(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】請求書データ生成装置、請求書データ生成方法および請求書データ生成プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/04 20120101AFI20221221BHJP
G06Q 10/08 20120101ALI20221221BHJP
【FI】
G06Q30/04
G06Q10/08 300
(21)【出願番号】P 2021166591
(22)【出願日】2021-10-11
(62)【分割の表示】P 2017011055の分割
【原出願日】2017-01-25
【審査請求日】2021-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】萩原 欣也
(72)【発明者】
【氏名】飯田 雄教
(72)【発明者】
【氏名】高岡 真人
(72)【発明者】
【氏名】芹澤 邦明
【審査官】岸 健司
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-34746(JP,A)
【文献】特開平6-325057(JP,A)
【文献】特開2003-162674(JP,A)
【文献】特開2008-262380(JP,A)
【文献】特開2015-156052(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0262940(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部および記憶部を備える請求書データ生成装置であって、
前記記憶部には、
商品関連情報および商品についての数値を含む明細を記憶する売上データと、
所定の明細および商品関連情報を検出するための所定の検出条件としての、前記明細を明細群に集約するための集約単位を含む集約条件マスタと、
が格納されており、
前記集約条件マスタにおいて、前記集約単位として、日付、発地、発方面、着地、着方面、商品、温度帯、得意先および配送車種からなるグループから
二つ以上が設定されており、
当該設定された二つ以上の集約単位に対しては、順位が振られており、
前記制御部は、
前記売上データから、前記集約条件マスタに設定された前記集約単位に属する前記商品関連情報が同じである明細を1つの明細群として検出することで、所定の明細を検出する検出手段と、
前記検出した明細群毎に、前記検出した所定の明細に含まれる数値の合計値および/または最大値を算出する算出手段と、
前記検出した所定の明細に含まれる商品関連情報から、前記集約条件マスタに設定された前記集約単位に属する所定の商品関連情報を検出し、当該検出した所定の商品関連情報と当該算出した値とを含む請求書データを生成する生成手段と、
を備え
、
前記生成手段は、
前記商品関連情報が前記集約単位に振られた前記順位に従って配置された前記請求書データを生成すること、
を特徴とする請求書データ生成装置。
【請求項2】
前記商品についての数値は、商品についての数量、重量、回数、単価および金額の少なくとも1つであり、
前記所定の検出条件は、所定の印字制御条件を含み、
前記制御部は、
前記所定の印字制御条件を満たす数値についての合計値および/または最大値と、前記検出した所定の商品関連情報と、が印字された請求書を出力する出力手段
を更に備えること、
を特徴とする請求項1に記載の請求書データ生成装置。
【請求項3】
出力された請求書においては、前記商品関連情報が前記集約単位に振られた前記順位に従って印字されていること、
を特徴とする請求項1または2に記載の請求書データ生成装置。
【請求項4】
前記集約単位に振られた前記順位に従うことが、より若い前記順位が振られた前記集約単位に属する前記商品関連情報がより左側に配置または印字されることであること、
を特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の請求書データ生成装置。
【請求項5】
制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される請求書データ生成方法であって、
前記記憶部には、
商品関連情報および商品についての数値を含む明細を記憶する売上データと、
所定の明細および商品関連情報を検出するための所定の検出条件としての、前記明細を明細群に集約するための集約単位を含む集約条件マスタと、
が格納されており、
前記集約条件マスタにおいて、前記集約単位として、日付、発地、発方面、着地、着方面、商品、温度帯、得意先および配送車種からなるグループから二つ以上が設定されており、
当該設定された二つ以上の集約単位に対しては、順位が振られており、
前記制御部で実行される、
前記売上データから、前記集約条件マスタに設定された前記集約単位に属する前記商品関連情報が同じである明細を1つの明細群として検出することで、所定の明細を検出する検出ステップと、
前記検出した明細群毎に、前記検出した所定の明細に含まれる数値の合計値および/または最大値を算出する算出ステップと、
前記検出した所定の明細に含まれる商品関連情報から、前記集約条件マスタに設定された前記集約単位に属する所定の商品関連情報を検出し、当該検出した所定の商品関連情報と当該算出した値とを含む請求書データを生成する生成ステップと、
を含み、
前記生成ステップにおいては、
前記商品関連情報が前記集約単位に振られた前記順位に従って配置された前記請求書データを生成すること、
を特徴とする請求書データ生成方法。
【請求項6】
制御部および記憶部を備える情報処理装置に実行させるための請求書データ生成プログラムであって、
前記記憶部には、
商品関連情報および商品についての数値を含む明細を記憶する売上データと、
所定の明細および商品関連情報を検出するための所定の検出条件としての、前記明細を明細群に集約するための集約単位を含む集約条件マスタと、
が格納されており、
前記集約条件マスタにおいて、前記集約単位として、日付、発地、発方面、着地、着方面、商品、温度帯、得意先および配送車種からなるグループから二つ以上が設定されており、
当該設定された二つ以上の集約単位に対しては、順位が振られており、
前記制御部に実行させるための、
前記売上データから、前記集約条件マスタに設定された前記集約単位に属する前記商品関連情報が同じである明細を1つの明細群として検出することで、所定の明細を検出する検出ステップと、
前記検出した明細群毎に、前記検出した所定の明細に含まれる数値の合計値および/または最大値を算出する算出ステップと、
前記検出した所定の明細に含まれる商品関連情報から、前記集約条件マスタに設定された前記集約単位に属する所定の商品関連情報を検出し、当該検出した所定の商品関連情報と当該算出した値とを含む請求書データを生成する生成ステップと、
を含み、
前記生成ステップにおいては、
前記商品関連情報が前記集約単位に振られた前記順位に従って配置された前記請求書データを生成すること、
を特徴とする請求書データ生成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求書データ生成装置、請求書データ生成方法および請求書データ生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、荷主の運送依頼を荷物情報として加工することなく利用することができ、該荷物情報に基づいて受注管理、配車管理、及び販売管理を一貫して行うことができる運輸業管理装置及びシステム、並びにプログラムが開示されている(0007段落等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような、運送業における配送管理等の分野においては、配送に関する請求書データの作成にあたり、売上明細単位で請求書データを作成するのではなく、業界特有の所定の検出条件(輸送地、配送日等)に従って、売上データから売上明細をまとめて検出し、前記売上明細に含まれる商品配送数量等の数値の合計値を含む請求書データを作成したいという要望がある。
【0005】
例えば、輸送地がA地点、かつ、配送日が1月1日の売上明細をすべてまとめて検出し、それらの売上明細に含まれる商品配送数量の合計値を含む請求書データを作成したいという要望である。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、所定の検出条件に従って、売上データから売上明細を検出し、前記検出した売上明細に含まれる数値の合計値および/または最大値を含む請求書データを生成できる請求書データ生成装置、請求書データ生成方法および請求書データ生成プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る請求書データ生成装置は、制御部および記憶部を備える請求書データ生成装置であって、前記記憶部には、商品関連情報および商品についての数値を含む明細を記憶する売上データが格納されており、前記制御部は、所定の明細および商品関連情報を検出するための所定の検出条件に従って、前記売上データから所定の明細を検出する検出手段と、前記検出した所定の明細に含まれる数値の合計値および/または最大値を算出する算出手段と、前記検出した所定の明細に含まれる商品関連情報から、前記所定の検出条件に従って所定の商品関連情報を検出し、当該検出した所定の商品関連情報と当該算出した値とを含む請求書データを生成する生成手段と、を備えること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る請求書データ生成装置は、前記商品についての数値が、商品についての数量、重量、回数、単価および金額の少なくとも1つであり、前記所定の検出条件が、所定の印字制御条件を含み、前記制御部は、前記所定の印字制御条件を満たす数値についての合計値および/または最大値と、前記検出した所定の商品関連情報と、が印字された請求書を出力する出力手段を更に備えること、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る請求書データ生成方法は、制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される請求書データ生成方法であって、前記記憶部には、商品関連情報および商品についての数値を含む明細を記憶する売上データが格納されており、前記制御部で実行される、所定の明細および商品関連情報を検出するための所定の検出条件に従って、前記売上データから所定の明細を検出する検出ステップと、前記検出した所定の明細に含まれる数値の合計値および/または最大値を算出する算出ステップと、前記検出した所定の明細に含まれる商品関連情報から、前記所定の検出条件に従って所定の商品関連情報を検出し、当該検出した所定の商品関連情報と当該算出した値とを含む請求書データを生成する生成ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る請求書データ生成プログラムは、制御部および記憶部を備える情報処理装置に実行させるための請求書データ生成プログラムであって、前記記憶部には、商品関連情報および商品についての数値を含む明細を記憶する売上データが格納されており、前記制御部に実行させるための、所定の明細および商品関連情報を検出するための所定の検出条件に従って、前記売上データから所定の明細を検出する検出ステップと、前記検出した所定の明細に含まれる数値の合計値および/または最大値を算出する算出ステップと、前記検出した所定の明細に含まれる商品関連情報から、前記所定の検出条件に従って所定の商品関連情報を検出し、当該検出した所定の商品関連情報と当該算出した値とを含む請求書データを生成する生成ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、所定の検出条件に従って、売上データから売上明細を検出し、前記検出した売上明細に含まれる数値の合計値および/または最大値を含む請求書データを生成できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、請求書データ生成装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、請求書集約条件マスタの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、発着地マスタの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、請求書集約条件マスタの設定の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、出力された請求書の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、請求書集約条件マスタの設定の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、出力された請求書の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る請求書データ生成装置、請求書データ生成方法および請求書データ生成プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0014】
[1.概要]
卸売業、製造業、運送業等の分野においては、取引先へと配送した商品についての請求書発行にあたり、売上明細(商品や作業)の単位で明細を印字するのではなく、輸送地(着地)や配送日等の業界特有の項目で明細を集約することが求められる。また、集約する単位は、取引先によって異なることが多い。このため、従来は、担当者が手作業により、取引先ごとの集計パターンに合わせた請求書を作成していた。
【0015】
言い換えると、従来は、取引先によって、請求書に出力する明細の集約単位が異なる場合、システムデータを出力後、担当者が手作業により、取引先ごとの集計パターンに合わせた請求書を作成していることが多く、効率的に請求書発行業務を行えていなかった。
【0016】
そこで、本実施形態においては、システム投入された売上データをどのように集約して、請求書として印字させるかを判断させるマスタを作成し、請求書への印字内容は、設定されたパラメータ(数量、重量、金額等)によって集約して出力することを可能とした。これにより、予めマスタ設定しておくことにより、取引先ごとの請求書発行が可能となった。
【0017】
言い換えると、本実施形態においては、取引先ごとに異なる請求内容の集約要件の請求書発行を、マスタの設定により実現できるシステムを開発した。前記マスタの設定としては、どの集約単位で集約するのかを取引先ごとに設定可能とし、これにより、指定された条件について数量、重量、金額等を集計し、請求書への出力を行える。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0018】
[2.構成]
本実施形態に係る請求書データ生成装置100の構成について、
図1を用いて説明する。
図1は、請求書データ生成装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
請求書データ生成装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、請求書データ生成装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0020】
請求書データ生成装置100は、
図1に示すように、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。請求書データ生成装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0021】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、請求書データ生成装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、請求書データ生成装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する記憶部106に格納されるデータは、サーバ200に格納されてもよい。
【0022】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114を、表示部としてのモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0023】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0024】
記憶部106は、売上データ106aと、所定の検出条件としての請求書集約条件マスタ106bと、発着地マスタ106cと、商品マスタ106dと、を備えている。これらのうち、売上データ106aおよび請求書集約条件マスタ106b以外は、任意の構成要素であり、記憶部106に含まれていても含まれていなくてもよい。以下、各データおよび各マスタが含む内容について説明する。
【0025】
なお、以下の説明においては、ある運送会社が食品会社に食品を運送した際の売上データ(例えば、
図5に示す売上データ106a)から、前記食品会社に対する請求書(例えば、
図7に示す請求書)を作成するという場面を想定している。
【0026】
売上データ106aは、商品関連情報および商品についての数値を含む明細を記憶する。前記明細は、売上データ106aにおける横一行のデータセットを指す。ここで、本明細書および図面において、「集約」とは、売上データ106aにおける1以上の明細に含まれる数値の合計値および/または最大値を算出することにより、前記1以上の明細から1つの請求書データを生成することをいう。
【0027】
前記商品関連情報は、例えば、
図5の1行目の明細の場合、売上日:2014/12/02、発地CD:F01J001、発地名:aa倉庫、発方面CD:F99901、発方面名:aa倉庫、着地CD:F01H023、着地名:○○市場、着方面CD:F99907、着方面名:関東(埼玉)、商品CD:71001、商品名:チーズフライ、規格:50g×120×2、温度帯CD:1、温度帯:冷凍を指す。
【0028】
前記商品についての数値は、商品についての数量、重量、回数、単価および金額の少なくとも1つであることが好ましい。前記商品についての数値は、例えば、
図5の1行目の明細の場合、配送数量:10個、配送重量:5.0kg、配送単価:120円/個、配送金額:1,200円を指す。
【0029】
請求書集約条件マスタ106bは、所定の明細および商品関連情報を検出するための条件であり、集約単位および前記集約単位に振られる順位を含む。前記集約単位は、例えば、
図6の請求書集約条件マスタ106bに示すように、日付、発地、発方面、着地、着方面、商品、温度帯、得意先(図示せず)、配送車種(図示せず)等を指し、
図6においては、温度帯に順位1が振られ、着方面に順位2が振られている。
【0030】
所定の明細を検出するために、請求書集約条件マスタ106bがどのように使用されるかについて説明する。検出部102aは、前記集約単位およびこれに振られた順位に従って、売上データ106aから所定の明細を検出できる。すなわち、売上データ106aにおける前記商品関連情報のそれぞれは、その内容に対応する集約単位に属し、例えば、売上データ106aの1行目の明細における商品関連情報「売上日:2014/12/02」は請求書集約条件マスタ106bにおける集約単位「日付」に属し、「発地CD:F01J001、発地名:aa倉庫」は「発地」に属し、「発方面CD:F99901、発方面名:aa倉庫」は「発方面」に属し、「着地CD:F01H023、着地名:○○市場」は「着地」に属し、「着方面CD:F99907、着方面名:関東(埼玉)」は「着方面」に属し、「商品CD:71001、商品名:チーズフライ」は「商品」に属し、「温度帯CD:1、温度帯:冷凍」は「温度帯」に属する。これにより、検出部102aは、例えば、
図6に示すように順位が振られた場合、
図5において、「温度帯CD:1、温度帯:冷凍」および「着方面CD:F99907、着方面名:関東(埼玉)」の組合せを含む上から1~3行目の明細を、1つの明細群として検出する。
【0031】
所定の商品関連情報を検出するために、請求書集約条件マスタ106bがどのように使用されるかについて説明する。
図5の上から1~3行目の明細に含まれる商品関連情報は、売上データ106aの項目で説明したとおり、多数存在するが、これらの中から、生成部102cは、所定の商品関連情報を以下のようにして検出する。すなわち、
図6の請求書集約条件マスタ106bにおいては、集約単位「温度帯」および「着方面」に順位が振られている。この場合、生成部102cは、集約単位「温度帯」に属する商品関連情報である「温度帯CD:1、温度帯:冷凍」と、集約単位「着方面」に属する商品関連情報である「着方面CD:F99907、着方面名:関東(埼玉)」を検出する。
【0032】
請求書集約条件マスタ106bは、更に、所定の印字制御条件を含んでいることが好ましい。前記所定の印字制御条件とは、算出部102bが算出した数量、重量、回数、単価、金額等の数値のうち、どの数値についての合計値および/または最大値を印字するかを制御するための条件である。例えば、
図8においては、「数量」に「有」が指定されており、この場合、
図5の上から1~3行目の明細に含まれる「数量」の合計値である60個が印字され、一方、
図5の上から1~3行目の明細に含まれる「重量」の合計値である21.5kgや「単価」の最大値である120円/個は印字されない。
【0033】
請求書集約条件マスタ106bは、更に、
図2に示すように、取引先識別情報(
図2においては、荷主CDおよび荷主名)等を含んでいてもよい。
図2に示すように、取引先識別情報ごとに、集約の有無を指定してもよい。集約有無として「有」が指定された取引先については、売上明細の集約が行われ、集約有無として「無」が指定された取引先については、売上明細の集約が行われない。
【0034】
発着地マスタ106cは、
図3に示すように、例えば、発着地CD、発着地名、発着地方面等の項目を含む。
【0035】
商品マスタ106dは、
図4に示すように、例えば、商品CD、商品名(または費用名)、温度帯等の項目を記憶する。
図4に示すように、商品ごとに(または費用ごとに)、集約の有無を指定してもよい。集約有無として「有」が指定された商品(または費用)については、売上明細の集約が行われ、集約有無として「無」が指定された商品(または費用)については、売上明細の集約が行われない。
【0036】
制御部102は、請求書データ生成装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0037】
制御部102は、機能概念的に、(1)所定の明細および商品関連情報を検出するための所定の検出条件に従って、前記売上データから所定の明細を検出する検出手段としての検出部102aと、(2)前記検出した所定の明細に含まれる数値の合計値および/または最大値を算出する算出手段としての算出部102bと、(3)前記検出した所定の明細に含まれる商品関連情報から、前記所定の検出条件に従って所定の商品関連情報を検出し、当該検出した所定の商品関連情報と当該算出した値とを含む請求書データを生成する生成手段としての生成部102cと、(4)前記所定の印字制御条件を満たす数値についての合計値および/または最大値と、前記検出した所定の商品関連情報と、が印字された請求書を出力する出力手段としての出力部102dと、を備えている。なお、出力部102dは、任意の構成要素であり、制御部102に含まれていても含まれていなくてもよい。また、各部が実行する処理の詳細については、以下の[3.処理の具体例]で説明する。
【0038】
[3.処理の具体例]
以下、本実施形態に係る処理の具体例について、
図5~
図9を用いて説明する。最初に、前記集約単位が2つである場合の処理について説明し、次に、前記集約単位が3つである場合の処理について説明する。
【0039】
[3-1.前記集約単位が2つである場合]
最初に、前記集約単位が2つである場合について、
図5~
図7を用いて詳細に説明する。
【0040】
(検出処理)
検出部102aは、所定の明細および商品関連情報を検出するための所定の検出条件に従って、売上データ106aから所定の明細を検出する。
【0041】
具体的には、
図6の請求書集約条件マスタ106bに示すように、前記所定の検出条件として、集約単位「温度帯」に順位1が指定され、集約単位「着方面」に順位2が指定されている。この場合、検出部102aは、売上データ106aから、「温度帯」および「着方面名」の組合せが同一である明細を1つの明細群として検出する。すなわち、
図5の売上データ106aにおいて異なるハッチンングで上から順に示すように、1つ目の明細群は、「温度帯」および「着方面名」が、「冷凍」および「関東(埼玉)」である1~3行目の明細であり、2つ目の明細群は、「チルド」および「関東(埼玉)」である4~5行目の明細であり、3つ目の明細群は、「冷凍」および「中通」である6~8行目の明細であり、4つ目の明細群は、「温度帯空欄」および「宅配便」である9~11行目の明細である。以下においては、説明を簡便にするため、1つ目の明細群についての処理についてのみ説明するが、2つ目~4つ目の明細群についても、同様の処理が行われる。なお、12~16行目の明細は、商品マスタ106dにおいて、集約を行わない設定がされていると仮定し、明細群での検出は行われず、明細1行単位で検出されるものとする。
【0042】
(算出処理)
算出部102bは、前記検出した所定の明細に含まれる数値の合計値および/または最大値を算出する。
【0043】
具体的には、算出部102bは、売上データ106aの1~3行目目の明細に含まれる数値について、以下の計算を行う。すなわち、配送数量の合計値を、10個+20個+30個=60個と算出し、配送重量の合計値を、5.0kg+6.5kg+10.0kg=21.5kgと算出し、配送単価の最大値を、120円/個と検出(算出)し、配送金額の合計値を、1,200円+2,400円+3,600円=7,200円と算出する。
【0044】
(生成処理)
生成部102cは、前記検出した所定の明細に含まれる商品関連情報から、前記所定の検出条件に従って所定の商品関連情報を検出し、当該検出した所定の商品関連情報と当該算出した値とを含む請求書データを生成する。
【0045】
具体的には、前述のとおり、前記所定の検出条件として、集約単位「温度帯」に順位1が指定され、集約単位「着方面」に順位2が指定されている。この場合、生成部102cは、売上データ106aの1~3行目の明細に含まれる商品関連情報から、集約単位「温度帯」に属する商品関連情報として、「冷凍」を検出し、集約単位「着方面」に属する商品関連情報として、「関東(埼玉)」を検出する。そして、生成部102cは、当該検出した所定の商品関連情報である「冷凍」および「関東(埼玉)」と、前記(算出処理)の項目で算出した値である「配送数量の合計値:60個、配送重量の合計値:21.5kg、配送単価の最大値:120円/個、配送金額の合計値:7,200円」と、を含む請求書データを生成する。
【0046】
(出力処理)
出力部102dは、所定の印字制御条件を満たす数値についての合計値および/または最大値と、前記検出した所定の商品関連情報と、が印字された請求書を出力する。
【0047】
具体的には、
図6の請求書集約条件マスタ106bに示すように、前記所定の印字制御条件として、「数量:有、重量:有、単価:有」が指定されており、そして、図示していないが、「金額:有」が指定されているとする。この場合、出力部102dは、前記(算出処理)の項目で算出した値である「配送数量の合計値:60個、配送重量の合計値:21.5kg、配送単価の最大値:120円/個、配送金額の合計値:7,200円」のうち、「有」で指定されている値(すなわち、これらすべての値)と、前記(生成処理)の項目で検出した所定の商品関連情報である「冷凍」および「関東(埼玉)」と、が印字された請求書を、
図7の請求書の1行目に示すように出力する。なお、前記検出した所定の商品関連情報の印字順序は、
図6の請求書集約条件マスタ106bにおいて集約単位に対して指定された順位に従うことが好ましい。すなわち、
図6の請求書集約条件マスタ106bにおいては、集約単位「温度帯」に順位1が指定され、集約単位「着方面」に順位2が指定されているため、請求書への出力の際には、
図7の請求書の1行目に示すように、「温度帯」に属する商品関連情報である「冷凍」を左側に印字し、「着方面」に属する商品関連情報である「関東(埼玉)」を右側に印字することが好ましい。
【0048】
なお、前記(検出処理)の項目で説明した、明細1行単位で検出される12~16行目の明細については、
図7の請求書の5~9行目に示すように、明細1行単位で印字された請求書が出力される。
【0049】
[3-2.前記集約単位が3つである場合]
次に、前記集約単位が3つである場合について、
図5、
図8および
図9を用いて詳細に説明する。
【0050】
(検出処理)
検出部102aは、所定の明細および商品関連情報を検出するための所定の検出条件に従って、売上データ106aから所定の明細を検出する。
【0051】
具体的には、
図8の請求書集約条件マスタ106bに示すように、前記所定の検出条件として、集約単位「発地」に順位1が指定され、集約単位「着地」に順位2が指定され、集約単位「温度帯」に順位3が指定されている。この場合、検出部102aは、売上データ106aから、「発地」、「着地」および「温度帯」の合せが同一である明細を1つの明細群として検出する。すなわち、
図5の売上データ106aにおいて異なるハッチンングで上から順に示すように、1つ目の明細群は、「発地」、「着地」および「温度帯」が、「aa倉庫」、「○○市場」および「冷凍」である1~3行目の明細であり、2つ目の明細群は、「aa倉庫」、「○○市場」および「チルド」である4~5行目の明細であり、3つ目の明細群は、「bb工場」、「スーパー△△」および「冷凍」である6~8行目の明細であり、4つ目の明細群は、「ccセンター」、「XYZマートA支店」および「温度帯なし」の9行目の明細であり、5つ目の明細群は、「ccセンター」、「XYZマートB支店」および「温度帯なし」の10行目の明細であり、6つ目の明細群は、「ccセンター」、「XYZマートC支店」および「温度帯なし」の11行目の明細である。以下においては、説明を簡便にするため、1つ目の明細群についての処理についてのみ説明するが、2つ目~6つ目の明細群についても、同様の処理が行われる。なお、12~16行目の明細は、商品マスタ106dにおいて、集約を行わない設定がされていると仮定し、明細群での検出は行われず、明細1行単位で検出されるものとする。
【0052】
(算出処理)
算出部102bは、前記検出した所定の明細に含まれる数値の合計値および/または最大値を算出する。
【0053】
具体的には、算出部102bは、売上データ106aの1~3行目目の明細に含まれる数値について、前記[3-1.]の(算出処理)の項目で説明したのと同様の処理により、「配送数量の合計値:60個、配送重量の合計値:21.5kg、配送単価の最大値:120円/個、配送金額の合計値:7,200円」と算出する。
【0054】
(生成処理)
生成部102cは、前記検出した所定の明細に含まれる商品関連情報から、前記所定の検出条件に従って所定の商品関連情報を検出し、当該検出した所定の商品関連情報と当該算出した値とを含む請求書データを生成する。
【0055】
具体的には、生成部102cは、売上データ106aの1~3行目の明細に含まれる商品関連情報から、前記[3-1.]の(生成処理)の項目で説明したのと同様の処理により、所定の商品関連情報として「aa倉庫」、「○○市場」および「冷凍」と、本項目の前記(算出処理)の項目で算出した値である「配送数量の合計値:60個、配送重量の合計値:21.5kg、配送単価の最大値:120円/個、配送金額の合計値:7,200円」と、を含む請求書データを生成する。
【0056】
(出力処理)
出力部102dは、所定の印字制御条件を満たす数値についての合計値および/または最大値と、前記検出した所定の商品関連情報と、が印字された請求書を出力する。
【0057】
具体的には、
図8の請求書集約条件マスタ106bに示すように、前記所定の印字制御条件として、「数量:有、重量:無、単価:無」が指定されており、そして、図示していないが、「金額:有」が指定されているとする。この場合、出力部102dは、前記(算出処理)の項目で算出した値である「配送数量の合計値:60個、配送重量の合計値:21.5kg、配送単価の最大値:120円/個、配送金額の合計値:7,200円」のうち、「有」で指定されている値(すなわち、配送数量の合計値:60個と配送金額の合計値:7,200円)と、前記(生成処理)の項目で検出した所定の商品関連情報である「aa倉庫」、「○○市場」および「冷凍」と、が印字された請求書を、
図9の請求書の1行目に示すように出力する。なお、前記検出した所定の商品関連情報の印字順序は、
図8の請求書集約条件マスタ106bにおいて集約単位に対して指定された順位に従うことが好ましく、その詳細については、前記[3-1.]の(出力処理)で説明したのと同様である。
【0058】
なお、前記(検出処理)の項目で説明した、明細1行単位で検出される12~16行目の明細については、
図9の請求書の7~11行目に示すように、明細1行単位で印字された請求書が出力される。
【0059】
このように、本実施形態に係る請求書データ生成装置100によれば、所定の検出条件に従って、売上データから売上明細を検出し、前記検出した売上明細に含まれる数値の合計値および/または最大値を含む請求書データを生成できる。すなわち、本実施形態に係る請求書データ生成装置100は、従来の売上明細1行単位の請求書データの生成に加えて、取引先が希望する集約単位(配送数量等)を集約の基準とすることにより複数の売上明細をまとめた(集約した)請求書データを生成することもできるため、取引先からの請求書発行についての細かいニーズに対応可能な発明であるといえる。
【0060】
また、本実施形態に係る請求書データ生成装置100によれば、請求書集約条件マスタ106bが印字制御条件を含めば、生成した請求書データに含まれる合計値および/または最大値のうち、オペレータが設定した種類の数値(例えば、商品の配送数量)についての合計値および/または最大値が印字された請求書を出力できる。このため、例えば、取引先の細かい要望(例えば、商品の配送重量は印字せず、商品の配送数量のみ印字した請求書を発行してほしい)に応じた請求書を発行することができる。
【0061】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0062】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0063】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0064】
また、請求書データ生成装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0065】
例えば、請求書データ生成装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて請求書データ生成装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0066】
また、このコンピュータプログラムは、請求書データ生成装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0067】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム商品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。したがって、本明細書で説明したような処理又は処理方法を実行するためのプログラムを格納した記録媒体もまた本発明を構成することとなる。
【0068】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0069】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0070】
また、請求書データ生成装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、請求書データ生成装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0071】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、配送業務を請け負う業界、例えば、運送業、卸売業、製造業等において有用であり、特に、製造業において有用である。
【符号の説明】
【0073】
100 請求書データ生成装置
102 制御部
102a 検出部
102b 算出部
102c 生成部
102d 出力部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 売上データ
106b 請求書集約条件マスタ
106c 発着地マスタ
106d 商品マスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク