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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】SOD-1発現を調節するための組成物
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/113 20100101AFI20221221BHJP
   C12N 15/11 20060101ALI20221221BHJP
   A61K 31/7115 20060101ALI20221221BHJP
   A61K 31/712 20060101ALI20221221BHJP
   A61K 31/7125 20060101ALI20221221BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20221221BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
C12N15/113 130Z
C12N15/11 ZNA
A61K31/7115
A61K31/712
A61K31/7125
A61K48/00
A61P25/02
【請求項の数】 5
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021014429
(22)【出願日】2021-02-01
(62)【分割の表示】P 2019141933の分割
【原出願日】2015-04-01
(65)【公開番号】P2021072840
(43)【公開日】2021-05-13
【審査請求日】2021-03-02
(31)【優先権主張番号】61/973,803
(32)【優先日】2014-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】398050098
【氏名又は名称】バイオジェン・エムエイ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Biogen MA Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(72)【発明者】
【氏名】スウェイジ,エリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】コール,トレーシー
(72)【発明者】
【氏名】コルダシェヴィッチ,ホリー
(72)【発明者】
【氏名】フレアー,スーザン・エム
(72)【発明者】
【氏名】コンドン,トーマス・ピー
(72)【発明者】
【氏名】ワンツェヴィッチ,エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ロックハート,トリシャ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィカーズ,ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】シング,プリヤム
【審査官】小倉 梢
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/040180(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00 - 15/90
A61K 31/7088 - 31/713
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト対象における家族性筋萎縮性側索硬化症(ALS)を処置するための医薬組成物であって、以下の式のアンチセンス化合物またはその薬理学的に許容される塩:
mCes Aeo Ges Geo Aes Tds Ads mCds Ads Tds Tds Tds mCds Tds Ads mCeo Aes Geo mCes Te (配列番号725の核酸塩基配列)
(式中、
A=アデニン、
mC=5-メチルシトシン、
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合)
を含む医薬組成物。
【請求項2】
ヒト対象における家族性筋萎縮性側索硬化症(ALS)を予防するための医薬組成物であって、以下の式のアンチセンス化合物またはその薬理学的に許容される塩:
mCes Aeo Ges Geo Aes Tds Ads mCds Ads Tds Tds Tds mCds Tds Ads mCeo Aes Geo mCes Te (配列番号725の核酸塩基配列)
(式中、
A=アデニン、
mC=5-メチルシトシン、
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合)
を含む医薬組成物。
【請求項3】
ヒト対象における孤発性筋萎縮性側索硬化症(ALS)を処置するための医薬組成物であって、以下の式のアンチセンス化合物またはその薬理学的に許容される塩:
mCes Aeo Ges Geo Aes Tds Ads mCds Ads Tds Tds Tds mCds Tds Ads mCeo Aes Geo mCes Te (配列番号725の核酸塩基配列)
(式中、
A=アデニン、
mC=5-メチルシトシン、
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合)
を含む医薬組成物。
【請求項4】
ヒト対象における孤発性筋萎縮性側索硬化症(ALS)を予防するための医薬組成物であって、以下の式のアンチセンス化合物またはその薬理学的に許容される塩:
mCes Aeo Ges Geo Aes Tds Ads mCds Ads Tds Tds Tds mCds Tds Ads mCeo Aes Geo mCes Te (配列番号725の核酸塩基配列)
(式中、
A=アデニン、
mC=5-メチルシトシン、
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合)
を含む医薬組成物。
【請求項5】
前記医薬組成物が髄腔内投与される、請求項1~4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表
本願は、電子形式の配列表とともに出願されている。この配列表は、2015年3月30日に作成されたサイズ320KbのBIOL0240WOSEQ_ST25.pdfという名称のファイルとして提供される。この配列表の電子形式の情報は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
動物における可溶性スーパーオキシドジスムターゼ1(SOD-1)mRNA及び同タンパク質の発現を低減するための組成物及び方法を提供する。そのような方法は、動物におけるSOD-1の発現を阻害することによって筋萎縮性側索硬化症(ALS)を含む神経変性疾患を処置し、防止し、または改善するのに有用である。
【背景技術】
【0003】
可溶性SOD-1酵素(Cu/Znスーパーオキシドジスムターゼとしても知られている)は、スーパーオキシドの過酸化水素(H2O2)への不均化を触媒することによって生体分子の酸化的損傷からの防御を提供するスーパーオキシドジスムターゼの一つである(Fridovich,Annu.Rev.Biochem.,1995,64,97-112)。スーパーオキシドアニオン(O2-)は、主にミトコンドリアにおける酸化的リン酸化のエラーによって生産される潜在的に有害な細胞副生成物である(Turrens,J.Physiol.2003,552,335-344)。
【0004】
SOD-1遺伝子中の変異は、上位運動ニューロン及び下位運動ニューロンの選択的変性を特徴とする障害である優性遺伝型の筋萎縮性側索硬化症(ALS、別名ルー・ゲーリック病)に関連する(Rowland,N.Engl.J.Med.2001,344,1688-1700)。家族性ALSとSOD1遺伝子中のミスセンス変異との間には強い遺伝的連鎖がある(Rosen,Nature,1993,362,59-62)。変異型SOD1の毒性は、初期のミスフォールディング(機能の獲得)によって活性酵素からの核保護が低減すること(核における機能の喪失)に起因しており、これが、ALS病理発生過程に関与し得る過程であると考えられる(Sau,Hum.Mol.Genet.2007,16,1604-1618)。
【0005】
ALSは常時30,000人ものアメリカ人を冒している破滅的な進行性神経変性疾患である。ALSにおける運動ニューロンの進行性の変性は最終的にはそれら運動ニューロンの死につながる。運動ニューロンが死ぬと、筋運動を開始し制御する脳の能力が失われる。随意筋活動が次第に冒されることで、この疾患の後期にある患者は全身不随状態になり得る。
【0006】
このような神経変性疾患を処置するための許容できる選択肢は現在のところ存在しない。したがって、このような疾患を処置するための方法を提供することが、本発明における目的である。
【発明の概要】
【0007】
本発明では、可溶性スーパーオキシドジスムターゼ1(SOD-1)mRNA及び同タンパク質の発現を調節するための方法、化合物、及び組成物が提供される。ある特定の実施形態において、SOD-1 mRNA及び同タンパク質の発現を調節するのに有用な化合物は、アンチセンス化合物である。ある特定の実施形態において、前記アンチセンス化
合物は修飾オリゴヌクレオチドである。
【0008】
ある特定の実施形態では、調節を、細胞または組織中で行うことができる。ある特定の実施形態において、前記細胞または組織は動物中にある。ある特定の実施形態において、前記動物はヒトである。ある特定の実施形態では、SOD-1 mRNAレベルが低減される。ある特定の実施形態では、SOD-1タンパク質レベルが低減される。そのような低減は、時間依存的または用量依存的に起こり得る。
【0009】
疾患、障害、及び状態を防止、処置、及び改善するのに有用な方法、化合物、及び組成物も提供される。ある特定の実施形態において、上述のSOD-1に関連する疾患、障害、及び状態は神経変性疾患である。ある特定の実施形態において、上述の神経変性性の疾患、障害、及び状態には、筋萎縮性側索硬化症(ALS)が含まれる。
【0010】
上述の疾患、障害、及び状態は、共通して、1つ以上のリスク因子、原因、または転帰を有し得る。ALSの発症に関する一定のリスク因子及び原因には、加齢、個人歴若しくは家族歴、または遺伝的素因が含まれる。しかしALS症例の大半は孤発性であり、既知のリスク因子は知られていない。ALSの発症に関連する一定の症状及び転帰には、筋線維束性収縮、痙攣、硬くこわばった筋(痙縮)、腕または脚を冒す筋力低下、不明瞭発語及び鼻声、歩行困難、咀嚼困難または嚥下困難(嚥下障害)、発話困難または構音困難(構音障害)、虚弱または萎縮、痙縮、過大反射(反射亢進)、及びバビンスキー徴候の存在などがあるが、これらに限定されない。ALSが進行すると、症状及び転帰には、おそらくは単収縮、筋痙攣、及び過大でより迅速な反射を伴う他の肢の衰弱;咀嚼、嚥下、及び呼吸に伴う問題が含まれ、流涎が起こり得るようになり、最終的には麻痺及び死亡に至る。
【0011】
ある特定の実施形態において、処置の方法は、SOD-1アンチセンス化合物を、それを必要とする個体に投与することを含む。ある特定の実施形態において、処置の方法は、SOD-1修飾オリゴヌクレオチドを、それを必要とする個体に投与することを含む。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上述の概要及び以下の詳細な説明はどちらも例示的及び説明的な記述に過ぎず、特許請求されている発明を限定するものではないと理解すべきである。本明細書において、別段の明記がある場合を除き、単数形の使用は複数を含む。本明細書における「or」の使用は、別段の言明がある場合を除き、「and/or」を意味する。加えて、本明細書における「and」の使用は、別段の言明がある場合を除き、「and/or」を意味する。さらに、用語「including」、ならびに「includes」及び「included」などの他の形態の使用は、限定ではない。また、「要素」または「成分」などの用語は、別段の明記がある場合を除き、1つのユニットを含む要素及び成分、ならびに2つ以上のサブユニットを含む要素及び成分の両方を包含する。また、本明細書に記載する配列は全て、別段の言明がある場合を除き、5’から3’に向かって記載される。
【0013】
本明細書において使用する項目見出しは構成のみを目的とし、記載される主題を限定するものと解釈されるべきではない。本開示において引用する文書または文書の一部、例えば限定するわけではないが、特許、特許出願、特許出願公開、論文、書籍、条約、ならびにGENBANKアクセッション番号及び国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)などのデータベースから取得することができる関連配列情報、ならびに本明細書の開示の全体にわたって言及する他のデータは、本明細書において議論する部分ならびにその全体が、本明細書に明示的に組み込まれる。
【0014】
定義
特別な定義を提供する場合を除き、本明細書に記載する分析化学、合成有機化学、ならびに医薬品化学及び薬化学ならびにその手法及び技法に関連して使用する専門用語は、当技術分野において周知であり、かつよく使用されているものである。化学合成及び化学分析には、標準的技法を使用してよい。
【0015】
別段の表示がある場合を除き、以下の用語は下記の意味を有する。
【0016】
「2’-デオキシヌクレオシド」(2’-デオキシリボヌクレオシドともいう)は、天然に存在するデオキシリボヌクレオシド(DNA)に見いだされる2’-Hフラノシル糖部分を含むヌクレオシドを意味する。ある特定の実施形態において、2’-デオキシヌクレオシドは修飾核酸塩基を含むか、またはRNA核酸塩基(例えばウラシル)を含み得る。
【0017】
「2’-デオキシリボース糖」とは、天然に存在するデオキシリボ核酸(DNA)に見いだされる2’-Hフラノシル糖部分を意味する。
【0018】
「2’-O-メトキシエチル」(2’-MOE及び2’-OCHCH-OCH及びMOE及び2’-O-メトキシエチルリボースともいう)は、フラノース環の2’位のO-メトキシ-エチル修飾を指す。2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖は修飾糖である。
【0019】
「2’-O-メトキシエチルリボース修飾ヌクレオシド」(2’-MOEヌクレオシドともいう)は、2’-MOE修飾糖部分を含むヌクレオシドを意味する。
【0020】
「2’-置換ヌクレオシド」とは、フラノース環の2’位にHまたはOH以外の置換基を含むヌクレオシドを意味する。ある特定の実施形態において、2’置換ヌクレオシドは、二環式糖修飾を持つヌクレオシドを含む。
【0021】
「5-メチルシトシン」とは、5位に取り付けられたメチル基で修飾されたシトシンを意味する。5-メチルシトシンは修飾核酸塩基である。
【0022】
「約」とは、ある値の±10%以内を意味する。例えば「SOD-1の少なくとも約50%阻害を達成する化合物」という場合、それはSOD-1レベルが45%~55%の範囲内で阻害されることを含意する。「並行して投与」とは、両方の薬理学的効果が同時に患者に現れるような任意の方法で2つの医薬剤を共投与することを指す。並行投与は、両方の医薬剤が単一の医薬組成物または同じ剤形で投与されることも、同じ投与経路によって投与されることも必要としない。両方の医薬剤の効果が同時に現れる必要はない。効果は、ある期間にわたって重複するだけでよく、時間的に同じ広がりを持つ必要はない。
【0023】
「投与する」とは、動物に医薬剤を与えることを意味し、これには、医療従事者による投与及び自己投与が含まれるが、これらに限定されない。
【0024】
「改善」とは、ある状態または疾患の重症度の少なくとも1つの指標の軽減、減速、停止、または反転を指す。指標の重症度は、当業者に知られる主観的または客観的尺度によって決定してよい。
【0025】
「動物」とは、ヒトまたはヒト以外の動物、例えば限定するわけではないが、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、及び非ヒト霊長類、例えば限定するわけではないが、サル及びチンパンジーを指す。
【0026】
「抗体」とは、抗原と何らかの形で特異的に反応することを特徴とする分子を指し、抗体と抗原はそれぞれ他方との関連において定義される。抗体は、完全な抗体分子、またはその任意のフラグメント若しくは領域、例えば重鎖、軽鎖、Fab領域、及びFc領域を指し得る。
【0027】
「アンチセンス活性」とは、アンチセンス化合物によるその標的核酸へのハイブリダイゼーションに帰することができる任意の検出可能なまたは測定可能な活性を意味する。ある特定の実施形態において、アンチセンス活性は、標的核酸またはそのような標的核酸がコードするタンパク質の量または発現の減少である。
【0028】
「アンチセンス化合物」とは、水素結合による標的核酸へのハイブリダイゼーションを起こす能力を有するオリゴマー化合物を意味する。アンチセンス化合物の例として、一本鎖及び二本鎖化合物、例えばアンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、shRNA、ssRNA、及び占有に基づく(occupancy-based)化合物が挙げられる。
【0029】
「アンチセンス阻害」とは、アンチセンス化合物が存在しない場合の標的核酸レベルとの比較で、標的核酸に相補的なアンチセンス化合物の存在下での標的核酸レベルの低減を意味する。
【0030】
「アンチセンス機序」とは、化合物と標的核酸とのハイブリダイゼーションを伴う全ての機序をいい、ここで前記ハイブリダイゼーションの結果または効果は、標的の分解または標的の占有であり、それに付随して、例えば転写またはスプライシングに関わる細胞機構の停止が起こる。
【0031】
「アンチセンスオリゴヌクレオチド」とは、標的核酸の対応するセグメントへのハイブリダイゼーションを可能にする核酸塩基配列を有する一本鎖オリゴヌクレオチドを意味する。
【0032】
「塩基相補性」とは、オリゴヌクレオチドの核酸塩基が標的核酸中の対応する核酸塩基と正確な塩基対合(すなわちハイブリダイゼーション)を起こす能力を指し、これは、対応する核酸塩基間のワトソン-クリック型、フーグスティーン型または逆フーグスティーン型水素結合によって媒介される。
【0033】
「二環式糖」とは、2つの原子を架橋することによって修飾されたフラノース環を意味する。二環式糖は修飾糖である。
【0034】
「二環式核酸」または「BNA」とは、ヌクレオシドまたはヌクレオチドのフラノース部分が、フラノース環上の2つの炭素原子をつなぐ架橋を含み、それによって二環式環系を形成している、ヌクレオシドまたはヌクレオチドを指す。
【0035】
「キャップ構造」または「末端キャップ部分」とは、アンチセンス化合物のどちらかの末端に組み込まれた化学修飾を意味する。
【0036】
「cEt」または「拘束エチル」または「cEt修飾糖」とは、4’-炭素と2’-炭素とをつなぐ、式:4’-CH(CH)-O-2’の架橋を含む糖部分を有する二環式ヌクレオシドを意味する。cEt修飾糖は修飾糖である。
【0037】
「cEt修飾ヌクレオシド」とは、4’-炭素と2’-炭素とをつなぐ、式:4’-CH(CH)-O-2’の架橋を含む糖部分を有する二環式ヌクレオシドを意味する。c
Et修飾糖は修飾糖である。
【0038】
「化学的に異なる領域」とは、同じアンチセンス化合物の別の領域とは何らかの形で化学的に異なっているアンチセンス化合物の領域を指す。例えば、2’-O-メトキシエチルヌクレオシドを有する領域は、2’-O-メトキシエチル修飾を持たないヌクレオシドを有する領域とは化学的に異なる。
【0039】
「キメラアンチセンス化合物」とは、少なくとも2つの化学的に異なる領域を有するアンチセンス化合物を意味し、各位置は複数のサブユニットを有する。
【0040】
「共投与」とは、ある個体への2つ以上の医薬剤の投与を意味する。前記2つ以上の医薬剤は単一の医薬組成物に入っていてもよいし、別々の医薬組成物に入っていてもよい。前記2つ以上の医薬剤のそれぞれは、同じ投与経路で投与されても、異なる投与経路で投与されてもよい。共投与は同時投与または逐次的投与を包含する。
【0041】
「相補性」とは、第1核酸と第2核酸の核酸塩基間で対合する能力を意味する。
【0042】
「comprise」、「comprises」及び「comprising」は、言明したステップ若しくは要素またはステップ群若しくは要素群の包含を含意するが、他の任意のステップ若しくは要素またはステップ群若しくは要素群の排除は含意しないと理解されるであろう。
【0043】
「連続する核酸塩基」とは、互いに直接隣り合っている核酸塩基を意味する。
【0044】
「設計」または「するように設計された」とは、選ばれた核酸分子と特異的にハイブリダイズするオリゴマー化合物を設計するプロセスを指す。
【0045】
「希釈剤」とは、薬理学的活性は持たないが薬理学的に必要または望ましい、組成物中の成分を意味する。例えば注射される薬物では、希釈剤は液体、例えば生理食塩水であり得る。
【0046】
「用量」とは、1回の投与で与えられる、または指定された期間中に与えられる、医薬剤の指定された量を意味する。ある特定の実施形態では、用量を、1、2、若しくはそれ以上のボーラス、錠剤、または注射として投与することができる。例えば、皮下投与が望まれるある特定の実施形態では、所望の用量は、1回の注射で対応することが容易でない体積が必要となるため、所望の用量を達成するために2回以上の注射を用いてもよい。ある特定の実施形態では、医薬剤は、長期間にわたる注入または持続注入によって投与される。用量は、1時間、1日、1週間、または1ヶ月あたりの医薬剤の量として言明することができる。
【0047】
活性の調節またはある状態の処置若しくは防止との関連において「有効量」とは、そのような調節、処置、または予防を必要とする対象への、単回投与としての、または一連の投与の一部としての、当該効果の調節に有効な、または当該状態の処置若しくは予防若しくは改善に有効な量の医薬剤の投与を意味する。有効量は、処置される個体の健康状態及び身体状態、処置される個体の分類群、組成物の製剤、個体の医学的状態の評価、及び他の関連因子に依存して個体間で変動し得る。
【0048】
「効力」とは、所望の効果を生じさせる能力を意味する。
【0049】
「発現」には、遺伝子にコードされている情報を、細胞中に存在し細胞中で作動する構
造物へと変換する機能の全てが含まれる。そのような構造物として、転写産物及び翻訳産物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
「完全に相補的」または「100%相補的」とは、第1核酸の各核酸塩基が第2核酸中に相補的核酸塩基を有することを意味する。ある特定の実施形態では、第1核酸がアンチセンス化合物であり、標的核酸が第2核酸である。
【0051】
「ギャップマー」とは、キメラアンチセンス化合物であって、RNase H切断を支持する複数のヌクレオシドを有する内側領域が、1つ以上のヌクレオシドを有する外側領域の間に配置されており、内側領域を構成するヌクレオシドが、外側領域を構成する1つまたは複数のヌクレオシドと化学的に異なっているものを意味する。前記内側領域を「ギャップ」と呼び、前記外側領域を「ウイング」と呼ぶことができる。
【0052】
「ギャップ狭小型(gap-narrowed)」とは、1~6個のヌクレオシドを有する5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントとの間に位置し、かつそれらに直接隣接している、9個以下の連続する2’-デオキシリボヌクレオシドであるギャップセグメントを有する、キメラアンチセンス化合物を意味する。
【0053】
「ギャップ拡大型(gap-widened)」とは、1~6個のヌクレオシドを有する5’ウイングセグメントと3’ウイングセグメントとの間に位置し、かつそれらに直接隣接している、12個以上の連続する2’-デオキシリボヌクレオシドであるギャップセグメントを有する、キメラアンチセンス化合物を意味する。
【0054】
「ハイブリダイゼーション」とは、相補的核酸分子のアニーリングを意味する。ある特定の実施形態では、相補的核酸分子として、アンチセンス化合物と標的核酸が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、相補的核酸分子としてオリゴヌクレオチドと核酸標的が挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
「SOD-1関連疾患を有する動物を特定する」とは、SOD-1関連疾患と診断された動物またはSOD-1関連疾患を発症する素因がある動物を特定することを意味する。SOD-1関連疾患を発症する素因がある個体としては、加齢、個人歴若しくは家族歴または1つ以上のSOD-1関連疾患の遺伝的素因を有することなどといった、SOD-1関連疾患の発症に関するリスク因子を1つ以上有する個体が挙げられる。そのような特定は、個体の病歴を評価すること、及び標準的な臨床検査または臨床評価、例えば遺伝子検査などといった、任意の方法で達成することができる。
【0056】
「直接隣接している」とは、直接隣接している要素間に介在要素が存在しないことを意味する。
【0057】
「個体」とは、処置または治療のために選択されたヒトまたはヒト以外の動物を意味する。
【0058】
「SOD-1を阻害する」とは、SOD-1 mRNA及び/または同タンパク質のレベルまたは発現を低減することを意味する。ある特定の実施形態において、SOD-1 mRNA及び/または同タンパク質のレベルは、SOD-1を標的とする修飾オリゴヌクレオチドなどといったSOD-1を標的とするアンチセンス化合物の存在下では、修飾オリゴヌクレオチドなどのSOD-1アンチセンス化合物の非存在下におけるSOD-1 mRNAの発現及び/または同タンパク質のレベルと比較して阻害される。
【0059】
「発現または活性を阻害する」とは、発現または活性の低減または遮断を指し、必ずし
も発現または活性の完全な排除を示すわけではない。
【0060】
「ヌクレオシド間結合(internucleoside linkage)」とは、ヌクレオシド間の化学結合(chemical bond)を指す。
【0061】
「連結されたヌクレオシド」とは、ヌクレオシド間結合によって一つに連結された隣接ヌクレオシドを意味する。
【0062】
「ミスマッチ」または「非相補的核酸塩基」とは、第1核酸の核酸塩基が第2核酸または標的核酸の対応する核酸塩基と対合することができない場合を指す。
【0063】
「混成バックボーン」とは、少なくとも2つの異なるヌクレオシド間結合を含むヌクレオシド間結合のパターンを意味する。例えば混成バックボーンを持つオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのホスホジエステル結合と少なくとも1つのホスホロチオエート結合とを含み得る。
【0064】
「修飾ヌクレオシド間結合(modified internucleoside linkage)」とは、天然に存在するヌクレオシド間結合(internucleoside bond)(すなわちホスホジエステルヌクレオシド間結合(internucleoside bond))からの置換または何らかの改変を指す。
【0065】
「修飾核酸塩基」とは、アデニン、シトシン、グアニン、チミジン、またはウラシル以外の任意の核酸塩基を意味する。「無修飾核酸塩基」とは、プリン塩基であるアデニン(A)及びグアニン(G)、ならびにピリミジン塩基であるチミン(T)、シトシン(C)及びウラシル(U)を意味する。
【0066】
「修飾ヌクレオシド」とは、修飾糖部分及び/または修飾核酸塩基を独立して有するヌクレオシドを意味する。
【0067】
「修飾ヌクレオチド」とは、修飾糖部分、修飾ヌクレオシド間結合、及び/または修飾核酸塩基を独立して有するヌクレオチドを意味する。
【0068】
「修飾オリゴヌクレオチド」とは、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合、修飾糖、及び/または修飾核酸塩基を含むオリゴヌクレオチドを意味する。
【0069】
「修飾糖」とは、天然糖部分からの置換及び/または何らかの改変を意味する。
【0070】
「モノマー」とはオリゴマーの一単位を指す。モノマーとしては、天然に存在するものか修飾体かを問わず、ヌクレオシド及びヌクレオチドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
「モチーフ」とは、アンチセンス化合物における無修飾ヌクレオシドと修飾ヌクレオシドのパターンを意味する。
【0072】
「天然糖部分」とは、DNA(2’-H)またはRNA(2’-OH)に見いだされる糖部分を意味する。
【0073】
「天然に存在するヌクレオシド間結合」とは、3’→5’ホスホジエステル結合を意味する。
【0074】
「非相補的核酸塩基」とは、互いに水素結合を形成せず、他のいかなる形でもハイブリダイゼーションを支持することのない、一対の核酸塩基を指す。
【0075】
「核酸」とは、モノマー型ヌクレオチドで構成された分子を指す。核酸には、リボ核酸(RNA)、デオキシリボ核酸(DNA)、一本鎖核酸、二本鎖核酸、低分子干渉リボ核酸(siRNA)、及びマイクロRNA(miRNA)などがあるが、これらに限定されない。
【0076】
「核酸塩基」とは、もう一つの核酸の塩基と対合することができる複素環式部分を意味する。
【0077】
「核酸塩基相補性」とは、もう一つの核酸塩基と塩基対合することができる核酸塩基を指す。例えばDNAにおいて、アデニン(A)はチミン(T)と相補的である。例えばRNAにおいて、アデニン(A)はウラシル(U)と相補的である。ある特定の実施形態において、相補的核酸塩基とは、アンチセンス化合物の核酸塩基であって、その標的核酸の核酸塩基と塩基対合することができるものを指す。例えば、あるアンチセンス化合物の一定の位置にある核酸塩基が標的核酸の一定の位置にある核酸塩基と水素結合することができるなら、前記オリゴヌクレオチドと前記標的核酸との間の水素結合の位置は、当該核酸塩基対において相補的であるとみなされる。
【0078】
「核酸塩基配列」とは、連続する核酸塩基の順序を意味し、糖、結合(linkage)、及び/または核酸塩基修飾には依存しない。
【0079】
「ヌクレオシド」とは、糖に連結された核酸塩基を意味する。
【0080】
「ヌクレオシド模倣物」には、例えばモルホリノ、シクロヘキセニル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、ビシクロまたはトリシクロ糖模倣物、例えば非フラノース糖単位を有するヌクレオシド模倣物などといった、オリゴマー化合物の1つ以上の位置において糖または糖及び塩基を置き換えるため(結合(linkage)は必ずしも置き換えられるわけではない)に使用される構造が含まれる。ヌクレオチド模倣物には、例えばペプチド核酸またはモルホリノ(-N(H)-C(=O)-O-または他の非ホスホジエステル結合によって連結されたモルホリノ)などといった、オリゴマー化合物の1つ以上の位置においてヌクレオシド及び結合(linkage)を置き換えるために使用される構造が含まれる。糖代用物は、わずかに広い意味を持つ用語であるヌクレオシド模倣物と一部重複するが、糖単位(フラノース環)のみの置き換えを示すことが意図される。ここに提供するテトラヒドロピラニル環は、フラノース糖基がテトラヒドロピラニル環系で置き換えられた糖代用物の一例を例示するものである。「模倣物」とは、糖、核酸塩基、及び/またはヌクレオシド間結合の代わりに使用される基を指す。一般的には、模倣物は、糖または糖-ヌクレオシド間結合の組み合わせの代わりに使用され、核酸塩基は、選ばれたターゲットへのハイブリダイゼーションのために維持される。
【0081】
「ヌクレオチド」は、ヌクレオシドの糖部分にリン酸基が共有結合で連結されているヌクレオシドを意味する。
【0082】
「オフターゲット効果」とは、意図した標的核酸以外の遺伝子のRNA発現またはタンパク質発現の調節に関連する、望まれていないまたは有害な、生物学的効果を指す。
【0083】
「オリゴマー化合物」または「オリゴマー」とは、連結されたモノマー型サブユニットのポリマーであって、核酸分子の少なくとも一領域にハイブリダイズすることができるものを意味する。
【0084】
「オリゴヌクレオチド」とは、連結されたヌクレオシドのポリマーを意味し、ヌクレオシドのそれぞれは互いに依存することなく修飾されていてもよいし、無修飾であってもよい。
【0085】
「非経口投与」とは、注射(例えばボーラス注射)または注入による投与を意味する。非経口投与には、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、動脈内投与、腹腔内投与、または頭蓋内投与、例えば髄腔内投与若しくは脳室内投与が含まれる。
【0086】
「ペプチド」とは、少なくとも2つのアミノ酸をアミド結合で連結することによって形成される分子を意味する。限定するわけではないが、本明細書にいうペプチドは、ポリペプチド及びタンパク質を指す。
【0087】
「医薬剤」とは、個体に投与した場合に治療上の利益をもたらす物質を意味する。例えばある特定の実施形態では、SOD-1を標的とする修飾オリゴヌクレオチドが医薬剤である。
【0088】
「医薬組成物」とは、対象への投与に適した物質の混合物を意味する。例えば医薬組成物は修飾オリゴヌクレオチドと滅菌水溶液とを含み得る。
【0089】
「薬理学的に許容される誘導体」は、本明細書に記載する化合物の薬理学的に許容される塩、コンジュゲート、プロドラッグまたは異性体を包含する。
【0090】
「薬理学的に許容される塩」とは、アンチセンス化合物の生理学的かつ医薬的に許容される塩、すなわち、親オリゴヌクレオチドの望ましい生物学的活性を保持しており、しかも望ましくない毒性効果をそこに付与しない塩を意味する。
【0091】
「ホスホロチオエート結合(phosphorothioate linkage)」とは、非架橋酸素原子の1つを硫黄原子で置き換えることによってホスホジエステル結合(phosphodiester bond)が修飾されている、ヌクレオシド間の結合(linkage)を意味する。ホスホロチオエート結合は修飾ヌクレオシド間結合である。
【0092】
「部分」とは、核酸の所定の数の連続する(すなわち連結された)核酸塩基を意味する。ある特定の実施形態において、部分は、標的核酸の、所定の数の連続する核酸塩基である。ある特定の実施形態において、部分は、アンチセンス化合物の、所定の数の連続する核酸塩基である。
【0093】
「防止する」または「防止」とは、数分~数日の期間、数週間~数ヶ月の期間、または無期限に、疾患、障害、または状態の開始または発症を遅延させまたは未然に防ぐことを指す。
【0094】
「プロドラッグ」とは、不活性な形態で調製された治療剤であって、体内またはその細胞内で内在性酵素若しくは他の化学物質の作用及び/または条件によって活性型(すなわち薬物)へと転化されるものを意味する。
【0095】
「予防有効量」とは、動物に予防的利益または防止的利益を与える医薬剤の量を指す。
【0096】
「領域」は、少なくとも1つの識別可能な構造、機能、または特徴を有する標的核酸の一部分と定義される。
【0097】
「リボヌクレオチド」とは、ヌクレオチドの糖部分の2’位にヒドロキシを有するヌクレオチドを意味する。リボヌクレオチドはさまざまな置換基のいずれでも修飾することができる。
【0098】
「塩」とは、アンチセンス化合物の生理学的及び医薬的に許容される塩、すなわち親オリゴヌクレオチドの望ましい生物学的活性を保持しており、しかも望ましくない毒性効果をそこに付与しない塩を意味する。
【0099】
「セグメント」は、標的核酸内の領域の、さらに小さな一部分または下位部分と定義される。
【0100】
本明細書におけるオリゴヌクレオチドSOD-1ghtの「短縮」型または「切断」型では、1つ、2つまたはそれ以上のヌクレオシドが欠失している。
【0101】
「副作用」とは、所望の効果以外の、処置に起因する生理学的反応を意味する。ある特定の実施形態において、副作用には、注射部位反応、肝機能検査異常、腎機能異常、肝毒性、腎毒性、中枢神経系異常、及びミオパシーが含まれるが、これらに限定されない。
【0102】
「一本鎖オリゴヌクレオチド」とは、相補鎖にハイブリダイズしていないオリゴヌクレオチドを意味する。
【0103】
本明細書にいう「部位」は、標的核酸内の固有な核酸塩基位置と定義される。
【0104】
「進行を減速する」とは、当該疾患の進行の減少を意味する。
【0105】
「SOD-1」とは、哺乳動物遺伝子である可溶性スーパーオキシドジスムターゼ1(SOD-1)を意味し、ヒト遺伝子である可溶性スーパーオキシドジスムターゼ1(SOD-1)を含む。
【0106】
「SOD-1関連疾患」とは、任意のSOD-1核酸またはその発現産物に関連する任意の疾患を意味する。そのような疾患は神経変性疾患を含み得る。そのような神経変性疾患は筋萎縮性側索硬化症(ALS)を含み得る。
【0107】
「SOD-1 mRNA」とは、SOD-1をコードするDNA配列の任意のメッセンジャーRNA発現産物を意味する。
【0108】
「SOD-1核酸」とは、SOD-1をコードする任意の核酸を意味する。例えばある特定の実施形態において、SOD-1核酸として、SOD-1をコードするDNA配列、SOD-1をコードするDNA(イントロンとエクソンを含むゲノムDNAを含む)から転写されたRNA配列、及びSOD-1をコードするmRNA配列が挙げられる。「SOD-1 mRNA」とはSOD-1タンパク質をコードするmRNAを意味する。
【0109】
「SOD-1タンパク質」とはSOD-1核酸のポリペプチド発現産物を意味する。
【0110】
「特異的にハイブリダイズ可能」とは、特異的結合が望まれる条件下で、すなわち生体内アッセイや治療的処置の場合には生理的条件下で、所望の効果を誘導すると共に非標的核酸には最小限の効果しか呈さないかまたは効果を全く呈さない、十分な程度の相補性を、オリゴヌクレオチドと標的核酸との間に有する、アンチセンス化合物を指す。
【0111】
「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」または「ストリンジェントな条件」とは、オリゴマー化合物がその標的配列にはハイブリダイズするが、他の配列にはごくわずかな数の配列にしかハイブリダイズしないような条件を指す。
【0112】
「対象」とは、処置または治療のために選択されたヒトまたはヒト以外の動物を意味する。
【0113】
「糖化学モチーフ」とは、少なくとも2つの異なる糖修飾を含む糖修飾のパターンを意味する。例えば、混成バックボーンを持つオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの2’-O-メトキシエチル修飾ヌクレオシド、及び/または1つのcEt修飾ヌクレオシド、及び/または1つの2’-デオキシヌクレオシドを含み得る。
【0114】
「標的」とは、調節することが望まれるタンパク質を指す。
【0115】
「標的遺伝子」とは、標的をコードする遺伝子を指す。
【0116】
「ターゲティング」または「ターゲティングされる」とは、標的核酸に特異的にハイブリダイズして所望の効果を誘導するアンチセンス化合物を設計及び選択するプロセスを意味する。
【0117】
「標的核酸」、「標的RNA」、及び「標的RNA転写産物」及び「核酸標的」は全て、アンチセンス核酸の標的となり得る核酸を意味する。
【0118】
「標的領域」とは、標的核酸のうち、1つ以上のアンチセンス核酸の標的となる部分を意味する。
【0119】
「標的セグメント」とは、標的核酸のうち、アンチセンス化合物の標的となるヌクレオチドの配列を意味する。「5’標的部位」とは標的セグメントの最も5’側にあるヌクレオチドを指す。「3’標的部位」とは標的セグメントの最も3’側にあるヌクレオチドを指す。
【0120】
「治療有効量」とは、個体に治療的利益を与える医薬剤の量を意味する。
【0121】
「処置する」または「処置すること」または「処置」とは、当該疾患または状態の改変または改善を達成するために組成物を投与することを指す。
【0122】
「無修飾核酸塩基」とは、プリン塩基であるアデニン(A)及びグアニン(G)、ならびにピリミジン塩基であるチミン(T)、シトシン(C)及びウラシル(U)を意味する。
【0123】
「無修飾ヌクレオチド」とは、天然に存在する核酸塩基、糖部分及びヌクレオシド間結合で構成されるヌクレオチドを意味する。ある特定の実施形態において、無修飾ヌクレオチドはRNAヌクレオチド(すなわちβ-D-リボヌクレオシド)またはDNAヌクレオチド(すなわちβ-D-デオキシリボヌクレオシド)である。
【0124】
「ウイングセグメント」とは、高い阻害活性、標的核酸に対する増大した結合親和性、または生体内ヌクレアーゼによる分解に対する耐性などの特性をオリゴヌクレオチドに付与するために修飾された複数のヌクレオシドを意味する。
【0125】
ある特定の実施形態
ある特定の実施形態は、SOD-1 mRNA及び同タンパク質の発現を阻害する方法、化合物、及び組成物を提供する。ある特定の実施形態は、SOD-1 mRNA及び同タンパク質のレベルを減少させるための方法、化合物、及び組成物を提供する。
【0126】
ある特定の実施形態は、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物を提供する。ある特定の実施形態において、当該SOD-1核酸は、GENBANKアクセッション番号NM_000454.4に示す配列(配列番号1として本明細書に組み込まれる)、ヌクレオチド18693000からヌクレオチド18704000までが切断されたGENBANKアクセッション番号NT_011512.10に示す配列(配列番号2として本明細書に組み込まれる)、及びヌクレオチド2258000からヌクレオチド2271000までが切断されたGENBANKアクセッション番号NW_001114168.1に示す配列(配列番号3として本明細書に組み込まれる)である。
【0127】
ある特定の実施形態は、SOD-1に関連する疾患、障害、及び状態の処置、防止、または改善を必要とする個体において、SOD-1に関連する疾患、障害、及び状態を処置、防止、または改善するための方法を提供する。SOD-1に関連する疾患、障害、または状態を処置、防止、または改善するための医薬品を調製するための方法も企図される。SOD-1に関連する疾患、障害、及び状態には神経変性疾患が含まれる。ある特定の実施形態において、SOD-1関連疾患には筋萎縮性側索硬化症(ALS)が含まれる
【0128】
実施形態1.12個~30個の連結されたヌクレオシドからなりかつ配列番号118~1461の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続する核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチド、を含む化合物。
【0129】
実施形態2.12個~30個の連結されたヌクレオシドからなりかつ配列番号15、21、23、47、54、及び67の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続する核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチド、を含む化合物であって、少なくとも1つのヌクレオシド間結合がホスホジエステル結合である、前記化合物。
【0130】
実施形態3.前記修飾オリゴヌクレオチドが混成バックボーンを有する、先行実施形態のいずれか1つに記載の化合物。
【0131】
実施形態4.前記混成バックボーンモチーフが以下のいずれかである、実施形態3に記載の化合物:
sossssssssoooss、
sooossssssssoss、
sooosssssssssoss、
soosssssssssooss、
sooossssssssooss、
sooosssssssssooss、
sooossssssssssooss、
sooosssssssssssooos、
soooossssssssssooss、
sooosssssssssssooss、
sososssssssssssosos、及び
sooossssssssssoooss、
ここで、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、および
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合。
【0132】
実施形態5.前記修飾オリゴヌクレオチドが以下のいずれかの糖化学モチーフを有する、先行実施形態のいずれか1つに記載の化合物:
ekddddddddekekee、
kekeddddddddekek、
eeeedddddddddkkee、
eeeeddddddddekeke、
eeeeddddddddkekee、
eeeeddddddddkkeee、
eeeeeddddddddkkee、
eeeekddddddddkeee、
eeeekdddddddkeeee、
eeekddddddddkeeee、
eeekkdddddddkkeee、
eekkdddddddddkkee、
eekkddddddddeeeee、
eekkddddddddkkeee、
ekekddddddddeeeee、
ekekddddddddkekee、及び
kekeddddddddeeeee、
ここで、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
k=cEt修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖。
【0133】
実施形態6.前記修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号1または配列番号2に対して少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%相補的である、先行実施形態のいずれか1つに記載の化合物。
【0134】
実施形態7.一本鎖修飾オリゴヌクレオチドからなる先行実施形態のいずれか1つに記載の化合物。
【0135】
実施形態8.少なくとも1つのヌクレオシド間結合が修飾ヌクレオシド間結合である、先行実施形態のいずれか1つに記載の化合物。
【0136】
実施形態9.少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、実施形態8に記載の化合物。
【0137】
実施形態10.各修飾ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、実施形態9に記載の化合物。
【0138】
実施形態11.少なくとも1つのヌクレオシド間結合がホスホジエステルヌクレオシド間結合である、先行実施形態のいずれか1つに記載の化合物。
【0139】
実施形態12.少なくとも1つのヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合であり、かつ少なくとも1つのヌクレオシド間結合がホスホジエステル結合である、先行実施形態のいずれか1つに記載の化合物。
【0140】
実施形態13.少なくとも1つのヌクレオシドが修飾核酸塩基を含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の化合物。
【0141】
実施形態14.前記修飾核酸塩基が5-メチルシトシンである、実施形態13に記載の化合物。
【0142】
実施形態15.前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシドが修飾糖を含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の化合物。
【0143】
実施形態16.前記少なくとも1つの修飾糖が二環式糖である、実施形態15に記載の化合物。
【0144】
実施形態17.前記二環式糖が、糖の2’位と4’位の間に化学的連結4’-CH-N(R)-O-2’架橋(式中、Rは、独立して、H、C~C12アルキル、または保護基である)を含む、実施形態16に記載の化合物。
【0145】
実施形態18.前記二環式糖が、4’-CH-N(R)-O-2’架橋(式中、Rは、独立して、H、C~C12アルキル、または保護基である)を含む、実施形態17に記載の化合物。
【0146】
実施形態19.少なくとも1つの修飾糖が2’-O-メトキシエチル基を含む、実施形態15に記載の化合物。
【0147】
実施形態20.前記修飾糖が2’-O(CH-OCH基を含む、実施形態15に記載の化合物。
【0148】
実施形態21.前記修飾オリゴヌクレオチドが、
10個の連結されたデオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
5個の連結されたヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
5個の連結されたヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント;
を含み、前記ギャップセグメントは前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、かつ各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが修飾糖を含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の化合物。
【0149】
実施形態22.前記修飾オリゴヌクレオチドが、
9個の連結されたデオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
5個の連結されたヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
5個の連結されたヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント;
を含み、前記ギャップセグメントは前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、かつ各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが修飾糖を含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の化合物。
【0150】
実施形態23.前記修飾オリゴヌクレオチドが、
8個の連結されたデオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
5個の連結されたヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
5個の連結されたヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント;
を含み、前記ギャップセグメントは前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、かつ各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが修飾糖を含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の化合物。
【0151】
実施形態24.前記修飾オリゴヌクレオチドが、
8個の連結されたデオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
4個の連結されたヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
5個の連結されたヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント;
を含み、前記ギャップセグメントは前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、かつ各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが修飾糖を含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の化合物。
【0152】
実施形態25.前記修飾オリゴヌクレオチドが、
8個の連結されたデオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
5個の連結されたヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
7個の連結されたヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント;
を含み、前記ギャップセグメントは前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、かつ各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが修飾糖を含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の化合物。
【0153】
実施形態26.前記修飾オリゴヌクレオチドが、
8個の連結されたデオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
6個の連結されたヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
6個の連結されたヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント;
を含み、前記ギャップセグメントは前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、かつ各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが修飾糖を含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の化合物。
【0154】
実施形態27.前記修飾オリゴヌクレオチドが、
9個の連結されたデオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
6個の連結されたヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
5個の連結されたヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント;
を含み、前記ギャップセグメントは前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、かつ各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが修飾糖を含む、先行実施形態のいずれか1つに記載の化合物。
【0155】
実施形態28.前記修飾オリゴヌクレオチドが12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の連結されたヌクレオシドからなる、先行実施形態のいずれか1つに記載の化合物。
【0156】
実施形態29.以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
【0157】
【化1】
【0158】
実施形態30.以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
【0159】
【化2】
【0160】
実施形態31.以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
【0161】
【化3】
【0162】
実施形態32.以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
【0163】
【化4】
【0164】
実施形態33.以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
【0165】
【化5】
【0166】
実施形態34.以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
【0167】
【化6】
【0168】
実施形態35.以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
【0169】
【化7】
【0170】
実施形態36.以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
【0171】
【化8】
【0172】
実施形態37.以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
mCes Aeo Ges Geo Aes Tds Ads mCds Ads Tds Tds Tds mCds Tds Ads mCeo Aes Geo mCes
Te;
ここで、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合。
【0173】
実施形態38.以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
Tes Teo Aeo Aes Tds Gds Tds Tds Tds Ads Tds mCds Ako Gko Ges Aes Te;
ここで、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
k=cEt修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合。
【0174】
実施形態39.以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
Ges Geo Aeo Teo Ads mCds Ads Tds Tds Tds
mCds Tds Ads mCko Aks Ges mCe;
ここで、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
k=cEt修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合。
【0175】
実施形態40.以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
Ges Geo Aeo Teo Aes mCds Ads Tds Tds Tds
mCds Tds Ads mCko Aks Ges mCe;
ここで、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
k=cEt修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合。
【0176】
実施形態41.以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
Ges Geo Aeo Teo Aks mCds Ads Tds Tds Tds
mCds Tds Ads mCko Aes Ges mCe;
ここで、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
k=cEt修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合。
【0177】
実施形態42.以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
Aes Gko Teo Gks Tds Tds Tds Ads Ads Tds Gds Tds Tko Teo Aks Tes mCe;
ここで、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
k=cEt修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合。
【0178】
実施形態43.以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
Aes Gko Teo Gks Tds Tds Tds Ads Ads Tds Gds Tds Teo Teo Aes Tes mCe;
ここで、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
k=cEt修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合。
【0179】
実施形態44.以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
Aes Geo Tko Gks Tds Tds Tds Ads Ads Tds Gds Tds Teo Teo Aes Tes mCe;
ここで、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
k=cEt修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合。
【0180】
実施形態45.以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
mCes mCeo Geo Teo mCeo Gds mCds mCds mCds Tds Tds mCds Ads Gds mCds Aeo mCeo Ges
mCes Ae、
ここで、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合。
【0181】
実施形態46.以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
mCes mCeo Geo Teo mCes Gds mCds mCds mCds Tds Tds mCds Ads Ges mCeo Aeo mCeo Ges
mCes Ae、
ここで、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合。
【0182】
実施形態47.以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
mCes mCeo Geo Teo mCes Gds mCds mCds mCds Tds Tds mCds Ads Gds mCds Aeo mCeo Geo
mCes Ae、
ここで、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合。
【0183】
実施形態48.以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
Aes mCeo Aeo mCeo mCes Tds Tds mCds Ads mCds Tds Gds Gds Tds mCds mCeo Aeo Teo Tes Ae、
ここで、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合。
【0184】
実施形態49.以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
Ges Geo mCeo Geo Aes Tds mCds mCds mCds Ads Ads Tds Tds Ads mCds Aeo mCeo mCeo Aes mCe、
ここで、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合。
【0185】
実施形態50.以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
Ges Geo mCeo Geo Aes Tes mCds mCds mCds Ads Ads Tds Tds Ads mCeo Aeo mCeo mCes Aes mCe、
ここで、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合。
【0186】
実施形態51.以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
Ges Geo mCeo Geo Aes Tds mCds mCds mCds Ads Ads Tds Tds Aes mCeo Aeo mCeo mCes Aes mCe、
ここで、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合。
【0187】
実施形態52.以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
Ges Geo mCeo Geo Aeo Tes mCds mCds mCds Ads Ads Tds Tds Ads mCds Aeo mCeo mCes Aes mCe、
ここで、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合。
【0188】
実施形態53.以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
Ges Teo mCeo Geo mCes mCds mCds Tds Tds mCds Ads Gds mCds Ads mCds Geo mCeo Aeo mCes Ae、
ここで、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合。
【0189】
実施形態54.以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
Tes mCeo Geo mCeo mCes mCds Tds Tds mCds
Ads Gds mCds Ads mCds Gds mCeo Aeo mCeo
Aes mCe、
ここで、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合。
【0190】
実施形態55.以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
Ges Aes Aes Aes Tes Tds Gds Ads Tds Gds Ads Tds Gds mCds mCds mCes Tes Ges mCes Ae、
ここで、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、及び
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合。
【0191】
実施形態56.先行実施形態のいずれか1つに記載の化合物またはその塩と少なくとも1つの薬理学的に許容される担体または希釈剤とを含む組成物。
【0192】
実施形態57.先行実施形態のいずれか1つに記載の化合物または組成物を動物に投与することを含む方法。
【0193】
実施形態58.前記動物がヒトである、実施形態57に記載の方法。
【0194】
実施形態59.前記化合物の投与が、SOD-1関連疾患を防止し、処置し、改善し、またはその進行を減速する、実施形態57に記載の方法。
【0195】
実施形態60.前記SOD-1関連疾患が神経変性疾患である、実施形態59に記載の方法。
【0196】
実施形態61.前記SOD-1関連疾患がALSである、実施形態60に記載の方法。
【0197】
実施形態62.神経変性障害処置用の医薬品を製造するための、先行実施形態のいずれか1つに記載の化合物または組成物の使用。
【0198】
実施形態63.ALS処置用の医薬品を製造するための、先行実施形態のいずれか1つに記載の化合物または組成物の使用。
【0199】
実施形態64.前記修飾オリゴヌクレオチドが配列番号21の核酸塩基配列を有さない、先行実施形態のいずれか1つに記載の化合物または組成物。
【0200】
実施形態65.前記修飾オリゴヌクレオチドが配列番号21~118のどの核酸塩基配列も有さない、先行実施形態のいずれか1つに記載の化合物または組成物。
【0201】
実施形態66.12個~30個の連結されたヌクレオシドからなりかつ配列番号1のヌクレオチド665~684のうちの等しい数の核酸塩基に相補的な、少なくとも12個の連続する核酸塩基部分を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチド、を含む化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドが配列番号1に対して少なくとも80%相補的である、前記化合物。
【0202】
実施形態67.前記修飾オリゴヌクレオチドが配列番号1に対して100%相補的である、実施形態66に記載の化合物。
【0203】
実施形態68.前記修飾オリゴヌクレオチドが一本鎖修飾オリゴヌクレオチドである、実施形態66に記載の化合物。
【0204】
実施形態69.少なくとも1つのヌクレオシド間結合が修飾ヌクレオシド間結合である、実施形態66~68に記載の化合物。
【0205】
実施形態70.少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、実施形態69に記載の化合物。
【0206】
実施形態71.各修飾ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、実施形態70に記載の化合物。
【0207】
実施形態72.少なくとも1つのヌクレオシド間結合がホスホジエステルヌクレオシド間結合である、実施形態66~69に記載の化合物。
【0208】
実施形態73.少なくとも1つのヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合であり、かつ少なくとも1つのヌクレオシド間結合がホスホジエステル結合である、実施形態66~71及び72~73に記載の化合物。
【0209】
実施形態74.少なくとも1つのヌクレオシドが修飾核酸塩基を含む、実施形態66~73に記載の化合物。
【0210】
実施形態75.前記修飾核酸塩基が5-メチルシトシンである、実施形態74に記載の
化合物。
【0211】
実施形態76.前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシドが修飾糖を含む、実施形態66~75に記載の化合物。
【0212】
実施形態77.前記少なくとも1つの修飾糖が二環式糖である、実施形態76に記載の化合物。
【0213】
実施形態78.前記二環式糖が4’-CH(R)-O-2’架橋(式中、Rは、独立して、H、C~C12アルキル、または保護基である)を含む、実施形態77に記載の化合物。
【0214】
実施形態79.Rがメチルである、実施形態78に記載の化合物。
【0215】
実施形態80.RがHである、実施形態78に記載の化合物。
【0216】
実施形態81.前記少なくとも1つの修飾糖が2’-O-メトキシエチル基を含む、実施形態76に記載の化合物。
【0217】
アンチセンス化合物
オリゴマー化合物としては、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオシド、オリゴヌクレオチド類似体、オリゴヌクレオチド模倣物、アンチセンス化合物、アンチセンスオリゴヌクレオチド、修飾オリゴヌクレオチド、及びsiRNAが挙げられるが、これらに限定されない。オリゴマー化合物は標的核酸に対して「アンチセンス」であることができ、これはそのオリゴマー化合物が水素結合による標的核酸へのハイブリダイゼーションを起こし得ることを意味する。
【0218】
ある特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、5’→3’方向に書いた場合に、そのアンチセンス化合物が標的とする標的核酸の標的セグメントの逆相補鎖を含む核酸塩基配列を有する。ある特定のそのような実施形態において、オリゴヌクレオチドは、5’→3’方向に書いた場合に、そのオリゴヌクレオチドが標的とする標的核酸の標的セグメントの逆相補鎖を含む核酸塩基配列を有する。
【0219】
ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物は12~30サブユニット長である。ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物は12~25サブユニット長である。ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物は12~22サブユニット長である。ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物は14~20サブユニット長である。ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物は15~25サブユニット長である。ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物は18~22サブユニット長である。ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物は19~21サブユニット長である。ある特定の実施形態において、前記アンチセンス化合物は8~80、12~50、13~30、13~50、14~30、14~50、15~30、15~50、16~30、16~50、17~30、17~50、18~30、18~50、19~30、19~50、または20~30個の連結されたサブユニットの長さを有する。
【0220】
ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物は12サブユニット長である。ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするアン
チセンス化合物は13サブユニット長である。ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物は14サブユニット長である。ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物は15サブユニット長である。ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物は16サブユニット長である。ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物は17サブユニット長である。ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物は18サブユニット長である。ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物は19サブユニット長である。ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物は20サブユニット長である。ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物は21サブユニット長である。ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物は22サブユニット長である。ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物は23サブユニット長である。ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物は24サブユニット長である。ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物は25サブユニット長である。ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物は26サブユニット長である。ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物は27サブユニット長である。ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物は28サブユニット長である。ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物は29サブユニット長である。ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物は30サブユニット長である。ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とする前記アンチセンス化合物は、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、または80個の連結されたサブユニットの長さを有するか、または上記の値のいずれか2つによって画定される範囲にある。ある特定の実施形態において、前記アンチセンス化合物は修飾オリゴヌクレオチドであり、かつ前記連結サブユニットはヌクレオシドである。
【0221】
ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするオリゴヌクレオチドは、短縮型または切断型であってもよい。例えば、1つのサブユニットが5’端から(5’切断)、あるいは3’端から(3’切断)、欠失していてもよい。SOD-1核酸を標的とする短縮型または切断型アンチセンス化合物では、アンチセンス化合物の5’端から2つのサブユニットが欠失していてもよく、あるいは、アンチセンス化合物の3’端から2つのサブユニットが欠失していてもよい。あるいは、例えばあるアンチセンス化合物では、1つのヌクレオシドが5’端から欠失しており、かつ1つのヌクレオシドが3’端から欠失しているなどというように、欠失ヌクレオシドはアンチセンス化合物の全体に散在していてもよい。
【0222】
延長されたアンチセンス化合物中に1つの追加サブユニットが存在する場合、前記追加サブユニットはアンチセンス化合物の5’端にあっても、3’端にあってもよい。2つ以上の追加サブユニットが存在する場合、例えばあるアンチセンス化合物では、2つのサブユニットがアンチセンス化合物の5’端に付加されているか(5’付加)、あるいは3’端に付加されている(3’付加)などというように、追加されたサブユニットは互い隣接していてもよい。あるいは、例えばあるアンチセンス化合物では、1つのサブユニットが5’端に付加され、1つのサブユニットが3’端に付加されているなどというように、付加されたサブユニットはアンチセンス化合物全体に散在していてもよい。
【0223】
修飾オリゴヌクレオチドなどのアンチセンス化合物の長さの増減、及び/またはミスマッチ塩基の導入は、活性を排除することなく行うことができる。例えばWoolfら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:7305-7309,1992)では、13~25核酸塩基長の一連のオリゴヌクレオチドが、標的RNAの切断を誘導するその能力について、卵母細胞注入モデルで試験された。オリゴヌクレオチドの末端近くに8個または11個のミスマッチ塩基を持つ25核酸塩基長のオリゴヌクレオチドは、ミスマッチを含有しないオリゴヌクレオチドほどではなかったものの、標的mRNAの特異的切断を指示することができた。同様に、標的特異的切断は、13核酸塩基アンチセンスオリゴヌクレオチド(1つまたは3つのミスマッチを持つものを含む)を使って達成された。
【0224】
Gautschiら(J.Natl.Cancer Inst.93:463-471,March 2001)は、bcl-2 mRNAに対して100%の相補性を有し、かつbcl-xL mRNAに対して3つのミスマッチを有するオリゴヌクレオチドが、生体外及び生体内でbcl-2とbcl-xLの発現をどちらも低減できることを実証した。さらにまた、このオリゴヌクレオチドは生体内で強力な抗腫瘍活性を示した。
【0225】
MaherとDolnick(Nuc.Acid.Res.16:3341-3358,1988)は、一連のタンデム14核酸塩基オリゴヌクレオチド、ならびにそれぞれ2つまたは3つの前記タンデムオリゴヌクレオチドの配列で構成される28核酸塩基オリゴヌクレオチド及び42核酸塩基オリゴヌクレオチドを、ヒトDHFRの翻訳を停止させるその能力について、ウサギ網状赤血球アッセイで試験した。3つの14核酸塩基オリゴヌクレオチドは、それぞれ単独で、28核酸塩基オリゴヌクレオチドまたは42核酸塩基オリゴヌクレオチドよりもレベルは低かったものの、翻訳を阻害することができた。
【0226】
アンチセンス化合物モチーフ
ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物は、高い阻害活性、標的核酸に対する高い結合親和性、または生体内ヌクレアーゼによる分解に対する耐性などといった性質が前記アンチセンス化合物に付与されるようなパターンまたはモチーフで配された化学修飾サブユニットを有する。
【0227】
キメラアンチセンス化合物は、典型的には、ヌクレアーゼ分解に対する高い耐性、より多くの細胞取り込み、標的核酸に対する高い結合親和性、及び/または高い阻害活性が付与されるように修飾された領域を、少なくとも1つは含有する。キメラアンチセンス化合物の第2の領域は、場合によっては、RNA:DNA二重鎖のRNA鎖を切断する細胞エンドヌクレアーゼRNase Hの基質として役立ち得る。
【0228】
ギャップマーモチーフを有するアンチセンス化合物はキメラアンチセンス化合物とみなされる。ギャップマーでは、RNaseH切断を支持する複数のヌクレオチドを有する内側領域が、その内側領域のヌクレオシドとは化学的に異なる複数のヌクレオチドを有する外側領域の間に位置する。ギャップマーモチーフを有するオリゴヌクレオチドの場合、ギャップセグメントは一般にエンドヌクレアーゼ切断の基質として役立ち、一方、ウイングセグメントは修飾ヌクレオシドを含む。ある特定の実施形態において、ギャップマーの領域は、個々の異なる領域を構成する糖部分のタイプによって区別される。ギャップマーの領域を区別するために使用される糖部分のタイプとして、いくつかの実施形態では、β-D-リボヌクレオシド、β-D-デオキシリボヌクレオシド、2’-修飾ヌクレオシド(そのような2’-修飾ヌクレオシドとして、中でも、2’-MOEや2’-O-CHを挙げることができる)、及び二環式糖修飾ヌクレオシド(そのような二環式糖修飾ヌクレオシドとして4’-(CH)n-O-2’架橋(式中、n=1またはn=2)及び4’-CH-O-CH-2’を有するものを挙げることができる)を挙げることができる。ある特定の実施形態において、ウイングはいくつかの修飾糖部分を含むことができ、これには例えば2’-MOEが含まれる。ある特定の実施形態において、ウイングはいくつかの修飾糖部分と非修飾糖部分とを含み得る。ある特定の実施形態において、ウイングは、2’-MOEヌクレオシド及び2’-デオキシヌクレオシドのさまざまな組み合わせを含み得る。
【0229】
異なる領域は、それぞれ一様な糖部分を含むか、異なる糖部分を含むか、または交互に並んだ糖部分を含み得る。ウイング-ギャップ-ウイングモチーフは、しばしば「X-Y-Z」と記載されるが、この場合、「X」は5’-ウイングの長さを表し、「Y」はギャップの長さを表し、「Z」は3’-ウイングの長さを表す。「X」と「Z」は、一様な糖部分を含むか、異なる糖部分を含むか、または交互に並んだ糖部分を含み得る。ある特定の実施形態において、「X」と「Y」は、1つ以上の2’-デオキシヌクレオシドを含み得る。「Y」は2’-デオキシヌクレオシドを含み得る。本明細書において、「X-Y-Z」と記述されるギャップマーは、ギャップが5’-ウイング及び3’-ウイングのそれぞれと直接隣接して配置されるような構成を有する。したがって、5’-ウイングとギャップの間にも、ギャップと3’-ウイングの間にも、介在ヌクレオチドは存在しない。本明細書に記載するアンチセンス化合物はいずれもギャップマーモチーフを有することができる。ある特定の実施形態では、「X」と「Z」が同じであり、別の実施形態では、「X」と「Z」が異なる。
【0230】
ある特定の実施形態において、ここに提供するギャップマーは、例えば5-10-5のモチーフを有する20マーを含む。
【0231】
ある特定の実施形態において、ここに提供するギャップマーは、例えば5-9-5のモチーフを有する19マーを含む。
【0232】
ある特定の実施形態において、ここに提供するギャップマーは、例えば5-8-5のモチーフを有する18マーを含む。
【0233】
ある特定の実施形態において、ここに提供するギャップマーは、例えば4-8-5のモチーフを有する18マーを含む。
【0234】
ある特定の実施形態において、ここに提供するギャップマーは、例えば5-8-7のモチーフを有する18マーを含む。
【0235】
ある特定の実施形態において、ここに提供するギャップマーは、例えば6-8-6のモチーフを有する18マーを含む。
【0236】
ある特定の実施形態において、ここに提供するギャップマーは、例えば6-8-5のモチーフを有する18マーを含む。
【0237】
ある特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの2’-O-メトキシエチル修飾ヌクレオシド、少なくとも1つのcEt修飾ヌクレオシド、及び少なくとも1つの2’-デオキシヌクレオシドを含有する。ある特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、以下のいずれかの糖化学モチーフを有する:
ekddddddddekekee
kekeddddddddekek
eeeedddddddddkkee
eeeeddddddddekeke
eeeeddddddddkekee
eeeeddddddddkkeee
eeeeeddddddddkkee
eeeekddddddddkeee
eeeekdddddddkeeee
eeekddddddddkeeee
eeekkdddddddkkeee
eekkdddddddddkkee
eekkddddddddeeeee
eekkddddddddkkeee
ekekddddddddeeeee
ekekddddddddkekee
kekeddddddddeeeee
ここで、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
k=cEt修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖。
【0238】
標的核酸、標的領域及びヌクレオチド配列
SOD-1をコードするヌクレオチド配列には、限定するわけではないが、以下に挙げるものが含まれる:GENBANKアクセッション番号NM_000454.4(配列番号1として本明細書に組み込まれる)、ヌクレオチド18693000からヌクレオチド18704000までが切断されたGENBANKアクセッション番号NT_011512.10(配列番号2として本明細書に組み込まれる)、及びヌクレオチド2258000からヌクレオチド2271000までが切断されたGENBANKアクセッション番号NW_001114168.1の相補鎖(配列番号3として本明細書に組み込まれる)。
【0239】
本明細書に掲載する実施例において各配列番号に示す配列は、糖部分、ヌクレオシド間結合、または核酸塩基へのいかなる修飾にも依存しないと理解される。したがって、配列番号によって定義されるアンチセンス化合物は、糖部分、ヌクレオシド間結合、または核酸塩基に、独立して、1つ以上の修飾を含み得る。Isis番号(Isis No)によって記載するアンチセンス化合物は、核酸塩基配列とモチーフの組み合わせを示す。
【0240】
ある特定の実施形態において、標的領域は、標的核酸の構造的に画定された領域である。例えば、標的領域は、3’UTR、5’UTR、エクソン、イントロン、エクソン/イントロン接合部、コード領域、翻訳開始領域、翻訳終結領域、または他の明確な核酸領域を包含し得る。SOD-1の場合、構造的に画定された領域は、NCBIなどの配列データベースからアクセション番号によって入手することができ、そのような情報は参照により本明細書に組み込まれる。ある特定の実施形態において、標的領域は、標的領域内のある標的セグメントの5’標的部位から、標的領域内の別の標的セグメントの3’標的部位までの配列を包含し得る。
【0241】
ターゲティングは、所望の効果が生じるように、アンチセンス化合物をハイブリダイズさせる標的セグメントを少なくとも1つを決定することを含む。ある特定の実施形態において、前記所望の効果はmRNA標的核酸レベルの低減である。ある特定の実施形態において、前記所望の効果は、標的核酸がコードしているタンパク質のレベルの低減または標的核酸と関連する表現型変化の低減である。
【0242】
標的領域は1つ以上の標的セグメントを含有し得る。標的領域内の複数の標的セグメントはオーバーラップしていてもよい。あるいは、複数の標的セグメントはオーバーラップしていなくてもよい。ある特定の実施形態において、標的領域内の標的セグメントは約3
00個以下のヌクレオチドによって隔てられている。ある特定の実施形態において、標的領域内の標的セグメントは、標的核酸上の250、200、150、100、90、80、70、60、50、40、30、20、または10個のヌクレオチドであるか、およそその個数のヌクレオチドであるか、その個数以下のヌクレオチドであるか、およそその個数以下のヌクレオチドであるか、前述の値のいずれか2つによって画定される範囲にある、いくつかのヌクレオチドによって隔てられている。ある特定の実施形態において、標的領域内の標的セグメントは、標的核酸上の5個以下、または約5個以下のヌクレオチドによって隔てられている。ある特定の実施形態において、標的セグメントは連続している。本明細書に列挙する5’標的部位または3’標的部位のいずれかである開始核酸を有する範囲によって画定される標的領域が企図される。
【0243】
好適な標的セグメントは、5’UTR、コード領域、3’UTR、イントロン、エクソン、またはエクソン/イントロン接合部のいずれかの内部に見いだされ得る。開始コドンまたは終止コドンを含有する標的セグメントも好適な標的セグメントである。好適な標的セグメントは、開始コドンまたは終止コドンなどの構造的に明確な一定の領域を特に除外し得る。
【0244】
好適な標的セグメントの決定は、標的核酸配列とゲノム全体の他の配列との比較を含み得る。例えば、さまざまな核酸の中から類似する領域を特定するために、BLASTアルゴリズムを使用し得る。この比較によって、選択した標的核酸以外の配列(すなわち非標的配列またはオフターゲット配列)に非特異的にハイブリダイズし得るアンチセンス化合物配列の選択を防ぐことができる。
【0245】
活性標的領域内ではアンチセンス化合物の活性(例えば標的核酸レベルの低減パーセントで定義されるもの)にばらつきが存在し得る。ある特定の実施形態において、SOD-1 mRNAレベルの低減はSOD-1タンパク質発現の阻害を示す。SOD-1タンパク質のレベルの低減も、標的mRNA発現の阻害を示す。表現型変化はSOD-1発現の阻害を示す。神経学的機能の改善はSOD-1発現の阻害を示す。運動機能の改善はSOD-1発現の阻害を示す。
【0246】
ハイブリダイゼーション
いくつかの実施形態では、ハイブリダイゼーションが、本明細書に開示するアンチセンス化合物とSOD-1核酸との間で起こる。最も一般的なハイブリダイゼーションの機序は、核酸分子の相補的核酸塩基間の水素結合(例えばワトソン-クリック型、フーグスティーン型または逆フーグスティーン型水素結合)を伴う。
【0247】
ハイブリダイゼーションはさまざまな条件下で起こり得る。ストリンジェントな条件は配列依存的であり、ハイブリダイズされる核酸分子の性質及び組成によって決定される。
【0248】
配列が標的核酸と特異的にハイブリダイズできるかどうかを決定する方法は、当技術分野で周知である。ある特定の実施形態において、ここに提供するアンチセンス化合物は、SOD-1核酸と特異的にハイブリダイズ可能である。
【0249】
相補性
アンチセンス化合物の十分な数の核酸塩基が、所望の効果(例えばSOD-1核酸などの標的核酸のアンチセンス阻害)を生じるような形で、標的核酸の対応する核酸塩基と水素結合することができる場合、そのアンチセンス化合物と標的核酸とは、互いに相補的である。
【0250】
アンチセンス化合物とSOD-1核酸との間の非相補的核酸塩基は、そのアンチセンス
化合物が依然として標的核酸に特異的にハイブリダイズすることができるのであれば、許容し得る。さらに、アンチセンス化合物は、介在セグメントまたは隣接セグメントが当該ハイブリダイゼーション事象に関与しないような形で(例えばループ構造、ミスマッチまたはヘアピン構造)、SOD-1核酸の1つ以上のセグメントにわたってハイブリダイズしてもよい。
【0251】
ある特定の実施形態において、ここに提供するアンチセンス化合物、またはその指定部分は、SOD-1核酸、標的領域、標的セグメント、またはその指定部分に対して70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%相補的であるか、少なくとも70%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%相同的である。アンチセンス化合物と標的核酸とのパーセント相補性は、常法を使って決定することができる。
【0252】
例えば、アンチセンス化合物の20個の核酸塩基のうち18個が標的領域に相補的であり、それゆえに特異的にハイブリダイズするであろうアンチセンス化合物は、90パーセントの相補性に相当するであろう。この例では、残りの非相補的核酸塩基はクラスター化しているか、またはその中に相補的核酸塩基が散在していてもよく、互いに連続している必要も、相補的核酸塩基に連続している必要もない。したがって、標的核酸と完全に相補的な2つの領域に挟まれた4つの非相補的核酸塩基を有する18核酸塩基長のアンチセンス化合物は、標的核酸に対して77.8%の総相補性を有し、したがって本発明の範囲に包含されるであろう。標的核酸の一領域に対するアンチセンス化合物の相補性パーセントは、当技術分野において知られているBLASTプログラム(basic local alignment search tool)及びPowerBLASTプログラム(Altschul et al.,J.Mol.Biol.,1990,215,403 410;Zhang and Madden,Genome Res.,1997,7,649 656)を使って、日常的に決定することができる。相同性パーセント、配列同一性パーセントまたは配列相補性パーセントは、例えばSmithとWatermanのアルゴリズム(Adv.Appl.Math.,1981,2,482 489)を使用するGapプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix,Genetics Computer Group,University Research Park,Madison Wis.)により、デフォルト設定を使って、決定することができる。
【0253】
ある特定の実施形態において、ここに提供するアンチセンス化合物またはその指定部分は、標的核酸またはその指定部分に完全に相補的(すなわち100%相補的)である。例えば、アンチセンス化合物は、SOD-1核酸、またはその標的領域、または標的セグメント若しくは標的配列に、完全に相補的であり得る。本明細書において「完全に相補的」とは、アンチセンス化合物の各核酸塩基が、標的核酸の対応する核酸塩基と正確に塩基対合する能力を有することを意味する。例えば、20核酸塩基のアンチセンス化合物は、そのアンチセンス化合物に完全に相補的な対応する20核酸塩基部分が標的核酸中に存在するのであれば、400核酸塩基長である標的配列に対して、完全に相補的である。第1核酸及び/または第2核酸の指定部分に関して完全に相補的という表現を使用することもできる。例えば、30核酸塩基のアンチセンス化合物のうちの20核酸塩基部分は、400核酸塩基長である標的配列に対して「完全に相補的」であることができる。30核酸塩基のオリゴヌクレオチドのうちの20核酸塩基部分は、標的配列が対応する20核酸塩基部分(各核酸塩基がアンチセンス化合物の前記20核酸塩基部分に相補的であるもの)を有するのであれば、その標的配列に対して完全に相補的である。同時に、上記30核酸塩基アンチセンス化合物全体は、アンチセンス化合物の残りの10核酸塩基も標的配列に相補
的であるかどうかに依存して、標的配列に対して完全に相補的である場合も、完全には相補的でない場合もある。
【0254】
非相補的核酸塩基の位置は、アンチセンス化合物の5’末端または3’末端であってよい。あるいは、1つまたは複数の非相補的核酸塩基は、アンチセンス化合物の内部位置にあってもよい。2つ以上の非相補的核酸塩基が存在する場合、それらは連続して(すなわち連結されて)いてもよいし、不連続であってもよい。一実施形態において、非相補的核酸塩基はギャップマーオリゴヌクレオチドのウイングセグメント内に位置する。
【0255】
ある特定の実施形態において、11、12、13、14、15、16、17、18、19、若しくは20核酸塩基長または最大で11、12、13、14、15、16、17、18、19、若しくは20核酸塩基長であるアンチセンス化合物は、SOD-1核酸、またはその指定部分などの標的核酸に対して、4個以下、3個以下、2個以下、または1個以下の非相補的核酸塩基を含む。
【0256】
ある特定の実施形態において、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、若しくは30核酸塩基長または最大で11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、若しくは30核酸塩基長であるアンチセンス化合物は、SOD-1核酸、またはその指定部分などの標的核酸に対して、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、または1個以下の非相補的核酸塩基を含む。
【0257】
ここに提供するアンチセンス化合物には、標的核酸の一部分に相補的であるものも含まれる。本明細書において「一部分」とは、標的核酸の一領域または一セグメント内の所定の数の連続する(すなわち連結された)核酸塩基を指す。「一部分」は、アンチセンス化合物の、所定の数の連続する核酸塩基も指すことができる。ある特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、ある標的セグメントのうちの少なくとも8核酸塩基部分に相補的である。ある特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、ある標的セグメントのうちの少なくとも9核酸塩基部分に相補的である。ある特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、ある標的セグメントのうちの少なくとも10核酸塩基部分に相補的である。ある特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、ある標的セグメントのうちの少なくとも11核酸塩基部分に相補的である。ある特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、ある標的セグメントのうちの少なくとも12核酸塩基部分に相補的である。ある特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、ある標的セグメントのうちの少なくとも13核酸塩基部分に相補的である。ある特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、ある標的セグメントのうちの少なくとも14核酸塩基部分に相補的である。ある特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、ある標的セグメントのうちの少なくとも15核酸塩基部分に相補的である。ある標的セグメントのうちの少なくとも9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20核酸塩基若しくはそれ以上の核酸塩基部分、またはこれらの値のいずれか2つによって画定される範囲に相補的なアンチセンス化合物も企図される。
【0258】
同一性
ここに提供するアンチセンス化合物は、ある特定ヌクレオチド配列、配列番号、若しくは具体的Isis番号によって表される化合物、またはその一部分に対して、所定の同一性パーセントも有し得る。本明細書において、アンチセンス化合物は、それが同じ核酸塩基対合能を有するのであれば、本明細書に開示する配列と同一である。例えば、ウラシルとチミジンはどちらもアデニンと対合するので、開示したDNA配列中のチミジンの代わりにウラシルを含有するRNAは、前記DNA配列と同一であるとみなされるであろう。
本明細書に記載するアンチセンス化合物の短縮型及び延長型、ならびにここに提供するアンチセンス化合物と比較して非同一塩基を有する化合物も企図される。非同一塩基は互いに隣接していてもよいし、アンチセンス化合物全体に散在していてもよい。アンチセンス化合物のパーセント同一性は、比較対象である配列との比較で同一塩基対合を有する塩基の数に従って計算される。
【0259】
ある特定の実施形態において、アンチセンス化合物またはその一部分は、本明細書に開示するアンチセンス化合物若しくは配列番号またはそれらの一部分の1つ以上と、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一である。
【0260】
ある特定の実施形態では、アンチセンス化合物の一部分を、標的核酸のうちの長さが等しい部分と比較する。ある特定の実施形態では、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25核酸塩基部分を、標的核酸のうちの長さが等しい部分と比較する。
【0261】
ある特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドの一部分を、標的核酸のうちの長さが等しい部分と比較する。ある特定の実施形態では、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25核酸塩基部分を、標的核酸のうちの長さが等しい部分と比較する。
【0262】
修飾
ヌクレオシドは塩基-糖の組み合わせである。ヌクレオシドの核酸塩基(塩基ともいう)部分は、通常、複素環式塩基部分である。ヌクレオチドは、ヌクレオシドの糖部分に共有結合で連結されたリン酸基をさらに含むヌクレオシドである。ペントフラノシル糖を含むヌクレオシドの場合は、前記リン酸基を、糖の2’、3’または5’ヒドロキシル部分に連結することができる。オリゴヌクレオチドは、互いに隣接するヌクレオシドを共有結合で連結して、線状ポリマーであるオリゴヌクレオチドを形成させることによって形成される。オリゴヌクレオチド構造内では、前記リン酸基は、オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合を形成していると、一般に言われる。
【0263】
アンチセンス化合物の修飾には、ヌクレオシド間結合、糖部分、または核酸塩基の置換または改変が包含される。修飾アンチセンス化合物は、例えば高められた細胞取り込み、核酸標的に対するより高い親和性、ヌクレアーゼ存在下での増加した安定性、または増加した阻害活性などといった望ましい特性ゆえに、天然型より好ましいことが多い。
【0264】
化学修飾ヌクレオシドは、短縮型または切断型オリゴヌクレオチドの、その標的核酸に対する結合親和性を増加させるために使用することもできる。結果として、そのような化学修飾ヌクレオシドを有する短いアンチセンス化合物で、匹敵する結果を得ることができる場合が多い。
【0265】
修飾ヌクレオシド間結合
RNA及びDNAの天然に存在するヌクレオシド間結合は、3’→5’ホスホジエステル結合である。1つ以上の修飾(すなわち天然に存在しない)ヌクレオシド間結合を有するアンチセンス化合物は、例えば高められた細胞取り込み、核酸標的に対するより高い親和性、及びヌクレアーゼの存在下での増加した安定性などといった望ましい特性ゆえに、しばしば、天然に存在するヌクレオシド間結合を有するアンチセンス化合物に優先して選択される。
【0266】
修飾ヌクレオシド間結合を有するオリゴヌクレオチドには、リン原子が保たれているヌ
クレオシド間結合と、リン原子を有さないヌクレオシド間結合とが含まれる。代表的なリン含有ヌクレオシド間結合には、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、ホスホラミデート、及びホスホロチオエートが含まれるが、これらに限定されない。リン含有結合(linkage)及び非リン含有結合(linkage)を調製する方法は、よく知られている。
【0267】
ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とする修飾オリゴヌクレオチドは、1つ以上の修飾ヌクレオシド間結合を含む。ある特定の実施形態において、修飾ヌクレオシド間結合は、アンチセンス化合物全体に点在している。ある特定の実施形態において、修飾ヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合である。ある特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合はホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。
【0268】
ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とする修飾オリゴヌクレオチドは、1つ以上のホスホジエステルヌクレオシド間結合を含む。ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とする修飾オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのホスホロチオエートヌクレオシド間結合と少なくとも1つのホスホジエステルヌクレオシド間結合とを含む。ある特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、以下の混成バックボーンモチーフを有する:
sossssssssoooss、
sooossssssssoss、
sooosssssssssoss、
soosssssssssooss、
sooossssssssooss、
sooosssssssssooss、
sooossssssssssooss、
sooosssssssssssooos、
soooossssssssssooss、
sooosssssssssssooss、
sososssssssssssosos、及び
sooossssssssssoooss、
ここで、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合。
【0269】
修飾糖部分
本発明のアンチセンス化合物は、場合によっては、糖基が修飾されているヌクレオシドを1つ以上含有することができる。そのような糖修飾ヌクレオシドは、優れたヌクレアーゼ安定性、増加した結合親和性、または他の何らかの有益な生物学的特性をアンチセンス化合物に付与し得る。ある特定の実施形態において、ヌクレオシドは化学修飾リボフラノース環部分を含む。化学修飾リボフラノース環の例には、置換基の付加(5’置換基、2’置換基、非ジェミナル環原子の架橋による二環式核酸(BNA)の形成、リボシル環酸素原子のS、N(R)、またはC(R)(R)による置換(R、R及びRは、それぞれ独立して、H、C~C12アルキルまたは保護基である)、及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。化学修飾糖の例としては、2’-F-5’-メチル置換ヌクレオシド(開示されている他の5’,2’-ビス置換ヌクレオシドについては、PCT国際出願WO2008/101157(公開日2008年8月21日)を参照のこと)、またはリボシル環酸素原子のSによる置換と2’位におけるさらなる置換(米国特許出願公開US2005-0130923(公開日2005年6月16日)を参照のこと)、または別法としてBNAの5’-置換(LNAが、例えば5’-メチル基または5’-ビニル基で置換されている、PCT国際出願WO2007/134181(公開日2007年11月22日)を参照のこと)などがある。
【0270】
修飾糖部分を有するヌクレオシドの例には、5’-ビニル、5’-メチル(RまたはS)、4’-S、2’-F、2’-OCH、2’-OCHCH、2’-OCHCHF及び2’-O(CHOCH置換基を含むヌクレオシドが挙げられるが、これらに限定されない。2’位の置換基は、アリル、アミノ、アジド、チオ、O-アリル、O-C~C10アルキル、OCF、OCHF、O(CHSCH、O(CH-O-N(R)(R)、O-CH-C(=O)-N(R)(R)、及びO-CH-C(=O)-N(R)-(CH-N(R)(R)から選択することもでき、その場合、各R、R及びRは、独立して、Hまたは置換若しくは非置換C~C10アルキルである。
【0271】
本明細書において「二環式ヌクレオシド」とは、二環式糖部分を含む修飾ヌクレオシドを指す。二環式ヌクレオシド(BNA)の例には、4’リボシル環原子と2’リボシル環原子の間に架橋を含むヌクレオシドが含まれるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態において、ここに提供するアンチセンス化合物は、BNAヌクレオシドを1つ以上含み、その場合、架橋は次式の1つを含む:4’-(CH)-O-2’(LNA);4’-(CH)-S-2’;4’-(CH-O-2’(ENA);4’-CH(CH)-O-2’及び4’-CH(CHOCH)-O-2’(及びそれらの類似体;2008年7月15日発行の米国特許第7,399,845号を参照のこと);4’-C(CH)(CH)-O-2’(及びその類似体;2009年1月8日にWO/2009/006478として公開されたPCT/US2008/068922を参照のこと);4’-CH-N(OCH)-2’(及びその類似体;2008年12月11日にWO/2008/150729として公開されたPCT/US2008/064591を参照のこと);4’-CH-O-N(CH)-2’(2004年9月2日公開の米国特許出願公開US2004-0171570を参照のこと);4’-CH-N(R)-O-2’(ここでRはH、C~C12アルキル、または保護基である)(2008年9月23日発行の米国特許第7,427,672号を参照のこと);4’-CH-C(H)(CH)-2’(Chattopadhyaya et al.,J.Org.Chem.,2009,74,118-134を参照のこと);及び4’-CH-C(=CH)-2’(及びその類似体;2008年12月8日にWO2008/154401として公開されたPCT/US2008/066154を参照のこと)。
【0272】
さらなる二環式ヌクレオシドが公表されている文献に報告されている(例えばSrivastava et al.,J.Am.Chem.Soc.,2007,129(26)8362-8379;Frieden et al.,Nucleic Acids Research,2003,21,6365-6372;Elayadi et al.,Curr.Opinion Invens.Drugs,2001,2,558-561;Braasch et al.,Chem.Biol.,2001,8,1-7;Orum et al.,Curr.Opinion Mol.Ther.,2001,3,239-243;Wahlestedt et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,2000,97,5633-5638;Singh et al.,Chem.Commun.,1998,4,455-456;Koshkin et al.,Tetrahedron,1998,54,3607-3630;Kumar et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,8,2219-2222;Singh et al.,J.Org.Chem.,1998,63,10035-10039;米国特許第7,399,845号;同第7,053,207号;同第7,034,133号;同第6,794,499号;同第6,770,748号;同第6,670,461号;同第6,525,191号;同第6,268,490号;米国特許公開番号US2008-0039618;US2007-0287831;US2004-0171570;米国特許出願第12/129,154;同第61/099,844号;同第61/097,787号;同第61/086,231号;同第61/056,564号;同第61/026,998号;同第61/026,995号;同第60/989,574号;国際出願WO2007/134181;同WO2005/021570;同WO2004/106356;同WO94/14226;ならびにPCT国際出願第PCT/US2008/068922号;同第PCT/US2008/066154号;及び同第PCT/US2008/064591号を参照のこと)。上述の二環式ヌクレオシドはそれぞれ、例えば、α-L-リボフラノース及びβ-D-リボフラノースなどといった1つ以上の立体化学的糖構造を有するものを調製することができる(1999年3月25日にWO99/14226として公開されたPCT国際出願PCT/DK98/00393を参照のこと)。
【0273】
本明細書において、「単環式ヌクレオシド」とは、二環式糖部分ではない修飾糖部分を含むヌクレオシドを指す。ある特定の実施形態において、ヌクレオシドの糖部分または糖部分類似体は、どの位置で修飾または置換されていてもよい。
【0274】
本明細書において「4’-2’二環式ヌクレオシド」または「4’→2’二環式ヌクレオシド」とは、フラノース環の2つの炭素原子をつなぐ架橋を含むフラノース環を含み、前記架橋が糖環の2’炭素原子と4’炭素原子をつなぐ、二環式ヌクレオシドを指す。
【0275】
ある特定の実施形態において、BNAヌクレオシドの二環式糖部分として、限定するわけではないが、ペントフラノシル糖部分の4’位と2’位の炭素原子間に少なくとも1つの架橋を有する化合物が挙げられ、架橋は、限定するわけではないが、-[C(R)(R)]-、-C(R)=C(R)-、-C(R)=N-、-C(=NR)-、-C(=O)-、-C(=S)-、-O-、-Si(R-、-S(=O)-、及び-N(R)-から独立して選択される1つの基または連結された1~4つの基を含み、ここで、xは0、1、または2であり、nは1、2、3、または4であり、各R及びRは、互いに独立して、H、保護基、ヒドロキシル、C~C12アルキル、置換C~C12アルキル、C~C12アルケニル、置換C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、置換C~C12アルキニル、C~C20アリール、置換C~C20アリール、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、C~C脂環式ラジカル、置換C~C脂環式ラジカル、ハロゲン、OJ、NJ、SJ、N、COOJ、アシル(C(=O)-H)、置換アシル、CN、スルホニル(S(=O)-J)、またはスルホキシル(S(=O)-J)であり、かつ、各J及びJは、独立して、H、C~C12アルキル、置換C~C12アルキル、C~C12アルケニル、置換C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、置換C~C12アルキニル、C~C20アリール、置換C~C20アリール、アシル(C(=O)-H)、置換アシル、複素環ラジカル、置換複素環ラジカル、C~C12アミノアルキル、置換C~C12アミノアルキルまたは保護基である。
【0276】
ある特定の実施形態において、二環式糖部分の架橋は、-[C(R)(R)]-、-[C(R)(R)]-O-、-C(R)-N(R)-O-または-C(R)-O-N(R)-である。ある特定の実施形態において、架橋は4’-CH-2’、4’-(CH-2’、4’-(CH-2’、4’-CH-O-2’、4’-(CH-O-2’、4’-CH-O-N(R)-2’及び4’-CH-N(R)-O-2’-であり、ここで、各Rは、互いに独立して、H、保護基またはC~C12アルキルである。
【0277】
ある特定の実施形態において、二環式ヌクレオシドは、さらに異性立体配置によって定
義される。例えば、4’-(CH)-O-2’架橋を含むヌクレオシドは、α-L立体配置またはβ-D立体配置をとってよい。これまでに、α-L-メチレンオキシ(4’-CH-O-2’)BNAは、アンチセンスオリゴヌクレオチドに組み込まれており、そのアンチセンスオリゴヌクレオチドはアンチセンス活性を示した(Frieden et
al.,Nucleic Acids Research,2003,21,6365-6372)。
【0278】
ある特定の実施形態において、二環式ヌクレオシドには、4’→2’架橋を有するものが含まれ、そのような架橋としては、限定するわけではないが、α-L-4’-(CH)-O-2’、β-D-4’-CH-O-2’、4’-(CH-O-2’、4’-CH-O-N(R)-2’、4’-CH-N(R)-O-2’、4’-CH(CH)-O-2’、4’-CH-S-2’、4’-CH-N(R)-2’、4’-CH-CH(CH)-2’、及び4’-(CH-2’が挙げられ、ここで、RはH、保護基またはC~C12アルキルである。
【0279】
ある特定の実施形態において、二環式ヌクレオシドは、式
【0280】
【化9】
【0281】
[式中、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
-Q-Q-Q-は、-CH-N(R)-CH-、-C(=O)-N(R)-CH-、-CH-O-N(R)-、-CH-N(R)-O-または-N(R)-O-CHであり、
は、C~C12アルキル保護基またはアミノ保護基であり、かつ
及びTは、それぞれ独立して、H、ヒドロキシル保護基、共役基、反応性リン基、リン部分または支持媒体への共有結合である]を有する。
【0282】
ある特定の実施形態において、二環式ヌクレオシドは、式
【0283】
【化10】
【0284】
[式中、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
及びTは、それぞれ独立して、H、ヒドロキシル保護基、共役基、反応性リン基、リン部分または支持媒体への共有結合であり、
は、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、置換C~Cアルキル、置換C~Cアルケニル、置換C~Cアルキニル、アシル、置換
アシル、置換アミド、チオールまたは置換チオールである]を有する。
【0285】
一実施形態では、置換基はそれぞれ、独立して、ハロゲン、オキソ、ヒドロキシル、OJ、NJ、SJ、N、OC(=X)J、及びNJC(=X)NJから独立して選択される置換基で一置換または多置換され、ここで、各J、J及びJは、独立して、H、C~Cアルキル、または置換C~Cアルキルであり、かつXはOまたはNJである。
【0286】
ある特定の実施形態において、二環式ヌクレオシドは、式
【0287】
【化11】
【0288】
[式中、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
及びTは、それぞれ独立して、H、ヒドロキシル保護基、共役基、反応性リン基、リン部分または支持媒体への共有結合であり、
は、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、置換C~Cアルキル、置換C~Cアルケニル、置換C~Cアルキニルまたは置換アシル(C(=O)-)である]を有する。
【0289】
ある特定の実施形態において、二環式ヌクレオシドは、式
【0290】
【化12】
【0291】
を有し、
式中、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
及びTは、それぞれ独立して、H、ヒドロキシル保護基、共役基、反応性リン基、リン部分または支持媒体への共有結合であり、
は、C~Cアルキル、置換C~Cアルキル、C~Cアルケニル、置換C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、置換C~Cアルキニルであり、
各q、q、q及びqは、独立して、H、ハロゲン、C~Cアルキル、置換C~Cアルキル、C~Cアルケニル、置換C~Cアルケニル、C~Cアルキニルまたは置換C~Cアルキニル、C~Cアルコキシル、置換C~Cアル
コキシル、アシル、置換アシル、C~Cアミノアルキルまたは置換C~Cアミノアルキルである]を有する。
【0292】
ある特定の実施形態において、二環式ヌクレオシドは、式
【0293】
【化13】
【0294】
[式中、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
及びTは、それぞれ独立して、H、ヒドロキシル保護基、共役基、反応性リン基、リン部分または支持媒体への共有結合であり、
、qb、及びqは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C~C12アルキル、置換C~C12アルキル、C~C12アルケニル、置換C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、置換C~C12アルキニル、C~C12アルコキシ、置換C~C12アルコキシ、OJ、SJ、SOJ、SO、NJ、N、CN、C(=O)OJ、C(=O)NJ、C(=O)J、O-C(=O)NJ、N(H)C(=NH)NJ、N(H)C(=O)NJまたはN(H)C(=S)NJであるか、
または、q及びqは一緒になって=C(q)(q)であり、
及びqは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C~C12アルキルまたは置換C~C12アルキルである]を有する。
【0295】
4’-CH-O-2’架橋を有する、アデニン、シトシン、グアニン、5-メチルシトシン、チミン及びウラシルの二環式ヌクレオシドの合成及び調製については、そのオリゴマー形成、及び核酸認識特性と共に記載がある(Koshkin et al.,Tetrahedron,1998,54,3607-3630)。二環式ヌクレオシドの合成もまた、WO98/39352及びWO99/14226に記載されている。
【0296】
4’-CH-O-2’及び4’-CH-S-2’などの4’→2’架橋基を有するさまざまな二環式ヌクレオシドの類似体が調製されている(Kumar et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,8,2219-2222)。核酸ポリメラーゼの基質として使用するための二環式ヌクレオシドを含むオリゴデオキシリボヌクレオチド二重鎖の調製も既に記載されている(Wengel et al.,WO99/14226)。さらにまた、コンフォメーションが制限された新規の高親和性オリゴヌクレオチド類似体である2’-アミノ-BNAの合成も当技術分野で既に記載されている(Singh et al.,J.Org.Chem.,1998,63,10035-10039)。その上、2’-アミノ-及び2’-メチルアミノ-BNAも調製されており、これらと、相補的なRNA鎖及びDNA鎖との二重鎖の熱安定性が、これまでに報告されている。
【0297】
ある特定の実施形態において、二環式ヌクレオシドは、式
【0298】
【化14】
【0299】
[式中、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
及びTは、それぞれ独立して、H、ヒドロキシル保護基、共役基、反応性リン基、リン部分または支持媒体への共有結合であり、
各q、q、q及びqは、独立して、H、ハロゲン、C~C12アルキル、置換C~C12アルキル、C~C12アルケニル、置換C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、置換C~C12アルキニル、C~C12アルコキシル、置換C~C12アルコキシル、OJ、SJ、SOJ、SO、NJ、N、CN、C(=O)OJ、C(=O)NJ、C(=O)J、O-C(=O)NJ、N(H)C(=NH)NJ、N(H)C(=O)NJまたはN(H)C(=S)NJであり、かつ
とqまたはqとqは一緒になって=C(q)(q)であり、ここで、q及びqは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C~C12アルキルまたは置換C~C12アルキルである]を有する。
【0300】
4’-(CH-2’架橋及びアルケニル類似体架橋4’-CH=CH-CH-2’を有する炭素環式二環式ヌクレオシドの一つは既に記載がある(Frier et al.,Nucleic Acids Research,1997,25(22),4429-4443及びAlbaek et al.,J.Org.Chem.,2006,71,7731-7740)。炭素環式二環式ヌクレオシドの合成及び調製物も、それらのオリゴマー形成及び生化学的研究と共に記載がある(Srivastava et al.,J.Am.Chem.Soc.2007,129(26),8362-8379)。
【0301】
ある特定の実施形態において、二環式ヌクレオシドとしては、以下に図示する(A)α-L-メチレンオキシ(4’-CH-O-2’)BNA、(B)β-D-メチレンオキシ(4’-CH-O-2’)BNA、(C)エチレンオキシ(4’-(CH-O-2’)BNA、(D)アミノオキシ(4’-CH-O-N(R)-2’)BNA、(E)オキシアミノ(4’-CH-N(R)-O-2’)BNA、(F)メチル(メチレンオキシ)(4’-CH(CH)-O-2’)BNA(拘束エチルまたはcEtともいう)、(G)メチレン-チオ(4’-CH-S-2’)BNA、(H)メチレン-アミノ(4’-CH-N(R)-2’)BNA、(I)メチル炭素環式(4’-CH-CH(CH)-2’)BNA、(J)プロピレン炭素環式(4’-(CH-2’)BNA、及び(K)ビニルBNAが挙げられるが、これらに限定されない。
【0302】
【化15】
【0303】
式中、Bxは塩基部分であり、Rは、独立して、H、保護基、C~CアルキルまたはC~Cアルコキシである。
【0304】
本明細書において、用語「修飾テトラヒドロピランヌクレオシド」または「修飾THPヌクレオシド」とは、通常のヌクレオシド中のペントフラノシル残基が六員テトラヒドロピラン「糖」で置換されているヌクレオシドを意味し、これは糖代用物ということもできる。修飾THPヌクレオシドとしては、当技術分野においてヘキシトール核酸(HNA)、アニトール(anitol)核酸(ANA)、マニトール(manitol)核酸(MNA)(Leumann,Bioorg.Med.Chem.,2002,10,841-854を参照のこと)またはフルオロHNA(F-HNA)と呼ばれ、以下に図解するテトラヒドロピラン環系を有するものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0305】
【化16】
【0306】
ある特定の実施形態では、式
【0307】
【化17】
【0308】
[式中、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
及びTは、それぞれ独立して、テトラヒドロピランヌクレオシド類似体をオリゴマー化合物に連結するヌクレオシド間連結基であるか、または、T及びTの一方が、テトラヒドロピランヌクレオシド類似体をオリゴマー化合物若しくはオリゴヌクレオチドに連結するヌクレオシド間連結基であり、T及びTの他方がH、ヒドロキシル保護基、連結された共役基または5’若しくは3’末端基であり、
、q、q、q、q、q及びqは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル、置換C~Cアルキル、C~Cアルケニル、置換C~Cアルケニル、C~Cアルキニルまたは置換C~Cアルキニルであり、かつ
及びRの一方は水素であり、もう一方は、ハロゲン、置換または非置換アルコキシ、NJ、SJ、N、OC(=X)J、OC(=X)NJ、NJC(=X)NJ及びCNから選択され、ここで、XはO、SまたはNJであり、かつ、各J、J及びJは、独立して、HまたはC~Cアルキルである]を有する糖代用物が選択される。
【0309】
ある特定の実施形態において、q、q、q、q、q、q及びqは各々Hである。ある特定の実施形態において、q、q、q、q、q、q及びqの少なくとも1つはH以外である。ある特定の実施形態において、q、q、q、q、q、q及びqの少なくとも1つはメチルである。ある特定の実施形態において、R及びRの一方がFであるTHPヌクレオシドが提供される。ある特定の実施形態において、RはフルオロかつRはHであり、RはメトキシかつRはHであり、またRはメトキシエトキシかつRはHである。
【0310】
ある特定の実施形態において、糖代用物は、6つ以上の原子及び2つ以上のヘテロ原子を有する環を含む。例えば、モルホリノ糖部分を含むヌクレオシド、及びオリゴマー化合物におけるそれらの使用が報告されている(例えば、Braasch et al.,Biochemistry,2002,41,4503-4510;及び米国特許第5,698,685号;同第5,166,315号;同第5,185,444号;及び同第5,034,506号を参照のこと)。ここで使用する用語「モルホリノ」とは、以下の式
【0311】
【化18】
【0312】
を有する糖代用物を意味する。
【0313】
ある特定の実施形態では、例えば、上記モルホリノ構造にさまざまな置換基を付加するか、上記モルホリノ構造のさまざまな置換基を改変することによって、モルホリノを修飾してもよい。そのような糖代用物を本明細書では「修飾モルホリノ」という。
【0314】
修飾の組み合わせ、例えば限定するわけではないが、2’-F-5’-メチル置換ヌクレオシド(開示されている他の5’,2’-ビス置換ヌクレオシドについてはPCT国際出願第WO2008/101157号(公開日2008年8月21日)を参照のこと)、及びリボシル環酸素原子のSによる置換と2’位におけるさらなる置換(米国特許出願公開US2005-0130923(公開日2005年6月16日)を参照のこと)、あるいは二環式核酸の5’-置換(4’-CH-O-2’二環式ヌクレオシドの5’位が5’-メチル基または5’-ビニル基でさらに置換されているPCT国際出願第WO2007/134181号(公開日2007年11月22日)を参照のこと)なども提供される。炭素環式二環式ヌクレオシドの合成及び調製物も、それらのオリゴマー形成及び生化学的研究と共に記載されている(例えば、Srivastava et al.,J.Am.Chem.Soc.2007,129(26),8362-8379を参照のこと)。
【0315】
ある特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、天然に存在するヌクレオシド中のペントフラノシル残基の代わりに、六員シクロヘキセニルを有するヌクレオシドである修飾シクロヘキセニルヌクレオシドを1つ以上含む。修飾シクロヘキセニルヌクレオシドとして、当技術分野に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない(例えば、同一譲受人による、PCT出願公開WO2010/036696(公開日2010年4月10日);Robeyns et al.,J.Am.Chem.Soc.,2008,130(6),1979-1984;Horvath et al.,Tetrahedron Letters,2007,48,3621-3623;Nauwelaerts et al.,J.Am.Chem.Soc.,2007,129(30),9340-9348;Gu et al.,Nucleosides,Nucleotides&Nucleic Acids,2005,24(5-7),993-998;Nauwelaerts et al.,Nucleic Acids Research,2005,33(8),2452-2463;Robeyns et al.,Acta Crystallographica,Section F:Structural Biology and Crystallization Communications,2005,F61(6),585-586;Gu et al.,Tetrahedron,2004,60(9),2111-2123;Gu et al.,Oligonucleotides,2003,13(6),479-489;Wang et al.,J.Org.Chem.,2003,68,4499-4505;Verbeure et al.,Nucleic Acids Research,2001,29(24),4941-4947;Wang et al.,J.Org.Chem.,2001,66,8478-82;Wang et al.,Nucleosides,Nucleotides&Nucleic Acids,2001,20(4-7),785-788;Wang et al.,J.Am.Chem.,2000,122,8595-8602;PCT出願公開WO06/047842;及びPCT出願公開WO01/049687を参照のこと。なお、各々の本文は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。ある特定の修飾シクロヘキセニルヌクレオシドは式Xを有する。
【0316】
【化19】
【0317】
[式中、上記少なくとも1つの式Xのシクロヘキセニルヌクレオシド類似体のそれぞれについて、独立して、
Bxは、複素環式塩基部分であり、
及びTは、それぞれ独立して、シクロヘキセニルヌクレオシド類似体をアンチセンス化合物に連結するヌクレオシド間連結基であるか、またはT及びTの一方が、テトラヒドロピランヌクレオシド類似体をアンチセンス化合物に連結するヌクレオシド間連結基であり、T及びTの他方はH、ヒドロキシル保護基、連結された共役基、または5’末端基若しくは3’末端基であり、かつ
、q、q、q、q、q、q、q及びqは、それぞれ独立して、H、
~Cアルキル、置換C~Cアルキル、C~Cアルケニル、置換C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、置換C~Cアルキニルまたは他の糖置換基である]。
【0318】
他にも多数の単環式、二環式及び三環式の環系が当技術分野で公知であり、それらは、本明細書で提供されるオリゴマー化合物への組込み用ヌクレオシドの修飾に使用できる糖代用物として好適である(例えば、総説:Leumann,Christian J.Bioorg.&Med.Chem.,2002,10,841-854を参照のこと)。そのような環系には、活性をさらに高めるために、さまざまな追加の置換を行うことができる。
【0319】
本明細書において「2’-修飾糖」とは、2’位が修飾されたフラノシル糖を意味する。ある特定の実施形態において、そのような修飾には、ハロゲン化物、例えば、限定するわけではないが、置換及び非置換アルコキシ、置換及び非置換チオアルキル、置換及び非置換アミノアルキル、置換及び非置換アルキル、置換及び非置換アリル、ならびに置換及び非置換アルキニルから選択される置換基が挙げられる。ある特定の実施形態において、2’修飾は、限定するわけではないが、O[(CHO]CH、O(CHNH、O(CHCH、O(CHF、O(CHONH、OCHC(=O)N(H)CH3、及びO(CHON[(CHCHなどといった置換基(式中、n及びmは1~約10である)から選択される。他の2’-置換基は、C~C12アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール、アラルキル、O-アルカリールまたはO-アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、F、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NH、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリ-アルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレーター、アンチセンス化合物の薬物動態特性を改善するための基または薬力学的特性を改善するための基、及び類似の特性を有する他の置換基から選択することもできる。ある特定の実施形態において、修飾ヌクレオシドは、2’-MOE側鎖を含む(Baker et al.,J.Biol.Chem.,1997,272,11944-12000)。そのような2’-MOE置換は、非修飾ヌクレオシド及び他の修飾ヌクレオシド、例えば2’-O-メチル、O-プロピル、及びO-アミノプロピルと比較して、改善された結合親和性を有すると記述されている。2’-MOE置換基を有するオリゴヌクレオチドは、生体内での用途に有望な特徴を持つ遺伝子発現のアンチセンス阻害剤であることも示されている(Martin,Helv.Chim.Acta,1995,78,486-504;Altmann et al.,Chimia,1996,50,168-176;Altmann et al.,Biochem.Soc.Trans.,1996,24,630-637;及びAltmann et al.,Nucleosides Nucleotides,1997,16,917-926)。
【0320】
本明細書において「2’-修飾」または「2’-置換」とは、2’位にHまたはOH以外の置換基を含む糖を含むヌクレオシドを指す。2’-修飾ヌクレオシドには、糖環の2つの炭素原子をつなぐ架橋が糖環の2’炭素ともう一つの炭素とをつないでいる二環式ヌクレオシド、及び非架橋2’置換基、例えば、アリル、アミノ、アジド、チオ、O-アリル、O-C~C10アルキル、-OCF、O-(CH-O-CH、2’-O(CHSCH、O-(CH-O-N(R)(R)、またはO-CH-C(=O)-N(R)(R)[式中、各R及びRは、独立して、Hまたは置換若しくは非置換C~C10アルキルである]を有するヌクレオシドが挙げられるが、これらに限定されない。2’-修飾ヌクレオシドは、例えば糖の他の位置及び/または核酸塩基において、他の修飾をさらに含んでもよい。
【0321】
本明細書において「2’-F」とは、糖環の2’位にフルオロ基を含む糖を含むヌクレオシドを指す。
【0322】
「2’-OMe」または「2’-OCH」、「2’-O-メチル」または「2’-メトキシ」は、各々、糖環の2’位に-OCH基を含む糖を含むヌクレオシドを指す。
【0323】
本明細書において「MOE」または「2’-MOE」または「2’-OCHCHOCH」または「2’-O-メトキシエチル」とは、それぞれ、糖環の2’位に-OCHCHOCH基を含む糖を含むヌクレオシドを指す。
【0324】
修飾糖の調製方法は当業者に周知である。そのような修飾糖の調製を教示する代表的米国特許の一部として、限定することなく、U.S.:4,981,957、5,118,800、5,319,080、5,359,044、5,393,878、5,446,137、5,466,786、5,514,785、5,519,134、5,567,811、5,576,427、5,591,722、5,597,909、5,610,300、5,627,053、5,639,873、5,646,265、5,670,633、5,700,920、5,792,847及び6,600,032ならびに2005年12月22日にWO2005/121371として公開された国際出願PCT/US2005/019219(出願日2005年6月2日)が挙げられ、これらは各々が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0325】
本明細書において、「オリゴヌクレオチド」とは、複数の連結されたヌクレオシドを含む化合物を指す。ある特定の実施形態では、複数のヌクレオシドの1つ以上が修飾される。ある特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、1つ以上のリボヌクレオシド(RNA)及び/またはデオキシリボヌクレオシド(DNA)を含む。
【0326】
修飾糖部分を有するヌクレオチドにおいて、核酸塩基部分(天然、修飾またはそれらの組み合わせ)は、適切な核酸標的とのハイブリダイゼーションのために維持される。
【0327】
ある特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、修飾糖部分を有する1つ以上のヌクレオシドを含む。ある特定の実施形態において、修飾糖部分は2’-MOEである。ある特定の実施形態において、2’-MOE修飾ヌクレオシドは、ギャップマーモチーフで配置される。ある特定の実施形態において、修飾糖部分は、(4’-CH(CH)-O-2’)架橋基を有する二環式ヌクレオシドである。ある特定の実施形態において、(4’-CH(CH)-O-2’)修飾ヌクレオシドは、ギャップマーモチーフのウイング全体にわたって配置される。
【0328】
組成物及び医薬組成物の製剤化方法
オリゴヌクレオチドは、医薬組成物または製剤を調製するために、薬理学的に許容される活性物質または不活性物質と混合してよい。組成物及び医薬組成物の製剤化方法は、いくつかの基準に依存し、それには投与経路、疾患の程度、または投与すべき用量などが含まれるが、これらに限定されない。
【0329】
SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物は、アンチセンス化合物を好適な薬理学的に許容される希釈剤または担体と組み合わせることにより医薬組成物に利用することができる。薬理学的に許容される希釈剤として、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられる。PBSは非経口的に送達される組成物での使用に好適な希釈剤である。したがって、一実施形態では、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物と薬理学的に許容される希釈剤とを含む医薬組成物が、本明細書に記載の方法において使用される。ある特定の実施形態では、薬理学的に許容される希釈剤がPBSである。ある特定の実施形態で
は、アンチセンス化合物が修飾オリゴヌクレオチドである。
【0330】
アンチセンス化合物を含む医薬組成物は、あらゆる薬理学的に許容される塩、エステル、若しくはそのようなエステルの塩、または、ヒトを含む動物に投与した場合に生物学的に活性な代謝物またはその残基を(直接的または間接的に)与えることができる他のあらゆるオリゴヌクレオチドを包含する。したがって、例えば、本開示はまた、アンチセンス化合物の薬理学的に許容される塩、プロドラッグ、そのようなプロドラッグの薬理学的に許容される塩、及び他の生物学的同等物に関する。好適な薬理学的に許容される塩として、ナトリウム塩及びカリウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0331】
プロドラッグは、アンチセンス化合物の一端または両端に別のヌクレオシドの組込みを含むことができ、それらのヌクレオシドは体内で内在性ヌクレアーゼにより切断され、活性アンチセンス化合物を形成する。
【0332】
共役アンチセンス化合物
アンチセンス化合物は、結果として得られるオリゴヌクレオチドの活性、細胞分布、または細胞取り込みを増強する1つ以上の部分若しくは共役体と共有結合で連結され得る。典型的な共役基としては、コレステロール部分及び脂質部分が挙げられる。さらなる共役基としては、炭水化物、リン脂質、ビオチン、フェナジン、葉酸塩、フェナントリジン、アントラキノン、アクリジン、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、及び染料が挙げられる。
【0333】
また、アンチセンス化合物を修飾して、一般にアンチセンス化合物の一端または両端に結合される安定化基を1つ以上持たせることで、例えばヌクレアーゼ安定性などの特性を増強することもできる。安定化基としてキャップ構造が挙げられる。これらの末端修飾は、末端核酸を有するアンチセンス化合物をエクソヌクレアーゼ分解から保護し、また細胞内での送達及び/または局在化に役立ち得る。キャップは5’末端(5’キャップ)または3’末端(3’キャップ)に存在し得るか、または両端に存在し得る。キャップ構造は当技術分野において周知であり、例えば、反転デオキシ脱塩基キャップ(inverted deoxy abasic cap)が挙げられる。アンチセンス化合物の一端または両端にキャップをすることでヌクレアーゼ安定性を付与するために使用できる、さらなる3’安定化基及び5’安定化基には、WO03/004602(公開日2003年1月16日)に記載のものが含まれる。
【0334】
細胞培養及びアンチセンス化合物処理
アンチセンス化合物がSOD-1核酸の濃度、活性、または発現に与える効果は、さまざまな細胞タイプにおいて生体外で試験することができる。そのような解析に使用される細胞タイプは、商業的供給業者(例えば、American Type Culture
Collection,Manassus,VA; Zen-Bio,Inc.,Research Triangle Park,NC; Clonetics Corporation,Walkersville,MD)から入手可能であり、供給業者の指示書に従い市販の試薬(例えば、Invitrogen Life Technologies,Carlsbad,CA)を用いて培養される。例示的な細胞タイプには、HepG2細胞、Hep3B細胞、初代肝細胞、A431細胞、SH-SY5Y細胞が挙げられるが、これらに限定されない。
【0335】
オリゴヌクレオチドの生体外試験
本明細書には、細胞をオリゴヌクレオチドで処理するための方法を記載するが、この方法には、他のアンチセンス化合物で処理するために適宜変更を加えることができる。
【0336】
細胞は、細胞が培養中で約60~80%コンフルエントな状態に達した時に、オリゴヌクレオチドで処理することができる。
【0337】
培養細胞にオリゴヌクレオチドを導入するためによく使用される試薬の一つに、カチオン性脂質トランスフェクション試薬LIPOFECTIN(Invitrogen,Carlsbad,CA)がある。オリゴヌクレオチドをOPTI-MEM1(Invitrogen,Carlsbad,CA)中でLIPOFECTINと混合することで、オリゴヌクレオチドの所望の最終濃度と、オリゴヌクレオチド100nMあたり2~12ug/mLの範囲に及び得るLIPOFECTIN濃度とを達成することができる。
【0338】
培養細胞へのオリゴヌクレオチド導入に使用される別の試薬に、LIPOFECTAMINE(Invitrogen,Carlsbad,CA)がある。オリゴヌクレオチドをOPTI-MEM1低血清培地(Invitrogen,Carlsbad,CA)中でLIPOFECTAMINEと混合することで、所望のオリゴヌクレオチド濃度と、オリゴヌクレオチド100nMあたり2~12ug/mLの範囲に及び得るLIPOFECTAMINE濃度とを達成する。
【0339】
培養細胞へのオリゴヌクレオチド導入に使用される別の技法に、電気穿孔法がある。
【0340】
細胞は、常法によりオリゴヌクレオチドで処理される。細胞を、オリゴヌクレオチド処理から16~24時間後に回収し得、その時、標的核酸のRNA濃度またはタンパク質レベルを当技術分野で公知の、そして本明細書に記載の方法により測定する。一般に、複数の複製試料に処理を行う場合は、それら複製試料処理の平均としてデータを表す。
【0341】
使用するオリゴヌクレオチドの濃度は、細胞株ごとに異なる。ある特定の細胞株について最適なオリゴヌクレオチド濃度を決定するための方法は、当技術分野では周知である。LIPOFECTAMINEを用いてトランスフェクションする場合、オリゴヌクレオチドは、典型的には、1nM~300nMの濃度範囲で使用される。電気穿孔法によるトランスフェクションの場合は、それより高い625nMから20,000nMの濃度範囲でオリゴヌクレオチドを使用する。
【0342】
RNAの単離
RNA分析は、全細胞RNAまたはポリ(A)+mRNAで実施可能である。RNAの単離方法は、当技術分野において周知である。RNAは、当技術分野において周知の方法を使用して、例えばTRIZOL試薬(Invitrogen,Carlsbad,CA)を製造者が推奨するプロトコルに従って使用して、調製される。
【0343】
標的のレベルまたは発現の阻害に関する分析
SOD-1核酸の濃度または発現の阻害については、当技術分野で公知の多種多様な方法でアッセイすることができる。例えば、標的核酸濃度は、例えばノーザンブロット分析、競合ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、または定量リアルタイムPCRで定量できる。RNA分析は、全細胞RNAまたはポリ(A)+mRNAで実施可能である。RNAの単離方法は、当技術分野において周知である。ノーザンブロット分析もまた、当技術分野で常法である。定量リアルタイムPCRは、PE-Applied Biosystems,Foster City、CAから入手でき製造者の指示書に従い使用される市販のABI PRISM7600、7700、または7900Sequence Detection Systemを用いて好都合に実現することができる。
【0344】
標的RNAレベルの定量リアルタイムPCR分析
標的RNAレベルの定量は、ABI PRISM7600、7700、または7900
Sequence Detection System(PE-Applied Biosystems,Foster City,CA)を製造者の指示書に従って使用して、定量リアルタイムPCRにより実現し得る。定量リアルタイムPCRの方法は当技術分野において周知である。
【0345】
リアルタイムPCRに先立ち、単離されたRNAを逆転写酵素(RT)反応に供する。これにより相補的DNA(cDNA)が生成され、これが、次にリアルタイムPCR増幅用の基質として使用される。RT反応及びリアルタイムPCR反応を同じ試料ウェルにて順次実施する。RT試薬及びリアルタイムPCR試薬はInvitrogen(Carlsbad,CA)から入手し得る。RTリアルタイムPCR反応は、当業者に公知の方法で行われる。
【0346】
リアルタイムPCRにより得られた遺伝子(またはRNA)標的量は、発現が一定である遺伝子、例えばシクロフィリンAの発現レベルを用いて、またはRIBOGREEN(Invitorogen,Inc.Carlsbad,CA)を使用した全RNAの定量化により正規化される。シクロフィリンAの発現は、リアルタイムPCRにより、標的と同時に、多重化して、または別々に実施することによって定量される。全RNAは、RIBOGREEN RNA定量試薬(Invetrogen,Inc.Eugene,OR)を使って定量される。RIBOGREENでRNAを定量する方法は、Jones,L.J.,et al,(Analytical Biochemistry,1998,265,368-374)中のSOD-1ghtである。RIBOGREEN蛍光の測定には、CYTOFLUOR4000装置(PE Applied Biosystems)が使用される。
【0347】
プローブ及びプライマーはSOD-1核酸にハイブリダイズするように設計される。リアルタイムPCR用のプローブ及びプライマーを設計する方法は当技術分野で周知であり、PRIMER EXPRESS Software(Applied Biosystems,Foster City,CA)などのソフトウェアの使用が含まれ得る。
【0348】
タンパク質レベルの分析
SOD-1核酸のアンチセンス阻害は、SOD-1タンパク質レベルを測定することにより評価することができる。SOD-1のタンパク質レベルは、当技術分野で周知のさまざまな手法、例えば免疫沈降法、ウエスタンブロット分析(免疫ブロット法)、酵素免疫吸着測定法(ELISA)、定量的タンパク質アッセイ、タンパク質活性アッセイ(例えばカスパーゼ活性アッセイ)、免疫組織化学、免疫細胞化学、または蛍光活性化細胞分類(FACS)などで評価し、または定量することが可能である。標的に対する抗体は、抗体のMSRSカタログ(Aerie Corporation、Birmingham、MI)などのさまざまな供給源により同定及び入手可能であり、または、当技術分野で周知である従来のモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体生成方法により調製することができる。ある特定の実施形態において、本明細書の化合物は、タンパク質レベルの低減に改良をもたらす。
【0349】
アンチセンス化合物の生体内試験
アンチセンス化合物、例えば、修飾オリゴヌクレオチドがSOD-1の発現を阻害し、運動機能の改善などの表現型変化を生じさせる能力を評価するため、これらの化合物を動物で試験する。ある特定の実施形態において、運動機能は、動物における歩行開始動作の分析、ロータロッド、握力、棒のぼり、オープンフィールド行動、平均台、後肢フットプリント試験によって測定される。試験は、正常動物で、または実験用疾患モデルで実施され得る。動物への投与用に、オリゴヌクレオチドを、リン酸緩衝生理食塩水などの薬理学的に許容される希釈剤に配合する。投与としては、腹腔内投与、静脈内投与、及び皮下投
与などの非経口投与経路が挙げられる。オリゴヌクレオチドの投薬量及び投与頻度は、例えば限定するわけではないが、投与経路及び動物の体重などといった複数の因子に依存する。オリゴヌクレオチドを用いた処置期間後、RNAをCNS組織またはCSFから単離して、SOD-1核酸発現の変化を測定する。
【0350】
ある特定の適応
ある特定の実施形態では、本明細書に記載する1つ以上の医薬組成物を投与することを含む、個体を処置する方法、化合物、及び組成物を、ここに提供する。ある特定の実施形態において、前記個体は神経変性疾患を有する。ある特定の実施形態において、前記個体には、限定するわけではないが筋萎縮性側索硬化症(ALS)を含む、神経変性疾患を発症するリスクがある。ある特定の実施形態において、前記個体は、SOD-1関連疾患を有すると特定されている。ある特定の実施形態では、ある個体におけるSOD-1発現を予防的に低減する方法を、ここに提供する。ある特定の実施形態は、治療有効量の、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物を、個体に投与することによって、処置を必要とする個体を処置することを含む。
【0351】
一実施形態において、治療有効量の、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物の投与は、アンチセンス化合物の投与に対する個体の応答を決定するために、個体におけるSOD-1レベルをモニタリングすることをともなう。医師はアンチセンス化合物の投与に対する個体の応答を使って、治療的介入の量及び継続時間を決定することができる。
【0352】
ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物の投与は、SOD-1発現の少なくとも15、20、25、30、35、40、45、50、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%の低減、またはこれらの値のいずれか2つによって画定される範囲の低減をもたらす。ある特定の実施形態において、SOD-1核酸を標的とするアンチセンス化合物の投与は、動物における運動機能の改善をもたらす。ある特定の実施形態において、SOD-1アンチセンス化合物の投与は、運動機能を、少なくとも15、20、25、30、35、40、45、50、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、若しくは100%、またはこれらの値のいずれか2つによって画定される範囲で改善する。
【0353】
ある特定の実施形態では、SOD-1を標的とするアンチセンス化合物を含む医薬組成物が、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を含む神経変性疾患を患っているまたはそのような神経変性疾患に罹りやすい患者を処置するための医薬品の調製に使用される。
【0354】
ある特定の比較用組成物
ヒトSOD-1を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドは、以前の刊行物に記載されている(参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWO2005/040180を参照されたい)。本明細書に記載する新しいアンチセンス化合物の選択スクリーニングでは、その全体を通して、前記刊行物に記載されているいくつかのオリゴヌクレオチド(ISIS333611、ISIS146144、ISIS146145、ISIS150437、ISIS150441、ISIS150443、ISIS150444、ISIS150445、ISIS150446、ISIS150447、ISIS150448、ISIS150449、ISIS150452、ISIS150454、ISIS150458、ISIS150460、ISIS150462~150467、ISIS150470、ISIS150472、ISIS150474、ISIS150475、ISIS150476、ISIS150479~150483、ISIS150488、ISIS150489、ISIS150490、ISIS150491~150493、ISIS150495~150498、ISIS150511、ISIS333605、ISIS333606、ISIS333609~333617、ISIS333619、ISIS333620~333636、ISIS333638、及びISIS333640)を、比較用化合物として使用した。
【0355】
ある特定の実施形態では、(5’から3’に向かって)CCGTCGCCCTTCAGCACGCA(配列番号21として本明細書に組み込まれる)という配列を有する5-10-5MOEギャップマーであって、各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合であり、各シトシンは5-メチルシトシンであり、かつ(5’から3’に向かって)ヌクレオシド1~5及びヌクレオシド16~20のそれぞれが2’-O-メトキシエチル部分を含むISIS333611を、比較用化合物として使用した。ISIS333611は、WO2005/040180に記載されているとおり、さまざまな研究において高レベルの用量依存的阻害を呈するので、これを比較用化合物として選択した。加えて、ISIS333611を使った第1相ヒト臨床試験が完了している。MILLER et al.「An antisense oligonucleotide against SOD1 delivered intrathecally for patients with SOD1 familial amyotrophic lateral sclerosis: a phase 1,randomised,first-in-man study」Lancet Neurol.(2013)12(5):435-442を参照されたい。したがってISIS333611は効力が高くかつ強力な化合物であり、安全性プロファイルも許容できる(ヒト患者で試験されたほどである)とみなされた。
【0356】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載する化合物は、WO 2005/040180に記載のアンチセンス化合物と比較して1つ以上の改良された特性による恩恵を受ける。それら改良された特性のいくつかは、ここに提供する実施例で実証する。ある特定の実施形態では、本明細書に記載する化合物の方が、さまざまな生体外及び生体内試験において、ISIS333611を含む本明細書に記載の比較用化合物よりも効力が高く、強力であり、かつ/または忍容性が高い。ある特定の実施形態では、ISIS666853、ISIS666859、ISIS666919、ISIS666921、ISIS666922、ISIS666869、ISIS666870、及びISIS666867の方が、さまざまな生体外及び生体内試験において、ISIS333611を含む本明細書に記載の比較用化合物よりも、効力が高く、かつ/または強力である。ある特定の実施形態では、ISIS666853、ISIS666859、ISIS666919、ISIS666921、ISIS666922、ISIS666869、ISIS666870、及びISIS666867の方が、動物での1つ以上の忍容性アッセイにおいて、ISIS333611を含む本明細書に記載の比較用化合物よりも忍容性が高い。これは、333611がヒト臨床試験に進めるほど十分に高い忍容性を持つにもかかわらず、そうである。
【0357】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載する特定の化合物は、ヒト細胞で試験した場合に、例えばHepG2 A431またはSH-SY5Y細胞株で試験した場合に、生体外IC50が2μM未満、1.9μM未満、1.8μM未満、1.7μM未満、1.6μM未満、1.5μM未満、1.4μM未満、1.3μM未満、1.2μM未満、1.1μM未満、1μM未満、0.9μM未満、0.8μM未満、0.7μM未満、0.6μM未満、または 0.5μM未満、0.4μM未満、0.3μM未満、0.2μM未満、0.1μM未満であるため、比較用化合物よりも効力が高い(例えば実施例6~11参照)。
【0358】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載するある特定の化合物は、生体内でのSOD-1発現を阻害するその能力ゆえに、比較用化合物より効力が高い。ある特定の実施形態において、それらの化合物は、例えばトランスジェニック動物モデルにおいて、腰髄及び頸髄中のSOD-1を、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%阻害する。
【0359】
ある特定の実施形態において、本明細書に記載するある特定の化合物は、ラット、マウス、及び/またはサルにおける低減したミクログリアマーカーレベル(例えばIBA1)、低減したアストロサイトマーカーレベル(例えばGFAP)、及び/またはFOBスコアからすると、比較用化合物より忍容性が高い。例えば実施例14、15、18、及び19を参照されたい。
【0360】
ISIS666853
例えば実施例12(下記)で述べるように、PBSに希釈した16.67mg/mlのオリゴヌクレオチド溶液30μL(最終用量500μg)を投与した場合、ISIS666853では、SOD-1トランスジェニックラットモデルの腰髄において81%の阻害が、また頸髄において74%の阻害が達成されたのに対し、ISIS333611で達成された阻害は、腰髄において51%、頸髄において47%であった。
【0361】
例えば実施例14(下記)で述べるように、スプレーグ・ドーリーラットにおいて、3mgのオリゴヌクレオチドで処置した場合、3時間後に、ISIS666853では、0のFOBスコアが達成されたのに対し、ISIS333611が達成したFOBスコアは4であった。ミクログリアマーカー(IBA1)レベル及びアストロサイトマーカー(GFAP)レベルも、ISIS666853処置ラットでは、ISIS333611処置ラットと比較して低減した。
【0362】
例えば実施例15(下記)で述べるように、10、30、100、300、または3000μgのオリゴヌクレオチドで髄腔内処置した場合、ISIS666853では、SOD-1トランスジェニックラットの腰部組織及び頸部組織において(それぞれ)81.3及び242.6のED50が達成された。ISIS333611で処置したトランスジェニックラットでは、試験した最高濃度(3000μg)でも55~65%を上回るヒトSOD-1 mRNAの阻害が得られなかったので、腰部組織及び頸部組織におけるED50を算出することができなかった。
【0363】
例えば実施例16(下記)で述べるように、ISIS666853では、1mg及び3mgの用量で、(それぞれ)0.0及び0.5の3時間FOBスコアが達成されたのに対し、ISIS333611で達成されたFOBスコアは(それぞれ)3.0及び4.9であった。1mg及び3mgの用量で、ISIS666853では、(それぞれ)0.0及び0.0の8週間FOBスコアが達成されたのに対し、ISIS333611で達成されたFOBスコアは(それぞれ)0.0及び1.2であった。
【0364】
例えば実施例17(下記)で述べるように、10、30、100、300、または700μgのオリゴヌクレオチドの脳室内ボーラスで処置した場合、SOD-1トランスジェニックマウスにおいて、ISIS666853では、腰部組織及び皮質組織において(それぞれ)136及び188のED50が達成されたのに対し、ISIS333611で達成されたED50は腰部組織及び皮質組織において(それぞれ)401及び786であった。
【0365】
例えば実施例18(下記)で述べるように、700μgのオリゴヌクレオチドで処置した場合、3時間後のC57bl6マウスにおいて、ISIS666853では1.25のFOBスコアが達成されたのに対し、ISIS333611で達成されたFOBスコアは6.5であった。ミクログリアマーカー(IBA1)レベル及びアストロサイトマーカー(GFAP)レベルも、ISIS666853で処置したマウスでは、ISIS333611で処置したマウスと比較して低減していた。
【0366】
ISIS666859
例えば実施例12(下記)で述べるように、PBSに希釈した16.67mg/mlのオリゴヌクレオチド溶液30μL(最終用量500μg)を投与した場合、ISIS666859では、SOD-1トランスジェニックラットモデルの腰髄において79%の阻害が、また頸髄において64%の阻害が達成されたのに対し、ISIS333611で達成された阻害は、腰髄において51%、頸髄において47%であった。
【0367】
例えば実施例14(下記)で述べるように、スプレーグ・ドーリーラットにおいて、3mgのオリゴヌクレオチドで処置した場合、3時間後に、ISIS666859では、1のFOBスコアが達成されたのに対し、ISIS333611が達成したFOBスコアは4であった。ミクログリアマーカー(IBA1)レベル及びアストロサイトマーカー(GFAP)レベルも、ISIS666859処置ラットでは、ISIS333611処置ラットと比較して低減した。
【0368】
例えば実施例15(下記)で述べるように、10、30、100、300、または3000μgのオリゴヌクレオチドで髄腔内処置した場合、ISIS666859では、SOD-1トランスジェニックラットの腰部組織及び頸部組織において(それぞれ)74.0及び358.8のED50が達成された。ISIS333611で処置したトランスジェニックラットでは、試験した最高濃度(3000μg)でも55~65%を上回るヒトSOD-1 mRNAの阻害が得られなかったので、腰部組織及び頸部組織におけるED50を算出することができなかった。
【0369】
例えば実施例16(下記)で述べるように、ISIS666859では、1mg及び3mgの用量で、(それぞれ)0.0及び2.1の3時間FOBスコアが達成されたのに対し、ISIS333611で達成されたFOBスコアは(それぞれ)3.0及び4.9であった。1mg及び3mgの用量で、ISIS666859では、(それぞれ)0.0及び0.3の8週間FOBスコアが達成されたのに対し、ISIS333611で達成されたFOBスコアは(それぞれ)0.0及び1.2であった。
【0370】
例えば実施例17(下記)で述べるように、10、30、100、300、または700μgのオリゴヌクレオチドの脳室内ボーラスで処置した場合、SOD-1トランスジェニックマウスにおいて、ISIS666859では、腰部組織及び皮質組織において(それぞれ)106及び206のED50が達成されたのに対し、ISIS333611で達成されたED50は腰部組織及び皮質組織において(それぞれ)401及び786であった。
【0371】
例えば実施例18(下記)で述べるように、700μgのオリゴヌクレオチドで処置した場合、3時間後のC57bl6マウスにおいて、ISIS666859では1.75のFOBスコアが達成されたのに対し、ISIS333611で達成されたFOBスコアは6.5であった。ミクログリアマーカー(IBA1)レベル及びアストロサイトマーカー(GFAP)レベルも、ISIS666859で処置したマウスでは、ISIS3336
11で処置したマウスと比較して低減していた。
【0372】
ISIS666919
例えば実施例12(下記)で述べるように、PBSに希釈した16.67mg/mlのオリゴヌクレオチド溶液30μL(最終用量500μg)を投与した場合、ISIS666919では、SOD-1トランスジェニックラットモデルの腰髄において76%の阻害が、また頸髄において68%の阻害が達成されたのに対し、ISIS333611で達成された阻害は、腰髄において51%、頸髄において47%であった。
【0373】
例えば実施例14(下記)で述べるように、スプレーグ・ドーリーラットにおいて、3mgのオリゴヌクレオチドで処置した場合、3時間後に、ISIS666919では、2のFOBスコアが達成されたのに対し、ISIS333611が達成したFOBスコアは4であった。ミクログリアマーカー(IBA1)レベル及びアストロサイトマーカー(GFAP)レベルも、ISIS666919処置ラットでは、ISIS333611処置ラットと比較して低減した。
【0374】
例えば実施例15(下記)で述べるように、10、30、100、300、または3000μgのオリゴヌクレオチドで髄腔内処置した場合、ISIS666919では、SOD-1トランスジェニックラットの腰部組織及び頸部組織において(それぞれ)104.1及び613.5のED50が達成された。ISIS333611で処置したトランスジェニックラットでは、試験した最高濃度(3000μg)でも55~65%を上回るヒトSOD-1 mRNAの阻害が得られなかったので、腰部組織及び頸部組織におけるED50を算出することができなかった。
【0375】
例えば実施例16(下記)で述べるように、ISIS666919では、1mg及び3mgの用量で(それぞれ)1.3及び3.5の3時間FOBスコアが達成されたのに対し、ISIS333611で達成されたFOBスコアは(それぞれ)3.0及び4.9であった。1mg及び3mgの用量で、ISIS666919では、(それぞれ)0.0及び0.1の8週間FOBスコアが達成されたのに対し、ISIS333611で達成されたFOBスコアは(それぞれ)0.0及び1.2であった。
【0376】
例えば実施例17(下記)で述べるように、10、30、100、300、または700μgのオリゴヌクレオチドの脳室内ボーラスで処置した場合、SOD-1トランスジェニックマウスにおいて、ISIS666919では、腰部組織において168のED50が達成されたのに対し、ISIS333611で達成された腰部組織におけるED50は401であった。
【0377】
例えば実施例18(下記)で述べるように、700μgのオリゴヌクレオチドで処置した場合、3時間後のC57bl6マウスにおいて、ISIS666919では0.0のFOBスコアが達成されたのに対し、ISIS333611で達成されたFOBスコアは6.5であった。ミクログリアマーカー(IBA1)レベル及びアストロサイトマーカー(GFAP)レベルも、ISIS666919で処置したマウスでは、ISIS333611で処置したマウスと比較して低減していた。
【0378】
ISIS666921
例えば実施例12(下記)で述べるように、PBSに希釈した16.67mg/mlのオリゴヌクレオチド溶液30μL(最終用量500μg)を投与した場合、ISIS66621では、SOD-1トランスジェニックラットモデルの腰髄において71%の阻害が、また頸髄において65%の阻害が達成されたのに対し、ISIS333611で達成された阻害は、腰髄において51%、頸髄において47%であった。
【0379】
例えば実施例14(下記)で述べるように、スプレーグ・ドーリーラットにおいて、3mgのオリゴヌクレオチドで処置した場合、3時間後に、ISIS666921では、2のFOBスコアが達成されたのに対し、ISIS333611が達成したFOBスコアは4であった。ミクログリアマーカー(IBA1)レベル及びアストロサイトマーカー(GFAP)レベルも、ISIS666919処置ラットでは、ISIS333611処置ラットと比較して低減した。
【0380】
ISIS666922
例えば実施例12(下記)で述べるように、PBSに希釈した16.67mg/mlのオリゴヌクレオチド溶液30μL(最終用量500μg)を投与した場合、ISIS666922では、SOD-1トランスジェニックラットモデルの腰髄において67%の阻害が、また頸髄において62%の阻害が達成されたのに対し、ISIS333611で達成された阻害は、腰髄において51%、頸髄において47%であった。
【0381】
例えば実施例14(下記)で述べるように、スプレーグ・ドーリーラットにおいて、3mgのオリゴヌクレオチドで処置した場合、3時間後に、ISIS666922では、3のFOBスコアが達成されたのに対し、ISIS333611が達成したFOBスコアは4であった。ミクログリアマーカー(IBA1)レベル及びアストロサイトマーカー(GFAP)レベルも、ISIS666919処置ラットでは、ISIS333611処置ラットと比較して低減した。
【0382】
ISIS666869
例えば実施例12(下記)で述べるように、PBSに希釈した16.67mg/mlのオリゴヌクレオチド溶液30μL(最終用量500μg)を投与した場合、ISIS666869は、SOD-1トランスジェニックラットモデルの腰髄において82%の阻害が、また頸髄において81%の阻害が達成されたのに対し、ISIS333611で達成された阻害は、腰髄において51%、頸髄において47%であった。
【0383】
ISIS666870
例えば実施例12(下記)で述べるように、PBSに希釈した16.67mg/mlのオリゴヌクレオチド溶液30μL(最終用量500μg)を投与した場合、ISIS666870では、SOD-1トランスジェニックラットモデルの腰髄において76%の阻害が、また頸髄において68%の阻害が達成されたのに対し、ISIS333611で達成された阻害は、腰髄において51%、頸髄において47%であった。
【0384】
例えば実施例15(下記)で述べるように、10、30、100、300、または3000μgのオリゴヌクレオチドで髄腔内処置した場合、ISIS666870では、SOD-1トランスジェニックラットの腰部組織及び頸部組織において(それぞれ)139.4及び1111のED50が達成された。ISIS333611で処置したトランスジェニックラットでは、試験した最高濃度(3000μg)でも55~65%を上回るヒトSOD-1 mRNAの阻害が得られなかったので、腰部組織及び頸部組織におけるED50を算出することができなかった。
【0385】
例えば実施例17(下記)で述べるように、10、30、100、300、または700μgのオリゴヌクレオチドの脳室内ボーラスで処置した場合、SOD-1トランスジェニックマウスにおいて、ISIS666870では、腰部組織及び皮質組織において(それぞれ)148及び409のED50が達成されたのに対し、ISIS333611で達成されたED50は、腰部組織及び皮質組織において(それぞれ)401及び786であった。
【0386】
例えば実施例18(下記)で述べるように、700μgのオリゴヌクレオチドで処置した場合、3時間後のC57bl6マウスにおいて、ISIS666870では4.75のFOBスコアが達成されたのに対し、ISIS333611で達成されたFOBスコアは6.5であった。
【0387】
ISIS666867
例えば実施例12(下記)で述べるように、PBSに希釈した16.67mg/mlのオリゴヌクレオチド溶液30μL(最終用量500μg)を投与した場合、ISIS666867では、SOD-1トランスジェニックラットモデルの腰髄において59%の阻害が、また頸髄において48%の阻害が達成されたのに対し、ISIS333611で達成された阻害は、腰髄において51%、頸髄において47%であった。
【0388】
ある特定の組成物
1.ISIS666853
ある特定の実施形態において、ISIS666853は、(5’から3’に向かって)CAGGATACATTTCTACAGCTの配列(配列番号725として本明細書に組み込まれる)を有する5-10-5MOEギャップマーであって、ヌクレオシド1~5及びヌクレオシド16~20のそれぞれは2’-O-メトキシエチルリボース修飾ヌクレオシドであり、ヌクレオシド6~15のそれぞれは2’-デオキシヌクレオシドであり、ヌクレオシド2~3、4~5、16~17、及び18~19間のヌクレオシド間結合はホスホジエステル結合であり、ヌクレオシド1~2、3~4、5~6、6~7、7~8、8~9、9~10、10~11、11~12、12~13、13~14、14~15、15~16、17~18、及び19~20間のヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合であり、かつ各シトシンは5’-メチルシトシンであると特徴づけられる。
【0389】
ある特定の実施形態において、ISIS666853は以下の化学表記によって記述される:
mCes Aeo Ges Geo Aes Tds Ads mCds Ads Tds Tds Tds mCds Tds Ads mCeo Aes Geo mCes
Te;
ここで、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合。
【0390】
ある特定の実施形態において、ISIS666853は以下の化学構造によって記述される:
【0391】
【化20】
【0392】
2.ISIS666859
ある特定の実施形態において、ISIS666859は、17個のヌクレオシドからなる核酸塩基配列(5’から3’に向かって)TTAATGTTTATCAGGAT(配列番号1351として本明細書に組み込まれる)を有する修飾オリゴヌクレオチドであって、ヌクレオシド1~4及びヌクレオシド15~17のそれぞれは2’-O-メトキシエチルリボースヌクレオシドであり、ヌクレオシド13及び14のそれぞれはcEt修飾ヌクレオシドであり、ヌクレオシド5~12のそれぞれは2’-デオキシリボヌクレオシドであり、ヌクレオシド2~3、3~4、13~14、14~15間のヌクレオシド間結合はホスホジエステル結合であり、ヌクレオシド1~2、4~5、5~6、6~7、7~8、8~9、9~10、10~11、11~12、12~13、15~16、及び16~17間のヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合であり、かつ各シトシンは5’-メチルシトシンであると特徴づけられる。
【0393】
ある特定の実施形態において、ISIS666859は以下の化学表記によって記述される:
Tes Teo Aeo Aes Tds Gds Tds Tds Tds Ads Tds mCds Ako Gko Ges Aes Te;
ここで、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
k=cEt修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合。
【0394】
ある特定の実施形態において、ISIS666859は以下の化学構造によって記述される:
【0395】
【化21】
【0396】
3.ISIS666919
ある特定の実施形態において、ISIS666919は、17個のヌクレオシドからなる核酸塩基配列(5’から3’に向かって)GGATACATTTCTACAGC(配列番号1342として本明細書に組み込まれる)を有する修飾オリゴヌクレオチドであって、ヌクレオシド1~4及びヌクレオシド16~17のそれぞれは2’-O-メトキシエチルリボース修飾ヌクレオシドであり、ヌクレオシド14及び15のそれぞれはcEt修飾ヌクレオシドであり、ヌクレオシド5~13のそれぞれは2’-デオキシリボヌクレオシドであり、ヌクレオシド2~3、3~4、4~5、及び14~15間のヌクレオシド間結合はホスホジエステル結合であり、ヌクレオシド1~2、5~6、6~7、7~8、8~9、9~10、10~11、11~12、12~13、13~14、15~16、及び16~17間のヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合であり、かつ各シトシンは5’-メチルシトシンであると特徴づけられる。
【0397】
ある特定の実施形態において、ISIS666919は以下の化学表記によって記述さ
れる:
Ges Geo Aeo Teo Ads mCds Ads Tds Tds Tds
mCds Tds Ads mCko Aks Ges mCe;
ここで、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
k=cEt修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合。
【0398】
ある特定の実施形態において、ISIS666919は以下の化学構造によって記述される:
【0399】
【化22】
【0400】
4.ISIS666921
ある特定の実施形態において、ISIS666921は、17個のヌクレオシドからなる核酸塩基配列(5’から3’に向かって)GGATACATTTCTACAGC(配列番号1342として本明細書に組み込まれる)を有する修飾オリゴヌクレオチドであって、ヌクレオシド1~5及びヌクレオシド16~17のそれぞれは2’-O-メトキシエチルリボース修飾ヌクレオシドであり、ヌクレオシド14~15のそれぞれはcEt修飾ヌクレオシドであり、ヌクレオシド6~13のそれぞれは2’-デオキシリボヌクレオシド
であり、ヌクレオシド2~3、3~4、4~5、及び14~15間のヌクレオシド間結合はホスホジエステル結合であり、ヌクレオシド1~2、5~6、6~7、7~8、8~9、9~10、10~11、11~12、12~13、13~14、15~16、及び16~17間のヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合であり、かつ各シトシンは5’-メチルシトシンであると特徴づけられる。
【0401】
ある特定の実施形態において、ISIS666921は以下の化学表記によって記述される:
Ges Geo Aeo Teo Aes mCds Ads Tds Tds Tds
mCds Tds Ads mCko Aks Ges mCe;
ここで、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
k=cEt修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合。
【0402】
ある特定の実施形態において、ISIS666921は以下の化学構造によって記述される:
【0403】
【化23】
【0404】
5.ISIS666922
ある特定の実施形態において、ISIS666922は、17個のヌクレオシドからなる核酸塩基配列(5’から3’に向かって)GGATACATTTCTACAGC(配列番号1342として本明細書に組み込まれる)を有する修飾オリゴヌクレオチドであって、ヌクレオシド1~4及びヌクレオシド15~17のそれぞれは2’-O-メトキシエチルリボース修飾ヌクレオシドであり、ヌクレオシド5及び14のそれぞれはcEt修飾ヌクレオシドであり、ヌクレオシド6~13のそれぞれは2’-デオキシリボヌクレオシドであり、ヌクレオシド2~3、3~4、4~5、及び14~15間のヌクレオシド間結合はホスホジエステル結合であり、ヌクレオシド1~2、5~6、6~7、7~8、8~9、9~10、10~11、11~12、12~13、13~14、15~16、及び16~17間のヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合であり、かつ各シトシンは5’-メチルシトシンであると特徴づけられる。
【0405】
ある特定の実施形態において、ISIS666922は以下の化学表記によって記述される:
Ges Geo Aeo Teo Aks mCds Ads Tds Tds Tds
mCds Tds Ads mCko Aes Ges mCe;
ここで、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
k=cEt修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合。
【0406】
ある特定の実施形態において、ISIS666922は以下の化学構造によって記述される:
【0407】
【化24】
【0408】
6.ISIS666869
ある特定の実施形態において、ISIS666869は、17個のヌクレオシドからなる核酸塩基配列(5’から3’に向かって)AGTGTTTAATGTTTATC(配列番号1173として本明細書に組み込まれる)を有する修飾オリゴヌクレオチドであって、ヌクレオシド1、3、14、及び16~17のそれぞれは2’-O-メトキシエチルリボース修飾ヌクレオシドであり、ヌクレオシド2、4、13、及び15のそれぞれはcEt修飾ヌクレオシドであり、ヌクレオシド5~12のそれぞれは2’-デオキシリボヌクレオシドであり、ヌクレオシド2~3、3~4、13~14、及び14~15間のヌクレオシド間結合はホスホジエステル結合であり、ヌクレオシド1~2、4~5、5~6、6~7、7~8、8~9、9~10、10~11、11~12、12~13、15~16、及び16~17間のヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合であり、かつ各シトシンは5’-メチルシトシンであると特徴づけられる。
【0409】
ある特定の実施形態において、ISIS666869は以下の化学表記によって記述される:
Aes Gko Teo Gks Tds Tds Tds Ads Ads Tds Gds Tds Tko Teo Aks Tes mCe;
ここで、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
k=cEt修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合。
【0410】
ある特定の実施形態において、ISIS666869は以下の化学構造によって記述される:
【0411】
【化25】
【0412】
7.ISIS666870
ある特定の実施形態において、ISIS666870は、17個のヌクレオシドからなる核酸塩基配列(5’から3’に向かって)AGTGTTTAATGTTTATC(配列番号1173として本明細書に組み込まれる)を有する修飾オリゴヌクレオチドであって、ヌクレオシド1、3、13~17のそれぞれは2’-O-メトキシエチルリボース修飾ヌクレオシドであり、ヌクレオシド2及び4のそれぞれはcEt修飾ヌクレオシドであり、ヌクレオシド5~12のそれぞれは2’-デオキシリボヌクレオシドであり、ヌクレオシド2~3、3~4、13~14、及び14~15間のヌクレオシド間結合はホスホジエステル結合であり、ヌクレオシド1~2、4~5、5~6、6~7、7~8、8~9、9~10、10~11、11~12、12~13、15~16、及び16~17間のヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合であり、かつ各シトシンは5’-メチルシトシンであると特徴づけられる。
【0413】
ある特定の実施形態において、ISIS666870は以下の化学表記によって記述される:
Aes Gko Teo Gks Tds Tds Tds Ads Ads Tds
Gds Tds Teo Teo Aes Tes mCe;
ここで、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
k=cEt修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合。
【0414】
ある特定の実施形態において、ISIS666870は以下の化学構造によって記述される:
【0415】
【化26】
【0416】
8.ISIS666867
ある特定の実施形態において、ISIS666867は、17個のヌクレオシドからなる核酸塩基配列(5’から3’に向かって)AGTGTTTAATGTTTATC(配列番号1173として本明細書に組み込まれる)を有する修飾オリゴヌクレオチドであって、ヌクレオシド1~2及びヌクレオシド13~17のそれぞれは2’-O-メトキシエチルリボース修飾ヌクレオシドであり、ヌクレオシド3及び4のそれぞれはcEt修飾ヌクレオシドであり、ヌクレオシド5~12のそれぞれは2’-デオキシリボヌクレオシドであり、ヌクレオシド2~3、3~4、13~14、及び14~15間のヌクレオシド間結
合はホスホジエステル結合であり、ヌクレオシド1~2、4~5、5~6、6~7、7~8、8~9、9~10、10~11、11~12、12~13、15~16、及び16~17間のヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合であり、かつ各シトシンは5’-メチルシトシンであると特徴づけられる。
【0417】
ある特定の実施形態において、ISIS666867は以下の化学表記によって記述される:
Aes Geo Tko Gks Tds Tds Tds Ads Ads Tds Gds Tds Teo Teo Aes Tes mCe;
ここで、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
k=cEt修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合。
【0418】
ある特定の実施形態において、ISIS666867は以下の化学構造によって記述される:
【0419】
【化27】
本発明には以下の態様も含まれる。

態様1
12個~30個の連結されたヌクレオシドからなりかつ配列番号118~1461の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続する核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチド、を含む化合物。
態様2
12個~30個の連結されたヌクレオシドからなりかつ配列番号15、21、23、47、54、及び67の核酸塩基配列のいずれかの少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、または少なくとも20個の連続する核酸塩基を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチド、を含む化合物であって、少なくとも1つのヌクレオシド間結合がホスホジエステル結合である、前記化合物。
態様3
前記修飾オリゴヌクレオチドが混成バックボーンを有する、態様1に記載の化合物。
態様4
前記混成バックボーンモチーフが以下から選択される、実施形態3に記載の化合物:
sossssssssoooss、
sooossssssssoss、
sooosssssssssoss、
soosssssssssooss、
sooossssssssooss、
sooosssssssssooss、
sooossssssssssooss、
sooosssssssssssooos、
soooossssssssssooss、
sooosssssssssssooss、
sososssssssssssosos、及び
sooossssssssssoooss
(s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合)。
態様5
前記修飾オリゴヌクレオチドが以下のいずれかの糖化学モチーフを有する、先行態様のいずれか1つに記載の化合物:
abddddddddababaa、
babaddddddddabab、
aaaadddddddddbbaa、
aaaaddddddddababa、
aaaaddddddddbabaa、
aaaaddddddddbbaaa、
aaaaaddddddddbbaa、
aaaabddddddddbaaa、
aaaabdddddddbaaaa、
aaabddddddddbaaaa、
aaabbdddddddbbaaa、
aabbdddddddddbbaa、
aabbddddddddaaaaa、
aabbddddddddbbaaa、
ababddddddddaaaaa、
ababddddddddbabaa、及び
babaddddddddaaaaa
(e=任意の2’非二環式修飾糖、
b=任意の二環式修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖)。
態様6
前記修飾オリゴヌクレオチドが以下のいずれかの糖化学モチーフを有する、態様5に記載の化合物:
ekddddddddekekee、
kekeddddddddekek、
eeeedddddddddkkee、
eeeeddddddddekeke、
eeeeddddddddkekee、
eeeeddddddddkkeee、
eeeeeddddddddkkee、
eeeekddddddddkeee、
eeeekdddddddkeeee、
eeekddddddddkeeee、
eeekkdddddddkkeee、
eekkdddddddddkkee、
eekkddddddddeeeee、
eekkddddddddkkeee、
ekekddddddddeeeee、
ekekddddddddkekee、及び
kekeddddddddeeeee
(e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
k=cEt修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖)。
態様7
前記修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列が、配列番号1または配列番号2に対して
少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%相補的である、先行態様のいずれか1つに記載の化合物。
態様8
前記修飾オリゴヌクレオチドが一本鎖修飾オリゴヌクレオチドである、先行態様のいずれか1つに記載の化合物。
態様9
少なくとも1つのヌクレオシド間結合が修飾ヌクレオシド間結合である、態様1、2、及び5~8のいずれか1つに記載の化合物。
態様10
少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、態様9に記載の化合物。
態様11
各修飾ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、態様10に記載の化合物。
態様12
少なくとも1つのヌクレオシド間結合がホスホジエステルヌクレオシド間結合である、態様1、2、及び5~9のいずれか1つに記載の化合物。
態様13
少なくとも1つのヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合であり、かつ少なくとも1つのヌクレオシド間結合がホスホジエステル結合である、態様1、2、及び5~8のいずれか1つに記載の化合物。
態様14
少なくとも1つのヌクレオシドが修飾核酸塩基を含む、先行態様のいずれか1つに記載の化合物。
態様15
前記修飾核酸塩基が5-メチルシトシンである、態様14に記載の化合物。
態様16
前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシドが修飾糖を含む、態様1~4及び7~15のいずれか1つに記載の化合物。
態様17
前記少なくとも1つの修飾糖が二環式糖である、態様16に記載の化合物。
態様18
前記二環式糖が4’-CH(R)-O-2’架橋(式中、Rは、独立して、H、C ~C 12 アルキル、または保護基である)を含む、態様17に記載の化合物。
態様19
Rがメチルである、態様18に記載の化合物。
態様20
RがHである、態様18に記載の化合物。
態様21
前記少なくとも1つの修飾糖が2’-O-メトキシエチル基を含む、態様16に記載の化合物。
態様22
前記修飾オリゴヌクレオチドが、
8~10個の連結されたデオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;4~6個の連結されたヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
5~7個の連結されたヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント;を含み、前記ギャップセグメントは前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、かつ各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが修飾糖を含む、態様1~4及び7~21のいずれか1つに記載の化合物。
態様23
前記修飾オリゴヌクレオチドが、
10個の連結されたデオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
5個の連結されたヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
5個の連結されたヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント;
を含み、前記ギャップセグメントは前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、かつ各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが修飾糖を含む、態様22に記載の化合物。
態様24
前記修飾オリゴヌクレオチドが、
9個の連結されたデオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
5個の連結されたヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
5個の連結されたヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント;
を含み、前記ギャップセグメントは前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、かつ各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが修飾糖を含む、態様22に記載の化合物。
態様25
前記修飾オリゴヌクレオチドが、
8個の連結されたデオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
5個の連結されたヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
5個の連結されたヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント;
を含み、前記ギャップセグメントは前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、かつ各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが修飾糖を含む、態様22に記載の化合物。
態様26
前記修飾オリゴヌクレオチドが、
8個の連結されたデオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
4個の連結されたヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
5個の連結されたヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント;
を含み、前記ギャップセグメントは前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、かつ各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが修飾糖を含む、態様22に記載の化合物。
態様27
前記修飾オリゴヌクレオチドが、
8個の連結されたデオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
5個の連結されたヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
7個の連結されたヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント;
を含み、前記ギャップセグメントは前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、かつ各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが修飾糖を含む、態様22に記載の化合物。
態様28
前記修飾オリゴヌクレオチドが、
8個の連結されたデオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
6個の連結されたヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
6個の連結されたヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント;
を含み、前記ギャップセグメントは前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、かつ各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが修飾糖を含む、態様22に記載の化合物。
態様29
前記修飾オリゴヌクレオチドが、
9個の連結されたデオキシヌクレオシドからなるギャップセグメント;
6個の連結されたヌクレオシドからなる5’ウイングセグメント;及び
5個の連結されたヌクレオシドからなる3’ウイングセグメント;
を含み、前記ギャップセグメントは前記5’ウイングセグメントと前記3’ウイングセグメントの間に位置し、かつ各ウイングセグメントの各ヌクレオシドが修飾糖を含む、態様22に記載の化合物。
態様30
前記修飾オリゴヌクレオチドが12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の連結されたヌクレオシドからなる、態様1~3及び7~21のいずれか1つに記載の化合物。
態様31
以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
【化28】
態様32
以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
【化29】
態様33
以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
【化30】
態様34
以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
【化31】
態様35
以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
【化32】
態様36
以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
【化33】
態様37
以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
【化34】
態様38
以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドからなる化合物:
【化35】
態様39
以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物:
mCes Aeo Ges Geo Aes Tds Ads mCds Ads Tds Tds Tds mCds Tds Ads mCeo Aes Geo mCes Te
(A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合)。
態様40
以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物:
Tes Teo Aeo Aes Tds Gds Tds Tds Tds Ads Tds mCds Ako Gko Ges Aes Te
(A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
k=cEt修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合)。
態様41
以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物:
Ges Geo Aeo Teo Ads mCds Ads Tds Tds Tds mCds Tds Ads mCko Aks Ges mCe
(A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
k=cEt修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合)。
態様42
以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物:
Ges Geo Aeo Teo Aes mCds Ads Tds Tds Tds mCds Tds Ads mCko Aks Ges mCe
(A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
k=cEt修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合)。
態様43
以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物:
Ges Geo Aeo Teo Aks mCds Ads Tds Tds Tds mCds Tds Ads mCko Aes Ges mCe
(A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
k=cEt修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合)。
態様44
以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物:
Aes Gko Teo Gks Tds Tds Tds Ads Ads Tds Gds Tds Tko Teo Aks Tes mCe
(A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
k=cEt修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合)。
態様45
以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物:
Aes Gko Teo Gks Tds Tds Tds Ads Ads Tds Gds Tds Teo Teo Aes Tes mCe
(A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
k=cEt修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合)。
態様46
以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物:
Aes Geo Tko Gks Tds Tds Tds Ads Ads Tds Gds Tds Teo Teo Aes Tes mCe
(A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
k=cEt修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合)。
態様47
以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物:
mCes mCeo Geo Teo mCeo Gds mCds mCds mCds Tds Tds mCds Ads Gds mCds Aeo mCeo Ges mCes Ae
(A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合)。
態様48
以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物:
mCes mCeo Geo Teo mCes Gds mCds mCds mCds Tds Tds mCds Ads Ges mCeo Aeo mCeo Ges mCes Ae
(A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合)。
態様49
以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物:
mCes mCeo Geo Teo mCes Gds mCds mCds mCds Tds Tds mCds Ads Gds mCds Aeo mCeo Geo mCes Ae
(A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合)。
態様50
以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物:
Aes mCeo Aeo mCeo mCes Tds Tds mCds Ads mCds Tds Gds Gds Tds mCds mCeo Aeo Teo Tes Ae
(A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合)。
態様51
以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物:
Ges Geo mCeo Geo Aes Tds mCds mCds mCds Ads Ads Tds Tds Ads mCds Aeo mCeo mCeo Aes mCe
(A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合)。
態様52
以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物:
Ges Geo mCeo Geo Aes Tes mCds mCds mCds Ads Ads Tds Tds Ads mCeo Aeo mCeo mCes Aes mCe
(A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合)。
態様53
以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物:
Ges Geo mCeo Geo Aes Tds mCds mCds mCds Ads Ads Tds Tds Aes mCeo Aeo mCeo mCes Aes mCe
(A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合)。態様54

以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物:
Ges Geo mCeo Geo Aeo Tes mCds mCds mCds Ads Ads Tds Tds Ads mCds Aeo mCeo mCes Aes mCe
(A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合)。
態様55
以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物:
Ges Teo mCeo Geo mCes mCds mCds Tds Tds mCds Ads Gds mCds Ads mCds Geo mCeo Aeo mCes Ae
(A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合)。
態様56
以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物:
Tes mCeo Geo mCeo mCes mCds Tds Tds mCds Ads Gds mCds Ads mCds Gds mCeo Aeo mCeo Aes mCe
(A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合、及び
o=ホスホジエステルヌクレオシド間結合)。
態様57
以下の式に従う修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物:
Ges Aes Aes Aes Tes Tds Gds Ads Tds Gds Ads Tds Gds mCds mCds mCes Tes Ges mCes Ae
ここで、
A=アデニン、
mC=5’-メチルシトシン
G=グアニン、
T=チミン、
e=2’-O-メトキシエチルリボース修飾糖、
d=2’-デオキシリボース糖、及び
s=ホスホロチオエートヌクレオシド間結合。
態様58
先行態様のいずれか1つに記載の化合物またはその塩と少なくとも1つの薬理学的に許容される担体または希釈剤とを含む組成物。
態様59
先行態様のいずれか1つに記載の化合物または組成物を動物に投与することを含む方法。
態様60
前記動物がヒトである、態様59に記載の方法。
態様61
前記化合物の投与が、SOD-1関連疾患を防止し、処置し、改善し、またはその進行を減速させる、態様59に記載の方法。
態様62
前記SOD-1関連疾患が神経変性疾患である、態様59に記載の方法。
態様63
前記SOD-1関連疾患がALSである、態様62に記載の方法。
態様64
神経変性障害処置用の医薬品を製造するための、先行態様のいずれか1つに記載の化合物または組成物の使用。
態様65
ALS処置用の医薬品を製造するための、先行態様のいずれか1つに記載の化合物または組成物の使用。
態様66
前記修飾オリゴヌクレオチドが配列番号21の核酸塩基配列を有さない、先行態様のいずれか1つに記載の化合物または組成物。
態様67
前記修飾オリゴヌクレオチドが配列番号21~118のどの核酸塩基配列も有さない、先行態様のいずれか1つに記載の化合物または組成物。
態様68
12個~30個の連結されたヌクレオシドからなりかつ配列番号1のヌクレオチド665~684のうちの等しい数の核酸塩基に相補的な、少なくとも12個の連続する核酸塩基部分を含む核酸塩基配列を有する修飾オリゴヌクレオチド、を含む化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドが配列番号1に対して少なくとも80%相補的である、前記化合物。
態様69
前記修飾オリゴヌクレオチドが配列番号1に対して100%相補的である、態様68に記載の化合物。
態様70
前記修飾オリゴヌクレオチドが一本鎖修飾オリゴヌクレオチドである、態様68に記載の化合物。
態様71
少なくとも1つのヌクレオシド間結合が修飾ヌクレオシド間結合である、態様68~70のいずれか1つに記載の化合物。
態様72
少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、態様71に記載の化合物。
態様73
各修飾ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、態様72に記載の化合物。
態様74
少なくとも1つのヌクレオシド間結合がホスホジエステルヌクレオシド間結合である、態様68~71のいずれか1つに記載の化合物。
態様75
少なくとも1つのヌクレオシド間結合がホスホロチオエート結合であり、かつ少なくとも1つのヌクレオシド間結合がホスホジエステル結合である、態様68~73及び74~75のいずれか1つに記載の化合物。
態様76
少なくとも1つのヌクレオシドが修飾核酸塩基を含む、態様68~75のいずれか1つに記載の化合物。
態様77
前記修飾核酸塩基が5-メチルシトシンである、態様76に記載の化合物。
態様78
前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオシドが修飾糖を含む、態様68~77のいずれか1つに記載の化合物。
態様79
前記少なくとも1つの修飾糖が二環式糖である、態様78に記載の化合物。
態様80
前記二環式糖が4’-CH(R)-O-2’架橋(式中、Rは、独立して、H、C ~C 12 アルキル、または保護基である)を含む、態様79に記載の化合物。
態様81
Rがメチルである、態様80に記載の化合物。
態様82
RがHである、態様80に記載の化合物。
態様83
前記少なくとも1つの修飾糖が2’-O-メトキシエチル基を含む、態様78に記載の化合物。
【実施例
【0420】
非限定的開示及び参照による組込み
本明細書に記載するある特定の化合物、組成物、及び方法を、ある特定の実施形態に従って具体的に説明したが、以下の実施例には本明細書に記載する化合物を例示する役割しかなく、以下の実施例は本明細書に記載する化合物を限定しようとするものではない。本願において言及する参考文献はそれぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0421】
実施例1:MOEギャップマーによるHepG2細胞中のヒト可溶性スーパーオキシドジスムターゼ1(SOD-1)の阻害
可溶性スーパーオキシドジスムターゼ1(SOD-1)核酸を標的とする修飾オリゴヌクレオチドを設計し、SOD-1 mRNAに対するそれらの効果を生体外で試験した。以前にWO2005/040180に開示されたISIS146144、ISIS146145、ISIS150437、ISIS150441、ISIS150443、ISIS150444、ISIS150445、ISIS150446、ISIS150447、ISIS150448、ISIS150449、ISIS150452、ISIS150454、ISIS150458、ISIS150460、ISIS150462~150467、ISIS150470、ISIS150472、ISIS150474、ISIS150475、ISIS150476、ISIS150479~150483、ISIS150488、ISIS150489、ISIS150490、ISIS150491~150493、ISIS150495~150498、ISIS150511、ISIS333605、ISIS333606、ISIS333609~333617、ISIS333619、ISIS333620~333636、ISIS333638、及びISIS333640も、このアッセイに含めた。以前にWO2005/040180に開示されているISIS333611も、基準または比較用オリゴヌクレオチドとして選定した。ISIS333611は、最近、ヒト臨床試験で試験された。MILLER et al.「An antisense oligonucleotide against SOD1 delivered intrathecally for patients with SOD1 familial amyotrophic lateral sclerosis: a phase 1,randomised,first-in-man study」Lancet Neurol.(2013)12(5):435-442を参照されたい。
【0422】
類似する培養条件を有する一連の実験で修飾オリゴヌクレオチドを試験した。各実験の結果を以下に示す個別の表に掲載する。1ウェルあたり20,000細胞の密度の培養HepG2細胞に、電気穿孔法を使って、7,000nMの修飾オリゴヌクレオチドでトランスフェクションを行った。約24時間の処理期間後に、細胞からRNAを単離し、定量リアルタイムPCRによってSOD-1 mRNAレベルを測定した。
【0423】
ヒトプライマープローブセットRTS3898(フォワード配列CTCTCAGGAGACCATTGCATCA、本明細書では配列番号11と呼ぶ;リバース配列TCCTGTCTTTGTACTTTCTTCATTTCC;本明細書では配列番号12と呼ぶ;プローブ配列CCGCACACTGGTGGTCCATGAAAA、本明細書では配列番号13と呼ぶ)を使ってmRNAレベルを測定した。オリゴヌクレオチドがプライマープローブセットのアンプリコンとオーバーラップしている場合は、代替プライマープローブセットHTS90(フォワード配列CGTGGCCTAGCGAGTTATGG、本明細書では配列番号14と呼ぶ;リバース配列GAAATTGATGATGCCCTGCA;本明細書では配列番号15と呼ぶ;プローブ配列ACGAAGGCCGTGTGCGTGCTGX、本明細書では配列番号16と呼ぶ)を使ってmRNAレベルを測定した。RIBOGREEN(登録商標)によって測定される全RNA含量に応じてSOD-1 mRNAレベルを調節した。結果を無処理対照細胞と比較したSOD-1の阻害パーセントとして示す。「n.d.」は、阻害レベルが当該プライマープローブセットを使って測定されなかったことを示す。
【0424】
以下の表における新設計修飾オリゴヌクレオチドは、5-10-5MOEギャップマーとして設計された。これらの5-10-5MOEギャップマーは20ヌクレオシド長であり、中央のギャップセグメントは10個の2’-デオキシリボヌクレオシドで構成されていて、それが、5’側及び3’側にあるそれぞれ5つのヌクレオシドを含むウイングセグメントに挟まれている。5’ウイングセグメント中の各ヌクレオシド及び3’ウイングセグメント中の各ヌクレオシドは2’-MOE修飾を有する。各ギャップマーの全体にわたってヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合である。各ギャップマーの全体にわたってシトシン残基は全て5-メチルシトシンである。「開始部位」とは、ヒト遺伝子配列中で当該ギャップマーが標的とする最も5’側のヌクレオシドを示す。「終止部位」とは、ヒト遺伝子配列中で当該ギャップマーが標的とする最も3’側のヌクレオシドを示す。以下の表に列挙する各ギャップマーは、本明細書において配列番号1と呼ぶヒトSOD-1 mRNA(GENBANKアクセッション番号NM_000454.4)または本明細書において配列番号2と呼ぶヒトSOD-1ゲノム配列(ヌクレオチド18693000からヌクレオチド18704000までが切断されたGENBANKアクセッション番号NT_011512.10)のどちらかを標的としている。「n/a」は、その修飾オリゴヌクレオチドが当該遺伝子配列を100%の相補性では標的としていないことを示している。
【0425】
【表1】
【表1-1】
【0426】
【表2】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【0427】
【表3】
【表3-1】
【0428】
【表4】
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【0429】
【表5】
【表5-1】
【表5-2】
【0430】
【表6】
【表6-1】
【表6-2】
【0431】
【表7】
【表7-1】
【表7-2】
【0432】
【表8】
【表8-1】
【表8-2】
【0433】
【表9】
【表9-1】
【表9-2】
【表9-3】
【0434】
【表10】
【表10-1】
【表10-2】
【表10-3】
【表10-4】
【0435】
実施例2:MOEギャップマーによるHepG2細胞中のヒトSOD-1の阻害
可溶性スーパーオキシドジスムターゼ1(SOD-1)核酸を標的とする修飾オリゴヌクレオチドを設計し、SOD-1 mRNAに対するそれらの効果を生体外で試験した。以前にWO2005/040180に開示されたISIS146143、ISIS150438~150440、ISIS150442、ISIS150450、ISIS150455~150457、ISIS150459、ISIS150461、ISIS150469、ISIS150473、ISIS150478、ISIS150484、ISIS150486、ISIS150494、ISIS150508~150510、ISIS333607、ISIS333608、ISIS333611、ISIS333618も、このアッセイに含めた。類似する培養条件を有する一連の実験で修飾オリゴヌクレオチドを試験した。各実験の結果を以下に示す個別の表に掲載する。1ウェルあたり20,000細胞の密度の培養HepG2細胞に、電気穿孔法を使って、5,000nMの修飾オリゴヌクレオチドでトランスフェクションを行った。約24時間の処理期間後に、細胞からRNAを単離し、定量リアルタイムPCRによってSOD-1 mRNAレベルを測定した。
【0436】
ヒトプライマープローブセットRTS3898を使ってmRNAレベルを測定した。オ
リゴヌクレオチドがプライマープローブセットのアンプリコンとオーバーラップしている場合は、代替プライマープローブセットHTS90を使ってmRNAレベルを測定した。RIBOGREEN(登録商標)によって測定される全RNA含量に応じてSOD-1 mRNAレベルを調節した。結果を無処理対照細胞と比較したSOD-1の阻害パーセントとして示す。「n.d.」は、阻害レベルが当該プライマープローブセットを使って測定されなかったことを示す。
【0437】
以下の表における新設計修飾オリゴヌクレオチドは、5-10-5MOEギャップマーとして設計された。これらの5-10-5MOEギャップマーは20ヌクレオシド長であり、中央のギャップセグメントは10個の2’-デオキシリボヌクレオシドで構成されていて、それが、5’側及び3’側にあるそれぞれ5つのヌクレオシドを含むウイングセグメントに挟まれている。5’ウイングセグメント中の各ヌクレオシド及び3’ウイングセグメント中の各ヌクレオシドは2’-MOE修飾を有する。各ギャップマーの全体にわたって、ヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合である。各ギャップマーの全体にわたって、シトシン残基は全て5-メチルシトシンである。「開始部位」とは、ヒト遺伝子配列中で当該ギャップマーが標的とする最も5’側のヌクレオシドを示す。「終止部位」とは、ヒト遺伝子配列中で当該ギャップマーが標的とする最も3’側のヌクレオシドを示す。以下の表に列挙する各ギャップマーは、本明細書において配列番号1と呼ぶヒトSOD-1 mRNA(GENBANKアクセッション番号NM_000454.4)または本明細書において配列番号2と呼ぶヒトSOD-1ゲノム配列(ヌクレオチド18693000からヌクレオチド18704000までが切断されたGENBANKアクセッション番号NT_011512.10)のどちらかを標的としている。「n/a」は、その修飾オリゴヌクレオチドが当該遺伝子配列を100%の相補性では標的としていないことを示している。
【0438】
【表11】
【表11-1】
【表11-2】
【表11-3】
【表11-4】
【0439】
【表12】
【表12-1】
【表12-2】
【表12-3】
【表12-4】
【表12-5】
【0440】
実施例3:デオキシ、MOE及びcEtギャップマーによるHepG2細胞中のヒトSOD-1の阻害
可溶性スーパーオキシドジスムターゼ1(SOD-1)核酸を標的とする修飾オリゴヌ
クレオチドを設計し、SOD-1 mRNAに対するそれらの効果を生体外で試験した。以前にWO2005/040180に記載されたISIS333611を基準として含めた。上記実施例1に記載した5-10-5MOEギャップマーであるISIS590067、ISIS590074、ISIS590082、ISIS590130、ISIS590138、及びISIS590146も、このアッセイに含めた。ISIS333611と類似する配列を有するが、デオキシ、MOE、及びcEt糖修飾を持つISIS590512も、この試験に含めた。
【0441】
類似する培養条件を有する一連の実験で修飾オリゴヌクレオチドを試験した。各実験の結果を以下に示す個別の表に掲載する。1ウェルあたり20,000細胞の密度の培養HepG2細胞に、電気穿孔法を使って、3,000nMの修飾オリゴヌクレオチドでトランスフェクションを行った。約24時間の処理期間後に、細胞からRNAを単離し、定量リアルタイムPCRによってSOD-1 mRNAレベルを測定した。
【0442】
ヒトプライマープローブセットRTS3898を使ってmRNAレベルを測定した。RIBOGREEN(登録商標)によって測定される全RNA含量に応じてSOD-1 mRNAレベルを調節した。結果を無処理対照細胞と比較したSOD-1の阻害パーセントとして示す。「n.d.」は、阻害レベルが測定されなかったことを示す。
【0443】
以下の表における新設計修飾オリゴヌクレオチドは、デオキシ、MOE、及びcEtギャップマーとして設計された。これらのギャップマーは、各ヌクレオシドがMOE糖修飾、cEt糖修飾、またはデオキシ部分を有する17ヌクレオシド長である。各オリゴヌクレオチドの糖化学は「化学」欄に示すように表され、ここでは「k」がcEt修飾糖を示し、「d」が2’-デオキシリボースを示し、かつ「e」が2’-MOE修飾糖を示す。各ギャップマーの全体にわたって、ヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合である。各ギャップマーの全体にわたって、シトシン残基は全て5-メチルシトシンである。「開始部位」とは、ヒト遺伝子配列中で当該ギャップマーが標的とする最も5’側のヌクレオシドを示す。「終止部位」とは、ヒト遺伝子配列中で当該ギャップマーが標的とする最も3’側のヌクレオシドを示す。以下の表に列挙する各ギャップマーは、本明細書において配列番号1と呼ぶヒトSOD-1 mRNA(GENBANKアクセッション番号NM_000454.4)または本明細書において配列番号2と呼ぶヒトSOD-1ゲノム配列(ヌクレオチド18693000からヌクレオチド18704000までが切断されたGENBANKアクセッション番号NT_011512.10)のどちらかを標的としている。「n/a」は、その修飾オリゴヌクレオチドが当該遺伝子配列を100%の相補性では標的としていないことを示している。
【0444】
【表13】
【表13-1】
【表13-2】
【表13-3】
【表13-4】
【0445】
【表14】
【表14-1】
【表14-2】
【表14-3】
【表14-4】
【表14-5】
【0446】
【表15】
【表15-1】
【表15-2】
【表15-3】
【表15-4】
【0447】
【表16】
【表16-1】
【表16-2】
【表16-3】
【表16-4】
【0448】
【表17】
【表17-1】
【表17-2】
【0449】
実施例4:デオキシ、MOE及びcEtギャップマーによるHepG2細胞中のヒトSOD-1の阻害
可溶性スーパーオキシドジスムターゼ1(SOD-1)核酸を標的とする修飾オリゴヌクレオチドを設計し、SOD-1 mRNAに対するそれらの効果を生体外で試験した。以前にWO2005/040180に記載された5-10-5MOEギャップマーであるISIS333611を基準として含めた。
【0450】
類似する培養条件を有する一連の実験で修飾オリゴヌクレオチドを試験した。各実験の結果を以下に示す個別の表に掲載する。1ウェルあたり20,000細胞の密度の培養HepG2細胞に、電気穿孔法を使って、4,000nMの修飾オリゴヌクレオチドでトランスフェクションを行った。約24時間の処理期間後に、細胞からRNAを単離し、定量リアルタイムPCRによってSOD-1 mRNAレベルを測定した。
【0451】
ヒトプライマープローブセットRTS3898を使ってmRNAレベルを測定した。RIBOGREEN(登録商標)によって測定される全RNA含量に応じてSOD-1 mRNAレベルを調節した。結果を無処理対照細胞と比較したSOD-1の阻害パーセントとして示す。「n.d.」は、阻害レベルが測定されなかったことを示す。
【0452】
以下の表における新設計修飾オリゴヌクレオチドは、デオキシ、MOE、及びcEtギャップマーまたは5-10-5ギャップマーとして設計された。これらの5-10-5MOEギャップマーは20ヌクレオシド長であり、中央のギャップセグメントは10個の2’-デオキシリボヌクレオシドで構成されていて、それが、5’側及び3’側にあるそれぞれ5つのヌクレオシドを含むウイングセグメントに挟まれている。5’ウイングセグメント中の各ヌクレオシド及び3’ウイングセグメント中の各ヌクレオシドは2’-MOE修飾を有する。前記デオキシ、MOE及びcEt オリゴヌクレオチドは、ヌクレオシドがMOE糖修飾、cEt糖修飾、またはデオキシ部分を有する17ヌクレオシド長である。各オリゴヌクレオチドの糖化学は「化学」欄に示すように表され、ここでは「k」がcEt修飾糖を示し、「d」が2’-デオキシリボースを示し、かつ「e」が2’-MOE修飾糖を示す。各ギャップマーの全体にわたって、ヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合である。各ギャップマーの全体にわたって、シトシン残基は全て5-メチルシトシンである。「開始部位」とは、ヒト遺伝子配列中で当該ギャップマーが標的とする最も5’側のヌクレオシドを示す。以下の表に列挙する各ギャップマーは、本明細書において配列番号1と呼ぶヒトSOD-1 mRNA(GENBANKアクセッション番号NM_000454.4)または本明細書において配列番号2と呼ぶヒトSOD-1ゲノム配列(ヌクレオチド18693000からヌクレオチド18704000までが切断されたGENBANKアクセッション番号NT_011512.10)のどちらかを標的としている。「n/a」は、その修飾オリゴヌクレオチドが当該遺伝子配列を100%の相補性では標的としていないことを示している。
【0453】
【表18】
【表18-1】
【0454】
【表19】
【表19-1】
【表19-2】
【表19-3】
【表19-4】
【0455】
【表20】
【表20-1】
【表20-2】
【表20-3】
【表20-4】
【0456】
実施例5:デオキシ、MOE及びcEtギャップマーによるHepG2細胞中のヒトSOD-1の阻害
SOD-1核酸を標的とする修飾オリゴヌクレオチドを設計し、SOD-1 mRNAに対するそれらの効果を生体外で試験した。以前にWO2005/040180に記載された5-10-5MOEギャップマーであるISIS333611を基準として含めた。
【0457】
類似する培養条件を有する一連の実験で修飾オリゴヌクレオチドを試験した。各実験の結果を以下に示す個別の表に掲載する。1ウェルあたり20,000細胞の密度の培養HepG2細胞に、電気穿孔法を使って、5,000nMの修飾オリゴヌクレオチドでトランスフェクションを行った。約24時間の処理期間後に、細胞からRNAを単離し、定量リアルタイムPCRによってSOD-1 mRNAレベルを測定した。
【0458】
ヒトプライマープローブセットRTS3898を使ってmRNAレベルを測定した。R
IBOGREEN(登録商標)によって測定される全RNA含量に応じてSOD-1 mRNAレベルを調節した。結果を無処理対照細胞と比較したSOD-1の阻害パーセントとして示す。「n.d.」は、阻害レベルが測定されなかったことを示す。
【0459】
以下の表における新設計修飾オリゴヌクレオチドは、デオキシ、MOE、及びcEtギャップマーとして設計された。これらのギャップマーは、各ヌクレオシドがMOE糖修飾、cEt糖修飾、またはデオキシ部分を有する17ヌクレオシド長である。各オリゴヌクレオチドの糖化学は「化学」欄に示すように表され、ここでは「k」がcEt修飾糖を示し、「d」が2’-デオキシリボースを示し、かつ「e」が2’-MOE修飾糖を示す。各ギャップマーの全体にわたって、ヌクレオシド間結合はホスホロチオエート結合である。各ギャップマーの全体にわたって、シトシン残基は全て5-メチルシトシンである。「開始部位」とは、ヒト遺伝子配列中で当該ギャップマーが標的とする最も5’側のヌクレオシドを示す。以下の表に列挙する各ギャップマーは、本明細書において配列番号1と呼ぶヒトSOD-1 mRNA(GENBANKアクセッション番号NM_000454.4)または本明細書において配列番号2と呼ぶヒトSOD-1ゲノム配列(ヌクレオチド18693000からヌクレオチド18704000までが切断されたGENBANKアクセッション番号NT_011512.10)のどちらかを標的としている。「n/a」は、その修飾オリゴヌクレオチドが当該遺伝子配列を100%の相補性では標的としていないことを示している。
【0460】
【表21】
【表21-1】
【表21-2】
【表21-3】
【表21-4】
【0461】
【表22】
【表22-1】
【表22-2】
【表22-3】
【表22-4】
【0462】
【表23】
【表23-1】
【表23-2】
【表23-3】
【表23-4】
【0463】
実施例6:HepG2細胞における修飾オリゴヌクレオチドによるヒトSOD-1の用量依存的阻害
上記の研究からSOD-1 mRNAの有意な生体外阻害を呈するギャップマーを選択し、HepG2細胞においてさまざまな用量で試験した。基準化合物ISIS333611と、以前にWO2005/040180に開示された、ISIS146144、146145、150445、150446、150447、150454、150463、150465、333606、333609、及び333611を含む他の化合物も試験した。
【0464】
類似する培養条件を有する一連の実験で修飾オリゴヌクレオチドを試験した。各実験の結果を以下に示す個別の表に掲載する。細胞を1ウェルあたり20,000細胞の密度でプレーティングし、電気穿孔法を使って、下記の表に指定するように0.813μM、1.625μM、3.250μM、6.500μM、及び13.000μMの修飾オリゴヌクレオチド濃度でトランスフェクションを行った。約16時間の処理期間後に、細胞からRNAを単離し、定量リアルタイムPCRによってSOD-1 mRNAレベルを測定した。ヒトプライマープローブセットRTS3898を使ってmRNAレベルを測定した。RIBOGREEN(登録商標)によって測定される全RNA含量に応じてSOD-1 mRNAレベルを調節した。結果を無処理対照細胞と比較したSOD-1の阻害パーセントとして示す。
【0465】
各オリゴヌクレオチドの50%阻害濃度(IC50)も提示する。修飾オリゴヌクレオチド処理細胞ではSOD-1 mRNAレベルが用量依存的に有意に低減した。
【0466】
【表24】
【0467】
【表25】
【0468】
【表26】
【0469】
【表27】
【0470】
実施例7:HepG2細胞における修飾オリゴヌクレオチドによるヒトSOD-1の用量依存的阻害
上記の研究からSOD-1 mRNAの有意な生体外阻害を呈するギャップマーを選択し、HepG2細胞においてさまざまな用量で試験した。基準化合物ISIS333611とISIS333625(これらは、どちらも以前にWO2005/040180に開示されている)も試験した。
【0471】
類似する培養条件を有する一連の実験で修飾オリゴヌクレオチドを試験した。各実験の結果を以下に示す個別の表に掲載する。細胞を1ウェルあたり20,000細胞の密度で
プレーティングし、電気穿孔法を使って、下記の表に指定するように0.148μM、0.444μM、1.330μM、4.000μM、及び12.000μMの修飾オリゴヌクレオチド濃度でトランスフェクションを行った。約16時間の処理期間後に、細胞からRNAを単離し、定量リアルタイムPCRによってSOD-1 mRNAレベルを測定した。ヒトプライマープローブセットRTS3898またはHTS90を使ってmRNAレベルを測定した。RIBOGREEN(登録商標)によって測定される全RNA含量に応じてSOD-1 mRNAレベルを調節した。結果を無処理対照細胞と比較したSOD-1の阻害パーセントとして示す。
【0472】
各オリゴヌクレオチドの50%阻害濃度(IC50)も提示する。修飾オリゴヌクレオチド処理細胞ではSOD-1 mRNAレベルが用量依存的に有意に低減した。
【0473】
【表28】
【0474】
【表29】
【0475】
実施例8:HepG2細胞における修飾オリゴヌクレオチドによるヒトSOD-1の用量依存的阻害
上記の研究からSOD-1 mRNAの有意な生体外阻害を呈するギャップマーを選択し、HepG2細胞においてさまざまな用量で試験した。基準化合物ISIS333611、及び以前にWO2005/040180に開示された、ISIS146143、150442、195753、333607、及び333608を含む追加化合物も試験した。
【0476】
類似する培養条件を有する一連の実験で修飾オリゴヌクレオチドを試験した。各実験の結果を以下に示す個別の表に掲載する。細胞を1ウェルあたり20,000細胞の密度でプレーティングし、電気穿孔法を使って、下記の表に指定するように0.1875μM、0.7500μM、3.0000μM、及び12.0000μMの修飾オリゴヌクレオチド濃度でトランスフェクションを行った。約16時間の処理期間後に、細胞からRNAを単離し、定量リアルタイムPCRによってSOD-1 mRNAレベルを測定した。ヒトプライマープローブセットRTS3898を使ってmRNAレベルを測定した。RIBOGREEN(登録商標)によって測定される全RNA含量に応じてSOD-1 mRNAレベルを調節した。結果を無処理対照細胞と比較したSOD-1の阻害パーセントとして示す。
【0477】
各オリゴヌクレオチドの50%阻害濃度(IC50)も提示する。修飾オリゴヌクレオチド処理細胞ではSOD-1 mRNAレベルが用量依存的に有意に低減した。
【0478】
【表30】
【0479】
【表31】
【0480】
【表32】
【0481】
【表33】
【0482】
【表34】
【0483】
実施例9:混成バックボーン化学を持つギャップマーによるHepG2細胞中のヒトSOD-1の用量依存的阻害
上述の研究において開示したオリゴヌクレオチドの配列に基づいて、さらなるギャップマーを設計した。これらのオリゴヌクレオチドは5-10-5MOE、5-8-5MOE、ならびにデオキシ、MOE及びcEtオリゴヌクレオチドとして設計された。5-10-5MOEギャップマーは20ヌクレオシド長であり、中央のギャップセグメントは10個の2’-デオキシリボヌクレオシドで構成されていて、それが、5’側及び3’側にあるそれぞれ5つのヌクレオシドを含むウイングセグメントに挟まれている。5-8-5MOEギャップマーは18ヌクレオシド長であり、中央のギャップセグメントは8個の2’-デオキシリボヌクレオシドで構成されていて、それが、5’側及び3’側にあるそれぞれ5つのヌクレオシドを含むウイングセグメントに挟まれている。5’ウイングセグメント中の各ヌクレオシド及び3’ウイングセグメント中の各ヌクレオシドは2’-MOE修飾を有する。デオキシ、MOE及びcEtオリゴヌクレオチドは16ヌクレオシド長または17ヌクレオシド長であり、各ヌクレオシドはMOE糖修飾、cEt糖修飾、またはデオキシ部分を有する。各オリゴヌクレオチドの糖化学は「化学」欄のように表され、ここでは「k」がcEt修飾糖を示し、「d」が2’-デオキシリボースを示し、かつ「e」が2’-MOE修飾糖を示す。各ギャップマーの全体を通してヌクレオシド間結合は、ホスホジエステル結合またはホスホロチオエート結合のいずれかである。各オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合は「バックボーン化学」欄に表され、ここでは「o」がホスホジエステル結合を示し、「s」はホスホロチオエート結合を表す。各ギャップマーの全体にわたって、シトシン残基は全て5-メチルシトシンである。「開始部位」とは、ヒト遺伝子配列中で当該ギャップマーが標的とする最も5’側のヌクレオシドを示す。「終止部位」とは、ヒト遺伝子配列中で当該ギャップマーが標的とする最も3’側のヌクレオシド
を示す。以下の表に列挙する各ギャップマーは、本明細書において配列番号1と呼ぶヒトSOD-1 mRNA(GENBANKアクセッション番号NM_000454.4)または本明細書において配列番号2と呼ぶヒトSOD-1ゲノム配列(ヌクレオチド18693000からヌクレオチド18704000までが切断されたGENBANKアクセッション番号NT_011512.10)のどちらかを標的としている。
【0484】
【表35】
【表35-1】
【表35-2】
【0485】
新たに設計したオリゴヌクレオチドをHepG2細胞においてさまざまな用量で試験した。類似する培養条件を有する一連の実験で修飾オリゴヌクレオチドを試験した。各実験の結果を以下に示す個別の表に掲載する。細胞を1ウェルあたり20,000細胞の密度でプレーティングし、電気穿孔法を使って、以下の表に指定するように0.222μM、0.667μM、2.000μM、及び6.000μMの修飾オリゴヌクレオチド濃度でトランスフェクションを行った。約16時間の処理期間後に、細胞からRNAを単離し、
定量リアルタイムPCRによってSOD-1 mRNAレベルを測定した。ヒトプライマープローブセットRTS3898を使ってmRNAレベルを測定した。RIBOGREEN(登録商標)によって測定される全RNA含量に応じてSOD-1 mRNAレベルを調節した。結果を無処理対照細胞と比較したSOD-1の阻害パーセントとして示す。
【0486】
各オリゴヌクレオチドの50%阻害濃度(IC50)も提示する。修飾オリゴヌクレオチド処理細胞ではSOD-1 mRNAレベルが用量依存的に有意に低減した。
【0487】
【表36】
【0488】
【表37】
【0489】
【表38】
【0490】
【表39】
【0491】
実施例10:混成バックボーン化学を持つギャップマーによるヒトSOD-1の用量依存的阻害
上述の研究において開示したオリゴヌクレオチドの配列に基づいて、さらなるギャップマーを設計した。これらのオリゴヌクレオチドはデオキシ、MOE及びcEtオリゴヌクレオチドとして設計した。これらのデオキシ、MOE及びcEtオリゴヌクレオチドは16ヌクレオシド長または17ヌクレオシド長であって、各ヌクレオシドはMOE糖修飾、cEt糖修飾、またはデオキシ部分を有する。各オリゴヌクレオチドの糖化学は「化学」欄のように表され、ここでは「k」がcEt修飾糖を示し、「d」が2’-デオキシリボ
ースを示し、かつ「e」が2’-MOE修飾糖を示す。各ギャップマーの全体を通してヌクレオシド間結合は、ホスホジエステル結合またはホスホロチオエート結合のいずれかである。各オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合は「バックボーン化学」欄に表され、ここでは「o」がホスホジエステル結合を示し、「s」はホスホロチオエート結合を示す。各ギャップマーの全体にわたって、シトシン残基は全て5-メチルシトシンである。「開始部位」とは、ヒト遺伝子配列中で当該ギャップマーが標的とする最も5’側のヌクレオシドを示す。「終止部位」とは、ヒト遺伝子配列中で当該ギャップマーが標的とする最も3’側のヌクレオシドを示す。以下の表に列挙する各ギャップマーは、本明細書において配列番号1と呼ぶヒトSOD-1 mRNA(GENBANKアクセッション番号NM_000454.4)または本明細書において配列番号2と呼ぶヒトSOD-1ゲノム配列(ヌクレオチド18693000からヌクレオチド18704000までが切断されたGENBANKアクセッション番号NT_011512.10)のどちらかを標的としている。
【0492】
【表40】
【表40-1】
【0493】
新たに設計したオリゴヌクレオチドをA431細胞においてさまざまな用量で試験した。類似する培養条件を有する一連の実験で修飾オリゴヌクレオチドを試験した。各実験の結果を以下に示す個別の表に掲載する。1ウェルあたり5,000細胞の密度で細胞をプレーティングし、以下の表に指定するように0.12μM、0.60μM、3.00μM、及び15.00μMの修飾オリゴヌクレオチド濃度で修飾オリゴヌクレオチドを培地に加えて、細胞に自然取り込みさせた。約16時間の処理期間後に、細胞からRNAを単離し、定量リアルタイムPCRによってSOD-1 mRNAレベルを測定した。ヒトプライマープローブセットRTS3898を使ってmRNAレベルを測定した。RIBOGREEN(登録商標)によって測定される全RNA含量に応じてSOD-1 mRNAレベルを調節した。結果を無処理対照細胞と比較したSOD-1の阻害パーセントとして示す。
【0494】
【表41】
【0495】
【表42】
【0496】
【表43】
【0497】
【表44】
【0498】
実施例11:混成バックボーン化学を持つギャップマーによるヒトSOD-1の用量依存的阻害
上述の研究において開示したオリゴヌクレオチドの配列に基づいて、さらなるギャップマーを設計した。これらのオリゴヌクレオチドは5-10-5MOEギャップマー、4-8-5MOEギャップマー、5-8-5MOEギャップマー、5-8-7MOEギャップマー、6-8-6MOEギャップマー、6-9-5MOEギャップマー、またはデオキシ、MOE及びcEtオリゴヌクレオチドとして設計された。
【0499】
5-10-5MOEギャップマーは20ヌクレオシド長であり、中央のギャップセグメントは10個の2’-デオキシヌクレオシドで構成されていて、それが、5’側及び3’側にあるそれぞれ5個のヌクレオシドを含むウイングセグメントに挟まれている。4-8-5MOEギャップマーは17ヌクレオシド長であり、中央のギャップセグメントは8個の2’-デオキシヌクレオシドで構成されていて、それが、5’側及び3’側にあるそれぞれ4個及び5個のヌクレオシドを含むウイングセグメントに挟まれている。5-8-5MOEギャップマーは18ヌクレオシド長であり、中央のギャップセグメントは8個の2’-デオキシヌクレオシドで構成されていて、それが、5’側及び3’側にあるそれぞれ5個のヌクレオシドを含むウイングセグメントに挟まれている。5-8-7MOEギャップマーは20ヌクレオシド長であり、中央のギャップセグメントは8個の2’-デオキシヌクレオシドで構成されていて、それが、5’側及び3’側にあるそれぞれ5個及び7個のヌクレオシドを含むウイングセグメントに挟まれている。6-8-6MOEギャップマーは20ヌクレオシド長であり、中央のギャップセグメントは8個の2’-デオキシヌクレオシドで構成されていて、それが、5’側及び3’側にあるそれぞれ6個のヌクレオシドを含むウイングセグメントに挟まれている。6-9-5MOEギャップマーは20ヌクレオシド長であり、中央のギャップセグメントは9個の2’-デオキシヌクレオシドで構成されていて、それが、5’側及び3’側にあるそれぞれ6個及び5個のヌクレオシドを含むウイングセグメントに挟まれている。5’ウイングセグメント中の各ヌクレオシド及び3’ウイングセグメント中の各ヌクレオシドは2’-MOE修飾を有する。
【0500】
デオキシ、MOE及びcEtオリゴヌクレオチドは17ヌクレオシド長であり、各ヌクレオシドはMOE糖修飾、cEt糖修飾、またはデオキシ部分を含む。各オリゴヌクレオチドの糖化学は「化学」欄のように表され、ここでは「k」がcEt修飾糖を示し、「d」が2’-デオキシリボースを示し、かつ「e」が2’-MOE修飾糖を示す。
【0501】
各ギャップマーの全体を通して、ヌクレオシド間結合は、ホスホジエステル結合またはホスホロチオエート結合のどちらかである。各オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合は「バックボーン化学」欄に示され、ここでは「o」がホスホジエステル結合を示し、「s」はホスホロチオエート結合を示す。各ギャップマーの全体にわたって、シトシン残基は全て5-メチルシトシンである。「開始部位」とは、ヒト遺伝子配列中で当該ギャップマーが標的とする最も5’側のヌクレオシドを示す。「終止部位」とは、ヒト遺伝子配列中で当該ギャップマーが標的とする最も3’側のヌクレオシドを示す。以下の表に列挙する各ギャップマーは、本明細書において配列番号1と呼ぶヒトSOD-1 mRNA(GENBANKアクセッション番号NM_000454.4)または本明細書において配列番号2と呼ぶヒトSOD-1ゲノム配列(ヌクレオチド18693000からヌクレオチド18704000までが切断されたGENBANKアクセッション番号NT_011512.10)のどちらかを標的としている。
【0502】
【表45】
【表45-1】
【0503】
新たに設計したオリゴヌクレオチドをA431細胞においてさまざまな用量で試験した。類似する培養条件を有する一連の実験で修飾オリゴヌクレオチドを試験した。各実験の
結果を以下に示す個別の表に掲載する。1ウェルあたり5,000細胞の密度で細胞をプレーティングし、以下の表に指定するように0.062μM、0.185μM、0.556μM、1.667μM、5.000μM、及び15.000μMの修飾オリゴヌクレオチド濃度で修飾オリゴヌクレオチドを培地に加え、細胞に自然取り込みさせた。約16時間の処理期間後に、細胞からRNAを単離し、定量リアルタイムPCRによってSOD-1 mRNAレベルを測定した。ヒトプライマープローブセットRTS3898を使ってmRNAレベルを測定した。RIBOGREEN(登録商標)によって測定される全RNA含量に応じてSOD-1 mRNAレベルを調節した。結果を無処理対照細胞と比較したSOD-1の阻害パーセントとして示す。
【0504】
【表46】
【0505】
【表47】
【0506】
新たに設計したオリゴヌクレオチドをSH-SY5Y細胞でもさまざまな用量で試験した。類似する培養条件を有する一連の実験で修飾オリゴヌクレオチドを試験した。各実験の結果を以下に示す個別の表に掲載する。細胞を1ウェルあたり20,000細胞の密度
でプレーティングし、電気穿孔法を使って、以下の表に指定するように0.062μM、0.185μM、0.556μM、1.667μM、5.000μM、及び15.000μMの修飾オリゴヌクレオチド濃度で修飾オリゴヌクレオチドをトランスフェクトした。約16時間の処理期間後に、細胞からRNAを単離し、定量リアルタイムPCRによってSOD-1 mRNAレベルを測定した。ヒトプライマープローブセットRTS3898を使ってmRNAレベルを測定した。RIBOGREEN(登録商標)によって測定される全RNA含量に応じてSOD-1 mRNAレベルを調節した。結果を無処理対照細胞と比較したSOD-1の阻害パーセントとして示す。
【0507】
【表48】
【0508】
【表49】
【0509】
実施例12:トランスジェニックラットモデルにおけるヒトSOD-1の阻害
上述の研究からのギャップマーを、以前にWO2005/040180に開示された基準化合物ISIS333611を含めて、SOD-1トランスジェニックラットモデル(Taconic,カタログ番号2148-F及び2148-M)において試験した。これ
らのヘミ接合ラットは脊髄において変異型ヒトSOD-1を発現する。
【0510】
上述の研究において開示したオリゴヌクレオチドの配列に基づいて、さらなるギャップマーを設計した。これらのオリゴヌクレオチドは5-9-5MOEギャップマー、5-10-5MOEギャップマーまたはデオキシ、MOE及びcEtオリゴヌクレオチドとして設計された。5-9-5MOEギャップマーは19ヌクレオシド長であり、中央のギャップセグメントは9個の2’-デオキシリボヌクレオシドで構成されていて、それが、5’側及び3’側にあるそれぞれ5つのヌクレオシドを含むウイングセグメントに挟まれている。5-10-5MOEギャップマーは20ヌクレオシド長であり、中央のギャップセグメントは10個の2’-デオキシリボヌクレオシドで構成されていて、それが、5’側及び3’側にあるそれぞれ5つのヌクレオシドを含むウイングセグメントに挟まれている。5’ウイングセグメント中の各ヌクレオシド及び3’ウイングセグメント中の各ヌクレオシドは2’-MOE修飾を有する。デオキシ、MOE及びcEtオリゴヌクレオチドは17ヌクレオシド長であり、各ヌクレオシドはMOE糖修飾、cEt糖修飾、またはデオキシ部分を有する。各オリゴヌクレオチドの糖化学は「化学」欄のように表され、ここでは「k」がcEt修飾糖を示し、「d」が2’-デオキシリボースを示し、かつ「e」が2’-MOE修飾糖を示す。各ギャップマーの全体を通してヌクレオシド間結合は、ホスホジエステル結合またはホスホロチオエート結合のどちらかである。各オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合は「バックボーン化学」欄に表され、ここでは「o」がホスホジエステル結合を示し、「s」はホスホロチオエート結合を示す。各オリゴヌクレオチドの全体を通してシトシン残基は全て5-メチルシトシンである。「開始部位」とは、ヒト遺伝子配列中で当該ギャップマーが標的とする最も5’側のヌクレオシドを示す。「終止部位」とは、ヒト遺伝子配列中で当該ギャップマーが標的とする最も3’側のヌクレオシドを示す。以下の表に列挙する各ギャップマーは、本明細書において配列番号1と呼ぶヒトSOD-1 mRNA(GENBANKアクセッション番号NM_000454.4)または本明細書において配列番号2と呼ぶヒトSOD-1ゲノム配列(ヌクレオチド18693000からヌクレオチド18704000までが切断されたGENBANKアクセッション番号NT_011512.10)のどちらかを標的とする。
【0511】
【表50】
【表50-1】
【表50-2】
【表50-3】
【0512】
類似する条件を有する一連の実験で修飾オリゴヌクレオチドを試験した。各実験の結果を以下に示す個別の表に掲載する。PBSに希釈した修飾オリゴヌクレオチドの16.67mg/ml溶液30μL(最終用量500μg)をラットに髄腔内注射した。対照ラット群にはPBSを髄腔内注射した。腰髄、胸髄及び頸髄におけるSOD-1の阻害レベルを評価した。データを以下に提示する。このデータは、いくつかの修飾オリゴヌクレオチドがこのモデルにおいてヒトSOD-1レベルを阻害したことを示している。
【0513】
【表51】
【0514】
【表52】
【0515】
【表53】
【0516】
【表54】
【0517】
【表55】
【0518】
【表56】
【0519】
【表57】
【0520】
【表58】
【0521】
【表59】
【0522】
【表60】
【0523】
【表61】
【0524】
実施例13:LLC-MK2細胞における修飾オリゴヌクレオチドによるヒトSOD-1の用量依存的阻害
上述の研究から、基準化合物ISIS333611を含めて、SOD-1 mRNAの有意な生体外阻害を呈したギャップマーを選択し、LLC-MK2細胞においてさまざまな用量で試験した。この研究で試験したヒト修飾オリゴヌクレオチドのアカゲザルゲノム配列(ヌクレオチド2258000からヌクレオチド2271000までが切断されたGENBANKアクセッション番号NW_001114168.1の相補鎖、本明細書では配列番号3と呼ぶ)との交差反応性を以下の表に示す。
【0525】
【表62】
【0526】
細胞を1ウェルあたり20,000細胞の密度でプレーティングし、電気穿孔法を使って、以下の表に指定するように0.078μM、0.156μM、0.313μM、0.625μM、1.25μM、2.50μM、5.00μM、及び10.000μMの修飾オリゴヌクレオチド濃度でトランスフェクションを行った。約16時間の処理期間後に、細胞からRNAを単離し、定量リアルタイムPCRによってSOD-1 mRNAレベルを測定した。プライマープローブセットRTS3121(フォワード配列TGGAGATAATACACAAGGCTGTACCA、本明細書では配列番号17と呼ぶ;リバース配列CAACATGCCTCTCTTCATCCTTT、本明細書では配列番号18と呼ぶ;プローブ配列ATCCTCTATCCAGACAACACGGTGGGC、本明細書では配列番号19と呼ぶ)を使ってmRNAレベルを測定した。RIBOGREEN(登録商標)によって測定される全RNA含量に応じてSOD-1 mRNAレベルを調節した。結果を無処理対照細胞と比較したSOD-1の阻害パーセントとして提示する。各オリゴヌクレオチドの50%阻害濃度(IC50)も提示する。表に提示するとおり、新たに設計されたオリゴヌクレオチドのいくつかは、基準ISIS336611より強力であった。
【0527】
【表63】
【0528】
実施例14:ラットモデルにおけるSOD-1修飾オリゴヌクレオチドの忍容性
上述の研究からのギャップマーを、以前にWO2005/040180に開示された基準化合物ISIS333611を含めて、スプレーグ・ドーリーラットにおける忍容性について試験した。
【0529】
類似する条件を有する一連の実験で修飾オリゴヌクレオチドを試験した。3mgのISISオリゴヌクレオチドをラットに単回、髄腔内注射した。対照ラット群にはPBSを髄腔内注射した。急性忍容性は機能観察総合評価(FOB)を使って投与の3時間後に評価した。化合物の急性忍容性の評価はこのスコアを使って行い、スコアが低いほど忍容性の高い化合物であることを表す。対照動物のスコアは通常「0」または「1」である。注射の3時間後に、各ラットをケージの上に載せ、一定の機能を評価することによって、ラットを観察した。この評価では、各機能について、ラットが関心領域において正常な機能を呈する(0)か否か(1)に応じて「0」または「1」の数字を割り当て、次に全てのスコアを加える。尾、後足、後脚、後端、前面姿勢、前足、及び頭部を含む7つの領域を評価する。スコア化の結果を以下の表に提示する。表に提示するように、新しく設計されたオリゴヌクレオチドのいくつかは、基準ISIS333611と比較して高い急性忍容性を示した。
【0530】
【表64】
【表64-1】
【表64-2】
【表64-3】
【表64-4】
【表64-5】
【0531】
腰髄領域におけるミクログリアマーカーIBA1及びアストロサイトマーカーGFAPのレベルを測定することにより、投与の8週間後にも忍容性を評価した。IBA1とGFAPはどちらもCNS炎症のマーカーであるから(Frank,MG,Brain Behav.Immun.2007,21,47-59)、このラットモデルでは、どちらのマーカーもそのレベルが高いほど、当該アンチセンスオリゴヌクレオチドの忍容性は低いとみなされる。
【0532】
IBA1 mRNAレベルはプライマープローブセットrAIF1_LTS00219(フォワード配列AGGAGAAAAACAAAGAACACCAGAA、本明細書では配列番号5と呼ぶ;リバース配列CAATTAGGGCAACTCAGAAATAGCT、本明細書では配列番号6と呼ぶ;プローブ配列CCAACTGGTCCCCCAGCCAAGA、本明細書では配列番号7と呼ぶ)で測定した。GFAP mRNAレベルはプライマープローブセットmGFAP_LTS00370(フォワード配列GAAACCAGCCTGGACACCAA、本明細書では配列番号8と呼ぶ;リバース配列TCCACAGTCTTTACCACGATGTTC、本明細書では配列番号9と呼ぶ;プローブ配列TCCGTGTCAGAAGGCCACCTCAAGA、本明細書では配列番号10と呼ぶ)で測定した。
【0533】
結果を以下の表に提示する。表に提示するように、新しく設計されたオリゴヌクレオチドのいくつかは、基準ISIS333611と比較して忍容性が高かった。
【0534】
【表65】
【表65-1】
【表65-2】
【0535】
実施例15:トランスジェニックラットモデルにおけるヒトSOD-1の用量依存的阻害上述の研究からのギャップマーを、基準化合物ISIS333611を含めて、SOD-1トランスジェニックラットモデル(Taconic,カタログ番号2148-F及び2148-M)において試験した。これらのヘミ接合ラットは脊髄、多くの脳領域、及び末梢器官において変異型ヒトSOD-1を発現する。
【0536】
10、30、100、300、1000、または3000μgの、以下の表に列挙するギャップマー、またはPBSのみを、ラットに髄腔内注射した。2週間後に動物を屠殺した。実施例1で述べたプライマープローブセットRTS3898を用いるRT-PCRによって、腰髄、頸髄、吻側皮質、及び尾側皮質におけるSOD-1 mRNAの阻害を評価した。データをED50値として以下に提示する。このデータは、これらのオリゴヌクレオチドが複数のCNS組織においてIsis333611より強力にSOD1 mRNAを阻害したことを示している。事実、Isis番号333611のED50値は、「n/a」という記載事項によって示されるとおり、試験した最高濃度(3000μg)でも55~65%を上回るSOD-1 mRNAの阻害を起こさなかったので算出さえできなかった。「n.d.」は、表示の試料についてはデータがないことを示している。
【0537】
【表66】
【0538】
実施例16:ラットにおけるSOD-1修飾オリゴヌクレオチドの忍容性
上述の研究からのギャップマーを、基準化合物ISIS333611を含めて、スプレーグ・ドーリーラットにおける忍容性について試験した。4~6匹のラット群に、1mgまたは3mgのISISオリゴヌクレオチドを単回、髄腔内注射した。対照ラット群にはPBSを髄腔内注射した。急性忍容性は投与の3時間後に実施例14で述べたように評価した。1mg用量に関する結果は、1回の実験後の各群についての平均である。3mg用量に関する結果は、2回の反復実験での各群についての平均である。以下の表に提示するこの研究の結果は、新しく設計されたオリゴヌクレオチドのいくつかの忍容性が基準ISIS333611より高いことを示している。
【0539】
【表67】
【0540】
実施例17:トランスジェニックマウスモデルにおけるヒトSOD-1の用量依存的阻害
トランスジェニックラットで得られた結果を別の種で確認するために、トランスジェニックラット(実施例12及び15)が発現するものと同じG93Aヒト変異型SOD1遺伝子を発現するSOD-1トランスジェニックマウスモデルにおいて、上述の研究からのギャップマーを試験した。
【0541】
10、30、100、300、または700μgの、以下の表に列挙するギャップマー、またはPBSの脳室内ボーラス(ICVB)を、マウスに与えた。2週間後に動物を屠殺した。腰髄及び皮質におけるSOD-1 mRNAの阻害を、実施例1で述べたプライマープローブセットRTS3898を使用して、RT-PCRによって評価した。データを以下にED50値として提示する。このデータは、オリゴヌクレオチドがラットでもマウスでもIsis333611より強力にSOD1 mRNAを阻害したことを示している。
【0542】
【表68】
【0543】
実施例18:マウスにおけるSOD-1修飾オリゴヌクレオチドの忍容性
上述の研究からのギャップマーを、基準化合物ISIS333611を含めて、C57bl6マウスにおける忍容性について試験した。700ugのISISオリゴヌクレオチドをマウスの脳室内に、単回、定位的に注射した。対照マウス群にはPBSを脳室内に注射した。急性忍容性は、ラットに使用したものとは異なる機能観察総合評価(FOB)を使って、注射の3時間後に評価した。各マウスを7つの異なる評価基準に従って評価した。この7つの評価基準は、(1)マウスは快活で、覚醒していて、敏感であった;(2)マウスは刺激なしで静止しているか背を丸めていた;(3)マウスは刺激なしで何らかの運動を示す;(4)マウスは持ち上げられた後に前進運動を示す;(5)マウスは持ち上げられた後に何らかの運動を示す;(6)マウスはテールピンチに応答する;(7)規則正しい呼吸、である。これら7つの異なる評価基準のそれぞれについて、マウスに、評価基準を満たせば0、満たさなければ1というサブスコアを与えた。これら7つの評価基準を評価した後、サブスコアを各マウスについて合計し、次に各群について平均した。例えばもし、あるマウスが700μg ICV投与の3時間後に快活で、覚醒していて、敏感であり、かつ他の全ての評価基準を満たしていたとすれば、その合計スコアは0になるだろう。もし、別のマウスが700μg ICV投与の3時間後に快活ではなく、覚醒しておらず、敏感でもなかったが、他の全ての評価基準を満たしていたとすれば、1というスコアが与えられるだろう。食塩水処置マウスは一般に0というスコアが与えられる。範囲の上端にあるスコアは急性毒性を示唆するものであるだろう。
【0544】
この研究の全体を通して体重を測定した。その体重をベースラインに対する8週時点の変化パーセントとして以下に報告する。長期忍容性は、投与の8週間後に、実施例14で述べたようにIBA1及びGFAPのレベルを測定することによって評価した。IBA1及びGFAPのmRNAレベルを、PBS処置動物との対比で報告する。以下に提示するこの研究の結果は、新しく設計されたオリゴヌクレオチドのいくつかは、ラット及びマウスにおける忍容性が、基準ISIS333611より高かったことを示している。
【0545】
【表69】
【0546】
【表70】
【0547】
実施例19:カニクイザルにおけるサルSOD-1の用量依存的阻害
Isis番号666853をカニクイザルにおいて試験した。Isis番号666853とカニクイザルSOD-1との間にはミスマッチが1つあり、カニクイザルSOD-1に100%相補的な17個の連続塩基がIsis番号666853中にある。
【0548】
研究の1、14、28、56、及び84日目に、6~10匹の雄及び雌サルの群に、PBSまたは4、12、若しくは35mgのIsis番号666853の髄腔内腰部ボーラスを与えた。各群には5回全ての投与日に同じ用量を与えた。91日目に動物を屠殺した。腰髄、胸髄、及び頸髄ならびに前頭皮質、運動皮質、海馬、脳橋、及び小脳におけるSOD-1 mRNAの阻害を、プライマープローブセットRTS3898を使用して、RT-PCRによって評価した。データを、PBS処置群に対する各処置群の平均阻害パーセントとして、以下に提示する。これらの結果は、Isis番号666853がカニクイザルにおいて複数の標的組織中のSOD-1 mRNAを阻害したことを示している。
【0549】
666853による処置は13週間の研究継続期間中は忍容性が高く、サルにおける有害反応の臨床観察事実はなかった。
【0550】
【表71】
【配列表】
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