(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】部分的なライトフィールドディスプレイ構造
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20221221BHJP
G02B 30/26 20200101ALI20221221BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20221221BHJP
G09F 9/302 20060101ALI20221221BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20221221BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20221221BHJP
H04N 13/307 20180101ALI20221221BHJP
H04N 13/324 20180101ALI20221221BHJP
H04N 13/356 20180101ALI20221221BHJP
【FI】
G09F9/30 397
G02B30/26
G09F9/00 361
G09F9/302 Z
G09F9/33
H01L33/00 L
H04N13/307
H04N13/324
H04N13/356
(21)【出願番号】P 2021509956
(86)(22)【出願日】2019-04-24
(86)【国際出願番号】 US2019028921
(87)【国際公開番号】W WO2019209957
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2022-04-21
(32)【優先日】2018-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘ、ガン
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー、リチャード ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ、アンドリュー ビクター
(72)【発明者】
【氏名】ドッド、ジェイムズ リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ジョセフ シャオ-ティエン
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第205539739(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第105929552(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0237973(US,A1)
【文献】特表2016-539381(JP,A)
【文献】特表2014-517336(JP,A)
【文献】特開2012-161067(JP,A)
【文献】特開平07-077748(JP,A)
【文献】特開2013-231933(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105739108(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B27/00-30/60
G09F9/00-9/46
H01L25/00-25/07
25/10-25/11
25/16-25/18
27/32
33/00
33/48-33/64
51/50
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライトフィールドディスプレイであって、
半導体基板と、
前記半導体基板上に支持された複数の画素と、
前記複数の画素に電気的に接続された複数の電子回路を含むバックプレーンと、
前記バックプレーンに通信可能に連結され、プロセッサおよび命令が格納されたメモリを含む画素構成コントローラを備え、
前記複数の画素のそれぞれは、
複数の発光素子と、
第1の光出力および第2の光出力が通ると、前記第1の光出力および前記第2の光出力の伝播方向を変更するように構成された光誘導光学素子を備え、
前記複数の電子回路は、前記複数の画素のそれぞれ内の隣接する発光素子の第1の配列、および隣接する発光素子の前記第1の配列とは異なる、隣接する発光素子の第2の配列を駆動するように構成されており、
前記プロセッサにより前記命令が実行されると、前記プロセッサは、
(i)前記複数の画素のそれぞれ内の隣接する発光素子の前記第1の配列および前記第2の配列を動的に識別し、
(ii)前記複数の画素のそれぞれ内の前記隣接する発光素子のそれぞれを、前記第1の配列および前記第2の配列のうちの一方の一部に構成し、
隣接する発光素子の前記第1の配列は、少なくとも1つの2次元(2D)ビュー
のための前記第1の光出力を生成するように構成されており、
隣接する発光素子の前記第2の配列は、少なくとも1つの3次元(3D)ビュー
のための前記第2の光出力を生成するように構成されており、前記第2の光出力は少なくとも2つの異なる色を含み、
隣接する発光素子の前記第1の配列および前記第2の配列は、前記半導体基板上に一体的に構成されている、ライトフィールドディスプレイ。
【請求項2】
前記第1の配列内の前記発光素子および前記第2の配列内の前記発光素子は、無機発光ダイオード(無機LED)である、請求項1に記載のライトフィールドディスプレイ。
【請求項3】
前記第1の光出力および前記第2の光出力は、少なくとも3つの異なる色の光を含む、請求項1に記載のライトフィールドディスプレイ。
【請求項4】
前記ライトフィールドディスプレイは、第2の3Dビュー
のための第3の光出力を生成するように構成された隣接する発光素子の第3の配列をさらに備え、
隣接する発光素子の前記第1の配列は、隣接する発光素子の前記第2の配列および前記第3の配列を囲んでいる、請求項1に記載のライトフィールドディスプレイ。
【請求項5】
隣接する発光素子の前記第2の配列は、前記複数の画素のうちの少なくとも1つ内に円盤形状の部分を形成している、請求項1に記載のライトフィールドディスプレイ。
【請求項6】
前記発光素子の配列は、正方形、長方形、および六角形のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のライトフィールドディスプレイ。
【請求項7】
複数のライトフィールドビューを生成するディスプレイであって、
複数の画素をその上に支持する第1の基板と、
複数のドライバをその上に支持する第2の基板と、
前記複数の画素のうちの少なくとも1つに光学的に連結された光誘導光学素子と、
前記複数のドライバに通信可能に連結され、プロセッサおよび命令が格納されたメモリを含む画素構成コントローラを備え、
前記複数の画素のうちの少なくとも1つは、前記第1の基板上に一体的に構成された複数の発光素子を含み、
前記複数のドライバのそれぞれは、前記複数の画素のうちの少なくとも1つに電気的に結合されており、
前記複数の発光素子は、
(i)2次元(2D)ビュー
のための複数の第1の光線要素を生成するように構成された隣接する発光素子の第1の配列と、
(ii)ライトフィールドビュー
のための複数の第2の光線要素を生成するように構成された隣接する発光素子の第2の配列を含み、
前記第2の配列は、
(i)第1の色を発する発光素子の第1のグループと、
(ii)第2の色を発する発光素子の第2のグループを含み、
前記複数のドライバの一部は、隣接する発光素子の前記第1の配列および前記第2の配列を制御するように構成され、
前記プロセッサにより前記命令が実行されると、前記プロセッサは、
(i)隣接する発光素子の前記第1の配列および前記第2の配列を動的に識別し、
(ii)前記複数の発光素子のそれぞれを、前記第1の配列および前記第2の配列のうちの一方の一部に構成し、
前記複数の発光素子のそれぞれは、無機発光ダイオードである、ディスプレイ。
【請求項8】
隣接する発光素子の前記第2の配列は、前記複数の画素内において、前記複数の画素のそれぞれの円盤形状の部分を形成しており、
隣接する発光素子の前記第1の配列は、前記第2の配列によって形成された前記円盤形状の部分を囲んでいる、請求項7に記載のディスプレイ。
【請求項9】
複数の画素を支持する第1の基板と、画素構成コントローラを含む複数のドライバを支持する第2の基板と、前記複数の画素のそれぞれに連結された光誘導光学素子を有し、前記複数の画素のそれぞれは、複数の発光素子を有するライトフィールドディスプレイ装置を形成する方法であって、
各画素の(i)隣接する発光素子の第1の配列と、(ii)隣接する発光素子の第2の配列を、動的に識別および構成
することと、
隣接する発光素子の前記第1の配列を用いて、2Dビュー
のための第1の複数の光線要素を生成
することと、
隣接する発光素子の前記第2の配列を用いて、3Dビュー
のための第2の複数の光線要素を生成
することと、
隣接する発光素子の前記第1の配列および前記第2の配列を動的に調整して、前記2Dビュー、前記3Dビュー、および2Dビューと3Dビューの組み合わせのうちの少なくとも1つ
を生成すること
とを含む、方法。
【請求項10】
各画素内で隣接する発光素子の第3の配列を動的に識別および構成
することと、
隣接する発光素子の前記第3の配列を用いて、追加の3Dビュー
のための第3の複数の光線要素を生成すること
とをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の複数の光線要素および前記第2の複数の光線要素を前記画素から遠ざけるように誘導して、前記2Dビュー、前記3Dビュー、および2Dビューと3Dビューの前記組み合わせのうちの少なくとも1つ
を生成することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、「部分的なライトフィールドディスプレイ構造」と題され、2018年4月25日に出願された米国仮特許出願第62/662,633号、および「部分的なライトフィールドディスプレイ構造」と題され、2019年4月23日に出願された米国特許出願第16/391,987号に基づく優先権および利益を主張し、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示の態様は、一般に、ディスプレイ、より具体的には、部分的なライトフィールドディスプレイ構造に関連する。
【0003】
様々なビデオアプリケーションやサービスの出現により、3次元(3D)で画像を提供することができるディスプレイの使用への関心が高まっている。いくつか例を挙げると、ボリュームディスプレイ、ホログラフィックディスプレイ、一体型イメージングディスプレイ、圧縮ライトフィールドディスプレイなど、様々なタイプのディスプレイがある。既存のディスプレイ技術には、視聴者に提供されるビューの制限、様々なビューを提供するために必要な機器の複雑さ、あるいはディスプレイの作成に関連するコストなど、いくつかの制限があり得る。
【0004】
しかしながら、ライトフィールドまたはライトフィールドディスプレイは、様々な場所に複数のビューを提供して視聴者に奥行きまたは3Dを認識できるように構成されたフラットディスプレイであるため、より優れたいくつかのオプションを提供する。ライトフィールドディスプレイは、従来のディスプレイよりも2~3桁高い解像度で、多数の発光素子を必要とする場合がある。したがって、発光素子の数とそれらが構成される方法の両方に課題があり、視聴者に可能な限り最高の体験を提供するために必要な超高密度を可能にするために考慮する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
そのような態様の基本的な理解を提供するために、以下に1つまたは複数の態様の簡略化された要約を提示する。この要約は、考えられるすべての態様の広範な概要ではなく、すべての態様の鍵となる要素または重要な要素を特定するものではなく、一部またはすべての態様の範囲を明確にするものでもない。その目的は、後に提示されるより詳細な説明の前置きとして、1つまたは複数の態様のいくつかの概念を簡略化された形式で提示することである。
【0006】
本開示で使用される場合、サブラクセルという用語は、単色の光を生成する発光素子、および赤、緑、青色の光を生成する発光素子を含む発光素子を指すことがある。ラクセルという用語は、サブラクセル(例えば、隣接または近傍に配置されたサブラクセル)のグループまたは割り当てを指すことがある。また、スーパーラクセルまたは画素という用語は、様々なラクセルに組織化され、グループ化され、または他の方法で割り当てられた発光素子の配列または配置を指すことがある。
【0007】
本開示の一態様では、ライトフィールドディスプレイは、複数の画素(例えば、スーパーラクセル)を含み、各画素は、発光素子の第1のセットを有する第1の部分を含む。前記第1の部分は、前記ライトフィールドディスプレイによって提供される、少なくとも1つの2次元(2D)ビューに寄与する光出力を生成するように構成される。画素はまた、ライトフィールド画素と呼ばれることもある。各画素はまた、前記ライトフィールドディスプレイによって提供される少なくとも1つの3次元(3D)ビューに寄与する光出力を生成する発光素子(例えば、サブラクセル)の第2のセットを有する第2の部分を含む。前記ライトフィールドディスプレイはまた、各画素内の発光素子の前記第1のセットおよび発光素子の前記第2のセットを駆動するように構成された電子的手段を含む。前記ライトフィールドディスプレイはまた、前記第1の部分および前記第2の部分を動的に識別し、それに応じて発光素子を割り当てることができる。発光素子の別個のグループ(例えば、ラクセル)は、画素(例えば、スーパーラクセル)をなすように構成されてもよく、ライトフィールドディスプレイの指向性解像度は、グループの数に基づいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付の図面は、いくつかの実施形態を例示しているに過ぎず、したがって範囲を限定するものとは見なされない。
【0009】
【
図1A】
図1Aは、本開示の態様によるライトフィールドディスプレイ用の画素の例を示す。
【0010】
【
図1B】
図1Bは、本開示の態様によるライトフィールドディスプレイ用の画素の他の例を示す。
【0011】
【
図2】
図2は、本開示の態様による画素内の発光素子の例を示す。
【0012】
【
図3】
図3は、本開示の態様による複数の画素を有するライトフィールドディスプレイの例を示す。
【0013】
【
図4】
図4は、本開示の態様による複数の画素を有するライトフィールドディスプレイの他の例を示す。
【0014】
【
図5】
図5は、本開示の態様による複数の画素および光検出素子を有するライトフィールドディスプレイおよびカメラの例を示す。
【0015】
【
図6A】
図6Aは、本開示の態様によるライトフィールドディスプレイの一部の断面図の例を示す。
【0016】
【
図6B】
図6Bは、本開示の態様によるライトフィールドディスプレイの一部の断面図の他の例を示す。
【0017】
【
図7A】
図7Aは、本開示の態様によるライトフィールドディスプレイの構成の一例を示す。
【0018】
【
図7B】
図7Bは、本開示の態様によるライトフィールドディスプレイの構成の他の例を示す。
【0019】
【
図8A】
図8Aは、本開示の態様による画素内の発光素子の配列の例を示す。
【0020】
【
図8B】
図8Bは、本開示の態様による副画素を備えた画素の例を示す。
【0021】
【
図9A】
図9Aは、本開示の態様によるフルライトフィールドビューを備えたライトフィールドディスプレイ画素の例を示す。
【0022】
【
図9B】
図9Bは、本開示の態様による中央にライトフィールドビューを有するライトフィールドディスプレイ画素の例を示す。
【0023】
【
図9C】
図9Cは、本開示の態様による中央に水平方向のビューを有するライトフィールドディスプレイ画素の例を示す。
【0024】
【
図9D】
図9Dは、本開示の態様による特定の場所にライトフィールドビューを有するライトフィールドディスプレイ画素の例を示す。
【0025】
【
図9E】
図9Eは、本開示の態様による2つの左右の目の向きを有するライトフィールドディスプレイ画素の例を示す。
【0026】
【
図9F】
図9Fは、本開示の態様による連続的な左右の目の向きを有するライトフィールドディスプレイ画素の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
添付の図面に関連して以下に記載する詳細な説明は、様々な構成の説明として意図されており、本明細書に記載の概念が実施され得る唯一の構成を表すことを意図するものではない。詳細な説明には、さまざまな概念の十分な理解を目的として具体的な詳細が含まれている。しかしながら、これらの概念がその具体的な詳細がなくとも実施され得ることは当業者には明らかであろう。場合によっては、そのような概念の不明瞭化を避けるために、周知の構成要素はブロック図の形式で示される。
【0028】
図1Aは、ライトフィールドディスプレイ用の画素の例を説明する模式
図100aを示しており、例えば、マルチビューディスプレイとも呼ばれる。ライトフィールドディスプレイ(例えば、
図3乃至
図5のライトフィールドディスプレイ310を参照)は、配列、格子、または他のタイプの順序付けられた配置で構成され得る複数の画素(例えば、
図3乃至
図5の画素320を参照)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数の画素が同じ半導体基板上に一体的に構成されてもよい。すなわち、複数の画素は、同じまたは異なる材料の1つまたは複数の層から製造され、構築され、および/または形成され得る。この1つまたは複数の層は、単一の連続した半導体基板上に配置され、形成され、および/または成長されたものである。半導体基板に関連する材料および他の態様に関する追加の詳細を以下に示す。本開示では、「画素」という用語と「スーパーラクセル」という用語は、ライトフィールドディスプレイ内の同様の構造単位を説明するために交換可能に使用することがある。場合によっては、「画素」はピクセルと呼ばれることもあるが、従来のディスプレイで使用されているピクセルとは異なる。
【0029】
単一の画素は、多くの発光素子125を含み得る。上記のように、ピクセルが一般に光を放出する個別の要素を識別するという点で、画素は、従来のディスプレイのピクセルとは異なる(例えば、無指向性の方法であるランベルチアン放出)。一方、画素は、複数の発光素子125を含み、本質的に指向性を有し得る光出力を生成または発生するように、それら発光素子125自体が組織化され、構成される。これらの光出力(例えば、光線要素)は、複数の異なるライトフィールドビューの形成に寄与し、これら複数の異なるライトフィールドビューは、ライトフィールドディスプレイから離れた異なる場所または位置にいる視聴者に対してライトフィールドディスプレイによって提供される。一例では、ライトフィールドディスプレイから離れた各特定の場所または位置は、ライトフィールドディスプレイによって提供されるライトフィールドビューに関連付けられてもよい。画素内の発光素子125の配置および特性に関する追加の態様を以下により詳細に説明し、ライトフィールドディスプレイ内の画素と従来のディスプレイ内のピクセルとの違いをさらに明確化する。
【0030】
画素は、
図1Aに示されるように、対応する光誘導光学素子115を有してもよい。光誘導光学素子115は、複数の発光素子125によって生成された(例えば、放出された)異なる光線要素105を誘導または方向付けをするように構成することができる。一態様では、異なる光線要素105は、1つまたは複数の発光素子125によって生成された光出力の異なる方向に対応し得る。この点に関して、画素またはライトフィールドディスプレイの方向分解能は、サポートされる多くの光出力方向に対応し得る。さらに、ライトフィールドディスプレイによって提供されるライトフィールドビューは、ライトフィールドディスプレイから離れた特定の場所または位置で視聴者によって受信される様々な光出力からの寄与によって生成される。光誘導光学素子115は、画素の一部と見なすことができる。すなわち、光誘導光学素子115は、画素の不可欠な構成要素である。光誘導光学素子115は、そのそれぞれの画素の発光素子125に対して整列され、物理的に連結または結合され得る。いくつかの実施形態では、光誘導光学素子115とそのそれぞれの画素の複数の発光素子125との間に配置された1つまたは複数の層または材料(例えば、光学的に透明な層または材料)があってもよい。
【0031】
一例では、光誘導光学素子115は、
図1Aに示されるように、マイクロレンズまたは小型レンズ(レンズレット)であってもよい。光誘導光学素子115は、光線要素105(例えば、異なるライトフィールドビュー)を適切な方向に誘導または方向付けをするように構成することができる。光誘導光学素子115は、単一の光学構造(例えば、単一のマイクロレンズまたは小型レンズ)を含むことができる。または、光誘導光学素子115は、複数の光学構造を含むように構成または形成することができる。例えば、光誘導光学素子115は、少なくとも1つのマイクロレンズ、少なくとも1つの回折格子、または両方の組み合わせを有してもよい。他の例では、光誘導光学素子115は、組み合わされて適切な光誘導効果を生み出す光学部品(例えば、マイクロレンズおよび/または回折格子)の複数の層を有してもよい。例えば、光誘導光学素子115は、第1のマイクロレンズ、および第1のマイクロレンズ上に積み重ねられた第2のマイクロレンズを有してもよく、第1のマイクロレンズは第1の層に関連付けられ、第2のマイクロレンズは第2の層に関連付けられる。異なる例では、いずれかまたは両方の層で、回折格子、または回折格子とマイクロレンズの組み合わせを使用してもよい。光誘導光学素子115の構造、したがって、その中に構築または形成されたマイクロレンズおよび/または回折格子の配置および特性は、光線要素105の適切な誘導または方向付けを生じさせることを目的としている。
【0032】
発光素子125には、異なるタイプのデバイスを使用することができる。一例では、発光素子125は、1つまたは複数の半導体材料で作製された発光ダイオード(LED)であってもよい。LEDは無機LEDであってもよい。ライトフィールドディスプレイに必要な高密度を実現するために、LEDは、例えば、マイクロLED(マイクロLED、mLED、またはμLEDとも呼ばれる)にしてもよい。これにより、液晶ディスプレイ(LCD)技術や有機LED(OLED)技術などの他のディスプレイ技術よりも、輝度やエネルギー効率などのパフォーマンスを向上させることができる。「発光素子」、「発光体」、または「エミッタ」という用語は、本開示において交換可能に使用することがあり、マイクロLEDを指すために使用することがある。さらに、これらの用語のいずれも、ライトフィールドディスプレイ内の同様の構造単位を説明するために、「サブラクセル」という用語と交換可能に使用することがある。
【0033】
画素の複数の発光素子125は、同一の半導体基板上に一体的に構成することができる。すなわち、複数の発光素子125は、同じまたは異なる材料の1つまたは複数の層から製造され、構成され、および/または形成され得る。この1つまたは複数の層は、単一の連続半導体基板上に配置、形成、および/または成長させられたものである。半導体基板は、1つまたは複数のGaN、GaAs、Al2O3、Si、SiC、Ga2O3、それらの合金、またはそれらの誘導体を含み得る。それらの部分においては、同じ半導体基板上に一体的に構成された複数の発光素子125は、少なくとも部分的に、AlN、GaN、InN、AlAs、GaAs、InAs、AlP、GaP、InP、それらの合金、またはそれらの誘導体のうちの1つまたは複数で作製され得る。いくつかの実施形態では、それぞれの発光素子125は、上記の1つまたは複数の材料で作製された量子井戸活性領域を含むことができる。
【0034】
複数の発光素子125は、異なる色の光を提供するための異なるタイプの発光素子または発光デバイスを含むことができる。これにより、ライトフィールドディスプレイは、視聴者が特定の色域または範囲を視覚的に利用できるようにする。一例では、複数の発光素子125は、緑色(G)光を生成する第1のタイプの発光素子、赤色(R)光を生成する第2のタイプの発光素子、および青色(B)光を生成する第3のタイプの発光素子を含んでもよい。他の例では、複数の発光素子125は、オプションとして、白色(W)光を生成する第4のタイプの発光素子を含んでもよい。他の例では、単一の発光素子125は、異なる色の光を生成するように構成され得る。さらに、ディスプレイ内の複数の発光素子125によって生成される光は、ディスプレイ上で利用可能な色の全範囲、すなわち、ディスプレイの色域を有効にする。ディスプレイの色域は、構成する各カラーソース(赤、緑、青からなるカラーソースなど)の波長と線幅の関数である。
【0035】
一実施形態では、光の異なるタイプの色は、発光素子内の1つまたは複数の材料(例えば、半導体材料)の組成を変えることによって実現することができ、あるいは、異なる構造(例えば、異なるサイズの量子ドット)を発光素子の一部として、または発光素子に関連して使用することによって実現することができる。例えば、画素の発光素子125がLEDである場合、画像内のLEDの第1のセットは、インジウム(In)の第1の組成物を有するInGaNの少なくとも一部で作製されてもよい。LEDの第2のセットは、Inの第1の組成とは異なるInの第2の組成を有するInGaNの少なくとも一部で作製されてもよい。LEDの第3のセットは、Inの第1および第2の組成とは異なるInの第3の組成を有するInGaNの少なくとも一部で作製されてもよい。
【0036】
他の実施形態では、光の異なるタイプの色は、同じまたは類似の色の光を生成する複数の発光素子に異なる色変換器(例えば、色ダウンコンバータ)を適用することによって実現することができる。一実施形態では、複数の発光素子125のいくつかまたはすべては、それぞれの色変換媒体(例えば、色変換材料または材料の組み合わせ)を含んでもよい。例えば、画素内のそれぞれの発光素子125は、青色光を生成するように構成される。複数の発光素子125の第1のセットは、単に青色光を提供し、複数の発光素子125の第2のセットは、青色光をダウンコンバートして(例えば、1つの変換媒体を使用して)緑色光を生成および提供するようにさらに構成される。複数の発光素子125の第3のセットはまた、青色光をダウンコンバートして(例えば、別の変換媒体を使用して)、赤色光を生成および提供するようにさらに構成される。
【0037】
画素の複数の発光素子125は、それ自体が配列、格子、または他のタイプで構成され得るか、または画素がライトフィールドディスプレイにおいて異なる配置を使用して構成され得るのと同様に順序付けられた配置に構成され得る。
【0038】
さらに、各画素用に、複数の発光素子125を駆動または動作するための1つまたは複数のドライバ135が存在し得る。ドライバ135は、バックプレーン130の一部である、複数の発光素子125に電気的に結合された電子回路または電子的手段であり得る。ドライバ135は、複数の発光素子125を駆動または動作するために(例えば、発光素子を選択し、設定を制御し、輝度を制御するために)、適切な信号、電圧、および/または電流を提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、1つのドライバ135は、各発光素子125を駆動または動作するために使用され、1対1で対応し得る。他の実施形態では、1つのドライバ135は、複数の発光素子125を駆動または動作するために使用され、1対複数で対応し得る。例えば、ドライバ135は、単一の発光素子125または複数の発光素子125を駆動するように構成されたユニットセルの形態であってもよい。
【0039】
ドライバ135を含むバックプレーン130に加えて、ライトフィールドディスプレイはまた、複数の発光素子125を有する平面120を含むことができる。さらに、ライトフィールドディスプレイはまた、複数の光誘導光学素子115を有する平面110を含むことができる。実装においては、平面110、平面120、およびバックプレーン130のうちの2つ以上を互いに統合または結合して、積み重ねられたまたは3次元(3D)構造を形成してもよい。追加の層、平面、または構造(図示せず)はまた、接続性、相互運用性、接着性、および/または平面間の隔たりを容易にし、または構成するために、積層構造または3D構造の一部であり得る。本開示で使用される場合、「平面」という用語と「層」という用語は交換可能に使用されることがある。
【0040】
図1Bは、ライトフィールドディスプレイ用の画素の他の例を示す模式
図100bを示している。この例では、画素は、光線要素105を提供または放出することができるだけでなく(
図1Bにも示されるように)、光誘導光学素子115を介して光線要素107を受けるように構成することもできる。光線要素105が画素またはライトフィールドディスプレイによって視聴者に提供される様々なビューに寄与する指向性光出力に対応することができるのと同様に、光線要素107は、画素またはライトフィールドディスプレイによって受信される様々なビューに寄与する指向性光入力に対応することができる。
【0041】
図1Bの例では、複数の発光素子125を有する平面120aはまた、光線要素107に関連する光を受信または捕捉するための1つまたは複数の光検出素子127を含んでもよい。1つまたは複数の光検出素子127は、複数の発光素子125に隣接して囲まれた平面120aに配置されてもよい。あるいは、1つまたは複数の光検出素子127は、複数の発光素子125から離れた平面120aに配置されてもよい。「光検出素子」、「光検出器」、「光センサ」または「センサ」は、本開示において交換可能に使用されることがある。
【0042】
いくつかの実施形態では、複数の光検出素子127は、複数の発光素子125と同一の半導体基板上に一体的に構成されてもよい。したがって、光検出素子127は、上述したように、発光素子125が作製された材料と同じ種類の材料から作製されてもよい。あるいは、光検出素子127は、発光素子125を作製するために使用されるものとは異なる材料および/または構造(例えば、シリコン相補型金属酸化膜半導体(CMOS)またはその変形)から作製され得る。
【0043】
さらに、ドライバ135を有する平面130aはまた、光検出素子127に電気的に連結された1つまたは複数の検出器137を含むことができる。この1つまたは複数の検出器137は、光検出素子127を動作させるための適切な信号、電圧、および/または電流を提供するように(例えば、光検出素子を選択、制御設定するために)構成され、光検出素子127によって受信または捕捉される光を表す信号(例えば、アナログ信号またはデジタル信号)を生成するように構成されている。
【0044】
図1Bに示す光誘導光学素子115の構造、つまり、その中に組み込まれるマイクロレンズおよび/または回折格子の位置および特性は、光線要素105を画素から遠ざけるように正しく誘導または方向付けをして、視聴者がライトフィールドビューを知覚するのに必要な様々な寄与を提供すること、および光線要素107を適切な光検出素子127に向かって正しく誘導または方向付けをすることを目的とする。いくつかの実施形態では、光検出素子127は、発光素子125に関連して使用される光誘導光学素子115とは別個の、または追加の光誘導光学素子を使用し得る。そのような場合、光検出素子127のための光誘導光学素子は、光誘導光学素子115を有する平面110に含まれ得る。
【0045】
図1Aおよび
図1Bを参照して説明した異なる画素構造は、画素の複数の発光素子125によって生成される光線要素の制御、配置、および指向性を可能にする。さらに、
図1に示す画素構造は、画素によって受ける光線要素の制御、配置、および指向性を可能にする。
【0046】
図2では、模式
図200は画素内の複数の発光素子125のパターンまたはモザイクの一例を示している。この例では、画素の一部である複数の発光素子125の配列または格子の一部が拡大されて、様々なタイプの発光素子125に使用されることができる異なるパターンまたはモザイクのうちの1つを示す。この例では、3つの異なるタイプの発光素子125、ある色の光を生成する第1のタイプの発光素子125a、別の色の光を生成する第2のタイプの発光素子125b、およびさらに別の色の光を生成する第3のタイプの発光素子125cを示している。これらの光の色は、例えば、赤色光、緑色光、および青色光であってもよい。いくつかの実施形態では、パターンに含まれる、赤色光を生成する発光素子の数は、緑色光または青色光を生成する発光素子の数の2倍であってもよい。他の実施形態では、パターンに含まれる、赤色光を生成する発光素子のサイズは、緑色光または青色光を生成する発光素子の2倍のサイズであってもよい。他の実施形態では、パターンは、例えば、白色光などの第4の色の光を生成する第4のタイプの発光素子125を含むことができる。一般に、1つの色の発光素子の面積は、特定の色域および/または電力効率の必要性を満たすために、他の色の発光素子の面積に対して相対的に変化させることができる。
図2を参照して説明されたパターンおよび色は、限定するものではなく例示として提供されている。広範囲のパターンおよび/または色は、(例えば、ディスプレイにおいて特定の色域を可能にするために)画素の発光素子125に利用可能であり得る。別の態様では、(任意の色の)追加の発光素子は特定のパターンで使用され、冗長性を提供することができる。
【0047】
図2に示す模式
図200はまた、同一の半導体基板上に一体的に構成された様々なタイプの発光素子125(例えば、発光素子125a、125b、および125c)を有することを示している。例えば、異なるタイプの発光素子125が異なる材料(または同じ材料の異なるバリエーションまたは組成物)に基づく場合、これらの異なる材料のそれぞれは、異なるタイプの発光素子125が半導体基板と一体的に構成することができるように、半導体基板と互換性がある必要がある。これは、ライトフィールドディスプレイに必要とされる発光素子125の超高密度配列(例えば、RGB発光素子の配列)を可能にする。
【0048】
図3に示す模式
図300は、複数の画素またはスーパーラクセル320を有するライトフィールドディスプレイ310を示している。ライトフィールドディスプレイ310は、異なるタイプの用途に使用されてもよく、そのサイズは用途に応じて変化し得る。例えば、ライトフィールドディスプレイ310は、いくつか例を挙げると、時計、近視用アプリケーション、電話、タブレット、ノートパソコン、モニター、テレビ、および看板のディスプレイとして使用される場合、異なるサイズを有してもよい。したがって、用途に応じて、ライトフィールドディスプレイ310内の画素320は、異なるサイズの配列、格子、または他のタイプの順序付けられた配置で構成され得る。
図3の例に示すように、画素320は、N×Mの配列に構成または配置することができ、Nは配列内の画素の行数であり、Mは配列内の画素の列数である。そのような配列の拡大部分は、ライトフィールドディスプレイ310の右側に示されている。小さなディスプレイの場合、配列サイズの例として、N≧10およびM≧10およびN≧100およびM≧100を挙げることができ、配列内の各画素320は、それ自体が発光素子125の配列または格子を有する。大きなディスプレイの場合、配列サイズの例は、N≧500およびM≧500、N≧1,000およびM≧1,000、N≧5,000およびM≧5,000、N≧10,000およびM≧10,000を挙げることができ、配列内の各画素320は、それ自体が発光素子125の配列または格子を有する。
【0049】
より具体的な例として、従来のディスプレイのピクセルが画素320によって置き換えられる4Kライトフィールドディスプレイの場合、画素320のN×Mの配列は、約830万画素を含む2,160×3,840の配列であってもよい。各画素320内の発光素子125の数に応じて、4Kライトフィールドディスプレイは、対応する従来のディスプレイの解像度よりも1桁または2桁大きい解像度を持つことができる。画素またはスーパーラクセル320が、赤色(R)光、緑色(G)光、および青色(B)光を生成する異なるLEDを発光素子125として含む場合、4Kライトフィールドディスプレイは、一体的に構成されたRGBLEDスーパーラクセルから作られていると言うことができる。
【0050】
対応する光誘導光学素子115(例えば、一体型結像レンズ)を含む、ライトフィールドディスプレイ310内の各画素320は、ディスプレイ解像度によって制限される最小の画素サイズを代表することができる。これに関して、画素320の発光素子125の配列または格子は、その画素に対応する光誘導光学素子115よりも小さくすることができる。しかしながら、実際には、画素320の発光素子125の配列または格子のサイズは、対応する光誘導光学素子115のサイズ(例えば、マイクロレンズまたは小型レンズの直径)と同様であってもよく、これは、画素320間のピッチ330と同様または同じである。
【0051】
画素320の発光素子125の配列の拡大図が、模式
図300の右側に示されている。発光素子125の配列は、P×Qの配列とすることができ、Pは配列内の発光素子125の行数であり、Qは配列内の発光素子125の列数である。配列サイズの例として、P≧5およびQ≧5、P≧8およびQ≧8、P≧9およびQ≧9、P≧10およびQ≧10、P≧12およびQ≧12、P≧20およびQ≧20、およびP≧25およびQ≧25を挙げることができる。一例では、P×Qの配列は、81個の発光素子またはサブラクセル125を含む9×9の配列である。画素320のための発光素子125の配列は、正方形または長方形の形状に限定される必要はなく、六角形または他の形状に基づいてもよい。
【0052】
各画素320において、配列内の発光素子125は、別個の明確に区別される発光素子125のグループ(例えば、
図6A、
図6B、および
図8Aの発光素子610のグループを参照)を含むことができる。これら発光素子125は、空間的および角度的近接性に基づいて割り当てられ、またはグループ化され(例えば、論理的にグループ化される)、ライトフィールドディスプレイ310によって視聴者に提供されるライトフィールドビューの生成に寄与する異なる光出力(例えば、指向性光出力)を生成するように構成される。サブラクセルまたは発光素子のラクセルへのグループ化は、一意である必要はない。例えば、組み立て中または製造中に、表示エクスペリエンスを最適化する特定のラクセルへのサブラクセルのマッピングが存在してもよい。同様の再マッピングは、一度配置されたディスプレイによって、例えば、異なる色の発光素子の経年変化および/または光誘導光学素子の経年変化を含む、ディスプレイの様々な部品または要素の経年変化を考慮して、実行され得る。本開示では、「発光素子のグループ」という用語と「ラクセル」という用語は、ライトフィールドディスプレイ内の同様の構造単位を説明するために交換可能に使用されることがある。発光素子またはラクセルの様々なグループの寄与によって生成されるライトフィールドビューは、連続的または非連続的なビューとして視聴者によって知覚され得る。
【0053】
発光素子125の配列内の発光素子125の各グループは、少なくとも3つの異なる色の光(例えば、赤色光、緑色光、青色光、あるいはまた、白色光)を生成する複数の発光素子を含む。一例では、これらのグループまたはラクセルのそれぞれは、赤色光を生成する少なくとも1つの発光素子125、緑色光を生成する1つの発光素子125、および青色光を生成する1つの発光素子125を含む。他の例では、これらのグループまたはラクセルのそれぞれは、赤色光を生成する2つの発光素子125、緑色光を生成する1つの発光素子125、および青色光を生成する1つの発光素子125を含む。さらに他の例では、これらのグループまたはラクセルのそれぞれは、赤色光を生成する1つの発光素子125、緑色光を生成する1つの発光素子125、青色光を生成する1つの発光素子125、および白色光を生成する1つの発光素子125を含む。
【0054】
上述した様々な用途(例えば、異なるサイズのライトフィールドディスプレイ)のために、ライトフィールドディスプレイ310に関連して説明された、いくつかの構造単位のサイズまたは寸法は、大幅に変化し得る。例えば、画素320内の発光素子125の配列または格子のサイズ(例えば、配列または格子の直径、幅、または全長)は、約10ミクロンから約1,000ミクロンの範囲内であってもよい。すなわち、画素またはスーパーラクセル320に関連するサイズは、この範囲内にあり得る。本開示で使用される「約」という用語は、その数値通りの値またはその値から1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、または25%以内の変動を示す。
【0055】
他の例では、画素320内の発光素子125の各グループのサイズ(例えば、グループの直径、幅、または全長)は、約1ミクロンから約10ミクロンの範囲内であってもよい。すなわち、発光素子125(例えば、ラクセル610)のグループに関連するサイズは、この範囲内にあり得る。
【0056】
他の例では、画素320内の発光素子125のグループのサイズは、10ミクロンより大きくなり得る。なぜなら、そのようなグループ内の発光素子125のサイズは、10ミクロンにもなり得るからである。
【0057】
さらに他の例では、各発光素子125のサイズ(例えば、発光素子またはサブラクセルの直径、幅、または全長)は、約0.4ミクロンから約4ミクロンの範囲内であってもよい。同様に、各発光素子125のサイズ(例えば、発光素子またはサブラクセルの直径、幅、または全長)は、約1ミクロン未満であり得る。さらに、いくつかの実施形態における各発光素子125のサイズは、10ミクロンにもなり得る。すなわち、発光素子またはサブラクセル125に関連するサイズは、上記の範囲内にあり得る。
【0058】
さらに他の例では、光誘導光学素子115のサイズ(例えば、マイクロレンズまたは小型レンズの直径、幅、または全長)は、約10ミクロンから約1,000ミクロンの範囲内であってもよく、これは、画素またはスーパーラクセルのサイズの範囲と同様である。
【0059】
図4の模式
図400は、対応する光誘導光学素子115を備えた画素320の配列の一部の拡大図を示すライトフィールドディスプレイ310の他の例を示している。ピッチ330は、画素320間の間隔または距離を表すことができ、光誘導光学素子115のサイズ(例えば、マイクロレンズまたは小型レンズのサイズ)であり得る。
【0060】
この例では、
図4のライトフィールドディスプレイ310は、画素またはスーパーラクセル320の2,160×3,840の配列を備えた4Kライトフィールドディスプレイであり得る。このような場合、視聴者まで約1.5メートルまたは約5フィートの距離に対して、光誘導光学素子115のサイズは約0.5ミリメートルにすることができる。このようなサイズは、約1分角/画素の人間の視力と一致してもよい。この例の視聴者の視野(FOV)は、約64度とすることができる。これは、画素によって提供される視野角よりも小さい場合がある(例えば、視野角>FOV)。さらに、この例の4Kライトフィールドディスプレイによって提供される複数のビューは、人間の瞳孔の直径と一致する4ミリメートルの幅を有してもよい。これは、例えば31
2個の発光素子125を有する画素320によって生成される、出力光を誘導する光誘導光学素子115に変換することができる。したがって、この例の4Kライトフィールドディスプレイは、ライトフィールド位相を有する連続視差、またはライトフィールド位相を有する水平視差を提供することができる。
【0061】
ライトフィールドディスプレイ310は、オプションとして、ライトフィールドディスプレイ310内の画素320に使用される構成を選定し、識別し、または他の方法で選択することができる画素構成コントローラ410を含んでもよい。例えば、2Dビュー、3Dビュー、または2Dビューと3Dビューの組み合わせの生成に寄与する光出力の生成を画素がサポートするかどうかに関連する様々なタイプの構成があり得る。画素構成コントローラ410は、特定の構成を識別することができ、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせを使用して、画素320の発光素子を取得し、関連のある特定の構成をサポートする異なる部分または領域にそれらを編成することができる。以下でより詳細に説明される
図9A~9Fでは、画素320内にプログラムされ、または構成することができる、様々な構成のいくつかの例示を提供する。
【0062】
したがって、画素構成コントローラ410は、
図9A~9Fに関連して以下に説明する様々な構成のように、各画素320の第1の部分(例えば、2Dビューを生成するための部分)および第2の部分(例えば、3Dビューを生成するための部分)を動的に識別することができる。次に、画素構成コントローラ410は、識別された第1の部分および第2の部分に基づいて、第1の部分に関連付けられた画素320内の複数の発光素子125の第1のセット、および第2の部分に関連付けられた画素320内の複数の発光素子125の第2のセットを構成することができる。
【0063】
サポートされる各構成には、対応する第1の部分と第2の部分が含まれる。したがって、上述したように第1の部分および第2の部分を識別する場合、第1の部分は、いくつかの可能な構成に基づいていくつかの可能な第1の部分のセットから識別され、第2の部分は、いくつかの可能な構成に基づいていくつかの可能な第2の部分のセットから同様に識別される。
【0064】
画素構成コントローラ410は、命令を備えたメモリ420と、上述した動的識別および構成を実行するために命令を実行するように構成されたプロセッサ415とを含むことができる。画素構成コントローラ410は、プロセッサ415および/またはメモリ420を介して、動的識別および構成を実行するために、ハードウェア手段またはソフトウェア手段の一方または両方を構成することができる。例えば、画素構成コントローラ410は、バックプレーン130内のドライバ135(または駆動に使用されるユニットセル)、ドライバ135を制御する任意のソフトウェア/ファームウェア、および/または上述した動的識別および構成を実行するために、ドライバ135に情報を提供するハードウェア/ソフトウェア(図示せず)を構成および/または制御することができる。そうすることにより、画素構成コントローラ410は、画素320内の複数の発光素子125の第1のセットを、画素320の第1の部分の一部となるように識別し、選定し、および構成することが可能であり、画素320内の複数の発光素子125の第2のセットを、画素320の第2の部分の一部となるように識別し、選定し、および構成することが可能である。
【0065】
図5の模式
図500は、隣接する光検出素子またはセンサ127を使用してライトフィールドキャプチャを実行することによって、カメラとしても動作することができるライトフィールドディスプレイの代替構成を示している。この例では、ライトフィールドディスプレイおよびカメラ310aは、画素320のN×Mの配列を含み、配列の一部は、模式
図500の右側に拡大して示されている。光検出素子127は、例えば、画素320(例えば、光誘導光学素子115)によって使用されるものと同様の一体型の光学素子で組み立てられたシリコンベースのイメージセンサであってもよい。一実施形態では、
図5に示されるように、光検出素子127は、1対1で画素320の近傍または隣接して配置されてもよい(例えば、各表示要素に対して1つのキャプチャ要素)。他の実施形態では、光検出素子127の数は、画素320の数よりも少なくてもよい。
【0066】
一例では、各光検出素子127は、光を捕捉するための複数のサブセンサーを含むことができる。これは、各画素320(例えば、スーパーラクセル)が複数の発光素子125(例えば、複数のサブラクセル)または発光素子125の複数のグループ(例えば、複数のラクセル)を含むことができるのと同じ態様である。
【0067】
図1Bに関連して上述したように、光検出素子127は、発光素子125と同一平面120aに統合することができる。しかしながら、光検出素子127の構成要素の一部またはすべては、バックプレーン130aもまたシリコンベース(例えば、シリコンベースの基板)である可能性が高いため、バックプレーン130aに実装され得る。この場合、光検出素子127の構成要素の少なくともいくつかは、バックプレーン130a内の検出器137と統合されて、検出器137内の回路または電子的手段によって光検出素子127をより効率的に動作させることができる。
【0068】
図6Aの模式
図600aは、本開示で説明される構造単位のいくつかを例示するために、ライトフィールドディスプレイ(例えば、ライトフィールドディスプレイ310)の一部の断面図を示している。例えば、模式
図600aは、3つの隣接する画素またはスーパーラクセル320aを示しており、それぞれは対応する光誘導光学素子115を有する。この例では、光誘導光学素子115は、画素320aとは別個であるとみなすことができるが、他の例では光誘導光学素子115は、画素の一部であるとみなすことができる。
【0069】
図6Aに示されるように、各画素320aは、複数の発光素子125(例えば、複数のサブラクセル)を含み、異なるタイプのいくつかの発光素子125(例えば、いくつかのサブラクセル)は、ライトフィールドディスプレイによって提供される特定のライトビューに関連付けられたグループ610に(例えば、ラクセルの中に)グループ化されてもよい。グループまたはラクセルは、中央の画素320a内の最も右側のグループまたはラクセルによって示されるように、特定の光線要素105に寄与する様々な成分(
図6B参照)を生成することができる。異なる画素内の異なるグループまたはラクセルによって生成された光線要素105は、ライトフィールドディスプレイから離れた視聴者によって知覚されるビューに寄与することができることを理解されるであろう。
【0070】
図6Aに記載されている追加の構造単位は、画素320aと同じタイプの(例えば、同じ色の光を生成する)発光素子125のグループを表す副画素620の概念である。副画素620に関連する追加の詳細は、
図8B、
図9B、および
図9Cに関連して以下に説明される。
【0071】
図6Bの模式
図600bは、ライトフィールドディスプレイ(例えば、ライトフィールドディスプレイ310)の一部の他の断面図を示しており、それぞれが対応する光誘導光学素子115を有する、3つの隣接する画素またはスーパーラクセル320aによって生成される光線要素の変化する空間方向性を示す。この例では、最も左側にある画素320a内の発光素子125のグループは、光線要素105a(例えば、光出力)を生成し、ここで、光線要素105aは、発光素子125のグループによって生成または発生した光線要素成分630(例えば、光出力副成分)の組み合わせである。例えば、発光素子125のグループが3つの発光素子125を含む場合、これらのそれぞれは、光線要素105aの成分(例えば、異なる色の光成分)を生成し、または発生させてもよい。光線要素105aは、ある指定された空間方向性を有し、これは、複数の角度に基づいて(例えば、2つまたは3つの角度に基づいて)定義することができる。
【0072】
同様に、中央の画素320a内の発光素子125のグループは、光線要素105b(例えば、光出力)を生成し、ここで、光線要素105bは、発光素子125のグループによって生成または発生した光線要素成分630の組み合わせである。光線要素105bは、複数の角度に基づいて定義することもできる光線要素105aのうちの1つとは異なる、ある指定された空間方向性を有する。同じことが、最も右側にある画素320a内の発光素子125のグループによって生成された光線要素105cにも当てはまる。
【0073】
次の図は、ライトフィールドディスプレイ(例えば、ライトフィールドディスプレイ310)の異なる構成を説明している。
図7Aでは、模式
図700aは、ライトフィールドディスプレイの第1の構成またはアプローチを示している。ラクセル配列の画素配列と呼ぶことができるこの構成では、ライトフィールド310内の様々な画素320bによって放出される光線要素105を組み合わせることによって、異なるライトフィールドビュー(例えば、ビューA、ビューB)が提供され得る。この例では、光誘導光学素子115は、画素320bの一部であるとみなすことができる。各画素320bにおいて、発光素子125のグループの配列または格子710(例えば、ラクセルの配列または格子)があり、これらのグループのそれぞれは、少なくとも1つの成分を有する光出力を生成する(
図6B参照)。この光出力は、ライトフィールドディスプレイ310からのある場所または位置で視聴者によって知覚されるビューを構成または形成するための寄与として、ライトフィールドディスプレイ310によって提供される。例えば、画素320bのそれぞれにおいて、ビューAに寄与する配列710内の少なくとも1つのグループまたはラクセルが存在し、およびビューBに寄与する配列710内の少なくとも他のグループまたはラクセルが存在する。場合によっては、ライトフィールドディスプレイ310に対する視聴者の場所または位置に依存し、同じグループまたはラクセルは、ビューAおよびビューBの両方に寄与することができる。
【0074】
図7Aのライトフィールドディスプレイ310の一態様では、各画素320bにおいて、画素320bがライトフィールドディスプレイ310内に配置される位置に基づいて、光誘導光学素子115の位置と配列710の位置との間で空間的な(例えば、横方向の)オフセットがあり得る。
【0075】
図7Bでは、模式
図700bは、同様に、光捕捉をサポートするライトフィールドディスプレイの第2の構成またはアプローチを示している。この構成のライトフィールドディスプレイおよびカメラ310aは、
図7Aに示されるライトフィールドディスプレイ310と実質的に同様である。しかしながら、ライトフィールドディスプレイおよびカメラ310aには、光検出素子に沿った発光素子125のグループを有する配列710a内の適切な光検出素子(例えば、センサ127)に光線要素107を誘導し、または方向付けをするためのカメラレンズ725がある。
【0076】
図8Aは、画素320の一実施形態の様々な詳細を説明する模式
図800aを示している。例えば、画素320(例えば、スーパーラクセル)は、それぞれの光誘導光学素子115(破線で示される)を有し、同一の半導体基板上に一体的に構成された複数の発光素子125(例えば、サブラクセル)の配列または格子810を含む。光誘導光学素子115は、配列810と同一または同様のサイズであってもよいし、または図示したように配列810よりわずかに大きくてもよい。本開示の図に示されているサイズのいくつかは、説明の目的で誇張されており、実際のサイズまたは相対的なサイズの正確な表現であるとみなされる必要はないことを理解されたい。
【0077】
配列810内の複数の発光素子125は、異なる色の光を生成するための異なるタイプの複数の発光素子を含み、(例えば、ハードウェアおよび/またはソフトウェアを介して)それぞれが別個のグループ610(例えば、別個のラクセル)に配置され、または構成されており、それぞれが、視聴者によって知覚される1つまたは複数のライトフィールドビューに寄与する異なる光出力(例えば、指向性光出力)を生成する。すなわち、各グループ610は、画素320を含むライトフィールドディスプレイによって視聴者(または複数の視聴者)に提供される、1つまたは複数のビューに寄与するように構成される。
【0078】
図8Aに示されるように、配列810は、2つ以上の画素の隣接または近接した配置を可能にする幾何学的配置を有する。幾何学的配置は、六角形(
図8Aに示される)、正方形、または長方形のいずれかであり得る。
【0079】
図示されていないが、
図8Aの画素320は、画素230内の複数の発光素子125を駆動するように構成された複数の駆動回路を含む、対応する電子的手段(例えば、
図1Aのバックプレーン130内)を有してもよい。
図8Aの例では、電子的手段は、個々のグループおよび/またはグループの一部である複数の発光素子の動作を制御するように構成された複数のユニットセルを含んでもよい。
【0080】
図8Bは、画素320の他の実施形態の様々な詳細を説明する模式
図800bを示している。例えば、
図8Aの画素320(例えば、スーパーラクセル)は、同一の半導体基板上に一体的に構成された複数の副画素620を含む。各副画素620は、それぞれの光誘導光学素子115(破線で示されている)を有し、同じ色の光を生成する複数の発光素子125(例えば、複数のサブラクセル)の配列または格子810aを含む。光誘導光学素子115は、配列810aと同一または同様のサイズであってもよいし、または図示したように配列810aよりわずかに大きくてもよい。画素320において、副画素620のうちの1つの光誘導光学素子115は、その副画素620内の複数の発光素子125によって生成される光の色に対して、指定された色の波長に対する光誘導光学素子の構造を最適化することにより、色収差を最小化するように構成される。色収差を最小限に抑えることで、ライトフィールドビューのシャープネスを向上させ、画素の中心から離れたところにおける倍率の違いを補正できる可能性がある。さらに、光誘導光学素子115は、それぞれの副画素620の配列810aに整列され、結合されている。
【0081】
副画素620の発光素子125は、別々のグループ610(例えば、ラクセル)に配置される。各グループ610は、ライトフィールドディスプレイからある場所または位置で視聴者によって知覚されるビューへの寄与(例えば、光線要素)を提供することができる。一例では、各グループ610は、副画素620のそれぞれからの、まとまって配置された複数の発光素子125(例えば、各副画素内の同じ位置)を含んでもよい。他の例では、各グループ610は、副画素620のそれぞれからの、まとまって配置されていない複数の発光素子125(例えば、各副画素内の異なる位置)を含んでもよい。さらに他の例では、各グループ610は、副画素620のそれぞれからの、まとまって配置された、およびまとまって配置されていない複数の発光素子125の組み合わせを含むことができる。
【0082】
図8Bに示されるように、配列810aは、2つ以上の副画素の隣接する配置を可能にする幾何学的配置を有する。幾何学的配置は、六角形(
図8Bに示される)、正方形、または長方形のいずれかであり得る。
【0083】
図示されていないが、
図8Bの画素320は、画素230内の複数の発光素子125を駆動するように構成された複数の駆動回路を含む、対応する電子的手段(例えば、
図1Aのバックプレーン130内)を有してもよい。いくつかの例では、副画素620のそれぞれのための、1つまたは複数の共通の駆動回路を使用することができる。
図8Bの例では、電子的手段は、個々の副画素および/または副画素の一部である複数の発光素子の動作を制御するように構成された複数のユニットセルを含んでもよい。
【0084】
以下は、ライトフィールドディスプレイなどのディスプレイから、ライトフィールドビューの完全なセットまたはライトフィールドビューの部分的なセットを提供することができる画素(例えば、画素320)の構造の様々な例の説明である。ライトフィールドビューの部分的なセットを提供するライトフィールドディスプレイは、例えば、部分ライトフィールドディスプレイと呼ばれることがある。この点に関して、様々なライトフィールドディスプレイに関連して上述した構成要素は、同様の物理的特性および構造単位(例えば、画素またはスーパーラクセル、発光素子またはサブラクセル、光検出素子、発光素子またはラクセルのグループ、光誘導光学素子)を含む部分ライトフィールドディスプレイに適宜適用することができる。本開示では、「ライトフィールドビュー」および「ビュー」という用語は交換可能に使用することがある。
【0085】
図9Aの模式
図900aは、ライトフィールドビューの完全なセットを提供、またはそれに寄与するように構成された画素320の例を示している。この例では、画素320の領域全体が、複数の発光素子610(または複数のラクセル610)のグループの配列または格子で覆われており、これらのグループのそれぞれが、異なるライトフィールドビューを提供し、または寄与する。
図9Aの複数の画素320が、ライトフィールドディスプレイを構成するために使用される場合、ライトフィールドディスプレイは、画素320内のラクセル610からの寄与に基づいて、ライトフィールドビューの完全なセットを提供することができる。
【0086】
図9Bでは、模式
図900bは、中央のライトフィールドビューを提供、またはそれに寄与するように構成された画素320の例を示している。この例では、画素320の第1または外側の部分、または領域910は、画素320の外辺部の周りに単一の2次元(2D)ビューを提供する。画素320の第2または内側の部分、または領域920は、第1の部分910に囲まれており、画素320の約中央に設置または配置され、画素320の当該部分にライトフィールドビューを提供するように構成される。一実施形態では、約中央に設置または配置されることは、第2の部分920が画素320の中心または中央からオフセット(例えば、横方向にオフセット、鉛直方向にオフセット、またはそれらの組み合わせ)されることを指すことがある。第2の部分920は、複数の発光素子610(または複数のラクセル610)のグループの配列または格子を含み、これらのグループのそれぞれが異なるライトフィールドビューを提供し、または寄与する。
図9Bの複数の画素320が、ライトフィールドディスプレイを構成するために使用される場合、ライトフィールドディスプレイは、画素320内のラクセル610からの寄与に基づいて、外辺部に2Dビューおよび中央にライトフィールドビューを提供することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、第1の部分910は、1つよりも多い(少なくとも1つの)2Dビューを提供するために使用してもよい。すなわち、第1の部分910の全体にわたって異なる2Dビュー(または異なる2Dビューに寄与する光出力)が設けられてもよい。例えば、第1の部分910の左側に2Dビューが設けられ、第1の部分910の右側に異なる2Dビューが設けられてもよい。他の例では、第1の部分910の右側または左側のいずれか、または両方よりも、第1の部分910の中心または中央に異なる2Dビューが設けられてもよい。以下に説明する他のさまざまな構成についても同様である。
【0087】
図9Cでは、模式
図900cは、中央に水平なライトフィールドビューを提供、またはそれに寄与するように構成された画素320の例を示している。この例では、画素320の第1または外側の部分、または領域910は、画素320の外辺部の周りに単一の2Dビューを提供する。画素320の第2または内側の部分、または領域920は、第1の部分910によって囲まれており、画素320の約中央に設置または配置され、画素320の当該部分に水平なライトフィールドビューを提供するように構成される。一実施形態では、約中央に設置または配置されることは、第2の部分920が、画素320の中心または中央からオフセット(例えば、横方向にオフセット、鉛直方向にオフセット、またはそれらの組み合わせ)されることを指すことがある。第2の部分920は、複数の発光素子610(または複数のラクセル610)のグループの配列または格子を含み、これらのグループのそれぞれが、異なる水平なライトフィールドビューを提供し、または寄与する。図示したように、
図9Cのグループまたはラクセル610は、
図9Bのものとは異なる。なぜならば、
図9Bのラクセル610の構成によって行われるような、水平方向および鉛直方向の両方のビューのサポートとは対照的に、
図9Cのラクセル610の構成は、水平ビューのみをサポートするからである。
図9Cの複数の画素320がライトフィールドディスプレイを構成するために使用される場合、ライトフィールドディスプレイは、画素320内のラクセル610からの寄与に基づいて、外辺部に少なくとも2Dビューを提供し、中央に水平なライトフィールドビューを提供することができる。さらに、
図9Cと同様に、1つよりも多い2Dビューを生成することができ、異なる2Dビューへの寄与は、第1の部分910の異なる領域または範囲によって生成される。
【0088】
図9Dでは、模式
図900dは、指定された場所または位置でライトフィールドビューを提供、またはそれに寄与するように構成された画素320の例を示している。この例では、画素320の第1または外側の部分、または領域910は、概して画素320の外辺部の周りに単一の2Dビューを提供する。画素320の第2または内側の部分、または領域920は、第1の部分910によって囲まれており、画素320の指定されたまたは所定の場所または位置にライトフィールドビューを提供するように構成される。例えば、第2の部分920は、複数の離れたサブ部分930を含むことができ、これらサブ部分930のそれぞれは、画素320の異なる場所または位置にある。
図9Dに示す例では、水平に整列された3つのサブ部分930を有するが、本開示はこれに限定される必要はない。すなわち、サブ部分930の数は、
図9Dに示される数よりも少なくても多くてもよい。さらに、サブ部分930は、異なる方法で整列させることができ(例えば、水平方向に整列させる、鉛直方向に整列させる、またはそれらの組み合わせ)、または全く整列させなくてもよい。
【0089】
第2の部分920のサブ部分930のそれぞれは、複数の発光素子610(または複数のラクセル610)のグループの配列または格子を含み、これらのグループのそれぞれは、異なるライトフィールドビューを提供、またはそれに寄与する。
図9Dの複数の画素320が、ライトフィールドディスプレイを構成するために使用される場合、ライトフィールドディスプレイは、画素320の様々なサブ部分930内に配置されたラクセル610からの寄与に基づいて、外辺部での2Dビューおよび指定された位置でのライトフィールドビューを提供することができる。
【0090】
図9Eでは、模式
図900eは、
図9Aの画素320の他の例を示している。
図9Dにおいて、画素320は、2つの左右の目の向きのサポートを可能にする指定された場所または位置でライトフィールドビューを提供、またはそれに寄与するように構成される。この例では、4つのサブ部分930があり、そのうちの2つは、左右の目の鉛直方向または縦方向の向きを提供するために、画素320の約中心または中央に鉛直方向に整列され、他の2つは、左右の目の水平方向または横方向の向きを提供するために、画素320の約中心または中央に水平方向に整列されている。
図9Eの複数の画素320が、ライトフィールドディスプレイを構成するために使用される場合、ライトフィールドディスプレイは、画素320の様々なサブ部分930内に配置されたラクセル610からの寄与に基づいて、外辺部での2Dビューおよび指定された位置でのライトフィールドビューを提供することができる。提供されるライトフィールドビューは、鉛直方向および水平方向の左右の目の向きのサポートを提供する。
【0091】
図9Fでは、模式
図900fは、任意の左右の目の向きをサポートするためにライトフィールドビューを提供、またはそれに寄与するように構成された画素320の例を示している。この例では、画素320の第1または外側の部分910は、画素320の外辺部の周りに単一の2Dビューを提供する。画素320の第2または内側の部分920は、円盤形状を有し、第1の部分910によって囲まれており、画素320の約中央に設置または配置され、任意の左右の目の向きをサポートするライトフィールドビューを提供するように構成される。一実施形態では、約中央に設置または配置されることは、第2の部分920が、画素320の中心または中央からオフセット(例えば、横方向にオフセット、鉛直方向にオフセット、またはそれらの組み合わせ)されることを指すことがある。円盤形状の第2の部分920の内部は、第1の部分910の一部であると見なすことができ、したがって、画素320の中央に2Dビューを提供することができる。第2の部分920は、複数の発光素子610(または複数のラクセル610)のグループの配置を含み、これらのグループのそれぞれが、異なる水平なライトフィールドビューを提供、またはそれに寄与する。
図9Fの複数の画素320が、ライトフィールドディスプレイを構成するために使用される場合、ライトフィールドディスプレイは、外辺部および中央/中心に2Dビューを提供し、画素320内のラクセル610からの寄与に基づいて、約中央/中心の円盤形状の部分にライトフィールドビューを提供することができる。
【0092】
図9A~9Fに関連して上述した構成のそれぞれは、
図8Aの模式
図800aに示されるように、画素内の発光素子の配列を使用して実装されてもよい。または、
図8Bの
図800bに示されるような副画素を備えた画素を使用して実装されてもよい。すなわち、発光素子125および/または発光素子125のグループまたはラクセル610は、
図8Aまたは
図8Bを参照して説明したように配置、構成、および制御(例えば、アドレス指定)することができる。
【0093】
図8Aに示される配置に関する一例では、少なくとも1つの2Dビューを提供するために使用される画素320の部分において、赤色光を生成する発光素子、緑色光を生成する発光素子、および青色光を生成する発光素子が存在し、この部分の各発光素子および/または発光素子の各グループは、電子的手段のそれぞれの回路によって個別に制御されてもよい。少なくとも1つの3Dビューを提供するために使用される画素320の部分においてもまた、赤色光を生成する発光素子、緑色光を生成する発光素子、および青色光を生成する発光素子が存在し、この部分の各発光素子および/または発光素子の各グループは、電子的手段のそれぞれの回路によって個別に制御されてもよい。
【0094】
図8Bに示される配置に関する他の例では、少なくとも1つの2Dビューを提供するために使用される画素320の部分において、赤色光を生成する発光素子、緑色光を生成する発光素子、および青色光を生成する発光素子が存在し、同じ色(またはそのサブセット)の光を生成する発光素子は、電子的手段のそれぞれの回路によって制御されてもよい。一実施形態では、この部分の特定の色(またはそのサブセット)の発光素子は、単一の発光素子として効果的に動作することができる。少なくとも1つの3Dビューを提供するために使用される画素320の部分においてもまた、赤色光を生成する発光素子、緑色光を生成する発光素子、および青色光を生成する発光素子が存在し、同じ色(またはそのサブセット)の光を生成する発光素子は、電子的手段のそれぞれの回路によって制御されてもよい。
【0095】
さらに他の態様では、
図9A~9Fを参照して説明したような様々な構成に関して記載されている画素320は、ライトフィールドディスプレイから離れた視聴者に1つまたは複数の2Dビューを提供することに寄与する光出力を生成する部分または領域を有するように構成されてもよい。これに関して、画素320は、2Dビューを暗くする、または消すために、適切な発光素子125および/または発光素子のグループ(例えば、ラクセル610)の光出力特性(例えば、照明レベル)を制御するようにさらに構成されてもよい。2Dビューを暗くする、または消すことで、例えば、3Dビューと比較して2Dビューの強調を解除し、および/または電力を節約することができる。
【0096】
本開示は、示された実施形態に従って提供されたが、当業者は、実施形態に変形があり得ること、およびそれらの変形が本開示の範囲内にあることを容易に認識するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、当業者によって多くの修正が行われてもよい。