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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】消火器箱
(51)【国際特許分類】
   A62C 13/78 20060101AFI20221221BHJP
   A62C 3/00 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
A62C13/78 A
A62C3/00 J
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021213714
(22)【出願日】2021-12-28
(62)【分割の表示】P 2020149035の分割
【原出願日】2016-09-23
(65)【公開番号】P2022037212
(43)【公開日】2022-03-08
【審査請求日】2022-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079359
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 進
(72)【発明者】
【氏名】梅原 寛
【審査官】田邉 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-050173(JP,A)
【文献】特開2003-190315(JP,A)
【文献】特開2001-009053(JP,A)
【文献】特開2003-290379(JP,A)
【文献】登録実用新案第3103965(JP,U)
【文献】登録実用新案第3103972(JP,U)
【文献】特開2008-055024(JP,A)
【文献】特開2009-285126(JP,A)
【文献】特開2014-083344(JP,A)
【文献】特開2010-012032(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 13/78
A62C 3/00
A62C 35/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の複数の向きに開閉自在な扉を備えた筐体内に消火器が収納された消火器箱であって、
所定の異なる方向から見た場合に当該方向に応じて相互に異なる表示内容が表示される表示板が、前記扉を開放させる向きによって異なる表示内容が表示されるように前記扉の裏面に設けられたことを特徴とする消火器箱。
【請求項2】
請求項1記載の消火器箱であって、
前記筐体は、トンネル壁面に沿った監視員通路に埋込み設置され、
前記扉は、前記監視員通路の路面側となる前記筐体の上面に設けた上面開口を前記道路側から前記トンネル壁面側に向かって開放する前開き及び前記トンネル壁面側から前記道路側に向かって開放する後開きに開放可能に配置された上扉であり、
前記上扉の裏面に設けられた表示板は、前記上扉を前記前開きして前記道路側から見た場合に、前記道路側から操作を行う場合の所定の取扱い内容が表示され、前記上扉を前記後開きして前記監視員通路の路面側から見た場合に、前記監視員通路の路面側から操作を行う場合の所定の取扱い内容が表示されるように構成されたことを特徴とする消火器箱。
【請求項3】
請求項2記載の消火器箱であって、
更に、道路側となる前記筐体の前面に設けた前面開口を開閉自在に配置された前扉を備え、
前記表示板は、更に前記筐体、前記上扉、及び前記前扉のうち何れか一つ又は複数の所定位置に設けられたことを特徴とする消火器箱。
【請求項4】
開閉自在な扉を備えた筐体内に消火器が収納された消火器箱であって、
前記筐体及び又は前記扉の所定位置に、所定の異なる方向から見た場合に、当該方向に応じて相互に異なる表示内容が表示される表示板が設けられ、
前記表示板は、消火器箱の所定の取扱い内容を分割して、分割された前記所定の取り扱い内容の各々を、前記相互に異なる表示内容として表示する表示板を含むことを特徴とする消火器箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉自在な扉を備えた筐体内に消火器が収納された消火器箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高速道路や自動車専用道などのトンネルには、トンネル内で発生する火災事故から人身及び車両を守るため、非常用設備が設置されている。
【0003】
このような非常用設備としては、火災の監視と通報のため火災検知器、手動通報装置及び非常電話が設けられ、また火災の消火や延焼防止のために消火栓装置及び消火器箱が設けられ、更にトンネル躯体を火災から防護するために水噴霧ヘッドから消火用水を散水させる水噴霧設備などが設置され、非常用設備の設備機器を監視センターに設けられた防災受信盤からの伝送回線に接続して監視制御が行われている。
【0004】
例えば消火栓装置は、トンネル内に設けた監視員通路に面した側壁に沿って50メートル間隔で設置され、開放自在な消火栓扉を備えた筐体(消火栓収納箱)に、先端にノズルを装着したホースとバルブ類が収納されている。
【0005】
また、消火器箱は、消火栓装置と一体に設けられるか、あるいは消火器箱単独で設けられ、トンネル内に設けた監視員通路に面した側壁に沿って例えば50メートル間隔で設置されている。
【0006】
監視員通路は路面に対し1メートル程度高くした側壁通路として設けられており、トンネル内の車両通行を妨げることなく且つ安全にトンネル内に設置している消火器箱を含む各種の機器の点検を行うことを可能としている。
【0007】
火災を伴う車両事故が発生した場合には、事故車両の運転者等の利用者は、消火栓装置の消火栓扉を開いてノズル付きホースを引き出して消火作業を行うか、或いは、消火器箱の消火器扉を開いて消火器を取出して消火作業を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2008-055024号公報
【文献】特開2009-285126号公報
【文献】特開2014-83344号公報
【文献】特開2003-290379号公報
【文献】特開2001-9053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、トンネル内に設置された消火栓装置や消火器箱の外部には、「消火栓」、「泡消火栓」、「消火器」といった機器名称を表記した銘板、「SOS」と表記された発信機を示す銘板が設けられ、また、筐体内部には、機器の操作方法を示した操作銘板等が設けられ、車両事故に伴う火災が発生した場合に、いち早く知らせることを可能とし、また、迅速そして的確に消火活動を可能としている。
【0010】
このような従来の消火栓装置や消火器箱に設けられた銘板にあっては、操作者が消火栓装置や消火器箱にほぼ正面で正対したときに、判別できる大きさで、確実に識別でき、また判読して操作できる指示を示している。
【0011】
しかしながら、従来の銘板は、一方向から見ることしか想定しておらず、消火栓装置や消火器箱に対し操作者が左右前後のいずれの方向から来るかは配慮されておらず、また、設置高さ、道路利用者の身長、立ち位置等、様々なパターンが考えられ、これに対し従来の銘板は常に見やすいということができない場合もあり、消火栓装置及び消火器箱の銘板として必要な機能を十分に達成できていない場合もある。
【0012】
本発明は、操作者が使用する場合に想定される様々なパターンに対し銘板を常に見やすくして、銘板の識別と判読による対処が迅速且つ的確に行うことを可能とする消火器箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(消火器箱)
本発明は、所定の複数の向きに開閉自在な扉を備えた筐体内に消火器が収納された消火器箱であって、
所定の異なる方向から見た場合に当該方向に応じて相互に異なる表示内容が表示される表示板が、扉を開放させる向きによって異なる表示内容が表示されるように扉の裏面に設けられたことを特徴とする。
【0014】
(監視員通路に埋込設置された消火器箱の筐体)
筐体は、トンネル壁面に沿った監視員通路に埋込み設置され、
扉は、監視員通路面の路面側となる筐体の上面に設けた上面開口を道路側からトンネル壁面側に向かって開放する前開き及びトンネル壁面側から道路側に向かって開放する後開きに開放可能に配置された上扉であり、
上扉の裏面に設けられた表示板は、上扉を前開きして道路側から見た場合に、道路側から操作を行う場合の所定の取扱い内容が表示され、上扉を後開きして監視員通路の路面側から見た場合に、監視員通路の路面側から操作を行う場合の所定の取扱い内容が表示されるように構成される。
【0015】
(上扉及び前扉を備える消火器箱の筐体)
更に、道路側となる筐体の前面に設けた前面開口を開閉自在に配置された前扉を備え、
表示板は、更に筐体、上扉、及び前扉のうち何れか一つ又は複数の所定位置に設けられる。
【0016】
(機器取扱い内容の分割表示)
本発明は、開閉自在な扉を備えた筐体内に消火器が収納された消火器箱であって、
筐体及び又は扉の所定位置に、所定の異なる方向から見た場合に、当該方向に応じて相互に異なる表示内容が表示される表示板が設けられ、
表示板は、消火器箱の所定の取扱い内容を分割して、分割された所定の取り扱い内容の各々を、相互に異なる表示内容として表示する表示板を含む。
【発明の効果】
【0017】
(消火器箱の基本的な効果)
本発明は、開閉自在な扉を備えた筐体内に消火器が収納された消火器箱であって、所定の異なる方向から見た場合に当該方向に応じて相互に異なる表示内容が表示される表示板が、扉を開放させる向きによって異なる表示内容が表示されるように扉の裏面に設けられたため、消火器箱の筐体に対し異なる方向から見た場合に、異なった表示板の内容を見せることができ、操作者の近づく方向、身長、立ち位置、消火器箱の設置場所といった様々な状況に対し、表示板を常に見やすくして、表示板の識別と判読による対処が迅速且つ的確に行われることを可能とする。
【0018】
(監視員通路に埋込設置された消火器箱の筐体の効果)
また、筐体は、トンネル壁面に沿った監視員通路に埋込み設置され、扉は、監視員通路面の路面側となる筐体の上面に設けた上面開口を道路側からトンネル壁面側に向かって開放する前開き及びトンネル壁面側から道路側に向かって開放する後開きに開放可能に配置された上扉であり、上扉の裏面に設けられた表示板は、上扉を前開きして道路側から見た場合に、道路側から操作を行う場合の所定の取扱い内容が表示され、上扉を後開きして監視員通路の路面側から見た場合に、監視員通路の路面側から操作を行う場合の所定の取扱い内容が表示されるように構成されたため、従来の銘板では、上扉の前開きに対し上扉を後開きすると銘板が上下逆さまになって判読しづらくなるが、本特徴を持つ表示板が上扉の裏面に設けられたことで、上扉の前開きと後開きに対応した向きで取扱い内容が表示でき、また、操作場所の相違に対応した異なった操作内容を、スペースを大きく取ることなく個別に表示させることができる。
【0019】
(上扉及び前扉を備える消火器箱の筐体の効果)
また、更に、道路側となる筐体の前面に設けた前面開口を開閉自在に配置された前扉を備え、表示板は、更に筐体、上扉、及び前扉のうち何れか一つ又は複数の所定位置に設けられたため、消火器箱を操作者が道路側から操作する場合と監視員通路の路側から操作する場合の各々に対応して設けられた筐体、上扉及び前扉のうち何れか一つ又は複数の表示板により、操作者の近づく方向、身長、立ち位置、消火器箱の設置場所といった様々な状況に対し、表示板を常に見やすくして、表示板の識別と判読による対処が迅速且つ的確に行われることを可能とする。
【0020】
(機器取扱い内容の分割表示による効果)
また、開閉自在な扉を備えた筐体内に消火器が収納された消火器箱であって、筐体及び又は扉の所定位置に、所定の異なる方向から見た場合に、当該方向に応じて相互に異なる表示内容が表示される表示板が設けられ、表示板は、消火器箱の所定の取扱い内容を分割して、分割された所定の取り扱い内容の各々、を相互に異なる表示内容として表示する表示板を含むため、見る方向の相違により、取扱い内容を分割表示することで、一枚に表示していた従来の銘板に対し、機器の取扱い内容を、より詳しく示すことを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】シールドトンネル内に設置した消火栓設備を含むトンネル非常用設備を示した説明図
図2】消火栓収納箱及び消火器箱の外観を示した説明図
図3】消火栓収納箱及び消火器箱を道路側から操作する場合の前扉をスライド開放すると共に上扉を前開きした状態を示した説明図
図4】消火栓収納箱及び消火器箱を監視員通路側から操作する場合の上扉を後開きした状態を示した説明図
図5】消火栓収納箱及び消火器箱を左方向から見た場合のレンチキュラー表示板による機器名称の表示を示した説明図
図6】消火栓収納箱及び消火器箱を右方向から見た場合のレンチキュラー表示板による機器名称の表示を示した説明図
図7】レンチキュラー表示板の構造を示した説明図
図8】消火栓収納箱を道路側から操作して上扉を前開きした場合に見える上扉裏面に設けたレンチキュラー表示板による取扱い説明を示した説明図
図9】消火栓収納箱を監視員通路側から操作して上扉を後開きした場合に見える上扉裏面に設けたレンチキュラー表示板による取扱い説明を示した説明図
図10】異なる方向から見た場合に、異なった言語による機器名称が見えるように構成されたレンチキュラー表示板の実施形態を示した説明図
図11】異なる方向から見た場合に、機器名称と非難誘導の指示内容が見えるように構成されたレンチキュラー表示板の実施形態を示した説明図
図12】異なる方向から見た場合に、取扱い説明が分割して見えるように構成されたレンチキュラー表示板の実施形態を従来の表示板と対比して示した説明図
【発明を実施するための形態】
【0022】
[トンネル非常用設備の概要]
図1は自動車専用道路のトンネル内に設置された消火栓収納箱と消火器箱を含むトンネル非常用設備を示した説明図である。図1に示すように、シールド工法により構築されたトンネル10内は円筒形のトンネル壁面12により覆われ、床版17により仕切られることで道路15が設けられており、この例にあっては、道路15は1方向2車線としている。
【0023】
床版17で仕切られた道路15の左側のトンネル壁面12に沿って監視員通路14が設けられ、監視員通路14の下側の内部空間はダクト22として利用され、電線管等が敷設される。監視員通路14は例えば高さが90センチメートル、横幅が70センチメートルといった大きさをもつ。
【0024】
道路15が形成された床版17の下側はトンネル横方向に複数の区画に仕切られており、例えば、監視員通路14の下に位置する区画は、管理用通路18として使用され、また、管理用通路18はトンネル内での火災発生時には、緊急避難通路として使用される。管理用通路18には給水本管19が敷設されている。
【0025】
トンネル10の長手方向の50メートルおきには、消火栓設備16が設置され、消火栓設備16はホースが収納された消火栓装置の消火栓収納箱20と例えば2本の消火器を収納した消火器箱24が配置され、消火栓装置は消火栓収納箱20に対し放水制御機構収納部21が管理用通路18に分離して設置されている。
【0026】
消火栓収納箱20及び消火器箱24は、監視員通路14の路面及び道路15側の壁面にかけて箱形に刳り貫かれた消火栓埋込部に配置されている。なお、消火栓収納箱20と消火器箱24は分離して配置される場合もあるが、以下の説明は、両者を一体に設けた場合を例にとっている。
【0027】
[消火栓設備]
図2は消火栓収納箱及び消火器箱の外観を示した説明図、図3は消火栓収納箱及び消火器箱を道路側から操作する場合の前扉をスライド開放すると共に上扉を前開きした状態を示した説明図、図4は消火栓収納箱及び消火器箱を監視員通路側から操作する場合の上扉を後開きした状態を示した説明図である。
【0028】
(消火栓収納箱の外観構造)
図2に示すように、消火栓収納箱20は、監視員通路14の路面下の内部空間に埋込み設置されている。消火栓収納箱20は、筐体26の前面中央の下側に固定扉28が設けられ、その上側に前扉30が上下方向にスライド開閉自在に配置されている。
【0029】
また、消火栓収納箱20の監視員通路14の路面側となる上面には、前扉30と同じ横幅の上扉32が配置されている。上扉32は、図3に示す前開きと、図4に示す後開きができる。
【0030】
ここで、上扉32で示す前開きとは、図3に示すように、上扉32の奥行側の後縁部を軸として開閉されることを意味し、また、上扉32の後開きとは、図4に示すように、上扉32の手前の前縁部を軸として開閉されることを意味する。
【0031】
前扉30の表面には、道路15側から見ることのできる機器名称として「泡消火栓」を示す銘板として機能する機器名称用レンチキュラー表示部62が配置され、機器名称用レンチキュラー表示部62は4枚の文字用レンチキュラー表示板62a~62dで構成されている。
【0032】
また、上前扉32の表面には、監視員通路14側から見ることのできる機器名称として同じく「泡消火栓」を示す銘板として機能する機器名称用レンチキュラー表示部64が配置され、機器名称用レンチキュラー表示部64は4枚の文字用レンチキュラー表示板64a~64dで構成されている。
【0033】
機器名称用レンチキュラー表示部62,64に設けられたレンチキュラー表示板は、操作者が左方向から見た場合と右方向から見た場合とで、「泡消火栓」の文字配列が異なって見えるように構成されている。このレンチキュラー表示板による表示の詳細は後の説明で明らかにされる。
【0034】
図2に示すように、通常状態では、消火栓収納箱20の前扉30は閉鎖状態にある上扉32により閉鎖状態に係止されており、利用者が道路15側から操作する場合には、前開きハンドル34を開操作すると、上扉32に対する前扉30の係止が解除され、図3に示すように、前扉30は自重により固定扉28の裏側に落下して消火栓収納箱20の前面扉開口を開放させ、また、上扉32を前開きすることで、消火栓収納箱20の上面扉開口を開放させる。
【0035】
また、利用者が監視員通路14側から操作する場合には、後開きハンドル36を開操作すると、筐体26に対する上扉32の係止が解除され、図4に示すように、上扉32を後開きすることで、消火栓収納箱20の上面扉開口を開放させる。
【0036】
図2に示すように、消火栓収納箱20の前面左側には通報装置パネル40が設けられる。通報装置パネル40には、赤色表示灯42、発信機44、電話ジャック46及び応答ランプ48が設けられている。赤色表示灯42は常時点灯し、消火栓設備の設置場所が遠方から分かるようにしている。火災時には、発信機44を押して押し釦スイッチをオンすると、発信信号が監視室の防災受信機に送信されて火災警報が出され、これに伴い応答信号が防災受信機から送られて、応答ランプ48が点灯され、更に、赤色表示灯42が点滅される。
【0037】
(消火栓収納箱の前扉及び上扉の開閉機構)
図3に示すように、上扉32に設けられた前開きハンドル34の裏側のハンドル本体34aからは、両側に軸部材50が突出されており、軸部材50の先端は、前扉30の裏面に固定された軸受部材52の軸穴に挿入されており、これにより上扉32に前扉30を係止させて閉鎖位置に保持させている。
【0038】
ハンドル本体34aの軸部材50は前開きハンドル34をリフトアップすると内側に引き込まれ、軸受部材52の軸穴から抜けることで前扉30の係止が解除され、前扉30は自重によりスライドしながら固定扉28の裏側に落下して前面上部を開口させる。
【0039】
また、上扉32の前縁内側には軸部材54が扉裏面から浮かせた状態で片持ち支持されており、筐体26側に固定された軸受部材56に対し、上方から着脱自在に配置されている。軸受部材56は上方に開口されたボールキャッチ機構が設けられ、軸部材54を着脱自在に支持する。ここで、ハンドル本体34aの軸部材50と扉裏面両側の軸部材54は同じ軸中心線に配置されており、上扉32を後開きする場合の回転中心となる。
【0040】
また、上扉32の後縁中央に配置された後開きハンドル36の裏側のハンドル本体36aからは、両側に軸部材58が突出されており、軸部材58の先端は、筐体26の背面内面に固定された軸受部材60の軸穴に挿入されており、上扉32の後縁側を筐体26側に係止させて閉鎖位置に保持させている。
【0041】
軸部材58は後開きハンドル36をリフトアップ(開操作)すると、内側に引き込まれ、軸受部材60の軸穴から抜けることで、上扉32の後縁側の係止が解除され、上扉32の前縁側の軸受部材56に支持された軸部材54を中心に、後開きすることができ、これにより上部扉開口を開放させる。
【0042】
(消火器箱の外観構造)
図2に示すように、消火器箱24は、監視員通路14の路面下の内部空間に埋込み設置されている。消火器箱24は、筐体76の前面中央に前扉が設けられ、前扉は、下側に固定扉78が配置され、その上に2枚のスライド扉80a,80bが上下方向にスライド開閉自在に配置されている。
【0043】
また、消火器箱24の監視員通路14の路面側となる上面には、前扉と同じ横幅の上扉82が配置されている。上扉82は、図3に示す前開きと、図4に示す後開きができる。
【0044】
ここで、上扉82で示す前開きとは、図3に示すように、上扉82の奥行側の後縁部を軸として上向き回りに開閉されることを意味し、また、上扉82の後開きとは、図4に示すように、上扉82の手前の前縁部を軸として上向き回りに開閉されることを意味する。
【0045】
スライド扉80bの表面には、道路15側から見ることのできる機器名称として「消火器」を示す銘板として機能する機器名称用レンチキュラー表示部102が配置され、機器名称用レンチキュラー表示部102は3枚の文字用レンチキュラー表示板102a~102cで構成されている。
【0046】
また、上前扉82の表面には、監視員通路14側から見ることのできる機器名称として同じく「消火器」を示す銘板として機能する機器名称用レンチキュラー表示部104が配置され、機器名称用レンチキュラー表示部104は3枚の文字用レンチキュラー表示板104a~104cで構成されている。
【0047】
機器名称用レンチキュラー表示部102,104に設けられたレンチキュラー表示板は、操作者が左方向から見た場合と右方向から見た場合として、「消火器」の文字配列が異なって見えるように構成されている。このレンチキュラー表示板による表示の詳細は後の説明で明らかにされる。
【0048】
図2に示すように、通常状態では、前扉の最上部のスライド扉80aは閉鎖状態にある上扉82により閉鎖状態に係止されており、利用者が道路15側から操作する場合には、前開きハンドル84を開操作すると、上扉82に対するスライド扉80aの係止が解除され、図3に示すように、スライド扉80a,80bは自重により固定扉78の裏側に落下して消火器箱24の前面扉開口を開放させ、また、上扉82を前開きすることで、消火器箱24の上面扉開口を開放させる。
【0049】
前扉の開放は、固定扉78の裏側に2枚のスライド扉80a,80bが落下して開放されるため、固定扉78及びスライド扉80a,80bの高さを同じとすると、前扉の上側の2/3が開放されることとなり、前扉の開口領域を大きくすることで、筐体76内に収納している消火器25の道路15側からの取出しをより行い易くしている。
【0050】
なお、本実施形態では、前扉を固定扉78と2枚のスライド扉80a,80bの合計3枚の扉により3分割しているが、分割数を更に増やすことで、前扉を開放した場合の開口領域を更に大きくして、筐体76内に収納している消火器25の道路15側からの取出しをより行い易くできる。
【0051】
また、利用者が監視員通路14側から操作する場合には、後開きハンドル86を開操作すると、筐体76に対する上扉82の係止が解除され、図4に示すように、上扉82を後開きすることで、消火器箱24の上面扉開口を開放させる。
【0052】
(消火箱の前扉及び上扉の開閉機構)
消火器箱24の前扉及び上扉の開閉機構は、基本的に消火栓収納箱20の場合と同じになる。
【0053】
図3に示すように、上扉82に設けられた前開きハンドル84の裏側のハンドル本体84aからは、両側に軸部材90が突出されており、軸部材90の先端は、スライド扉80aの裏面に固定された軸受部材92の軸穴に挿入されており、これにより上扉82にスライド扉80aを係止させ、スライド扉80aに対しスライド扉80bが吊下げ状態となることで、閉鎖位置に保持させている。
【0054】
ハンドル本体84aの軸部材90は前開きハンドル84をリフトアップすると、内側に引き込まれ、軸受部材92の軸穴から抜けることでスライド扉80aの係止が解除され、スライド扉80a,80bは自重によりスライドしながら固定扉78の裏側に落下して前面上部を開口させる。
【0055】
また、上扉82の前縁内側には軸部材94が扉裏面から浮かせた状態で片持ち支持されており、筐体76側に固定された軸受部材96に対し、上方から着脱自在に配置されている。軸受部材96は上方に開口されたボールキャッチ機構が設けられ、軸部材94を着脱自在に支持する。ここで、ハンドル本体84aの軸部材90と扉裏面両側の軸部材94は同じ軸中心線に配置されており、上扉82を後開きする場合の回転中心となる。
【0056】
また、上扉82の後縁中央に配置された後開きハンドル86の裏側のハンドル本体86aからは、両側に軸部材98が突出されており、軸部材98の先端は、筐体76の背面内面に固定された軸受部材100の軸穴に挿入されており、上扉82の後縁側を筐体76側に係止させて閉鎖位置に保持させている。
【0057】
軸部材98は後開きハンドル86をリフトアップ(開操作)すると、内側に引き込まれ、軸受部材100の軸穴から抜けることで、上扉82の後縁側の係止が解除され、上扉82の前縁側の軸受部材96に支持された軸部材94を中心に、後開きすることができ、これにより上部扉開口を開放させる。
【0058】
[レンチキュラー表示板による機器名称の表示]
図5は消火栓収納箱及び消火器箱を左方向から見た場合のレンチキュラー表示板による機器名称の表示を示した説明図、図6は消火栓収納箱及び消火器箱を右方向から見た場合のレンチキュラー表示板による機器名称の表示を示した説明図である。
【0059】
図5に示すように、消火栓収納箱20の前扉30に設けられた機器名称用レンチキュラー表示部62を視線105aに示すように、操作者が道路15側に立って左方向から見た場合(トンネル走行方向に向かって見た場合)、4枚の文字用レンチキュラー表示板62a~62dにより機器名称である「泡消火栓」の横書き文字列が左から右に向かって横並びに見えるようになる。
【0060】
この点は、消火器箱24のスライド扉80bに設けられた機器名称用レンチキュラー表示部102の3枚の文字用レンチキュラー表示板102a~102cによる機器名称である「消火器」についても同様である。
【0061】
また、消火栓収納箱20の上扉32に設けられた機器名称用レンチキュラー表示部64を視線105bに示すように、操作者が監視員通路14に立って左方向から見た場合(トンネル走行方向に向かって見た場合)、4枚の文字用レンチキュラー表示板64a~64dにより機器名称である「泡消火栓」の横書き文字列が奥行方向から手前に向かって縦並びに見えるようになる。
【0062】
この点は、消火器箱24の上扉82の機器名称用レンチキュラー表示部104の3枚の文字用レンチキュラー表示板104a~104cによる機器名称である「消火器」についても同様である。
【0063】
一方、図6に示すように、消火栓収納箱20の前扉30に設けられた機器名称用レンチキュラー表示部62を視線106aに示すように、操作者が道路15側に立って右方向から見た場合(トンネル走行方向とは逆方向に向かって見た場合)、4枚の文字用レンチキュラー表示板62a~62dにより機器名称である「泡消火栓」の横書き文字列が、図5の場合とは逆に、右から左に向かって横並びに見えるようになる。
【0064】
この点は、消火器箱24のスライド扉80bに設けられた機器名称用レンチキュラー表示部102の3枚の文字用レンチキュラー表示板102a~102cによる機器名称である「消火器」についても同様である。
【0065】
また、消火栓収納箱20の上扉32に設けられた機器名称用レンチキュラー表示部64を視線106bに示すように、操作者が監視員通路14に立って右方向から見た場合(トンネル走行方向とは逆方向に向かって見た場合)、4枚の文字用レンチキュラー表示板64a~64dにより機器名称である「泡消火栓」の横書き文字列が奥行方向から手前に向かって縦並びに見えるようになる。
【0066】
この点は、消火器箱24の上扉82に設けられた機器名称用レンチキュラー表示部104の3枚の文字用レンチキュラー表示板104a~104cによる機器名称である「消火器」についても同様である。
【0067】
このように消火栓収納箱20や消火器箱24に対する操作者の見る方向や立ち位置等に対応して、レンチキュラー表示板により機器名称の見やすい表示が行われ、機器名称を常に見やすくして、銘板の識別と判読による対処が迅速且つ的確に行われることを可能とする。
【0068】
図7はレンチキュラー表示板の構造を示した説明図であり、図7(A)に平面を示し、図7(B)に断面を示す。
【0069】
図7に示すように、レンチキュラー表示板110は、異なる画像や文字を幅の狭いストライプ112,114に分割して交互に並べており、その表面にストライプ112,114をペアとして複数のレンチキュラーレンズ116を配置した薄いシート構造を構成している。
【0070】
このようなレンチキュラー表示板110に対し、図7(B)に示すように、視点118aから見ると、レンチキュラーレンズ116によりストライプ114による画像又は文字が見え、一方、視点118bから見ると、レンチキュラーレンズ116によりストライプ112による画像又は文字が見える。
【0071】
このため図5及び図6に示した消火栓収納箱20の前扉30に配置された文字用レンチキュラー表示板62aを例にとると、左方向から見ると「栓」の文字が見え、右方向から見ると「泡」の文字が見えるようにレンチキュラー表示板が構成されていることになる。
【0072】
[レンチキュラー表示板による取扱い説明の表示]
図8は消火栓収納箱を道路側から操作して上扉を前開きした場合に見える上扉裏面に設けたレンチキュラー表示板による取扱い説明を示した説明図であり、図8(A)に上扉を前開きした消火栓収納箱を示し、図8(B)に前開きした上扉の裏面に設けられたレンチキュラー表示板による取扱い説明を取り出して示す。
【0073】
図8(A)に示すように、操作者が道路15側からの操作により上扉32を前開きし、これに伴い前扉30がスライド落下して開放された場合、上扉32の裏面に設けられた取扱い説明用レンチキュラー表示部120は、視線122aに示すように道路15側から見た場合、図8(B)に示す取扱い説明を見ることができる。
【0074】
図8(B)に示す取扱い説明用レンチキュラー表示部120は、3枚のレンチキュラー表示板124a,126a,128aを横に並べており、レンチキュラー表示板124aには「1 ノズルをはずす」とそのイラストが見え、レンチキュラー表示板126aには「2 レバーを引く」とそのイラストが見え、レンチキュラー表示板128aには「水がでる」とそのイラストが見える。
【0075】
図9は消火栓収納箱を監視員通路側から操作して上扉を後開きした場合に見える上扉裏面に設けたレンチキュラー表示板による取扱い説明を示した説明図であり、図9(A)に上扉を後開きした消火栓収納箱を示し、図9(B)に後開きした上扉の裏面に設けられたレンチキュラー表示板による取扱い説明を取り出して示す。
【0076】
図9(A)に示すように、操作者が監視員通路14側からの操作により上扉32を後開きした場合、上扉32の裏面に設けられた取扱い説明用レンチキュラー表示部120は、視線122bに示すように監視員通路14側から見た場合、図9(B)示す取扱い説明を見ることができる。
【0077】
図9(B)に示す取扱い説明用レンチキュラー表示部120は、レンチキュラー表示板124bには「1 ノズルをはずす」とそのイラストが見え、レンチキュラー表示板126bには「2 レバーを押す」とそのイラストが見え、レンチキュラー表示板128bには「水がでる」とそのイラストが見える。
【0078】
即ち、従来の銘板による取扱い説明の表示であれば、図8の上扉32を前開きした場合に対し、図9のように上扉32を後開きした場合には、表示板による取扱い説明が上下逆となってしまうが、本実施形態では、取扱い説明用レンチキュラー表示部120により、上扉32の前開きと後ろ開きで上下の向きが逆になっても、図8(B)と図9(B)に示したように、両方とも正しく上下配置された同じ取扱い説明を見ることができ、操作場所が相違しても同じ取扱説明を正しい向きに表示させることができる。
【0079】
[レンチキュラー表示板による異なる言語による機器名称の表示]
図10は異なる方向から見た場合に、異なった言語による機器名称が見えるように構成されたレンチキュラー表示板の実施形態を示した説明図であり、図10(A)は日本語による機器名称の表示を示し、図10(B)は英語による機器名称の表示を示す。
【0080】
図10(A)に示すように、機器名称用レンチキュラー表示部130を、視線134aに示すように、左方向から見た場合には日本語による機器名称132aとして「泡消火栓」が見え、一方、図10(B)に示すように、同じ機器名称用レンチキュラー表示部130を、視線134bに示すように、右方向から見た場合には英語による機器名称132bとして「FOAM HYDRANT」が見えるようにレンチキュラー表示板を構成している。このため、機器名称を見る方向により異なった言語で確認することが可能となる。
【0081】
[レンチキュラー表示板による機器名称と避難誘導内容の表示]
図11は異なる方向から見た場合に、機器名称と避難誘導の指示内容が見えるように構成されたレンチキュラー表示板の実施形態を示した説明図であり、
図11(A)は機器名称が見える場合を示し、図11(B)は避難誘導指示が見える場合を示している。
【0082】
図11(A)に示すように、機器名称用レンチキュラー表示部140を、視線144a,144bに示すように、左方向又は右方向から見た場合には機器名称142aとして「泡消火栓」が見え、一方、図11(B)に示すように、同じ機器名称用レンチキュラー表示部140を、視線144cのように正面から見た場合には、避難口の方向を示すヒストグラムとそこまでの距離を示す避難誘導表示142bが見えるようにレンチキュラー表示板を構成している。
【0083】
このため機器名称を示す表示板を、機器名称用レンチキュラー表示部140とすることで、避難誘導に利用することができる。
【0084】
[レンチキュラー表示板による取扱い説明の分割表示]
図12は異なる方向から見た場合に、取扱い説明が分割して見えるように構成されたレンチキュラー表示部の実施形態を従来の表示板と対比して示した説明図であり、図12(A)に従来の取扱い説明用の表示板を示し、図12(B)(C)に左右から見た場合レンチキュラー表示板による取扱い用説明の詳細表示を示す。
【0085】
図12(A)に示すように、図8及び図9に示した上扉の内側に設けられる従来の取扱い説明用表示板200は、表示板202,204,206に分けて、操作方法を示している。
【0086】
これに対し本実施形態の取扱い説明用レンチキュラー表示部150にあっては、図12(B)(C)に示すように、取扱い説明を2つに分けることで、従来の銘板表示に比べ、更に詳しい操作方法を表示可能としている。
【0087】
図12(B)に示す取扱い説明用レンチキュラー表示部150は視線方向162aに示すように左方向から見た場合に見える内容であり、前半の操作方法として、レンチキュラー表示板152に「1 ノズルをはずす」とそのイラストが表示され、レンチキュラー表示板154には「グリップをしっかり握る」といった詳しい操作方法が表示され、レンチキュラー表示板156には「2 レバーを引く」とそのイラストが表示され、レンチキュラー表示板158には「レバーを止まるまで引く」といった更に詳しい操作方法が表示され、更に、レンチキュラー表示板160には、図示の前半の操作方法を見るための視線の方向を表示させている。
【0088】
図12(C)に示す取扱い説明用レンチキュラー表示部150は視線方向162bに示すように右方向から見た場合に見える内容であり、図12(B)に続く後半の操作方法として、レンチキュラー表示板162に「水がでる」とそのイラストが表示され、レンチキュラー表示板164にはノズルを持ったホースの引き出しによる消火操作方法が詳しく示される。
【0089】
更に、レンチキュラー表示板166には、図示の後半の操作方法を見るための視線の方向を表示させている。
【0090】
このような取扱い説明用レンチキュラー表示部150の表示により、見る方向の相違により、取扱い内容を分割表示することで、一枚に表示していた従来の取扱い説明用表示板200に対し、機器を取扱うための操作方法の内容を、より詳しく示すことを可能とする。
【0091】
なお、消火器箱24の上扉82の裏面についても、同様に、消火器の操作方法に対する取扱い説明用レンチキュラー表示部により、操作方法を分割して異なる視線方向から見えるようにレンチキュラーを構成することで、更に、詳しい消火器の操作方法を表示可能とする。
【0092】
[本発明の変形例]
(レンチキュラー表示板)
上記の実施形態は、異なる2方向から見た場合に、同じ内容又は異なる内容を表示させるレンチキュラー表示板を例にとっているが、2方向を超える複数方向から見た場合に、同じ内容又は異なる内容を表示させるレンチキュラー表示板としても良い。
【0093】
(消火栓収納箱と消火器箱)
上記の実施形態は、監視員通路に埋込設置される消火栓収納箱と消火器箱を例にとっているが、監視員通路に沿ったトンネル側壁に埋込み設置されている従来の消火栓装置や消火器箱の表示板についても、同様に、見る方向によって同一内容又は異なった内容を見ることができるレンチキュラー表示部による表示板を設けるようにしても良い。
【0094】
(前扉と上扉の扉開閉機構)
上記の実施形態に示した前扉及び上扉を開閉させる扉開閉機構は一例であり、上扉の前開きに伴い前扉の係止を解除してスライド開放させ、また、前扉を閉鎖位置に保持したまま上扉を後ろ開きさせる機能であれば、適宜の機構が含まれる。
【0095】
(消火器箱の配置)
上記の実施形態は、消火栓収納箱の片側に、2本の消火器を収納する消火器箱を配置した場合を例にとっているが、消火栓収納箱の両側に、消火器1本を収納する消火器箱を設けるようにしても良い。
【0096】
(その他)
また本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0097】
10:トンネル
12:トンネル壁面
14:監視員通路
15:道路
16:消火栓設備
17:床版
18:管理用通路
19:給水本管
20:消火栓収納箱
21:放水制御機構収納部
22:ダクト
24:消火器箱
26,76:筐体
30:前扉
32,82:上扉
34,84:前開きハンドル
34a,36a,84a,86a:ハンドル本体
80a,80b:スライド扉
36,86:後開きハンドル
40:通報装置パネル
50、54,58,90,94,98,:軸部材
52,56,60,92,96,100:軸受部材
62,64,102,104,130,140:機器名称用レンチキュラー表示部
62a~62d,64a~64d,102a~102c,104a~104c:文字用レンチキュラー表示板
150:取扱い説明用レンチキュラー表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12