルム
樹脂(50質量%のInfuse(商標)OBC9107、40質量%の6232、及び10質量%のAdflex(商標)Q100F)、化学発泡剤(7.5%PPHRのADCA)、架橋促進剤(2.5%PPHRのDVB)、酸化防止剤(5.5%PPHRのPR023)、及び加工助剤(2.0%PPHRのTPM11166)を含む成分A(即ち、発泡体層成分)を第1の押出機に供給した。第1の押出機は、成分Aを12.1kW・hr/kgの比エネルギー及び173℃の温度で押出した。樹脂(100質量%のAdflex(商標)Q100F)、酸化防止剤(2.75%PPHRのPR023)、及び加工助剤(2.0%PPHRのTPM11166)を含む成分B(即ち、フィルム層成分)を第2の押出機に供給した。第1の押出機は、成分Aを押出したので、第2の押出機は、39.2kW・hr/kgの比エネルギー及び201℃の温度で成分Bを同時に押出した。
【0154】
(0170) 成分A及び成分Bを80/20フィードブロックマニホールドを使って共押出して、約1.33mm厚さの非架橋非発泡多層シートを製造した(非発泡A層は約0.97mm厚さ、非発泡B層は約0.36mm厚さである)。
図1Cは、非発泡多層シートの薄切片のバックライト方式拡大写真である。共押出後、成分B層(即ち、フィルム層)を放射線源に向けて、45kGyの放射線量で電子線照射によりシートを架橋した。更に、曝露がシートの深さ全体にほぼ均一になるように、照射電圧(650kV)を選択した。
【0155】
(0171) 架橋後、シートの両面を約232℃(450°F)に加熱し、3.98mmの平均厚さ及び0.102g/cm
3の平均全体密度の多層発泡構造体を得た。発泡体層は約3.88mmの厚さで、フィルム層は約0.10mm厚さであった。更に、多層発泡構造体の全体平均ゲル分率(架橋パーセンテージ)は、45.7%であった。
図1Aは、薄くスライスされた実施例1の発泡体のバックライト方式拡大写真である。
図1Bは、薄くスライスされた実施例1の発泡体のフロントライト方式非拡大写真である。
図1A~1Bの両方で、スキン層が目視で確認できる。
【0156】
(0172) 実施例2-A/B製品、A=発泡体及びB=発泡体
樹脂(50質量%のInfuse(商標)OBC9107、40質量%の6232、及び10質量%のAdflex(商標)Q100F)、化学発泡剤(7.5%PPHRのADCA)、架橋促進剤(2.5%PPHRのDVB)、酸化防止剤(5.5%PPHRのPR023)、及び加工助剤(2.0%PPHRのTPM11166)を含む成分A(即ち、第1の発泡体層成分)を第1の押出機に供給した。第1の押出機は、成分Aを11.5kW・hr/kgの比エネルギー及び173℃の温度で押出した。樹脂(40質量%の7250FL、32.5質量%の6232、15質量%のAdflex(商標)Q100F、12.5質量%のLLP8501.67)、化学発泡剤(7.5%PPHRのADCA)、架橋促進剤(2.75%PPHRのDVB)、酸化防止剤(5.0%PPHRのPR023)、及び加工助剤(2.0%PPHRのTPM11166)を含む成分B(即ち、第2の発泡体層成分)を第2の押出機に供給した。第1の押出機は、成分Aを押出したので、第2の押出機は、15.5kW・hr/kgの比エネルギー及び168℃の温度で成分Bを同時に押出した。
【0157】
(0173) 成分A及び成分Bを80/20フィードブロックマニホールドを使って共押出して、約1.05mm厚さの非架橋非発泡多層シートを製造した(非発泡A層は約0.80mm厚さ、非発泡B層は約0.25mm厚さである)。
図2Cは、非発泡多層シートの薄切片のバックライト方式拡大写真である。共押出後、成分B層(即ち、第2の発泡体層)を放射線源に向けて、45kGyの放射線量で電子線照射によりシートを架橋した。更に、曝露がシートの深さ全体にほぼ均一になるように、照射電圧(650kV)を選択した。
【0158】
(0174) 架橋後、シートの両面を約232℃(450°F)に加熱し、2.24mmの平均厚さ及び0.133g/cm
3の平均全体密度の多層発泡構造体を得た。第1の発泡体層は約1.61mmの厚さで、第2の発泡体層は約0.63mmの厚さであった。更に、多層発泡構造体の全体平均ゲル分率(架橋パーセンテージ)は、46.7%であった。
図2Aは、薄くスライスされた実施例2の発泡体のバックライト方式拡大写真である。
図2Bは、薄くスライスされた実施例2の発泡体のフロントライト方式非拡大写真である。
【0159】
(0175) 実施例3-A/B/A製品、A=発泡体及びB=再生金属化ポリオレフィン材料を含む発泡体
樹脂(40質量%の7250FL、32.5質量%の6232、15質量%のAdflex(商標)Q100F、12.5質量%のLLP8501.67)、化学発泡剤(7.5%PPHRのADCA)、架橋促進剤(2.75%PPHRのDVB)、酸化防止剤(5.0%PPHRのPR023)、及び加工助剤(2.0%PPHRのTPM11166)を含む成分A(即ち、第1と第3の発泡体層成分)を第1と第3の押出機に供給した。第1と第3の押出機は、成分Aを18.3kW・hr/kgの比エネルギー及び172℃の温度で押出した。樹脂(40質量%の7250FL、32.5質量%の6232、15質量%の再生樹脂、12.5質量%のLLP8501.67)、化学発泡剤(7.5%PPHRのADCA)、架橋促進剤(2.75%PPHRのDVB)、酸化防止剤(5.0%PPHRのPR023)、及び加工助剤(2.0%PPHRのTPM11166)を含む成分B(即ち、第2の再生発泡体層成分)を第2の押出機に供給した。第1と第3の押出機は、成分Aを押出したので、第2の押出機は、16.4kW・hr/kgの比エネルギー及び169℃の温度で成分Bを同時に押出した。
【0160】
(0176) 成分A及び成分Bを25/50/25フィードブロックマニホールドを使って共押出して、約1.04mm厚さの非架橋非発泡多層シートを製造した(非発泡A層は約0.26及び0.28mmの厚さ、非発泡B層は約0.50mmの厚さである)。
図3Eは、非発泡多層シートの薄切片のバックライト方式拡大写真である。共押出後、シートを45kGyの放射線量で電子線照射により架橋した。更に、曝露がシートの深さ全体にほぼ均一になるように、照射電圧(650kV)を選択した。
【0161】
(0177) 架橋後、シートの両面を約232℃(450°F)に加熱し、2.05mmの平均厚さ及び0.208g/cm
3の平均全体密度の多層発泡構造体を得た。第1と第3の発泡体層は、第2の再生発泡体層をサンドイッチ状にはさみこんでいる。第1と第3の発泡体層は合わせて約1.06mmの厚さ(それぞれ約0.53mm)で、第2の再生発泡体層は約0.99mmの厚さであった。更に、多層発泡構造体の全体平均ゲル分率(架橋パーセンテージ)は、43.2%であった。
図3A~3Bは、薄くスライスされた実施例3の発泡体のバックライト方式拡大写真である。
図3C~3Dは、薄くスライスされた実施例3の発泡体のフロントライト方式非拡大写真である。
【0162】
(0178) 実施例4-A/B/A製品、A=発泡体及びB=再生低温粉砕発泡体材料を含む発泡体
樹脂(40質量%の7250FL、32.5質量%の6232、15質量%のAdflex(商標)Q100F、12.5質量%のLLP8501.67)、化学発泡剤(7.5%PPHRのADCA)、架橋促進剤(2.75%PPHRのDVB)、酸化防止剤(5.0%PPHRのPR023)、及び加工助剤(2.0%PPHRのTPM11166)を含む成分A(即ち、第1と第3の発泡体層成分)を第1と第3の押出機に供給した。第1と第3の押出機は、成分Aを18.3kW・hr/kgの比エネルギー及び172℃の温度で押出した。樹脂(40質量%の7250FL、32.5質量%の6232、15質量%の再生架橋発泡体、12.5質量%のLLP8501.67)、化学発泡剤(7.5%PPHRのADCA)、架橋促進剤(2.75%PPHRのDVB)、酸化防止剤(5.0%PPHRのPR023)、及び加工助剤(2.0%PPHRのTPM11166)を含む成分B(即ち、第2の再生発泡体層成分)を第2の押出機に供給した。第1と第3の押出機は、成分Aを押出したので、第2の押出機は、17kW・hr/kgの比エネルギー及び170℃の温度で成分Bを同時に押出した。
【0163】
(0179) 成分A及び成分Bを25/50/25フィードブロックマニホールドを使って共押出して、約1.11mm厚さの非架橋非発泡多層シートを製造した(非発泡A層は約0.26及び0.25mmの厚さ、非発泡B層は約0.60mmの厚さである)。
図4Cは、非発泡多層シートの薄切片のバックライト方式拡大写真である。共押出後、シートを45kGyの放射線量で電子線照射により架橋した。更に、曝露がシートの深さ全体にほぼ均一になるように、照射電圧(650kV)を選択した。
【0164】
(0180) 架橋後、シートの両面を約232℃(450°F)に加熱し、3.60mmの平均厚さ及び0.130g/cm
3の平均全体密度の多層発泡構造体を得た。第1と第3の発泡体層は、第2の再生発泡体層をサンドイッチ状にはさみこんでいる。第1と第3の発泡体層は合わせて約1.90mmの厚さ(それぞれ約0.95mm)で、第2の再生発泡体層は約1.70mmの厚さであった。更に、多層発泡構造体の全体平均ゲル分率(架橋パーセンテージ)は、37.9%であった。
図4Aは、実施例4の発泡体のバックライト方式拡大写真である。
図4Bは、実施例4の発泡体のフロントライト方式非拡大写真である。実施例4では、再生架橋発泡体材料は木炭色であり、これが中間層の黒っぽい理由であることに留意されたい。
【0165】
(0181) 押出発泡と押出後発泡との対比
ポリエチレンの押出発泡シート(Gladon Company(Oak Creek,WI)から市販されている0.0025~0.026g/cm3のプールライナー壁発泡体(「38064 blue Gladon」))を、本明細書で開示される方法により製造された2枚の0.025~0.026g/cm3のポリエチレン発泡シートと比較した。第1のシートは、Toray Industries,Inc(滋賀県)により商業生産されたToraypef(登録商標)40100-AG00である。40100-AG00は、照射架橋シートを熱風で加熱することにより発泡された。第2のシートは、Toray Plastics(America),Inc.により製造されたToraypef(登録商標)40064LCE-STDである。40064LCE-STDは、照射架橋シートの片方の表面を溶融塩により加熱し、もう一方の表面を放射熱で加熱することにより発泡された。これらの3つの実施例の表面特性をNanovea ST400 3D表面計を使って試験した。プローブ仕様及び測定パラメータを下表2及び3に示す。下表4に示すように、加熱方法に関係なく、押出発泡材料(38064 blue Gladon)(83.9μmの平均表面粗さ(Sa)及び706μmの最大高さ(最も高いピークと最も深い谷との間の高さ)(Sz)を示す)は、押出後発泡シート(40100-AG00及び40064LCE-STD)(20.7~65.2μmの平均表面粗さ(Sa)及び237~592μmの最大高さ(Sz)を示す)より、著しく粗い。
【0166】
(0182) 0.067g/cm
3の化学架橋ポリオレフィン発泡体シート(Trocellen Group of Companiesにより商業生産されたProGame(商標)XC-Cut7010)の表面を、本明細書で開示の方法により製造された2枚の0.067g/cm
3の物理架橋されたポリプロピレン/ポリエチレンブレンド発泡体シート(Toraypef(登録商標)15030AC17-STD及びToraSoft(登録商標)15030SR18-STD)の表面と比較した。化学架橋発泡体及び物理架橋発泡体の両方は、押出後の工程で発泡された。これらの3つの実施例の表面特性をNanovea ST400 3D表面計を使って試験した。プローブ仕様及び測定パラメータを下表2及び3に示す。下表4に示すように、化学架橋発泡体(XC-Cut7010)は、89.5μmの表面粗さ(Sa)及び856μmの最大高さ(Sz)を示した。物理架橋発泡体は、7.63~23.9μmの表面粗さ(Sa)及び81.0~273μmの最大高さ(Sz)を示した。従って、物理架橋発泡体は、化学架橋発泡体に比べて、著しく平滑な表面を示す。
【表2】
【表3】
【表4】
【0167】
(0183) 試験方法
上記実施例の種々の特性を以下の方法により測定した。
押出機の比エネルギーは、式
【数2】
に従って計算することができる。一般に、比エネルギーの好ましい値は、少なくとも0.090kW・hr/kg、好ましくは少なくとも0.105kW・hr/kg、及びより好ましくは少なくとも0.120kW・hr/kg、更により好ましくは少なくとも10kW・hr/kgであろう。
【0168】
(0186) 多層発泡構造体の「密度」は、JISK6767に準拠して、「コア」密度ではなく、セクション密度又は「全体」密度を使って定義及び測定できる。一般に、密度の好ましい値は、20~250kg/m3、より好ましくは30~125kg/m3であろう。
【0169】
(0187) 多層発泡構造体表面の「平均表面粗さ」及び「最大高さ」(最も高いピークと最も深い谷との間の高さ)は、Nanovea 3D Non-Contact表面計を使って定義及び測定できる。平均表面粗さ及び最大高さを測定するためのプローブ仕様及び測定パラメータは下表2及び3で見つけることができる。製造された発泡体の平均表面粗さは、約80μm未満、約70μm未満、約50μm未満、約40μm未満、約30μm未満、約25μm未満、約20μm未満、約15μm未満、及び約10μm未満とすることができる。製造された発泡体の最大高さは、約700μm未満、約600μm未満、約300μm未満、約250μm未満、約200μm未満、約150μm未満、及び約100μm未満とすることができる。
【0170】
(0188) 「架橋」は、「Toray Gel Fraction Method」に従って測定でき、該方法では、テトラリン溶媒を使って、非架橋成分が溶解される。原理的には、非架橋材料をテトラリン中に溶解し、架橋度は架橋材料の質量パーセントとして表される。ポリマー架橋パーセントの測定に使用された装置には、下記が含まれる。100メッシュ(0.0011cm(0.0045インチ)ワイヤー径);sus304ステンレス鋼バッグ;番線とクリップ;Miyamotoサーモスタット油浴装置;化学てんびん;ドラフト;ガスバーナー;高温オーブン;帯電防止銃;及び3つの3.5リットルの蓋付き広口ステンレス鋼容器。使用する試薬及び材料には、テトラリン高分子量溶媒、アセトン、及びシリコーンオイルが含まれる。具体的には、空のワイヤーメッシュバッグが秤量され、質量が記録される。各試料に対し、約100ミリグラム±約5ミリグラムの試料を秤取し、ワイヤーメッシュバッグに移す。ワイヤーメッシュバッグ及び試料(通常、発泡体細断物)の質量を記録する。それぞれのバッグを対応する番手のワイヤーとクリップに取り付ける。溶媒温度が130℃に達すると、束(バッグと試料)を溶媒中に浸漬する。試料を上下に約5回又は6回震盪させて全ての気泡を放出させ、試料を完全に濡らす。試料を攪拌器に取り付け、溶媒が発泡体を溶解できるように3時間撹拌する。その後、ドラフト中で試料を冷却する。一級アセトンを入れた容器中で、試料を上下に約7回又は8回震盪させて洗浄する。試料を第2のアセトン洗浄液中で2度目の洗浄を行う。洗浄試料を新しいアセトンの3つめの容器中で上記のようにもう一度洗浄する。その後、試料をドラフト中に吊り下げて約1~約5分間、アセトンを蒸発させる。次に、試料を120℃の乾燥オーブン中で約1時間乾燥させる。少なくとも約15分間冷却する。ワイヤーメッシュバッグを化学てんびんで秤量し、質量を記録する。その後、架橋度は、式100*(C-A)/(B-A)を使って計算される。式中、A=空のワイヤーメッシュバッグの質量、B=ワイヤーバッグ質量+テトラリン浸漬前の発泡体試料質量、及びC=ワイヤーバッグ質量+テトラリン浸漬後の溶解後試料質量である。一般に、架橋度の好ましい値は、20~75%、より好ましくは30~60%とすることができる。
【0171】
(0189) ポリマーの「メルトフローインデックス」(MFI)値は、ポリプロピレン及びポリプロピレンベース材料に対し230℃で、ポリエチレン及びポリエチレンベース材料に対し190℃で、2.16kgのプランジャを使って10分間、ASTM D1238に従って定義及び測定できる。比較的高メルトフロー樹脂に対しては、テスト時間を減らしてもよい。
【0172】
(0190) 本出願は、テキスト及び図でいくつかの数値範囲を開示する。本発明は開示数値範囲全体を通して実施できるので、開示数値範囲は、たとえ明細書中で正確な限度範囲がそのまま示されない場合でも、開示数値範囲内の任意の範囲又は値を本質的に保持する。
【0173】
(0191) 上記説明は、当業者が本発明を構成し、使用することを可能とするように提示され、特定用途及びその要件との関連で提供されている。好ましい実施形態に対する種々の変更が当業者には容易に明らかになると思われる。また、本発明の趣旨と範囲を逸脱することなく、本明細書中で規定されている一般的原理は、他の実施形態及び用途にも適用し得る。従って、本発明は、示した実施形態に限定されることを意図するものではないが、本明細書で開示の原理及び特徴に適合する最も広い範囲が許容されるべきである。
最後に、本出願において参照される全ての特許及び刊行物の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕多層構造体の形成方法であって、
ポリプロピレン又はポリエチレン、及び第1の化学発泡剤を含む第1の層と、
前記第1の層の側方の第2の層とを共押出することを含み、前記第2の層が、
5~75質量%の再生金属化ポリオレフィン材料、
25~95質量%のポリプロピレン、ポリエチレン、又はポリプロピレン及びポリエチレンの組合せ、及び
第2の化学発泡剤を含むことを特徴とする方法。
〔2〕第3の層を、前記第2の層の、前記第1の層と反対側にて共押出することを更に含み、前記第3の層が、
ポリプロピレン又はポリエチレンと、
第3の化学発泡剤と、を含む、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕前記第1の層及び前記第3の層が、再生ポリオレフィン材料を実質的に不含である、前記〔2〕に記載の方法。
〔4〕前記再生金属化ポリオレフィン材料が、0.95cm(0.375インチ)の標準的ふるいを通過する程度に十分小さい、前記〔1〕に記載の方法。
〔5〕前記再生金属化ポリオレフィン材料が、再生される前に、0.003~100μmの全体厚さの1つ又は複数の金属層を有する、前記〔1〕に記載の方法。
〔6〕前記第1の層が、230℃で、10分間当たり0.1~25グラムのメルトフローインデックスを有するポリプロピレンを含む、前記〔1〕に記載の方法。
〔7〕前記第1の層が、190℃で、10分間当たり0.1~25グラムのメルトフローインデックスを有するポリエチレンを含む、前記〔1〕に記載の方法。
〔8〕前記第1の層及び第3の層が、ポリプロピレン及びポリエチレンを含む、前記〔2〕に記載の方法。
〔9〕前記第1の層、第2の層及び第3の層が、架橋剤を含む、前記〔2〕に記載の方法。
〔10〕前記第1、第2及び第3の化学発泡剤が、アゾジカルボンアミドを含む、前記〔2〕に記載の方法。
〔11〕多層発泡構造体の形成方法であって、
ポリプロピレン又はポリエチレン、及び第1の化学発泡剤を含む第1の層と、
前記第1の層の側方の第2の層であって、
5~75質量%の再生金属化ポリオレフィン材料、
25~95質量%のポリプロピレン、ポリエチレン、又はポリプロピレン及びポリエチレンの組合せ、及び
第2の化学発泡剤を含む第2の層とを、
共押出すること、
前記共押出された層を電離放射線で照射すること、及び
前記照射され共押出された層を発泡させること、を含む方法。
〔12〕第3の層を、前記第2の層の、前記第1の層と反対側にて共押出することを更に含み、前記第3の層が、
ポリプロピレン又はポリエチレンと、
第3の化学発泡剤と、を含む、前記〔11〕に記載の方法。
〔13〕前記第1の層及び前記第3の層が、再生ポリオレフィン材料を実質的に不含である、前記〔12〕に記載の方法。
〔14〕前記電離放射線が、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、又は電子線からなる群から選択される、前記〔11〕に記載の方法。
〔15〕前記共押出構造体が、最大4回にまで分けて照射される、前記〔11〕に記載の方法。
〔16〕前記電離放射線が、200~1500kVの加速電圧を有する電子線である、前記〔14〕に記載の方法。
〔17〕吸収される電子線量が、10~500kGyである、前記〔16〕に記載の方法。
〔18〕前記電離放射線が、前記押出構造体を20~75%の架橋度に架橋する、前記〔11〕に記載の方法。
〔19〕発泡することが、前記照射構造体を溶融塩で加熱することを含む、前記〔11〕に記載の方法。
〔20〕前記多層発泡構造体が、20~250kg/m
3
の密度を有する、前記〔11〕に記載の方法。
〔21〕前記多層発泡構造体が、0.05~1.0mmの平均独立気泡寸法を有する、前記〔11〕に記載の方法。
〔22〕前記多層発泡構造体が、0.2~50mmの厚さを有する、前記〔11〕に記載の方法。
〔23〕前記第1の層の平均表面粗さが、80μm未満である、前記〔11〕に記載の方法。
〔24〕前記第1の層及び第3の層が、ポリプロピレン及びポリエチレンを含む、前記〔12〕に記載の方法。
〔25〕ポリプロピレン又はポリエチレンを含む押出しされた第1の発泡体層と、
前記第1の発泡体層の側方の共押出しされた第2の発泡体層と、を含み、前記第2の発泡体層が、
5~75質量%の再生金属化ポリオレフィン材料、及び
25~95質量%のポリプロピレン、ポリエチレン、又はポリプロピレン及びポリエチレンの組合せ、を含む多層発泡構造体。
〔26〕共押出しされた第3の発泡体層を、前記第2の発泡体層の、前記第1の発泡体層と反対側において更に含み、前記第3の発泡体層が、ポリプロピレン又はポリエチレンを含む、前記〔25〕に記載の多層発泡構造体。
〔27〕前記第1の発泡体層及び前記第3の発泡体層が、再生ポリオレフィン材料を実質的に不含である、前記〔25〕に記載の多層発泡構造体。
〔28〕前記第1の層及び第3の層が、ポリプロピレン及びポリエチレンを含む、前記〔26〕に記載の多層発泡構造体。
〔29〕前記第1の層が、230℃で、10分間当たり0.1~25グラムのメルトフローインデックスを有するポリプロピレンを含む、前記〔25〕に記載の多層発泡構造体。
〔30〕前記第1の層が、190℃で、10分間当たり0.1~25グラムのメルトフローインデックスを有するポリエチレンを含む、前記〔25〕に記載の多層発泡構造体。
〔31〕密度が、20~250kg/m
3
である、前記〔25〕に記載の多層発泡構造体。
〔32〕20~75%の架橋度を有する、前記〔25〕に記載の多層発泡構造体。
〔33〕0.05~1.0mmの平均独立気泡寸法を有する、前記〔25〕に記載の多層発泡構造体。
〔34〕0.2~50mmの厚さを有する、前記〔25〕に記載の多層発泡構造体。
〔35〕前記第1の発泡体層の平均表面粗さが、80μm未満である、前記〔25〕に記載の多層発泡構造体。
〔36〕前記発泡構造体が、細長く切断、摩擦鋸盤で切断、剪断、ヒートカット、レーザー切断、プラズマ切断、ウォータージェット切断、金型切断、機械切断、又は手作業により切断されて、製品が形成される、前記〔25〕に記載の多層発泡構造体。
〔37〕ポリプロピレン又はポリエチレンを含む共押出しされた第1の発泡体層、及び
前記第1の発泡体層の側方の共押出しされた第2の発泡体層であって、
5~75質量%の再生金属化ポリオレフィン材料、及び
25~95質量%のポリプロピレン、ポリエチレン、又はポリプロピレン及びポリエチレンの組合せを含む第2の発泡体層を含む、
多層発泡構造体と、
前記第1の発泡体層の、前記第2の発泡体層と反対側にある積層体層とを含む、積層体。
〔38〕前記積層体層が、フィルム、生地、繊維層、及び革からなる群から選択される、前記〔37〕に記載の積層体。
〔39〕前記第1の発泡体層の平均表面粗さが、80μm未満である、前記〔37〕に記載の積層体。
〔40〕前記多層発泡構造体が、共押出しされた第3の発泡体層を、前記第2の発泡体層の、前記第1の発泡体層と反対側において更に含み、前記第3の発泡体層が、ポリプロピレン又はポリエチレンを含む、前記〔37〕に記載の積層体。
〔41〕前記第1の発泡体層及び前記第3の発泡体層が、再生ポリオレフィン材料を実質的に不含である、前記〔40〕に記載の積層体。
〔42〕前記第3の発泡体層の、前記第2の発泡体層と反対側において基材を更に含み、前記積層体が、前記基材上に熱成形されている、前記〔40〕に記載の積層体。
〔43〕前記第1の層及び第3の層が、ポリプロピレン及びポリエチレンを含む、前記〔40〕に記載の積層体。
〔44〕多層構造体の形成方法であって、
ポリプロピレン又はポリエチレン、及び第1の化学発泡剤を含む第1の層と、
前記第1の層の側方の第2の層と、を共押出することを含み、前記第2の層が、
5~50質量%の再生架橋ポリオレフィン発泡体材料、
50~95質量%のポリプロピレン、ポリエチレン、又はポリプロピレン及びポリエチレンの組合せ、及び
第2の化学発泡剤を含む、方法。
〔45〕前記再生架橋ポリオレフィン発泡体材料が、低温粉砕ポリオレフィン発泡体材料を含む、前記〔44〕に記載の方法。
〔46〕第3の層を、前記第2の層の、前記第1の層と反対側にて共押出することを更に含み、前記第3の層が、
ポリプロピレン又はポリエチレンと、
第3の化学発泡剤と、を含む、前記〔44〕に記載の方法。
〔47〕前記第1の層及び前記第3の層が、再生ポリオレフィン材料を実質的に不含である、前記〔46〕に記載の方法。
〔48〕前記低温粉砕ポリオレフィン発泡体材料が、3.5米国標準メッシュを通過する程度に十分小さい、前記〔45〕に記載の方法。
〔49〕前記第1の層が、230℃で、10分間当たり0.1~25グラムのメルトフローインデックスを有するポリプロピレンを含む、前記〔44〕に記載の方法。
〔50〕前記第1の層が、190℃で、10分間当たり0.1~25グラムのメルトフローインデックスを有するポリエチレンを含む、前記〔44〕に記載の方法。
〔51〕前記第1の層、第2の層及び第3の層が、架橋剤を含む、前記〔46〕に記載の方法。
〔52〕前記第1、第2及び第3の化学発泡剤が、アゾジカルボンアミドである、前記〔46〕に記載の方法。
〔53〕前記第1の層及び第3の層が、ポリプロピレン及びポリエチレンを含む、前記〔46〕に記載の方法。
〔54〕多層発泡構造体の形成方法であって、
ポリプロピレン又はポリエチレン、及び第1の化学発泡剤を含む第1の層と、
前記第1の層の側方の第2の層であって、
5~50質量%の再生架橋ポリオレフィン発泡体材料、
50~95質量%のポリプロピレン、ポリエチレン、又はポリプロピレン及びポリエチレンの組合せ、及び
第2の化学発泡剤を含む第2の層とを、
共押出すること、
前記共押出された層を電離放射線で照射すること、及び
前記照射され共押出された層を発泡させること、を含む方法。
〔55〕第3の層を、前記第2の層の、前記第1の層と反対側にて共押出することを更に含み、前記第3の層が、
ポリプロピレン又はポリエチレンと、
第3の化学発泡剤と、を含む、前記〔54〕に記載の方法。
〔56〕前記第1の層及び前記第3の層が、再生ポリオレフィン材料を実質的に不含である、前記〔55〕に記載の方法。
〔57〕前記再生架橋ポリオレフィン発泡体材料が、低温粉砕ポリオレフィン発泡体材料を含む、前記〔54〕に記載の方法。
〔58〕前記電離放射線が、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、又は電子線からなる群から選択される、前記〔54〕に記載の方法。
〔59〕前記共押出構造体が、最大4回にまで分けて照射される、前記〔54〕に記載の方法。
〔60〕前記電離放射線が、200~1500kVの加速電圧を有する電子線である、前記〔58〕に記載の方法。
〔61〕吸収される電子線量が10~500kGyである、前記〔60〕に記載の方法。
〔62〕前記電離放射線が、前記押出構造体を20~75%の架橋度に架橋する、前記〔54〕に記載の方法。
〔63〕発泡することが、前記照射構造体を溶融塩で加熱することを含む、前記〔54〕に記載の方法。
〔64〕前記多層発泡構造体が、20~250kg/m
3
の密度を有する、前記〔54〕に記載の方法。
〔65〕前記多層発泡構造体が、0.05~1.0mmの平均独立気泡寸法を有する、前記〔54〕に記載の方法。
〔66〕前記多層発泡構造体が、0.2~50mmの厚さを有する、前記〔54〕に記載の方法。
〔67〕前記第1の層の平均表面粗さが、80μm未満である、前記〔54〕に記載の方法。
〔68〕前記第1の層及び第3の層が、ポリプロピレン及びポリエチレンを含む、前記〔55〕に記載の方法。
〔69〕ポリプロピレン又はポリエチレンを含む共押出しされた第1の発泡体層と、
前記第1の発泡体層の側方の共押出しされた第2の発泡体層とを含み、前記第2の発泡体層が、
5~50質量%の再生架橋ポリオレフィン発泡体材料、及び
50~95質量%のポリプロピレン、ポリエチレン、又はポリプロピレン及びポリエチレンの組合せ、を含む多層発泡構造体。
〔70〕共押出しされた第3の発泡体層を、前記第2の発泡体層の、前記第1の発泡体層と反対側において更に含み、前記第3の発泡体層が、ポリプロピレン又はポリエチレンを含む、前記〔69〕に記載の多層発泡構造体。
〔71〕前記第1の発泡体層及び前記第3の発泡体層が、再生ポリオレフィン材料を実質的に不含である、前記〔70〕に記載の多層発泡構造体。
〔72〕前記再生架橋ポリオレフィン発泡体材料が、低温粉砕ポリオレフィン発泡体材料を含む、前記〔69〕に記載の多層発泡構造体。
〔73〕前記第1の層が、230℃で、10分間当たり0.1~25グラムのメルトフローインデックスを有するポリプロピレンを含む、前記〔69〕に記載の多層発泡構造体。
〔74〕第1の層が、190℃で、10分間当たり0.1~25グラムのメルトフローインデックスを有するポリエチレンを含む、前記〔69〕に記載の多層発泡構造体。
〔75〕密度が、20~250kg/m
3
である、前記〔69〕に記載の多層発泡構造体。
〔76〕20~75%の架橋度を有する、前記〔69〕に記載の多層発泡構造体。
〔77〕0.05~1.0mmの平均独立気泡寸法を有する、前記〔69〕に記載の多層発泡構造体。
〔78〕0.2~50mmの厚さを有する、前記〔69〕に記載の多層発泡構造体。
〔79〕前記第1の発泡体層の平均表面粗さが、80μm未満である、前記〔69〕に記載の多層発泡構造体。
〔80〕前記第1の層及び第3の層が、ポリプロピレン及びポリエチレンを含む、前記〔70〕に記載の多層発泡構造体。
〔81〕前記発泡構造体が、細長く切断、摩擦鋸盤で切断、剪断、ヒートカット、レーザー切断、プラズマ切断、ウォータージェット切断、金型切断、機械切断、又は手作業により切断されて、製品が形成される、前記〔69〕に記載の多層発泡構造体。
〔82〕ポリプロピレン又はポリエチレンを含む共押出しされた第1の発泡体層、及び
前記第1の発泡体層の側方の共押出しされた第2の発泡体層であって、
5~50質量%の再生架橋ポリオレフィン発泡体材料、及び
50~95質量%のポリプロピレン、ポリエチレン、又はポリプロピレン及びポリエチレンの組合せを含む第2の発泡体層を含む、
多層発泡構造体と、
前記第1の発泡体層の、前記第2の発泡体層と反対側にある積層体層とを含む、積層体。
〔83〕前記再生架橋ポリオレフィン発泡体材料が、低温粉砕ポリオレフィン発泡体材料を含む、前記〔82〕に記載の積層体。
〔84〕前記積層体層が、フィルム、生地、繊維層、及び革からなる群から選択される、前記〔82〕に記載の積層体。
〔85〕前記第1の発泡体層の平均表面粗さが、80μm未満である、前記〔82〕に記載の積層体。
〔86〕前記多層発泡構造体が、第3の発泡体層を、前記第2の発泡体層の、前記第1の発泡体層と反対側において更に含み、前記第3の発泡体層が、ポリプロピレン又はポリエチレンを含む、前記〔82〕に記載の積層体。
〔87〕前記第1の発泡体層及び前記第3の発泡体層が、再生ポリオレフィン材料を実質的に不含である、前記〔86〕に記載の積層体。
〔88〕前記第3の発泡体層の、前記第2の発泡体層と反対側において基材を更に含み、前記積層体が、前記基材上に熱成形されている、前記〔86〕に記載の積層体。
〔89〕前記第1の層及び第3の層が、ポリプロピレン及びポリエチレンを含む、前記〔86〕に記載の積層体。
〔90〕多層構造体の形成方法であって、
ポリプロピレン又はポリエチレン、及び化学発泡剤を含む発泡体層と、
前記発泡体層の側方のフィルム層とを含み、
前記フィルム層がポリプロピレン又はポリエチレンを含む方法。
〔91〕前記発泡体層が、230℃で、10分間当たり0.1~25グラムのメルトフローインデックスを有するポリプロピレンを含む、前記〔90〕に記載の方法。
〔92〕前記発泡体層が、190℃で、10分間当たり0.1~25グラムのメルトフローインデックスを有するポリエチレンを含む、前記〔90〕に記載の方法。
〔93〕前記発泡体層が、架橋剤を含む、前記〔90〕に記載の方法。
〔94〕前記化学発泡剤が、アゾジカルボンアミドを含む、前記〔90〕に記載の方法。
〔95〕前記発泡体層が、ポリプロピレン及びポリエチレンを含む、前記〔90〕に記載の方法。
〔96〕多層発泡構造体の形成方法であって、
ポリプロピレン又はポリエチレン、及び化学発泡剤を含む発泡体層と、
前記発泡体層の側方のフィルム層であって、
ポリプロピレン又はポリエチレンを含むフィルム層とを
共押出すること、
前記共押出された層を電離放射線で照射すること、及び
前記照射され共押出された層を発泡させること、を含む方法。
〔97〕前記電離放射線が、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、又は電子線からなる群から選択される、前記〔96〕に記載の方法。
〔98〕前記共押出構造体が、最大4回にまで分けて照射される、前記〔96〕に記載の方法。
〔99〕前記電離放射線が、200~1500kVの加速電圧を有する電子線である、前記〔97〕に記載の方法。
〔100〕吸収される電子線量が、10~500kGyである、前記〔99〕に記載の方法。
〔101〕前記電離放射線が、前記押出構造体を20~75%の架橋度に架橋する、前記〔96〕に記載の方法。
〔102〕発泡することが、前記照射構造体を溶融塩で加熱することを含む、前記〔96〕に記載の方法。
〔103〕前記多層発泡構造体が、20~250kg/m
3
の密度を有する、前記〔96〕に記載の方法。
〔104〕前記多層発泡構造体が、0.05~1.0mmの平均独立気泡寸法を有する、前記〔96〕に記載の方法。
〔105〕前記多層発泡構造体が、0.2~50mmの厚さを有する、前記〔96〕に記載の方法。
〔106〕前記発泡体層の平均表面粗さが、80μm未満である、前記〔96〕に記載の方法。
〔107〕前記発泡体層が、ポリプロピレン及びポリエチレンを含む、前記〔96〕に記載の方法。
〔108〕多層構造体の形成方法であって、
ポリプロピレン又はポリエチレン、及び第1の化学発泡剤を含む第1の発泡体層と、
前記第1の発泡体層の側方の第2の発泡体層であって、
ポリプロピレン又はポリエチレン、及び
第2の化学発泡剤を含む第2の発泡体層とを、
共押出することを含む方法。
〔109〕前記第1と第2の層が、230℃で、10分間当たり0.1~25グラムのメルトフローインデックスを有するポリプロピレンを含む、前記〔108〕に記載の方法。
〔110〕前記第1と第2の層が、190℃で、10分間当たり0.1~25グラムのメルトフローインデックスを有するポリエチレンを含む、前記〔108〕に記載の方法。
〔111〕前記第1と第2の層が、架橋剤を含む、前記〔108〕に記載の方法。
〔112〕前記第1と第2の化学発泡剤が、アゾジカルボンアミドを含む、前記〔108〕に記載の方法。
〔113〕前記第1と第2の層が、ポリプロピレン及びポリエチレンを含む、前記〔108〕に記載の方法。
〔114〕多層発泡構造体の形成方法であって、
ポリプロピレン又はポリエチレン、及び第1の化学発泡剤を含む第1の発泡体層と、
前記第1の発泡体層の側方の第2の発泡体層であって、
ポリプロピレン又はポリエチレン、及び
第2の化学発泡剤を含む第2の発泡体層とを、
共押出すること、
前記共押出された層を電離放射線で照射すること、及び
前記照射され共押出された層を発泡させること、
を含むことを特徴とする方法。
〔115〕前記電離放射線が、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、又は電子線からなる群から選択される、前記〔114〕に記載の方法。
〔116〕前記共押出構造体が、最大4回にまで分けて照射される、前記〔114〕に記載の方法。
〔117〕前記電離放射線が、200~1500kVの加速電圧を有する電子線である、前記〔115〕に記載の方法。
〔118〕吸収される電子線量が、10~500kGyである、前記〔117〕に記載の方法。
〔119〕前記電離放射線が、前記押出構造体を20~75%の架橋度に架橋する、前記〔114〕に記載の方法。
〔120〕発泡することが、前記照射構造体を溶融塩で加熱することを含む、前記〔114〕に記載の方法。
〔121〕前記多層発泡構造体が、20~250kg/m
3
の密度を有する、前記〔114〕に記載の方法。
〔122〕前記多層発泡構造体が、0.05~1.0mmの平均独立気泡寸法を有する、前記〔114〕に記載の方法。
〔123〕前記多層発泡構造体が、0.2~50mmの厚さを有する、前記〔114〕に記載の方法。
〔124〕前記第1の発泡体層の平均表面粗さが、80μm未満である、前記〔114〕に記載の方法。
〔125〕前記第1と第2の層が、ポリプロピレン及びポリエチレンを含む、前記〔114〕に記載の方法。