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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-20
(45)【発行日】2022-12-28
(54)【発明の名称】流量制御弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 1/34 20060101AFI20221221BHJP
【FI】
F16K1/34 E
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021518754
(86)(22)【出願日】2019-12-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 CN2019127810
(87)【国際公開番号】W WO2020135396
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-04-05
(31)【優先権主張番号】201811619295.5
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514239545
【氏名又は名称】浙江三花制冷集団有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】呂 銘
【審査官】笹岡 友陽
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-529921(JP,A)
【文献】特開2014-088888(JP,A)
【文献】実開昭56-018462(JP,U)
【文献】特開2016-040477(JP,A)
【文献】独国特許発明第680682(DE,C1)
【文献】米国特許第2414908(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 1/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁ボディ部材と、弁座部材と弁体部材とを有する流量制御弁であって、前記弁ボディ部材は前記弁座部材に固定接続され、前記弁体部材は前記流量制御弁の弁室に設けられ、前記弁座部材は密封リングと、第1環状突出部と、第2環状突出部とを有し、前記弁体部材は弁体を有し、前記弁体は略円環状の下段部を有し、
前記弁体が前記密封リングに当接された場合、前記下段部の下端部は前記第1環状突出部と前記第2環状突出部との間にあり、前記第1環状突出部は、前記下端部の外側にあるとともに、前記下端部と係合できる第1内壁部を有し、前記第2環状突出部は、前記下端部の内側にあるとともに、前記下端部と係合できる第1外壁部を有し、前記弁体が前記密封リングに当接された場合、前記第1内壁部の最小内径をD、前記第1外壁部の最大外径をD、前記下端部の最小内径をD、前記下端部の最大外径をDとして定義すると、D-D<2mm、D-D<2mmになる流量制御弁。
【請求項2】
前記弁体はさらに略円環状の本体部を有し、前記下段部は前記本体部の下方に設けられ、前記下段部の外径が前記本体部の外径より大きく、前記下段部の内径が前記本体部の内径より大きく、前記下段部の内径が前記本体部の外径より小さいことを特徴とする請求項1に記載の流量制御弁。
【請求項3】
前記弁座部材はさらに弁座体と、内部ブッシュと外部ブッシュとを有し、前記弁座体は軸方向貫通孔を有し、前記内部ブッシュが少なくとも部分的に前記軸方向貫通孔に設けられ、前記密封リングと前記外部ブッシュとが前記内部ブッシュの外側と前記弁座体との間に設けられ、前記外部ブッシュが前記第1環状突出部を含み、前記内部ブッシュが前記第2環状突出部を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の流量制御弁。
【請求項4】
前記弁座体が前記外部ブッシュにかしめ圧着され固定され、前記外部ブッシュは前記密封リングに当接される基部と、前記基部の上方に設けられる拡径部とを備え、前記拡径部の内径が前記基部の内径より大きく、前記基部が前記第1内壁部を有し、前記下段部が前記密封リングに当接された場合、前記下段部の外壁と前記拡径部の内壁との間には導流空間が形成され、前記導流空間の通流面積が前記密封リングから離れた方向に大きくなるように配置されることを特徴とする請求項3に記載の流量制御弁。
【請求項5】
前記内部ブッシュの軸方向での、密封リングより高くなる部分を前記第2環状突出部とし、前記第2環状突出部の外壁は軸方向に沿って配置される等径部と、前記等径部の上方にある縮径部とを有し、前記縮径部の外径が前記等径部の外径より小さく、前記等径部の外壁が前記第1外壁部を含むことを特徴とする請求項3に記載の流量制御弁。
【請求項6】
前記弁座体は段階面が上向く第1上段階部を有し、前記密封リングは前記第1上段階部に設けられ、前記外部ブッシュは前記密封リングの上側に設けられ、前記内部ブッシュは段階面が下向く内部ブッシュ段階部を有し、前記密封リングの内壁は段階面が上向く密封リング段階部を有し、前記密封リング段階部が前記内部ブッシュ段階部に当接されることを特徴とする請求項3に記載の流量制御弁。
【請求項7】
前記弁座体は段階面が上向く第2上段階部を有し、前記第2上段階部の段階壁の内径が前記第1上段階部の段階壁の内径より大きく、前記外部ブッシュの一部が前記第2上段階部に設けられることを特徴とする請求項6に記載の流量制御弁。
【請求項8】
前記弁座部材はさらに弁座体と外部ブッシュとを有し、前記弁座体は軸方向貫通孔と環状凹溝と、前記第2環状突出部とを含み、前記密封リングは前記凹溝に設けられ、前記外部ブッシュは前記第2環状突出部の外側に設けられるとともに、前記密封リングの上側にあり、前記外部ブッシュが前記第1環状突出部を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の流量制御弁。
【請求項9】
前記弁体はさらに、一端が前記本体部に接続され、他端が前記下段部に接続される遷移部を有し、前記遷移部の内壁と外壁とはいずれも、上が小さく、下が大きい錐面状を呈することを特徴とする請求項2に記載の流量制御弁。
【請求項10】
前記内部ブッシュは溝口を有し、前記弁体は前記溝口と協同して前記流量制御弁の流量を調節することを特徴とする請求項3に記載の流量制御弁。
【請求項11】
前記第2環状突出部は溝口を有し、前記弁体は前記溝口と協同して前記流量制御弁の流量を調節することを特徴とする請求項8に記載の流量制御弁。
【請求項12】
前記弁ボディ部材は第1流体ポートを有し、前記弁座部材は第2流体ポートを有し、前記弁室は前記弁体部材の上方にある上室を有し、前記弁体部材はバランス流路を有し、前記弁体が前記密封リングに当接された場合、前記上室は前記第1流体ポートに連通していなく、前記上室は前記バランス流路を介して前記第2流体ポートに連通することを特徴とする請求項1または2に記載の流量制御弁。
【請求項13】
前記弁体部材はさらに上筒体と、前記上筒体及び前記弁体に固定接続される接続部材とを有し、前記上筒体は第1キャビティを有し、前記上筒体の上端は第1軸方向貫通孔を有し、前記接続部材は第2軸方向貫通孔を有し、前記弁体は第2キャビティを有し、前記バランス流路は前記第2キャビティと、前記第2軸方向貫通孔と、前記第1キャビティと、前記第1軸方向貫通孔とを含むことを特徴とする請求項12に記載の流量制御弁。
【請求項14】
さらに、略円筒状のガイドスリーブを有するガイド部材を備え、前記ガイドスリーブが前記弁ボディ部材に固定接続され、前記弁体部材は上筒体を有し、前記上筒体の外壁と前記ガイドスリーブの内壁とは、隙間摺動嵌めるように係合しており、前記弁体は略円筒状を呈し、前記上筒体の外径が前記弁体の外径より大きく、密封部材は前記ガイドスリーブの内壁と前記本体部の外壁との間に設けられ、前記本体部の外壁と前記密封部材との接触部位は密封リング線として形成されることを特徴とする請求項12に記載の流量制御弁。
【請求項15】
前記密封リングはプラスチック材質であり、前記下段部の下端の縦断面の輪郭が円弧状であり、前記密封リング線の水平方向での投影が、前記下端部の底面に位置できることを特徴とする請求項14に記載の流量制御弁。
【請求項16】
前記密封リングはプラスチック材質であり、前記下段部の下端が円錐台状の構成であり、前記密封リング線の水平方向での投影が、前記下端部の底面に位置できることを特徴とする請求項14に記載の流量制御弁。
【請求項17】
前記弁座部材はさらに弁座体と、内部ブッシュと外部ブッシュとを有し、前記弁座体は軸方向貫通孔と環状凹溝とを有し、前記内部ブッシュが少なくとも部分的に前記軸方向貫通孔に設けられ、前記密封リングは前記凹溝に設けられ、前記外部ブッシュは前記第2環状突出部の外側に設けられるとともに、前記密封リングの上側にあり、前記外部ブッシュが前記第1環状突出部を含み、前記内部ブッシュが前記第2環状突出部を含み、前記弁ボディ部材は第1流体ポートを有し、前記弁座部材は第2流体ポートを有し、前記弁室は前記弁体部材の上方にある上室を有し、前記弁体部材はバランス流路を有し、前記弁体が前記密封リングに当接された場合、前記上室は前記第1流体ポートに連通していなく、前記上室は前記バランス流路を介して前記第2流体ポートに連通することを特徴とする請求項1に記載の流量制御弁。
【請求項18】
前記流量制御弁は電子膨張弁または電磁弁であることを特徴とする請求項1または2、または17に記載の流量制御弁。
【請求項19】
前記弁座体は前記外部ブッシュに溶接固定され、前記外部ブッシュは前記密封リングに当接される基部と、前記基部の上方に設けられる拡径部とを備え、前記拡径部の内径が前記基部の内径より大きく、前記基部が前記第1内壁部を含み、前記下段部が前記密封リングに当接された場合、前記下段部の外壁と前記拡径部の内壁との間は導流空間を形成し、前記導流空間の通流面積が前記密封リングから離れた方向に大きくなるように配置されることを特徴とする請求項3に記載の流量制御弁。
【請求項20】
前記外部ブッシュは前記密封リングに当接される基部と、前記基部の上方に設けられる拡径部とを備え、前記拡径部の内径が前記基部の内径より大きく、前記基部の内壁が前記第1内壁部を含み、前記拡径部の内径が、前記基部から離れるにつれて大きくなるように配置され、前記拡径部の内壁が第1傾斜面を有し、前記下段部が、前記密封リングに当接された状態から、前記第1傾斜面と係合したまで軸方向に沿って上に移動した場合、前記弁体の下段部が前記第1傾斜面と協同して前記流量制御弁の流量を調節することを特徴とする請求項3に記載の流量制御弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2018年12月28日にて、中国特許庁に提出され、出願番号が2018116192955であり、発明名称が「流量制御弁」である中国特許出願の優先権を主張して、その全ての内容は援用されることで、本出願に結合される。
【0002】
本発明は流体制御という技術分野に関わり、特に流量制御弁に関わる。
【背景技術】
【0003】
流量制御弁は冷凍システムの重要な部材とすることができ、その動作過程は一般的に、弁体部材は駆動部材により、弁口部の軸方向に対して移動することで、流量制御弁を開放し、閉じて、または流量制御弁の流量を調節する。流量制御弁の動作の確実性について、当業者がずっと注目して、引き続いて改善している1つの課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、流量制御弁の動作の確実性を改善できる流量制御弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が開示した流量制御弁は、弁ボディ部材と、弁座部材と弁体部材とを備え、前記弁ボディ部材は前記弁座部材に固定接続され、前記弁体部材は前記流量制御弁の弁室に設けられ、前記弁座部材は密封リングと、第1環状突出部と、第2環状突出部とを有し、前記弁体部材は弁体を有し、前記弁体は略円環状の下段部を有し、
前記弁体が前記密封リングに当接された場合、前記下段部の下端部は前記第1環状突出部と前記第2環状突出部との間にあり、前記第1環状突出部は、前記下端部の外側にあるとともに、前記下端部と係合できる第1内壁部を有し、前記第2環状突出部は、前記下端部の内側にあるとともに、前記下端部と係合できる第1外壁部を有し、前記弁体が前記密封リングに当接された場合、前記第1内壁部の最小内径をD、前記第1外壁部の最大外径をD、前記下端部の最小内径をD、前記下端部の最大外径をDとして定義すると、D-D<2mm、D-D<2mmになる。
【0006】
本発明が提供した流量制御弁において、第1内壁部の最小内径はDであり、第1外壁部の最大外径はDであり、下端部の最小内径はDであり、下端部の最大外径はDであれば、D-D<2mm、D-D<2mmになり、流量制御弁の動作の確実性を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明が提供した流量制御弁の第1の実施例の、全開状態での構成模式図である。
図2図1に示される流量制御弁の、弁体が密封リングに当接された場合の構成模式図である。
図3図1に示される流量制御弁の弁座部材の構成模式図である。
図3A図1における弁体の構成模式図である。
図4図1における弁座部材の変形例の構成模式図である。
図5図2のI箇所の部分拡大図である。
図6図2のI箇所の部分拡大図である。
図7図6における弁体の、密封リング線の両側での受力面積の模式図である。
図8図6における弁体が、密封リングから離れたばかりの構成模式図である。
図9A図3AのI箇所の部分拡大図である。
図9B図3AのI箇所の変形例の部分拡大図である。
図10】本発明が提供した、流量制御弁の第2の実施例の構成模式図である。
図11】本発明が提供した、流量制御弁の第3の実施例の構成模式図である。
図12図11のI箇所の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
当業者が本発明の技術案をよりよく理解するために、以下は図面及び具体的な実施形態を結合して、本発明をさらに詳しく説明する。
【0009】
ここで、説明しようとするのは、本明細書において、関わる上及び下などのような方位用語は、部品が明細書の図面に示される位置にある場合、定義され、ただ技術案を明らか且つ便利に表現するためのものである。理解すべきのは、本明細書が採用した方位用語は、本出願が保護を請求する範囲を限定すべきではない。
【0010】
本明細書に記載の「軸方向」は、紙に沿う、上から下へ、または下から上への方向を指し、即ち、弁座部材の軸方向に相当し、本明細書に記載の「径方向」は、軸方向に垂直する方向を指す。 本明細書の「一体」は、2つまたは2つ以上の部品から組み立てられ、または固定されることで形成されていなく、1つの部品から加工形成されることを指す。
【0011】
本明細書において、前記弁の下段部の下端部は、第1環状突出部または第2環状突出部と係合でき、流量制御弁の小開度の場合の流量に影響する部位を指す。
【0012】
図1は本発明が提供した流量制御弁の第1の実施例の、全開状態での構成模式図であり、図2図1に示される流量制御弁の、弁体が密封リングに当接された場合の構成模式図であり、図3図1に示される流量制御弁の弁座部材の構成模式図であり、図3Aに示されるのは、図1における弁体の構成模式図であり、図4図1における弁座部材の変形例の構成模式図であり、図5図2のI箇所の部分拡大図であり、図6図2のI箇所の部分拡大図であり、図7に示されるのは、図6における弁体の、密封リング線の両側での受力面積の模式図であり、図9Aに示されるのは、図3AのI箇所の部分拡大図であり、図9Bに示されるのは、図3AのI箇所の変形例の部分拡大図である。
【0013】
図1図2に示すように、本技術案の流量制御弁は具体的に、弁体部材10と、弁座部材20と、伝動部材30と、弁ボディ部材40と、ガイド部材60とコイル部材70とを有する電子膨張弁であってもよい。弁ボディ部材40は弁座部材20に固定接続され、弁体部材10は流量制御弁の弁室に設けられ、
弁座部材20は密封リング22と、第1環状突出部と、第2環状突出部とを有し、弁体部材10は、略円環状の下段部112を有する弁体11を備え、
弁体11は密封リング22に当接された場合、下段部112の下端部が第1環状突出部と第2環状突出部との間にあり、第1環状突出部は、下端部の外側にあるとともに、下端部と係合できる第1内壁部を有し、第2環状突出部は、下端部の内側にあるとともに、下端部と係合できる第1外壁部を有し、弁体11が密封リング22に当接された場合、第1内壁部の最小内径をD、第1外壁部の最大外径をD、下端部の最小内径をD、下端部の最大外径をDとして定義すると、D-D<2mm、D-D<2mmになる。このように設計すれば、弁体部材10が受けた流体圧力をバランスに近接させ、弁体部材10が受けた圧力差を低減させ、流量制御弁の動作の確実性を改善する。
【0014】
具体的に、
弁ボディ部材40は溶接を介して固定接続される弁本体41と弁カバー42とを有する。コイル部材70は弁カバー42の外周に外嵌され、ホルダー44を介して弁ボディ部材40に固定接続される。弁本体41は略筒状の構成であり、具体的な加工過程で、加圧成形/プレス加工/圧延/押圧成形などの方法を利用して製造されてもよく、加工工程が簡単で、製造効率が高い。弁本体41は第1流体ポート419を有し、第1接続管43は第1流体ポート419に連通し、第1流体ポート419の内壁に溶接固定される。弁カバー42は弁本体41の外壁に溶接固定され、理解できるように、弁カバー42は溶接継手を介して間接的に弁本体41に固定されてもよい。以下の他の部材の溶接手段は、間接的な固定方法を利用してもよく、ここで贅言していない。
【0015】
図1及び図2に示すように、伝動部材30は流量制御弁の弁室に設けられ、伝動部材30は磁気ローター34と、接続片35と、ねじ棒31とねじスリーブ32とを有する。磁気ローター34は弁カバー42内に設けられるとともに、接続片35を介してねじ棒31に固定接続され、ねじ棒31がねじスリーブ32にネジ係合する。
【0016】
本実施例の流量制御弁は、弁体部材10と弁座部材20との協同によって流量制御弁の流量を調節する。図1及び図2に示すように、弁体部材10は上筒体12と、略円環状の弁体11と、上筒体12と弁体11とを接続する接続部材14とを有する。弁体11の下段部112が密封リング22から離れる場合、第1接続管43が第2接続管23に連通する。弁体11の下段部112が密封リング22に当接された場合、第1接続管43が第2接続管23に連通していない。説明しようとするのは、本明細書に記載の「連通していない」または「閉じる」ということは理想の状態を指し、性能原因のため、内部漏れを招致して第1接続管43と第2接続管23とを連通させるという状況を排除していない。上筒体12は第1キャビティ2と、下端面部を上ストッパ部とする曲げ部121とを有する。無論、本明細書の開示内容から理解できるように、上ストッパ部の形成方式はこれに限定されず、例えば、上筒体12に1つの上ストッパ部材を溶接することで、上ストッパ部を形成してもよい。上ストッパ部の内縁には、第1キャビティ2に連通する第1軸方向貫通孔15が形成される。ねじスリーブ32は第1軸方向貫通孔15を貫通するように配置され、ねじスリーブ32の径方向突出部321は第1キャビティ2に設けられ、上筒体12の曲げ部121と係合できる。
【0017】
上筒体12の外径が弁体11の外径より大きく、即ち、上筒体12が弁体11より粗い。接続部材14は略、上が粗く、下が細いという円環状の構成を呈しており、接続部材の上端部が第1キャビティ2に向いて、接続部材の上端部が下ストッパ部143を有する。弁体部材10が密封リング22に当接された場合、ねじスリーブ32の下端が下ストッパ部143と係合でき、ねじスリーブ32が弁体部材10に対して引き続いて下に移動することを制限する。接続部材14の下端が弁体11の第2キャビティ3(即ち、弁体の内室)に向いて、接続部材14は第2軸方向貫通孔4を有し、接続部材14の横断面が円環状を呈する。第2軸方向貫通孔4が第1キャビティ2、第2キャビティ3に連通する。接続部材14は金属切削加工から形成され、上部と、中部と、下部とを有し、上部の外径が中部の外径より大きく、中部の外径が下部の外径より大きい。接続部材14の外壁に、上部と中部とは、段階面が下向く第1位置決め段階部141を形成し、接続部材14の中部と下部とは、段階面が下向く第2位置決め段階部142を形成する。上筒体12の内壁には、段階面が下向く内段階部が設けられ、上筒体12の下端には押下部が設けられ、接続部材14の上端が内段階部に当接された後、押下部を第1位置決め段階部141にかしめ圧着させ、または第1位置決め段階部141に溶接させることで、上筒体12と接続部材14との固定接続を完成させる。弁体11の上端は接続部材14の下部の外周部に外嵌され、接続部材14の第2位置決め段階部142に当接された後、接続部材14の下部に溶接固定される。
【0018】
弁体11は金属材料から引っ張られ成形され、または金属材料によるプレス加工から成形される。加工工程を簡単化するために、さらに、金属材料から一体として引っ張られ成形され、または金属材料によるプレス加工から一体として成形されてもよい。例えば、溶接鋼管のプレス加工、または鋼板から引っ張られ成形されることで、一体として加工形成されてもよい。加工工程が簡単で、コストを節約する。図1図3に示すように、弁座部材20は弁本体41の下開口部に溶接固定された後、流量制御弁は弁室416を有する。弁座部材20は弁座体21と、前記密封リング22と、内部ブッシュ24と外部ブッシュ25とを有する。弁座体21は軸方向貫通孔211と第2流体ポート219とを有し、弁座体21の内壁には、段階面が下向く下段階部212が設けられる。第2接続管23は下段階部212に当接されるように位置決めされ、弁座体21に溶接固定され、第2流体ポート219に連通する。内部ブッシュ24は略円環状を呈して、少なくとも部分的に軸方向貫通孔211に設けられ、内部ブッシュ24は弁座体21に固定接続され(例えば、溶接を介して固定され、または締まり嵌めを介して相対的に固定され)、密封リング22と外部ブッシュ25とは内部ブッシュ24の外側と弁座体21との間に設けられる。外部ブッシュ25は前記第1環状突出部205を有し、内部ブッシュ24は前記第2環状突出部204を有する。このように設計すれば、弁座ユニット20の組立も便利になる。
【0019】
本実施例の流量制御弁は双方向の流通機能を有し、即ち、流体は第1接続管43から流入し、第2接続管23から流出してもよく(本明細書において、正方向と略称される)、第2接続管23から流入し、第1接続管43から流出してもよい(本明細書において、逆方向と略称される)。流体が正方向に流れる場合、動作不良という状況、即ち、弁体11が密封リング22に当接されることができない状況が生じ、特に、流量制御弁が小開度(例えば開弁のパルスが弁全開のパルスの20%以下である)にある場合、閉弁不良の反応がより明らかである。このような状況を改善するために、図5及び図6に示すように、弁体11が密封リング22に当接された場合、下段部112の下端部1120が第1環状突出部205と第2環状突出部204との間にあり、第1環状突出部205が、下端部1120の外側にあるとともに、下端部1120と係合できる第1内壁部2051を有し、第2環状突出部204が、下端部1120の内側にあるとともに、下端部1120と係合できる第1外壁部2040を有しており、第1内壁部2051の最小内径がDであり、第1外壁部の最大内径がDであり、下端部1120の最小内径がDであり、下端部1120の最大外径がDであれば、D-D<2mm、D-D<2mmになる。
【0020】
具体的な設計について、本実施例において、弁座体21の内壁は径方向フランジ213を有し、内部ブッシュ24の下端が軸方向貫通孔211の孔壁に締まり嵌められ、または締まり嵌められた後、さらに溶接固定されることで、内部ブッシュ24の下端の外壁を軸方向貫通孔211の孔壁に略貼合させ、内部ブッシュ24の下端面を径方向フランジ213に当接させる。内部ブッシュ24は軸方向に沿って密封ユニットより高くなり、弁体部材10が密封リング22から離れることで、流量制御弁を開放させるという瞬間、内部ブッシュ24の高くなる部分は、高圧流体の瞬間衝撃を阻止でき、開弁過程を穏やかにする。
【0021】
内部ブッシュ24の軸方向の、密封リング22より高くなる部分を第2環状突出部204とし、第2環状突出部204の外壁は軸方向に、等径部240と、等径部の上方にある縮径部250とを有し、縮径部250の外径が等径部240の外径より小さく、この場合、等径部240の外壁を本実施例の第1外壁部2040とすることで、第1外壁部2040は下段部112の下端部1120と係合できる。弁体部材10が内部ブッシュ24の上方から密封リング22の方向に移動するという過程において、内部ブッシュ24の縮径部240は弁体部材10の弁体11をガイドでき、弁体11と内部ブッシュ24との間の干渉を改善する。また、弁体11が内部ブッシュ24の外周部に移動した場合、内部ブッシュ縮径部240と弁体11との間の空間はさらに、一定の流量調節という作用を果たすことができる。
【0022】
さらなる設計として、内部ブッシュ24はさらに、第2環状突出部204に設けられる溝口241を有し、溝口241の具体的な形状は限定されず、弁体部材10と協同して流量制御弁の流量を調節でき、即ち、第1流体ポート419と第2流体ポート219との間の流量を調節できればよい。例えば、図1に示すように、溝口241は開口が溝口241の底部から、上向きに大きくなる略v字状であってもよいし、斜方向の切込みなどであってもよい。
【0023】
弁座体21には段階面が上向く第1上段階部214が設けられ、密封リング22は、貫通孔を有する、縦方向の断面が「凹」字状である円環状を大体に呈しており、密封リング22は内部ブッシュ24の外周に設けられるとともに、第1上段階部214に配置され、密封リング22の内壁が内部ブッシュ24の外壁に当接される。密封リング22は非金属の軟質材料、例えば、プラスチック材料から製造されてもよく、このように、金属から製造された(本実施例において、鋼板である)弁体部材10との間の密封性能を保証しやすい。
【0024】
さらなる詳しい具体的な設計として、密封リング22は上段部251と下段部222とを有し、上段部251の内径が下段部222の内径より大きいから、密封リング22の内壁には、段階面が上向く密封リング段階部223が形成される。相応的に、内部ブッシュ24は密封リング段階部223と係合する内部ブッシュ段階部242を有し、内部ブッシュ段階部242は具体的に、内部ブッシュ24の外壁に形成され、段階面が下向く。密封リング22の内端に、内部ブッシュ段階部242が密封リング段階部223と係合することで、密封リング22を弁座体21に押圧する。密封リング22の外端で、外部ブッシュ25が密封リング22の上方に設けられ、外部ブッシュ25の外縁直径が密封リング22の外縁直径に略等しく、または密封リング22の外縁直径より大きく、弁座体21の上端がかしめ圧着部215を有し、かしめ圧着部215が具体的に、弁座体21を加工する際、弁座体21の上端に沿って上に延伸することで形成された突起部であり、弁座体21はかしめ圧着部215を介して外部ブッシュ25をかしめ圧着し固定し、または、図4に示すように、理解できるように、弁座体21と外部ブッシュ25とは溶接を介して固定されてもよい。
【0025】
本実施例の流量制御弁において、外部ブッシュ25と内部ブッシュ24とは共同で密封リング22を弁座体21の第1上段階部214に押圧でき、このような構成設計は、密封リング22が弁座体21に対して脱離することを効果的に防止できるだけではなく、さらに、密封リング22の下面と第1上段階部214の段階面との係合をより十分にして、密封リング22の下端面をなるべく第1上段階部214の段階面に貼合させ、流量制御弁を閉じろう場合、流量制御弁の内部漏れの改善に寄与する。さらに、弁座体は段階面が上向く第2上段階部216を有し、第2上段階部216の段階壁の内径が第1上段階部214の段階壁の内径より大きく、外部ブッシュが第2上段階部216に設けられる。このように配置すれば、かしめ圧着部215が外部ブッシュ25をかしめ圧着する過程において、第2上段階部216が、かしめ圧着過程中の、密封リング22に対するほとんどの作用力を受けることができ、かしめ圧着の際の密封リング22に対する変形影響を改善する。
【0026】
図1及び図3に示すように、外部ブッシュ25は基部251と、基部251の上方にある拡径部252とを有し、基部251の内径及び外径がそれぞれ略等径になるように配置され、基部251の内壁は前記第1内壁部2051を形成する。拡径部252の内径は、基部251から離れることにつれて大きくなるように配置され、即ち、拡径部252の内径が基部251の内径より大きく、このような構成は、拡径部252の内壁に第1傾斜面2521を形成し、下段部112が密封リング22に当接された場合、下段部112の外壁と拡径部252の内壁との間に導流空間を形成し、導流空間の流通面積が密封リング22から離れた方向に大きくなるように配置される。弁体11はその下段部112が密封リング22に当接された状態から、その下段部112が第1傾斜面2222と係合したまで軸方向に沿って上に移動した場合、弁体11の下段部112と第1傾斜面2521とが互いに協同して、小開度での流量調節を行うことができる。その有益な効果、流量制御弁の口径が小さい場合、より明らかで、他の調節溝/口などの構成を別に配置する必要がなくなり、構成設計を簡単化する。拡径部252の外壁には、弁座体21のかしめ圧着部215と係合するための、縮径になるように配置される第2傾斜面2522が設けられる。
【0027】
このように、本技術案の弁座部材は、各部品の構成が簡単で、組立が便利で、密封リングの固定が確実であり、さらに、流量制御弁の内部漏れの改善に寄与する。
【0028】
変形例として、図4に示すように、弁座部材20’は弁座体21’と外部ブッシュ25’とを有し、弁座体は軸方向貫通孔と環状凹溝211’とを有し、密封リング22’は環状凹溝211’に設けられ、弁座体21’には直接的に第2環状突出部204’が形成され、即ち、第2環状突出部204’と弁座体21’とは一体として加工形成される。第2環状突出部204’は環状凹溝211’の第1壁部2111’から、略上に延伸し形成される。第2環状突出部204’は第1外壁部2040’を有し、外部ブッシュ25’は密封リング22’の上側に設けられ、外部ブッシュ25’は第1内壁部2051’を有する第1環状突出部205’を備える。該実施例の技術効果及び他の構成は前記実施例と同様であるから、ここで贅言していない。
【0029】
前記構成設計から分かるように、弁体部材10はバランス流路を有する。弁室416は弁体部材10の上方にある上室416Aを有する。弁体11は密封リング22に当接された場合、上室416Aは第1流体ポート419に連通していなく、上室416Aはバランス流路を介して第2流体ポート219に連通する。該バランス流路は弁体11の下開口部と、第2キャビティ3と、接続部材14の第2軸方向貫通孔4と、第1キャビティ2と、上筒体12の第1軸方向貫通孔15とを有する。バランス流路の配置は、弁体部材10が受けた圧力差の低減に寄与する。
【0030】
図1に示すように、弁体部材10はねじスリーブ32に連れて軸方向に移動する過程で、軸方向のずれが生じないように保証するために、弁室416内において、弁体部材10の外周部には、弁体部材10をガイドするためのガイド部材60が設けられ、ガイド部材60は弁本体41の下筒部に溶接固定されるガイドスリーブ61を有する。
【0031】
具体的に配置する場合、ガイドスリーブ61は円環状の構成であり、上筒体12の外壁と隙間摺動嵌めるように係合して、ガイドするためのガイド段と、ガイド段の下方にある装着段とを有する。具体的に、ガイド段の内壁はガイド面として、上筒体12と隙間嵌め、弁体部材10をガイドする。装着段は密封部材63に対して位置制限を行う。密封部材63は弁体11及びガイドスリーブ61と係合する。
【0032】
さらなる設計において、図2図5及び図6に示すように、弁体11は本体部111と、本体部111の下方に設けられる下段部112とを有し、下段部112の外径が本体部111の外径より大きく、下段部112の内径が本体部111の内径より大きく、下段部112の内径が本体部111の外径より小さく、下段部112は密封リング22の上端面と当接または分離できる。下端部1120の横断面方向に、下端部1120の外壁と外部ブッシュ25の第1内壁部2051との間の最小隙間をXとして定義すれば、X=(D-D)になり、下段部112の内壁と内部ブッシュ24の第2外壁部2040との間の最小隙間をXとして定義すれば、X=(D-D)にある。本技術案は加工または動作過程におけるX、またはXが0になる状況を排除しない。
【0033】
本体部111の外壁と密封部材との接触部位は密封リング線として形成され、図1図7図8に示すように、本体部111の外壁Mの、水平方向での投影環状線をN(即ち、密封リング線の、水平方向での投影)として定義し、このように設計すれば、流体は正方向に流れ、弁体11が図8に示される位置にある場合、弁体11が受けた力Fは、投影環状線Nの内側方向にある上向きの力Fと、投影環状線の外側方向にある下向きの力Fとを有する。第1接続管43から弁室416内に流入した流体の単位面積あたりの圧力が高く、以下は高圧領域Pと略称され、単位面積あたりの圧力がCパスカルである。弁体11の第3キャビティ3は常に第2接続管43(即ち、正方向に流れる際の出口接続管)に連通し、単位面積あたりの圧力が低く、以下は低圧領域Pと呼ばれ、単位面積あたりの圧力がAパスカルである。これから分かるように、流量制御弁はシステムに適用される場合、そのCとAとの値は基本的に不変のままである。弁体11の下端と密封リング22との間の区域Pの単位面積あたりの圧力がBパスカルであり、弁体11の投影環状線Nの左側での受力面積はS1であり、弁体11の投影環状線Nの右側での受力面積はSであれば、弁体11の受力F=F+F=(B-A)×S+(C-B)×Sになる。
【0034】
下端部1120の外壁と外部ブッシュ25の第1内壁部2051との間の最小隙間Xが大きすぎると、CとBとの値が略等しくなり、そうすれば、B値が必ずA値より大きく、弁体11が受けた流体圧力差F=(B-A)×S>0になり、受力方向が上向き、即ち、弁体11が流体の上向きの力の作用を受けたから、閉弁動作に不利になる。従って、弁体11の投影環状線Nの両側が受けた流体圧力を略等しくするために、弁体11が受けた流体圧力の合力を0に近接させることで、弁体11が受けた流体圧力のバランスをなるべく実現し、そうすれば、F=F+F=(B-A)×S+(C-B)×Sは0に近接する。流量制御弁を組み立てた後、弁体11の下端部1120の最大外径Dと最小内径Dとのサイズは固定され、相応的に、SとSとのサイズは固定される。システムにおいて、C値とA値とは基本的に不変のままであり、または僅かに変えて、この場合、弁体11の受力Fを0に近接させるために、B値の大きさを調節することで実現する。B値の大きさを調節するために、下端部1120の外壁と外部ブッシュ25の第1内壁部2051との間の最小隙間X(即ち、D-D)の大きさを調節し、両者の間の流通面積を制御することで実現する。内部ブッシュ24と外部ブッシュ25との加工がいずれも完成された後、第1外壁部2040と第1内壁部2051とのサイズが確定され、Xが大きくなると、B値が相対的に大きくなり、Xが相対的に小さくなり、その逆、Xが小さくなると、B値が相応的に小さくなり、Xが相対的に大きくなる。下端部1120の外壁と外部ブッシュ25の第1内壁部2051との間の最小隙間Xが大きいほど、C値に接近したまでに、B値がC値に接近し、B値が大きいほど、流量制御弁の閉弁動作に不利になるから、Xが大きすぎることはできなく、X<2mmであるように制御され、Xが小さすぎることもできなく、Xが小さすぎると、弁体11が下に移動する過程で、外部ブッシュ25が弁体11に干渉する恐れがあるから、X>0.05mmであるようになるべく制御される。同じように、内部ブッシュ24が弁体11に干渉することを避けるために、X>0.05mmであるようになるべく制御される。
【0035】
本実施例の流量制御弁は、前記構成設計により、流体が正方向に流れる場合、弁体11の構成及びサイズを変更しなく、X、Xのサイズを調節することで、弁体11が受けた圧力差を調節でき、弁体11が受けた圧力差を低減させ、弁体11の閉弁の確実性を改善し、流量制御弁の動作性能を向上させる。
【0036】
、Xのサイズを調節しようとすると、下端部1120の内径と外径とのサイズを調整することで実現すればよく、他の部材の構成を変更する必要がなく、実現が便利で、工程面にも制御しやすい。
【0037】
弁体部材10はさらに、一端が本体部111に接続され、他端が下段部112に接続される遷移部113を有し、遷移部113の内壁と遷移部113の外壁とは上が小さく、下が大きい錐面状を呈して、下段部112の加工をより便利にする。
【0038】
密封性能をさらに保証するために、下段部112の底面1121は、図9Aに示すように、縦断面の輪郭が略円弧状を呈して、弁体11の本体部111の外壁の、水平方向での投影環状線N(即ち、密封リング線の水平方向での投影)は、下端部112的の底面1121が位置する環状線略と重なる。本体部111の外壁は下に延長すれば、底面1121の底面が位置する環状線略と重なることに相当し、弁体11が受けた流体の圧力差はなるべく小さくなり、開弁と閉弁との際の動作がより順調になり、実現しやすくなる。
【0039】
代わりの技術案として、図9Bに示すように、下段部112’の底面1121’は、密封リング22の方向に向いて直径が漸減する(即ち、上が大きく、下が小さい)円錐台状の構成である場合、弁体11の本体部111の外壁の、水平方向での投影環状線N(即ち、密封リング線の水平方向での投影)は底面1121’にある。
【0040】
以下は、流体が第1接続管43から流入し、第2接続管23から流出することを例として説明する。コイル部材70の駆動により、磁気ローター34は時計回りに回動してもよく、反時計回りに回動してもよく、このように、ねじスリーブ32を軸方向に沿って移動させる。磁気ローター34が時計回りに回動する際、弁体部材10が密封リング22に向いて移動し、磁気ローター34が反時計回りに回動する際、弁体部材10が密封リング22から離れて移動するように配置されてもよい。流量制御弁は図1に示される全開状態にある場合、弁体部材10は弁体制限部52によって制限されることで、軸方向に沿って引き続いて上に移動することができなく、コイル部材70に通電することで、磁気ローター34を時計回りに回動させ、磁気ローター34の周方向の回動はねじ棒31を介してねじスリーブ32の軸方向の移動に変換され、このように、ねじスリーブ32は弁体部材10を下に移動させ、弁体11を密封リング22に当接させ、即ち、流量制御弁は閉弁の状態にある。流量制御弁の動作過程において、流量制御弁の電気が遮断された後、磁気ローター34のトルクは、ねじ棒31を介してねじスリーブ32及び弁体部材10に伝達することで、弁体部材10の位置を保持する。ただし、流量制御弁の実際の動作において、振動などの原因で、ねじ棒31とねじスリーブ32との伝動のねじスリップを招致し、ねじ棒31がねじスリーブ32及び弁体部材10に伝達されたロック力を無効にさせ、弁を効果的に閉じることができないによる、漏れ問題を招致する恐れがある。
【0041】
該問題を避けるために、ねじスリーブ32はさらに第1キャビティ2内に設けられる下延伸部322を有し、下延伸部322は円環状を呈し、収容室323を有し、収容室323には、一端が弁体部材10に当接され、他端がねじスリーブ32に当接される弾性素子が設けられ、本実施例において、弾性素子は具体的に圧縮ばね33である。流量制御弁内の流体を濾過するために、接続部材14の第2軸方向貫通孔4の箇所にはさらに濾過部材13が装着される。
【0042】
開弁を必要とする場合、コイル部材70に通電することで、磁気ローター34を反時計回りに回動させ、ねじスリーブ32の径方向突出部321が弁体11の上ストッパ部に当接され、このように、弁体部材10の曲げ部121がスリーブ50の弁体制限部52に当接されて、図1に示される弁の全開状態に達したまで、ねじスリーブ32は弁体部材10を軸方向に沿って上に移動させる。
【0043】
図10に示されるのは、本発明が提供した流量制御弁の第2の実施例の構成模式図である。
【0044】
本実施例において、流量制御弁は具体的に電子膨張弁であり、前の実施例との相違点はただ、弁体の具体的な構成が僅かな差を有することにある。図10に示すように、弁体の外径が略等径になるように配置され、即ち、前の実施例における下段部の外径が本体部の外径より大きいという構成ではなく、弁体の下段部と弁体の他の部分との外径が基本的に一致する。本実施例の流量制御弁も本発明の目的を実現でき、弁ボディ部材01Aと、弁座部材02Aと、弁体部材03Aとを有し、弁ボディ部材01が弁座部材02Aに固定接続され、弁体部材03Aが流量制御弁の弁室に設けられて、弁体031Aを有し、弁体031Aが略円環状の下段部0311Aを有し、弁座部材02Aが密封リング04Aと、第1環状突出部06Aと、第2環状突出部05Aとを有し、弁体031Aが密封リング04Aに当接された場合、下段部0311Aの下端部0312Aが第1環状突出部06Aと第2環状突出部05Aとの間にあり、第1環状突出部06Aは下端部0312Aの外側にあるとともに、下端部0312Aと係合できる第1内壁部061Aを有し、第2環状突出部05Aは下端部0312Aの内側にあるとともに、下端部0312Aと係合できる第1外壁部051Aを有し、弁体031Aが密封リング04Aに当接された場合、第1内壁部061Aの最小内径をD、第1外壁部051Aの最大外径をD、下端部0312Aの最小内径をD、下端部0312Aの最大外径をDとして定義すれば、D-D<2mm、D-D<2mmになる。他の構造について、具体的に前の実施例を参照して理解すればよいから、ここで贅言していない。
【0045】
図11に示されるのは、本発明が提供した流量制御弁の第3の実施例の構成模式図であり、図12に示されるのは、図11におけるI箇所の部分拡大図である。本実施例において、流量制御弁は具体的に、電磁コイル(図示せず)と、弁ボディ部材01と、弁座部材02と、弁体部材03とを有する電磁弁であり、弁ボディ部材01が溶接を介して弁座部材02に固定接続され、弁体部材03が流量制御弁の弁室に設けられ、弁座部材02が密封リング04と、第1環状突出部06と、第2環状突出部05とを有し、弁体部材03が弁体031を有し、弁体031が略円環状の下段部0311を有し、弁体031が密封リング04に当接された場合、下段部0311の下端部0312が第1環状突出部06と第2環状突出部05との間にあり、第1環状突出部06が下端部0312の外側にあるとともに、下端部0312と係合できる第1内壁部061を有し、第2環状突出部05が下端部0312の内側にあるとともに、下端部0312と係合できる第1外壁部051を有し、弁体031が密封リング04に当接された場合、第1内壁部061の最小内径をD、第1外壁部051の最大外径をD、下端部0312の最小内径をD、下端部0312の最大外径をDとして定義すれば、D-D<2mm、D-D<2mmになる。弁座部材04の各部品の具体的な細部構成について、実施例1を参照して、設計し及び理解すればよいから、ここで贅言していない。
【0046】
本実施例の電磁弁構成の流量制御弁も、本発明の目的を実現でき、その具体的な原理について、実施例1を参照して理解すればよいから、贅言していなく、弁座部材のうちの各部品の構成は、実施例1と同様であるため、贅言していない。
【0047】
説明しようとするのは、本特許技術案は、前記詳しく説明された電子膨張弁及び電磁弁類の流量制御弁に適用されるだけではなく、本特許技術案の流量制御弁はさらに、流量調節類の比例調節弁、またはスイッチ類の電動制御弁などであってもよい。(説明しようとするのは、本明細書において、第1環状突出部、第2環状突出部とは、弁体が密封リングに当接された場合、密封リングにおける弁体に当接されるための面に対して、軸方向で上向きに突出する部分を指し、第1環状突出部、第2環状突出部の具体的な形成方式を限定していない。
【0048】
以上は本発明が提供した流量制御弁を詳しく紹介した。本明細書において、具体的な例を利用して、本発明の原理及び実施形態を記載し、以上の実施例に対する説明は、ただ本発明の方法及びその核心思想を理解するために用いられる。指摘すべきのは、当業者にとって、本発明の原理から逸脱しない前提で、本発明に対して若干の改良及び修飾を行ってもよく、これらの改良及び修飾も本発明の請求項の保護範囲に該当している。
図1
図2
図3
図3A
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12